JP2008043132A - 機械制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】機械制御装置は、外部から入力される指令信号に基づいて、機械負荷の想定した動作を負荷動作信号と同じ次元で表す第1の負荷動作参照信号を出力する負荷動作参照信号生成部と、負荷動作信号が第1の負荷動作参照信号に追従するように機械負荷の低剛性を考慮した演算によりモータ動作参照信号を出力するモータ動作参照信号生成部と、第1の負荷動作参照信号と負荷動作信号の偏差がゼロに近づくように算出する負荷動作補償力信号と、モータ動作参照信号とモータ動作信号の偏差がゼロに近づくように算出するモータ動作補償力信号とを加算するのと同等な演算により駆動力指令を出力する駆動力指令生成部と、を備える。
【選択図】図1
Description
図1は、この発明の実施の形態1に係わる機械制御装置のブロック図である。
この発明の実施の形態1に係わる機械制御装置は、モータ1と、モータ1に機械的に結合された機械負荷2を制御対象として制御を行う。モータ1は、駆動力指令τrに応じた駆動力を発生する。機械負荷2は例えば、モータ1に結合されたボールネジと、ボールネジが回転することにより直線運動を行う直動部とから構成されている。尚、機械要素としてボールネジに限るものではなく、例えばギア、シャフト、アームなどであっても良い。
制御手段10は、CPU、ROM、RAM、インターフェース回路を有するコンピュータから構成されている。
なお、負荷動作参照信号生成部5に位置指令pcmdが与えられると、通常、位置指令pcmdに負荷位置信号plが追従するような動作として機械負荷2を制御するので、位置指令pcmdをそのまま負荷位置参照信号plrとしても良いが、位置指令pcmdが急峻に変化するような高周波数成分を含んでいる場合は、機械負荷2に衝撃を与えないように高周波数成分を除去するような演算を行っても良い。
もし、機械負荷2におけるモータ1と負荷動作検出部4との間の機械剛性が高い場合、負荷位置参照信号plrと同じ信号をモータ位置参照信号pmrとして出力すれば問題ない。
しかし、機械負荷2におけるモータ1と負荷動作検出部4との間の機械剛性が低い場合、機械負荷2が負荷動作参照信号生成部5で生成した負荷位置参照信号plrおよび負荷加速度参照信号alrに正確に追従するためには、モータ位置参照信号pmrを、機械剛性が低いことに起因した機械負荷2の過渡的変形を考慮して求めることが必要である。
図2に示した負荷位置信号plの位置に機械負荷2を動作させる場合、図2に示したモータ位置信号pmの位置にモータ1を動作させる必要がある。また、その場合にモータ1に図3に示した駆動力指令τrを入力しなければならない。
したがって、このように低剛性を考慮したモータ位置参照信号pmrを生成しなければ、仮に負荷位置信号plが負荷位置参照信号plrに完全に追従している状態でも、モータ位置参照信号pmrとモータ位置信号pmとの間に低剛性に起因した誤差を生じ、その誤差に起因したモータ動作補償力信号τmCが駆動力指令τrの中に含まれるので、負荷位置信号plを負荷位置参照信号plrに正確に追従させることができなくなる。
また、式(1)および式(2)より、駆動力指令τrに応じた駆動力でモータ1および機械負荷2を駆動した場合、モータ位置信号pmと負荷位置信号plの間に式(3)の関係が成り立つ。
式(4)の伝達関数の演算は、反共振周波数ωZの逆数の2乗を求めて反共振ゲインとし、負荷位置参照信号plrに対して、負荷位置参照信号plrを2階微分した信号に反共振ゲインを乗じた信号と負荷位置参照信号plrとを加算することにより行える。
なお、反共振周波数ωZは、例えば、駆動力指令τrからモータ位置信号pmまでの周波数応答の測定結果から求めることができる。
また、一般に、モータ動作補償部7のゲインを大きくすると制御系が反共振周波数ωZで振動するようになることから、制御系の振動周波数を測定することにより決定することもできる。
また、このように機械負荷2の負荷加速度を検出すると、機械負荷2の絶対位置を制御することは難しいが、例えば機械負荷2に発生する振動など、過渡的な変動を抑制したい場合には十分に効果的な制御効果を得ることが可能になる。
図4は、この発明の実施の形態2に係わる機械制御装置のブロック図である。
この発明の実施の形態2に係わる機械制御装置は、図4に示すように、実施の形態1に係わる機械制御装置と駆動力指令生成部13Bが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
実施の形態2に係わる駆動力指令生成部13Bは、式(5)に示すように、負荷加速度偏差Δalに対して伝達関数ClP(s)を用いて演算を行い負荷動作補償位置信号plCを算出する負荷動作補償指令生成部9、負荷動作補償位置信号plCとモータ位置偏差Δpmを加算する加算器15、式(6)に示すように、モータ位置偏差Δpmと負荷動作補償位置信号plCの和に対して伝達関数Cm(s)を用いて演算を行い駆動力指令τrを算出するモータ動作補償部16を有する。なお、モータ位置偏差Δpmと負荷動作補償位置信号plCの和に対して演算しているが、それぞれに演算して加算するのと同等である。
このような伝達関数ClP(s)およびCm(s)を用いて演算すると、モータ動作補償部16の出力が、実施の形態1と同様に駆動力指令τととなる。
図5は、この発明の実施の形態3に係わる機械制御装置のブロック図である。
この発明の実施の形態3に係わる機械制御装置は、実施の形態1に係わる機械制御装置のモータ動作信号としてのモータ位置信号pmの代わりにモータ速度信号vmを用いている。そして、モータ速度信号vmを用いていることに係わり、図5に示すように、モータ動作検出部3C、負荷動作参照信号生成部5C、モータ動作参照信号生成部6C、減算器11および駆動力指令生成部13Cが実施の形態1と異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
そして、実施の形態1では指令信号、モータ動作参照信号、モータ動作信号が位置の次元であったものが、実施の形態3では速度の次元であり、モータ1の速度制御を行っているものである。
負荷動作参照信号生成部5Cは、指令信号として速度指令vcmdが入力され、想定した機械負荷2の動作を加速度の次元で表す負荷加速度参照信号alrを第1の負荷動作参照信号として出力し、また想定した機械負荷2の動作を速度の次元で表す負荷速度参照信号vlrを第2の負荷動作参照信号として出力する。負荷加速度参照信号alrは負荷速度参照信号vlrの微分の関係にあるものである。
モータ動作参照信号生成部6Cは、入力される負荷速度参照信号vlrに対して負荷速度参照信号vlrの微分信号に反共振ゲインを乗じた信号と負荷速度参照信号vlrとを加算してモータ速度参照信号vmrを求める。そして、この反共振ゲインは、駆動力指令τrからモータ速度信号vmまでの伝達特性における反共振周波数ωZの逆数を2乗した値を設定する。
減算器11Cは、モータ速度参照信号vmrからモータ速度信号vmを減算してモータ速度偏差Δvmを出力する。
モータ動作補償部7Cは、モータ速度偏差Δvmに対してモータ速度偏差Δvmがゼロに近づくような演算を行い、モータ動作補償力信号τmCを出力する。
図6は、この発明の実施の形態4に係わる機械制御装置のブロック図である。
この発明の実施の形態4に係わる機械制御装置は、実施の形態1に係わる機械制御装置における負荷動作信号としての負荷加速度信号の代わりに負荷位置信号を用いている。そして、負荷位置信号を用いていることに係わり、図6に示すように、負荷動作検出部4D、負荷動作参照信号生成部5D、減算器12D、駆動力指令生成部13Dが実施の形態1に係わる機械制御装置と異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
そして、実施の形態1では第1の負荷動作参照信号、負荷動作信号が加速度の次元であったものが、実施の形態4では位置の次元であり、機械負荷2の位置制御を行っているものである。
負荷動作参照信号生成部5Dは、指令信号として位置指令pcmdが入力され、想定した機械負荷2の動作を位置の次元で表す負荷位置参照信号plrを第1の負荷動作参照信号として出力する。
減算器12Dは、負荷位置参照信号plrから負荷位置信号plを減算して負荷位置偏差Δplを出力する。
負荷動作補償部8Dは、負荷位置偏差Δplがゼロになるように積分演算を含む演算により負荷動作補償力信号τlCを出力する。
したがって、このような場合に位置指令pcmdに定常的に一致するように制御を行うのは、負荷位置信号plまたはモータ位置信号pmのどちらである。また、負荷動作検出部4Dで負荷位置信号plを出力するように構成した場合は、通常、負荷位置信号plが位置指令pcmdまたはそれに基づいて生成される負荷位置参照信号plrに定常的に一致するように制御することが多い。また、定常的に偏差が残らないように制御するためには、フィードバック部に積分特性を持たせる必要があることは広く知られている。
そこで、この実施の形態4では、モータ動作補償部7を実施の形態1のようなPID演算でなくPD演算として積分演算を含まない構成にするとともに、負荷動作補償部8Dを積分演算を含む構成にしてもよい。これにより、負荷位置信号plが位置指令pcmdおよび負荷位置参照信号plrと定常的に偏差を持たないように制御することが可能になる。
また機械負荷2の位置が定常的に所望の位置と偏差を持たないように制御することが可能になる。
図7は、この発明の実施の形態5に係わる機械制御装置のブロック図である。
この実施の形態5に係わる機械制御装置は、実施の形態1に係わる機械制御装置と駆動力指令生成部13Eが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
実施の形態5に係わる駆動力指令生成部13Eは、図7に示すように、実施の形態1に係わる駆動力指令生成部13にフィードフォワード補償部17を追加し、加算器14Eが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
加算器14Eは、モータ動作補償力信号τmC、負荷動作補償力信号τlCおよびフィードフォワード力信号τffを加算して駆動力指令τrを算出する
しかし、モータ動作補償力信号τmCおよび負荷動作補償力信号τlCは、原理的に、負荷加速度参照信号alrと負荷加速度信号alとの偏差、およびモータ位置参照信号pmrとモータ位置信号pmとの偏差が生じなければ発生せず、その和である駆動力指令τrも発生しないので、必ず上記の差が参照信号と実際の応答との誤差となる。
また、共振ゲインに関しては、モータ1および機械負荷2からなる制御対象の周波数応答を測定して共振周波数を推定する、または、近似的に、モータ1および機械負荷2の実際の挙動における振動周波数を測定して用いてもよい。
また、機械負荷2が想定した動作を行なうように演算したフィードフォワード力信号τffを駆動力指令τrに更に加算するので、更に高精度に制御を行なうことが可能になる。
図8は、この発明の実施の形態6に係わる機械制御装置のブロック図である。
この発明の実施の形態6に係わる機械制御装置は、実施の形態1に係わる機械制御装置の負荷動作参照信号生成部5およびモータ動作参照信号生成部6が一体となった二慣性動作参照信号生成部21を備えることが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
実施の形態6に係わる二慣性動作参照信号生成部21は、指令信号として位置指令信号pcmdが入力され、位置指令信号pcmdに対して機械負荷2の位置が所望の特性を持って追従するように、モータ1および機械負荷2の動作の模擬を行い、模擬された機械負荷2の加速度およびモータ1の位置を、それぞれ第1の負荷動作参照信号である負荷加速度参照信号alrと、モータ動作参照信号であるモータ位置参照信号pmrとして出力する。
二慣性動作参照信号生成部21は、その内部において、模擬モータ駆動力信号τmaが入力されモータ1および負荷機械2の動作を模擬する二慣性モデル部22と、二慣性モデル部22の状態変数に模擬状態ゲインFsを乗じた信号を模擬モータ駆動力信号τmaにフィードバックする模擬状態フィードバック部23と、二慣性モデル部22におけるモータ1の位置を模擬する信号である模擬モータ位置信号pmaを位置指令信号pcmdから減じた信号に模擬位置ゲインFpを乗じた信号を模擬モータ駆動力信号τmaにフィードバックする模擬位置ゲイン部24から構成される。
また、模擬バネ力信号τsaを負荷慣性Jlで除して模擬負荷加速度信号を、模擬負荷加速度信号を積分して模擬負荷速度信号vlaを演算する。
また、模擬モータ速度信号vmaと模擬負荷速度信号vlaとの差を積分して模擬バネ変形量信号を、模擬バネ変形量信号にバネ定数Ksを乗じて模擬バネ力信号τsaを演算する。
また、模擬モータ速度信号vmaを積分することにより模擬モータ位置信号pmaを演算する。このように演算することにより、二慣性モデル部22でモータ1と機械負荷2の動作を模擬することができる。なお、模擬負荷速度信号vlaを積分することによって模擬負荷位置信号plaを演算することができるが、この実施の形態6では模擬負荷位置信号plaを他の演算には利用しないため、模擬負荷位置信号plaの演算は実際には行わなくても良い。
ここで、模擬状態ゲインFsおよび模擬位置ゲインFpを、一般に知られた極配置などの手法で閉ループ特性が所望の特性になるように設計すると、位置指令信号pcmdから模擬負荷位置信号plaまでの伝達関数は所望の極を持つローパス特性となる。その結果、模擬負荷位置信号plaが位置指令信号pcmdに所望の特性を持って追従するように、二慣性モデル部22を動作させることが可能になる。
ここで、模擬モータ駆動力信号τmaから模擬モータ位置信号pmaおよび模擬負荷位置信号plaまでの伝達関数は、それぞれ式(9)、式(10)で表され、その結果、模擬負荷位置信号plaと模擬モータ位置信号pmaとの関係は式(11)で表される。
したがって、反共振周波数ωZの逆数の2乗を反共振ゲインとし、想定した機械負荷2の動作を位置の次元で表す模擬負荷位置信号pla、を第2の負荷動作参照信号とすると、二慣性動作参照信号生成部21において、第2の負荷動作参照信号の2階微分信号に反共振ゲインを乗じた信号と上記第2の負荷動作参照信号との加算に相当する演算によりモータ位置参照信号pmrの演算を行っている。
このように、実施の形態6に係わる機械制御装置は、実施の形態1と具体的計算手順は異なるものの、全く同様な特性を持つものである。
Claims (8)
- 回転または直動するモータに駆動力指令を入力することにより上記モータおよび上記モータに機械的に結合された機械負荷の動作を制御する機械制御装置において、
上記モータの動作に伴って変化するモータ位置、モータ速度またはモータ加速度の少なくともいずれか一つを検出しモータ動作信号として出力するモータ動作検出部と、
上記機械負荷の動作に伴って変化する負荷位置、負荷速度または負荷加速度の少なくともいずれか一つを検出し負荷動作信号として出力する負荷動作検出部と、
外部から入力される指令信号に基づいて、上記機械負荷の想定した動作を上記負荷動作信号と同じ次元で表す第1の負荷動作参照信号を出力する負荷動作参照信号生成部と、
上記負荷動作信号が上記第1の負荷動作参照信号に追従するように上記機械負荷の低剛性を考慮した演算によりモータ動作参照信号を出力するモータ動作参照信号生成部と、
上記第1の負荷動作参照信号と負荷動作信号の偏差がゼロに近づくように算出する負荷動作補償力信号と、上記モータ動作参照信号と上記モータ動作信号の偏差がゼロに近づくように算出するモータ動作補償力信号とを加算するのと同等な演算により上記駆動力指令を出力する駆動力指令生成部と、
を備えることを特徴とする機械制御装置。 - 上記負荷動作参照信号生成部は、上記機械負荷の想定した動作を上記モータ動作信号と同じ次元で表す第2の負荷動作参照信号に対して、上記第2の負荷動作参照信号の2階微分信号に反共振ゲインを乗じた信号と上記第2の負荷動作参照信号との加算に相当する演算によりモータ動作参照信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の機械制御装置。
- 上記負荷動作信号は、上記負荷位置を検出したものであり、
上記負荷動作補償部は、積分演算を含む演算により上記負荷動作補償力信号を算出することを特徴とする請求項1に記載の機械制御装置。 - 上記反共振ゲインは、測定した上記駆動力指令から上記モータ動作信号までの伝達特性における反共振周波数の逆数を2乗した値に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の機械制御装置。
- 上記反共振ゲインは、測定した制御系の振動周波数の逆数を2乗した値に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載の機械制御装置。
- 上記機械負荷の想定した動作を加速度の次元で表す負荷加速度参照信号に対して、上記負荷加速度参照信号の2階微分信号に共振ゲインと慣性ゲインを乗じた信号と、上記負荷加速度参照信号に上記慣性ゲインを乗じた信号との和となる信号を演算することによりフィードフォワード力信号を算出するフィードフォワード補償部を備え、
上記駆動力指令信号に上記フィードフォワード力信号を更に加算することを特徴とする請求項1に記載の機械制御装置。 - 上記共振ゲインは、測定した上記モータおよび上記機械負荷からなる制御対象の共振周波数の逆数を2乗した値に基づいて決定されることを特徴とする請求項6に記載の機械制御装置。
- 上記共振ゲインは、測定した制御系の振動周波数の逆数を2乗した値に基づいて決定されることを特徴とする請求項6に記載の機械制御装置。
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