JP2008036002A - 自覚式検眼装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】実行される検査に不要な光学素子を通して視標を見ることによる被検者の混乱を招くことなく被検眼の視機能を正確に測定することができる自覚式検眼装置を提供する。
【解決手段】視標呈示装置14により呈示された視標11を見る被検眼13の視軸上に配置された各レンズ32を通しての被検眼13による視標11の視認を妨げるための視線遮断手段を設け、該視線遮断手段の作動を制御するCPU46は、少なくとも前記視軸上に既に配置されたレンズ32aが前記視軸上から移動し始める時点から新たなレンズ32bが前記視軸上に配置される時点までの間に視線遮断手段を作動させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、被検者の自覚的な判断に基づいて被検眼の視機能を検査するための自覚式検眼装置に関する。
従来、眼鏡を作成する際に該眼鏡のレンズの屈折度数を定めるために、被検者の各眼の視機能を被検者の応答に基づいて検査するための自覚式検眼装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような自覚式検眼装置は、各種の視標を被検眼に呈示するための視標呈示装置と、視標を見る被検眼の視軸上に各種の光学素子であるレンズを選択的に配置する光学素子配置装置とを備える。
この自覚式検眼装置では、各レンズは、それぞれ光学素子配置装置に回転可能に設けられた回転盤にその回転方向に互いに間隔をおいて設けられており、回転盤の回転により前記視軸上に選択的に配置される。
被検者は、視標呈示装置により呈示された視標を前記視軸上に配置されたレンズを通して見ることによって被検眼の視機能を検査することができる。
特開2002−143092号公報
ところで、前記視軸上に既に配置されたレンズに代えて新たなレンズを通して視標を被検眼に見せる際、回転盤を回転させることにより新たなレンズを前記視軸上に配置する。
しかしながら、既に配置されたレンズに隣接することなく該レンズとの間に複数のレンズをおいて回転盤に設けられたレンズが新たに選択された場合、回転盤を回転させたときに、既に配置されたレンズと新たなレンズとの間の複数のレンズすなわち実行される検査に不要なレンズが視軸上を通過するため、被検者は通過する全てのレンズを通して視標を見た後、新たに選択されたレンズを通して視標を見ることになる。
このため、例えば前記視軸上に最初に配置されたレンズを通して見たときの視標の見え方と、新たに配置されるレンズを通して見たときの視標の見え方とを比較する場合、被検者は、回転盤の回転時に前記視軸上を通過した各レンズを含む複数のレンズを通して見たときの視標の見え方のうち二つを比較する必要があるため、被検者に混乱が生じる虞がある。被検者に混乱が生じると、被検眼の視機能を正確に測定することができない。
そこで、本発明の目的は、実行される検査に不要な光学素子を通して視標を見ることによる被検者の混乱を招くことなく被検眼の視機能を正確に測定することができる自覚式検眼装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、各種の視標を被検眼に呈示する視標呈示装置と、該視標呈示装置により呈示された前記視標を見る前記被検眼の視軸上に各種の光学素子をそれぞれ選択的に配置する光学素子配置装置と、前記各光学素子を通しての前記被検眼による前記視標の視認を妨げるための視線遮断手段と、該視線遮断手段の作動を制御する制御手段とを備え、前記各光学素子を通して前記視標を見る被検者の自覚的な判断に基づいて該被検者の前記被検眼の視機能を検査するための自覚式検眼装置であって、前記制御手段は、前記光学素子配置装置が前記各光学素子を前記視軸上に配置する動作の開始からその終了までの間に前記視線遮断手段を作動させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記各光学素子は、それぞれ前記光学素子配置装置に回転可能に設けられた回転盤にその回転方向に互いに間隔をおいて設けられ、前記回転盤の回転により前記視軸上に選択的に配置され、前記制御手段は、前記視軸上に既に配置された前記光学素子に代えて新たに前記視軸上に配置される前記光学素子が前記光学素子配置装置により選択されたとき、既に配置された前記光学素子と新たな前記光学素子との間で前記回転盤に配置された前記光学素子の個数を計測し、計測した個数に基づいて前記視線遮断手段を作動させるか否かを判断することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記制御手段は、前記視軸上に既に配置された前記光学素子と該光学素子に代えて新たに前記視軸上に配置される前記光学素子との間に少なくとも一つの前記光学素子が配置されている場合に、前記視線遮断手段を作動させることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記制御手段は、新たな前記光学素子を前記視軸上に配置するために前記回転盤が回転すべき回転角度と該回転盤の回転速度とを検出し、検出した回転角度及び回転速度に基づいて前記視線遮断手段の作動時間を算出することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の発明において、前記視線遮断手段は、前記回転盤と同軸上に設けられ前記制御手段の制御下で回転する回転体と、該回転体に設けられ、該回転体の回転により前記視軸上に配置される遮断部材とを備え、前記制御手段は、前記視軸上に既に配置された前記光学素子にその前記回転盤の回転方向側と反対方向側で隣り合った前記光学素子が前記回転盤の回転により前記視軸上に配置される前又は配置されると同時に前記遮断部材が前記視軸上に配置されるように前記回転体を回転させ、前記視軸上に既に配置された前記光学素子に代わる新たな前記光学素子に前記回転盤の回転方向で隣接した前記光学素子が前記視軸上から除去されると同時に又は除去された後に前記遮断部材が前記視軸上から除去されるように前記回転体を回転させることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記回転盤には、その回転方向に互いに間隔をおいて複数の開口が形成されており、前記各光学素子はそれぞれ前記各開口内に配置されており、前記回転体には、前記各開口のそれぞれに対応する位置のうち少なくとも互いに隣り合った二箇所にそれぞれ開口が形成されており、一方の該開口には前記遮断部材が設けられており、他方の前記開口は開放されており、前記制御手段は、前記光学素子配置装置により選択された前記光学素子が前記視軸上に配置された状態で前記他方の開口が前記視軸上に配置されるように前記回転体を回転させることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記回転体には、前記回転盤に形成された前記各開口に対応する位置にそれぞれ前記開口が形成されており、該各開口は一つおきに開放しており、開放した前記各開口間に配置された前記各開口内にはそれぞれ前記遮断部材が設けられていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発明において、前記光学素子配置装置は、前記各光学素子が収容されるハウジングを備え、該ハウジングには、前記各光学素子を通して前記視標を見るための検眼窓が形成されており、前記視線遮断手段は、前記検眼窓を閉鎖する閉鎖位置と該検眼窓を開放する開放位置との間で移動可能に前記ハウジングに設けられた板状部材であり、該板状部材は、前記制御手段の制御下で前記閉鎖位置におかれることにより、前記被検眼による前記視標の視認を妨げることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発明において、前記光学素子配置装置は、前記各光学素子が収容されるハウジングを備え、該ハウジングには、前記各光学素子を通して前記視標を見るための検眼窓が形成されており、前記視線遮断手段は、前記検眼窓内に配置された液晶パネルであり、前記制御手段は、前記光学素子配置装置が前記各光学素子を前記視軸上に配置する動作の開始からその終了までの間に、前記被検眼による前記視標の視認を妨げるべく前記液晶パネルを表示状態におくことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発明において、前記光学素子配置装置は、前記各光学素子が収容されるハウジングを備え、該ハウジングには、前記各光学素子を通して前記視標を見るための検眼窓が形成されており、前記視線遮断手段は、前記検眼窓に設けられ、該検眼窓の開放領域を狭めるべく該検眼窓をその周囲から絞り込むように動作する絞り部材であり、前記制御手段は、前記光学素子配置装置が前記各光学素子を前記視軸上に配置する動作の開始からその終了までの間に、前記検眼窓を絞り込むべく前記絞り部材を作動させることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、各光学素子を通しての被検眼による視標の視認を妨げるための視線遮断手段が、光学素子配置装置が各光学素子を通して視標を見る被検眼の視軸上に配置する動作の開始からその終了までの間に制御手段の制御下で作動することから、前記視軸上に既に配置された光学素子に代えて新たな光学素子を通して視標を被検眼に見せる際、新たな光学素子を前記視軸上に配置すべく光学素子配置装置が作動している間、視線遮断手段により被検眼による視標の視認を妨げることができる。
これにより、各光学素子が、例えば従来のように、それぞれ光学素子配置装置に回転可能に設けられた回転盤にその回転方向に互いに間隔をおいて設けられている場合に、前記視軸上に既に配置された光学素子に隣接することなく該光学素子との間に複数の光学素子をおいて回転盤に設けられた光学素子が新たに選択されたとき、その新たな光学素子を前記視軸上に配置すべく回転盤が回転したときに被検眼による視標の視認を視線遮断手段により妨げることができる。これにより、既に配置された光学素子と新たな光学素子との間の複数の光学素子すなわち実行される検査に不要な光学素子が視軸上を通過したときに、被検眼が検査に不要な各光学素子を通して視標を見ることが防止される。これにより、例えば前記視軸上に最初に配置された光学素子を通して見たときの視標の見え方と、新たに配置される光学素子を通して見たときの視標の見え方とを比較する場合でも、被検者は、前記不要な各光学素子を通して視標を見たときの見え方を考慮する必要はない。
従って、前記不要な核光学素子を含む複数の光学素子を通して見たときの視標の見え方を考慮することによる従来のような被検者の混乱が確実に防止されるので、被検者に混乱が生じることによる従来のような被検眼の視機能の誤測定を確実に防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、各光学素子は、それぞれ光学素子配置装置に回転可能に設けられた回転盤にその回転方向に互いに間隔をおいて設けられ、回転盤の回転により前記視軸上に選択的に配置され、視線遮断手段の作動を制御する制御手段は、前記視軸上に既に配置された光学素子に代えて新たに前記視軸上に配置される光学素子が光学素子配置装置により選択されたとき、既に配置された光学素子と新たな光学素子との間で回転盤に配置された光学素子の個数を計測し、計測した個数に基づいて視線遮断手段を作動させるか否かを判断することから、例えば回転盤の回転時に前記視軸上を通過する光学素子の個数が所定の個数以下であれば該光学素子を通して視標を見たとしても被検者に混乱を生じさせないと考えられる場合、前記所定の個数を設定することにより、既に配置された光学素子と新たな光学素子との間で回転盤に配置された光学素子の個数が前記所定の個数よりも多い場合にのみ視線遮断手段を作動させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、制御手段は、前記視軸上に既に配置された光学素子と該光学素子に代えて新たに前記視軸上に配置される光学素子との間に少なくとも一つの光学素子が配置されている場合に視線遮断手段を作動させることから、回転盤の回転時に前記視軸上を通過する光学素子の個数が二個以上のときにのみ視線遮断手段を作動させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、制御手段は、新たな光学素子を前記視軸上に配置するために回転盤が回転すべき回転角度と該回転盤の回転速度とを検出し、検出した回転角度及び回転速度に基づいて視線遮断手段の作動時間を算出することから、回転盤の回転角度及び回転速度に応じて視線遮断手段の作動時間をより正確に算出することができるので、前記視軸上に既に配置された光学素子と該光学素子に代えて新たに前記視軸上に配置される光学素子との間に設けられた各光学素子が回転盤の回転により前記視軸上を通過する間、その通過する各光学素子を通しての被検眼による視標の視認をより確実に防止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、視線遮断手段を、回転盤と同軸上に設けられ制御手段の制御下で回転する回転体と、該回転体に設けられ、該回転体の回転により前記視軸上に配置される遮断部材とで構成することができる。
この場合、前記視軸上に既に配置された光学素子にその回転盤の回転方向側と反対方向側で隣り合った光学素子が回転盤の回転により前記視軸上に配置される前又は配置されると同時に遮断部材が前記視軸上に配置されるように、制御手段の制御下で回転体を回転させることができる。これにより、前記視軸上に既に配置された光学素子に隣接した光学素子が視軸上に配置されたときには遮断部材が前記視軸上に確実に配置されるので、前記隣接した前記光学素子を通しての被検眼による視標の視認がより確実に妨げられる。
また、この場合、前記視軸上に既に配置された光学素子に代わる新たな光学素子に回転盤の回転方向で隣接した光学素子が前記視軸上から除去されると同時に又は除去された後に遮断部材が前記視軸上から除去されるように回転体を回転させることができる。これにより、新たに配置される光学素子に隣接した前記光学素子が前記視軸上から除去されるまで遮断部材が前記視軸上に確実に配置されるので、新たに配置される光学素子に隣接した前記光学素子を通しての被検眼による視標の視認がより確実に妨げられる。
請求項6に記載の発明によれば、回転盤には、その回転方向に互いに間隔をおいて複数の開口が形成されており、各光学素子はそれぞれ各開口内に配置されており、回転体には、各開口のそれぞれに対応する位置のうち少なくとも互いに隣り合った二箇所にそれぞれ開口が形成されており、一方の該開口には遮断部材が設けられており、他方の開口は開放されており、制御手段は、光学素子配置装置により選択された光学素子が視軸上に配置された状態で前記他方の開口が前記視軸上に配置されるように回転体を回転させることから、前記視軸上に配置された光学素子を通して被検眼に視標を見せるときに、被検眼に回転体の前記他方の開口を通して視標を見せることができる。これにより、被検眼に視標を見せる必要があるときすなわち被検眼による視標の視認を妨げる必要がないときに、回転体及び遮断部材が被検眼による視標の視認の妨げになることを確実に防止することができる。
また、回転体に形成された各開口が互いに隣接していることから、両開口が互いに離反した位置に形成された場合に比べて、開放した開口が前記視軸上に配置される回転位置と遮断部材が前記視軸上に配置される回転位置との間の回転体の回転角度を小さくすることができる。これにより、遮断部材が前記視軸上に配置された状態から開放した開口を前記視軸上に配置するとき又はその逆のとき、遮断部材及び開放した開口の相互の交換を容易に行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、回転体には、回転盤に形成された各開口に対応する位置にそれぞれ開口が形成されており、該各開口は一つおきに開放しており、開放した各開口間に配置された各開口内にはそれぞれ遮断部材が設けられていることから、回転体には、開放した開口と遮断部材が設けられた開口とが交互に形成されている。
従来、遮断部材が設けられた開口と開放した開放口とがたとえ互いに隣接していたとしても回転体が一方向にのみ回転可能である場合には、前記視軸上に配置された遮断部材を開放口に交換するとき又はその逆のとき、開放口又は遮断部材を前記視軸上に配置するために回転体をほぼ一回転させる必要がある。このため、視線遮断手段の作動時間が長くなり、被検眼の検査に費やされる時間が長くなってしまう。
これに対し、本発明によれば、前記したように、回転体には開放した開口と遮断部材が設けられた開口とが交互に形成されていることから、回転体が一方向にのみ回転可能である場合でも、前記視軸上に配置された遮断部材を開放した開口に交換するとき又はその逆のとき、開放した開口又は遮断部材を前記視軸上に配置するために回転体をほぼ一回転させる必要はなく、開放した開口及び遮断部材間の回転角度で回転させればよい。これにより、開放した開口及び遮断部材間の相互の交換のために回転体をほぼ一回転させることによる視線遮断手段の作動時間の延長が防止されるので、視線遮断手段の作業時間の延長による被検眼の検査時間の延長を確実に防止することができる。
請求項8に記載の発明によれば、視線遮断手段は、光学素子配置装置のハウジングに形成された検眼窓を閉鎖する閉鎖位置と該検眼窓を開放する開放位置との間で移動可能にハウジングに設けられた板状部材であり、該板状部材は、制御手段の制御下で閉鎖位置におかれることにより被検眼により視標の視認を妨げることから、回転盤の回転時に板状部材により検眼窓を閉鎖することによって、前記視軸上を通過する各光学素子を通しての被検眼による視標の視認を確実に妨げることができる。
請求項9に記載の発明によれば、視線遮断手段は、光学素子配置装置のハウジングに形成された検眼窓内に配置された液晶パネルであり、制御手段は、光学素子配置装置が各光学素子を前記視軸上に配置する動作の開始からその終了までの間に、被検眼による視標の視認を妨げるべく液晶パネルを表示状態におくことから、回転盤の回転時に液晶パネルを表示状態におくことにより、前記視軸上を通過する各光学素子を通しての被検眼による視標の視認を確実に妨げることができる。
請求項10に記載の発明によれば、視線遮断手段は、光学素子配置装置のハウジングに形成された検眼窓に設けられ、該検眼窓の開放領域を狭めるべく該検眼窓をその周囲から絞り込むように動作する絞り部材であり、制御手段は、光学素子配置装置が各光学素子を前記視軸上に配置する動作の開始からその終了までの間に、検眼窓を絞り込むべく絞り部材を作動させることから、回転盤の回転時に絞り部材により検眼窓を絞り込むことにより、前記視軸上を通過する各光学素子を通しての被検眼による視標の視認を確実に妨げることができる。
本発明を図示の実施例に沿って説明する。
本発明に係る自覚式検眼装置10は、図1に示すように、各種の視標11を被検者12の被検眼13(図2参照。)に呈示するための視標呈示装置14と、被検眼13の視機能を矯正するための矯正装置15とを備える。自覚式検眼装置10は、従来よく知られているように、図示しない眼鏡を作成する際に該眼鏡のレンズの屈折度数を定めるために用いられている。
視標呈示装置14は、視標11が表示される表示窓16が設けられた呈示装置本体17を備える。表示窓16に表示される視標11は、後述するコントローラ18の操作により選択される。
視標呈示装置14の被検者12側には、検眼テーブル19が配置されており、該検眼テーブルに設けられたアーム20に矯正装置15が取り付けられている。
矯正装置15は、左右方向に並べて配置された一対のフォロプタ21,22を備える。各フォロプタ21,22は、図2に示すように、それぞれハウジング23,24を備える(図2には、一方のフォロプタ21が示されている。)。
各ハウジング23,24には、それぞれ呈示装置本体17の表示窓16に表示された視標11を見るための検眼窓25が形成されている。各検眼窓25は、図示の例では、円形をなしており、各ハウジング23,24の被検者12側の前方壁23a,24a及び該前方壁と反対側に位置する後方壁23b,24bに互いに対向した位置でそれぞれ形成されている。
各ハウジング23,24内には軸部材26が設けられている。軸部材26は、その軸線が前方壁23a,24a及び後方壁23b,24bに形成された各検眼窓25の中心を通る線にほぼ平行になるように配置されており、その両端部26aで前方壁23a,24a及び後方壁23b,24bに支持されている。
また、各ハウジング23,24内には、図示の例では、それぞれ四つの回転盤27,28,29,30が配置されている。各回転盤27〜30は、図示の例では、それぞれ環状をなしており、中心を互いに一致させ且つ互いに所定の間隔をおいて軸部材26にその軸線の周りに回転可能に支持されている。各回転盤27〜30には、図3に示すように、それぞれ複数の開口31が各回転盤27〜30の周方向に互いに等間隔をおいて形成されている。
各回転盤27〜30のうち最も被検者12側に配置された回転盤27の各開口31内には、図示の例では、それぞれ球面度数が0.25Dずつ異なるレンズ32が設けられている。また、被検者12側から見て二番目に配置された回転盤28の各開口31内には、それぞれ球面度数が3.0Dずつ異なるレンズ32が設けられている。更に、被検者12側から見て三番目に配置された回転盤29の各開口31内には、それぞれ乱視検査用のレンズ32が設けられている。また、被検者12側から見て四番目に配置された回転盤30の各開口31内には、従来と同様に、ピンホール、マドックスレンズ、レッドフィルタ、グリーンフィルタ及びロータリープリズム等が設けられている。
各回転盤27〜30の周面には、それぞれ該各回転盤の周方向に沿ってギア27a,28a,29a,30aが形成されている。各回転盤27〜30のギア27a〜30aには、図2に示すように、それぞれ各ハウジング23,24内に設けられた各駆動モータ33の駆動ギア34が噛合されており、各回転盤27〜30は各駆動モータ33の駆動により回転する。この各回転盤27〜30の回転により、各レンズ32は、各ハウジング23,24に形成された両検眼窓25を通して視標11を見る被検眼13の視軸P上に選択的に配置される。すなわち、矯正装置15は、光学素子である各レンズ32を被検眼13と視標呈示装置14との間に選択的に配置する光学素子配置装置を構成している。
更に、各ハウジング23,24内には乱視検査用の回転ディスク35が設けられている。回転ディスク35は、図示の例では、各回転盤27〜30の径とほぼ等しい径を有する円盤からなり、四番目の回転盤30と後方壁23b,24bとの間で軸部材26の周りに回転可能に該軸部材に支持されている。回転ディスク35には、図4に示す例では、その周方向に互いに等間隔をおいて複数の開口36が形成されている。
複数の開口36のうち互いに隣接する所定の二つの開口36a,36bを除く各開口36には、それぞれ筒状のホルダー37がその軸線の周りに回転可能に設けられている。各ホルダー37内には、それぞれ互いに度数が異なるクロスシリンダレンズ38が設けられている。クロスシリンダレンズ38は、従来よく知られているように、乱視検査を行うための光学素子である。各ホルダー37の周面には、それぞれ各ホルダー37の周方向に沿ってギア37aが形成されている。
また、回転ディスク35には、図2及び図4に示すように、大径部39aと小径部39bとを有し軸部材26の周りに回転可能な太陽歯車39が設けられており、各ホルダー37のギア37aには、それぞれ太陽歯車39の大径部39aが噛合されている。太陽歯車39の小径部39bには、図2に示すように、各ハウジング23,24内に設けられた駆動モータ40の駆動ギア42が噛合されている。各ホルダー37は、それぞれ駆動モータ40の駆動により太陽歯車39が回転することによって該太陽歯車を介して回転する。これにより、被検眼13の乱視検査を行う際に、各ホルダー37内に保持されたクロスシリンダレンズ38を回転させることができる。
回転ディスク35の周面には、図2及び図4に示すように、その周方向に沿ってギア42が形成されており、該ギアには、各ハウジング23,24内に設けられた駆動モータ43の駆動ギア44が噛合されている。回転ディスク35は、駆動モータ43の駆動により軸部材26の周りに回転する。
回転ディスク35に形成された各開口36のうち、互いに隣接した前記した所定の二つの開口36a,36bのうち一方の開口36a内には、図4に示すように、被検者12が検眼窓25から各回転盤27〜30の各レンズ32を通して視標11を見たときに被検眼13の視線を妨げるための遮断部材45が設けられており、他方の開口36bは開放した開放口36bで構成されている。遮断部材45は、図示の例では、着色された板部材からなる。回転ディスク35及び遮断部材45で、本発明に係る視線遮断手段を構成している。
更に、本発明に係る自覚式検眼装置10は、矯正装置15及び視標呈示装置14の作動を制御する前記したコントローラ18を備える。
コントローラ18は、図1に示すように、検眼テーブル19上に載置されており、図5に示すように、CPU46及びメモリ部47を有する演算制御回路48と、検者63(図1参照。)により操作される操作部49とを備える。
CPU46は、矯正装置15及び視標呈示装置14のそれぞれに設けられた図示しない駆動制御部に接続されている。メモリ部47には、CPU46による算出のための各種の計算プログラム50が記憶されている。
操作部49は、演算制御回路48に接続されている。操作部49には、図6に示すように、各フォロプタ21,22のハウジング23,24内で前記視軸P上に配置するレンズ32を切り替えるときに操作されるダイヤルスイッチ51と、視標呈示装置14の表示窓16に表示させる視標11を選択するための複数の視標選択スイッチ52aからなるスイッチ群52とが設けられている。
被検眼13の例えば視力検査を行う際、検者63は、操作部49の視標選択スイッチ52aの操作により被検眼13に見せる視標11を選択する。このとき、CPU46は、視標選択スイッチ52aが操作されたことを検知すると、選択された視標11を表示窓16に表示させる旨の制御信号を視標呈示装置14の前記駆動制御部に送る。これにより、視標呈示装置14の表示窓16には選択された視標11が表示される。
被検者12は、視標呈示装置14の表示窓16に表示された視標11を各フォロプタ21,22内で前記視軸P上に配置された各レンズ32を通して見て、その見え方を検者63に応答する。検者63は、被検者12の応答に基づいて、前記視軸P上に既に配置されたレンズ32a(図3参照。)に代えて該レンズとは度数の異なる新たなレンズ32b(図3参照。)を前記視軸P上に配置するために操作部49のダイヤルスイッチ51を操作する。
このとき、CPU46は、操作部49のダイヤルスイッチ51が操作されたことを検知すると、前記視軸P上に既に配置されたレンズ32aの度数とダイヤルスイッチ51の操作により選択された新たなレンズ32bの球面度数とを比較する。CPU46は、既存のレンズ32aの球面度数と新たなレンズ32bの球面度数とが互いに異なる場合には、その選択された新たなレンズ32bを前記視軸P上に配置するために各回転盤27〜30を回転させるべき回転角度をメモリ部47に記憶された計算プログラム50を用いて算出する。CPU46は、各回転盤27〜30の回転角度を算出すると、算出した回転角度で各回転盤27〜30を回転させることを示す制御信号を矯正装置15の前記駆動制御部に送る。これにより、各フォロプタ21,22に設けられた各駆動モータ33,40が駆動して各回転盤27〜30が回転することにより、ダイヤルスイッチ51の操作により選択された球面度数を有する新たなレンズ32bが各フォロプタ21,22のハウジング23,24内で前記視軸P上に配置される。
本発明に係るCPU46は、操作部49のダイヤルスイッチ51が操作されたことを検知すると、各回転盤27〜30を回転させるに先立って、前記視軸P上に既に配置されたレンズ32aと新たに選択されたレンズ32bとの間で回転盤27〜30に設けられたレンズ32の個数を計測する。このレンズ32の個数は、メモリ部47に記憶された計算プログラム50の実行により計測され、既存のレンズ32aの球面度数と新たなレンズ32bの球面度数との差から求められる。すなわち、例えば球面度数が0.25Dずつ異なるレンズ32が設けられている回転盤27を回転させる場合に、既存のレンズ32aの球面度数が0.5Dであり、新たに選択されたレンズ32bの球面度数が1.5Dである場合、既存のレンズ32aと選択されたレンズ32bとの間には、三つのレンズ32が介在することが分かる。CPU46は、既存のレンズ32aと選択されたレンズ32bとの間のレンズ32の個数を計測した結果、既存のレンズ32aと選択されたレンズ32bとの間に所定の個数以上のレンズ32が介在していると判断した場合には、回転盤27〜30の回転時に既存のレンズ32aと選択されたレンズ32bとの間の複数のレンズ32すなわち現検査に不要なレンズ32が前記視軸P上を通過したときに被検眼13が検査に不要な各レンズ32を通して視標11を見ることを防止するために、視線遮断手段の遮断部材45が設けられた回転ディスク35を回転させる。図示の例では、CPU46は、既存のレンズ32aと選択されたレンズ32bとの間に二つ以上のレンズ32が介在していると判断した場合に回転ディスク35を回転させる。すなわち、図示の例では、CPU46は、視線遮断手段の作動を制御する制御手段としての役割を担う。尚、図示の例では、被検眼13にレンズ32を通して視標11を見せるときは、回転ディスク35は、その開放口36bが前記視軸P上に配置される回転位置におかれている。
開放口36bが前記視軸P上に配置された状態から回転ディスク35を回転させる際、CPU46は、図示の例では、先ず、回転する回転盤27〜30の既存のレンズ32aが設けられた開口31の中心及び回転盤27〜30の中心を結ぶ線と新たに選択されたレンズ32bが設けられた開口31の中心及び回転盤27〜30の中心を結ぶ線とのなす角度θ(図3参照。)を計算プログラム50を用いて算出する。更に、CPU46は、算出した角度θと回転盤27〜30の回転速度とから、新たに選択されたレンズ32bを前記視軸P上に配置するために回転盤27〜30が回転する時間を計算プログラム50を用いて算出する。CPU46は、算出した回転盤27〜30の回転時間に基づいて、既存のレンズ32aと選択されたレンズ32bとの間に介在した全てのレンズ32が前記視軸P上を通過する通過時間を計算プログラム50を用いて算出する。
CPU46は、前記通過時間を算出した後、図示の例では、既存のレンズ32aにその回転盤27〜30の回転方向側と反対方向側で隣り合ったレンズ32c(図3参照。)が回転盤27〜30の回転により前記視軸P上に配置されると同時に遮断部材45が前記視軸P上に配置されるように回転ディスク35を回転させる旨の制御信号を矯正装置15の前記駆動制御部に送る。これにより、各フォロプタ21,22に設けられた駆動モータ43が駆動することによって回転ディスク35が回転し、既存のレンズ32aに隣接した前記レンズ32cが前記視軸P上に配置されると同時に遮断部材45が前記視軸P上に配置される。
また、CPU46は、前記通過時間を算出した後、図示の例では、既存のレンズ32aと選択されたレンズ32bとの間に介在した全てのレンズ32が前記視軸P上を通過する間遮断部材45を前記視軸P上に配置し、選択された新たなレンズ32bに回転盤27〜30の回転方向で隣接したレンズ32d(図3参照。)が前記視軸P上から除去されると同時に遮断部材45が前記視軸P上から除去されるように回転ディスク35を回転させる旨の制御信号を矯正装置15の前記駆動制御部に送る。すなわち、図示の例では、遮断部材45を前記視軸P上に配置しておく時間は、既存のレンズ32aと選択されたレンズ32bとの間に介在した全てのレンズ32が前記視軸P上を通過する時間に等しい。CPU46から受ける制御信号により、遮断部材45が前記視軸P上に配置された状態で駆動モータ43の駆動が停止し、更に、既存のレンズ32aと選択されたレンズ32bとの間に介在した全てのレンズ32が前記視軸P上を通過した後、駆動モータ43が再度駆動することにより回転ディスク35が回転し、新たなレンズ32bに隣接した前記レンズ32dが前記視軸P上から除去されると同時に遮断部材45が前記視軸P上から除去される。これにより、既存のレンズ32aと選択されたレンズ32bとの間に介在した全てのレンズ32が前記視軸P上を通過する間、被検眼13による視標11の視認が妨げられる。
本実施例によれば、前記したように、被検眼13による視標11の各レンズ32を通しての視認を妨げるための視線遮断手段の回転ディスク35が、各回転盤27〜30の回転動作の開始からその終了までの間に演算制御回路48のCPU46の制御下で作動することから、前記視軸P上に既に配置されたレンズ32aに代えて新たなレンズ32bを通して視標11を被検眼13に見せる際、新たなレンズ32aを前記視軸P上に配置すべく各回転盤27〜30が回転している間、視線遮断手段の遮断部材45により被検眼13による視標11の視認を妨げることができる。
これにより、前記視軸P上に既に配置されたレンズ32aに隣接することなく該レンズとの間に複数のレンズ32をおいて回転盤27〜30に設けられたレンズ32bが新たに選択されたとき、その新たなレンズ32bを前記視軸P上に配置すべく回転盤27〜30が回転したときに被検眼13による視標11の視認を視線遮断手段により妨げることができる。これにより、既存のレンズ32aと新たなレンズ32bとの間の複数のレンズ32が視軸P上を通過したときに、被検眼13が検査に不要な各レンズ32を通して視標11を見ることが防止される。これにより、例えば前記視軸P上に最初に配置されたレンズ32aを通して見たときの視標11の見え方と、新たに配置されるレンズ32bを通して見たときの視標11の見え方とを比較する場合でも、被検者12は、前記不要な各レンズ32を通して視標11を見たときの見え方を考慮する必要はない。
従って、前記不要な各レンズ32を含む複数のレンズ32を通して見たときの視標11の見え方を考慮することによる従来のような被検者12の混乱が確実に防止されるので、被検者12に混乱が生じることによる従来のような被検眼13の視機能の誤測定を確実に防止することができる。
また、前記したように、視線遮断手段の回転ディスク35の作動を制御するCPU46は、既存のレンズ32aに代えて新たに前記視軸P上に配置されるレンズ32bが選択されたとき、既存のレンズ32aと新たなレンズ32bとの間で回転盤27〜30に配置されたレンズ32の個数を計測し、計測した個数に基づいて回転ディスク35を作動させるか否かを判断することから、例えば回転盤27〜30の回転時に前記視軸P上を通過するレンズ32の個数が所定の個数以下であれば該レンズを通して視標11を見たとしても被検者12に混乱を生じさせないと考えられる場合、前記所定の個数を設定することにより、既に配置されたレンズ32aと新たなレンズ32bとの間で回転盤27〜30に配置されたレンズ32の個数が前記所定の個数よりも多い場合にのみ回転ディスク35を作動させることができる。
更に、前記したように、CPU46は、新たなレンズ32bを前記視軸P上に配置するために回転盤27〜30が回転すべき回転角度と該回転盤の回転速度とを検出し、検出した回転角度及び回転速度に基づいて回転ディスク35の作動時間を算出することから、回転盤27〜30の回転角度及び回転速度に応じて回転ディスク35の作動時間をより正確に算出することができるので、前記視軸P上に既に配置されたレンズ32aと該レンズに代えて新たに前記視軸P上に配置されるレンズ32bとの間に設けられた各レンズ32が回転盤27〜30の回転により前記視軸P上を通過する間、その通過する各レンズ32を通しての被検眼13による視標11の視認をより確実に防止することができる。
また、前記したように、既存のレンズ32aにその回転盤27〜30の回転方向側と反対方向側で隣り合ったレンズ32cが回転盤27〜30の回転により前記視軸P上に配置されると同時に遮断部材45が前記視軸P上に配置されるように、制御手段の制御下で回転ディスク35が回転することから、既存のレンズ32aに隣接したレンズ32cが視軸P上に配置されたときには遮断部材45が前記視軸P上に確実に配置されるので、前記隣接したレンズ32cを通しての被検眼13による視標11の視認をより確実に妨げることができる。
また、新たに選択されたレンズ32bが前記視軸P上に配置されると同時に遮断部材45が視軸P上から除去されるように、制御手段の制御下で回転ディスク35が回転することから、新たなレンズ32bに回転盤27〜30の回転方向で隣接したレンズ32d(図3参照。)が前記視軸P上から除去されるまで遮断部材45が前記視軸P上に確実に配置されるので、新たに配置されるレンズ32bに隣接した前記レンズ32dを通しての被検眼13による視標11の視認をより確実に妨げることができる。
更に、前記したように、回転ディスク35に形成された二つの開口36a,36bのうち一方の開口36aには遮断部材45が設けられており、他方の開口36bは開放口36bで構成されており、被検眼13にレンズ32を通して視標11を見せるときは、回転ディスク35はその開放口36bが前記視軸P上に配置される回転位置におかれていることから、前記視軸P上に配置されたレンズ32を通して被検眼13に視標11を見せるときに、被検眼13に回転ディスク35の開放口36bを通して視標11を見せることができる。これにより、被検眼13に視標11を見せる必要があるときすなわち被検眼13による視標11の視認を妨げる必要がないときに、回転ディスク35及び遮断部材45が被検眼13による視標11の視認の妨げになることを確実に防止することができる。
また、遮断部材45が設けられた開口36aと開放口36bとが互いに隣接していることから、両開口36a,36bが互いに離反した位置に形成された場合に比べて、開放口36bが前記視軸P上に配置される回転位置と遮断部材45が前記視軸P上に配置される回転位置との間の回転ディスク35の回転角度を小さくすることができる。これにより、遮断部材45が前記視軸P上に配置された状態から開放口36bを前記視軸P上に配置するとき又はその逆のとき、遮断部材45及び開放口36bの相互の交換を容易に行うことができる。
本実施例では、既存のレンズ32aにその回転盤27〜30の回転方向側と反対方向側で隣り合ったレンズ32cが回転盤27〜30の回転により前記視軸P上に配置されると同時に遮断部材45が前記視軸P上に配置され、また、選択された新たなレンズ32bに回転盤27〜30の回転方向で隣接したレンズ32dが前記視軸P上から除去されると同時に遮断部材45が視軸P上から除去される例を示したが、これに代えて、既存のレンズ32aに隣接した前記レンズ32cが各回転盤27〜30の回転により前記視軸P上に配置される前に遮断部材45を前記視軸P上に配置し、また、新たに選択されたレンズ32bに隣接した前記レンズ32dが前記視軸P上から除去された後に遮断部材45を視軸P上から除去することができる。これにより、既存のレンズ32a及び新たなレンズ32bにそれぞれ隣接した前記各レンズ32c,32dを通しての被検眼13による視標11の視認をより確実に妨げることができる。
また、本実施例では、遮断部材45が着色された板部材からなる例を示したが、これに代えて、例えばグリーンフィルタ、レッドフィルタ、過度な度数を有するレンズ、絵文字が表示された板部材等のように、被検眼13による視標11の視認を妨げることができる部材であれば、着色された板部材以外の部材を本発明に適用することができる。
更に、本実施例では、クロスシリンダ検査用の回転ディスク35と該回転ディスクに設けられた遮断部材45とで視線遮断手段が構成された例を示したが、これに代えて、回転ディスク35とは別に各フォロプタ21,22のハウジング23,24内に回転体53を軸部材26の周りに回転可能に設け、回転体53に遮断部材45を設けることができる。この場合、図7に示すように、回転体53に、該回転体の周方向に所定の間隔をおいて複数の開口54を形成し、該各開口を一つおきに開放し、開放した各開口54間に配置された各開口54内にそれぞれ遮断部材45を設けることができる。
従来、遮断部材45が設けられた開口54と開放した開口54とがたとえ互いに隣接していたとしても回転体53が一方向にのみ回転可能である場合には、前記視軸P上に配置された遮断部材45を開放した開口54に交換するとき又はその逆のとき、開放した開口54又は遮断部材45を前記視軸P上に配置するために回転体53をほぼ一回転させる必要がある。このため、視線遮断手段の作動時間が長くなり、被検眼13の検査に費やされる時間が長くなってしまう。
これに対し、図7に示す例によれば、前記したように、回転体53には、開放した開口54と遮断部材45が設けられた開口54とが交互に形成されていることから、回転体53が一方向にのみ回転可能である場合でも、前記視軸P上に配置された遮断部材45を開放した開口54に交換するとき又はその逆のとき、開放した開口54又は遮断部材45を前記視軸P上に配置するために回転体53をほぼ一回転させる必要はなく、開放した開口54及び遮断部材45間の回転角度で回転させればよい。これにより、開放した開口54及び遮断部材45間の相互の交換のために回転体53をほぼ一回転させることによる視線遮断手段の作動時間の延長が防止されるので、視線遮断手段の作業時間の延長による被検眼13の検査時間の延長を確実に防止することができる。
また、本実施例では、視線遮断手段が、回転ディスク35と該回転ディスクに設けられた遮断部材45とで構成された例を示したが、これに代えて、各フォロプタ21,22のハウジング23,24に形成された検眼窓25を開閉する板状部材55で視線遮断手段を構成することができる。
この場合、図8に示すように、板状部材55を、各フォロプタ21,22のハウジング23,24の後方壁23b,24bにその横方向に沿って配置された枢軸56を介して、後方壁23b,24bに形成された検眼窓25を閉鎖する閉鎖位置(図8(a)に示す位置である。)と該検眼窓を開放する開放位置(図8(b)に示す位置である。)との間で回動可能に設けることができる。板状部材55は、例えば各フォロプタ21,22に設けられた図示しない駆動機構の作動により枢軸56の周りに回動する。
図8に示す例では、CPU46は、前記視軸P上に既に配置されたレンズ32aにその回転盤27〜30の回転方向側と反対方向側で隣り合ったレンズ32cが回転盤27〜30の回転により前記視軸P上に配置される前又は配置されると同時に板状部材55が閉鎖位置におかれるように前記駆動機構を作動させ、また、前記視軸P上に既に配置されたレンズ32aに代わる新たなレンズ32bに回転盤27〜30の回転方向で隣接したレンズ32dが前記視軸P上から除去されると同時に又は除去された後に板状部材55が開放位置におかれるように前記駆動機構を作動させる。これにより、各回転盤27〜30の回転時に前記視軸P上を通過する各レンズ32を通しての被検眼13による視標11の視認を確実に妨げることができる。
図8に示す例に代えて、図9(a)及び図9(b)に示すように、各フォロプタ21,22のハウジング23,24の後方壁23b,24bにその横方向に沿って伸び且つ上下方向に互いに間隔をおいて配置された複数の枢軸57を介して回動可能に設けられた複数の板状部材58で視線遮断手段を構成することができる。
また、図8及び図9に示す例に代えて、図10に示すように、板状部材59を、各フォロプタ21,22の後方壁23b,24bの外方で該後方壁にほぼ平行になるように配置し、後方壁23b,24bに形成された検眼窓25を閉鎖する閉鎖位置(図10(a)に示す位置である。)と該検眼窓を開放する開放位置(図10(b)に示す位置である。)との間で後方壁23b,24bに沿って上下方向に移動可能に設けることができる。板状部材59は、例えば各フォロプタ21,22に設けられた図示しない駆動機構の作動により上下方向に移動する。
図10に示す例では、CPU46は、前記視軸P上に既に配置されたレンズ32aにその回転盤27〜30の回転方向側と反対方向側で隣り合ったレンズ32cが回転盤27〜30の回転により前記視軸P上に配置される前又は配置されると同時に板状部材59が閉鎖位置におかれるように前記駆動機構を作動させ、また、前記視軸P上に既に配置されたレンズ32に代わる新たなレンズ32に回転盤27〜30の回転方向で隣接したレンズ32dが前記視軸P上から除去されると同時に又は除去された後に板状部材59が開放位置におかれるように前記駆動機構を作動させる。これにより、各回転盤27〜30の回転時に前記視軸P上を通過する各レンズ32を通しての被検眼13による視標11の視認を確実に妨げることができる。
更に、本実施例では、視線遮断手段が、回転ディスク35と該回転ディスクに設けられた遮断部材45とで構成された例を示したが、これに代えて、検眼窓25内に配置された図示しない液晶パネルで視線遮断手段を構成することができる。
この場合、液晶パネルは、各フォロプタ21,22のハウジング23,24の前方壁23a,24aに形成された検眼窓25内に配置し、図示しない作動装置の作動により表示状態と非表示状態とを切り替えることができる。
また、この場合、新たなレンズ32aが前記視軸P上に配置された状態では液晶パネルを非表示状態におくように前記作動装置を作動させ、各レンズ32を前記視軸P上に配置する動作の開始からその終了までの間に、被検眼13による視標11の視認を妨げるべく液晶パネルを表示状態におくように、前記作動装置をCPU46により作動させることができる。これにより、各回転盤27〜30の回転時に前記視軸P上を通過する各レンズ32を通しての被検眼13による視標11の視認を確実に妨げることができる。
また、本実施例では、視線遮断手段が、回転ディスク35と該回転ディスクに設けられた遮断部材45とで構成された例を示したが、これに代えて、各フォロプタ21,22のハウジング23,24に形成された検眼窓25の開放領域を狭めるべく該検眼窓をその周囲から絞り込むように動作する図示しない絞り部材で視線遮断手段を構成することができる。
この場合、絞り部材を、各フォロプタ21,22のハウジング23,24の後方壁23b,24bに設け、例えばカメラのような撮像装置に設けられた従来よく知られた絞り部材で構成することができ、絞り部材の絞り度合いを図示しない作動装置の作動により調節することができる。
また、この場合、前記視軸P上に既に配置されたレンズ32aにその回転盤27〜30の回転方向側と反対方向側で隣り合ったレンズ32cが回転盤27〜30の回転により前記視軸P上に配置される前又は配置されると同時に絞り部材の絞り度合いが検眼窓25の開放領域を最小とする絞り度合いとなるように、前記作動装置をCPU46により作動させ、また、前記視軸P上に既に配置されたレンズ32aに代わる新たなレンズ32bに回転盤27〜30の回転方向で隣接したレンズ32dが前記視軸P上から除去されると同時に又は除去された後に絞り部材の絞り度合いが検眼窓25の開放領域を最大とする絞り度合いとなるように、前記作動装置をCPU46により作動させることができる。これにより、各回転盤27〜30の回転時に前記視軸P上を通過する各レンズ32を通しての被検眼13による視標11の視認を確実に妨げることができる。
上記した各実施例では、板状部材55,58,59、液晶パネル及び絞り部材がそれぞれ各フォロプタ21,22のハウジング23,24の後方壁23b,24bに設けられた例を示したが、これに代えて、それらを各フォロプタ21,22のハウジング23,24の前方壁23a,24aに設けることができる。
更に、本実施例では、CPU46が視線遮断手段の作動を制御する制御手段としての役割を担う例を示したが、これに代えて、視線遮断手段の作動を制御するための制御手段をCPU46とは別に設けることができる。
本発明に係る自覚式検眼装置を概略的に示す斜視図である。 本発明に係る矯正装置を概略的に示す横断面図である。 本発明に係る回転盤を概略的に示す平面図である。 本発明に係る回転ディスクを概略的に示す平面図である。 本発明に係る自覚式検眼装置を概略的に示すブロック図である。 本発明に係るコントローラを概略的に示す平面図である。 本発明に係る視線遮断手段の他の実施例を概略的に示す説明図である。 (a)及び(b)は、それぞれ本発明に係る視線遮断手段の他の実施例を概略的に示す説明図である。 (a)及び(b)は、それぞれ本発明に係る視線遮断手段の他の実施例を概略的に示す説明図である。 (a)及び(b)は、それぞれ本発明に係る視線遮断手段の他の実施例を概略的に示す説明図である。
符号の説明
10 自覚式検眼装置
11 視標
13 被検眼
14 視標呈示装置
15 光学素子配置装置(矯正装置)
23,24 ハウジング
25 検眼窓
27,28,29,30 回転盤
32 光学素子(レンズ)
35、45、53、55,58,59 視線遮断手段(回転ディスク、遮断部材、回転体、板状部材)
46 制御手段(CPU)

Claims (10)

  1. 各種の視標を被検眼に呈示する視標呈示装置と、該視標呈示装置により呈示された前記視標を見る前記被検眼の視軸上に各種の光学素子をそれぞれ選択的に配置する光学素子配置装置と、前記各光学素子を通しての前記被検眼による前記視標の視認を妨げるための視線遮断手段と、該視線遮断手段の作動を制御する制御手段とを備え、前記各光学素子を通して前記視標を見る被検者の自覚的な判断に基づいて該被検者の前記被検眼の視機能を検査するための自覚式検眼装置であって、前記制御手段は、前記光学素子配置装置が前記各光学素子を前記視軸上に配置する動作の開始からその終了までの間に前記視線遮断手段を作動させることを特徴とする自覚式検眼装置。
  2. 前記各光学素子は、それぞれ前記光学素子配置装置に回転可能に設けられた回転盤にその回転方向に互いに間隔をおいて設けられ、前記回転盤の回転により前記視軸上に選択的に配置され、前記制御手段は、前記視軸上に既に配置された前記光学素子に代えて新たに前記視軸上に配置される前記光学素子が前記光学素子配置装置により選択されたとき、既に配置された前記光学素子と新たな前記光学素子との間で前記回転盤に配置された前記光学素子の個数を計測し、計測した個数に基づいて前記視線遮断手段を作動させるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の自覚式検眼装置。
  3. 前記制御手段は、前記視軸上に既に配置された前記光学素子と該光学素子に代えて新たに前記視軸上に配置される前記光学素子との間に少なくとも一つの前記光学素子が配置されている場合に、前記視線遮断手段を作動させることを特徴とする請求項2に記載の自覚式検眼装置。
  4. 前記制御手段は、新たな前記光学素子を前記視軸上に配置するために前記回転盤が回転すべき回転角度と該回転盤の回転速度とを検出し、検出した回転角度及び回転速度に基づいて前記視線遮断手段の作動時間を算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の自覚式検眼装置。
  5. 前記視線遮断手段は、前記回転盤と同軸上に設けられ前記制御手段の制御下で回転する回転体と、該回転体に設けられ、該回転体の回転により前記視軸上に配置される遮断部材とを備え、前記制御手段は、前記視軸上に既に配置された前記光学素子にその前記回転盤の回転方向側と反対方向側で隣り合った前記光学素子が前記回転盤の回転により前記視軸上に配置される前又は配置されると同時に前記遮断部材が前記視軸上に配置されるように前記回転体を回転させ、前記視軸上に既に配置された前記光学素子に代わる新たな前記光学素子に前記回転盤の回転方向で隣接した前記光学素子が前記視軸上から除去されると同時に又は除去された後に前記遮断部材が前記視軸上から除去されるように前記回転体を回転させることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の自覚式検眼装置。
  6. 前記回転盤には、その回転方向に互いに間隔をおいて複数の開口が形成されており、前記各光学素子はそれぞれ前記各開口内に配置されており、前記回転体には、前記各開口のそれぞれに対応する位置のうち少なくとも互いに隣り合った二箇所にそれぞれ開口が形成されており、一方の該開口には前記遮断部材が設けられており、他方の前記開口は開放されており、前記制御手段は、前記光学素子配置装置により選択された前記光学素子が前記視軸上に配置された状態で前記他方の開口が前記視軸上に配置されるように前記回転体を回転させることを特徴とする請求項5に記載の自覚式検眼装置。
  7. 前記回転体には、前記回転盤に形成された前記各開口に対応する位置にそれぞれ前記開口が形成されており、該各開口は一つおきに開放しており、開放した前記各開口間に配置された前記各開口内にはそれぞれ前記遮断部材が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の自覚式検眼装置。
  8. 前記光学素子配置装置は、前記各光学素子が収容されるハウジングを備え、該ハウジングには、前記各光学素子を通して前記視標を見るための検眼窓が形成されており、前記視線遮断手段は、前記検眼窓を閉鎖する閉鎖位置と該検眼窓を開放する開放位置との間で移動可能に前記ハウジングに設けられた板状部材であり、該板状部材は、前記制御手段の制御下で前記閉鎖位置におかれることにより、前記被検眼による前記視標の視認を妨げることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自覚式検眼装置。
  9. 前記光学素子配置装置は、前記各光学素子が収容されるハウジングを備え、該ハウジングには、前記各光学素子を通して前記視標を見るための検眼窓が形成されており、前記視線遮断手段は、前記検眼窓内に配置された液晶パネルであり、前記制御手段は、前記光学素子配置装置が前記各光学素子を前記視軸上に配置する動作の開始からその終了までの間に、前記被検眼による前記視標の視認を妨げるべく前記液晶パネルを表示状態におくことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自覚式検眼装置。
  10. 前記光学素子配置装置は、前記各光学素子が収容されるハウジングを備え、該ハウジングには、前記各光学素子を通して前記視標を見るための検眼窓が形成されており、前記視線遮断手段は、前記検眼窓に設けられ、該検眼窓の開放領域を狭めるべく該検眼窓をその周囲から絞り込むように動作する絞り部材であり、前記制御手段は、前記光学素子配置装置が前記各光学素子を前記視軸上に配置する動作の開始からその終了までの間に、前記検眼窓を絞り込むべく前記絞り部材を作動させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自覚式検眼装置。
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