JP7179107B2 - 塵芥収集車 - Google Patents

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Description

本発明は、塵芥収集車に関する。
従来の塵芥収集車には、塵芥投入箱の投入口の下部に設けられた載置台と、投入口の上部において上下方向にスライド可能に設けられたカバー部材とによって投入口全体を開閉するものがある。載置台は、塵芥投入箱に対して、投入口の下部を閉鎖する起立姿勢と、塵芥投入箱に投入する塵芥を一時的に載置できる展開姿勢との間で回動可能に取り付けられている
カバー部材は、投入口の前記下部を除く他部を閉鎖する下位置と、投入口の前記他部を開放する上位置との間でスライドするようになっている。そして、載置台を起立姿勢としてから、カバー部材を下位置にスライドさせることで、下位置のカバー部材と、起立姿勢の載置台とが上下に連続して配置され、これによって投入口全体が閉鎖される(例えば、特許文献1参照)。
特開2015-189575号公報
載置台が起立姿勢から前方へ回動するのを規制することができない
(1)本発明の塵芥収集車は、塵芥収容箱と、前記塵芥収容箱の後方に配置され、後部に塵芥が投入される投入口を有する塵芥投入箱と、前記塵芥投入箱内に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に積み込み可能な積込装置と、前記塵芥投入箱の後端部において、前記塵芥投入箱の後端よりも車両前方に配置された回転軸を中心として、前記投入口の下部を閉鎖する起立姿勢、及び塵芥を載置することができる展開姿勢の間で回動可能に設けられた載置台と、前記回転軸の車幅方向の外端部に一体回転可能に取り付けられ、前記回転軸の径方向外側に突出する突出部材と、前記塵芥投入箱の側壁に固定され、前記載置台が前記起立姿勢のときに、前記突出部材が当接することで前記載置台が前記起立姿勢から車両前方へ回動するのを規制する当接部材と、を備え、前記突出部材は、前記載置台が展開姿勢のときに、前記塵芥投入箱の後端よりも車両前方側に位置する
(2)前記当接部材は、前記塵芥投入箱の後端よりも車両前方側に位置しているのが好ましい
本発明の一実施形態に係る塵芥収集車の側断面図である。 塵芥投入箱を車両後方から見た正面図である。 載置台を起立姿勢とした状態の塵芥投入箱の下部を示す側断面図である。 載置台を展開姿勢とした状態の塵芥投入箱の下部を示す側断面図である。 ホッパプレート及びスチフナの変形例を示す側断面図である。 塵芥投入箱の側面図である。 レール延長部及びその周辺を示す側断面図である。 下位置にあるカバー部材の下端部を車両前方から見た正面図である。 載置台とカバー部材とで投入口全体を閉鎖した状態における塵芥投入箱の下部を示す側断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
[全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る塵芥収集車の後部を示す側断面図である。本実施形態の塵芥収集車1は、車体1a上に搭載された塵芥収容箱2と、塵芥収容箱2の後方に配置して連設された塵芥投入箱3とを備えている。
塵芥収容箱2の後面には、塵芥を塵芥収容箱2内に積み込むための開口部2aが形成されている。塵芥投入箱3は、その後部に塵芥が投入される投入口3aを有する。また、塵芥投入箱3は、その内部に投入された塵芥を下から受けるホッパプレート3bを有する。塵芥投入箱3は、上部に設けられた支点Pを中心に上下方向に回動可能であり、これによって塵芥収容箱2に対しての開閉動作が可能である。すなわち、塵芥投入箱3は、図1に示す位置で塵芥収容箱2の開口部2aを閉鎖し、図示しない上方へ回動した位置で前記開口部2aを開放して塵芥収容箱2内の塵芥を排出することができる状態となる。
塵芥投入箱3内には、投入口3aから投入された塵芥を塵芥収容箱2に積み込み可能な積込装置Tが設けられている。本実施形態の積込装置Tは、塵芥の積込動作に圧縮行程を有するプレス式である。積込装置Tは、スライダ5と、このスライダ5の下端部にピン6を介して回動自在に取り付けられている押込板7とを有している。スライダ5は、塵芥投入箱3の左右の側壁3cに設けられたガイドレール4に沿って移動することができる。塵芥投入箱3内の左右両側において、スライダ5の側面部材5aと塵芥投入箱3の側壁3cとの間にはプッシュシリンダ8が取り付けられている。また、押込板7の側面部材7aとスライダ5の側面部材5aとの間にはプレスシリンダ9が取り付けられている。
積込装置Tは、以下のように動作する。まず、図1の状態から、プレスシリンダ9の収縮動作により押込板7を反時計回り方向に回動させ、押込板7を反転させる(反転工程)。次に、プッシュシリンダ8の収縮動作によりスライダ5と押込板7とを共に斜め後方に降下させ、投入口3aから投入された塵芥を押込板7とホッパプレート3bとの間で圧縮する(一次圧縮工程)。そして、プレスシリンダ9の伸長動作により押込板7を時計回り方向に回動させ二次圧縮を行う(二次圧縮工程)。
次に、プッシュシリンダ8の伸長動作によりスライダ5と押込板7とを斜め前方に上昇させ、圧縮した塵芥を塵芥収容箱2側へ押し込む(図1の二点鎖線で示した状態から実線で示した状態へ移動させる押込工程)。このように、積込装置Tは、順に反転工程、一次圧縮工程、二次圧縮工程、及び押込工程を1サイクルとして行い、塵芥投入箱3に投入された塵芥を前記開口部2aを通じて塵芥収容箱2に積み込む動作を行うことができる。
[塵芥投入箱の投入口付近の構成]
図2は、塵芥投入箱3を車両後方から見た正面図である。図3及び図4は、塵芥投入箱3の下部を示す側断面図である。塵芥投入箱3は、投入口3aの下方においてホッパプレート3bの後端部を補強するスチフナ3dを有している。本実施形態のスチフナ3dは、塵芥投入箱3の車幅方向の全長にわたって形成されており、水平板部3d1と、垂直板部3d2と、傾斜板部3d3とによって構成されている。
水平板部3d1は、ホッパプレート3bの後端部に形成された水平部3b1に対して下方に所定間隔をあけて平行に配置されている。垂直板部3d2は、水平板部3d1の後端部から上方に向かって垂直に折り曲げて形成されている。本実施形態では、水平板部3d1に対して垂直に延びた面である垂直板部3d2の後面が、投入口3aの下方に形成された塵芥投入箱3の後面3eとされ、垂直板部3d2が、後面3eを有する後面部材とされている。以下、本実施形態における垂直板部3d2を後面部材3d2ともいう。
後面部材3d2の上端部は、ホッパプレート3bの水平部3b1よりも上方に突出して形成されており、水平部3b1の後端は、後面部材3d2の前面3fの上端部に付き合わせた状態で接続されている。これにより、水平部3b1は、後面部材3d2の前面3fに接続される接続部材として機能する(以下、本実施形態における水平部3b1を接続部材3b1ともいう)。傾斜板部3d3は、水平板部3d1の前端部から上方かつ前方に向かって折り曲げられ、ホッパプレート3bの傾斜部3b2に対して垂直となるように形成されている。
[載置台]
ホッパプレート3bの水平部3b1よりも上方には載置台10が設けられている。載置台10は、塵芥投入箱3に対して、水平方向に延びる回転軸14を中心として回動可能に取り付けられており、起立姿勢(図3)と展開姿勢(図4)とに姿勢変化することができる。つまり、図3の状態にある載置台10は、その基端部を中心として下方(車両後方)へ回動可能とされており、下方へ90°回動して展開された状態(図4)となる。
載置台10が展開された展開姿勢となると、載置台10の載置面10aは上方を向く面となり、作業者が塵芥を前記投入口3aから投入する際に、この載置面10aに塵芥を一旦載置することができ、塵芥投入の作業性を高めることができる。載置台10は、投入口3aの車幅方向の全長にわたって形成されている。これにより、載置台10は、起立姿勢となると、投入口3aの下部を閉鎖する。
本実施形態の載置台10は、本体板部11と、本体板部11を裏側から補強する外補強板部12及び内補強板部13とによって構成されている。本体板部11は、例えば平板形状に形成されており、その表面は前記載置面10aとされている。
外補強板部12は、平坦部12a、第1垂直部12b、第2垂直部12c、及び重合部12dとを有している。
平坦部12aは、本体板部11に対して所定間隔をあけて平行に配置されている。平坦部12aと本体板部11との間には、例えばチャンネル材からなる内補強板部13が設けられている。
外補強板部12の第1及び第2垂直部12b,12cは、平坦部12aの先端部及び基端部からそれぞれ本体板部11に向かって垂直に折り曲げられて形成されている。第2垂直部12cは、載置台10の展開姿勢時に、後面部材3d2よりも後方に配置されるように折り曲げ形成されている。
外補強板部12の重合部12dは、第2垂直部12cの本体板部11側の端部から基端部側に向かって垂直に折り曲げて形成されている。重合部12dは、本体板部11の裏面に重ね合わせられており、展開姿勢において後面部材3d2の上端よりも上方に配置されるようになっている。
以上の構成により、外補強板部12の第2垂直部12c及び重合部12dは、載置台10を起立姿勢から展開姿勢まで回動させるときに、後面部材3d2との干渉を回避する段差部10bとして機能する。すなわち、載置台10の基端部の裏側には、後面部材3d2との干渉を回避するための段差部10bが形成されている。したがって、載置台10は、外補強板部12及び内補強板部13により剛性を確保しつつ、展開姿勢時の載置面10aの地上高を低く抑えることができる。これにより、塵芥を載置面10aまで容易に持ち上げることができる。
回転軸14の車幅方向の外端部には、径方向外側に突出する突出部材15が一体回転可能に取り付けられている。突出部材15は、載置台10を起立姿勢まで上方回動させたときに、側壁3cに固定された当接部材3gに当接するようになっている。これにより、載置台10が起立姿勢から前方へ回動するのを規制することができる。
[ストッパ]
載置台10は、展開姿勢において後面部材3d2の後面3eに対向し且つ載置面10aに対して垂直に延びた面である対向面10cを有している。本実施形態では、外補強板部12の第2垂直部12cの外面が、前記後面3eに対向する対向面10cとされている。対向面10cには、展開姿勢とした載置台10の下方回動を規制するためのストッパ16が設けられている。ストッパ16は、例えば、衝撃を緩和する平板形状の弾性部材(例えばゴム部材)からなり、載置台10の車幅方向のほぼ全長にわたって形成されている(図2参照)。
ストッパ16は、載置台10を展開姿勢としたときに、載置台10の回動中心(回転軸14の軸心)よりも下方に位置する面であって且つ載置面10aに対して垂直な面となる第1垂直部12b及び対向面12cのうち、車両前方を向いた面となる対向面12cに設けられている。ストッパ16は、載置台10の対向面10cにおいて、載置台10が展開姿勢まで下方回動したときに、後面部材3d2の後面3eに対して前後方向に当接するように取り付けられている。これにより、展開姿勢とした載置台10の下方回動をストッパ16で規制することができる。
また、ストッパ16は、載置台10を起立姿勢としたときに、前後方向に延びた対向面10cの後端よりも車両後方に突出しないように形成されている。これにより、載置台10を起立姿勢としたときに、ストッパ16の全体が、載置台10の対向面10cの下方に配置されるので、ストッパ16が載置台10よりも車両後方に突出することはない。したがって、従来のようにストッパ全体が車両後方に突出する場合に比べて、載置台10を起立姿勢とした状態で塵芥収集車1を後退させたときに、ストッパ16が周辺の建造物に接触して損傷するのを抑制することができる。
なお、ストッパ16は、起立姿勢とした載置台10の対向面10cよりも車両後方に突出する部分を有していてもよい。このような場合であっても、ストッパ16の一部(前記突出する部分を除く部分)は、起立姿勢とした載置台10の前後方向に延びた対向面10cの下方に配置されるので、ストッパ16の前記一部は、載置台10と上下方向に重なり合い、載置台10よりも車両後方に突出することはない。したがって、従来のようにストッパ全体が車両後方に突出する場合に比べて、載置台10を起立姿勢とした状態で塵芥収集車1を後退させたときに、ストッパ16が周辺の建造物に接触して損傷するのを抑制することができる。
また、ストッパ16が設けられる載置台10を、例えば、車幅方向に短く形成し且つ投入口3aの車幅方向の中央部寄りに設けた場合、起立姿勢の載置台10よりも前方に作業者が立って車両の後退を運転者に指示するときや、運転者が後方を見ながら車両を後退させるときに、前記作業者や運転者が載置台10を目視で確認しにくくなり、載置台10に設けられたストッパ16が周辺の建造物に接触して損傷するおそれがある。
これに対して、本実施形態の載置台10は、上述のように、投入口3aの車幅方向全長にわたって形成されているので(図2参照)、前記作業者や運転者は、載置台10の車幅方向の端部を目視で容易に確認することができる。したがって、車両後退時に、載置台10に設けられたストッパ16が周辺の建造物に接触して損傷するのを抑制することができる。
ホッパプレート3bの接続部材3b1の後端は、上述のように、後面部材3d2の前面3fの上端部(所定部)に接続されている。そして、ストッパ16は、載置台10を展開姿勢としたときに、図4に示すように、前面3fの上端部と反対側の部分となる、後面3eの上端部に当接するように取り付けられている。
後面部材3d2の後面3eには、ストッパ16が当接することで載置台10の荷重が作用するので、後面部材3d2が経時変形して載置台10の展開姿勢が崩れるおそれがある。この場合、展開姿勢とした載置台10の載置面10aが後ろ下がりに傾斜した状態となり、載置面10aに載せた塵芥が車両後方に移動して投入口3a内に塵芥を案内することができなくなる。しかし、本実施形態では、ストッパ16は、接続部材3b1が接続された前面3fの上端部と反対側の部分となる、後面3eの上端部に当接するので、後面3eに載置台10の荷重が作用しても、その荷重を、後面部材3d2を介して接続部材3b1で受けることができる。その結果、後面部材3d2は経時変形しにくくなるので、載置台10の展開姿勢が崩れるのを抑制することができる。
なお、本実施形態のストッパ16は、載置台10の対向面10cに取り付けられているが、これ以外に、外補強板部12の重合部12dの裏面にストッパ16を取り付けて、載置台10を展開姿勢としたときに、ホッパプレート3bの水平部3b1にストッパ16を当接させることも考えられる。しかし、この場合には、以下のような問題が生じるため、好ましくない。
重合部12dの裏面にストッパ16を取り付けた場合、載置台10を展開姿勢としたときに、重合部12dと水平部3b1との間には、ストッパ16を配置するためのスペースを必ず確保しなければならない。このため、展開姿勢時の載置面10aの地上高をさらに低くする場合には、ストッパ16の厚みを薄くしなければならないので、ストッパ16が水平部3b1に当接したときの衝撃を十分に緩和することができなくなり、水平部3b1が損傷するおそれがある。
図5は、ホッパプレート3b及びスチフナ3dの変形例を示す側断面図である。本変形例では、ホッパプレート3bの水平部3b1の後端部は、スチフナ3dの垂直板部3d2の上端面に接続されており、水平部3b1の後端面と、垂直板部3d2の後面とが面一に形成されている。したがって、本変形例では、水平部3b1の後端面、及び垂直板部3d2の後面が、投入口3aの下方に形成された後面3eとなる。そして、本変形例のストッパ16は、後面3eである、水平部3b1の後端面、及び垂直板部3d2の後面に当接している。
なお、本変形例のストッパ16は、水平部3b1の後端面のみに当接してもよいし、垂直板部3d2の後面のみに当接してもよい。また、本変形例では、水平部3b1の後端面、及び垂直板部3d2の後面を面一に形成しているが、水平部3b1の後端面を垂直板部3d2の後面よりも後方に突出させてもよい。この場合、水平部3b1の後端面のみが、投入口3aの下方に形成された後面3eとなるので、ストッパ16を水平部3b1の後端面のみに当接させればよい。
[カバー部材およびレール部材]
図1及び図2において、塵芥収集車1は、塵芥投入箱3の投入口3aを開閉するためのカバー部材20と、このカバー部材20を上下方向にスライド可能に案内するレール部材21とをさらに備えている。
カバー部材20は、投入口3aの車幅方向の全長にわたって形成されており、投入口3aの下部を除く他部、つまり、投入口3aにおいて起立姿勢時の載置台10よりも上側部分を開閉するものである。カバー部材20の後面の下端部には、カバー部材20を上下方向にスライド操作するための取手22が設けられている。
レール部材21は、塵芥投入箱3の側壁3cにおいて、投入口3aの車幅方向の側端部に沿って上下方向に延びて設けられている。なお、レール部材21は、図示を省略するが、塵芥投入箱3の左右の側壁3cにおいて、投入口3aの車幅方向の両側端部に沿って設けられている。
カバー部材20の車幅方向の両端部には、それぞれガイドローラ(図示省略)が回転自在に設けられており、これらのガイドローラが各レール部材21に沿って上下方向に移動するようになっている。これにより、カバー部材20は、上下方向にスライド可能とされている。
図6は、塵芥投入箱3の側面図である。図6に示すように、載置台10が起立姿勢のとき、カバー部材20は、最上位置(図6の二点鎖線位置)と、所定の下位置(図6の実線位置)との間でスライド可能とされている。したがって、図6の実線で示すように、下位置にスライドさせたカバー部材20と、起立姿勢とした載置台10とが上下に連続して配置されることで、投入口3a全体が閉鎖される。そして、この閉鎖状態から、図6の二点鎖線で示すように、カバー部材20を最上位置までスライドさせるとともに、載置台10を展開姿勢とすることで、投入口3a全体が開放される。
以上より、投入口3a全体を閉鎖した状態で、カバー部材20と載置台10とが上下に連続して配置されるので、カバー部材20と載置台10とを互いに前後にずらして配置する場合に比べて、車両の全長を短くすることができる。
なお、カバー部材20と載置台10とを互いに前後にずらして投入口3a全体を閉鎖する場合において、車両の全長を短くするために、載置台10の起立姿勢時における前後方向の厚みを薄くすることが考えらえる。しかし、この場合には、載置台10の前記厚みが薄くなることで剛性が低下するため、載置台10が経時変形するおそれがある。
また、カバー部材20を載置台10の後方にずらして投入口3a全体を閉鎖する場合、カバー部材20の前面の下端部に取り付けられたピン部材29(後述)が載置台10と干渉するおそれがある。これに対して、本実施形態では、上記のようにカバー部材20と載置台10とが上下に連続して配置されるので、ピン部材29が載置台10と干渉することはない。
レール部材21は、載置台10の起立姿勢時の上端よりも上方に延びて形成されたレール本体部21aと、載置台10の起立姿勢時の上端よりも下方に延びて形成されたレール延長部21bとを有している。本実施形態のレール延長部21bは、載置台10の起立姿勢時の上端から、ホッパプレート3bの水平部3b1までの高さ範囲に形成されている。
図7は、レール延長部21b及びその周辺を示す側断面図である。図7に示すように、載置台10を展開姿勢としたとき、カバー部材20は、レール延長部21bに沿って下位置(図6の実線位置)よりも下方の最下位置までスライド可能とされている。このようにカバー部材20を最下位置とすることで、投入口3a全体を一時的に閉鎖することができる。
ここで、投入口3a全体を「一時的に閉鎖」した状態とは、投入口3a全体を隙間なく閉鎖した状態だけでなく、本実施形態のように、最下位置としたカバー部材20の下端と投入口3aの下端との間に多少の隙間が形成されている状態も含み、最下位置としたカバー部材20の下端が、少なくとも起立姿勢の載置台10の上端よりも下方に位置していればよい。
以上より、載置台10を展開姿勢とした状態で塵芥投入箱3内に投入された塵芥を、積込装置Tにより塵芥収容箱2に積み込むときに、カバー部材20を最下位置までスライドさせるだけで、投入口3a全体を一時的に閉鎖することができる。これにより、カバー部材20と載置台10とで投入口3a全体を閉鎖することなく、簡単な操作で塵芥投入箱3内の塵芥が外部へ飛散するのを抑制することができる。
なお、本実施形態では、カバー部材20だけで投入口3aを一時的に閉鎖するために、カバー部材20を下位置よりも下方の最下位置までスライドさせているが、これ以外に、下位置としたカバー部材20の下端部に、起立姿勢時の載置台10よりも後方で下方に向かって延びる延長部分を形成することが考えられる。この場合、載置台10を展開姿勢としたときに、カバー部材20を下位置としたままで、前記延長部分により投入口3aの下部を閉鎖することができるが、以下のような問題が生じるため、好ましくない。
カバー部材20の下端部に前記延長部分を設けた場合、カバー部材20を最上位置までスライドさせたときに、前記延長部分が投入口3aの上部を閉鎖するため、投入口3aの高さが低くなってしまう。また、投入口3aの高さを確保するために、前記延長部分の高さ分だけカバー部材20の最上位置を高くすると、最上位置におけるカバー部材20の取手22までの地上高が高くなり、作業者の手が取手22に届かなくなるおそれがある。
図6に戻り、側壁3cの外側面の前端部には、その上下方向の略中央部に固定されたブラケット23を介して、アーム部材24の下端部が上下移動可能かつ上下回動可能に連結されている。アーム部材24の上端部は、カバー部材20の上端部に連結されている。これにより、カバー部材20が上下方向にスライドすると、アーム部材24は、その下端部を上下に移動させながら、当該下端部を中心として上下方向に回動するようになっている。
アーム部材24の下端部側には、付勢部材であるスプリング25の一端が連結されており、スプリング25の他端は、側壁3cの外側面の上端部に連結されている。これにより、スプリング25は、アーム部材24を常に上方へ回動させるように付勢している。したがって、カバー部材20は、スプリング25の付勢力によって、最上位置と最下位置との間で常に上方へスライドするように付勢されている。
なお、ブラケット23、アーム部材24、及びレール部材21は、図示を省略するが、塵芥投入箱3の左右の側壁3cそれぞれに設けられている。また、スプリング25は、少なくとも下位置と最下位置との間でカバー部材20を常に上方へスライドさせるように付勢していればよい。
図8は、下位置にあるカバー部材20の下端部を車両前方から見た正面図である。側壁3cの内側面には、カバー部材20がスプリング25の付勢力により下位置から上方へスライドするのを規制する第1の規制部材26と、カバー部材20が下位置から下方へスライドするのを規制する第2の規制部材27とが車幅方向の内側に突出して設けられている。なお、第1の規制部材26及び第2の規制部材27は、図示を省略するが、塵芥投入箱3の左右の側壁3cそれぞれに設けられている。
第1の規制部材26及び第2の規制部材27は、上下方向に所定間隔をあけて配置されており、これら両規制部材26,27の間には、カバー部材20側に設けられたピン部材29が挿入されている。したがって、図8に示す状態において、カバー部材20は、規制部材26,27にピン部材29が当接することで、上下方向へのスライドが規制され、下位置に保持されている。
カバー部材20の前面における車幅方向の端部には、取付部材28が固定されており、この取付部材28に対してピン部材29が車幅方向に進退自在に取り付けられている。ピン部材29の車幅方向の内側には、弾性部材であるスプリング30が挿入されており、このスプリング30の付勢力により、ピン部材29は常に車幅方向の外側に突出付勢されている。なお、取付部材28、ピン部材29、及びスプリング30は、図示を省略するが、カバー部材20の車幅方向の両端部にそれぞれ設けられている。
各ピン部材29の車幅方向内側の端部にはワイヤ31の一端が接続されており、これらのワイヤ31の他端は、取手22(図2参照)の近傍に設けられた操作レバー(図示省略)に接続されている。したがって、図8に示す状態から、操作レバーにより両ピン部材29を、スプリング30の付勢力に抗して、規制部材26,27よりも車幅方向内側に退避させることで、カバー部材20を上下方向にスライドさせることが可能となる。
第1及び第2の規制部材26,27の車幅方向内側の端面には、互いに逆向きのテーパ面26a,27aが形成されている。テーパ面26aは、その上端から下側へ向かうに従って、第1の規制部材26の車幅方向の厚みが漸次厚くなるように形成されている。テーパ面27aは、その下端から上側へ向かうに従って、第2の規制部材27の車幅方向の厚みが漸次厚くなるように形成されている。
これにより、カバー部材20を最上位置から下位置までスライドさせるときに、ピン部材29は、第1の規制部材26のテーパ面26aに当接することで、スプリング30の付勢力に抗して車幅方向内側へ退避しながら、第1の規制部材26を乗り越える。
また、カバー部材20を最下位置から下位置までスライドさせるときに、ピン部材29は、第2の規制部材27のテーパ面27aに当接することで、スプリング30の付勢力に抗して車幅方向内側へ退避しながら、第2の規制部材27を乗り越える。
以上より、カバー部材20を最下位置から下位置へスライド操作するときに、ピン部材29が第2の規制部材27を乗り越えて第1の規制部材26に当接するので、カバー部材20の下位置での位置合わせを容易に行うことができる。これにより、前記スライド操作を簡単に行うことができる。
また、スプリング25の付勢力に抗してカバー部材20を最下位置まで押し下げることで、投入口3a全体を一時的に閉鎖することができる。そして、この状態からカバー部材20の押し下げ力を解除するだけで、カバー部材20をスプリング25の付勢力によって上方へスライドさせ、第1の規制部材26によって下位置で自動的に停止させることができる。これにより、カバー部材20を最下位置から下位置へ容易に移動させることができる。
[ラッチ部及びラッチ係合部]
図9は、載置台10とカバー部材20とで投入口3a全体を閉鎖した状態における塵芥投入箱3の下部を示す側断面図である。図8及び図9において、カバー部材20の前面の車幅方向両側には、それぞれラッチ部40が設けられている。各ラッチ部40は、カバー部材20に固定されたラッチケース41と、ラッチケース41に対して上下方向に進退可能に取り付けられたラッチ爪42とを有している。ラッチ爪42は、ラッチケース41内に設けられた弾性部材(図示省略)の付勢力によって、常にカバー部材20の下端よりも下方に突出した状態で保持されている。
載置台10の先端部には、ラッチ部40と係合するラッチ係合部45が設けられている。ラッチ係合部45は、起立姿勢の載置台10の外補強板部12よりも上方に突出するように、本体板部11の先端に一体に形成されている。ラッチ係合部45は、例えば断面チャンネル形状に形成され、且つ載置台10の車幅方向の全長にわたって形成されている。これにより、ラッチ係合部45は、車幅方向両側の各ラッチ部40とそれぞれ係合するようになっている。
なお、本実施形態のラッチ係合部45は、載置台10(本体板部11)に一体に形成されているが、載置台10と別体に設けられていてもよい。また、本実施形態では、ラッチ部40をカバー部材20に設け、ラッチ係合部45を載置台10に設けているが、ラッチ部40を載置台10に設け、ラッチ係合部45をカバー部材20に設けてもよい。
ラッチ爪42の先端部の前面は、図9に示すように、カバー部材20を下位置とし、且つ載置台10を起立姿勢としたときに、ラッチ係合部45の後面に当接するようになっている。これにより、ラッチ部40とラッチ係合部45とが係合し、載置台10が起立姿勢から後方(展開姿勢側)へ回動するのを規制できる。
以上のように、ラッチ爪42の先端部の前面は、ラッチ係合部45の後面に当接するので、投入口3a全体を開放した状態(図6の二点鎖線で示す状態)から投入口3a全体を閉鎖する場合、載置台10を起立姿勢としてからカバー部材20を下位置にスライドさせることで、ラッチ部40とラッチ係合部45とを互いに係合させることができる。そして、この状態からカバー部材20を下位置から上方へスライドさせることで、ラッチ部40とラッチ係合部45との係合を解除することができる。
なお、本実施形態では、ラッチ部40及びラッチ係合部45を、前後方向に係合させているが、上下方向に係合させてもよい。但し、この場合には、投入口3a全体を閉鎖した状態からカバー部材20を上方へスライドさせるためには、ラッチ部40とラッチ係合部45との係合を解除する専用の操作が必要になる。
これに対して、本実施形態では、ラッチ部40及びラッチ係合部45は、前後方向に係合しているため、カバー部材20を下位置から上方へスライド操作するだけで、ラッチ部40とラッチ係合部45との係合を解除することができる。したがって、本実施形態では、投入口3a全体を閉鎖した状態から、カバー部材20を上方へスライドさせて投入口3aの前記他部を開放するときに、ラッチ部40及びラッチ係合部45の係合を解除するための専用の操作が不要になるため、投入口3aの前記他部を開放する操作を迅速かつ容易に行うことができる。
図9において、カバー部材20の前面の下端部には、車幅方向両側のラッチ爪42の間にシール部材48(例えばゴム部材)が固定されている。シール部材48は、図9に示すように、カバー部材20を下位置とし、且つ載置台10を起立姿勢としたときに、載置台10の上端部(第1垂直部12b)とラッチ係合部45に当接するようになっている。これにより、ラッチ部40とラッチ係合部45とが係合するときの衝撃を緩和することができる。
ラッチ爪42の先端部の後面には、先端に向かうに従って、ラッチ爪42の前後方向の厚みが漸次薄くなるように、テーパ面42aが形成されている。したがって、カバー部材20を下位置とした状態で、載置台10を展開姿勢から起立姿勢まで上方回動させるときに、ラッチ係合部45は、ラッチ爪42のテーパ面42aに当接することで、ラッチ爪42を前記弾性部材の付勢力に抗して上方へ退避させながら、ラッチ爪42を乗り越えることができる。これにより、ラッチ部40とラッチ係合部45とを係合させることができる。
以上のように、ラッチ爪42の先端部の後面には、上記テーパ面42aが形成されているので、投入口3a全体を開放した状態から投入口3a全体を閉鎖する場合、カバー部材20を下位置にスライドさせてから載置台10を起立姿勢としたときにも、ラッチ部40とラッチ係合部45とを互いに係合させることができる。したがって、載置台10の起立姿勢への回動操作、及びカバー部材20の下位置へのスライド操作のどちらの操作を先に行っても、投入口3a全体を閉鎖することができるので、載置台10とカバー部材20とで投入口3a全体を閉鎖するときの使い勝手を向上させることができる。
さらに、前記使い勝手が向上することで、以下の作用効果を奏する。すなわち、カバー部材20を最下位置から下位置へ移動させる際には、上述のように、カバー部材20の押し下げ力を解除するだけで、カバー部材20をスプリング25の付勢力によって上方へスライドさせ、第1の規制部材26によって下位置で自動的に停止させることができる。この状態から載置台10を展開姿勢から起立姿勢まで回動させる操作を行うだけで、下位置のカバー部材20と起立姿勢の載置台10とにより投入口3a全体を閉鎖した状態にすることができる。したがって、カバー部材20だけで投入口3aを一時的に閉鎖した状態から、カバー部材20と載置台10とで投入口3a全体を閉鎖する状態とするための操作を、迅速かつ容易に行うことができる。
[その他]
本実施形態における塵芥収集車1は、プレス式の積込装置Tを備えているが、回転板と押込板とにより塵芥を積み込む回転板式の積込装置を備えたものであってもよい。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 塵芥収集車
2 塵芥収容箱
3 塵芥投入箱
3a 投入口
10 載置台
20 カバー部材
21 レール部材
21b レール延長部
25 スプリング(付勢部材)
26 第1の規制部材(規制部材)
T 積込装置

Claims (1)

  1. 塵芥収容箱と、
    前記塵芥収容箱の後方に配置され、後部に塵芥が投入される投入口を有する塵芥投入箱と、
    前記塵芥投入箱内に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に積み込み可能な積込装置と、
    前記塵芥投入箱の後端部において、前記塵芥投入箱の後端よりも車両前方かつ前記投入口の下端部に配置された回転軸を中心として、前記投入口の下部を閉鎖する起立姿勢、及び塵芥を載置することができる展開姿勢の間で回動可能に設けられた載置台と、
    前記回転軸の車幅方向の外端部に一体回転可能に取り付けられ、前記回転軸の径方向外側に突出する突出部材と、
    前記塵芥投入箱の側壁に固定され、前記載置台が前記起立姿勢のときに、前記突出部材が当接することで前記載置台が前記起立姿勢から車両前方へ回動するのを規制する当接部材と、を備え、
    前記突出部材は、前記載置台が展開姿勢のときに、前記回転軸から前斜め上方に向かって突出することで前記塵芥投入箱の後端よりも車両前方側に位置し、
    前記当接部材は、前記塵芥投入箱の後端よりも車両前方側かつ前記回転軸の下方位置から前斜め下方に向かって傾斜している、塵芥収集車
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