JP4844312B2 - レンズ鏡筒、光学機器 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、組立作業時の自由度が向上したレンズ鏡筒等を提供することである。
請求項1の発明は、第1レンズ群(L1)と、前記第1レンズ群から射出した第1の光軸方向の光束を前記第1の光軸に直交する第2の光軸方向に折り曲げるプリズム(P)と、前記第1レンズ群と前記プリズムとを保持する筐体部(50)と、前記筐体部に設けられ、前記プリズムを保持するプリズム保持部(70)と、前記プリズム保持部に設けられ、前記第1の光軸に沿った方向と前記第2の光軸に沿った方向とから前記プリズムを挿入可能な開口部(72)と、前記プリズムの反射面に対向するように前記プリズム保持部に装着された装着部材(80)と、を有することを特徴とするレンズ鏡筒(2)である。
請求項3の発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、前記装着部材(180)は、前記プリズム(P)を挟んで設けられた面部(71)から突き出して設けられた凸状部材であることを特徴とするレンズ鏡筒(3)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、前記装着部材(280)は、前記プリズム(P)に当接して前記プリズムの前記プリズム保持部(70)に対する位置を決定する位置決め部(284)を備えることを特徴とするレンズ鏡筒(4)である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態1をあげて、さらに詳しく説明する。なお、以下の実施形態は、レンズ鏡筒を備えた光学機器としてデジタルカメラC(以下、カメラCという)を例にとって説明する。
図1は、実施形態1のカメラを示す斜視図である。
図2は、図1に示すカメラに備えられたレンズ鏡筒の光軸を含む側断面図である。
図3は、図2に示すレンズ鏡筒の斜視図である。
ボディ1は、例えば、合成樹脂材料又はステンレス鋼等の金属材料によって、厚さ方向寸法が高さ方向寸法及び幅方向寸法よりも小さい略直方体状に形成され、その内部に空間を備えた箱型の容器である。
ここで、本明細書において、カメラCの通常撮影位置とは、カメラCの正面部及び背面部を鉛直面に対して略平行にして横長の画像を撮影するときのカメラCの姿勢を指すものとする。以下、カメラCを構成する各要素の配置は、後述するレンズ鏡筒2の組立手順の説明も含め、この通常撮影位置を基準に上下方向を設定して説明する。
プリズムPは、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間に配置されている。プリズムPは、入射面、反射面、出射面、及び、一対の側面を備えた5面体であり、第1レンズ群L1から出射した光を反射面で全反射させてその進行方向を第2レンズ群L2に向けて、例えば、90°屈折させる公知の直角反射プリズムである。このように、レンズ鏡筒2に備えられた撮影光学系は、いわゆる、屈曲光学系になっている。
第1レンズ群L1は、撮影光学系のうち、最も入射側に配置された光学素子であり、撮影時にその入射面がボディ1の表面に露出するようになっている(図1参照)。
第2レンズ群L2は、プリズムPの出射側であって、プリズムPに隣接して設けられている。この第2レンズ群L2及び第1レンズ群L1は、後述する筐体部50に固定されている。
第3レンズ群L3は、第2レンズ群L2の出射側に設けられ、不図示のアクチュエータによって光軸A2方向に駆動されるようになっている。
第5レンズ群L5は、第4レンズ群L4の出射側に設けられ、不図示のアクチュエータによって光軸A2方向に駆動されるようになっている。
第5群保持枠30は、第5レンズ群L5を保持する枠体である。
第3群保持枠20及び第5群保持枠30は、筐体部50に収容され、それぞれ独立して筐体部50に対して光軸A2方向に移動可能に設けられている。これに対し、第1レンズ群L1及び第2レンズ群L2は、筐体部50に直接固定されており、それぞれ筐体部50に対して光軸A1方向、A2方向への移動が不可能とされている。また、ブレ補正レンズである第4レンズ群L4も、同様に筐体部50に対する光軸A2方向の移動が実質的に不可能とされている。
ブレ補正部40は、この可動枠41を筐体部50、すなわち、CCD10に対して、撮影者の手ブレ等に起因する被写体像の像ブレを打ち消す方向に駆動することによって、CCD10に結像される被写体像の像ブレを補正する公知のブレ補正制御を行うようになっている。
筐体部50は、第1群保持部60、プリズム保持部70を備えている。
第1群保持部60は、筐体部50の上端部であって、カメラCの通常撮影時に光軸A1方向に沿って被写体に面する面部が開口して形成された部分である。第1レンズ群L1は、この開口部に嵌め込まれ、例えば、接着剤によって筐体部50に固定されている。
側面部71は、プリズムPの両側面にそれぞれ対向して設けられた一対の面部である。以下、プリズムPの一方の側面に対向する部分を側面部71aと称し、プリズムPの他方の側面に対向する部分を側面部71bと称する。本実施形態1において、側面部71aは、プリズムPを入射面側(光軸A1方向被写体側)から見たときに、プリズムPの右方の側面に対向する面部であり、側面部71bは、プリズムPの左方の側面に対向する面部である。
また、側面部71a、71bは、光軸A1及び光軸A2にそれぞれ直交する方向に貫通した貫通穴を備えている。この貫通穴は、後述する脱落防止ピン80が貫通する部分である。
プリズムPの反射面は、カメラを通常撮影位置にしたときに水平面に対して、例えば、45°傾斜しており、開口部72は、筐体部50の上端面においてプリズムPの入射面を含む平面よりも光軸A1方向撮影者側の領域が開口するとともに、筐体部50の背面(光軸A1方向撮影者側を向いた面部)においてプリズムPの出射面を含む平面よりも光軸A2方向上方の領域が開口して形成されている。
これにより、開口部72の開口広さ(開口部72の大きさ)は、プリズムP及び第2レンズ群L2のいずれも通過可能な大きさとなっている。
脱落防止ピン80は、軸部81、頭部82及び制限部83を備えている(脱落防止ピン80の形状については、図4参照)。
軸部81は、光軸A1及び光軸A2にそれぞれ直交する方向に延在して設けられ、光軸A1及び光軸A2を含む断面の形状が円形とされた丸棒状の軸状部分である。軸部81は、その外周面がプリズムPの反射面に対向して配置されている。
頭部82は、軸部81の一方の端部に軸部81と同心に設けられた円板状の部分である。以下、軸部81の両端部のうち、この頭部82が設けられた側の端部を基端部と称するとともに、反対側の端部を先端部と称して説明する。
軸部81は、制限部83よりも先端部側の領域が側面部71aの貫通穴を通過可能とされ、制限部83において、側面部71aの通過が制限されるようになっている。これによって、脱落防止ピン80の光軸A1及び光軸A2にそれぞれ直交する方向の位置が決定される。
図4は、図3に示すレンズ鏡筒の第1レンズ群、第2レンズ群、プリズム及び脱落防止ピンが装着される前の状態を示している。
図5は、図4に対し筐体部に第2レンズ群が装着された状態を示している。
図6は、図5に対し筐体部に脱落防止ピンが装着された状態を示している。
図7は、図6に対し筐体部にプリズムが装着された状態を示している。
このとき第2レンズ群L2は、筐体部50の上方(光軸A2に平行な方向)から、プリズム保持部70に設けられた開口部72を介して筐体部50に挿入される。この後、第2レンズ群L2は、接着剤によって筐体部50に接着されて固定される。
次いで、図6に示すように脱落防止ピン80が、プリズム保持部70に装着される。脱落防止ピン80は、例えば、接着材によってプリズム保持部70の側面部71に接着されて固定される。
ここで、プリズム保持部70は、予め脱落防止ピン80が装着されているので、プリズムPは、プリズム保持部70を通り抜けて開口部72から脱落することが防止される。
プリズムPは、第1レンズ群L1が筐体部50に固定された後に位置調整が行われ、この後に接着剤によってプリズム保持部70に固定される。なお、プリズムPと脱落防止ピン80とは、プリズムPが固定された状態において、当接していてもよいし、当接していなくてもよい。
(1)プリズム保持部70に開口部72を設けたから、第2レンズ群L2やプリズムPを筐体部50の上方から装着することができる。また、プリズムPを光軸A1方向の撮影者側から装着することもできる。
また、レンズ鏡筒2は、これに限らず他の組立手順によって組み立てることもできる。
図8は、実施形態1のレンズ鏡筒の他の組立手順を示す図である。
プリズムPは、第2レンズ群L2と同様に光軸A2方向上方から筐体部50に装着される。この場合、脱落防止ピン80は、プリズムPの装着後に側面部71に装着される。
このように、実施形態1のレンズ鏡筒1は、撮影光学系の構成要素を筐体部50に対して装着する装着パターンに複数の選択肢がある。したがって、レンズ鏡筒の組立作業時の自由度が向上する。これによって、レンズ鏡筒2の設計の自由度等を向上することができる。
ここで、仮に、プリズム保持部70が開口部72を備えず、プリズムPの全体を覆う形状のプリズム保持部を備える筐体部(以下、比較形態の筐体部50cと称する。比較形態の筐体部50cは、図示を省略する)を想定すると、この比較形態の筐体部50cは、プリズムPを筐体部の前方(光軸A1方向被写体側)から挿入する必要があり、組立時の作業パターンは実質的に1通りに限定される。
また、比較形態の筐体部50cは、光軸A2上に配置される第2レンズ群L2から第5レンズ群L5を筐体部50cの下方から、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3、第4レンズ群L4、第5レンズ群L5の順番で装着しなければならない。この場合、第2レンズ群L2に第3レンズ群L3よりも口径が大きいレンズを使用することが困難である。
これに対し、実施形態1のレンズ鏡筒2は、第2レンズ群L2を筐体部50の上方から筐体部50に装着することが可能であるので、第2レンズ群L2に第3レンズ群L3よりも口径の大きなレンズを使用することができる。
(3)プリズム保持部70に脱落防止ピン80を装着したから、プリズムPが開口部72から脱落することを防止できる。
次に、本発明のレンズ鏡筒の実施形態2について説明する。
以下説明する実施形態2及び実施形態3において、上述した実施形態1と同様な機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に統一した符号を付して、重複する説明や図面を適宜省略する。
実施形態2のレンズ鏡筒3は、実施形態1のレンズ鏡筒2がプリズムPの脱落をプリズム保持部70の一対の側面部71にわたして設けられた一本の脱落防止ピン80によって防止するのに対し、プリズムPの脱落を一組の脱落防止ピン180によって防止する点が異なっている。以下、一組の脱落防止ピン180のうち、側面部71aに装着されるものを脱落防止ピン180aと称し、側面部71bに装着されるものを脱落防止ピン180bと称して説明する。
以下、一組の脱落防止ピン180について説明する。
図9は、実施形態2のレンズ鏡筒3におけるプリズム保持部170を示す図であり、プリズムPを反射面側からみた正面図である。
脱落防止ピン180aは、軸部181aが側面部71aを貫通し、頭部182aが側面部71aに当接した状態で側面部71aに、例えば、接着剤によって固定されている。
また、脱落防止ピン180bも、脱落防止ピン180aと同様に軸部181bと頭部182bとを備え、軸部181bが側面部71bを貫通するとともに、頭部182bが側面部71bに当接している。
そして、一組の脱落防止ピン180は、この側面部71への装着状態において軸部181a、181bが側面部71の互いに対向する面から光軸A2側に突き出している。この軸部181a、181bの突き出し量は、特に限定されないものとする。
実施形態2のレンズ鏡筒3も実施形態1のレンズ鏡筒2と同様に、プリズムPのプリズム保持部70からの脱落を防止することができる。
次に、本発明のレンズ鏡筒の実施形態3について説明する。
実施形態3のレンズ鏡筒3は、実施形態1のレンズ鏡筒2の脱落防止ピン80に変わる位置決めピン280を備えている。この位置決めピン280は、その外周面に位置決め突起284が設けられており、この位置決め突起284によってプリズムPの位置を決定するようになっている。
図10は、実施形態3のレンズ鏡筒4におけるプリズム保持部270を示す図であり、プリズムPを反射面側からみた正面図である。
位置決めピン280は、その外周面に位置決め突起284を備えている点を除き、実施形態1の脱落防止ピン80と略同様の構成を有している。位置決め突起284は、軸部81の軸線方向に離間して、例えば、2つ設けられている。
位置決め突起284は、軸部81の外周面から軸部81の外径側に突き出して形成されたフランジ状の部分であり、その厚さ方向(軸部81の軸線方向に平行な方向)の寸法が先端部(外周縁部)に向かって次第に小さくなるように形成されている。
このとき、プリズムPは、その反射面が位置決めピン280の位置決め突起284に当接する。
位置決め突起284の突出量は、このプリズムPに当接した状態でプリズムPの位置が第1レンズ群L1及び第2レンズ群L2に対して調整が不要となる位置となるように設定されている。
このように、実施形態3のレンズ鏡筒4は、プリズムPの位置を位置決めピン280によって決定することができるので、プリズムPをプリズム保持部270に装着した後の調整作業が不要であり、レンズ鏡筒3の製造効率が向上する。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)本発明のレンズ鏡筒等の構成は、実施形態に記載したものに限らず適宜変更が可能である。例えば、実施形態のレンズ鏡筒は、CCDを備えるとともに撮影光学系を構成するレンズ群を収容するものであったが、これに限らず、ファインダスクリーンやペンタプリズム等を含むファインダ光学系を収容したものであってもよい。
(2)実施形態のレンズ鏡筒は、軸状に形成された脱落防止ピンによってプリズムの脱落を防止したが、プリズムの脱落を防止できれば、形状は軸状に限定されず、例えば、板状に形成された蓋体を装着してプリズム保持部の開口部を塞いでもよい。また、プリズムは、接着剤によって筐体部に固定されるので、これらの脱落防止部材は、なくてもよい。
(3)実施形態におけるプリズム保持部の開口部は、プリズム及び第2レンズ群のいずれも通過させることができるようにその開口広さが設定されていたが、開口部の開口広さは、これに限らず、例えば、プリズム及び第2レンズ群の一方のみが通過できる大きさでもよい。
(4)実施形態の光学機器は、デジタルカメラであったが、光学機器は、これに限らず、例えば、顕微鏡、望遠鏡、潜望鏡等であってもよい。
Claims (5)
- 第1レンズ群と、
前記第1レンズ群から射出した第1の光軸方向の光束を前記第1の光軸に直交する第2の光軸方向に折り曲げるプリズムと、
前記第1レンズ群と前記プリズムとを保持する筐体部と、
前記筐体部に設けられ、前記プリズムを保持するプリズム保持部と、
前記プリズム保持部に設けられ、前記第1の光軸に沿った方向と前記第2の光軸に沿った方向とから前記プリズムを挿入可能な開口部と、
前記プリズムの反射面に対向するように前記プリズム保持部に装着された装着部材と、
を有することを特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
前記装着部材は、前記プリズムを挟んで設けられた面部間にわたして設けられた軸状部材であること
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
前記装着部材は、前記プリズムを挟んで設けられた面部から突き出して設けられた凸状部材であること
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒において、
前記装着部材は、前記プリズムに当接して前記プリズムの前記プリズム保持部に対する位置を決定する位置決め部を備えること
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒を備えること
を特徴とする光学機器。
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