JP2008043132A - 機械制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性が低い機械負荷の場合でも、機械負荷に外乱が加わる場合でも、機械負荷を所望に動作させるようにモータを正確に制御する機械制御装置を提供する。
【解決手段】機械制御装置は、外部から入力される指令信号に基づいて、機械負荷の想定した動作を負荷動作信号と同じ次元で表す第1の負荷動作参照信号を出力する負荷動作参照信号生成部と、負荷動作信号が第1の負荷動作参照信号に追従するように機械負荷の低剛性を考慮した演算によりモータ動作参照信号を出力するモータ動作参照信号生成部と、第1の負荷動作参照信号と負荷動作信号の偏差がゼロに近づくように算出する負荷動作補償力信号と、モータ動作参照信号とモータ動作信号の偏差がゼロに近づくように算出するモータ動作補償力信号とを加算するのと同等な演算により駆動力指令を出力する駆動力指令生成部と、を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、産業用ロボットや工作機械など各種産業用機械を駆動する機械制御装置に関するものである。
従来の位置制御を行なう機械制御装置では、位置参照信号とモータ位置との偏差が小さくなるように位置偏差補償器と呼ぶモータ動作補償部により補償を行うとともに、上記の位置参照信号に対して2階微分の関係にある負荷加速度参照信号を生成し、負荷加速度参照信号と、検出した機械負荷の加速度との偏差が小さくなるように、振動抑制補償器と呼ぶ負荷動作補償部により補償を行うことにより、機械負荷の動作の制御を行なっていた(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の速度制御を行なう機械制御装置では、速度指令すなわち速度参照信号と、通常はモータに設置される速度検出手段で検出した検出速度との偏差が小さくなるようにモータ動作の補償を行うとともに、上記の速度参照信号の微分信号を加速度参照信号として生成し、その加速度参照信号と、通常は機械負荷に設置される加速度検出手段で検出した検出加速度との偏差が小さくなるように負荷動作の補償を行うことにより、機械負荷の動作の制御を行なっていた(例えば、特許文献2参照)。
また、モータの動作と別に機械負荷の動作を検出するような負荷動作検出部を備えていない従来の機械制御装置では、位置指令に基づいて機械負荷の理想的な応答である負荷位置参照信号を内部的に生成するとともに、機械負荷の位置が負荷位置参照信号に一致するよう、機械負荷の低剛性を考慮して演算したモータ位置参照信号を生成し、モータ位置参照信号とモータの位置との偏差に基づいて補償を行うことにより、機械負荷が所望の動作を行なうように制御を行なっていた(例えば、特許文献3参照)。
特開昭58−3001号公報 特開2006−158026号公報 特開平10−56790号公報
従来の特許文献1または特許文献2に記載の機械制御装置において、機械負荷の動作に対する参照信号とモータの動作に対する参照信号が、加速度、速度、位置の次元は異なるものの同じ動作を表す信号であったが、機械負荷の剛性が低い場合に機械負荷に所望な動作をさせようとすると、機械負荷とモータとが異なる応答を行なうため、結果的に機械負荷を正確に制御することが困難であるという問題がある。
また、従来の特許文献3に記載の機械制御装置において、機械負荷の動作を所望な応答にするために、機械負荷の低剛性を考慮したモータ位置参照信号を生成し、モータ位置参照信号と検出したモータ位置との偏差が小さくなるよう補償を行っていたが、モータの動作と別に機械負荷の動作を検出して補償を行うことをしていないため、考慮した機械負荷のモデル誤差や、機械負荷に加わる外乱に起因して、制御精度を向上させることが困難であるという問題がある。
この発明の目的は、剛性が低い機械負荷の場合でも、機械負荷に外乱が加わる場合でも、機械負荷を所望に動作させるようにモータを正確に制御する機械制御装置を提供することである。
この発明に係る機械制御装置は、回転または直動するモータに駆動力指令を入力することにより上記モータおよび上記モータに機械的に結合された機械負荷の動作を制御する機械制御装置において、上記モータの動作に伴って変化するモータ位置、モータ速度またはモータ加速度の少なくともいずれか一つを検出しモータ動作信号として出力するモータ動作検出部と、上記機械負荷の動作に伴って変化する負荷位置、負荷速度または負荷加速度の少なくともいずれか一つを検出し負荷動作信号として出力する負荷動作検出部と、外部から入力される指令信号に基づいて、上記機械負荷の想定した動作を上記負荷動作信号と同じ次元で表す第1の負荷動作参照信号を出力する負荷動作参照信号生成部と、上記負荷動作信号が上記第1の負荷動作参照信号に追従するように上記機械負荷の低剛性を考慮した演算によりモータ動作参照信号を出力するモータ動作参照信号生成部と、上記第1の負荷動作参照信号と負荷動作信号の偏差がゼロに近づくように算出する負荷動作補償力信号と、上記モータ動作参照信号と上記モータ動作信号の偏差がゼロに近づくように算出するモータ動作補償力信号とを加算するのと同等な演算により上記駆動力指令を出力する駆動力指令生成部と、を備える。
この発明に係わる機械制御装置の効果は、機械負荷が低剛性な場合でも、機械負荷に外乱が加わる場合でも、モータを正確に制御することにより機械負荷を所望の動作させることができることである。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係わる機械制御装置のブロック図である。
この発明の実施の形態1に係わる機械制御装置は、モータ1と、モータ1に機械的に結合された機械負荷2を制御対象として制御を行う。モータ1は、駆動力指令τに応じた駆動力を発生する。機械負荷2は例えば、モータ1に結合されたボールネジと、ボールネジが回転することにより直線運動を行う直動部とから構成されている。尚、機械要素としてボールネジに限るものではなく、例えばギア、シャフト、アームなどであっても良い。
そして、この発明の実施の形態1に係わる機械制御装置は、モータ1の回転位置または移動位置であるモータ位置を検出し、モータ動作信号としてモータ位置信号pを出力するモータ動作検出部3、モータ1により動作される機械負荷2に設置され、その箇所の動作方向の加速度である負荷加速度を検出し、負荷動作信号として負荷加速度信号aを出力する負荷動作検出部4、このモータ位置信号p、負荷加速度信号aおよび指令信号としての位置指令pcmdが入力され、モータ1に対する駆動力指令τを出力する制御手段10を備える。
制御手段10は、CPU、ROM、RAM、インターフェース回路を有するコンピュータから構成されている。
制御手段10は、指令信号としての位置指令pcmdが入力され、想定した機械負荷2の動作をそれぞれ加速度および位置の次元で表す負荷加速度参照信号alrおよび負荷位置参照信号plrを出力する負荷動作参照信号生成部5、負荷位置参照信号plrが入力され、所定の伝達特性を有する演算によりモータ動作参照信号としてのモータ位置参照信号pmrを出力するモータ動作参照信号生成部6、モータ位置参照信号pmrとモータ位置信号pの差であるモータ位置偏差Δpを算出する減算器11、負荷加速度参照信号alrと負荷加速度信号aの差である負荷加速度偏差Δaを算出する減算器12を有する。
また、制御手段10は、駆動力指令生成部13を有し、駆動力指令生成部13は、モータ位置偏差Δpがゼロに近づくように、例えばPID(比例積分微分)演算によりモータ動作補償力信号τmCを算出するモータ動作補償部7、負荷加速度偏差Δaがゼロに近づくように演算して負荷動作補償力信号τlCを算出する負荷動作補償部8、モータ動作補償力信号τmCと負荷動作補償力信号τlCを加算して駆動力指令τを算出する加算器14を有する。そして、この駆動力指令τは、モータ1に入力される。
負荷動作参照信号生成部5は、機械負荷2の負荷動作検出部4が設置された箇所が正確に追従すべき動作、すなわち機械負荷2の想定した動作を加速度の次元で表す負荷加速度参照信号alrを第1の負荷動作参照信号として、また上記と同じ機械負荷2の想定した動作を位置の次元で表す負荷位置参照信号plrを第2の負荷動作参照信号として出力する。負荷加速度参照信号alrは負荷位置参照信号plrの2階微分の関係にあるものである。
なお、負荷動作参照信号生成部5に位置指令pcmdが与えられると、通常、位置指令pcmdに負荷位置信号pが追従するような動作として機械負荷2を制御するので、位置指令pcmdをそのまま負荷位置参照信号plrとしても良いが、位置指令pcmdが急峻に変化するような高周波数成分を含んでいる場合は、機械負荷2に衝撃を与えないように高周波数成分を除去するような演算を行っても良い。
モータ動作参照信号生成部6は、モータ位置信号pが正確に追従すべき信号をモータ位置参照信号pmrとして出力するものであり、入力される負荷位置参照信号plrに対して、負荷位置参照信号plrの2階微分信号に反共振ゲインを乗じた信号と負荷位置参照信号plrとの加算によりモータ位置参照信号pmrを求める。そして、この反共振ゲインは、駆動力指令τからモータ位置信号pまでの伝達特性における反共振周波数ωの逆数を2乗した値を設定する。
ここでモータ動作参照信号生成部6の機能について詳しく説明する。
もし、機械負荷2におけるモータ1と負荷動作検出部4との間の機械剛性が高い場合、負荷位置参照信号plrと同じ信号をモータ位置参照信号pmrとして出力すれば問題ない。
しかし、機械負荷2におけるモータ1と負荷動作検出部4との間の機械剛性が低い場合、機械負荷2が負荷動作参照信号生成部5で生成した負荷位置参照信号plrおよび負荷加速度参照信号alrに正確に追従するためには、モータ位置参照信号pmrを、機械剛性が低いことに起因した機械負荷2の過渡的変形を考慮して求めることが必要である。
図2は、図示しない機械負荷位置検出部により検出した機械負荷2の負荷位置信号pとモータ動作検出部3により検出したモータ位置信号pが変化する様子を示すグラフである。図3は、図2のようにモータ1を動作したときの駆動力指令τの変化の様子を示すグラフである。
図2に示した負荷位置信号pの位置に機械負荷2を動作させる場合、図2に示したモータ位置信号pの位置にモータ1を動作させる必要がある。また、その場合にモータ1に図3に示した駆動力指令τを入力しなければならない。
したがって、このように低剛性を考慮したモータ位置参照信号pmrを生成しなければ、仮に負荷位置信号pが負荷位置参照信号plrに完全に追従している状態でも、モータ位置参照信号pmrとモータ位置信号pとの間に低剛性に起因した誤差を生じ、その誤差に起因したモータ動作補償力信号τmCが駆動力指令τの中に含まれるので、負荷位置信号pを負荷位置参照信号plrに正確に追従させることができなくなる。
そして、機械剛性が低い場合には、モータ1が発生する駆動力が駆動力指令τに一致すると考えると、駆動力指令τからモータ位置信号pまでの伝達関数および駆動力指令τから負荷位置信号pまでの伝達関数は、2つの慣性がバネで結合された2慣性系としてモデル化されることが知られている。そして、駆動力指令τからモータ位置信号pまでの伝達関数および駆動力指令τから負荷位置信号pまでの伝達関数は、それぞれ式(1)および式(2)で表される。但し、式(1)および式(2)において、Jはモータ1と機械負荷2を併せた可動部全体の慣性、ωは反共振周波数、ωは共振周波数、ζは反共振周波数ωでの減衰係数、ζは共振周波数ωでの減衰係数、sはラプラス演算子である。この減衰係数ζおよび減衰係数ζは摩擦等の粘性で決まる減衰係数であり、通常は相対的に小さい値を持つことが多い。
また、式(1)および式(2)より、駆動力指令τに応じた駆動力でモータ1および機械負荷2を駆動した場合、モータ位置信号pと負荷位置信号pの間に式(3)の関係が成り立つ。
Figure 2008043132
したがって、負荷位置参照信号plrに負荷位置信号pが追従するよう、すなわち第1の負荷動作参照信号である負荷加速度参照信号alrに負荷動作信号である負荷加速度信号aが正確に追従するようにした場合、機械負荷2の低剛性を考慮すると、モータ動作信号であるモータ位置信号pは第2の負荷動作参照信号である負荷位置信号pに対して式(3)の逆特性を持つ必要がある。したがって、モータ動作参照信号生成部6は負荷位置参照信号plrを入力し、モータ位置が正確に追従すべきモータ位置参照信号pmrを、式(4)の伝達関数となる演算を行って出力する。
Figure 2008043132
なお、式(4)は、式(3)の減衰係数ζがその影響が小さいことが多いため、0として無視している。
式(4)の伝達関数の演算は、反共振周波数ωの逆数の2乗を求めて反共振ゲインとし、負荷位置参照信号plrに対して、負荷位置参照信号plrを2階微分した信号に反共振ゲインを乗じた信号と負荷位置参照信号plrとを加算することにより行える。
なお、反共振周波数ωは、例えば、駆動力指令τからモータ位置信号pまでの周波数応答の測定結果から求めることができる。
また、一般に、モータ動作補償部7のゲインを大きくすると制御系が反共振周波数ωで振動するようになることから、制御系の振動周波数を測定することにより決定することもできる。
このような機械制御装置は、負荷動作参照信号生成部5において、想定した機械負荷2の動作を加速度の次元で表す負荷加速度参照信号alrを生成し、モータ動作参照信号生成部6において、負荷加速度信号aが負荷加速度参照信号alrに追従するためにモータ1が追従すべきモータ位置参照信号pmrを機械負荷2の低剛性を考慮した演算により生成し、負荷動作補償部8が負荷加速度参照信号alrと負荷加速度信号aの偏差が小さくなるように制御し、モータ動作補償部7がモータ位置参照信号pmrとモータ位置信号pの偏差が小さくなるように制御するので、機械負荷2の剛性が低い場合でも、機械負荷2に外乱が加わる場合でも、モータ1を正確に制御することにより機械負荷2を所望の動作させることができる。
なお、実施の形態1において、負荷動作検出部4が機械負荷2の負荷加速度を検出しているが、機械負荷2の機械負荷位置を検出する検出器に比べて、動作する機械負荷2に設置することが簡単であるから適用している。
また、このように機械負荷2の負荷加速度を検出すると、機械負荷2の絶対位置を制御することは難しいが、例えば機械負荷2に発生する振動など、過渡的な変動を抑制したい場合には十分に効果的な制御効果を得ることが可能になる。
なお、実施の形態1において、モータ動作参照信号生成部6の動作として式(4)に示したように減衰係数ζを無視しているが、より厳密に動作させる場合はこれを考慮しても良いことは言うまでもない。この場合、式(3)の分母におけるsの1次の係数に対応した数値を減衰ゲインとして設定し、負荷位置参照信号plrに対して、並列に減衰ゲインを乗じた微分演算、反共振ゲインを乗じた2階微分演算を行った結果と、負荷位置参照信号plrとを加算することによりモータ位置参照信号pmrを求める。
また、実施の形態1において、負荷位置信号pとモータ位置信号pとの単位が1対1の関係にあるとして記述したが、例えばギアによる減速や、回転・直動変換などの機構が機械負荷2に含まれている場合は当然ながら単位変換が必要であり、その場合は負荷動作参照信号生成部5またはモータ動作参照信号生成部6において単位変換のゲインを乗じてもよいことは言うまでもない。
また、実施の形態1の説明では、物理モデルを用いた厳密な特性に基づいて説明したが、機械負荷2の動作にあまり関係しない信号の高周波数成分などに対しては、例えばモータ動作参照信号生成部6の演算などにおいて、高周波数成分を除去するフィルタなどが追加されても良いことは言うまでもない。
また、実施の形態1において、モータ動作参照信号生成部6に負荷位置参照信号plrが入力されているが、モータ位置参照信号pmrが負荷位置参照信号plrと式(4)の関係を満たすように構成すればよく、例えばモータ動作参照信号生成部6に位置指令pcmdを入力して直接モータ位置参照信号pmrを求めてもよい。
また、実施の形態1において、負荷動作参照信号生成部5に指令信号としての位置指令pcmdが入力されているが、例えば、指令信号として動作開始のトリガー信号だけを入力し、負荷動作参照信号生成部5において負荷位置参照信号plrを関数発生器により生成してもよい。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2に係わる機械制御装置のブロック図である。
この発明の実施の形態2に係わる機械制御装置は、図4に示すように、実施の形態1に係わる機械制御装置と駆動力指令生成部13Bが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
実施の形態2に係わる駆動力指令生成部13Bは、式(5)に示すように、負荷加速度偏差Δaに対して伝達関数ClP(s)を用いて演算を行い負荷動作補償位置信号plCを算出する負荷動作補償指令生成部9、負荷動作補償位置信号plCとモータ位置偏差Δpを加算する加算器15、式(6)に示すように、モータ位置偏差Δpと負荷動作補償位置信号plCの和に対して伝達関数C(s)を用いて演算を行い駆動力指令τを算出するモータ動作補償部16を有する。なお、モータ位置偏差Δpと負荷動作補償位置信号plCの和に対して演算しているが、それぞれに演算して加算するのと同等である。
Figure 2008043132
ここで用いられる伝達関数ClP(s)およびC(s)は、以下の関係から求められたものである。式(6)に式(5)を代入すると、式(7)が得られる。この式(7)の右辺の第1項は、モータ位置偏差Δpに関する項であり、右辺の第2項は、負荷加速度偏差Δaに関する項である。そして、右辺の第1項のC(s)・Δpが実施の形態1におけるモータ動作補償力信号τmCと等しくなるような伝達関数C(s)を求める。また、右辺の第2項のC(s)・ClP(s)・Δaが実施の形態1における負荷動作補償力信号τlCと等しくなるような伝達関数ClP(s)を求める。
このような伝達関数ClP(s)およびC(s)を用いて演算すると、モータ動作補償部16の出力が、実施の形態1と同様に駆動力指令τとなる。
Figure 2008043132
このような実施の形態2に係わる機械制御装置は、駆動力指令生成部13Bにおいて負荷加速度偏差Δaをゼロに近づける負荷動作補償位置信号plCを求め、その負荷動作補償位置信号plCにモータ位置偏差Δpを加算し、加算した値に対して所定の伝達関数を用いた演算を施すことにより、実施の形態1のモータ動作補償力信号τmCと負荷動作補償力信号τlCが加算された駆動力指令τと同様な駆動力指令τが算出されるので、計算機への実装や調整が簡単になるという効果がある。
また、モータ動作参照信号生成部6において、負荷加速度信号aが負荷加速度参照信号alrに追従する追従するためにモータ1が追従すべきモータ位置参照信号pmrを機械負荷2の低剛性を考慮した演算により生成するので、機械負荷2の剛性が低くても、また機械負荷2に外乱が加わる場合においても、機械負荷2が所望の動作を行うように正確に制御することが可能になる。
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3に係わる機械制御装置のブロック図である。
この発明の実施の形態3に係わる機械制御装置は、実施の形態1に係わる機械制御装置のモータ動作信号としてのモータ位置信号pの代わりにモータ速度信号vを用いている。そして、モータ速度信号vを用いていることに係わり、図5に示すように、モータ動作検出部3C、負荷動作参照信号生成部5C、モータ動作参照信号生成部6C、減算器11および駆動力指令生成部13Cが実施の形態1と異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
そして、実施の形態1では指令信号、モータ動作参照信号、モータ動作信号が位置の次元であったものが、実施の形態3では速度の次元であり、モータ1の速度制御を行っているものである。
モータ動作検出部3Cは、モータ1の回転速度または移動速度を検出し、モータ速度信号vとして出力する。
負荷動作参照信号生成部5Cは、指令信号として速度指令vcmdが入力され、想定した機械負荷2の動作を加速度の次元で表す負荷加速度参照信号alrを第1の負荷動作参照信号として出力し、また想定した機械負荷2の動作を速度の次元で表す負荷速度参照信号vlrを第2の負荷動作参照信号として出力する。負荷加速度参照信号alrは負荷速度参照信号vlrの微分の関係にあるものである。
モータ動作参照信号生成部6Cは、入力される負荷速度参照信号vlrに対して負荷速度参照信号vlrの微分信号に反共振ゲインを乗じた信号と負荷速度参照信号vlrとを加算してモータ速度参照信号vmrを求める。そして、この反共振ゲインは、駆動力指令τからモータ速度信号vまでの伝達特性における反共振周波数ωの逆数を2乗した値を設定する。
減算器11Cは、モータ速度参照信号vmrからモータ速度信号vを減算してモータ速度偏差Δvを出力する。
駆動力指令生成部13Cは、実施の形態1に係わる駆動力指令生成部13とモータ動作補償部7Cが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
モータ動作補償部7Cは、モータ速度偏差Δvに対してモータ速度偏差Δvがゼロに近づくような演算を行い、モータ動作補償力信号τmCを出力する。
なお、実施の形態1におけるモータ位置信号pと負荷位置信号pの関係は式(3)で表されているが、式(3)の左辺の分母分子をそれぞれ微分することによって、モータ速度信号vと負荷速度信号vの間の関係が求められるが、全く同じ関係が成り立つ。従って、モータ動作参照信号生成部6Cは、実施の形態1におけるモータ動作参照信号生成部6と同様な伝達関数を用いて演算を行えば良い。
このように、モータ1の速度制御を行う実施の形態3に係わる機械制御装置においても、負荷動作参照信号生成部5Cにおいて、想定した機械負荷2の動作を加速度の次元で表す負荷加速度参照信号alrを生成し、モータ動作参照信号生成部6Cにおいて、負荷加速度信号aが負荷加速度参照信号alrに追従するためにモータ1が追従すべきモータ速度参照信号vmrを機械負荷2の低剛性を考慮した演算により生成し、負荷動作補償部8が負荷加速度参照信号alrと負荷加速度信号aの偏差が小さくなるように制御し、モータ動作補償部7Cがモータ速度参照信号vmrとモータ速度信号vの偏差が小さくなるように制御するので、機械負荷2の剛性が低くても、また機械負荷2に外乱が加わる場合においても、機械負荷2が所望の動作を行うように正確に制御することが可能になる。
なお、モータ動作信号として実施の形態1においてモータ位置信号、実施の形態2においてモータ速度信号を用いてモータ1の位置制御、速度制御を行っているが、これに限らずにモータ動作信号としてモータ位置信号、モータ速度信号またはモータ加速度信号の少なくともいずれか1つを用いてモータ1を制御する機械制御装置にこの発明を適用しても良い。
実施の形態4.
図6は、この発明の実施の形態4に係わる機械制御装置のブロック図である。
この発明の実施の形態4に係わる機械制御装置は、実施の形態1に係わる機械制御装置における負荷動作信号としての負荷加速度信号の代わりに負荷位置信号を用いている。そして、負荷位置信号を用いていることに係わり、図6に示すように、負荷動作検出部4D、負荷動作参照信号生成部5D、減算器12D、駆動力指令生成部13Dが実施の形態1に係わる機械制御装置と異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
そして、実施の形態1では第1の負荷動作参照信号、負荷動作信号が加速度の次元であったものが、実施の形態4では位置の次元であり、機械負荷2の位置制御を行っているものである。
負荷動作検出部4Dは、モータ1により駆動される機械負荷2に設置され、その箇所の動作方向における位置である負荷位置を検出し、負荷位置信号pとして出力する。
負荷動作参照信号生成部5Dは、指令信号として位置指令pcmdが入力され、想定した機械負荷2の動作を位置の次元で表す負荷位置参照信号plrを第1の負荷動作参照信号として出力する。
減算器12Dは、負荷位置参照信号plrから負荷位置信号pを減算して負荷位置偏差Δpを出力する。
駆動力指令生成部13Dは、実施の形態1に係わる駆動力指令生成部13と負荷動作補償部8Dが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
負荷動作補償部8Dは、負荷位置偏差Δpがゼロになるように積分演算を含む演算により負荷動作補償力信号τlCを出力する。
ここで、機械負荷2に定常的に外部から力が加わるような場合は、機械負荷2には低剛性に起因した変形が定常的に生じる。また、モータ動作検出部3と負荷動作検出部4Dの間に取り付け誤差が存在する場合もあり、物理的に負荷位置信号pとモータ位置信号pとを定常的に一致させることができない場合もある。
したがって、このような場合に位置指令pcmdに定常的に一致するように制御を行うのは、負荷位置信号pまたはモータ位置信号pのどちらである。また、負荷動作検出部4Dで負荷位置信号pを出力するように構成した場合は、通常、負荷位置信号pが位置指令pcmdまたはそれに基づいて生成される負荷位置参照信号plrに定常的に一致するように制御することが多い。また、定常的に偏差が残らないように制御するためには、フィードバック部に積分特性を持たせる必要があることは広く知られている。
そこで、この実施の形態4では、モータ動作補償部7を実施の形態1のようなPID演算でなくPD演算として積分演算を含まない構成にするとともに、負荷動作補償部8Dを積分演算を含む構成にしてもよい。これにより、負荷位置信号pが位置指令pcmdおよび負荷位置参照信号plrと定常的に偏差を持たないように制御することが可能になる。
このように、機械負荷2の位置制御を行う実施の形態4に係わる機械制御装置においても、負荷動作参照信号生成部5Dにおいて、想定した機械負荷2の動作を位置の次元で表す負荷位置参照信号plrを生成し、モータ動作参照信号生成部6において、負荷位置信号pが負荷位置参照信号plrに追従するためにモータ1が追従すべきモータ位置参照信号pmrを機械負荷2の低剛性を考慮した演算により生成し、負荷動作補償部8Dが負荷位置参照信号plrと負荷位置信号pの偏差が小さくなるように制御し、モータ動作補償部7がモータ位置参照信号pmrとモータ位置信号pの偏差が小さくなるように制御するので、機械負荷2の剛性が低くても、また機械負荷2に外乱が加わる場合においても、機械負荷2が所望の動作を行うように正確に制御することが可能になる。
また機械負荷2の位置が定常的に所望の位置と偏差を持たないように制御することが可能になる。
なお、負荷動作信号として実施の形態1において負荷加速度信号、実施の形態4において負荷位置信号を用いて機械負荷の振動抑制、位置制御を行っているが、これに限らずに負荷動作信号として負荷位置信号、負荷速度信号または負荷加速度信号の少なくともいずれか1つを用いて機械負荷2を制御する機械制御装置にこの発明を適用しても良い。このとき、負荷動作参照信号生成部は負荷動作信号と同じ次元の第1の負荷動作参照信号を生成する。
実施の形態5.
図7は、この発明の実施の形態5に係わる機械制御装置のブロック図である。
この実施の形態5に係わる機械制御装置は、実施の形態1に係わる機械制御装置と駆動力指令生成部13Eが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
実施の形態5に係わる駆動力指令生成部13Eは、図7に示すように、実施の形態1に係わる駆動力指令生成部13にフィードフォワード補償部17を追加し、加算器14Eが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
実施の形態5に係わるフィードフォワード補償部17は、負荷加速度参照信号alrが入力され、負荷加速度参照信号alrの2階微分信号に共振ゲインと慣性ゲインを乗じた信号と、上記負荷加速度参照信号に上記慣性ゲインを乗じた信号との和をフィードフォワード力信号τffとして出力する。なお、慣性ゲインはモータ1と機械負荷2を併せた可動部全体の慣性の値Jを、共振ゲインは、駆動力指令τからモータ位置信号pまでの伝達関数が有する共振周波数ωの逆数を2乗した値を設定する。
加算器14Eは、モータ動作補償力信号τmC、負荷動作補償力信号τlCおよびフィードフォワード力信号τffを加算して駆動力指令τを算出する
実施の形態1では、モータ位置参照信号pmrとモータ位置信号pとの偏差に基づいてモータ動作補償部7で生成したモータ動作補償力信号τmCと、負荷加速度参照信号alrと負荷加速度信号aとの偏差に基づいて負荷動作補償部8で生成した負荷動作補償力信号τlCとの和を駆動力指令τとしていた。このような構成でも、モータ動作補償部7のゲインおよび負荷動作補償部8のゲインを十分に大きくすれば、機械負荷2を比較的正確に制御することが可能である。
しかし、モータ動作補償力信号τmCおよび負荷動作補償力信号τlCは、原理的に、負荷加速度参照信号alrと負荷加速度信号aとの偏差、およびモータ位置参照信号pmrとモータ位置信号pとの偏差が生じなければ発生せず、その和である駆動力指令τも発生しないので、必ず上記の差が参照信号と実際の応答との誤差となる。
一方、想定した動作に機械負荷2の動作が一致するようにモータ1を駆動するために必要な駆動力指令τは、実施の形態1における式(2)の関係から、負荷動作参照信号を用いて計算することが可能である。したがって、負荷位置参照信号plrから式(2)の逆関数となる演算、またはそれと等価な演算で、負荷加速度参照信号alrから式(8)で表される演算によってフィードフォワード力信号τffを演算し、それを駆動力指令τに含める。
Figure 2008043132
すなわち、モータ1および機械負荷2の全体の慣性を表す慣性ゲインと、機械負荷2の共振周波数ωの逆数の2乗の値を共振ゲインとして設定しておき、負荷加速度参照信号alrに対し、負荷加速度参照信号alrを2階微分した信号に共振ゲインと慣性ゲインを乗じた信号と、負荷加速度参照信号alrに上記慣性ゲインを乗じた信号との和をフィードフォワード力信号τffとして算出する。
ここで、慣性ゲインの設定に関しては、モータ1および機械負荷2からなる制御対象の周波数応答を測定する、または、駆動力指令とモータ動作や負荷動作信号の応答から慣性を推定する、または、機械系の定数から机上計算しても良い。
また、共振ゲインに関しては、モータ1および機械負荷2からなる制御対象の周波数応答を測定して共振周波数を推定する、または、近似的に、モータ1および機械負荷2の実際の挙動における振動周波数を測定して用いてもよい。
このように駆動力指令τにフィードフォワード力信号τffが含まれることにより、モータ1および機械負荷2からなる制御対象の特性が式(1)と式(2)で表されるモデルと完全に一致すると仮定すると、負荷加速度信号aは負荷加速度参照信号alrに、また、モータ位置信号pはモータ位置参照信号pmrに完全に一致し、制御対象の特性が持つモデルとの誤差や、モータ1や機械負荷2に加わる外乱に対してのみ、モータ動作補償力信号τmCおよび負荷動作補償力信号τlCが補償することになる。したがって、機械負荷2が所望の動作を行なうようになり、実施の形態1より更に高精度に制御することが可能になる。
このような実施の形態5に係わる機械制御装置は、実施の形態1に係わる機械制御装置と同様に、モータ動作参照信号生成部6において、負荷加速度信号aが負荷加速度参照信号alrに追従するよう機械負荷2の低剛性を考慮した演算によりモータ動作参照信号すなわちモータ位置参照信号pmrを生成するので、機械負荷2の剛性が低くても、また機械負荷2に外乱が加わる場合においても、モータ1を正確に制御し機械負荷2を所望の動作するようにできる。
また、機械負荷2が想定した動作を行なうように演算したフィードフォワード力信号τffを駆動力指令τに更に加算するので、更に高精度に制御を行なうことが可能になる。
実施の形態6.
図8は、この発明の実施の形態6に係わる機械制御装置のブロック図である。
この発明の実施の形態6に係わる機械制御装置は、実施の形態1に係わる機械制御装置の負荷動作参照信号生成部5およびモータ動作参照信号生成部6が一体となった二慣性動作参照信号生成部21を備えることが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
実施の形態6に係わる二慣性動作参照信号生成部21は、指令信号として位置指令信号pcmdが入力され、位置指令信号pcmdに対して機械負荷2の位置が所望の特性を持って追従するように、モータ1および機械負荷2の動作の模擬を行い、模擬された機械負荷2の加速度およびモータ1の位置を、それぞれ第1の負荷動作参照信号である負荷加速度参照信号alrと、モータ動作参照信号であるモータ位置参照信号pmrとして出力する。
図9は、二慣性動作参照信号生成部21の内部動作を表すブロック図である。
二慣性動作参照信号生成部21は、その内部において、模擬モータ駆動力信号τmaが入力されモータ1および負荷機械2の動作を模擬する二慣性モデル部22と、二慣性モデル部22の状態変数に模擬状態ゲインFを乗じた信号を模擬モータ駆動力信号τmaにフィードバックする模擬状態フィードバック部23と、二慣性モデル部22におけるモータ1の位置を模擬する信号である模擬モータ位置信号pmaを位置指令信号pcmdから減じた信号に模擬位置ゲインFを乗じた信号を模擬モータ駆動力信号τmaにフィードバックする模擬位置ゲイン部24から構成される。
二慣性モデル部22は、モータ慣性J、負荷慣性Jおよびバネ定数Kの値が設定され、その内部において、入力された模擬モータ駆動力信号τmaと後述の模擬バネ力信号τsaとの差をモータ慣性Jで除して模擬モータ加速度信号amaを、模擬モータ加速度信号amaを積分して模擬モータ速度信号vmaを演算する。
また、模擬バネ力信号τsaを負荷慣性Jで除して模擬負荷加速度信号を、模擬負荷加速度信号を積分して模擬負荷速度信号vlaを演算する。
また、模擬モータ速度信号vmaと模擬負荷速度信号vlaとの差を積分して模擬バネ変形量信号を、模擬バネ変形量信号にバネ定数Kを乗じて模擬バネ力信号τsaを演算する。
また、模擬モータ速度信号vmaを積分することにより模擬モータ位置信号pmaを演算する。このように演算することにより、二慣性モデル部22でモータ1と機械負荷2の動作を模擬することができる。なお、模擬負荷速度信号vlaを積分することによって模擬負荷位置信号plaを演算することができるが、この実施の形態6では模擬負荷位置信号plaを他の演算には利用しないため、模擬負荷位置信号plaの演算は実際には行わなくても良い。
次に、模擬状態フィードバック部23は、二慣性モデル部22で演算された状態変数のうち模擬モータ速度信号vma、模擬負荷速度信号vla、模擬バネ力信号τsaが入力され、1×3の行列の状態ゲインFを乗じた信号を模擬モータ駆動力信号τmaにフィードバックする。
ここで、模擬状態ゲインFおよび模擬位置ゲインFを、一般に知られた極配置などの手法で閉ループ特性が所望の特性になるように設計すると、位置指令信号pcmdから模擬負荷位置信号plaまでの伝達関数は所望の極を持つローパス特性となる。その結果、模擬負荷位置信号plaが位置指令信号pcmdに所望の特性を持って追従するように、二慣性モデル部22を動作させることが可能になる。
したがって、二慣性動作参照信号生成部21は、二慣性モデル部22における模擬負荷加速度信号alaを、想定する負荷機械2の動作を加速度の次元で表す第1の負荷動作参照信号である負荷加速度参照信号alrとして出力する。また、二慣性動作参照信号生成部21は、模擬モータ位置信号pmaをモータ位置参照信号pmrとして出力することにより、負荷加速度信号aが負荷加速度参照信号alrに追従するよう機械負荷2の低剛性を考慮して演算したモータ位置参照信号pmrを出力する。
ここで、模擬モータ駆動力信号τmaから模擬モータ位置信号pmaおよび模擬負荷位置信号plaまでの伝達関数は、それぞれ式(9)、式(10)で表され、その結果、模擬負荷位置信号plaと模擬モータ位置信号pmaとの関係は式(11)で表される。
Figure 2008043132
但し、上記においてJ、ω、ωは、それぞれモータ1および機械負荷2の動作を模擬した二慣性モデル部22の総慣性、反共振周波数、共振周波数であり、それぞれ式(12)、式(13)、式(14)で求まる。
Figure 2008043132
また、上記の想定した機械負荷2の動作を位置の次元で表す模擬負荷位置信号plaに対し、模擬モータ位置信号pmaすなわちモータ位置参照信号pmrは式(11)の逆関数の関係にある。
したがって、反共振周波数ωの逆数の2乗を反共振ゲインとし、想定した機械負荷2の動作を位置の次元で表す模擬負荷位置信号pla、を第2の負荷動作参照信号とすると、二慣性動作参照信号生成部21において、第2の負荷動作参照信号の2階微分信号に反共振ゲインを乗じた信号と上記第2の負荷動作参照信号との加算に相当する演算によりモータ位置参照信号pmrの演算を行っている。
ここで、二慣性モデル部22で設定する定数であるモータ慣性J、負荷慣性Jおよびバネ定数Kの値については、物理的な機械定数に基づいて設定してもよいが、例えばモータ1および負荷機械2の特性を、駆動力指令信号τからモータ位置信号pまでの周波数応答を測定し、その結果から推定される総慣性J、反共振周波数ω、共振周波数ωから式(12)〜式(14)の関係を逆算することにより求めることができる。
このように、実施の形態6に係わる機械制御装置は、実施の形態1と具体的計算手順は異なるものの、全く同様な特性を持つものである。
このような機械制御装置は、二慣性動作参照信号生成部21において、想定した機械負荷2の動作を加速度の次元で表す負荷加速度参照信号alrを第1の負荷動作参照信号として生成し、また同じ二慣性動作参照信号生成部21において、負荷加速度信号aが負荷加速度参照信号alrに追従するよう機械負荷2の低剛性を考慮した演算によりモータ動作参照信号すなわちモータ位置参照信号pmrを生成するので、機械負荷2の剛性が低い場合でも、機械負荷2に外乱が加わる場合でも、モータ1を正確に制御し機械負荷2を所望の動作するようにできる。
なお、実施の形態6に係る機械制御装置は実施の形態1と全く同様な特性を持つものとして記述したが、実施の形態6における二慣性モデル部22の模擬モータ駆動力信号τmaを、フィードフォワード力信号τffとして駆動力指令信号τに更に加算すれば、実施の形態5と全く同様な特性を持つ機械制御装置となることは明白である。またその場合、更に高精度に制御を行なうことが可能になる。
この発明の実施の形態1に係わる機械制御装置のブロック図である。 機械負荷の剛性が低い場合の検出した負荷位置信号と検出したモータ位置信号が変化する様子を示すグラフである。 図2のようにモータを動作したときの駆動力指令の変化の様子を示すグラフである。 この発明の実施の形態2に係わる機械制御装置のブロック図である。 この発明の実施の形態3に係わる機械制御装置のブロック図である。 この発明の実施の形態4に係わる機械制御装置のブロック図である。 この発明の実施の形態5に係わる機械制御装置のブロック図である。 この発明の実施の形態6に係わる機械制御装置のブロック図である。 図8の二慣性動作参照信号生成部の内部動作を表すブロック図である。
符号の説明
1 モータ、2 機械負荷、3、3C モータ動作検出部、4、4D 負荷動作検出部、5、5C、5D 負荷動作参照信号生成部、6、6C モータ動作参照信号生成部、7、7C、16 モータ動作補償部、8、8D 負荷動作補償部、9 負荷動作補償指令生成部、10 制御手段、11、11C、12、12D 減算器、13、13B、13C、13D、13E 駆動力指令生成部、14、14E、15 加算器、17 フィードフォワード補償部、21 二慣性動作参照信号生成部、22 二慣性モデル部、23 模擬状態フィードバック部、24 模擬位置ゲイン部。

Claims (8)

  1. 回転または直動するモータに駆動力指令を入力することにより上記モータおよび上記モータに機械的に結合された機械負荷の動作を制御する機械制御装置において、
    上記モータの動作に伴って変化するモータ位置、モータ速度またはモータ加速度の少なくともいずれか一つを検出しモータ動作信号として出力するモータ動作検出部と、
    上記機械負荷の動作に伴って変化する負荷位置、負荷速度または負荷加速度の少なくともいずれか一つを検出し負荷動作信号として出力する負荷動作検出部と、
    外部から入力される指令信号に基づいて、上記機械負荷の想定した動作を上記負荷動作信号と同じ次元で表す第1の負荷動作参照信号を出力する負荷動作参照信号生成部と、
    上記負荷動作信号が上記第1の負荷動作参照信号に追従するように上記機械負荷の低剛性を考慮した演算によりモータ動作参照信号を出力するモータ動作参照信号生成部と、
    上記第1の負荷動作参照信号と負荷動作信号の偏差がゼロに近づくように算出する負荷動作補償力信号と、上記モータ動作参照信号と上記モータ動作信号の偏差がゼロに近づくように算出するモータ動作補償力信号とを加算するのと同等な演算により上記駆動力指令を出力する駆動力指令生成部と、
    を備えることを特徴とする機械制御装置。
  2. 上記負荷動作参照信号生成部は、上記機械負荷の想定した動作を上記モータ動作信号と同じ次元で表す第2の負荷動作参照信号に対して、上記第2の負荷動作参照信号の2階微分信号に反共振ゲインを乗じた信号と上記第2の負荷動作参照信号との加算に相当する演算によりモータ動作参照信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の機械制御装置。
  3. 上記負荷動作信号は、上記負荷位置を検出したものであり、
    上記負荷動作補償部は、積分演算を含む演算により上記負荷動作補償力信号を算出することを特徴とする請求項1に記載の機械制御装置。
  4. 上記反共振ゲインは、測定した上記駆動力指令から上記モータ動作信号までの伝達特性における反共振周波数の逆数を2乗した値に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の機械制御装置。
  5. 上記反共振ゲインは、測定した制御系の振動周波数の逆数を2乗した値に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載の機械制御装置。
  6. 上記機械負荷の想定した動作を加速度の次元で表す負荷加速度参照信号に対して、上記負荷加速度参照信号の2階微分信号に共振ゲインと慣性ゲインを乗じた信号と、上記負荷加速度参照信号に上記慣性ゲインを乗じた信号との和となる信号を演算することによりフィードフォワード力信号を算出するフィードフォワード補償部を備え、
    上記駆動力指令信号に上記フィードフォワード力信号を更に加算することを特徴とする請求項1に記載の機械制御装置。
  7. 上記共振ゲインは、測定した上記モータおよび上記機械負荷からなる制御対象の共振周波数の逆数を2乗した値に基づいて決定されることを特徴とする請求項6に記載の機械制御装置。
  8. 上記共振ゲインは、測定した制御系の振動周波数の逆数を2乗した値に基づいて決定されることを特徴とする請求項6に記載の機械制御装置。
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