JP2006227793A - 電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置および電動機制御装置の制御パラメータ設定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電動機1または機械5からなる被検出体の動作量を検出する検出手段2と、指令信号を発生する指令器4と、指令信号を受けて電動機1を駆動する制御器3とからなる電動機制御装置において、制御器3の特性を含まない開ループ周波数応答特性を計測する開ループ周波数応答特性計測手段6と、電動機制御装置の制御器の制御器モデル23と、計測した開ループ周波数応答特性と制御器モデルから一巡開ループ周波数応答特性を算出する演算手段7と、制御器の制御パラメータと一巡開ループ周波数応答特性の変化の関係を感度解析する感度解析装置12を備えている。
【選択図】 図1
Description
図18において、201は除振台を含む露光装置本体であり、除振台の制御には以下に示すセンサとアクチュエータが取り付けられている。すなわち、ACは振動検出手段となる加速度センサ251、POは位置計測手段となる位置センサ252、SVは大重量の除振台を含む装置本体を支持するサーボバルブ、PRは空気ばね内の圧力を計測する圧力センサ253、LMは除振台の振動を抑制する電磁モータである。これらセンサとアクチュエータを表わす記号は、方位と除振台における部位とを示している。
また、上述の電磁モータLMに対する振動制御系の各ドライバ209の前段には加算端子が設けられており、そこには多チャンネル・無相関・M系列信号発生器210の出力が、スイッチ211を介して接続されている。スイッチ211は各能動マウント内の全電磁モータLMへの接続のオンオフを管理する。図示の場合、全電磁モータLMがM系列信号によって加振される。
加振中の除振台202の挙動は、露光装置本体201に装着する振動計測手段AC、位置計測手段PO、圧力計測手段PRを含めて運動状態を計測する他のセンサの出力信号で捉え、M系列信号発生器210の信号とともにデータ記憶部212に収集される。
次に、データ記憶部212に収集された時系列データは、プリフィルタリング部213にてフィルタリング処理される。続いて、システム同定部214においてフィルタリングされた入出力データに対して同定がなされる。ここでシステム同定とは、入出力データを使って数学モデルを導出することである。最後に、システム同定部214で取得した数学モデルは特性抽出・診断部215に送られて、ここで更に特性抽出および診断のためのデータ変換が行なわれる。
図20は、第2従来技術における位置決め制御方法で行われる伝達関数を繰り返し修正しながら制御を行う方法を説明した模式図である。
第2従来技術は、制御指令と制御対象の動作間の入出力特性を精度良く求めて制御指令を決定し制御対象に希望する動作を確実に実行させることを目的として提案された位置決め制御方法及び装置である。
具体的には、図20に示すように、始めに既知の入力と応答から求めた伝達関数H1を用いて、希望する応答Oから入力1を計算し、目標入力位置データとして位置決め装置に教示する。このとき、得られた応答1が希望する許容値内に誤差が収束していなければ、式(Hi+1(jω)=Oi(jω)/Ii(jω))によって周波数領域の応答Oiを用いて伝達関数H2を計算する。この伝達関数H2を用いて希望する応答より新たな入力2を算出して目標入力位置データとする。この操作を誤差が収束するまで繰り返し、伝達関数を修正しながら所定の制御結果が得られるまで繰り返すことにより、高精度な位置決めを実現されるというものである。つまり、伝達関数を繰り返し修正しながら位置決め制御を行うことにより効率的かつ高精度になるように目標入力位置データを求めるものである。
まず、図21において、301はキャリッジ、302はACサーボモータ、303はボールねじ、304はサーボアンプ、305はNCコントロールユニットである。
図21に示すように制御対象としてのキャリッジ301の駆動系にはACサーボモータ302とボールねじ303により駆動される。
さらにこの位置決め制御は、ACサーボモータ302を用いたディジタルフィードバックされ、ACサーボモータ302はサーボアンプ4を介してNCコントロールユニット305により駆動制御される。
ACサーボモータ302のNCコントロールユニット305における制御プロセスは、
まず、ステップ状の入力位置データをかたちづくるプロファイルデータを入力し、そのプロファイルデータに基づいて目標入力位置指令データを算出し、その目標入力位置指令データにより前記ACサーボモータ302を運転する。またそれと共にその目標入力位置指令データを高速フーリエ変換(FFT)する。
次にレーザ測長機により測定されたキャリッジ301の実移動量をサンプリングして、目標入力位置指令データとの誤差により、精度を判定する。その判定結果が問題なければ、前記目標入力位置指令データでACサーボモータ302の駆動を続ける。
また、その判定結果が限界値を越えた場合には、前記実移動量データを高速フーリエ変換し、前記目標入力位置指令データのフーリエ変換データと前記実移動量データのフーリエ変換データとから伝達関数を算出する。
次いでその伝達関数と目標入力位置指令データのフーリエ変換データとから再度目標入力位置データを算出し、その再度算出された新目標入力位置データを逆フーリエ変換する。得られた新目標入力位置データにより前記ACサーボモータ302を運転する。
次に再度レーザ測長機で測定したキャリッジ301の実移動量をサンプリングし、目標入力位置データとの誤差により、精度を判定する。その判定結果が問題なければ、前記新目標入力位置データでACサーボモータ302の駆動を続ける。また、その判定結果が限界値を越えた場合には、前記実移動量データをフーリエ変換し、前記新目標入力位置データのフーリエ変換データと前記実移動量データのフーリエ変換データとから再度伝達関数を算出し、その伝達関数と目標入力位置指令データのフーリエ変換データとから再度別の新目標入力位置データを算出し、その再度算出された新目標入力位置データを逆フーリエ変換する。それにより得られた新目標入力位置データにより前記ACサーボモータ2を運転する。
したがって、以上の図21のブロック図に示されるように従来の例においては伝達関数を算出する目標入力位置データに常に最新の目標入力位置データを用いる。
一方検出される実移動量データと目標入力位置データとの誤差が一定以下に収束しない場合には、判定手段による判定に基づき伝達関数を修正しながら行う第1の補正を停止し、時間データによる目標入力位置データ補正を行う第2の補正を行い、その第2の補正後の目標入力位置データを最終目標入力位置データとして制御対象を位置決め制御運転する。かかる第2の補正は目標入力と実移動量との誤差の時間データに基づいて新目標入力位置データを算出する補正である。
請求項1に係る電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置の発明は、機械に取り付けられた電動機と、前記電動機または前記機械からなる被検出体の動作量を検出する検出手段と、指令信号を発生する指令器と、指令信号を受けて前記電動機を駆動する制御器とからなる電動機制御装置において、前記制御器の特性を含まない開ループ周波数応答特性を計測する開ループ周波数応答特性計測手段と、
前記電動機制御装置の制御器の制御器モデルと、計測した前記開ループ周波数応答特性と前記制御器モデルから一巡開ループ周波数応答特性を算出する演算手段と、前記制御器の制御パラメータと前記一巡開ループ周波数応答特性の変化の関係を感度解析する感度解析装置とを備えたことを特徴としている。
前記検出手段の信号を(−)端子に入力する減算器と、その減算器の信号を受けて働き制御指令を出力するような、少なくとも1つの閉ループを備え、単位系にあわせて前記制御指令とそれぞれの成分の前記動作量を一致するように前記電動機を制御し、加算器が少なくとも1つの閉ループの中に設けられ、前記加算器に前記指令発生装置の信号を入力することで、前記開ループ周波数応答特性と等価な周波数特性を得る前記開ループ周波数応答特性計測手段と、前記制御器から出力され少なくとも1つの閉ループの中に設けられた前記加算器の手前のトルクもしくは推力となる駆動力を検出する駆動力検出手段と、少なくとも1つの閉ループの中に設けられた前記加算器に加えた前記指令発生装置の信号と前記駆動力検出手段が検出した信号応答から得られる閉ループ外乱駆動力応答周波数特性を得る閉ループ外乱駆動力応答周波数特性計測手段とを備えるものである。
表示装置により、計測した開ループ周波数応答特性や、推定した一巡開ループ周波数応答特性や、目標とする一巡開ループ周波数応答特性などを周波数軸上のグラフとして表示するか、動作シミュレーションや実動作の結果を時間軸上のグラフとして表示するか、感度解析結果を数値として表示するかにより視覚的に確認できる。
記憶装置により、各種結果や諸条件を記憶するので、日時や場所を変えて一巡開ループ周波数応答特性の推定や制御パラメータ感度解析を実施できる。
いずれかの感度解析する処理ができる。
すなわち、機械5に取り付けられた電動機1と、該電動機1または該機械5からなる被検出体の動作量を検出する検出手段2と、指令信号を発生する指令器4と、指令信号を受けて電動機1を駆動する制御器3とからなる電動機制御装置において、制御器3の特性を含まない開ループ周波数応答特性を計測する開ループ周波数応答特性計測手段6と、前記電動機制御装置の制御器の制御器モデル23と、計測した前記開ループ周波数応答特性と前記制御器モデルから一巡開ループ周波数応答特性を算出する演算手段7と、前記制御器の制御パラメータと前記一巡開ループ周波数応答特性の変化の関係を感度解析する感度解析装置12とを備えた点である。
また、感度解析装置12は、予め任意に定められた範囲および刻み幅で、制御パラメータを変化させた場合の該一巡開ループ周波数応答特性を算出し、制御パラメータの変化による該一巡開ループ周波数応答特性の変化を推定するものとなっている。
また、感度解析装置12は、複数の制御パラメータを有する場合に、制御特性の応答性が変化しつつもバランスを保つゲインバランス式を備えたものとなっている。
また、感度解析装置12は、制御パラメータに機械パラメータを含め、目標とする一巡開ループ周波数応答特性と推定した該一巡開ループ周波数応答との差異と、推定した該一巡開ループ周波数応答特性の数式モデルの制御パラメータの偏微分より、目標とする一巡開ループ周波数応答特性に近づく機械パラメータを含めた制御パラメータの変化量を推定するものとなっている。
さらに、制御器3の前後には、制御器3から出力され少なくとも1つの閉ループの中に設けられた加算器16bの手前のトルクもしくは推力となる駆動力を検出する駆動力検出手段35と、少なくとも1つの閉ループの中に設けられた加算器16aに加えた指令発生装置の信号と駆動力検出手段35が検出した信号応答から得られる閉ループ外乱駆動力応答周波数特性を得る閉ループ外乱駆動力応答周波数特性計測手段37を備えたものとなっている。
そして、演算手段7は、計測した該開ループ周波数応答特性を数値モデル化する数値モデル化手段を備え、該開ループ周波数応答特性を数値モデル化し、電動機制御装置の制御器3の制御器モデル23と開ループ周波数応答特性の数値モデルから一巡開ループ周波数応答特性を算出するようになっている。
まず、ステップST01の開ループ周波数応答特性を計測する手順について説明する。
ステップST01には、ST01aとST01bとST01cがある。このうち、ステップST01aにおける開ループ周波数応答特性を取得する処理では、電動機制御装置を開ループ化して前記制御器の特性を含まない開ループ周波数応答特性を計測するよになっている。また、ステップST01bでは、電動機制御装置を閉ループ化して閉ループに設けられた加算器に前記指令発生装置の信号を入力することで、前記開ループ周波数応答特性計測手段が、前記開ループ周波数応答特性と等価な周波数特性を計測するようになっている。さらに、ステップST01cでは、数値演算して開ループ周波数応答特性と等価な前記機械の電動機が駆動する駆動部と前記機械の前記検出手段が付く動作量検出部の間の機械特性の伝達関数数値モデルを算出するようになっている。本実施例では先にステップST01aについて述べ、ステップST01bは第4実施例にて、ステップST01cは第5実施例にて説明する。
ステップST01aについて具体的に説明する。
電動機制御装置の制御器を作用させるようなフィードバックループを持つ閉ループでは、周波数応答特性を得るための指令信号を入力すると、トルク飽和を起こすため、スイッチ14を切り替え開ループとする。スイッチ14aと14bは指令器4の指令信号Cを電動機1および負荷である機械5に与え、この応答Rを検出手段3が検出する。スイッチ14cにより、フィードバックループを切り、開ループとする。
開ループ周波数応答特性計測手段6は、指令信号Cと応答Rを受け取り、開ループ周波数応答特性を得る。
ステップST02には、ST02aとST02bがある。
ステップST02aの場合、開ループ周波数応答特性計測手段6で得た開ループ周波数応答特性Hをデジタルデータとして持っているため、演算装置7が持っている制御器3の制御器モデル23により、一巡開ループ周波数応答特性Zoを推定できる。
図4は、開ループ周波数応答特性Hと制御器モデルGと指令信号Cと応答信号Rの関係を示す図である。
図5は、一巡開ループ周波数応答特性Zoを示す図である。一巡開ループ周波数応答特性Zoは指令信号Cが制御器モデルGと開ループ周波数応答特性Hと介して応答信号Rに至る特性である。
制御器モデル23の特性である制御パラメータGがあれば、一巡開ループ周波数応答特性Zoは、式(1)のようになる。演算装置7が制御器モデル23を周波数領域のモデルとして備えておけば、一巡開ループ周波数応答特性Zoを推定できる。
ステップST02bの場合、前記式(2)のように、数値化すれば、制御モデルが周波数領域のモデルでなくとも、実機の制御器3と等価な制御モデルを利用できる。このため、周波数領域の式(1)に反映することが複雑になるような場合でも、一巡開ループ周波数応答特性Zoを推定できる。後述する動作シミュレーションの構成および操作から一巡開ループ周波数応答特性Zoを推定できる。
後述する一巡開ループ周波数応答特性Zoの計測と同じ手順で、一巡開ループ周波数応答特性Zoを推定できる。
ステップST02bの数値モデル化の例について追加説明する。
ここで、図6は、本発明の実施例の2慣性系に近似できる開ループ周波数応答特性の計測結果および数値モデルの1例を示すグラフである。図7は、本発明の実施例の多慣性系に近似できる開ループ周波数応答特性の計測結果および数値モデルの1例を示すグラフである。また、図8は、本発明の実施例の2慣性系のばね・マス・モデル図、図9は、本発明の実施例の多慣性系のばね・マス・モデル図である。
ここで、実線は計測した開ループ周波数応答特性を示し、破線は数値モデル化した開ループ周波数応答特性を示している。
図6のように開ループ周波数応答特性が2慣性系に近似できるような特性であれば、図8の電動機1側を駆動して検出手段2aの応答で得た開ループ周波数応答特性H11は以下に示す式(3)を用いて数値モデル化できる。
式(3)を変形したのが、式(4)である。
J=J1+J2
ω=√(k(1/J1+1/J2))
ζ=(d/2)√((1/J1+1/J2)/k)
ωa=√(k/J2)
ζa=(d/2)√(J2/k)
さらに、図7のように開ループ周波数応答特性が多慣性系に近似できるような特性であれば、式(5)を用いて数値モデル化できる。
この例では、図9のように多慣性の場合、負荷もしくは負荷慣性モーメントJ1、J2、・・・・、JN、ばね定数k1、‥kN、減衰d1、‥dNという物理量を用いてモデル化しても良いが、多慣性になると、その推定・同定が困難なため、開ループ周波数応答特性から得られる共振周波数ωr、とその減衰比ζrと、振幅および位相Arを用いて、1自由度系の振動の総和として、比例粘性減衰として式(5)のように数値化している。
高次の共振の影響Bを考慮すると、余剰剛性Bを含めた式(6)としても良い。
制御パラメータの変化に対する一巡開ループ周波数応答特性の感度解析であるST03aの場合は、複数の一巡開ループ周波数応答特性を推定する。予め任意に定めた範囲で、任意に定めた刻み幅で、制御パラメータGを変更し、新たな一巡開ループ周波数応答特性Zoを推定し、グラフを重ねて出力装置9に表示する。これにより、制御パラメータGの違いによる相対的な一巡開ループ周波数応答特性Zoの違いが視覚的に明確になる。
なお、多重ループを構成するなど制御パラメータGが複数ある場合には、制御パラメータのバランスを保つゲインバランス式11にしたがって、制御パラメータGを変更すれば良い。
現状の推定した一巡開ループ周波数応答特性Zoを目標とする一巡開ループ周波数応答特性Zo’に近づけるため、式(8)によるその差異ΔZoは
ΔZo=Zo−Zo’ 式(8)
と、前記式(1)からなる現状の推定した一巡開ループ周波数応答特性Zoの制御パラメータGの偏微分と、制御パラメータの変化量ΔGは、式(9)の関係となる
これより、例えばガウス・ニュートン法によって、制御パラメータの変化量ΔGを導けば感度解析ができる。
また、目標とする一巡開ループ周波数応答特性Zo’と現状の一巡開ループ周波数応答特性Zoの差異に重みWを付けて、制御パラメータの変化量ΔGを導いても良い。
この場合、反復計算により、制御パラメータ感度解析結果を収束させる。式(12)のように制御パラメータを逐次更新し、収束した変更量ΔGを導出する。
Gn=Gn−1+ΔG 式(12)
また、以前の値よりΔZoが増大する場合には、式(13)のように制御パラメータを逐次更新し、ΔZoが減少するようにする。
Gn=Gn−1+e・ΔG 式(13)
ここで、0<e<1
以上のように、制御パラメータ変更後の一巡開ループ周波数応答特性を予測できる。
こうして得られた制御パラメータの変化量ΔGは表示装置により視覚的に確認できる。
図1、図2に示すスイッチ14a,14bにより、指令器の信号が制御器3に入り検出手段2の応答をフィードバックするように閉ループとし、実際に電動機を動作させて動作性能を確認する。
図10は、動作シミュレーションの構成ブロック図である。
図10は、指令器モデル24と制御器モデル23と電動機および負荷機械モデル21、25を有し、フィードバックループを構成しており、指令器モデル24が出力する指令信号を制御器モデル23に入力し、制御器モデル23からの出力を電動機および負荷機械モデル21、25に入力し、電動機および負荷機械モデル21、25からの出力を、前記指令信号から差し引くように制御器モデル23に入力するようにした、いわゆる電動機制御装置モデルを示している。なお、機械の動作量を検出する検出手段モデルは図示していない。上記の電動機制御装置モデルは、実機の電動機制御装置を模した構成となっているので、ステップST02bにて開ループ周波数応答特性の数値モデルを作成していれば、この数値モデルを電動機および負荷機械モデルとすれば、動作シミュレーションを実施できる。
これは、図2のブロック図と同じ構成である。
実機検証ST04もしくは動作シミュレーションST04bでは、ステップST03bにて推定した複数の一巡開ループ周波数応答特性を参考に、制御器の制御パラメータを任意に定めても良いし、ステップST03bによって得た目標とする一巡開ループ周波数応答特性Zo’に近づく変化量を、制御器の制御パラメータに反映させてもよい。
なお、操作者の煩雑な操作が必要とならぬように、ステップST03の出力値が実機検証ST04bもしくは動作シミュレーションST04で用いる設定値に自動的に反映させても良い。
また、ステップST04の実機検証の結果も表示装置である出力装置9により、検出手段2の応答などが視覚的に確認できる。
図11は、一巡開ループ周波数応答特性の計測を説明する簡略化したブロック図である。
図11は、図2、図4、図9から必要な部分を抜粋している。ここで、Cは図4と同様指令信号、Rは応答信号、Hは開ループ周波数応答特性、Gは制御器モデルである。bは制御器モデルのフィードバック系に施される補償であり、単位換算等を含む。また、Dは外乱入力、Tはトルクである。図11は図9の動作シミュレーションの構成と等価である。
一巡開ループ周波数応答特性を求めるには、図1に示した閉ループ外乱駆動力応答周波数特性計測手段37により、閉ループ外乱駆動力応答周波数特性を計測し、一巡開ループ周波数応答特性演算手段38により、閉ループ外乱駆動力応答周波数特性から一巡開ループ周波数応答特性を算出する。
閉ループ外乱駆動力応答周波数特性Zcは、電動機制御装置を閉ループにして図11の外乱入力DとトルクTを計測すれば、式(14)のように求められる。
電動機制御装置は閉ループにするので、図2のスイッチ14cを閉じ、閉ループ化する。
スイッチ14aは指令器4の指令信号Cを外乱Dとして与えるため、スイッチ14b側にする。スイッチ14bは、制御器3のトルクTと外乱Dを加算器16bに与えるように作用し、電動機1および機械5に駆動力を与える。電動機1もしくは機械5の応答を検出手段2が検出して、スイッチ14aを介して加算器16aから制御器3にフィードバックする。
閉ループ外乱駆動力応答周波数特性計測手段37は、前記式(14)を用いて、閉ループ外乱駆動力応答周波数特性を計測する。一巡開ループ周波数応答特性演算手段38は、閉ループ外乱駆動力応答周波数特性Zcを用いて、前記式(15)に従い、前記式(16)で示される一巡開ループ周波数応答特性Zoを算出する。
一巡開ループ周波数応答特性Zoを出力装置9にグラフ化しボード線図やナイキスト線図で示せば、ゲイン余裕・位相余裕が判断できるので、制御系の安定を判定できる。
前記制御器が持つ制御則のデータベース15bから入力装置8により制御則を変更しても良い。
図12は本発明の第2実施例の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置の構成を示す図である。
ブロック図は第1実施例の図2と同様になる。図において、1は電動機、2は検出手段、3は制御器、4は指令器、5は機械、6は開ループ周波数応答特性計測手段、7は演算手段、8は入力装置、9は出力装置、10は記憶装置、11はゲインバランス式、12は感度解析装置、15は制御則データベース、16は加算器、17は動作シミュレータ、23は制御器モデル、37は閉ループ外乱駆動力応答周波数特性計測手段、38は一巡開ループ周波数応答特性演算手段となっている。また電動機1は、並進型リニアモータであり、検出手段2は、並進型リニアモータの可動子および機械5の負荷の動作量を検出するリニアエンコーダとなっており、第1実施例とは異なる。
第2実施例が従来技術と異なる点は、第1実施例と同様に、開ループ周波数応答特性計測手段6と、演算手段7と、ゲインバランス式11と、感度解析装置12と、制御則データベース15と、動作シミュレータ17と、制御器モデル23と、閉ループ外乱駆動力応答周波数特性計測手段37と、一巡開ループ周波数応答特性演算手段38を備えた部分である。
第2実施例は、電動機1と検出手段2が第1実施例と構成が異なるが、ブロック図は第1実施例の図2と同じである。このため、ステップST01からST05までの動作は、第1実施例と同じである。
このように、第1実施例のような構成をしているので、第1実施例と同じ効果を得ることができる。電動機1が回転型モータであっても、並進型リニアモータであっても同様の効果を得ることができる。
図13は本発明の第3実施例の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置の構成を示す図である。
図14は本発明の第3実施例の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置の電動機制御装置部分を示すブロック図である。
図13、図14において、1は電動機、2a,2bは検出手段、3は制御器、4は指令器、5は機械、6は開ループ周波数応答特性計測手段、7は演算手段、8は入力装置、9は出力装置、10は記憶装置、11はゲインバランス式、12は感度解析装置、14はスイッチ、15は制御則データベース、16は加算器、17は動作シミュレータ、23は制御器モデル、35は駆動力検出手段、37は閉ループ外乱駆動力応答周波数特性計測手段、38は一巡開ループ周波数応答特性演算手段となっている。
図13には、電動機制御装置部分のみのブロック図を表示している。
また、電動機1は、回転型モータであり、検出手段2は、回転型モータに付加されたエンコーダ2aと機械5の負荷の動作量を検出するリニアエンコーダ2bとなっており、速度を検出する回転型エンコーダ2aと、位置を検出するリニアエンコーダ2bの両方を備えたフルクローズド制御系となっている。
さらに、制御器3は、位置ループと速度ループの多重ループ系を構成しており、位置ループには、位置ループゲインKp、速度ループには、速度ループゲインKvと積分時定数Tiを有する位置比例‐速度比例・積分(P−PI)制御を構成し、加えてトルクフィルタTfを有し、Kp、Kv、Ti、Tfという4つの制御パラメータGを持つ構成になっている。
このような点が第1および第2実施例とは異なる構成になっている。
本発明が従来技術と異なる点は、第1および第2実施例と同様に、開ループ周波数応答特性計測手段6と、演算手段7と、ゲインバランス式11と、感度解析装置12と、制御則データベース15と、動作シミュレータ17と、制御器モデル23と、駆動力検出手段35と、閉ループ外乱駆動力応答周波数特性計測手段37と、一巡開ループ周波数応答特性演算手段38を備えた部分である。
検出手段2a,2bと多重ループ系の構成による第1、第2実施例と異なる点を中心に説明する。
ステップST01の開ループ周波数応答特性の計測では、トルクからモータ速度・検出手段2aまでの機械特性となる開ループ周波数応答特性HVと、トルクから機械負荷位置・検出手段2bまでの機械特性となる開ループ周波数応答特性HDという異なる2種類の開ループ周波数応答特性が存在している。
よって、第1および第2実施例と同様に開ループ周波数応答特性Hを計測し、2種類の開ループ周波数応答特性HVとHDを得る。
前記式(1)に対応する制御パラメータは、Kp、Kv、Ti、Tfから成る位置比例・速度比例積分(P−PI)制御を構成しているので、開ループ周波数応答特性HVと、開ループ周波数応答特性HDを用いて示すと、一巡開ループ周波数応答特性Zoは式(17)のようになる。
なお、第1実施例で説明したように閉ループ外乱駆動力応答周波数特性Zcと一巡開ループ周波数応答特性Zoは、前記式(15)の関係があるため、閉ループ外乱駆動力応答周波数特性Zcは式(18)のようになる。
また、ステップST02bにて開ループ周波数応答特性HD,HVを第1実施例と同様に数値化した上で、一巡開ループ周波数応答特性Zoを推定しても良い。
開ループ周波数応答特性HD,HVを前記図8のような2慣性モデルに数値化すると、
J1側を駆動しJ2側の応答を検出した場合は、トルクから機械負荷位置・検出手段2bまでの機械特性となる開ループ周波数応答特性HDは式(19)となる。
以上のようにST02bが完了すれば、第1実施例と同様に一巡開ループ周波数応答特性Zoを推定できる。
なお、第1実施例と同様に、多慣性モデルとして開ループ周波数応答特性を数値化し、一巡開ループ周波数応答特性Zoを推定しても良い。
第1実施例と同様にステップST03aとステップST03bの双方が実施できる。
ステップST03aによる制御パラメータの変化に対する周波数応答特性の感度解析では、第1実施例と同様に、予め任意に定めた範囲で、任意に定めた刻み幅で、制御パラメータG(Kp、Kv、Ti、Tf)を新たな一巡開ループ周波数応答特性Zoを推定できる。
ステップSTP02bにて開ループ周波数応答特性を数値化していれば制御パラメータGと機械のパラメータを変更し、新たな一巡開ループ周波数応答特性Zoを推定できる。
なお、第1実施例で述べたように、2慣性モデルを共振周波数ω、反共振周波数ωa、とその減衰比ζ、ζaという特性量を変更して新たな一巡開ループ周波数応答特性Zoを推定しても良い。
開ループ周波数応答特性を多慣性系に近似した場合は、各々の共振周波数ωr、減衰比ζrと、振幅および位相Ar、総負荷慣性モーメントJ,もしくは余剰剛性B、を変更しても良いし、多慣性系を比例粘性減衰系ではなく一般粘性減衰系とすれば、各々の共振周波数ω、減衰比ζと、振幅および位相UおよびV、総負荷慣性モーメントJ,もしくは余剰剛性B、を変更しても良い
機械パラメータは、開ループ周波数応答特性をSTO2bにて数値モデル化していれば得られている。
まず、制御パラメータG(Kp、Kv、Ti、Tf)のみの感度解析を示すと、式(20)のようになる。
開ループ周波数応答特性を2慣性モデルとすれば、負荷慣性モーメントJ1、負荷側の負荷慣性モーメントJ2、ばね定数k、減衰d、あるいは、共振周波数ω、反共振周波数ωa、とその減衰比ζ、ζa、多慣性モデルであれば、各々の共振周波数ωr、減衰比ζrと、振幅および位相Ar、総負荷慣性モーメントJ,もしくは余剰剛性B、としても良いし、多慣性系を比例粘性減衰系ではなく一般粘性減衰系とすれば、各々の共振周波数ωr、減衰比ζrと、振幅および位相UrおよびVr、総負荷慣性モーメントJ,もしくは余剰剛性B、を制御パラメータG(Kp、Kv、Ti、Tf)に含めて感度解析できる。
開ループ周波数応答特性を2慣性モデルとすれば、式(21)を元に感度解析できる。
なお、本事例では、制御器の制御パラメータをフィードバック系のKp、Kv、Ti、Tf4つとしたが、フィードフォワード系のパラメータを構成しても良いし、ノッチフィルタなどを加えて構成しても良い。
図15は本発明の第4の実施例の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置の電動機制御装置部分を示すブロック図である。
1は電動機、2a,2bは検出手段、3は制御器、4は指令器、5は機械、14a、14b、14cはスイッチ、16a,16b、16c、16dは加算器、35は駆動力検出手段、となっている。
さらに、制御器3は、位置ループと速度ループの多重ループ系を構成しており、位置ループには、位置ループゲインKp、速度ループには、速度ループゲインKvと積分時定数Tiを有する位置比例‐速度比例・積分(P−PI)制御を構成し、加えてトルクフィルタTfを有し、Kp、Kv、Ti、Tfという4つの制御パラメータGを持つ構成になっている。
その他の構成は、第1実施例、第2実施例,第3実施例と同様であり、図1、図2、図12、図13のように、出力装置9、記憶装置10、ゲインバランス式11、感度解析装置12、制御則データベース15、動作シミュレータ17、制御器モデル23、閉ループ外乱駆動力応答周波数特性計測手段37、一巡開ループ周波数応答特性演算手段38等を備えているとする。
第1および第2実施例とは異なり、多重ループ系の構成を示しており、第3実施例はフルクローズド制御系であったが、図15はセミクローズド制御系に成っている点が異なる。
本発明が従来技術と異なる点は、第1実施例,第2実施例、第3実施例と同様であるが、電動機制御装置部分のみしか図15には示していない。
ステップST01の開ループ周波数応答特性の計測において、ST01bでは閉ループ状態で、開ループ周波数応答特性と等価な周波数応答特性を得ることが可能である。
スイッチ14cをONし閉ループ状態とし、検出手段2の応答は加算器16aで(−)入力される。制御器3には入力がなく、“0”の入力を保つように制御器3が働きながら、スイッチ14aにより指令器4の指令信号Cを電動機1の直前の加算器16bに入力され、開ループ周波数応答特性計測手段6は、指令信号Cと応答rと、一巡したトルク(リニアモータの場合は推力)Tを受け取り、開ループ周波数応答特性を得る。
開ループ周波数応答特性と等価な周波数応答特性Hは式(24)により得られる。
ステップST01bはST01aと同じ周波数応答特性Hを得られるので、ステップST02、ST03,ST04、STOP5は、第1実施例から3と同様に実施できる。
まず、第1実施例で説明したように閉ループ外乱駆動力応答周波数特性は、式(25)になる。
数値演算により求めた伝達関数数値モデルを用いた一巡開ループ周波数応答特性を算出すれば、開ループ周波数応答特性は制御対象の機械特性であるため、計測した開ループ周波数応答特性で無くとも、数値モデル化した特性が与えられれば、第1実施例と同様に一巡開ループ周波数応答特性を推定できる。
この場合、機械モデルを持つので、第3実施例で説明したように制御パラメータと機械パラメータを含めて感度解析できる。
また、動作シミュレータの活用が可能であるという特徴がある。
前記電動機制御装置により駆動される電動機が機械に組み込まれており、電動機は検出手段の応答をフィードバックして制御される。この機械の特性を有限要素法により算出する。計算機の中に寸法、機械の物性値を入れて機械モデルとして組み込み、境界条件など諸々の条件を実機に合わせて定義して解けば、機械の固有振動数や振動モードが得られる。固有振動数や振動モードが得られれば、機械モデルの数値化ができるので、電動機の場所と検出手段の場所の間の伝達関数を出力すれば、計測した開ループ周波数応答特性に対応する機械特性の伝達関数数値モデルを把握できる。
図16は、本発明の第5の実施例である伝達関数数値モデル図である。図17は、伝達関数数値モデルをボード線図で示したものである。
伝達関数数値モデルは、有限要素法の結果で出力されるパラメータを、例えば、前記式(6)に入力すれば得られる。
この伝達関数数値モデルを例えば図1に示した前記電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置の前記演算装置に入力すれば、前記制御モデルを利用して、一巡開ループ周波数応答特性を推定できる。
本発明が従来技術と異なる点は、機械特性である伝達関数数値モデルを実機では無く、有限要素法による数値演算により算出している点である。このことは第1実施例〜第4実施例と異なる部分も同様である。
はじめにステップST01で制御対象(機械特性)の把握をする。次にステップST02で一巡開ループ周波数応答特性の推定する。さらに、ステップST03で制御パラメータと一巡開ループ周波数応答特性の関係の感度解析を実施する。また、ステップST04では、電動機制御装置の実機動作を確認する。
最後にステップST05では、一巡開ループ周波数応答特性を計測して制御系安定度を確認する。
このように、制御対象(機械特性)の把握し、機械系の影響度を考慮にいれて制御パラメータ変更による結果の傾向が事前に判るため制御パラメータを選定しやすくなる。さらに、最後に一巡開ループ周波数応答特性を計測するので、ゲイン余裕・位相余裕を観察でき、制御パラメータの適正を確認できるので、最適な電動機制御装置の制御パラメータの設定を行うことができる。
2 2a,2b 検出手段
3 制御器
4 指令器
5 機械
6 開ループ周波数応答特性計測手段
7 演算手段
8 入力装置
9 出力装置
10 記憶装置
11 ゲインバランス式
12 感度解析装置
13 指令器制御器
14、14a、14b スイッチ
15、15a、15b 制御則データベース
16 加算器
17 動作シミュレータ
21 電動機モデル
22 検出手段モデル(不図示)
23 制御器モデル
24 指令器モデル
25 機械モデル
31 位置ループゲイン
32 速度ループゲイン
33 積分時定数
34 トルク(推力)フィルタ
35 駆動力検出手段
36 閉ループ外乱周波数応答特性計測手段
37 閉ループ外乱駆動力応答周波数特性計測手段
38 一巡開ループ周波数応答特性演算手段
Claims (23)
- 機械に取り付けられた電動機と、
前記電動機または前記機械からなる被検出体の動作量を検出する検出手段と、
指令信号を発生する指令器と、
指令信号を受けて前記電動機を駆動する制御器とからなる電動機制御装置において、
前記制御器の特性を含まない開ループ周波数応答特性を計測する開ループ周波数応答特性計測手段と、
前記電動機制御装置の制御器の制御器モデルと、
計測した前記開ループ周波数応答特性と前記制御器モデルから一巡開ループ周波数応答特性を算出する演算手段と、
前記制御器の制御パラメータと前記一巡開ループ周波数応答特性の変化の関係を感度解析する感度解析装置とを備えたことを特徴とする電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。 - 機械に取り付けられた電動機と、
前記電動機または前記機械からなる被検出体の動作量を検出する検出手段と、
指令信号を発生する指令器と、
指令信号を受けて前記電動機を駆動する制御器とからなる電動機制御装置において、
予め前記機械の質量や剛性から数値演算により算出した機械モデルを用いて、前記電動機の位置と前記機械に取り付けた検出手段の位置との間における伝達関数を求めることにより得られる機械特性の伝達関数数値モデルと、
前記電動機制御装置の制御器の制御器モデルと、
前記伝達関数数値モデルと前記制御器モデルから一巡開ループ周波数応答特性を算出する演算手段と、
前記制御器の制御パラメータと前記一巡開ループ周波数応答特性の変化の関係を感度解析する感度解析装置とを備えたことを特徴とする電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。 - 前記感度解析装置は、前記一巡開ループ周波数応答特性と目標とする一巡開ループ周波数応答特性の差異と、前記一巡開ループ周波数応答特性の数式モデルの前記制御パラメータの偏微分より、目標とする一巡開ループ周波数応答特性に近づく前記制御パラメータの変化量を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。
- 前記感度解析装置は、予め任意に定められた範囲および刻み幅で、前記制御パラメータを変化させた場合の一巡開ループ周波数応答特性を算出し、前記制御パラメータの変化による前記一巡開ループ周波数応答特性の変化を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。
- 前記検出手段は、前記電動機または前記機械の位置、速度、加速度の何れかを検出してその動作量とすることを特徴とする請求項1に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。
- 前記制御器は、複数の前記制御パラメータを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。
- 前記制御器は、少なくとも1つの閉ループを備え、単位系にあわせて前記制御指令とそれぞれの成分の前記動作量を一致するように前記電動機を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。
- 前記演算手段は、計測した前記開ループ周波数応答特性を数値モデル化する数値モデル化手段を備え、前記開ループ周波数応答特性を数値モデル化し、前記電動機制御装置の制御器の前記制御器モデルと開ループ周波数応答特性の数値モデルから一巡開ループ周波数応答特性を算出することを特徴とする請求項1に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。
- 前記数値モデル化手段は、前記開ループ周波数応答特性を、機械共振周波数、減衰、ばね乗数、負荷もしくは負荷慣性モーメントのような機械特性に分類されるパラメータから構成される数値モデルに数値化することを特徴とする請求項8に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。
- 前記電動機の電動機モデルと、前記電動機または前記機械からなる被検出体の動作量を検出する検出手段の検出手段モデルと、指令信号を発生する指令器の指令器モデルと、指令信号を受けて前記電動機を駆動する制御器の前記制御器モデルを備えた電動機制御装置の電動機制御装置モデルを有し、制御器の制御パラメータと等価な制御器モデルの制御パラメータと前記数値モデル化手段により数値化した前記開ループ周波数応答特性の数値モデルを用いて、指令入力に対する応答を時系列データとして出力する電動機制御装置の動作シミュレータを備えることを特徴とする請求項2、8、9の何れか1項に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。
- 前記制御器が複数の前記制御パラメータを有する場合に、前記感度解析装置は、制御特性の応答性が変化しつつもバランスを保つゲインバランス式を備えることを特徴とする請求項7に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。
- 前記感度解析装置は、前記制御パラメータに機械パラメータを含め、目標とする一巡開ループ周波数応答特性と推定した前記一巡開ループ周波数応答との差異と、推定した前記一巡開ループ周波数応答特性の数式モデルの前記制御パラメータの偏微分より、目標とする一巡開ループ周波数応答特性に近づく前記機械パラメータを含めた前記制御パラメータの変化量を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。
- 前記制御器は、前記検出手段の信号を(−)端子に入力する減算器と、その減算器の信号を受けて働き制御指令を出力するような、少なくとも1つの閉ループを備え、単位系にあわせて前記制御指令とそれぞれの成分の前記動作量を一致するように前記電動機を制御し、加算器が少なくとも1つの閉ループの中に設けられ、前記加算器に前記指令発生装置の信号を入力することで、前記開ループ周波数応答特性計測手段が、前記開ループ周波数応答特性と等価な周波数特性を得ることを特徴とする請求項1または7に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。
- 前記制御器は、少なくとも1つ以上の閉ループと、少なくとも1つ以上の閉ループを開閉するスイッチを備えることを特徴とする請求項1、2、7の何れか1項に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。
- 前記検出手段の信号を(−)端子に入力する減算器と、その減算器の信号を受けて働き制御指令を出力するような、少なくとも1つの閉ループを備え、単位系にあわせて前記制御指令とそれぞれの成分の前記動作量を一致するように前記電動機を制御し、加算器が少なくとも1つの閉ループの中に設けられ、前記加算器に前記指令発生装置の信号を入力することで、前記開ループ周波数応答特性と等価な周波数特性を得る前記開ループ周波数応答特性計測手段と、
少なくとも1つの閉ループの中に設けられた前記加算器に加えた前記指令発生装置の信号と前記検出手段の信号応答から得られる閉ループ外乱応答周波数特性を得る閉ループ外乱周波数応答特性計測手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。 - 前記検出手段の信号を(−)端子に入力する減算器と、その減算器の信号を受けて働き制御指令を出力するような、少なくとも1つの閉ループを備え、単位系にあわせて前記制御指令とそれぞれの成分の前記動作量を一致するように前記電動機を制御し、加算器が少なくとも1つの閉ループの中に設けられ、前記加算器に前記指令発生装置の信号を入力することで、前記開ループ周波数応答特性と等価な周波数特性を得る前記開ループ周波数応答特性計測手段と、
前記制御器から出力され少なくとも1つの閉ループの中に設けられた前記加算器の手前のトルクもしくは推力となる駆動力を検出する駆動力検出手段と、
少なくとも1つの閉ループの中に設けられた前記加算器に加えた前記指令発生装置の信号と前記駆動力検出手段が検出した信号応答から得られる閉ループ外乱駆動力応答周波数特性を得る閉ループ外乱駆動力応答周波数特性計測手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。 - 前記閉ループ外乱駆動力応答周波数特性計測手段から得た前記閉ループ外乱駆動力応答周波数特性から、一巡開ループ周波数応答特性を算出する一巡開ループ周波数応答特性演算手段を備えることを特徴とする請求項16に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。
- 入力手段と、表示装置と、記憶装置とのいずれかを少なくとも1つ以上を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。
- 前記制御器もしくは前記制御器モデルは各種制御則を揃えた制御則データベースを備えたことを特徴とする請求項1、2、7の何れか1項に記載の電動機制御装置の制御パラメータ感度解析装置。
- 機械に取り付けられた電動機と、
前記電動機または前記機械からなる被検出体の動作量を検出する検出手段と、
指令信号を発生する指令器と、
指令信号を受けて前記電動機を駆動する制御器とからなる電動機制御装置の制御パラメータの設定方法において、
前記制御器の特性を含まない開ループ周波数応答特性を取得し、
前記開ループ周波数応答特性と前記制御器の制御器モデルから一巡開ループ周波数応答特性を演算処理し、
前記制御器の制御パラメータと前記一巡開ループ周波数応答特性の変化の関係を感度解析する感度解析処理し、
前記制御器の制御パラメータを決定するという手順で処理することを特徴とする電動機制御装置の制御パラメータ設定方法。 - 機械に取り付けられた電動機と、
前記電動機または前記機械からなる被検出体の動作量を検出する検出手段と、
指令信号を発生する指令器と、
指令信号を受けて前記電動機を駆動する制御器とからなる電動機制御装置の制御パラメータの設定方法において、
前記制御器の特性を含まない開ループ周波数応答特性を取得する処理し、
前記開ループ周波数応答特性と前記制御器の制御器モデルから一巡開ループ周波数応答特性を算出する処理し、
前記制御器の制御パラメータと前記一巡開ループ周波数応答特性の変化の関係を感度解析する感度解析処理し、
閉ループを構成する電動機制御装置に設けられた前記加算器に加えた前記指令発生装置の信号と前記駆動力検出手段が検出した信号応答から得られる閉ループ外乱駆動力応答周波数特性を計測して一巡開ループ周波数応答特性を算出して、前記制御器の制御パラメータの安定度を確認するという手順で処理することを特徴とする電動機制御装置の制御パラメータ設定方法。 - 前記開ループ周波数応答特性を取得する処理では、前記電動機制御装置を開ループ化して前記制御器の特性を含まない開ループ周波数応答特性を計測する、もしくは、数値演算して開ループ周波数応答特性と等価な前記機械の電動機が駆動する駆動部と前記機械の前記検出手段が付く動作量検出部の間の機械特性の伝達関数数値モデルを算出する、もしくは、前記電動機制御装置を閉ループ化して閉ループに設けられた加算器に前記指令発生装置の信号を入力することで、前記開ループ周波数応答特性計測手段が、前記開ループ周波数応答特性と等価な周波数特性を得ることを特徴とする請求項20または21に記載の電動機制御装置の制御パラメータ設定方法。
- 前記感度解析処理では、目標とする一巡開ループ周波数応答特性と前記一巡開ループ周波数応答との差異と前記一巡開ループ周波数応答特性の数式モデルの前記制御パラメータの偏微分より目標とする一巡開ループ周波数応答特性に近づく前記制御パラメータの変化量を推定する、あるいは、予め任意に定められた範囲および刻み幅で、前記制御パラメータを変化させた場合の一巡開ループ周波数応答特性を算出し前記制御パラメータの変化による前記一巡開ループ周波数応答特性の変化を推定することを特徴とする請求項20または21に記載の電動機制御装置の制御パラメータ設定方法。
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