JP2008026547A - レンズホルダ - Google Patents
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Abstract
【課題】組み込まれる撮像装置において、他の部材や機構などを配置するための空間を確保すること。
【解決手段】形状の異なる複数のレンズ(第1レンズ19、第2レンズ20及び第3レンズ21)を光軸方向に沿って収納するケース(小径部6a、大径部6b)を備え、ケース(小径部6a、大径部6b)は、当該ケース(小径部6a、大径部6b)内に収納された複数のレンズ(第1レンズ19、第2レンズ20及び第3レンズ21)の外形に応じた形状を有することを特徴とする。
【選択図】図11
【解決手段】形状の異なる複数のレンズ(第1レンズ19、第2レンズ20及び第3レンズ21)を光軸方向に沿って収納するケース(小径部6a、大径部6b)を備え、ケース(小径部6a、大径部6b)は、当該ケース(小径部6a、大径部6b)内に収納された複数のレンズ(第1レンズ19、第2レンズ20及び第3レンズ21)の外形に応じた形状を有することを特徴とする。
【選択図】図11
Description
本発明は、レンズホルダに関し、特に、デジタルカメラに搭載される、オートフォーカス機能や手ぶれ補正機能を有するカメラモジュールに好適なレンズホルダに関する。
一般に、デジタルカメラなどの撮像装置は、複数のレンズやフィルタなどの光学部品や、これらの光学部品を介して被写体が結像される撮像素子等を備えている。従来、これらの光学部品と撮像素子との位置関係を高精度に維持すべく、レンズやフィルタ等を組み合わせて保持するレンズホルダを備えた撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−333332号公報
近年、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話は、小型化が急速に進んでおり、これに伴って、上述したようなレンズホルダも小型化が要請されている。特に、オートフォーカス機能を有するカメラモジュールにおいては、モータ等を利用したアクチュエータ機構が組み込まれるため、このようなアクチュエータ機構を組み込むための空間を確保することが要請されている。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、組み込まれる撮像装置において、他の部材や機構などを配置するための空間を確保することができるレンズホルダを提供することを目的とする。
本発明のレンズホルダは、形状の異なる複数のレンズを光軸方向に沿って収納するケースを備え、前記ケースは、当該ケース内に収納された前記複数のレンズの外形に応じた形状を有することを特徴とする。
上記レンズホルダによれば、ケースが、内部に収納された複数のレンズの外形に応じた形状に設けられることから、レンズホルダの大きさが無用に大きくなるのを防止することができるので、当該レンズホルダが組み込まれる撮像装置等において、他の部材や機構(例えば、アクチュエータ)などを配置するための空間を確保することが可能となる。この結果、組み込んだ撮像装置全体の小型化に貢献することが可能となる。
例えば、上記レンズホルダにおいて、前記複数のレンズは、第1、第2及び第3のレンズで構成され、前記第1及び第2のレンズは、前記第3のレンズよりも径小に形成されると共に、前記第3のレンズよりも入光口側に配置され、前記ケースの外側であって前記第3のレンズの入光口側の位置に一定の空間を形成することが好ましい。この場合には、第1及び第2のレンズと、第3のレンズとの大きさの相違を利用して、撮像装置等の他の部材や機構などを配置するための空間を確保することが可能となる。
また、上記レンズホルダにおいて、前記第1、第2及び第3のレンズを介して被写体は撮像素子の受光面に結像され、前記受光面は矩形状に形成されその受光面のいずれか一辺に対応する側縁部が凹状に形成され、前記空間は、当該凹状に形成された側縁部に対応する位置に形成されるようにしても良い。この場合には、第3のレンズにおいて、撮像素子における矩形状の受光面に被写体を結像する際に不要となる側縁部分を凹状に形成し、当該側縁部分に対応する位置に空間が形成されるので、被写体の結像に影響を与えることなく、撮像装置等の他の部材や機構などを配置するための空間を拡大することが可能となる。
特に、上記レンズホルダにおいて、前記受光面のいずれか一辺と、前記凹状に形成された側縁部と前記第3のレンズの表面との段差面とを平行に配置することが好ましい。この場合には、凹状に形成された側縁部と第3のレンズの表面との段差面が、受光面のいずれか一辺と平行に配置されることから、撮像装置等の他の部材や機構などを配置するための空間をより有効に活用することが可能となる。
本発明によれば、レンズホルダの外側面の一部に移動機構の一部を収容する収容部を形成したことから、移動機構の幅に応じて装置本体の幅が大きくなることが防止されるので、装置本体を小型化することが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るレンズホルダが適用されるレンズ駆動装置の分解斜視図である。図2は、図1に示すレンズ駆動装置を組み立てた場合の外観斜視図である。
図1は、本発明の一実施の形態に係るレンズホルダが適用されるレンズ駆動装置の分解斜視図である。図2は、図1に示すレンズ駆動装置を組み立てた場合の外観斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るレンズ駆動装置1は、イメージセンサ2が実装される基板3と、IRカットフィルタ4が装着されるベース5と、レンズホルダ6及び圧電アクチュエータとしてのモータ7等が取り付けられるケース8と、ケース8を収容するシールドケース9とを含んで構成される。
基板3は、図1に示す上方側から見て正方形状に設けられている。イメージセンサ2は、図1に示す上方側から見て長方形状に設けられ、その長辺及び短辺が基板3の辺と平行になるように基板3に対して実装されている。図1においては、イメージセンサ2の長辺2a、短辺2bが、基板3の辺3a、3bと平行になるようにイメージセンサ2が基板3に対して実装された場合について示している。
ベース5は、絶縁性の樹脂材料で形成され、基板3に対応する正方形状に設けられている。ベース5の中央近傍には、イメージセンサ2に対応する位置に長方形状の開口部5aが形成され、この開口部5aの周囲に円形状に設けられた凹部5bが形成されている。IRカットフィルタ4は、凹部5b内において、開口部5aに対応する位置に装着される。また、ベース5の四隅には、後述するシールドケース9の取付脚部9bを収容する凹部5cが形成されている。
ケース8は、絶縁性の樹脂材料で形成され、その中央に円形状の開口部8aが形成されている。開口部8aの周囲には、後述するカムギア13が載置される円環形状を有するカム受け部8bが立設されている。ケース8の側面8cには、後述するカムギア13が有するマグネットの位置検出用のホール素子10が固定される切り欠き部8dが形成されると共に、後述するリンク部材12の穴部12dを貫通する軸8eが立設されている。側面8cに隣接する側面8f及び8gには、後述するシールドケース9の穴部9cと係合する一対の突起8hが形成されている。側面8fよりも装置の内側の位置には、後述するラック板11のラック部11aを収容する溝部8iが形成されている。ケース8の側面8jの一方の端部には、後述するラック板11を側面8cの方向に付勢する付勢ばねの一端を規制する壁部8kが形成されている。
このような構成を有するケース8に、レンズホルダ6、モータ7、ホール素子10、ラック板11及びリンク部材12が取り付けられる。この場合において、レンズホルダ6は、カムギア13を介してケース8に取り付けられ、モータ7は、モータホルダ14を介してケース8に取り付けられる。
レンズホルダ6は、絶縁性の樹脂材料で形成され、内部に形成される空間に、後述する複数のレンズ19〜21を保持する。レンズホルダ6は、ケースとして機能する小径部6aと大径部6bとを有し、当該ケースは、保持される複数のレンズの外部形状に応じた形状を有している。大径部6bには、ケース8の側面8gに沿ってモータ7の一部を収容する収容部6cが形成されている。なお、レンズホルダ6の詳細な構成、並びに、レンズホルダ6内に保持されるレンズの構成については後述する。
小径部6aには、その上面に入光口として機能する開口部6dが形成されている。また、レンズ駆動装置1の側方側に突出する一対の突出片6eが形成されている。突出片6eは、後述する回転規制部材17に形成される溝部17c内に収容され、レンズホルダ6の図1に示す上下運動を補助する。大径部6bには、レンズ駆動装置1の側方側に突出する複数の突出片6fが形成されている。突出片6fは、カムギア13の上面を摺動する斜面部6gを下面に有している。また、大径部6bの上面には、後述する付勢ばね17の下端部を係止する係止片6hが形成されている。
カムギア13は、絶縁性の樹脂材料で形成され、円環形状を有している。カムギア13は、カム受け部8bと略同一の径を有し、カム受け部8bに載置されるカム部13aと、カム部13aの外周側に配設され、ケース8に取り付けられたホール素子10と対向するマグネット部13bとを有する。カム部13aの上面には、周方向に沿って複数の底面部13c、傾斜面13d及び頂面部13eが形成されている。マグネット部13bの一定位置には、ラック板11のラック部11aと噛合するラック部13fが取り付けられている。
ホール素子10は、側面8cの切り欠き部8dにおける一定位置に固定される。ホール素子10は、カムギア13のマグネット部13bの位置を検出する。その検出結果は、本レンズ駆動装置1が搭載されるデジタルカメラや携帯電話等の主制御部に出力される。
ラック板11は、絶縁性の樹脂材料で形成され、溝部8iに収容されるラック部11aと、このラック部11aと直交する方向に延在する平面部11bとを有する。ラック部11aと平面部11bとで断面T字形状が形成され、溝部8iにはラック部11aのみが収容される。平面部11bにおける一方の端部(側面8c側の端部)は、レンズ駆動装置1の内側に向かって屈曲し、その屈曲した部分の上面にリンク部材12の穴部12eと係合する軸11cが立設されている。また、平面部11bにおける他方の端部(側面8j側の端部)の上面には、ラック板11を側面8c側に付勢する付勢ばね15の一端を係止する係止片11dが設けられている。
リンク部材12は、絶縁性の樹脂材料で形成され、両端部をレンズ駆動装置1の内側に屈曲させた略弓形状を有する。リンク部材12は、後述するモータ7の回転軸7bの先端部が当接する当接部12aと、ラック板11と係合する係合部12bと、当接部12aと係合部12bとを連結する連結部12cとを有し、回転軸7bの駆動力をラック板11に伝達する。当接部12aと連結部12cとの間には、軸8eを収容する穴部12dが形成され、係合部12bには、軸11cを収容する長穴部12eが形成されている。
モータ7は、直方体形状を有するハウジング7aと、このハウジング7a内に収容され、その一端から軸方向に移動する回転軸7bとを備えている。後述するように、ハウジング7aの外面に取り付けられた複数の圧電素子に対する電圧印加タイミングを制御してハウジング7aを変位させることにより、回転軸7bが軸方向に平行移動するように構成されている。なお、回転軸7bの先端部近傍には、ストッパ7cを有するリング7dが固定されている。ストッパ7dは、回転軸7bの平行移動に応じて、後述するストッパプレート16の規制片16a、16bと接触する。なお、このモータ7の構成については後述する。
モータホルダ14は、絶縁性の樹脂材料で形成され、ケース8の側面8gの上面に固定される。モータホルダ14には、側面8gに固定される土台部14aと、モータ7の端部(ケース8の側面8i側の端部)近傍を保持するモータ保持部14bとを有している。土台部14aにおける装置の内側部分は、カム受け部8bの形状に沿って円弧形状に設けられている。
土台部14aの端部(ケース8の側面8c側の端部)には、ストッパプレート16が固定されている。ストッパプレート16には、回転軸7bが一定位置まで移動した場合に回転軸7bに固定されたストッパ7cと接触し、モータ7の駆動を規制する一対の規制片16a、16bが形成されている。なお、このストッパプレート16の詳細な構成については後述する。
回転規制部材17は、絶縁性の樹脂材料で形成され、レンズホルダ6の大径部6bの上面に対応する形状に設けられている。具体的には、モータ7が配置される空間に対応して円形状の一部が欠けた形状を有している。回転規制部材17には、後述する付勢ばね18の上端を保持する穴部17aが形成されている。この穴部17aに、レンズホルダ6を下方側に付勢する付勢ばね18の一端が保持される。回転規制部材17の中央には、小径部6aに対応する開口部17bが形成されている。開口部17bの一定位置には、小径部6aに形成された突出片6dを収容する一対の溝部17cが形成されている。
シールドケース9は、ステンレス等の金属材料で形成され、下方が開口した箱状部材で構成されている。上面には、中央部に円形状の開口部9aが形成されている。シールドケース9の四隅は、僅かに装置の内側に窪んだ形状を有し、その下端部に取付脚部9bが形成されている。取付脚部9bは、シールドケース9の下端部よりも僅かに下方側に突出し、ベース5の凹部5cに収容される。シールドケースにおける側面8f、8gに対応する側面には、一対の突起8hと係合する穴部9cが形成されている。
このような構成を有するレンズ駆動装置1を組み立てる際には、まず、イメージセンサ2が実装された基板3の上方に、IRカットフィルタ4を装着したベース5を固定する。そして、カムギア13を介してレンズホルダ6を取り付けると共に、ホール素子10、ラック板11及びリンク部材12を取り付け、更にモータホルダ14を介してモータ7を取り付けたケース8を、ベース5の上方に載置する。そして、付勢ばね18が装着された回転規制部材17をレンズホルダ6上に取り付けた状態で、上方からシールドケース9を被せ、これをベース5に固着することにより、本レンズ駆動装置1が組み立てられる。
より具体的には、シールドケース9をケース8に被せる過程で、ケース8の側面に形成された突起8hが、シールドケース9の穴部9cと係合することにより、シールドケース9がケース8に係止される。そして、接着剤等により固着することにより、本レンズ駆動装置1が組み立てられる。このように組み立てられたレンズ駆動装置1は、図2に示すように、シールドケース9の開口部9aに、レンズホルダ6の小径部6aに形成された開口部6dが臨んだ状態で保持され、後述するように、モータ7の駆動に応じてレンズホルダ6が上下移動するように構成されている。
以下、このように組み立てられたレンズ駆動装置1の内部構成について図3〜図6を用いて説明する。図3は、レンズ駆動装置1の内部構成について示す斜視図であり、図4は、レンズ駆動装置1の内部構成について示す上面図である。図5は、図4に示す実線A−Aにおける断面図であり、図6は、図4に示す実線B−Bにおける断面図である。なお、図5及び図6において、レンズホルダ6に保持されるレンズは、省略している。
このようにレンズ駆動装置1が組み立てられた場合、ケース8の側面8fにおいては、図3に示すように、ラック部13fと噛合するようにラック部11aを溝部8iに収容した状態でラック板11が取り付けられている。この場合において、ラック板11の係止片11dと壁部8kとの間には付勢ばね15が配設されており、ラック板11を図3に示す矢印A方向に付勢している。
また、ケース8の側面8cにおいては、図3に示すように、切り欠き部8dにホール素子10が固定されている。また、図3及び図4に示すように、側面8cの上面に、軸8eを穴部12dに収容すると共に、軸11c(図4参照)を穴部12eに収容するようにリンク部材12が取り付けられている。
さらに、ケース8の側面8gにおいては、図3及び図4に示すように、その上面に、モータホルダ14(図4参照)が取り付けられている。そして、このモータホルダ14のモータ保持部14bに、モータ7が保持されている。この場合において、モータ7の回転軸7bの先端は、リンク部材12の当接部12aと当接した状態となっており、その先端部近傍に固定されたリング7dのストッパ7c(図4参照)は、ストッパプレート16に形成された規制片16bの下方側に配置された状態となっている(初期状態)。
また、組み立てられたレンズ駆動装置1において、レンズホルダ6の下端部は、図5及び図6に示すように、ケース8の開口部8a内に収容され、カム受け部8bに載置されたカムギア13を介してケース8に取り付けられている。この場合において、基板3上に実装されたイメージセンサ2の中心位置は、レンズホルダ6が有する小径部6a及び大径部6bの中心位置と一致するように配置されている。
また、図5に示すように、レンズホルダ6が有する大径部6bには、モータ7の一部を収容する収容部6cが形成されている。モータ7は、この収容部6cに収容された状態でモータホルダ14に保持されている。このようにレンズホルダ6の領域外でなく、レンズホルダ6の領域内に形成された収容部6cにモータ7の一部を収容することで、レンズホルダ6の中心位置をずらすことなく、モータ7を保持することが可能となっている。なお、本実施の形態においては、収容部6cの内側面を、イメージセンサ2の一辺(図1に示す辺2b)と平行に設けている。これにより、収容部6cを形成した場合においても、イメージセンサ2で取得される画像データの範囲が制限されることはない。
ここで、上述したモータ7の構成について図7を用いて説明する。図7は、本実施の形態に係るモータ7の構成について説明するための分解図である。なお、図7において、図1で説明した構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態に係るモータ7は、例えば、周知の圧電アクチュエータで構成されるが、これに限定されるものではない。図7に示すモータ7において、ハウジング7aは、黄銅などで形成され、例えば、角部を切除した直方体の形状に設けられている。回転軸7bは、例えば、ステンレス等の金属材料で形成され、その外周面には一定ピッチのネジ山が形成されている。ハウジング7aの内部には、回転軸7bが貫通する貫通孔が形成されており、その一方の開口部には、回転軸7bのネジ山と噛合するネジ山が内周面に形成されたナット7eが取り付けられ、他方の開口部には、回転軸7bを回転可能に保持するベアリング7fが取り付けられている。ナット7eから突出した回転軸7bの先端部近傍には、ストッパ7cを有するリング7dが固着される。ハウジング7aにおける上面及び下面には、圧電素子7g、7hが取り付けられる一方、ハウジング7aにおける側面には、圧電素子7i、7jが取り付けられている。例えば、圧電素子7g〜7jは、接着剤などでハウジング7aの外面に貼り付けられる。
このような構成を有するモータ7において、例えば、圧電素子7g及び7hには第1電源が接続され、圧電素子7i及び7jには第2電源が接続されており、ハウジング7aは接地されている。圧電素子7g及び7hに対して電圧を印加すると、逆圧電効果によって一方の圧電素子7g(又は圧電素子7h)が伸長し、他方の圧電素子7h(又は圧電素子7g)が収縮する。同様に、圧電素子7i及び7jに対して電圧を印加すると、逆圧電効果によって一方の圧電素子7i(又は圧電素子7j)が伸長し、他方の圧電素子7j(又は圧電素子7i)が収縮する。モータ7においては、このような圧電素子7g及び7h、並びに、圧電素子7i及び7jに印加される電圧のタイミングを順次切り替えることでハウジング7aを変位させる。そして、ハウジング7aに取り付けられたナット7eに円弧運動を行わせることにより、これに噛合する回転軸7bを軸方向に平行移動させる。
本レンズ駆動装置1においては、このようなモータ7による回転軸7bの水平運動をリンク部材12、ラック板11及びカムギア13を介してレンズホルダ6に伝達し、その伝達経路で垂直運動に変化し、レンズホルダ6が上下運動させる。すなわち、回転軸7bが平行移動して当接部12aを押し出すと、これに応じて係合部12bが付勢ばね15の付勢方向に抗してラック板11を移動させる。ラック板11が移動すると、これに応じてカムギア13が回転する。カムギア13が回転すると、カム部13aの形状に沿って突出片6fが押し上げられる。これにより、レンズホルダ6が上方に移動することとなる。一方、回転軸7bが平行移動して当接部12aが元の位置に戻ると、同様の要領でカムギア13が回転し、カム部13aの形状に沿って突出片6fが押し下げられ、レンズホルダ6が下方に移動することとなる。
次に、ストッパプレート16の構成について説明すると共に、ストッパ7cとストッパプレート16との関係について説明する。図8は、ストッパプレート16の構成について説明するための斜視図であり、図9及び図10は、ストッパ7cとストッパプレート16との関係について説明するための斜視図である。なお、図8においては、ストッパ7cが規制片16aと規制片16bとの間に配置される場合について示している。
ストッパプレート16は、図8に示すように、モータホルダ14の土台部14aの一方の端部に取り付けられる。規制片16a、16bは、回転軸7bの軸方向に沿って一定間隔を空けて配設されている。具体的には、ストッパプレート16の上方側の一部をモータ7側に折り曲げることで形成されている。なお、規制片16aと規制片16bとの間には、切り欠き部16cが形成されている。モータホルダ14に固定された状態において、ストッパ7cの先端は、規制片16a、16bに対応する位置、或いは、規制片16aと規制片16bとの間の切り欠き部16cに対応する位置に配置される。
モータ7がモータホルダ14に固定された初期状態において、ストッパ7cは、図9に示すように、規制片16bの下方領域に配置された状態となっている。すなわち、回転軸7bがこれ以上、ハウジング7aの内部側に入り込まない状態となっている。この状態から所定のタイミングでモータ7の圧電素子7g〜7jに電圧が印加されると、回転軸7bは、図9に示す矢印方向に回転しながら、同図に示す手前方向に平行移動する。ストッパ7cが切り欠き部16cを通過する位置に配置される場合には、回転軸7bは、規制片16a、16bの規制を受けることなく平行移動する。そして、一定位置まで平行移動すると、図10に示すように、ストッパ7cが規制片16aの上面に当接し、回転軸7bの回転が規制される。この結果、回転軸7bの図10に示す手前方向への平行移動が規制されることとなる。
このように本実施の形態に係るレンズ駆動装置1においては、回転軸7bが一定位置まで平行移動すると、規制片16aにより回転軸7bの回転が規制されることから、回転軸7bの移動方向と直交する当接部材によって回転軸7bに発生した推進力を受け止める場合と比べて小さい力で回転軸7bの回転を規制できる。これにより、周辺部材を破損又は磨耗させることなく、回転軸7bの平行移動を効率的に規制することが可能となる。
次に、レンズホルダ6の構成、並びに、レンズホルダ6に保持されるレンズの構成について図11〜図14を用いて説明する。図11は、本実施の形態に係るレンズホルダ6及びこれが保持するレンズの構成について説明するための模式図である。図11(a)は、レンズを保持した状態のレンズホルダ6の断面図について示し、図11(b)は、レンズホルダ6に保持されるレンズの上面図である。なお、図11(b)においては、説明の便宜上、レンズホルダ6を省略している。図12、図13及び図14は、それぞれ、本実施の形態に係るレンズホルダ6が保持する第1レンズ、第2レンズ及び第3レンズの構成について説明するための模式図である。
図11(a)に示すように、レンズホルダ6は、その内側において、樹脂材料で形成された、形状の異なる3枚の第1レンズ19、第2レンズ20及び第3レンズ21を光軸方向に沿って収納する。ここで、第1レンズ19は、第2レンズ20よりも小径に形成され、第2レンズ20上の所定位置に配置される。第2レンズ20は、第3レンズ21よりも小径に形成され、第3レンズ21上の所定位置に配置される。レンズホルダ6は、このように重ねて配置された第1レンズ19、第2レンズ20及び第3レンズ21の外部形状に沿った形状に設けられている。
第1レンズ19は、図12に示すように、凸レンズを含むレンズ部19aを有している。レンズ部19aは、図12(a)に示すように、上面から見て略円形状を有している。また、図12(b)に示すように、その中央部には、上方に膨出する膨出部19bが形成されると共に、その外周縁部には、下方に突出する円環形状の位置決め部19cが形成されている。なお、位置決め部19cは、レンズ部19aの一部として形成され、レンズ部19aと同一の精度で形成される。
第2レンズ20は、図13に示すように、凹レンズを含むレンズ部20aを有している。レンズ部20aは、図13(a)に示すように、上面から見て左方側の一部が欠けた状態の円形状を有する。また、図13(b)に示すように、その中央部には、僅かに上方に突出する円形状の突出部20bが形成されると共に、その外周縁部には、下方に突出する円弧形状の位置決め部20cが形成されている。突出部20bの中央部は、僅かに下方側に窪んでいる。また、突出部20bの上面の周縁部は、位置決め部19cと係合する位置決め部20dとして機能する。なお、位置決め部20c及び位置決め部20dは、位置決め部19cと同様に、レンズ部20aの一部として形成されている。
第3レンズ21は、図14に示すように、非球面レンズを含むレンズ部21aを有している。レンズ部21aは、図14(a)に示すように、上面から見て略円形状を有する。また、図14(b)に示すように、その外周縁部には、上方に突出する円弧形状の位置決め部21bが形成されている。なお、位置決め部21bは、位置決め部19cや位置決め部20cと同様に、レンズ部21aの一部として形成されている。
また、レンズ部21aには、図14(b)に示すように、その左方側の一定領域に平面部21cが形成されている。平面部21cは、上述したイメージセンサ2(の受光面)のいずれか一辺(図1においては、短辺2b)に対応する側縁部を凹状に形成することにより設けられている。特に、平面部21cと第3レンズ21の表面との段差面は、イメージセンサ2のいずれか一辺と平行に配置されている。なお、収容部6cは、後述するように、この平面部21cに対応する位置に形成されている。
これらの第1レンズ19、第2レンズ20及び第3レンズ21をレンズホルダ6に収納する場合には、図11(a)に示すように、第1レンズ19の位置決め部19cを、第2レンズ20の突出部20cの位置決め部20dの外周面に一致させるように第1レンズ19を第2レンズ20の上方に配置する。そして、第2レンズ20の位置決め部20cを、第3レンズ21の位置決め部21bの外周面に一致させるように第2レンズ20を第3レンズ21の上方に配置する。そして、平面部21cに対応する周面部をレンズホルダ6の内周面に当接するように、これらのレンズをレンズホルダ6に収納する。
このような形状を有する第1レンズ19〜第3レンズ21を光軸方向に重ねることにより、図11(a)に示すように、第3レンズ21の平面部21cの上方には、他のレンズが配置されることはない。レンズホルダ6は、このように重ねられた第1レンズ19〜第3レンズ21の形状に沿った形状に設けられるので、平面部21dの上方であってレンズホルダ6の外側部分には一定のスペースが確保されることとなる。本レンズ駆動装置1においては、図11(a)に示すように、このスペースに収容部6cを設け、モータ7を収容している。
このように本実施の形態に係るレンズホルダ6によれば、レンズホルダ6(小径部6a、大径部6bから成るケース)が、内部に収納された複数のレンズ(第1レンズ19〜第3レンズ21)の外形に応じた形状に設けられることから、レンズホルダ6の大きさが無用に大きくなるのを防止することができるので、当該レンズホルダ6が組み込まれる撮像装置等において、他の部材や機構(例えば、アクチュエータ)などを配置するための空間を確保することが可能となる。この結果、組み込んだ撮像装置全体の小型化に貢献することが可能となる。
特に、本実施の形態に係るレンズホルダ6においては、第1レンズ19及び第2レンズ20は、第3レンズ21よりも径小に形成されると共に、第3レンズ21よりも入光口側に配置され、レンズホルダ6の外側であって第3レンズ21の入光口側の位置に一定の空間(収容部6cが形成された空間)を形成している。これにより、第1レンズ19及び第2レンズ20と、第3レンズ21との大きさの相違を利用して、撮像装置等の他の部材や機構などを配置するための空間を確保することが可能となる。
また、本実施の形態に係るレンズホルダ6においては、第3レンズ21において、イメージセンサ2に被写体を結像する際に不要となる側縁部分に平面部21cを形成し、この平面部21cに対応する位置に上記空間を形成したので、被写体の結像に影響を与えることなく、撮像装置等の他の部材や機構などを配置するための空間を拡大することが可能となる。特に、平面部21cと第3レンズ21の表面との段差面を、イメージセンサ2のいずれか一辺と平行に配置していることから、撮像装置等の他の部材や機構などを配置するための空間をより有効に活用することが可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
1 レンズ駆動装置
2 イメージセンサ
3 基板
4 IRカットフィルタ
5 ベース
6 レンズホルダ
6c 収容部
7 モータ
7a ハウジング
7b 回転軸
7c ストッパ
8 ケース
9 シールドケース
11 ラック板
12 リンク部材
13 カムギア
14 モータホルダ
16 ストッパプレート
16a、16b 規制片
16c 切り欠き部
17 回転規制部材
19 第1レンズ
19c、20c、20d、21b 位置決め部
20 第2レンズ
21 第3レンズ
21c 平面部
2 イメージセンサ
3 基板
4 IRカットフィルタ
5 ベース
6 レンズホルダ
6c 収容部
7 モータ
7a ハウジング
7b 回転軸
7c ストッパ
8 ケース
9 シールドケース
11 ラック板
12 リンク部材
13 カムギア
14 モータホルダ
16 ストッパプレート
16a、16b 規制片
16c 切り欠き部
17 回転規制部材
19 第1レンズ
19c、20c、20d、21b 位置決め部
20 第2レンズ
21 第3レンズ
21c 平面部
Claims (4)
- 形状の異なる複数のレンズを光軸方向に沿って収納するケースを備え、前記ケースは、当該ケース内に収納された前記複数のレンズの外形に応じた形状を有することを特徴とするレンズホルダ。
- 前記複数のレンズは、第1、第2及び第3のレンズで構成され、前記第1及び第2のレンズは、前記第3のレンズよりも径小に形成されると共に、前記第3のレンズよりも入光口側に配置され、前記ケースの外側であって前記第3のレンズの入光口側の位置に一定の空間を形成したことを特徴とする請求項1記載のレンズホルダ。
- 前記第1、第2及び第3のレンズを介して被写体は撮像素子の受光面に結像され、前記受光面は矩形状に形成されその受光面のいずれか一辺に対応する側縁部が凹状に形成され、前記空間は、当該凹状に形成された側縁部に対応する位置に形成されることを特徴とする請求項2記載のレンズホルダ。
- 前記受光面のいずれか一辺と、前記凹状に形成された側縁部と前記第3のレンズの表面との段差面とを平行に配置したことを特徴とする請求項3記載のレンズホルダ。
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