JP2008025723A - 動力伝達装置 - Google Patents

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正純 石川
Kenta Tanabe
謙太 田辺
Atsushi Ozawa
篤史 小澤
Taizo Sato
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Abstract

【課題】原動機からの動力を伝達するに際し、低い周波数領域から減衰を生じさせることが可能なダンパを用いることでトルク変動幅を小さく抑制し、内部部品の疲労破壊、特に材料破断式の過負荷保護装置の疲労破壊による誤作動の発生を防止可能な動力伝達装置を提供する。
【解決手段】自動車用補機に動力を伝達する装置であって、原動機側から伝達されてくる動力における捩り振動を減衰する減衰部材を組み込んだ減衰機構を備え、該減衰部材の捩り振動方向における固有振動数が16Hz以下であることを特徴とする動力伝達装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用補機に動力を伝達する装置に関し、とくに自動車の原動機から空調装置用圧縮機等への動力伝達に好適な動力伝達装置に関する。
従来から、自動車用補機に動力を伝達する動力伝達装置(トルク伝達装置)として各種構造のものが知られており、とくに、トルク変動を抑制するために円形状のトーショナルダンパ機構を備えたものがよく知られている。また、このような円形状のトーショナルダンパ機構を備えたトルク伝達装置に関して、トルク変動を吸収しつつ、大きなトルクを伝達できるようにした各種改良も提案されている(例えば、特許文献1〜6)。
しかしながら、上記のような円形状のトーショナルダンパは、基本的に、共振時のトルク変動増幅の抑制に対しては効果を得ることができるが、トルク変動自体の減衰効果を得ることは難しい(つまり、増幅領域でしか使えない)。そのため、例えば、内部部品の疲労強度に対して厳しく考慮する必要がある場合、特に、材料破断式の過負荷保護装置では、トルク変動自体が抑制されていないため内部部品に疲労破壊が生じるおそれがあり、疲労破壊が生じると、過負荷保護装置の誤作動が生じてしまう危険性がある。また、疲労破壊が生じると、部品間での振動や衝突により異音が発生するおそれもある。
一方、自動車の原動機から自動車用補機に動力を伝達する場合、アイドリング時等の原動機の最低回転数から、高速走行時の高回転数までの、広い回転数領域での動力伝達が必要になるが、動力伝達装置としては、この広い回転数領域(広い周波数領域)にて共振等を生じることなく、良好にトルク変動、つまり捩り振動を減衰させることが望まれる。
特開2002−147484号公報 特開2002−147485号公報 特開2002−147486号公報 特開2002−147487号公報 特開2002−206564号公報 特開2002−147531号公報
そこで本発明の課題は、特に自動車の原動機から自動車用補機に動力を伝達するに際し、低い周波数領域から減衰を生じさせることが可能なダンパを用いることでトルク変動幅を小さく抑制し、内部部品の疲労破壊、特に材料破断式の過負荷保護装置の疲労破壊による誤作動の発生を防止可能な動力伝達装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る動力伝達装置は、自動車用補機に動力を伝達する装置であって、原動機側から伝達されてくる動力における捩り振動を減衰する減衰部材を組み込んだ減衰機構を備えたことを特徴とするものからなる。つまり、原動機側から伝達されてくる動力における捩り振動に着目し、その原動機側からの捩り振動自体を減衰する減衰部材を組み込んだ減衰機構を設けたものである。広い周波数領域を有する原動機側からの捩り振動を減衰させることにより、とくに低い周波数領域から捩り振動を減衰させることにより、材料破断式の過負荷保護装置にあっても、効果的に材料の疲労破壊を防止できるようになる。
また、本発明は、自動車用補機に動力を伝達する装置に限らず、原動機側から伝達されてくる動力における捩り振動を減衰する減衰部材を組み込んだ減衰機構を備え、該減衰部材の捩り振動方向における固有振動数が16Hz以下であることを特徴とする動力伝達装置も提供する。後述のように、16Hzあるいはその近傍の周波数以下の固有振動数は、とくに自動車用原動機等に対して最適な減衰部材の固有振動数であり、このような固有振動数の設定により、捩り振動が効率よく減衰されることになる。
したがって、本発明は、好ましい形態として、自動車用補機に動力を伝達する装置であって、原動機側から伝達されてくる動力における捩り振動を減衰する減衰部材を組み込んだ減衰機構を備え、該減衰部材の捩り振動方向における固有振動数が16Hz以下であることを特徴とする動力伝達装置を提供する。
このような本発明に係る動力伝達装置においては、動力伝達中に過負荷が生じたときに動力伝達を遮断する過負荷保護手段を備えている形態を採用できる。たとえば、上述のような材料破断式の過負荷保護装置の形態とすることができる。この場合、上述の如く、効果的に材料の疲労破壊を防止できるようになる。
また、本発明に係る動力伝達装置においては、とくに、上記減衰部材が、動力の出力側部材の左右両側に設けられた部材からなり、かつ、左右両側の部材が一体化された減衰部材からなることが好ましい。左右両側の部材が一体化された減衰部材とすることにより、一方の部材側に圧縮応力が加わる際には同時に他方の部材側には引張応力を作用させることが可能になり、一体化された減衰部材に圧縮応力と引張応力を同時に負荷可能となって、より高い減衰能力を発揮できるとともに、より高い復元力を発揮できるようになる。
上記減衰部材としては、内部損失を発生可能な内部損失発生材料を使用したものからなることが好ましい。これによって、減衰部材の材料自体の内部で損失を発生させて効率よく捩り振動を減衰できるようになる。このような内部損失発生材料としては、高分子材料、たとえば、エラストマーやゴム等の高分子材料を使用できる。
また、本発明に係る動力伝達装置においては、上記減衰部材内に内部梁が形成されている構造を採用することも好ましい形態である。一つあるいは複数の内部梁を、減衰部材内に適切に形成しておけば、捩り振動減衰の際の減衰部材の変形形態や復元形態を望ましい形態や条件にすることが可能になり、より効果的に捩り振動を減衰させることが可能となる。
また、本発明に係る動力伝達装置においては、上記減衰部材に、変形した減衰部材の復元を助長するスプリングが組み込まれていることも好ましい形態である。スプリングは、減衰部材内に組み込まれてもよく、減衰部材の外形形状に沿って組み込まれてもよく、両形態で組み込まれてもよい。このようなスプリングが組み込まれていれば、減衰部材の材料自体が有する復元力に、スプリングの復元力が加えられるので、変形した減衰部材がより効率よく確実に復元されることになり、その分、捩り振動減衰性能もさらに向上されることになる。
また、本発明に係る動力伝達装置においては、上記減衰部材に、該減衰部材の外形形状および/または内形形状を拘束可能な形状拘束部材が装着されていることも好ましい形態である。外形形状や内形形状が拘束されていれば、たとえば前述の一体化された減衰部材に圧縮応力と引張応力を同時に負荷される場合に、減衰部材の全体としての外形形状や内形形状を保ちながら減衰部材内部で圧縮応力と引張応力を同時に作用させることが可能になり、減衰部材の望ましい内部変形状態およびその変形復元状態が得られて、より高い減衰能力を発揮できるようになる。また、減衰部材の外形形状や内形形状が所定の初期形状に拘束されていると、減衰部材とそれに接触する部材との間に隙間等が発生することも防止され、好ましくない部材間の衝突や異音の発生も防止できるようになる。
このような本発明に係る動力伝達装置は、特に、自動車用補機が圧縮機からなる場合、中でもその圧縮機が自動車空調装置用圧縮機からなる場合に好適なものであり、原動機側から伝達されてくる動力における、低周波数からの捩り振動が効果的に減衰できる。
このように、本発明に係る動力伝達装置によれば、原動機側から伝達されてくる動力における捩り振動が効果的に減衰できる。とくに減衰部材の捩り方向における固有振動数を16Hz以下とすることにより、低周波数から広い領域にわたって効率よく捩り振動を減衰できる。この動力伝達装置を材料破断式の過負荷保護手段を備えたものに構成すれば、内部部品の疲労破壊を抑制でき、疲労破壊による材料破断式過負荷保護装置の誤作動の発生を防止することが可能となる。
また、動力の出力側部材の左右両側に設けられた部材が一体化された減衰部材とすれば、該一体化された減衰部材に圧縮応力と引張応力を同時に負荷させることができ、より高い減衰能力とより高い復元力を発揮させることができる。
また、減衰部材にエラストマーやゴム等の高分子材料などからなる内部損失発生材料を使用すれば、減衰部材の材料自体の内部で望ましい損失を発生させてより効率よく捩り振動を減衰できる。
また、減衰部材内に適切な内部梁を形成すれば、捩り振動減衰の際の減衰部材のより好ましい変形、復元形態を得ることが可能になり、より効果的に捩り振動を減衰させることができる。
また、減衰部材にスプリングを組み込めば、スプリングの復元力を加味して変形した減衰部材をより効率よく確実に復元させことができ、捩り振動減衰性能をさらに向上させることができる。
さらに、減衰部材に形状拘束部材を装着すれば、より望ましい形態で減衰部材に圧縮応力と引張応力を同時に負荷させることが可能になり、より高い減衰能力を発揮できるようになるとともに、減衰部材とそれに接触する部材との間に隙間等が発生することも防止でき、隙間等の発生による部材間の衝突や異音の発生も防止できるようになる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る動力伝達装置を示しており、とくに本発明を、自動車の原動機(エンジン、原動機としての電動モータの両方を含む)からの動力が伝達される自動車空調装置用の圧縮機への駆動動力伝達装置に適用した場合を示している。図1において、1は、動力伝達装置、とくにその要部を示しており、2は原動機、3は圧縮機の圧縮機構を示している。この動力伝達装置1は、圧縮機に組み込まれていてもよく、圧縮機とは別体に構成されていてもよい(通常は、圧縮機用動力伝達装置は、圧縮機の駆動力入力側に組み込まれ、圧縮機と一体に構成される)。
動力伝達装置1は、主構成要素として、原動機2側からの動力(トルク)がベルト等を介して伝達されてくるプーリー4と、プーリー4を介して伝達される動力における捩り振動を減衰する、円周方向に配列された複数の減衰部材5を有する減衰機構6と、減衰機構6を介して伝達される動力を圧縮機構3側へ伝達するとともに、過負荷が生じた場合には材料の破断等(特に、動力の出力側部材としての複数の動力伝達ピン7の破断等)により動力伝達を遮断する過負荷保護装置8を有している。各減衰部材5がプーリー4内に形成された各凹部9内に保持固定され、各減衰部材5に設けられたピン孔10に、上記動力の出力側部材としての、過負荷保護装置8の対応する動力伝達ピン7が挿入される。
このような構成により、原動機2側から伝達されてくる動力(トルク)が、その捩り振動が各減衰部材5によって減衰されつつ、動力伝達ピン7を介して過負荷保護装置8へ伝達され、そこから圧縮機構3へと伝達される。原動機2側から伝達されてくる動力における捩り振動が各減衰部材5によって減衰されるので、トルク変動の発生源としての捩り振動が減衰され、過負荷保護装置8、とくにその動力伝達ピン7の疲労破壊が適切に防止される。
図1に示した形態では、各減衰部材5は、エラストマーまたはゴムの高分子材料からなり、この高分子材料は、内部損失を発生する内部損失発生材料として機能する。したがって、捩り振動が一層効率よく減衰される。また、図1に示した形態では、各減衰部材5は、減衰部材5自体の内部に内部梁11が形成されたものからなり、複数の内部梁11が、減衰部材5内で、ピン孔10の周囲部から減衰部材5の外形形状形成部に向けて放射状に延びている。各内部梁11には、捩り振動時に圧縮応力と引張応力が交互に加わるので、内部梁11の位置や形状、延設方向を適切に設定することにより、捩り振動が極めて効率よく減衰されることになる。さらに、各減衰部材5は、動力の出力側部材としての、過負荷保護装置8の動力伝達ピン7の左右両側に位置する部分を含めた全体が一体化されたものから構成されているので、本発明で言う「動力の出力側部材の左右両側に設けられた部材からなり、かつ、左右両側の部材が一体化された減衰部材」からなるものである。動力の出力側部材としての動力伝達ピン7の左右両側に減衰部材5が位置することにより、一方側に圧縮応力が作用する場合には他方側には引張応力が加わることになるので、換言すれば圧縮応力と引張応力が同時に減衰部材5に加わることになるので、捩り振動が一層効率よく減衰される。さらにまた、この減衰部材5は、捩り振動方向における固有振動数が16Hz以下に設計、設定されている。この16Hz以下の固有振動数が望ましい理由については、後述する。
個々の減衰部材5は、図1に示したもの以外にも、例えば図2に示すように各種の形状や形態を採り得る。図2(A)に示す減衰部材21は、ピン孔22の周囲部から90度ピッチにて四方に内部梁23が延びる円形の部材からなり、図2(B)に示す減衰部材31は、ピン孔32の周囲部から左右両側と下方に向けて内部梁33が延びる略半円状の部材からなり、図2(C)に示す減衰部材41は、ピン孔42の上部に左右方向に梁状に延びる部分(一種の内部梁43)を有するとともにピン孔42の周囲部から斜め下方両側に向けて内部梁44が延びる略半円状の部材からなる。また、図2(D)に示す減衰部材51は、ピン孔52の周囲部から放射状に内部梁43が延びる扇形の部材からなり、図2(E)に示す減衰部材61は、ピン孔62の位置が図2(D)に示した形態に比べより上部に位置し、ピン孔62の上部に左右方向に梁状に延びる部分(一種の内部梁63)を有するとともにピン孔62の周囲部から斜め下方両側に向けて内部梁64が延びる扇形の部材からなり、図2(F)に示す減衰部材71は、ピン孔72の位置が図2(D)に示した形態に比べより下部に位置し、ピン孔72の下部に左右方向に梁状に延びる部分(一種の内部梁73)を有するとともにピン孔72の周囲部から斜め下方両側と上方に向けて内部梁74が延びる扇形の部材からなる。図1に示した減衰部材5の形態は、図2(D)に示した減衰部材51の形態に近い。このように、本発明における減衰部材は各種の形態を採り得る。但し、これら図示したものは単なる例示であり、図示例以外の形態も採り得る。
また、本発明においては、例えば図3に示すように、減衰部材に、変形した減衰部材の復元を助長するためのスプリングを組み込むこともできる。前述したように、このスプリングは、減衰部材内に組み込まれてもよく、減衰部材の外形形状に沿って組み込まれてもよく、両形態で組み込まれてもよい。図3の(A)〜(F)は、図2の(A)〜(F)に示した各減衰部材にスプリングを組み込んだ形態を例示している。すなわち、図2の(A)〜(F)に示した形態に対応する各減衰部材21a、31a、41a、51a、61a、71a内に、それぞれスプリング81、82、83、84、85、86を一体的に組み込んだ形態を例示している。このようなスプリングを組み込むことにより、減衰部材の材料自体が有する復元力に、スプリングの復元力を加えることができ、変形した減衰部材がより効率よくかつ確実に復元されるので、捩り振動減衰性能もさらに向上されることになる。
さらに、本発明においては、例えば図4に示すように、減衰部材に、該減衰部材の外形形状および/または内形形状を拘束可能な形状拘束部材が装着されている形態を採用することもできる。図4の(A)〜(F)は、図2の(A)〜(F)に示した各減衰部材に形状拘束部材を装着した形態を例示している。すなわち、図2の(A)〜(F)に示した形態に対応する各減衰部材21b、31b、41b、51b、61b、71bの外形形状部およびピン孔部に、それぞれ形状拘束部材91、92、93、94、95、96を装着した形態を例示している。このような形状拘束部材により減衰部材の外形形状や内形形状を拘束することにより、前述の一体化された減衰部材の場合には、減衰部材の全体としての外形形状や内形形状を保ちながら減衰部材内部で圧縮応力と引張応力を同時に作用させることができ、減衰部材の望ましい内部変形状態およびその変形復元状態を得ることができるので、より高い減衰能力を発揮できる。また、減衰部材の外形形状や内形形状を所定の初期形状に拘束することにより、減衰部材とそれに接触する部材(動力伝達ピン7やプーリー4の凹部9形成部)との間に隙間等が発生することも防止でき、好ましくない部材間の衝突や異音の発生も防止できるようになる。
さて、本発明においては、原動機側から伝達されてくる動力における捩り振動、とくに自動車用補機に自動車の原動機側から伝達されてくる動力における捩り振動を減衰する減衰部材の捩り振動方向における固有振動数が16Hz以下であることを望ましい形態として規定している。この固有振動数を16Hz以下と規定したのは次のような理由による。すなわち、減衰理論として、1自由度系の固有振動数fnは下記式によって得られる。
fn=(1/(2π))√(k/m)
ここで、fn:固有振動数、k:バネ定数、m:質量である。図5に1自由度系の振動数比f/fnと振動伝達率Trとの関係を示すが、このグラフから判る通り、減衰が開始される振動数比はf/fn=√2となる。ここで、f:入力振動、fn:固有振動数である。つまり、f/√2≧fnとなれば、入力振動を減衰することができる。
そこで原動機として自動車のエンジンを考えると、エンジンの回転数の下限値はアイドリング状態であると考える。そして、このアイドリング状態でのエンジンの回転数を、700rpmと仮定する(一般的にこの程度の回転数である)。この回転数を周波数に換算すると、
700(rpm)=700/60(r/s)=11.7(r/s=Hz)
となり、この周波数の2次成分(4シリンダエンジンと仮定)を減衰の対象と考えると、減衰を発生させる為に必要な固有振動数は、
fn≦(11.7×2)/√2=16.5(Hz)
となる。したがって、固有振動数を16Hz以下にすれば、目的とする減衰を発生させることができるようになる。現実には、この固有振動数を達成できるように、減衰部材のバネ定数を決定すればよいことになる(質量は既知の値とする)。
このように、16Hzあるいはその近傍の周波数以下の固有振動数は、とくに自動車用原動機等に対して最適な減衰部材の固有振動数であり、このような固有振動数の設定により、捩り振動が効率よく減衰されることになる。
本発明に係る動力伝達装置は、原動機側からの伝達動力の捩り振動の減衰が求められるあらゆる動力伝達系に適用可能であり、とくに、自動車の原動機から空調装置用圧縮機等の自動車用補機への動力伝達に好適である。
本発明の一実施態様に係る動力伝達装置の要部分解斜視図である。 本発明における減衰部材の各種形態例を示す減衰部材の正面図である。 本発明における減衰部材にスプリングを組み込んだ場合の各種形態例を示す減衰部材の正面図である。 本発明における減衰部材に形状拘束部材を装着した場合の各種形態例を示す減衰部材の正面図である。 1自由度系の振動数比と振動伝達率との関係図である。
符号の説明
1 動力伝達装置
2 原動機
3 圧縮機の圧縮機構
4 プーリー
5、21、21a、21b、31、31a、31b、41、41a、41b、51、51a、51b、61、61a、61b、71、71a、71b 減衰部材
6 減衰機構
7 動力伝達ピン
8 過負荷保護装置
9 凹部
10、22、32、42、52、62、72 ピン孔
11、23、33、43、44、53、63、64、73、74 内部梁
81、82、83、84、85、86 スプリング
91、92、93、94、95、96 形状拘束部材

Claims (12)

  1. 自動車用補機に動力を伝達する装置であって、原動機側から伝達されてくる動力における捩り振動を減衰する減衰部材を組み込んだ減衰機構を備えたことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 原動機側から伝達されてくる動力における捩り振動を減衰する減衰部材を組み込んだ減衰機構を備え、該減衰部材の捩り振動方向における固有振動数が16Hz以下であることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 自動車用補機に動力を伝達する装置であって、原動機側から伝達されてくる動力における捩り振動を減衰する減衰部材を組み込んだ減衰機構を備え、該減衰部材の捩り振動方向における固有振動数が16Hz以下であることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 動力伝達中に過負荷が生じたときに動力伝達を遮断する過負荷保護手段を備えている、請求項1〜3のいずれかに記載の動力伝達装置。
  5. 前記減衰部材が、動力の出力側部材の左右両側に設けられた部材からなり、かつ、左右両側の部材が一体化された減衰部材からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の動力伝達装置。
  6. 前記減衰部材が、内部損失を発生可能な内部損失発生材料を使用したものからなる、請求項1〜5のいずれかに記載の動力伝達装置。
  7. 前記内部損失発生材料が高分子材料からなる、請求項6に記載の動力伝達装置。
  8. 前記減衰部材内に内部梁が形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の動力伝達装置。
  9. 前記減衰部材に、変形した減衰部材の復元を助長するスプリングが組み込まれている、請求項1〜8のいずれかに記載の動力伝達装置。
  10. 前記減衰部材に、該減衰部材の外形形状および/または内形形状を拘束可能な形状拘束部材が装着されている、請求項1〜9のいずれかに記載の動力伝達装置。
  11. 前記自動車用補機が圧縮機からなる、請求項1〜10のいずれかに記載の動力伝達装置。
  12. 前記圧縮機が自動車空調装置用圧縮機からなる、請求項11に記載の動力伝達装置。
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