JP2001065595A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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JP2001065595A JP35843099A JP35843099A JP2001065595A JP 2001065595 A JP2001065595 A JP 2001065595A JP 35843099 A JP35843099 A JP 35843099A JP 35843099 A JP35843099 A JP 35843099A JP 2001065595 A JP2001065595 A JP 2001065595A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プーリ装置のリミッター機構の小型化、軽量
化および低コスト化。 【解決手段】 エンジンにより常時駆動されるVベルト
プーリ本体5の側壁部12に形成された凹状部7内に、
コンプレッサの駆動軸にボルト締めされる出力ディスク
6の側壁部22の内側端面より軸方向に突出するように
形成されたピン部8を嵌め込み、凹状部7の開口側の伝
達穴17の内周とピン部8の根元部分の外周との間に円
筒形状のゴムダンパー9を挟み込んで、リミッター機構
を備えたプーリ装置を構成した。コンプレッサのロック
が発生してVベルトプーリ本体5と出力ディスク6との
間に設定トルク以上のトルク差が生じた際には、ピン部
8の根元部分よりも遠い部位に嵌合穴18からトルク伝
達の力を受けるので、ピン部8の根元部分が折れて側壁
部22より分離することで、Vベルトプーリ本体5から
出力ディスク6への動力伝達経路を遮断できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動源から回転装
置の回転軸へ回転動力を伝達する動力伝達装置に関する
もので、特に駆動側回転体と従動側回転体との間に設定
トルク以上のトルク差が生じた際に、駆動側回転体から
従動側回転体への回転動力(トルク)の伝達を遮断する
リミッター機構を備えた動力伝達装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば0%容量まで冷媒の吐
出容量を変化させることが可能な可変容量型冷媒圧縮機
を備えた冷凍サイクルでは、エンジンから冷媒圧縮機へ
の回転動力の伝達を断続するクラッチ機構の搭載が不要
となる。しかし、クラッチ機構を廃止した場合には、冷
媒圧縮機が焼き付き故障を生起する等して冷媒圧縮機の
駆動軸のロックが発生すると、過負荷トルク(衝撃トル
ク)が生じる。これにより、冷媒圧縮機の駆動軸を駆動
するためのプーリの回転が止まるので、エンジンに駆動
されるベルトが滑り、ベルトに摩耗が生じ、ベルトが発
熱する等してベルトが破断する可能性がある。
【0003】そこで、冷媒圧縮機の駆動軸がロックする
等の過負荷トルクが生じ、プーリと冷媒圧縮機の駆動軸
との間に設定トルク以上のトルク差が生じると、エンジ
ンから冷媒圧縮機の駆動軸への動力伝達経路を遮断する
リミッター機構を備えたVベルトプーリ装置が提案され
ている。
【0004】このVベルトプーリ装置としては、エンジ
ンによりベルト駆動されるプーリ、このプーリに固定さ
れたアウタハブ、このアウタハブとの間にゴム系の弾性
体を介して連結されたフランジ部材、冷媒圧縮機の駆動
軸に連結されたインナハブ、およびフランジ部材とイン
ナハブとの間に設けられた多板の摩擦部材を備え、冷媒
圧縮機の駆動軸がロックする等の過負荷トルクが生じる
と、フランジ部材からインナハブへの動力伝達経路を遮
断するように構成されている。また、プーリ、アウタハ
ブ、フランジ部材、インナハブおよび多板の摩擦部材等
のVベルトプーリ装置を構成する主要部品が鉄系の金属
材料により製作されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のリミ
ッター機構を備えたVベルトプーリ装置においては、V
ベルトプーリ装置全体の中でリミッター機構が占める割
合が大きいので、製品コストが上昇するという問題が生
じている。また、多板の摩擦部材を軸方向に配している
ので、リミッター機構の軸方向寸法が大型化するという
問題が生じている。そして、Vベルトプーリ装置を構成
する主要部品の大部分は、鉄系の金属材料により製作さ
れており、リミッター機構を簡素な構造にしても軽量化
に至らないという問題が生じている。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、駆動側回転体と従動側
回転体との間に設定トルク以上のトルク差が生じた際
に、駆動側回転体から従動側回転体へのトルクの伝達を
遮断するリミッター機構の小型化、軽量化および低コス
ト化を図ることのできる動力伝達装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、通常作動時には、駆動源から駆動側回転体にト
ルクが伝達されると、駆動側回転体の凹状嵌合部の開口
側の内周からゴム系の弾性体にトルクが伝達され、更
に、ゴム系の弾性体から従動側回転体の凸状嵌合部の根
元側の外周にトルクが伝達される。そして、従動側回転
体から回転装置の回転軸にトルクが伝達されることによ
り、回転装置の回転軸が回転する。
【0008】駆動側回転体と従動側回転体との間に設定
トルク以上のトルク差が生じた時には、駆動源から駆動
側回転体にトルクが伝達されると、駆動側回転体の凹状
嵌合部の奥側の内周から従動側回転体の凸状嵌合部の先
端側の外周にトルク伝達による力を受ける。
【0009】すると、従動側回転体の凸状嵌合部の根元
部分に多大な応力が加わり、凸状嵌合部の根元部分が破
損するため、駆動側回転体が従動側回転体に対してフリ
ーで自転する。このように、駆動側回転体と従動側回転
体との間に設定トルク以上のトルク差が生じた時には、
リミッター機構が作動することにより、駆動側回転体か
ら従動側回転体へのトルクの伝達が遮断される。
【0010】そして、動力伝達装置を構成する駆動側回
転体と従動側回転体とにそれぞれリミッター機構を構成
する凹状嵌合部と凸状嵌合部とを一体的に設けること
で、動力伝達装置の中でリミッター機構単独部品が占め
る割合が全くなく、または非常に少なく、部品点数およ
び組付工数も非常に少なくなるので、リミッター機構を
備えた動力伝達装置の製品コストを非常に低減すること
ができる。
【0011】また、駆動側回転体の凹状嵌合部内に従動
側回転体の凸状嵌合部を嵌め合わすことでリミッター機
構を構成しているので、駆動側回転体の軸方向寸法より
も凸状嵌合部の軸方向寸法を短くすることで、リミッタ
ー機構の軸方向寸法を縮小化することができる。
【0012】請求項2に記載の発明によれば、従動側回
転体にスリットを設けることで、駆動側回転体と従動側
回転体との間に設定トルク以上のトルク差が生じた際
に、凸状嵌合部の根元部分で折れ易くなり、リミッター
機構を瞬時に作動完了することができる。
【0013】請求項3に記載の発明によれば、駆動側回
転体を、鉄系の金属材料または樹脂材料により所定の形
状に一体成形し、また、従動側回転体を、熱可塑性樹脂
材料または熱硬化性樹脂材料により所定の形状に一体成
形することにより、少なくとも従動側回転体の使用材料
を鉄系の金属材料から軽量で安価な樹脂材料に変更する
ことができる。これにより、リミッター機構を備えた動
力伝達装置の軽量化および低コスト化を図ることができ
る。
【0014】請求項4に記載の発明によれば、駆動側回
転体の周方向に所定の間隔で設けられた複数個の凹状嵌
合部内に、従動側回転体の周方向に所定の間隔で設けら
れた複数個の凸状嵌合部をそれぞれ嵌め合わし、それら
の凹状嵌合部の開口側の内周とそれらの凸状嵌合部の根
元側の外周との間に複数個の弾性体をそれぞれ挟み込む
ことで動力伝達装置を構成しているので、複数個の弾性
体を介して駆動側回転体から従動側回転体へのトルクの
伝達がスムーズに行われる。
【0015】請求項5に記載の発明によれば、凹状嵌合
部の周方向の両内壁面に設けた一対の突起部に、凹状嵌
合部の奥側から開口側に向けて一対の突起部間の隙間が
徐々に拡がるようにテーパ部を設けることにより、ゴム
系の弾性体を凹状嵌合部に挿入する際に、一対の突起部
のテーパ部の存在によって弾性体が凹状嵌合部内に容易
に挿入できる。そして、凹状嵌合部内に挿入された弾性
体は、一対の突起部によって圧縮変形が与えられる。
【0016】請求項6に記載の発明によれば、凹状嵌合
部の径方向の外径側端部で且つ周方向の両端部に、弾性
体の径方向の外径側端部で且つ周方向の両端部に設けた
一対の被保持部を保持する一対の保持部を設けることに
より、凹状嵌合部内に弾性体が強固に保持されるので、
駆動側回転体の回転に伴って発生する遠心力に対する抵
抗力が増加するので、凹状嵌合部から弾性体が抜け出す
ことはない。
【0017】請求項7に記載の発明によれば、凸状嵌合
部の根元部分に、先端側に向けて外径が漸減するように
テーパ部を設け、凸状嵌合部の中間部分に、弾性体の中
空部内に挿入される被挿入部を設け、凸状嵌合部の先端
部分に、弾性体の穴部内に嵌め込まれる被嵌合部を設け
ることにより、駆動側回転体の凹状嵌合部内にゴム系の
弾性体を嵌め込んだ後に、駆動側回転体の凹状嵌合部内
に従動側回転体の凸状嵌合部を装着する。それによっ
て、駆動側回転体の凹状嵌合部内に従動側回転体の凸状
嵌合部を装着したと同時に、弾性体が凹状嵌合部の開口
側の内周と凸状嵌合部の根元側の外周との間に挟み込ま
れて圧縮変形する。
【0018】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づ
き図面を参照して説明する。 〔第1実施例の構成〕図1ないし図4は本発明の第1実
施例を示したもので、図1はVベルトプーリ装置の主要
構成を示した図で、図2および図3はVベルトプーリ装
置の全体構成を示した図である。
【0019】本実施例のVベルトプーリ装置は、エンジ
ン(本発明の駆動源に相当する)を搭載する自動車等の
車両のエンジンルーム内に配設されて、車両用空調装置
の冷凍サイクルの一構成部品を成す冷媒圧縮機(以下コ
ンプレッサと言う)1へエンジンの回転動力(トルク)
を伝達する動力伝達装置である。
【0020】なお、コンプレッサ1は、本発明の回転装
置に相当するもので、0%容量まで冷媒の吐出容量を変
化させることが可能な可変容量型冷媒圧縮機で、コンプ
レッサハウジング3内で回転自在に支持された駆動軸
(本発明の回転軸に相当する)2を回転させることによ
り、冷媒蒸発器(エバポレータ)より吸入した冷媒を圧
縮し、冷媒凝縮器(コンデンサ)で高温、高圧の冷媒ガ
スを吐出する。コンプレッサハウジング3は、Vベルト
プーリ装置の内周に向けて突出する円筒状の突出部4を
有している。
【0021】ここで、Vベルトプーリ装置は、エンジン
のクランク軸に取り付けられたクランクプーリ(図示せ
ず)に掛け渡された多段式のVベルト(図示せず)に、
他のエンジン補機(例えばオルタネータ、エンジン冷却
装置のウォータポンプ、パワーステアリング装置の油圧
ポンプ)の各Vベルトプーリ装置と共掛けされている。
【0022】本実施例のVベルトプーリ装置は、エンジ
ンによりベルト駆動されるVベルトプーリ本体(Vリブ
ドプーリ本体、ロータ)5、このVベルトプーリ本体5
からコンプレッサ1の駆動軸2へトルクを伝達する出力
ディスク(ハブ部材)6、およびVベルトプーリ本体5
の複数個の凹状部7の内周と出力ディスク6の複数本の
ピン部8の外周との間に挟み込まれたゴム系の弾性体
(ゴム部材、以下ゴムダンパーと言う)9等から構成さ
れている。
【0023】また、Vベルトプーリ装置は、コンプレッ
サ1が焼き付き故障を生起する等してコンプレッサ1の
駆動軸2のロックが発生し、過負荷トルク(衝撃トル
ク)が生じた際、すなわち、Vベルトプーリ本体5と出
力ディスク6との間に設定トルク以上のトルク差が生じ
た際に、エンジンからコンプレッサ1の駆動軸2への動
力伝達経路を遮断するリミッター機構を備えている。
【0024】先ず、本実施例のVベルトプーリ本体5を
図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。ここで、図
4はVベルトプーリ本体と複数個のゴムダンパーを示し
た図である。このVベルトプーリ本体5は、本発明の駆
動側回転体に相当するもので、例えばフェノール樹脂等
の熱硬化性樹脂材料、鉄系の金属材料またはアルミニウ
ム系の金属材料により所定の形状に一体成形されてい
る。
【0025】このVベルトプーリ本体5は、エンジンに
常時駆動される略円筒形状の筒壁部(Vリブドプーリ
部)11、およびこの筒壁部11のコンプレッサ1側端
部より径方向の内方側へ延長された円環状の側壁部12
を有している。筒壁部11の外周には、Vベルトの内周
面に形成された複数個のV字状溝部に対応した複数個の
V字状溝部13が形成されている。
【0026】側壁部12の内周に設けられた円筒状部分
12aは、コンプレッサハウジング3の突出部4の外周
にベアリング14を介して回転自在に支持されている。
そして、側壁部12には、軸方向の肉厚が厚い略円筒形
状の肉厚部(リブ部)15と軸方向の肉厚が薄い肉薄部
16とが周方向に等間隔(例えば90°間隔)で交互に
配設されている。なお、肉薄部16は、材料費軽減のた
め肉厚を薄くしている。
【0027】複数個の肉厚部15内には、軸方向に貫通
した複数個(本例では4個)の凹状部7がそれぞれ形成
されている。これらの凹状部7は、本発明の凹状嵌合部
に相当する。複数個の凹状部7の開口側(図1において
図示左端側)には、ゴムダンパー9を収容すると共に、
通常作動時のトルク伝達を行う円筒形状の伝達穴17が
形成されている。
【0028】また、凹状部7の奥側(図1において図示
右端側)には、出力ディスク6のピン部8の先端部分が
緩やかに嵌め込まれると共に、リミッター作動時にピン
部8にトルク伝達を行う、伝達穴17の内径よりも小さ
い嵌合穴18が形成されている。
【0029】そして、凹状部7の伝達穴17と嵌合穴1
8との間には、ゴムダンパー9の軸方向の位置ずれを防
止するためにゴムダンパー9の一端部を係止する段差
(係止部)19、およびこの段差19と嵌合穴18とを
結ぶ円錐台形状の連結穴20が形成されている。
【0030】先ず、本実施例の出力ディスク6を図1な
いし図4に基づいて簡単に説明する。この出力ディスク
6は、本発明の従動側回転体に相当するもので、例えば
66ナイロン樹脂等の熱可塑性樹脂材料またはフェノー
ル樹脂等の熱硬化性樹脂材料により所定の形状に一体成
形されている。
【0031】出力ディスク6は、コンプレッサ1の駆動
軸2の先端部の外周に嵌め合わされるボス部21、この
ボス部21より径方向の内方および外方に延長された円
環板形状の側壁部22、並びに側壁部22の外周部の端
面より軸方向に延長された複数本(本例では4本)のピ
ン部8を有している。ボス部21の内周には、コンプレ
ッサ1の駆動軸2の先端部の外周スプラインにスプライ
ン嵌合する内周スプラインが形成されている。
【0032】側壁部22の内周には、コンプレッサ1の
駆動軸2の先端部に形成された内周ねじ部にねじ込まれ
る固定用ボルト23の軸部が挿通する挿通穴24が形成
されている。これにより、側壁部22の内周部分が固定
用ボルト23の頭部(六角部)によって駆動軸2の先端
部に締め付けられることにより、出力ディスク6と駆動
軸2とが固定される。
【0033】複数本のピン部8は、本発明の凸状嵌合部
に相当するもので、それぞれ丸棒(円柱)形状に形成さ
れ、側壁部22の外周部の内側端面(Vベルトプーリ本
体5の側壁部12側端面)に形成された略円環状のスリ
ット25の内側より軸方向に突出し、Vベルトプーリ本
体5の凹状部7の伝達穴17内に緩やかに嵌め合わされ
る根元部分、凹状部7の連結穴20内に緩やかに嵌め合
わされる中間部分、および凹状部7の嵌合穴18に緩や
かに嵌め合わされる先端部分を有している。
【0034】なお、リミッター機構を構成する凹状部7
およびピン部8は、Vベルトプーリ本体5の側壁部12
および出力ディスク6の側壁部22の周方向(同一円周
上)に等間隔(例えば90°間隔)となるように配設さ
れている。また、凹状部7およびピン部8は、Vベルト
プーリ本体5の軸方向寸法、つまり筒壁部11の軸方向
寸法よりも短くされており、Vベルトプーリ本体5の筒
壁部11の内周に収容される。
【0035】また、側壁部22の外周部の外側端面(V
ベルトプーリ本体5の側壁部12側に対して逆側端面)
には、複数本のピン部8に対応した箇所に、上記のスリ
ット25と共にVベルトプーリ本体5に衝撃トルクが発
生した際にピン部8を根元部分で破損させる(折る)こ
とにより、出力ディスク6の側壁部22と複数本のピン
部8とを分離するための多角形状または円形状のスリッ
ト26が形成されている。
【0036】複数個のゴムダンパー9は、本発明のゴム
系の弾性体に相当するもので、例えば塩素化ブチルゴ
ム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム等を円筒形状と
なるように一体成形されている。これらのゴムダンパー
9は、Vベルトプーリ本体5の複数個の凹状部7の伝達
穴17の内周に嵌め合わされ、且つ出力ディスク6の複
数本のピン部8の根元部分の外周に嵌め合わされて、V
ベルトプーリ本体5から出力ディスク6へのトルク変動
を吸収する。
【0037】〔第1実施例の作用〕次に、本実施例のリ
ミッター機構を備えたVベルトプーリ装置の作用を図1
ないし図4に基づいて簡単に説明する。
【0038】Vベルトプーリ装置の通常作動時には、ゴ
ムダンパー9を介してVベルトプーリ本体5の複数個の
凹状部7の伝達穴17と出力ディスク6の複数本のピン
部8の根元部分とが駆動連結されている。したがって、
エンジンが始動することによりクランク軸が回転し、V
ベルトを介してVベルトプーリ本体5の筒壁部11にエ
ンジンの回転動力(トルク)が伝達される。
【0039】そして、出力ディスク6の複数本のピン部
8は、ゴムダンパー9を介してVベルトプーリ本体5の
複数個の凹状部7の伝達穴17からその根元部分付近、
つまり根元部分に近い部位(図1において荷重点A)で
トルク伝達による力を受ける。
【0040】このように、ゴムダンパー9を介してVベ
ルトプーリ本体5の複数個の凹状部7の伝達穴17から
複数本のピン部8の根元部分へトルクが伝達されると、
出力ディスク6もVベルトプーリ本体5に追従して回転
するので、エンジンの回転動力がコンプレッサ1の駆動
軸2に伝達される。このため、コンプレッサ1が吸引し
た冷媒を圧縮して高温、高圧の冷媒ガスを吐出するの
で、自動車等の車両の車室内の冷房が成される。
【0041】コンプレッサ1が焼き付き故障を生起する
等してコンプレッサ1の駆動軸2のロックが発生した
時、出力ディスク6の回転が停止したままVベルトプー
リ本体5が回転を続けるため、Vベルトプーリ本体5と
出力ディスク6との間に過負荷トルク(衝撃トルク)が
生じる。
【0042】すなわち、Vベルトプーリ本体5と出力デ
ィスク6との間に設定トルク以上のトルク差が生じる
と、Vベルトプーリ本体5の複数個の凹状部7の嵌合穴
18の内周から出力ディスク6の複数本のピン部8の先
端部分、つまり複数本のピン部8の根元部分から遠い部
位(図1において荷重点B)がトルク伝達による力を受
ける。
【0043】すると、出力ディスク6の複数本のピン部
8の根元部分に多大な応力が加わり、複数本のピン部8
の根元部分が破損する(折れる)ため、出力ディスク6
の側壁部22と複数本のピン部8とが分離され、Vベル
トプーリ本体5およびゴムダンパー9が出力ディスク6
に対してフリーで自転する。このように、Vベルトプー
リ本体5と出力ディスク6との間に設定トルク以上のト
ルク差が生じた時には、リミッター機構が作動すること
により、Vベルトプーリ本体5から出力ディスク6への
トルクの伝達が遮断されるので、エンジンからコンプレ
ッサ1の駆動軸2への動力伝達経路が遮断される。
【0044】なお、破損して側壁部22の内側端面より
離れた複数のピン部8は、その根元部分の周囲がゴムダ
ンパー9に囲まれており、また、複数のピン部8の先端
部分は複数個の凹状部7の嵌合穴18に保持されるの
で、破損して側壁部22の内側端面より離れた複数のピ
ン部8もVベルトプーリ本体5の回転に伴ってゴムダン
パー9と共に回転する。
【0045】そして、これらのピン部8およびゴムダン
パー9の回転は、Vベルトプーリ本体5の回転に何ら障
害を与えるものではないので、複数本のピン部8の根元
部分が破損した段階でリミッター作動が瞬時に完了し、
Vベルトプーリ本体5から出力ディスク6への動力伝達
経路は瞬時に完全に遮断されることになる。
【0046】これにより、コンプレッサ1の駆動軸2が
ロックする等してVベルトプーリ本体5と出力ディスク
6との間に設定トルク以上のトルク差が生じた際にVベ
ルトプーリ本体5の回転速度の低下を抑えることができ
るので、Vベルトプーリ本体5とVベルトとの間で速度
差が生じることはない。これにより、Vベルトプーリ本
体5とVベルトとの間で滑りが発生することはなく、V
ベルトに摩耗および破断が生じることはない。
【0047】〔第1実施例の効果〕以上のように、本実
施例のリミッター機構を備えたVベルトプーリ装置は、
少なくとも出力ディスク6の使用材料を鉄系の金属材料
よりも安価で軽量な樹脂材料へ変更しているので、Vベ
ルトプーリ装置の軽量化および低コスト化を達成するこ
とができる。また、リミッター機構をVベルトプーリ本
体5および出力ディスク6に一体的に設けることによ
り、Vベルトプーリ装置の主要部品の他にリミッター機
構を構成する多板の摩擦部材等が不要となる。これによ
り、リミッター機構の部品点数を低減でき、組付工数を
低減できるので、更に製品価格を低減することができ
る。
【0048】そして、リミッター機構を構成する複数個
の凹状部7および複数本のピン部8をVベルトプーリ本
体5の筒壁部11の内周に収まる軸方向寸法としている
ので、Vベルトプーリ本体5の軸方向寸法よりも大きく
なってしまう多板式の摩擦部材を備えた従来のVベルト
プーリ装置と比較して、軸方向寸法を縮小化することが
でき、リミッター機構を備えたVベルトプーリ装置のサ
イズをコンパクト化することができる。
【0049】ここで、リミッター機構を備えたVベルト
プーリ装置が、コンプレッサ1以外の種々なエンジン補
機(例えばオルタネータ、ウォータポンプ、油圧ポンプ
等)と共通のVベルトにて、エンジンからの回転動力が
伝達されるように構成されている場合でも、Vベルトプ
ーリ本体5と出力ディスク6との間に設定トルク以上の
トルク差が生じた際に瞬時にリミッター作動が完了す
る。これにより、Vベルトの摩耗や破断を防止できるの
で、自動車等の車両の走行不能という重大な故障を引き
起こすことはない。
【0050】〔第2実施例〕図5ないし図8は本発明の
第2実施例を示したもので、図5ないし図7はリミッタ
ー機構を備えたVベルトプーリ装置の全体構成を示した
図で、図8はVベルトプーリ本体と複数個のゴムダンパ
ーを示した図である。
【0051】本実施例のVベルトプーリ本体5の複数個
の肉厚部35にそれぞれ設けられた複数個(本例では8
個)の凹状部7は、略長方形状の中空部を成し、Vベル
トプーリ本体5の側壁部32の周方向(同一円周上)に
等間隔(例えば45°間隔)で配設され、開口側に伝達
穴37を有し、奥側に、伝達穴37の内径よりも小さい
嵌合穴38を有している。なお、伝達穴37の穴壁面に
は、略U字形状のゴムダンパー9の回転方向の両側壁部
分にそれぞれ当接することで通常作動時にトルクをゴム
ダンパー9に伝える凸部37a、37bが形成されてい
る。
【0052】そして、凹状部7の伝達穴37と嵌合穴3
8との間には、ゴムダンパー9の軸方向の位置ずれを防
止するためにゴムダンパー9の一端部を係止する段差
(係止部)39、および伝達穴37と嵌合穴38とを結
ぶ中間穴40が形成されている。なお、凹状部7は、伝
達穴37、中間穴40、嵌合穴38の順で内径が小さく
なるように形成されている。また、肉厚部(リブ部)3
5よりも肉厚が薄い肉薄部36は、材料費軽減のために
設けられている。
【0053】本実施例の出力ディスク6に設けられた複
数個(本例では8個)のピン部8は、それぞれ長方形状
(平板状)に形成され、側壁部22に形成された略円環
状のスリット45の内側より軸方向に突出し、Vベルト
プーリ本体5の凹状部7の伝達穴37内に緩やかに嵌め
合わされる根元部分、および凹状部7の嵌合穴38に緩
やかに嵌め合わされる先端部分を有している。
【0054】また、側壁部22の外周部の外側端面に
は、複数本のピン部8に対応した箇所に、上記のスリッ
ト45を伴って、Vベルトプーリ本体5に衝撃トルクが
発生した際に、ピン部8をその根元部分で破損させる
(折る)ことにより、出力ディスク6の側壁部22と複
数本のピン部8とを分離するための針形状のスリット4
6が形成されている。
【0055】本実施例の複数個のゴムダンパー9は、略
U字形状となるように一体成形されている。これらのゴ
ムダンパー9は、開口部分がVベルトプーリ本体5の側
壁部22の径方向の外方に位置し、閉塞部分がVベルト
プーリ本体5の側壁部22の径方向の内方に位置し、両
側壁部分が凸部37a、37bに当接して保持されてお
り、Vベルトプーリ本体5の複数個の凹状部7の伝達穴
37の内周と出力ディスク6の複数本のピン部8の根元
部分の外周との間に挟み込まれている。
【0056】通常作動時には、Vベルトを介してVベル
トプーリ本体5の筒壁部11にエンジンの回転動力(ト
ルク)が伝達されると、ゴムダンパー9を介してVベル
トプーリ本体5の複数個の凹状部7の伝達穴37の凸部
37a、37bから複数本のピン部8の根元部分付近の
荷重点Aがトルク伝達による力を受ける。これにより、
ゴムダンパー9を介してVベルトプーリ本体5から出力
ディスク6へのトルクの伝達が成される。
【0057】また、リミッター作動時、すなわち、Vベ
ルトプーリ本体5と出力ディスク6との間に設定トルク
以上のトルク差が生じた時には、Vベルトプーリ本体5
の複数個の凹状部7の嵌合穴38の内周から出力ディス
ク6の複数本のピン部8の先端部分の荷重点Bがトルク
伝達による力を受ける。
【0058】すると、出力ディスク6の複数本のピン部
8の根元部分に多大な応力が加わり、複数本のピン部8
の根元部分が破損する。これにより、Vベルトプーリ本
体5から出力ディスク6へのトルクの伝達が遮断される
ので、エンジンからコンプレッサ1の駆動軸2への動力
伝達経路が遮断される。
【0059】〔第3実施例の構成〕図9ないし図12は
本発明の第3実施例を示したもので、図9(a)〜図9
(c)はゴムダンパーを示した図で、図10および図1
1はVベルトプーリ本体(ロータ)の全体構成を示した
図で、図12(a)は出力ディスクの全体構成を示した
図で、(b)は出力ディスクの主要構成を示した図であ
る。
【0060】本実施例のVベルトプーリ本体(ロータ)
5の側壁部12の肉厚部15内には、複数個(本例では
6個)の凹状部7がそれぞれ形成されている。これらの
凹状部7の周方向の両内壁面は、径方向の内径側から外
径側に向かって徐々に間隔が拡がるように傾斜してい
る。
【0061】そして、複数個の凹状部7の周方向の両内
壁面には、ゴムダンパー9に圧縮変形を与えるための一
対の突起部(伝達部)51が設けられている。これらの
突起部51は、通常作動時のトルク伝達を行うと共に、
リミッター作動時にピン部8にトルク伝達を行う伝達部
として機能する。そして、一対の突起部51には、凹状
部7の奥側から開口側に向けて一対の突起部51間の隙
間(間隔)が徐々に拡がるようにテーパ部52が設けら
れ、ゴムダンパー9を凹状部7内に挿入し易くしてい
る。なお、テーパ部52を含む突起部51の形状を球面
形状にしても良い。
【0062】そして、複数個の凹状部7の径方向の外径
側端部で、且つ周方向の両端部には、ゴムダンパー9の
外径側を保持するための一対の第1保持部(R部)53
が設けられている。また、複数個の凹状部7の径方向の
内径側端部で、且つ周方向の両端部には、ゴムダンパー
9の内径側を保持するための一対の第2保持部(R部)
54が設けられている。なお、これらの第1、第2保持
部53、54は、R形状の内壁面を有している。
【0063】そして、複数個の凹状部7の径方向の外径
側端面は、ゴムダンパー9の外径側端面との間に第1空
隙55が形成され、また、複数個の凹状部7の径方向の
内径側端面は、ゴムダンパー9の内径側端面との間に第
2空隙56が形成されている。なお、凹状部7とゴムダ
ンパー9との第1、第2空隙55、56の大きさを変更
することにより、ゴムダンパー9のバネ特性(ダンパー
特性)を変えることができる。
【0064】そして、本実施例の出力ディスク6の側壁
部22の外周部の端面からは、複数個の凹状部7内に差
し込まれる複数本(本例では6本)のピン部8が軸方向
に突出している。これらのピン部8の根元部分および中
間部分は平板形状の断面を有し、その先端部分は円形状
の断面を有する。
【0065】そして、複数本のピン部8の根元部分の周
方向の両外壁面には、先端側に向けて外径が漸減するよ
うに一対のテーパ部61が設けられている。また、複数
本のピン部8の中間部分には、ゴムダンパー9の中空部
71内に挿入される被挿入部62が設けられている。そ
の被挿入部62の周方向の両外壁面は、ゴムダンパー9
の内壁面に当接する。さらに、複数本のピン部8の先端
部分には、ゴムダンパー9の丸穴部72内に嵌め込まれ
る円柱形状の頭部(本発明の被嵌合部に相当する)63
が設けられている
【0066】そして、Vベルトプーリ本体5の複数個の
凹状部7の内壁面と出力ディスク6の複数本のピン部8
の外壁面との間に挟み込まれるゴムダンパー9は、例え
ば塩素化ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴ
ム等を所定の形状となるように一体成形されている。
【0067】ゴムダンパー9の径方向の外径側端部で、
且つ周方向の両端部には、一対の第1保持部53に保持
固定される一対の第1被保持部73が一対の第1保持部
53の内壁面形状に対応した形状に形成されている。ま
た、ゴムダンパー9の径方向の内径側端部で、且つ周方
向の両端部には、一対の第2保持部54に保持固定され
る一対の第2被保持部74が一対の第2保持部54の内
壁面形状に対応した形状に形成されている。
【0068】そして、ゴムダンパー9には、凹状部7の
周方向の両内壁面(一対の突起部51)に当接する一対
の側壁部75が設けられている。これらの側壁部75の
外壁面は、径方向の内径側から外径側に向かって徐々に
両側壁部75の外形線の間隔が拡がるように傾斜してい
る。また、一対の側壁部75の内壁面(対向面)は、径
方向の内径側から外径側に向かって徐々に両側壁部75
の外形線の間隔が拡がるように傾斜している。なお、一
対の側壁部75の内壁面の傾斜よりも外壁面の傾斜の方
が大きい。さらに、一対の側壁部75の内壁面の開口側
には、奥側から開口側に向けて間隔が漸増するように一
対のテーパ部76が設けられている。
【0069】そして、ゴムダンパー9の一対の側壁部7
5の奥側には、略中央部分に丸穴部72が形成された底
壁部(連結部)77が一体的に形成されている。この底
壁部77の奥側面は、凹状部7の奥側の底壁面に当接す
ると共に、丸穴部72内にピン部8の頭部63が差し込
まれる。そして、一対の側壁部75の内壁面と底壁部7
7の底壁面との間には、ピン部8の一対のテーパ部61
および被挿入部62よりも周方向の寸法がやや小さく、
径方向の内径側から外径側に貫通した中空部71が設け
られている。
【0070】〔第3実施例の組付方法〕次に、本実施例
のVベルトプーリ本体(ロータ)5に出力ディスク6お
よびゴムダンパー9を組み付ける組付方法を図9ないし
図12に基づいて簡単に説明する。
【0071】先ず、複数個のゴムダンパー9を、Vベル
トプーリ本体(ロータ)5の側壁部12の肉厚部15に
形成された複数個の凹状部7内に差し込む(図10の二
点鎖線を参照)。ここで、凹状部7の内壁面には、後で
ゴムダンパー9に圧縮変形を与えるために一対の突起部
51が設けられているが、一対の突起部51の開口側に
は一対のテーパ部52が設けられているので、ゴムダン
パー9を凹状部7内に挿入し易くなっている。
【0072】また、ゴムダンパー9の第1、第2被保持
部73、74が凹状部7の第1、第2保持部53、54
に強固に保持されることにより、ゴムダンパー9が凹状
部7から脱落することはなく、また、ゴムダンパー9に
遠心力に対する抵抗力を具備させることもできる。
【0073】次に、出力ディスク6の側壁部22をVベ
ルトプーリ本体5の側壁部12に近づけて、複数本のピ
ン部8をピン部8の一対のテーパ部61がゴムダンパー
9の一対のテーパ部76に当接するまで、複数個の凹状
部7(ゴムダンパー9の中空部71)内に差し込む。
【0074】このとき、ゴムダンパー9の一対の側壁部
75の内壁面の開口側に設けた一対のテーパ部76によ
って、ピン部8の頭部63および被挿入部62がスムー
ズに差し込まれ、更に、ピン部8の頭部63がゴムダン
パー9の底壁部77の略中央部分に設けた丸穴部72に
嵌め合わされる。
【0075】このように、出力ディスク6をVベルトプ
ーリ本体5に組み付けることによって、出力ディスク6
をVベルトプーリ本体5に装着すると同時に、凹状部7
の内壁面に形成された一対の突起部51とピン部8の被
挿入部62の外壁面との間にゴムダンパー9が挟み込ま
れてゴムダンパー9の一対の側壁部75に圧縮変形が与
えられる。なお、出力ディスク6のピン部8にゴムダン
パー9を先に装着してから、出力ディスク6のピン部8
およびゴムダンパー9をVベルトプーリ本体5の凹状部
7内に嵌め込むようにしても良い。
【0076】〔第3実施例の効果〕以上により、本実施
例のリミッター機構を備えたVベルトプーリ装置におい
ては、簡単に出力ディスク6のピン部8を凹状部7に挿
入し易くなるので、組付作業性、生産性を向上すること
ができる。
【0077】また、Vベルトプーリ本体5の凹状部7内
にゴムダンパー9を挿入した際に、凹状部7の4隅に設
けられた第1、第2保持部53、54内に、ゴムダンパ
ー9の4隅に設けられた第1、第2被保持部73、74
が保持固定されるので、容易にゴムダンパー9を保持で
きる。それによって、生産性を向上でき、且つ品質面を
も向上することができる。
【0078】〔変形例〕本実施例では、本発明を、自動
車等の車両に搭載されるエンジンによりベルト駆動され
るVベルトプーリ装置に適用した例を説明したが、本発
明を、工場等の定位置に置かれる内燃機関や電動モータ
等の駆動源によりベルト駆動または出力軸により直接駆
動される動力伝達装置に適用しても良い。また、本実施
例では、多段式のVベルトプーリ(Vリブドプーリ)を
用いたが、1個のV溝を有するVベルトプーリを用いて
も良い。この場合には、Vベルトプーリに対応した形状
のVベルトを使用する。
【0079】本実施例では、駆動側回転体としてエンジ
ンによりベルト駆動されるVベルトプーリ本体5を適用
し、従動側回転体としてコンプレッサ1の駆動軸2を直
接駆動する出力ディスク6を適用した例を説明したが、
駆動側回転体として駆動源の出力軸に装着されるハブ部
材を用い、従動側回転体として回転装置の回転軸に装着
されたプーリに掛け渡されるベルトにトルクを伝達する
プーリを用いても良い。例えばコンプレッサが故障した
ら、コンプレッサ専用ベルトの駆動を停止すれば良いの
で、エンジンのクランク軸に装着されたハブ部材(駆動
側回転体)とコンプレッサ専用ベルトが掛けられるクラ
ンクプーリ(従動側回転体)との動力伝達経路を遮断す
る。
【0080】本実施例では、本発明を、車両用空調装置
の冷凍サイクルの一構成部品を成すコンプレッサ1を常
時駆動するリミッター機構を備えたVベルトプーリ装置
(動力伝達装置)に適用した例を説明したが、本発明
を、その他の回転装置(例えばオルタネータ、ウォータ
ポンプ、油圧ポンプ、ブロワまたはファン)を常時駆動
するリミッター機構を備えた動力伝達装置に適用しても
良い。
【0081】本実施例では、根元部分から先端部分にか
けて同一の外径とされた丸棒状または平板状のピン部8
を設けた例を説明したが、図13に示すように、Vベル
トプーリ本体5の凹状部7の伝達穴17内に緩やかに嵌
め合わされる根元部分から凹状部7の嵌合穴18に緩や
かに嵌め合わされる先端部分へ向かって徐々に外径が大
きくなるようにそれぞれ円錐台形状に形成されたピン部
8を設けて、リミッター作動時に根元部分で折れ易くし
ても良い。また、ピン部8の外形形状の変更に応じて凹
状部7の中空形状を変更しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】Vベルトプーリ装置の主要構成を示した断面図
である(第1実施例)。
【図2】Vベルトプーリ装置の全体構成を示した平面図
である(第1実施例)。
【図3】図2のA−A断面図である(第1実施例)。
【図4】Vベルトプーリ本体と複数個のゴムダンパーを
示した平面図である(第1実施例)。
【図5】Vベルトプーリ装置の全体構成を示した平面図
である(第2実施例)。
【図6】図5のB−B断面図である(第2実施例)。
【図7】図5のC−C断面図である(第2実施例)。
【図8】Vベルトプーリ本体と複数個のゴムダンパーを
示した平面図である(第2実施例)。
【図9】(a)はゴムダンパーを示した側面図で、
(b)はゴムダンパーを示した平面図で、(c)は
(b)のD−D断面図である(第3実施例)。
【図10】Vベルトプーリ本体(ロータ)の全体構成を
示した平面図である(第3実施例)。
【図11】図10のE−E断面図である(第3実施
例)。
【図12】(a)は出力ディスクの全体構成を示した平
面図で、(b)は出力ディスクの主要構成を示した側面
図である(第3実施例)。
【図13】Vベルトプーリ装置の主要構成を示した断面
図である(変形例)。
【符号の説明】
1 コンプレッサ(回転装置) 2 駆動軸(回転軸) 5 Vベルトプーリ本体(駆動側回転体) 6 出力ディスク(従動側回転体) 7 凹状部(凹状嵌合部) 8 ピン部(凸状嵌合部) 9 ゴムダンパー(ゴム系の弾性体) 25 スリット 26 スリット 45 スリット 46 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 敏弘 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 佐伯 学 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 大口 純一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動源により回転駆動されて環板状の駆動
    側回転体と回転装置の回転軸に連結されて環板状の従動
    側回転体との間にゴム系の弾性体が装着され、 前記駆動側回転体と前記従動側回転体との間に設定トル
    ク以上のトルク差が生じた際に、前記駆動側回転体から
    前記従動側回転体へのトルクの伝達を遮断するリミッタ
    ー機構を備えた動力伝達装置であって、 前記駆動側回転体は、開口側から奥側に向けて軸方向に
    形成された凹状嵌合部を有し、 前記従動側回転体は、根元側から先端側に向けて軸方向
    に突出するように延長されて、前記凹状嵌合部内に緩や
    かに嵌め合わされる凸状嵌合部を有し、 前記弾性体は、前記凹状嵌合部の開口側の内周と前記凸
    状嵌合部の根元側の外周との間に挟み込まれていること
    を特徴とする動力伝達装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の動力伝達装置において、 前記従動側回転体には、前記駆動側回転体と前記従動側
    回転体との間に設定トルク以上のトルク差が生じた際
    に、前記凸状嵌合部の根元部分で折れるようにスリット
    が形成されていることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の動力伝達
    装置において、 前記駆動側回転体は、鉄系の金属材料または樹脂材料に
    より所定の形状に一体成形され、 前記従動側回転体は、熱可塑性樹脂材料または熱硬化性
    樹脂材料により所定の形状に一体成形されたことを特徴
    とする動力伝達装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のうちのいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記凹状嵌合部は、複数個設けられ、前記駆動側回転体
    の周方向に所定の間隔で配設され、 前記凸状嵌合部は、複数個設けられ、前記従動側回転体
    の周方向に前記凹状嵌合部と略同一の間隔で配設され、 前記弾性体は、複数個設けられ、前記複数個の凹状嵌合
    部の開口側の内周と前記複数個の凸状嵌合部の根元側の
    外周との間にそれぞれ挟み込まれていることを特徴とす
    る動力伝達装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のうちのいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記凹状嵌合部の周方向の両内壁面には、前記弾性体に
    圧縮変形を与えるための一対の突起部が設けられ、 これらの突起部には、前記凹状嵌合部の奥側から開口側
    に向けて前記一対の突起部間の隙間が徐々に拡がるよう
    にテーパ部が設けられていることを特徴とする動力伝達
    装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のうちのいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記凹状嵌合部の径方向の外径側端部で且つ周方向の両
    端部には、前記弾性体を保持する一対の保持部が設けら
    れ、 前記弾性体の径方向の外径側端部で且つ周方向の両端部
    には、前記一対の保持部に保持される一対の被保持部が
    設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項5のうちのいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記弾性体には、前記凹状嵌合部の周方向の両内壁面に
    当接する一対の側壁部、これらの側壁部の奥側に設けら
    れて、略中央部分に穴部を有する底壁部、および前記一
    対の側壁部の内壁面と前記底壁部の底壁面との間に形成
    された中空部が設けられ、 前記凸状嵌合部の根元部分には、先端側に向けて外径が
    漸減するようにテーパ部が設けられ、前記凸状嵌合部の
    中間部分には、前記弾性体の中空部内に挿入される被挿
    入部が設けられ、前記凸状嵌合部の先端部分には、前記
    弾性体の穴部内に嵌め込まれる被嵌合部が設けられてい
    ることを特徴とする動力伝達装置。
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