JP7268419B2 - パラメータ設定支援装置、パラメータ設定支援方法及びパラメータ設定支援プログラム - Google Patents

パラメータ設定支援装置、パラメータ設定支援方法及びパラメータ設定支援プログラム Download PDF

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Description

本発明は、負荷装置とモータを含む制御対象を制御する制御装置に対する、パラメータ値設定を支援するためのパラメータ設定支援装置、パラメータ設定支援方法及びパラメータ設定支援プログラムに関する。
シリアルリンクロボットのようなシステムでは、モータによって駆動される負荷装置の機械パラメータ(慣性等)が負荷装置の姿勢によって変化する。従って、そのようなシステムにおける制御対象(負荷装置とモータを含む)の制御装置の各種制御パラメータは、負荷装置の姿勢によらず良好に制御対象を制御できる値でなければならない。しかしながら、制御装置の制御パラメータ設定に関する既存の技術(例えば、特許文献1参照)は、いずれも、負荷装置の機械パラメータが一定であることを前提としたものとなっている。そのため、姿勢により機械パラメータが変化する負荷装置を含む制御対象を制御する制御装置の各種制御パラメータの設定/調整時には、『制御パラメータ値の設定/調整→評価→負荷装置の姿勢を変更→評価』といったような作業を何度も繰り返さなければならなかった。
これに対し、負荷装置の複数の姿勢における調整指標を合成し、合成した調整指標をマップ化して表示することにより、負荷装置の姿勢に関わらず安定した制御が可能な制御パラメータを設定するという手法が考えられる。このような手法については、慣性変動する負荷装置における代表となる姿勢、例えば装置の慣性が最大および最小となる姿勢を考慮して調整指標を取得する必要がある。しかしながら、負荷装置の慣性が最大および最小となる姿勢を探索するためには、負荷装置の構造から推定するか、若しくは試行錯誤的に全姿勢に対して慣性を推定・評価を行う必要がある。従って、負荷装置の慣性が最大および最小となる姿勢を探索すること自体が非常に困難であった。また先行技術では複数の姿勢に対して調整指標マップをそれぞれ作成するため時間がかかるという課題があった。
これに関連して、予め慣性の変動範囲に対してゲインを設定しておき、総慣性をリアルタイムで取得し、推定した総慣性の範囲より位置ループ比例ゲイン、速度ループ比例ゲイン、速度ループ積分ゲインを設定する発明が公知である(例えば、特許文献2参照)。より具体的には、特許文献2に記載の先行技術は、事前に設定する速度応答最大値と、リアルタイムで推定している慣性の最大最小値より、速度ループ比例ゲインを決定し、この速度ループ比例ゲインに一定の比率を用いて他のゲインを決定するというものである。しかしながら、この技術では、リアルタイムに慣性を推定しているため、制御内容が複雑になり、演算負荷が増加する場合があった。
上記のような事情より、姿勢又は状況により慣性などの機械パラメータが変化する負荷装置を含む制御対象を制御するためのパラメータを、事前に、より容易に設定することができる技術が望まれている。
特開2017-167607号公報 特許第5200648号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、姿勢又は状況により慣性などの機械パラメータが変化する負荷装置を含む制御対象を制御するためのパラメータ値を、事前に、より容易に設定できる技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、作動中の姿勢により慣性が変化する負荷装置と該負荷装置を駆動するモータと、を含む制御対象を制御する制御装置における、制御パラメータの設定を支援するパラメータ設定支援装置であって、
前記負荷装置の慣性が最大となる姿勢と前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢と、における、前記制御対象の周波数応答特性に基づいて、前記制御装置による制御の安定性又は制御性能を示す評価指標値を特定する第1特定手段と、
前記第1特定手段により特定された、前記負荷装置の慣性が最大となる姿勢及び前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢についての前記評価指標値に基づき、前記負荷装置の前記作動中の姿勢に関する前記評価指標値を代表する合成評価指標値を特定する第2特定手段と、
を備えることを特徴とするパラメータ設定支援装置である。
すなわち、本発明においては、第1特定手段が、負荷装置の慣性が最大となる姿勢と、負荷装置の慣性が最小となる姿勢とにおける、制御対象の周波数応答特性に基づいて、制御装置による制御の安定性又は制御性能を示す評価指標値を特定する。具体的には、単一周波数に対する周波数応答特性と、制御パラメータとしての速度ループ比例ゲインと、予め設定された慣性設定値を用いて、慣性を算出し、算出された慣性の値と時間の関係を求めることによって、負荷装置の慣性が最大となる姿勢と最小となる姿勢を探索できる。そして、この評価指標値に基づき、第2特定手段が、負荷装置の作動中の姿勢に関する評価指標値を代表する合成評価指標値を特定する。
よって、本発明においては、負荷装置の作動中の慣性の変化を考慮した上で、評価指標値を特定することが可能であり、この評価指標値に基づいて、各制御パラメータを設定することが可能となる。ここで、制御対象とは負荷装置と、この負荷装置を駆動させるモータを含むシステムである。また、評価指標値とは、制御対象の制御の安定性又は制御性能を示す指標値であって、例えば位置ループおよび/または速度ループのゲインピーク値であってもよい。
また、本発明においては、前記第1特定手段は、
前記負荷装置の作動中の所定の基準姿勢における周波数応答特性と、
前記負荷装置の慣性が最大となる姿勢における該慣性に対する前記基準姿勢における前記負荷装置の慣性の比率及び、前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢における該慣性に対する前記基準姿勢における前記負荷装置の慣性の比率と、
に基づいて、
前記負荷装置の慣性が最大となる姿勢と前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢と、における、前記制御対象の周波数応答特性を取得するようにしてもよい。
これによれば、第1特定手段は、前記負荷装置の慣性が最大となる姿勢と、前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢における、前記制御対象の周波数応答特性を各々取得する必要がない。負荷装置の基準姿勢における、前記制御対象の周波数応答特性を取得し、さらに、負荷装置の慣性が最大となる姿勢における該慣性に対する基準姿勢における負荷装置の慣性の比率及び、負荷装置の慣性が最小となる姿勢における該慣性に対する基準姿勢における負荷装置の慣性の比率から、負荷装置の慣性が最大となる姿勢と、負荷装置の慣性が最小となる姿勢における、制御対象の周波数応答特性を取得することができる。
そうすると、より容易に、負荷装置の慣性が最大となる姿勢と、負荷装置の慣性が最小となる姿勢における、制御対象の周波数応答特性を取得することが可能となる。その結果
、より容易に、作動中に慣性が変化する負荷装置を含む制御対象を制御するためのパラメータを設定することが可能となる。
また、本発明においては、前記第1特定手段は、前記基準姿勢を、前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢としてもよい。これにより、基準姿勢と、負荷装置の慣性が最小となる姿勢における周波数応答特性が一度に取得できるとともに、周波数応答特性をより安定した状態で取得できる可能性が高くなり、より円滑に制御対象を制御するためのパラメータを設定することが可能となる。
また、本発明においては、前記第1特定手段は、前記負荷装置の慣性が最大となる姿勢と、前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢のそれぞれについての前記評価指標値を、前記制御装置の少なくとも1つの制御パラメータの値が互いに異なる複数の制御装置状態のそれぞれについて特定し、
前記第2特定手段は、前記制御装置状態別に、前記合成評価指標値を特定するようにしてもよい。
すなわち、この場合には、第1特定手段は、複数の制御装置状態について評価指標値を特定し、第2特定手段は、制御装置状態別に合成評価指標値を特定する。これによれば、最も良い合成評価指標値が得られる制御装置状態を選択し易くなり、より容易に最適な制御パラメータを設定することが可能となる。
また、本発明においては、前記第2特定手段により特定された各合成評価指標値を、各合成評価指標値が特定された前記制御装置状態を示す情報に対応づけた形で表示する表示手段を、さらに備えるようにしてもよい。
この場合には、表示手段は、例えば、制御装置状態を示す各パラメータを、横軸と縦軸にして、合成評価指標値を色分けして表示する安定性マップを表示してもよい。このように、各合成評価指標値を、各合成評価指標値が特定された前記制御装置状態を示す情報に対応づけた形で表示することで、より容易に、最適なパラメータを設定することが可能となる。
また、本発明においては、前記第1特定手段は、前記負荷装置の作動中における、所定の単一周波数についての周波数応答特性を取得することにより、前記負荷装置の所定の姿勢における慣性の値を取得するようにしてもよい。
この場合には、負荷装置の動作中に単一の周波数の入力に対する周波数応答特性を繰り返し確認し、各姿勢における慣性に対する基準姿勢における慣性の比率を算出してもよい。これによれば、一つの連続動作によって、より容易に、負荷装置の作動中の慣性の変動範囲を取得することができる。
また、この場合には、前記第1特定手段は、前記負荷装置の作動中における、所定の単一周波数についてのゲイン特性と、事前に設定した所定のパラメータにより、前記負荷装置の所定の姿勢における慣性の値を算出するようにしてもよい。ここでいう所定のパラメータは、速度ループ比例ゲインKvp及び、慣性設定値Jであってもよい。これによれば、ゲイン特性と、速度ループ比例ゲインKvpと、慣性設定値Jとから、例えば、以下の数式(1)を用いて容易に、負荷装置の各姿勢における慣性の値を算出することが可能となる。

慣性J=(Kvp・J)/(ω・|G(jω)|)・・・・・(1)
また、本発明においては、前記負荷装置の作動中に、該負荷装置への動作指令信号に正弦波状信号を重畳するようにしてもよい。
ここで、上記のように負荷装置の作動中における、所定の単一周波数についての周波数応答特性を取得する際には、何らかの周波数信号が必要となる。しかしながら、負荷装置が例えば等速運動指令等により作動する場合には、動作指令に周波数信号が含まれておらず単一の周波数に対する周波数応答特性を取得することが困難となる場合がある。あるいは、負荷装置への動作指令に複数の周波数成分が含まれている場合には、その周波数成分の影響を受けることで、単一の周波数に対する周波数応答特性を正しく取得できない場合がある。
これに対し、本発明では、負荷装置の作動中に、負荷装置への動作指令信号に意図的に正弦波状信号を重畳することとした。これによれば、動作指令の種類によらず、より確実に、当該単一周波数の入力に対する周波数応答を取得することが可能となる。なお、この場合に重畳する正弦波信号は、上述の単一の周波数に係る正弦波状信号であってもよいし、複数の異なる周波数の正弦波の和であってもよい。
また、本発明においては、重畳する前記正弦波状信号の周波数は、前記負荷装置の共振周波数及び反共振周波数より低い周波数としてもよい。ここで、重畳する正弦波状信号の周波数が共振及び反共振周波数と同等若しくは高い周波数である場合には、慣性を取得する為に用いた制御対象モデルと実際の制御対象に大きな乖離が発生し、慣性が正しく取得できない場合がある。これに対して、重畳する前記正弦波状信号の周波数を、前記負荷装置の共振周波数及び反共振周波数より低い周波数とすることで、より確実または正確に、負荷装置の慣性を取得することが可能となる。
なお、この場合において、重畳する正弦波状信号の周波数は、基準位置で取得した周波数応答特性に基づいて、負荷装置の共振周波数及び反共振周波数より低い周波数を判断してもよい。これによれば、負荷装置の共振周波数及び反共振周波数を容易に取得することができるので、より容易に、負荷装置の共振周波数及び反共振周波数より低い周波数としての正弦波状信号の周波数を決定することができる。
また、上記において重畳する正弦波状信号の周波数は、基準位置における開ループの周波数応答特性において、-20[dB/dec]と近似できる帯域の周波数としてもよい。ここで、重畳する正弦波状信号の周波数が、負荷装置の共振周波数及び反共振周波数より低い周波数であっても、負荷装置の共振周波数及び反共振周波数に近い周波数である場合には、共振または反共振の影響により、単一の周波数に対する正しい周波数応答特性が取得できない場合がある。これに対し、重畳する正弦波状信号の周波数を、基準位置における開ループの周波数応答特性において、-20[dB/dec]と近似できる帯域の周波数とすることで、より確実に、共振または反共振の影響を排除することができ、単一の周波数に対する正しい周波数応答特性を取得することが可能となる。
また、本発明においては、前記負荷装置の作動中において、前記正弦波状信号を重畳する区間は、前記負荷装置を一定速度で動作させる動作指令の区間としてもよい。
ここで、負荷装置を加減速動作させる指令には、周波数応答特性を確認するために重畳する周波数の信号が含まれている可能性がある。そうすると、実際に重畳した正弦波状信号に対する周波数応答特性が正しく取得できない虞がある。これに対して、本発明においては、負荷装置の作動中において、正弦波状信号を重畳する区間を、負荷装置を一定速度で動作させる動作指令の区間とした。これにより、余分な周波数信号が動作指令信号に含
まれている可能性を低減させることができ、より正確に、重畳した周波数の正弦波状信号に対する周波数応答特性を取得することが可能となる。
また、本発明においては、正弦波状信号を重畳する動作指令は、位置指令、速度指令または、トルク指令のいずれかとしてもよい。これによれば、周波数応答特性を取得するために正弦波状信号を重畳する信号を適宜選択することができ、測定の自由度を向上させることが可能となる。
また、本発明においては、前記制御対象は、結合する複数の負荷装置を含んでおり、前記第1特定手段は、前記制御対象に含まれるそれぞれの負荷装置について、前記評価指標値を特定し、前記第2特定手段は、前記制御対象に含まれるそれぞれの負荷装置について、前記合成評価指標値を特定し、各負荷装置のそれぞれについての合成評価指標値に基づき、制御対象全体としての合成評価指標値を特定するようにしてもよい。
ここで、負荷装置としては、ガントリ装置のように、複数の軸の出力を同時に制御することを要するものがある。これは、制御対象が複数の負荷装置の組合せにより構成されていると捉えられる。そして、このような場合に、特定の軸に対して設定したパラメータを別の軸にそのまま適応すると、その軸における動作が不安定になる恐れがある。
これに対し、本発明では、第1特定手段は、制御対象に含まれるそれぞれの負荷装置について、評価指標値を特定し、第2特定手段は、制御対象に含まれるそれぞれの負荷装置について、合成評価指標値を特定し、各負荷装置のそれぞれについての合成評価指標値に基づき、制御対象全体としての合成評価指標値を特定するようにした。
より具体的には、第2特定手段は、例えば、制御対象に含まれるそれぞれの負荷装置について、合成評価指標値を特定し、各負荷装置のそれぞれについての合成評価指標値の悪い方の合成評価指標値を、制御対象全体としての合成評価指標値としてもよい。これによれば、各負荷装置を組み合わせた制御対象が安定して作動する、制御対象全体としての合成評価指標値を得ることができ、結合する複数の負荷装置(軸)を含む制御対象を、より安定して動作させる制御パラメータを設定することができる。
また、本発明においては、前記第2特定手段により特定された、制御対象全体としての合成評価指標値を、各合成評価指標値が特定された前記制御装置状態を示す情報に対応づけた形で表示する第2表示手段を、さらに備えるようにしてもよい。
この場合には、第2表示手段は、複数の負荷装置を含む制御対象全体としての合成評価指標値に基づいて安定性マップを表示する。より具体的には、各々の負荷装置についての安定性マップにおける合成評価指標値のうちの、より悪い方の合成評価指標値を、制御対象全体としての合成評価指標値とした安定性マップを表示するようにしてもよい。これによれば、一つの安定性マップによって複数の負荷装置(軸)が安定となる制御パラメータを確認することができ、複数の負荷装置(軸)で安定かつ同一の出力となる制御パラメータを設定することが可能となる。
また、本発明においては、前記第2特定手段により特定された合成評価指標値を、各合成評価指標値が特定された前記制御装置状態を示す情報に対応づけた形で表示する際に、所定条件を満たす前記合成評価指標値を示す制御装置状態に対しては、所定の最適値マークとともに前記合成評価指標値を表示するようにしてもよい。
この場合には、安定性マップを表示する際には、合成評価指標値を表示するとともに、その合成評価指標値が所定の条件を満たすマークを表示する。そうすることで、安定性マ
ップの中で所定の条件を満たす制御パラメータの組合せをより明瞭またはより容易に把握することが可能となる。
そして、前記所定条件は、第2表示手段による表示における原点(前記合成評価指標値に対応づけられた前記制御装置状態の全てが表示中の最小値である点)からのノルムが最大となることであってもよい。また、前記所定条件は、前記合成評価指標値が最大となることであってもよい。さらに、前記所定条件は、前記制御パラメータのいずれかが最大となることであってもよい。
また、本発明においては、前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢における、前記制御対象の周波応答特性から速度制御器のゲインを決定するとともに、前記負荷装置の慣性が最大となる姿勢における、前記制御対象の周波応答特性から位置制御器のゲインを決定するようにしてもよい。
この場合には、負荷装置の慣性が最小となる姿勢における、制御対象の周波応答特性から、制御パラメータとして速度制御器のゲインを決定し、負荷装置の慣性が最大となる姿勢における、制御対象の周波応答特性から、制御パラメータとして位置制御器のゲインを決定する。この場合には、負荷装置の慣性が最小となる姿勢における、制御対象の周波応答特性から、速度制御器のゲイン(KvpおよびKi)を決定し、負荷装置の慣性が最大となる姿勢における、制御対象の周波応答特性から、制御パラメータとして位置制御器のゲイン(Kpp)を決定することができる。その結果、速度制御器のゲイン(KvpおよびK
i)及び位置制御器のゲイン(Kpp)の各々の制御パラメータについての最適値をより精
度よく求めることができる。
また、本発明は、作動中の姿勢により慣性が変化する負荷装置と該負荷装置を駆動するモータと、を含む制御対象を制御する制御装置における、制御パラメータの設定を支援し、ツールソフトがインストールされたコンピュータとして構成されるパラメータ設定支援装置であって、
前記負荷装置の運動及び姿勢についての指示を前記制御装置に提供する指示部と、
前記負荷装置について測定された、前記負荷装置の現在位置、現在速度、現在トルクの少なくともいずれかに相当する信号を前記制御装置から取得する取得部と、
前記負荷装置を制御するための位置指令、速度指令、トルク指令の少なくともいずれかに単一の周波数を持つ正弦波状信号を重畳した一連の指令信号を作成し、前記指示部により該指令信号を前記制御装置に提供し、それに応じて測定され前記取得部に取得された信号から前記周波数におけるゲインまたは位相シフト量を取得する、単一周波数成分取得部と、
前記指示部により作動時の前記負荷装置の運動過程において現れる一連の姿勢を実現するように前記制御装置に指示するとともに、前記単一周波数成分取得部により前記各姿勢における前記周波数におけるゲインまたは位相シフト量を取得し、前記各姿勢におけるゲインから慣性が最大および最小となる姿勢を推定する特定慣性姿勢推定部と、
前記指示部により、前記一連の姿勢の中から選ばれた基準姿勢において所定の周波数範
囲で振動するように前記制御装置に指示するとともに、前記取得部により取得された信号から前記基準姿勢における周波数応答特性を取得する周波数応答取得部と、
前記周波数応答取得部により取得された前記基準姿勢における周波数応答特性と、前記単一周波数成分取得部により取得された前記各姿勢における前記周波数におけるゲインまたは位相シフト量とから、慣性が最大および最小となる前記推定された姿勢におけるゲインの周波数応答特性を推定する周波数応答推定部と、
前記周波数応答推定部により推定された前記周波数応答特性から、慣性が最大となる姿勢における最大慣性安定性マップ及び慣性が最小となる姿勢における最小慣性安定性マップとを作成するマップ作成部と、
前記最大慣性安定性マップ及び前記最小慣性安定性マップを合成することにより合成安定性マップを作成する合成マップ作成部と、
前記合成安定性マップを表示し、前記合成安定性マップ上の位置についての指定を受付け、指定された前記位置の縦軸値および横軸値に基づいて制御パラメータを設定するパラメータ設定部と、
を備えることを特徴とする、パラメータ設定支援装置であってもよい。
また、本発明は、作動中の姿勢により慣性が変化する負荷装置と該負荷装置を駆動するモータと、を含む制御対象を制御する制御装置における、制御パラメータの設定を支援するパラメータ設定支援方法であって、
前記負荷装置の動作中の一連の姿勢における単一の周波数の入力信号に対する周波数応答特性を取得する単一周波数応答取得ステップと、
前記負荷装置の動作中における前記一連の姿勢の中から選ばれた基準姿勢において所定の周波数範囲に対する周波数応答特性を取得する基準周波数応答取得ステップと、
慣性の最大値と最小値または、基準姿勢で求めた慣性と慣性の最大値及び最小値との比率を取得する特定慣性値取得ステップと、
前記慣性が最大値となる姿勢及び、前記慣性が最小値となる姿勢における周波数応答特性を推定する周波数応答推定ステップと、
前記周波数応答推定ステップにおいて取得した、前記慣性が最大値となる姿勢及び、前記慣性が最小値となる姿勢における周波数応答特性から、前記慣性が最大値となる姿勢及び、前記慣性が最小値となる姿勢における安定性マップを作成する安定性マップ作成ステップと、
前記慣性が最大値となる姿勢における安定性マップと、前記慣性が最小値となる姿勢における安定性マップとを合成する合成安定性マップ作成ステップと、
前記合成安定性マップ作成ステップに基づいて、前記制御パラメータを設定するパラメータ設定ステップと、
を有することを特徴とする、パラメータ設定支援方法であってもよい。
また、本発明は、コンピュータに上記の単一周波数応答取得ステップと、基準周波数応答取得ステップと、特定慣性値取得ステップと、周波数応答推定ステップと、安定性マップ作成ステップと、合成安定性マップ作成ステップと、パラメータ設定ステップとの少なくともいずれかを実行させる、パラメータ設定支援プログラムであってもよい。
なお、上記した課題を解決するための手段は、可能な限り組合せて実施可能である。
本発明によれば、姿勢又は状況により慣性などの機械パラメータが変化する負荷装置を含む制御対象を制御するための制御パラメータを、事前に、より容易に設定することができる。
本発明の実施例におけるパラメータ設定支援装置、モータ制御装置、制御対象を含むシステムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施例におけるモータ制御装置の制御パラメータを説明するためのブロック図である。 本発明の実施例におけるパラメータ設定支援装置の機能ブロック図である。 本発明の実施例における位置閉ループ特性Gp_closed及び位置開ループ特性Gp_openの説明図である。 本発明の実施例における速度閉ループ特性Gv_closed及び速度開ループ特性Gv_openの説明図である。 本発明の実施例におけるパラメータ設定処理の処理内容を示すフローチャートである。 本発明の実施例における負荷装置の位置及び特定周波数の入力に対する周波数応答特性(ゲイン特性)と、時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施例における基準姿勢における周波数応答特性のグラフの例である。 本発明の実施例における負荷装置の位置及び負荷装置の慣性の値と、時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施例において推定された、基準位置、慣性最小位置、慣性最大位置における周波数応答特性を示すグラフである。 本発明の実施例1における、慣性最大姿勢と慣性最小姿勢における安定性マップである。 本発明の実施例1における、合成安定性マップである。 本発明の実施例1において推定された、基準位置、慣性最小位置、慣性最大位置における周波数応答特性を示すグラフである。 本発明の実施例1において、基準姿勢において取得された周波数応答特性を、慣性値最小比率で除算することで推定した、慣性値最小の姿勢における周波数応答特性を示すグラフである。 本発明の実施例1において、基準姿勢を慣性値最小の姿勢とした場合に、基準姿勢において取得された周波数応答特性を、慣性値最大比率で除算することで推定した、慣性値最大の姿勢における周波数応答特性を示すグラフである。 本発明の実施例1における、慣性値最小姿勢及び慣性値最大姿勢についての周波数応答特性の推定値と実測値を示すグラフである。 本発明の実施例2における、負荷装置の動作指令信号を示すグラフである。 本発明の実施例2における、負荷装置の周波数応答特性と重畳する正弦波状信号の周波数との関係を示す図である。 本発明の実施例2における、正弦波状信号を重畳する指令信号の入力場所を示すブロック図である。 本発明の実施例3における、各負荷装置に対する合成安定性マップである。 本発明の実施例3における、軸合成安定性マップである。 本発明の実施例4における、最適な制御パラメータの組合せについてマーキングを施した安定性マップである。 本発明の実施例5における、慣性最小姿勢における周波数応答特性から、速度制御器のゲインを決定するための安定性マップと、慣性最大姿勢における周波数特性から、位置制御器のゲインを決定するための安定性グラフである。
<適用例>
以下、本発明の適用例について説明する。本発明に係るパラメータ設定支援装置10(以下、単に「設定支援装置10」ともいう。)は、図1に示すような、負荷装置42と、負荷装置42を駆動するモータ41を含む制御対象40を制御するモータ制御装置30に適用される。より詳細には、設定支援装置10は、モータ制御装置30において制御対象40を制御するための制御パラメータを設定するための装置である。図2には、制御対象40のフィードバック制御についてのブロック図を示す。ここで制御パラメータとしては例えば、位置ループ比例ゲインKpp、速度ループ比例ゲインKvp、速度ループ積分ゲインKi等が挙げられる。
ここで、モータ制御装置30の制御パラメータ設定に関する既存の技術は、いずれも、
負荷装置42の機械パラメータが一定であることを前提としたものであった。そのため、姿勢により機械パラメータが変化する負荷装置42を含む制御対象40を制御するモータ制御装置30の各種制御パラメータの設定時には、『制御パラメータ値の設定→評価→負荷装置の姿勢を変更→評価』といったような作業を何度も繰り返さなければならなかった。
これに対し、本発明においては、図6のパラメータ設定処理に示すように、負荷装置42の動作中の単一の周波数に対する周波数応答特性を取得し(S101)、負荷装置42の作動中の基準姿勢において周波数応答特性を取得する(S102)。そして、負荷装置42を作動させる際の慣性の最大値・最小値を取得し、あるいは、基準姿勢で求めた慣性と、負荷装置42を作動させる際の慣性の最大値・最小値との比率を取得することで(S103)、負荷装置42の作動中における慣性最大の姿勢と、慣性最小の姿勢における周波数応答特性を推定する(S104)。
そして、慣性最大の姿勢と、慣性最小の姿勢における周波数応答特性から、各姿勢における安定性マップを作成し(S105)、各姿勢についての安定性マップを合成することで合成安定性マップを作成する(S106)。図11には、慣性最大の姿勢と、慣性最小の姿勢における安定性マップの例を示し、図12には、合成安定性マップの例を示す。この合成安定性マップを用いて、負荷装置42の制御における制御パラメータを設定する(S107)ことで、負荷装置42の作動中の慣性の変化により制御が不安定化することを抑制し、負荷装置42のより安定した作動が可能となる。
また、本適用例に示す発明によれば、負荷装置42の動作中の単一の周波数に対する周波数応答特性と、負荷装置42の基準姿勢における周波数応答特性とから、負荷装置42の作動中の慣性の変化を考慮した制御パラメータを、より簡単に設定することが可能となる。
なお、本適用例に示す発明において、安定性マップは、互いに異なる2種類のパラメータが縦軸および横軸に割り当てられ、縦軸値および横軸値の組み合わせに対応する評価指標値を表した図であって、縦軸および横軸に割り当てられるパラメータは、速度ループ比例ゲイン、速度ループ積分ゲインおよび位置ループ比例ゲインから選ばれた2種類のパラメータである。そして、評価指標値を表す方法としては、色や模様で表す方法の他、安定性マップを3Dグラフにして、評価指標値をZ軸方向のバー長さ(高さ)で表す方法を選択してもよい。
安定性マップの縦軸および横軸に割り当てられるパラメータの組合せとしては、より詳細には、速度ループ比例ゲインと位置ループ比例ゲイン、速度ループ比例ゲインと速度ループ積分ゲイン、速度ループ積分ゲインと位置ループ比例ゲインの3通りが考えられる。
縦軸および横軸に割り当てられる制御パラメータの組合せは、調整したいまたは、安定化させたい制御パラメータは何かによって、ユーザが選択する。例えば、速度ループと安定性を考慮して制御パラメータを調整したい場合には、速度ループ比例ゲインと位置ループ比例ゲインの組合せを選択すればよい。また、速度制御器のパラメータを調整したい場合には、速度ループ比例ゲインと速度ループ積分ゲインの組合せを選択すればよい。ここで、縦軸および横軸に割り当てられる制御パラメータの組合せで特定される状態は、本発明における制御装置状態に相当する。
なお、縦軸および横軸に割り当てられるパラメータの組合せとして、速度ループ比例ゲインと位置ループ比例ゲイン、または速度ループ比例ゲインと速度ループ積分ゲインを選択する場合には、速度ループ比例ゲインを横軸に取るとよい。それは、速度ループ積分ゲ
イン、位置ループ比例ゲインは、速度ループ比例ゲインに応じた限界を有するからである。
以下、図面に基づいて、本発明の実施例について詳細に説明する。
<実施例1>
図1に、本実施例における設定支援装置10のブロック図を示す。本実施例における設定支援装置10は、姿勢又は状況により慣性等の機械パラメータが変化する負荷装置42を駆動するモータ41を制御するモータ制御装置30における制御パラメータの設定を支援するための装置である。
モータ制御装置30は、モータ41を、PLC(Programmable Logic Controller)等
の上位装置(図示略)から入力される指令(位置指令、トルク指令又は速度指令)に従って制御する。以下、モータ41と負荷装置42とからなる部分のことを、制御対象40と表記し、モータ制御装置30と制御対象40とからなる部分のことをサーボシステムと表記する。
モータ制御装置30は、上位装置から位置指令が入力される場合、図2に示したように、位置制御器31、速度制御器32、電流制御器34、速度検出器35等として動作する。速度検出器35は、モータ41又は負荷装置42に取り付けられたエンコーダ(図示略)により検出される制御対象40の位置(以下、検出位置ともいう)を微分することで、制御対象40の速度(以下、検出速度)を出力するユニットである。
位置制御器31は、制御パラメータとして位置ループ比例ゲインKppを有するユニットである。図示してあるように、この位置制御器31には、位置指令と検出位置との偏差である位置偏差が入力される。そして、位置制御器31は、当該位置偏差に位置ループ比例ゲインKppを乗じた値である速度指令を算出して出力する。速度制御器32は、速度指令と検出速度との偏差である速度偏差を操作量とし、トルク指令を制御量としたPI制御を行うユニットである。この速度制御器32は、制御パラメータとして、速度ループ比例ゲインKvpと速度ループ積分ゲインKiとを有している。
また、速度制御器32は、ON/OFF(機能させるか否か)を設定可能なトルクフィルタ(ローパスフィルタ)及びノッチフィルタを含んでいる。速度制御器32内のトルクフィルタは、制御パラメータ(以下、フィルタパラメータとも表記する)としてカットオフ周波数を有しており、速度制御器32内のノッチフィルタは、制御パラメータ(以下、フィルタパラメータとも表記する)として、中心周波数、ノッチ深さ及びQ値(=中心周波数/ノッチ幅)を有している。電流制御器34は、速度制御器32からのトルク指令に応じた駆動電流を生成してモータ41に供給するユニットである。
以上のことを前提に、以下、設定支援装置10の構成及び動作を具体的に説明する。
図3に、設定支援装置10の機能ブロック図を示す。本実施形態に係る設定支援装置10は、PC(パーソナルコンピュータ)に設定支援プログラムをインストールした装置である。図3に示してあるように、PCにインストールされた設定支援プログラムは、PCの本体部分(CPUとその周辺デバイスからなる部分)13を、演算処理部14、UI部15及び表示制御部16として動作させる。
表示制御部16は、表示装置12の画面上に、演算処理部14又はUI部15から指示された内容の画像を表示する機能ブロックである。UI部15は、マウス、キーボード等の入力装置11を操作させることにより、ユーザに演算処理部14に実行させる処理の種
類、処理条件を指定させて、ユーザにより指定された種類の処理を、ユーザにより指定された処理条件で演算処理部14に実行させる機能ブロックである。演算処理部14は、パラメータ設定処理(後述)等を実行可能な機能ブロックであり、内部に、指示部14a、取得部14b、単一周波数成分取得部14c、特定慣性姿勢推定部14d、周波数応答取得部14e、周波数応答推定部14f、マップ作成部14g、合成マップ作成部14h、パラメータ設定部14iを含む。
上記の演算処理部14において、指示部14aは、負荷装置42の運動及び姿勢についての指示をモータ制御装置30に提供する。取得部14bは、負荷装置42について測定された、負荷装置42の現在位置に相当する信号をモータ制御装置30から取得する。なお、取得部14bで取得する信号は、現在位置に相当する信号に限定されず、現在速度や現在トルクに相当する信号であってもよい。
単一周波数成分取得部14cは、負荷装置42を制御するための位置指令に関わる指令信号を作成し、指示部14aにより指令信号をモータ制御装置30に提供し、それに応じて測定され取得部14bに取得された信号から所定の単一の周波数におけるゲインまたは位相シフト量を取得する。なお、上記の指令信号は、位置指令に限られず、速度指令やトルク指令であってもよい。
特定慣性姿勢推定部14dは、指示部14aにより作動時の負荷装置42の運動過程において現れる一連の姿勢を実現するようにモータ制御装置30に指示するとともに、単一周波数成分取得部14cにより上述の各姿勢における上述の所定の単一の周波数におけるゲインまたは位相シフト量を取得し、各姿勢におけるゲインから慣性が最大および最小となる姿勢を推定する。
周波数応答取得部14eは、指示部14aにより、一連の姿勢の中から選ばれた基準姿勢において所定の周波数範囲で振動するようにモータ制御装置30に指示するとともに、取得部14bにより取得された信号から基準姿勢における周波数応答特性を取得する。周波数応答推定部14fは、周波数応答取得部14eにより取得された、基準姿勢における周波数応答特性と、単一周波数成分取得部14cにより取得された各姿勢における上述の単一周波数におけるゲインまたは位相シフト量とから、慣性が最大および最小となると推定された姿勢におけるゲインの周波数応答特性を推定する。
マップ作成部14gは、周波数応答推定部14fにより推定された周波数応答特性から、慣性が最大となる姿勢における最大慣性安定性マップ及び慣性が最小となる姿勢における最小慣性安定性マップとを作成する。合成マップ作成部14hは、最大慣性安定性マップ及び最小慣性安定性マップを合成することにより合成安定性マップを作成する。パラメータ設定部14iは、合成安定性マップを表示し、合成安定性マップ上の位置についての指定を受付け、指定された位置の縦軸値および横軸値に基づいて制御パラメータを設定する。
以下、各処理について順に説明する。なお、以下の各処理の説明では、負荷装置42の姿勢又は状況のことを、単に、負荷装置42の姿勢と表記する。また、以下の説明において、位置閉ループ特性Gp_closed、位置開ループ特性Gp_openとは、それぞれ、サーボシステムの、図4の点線枠51、52内に示してある部分の周波数伝達関数のことである。また、速度閉ループ特性Gv_closed、速度開ループ特性Gv_openとは、それぞれ、サーボシステムの、図5の点線枠53、54内に示してある部分の周波数伝達関数のことである。
<パラメータ設定処理>
次に、図6に、本実施例におけるパラメータ設定処理の処理内容を示すフローチャートを示す。本処理は、PCの本体部分13に備えられたメモリー(不図示)に記憶されたプログラムであり、ユーザにより入力装置11から処理開始の指令が入力された際に、演算処理部14によって実行される。
本処理が開始されると、先ず、ステップS101において、単一周波数成分取得部14cによって、制御対象40の動作中の単一の周波数に対する周波数応答特性を取得する。より具体的には、指示部14aからの指示により、モータ41により負荷装置42を作動させながら、特定周波数の入力に対する周波数応答特性(ゲイン特性)を取得部14bで取得することでリアルタイムに繰り返し測定する。
図7には、この場合の、負荷装置42の位置及び、周波数応答特性(ゲイン特性)と時間との関係の例を示す。図7において、横軸は時間、縦軸は負荷装置42の位置(rad)及び、周波数応答特性(ゲイン特性)である。図7より、負荷装置42の位置によって周波数応答特性(ゲイン特性)が変化することが分かる。なお、ステップS101の処理は、本発明における単一周波数応答取得ステップに相当する。ステップS101が終了するとステップS102に進む。
ステップS102においては、予め定義された、周波数応答取得部14eによって、負荷装置42の基準姿勢において周波数応答解析を実施する。図8には、基準姿勢における周波数応答特性の例を示す。より具体的には、基準姿勢において、周波数を変化させながら応答特性を測定する。なお、ステップS102の処理は、本発明における基準周波数応答取得ステップに相当する。ステップS102が終了するとステップS103に進む。
ステップS103においては、負荷装置42を作動させる際の慣性の最大値・最小値を取得する。あるいは、基準姿勢で求めた慣性と、負荷装置42を作動させる際の慣性の最大値・最小値との比率を取得する。
ここで、先ずは、慣性の最大値と最小値を直接に取得する手順について説明する。この場合には、S101において測定された単一周波数に対する周波数応答特性(図7に示したグラフに相当)と、以下に示す周波数応答特性(ゲイン特性)と慣性の値との関係式(1)より、慣性Jを算出する。

慣性J=(Kvp・J)/(ω・|G(jω)|)・・・・・(1)

ここで、Kvpは速度ループ比例ゲイン、Jは予め設定された慣性設定値である。図9には、上記によって算出された慣性の値と時間の関係のグラフを示す。そして、図9に示すグラフより、基準姿勢における慣性の値である基準姿勢慣性値Jbaseと、慣性最大値Jmax、慣性最小値Jminを以下のように求めることができる。
基準姿勢慣性値 Jbase=0.70×10-4(kg/m)
慣性最大値 Jmax=0.87×10-4(kg/m)
慣性最小値 Jmin=0.43×10-4(kg/m)
なお、図9において慣性最大の姿勢と慣性最小の姿勢が推定されているが、この推定は特定慣性姿勢推定部14dによる。
次に、基準姿勢で求めた慣性と、慣性の最大値・最小値との比率を取得する場合について説明する。図7に示した、負荷装置42の位置及び、周波数応答特性(ゲイン特性)と時間との関係より、慣性最大姿勢ゲイン特性値Gmaxと、慣性最小姿勢ゲイン特性値Gminと、基準姿勢ゲイン特性値Gbaseは以下のように求められる。
慣性最大姿勢ゲイン特性値Gmax=0.60
慣性最小姿勢ゲイン特性値Gmin=1.22
基準姿勢ゲイン特性値 Gbase=0.75
ここで、基準姿勢における慣性の値(上述)は以下のように取得される。(基準姿勢は予め、基準姿勢慣性値Jbaseが定められた位置としている。)
基準姿勢慣性値Jbase=0.70×10-4(kg/m)
また、基準姿勢で求めた慣性の値と、慣性の値の最大値と最小値との比率を、前述の各ゲイン特性の比率を用いて、以下のように算出する。
慣性最大比率Jmax_ratio=Gbase/Gmax≒1.25
慣性最小比率Jmin_ratio=Gbase/Gmin≒0.61
さらに、得られた慣性最大比率Jmax_ratioおよび慣性最小比率Jmin_ratioを用いて、慣性の最大値および最小値と、慣性最大姿勢における周波数応答特性および慣性最姿勢における周波数応答特性を推定する。
ここで、慣性最大値と慣性最小値は以下のように求められる。
慣性最大値Jmax=Jbase×Jmax_ratio
=0.87×10-4(kg/m)
慣性最小値Jmin=Jbase×Jmin_ratio
=0.43×10-4(kg/m)
このようにステップS103の処理が終了すると、ステップS104に進む。なお、ステップS103の処理は、本発明における特定慣性値取得ステップに相当する。
次に、ステップS104においては、ステップS102で取得した、基準姿勢における周波数応答特性の各ゲインの値を、慣性最大比率Jmax_ratio、慣性値最小比率
Jmin_ratioで除算することで、図10に示すように、周波数応答推定部14f
によって、基準位置、慣性最小位置、慣性最大位置における周波数応答特性を推定する。このステップS104の処理は、本発明における周波数応答推定ステップに相当する。ステップS104の処理が終了すると、ステップS105に進む。
ステップS105においては、ステップS104で取得した、慣性の最大値、最小値をとる姿勢における周波数応答特性より、マップ作成部14gによって各姿勢における安定性マップを生成する。この安定性マップは、横軸を速度ループ比例ゲインKvp、縦軸を位置ループ比例ゲインKppとした場合の、システムの安定性を示す評価指標値を色分けして表示したものである。
ここで、評価指標値の算出の方法について詳細に説明する。演算処理部14は、モータ制御装置30を制御することにより、位置閉ループ特性Gp_closed(複素数の配列)を計測する。この処理は、『多数の周波数成分を含むように時間変化する位置指令をモータ制御装置30に入力しながら検出位置を周期的に収集し、入力した位置指令と収集した検出位置とをフーリエ変換して比をとることにより位置閉ループ特性Gp_closedを算出する処理』であっても、『モータ制御装置30に位置閉ループ特性Gp_closedの計測を依頼し、計測結果をモータ制御装置30から取得する処理』であっても良い。
そして、演算処理部14は、計測結果を用いて、制御対象特性P(制御対象40の周波数伝達関数P)を算出する。より具体的には、演算処理部14は、まず、その時点(Gv_closedの計測時点)における各種パラメータ(Kpp、Kvp、Ki、フィルタパラメータ)の設定値から、位置制御器31の特性(周波数伝達関数;以下同様)Cp及び速度制御器32の特性Cvを特定する。そして、演算処理部14は、特定した特性Cp及びCvと速度検出器35の特性CdとGv_closedとから、制御対象特性Pを算出する(図5参
照)。
次に、演算処理部14は、制御対象特性Pを用いて、複数の装置設定状態のそれぞれについての評価指標値を算出する。より具体的には、演算処理部14は、装置設定状態毎に、『装置設定状態における各部の特性(位置制御器31の特性Cpと速度制御器32の特性Cv)を特定し、特定した各部の特性と特性Cdと制御対象特性PとからGp_closedを算出し、算出したGp_closedから評価指標値を算出する処理』を繰り返す。
なお、複数の制御装置状態とは、位置ループ比例ゲインKppと速度ループ比例ゲインKvpの組み合わせが互いに異なり、速度ループ積分ゲインKiが、速度ループ比例ゲインKvpに1/4を乗じた値であり、トルクフィルタのカットオフ周波数が、速度ループ比例ゲインKvpに6.8を乗じた値であり、ノッチフィルタのフィルタパラメータ値が、第1設定支援処理の開始時点の値である状態のことである。また、評価指標値としては、本実施例においては位置閉ループのゲインピーク値を採用している。しかしながら、本発明における評価指標値はこれに限られない。例えば、速度閉ループのゲインピーク値、位置開ループのゲイン余裕、位置開ループの位相余裕、速度開ループのゲイン余裕、速度開ループの位相余裕、またはこれらの値のうちの1または複数の値を用いて算出される値であってもよい。
本実施例においては、評価指標値を上述のように、位置閉ループのゲインピーク値とした。図11には、本実施例における安定性マップの例を示す。図11(a)には慣性最大姿勢における安定性マップの例を示す。また、図11(b)には、慣性最小姿勢における安定性マップの例を示す。なお、ステップS105の処理を行う演算処理部14は、本発明における第1特定手段に相当する。また、ステップS105の処理は本発明における安定性マップ作成ステップに相当する。ステップS105の処理が終了するとS106に進む。
ステップS106においては、合成マップ作成部14hによって、慣性最大姿勢における安定性マップと、慣性最小姿勢における安定性マップを合成することで、慣性変動する制御対象の安定性を示す、合成安定性マップを作成する。より具体的には、横軸を速度ループ比例ゲインKvp、縦軸を位置ループ比例ゲインKppとし、慣性最大姿勢における安定性マップにおける評価指標と、慣性最小姿勢における評価指標のうち、悪い方の評価指標値を色分けして表示したものである。
この悪い方の評価指標値は、本発明における合成評価指標値に相当する。図12には、本実施例における合成安定性マップを示す。なお、各安定性マップにおいて白丸が付された部分は、KppとKvpの推奨値(後述)である。ステップS106を実行する演算処理部14は本発明における第2特定手段に相当する。また、ステップS106の処理は、本発明における合成安定性マップ作成ステップに相当する。
ステップS106が終了するとステップS107に進む。ステップS107においては、パラメータ設定部14iによって、合成安定性マップを用いて、位置ループ比例ゲインKppと速度ループ比例ゲインKvpの値を決定する。より具体的には、今回の場合には合成安定性マップに表示された位置ループ比例ゲインKppと速度ループ比例ゲインKvpの推奨値を採用することにしている。ステップS107の処理は本発明におけるパラメータ設定ステップに相当する。ステップS107の処理が終了すると本ルーチンを終了する。
以上、説明したとおり、本実施例においては、作動中に慣性が変動する負荷装置42の姿勢を変化させて、その際の慣性値最大の姿勢および、慣性値最小の姿勢における安定性マップを作成した。そして、これらの安定性マップを合成した合成安定性マップによって
、制御パラメータ(位置ループ比例ゲインKppと速度ループ比例ゲインKvp)を決定した。これによれば、制御対象が有する負荷装置が作動中において慣性が変動する場合にも、より確実に、安定した作動を行える制御パラメータの値を選択することが可能となる。
<変形例1>
なお、上記の実施例においては、基準姿勢を、慣性値最大の姿勢及び慣性値最小の姿勢とは異なる姿勢として設定していたが、上記の実施例において、慣性値最小の姿勢を基準姿勢として設定しても構わない。
ここで、図13に示すように、慣性値最小の姿勢における周波数応答特性は、(例えば、実施例1におけるように)基準姿勢における周波数応答特性の各ゲインの値を、慣性値最小比率Jmin_ratioで除算するので、基準姿勢、慣性値最大の姿勢、慣性値最
小の姿勢の中で、最も高い周波数応答特性になると考えられる。従って、基準姿勢を慣性値最大の姿勢や慣性値最小の姿勢とは異なる姿勢として設定し、基準姿勢において取得された周波数応答特性を、慣性値最小比率min_ratioで除算することで、慣性値
最小の姿勢における周波数応答特性を推定した場合には、図14に示すように、慣性値最小の姿勢における厳密な周波数応答特性が取得できず、場合により、制御の安定性が低下することが考えられる。
よって、本変形例においては、慣性値最小の姿勢を基準姿勢に設定することで、図15に示すように、慣性値最小の姿勢についての周波数応答特性を実測することとした。このことにより、慣性値最小の姿勢について得られる周波数応答特性の精度を向上させることができ、慣性値最小の姿勢おける制御の安定性を向上させることが可能である。なお、慣性値最大の姿勢における周波数応答特性は、図15に示すように、基準姿勢における周波数応答特性を慣性値最大比率max_ratioで除算することにより、よりゲインが
低い方向にシフトすることで得られるので、慣性値最大の姿勢における周波数応答特性は、より安定したものとして取得することが可能である。
<変形例2>
次に、本発明の変形例2について説明する。上記の実施例1においては、基準姿勢において周波数応答特性を取得し、これを慣性値最小比率min_ratioで除算するこ
とで慣性値最小姿勢における周波数応答特性を取得した。また、基準姿勢における周波数応答特性を慣性値最大比率max_ratioで除算することにより慣性値最大姿勢に
おける周波数応答特性を取得した。これに対し、基準姿勢に加えて、慣性値最小姿勢及び慣性値最大姿勢についても、それぞれの周波数応答特性を実測するようにしても構わない。
図16には、本変形例2における、基準姿勢、慣性値最小姿勢及び、慣性値最大姿勢の周波数応答特性について示す。慣性値最小姿勢及び慣性値最大姿勢については推定値と実測値について記載している。図16に示すように、慣性値最小姿勢における周波数応答特性を、基準姿勢における周波数応答特性を慣性値最小比率min_ratioで除算す
ることで推定した場合には、ゲインピークが0(dB)を超えているように推定され、実測ではゲインピークが0(dB)を超えていないにも拘わらずゲインを下げる必要が生じる場合がある。
また、慣性値最大姿勢における周波数応答特性を、基準姿勢における周波数応答特性を慣性値最大比率max_ratioで除算することにより推定した場合にも、ゲインピ
ークが実測よりも高い値に推定されてしまい、実際にはもっと、ゲインを上げられるにも拘らずゲインを高く設定できないなどの不都合が生じ得る。
これに対して、本変形例に示すように、慣性値最大姿勢及び慣性値最小姿勢においても、それぞれの周波数応答特性を実測することで、双方においてより正確な周波数応答特性を得ることが可能となり、より最適な制御パラメータを選択することが可能となる。
<実施例2>
次に、本発明の実施例2について説明する。上述の実施例1においては、負荷装置の作動中に単一の周波数に対する周波数応答特性を算出し、その値から慣性値を算出する例について説明したが、本実施例では、負荷装置への動作指令に正弦波状の信号を重畳する例について説明する。
ここで、上述のように、実施例1では、負荷装置42の作動中に単一の周波数に対する周波数応答特性を算出し、その値から慣性値を算出することとした。より具体的には、例えば、負荷装置42を一方向に動作させ、単一の周波数に対する周波数応答特性(ゲイン特性)をリアルタイムに繰り返し確認することで、負荷装置42の慣性値を算出する。
ここで、単一の周波数に対する周波数応答特性を取得する際、何らかの周波数信号が必要となるが、負荷装置42に対する動作指令が等速運動指令等である場合には、動作指令に周波数信号が含まれておらず単一の周波数に対する周波数応答特性を取得することが困難となる場合がある。あるいは、動作指令に複数の周波数成分が含まれている場合、その周波数成分の影響を受けることで単一の周波数に対する周波数応答特性を正しく取得できない場合がある。
それに対し、本実施例では、図17に示すように、負荷装置42の動作指令信号に正弦波状の信号を重畳することとした。これによれば、負荷装置42への動作指令の種類に拘わらず、必ず動作指令信号に単一の周波数を含ませることができ、単一の周波数に対する周波数応答特性を精度よく測定することが可能となる。なお、重畳する正弦波状信号の周波数は、単一の周波数であってもよいし、複数の異なる周波数の正弦波の和であっても構わない。
図18には、負荷装置42の周波数応答特性と重畳する正弦波状信号の周波数の関係を示す。実線で示す曲線は、負荷装置42の周波数応答特性を示す。破線で示す直線は、重畳する正弦波状信号の周波数を示す。ここで、負荷装置42の動作中に繰返し取得する、単一の周波数に対する周波数応答特性は、図18中に黒丸で表されている周波数の正弦波状信号に対する応答特性ということになる。
図18から分かるように、本実施例においては、負荷装置42の動作指令信号に重畳する正弦波信号の周波数は、負荷装置42の共振周波数及び反共振周波数より低い周波数としている。これにより、負荷装置42の共振または反共振の影響を受けることなく、単一周波数の入力に対する応答特性を精度よく測定することが可能である。なお、この際の負荷装置42の共振周波数及び反共振周波数は、基準姿勢にて取得した負荷装置42の周波数応答特性より求めてもよい。
また、負荷装置42の動作指令信号に重畳する正弦波状信号の周波数は、基準姿勢における開ループの周波数応答特性において、-20[dB/dec]と近似できる帯域の周波
数としてもよい。これによれば、負荷装置42の動作指令信号に重畳する正弦波状信号の周波数として、共振周波数・反共振周波数から充分に離れた帯域における周波数を選択することができ、より確実に、共振または反共振の影響を排除し、より精度のよい応答特性を測定することが可能である。なお、負荷装置42の動作指令信号に重畳する正弦波信号の周波数を、負荷装置42の共振周波数及び反共振周波数より低い周波数とする場合には、予め共振周波数と反共振周波数が分かっていることが条件となる。この共振周波数と反
共振周波数は基準姿勢における周波数応答特性から取得することとなる。
また、本実施例においては、動作指令に対して正弦波状信号を重畳する区間は、負荷装置42を一定速度で動作させる動作指令の区間とする。ここで、負荷装置42の加減速動作の指令には、もともと単一の周波数に対する周波数応答特性を確認する周波数の信号が含まれている可能性があり、重畳する正弦波信号と重なることで周波数応答特性の測定精度が低下してしまう虞がある。これに対し、負荷装置42の動作指令に対して正弦波状信号を重畳する区間は、負荷装置42を一定速度の動作させる動作指令の区間とすることで、重畳する正弦波状信号と同一周波数の信号が混入することを抑制し、負荷装置42の単一の周波数に対する周波数応答特性をより精度よく取得することが可能となる。
ここで、本実施例において正弦波状信号を重畳する指令信号は、図19に示すように、位置指令信号、速度指令信号およびトルク指令信号のいずれかとする。これによれば、モータ制御装置30の制御ブロック図を図19のように構成し、正弦波状信号を位置指令信号、速度指令信号、トルク指令信号の何れかに重畳し、それに対する制御対象40の出力を取得することで、単一の周波数に対する周波数応答特性を確認することが出来る。
<実施例3>
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例においては、制御対象40が複数の負荷装置42の組合せに係る(複数軸を有する)場合に、各負荷装置42に対して求められた合成安定性マップをさらに重ね合わせて軸合成安定性マップを作成する例について説明する。
本実施例においては、例えば、X軸方向とY軸方向の2軸の移動を行うガントリ装置など、結合された複数の負荷装置42(以下、単純に「軸」ともいう。)における制御を同時に行う必要がある場合を想定している。そして、このような場合には、一つの軸の制御に対して調整した制御パラメータを他の軸にも適用すると、制御対象40全体としての動作が不安定になる場合がある。これに対し、本実施例においては、各軸に対して合成安定性マップを作成し、各軸の合成安定性マップをさらに合成した軸合成安定性マップを作成することとした。
より具体的には、図20(a)、図20(b)に示すように、制御対象40を構成する各負荷装置42(軸)に対して、慣性値最大姿勢における安定性マップと慣性値最小姿勢における安定性マップを合成した合成安定性マップを作成する。この合成安定性マップは、慣性値最大姿勢における安定性マップと慣性値最小姿勢における安定性マップにおける悪い方の評価指標値をマップ化したものである。
そして、図21に示すように、各々の負荷装置42(軸)についての合成安定性マップをさらに合成して軸合成安定マップを作成する。この軸合成安定性マップは、各負荷装置42(軸)の合成安定性マップにおける悪い方の評価指標値をマップ化したものである。これによれば、複数の負荷装置42(軸)が結合して構成される制御対象40の動作安定性を一つの安全性マップで確認することが可能となる。
<実施例4>
次に、本発明の実施例4について説明する。本実施例においては、安定性マップから、最適な制御パラメータを自動的に選択、表示する例について説明する。
例えば、図12に示したように、本発明では、安定性マップにおいて、最適な制御パラメータの組合せについてマーキングを施すことが考えられる。しかしながら、ユーザが安定性マップを用いて任意で制御パラメータを設定した場合には、観点が明確でなく、必ず
しも最適な制御パラメータが設定されない場合がある。これに対し、本実施例では、図22に示すように、安定性マップの縦軸である位置ループ比例ゲインKppと、横軸である速度ループ比例ゲインKvpの組合せのうち、特定の観点で判断された、最適な組み合わせにマーキングを施して表示することとした。
例えば、図22(a)の例では、いくつかの候補点のうち、原点からのノルム(例えば、(Kpp+Kvp(1/2))が最大となる点を最適点としている。また、図22(b)に示すように、調整指標(この例ではKvp)が最大となる点であってもよい。本実施例によれば、予め決めた特定の観点により、位置ループ比例ゲインKppと、横軸である速度ループ比例ゲインKvpの組合せのうち、最適な組み合わせを、自動的に分かりやすく表示することができ、制御パラメータをより容易に決定することが可能となる。
<実施例5>
次に、本発明の実施例5について説明する。本実施例においては、慣性最小姿勢における周波数応答特性から、速度制御器のゲインを決定するとともに、慣性最大姿勢における周波数応答特性から位置制御器のゲインを決定する例について説明する。
本発明における先述の実施例においては、慣性最小姿勢における周波数応答特性から、速度ループ比例ゲインKvpと位置ループ比例ゲインKppの最適な組み合わせについて決定した。その場合、実際には、決定された速度ループ比例ゲインKvpに一定の比率を乗じることで速度ループ積分ゲインKiを決定していた。そのため、速度ループ積分ゲインKiの変化に対する安定性を保証することが困難であった。
これに対し、本実施例においては、慣性最小姿勢における周波数応答特性から速度制御器のゲイン(Kvp及びKi)を決定するとともに、慣性最大姿勢における周波数応答特性から位置制御器のゲイン(Kpp)を決定することとした。
図23には、本実施例において作成される安定性マップについて示す。図23(a)には、慣性最小姿勢における周波数応答特性から、速度制御器のゲイン(Kvp及びKi)を決定するための安定性マップを示す。このマップの横軸は速度ループ比例ゲインKvpであり、縦軸は速度ループ積分ゲインKiである。そして、この安定性マップを用いて、速度制御器のゲイン(Kvp及びKi)の組合せを決定する。
次に、慣性最大姿勢における周波数特性から、位置制御器のゲインである位置ループ比例ゲインKppを、速度ループ比例ゲインKvpを決定した値に固定した、図23(b)に示す安定性グラフを用いて決定する。これによれば、位置ループ比例ゲインKpp、速度ループ積分ゲインKi及び速度ループ比例ゲインKvpの各々をより精度よく求めることが可能となる。
なお、以下には本発明の構成要件と実施例の構成とを対比可能とするために、本発明の構成要件を図面の符号付きで記載しておく。
<発明1>
作動中の姿勢により慣性が変化する負荷装置(42)と該負荷装置を駆動するモータ(41)と、を含む制御対象(40)を制御する制御装置(30)における、制御パラメータの設定を支援するパラメータ設定支援装置(10)であって、
前記負荷装置(42)の慣性が最大となる姿勢と前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢と、における、前記制御対象(40)の周波数応答特性に基づいて、前記制御装置(30)による制御の安定性又は制御性能を示す評価指標値を特定する第1特定手段(14)と、
前記第1特定手段(14)により特定された、前記負荷装置(42)の慣性が最大となる姿勢及び前記負荷装置(42)の慣性が最小となる姿勢についての前記評価指標値に基づき、前記負荷装置(42)の前記作動中の姿勢に関する前記評価指標値を代表する合成評価指標値を特定する第2特定手段(14)と、
を備えることを特徴とするパラメータ設定支援装置(10)。
<発明19>
作動中の姿勢により慣性が変化する負荷装置(42)と該負荷装置を駆動するモータ(41)と、を含む制御対象(40)を制御する制御装置(30)における、制御パラメータの設定を支援し、ツールソフトがインストールされたコンピュータとして構成されるパラメータ設定支援装置(10)であって、
前記負荷装置(42)の運動及び姿勢についての指示を前記制御装置(30)に提供する指示部(14a)と、
前記負荷装置(42)について測定された、前記負荷装置(42)の現在位置、現在速度、現在トルクの少なくともいずれかに相当する信号を前記制御装置(30)から取得する取得部(14b)と、
前記負荷装置(42)を制御するための位置指令、速度指令、トルク指令の少なくともいずれかに単一の周波数を持つ正弦波状信号を重畳した一連の指令信号を作成し、前記指示部(14a)により該指令信号を前記制御装置(30)に提供し、それに応じて測定され前記取得部に取得された信号から前記周波数におけるゲインまたは位相シフト量を取得する、単一周波数成分取得部(14c)と、
前記指示部により作動時の前記負荷装置(42)の運動過程において現れる一連の姿勢を実現するように前記制御装置(30)に指示するとともに、前記単一周波数成分取得部(14c)により前記各姿勢における前記周波数におけるゲインまたは位相シフト量を取得し、前記各姿勢におけるゲインから慣性が最大および最小となる姿勢を推定する特定慣性姿勢推定部(14d)と、
前記指示部(14a)により、前記一連の姿勢の中から選ばれた基準姿勢において所定の周波数範囲で振動するように前記制御装置(30)に指示するとともに、前記取得部(14b)により取得された信号から前記基準姿勢における周波数応答特性を取得する周波数応答取得部(14e)と、
前記周波数応答取得部(14e)により取得された前記基準姿勢における周波数応答特性と、前記単一周波数成分取得部(14c)により取得された前記各姿勢における前記周波数におけるゲインまたは位相シフト量とから、慣性が最大および最小となる前記推定された姿勢におけるゲインの周波数応答特性を推定する周波数応答推定部(14f)と、
前記周波数応答推定部(14f)により推定された前記周波数応答特性から、慣性が最大となる姿勢における最大慣性安定性マップ及び慣性が最小となる姿勢における最小慣性安定性マップとを作成するマップ作成部(14g)と、
前記最大慣性安定性マップ及び前記最小慣性安定性マップを合成することにより合成安定性マップを作成する合成マップ作成部(14h)と、
前記合成安定性マップを表示し、前記合成安定性マップ上の位置についての指定を受付け、指定された前記位置の縦軸値および横軸値に基づいて制御パラメータを設定するパラメータ設定部(14i)と、
を備えることを特徴とする、パラメータ設定支援装置。
<発明20>
作動中の姿勢により慣性が変化する負荷装置(42)と該負荷装置(42)を駆動するモータと、を含む制御対象(40)を制御する制御装置(30)における、制御パラメータの設定を支援するパラメータ設定支援方法であって、
前記負荷装置(42)の動作中の一連の姿勢における単一の周波数の入力信号に対する周波数応答特性を取得する単一周波数応答取得ステップ(S101)と、
前記負荷装置(42)の動作中における前記一連の姿勢の中から選ばれた基準姿勢において所定の周波数範囲に対する周波数応答特性を取得する基準周波数応答取得ステップ(S102)と、
慣性の最大値と最小値または、基準姿勢で求めた慣性と慣性の最大値及び最小値との比率を取得する特定慣性値取得ステップ(S103)と、
前記慣性が最大値となる姿勢及び、前記慣性が最小値となる姿勢における周波数応答特性を推定する周波数応答推定ステップ(S104)と、
前記周波数応答推定ステップにおいて取得した、前記慣性が最大値となる姿勢及び、前
記慣性が最小値となる姿勢における周波数応答特性から、前記慣性が最大値となる姿勢及び、前記慣性が最小値となる姿勢における安定性マップを作成する安定性マップ作成ステップ(S105)と、
前記慣性が最大値となる姿勢における安定性マップと、前記慣性が最小値となる姿勢における安定性マップとを合成する合成安定性マップ作成ステップ(S106)と、
前記合成安定性マップ作成ステップに基づいて、前記制御パラメータを設定するパラメータ設定ステップ(S107)と、
を有することを特徴とする、パラメータ設定支援方法。
10 パラメータ設定支援装置
11 入力装置
12 表示装置
13 本体部分
14 演算処理部
15 UI部
16 表示制御部
30 モータ制御装置
31 位置制御器
32 速度制御器
34 電流制御器
35 位置検出器
40 制御対象
41 モータ
42 負荷装置

Claims (21)

  1. 作動中の姿勢により慣性が変化する負荷装置と該負荷装置を駆動するモータと、を含む制御対象を制御する制御装置における、制御パラメータの設定を支援するパラメータ設定支援装置であって、
    前記負荷装置の慣性が最大となる姿勢と前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢と、における、前記制御対象の周波数応答特性に基づいて、前記制御装置による制御の安定性又は制御性能を示す評価指標値を特定する第1特定手段と、
    前記第1特定手段により特定された、前記負荷装置の慣性が最大となる姿勢及び前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢についての前記評価指標値に基づき、前記負荷装置の前記作動中の姿勢に関する前記評価指標値を代表する合成評価指標値を特定する第2特定手段と、
    を備えることを特徴とするパラメータ設定支援装置。
  2. 前記第1特定手段は、
    前記負荷装置の作動中の所定の基準姿勢における周波数応答特性と、
    前記負荷装置の慣性が最大となる姿勢における該慣性に対する前記基準姿勢における前記負荷装置の慣性の比率及び、前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢における該慣性に対する前記基準姿勢における前記負荷装置の慣性の比率と、
    に基づいて、
    前記負荷装置の慣性が最大となる姿勢と前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢と、における、前記制御対象の周波数応答特性を取得することを特徴とする、請求項1に記載のパラメータ設定支援装置。
  3. 前記第1特定手段は、
    前記基準姿勢を、前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢とすることを特徴とする、請求項2に記載のパラメータ設定支援装置。
  4. 前記第1特定手段は、前記負荷装置の慣性が最大となる姿勢と、前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢のそれぞれについての前記評価指標値を、前記制御装置の少なくとも1つ
    の制御パラメータの値が互いに異なる複数の制御装置状態のそれぞれについて特定し、
    前記第2特定手段は、前記制御装置状態別に、前記合成評価指標値を特定する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のパラメータ設定支援装置。
  5. 前記第2特定手段により特定された各合成評価指標値を、各合成評価指標値が特定された前記制御装置状態を示す情報に対応づけた形で表示する表示手段を、さらに備えることを特徴とする、請求項4に記載のパラメータ設定支援装置。
  6. 前記第1特定手段は、
    前記負荷装置の作動中における、所定の単一周波数についての周波数応答特性を取得することにより、
    前記負荷装置の所定の姿勢における慣性の値を取得することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のパラメータ設定支援装置。
  7. 前記第1特定手段は、
    前記負荷装置の作動中における、所定の単一周波数についてのゲイン特性と、事前に設定した所定のパラメータにより、前記負荷装置の所定の姿勢における慣性の値を算出することを特徴とする、請求項6に記載のパラメータ設定支援装置。
  8. 前記負荷装置の作動中に、該負荷装置への動作指令信号に正弦波状信号を重畳することを特徴とする、請求項6または7に記載のパラメータ設定支援装置。
  9. 前記正弦波状信号の周波数は、前記負荷装置の共振周波数及び反共振周波数より低い周波数であることを特徴とする、請求項8に記載のパラメータ設定支援装置。
  10. 前記負荷装置の作動中において、前記正弦波状信号を重畳する区間は、前記負荷装置を一定速度で動作させる動作指令の区間とすることを特徴とする、請求項8または9に記載のパラメータ設定支援装置。
  11. 前記正弦波状信号を重畳する動作指令は、位置指令、速度指令または、トルク指令のいずれかであることを特徴とする、請求項8から10のいずれか一項に記載のパラメータ設定支援装置。
  12. 前記制御対象は、結合する複数の負荷装置を含んでおり、
    前記第1特定手段は、前記制御対象に含まれるそれぞれの負荷装置について、前記評価指標値を特定し、
    前記第2特定手段は、前記制御対象に含まれるそれぞれの負荷装置について、前記合成評価指標値を特定し、各負荷装置のそれぞれについての合成評価指標値に基づき、制御対象全体としての合成評価指標値を特定することを特徴とする、請求項4に記載のパラメータ設定支援装置。
  13. 前記第2特定手段により特定された、制御対象全体としての合成評価指標値を、各合成評価指標値が特定された前記制御装置状態を示す情報に対応づけた形で表示する第2表示手段を、さらに備えることを特徴とする、請求項12に記載のパラメータ設定支援装置。
  14. 前記第2特定手段により特定された合成評価指標値を、各合成評価指標値が特定された前記制御装置状態を示す情報に対応づけた形で表示する際に、所定条件を満たす前記合成評価指標値を示す制御装置状態に対しては、所定の最適値マークとともに前記合成評価指標値を表示することを特徴とする、請求項5または13に記載のパラメータ設定支援装置。
  15. 前記第2特定手段により特定された合成評価指標値を、各合成評価指標値が特定された前記制御装置状態を示す情報に対応づけた形で表示する際に、所定条件を満たす前記合成評価指標値を示す制御装置状態に対しては、所定の最適値マークとともに前記合成評価指標値を表示し、
    前記所定条件は、前記第2表示手段による表示における原点からのノルムが最大となることであることを特徴とする、請求項13に記載のパラメータ設定支援装置。
  16. 前記所定条件は、前記合成評価指標値が最大となることである、請求項14に記載のパラメータ設定支援装置。
  17. 前記所定条件は、前記制御パラメータのいずれかが最大となることである、請求項14に記載のパラメータ設定支援装置。
  18. 前記負荷装置の慣性が最小となる姿勢における、前記制御対象の周波応答特性から速度制御器のゲインを決定するとともに、前記負荷装置の慣性が最大となる姿勢における、前記制御対象の周波応答特性から位置制御器のゲインを決定すること、を特徴とする請求項1に記載のパラメータ設定支援装置。
  19. 作動中の姿勢により慣性が変化する負荷装置と該負荷装置を駆動するモータと、を含む制御対象を制御する制御装置における、制御パラメータの設定を支援し、ツールソフトがインストールされたコンピュータとして構成されるパラメータ設定支援装置であって、
    前記負荷装置の運動及び姿勢についての指示を前記制御装置に提供する指示部と、
    前記負荷装置について測定された、前記負荷装置の現在位置、現在速度、現在トルクの少なくともいずれかに相当する信号を前記制御装置から取得する取得部と、
    前記負荷装置を制御するための位置指令、速度指令、トルク指令の少なくともいずれかに単一の周波数を持つ正弦波状信号を重畳した一連の指令信号を作成し、前記指示部により該指令信号を前記制御装置に提供し、それに応じて測定され前記取得部に取得された信号から前記周波数におけるゲインまたは位相シフト量を取得する、単一周波数成分取得部と、
    前記指示部により作動時の前記負荷装置の運動過程において現れる一連の姿勢を実現するように前記制御装置に指示するとともに、前記単一周波数成分取得部により前記各姿勢における前記周波数におけるゲインまたは位相シフト量を取得し、前記各姿勢におけるゲインから慣性が最大および最小となる姿勢を推定する特定慣性姿勢推定部と、
    前記指示部により、前記一連の姿勢の中から選ばれた基準姿勢において所定の周波数範囲で振動するように前記制御装置に指示するとともに、前記取得部により取得された信号から前記基準姿勢における周波数応答特性を取得する周波数応答取得部と、
    前記周波数応答取得部により取得された前記基準姿勢における周波数応答特性と、前記単一周波数成分取得部により取得された前記各姿勢における前記周波数におけるゲインまたは位相シフト量とから、慣性が最大および最小となる前記推定された姿勢におけるゲインの周波数応答特性を推定する周波数応答推定部と、
    前記周波数応答推定部により推定された前記周波数応答特性から、慣性が最大となる姿勢における最大慣性安定性マップ及び慣性が最小となる姿勢における最小慣性安定性マップとを作成するマップ作成部と、
    前記最大慣性安定性マップ及び前記最小慣性安定性マップを合成することにより合成安定性マップを作成する合成マップ作成部と、
    前記合成安定性マップを表示し、前記合成安定性マップ上の位置についての指定を受付け、指定された前記位置の縦軸値および横軸値に基づいて制御パラメータを設定するパラメータ設定部と、
    を備えることを特徴とする、パラメータ設定支援装置。
  20. 作動中の姿勢により慣性が変化する負荷装置と該負荷装置を駆動するモータと、を含む制御対象を制御する制御装置における、制御パラメータの設定を支援するパラメータ設定支援方法であって、
    前記負荷装置の動作中の一連の姿勢における単一の周波数の入力信号に対する周波数応答特性を取得する単一周波数応答取得ステップと、
    前記負荷装置の動作中における前記一連の姿勢の中から選ばれた基準姿勢において所定の周波数範囲に対する周波数応答特性を取得する基準周波数応答取得ステップと、
    慣性の最大値と最小値または、基準姿勢で求めた慣性と慣性の最大値及び最小値との比率を取得する特定慣性値取得ステップと、
    前記慣性が最大値となる姿勢及び、前記慣性が最小値となる姿勢における周波数応答特性を推定する周波数応答推定ステップと、
    前記周波数応答推定ステップにおいて取得した、前記慣性が最大値となる姿勢及び、前記慣性が最小値となる姿勢における周波数応答特性から、前記慣性が最大値となる姿勢及び、前記慣性が最小値となる姿勢における安定性マップを作成する安定性マップ作成ステップと、
    前記慣性が最大値となる姿勢における安定性マップと、前記慣性が最小値となる姿勢における安定性マップとを合成する合成安定性マップ作成ステップと、
    前記合成安定性マップ作成ステップに基づいて、前記制御パラメータを設定するパラメータ設定ステップと、
    を有することを特徴とする、パラメータ設定支援方法。
  21. コンピュータに請求項20に記載の単一周波数応答取得ステップと、基準周波数応答取得ステップと、特定慣性値取得ステップと、周波数応答推定ステップと、安定性マップ作成ステップと、合成安定性マップ作成ステップと、パラメータ設定ステップとを実行させる、パラメータ設定支援プログラム。
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