JP3545006B2 - 2自由度制御装置及び電動機のサーボ制御装置 - Google Patents

2自由度制御装置及び電動機のサーボ制御装置 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、入出力応答特性と外乱抑制特性との両方を良好にする2自由度制御装置及び電動機のサーボ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図17は例えば特開平3−268103号公報に示された従来のオートチューニング機能を持つ2自由度制御装置の一例を示すブロック図であり、図において1は制御対象、21aは制御対象1を制御するためのプラント2自由度補償器、2は2自由度補償器21aを適切なものに修正するオートチューニング部、11は指令値、12は制御対象1に与えられる操作量、13eは制御対象1の出力信号を示す。また、オートチューニング部2の構成要素として、20は制御対象1のモデル、21bはモデル20を制御するためのモデル2自由度補償器でプラント2自由度補償器21aと同じものである。12bはモデル20に与えられる操作量、13dはモデル20の出力信号、22aは制御対象1の出力信号13e、指令値11、制御対象1への操作量12から特徴量を求めるプラント特徴量抽出部、18aはプラント特徴量抽出部22aの出力であるプラント特徴量、22bはモデル20の出力信号13d、指令値11、モデル20への操作量12bから特徴量を求めるモデル特徴量抽出部、18bはモデル特徴量抽出部22bの出力であるモデル特徴量、23はプラント特徴量18aとモデル特徴量18bとを比較する特徴量比較部、24は特徴量比較部23の出力をもとに推論を行いモデル20の変更を行う推論部、25はモデル20に適したプラント2自由度補償器21aおよびモデル2自由度補償器21bを設計する2自由度補償器設計部である。
【0003】
次に動作について説明する。このオートチューニング機能を持つ2自由度制御装置は、例えばステップ応答における立ち上がり時間、オーバシュート量、操作量の大きさなどの特徴量をもとにプラント2自由度補償器21aを修正していくものである。まず、制御対象1とプラント2自由度補償器21aとから構成される制御系と、モデル20とモデル2自由度補償器21bとから構成される制御系に、同じ指令値11を入力する。そのときの指令値11、操作量12、出力信号13eをもとにプラント特徴量抽出部22aにおいてプラント特徴量18aを抽出し、同時に指令値11、操作量12b、出力信号13dをもとにモデル特徴量抽出部22bにおいてプラント特徴量18aを抽出する。このプラント特徴量18aとモデル特徴量18bとの差は、制御対象1とモデル20との違いによるものであるため、それらを特徴量比較部23で比較し、その結果をもとに推論部24でモデル20を制御対象1に近づけるための推論を行い、モデル20を修正する。2自由度補償器設計部25では、修正されたモデル20に最適な2自由度補償器を決定し、プラント2自由度補償器21aとモデル2自由度補償器21bとを修正する。以上の修正を繰り返すことにより、モデル20が制御対象1に一致し、制御対象1に最適なプラント2自由度補償器21aが決定できる。
【0004】
図18は、例えば「アナログサーボからディジタルサーボへ」(岩金:日本ロボット学会誌、7巻3号、212〜217ページ、1989年6月)に記載された従来の電動機のサーボ制御装置の一例を示すブロック図であり、図において、41は電動機、42は電動機41に取り付けられた機械系、43は電動機41の回転角度と速度を測定する位置検出器、44は電動機41に流れる電流を測定するための電流検出器、31は電流制御部、52は速度制御部、51は位置制御部、11aは位置指令値、11bは速度指令値、12aは電流指令値、13aは位置検出値、13bは速度検出値、13cは電流検出値、15aは位置誤差、15bは速度誤差、19は電動機41に流れる電流である。
【0005】
次に動作について説明する。この電動機41のサーボ制御装置は、例えば工作機械やロボットなどに対し軌跡制御を行うためのもので、望ましい軌跡指令値から位置指令値11aを生成し、機械系42が取り付けられた電動機41を位置指令値11aに応じて動作させるためのものである。すなわち、位置検出器43によって得られた位置検出値13aと位置指令値11aとの差を計算して位置誤差15aを求め、位置制御部51において適切な演算を行い速度指令値11bを決定する。次に、位置検出器43によって得られた速度検出値13bと上記速度指令値11bとの差を計算して速度誤差15bを求め、速度制御部52において適切な演算を行い電流指令値12aを決定する。さらに、電流検出器44によって得られた電流検出値13cと上記電流指令値12aとの差をもとに電流制御部31において適切な演算を行い電動機41の電流19を制御する。この従来例では、位置制御部51、速度制御部52、電流制御部31において、それぞれP(比例)演算、PI(比例・積分)演算、PI演算を行っている。
【0006】
図19は例えば同じく特開平4−325886号公報に示された従来の機械振動の大きさを考慮したオートチューニング機能を持つサーボ装置の一例を示すブロック図であり、図において図18と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。2は機械振動を考慮したオートチューニング機能付き電動機サーボ系コントローラ、61は同定・設計部により求められたゲイン候補値、62は機械振動判定部により求められた機械振動によるゲイン制限値、63は振動限界値、71は機械振動判定部、72は同定・設計部、73はゲイン決定部である。
【0007】
つぎに動作について説明する。同定・設計部72は、例えば図17の従来例と同様に負荷イナーシャ推定値を用いたサーボ系シミュレーション部、電流面積計算部、イナーシャ修正量決定部を含み、ある位置指令値11aに対する電流検出値13cより負荷イナーシャ推定値を修正しながらその推定値に最適なゲイン候補値61を決定する。一方、機械振動判定部71では、まず、同じ位置指令値11aに対する電流検出値13cあるいは電流指令値12aをハイパスフィルタに通し、その2乗値を時間積分することによって、振動評価値を求め、予め設定された振動限界値63と比較する。また、機械振動判定部71には、同じ位置指令値11aに対して過去に試行した速度ループ比例ゲインと振動評価値の関係が記憶されており、それらのデータを総合してゲイン制限値62を決定する。ゲイン決定部73では、同定・設計部72で得たゲイン候補値61の比例ゲインと、機械振動判定部71で得たゲイン制限値62を比較し、ゲイン制限値62の方が大きければゲイン候補値61を速度制御部52で用いるゲイン53とする。一方、ゲイン制限値62の方が小さい場合、速度制御部52で用いるゲイン53の比例ゲインをゲイン制限値62とし、積分ゲインは比例ゲインに適した値とする。
【0008】
図20は例えば特開平4−101749号公報に示された従来の加工反力を正確に検出可能な工作機械の一例を示す図であり、図において、101は力センサ、102は工具、103は刃物台、104はサーボ駆動される送り装置、105はワーク、106はチャック、107は主軸である。
【0009】
つぎに動作について説明する。ワーク105はチャック106により主軸107に取り付けられ、回転運動を行う。工具102は刃物台103により送り装置104に取り付けられ、数値制御装置からの指令により移動することで加工を行う。力センサ101は送り装置104と工具102の間に取り付けられており、工具にかかる衝突時の力、加工中に生じる加工反力等を測定することができる。加工反力を数値制御装置のサーボ系に入力することにより、安定した制御を行うことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のオートチューニング機能を持つ2自由度制御装置は以上のように構成されているので、通常動作中の信号をもとにオートチューニングが可能という利点はあるが、オートチューニング部2の構成が複雑で計算量が多いという問題点があった。
【0011】
また、従来の電動機のサーボ制御装置は以上のように構成されているので、位置制御部51の比例ゲインを上げすぎると、フィードバックループの安定性を損なうことになり、ある限界以上の良好な高速応答が得られないという問題点があった。
【0012】
また、機械振動評価値を求めるために、電流データをハイパスフィルタに通す必要があり、またそのハイパスフィルタのカットオフ周波数を機械共振周波数の大きさによって調整する必要があり、さらに機械共振周波数が低い場合には機械系を駆動するための電流値と機械振動のために発生した電流値を分離しにくいという問題点があった。
【0013】
また、従来の加工反力を正確に測定可能な工作機械は、力センサを付加する必要があり、機械の剛性も劣化するという問題があった。
【0014】
請求項1および請求項2の発明は専門知識のないユーザでも良好な制御特性を容易に得ることを目的とする。
【0015】
請求項の発明は加工中のトラブルや切込み量の適切さなどを簡単に認識できるようにすることを目的とする。
【0016】
請求項および請求項の発明は万一の機械の衝突に対して、機械に大きな損傷を与えることがないようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項の発明に係る電動機のサーボ制御装置は、前置補償器とフィードフォワード補償器およびフィードバック補償器とを設けると共に、これらを、最小2乗法により制御対象パラメータを同定しその結果をもとに修正するオートチューニング部を設けたものである。
【0018】
請求項の発明に係る電動機のサーボ制御装置は、加減速フィルタ、フィードフォワード補償器と、フィードバック補償器とを設けると共に、フィードバック補償器の入力あるいは出力を用いる機械振動検出部、前置補償器とフィードフォワード補償器とフィードバック補償器とを修正するオートチューニング部とを設けたものである。
【0019】
請求項の発明に係る電動機のサーボ制御装置は、加減速フィルタ、フィードフォワード補償器と、フィードバック補償器とを設けると共に、フィードバック補償器の入力あるいは出力を用いる加工反力表示部とを設けたものである。
【0020】
請求項の発明に係る電動機のサーボ制御装置は、加減速フィルタ、フィードフォワード補償器と、フィードバック補償器とを設けると共に、フィードバック補償器の入力あるいは出力を用いる機械衝突検出部、位置指令値を切り換える指令値切り換え部とを修正するオートチューニング部とを設けたものである。
【0021】
請求項の発明に係る電動機のサーボ制御装置は、加減速フィルタ、フィードフォワード補償器と、フィードバック補償器とを設けると共に、NCプログラムを用いる加工実行判断部、フィードバック補償器の入力あるいは出力を用いる機械衝突検出部、位置指令値を切り換える指令値切り換え部とを設けたものである。
【0022】
【作用】
請求項の発明における電動機のサーボ制御装置は、オートチューニング部が電流検出値あるいは電流指令値と応答目標値とを用いて最小2乗法により制御対象パラメータを同定し、その結果をもとに前置補償器、フィードバック補償器、フィードフォワード補償器を修正する。
【0023】
請求項の発明における電動機のサーボ制御装置は、機械振動検出部がフィードバック補償器の入力あるいは出力を用いて機械振動の大きさを測定し、オートチューニング部が電流検出値あるいは電流指令値と応答目標値と機械振動の大きさを用いて前置補償器と、フィードバック補償器と、フィードフォワード補償器を修正する。
【0024】
請求項の発明における電動機のサーボ制御装置は、加工反力表示部がフィードバック補償器の入力あるいは出力を用いて加工反力の大きさを測定し、その結果を表示する。
【0025】
請求項の発明における電動機のサーボ制御装置は、機械衝突検出部がフィードバック補償器の入力あるいは出力を用いて機械系の衝突の有無を検知し、衝突ありと判断した場合には指令値切り換え部が機械を停止させるように指令値を切り換える。
【0026】
請求項の発明における電動機のサーボ制御装置は、加工実行判断部が実行中のNCプログラムから現在の動作の加工実行の可能性について判断し、その可能性の無い場合に機械衝突検出部がフィードバック補償器の入力あるいは出力を用いて機械系の衝突の有無を検知し、衝突ありと判断した場合には指令値切り換え部が機械を停止させるように指令値を切り換える。
【0027】
【実施例】
実施例1.
以下、発明の一実施例を図について説明する。図1において、1は制御対象、21は制御対象1を制御するための2自由度補償器、2は2自由度補償器21を適切なものに修正するオートチューニング部、11は2自由度補償器21に与えられる指令値、12は制御対象1に与えられる操作量、13は制御対象1の出力信号を示す。また、2自由度補償器21の構成要素として、3は前置補償器としての前置フィルタ、4はフィードバック補償器、5はフィードフォワード補償器、14は前置フィルタ3の出力信号としての応答目標値、15は差信号としての応答目標誤差、16はフィードバック操作量、17はフィードフォワード操作量、6は減算器、7は加算器である。
【0028】
次に動作について説明する。制御対象1の伝達関数をP(s)とする。まず、2自由度補償器21の動作について説明する。前置フィルタ3は、制御系全体の目標特性である入出力伝達関数Cf(s)と同じ伝達関数を持ち、指令値11が入力され、応答目標値14が出力される。フィードフォワード補償器5は、制御対象1のモデルの伝達関数をPm(s)として、Pm(s)-1・Cf(s)という伝達関数を持ち、指令値11が入力され、
フィードフォワード操作量17が出力される。フィードバック補償器4は、減算器6から得られる応答目標値14と制御対象1の出力信号13との差信号である応答目標誤差15が入力され、フィードバック操作量16が出力される。このフィードバック補償器4は、制御系のフィードバック特性を決めるものであり、制御対象1の伝達関数P(s)に応じて決定され、通常フィードバックループが安定な範囲で可能な限りゲインを上げたものが採用される。ここではフィードバック補償器4の伝達関数をCb(s)とする。加算器7はフィードバック操作量16とフィードフォワード操作量17とを加算し、制御対象1への入力である操作量12を出力する。
【0029】
2自由度補償器21において、制御対象1のモデルが完全に制御対象1を表現できているとすると、すなわちPm(s)がP(s)に等しいとすると、指令値11から制御対象1の出力信号13までの伝達関数はCf(s)となる。言い換えれば、指令値11にある信号が加わった場合、他の外乱がなければ、応答目標誤差15やフィードバック操作量16は0となる。また、たとえば操作量12に外乱が加わった場合の出力信号13への影響は、フィードバック補償器4の伝達関数Cb(s)によって決定され、通常フィードバックループが可能な限りハイゲインになるようにCb(s)を決める。以上のように目標値応答特性とフィードバック特性とを独立に設定できることが一般的な2自由度制御系の特長であり、とくに2自由度補償器21のように構成することにより、目標値応答性とフィードバック特性の設定をより見通しよく行うことが可能になる。
【0030】
オートチューニング部2では、フィードバック操作量16を用いて、2自由度補償器21内部の各構成要素を適切なものに自動的に修正する。上述したように、Pm(s)がP(s)に等しいと仮定すると、ある信号が指令値11として入力された場合、フィードバック操作量16は0となる。したがって、もしフィードバック操作量16が0にならない場合にはPm(s)がP(s)に一致していないことになる。そこで、オートチューニング部2では、現在のモデルの伝達関数Pm(s)を記憶しておき、フィードバック操作量16から時間積分値などの特徴量を抽出し、その値により制御対象1のモデルの伝達関数Pm(s)を修正し、それに適したCb(s)、Cf(s)を決定して、前置フィルタ3、フィードバック補償器4、フィードフォワード補償器5を修正する。
【0031】
次にオートチューニングを実施するための手順を示すと、図2のフローチャートのようになる。まず、ステップST1においてオートチューニング開始の指示があると、ステップST2において指令値11への信号入力を待つ。ある信号が入力されるとステップST3においてフィードバック操作量16から特徴量を抽出する。ステップST4において抽出された特徴量が予め定められたオートチューニング終了の条件を満たせば、例えばフィードバック操作量16の時間積分値がある値以下になれば、ステップST5に進みチューニングを終了する。ステップST4においてオートチューニング終了の条件を満たさなければ、ステップST6において抽出した特徴量をもとにモデルの伝達関数Pm(s)を修正する。ステップST7においては、修正したPm(s)に適した入出力伝達関数Cf(s)と、フィードバック補償器4の伝達関数Cb(s)とを決定する。入出力伝達関数Cf(s)の決定は、入出力間応答の目標値、高周波外乱の大きさなどを考慮して行う。また、フィードバック補償器4の伝達関数Cb(s)の決定は、位相余裕などの評価指標による古典制御の手法、最適制御、H∞制御などのフィードバック制御系の設計法により行うことができる。ステップST8において、修正したPm(s)、Cf(s)、Cb(s)から前置フィルタ3のCf(s)、フィードバック補償器4のCb(s)、フィードフォワード補償器5のPm(s)-1・Cf(s)を決定する。この後、ステップST2に戻
り、次の入力を待つ。以上の手順を繰り返すことにより、最終的に適切な2自由度補償器21を得ることができる。
【0032】
なお、通常フィードバック操作量16の目標基準はどの様な入力に対しても0になることであるため、上記実施例1で述べたオートチューニングのための指令値11の入力は繰り返しごとに同一の入力である必要はない。また、上記実施例1では、前置フィルタ3、フィードバック補償器4、フィードフォワード補償器5をすべて修正していくとしたが、必要に応じて、これらのうちいずれか2つ、あるいは1つを修正することとしてもよい。
【0033】
実施例2.
他の実施例を図3に示す。図3において、図1と同一符号は同一部分を示す。図3は、オートチューニング部2において、フィードバック操作量16とフィードフォワード操作量17とを用いた場合である。入力の大きさが繰り返しごとに変わる場合、フィードバック操作量16の0からの誤差の大きさを評価する比較対象として、フィードフォワード操作量17や操作量12や指令値11を併せて用いることが有効である。この実施例では、フィードバック操作量16からと同時にフィードフォワード操作量17から特徴量を抽出し、フィードフォワード操作量17からの特徴量でフィードバック操作量16からの特徴量を規格化したのち、その値をもとにモデルの伝達関数Pm(s)の修正量を決定する。オートチューニング部2をこのような構成にすることにより、指令値11の大きさが大きく変化する場合でも、良好なオートチューニングが実現できる。
【0034】
実施例3.
他の実施例を図4に示す。図4において、図1と同一符号は同一部分を示す。図4は、オートチューニング部2においてフィードバック操作量16とフィードフォワード操作量17とに加え、さらに制御対象1の出力信号13を用いた場合である。制御対象1の出力信号13から特徴量を抽出し、それをオートチューニング部2で用いることにより、制御対象1の応答波形が直接確認でき、望ましい応答波形を確認しながらのチューニングが可能になる。
【0035】
実施例4.
他の実施例を図5に示す。図5において、図1と同一符号は同一部分を示す。上記実施例1〜3ではフィードバック操作量16が0となることを目標にモデルの伝達関数Pm(s)の修正を行ったが、応答目標誤差15に対しても同じ理由によりどの様な入力に対しても0となることが目標となる。従って、上記実施例1〜3のフィードバック操作量16の代わりに応答目標誤差15から特徴量を抽出し、その特徴量をもとにモデルの伝達関数Pm(s)の修正を行うことにより、同様の効果を得ることができる。図5は、オートチューニング部2において、応答目標誤差15から抽出した特徴量と、規格化するための比較対象として制御対象1の出力信号13とから抽出した特徴量をもとに、モデルの伝達関数Pm(s)の修正を行うように構成した場合の実施例である。
【0036】
なお、これまでの実施例1〜4では、フィードバック操作量16や応答目標誤差15が0となることを目標として、オートチューニング部2において2自由度補償器21の修正を行っている。しかし、実際には、操作量12に加わる定常的な外乱や、モデルの伝達関数Pm(s)と実際の制御対象の間の構造的なモデル化誤差などによって、フィードバック操作量16や応答目標誤差15が完全に0となる場合は少ない。このような場合でも、特徴量の選び方を工夫することにより、外乱やモデル化誤差の悪影響をあまり受けずに良好なオートチューニングが実現できる。
【0037】
また、上記実施例1〜4では、特徴量をもとにモデルの伝達関数Pm(s)の修正を行ったが、通常の適応制御で用いられるような逐次的な計算法を用いても、同様にオートチューニング機能を持つ2自由度制御装置が実現できる。
【0038】
実施例5.
他の実施例を図6に示す。図6において、41は電動機、42は電動機41に取り付けられた機械系、43は電動機41の回転角度を測定する位置検出器、44は電動機41に流れる電流を測定するための電流検出器、31は電流制御部、21は2自由度サーボ制御装置、11aは位置指令値、12aは電流指令値、13aは位置検出値、13cは電流検出値、19は電動機41に流れる電流である。また、2自由度サーボ制御装置21の構成要素として、3は前置フィルタ、4はフィードバック補償器、5はフィードフォワード補償器、7は加算器、14aは前置フィルタ3の出力信号としての応答目標値、15aは差信号としての応答目標誤差、16aはフィードバック電流指令値、17aはフィードフォワード電流指令値である。
【0039】
次に動作について説明する。この電動機のサーボ制御装置に関する発明は、例えば図1の実施例に示された2自由度制御装置を、電動機のサーボ制御に適用したものである。電動機41には機械系42が取り付けられている。この機械系42に対して位置決め、軌跡追従などの所定の動作を行わせることがサーボ制御装置の目的である。位置検出器43は電動機41に取り付けられ、電動機41の回転角度を検出することにより、機械系の位置の情報を得ている。電流制御部31では、2自由度制御装置21からの電流指令値12aと、電流検出器44で測定された電流19の値との誤差を用いて、電流19が電流指令値12aに追従するようにPI制御を行う。この実施例においては、電動機41と位置検出器43と機械系42、および電流制御部31を含む電流フィードバックループ全体を、仮に制御対象とみなし、この制御対象に対して2自由度サーボ制御装置21を用いる。
【0040】
電流フィードバックループが十分速く応答すると仮定し、制御対象の伝達関数を次式とする。
P(s)={1/(J・s2 )}・(むだ時間)‥‥‥‥‥‥‥‥(1)
ここで、Jは電動機の回転子と機械系の負荷イナーシャの大きさである。むだ時間の大きさは、電流フィードバックループを実現する場合のサンプリング時間やPWMスイッチング周波数などによって決まる。制御対象がこのような伝達関数で表わされる場合、2自由度サーボ制御装置21は以下のように設計できる。
【0041】
まず、フィードバック補償器4は、外乱抑制特性などのフィードバック特性を決定するものであるため、閉ループ系が安定な範囲内でゲインを上げ、かつ積分特性を持つ必要がある。フィードバック補償器4は次式の伝達関数を持つ。
Cb(s)={Kb・a3 (s+a1 )(s+a2 )}
/{a1 ・a2 ・s(s+a3 )}‥‥‥‥‥‥‥(2)
ここで、a1 ,a2 ,a3 はむだ時間の大きさから決まる閉ループ系の目標応答周波数
から決定でき、KbはJの大きさに応じて決定できる。
【0042】
また、前置フィルタ3は、機械系42の機械共振を励起しない、電流指令値12aに飽和を生じないなどの条件を満足するように、入出力の応答を制限するためのものである。前置フィルタ3は次式の伝達関数を持つ。
Cf(s)=b1 ・b2 /{(s+b1 )(s+b2 )}‥‥‥‥(3)
ここで、b1 ,b2 は前記のような条件を満足するように決定する。さらに、フィード
フォワード補償器5は、伝達関数がPm(s)-1・Cf(s)となるように決定する。こ
こで、Pm(s)は実施例1に示したように制御対象のモデルであり、この実施例では次式の伝達関数とする。
Pm(s)=(1/Jm・s2 ) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4)
ここで、JmはJの推定値である。
【0043】
この実施例では、Pm(s),Cf(s)とも分母2次、分子0次であるため、Pm(s)-1・Cf(s)は分母2次、分子2次となり、実現しやすい伝達関数となっている。
以上のように2自由度サーボ制御装置21を構成することにより、目標値応答特性とフィードバック特性を独立にかつ見通しよく設定できる電動機のサーボ制御装置が実現できる。
【0044】
なお、この実施例において、
3 =b1 =b2 =∞
としたものは、図18の従来例に示された電動機のサーボ制御装置において、速度と電流のフィードフォワードを行ったものと等価になる。すなわち、上記実施例は、通常行われるフィードフォワード付の電動機のサーボ制御装置の拡張になっているといえる。
【0045】
なお、上記実施例5では、制御対象モデルPm(s)を簡単な(4)式で表現しているが、より実際に近い複雑なモデルをもとにしてもよい。また、前置フィルタ3、フィードバック補償器4、フィードフォワード補償器5の各々の特性も要求する制御特性を満足するものであればよい。さらに、上記実施例5では、制御対象出力を、電動機41に取り付けた位置検出器43からの信号としているが、たとえば機械系に取り付けたリニアスケールのような検出器でも同様の2自由度サーボ制御装置21が構成できる。
【0046】
実施例6.
次に、オートチューニング機能を持つ電動機のサーボ制御装置に関する本発明の他の実施例を図について説明する。図7において、図6と同一符号は同一部分を示し、2はオートチューニング部である。
【0047】
次に動作について説明する。この電動機のサーボ制御装置に関する発明は、図6の実施例5に示された電動機のサーボ制御装置にオートチューニング機能を加えたものである。オートチューニング部2では、フィードバック電流指令値16aと電流検出値13cをもとに前置フィルタ3、フィードバック補償器4、フィードフォワード補償器5を修正する。オートチューニング部2は電動機の回転子と機械系の負荷イナーシャの大きさJの推定値Jmを持ち、特徴量としてステップ状の位置指令値11aが入力された時のフィードバック電流指令値16aと電流検出値13cのそれぞれの時間積分値を抽出し、それらを比較してJmの修正を行う。すなわち、フィードバック電流指令値16aからの特徴量と電流検出値13cからの特徴量の大きさがあまり変わらなければ、Jmが小さすぎるとしてJmを増加させる。また、フィードバック電流指令値16aからの特徴量が電流検出値13cからの特徴量に比べて十分小さければ、Jmは適切と判断して修正しない。前置フィルタ3、フィードバック補償器4、フィードフォワード補償器5の修正は、Jmおよび電流検出値13cから評価した機械振動の大きさなどをもとに、図2のフローチャートに示したような手順で行われる。ステップ状の位置指令値11aが繰り返し行われた後、適切な前置フィルタ3、フィードバック補償器4、フィードフォワード補償器5が得られる。
【0048】
なお、上記実施例6では電流検出値13cを用いたが、電流フィードバックループの応答が十分速い場合には、電流指令値12aを用いてもよい。また、上記実施例6では、実施例5に示されたような構成の2自由度サーボ制御装置21に対してのオートチューニング機能について述べたが、フィードフォワード補償器としてのフィードフォワード部とフィードバック補償器としてのフィードバック部とを持つ電動機のサーボ制御装置であれば、同様のオートチューニング機能が実現できる。
【0049】
実施例7.
次に、オートチューニング機能を持つ電動機のサーボ制御装置に関する請求項の発明の一実施例を図8について説明する。図8において、図7と同一符号は同一部分を示し、3aは図7の前置フィルタ3に相当する加減速フィルタ、5a,5b,5cはフィードフォワード補償器5の構成要素であり、それぞれ粘性補償器、慣性補償器、摩擦補償器である。また、42aは図7の機械系42に相当するXYテーブルを示す。
【0050】
次に動作について説明する。この実施例は制御対象であるXYテーブル42aの動特性として、粘性、慣性、クーロン摩擦からなるモデルを考えたものである。加減速フィルタ3aはXYテーブル42aの指令動作軌跡をもとに滑らかな加減速パターンを生成し、X,Yの各電動機への滑らかな時系列データを出力する。粘性補償器5aでは次式により粘性補償量FFcを決定する。
FFc=c・(dx/dt) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(5)
ここで、cは粘性パラメータ、xは加減速フィルタの出力で滑らかな目標応答値である。また、慣性補償器5bでは次式により慣性補償量FFiを決定する。
FFi=I・(d2 x/dt2 ) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(6)
ここで、Iは慣性パラメータである。さらに、摩擦補償器5cでは次式により摩擦補償量FFfを決定する。
FFf=F・sgn(dx/dt)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(7)
ここで、Fは摩擦パラメータである。目標応答値xは滑らかに生成されているため、(5),(6),(7)式における微分計算は可能である。フィードフォワード操作量17aはFFcとFFiとFFfの和として求める。
【0051】
c,I,Fの各パラメータはある指令値に対しXYテーブル42aを複数回動作させ、オートチューニング部2においてその時系列データを用いて最小2乗法により求める。すなわち、動作時の電流指令値の時系列データを横ベクトルy、応答目標値の微分値の時系列データを横ベクトルx1、応答目標値の2回微分値の時系列データを横ベクトルx2、応答目標値の微分値の符号を表わす時系列データを横ベクトルx3とし、Xを(8)式のようにすると、
【0052】
【数1】
Figure 0003545006
【0053】
オートチューニング部2では、まず、動作時に得られるX,yを保存し、そのデータを用いて、
(c,I,F)=y・XT ・(X・XT-1 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥(9)
を求め、その結果をそれぞれ粘性補償部5a、慣性補償部5b、摩擦補償部5cに送る。ただし、たとえば正確でないc,I,Fの値で動作させたデータの電流指令値は、応答目標値14aと位置検出値13aとの誤差をもとにフィードバック補償器により生成されたものであるため、応答目標値に誤差なく追従する望ましい電流指令値とは言えない。
【0054】
したがって、この電流指令値をもとに(9)式で求めたc,I,Fの各パラメータは最適なものにはならない可能性がある。そこで、XYテーブル42aを動作させた後、(8)式によりc,I,Fの各パラメータを求め、その値をフィードフォワード補償器5で用いて、再びXYテーブルを動作させる。この手順を繰り返すことにより、c,I,Fの各パラメータを望ましい値に収束させる。
【0055】
図9は、c,I,Fの各パラメータを収束させる手順を示すフローチャートである。まず、ステップST11で動作を開始後、ステップST12においてフィードフォワード補償器5で用いるc,I,Fの初期値を与える。この初期値としては、たとえば、Iの値には予めわかっているモータの慣性モーメントの値、c,Fはそれぞれ0を代入しておく。つぎに、ステップST13ではXYテーブル42aを動作させその時の時系列データX,yをオートチューニング部2に保存する。ステップST14では同じくオートチューニング部2において、保存したデータから(8)式によりc,I,Fを決定する。またさらに、同じくオートチューニング部2において、ステップST15では、ステップST14にて求めたIをもとに、予め与えられた周波数に開ループの交差周波数が一致するようにフィードバック補償器を修正する。さらにステップST16では、ステップST14にて決定したc,I,Fの値とそれまでのc,I,Fの値を比較し、それぞれの差が予め設定された値より小さければステップST17に進んでc,I,Fの決定手順を終了する。ステップST16において、その差が設定値より小さくなければ、ステップST13に戻って再びXYテーブル42aを動作させる。
【0056】
本実施例のように最小2乗法によるチューニングを行うことにより、特別なチューニングのための指令値を必要とせずに、実際に動作させる指令値によりチューニングが可能となる。また、動作させる指令値が変化した場合にも1度求めたチューニング結果は用いることができる。
【0057】
実施例8.
次に、オートチューニング機能を持つ電動機のサーボ制御装置に関する請求項の発明の一実施例を図10について説明する。図10において、図8と同一符号は同一部分を示し、2aは機械振動も考慮したオートチューニング部、111は機械振動検出部、101は機械振動検出部で検出された機械振動の大きさである。
【0058】
まず、機械振動検出部111における動作について説明する。機械振動検出部ではフィードバック電流指令値16aをもとに機械振動の大きさの評価値を検出する。図に示したようなフィードフォワード補償器5を備えたサーボ系では、外乱の無い場合には応答目標値と位置検出値が一致するため、フィードバック電流指令値16aは0になる。実際には位置検出値の量子化の影響やフィードフォワード補償器5におけるモデル化誤差の影響のため小さな信号は発生するが、機械振動は通常これらより大きな外乱となる。
【0059】
機械振動によるフィードバック電流指令値の様子が図11である。図11において、17bはフィードフォワード電流指令値、16bはフィードバック電流指令値、t1は機械振動が発生した時刻、t2は機械振動が収まった時刻を示す。図11(a)が機械共振周波数が高い場合、図11(b)が機械共振周波数が低い場合である。機械振動の大きさの評価値は、指令開始時刻から終了後一定時間経過後の時刻までのフィードバック電流指令値の2乗積分値、あるいは絶対値積分値で決定する。あるいは、それらの時間領域の信号をフーリエ変換し、機械振動の周波数が存在すると考えられる範囲でのパワーのピーク値を機械振動の大きさの評価値としてもよい。また、機械振動検出部111への入力としてフィードバック補償器への入力15aを用いても同様の効果は得られる。
【0060】
つぎに、機械信号を考慮したオートチューニング部2aの動作について説明する。図12は図10でのオートチューニングの手順を示すフローチャートである。まず、ステップST11aで動作を開始後、ステップST12aでc,I,Fおよびフィードバック補償器のゲインGb初期値を決定する。ゲインGbの初期値は安全性を考慮して低めの値にしておく。ステップST13,14,15,16は図9の対応するステップと同一の手順を示し、c,I,Fを決定する。つぎにステップST18にて上述の方法により機械振動評価値を測定し、ステップST19にて予め決めておいた機械振動の許容基準値と比較する。その結果振動評価値が基準値より大きければステップST20にて加減速フィルタ3aの時定数を下げ、ステップST18にてXYテーブル42aを動作させ、ステップST18に戻る。振動評価値が基準値より小さければ、ステップST22にてGbを増加させ、ステップST23にてXYテーブル42aを動作させ、ステップST24にて機械振動評価値を測定し、ステップST25にて許容基準値と比較する。その結果振動評価値が基準値より大きければステップST26にてGbを減少させ、振動評価値が基準値より大きければステップST27にて終了判定を行ったあとステップST28にてGbを増加させ、ステップST23に戻ってXYテーブル42aを動作させる。ステップST22,ST26,ST28におけるGbの増減量の決定は、それまでの動作におけるGbと振動評価値との関係を保存しておき、振動評価値が基準値以下であった最大のGbと振動評価値が基準値以上であった最小のGbとの平均により行う。ステップST27における終了判定は、今回のGbの値と振動評価値が基準値以上であった最小のGbの値との差が十分小さくなった場合、あるいは今回のGbの値とIに最適なGbの値との差が十分小さくなった場合に終了とみなす。なお、この実施例ではフィードバック補償器のゲインGbをチューニングの対象としたが、積分補償や位相進みなどの動特性を持つ補償要素についても同様にチューニングが可能である。また、この実施例では加減速フィルタ3aの調整とフィードバック補償器4の調整を順に行ったが、両方を同時に調整していく手順にしてもよい。
【0061】
実施例9.
次に、加工反力表示部を持つ電動機のサーボ制御装置に関する請求項の発明の一実施例を図13について説明する。図13において、図8と同一符号は同一部分を示し、50は切削工具、51はワーク、112は加工反力を検知し表示する加工反力検知部である。
【0062】
旋盤やマシニングセンタにおいて切削加工を行う場合、工具50とワーク51との間に切削加工力が働き、その反力が送り軸および主軸の外乱となる。実施例8において示したようにサーボ制御装置21を構成したので、フィードバック電流指令値16aには主として外乱を補償するために必要な電流が現れ、切削中にはほぼ切削反力が現われる。加工反力検知部112は、フィードバック電流指令16aをトルク定数倍することにより、加工反力の大きさを求め、加工反力を表示するメータに逐次表示する。加工中に作業者がこのメータを見ることにより、切込み量が大きすぎる、びびり振動が発生している、工具が破損しているといったトラブルを容易に発見できるようになる。なお、この実施例では加工反力をメータで表示するとしたが、予め加工反力の限界を設定しておきそれを超えた場合に点灯するランプを用意してもよい。また、振動的で過大な加工反力を検知した時に点灯するびびり振動検知ランプを用意してもよい。
【0063】
実施例10.
次に、機械衝突検知部を持つ電動機のサーボ制御装置に関する請求項の発明の一実施例を図14について説明する。図14において、図8と同一符号は同一部分を示し、11aは通常の指令値、11bは機械を停止させるための指令値、113は電動機に取り付けられた機械が衝突したことを検知する衝突検知部、102は指令値を切り換えるための信号である。
【0064】
サーボ制御装置により機械を駆動させる場合、作業者のミスなどの原因により他の物体との衝突が発生することがある。衝突が発生した場合には、駆動する機械や他の物体を保護するため、速やかに機械を停止することが望ましい。衝突が発生した場合には、衝突力が発生しその反力が送り軸および主軸の外乱となる。実施例8において示したようにサーボ制御装置21を構成したので、フィードバック電流指令値16aには主として外乱を補償するために必要な電流が現れ、衝突時にはほぼ衝突反力が現われる。図15は衝突時のフィードバック電流指令値16aを示すものであり、図において、16aがフィードバック電流指令値、t3が衝突が発生した時刻を示す。衝突時は図に示したようにフィードバック電流指令値16aが大きな変化を示すため、衝突検知部113ではあるレベル以上のフィードバック電流指令値16aが発生した場合に、指令値切り換え信号102を停止側信号にし、加減速フィルタ3aへの入力を停止指令値11bに切り換える。停止指令値11bが入力されるとサーボ制御装置21は機械を速やかに停止させる。
【0065】
なお、この実施例では衝突検知部でフィードバック電流指令値16aがあるレベル以上になった場合を衝突とみなしたが、フィードバック電流指令値16aのある時間幅の変化の大きさなどを基準にしても同様の効果が得られる。
【0066】
実施例11.
さらに、機械衝突検知部を持つ電動機のサーボ制御装置に関する請求項の発明の一実施例を図16について説明する。図16において、図14と同一符号は同一部分を示し、114は現在の工作機械の動作の加工実行の可能性を判断する加工実行判断部、103は加工実行の可能性を示す加工実行信号である。
【0067】
数値制御装置により駆動される工作機械において、実施例10のようにフィードバック電流指令値16aから衝突検知を行おうとした場合、機械を停止させるべき衝突であるか、切削加工のためのワークと工具との衝突であるかを判断することは難しい。そこで、加工実行判断部114では、加工のためのNCプログラムから切削送り実行中には1、それ以外の場合には0の加工実行信号103を出力し、衝突検知部113では加工実行信号103が0の場合にのみ実施例10に示した衝突検知および指令値の切り換えを行う。これにより、切削のための衝突には反応しない衝突検知部を持つ電動機のサーボ制御装置が実現できる。
【0068】
なお、この実施例では加工実行判断部114での加工実行信号103の作り方として、切削送りか否かに判断するとしたが、予め加工プログラムのステップごとに加工の可能性についてユーザが書き込んでおいてもよい。また、書き込み方法を加工開始からの時間で入力するようにしてもよい。さらに、対話型のプログラミング装置では、各ステップごとに自動的に加工実行信号を設定するようにしても同様の効果が得られる。
【0069】
【発明の効果】
請求項の発明によれば、入出力応答特性とフィードバック特性を独立に設定できる電動機のサーボ補償器を自動的に適切な値に調整できるように構成したので、専門知識のない電動機ユーザでも良好な制御特性を容易に得ることができる効果がある。
【0070】
請求項の発明によれば、入出力応答とフィードバック特性を独立に設定できる電動機のサーボ補償器を機械振動の大きさも考慮しながら自動的に適切な値に調整できるように構成したので、専門知識のない電動機ユーザでも良好な制御特性を容易に得ることができる効果がある。
【0071】
請求項の発明によれば、数値制御装置が加工反力を表示できるように構成したので、加工中のトラブルや切込み量の適切さなどを簡単に認識できる効果がある。
【0072】
請求項および請求項の発明によれば、サーボ制御装置が機械の衝突を自動的に検知し機械を停止させるように構成したので、万一の機械の衝突に対しても機械に大きな損傷を与えずにすむ効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】明の一実施例による2自由度制御装置を示すブロック図である。
【図2】オートチューニング機能の手順を示すフローチャートである。
【図3】他の実施例による2自由度制御装置を示すブロック図である。
【図4】他の実施例による2自由度制御装置を示すブロック図である。
【図5】他の実施例による2自由度制御装置を示すブロック図である。
【図6】他の実施例による電動機のサーボ制御装置を示すブロック図である。
【図7】他の実施例による電動機のサーボ制御装置を示すブロック図である。
【図8】請求項の発明の一実施例による電動機のサーボ制御装置を示すブロック図である。
【図9】請求項のオートチューニング機能の手順を示すフローチャート図である。
【図10】請求項の発明の一実施例による電動機のサーボ制御装置を示すブロック図である。
【図11】電流指令値における機械振動の様子を示す図である。
【図12】請求項の機械振動を考慮したオートチューニング機能の手順を示すフローチャート図である。
【図13】請求項の発明の一実施例による電動機のサーボ制御装置を示すブロック図である。
【図14】請求項の発明の一実施例による電動機のサーボ制御装置を示すブロック図である。
【図15】電流指令値における衝突の様子を示す図である。
【図16】請求項の発明の一実施例による電動機のサーボ制御装置を示すブロック図である。
【図17】従来の2自由度制御装置を示すブロック図である。
【図18】従来の電動機のサーボ制御装置を示すブロック図である。
【図19】従来の機械振動を考慮したオートチューニング機能を有する電動機のサーボ制御装置を示すブロック図である。
【図20】従来の加工反力を測定する工作機械を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 制御対照
2, 2a オートチューニング部
3 前置フィルタ(前置補償器)
3a 加減速フィルタ
4 フィードバック補償器
5 フィードフォワード補償器
7 加算器
11 指令値
11a 位置指令値
12 操作量
12a 電流指令値
13 出力信号
13a 位置検出値
13c 電流検出値
14,14a 応答目標値(出力信号)
15,15a 応答目標誤差(差信号)
16 フィードバック操作量
16a フィードバック電流指令値
17 フィードフォワード操作量
17a フィードフォワード電流指令値
19 電流
31 電流制御部
41 電動機
42 機械系(工作機械)
43 位置検出器
44 電流検出器
111 機械振動検出部
112 加工反力検知部
113 衝突検知部
114 加工実行判断部
120 指令値切り換え部

Claims (5)

  1. 少なくとも位置検出器と電流検出器を備えた電動機により機械系を駆動する電動機のサーボ制御装置において、位置指令値から滑らかな応答目標値を生成する加減速フィルタと、上記応答目標値をもとにフィードフォワード電流指令値を出力するフィードフォワード補償器と、上記応答目標値と上記位置検出器からの位置検出値との差信号を入力としフィードバック電流指令値を出力とする積分特性を持つフィードバック補償器と、上記フィードフォワード電流指令値と上記フィードバック電流指令値とを加算して電流指令値を生成する加算器と、上記電流検出器の電流検出値をもとに上記電流指令値に上記電動機を流れる電流が追従するように制御する電流制御部と、上記電流検出値または電流指令値と上記応答目標値とを用いて、上記フィードバック電流指令値が0となるまたは0に近づくように、あるいは上記フィードフォワード電流指令値と上記加算後の電流指令値または上記電流検出値が一致するように最小2乗法により制御対象パラメータを同定し、この同定したパラメータに基づいて上記フィードフォワード補償器は制御対象の逆伝達関数特性を有するように決定し、上記フィードバック補償器は開ループ系の交差周波数または閉ループ系の応答周波数が所定の値に一致するように決定し、上記加減速フィルタは入出力の応答が所定の値に一致するように決定するオートチューニング部を備えたことを特徴とする電動機のサーボ制御装置。
  2. 少なくとも位置検出器と電流検出器を備えた電動機により機械系を駆動する電動機のサーボ制御装置において、位置指令値から滑らかな応答目標値を生成する加減速フィルタと、上記応答目標値をもとにフィードフォワード電流指令値を出力するフィードフォワード補償器と、上記応答目標値と上記位置検出器からの位置検出値との差信号を入力としフィードバック電流指令値を出力とする積分特性を持つフィードバック補償器と、上記フィードフォワード電流指令値と上記フィードバック電流指令値とを加算して電流指令値を生成する加算器と、上記電流検出器の電流検出値をもとに上記電流指令値に上記電動機を流れる電流が追従するように制御する電流制御部と、上記応答目標値と上記位置検出器の位置検出値との差信号あるいは上記フィードバック電流指令値を用いて機械振動の大きさを出力する機械振動検出部と、上記電流検出値または電流指令値と上記応答目標値と上記機械振動検出値とを用いて上記フィードフォワード補償器と上記フィードバック補償器と上記加減速フィルタとを修正するオートチューニング部を備えたことを特徴とする電動機のサーボ制御装置。
  3. 少なくとも位置検出器と電流検出器を備えた電動機により工作機械を駆動する電動機のサーボ制御装置において、位置指令値から滑らかな応答目標値を生成する加減速フィルタと、上記応答目標値をもとにフィードフォワード電流指令値を出力するフィードフォワード補償器と、上記応答目標値と上記位置検出器からの位置検出値との差信号を入力としフィードバック電流指令値を出力とする積分特性を持つフィードバック補償器と、上記フィードフォワード電流指令値とフィードバック電流指令値とを加算して電流指令値を生成する加算器と、上記電流検出器の電流検出値をもとに上記電流指令値に上記電動機を流れる電流が追従するように制御する電流制御部と、上記応答目標値と上記位置検出器からの位置検出値との差信号あるいは上記フィードバック電流指令値を用いて加工時の反力を検知しその結果を表示する加工反力表示部とを備えたことを特徴とする電動機のサーボ制御装置。
  4. 少なくとも位置検出器と電流検出器を備えた電動機により機械系を駆動する電動機のサーボ制御装置において、位置指令値から滑らかな応答目標値を生成する加減速フィルタと、上記応答目標値をもとにフィードフォワード電流指令値を出力するフィードフォワード補償器と、上記応答目標値と上記位置検出器からの位置検出値との差信号を入力としフィードバック電流指令値を出力とする積分特性を持つフィードバック補償器と、上記フィードフォワード電流指令値とフィードバック電流指令値とを加算して電流指令値を生成する加算器と、上記電流検出器の電流検出値をもとに上記電流指令値に上記電動機を流れる電流が追従するように制御する電流制御部と、上記応答目標値と上記位置検出器の位置検出値との差信号あるいは上記フィードバック電流指令値を用いて機械系の衝突を検知しその結果を出力する機械衝突検知部と、上記衝突検知結果により上記位置指令値を切り換える指令値切り換え部とを備えたことを特徴とする電動機のサーボ制御装置。
  5. 少なくとも位置検出器と電流検出器を備えた電動機により工作機械を駆動する電動機のサーボ制御装置において、位置指令値から滑らかな応答目標値を生成する加減速フィルタと、上記応答目標値をもとにフィードフォワード電流指令値を出力するフィードフォワード補償器と、上記応答目標値と上記位置検出器からの位置検出値との差信号を入力としフィードバック電流指令値を出力とする積分特性を持つフィードバック補償器と、上記フィードフォワード電流指令値とフィードバック電流指令値とを加算して電流指令値を生成する加算器と、上記電流検出器の電流検出値をもとに上記電流指令値に上記電動機を流れる電流が追従するように制御する電流制御部と、NCプログラムをもとに現在の動作が加工を伴うかどうかを出力する加工実行判定部と、上記応答目標値と上記位置検出器からの位置検出値との差信号あるいは上記フィードバック電流指令値と上記加工実行判断部からの出力とを用いて機械系の衝突を検知しその結果を出力する機械衝突検知部と、上記衝突検知結果により上記位置指令値を切り換える指令値切り換え部とを備えたことを特徴とする電動機のサーボ制御装置。
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