JP2008021732A - 圧力異常原因判定方法,圧力異常原因判定システム,真空処理装置,記録媒体 - Google Patents

圧力異常原因判定方法,圧力異常原因判定システム,真空処理装置,記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】処理室内の圧力異常の原因を的確に判定する。
【解決手段】処理室内の圧力を調整するためのバルブを制御して処理室内の圧力を目標値に調整し,バルブを閉じて圧力チェックを開始し,そこから所定の圧力チェック時間分の処理室内の圧力データを取得し(例えば圧力データ収集),圧力データの時間変化を示す波形の識別を行い,その結果に基づいて処理室内の圧力の異常原因を判定する(例えばリーク異常判定,アウトガス異常判定,圧力異常原因判定)。
【選択図】図5

Description

本発明は,圧力異常原因判定方法,圧力異常原因判定システム,真空処理装置,記録媒体に関する。
半導体デバイスの製造においては,被処理基板例えば半導体ウエハに対して所定の減圧下で酸化,拡散,CVD,アニールなどの処理を施すために,半導体製造装置の一種である真空処理装置が使用されている。この真空処理装置は,被処理基板を密閉可能な処理室内に収容し,この処理室内を排気系により減圧して半導体ウエハに所定の処理を施すように構成されている。
従来,このような真空処理装置においては,処理開始前に処理室の気密性不足による外気の流入(以下,「リーク」という)の有無を確認するためのリークチェック(漏れ検査)が行われており,このリークチェックの方法として,例えばビルドアップ法(放置法,圧力上昇法)が採用されていた。このビルドアップ法では,処理室内の圧力を目標値に調整してから,排気弁を閉じ,その後の処理室内の圧力上昇状況から処理室にリークがあるかないかを判定する。
また,下記特許文献1には,高真空質量分析装置を用いてリークチェックを行う技術が記載されている。さらに,下記特許文献2には,酸素分圧計により酸素分圧を計測し,この酸素分圧に基づいて処理室のリークの有無をチェックする技術が記載されている。
このようにして処理室にリークがあると判定した場合は,以降の作業を停止し,リーク箇所の特定とそのメンテナンスを行う。リークがないと判定した場合は,そのまま,又は処理室内の再排気を行って所定の圧力に調整してから半導体ウエハに対するプロセス処理を開始する。
特開平8−45856号公報 特開2001−330534号公報
ところで,処理室内に反応生成物や反応副生成物が堆積している場合,処理室内を減圧していくとこれらからガスが発生することがある(アウトガス異常)。このガスの発生は処理室の圧力異常(圧力上昇)の原因となり得る。このため,たとえ上記のように処理室のリークチェックを行って処理室内の圧力異常を検出したとしても,その圧力異常が必ずしも処理室の気密性不足を原因とするリーク異常のみに起因するとは限らず,処理室内で発生するガスを原因とするアウトガス異常に起因する場合もある。従って,処理室内の圧力上昇量を検出するだけでリークチェックを行っても,リーク異常を正確に検出できない場合があることがわかった。
従来の方法では,リークチェックによって処理室内の圧力上昇を検出した場合には,リーク異常であることを前提に処理室のメンテナンスを行うため,そのメンテナンスで処理室の各部をいくら検査してもリーク箇所を見つけられず,その後の別の詳細な調査によって処理室内でガス(アウトガス)が発生していることが明らかになるということもあった。
このように,従来のように単に処理室内の圧力上昇量だけでリーク異常を判断するのでは,真の原因がわからないままメンテナンスを行うことになり,原因究明のための試行錯誤を繰り返すおそれがあった。この場合,メンテナンス時間が長くなり,結果として真空処理装置の稼働率低下を招いてしまうという問題がある。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,処理室内の圧力異常の原因を的確に判定することができる圧力異常原因判定方法等を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,処理室内に配置した被処理基板に所定の処理を施す真空処理装置において前記処理室内の圧力の異常原因を判定する方法であって,前記処理室内の圧力を調整するためのバルブを制御して前記処理室内の圧力を目標値に調整し,前記バルブを閉じて圧力チェックを開始し,そこから所定の圧力チェック時間分の前記処理室内の圧力データを取得する圧力データ取得工程と,前記圧力データの時間変化を示す波形の識別を行い,その結果に基づいて前記処理室内の圧力の異常原因を判定する判定工程とを有することを特徴とする圧力異常原因判定方法が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,処理室内に配置した被処理基板に所定の処理を施す真空処理装置であって,前記処理室内の圧力を調整するためのバルブと,前記処理室内の圧力を測定するための圧力センサと,前記圧力センサで測定して得られる圧力データを記憶する記憶手段と,前記バルブを制御して前記処理室内の圧力を目標値に調整し,前記バルブを閉じて圧力チェックを開始し,そこから所定の圧力チェック時間分の前記処理室内の圧力データを前記圧力センサにて測定し,前記記憶手段に記憶し,この圧力データの時間変化を示す波形の識別を行い,その結果に基づいて前記処理室内の圧力の異常原因を判定する異常原因判定処理を行う制御部と,を有することを特徴とする真空処理装置が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,処理室内に配置した被処理基板に所定の処理を施す真空処理装置と,データ処理装置とをネットワークで接続し,前記真空処理装置における処理室内の圧力の異常原因を判定する圧力異常原因判定システムであって,前記真空処理装置は,前記処理室内の圧力を調整するためのバルブを制御して前記処理室内の圧力を目標値に調整し,前記バルブを閉じて圧力チェックを開始し,そこから所定の圧力チェック時間分の前記処理室内の圧力データを取得して,この圧力データを前記ネットワークを介して前記データ処理装置に送信し,前記データ処理装置は,前記圧力データを受信すると,その圧力データの時間変化を示す波形の識別を行い,その結果に基づいて前記処理室内の圧力の異常原因を判定することを特徴とする圧力異常原因判定システムが提供される。
本発明者らは,種々の実験に基づいて,圧力チェック時間における処理室内の圧力の時間変化を示す圧力波形には圧力異常の原因に応じて異なる特徴があることを見出した。本発明は,この圧力波形の特徴の相違に基づいて処理室内圧力の異常原因を判定するものである。具体的には例えば,処理室内の気密性不足を原因とするリーク異常の判定と,前記処理室内で発生するガスを原因とするアウトガス異常の判定とを,前記各異常原因による前記圧力データ波形の特徴の相違に基づいて行う。これにより,処理室内圧力の異常を検出できるだけでなく,圧力異常があった場合にその原因を特定することができる。
また,上記リーク異常の判定は,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データ波形部分から得られる圧力上昇率に基づいて行い,前記アウトガス異常の判定は,前記圧力上昇率と,圧力チェック開始から圧力チェック終了までの前記圧力データ波形全体から得られる圧力上昇量との相関関係に基づいて行うことが好ましい。
この場合,上記アウトガス異常の判定は,前記圧力上昇率にて圧力チェック開始から圧力チェック終了まで圧力が上昇したと仮定した場合における仮想圧力データ波形全体から得られる仮想の圧力上昇量と,圧力チェック開始から圧力チェック終了までの前記圧力データ波形全体から得られる実際の圧力上昇量との差に基づいて行うようにしてもよい。また,上記アウトガス異常の判定は,圧力チェック開始から所定時間が経過する前後の圧力データ波形部分から得られる圧力上昇率の差に基づいて行うようにしてもよい。
このような本発明にかかるリーク異常判定工程によれば,アウトガス異常が発生しているか否かに拘わらず,リーク異常を正確に判定することができる。また,リーク異常判定工程のみならず,アウトガス異常判定工程についても行うため,リーク異常が発生しているか否かに拘わらず,アウトガス異常を正確に判定することができる。これにより,処理室内の圧力異常原因を正確に判定することができる。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,処理室内に配置した被処理基板に所定の処理を施す真空処理装置において前記処理室内の圧力の異常原因を判定する方法であって,前記処理室内の圧力を調整するためのバルブを制御して前記処理室内の圧力を目標値に調整し,前記バルブを閉じて圧力チェックを開始し,そこから所定の圧力チェック時間分の前記処理室内の圧力データを取得する圧力データ取得工程と,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データの部分から算出される圧力上昇率が所定の閾値を超えているか否か判断し,前記所定の閾値を超えていると判断した場合には,前記処理室内の気密性不足を原因とするリーク異常が発生していると判定するリーク異常判定工程と,を有することを特徴とする圧力異常原因判定方法が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,処理室内に配置した被処理基板に所定の処理を施す真空処理装置であって,前記処理室内の圧力を調整するためのバルブと,前記処理室内の圧力を測定するための圧力センサと,前記圧力センサで測定して得られる圧力データを記憶する記憶手段と,前記バルブを制御して前記処理室内の圧力を目標値に調整し,前記バルブを閉じて圧力チェックを開始し,そこから所定の圧力チェック時間分の前記処理室内の圧力データを前記圧力センサにて測定し,前記記憶手段に記憶する圧力データ取得処理と,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データの部分から算出される圧力上昇率が所定の閾値を超えているか否か判断し,前記所定の閾値を超えていると判断した場合には,前記処理室内の気密性不足を原因とするリーク異常が発生していると判定するリーク異常判定処理と,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データの部分から算出される圧力上昇率と,圧力チェック開始から圧力チェック終了までの前記圧力データの全体から算出される圧力上昇量との相関関係を分析して得られる一定の相関から外れるか否かを判断し,前記一定の相関から外れると判断した場合には,前記処理室内で発生するガスを原因とするアウトガス異常が発生していると判定するアウトガス異常判定処理とを実行する制御部と,を備えることを特徴とする真空処理装置が提供される。
このように,本発明では処理室内にリーク異常が発生しているか否かについては,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の圧力データの部分から算出される圧力上昇率に基づいて判定する。アウトガス異常の場合には,たとえ処理室内でガスが発生しても,所定時間が経過した後にはガス発生による圧力上昇は収まってくる。従って,所定時間が経過した後の圧力データの部分から算出される圧力上昇率が所定の閾値を超えているか否かをチェックすることによって,アウトガス異常が発生している場合と識別できるので,処理室内にリーク異常が発生しているか否かを正確に判定することができる。なお,所定時間が経過した後の圧力データ波形の傾きが大きいほど,処理室内への外気の流入量が多いと判定するようにしてもよい。
さらに,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データの部分から算出される圧力上昇率と,圧力チェック開始から圧力チェック終了までの前記圧力データの全体から算出される圧力上昇量との相関関係を分析して得られる一定の相関から外れるか否かを判断し,前記一定の相関から外れると判断した場合には,前記処理室内で発生するガスを原因とするアウトガス異常が発生していると判定するアウトガス異常判定工程を行うようにしてもよい。なお,この場合には上記一定の相関から外れる度合いが大きいほど,処理室内で発生するガスの量が多いと判定するようにしてもよい。
また,上記アウトガス異常判定工程は,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データの部分から算出される圧力上昇率に圧力チェック時間をかけ算して得られる仮想の圧力上昇量と,圧力チェック開始から圧力チェック終了までの前記圧力データの全体から算出される実際の圧力上昇量との差が,所定の閾値を超えているか否かを判断し,所定の閾値を超えていると判断した場合は,前記処理室内で発生するガスを原因とするアウトガス異常が発生していると判定するようにしてもよい。
また,上記アウトガス異常判定工程は,圧力チェック開始から所定時間が経過する前後の圧力データの部分から算出される圧力上昇率の差が所定の閾値を超えていると判断した場合は,前記処理室内で発生するガスを原因とするアウトガス異常が発生していると判定するようにしてもよい。なお,この場合には所定時間が経過した後の圧力データ部分の圧力上昇率に対して所定時間が経過する前の圧力データ部分の圧力上昇率が大きいほど,処理室内で発生するガスの量が多いと判定するようにしてもよい。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,被処理基板に所定の処理を施す処理室と,前記処理室内の圧力を調整するためのバルブと,前記処理室内の圧力を測定するための圧力センサと,前記圧力センサで測定して得られる圧力データを記憶する記憶手段とを備える真空処理装置において,コンピュータに前記処理室内の圧力の異常原因判定処理を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって,前記異常原因判定処理は,前記バルブを制御して前記処理室内の圧力を目標値に調整し,前記バルブを閉じて圧力チェックを開始し,そこから所定の圧力チェック時間分の前記処理室内の圧力データを前記圧力センサにて測定し,前記記憶手段に記憶する圧力データ取得ステップと,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データの部分から算出される圧力上昇率が所定の閾値を超えているか否か判断し,前記所定の閾値を超えていると判断した場合には,前記処理室内の気密性不足を原因とするリーク異常が発生していると判定するリーク異常判定ステップと,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データの部分から算出される圧力上昇率と,圧力チェック開始から圧力チェック終了までの前記圧力データの全体から算出される圧力上昇量との相関関係を分析して得られる一定の相関から外れるか否かを判断し,前記一定の相関から外れると判断した場合には,前記処理室内で発生するガスを原因とするアウトガス異常が発生していると判定するアウトガス異常判定ステップと,を有することを特徴とする記録媒体が提供される。
本発明によれば,処理室内の圧力異常の原因を的確に判定することができる。また,アウトガス異常が発生しているか否かに拘わらず,リーク異常が発生しているか否かを正確に判定することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1実施形態にかかる熱処理装置の構成例)
まず,本発明にかかる真空処理装置を縦型熱処理装置(以下,単に「熱処理装置」ともいう)に適用した場合の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は,本実施形態にかかる熱処理装置の概略構成を示す断面図である。熱処理装置100は,図1に示すように,ウエハWに対してプロセス処理を行うための処理室122を備える。処理室122は反応管110とマニホールド112により構成される。
反応管110は,石英で作られた内管110a及び外管110bより成る二重管構造により構成され,反応管110の下側には金属性の筒状のマニホールド112が設けられている。内管110aは上端が開口しており,マニホールド112に支持されている。外管110bは有天井に形成され,下端がマニホールド112の上端に気密に接合されている。
反応管110内には,多数枚,例えば150枚の被処理基板としてのウエハWが水平な状態で,上下に所定の間隔をおいてウエハ保持具であるウエハボート114に棚状に配置されている。このウエハボート114は蓋体116の上に保温筒(断熱体)118を介して保持されている。
蓋体116は,ウエハボート114を反応管110内に搬入,搬出するためのボートエレベータ120の上に搭載されており,上限位置にあるときには反応管110とマニホールド112とで構成される処理室122の下端開口部を閉塞する役割を有するものである。
反応管110の周囲には,例えば,抵抗体より成るヒータ130が設けられている。ヒータ130は,例えば5段に配置されたヒータユニット132a〜132eから構成される。ヒータユニット132a〜132eには,電力コントローラ134a〜134eからそれぞれ独立して電力が供給される。
内管110aの内面には,垂直方向に一列に例えば5つの内部温度センサSTinが配置されている。内部温度センサSTinは,半導体ウエハWの金属汚染を防止するため,例えば,石英のパイプ等によりカバーされている。同様に,外管110bの外面には,垂直方向に一列に例えば5つの外部温度センサSToutが配置されている。これら,内部温度センサSTinと外部温度センサSToutは,例えば熱電対で構成される。
また,マニホールド112には,例えばジクロルシラン,アンモニア,窒素ガスを処理室122内に供給するように複数のガス供給管が設けられている。図1では,理解を容易にするため,3本のガス供給管140a〜140cを示している。各ガス供給管140a〜140cには,ガス流量を調整するためのマスフローコントローラ(MFC)などの流量調整部142a〜142cが備えられている。
さらに,マニホールド112には,内管110aと外管110bとの隙間から,反応管110内を排気するように排気管150が接続されている。この排気管150は,反応管110内の圧力を調整するためのコンビネーションバルブ,バタフライバルブ,及びバルブ駆動部などを含む圧力調整部152を介して,真空ポンプ154に接続されている。
また,排気管150には,処理室122内の圧力を検出して,圧力調整部152をフィードバック制御するための圧力センサSPが設けられている。圧力センサSPとしては,外気圧の変化の影響を受けにくい絶対圧型を用いることが好ましいが,差圧型を用いてもよい。
この熱処理装置100は,反応管110内の処理雰囲気の温度,ガス流量,圧力といった処理パラメータを制御するための制御部200を備えている。制御部200は,ウエハのプロセス処理を実行する前に,圧力センサSPからの圧力検出信号に基づいて,後述する圧力異常原因判定処理を含む圧力チェック処理を行う。また,ウエハのプロセス処理の際には,内部温度センサSTinと外部温度センサSToutから温度検出信号を取り込むとともに,圧力センサSPから圧力検出信号を取り込み,これらの検出信号に基づいてヒータ130の電力コントローラ134a〜134e,圧力調整部128,流量調整部144〜146等を制御する。
(制御部の構成例)
ここで,上記制御部200の具体的な構成例について図面を参照しながら説明する。図2は,制御部200の具体的な構成例を示すブロック図である。図2に示すように,制御部200は,制御部本体を構成するCPU(中央処理装置)210,CPU210が処理を行うために必要なデータを記憶するROM(リード・オンリ・メモリ)220,CPU210が行う各種データ処理のために使用されるメモリエリア等を設けたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)230,時間を計時するカウンタなどで構成される計時手段240,操作画面や選択画面などを表示する液晶ディスプレイなどで構成される表示手段250を備える。
また,制御部200は,オペレータによるプロセス・レシピの入力や編集など種々のデータの入力及び所定の記憶媒体へのプロセス・レシピやプロセス・ログの出力など各種データの出力などを行うことができる入出力手段260,熱処理装置100に漏電,温度異常,圧力異常等が発生した際に警報を発する警報器(例えばブザー)などの報知手段270,熱処理装置100の各部を制御するための各種コントローラ280,CPU210が各部を制御するためのプログラム(例えばウエハWの処理プログラム)や後述する圧力データの演算プログラム等の各種プログラムやデータを記憶するハードディスク(HDD)などの記憶手段290を備える。CPU210は,これらプログラムやデータを必要に応じて記憶手段290から読み出して使用する。
これらCPU210,ROM220,RAM230,計時手段240,表示手段250,入出力手段260,報知手段270,各種コントローラ280,及び記憶手段290は,制御バス,システムバス,データバス等のバスライン202により電気的に接続されている。
上記記憶手段290は,例えば圧力センサSPにより測定された処理室122内の圧力データを記憶するための記憶領域292,演算結果データを記憶するための記憶領域294を備える。演算結果データは,例えばCPU210が圧力データと計時手段240から得た時間データを用いて所定の演算を行って得られるデータであり,圧力チェック区間における処理室122内の圧力上昇量や圧力上昇レートなども含まれる。この演算結果データについての詳細は後述する。なお,記憶手段290は,上記の他に例えばヒータ130の温度制御に使用する内部温度センサSTinと外部温度センサSToutからの温度データを記憶するための記憶領域を備えるようにしてもよい。
(熱処理装置の動作の具体例)
ここでは本実施形態にかかる熱処理装置100の動作の具体例について図面を参照しながら説明する。まず,ボートエレベータ120によって蓋体116を上昇させて,例えば150枚のウエハWが配置されているウエハボート114と保温筒118を処理室122内に搬入し,マニホールド112の下端開口部を蓋体116で密閉する。このとき,ガス供給管140a〜140cのガス供給弁及び排気管150の排気弁は閉じられている。また,真空ポンプ154は動作していることが好ましい。
次に,制御部200の制御に従って圧力調整部152を構成するバルブを開いて,真空ポンプ154によって処理室122内を排気する。排気管150に備えられた圧力センサSPは,処理室122内の圧力を検出して,圧力検出信号を制御部200に与える。このときの処理室122内の圧力の時間変化を図3に示す。制御部200は,この圧力検出信号に基づいて圧力調整部152を制御し,処理室122内が大気圧Patmから目標圧力P0(例えば,0.01Torr(1Torr≒133.322Pa))まで低下したところで圧力調整部152を構成するバルブを閉じる。
制御部200は,処理室122内の圧力を目標圧力P0に調整した後,時刻t0から時刻t2まで(例えば3分間)を圧力チェック時間(圧力チェック区間)Δtcとして,この間に圧力異常を判定するための圧力チェック処理を行う。本実施形態にかかる圧力チェック処理では,処理室122内の圧力異常のみならず,その圧力異常の原因についても判定することができる。この圧力異常原因判定を含む圧力チェック処理の詳細については後述する。
圧力チェック時間Δtcにおいて,処理室122内の圧力異常がないと判断した場合には,以後のプロセス処理時間(プロセス処理区間)Δtpにおいて,処理室122内の圧力を適切に維持し,ウエハWに対して所定のプロセス処理,例えば減圧CVDを行う。
プロセス処理時間Δtpでは,まず,ガス供給系から処理室122内に不活性ガス例えば窒素ガスを導入して処理室122内をパージしてから,ヒータ130によって処理室122内を加熱し,ウエハWを所定の熱処理温度に調整する。次に,ガス供給系により処理室122内に所定の処理ガスを供給して,減圧CVDによる成膜処理を行う。
各ウエハWに所定の膜が形成されたところでヒータ130の動作及び処理ガスの供給を停止し,不活性ガスを処理室122内に導入して処理室122内をパージする。そして,処理室122内を大気圧に復帰させた状態で,蓋体116を降下させてウエハボート114に配置されている複数のウエハWを処理室122から搬出する。その後,ウエハWを次の処理のために別の処理装置へ移送する。
ところで,従来,処理室122内のリーク異常を検出するための圧力チェックは,圧力チェック時間Δtcにおいて処理室122内の圧力上昇量が閾値(例えば,0.03Torr)を超えるか否かというように,処理室122内の圧力上昇量のみを基準として行われていた。具体的には,制御部200は,圧力センサSPからの圧力検出信号が閾値圧力に対応するレベルに達すると,例えば熱処理装置100の動作を停止させ,表示手段250に圧力上昇(圧力異常)を表示し,報知手段270を用いて圧力異常を報知していた。すると,オペレータは熱処理装置100のメンテナンスを実行するようになっていた。この従来の圧力チェック方法は,圧力異常がリークのみに起因する場合には有効であった。
ところが,圧力チェック時間Δtcにおける処理室122内の圧力上昇の原因は,処理室122の気密性不足だけではないことが明らかになってきた。例えば処理室122内に反応生成物や反応副生成物が堆積している場合,処理室122内を例えばプロセス圧力に減圧していくと,上記反応生成物や反応副生成物を原因とするガスが処理室122内に発生することがある。この処理室122内において発生するガス(以下,「アウトガス」ともいう)が圧力チェック時間Δtcでの圧力上昇の原因となり得る。
従って,従来のように,処理室122内の圧力上昇量のみを基準としてリーク異常が発生しているか否かを判定したのでは,リーク異常を正確に検出できない。例えばリーク異常が発生していないにも拘わらず,アウトガス異常のみが発生している場合にも処理室122内の圧力は上昇するので,従来はこのような場合にもリーク異常と判定される場合があった。このような場合には,リーク異常と判定されたにも拘わらず,処理室122を調査してもリーク箇所を見つけられないため,圧力異常は解消されない。
このように,従来のように単に処理室内の圧力上昇量だけでリーク異常を判断するだけでは,真の原因がわからないままメンテナンスを行うことになり,原因究明のための試行錯誤を繰り返すおそれがあった。この場合,メンテナンス時間が長くなり,結果として真空処理装置の稼働率低下を招いてしまうという問題がある。
このような処理室122の圧力異常を早急に解消させるためには,圧力異常チェックにおいて,処理室122の圧力異常を検出するだけでなく,圧力異常の原因を正確に判定できることが求められる。そこで,発明者らは実験を重ね,その結果,圧力異常の原因によって圧力の時間変化を示す圧力波形の特徴が相違する点を見出した。以下,処理室122に処理室内の気密不足を原因とするリーク異常が発生した場合の圧力波形と,処理室122内で発生するガスを原因とするアウトガス異常が発生した場合の圧力波形との特徴の相違について,図面を参照しながら説明する。
図4Aは,処理室122にリーク異常のみが発生している場合の処理室122内の圧力の時間変化を示す波形の一例を示している。図4Aに示す圧力波形からわかるように,処理室122にリーク異常が発生すると,圧力チェック時間Δtcの開始時刻t0における目標圧力P0から終了時刻t2における圧力P2aまではほぼ一定の割合で圧力値が上昇していく。すなわち,圧力チェック時間Δtcの全体にわたり,圧力波形の傾き(圧力上昇率)が一定となる。
図4Bは,処理室122にアウトガス異常のみが発生している場合の処理室122内の圧力の時間変化を示す波形の一例を示している。図4Bに示す圧力波形からわかるように,処理室122内でアウトガス異常が発生すると,圧力チェック時間Tcの開始時刻t0から圧力が急激に上昇し,その後は比較的緩やかな圧力上昇率となる。
具体的には例えば圧力が急激に上昇した後,すなわち圧力チェック時間Tcの開始時刻t0から所定時間(例えば10s)が経過する時点を時刻t1とすると,時刻t1から圧力チェック時間Tcの終了時刻t2までは圧力が上昇しないか,上昇してもわずかとなる。すなわち,圧力チェック時間Δtcにおいて,所定時間が経過する前(時刻t1以前)では圧力波形の傾き(圧力上昇率)は大きく,所定時間が経過した後(時刻t1以後)では圧力波形の傾き(圧力上昇率)は小さくなる。このような圧力波形が得られるのは,処理室122内でガスが発生しても一時的なものであり,またアウトガスの量も処理室122の容量に対して極めて小さいためであると考えられる。なお,リーク異常とアウトガス異常が両方発生している場合には,図4Aと図4Bに示すグラフを合成したような圧力波形になる。
このように,処理室122内の圧力異常(圧力上昇)の原因に応じて,圧力チェック時間Δtcにおける処理室122内の圧力の時間変化を示す圧力波形の特徴に相違が生じる。従って,この圧力波形の特徴の相違を識別することによって圧力異常(圧力上昇)の原因を判定することができる。圧力波形の識別については,様々な手法を適用することができる。以下,その一例を具体的に説明する。
(圧力チェック処理)
次に,本実施形態にかかる処理室122内の圧力チェック処理の具体例について図面を参照しながら説明する。図5は,本実施形態にかかる圧力チェック処理の具体例を示すフローチャートである。この圧力チェック処理は例えばプログラムに基づいて制御部200が熱処理装置100の各部を制御することによって実行される。ここでは,上述したように処理室122内の圧力を目標圧力P0に調整した後,圧力調整部152を構成するバルブを閉じ,時刻t0から時刻t2までを圧力チェック時間(圧力チェック区間)Δtcとし,この区間で処理室122内の圧力チェック処理を行う。
(圧力データ収集処理)
圧力チェック処理では,図5に示すように,まずステップS100にて圧力データ収集処理(データ収集処理工程)を行う。具体的には,上記圧力チェックを開始すると,圧力センサSPにて処理室122内の圧力を所定のサンプリング時間ごとに測定し,圧力チェック時間(Δtc)分の圧力データを記憶手段290に記憶する。このとき,サンプリング時間は,例えば計時手段240に基づいて計測するようにしてもよい。これによって,例えば図4A,図4Bに示すような圧力チェック時間Δtcにおける圧力データの時間変化を示す波形(圧力データ波形)を得ることができる。
(リーク異常判定処理)
次に,制御部200は,ステップS200にて処理室122の気密性を原因とするリーク異常が発生しているか否かを判定するためのリーク異常判定処理(リーク異常判定工程)を行う。このリークチェック処理の具体例を図6に示す。
図6に示すように,まず,ステップS210にて制御部200は,圧力チェックの開始(時刻t0)から所定時間が経過した後(時刻t1以後)の圧力データ波形部分の圧力波形の傾き,すなわち圧力上昇率(圧力上昇レート)を求める。具体的には,CPU210は,時刻t1以後の圧力データを記憶手段290から読み出して,この圧力データと,時刻t1から時刻t2までの時間Δt12とを用いて演算を行う。例えば,時刻t1における圧力値と時刻t2における圧力値との差を求め,この差を時刻t1から時刻t2までの時間で割り算することによって時刻t1以後の圧力上昇レートを求める。この他,時刻t1以後の圧力データに対して,最小二乗法などを用いて近似直線を求めて,この近似直線の傾きを時刻t1以後の圧力上昇レートとしてもよい。
なお,本実施形態では説明の便宜上,図4A,図4Bに示すように,圧力チェック時間Δtcのうち,圧力チェック開始時刻t0から所定時間経過(時刻t1)前までの区間を前区間Δt01と称し,所定時間経過(時刻t1)後から圧力チェック終了時刻t2までの区間を後区間Δt12と称する。
こうして求めた後区間Δt12における圧力上昇レート(以下,「後区間圧力上昇レート」という)を演算結果データとしてステップS220にて記憶手段290に記憶する。このとき,後区間圧力上昇レートは,図7に示すようなトレンド監視グラフ形式で管理することが好ましい。すなわち,処理室122の圧力チェックを実行し,後区間圧力上昇レートを算出するごとに図7に示すようなトレンド監視グラフにその結果をプロットしていくようにする。
後区間圧力上昇レートには,予め閾値(例えば0.003Torr/s)を設定しておく。そして,ステップS230にて後区間圧力上昇レートが閾値を越えているか否かを判断する。このとき,後区間圧力上昇レートが閾値を超えていると判断した場合は,ステップS240にて処理室122の気密性は異常なし,すなわち処理室122にリーク異常なし(リーク正常)と判定する。逆に,後区間圧力上昇レートが閾値を超えていると判断した場合は,ステップS250にて処理室122の気密性は異常あり,すなわち処理室122にリーク異常ありと判定する。なお,この場合には,制御部200は,気密性の状態を表示手段250に表示し,報知手段270を用いてオペレータに報知することが好ましい。
このように,本実施形態にかかるリーク異常判定処理によれば,所定時間が経過した後の圧力データ波形部分の圧力上昇率,すなわち後区間圧力上昇レートに基づいて処理室122のリーク異常が発生しているか否かを判定する。これにより,例えば図4Aに示すように後区間圧力上昇レートが大きくなるような場合には,リーク異常であると判定される。これに対して,図4Bに示すように後区間圧力上昇レートが小さくなるような場合には,リーク異常が発生していない,すなわちリーク正常であると判定される。
この場合,例えば図4Bに示すように処理室122内にアウトガス異常が発生していても,それに起因する処理室122内の圧力上昇は前区間Δt01で終息し,その後の後区間Δt12ではアウトガス異常による圧力上昇はほとんど生じない。このため,リーク異常とアウトガス異常とが両方発生している場合でも,後区間Δt12における圧力上昇はリーク異常を原因とするものと考えてよい。
従って,本実施形態のように後区間圧力上昇レート(後区間Δt12における圧力波形の傾き)のみを識別するだけで,アウトガス異常が発生しているか否かに拘わらず,処理室122内のリーク異常が発生しているか否かを正確に判定することができる。しかも,後区間圧力上昇レートが大きいほど,処理室122のリークが大きいと判定できる。
なお,後区間圧力上昇レートを図7に示したトレンド監視グラフ形式で管理することによって,後区間圧力上昇レートの経時変化の傾向を把握することができる。また,後区間圧力上昇レートと,直近に行われた処理室122に対するメンテナンスの内容との関連性を検討することも可能となる。この結果,リークを発生させないメンテナンス方法を構築することができる。
ところで,処理室122で行われるウエハの処理の種類によってはアウトガス異常が発生し易い場合があり,このような場合には,処理室122内にリーク異常が発生しているか否かに拘わらず,処理室122内にアウトガス異常が発生している場合がある。この場合には,処理室122のメンテナンスによりリーク異常の原因を取り除いたとしても,圧力異常をすべて解消することはできない。すなわち,上述したリーク異常判定処理では,後区間圧力上昇レートのみを識別するので,アウトガス異常の有無までは判定できない。
このため,例えばリーク異常が発生していないのにアウトガス異常が発生している場合や,リーク異常が発生していてさらにアウトガス異常も発生している場合には,未だなお処理室122内の圧力異常は解消されない。従って,処理室122の圧力異常の原因をより一層正確に把握するためには,上記リーク異常判定処理の他に,さらに後述のアウトガス異常判定処理を行うことが好ましい。
(アウトガス異常判定処理)
本実施形態では,例えば図5に示すステップS200にて処理室122のリーク異常判定処理を行った後に,ステップS300にてアウトガス異常判定処理(アウトガス異常判定工程)を行う。
ここでは,アウトガス異常判定の一例として,上述した圧力チェック開始から所定時間が経過した後の圧力データ波形部分(例えば図4A,図4Bに示すΔt12の部分)から得られる圧力上昇レートと,圧力チェック開始から圧力チェック終了までの圧力データ波形全体(例えば図4A,図4Bに示すΔtcの全体)から得られる圧力上昇量との相関関係に基づいて行う場合について説明する。
例えば図4Aに示すようにアウトガス異常が発生していない場合は,圧力チェック時間Δtcの間はほぼ直線的に上昇するため,後区間圧力上昇レートが大きいほど全体圧力上昇量も大きくなる傾向にある。このため,後区間圧力上昇レートと全体圧力上昇量とを図8に示すような相関グラフにプロットすると,太線枠で示すような一定の相関が見られる。なお,図8は横軸に後区間圧力上昇レートをとり,縦軸に全体圧力上昇量をとっている。
これに対して,例えば図4Bに示すようにアウトガス異常が発生している場合は,圧力チェック開始から急峻に圧力が上昇した後,後区間では緩やかに上昇するので,後区間圧力上昇レートが小さくても,全体圧力上昇量が大きくなる傾向にある。また,アウトガス異常とリーク異常とが両方発生している場合においても,アウトガス異常の影響で圧力チェック開始から急峻に圧力が上昇し,後区間Δt12ではアウトガス異常についての圧力上昇はほとんどない点に変わりはない。このため,たとえ後区間Δt12にリーク異常による圧力上昇が生じていたとしても,前区間Δt01におけるアウトガス異常による急峻な圧力上昇の影響で,全体圧力上昇量としてはより大きくなる傾向にある。
このため,アウトガス異常が発生している場合の後区間圧力上昇レートと全体圧力上昇量とを図8に示すような相関グラフにプロットすれば,太線枠で示すような一定の相関から外れることになる。従って,例えば予め実験により,アウトガス異常が発生していない場合の後区間圧力上昇レートと全体圧力上昇量とを図8に示すような相関グラフにプロットして,太線枠で示すような一定の相関を求めておき,この一定の相関を外れるか否かによって,アウトガス異常が発生しているか否かを判定することができる。
例えば図8に太線枠で示す一定の相関のあるデータに対して最小二乗法などによって回帰直線を求め,その回帰直線に平行に閾値直線(図8に示す破線)を引く。この閾値直線は楕円で示す一定の相関と区別するためのものである。そして,後区間圧力上昇レートと全体圧力上昇量のデータが閾値直線よりも下側にプロットされる場合には,一定の相関内に収まるので,アウトガス異常は発生していない(アウトガス正常)と判定する。これに対して,後区間圧力上昇レートと全体圧力上昇量とのデータが閾値直線よりも上側にプロットされる場合には,一定の相関を外れるので,アウトガス異常と判定することができる。
ここで,上述したような手法でアウトガス異常判定処理を行う場合の具体例を図面を参照しながら説明する。図9は,図5に示すアウトガス異常判定処理の具体例を示すフローチャートである。まず,制御部200は,ステップS310にて上述した後区間圧力上昇レートを算出するとともに,圧力チェック時間Δtcにおける圧力データ波形全体の圧力上昇量(以下,「全体圧力上昇量」という)を算出する。図5,図9に示す具体例では,後区間圧力上昇レートは既にステップS210(図6参照)にて算出しているのでその結果を利用してもよい。例えば全体圧力上昇量は,図4Aの場合についてはΔP02a(=P2a−P0)であり,図4Bの場合についてはΔP02b(=P2b−P0)である。
次に,ステップS320にて後区間圧力上昇レートと,全体圧力上昇量との相関関係を求める。具体的には例えば,算出した後区間圧力上昇レートと全体圧力上昇量とを,図8に示すような相関グラフにプロットする。
次に,制御部200は,ステップS330にて後区間圧力上昇レートと全体圧力上昇量との関係が一定の相関を外れているか否かを判断する。具体的には後区間圧力上昇レートと全体圧力上昇量のデータが閾値直線よりも上側にプロットされるか否かを判断する。そして,後区間圧力上昇レートと全体圧力上昇量のデータが閾値直線よりも下側にプロットされると判断した場合には,ステップS350にてアウトガス異常は発生していない(アウトガス正常)と判定する。これに対して,後区間圧力上昇レートと全体圧力上昇量とのデータが閾値直線よりも上側にプロットされると判断した場合には,ステップS340にてアウトガス異常と判定する。
なお,この場合には上記一定の相関から外れる度合いが大きいほど,処理室内で発生するガスの量が多いと判定するようにしてもよい。また,制御部200は,アウトガス異常の有無を表示手段250に表示し,報知手段270を用いてオペレータに報知することが好ましい。
ところで,本実施形態においては,後区間圧力上昇レートと全体圧力上昇量との相関関係に基づいて設定した閾値直線を基準にしてアウトガス異常が発生しているか否かを判定するため,この判定精度は閾値直線の設定精度に左右される。例えばアウトガス異常の有無を確認する実験を行い,その実験結果に基づいて閾値直線の調整を行うようにしてもよい。これによって閾値直線が最適化され,より高い精度でアウトガス異常の有無を判定することができる。
このように,本実施形態にかかるアウトガス異常判定処理によれば,後区間圧力上昇レートと全体圧力上昇量との相関関係に基づいて,処理室122内でアウトガス異常が発生しているか否かを判定する。これにより,例えば図4Aに示すように圧力チェック時間区間にわたって後区間圧力上昇レートに応じて圧力が上昇するような場合には,アウトガス異常が発生していない,すなわちアウトガス正常であると判定される。これに対して,図4Bに示すように後区間圧力上昇レートが小さくても,前区間Δt01での圧力上昇レートが大きいため,全体圧力上昇量が大きくなるような場合には,アウトガス異常であると判定される。このように,後区間圧力上昇レートと全体圧力上昇量との相関関係を検証することによって,処理室122内にアウトガス異常が発生しているか否かを正確に判定することができる。
ところで,後区間Δt12は,圧力チェック区間Δtcの後半の例えば数分間が割り当てられる。従って,制御部200は,十分な時間的余裕をもって圧力データをサンプリングすることができ,後区間圧力上昇レートの計算を容易に実行することができる。また,全体圧力上昇量についても,時刻t0の圧力(目標値)と時刻t2の圧力の差を求めるだけであるため,この算出も容易である。従って,本実施形態によれば小さい演算リソースであってもアウトガス異常の有無を正確に判定することができる。
(圧力異常原因の判定結果)
以上のように制御部200は,上記のステップS200にてリーク異常判定処理を行い,続くステップS300にてアウトガス異常判定処理を行うことによって,ステップS400にて処理室122のリーク異常の有無及びアウトガス異常の有無を下の表1のように判定することができる。
Figure 2008021732
表1に示すように,制御部200は,リーク異常がないと判定され,かつアウトガス異常もないと判定された場合には,判定結果をA(圧力正常)とする。この判定結果Aのときは,処理室122内の圧力は異常なく維持されるため,圧力チェック区間の後,所定のプロセス処理を実施することができる。これに対して,リーク異常とアウトガス異常のいずれかが発生していると判定された場合には,判定結果をB〜D(圧力異常)とする。これら判定結果B〜Dのときは,圧力チェック区間Δtcの後,処理室122のメンテナンスを実施することが好ましい。
本実施形態によれば,判定結果B〜Dそれぞれに応じてメンテナンスを実施することができる。すなわち,判定結果Bの場合は,圧力異常の原因はリークである判定し,処理室122のリーク箇所の特定とそのメンテナンスのみを行う。また,判定結果Cの場合は,圧力異常の原因はアウトガスであると判定し,アウトガスへの対処のみを行えばよい。アウトガスへの対処としては,例えば,Nパージなど処理室122内のクリーニングがある。そして,判定結果Dの場合は,圧力異常の原因はリークとアウトガスの両方にあると判定し,処理室122のリーク箇所の特定とそのメンテナンス,及びアウトガスへの対処を行う。
なお,図5に示す圧力データ収集処理(ステップS100)の後に,処理室122内の圧力が維持されるか否かにより圧力異常があるか否かを判断し(圧力異常チェック),処理室122内の圧力異常があると判断した場合にのみ,次のリーク異常判定処理(ステップS200)以降の処理を行うようにしてもよい。これにより,そもそも圧力異常が発生していない場合には,リーク異常判定処理,アウトガス異常判定処理を行うことなく,プロセス処理に移ることができるので,スループットを高めることができる。
上記圧力異常チェックとしては,例えば圧力チェック時間Δtcにおいて処理室122内の圧力上昇量が一定範囲(例えば所定の閾値)に収まっていれば,処理室122内の圧力異常はないと判断する。一方,圧力チェック区間Δtcにおいて処理室122内の圧力上昇量が一定範囲を超える場合には処理室122内の圧力異常と判断し,さらに圧力異常の原因判定を行う。
但し,本実施形態のようにリークチェック異常判定処理とアウトガス異常判定処理とを両方行って処理室122内の圧力異常を判定する場合には,判定結果がAであれば,処理室122内に圧力異常が発生しておらず,判定結果がB〜Dであれば,処理室122内の圧力が維持されない異常な状態(圧力異常)が発生していると判断することができる。このため,上記圧力異常チェックを別途行わなくても,リークチェック異常判定処理とアウトガス異常判定処理を行うことによって圧力異常原因のみならず圧力異常が発生しているか否かについても判定することができる。
以上のように,第1実施形態によれば,処理室122内の圧力異常の原因が,リーク異常にあるのか,アウトガス異常にあるのか,又はその両方にあるのかを的確に判定することができる。このため,処理室122のメンテナンスを効率よく行うことができ,短時間で熱処理装置100の稼動を再開することができる。
なお,リーク異常判定処理(ステップS200)とアウトガス異常判定処理(ステップS300)の順序は図5に示す場合に限られず,アウトガス異常判定処理を行ってから,リーク異常判定処理を行うようにしてもよい。また,リーク異常判定処理とアウトガス異常判定処理は並行して行うようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に,本発明の第2実施形態にかかる圧力チェック処理について図10〜図12を参照しながら説明する。なお,第2実施形態にかかる熱処理装置及び制御部の構成は,図1及び図2に示すものと同様であるため,その詳細な説明を省略する。
本実施形態にかかる圧力チェック処理は,アウトガス異常判定処理のみ上述の第1実施形態と異なるものである。具体的には,図5に示す圧力チェック処理の具体例を示すフローチャートにおいて,アウトガス異常判定処理としてステップS300に代えて図10に示すステップS500を実行する。
ここでは,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の圧力データ波形部分(例えば図11に示すΔt12の部分)から得られる圧力上昇レートに圧力チェック時間(同図に示すΔtc)をかけ算して得られる仮想の圧力上昇量(同図に示すPcalc−P0)と,圧力チェック開始から圧力チェック終了までの圧力データの全体から算出される実際の圧力上昇量(同図に示すP2b−P0)との差(同図に示すΔP)に基づいてアウトガス異常判定を行う場合について説明する。
例えば図4Aに示すようにアウトガス異常が発生していない場合は,圧力チェック時間Δtcの間はほぼ直線的に上昇するため,仮想の圧力上昇量と実際の圧力上昇量はほぼ一致し,それらの差はゼロ又は極めて小さくなる。
これに対して,例えば図4B,図11に示すようにアウトガス異常が発生している場合は,圧力チェック開始から急峻に圧力が上昇した後,後区間では緩やかに上昇するため,実際の圧力上昇量は,仮想の圧力上昇量よりも大きくなり,アウトガスの量が多いほどその差が大きくなる傾向にある。
従って,仮想の圧力上昇量と実際の圧力上昇量との差を求めることによってアウトガス異常が発生しているか否かを判定することができる。
次に,上述したような手法でアウトガス異常判定処理を行う場合の具体例を図10と図11を参照しながら説明する。まず,制御部200は,ステップS510にて後区間圧力上昇レートと圧力チェック区間Δtcの時間を積算して仮想の圧力上昇量を求める。そしてこの仮想の圧力上昇量を演算結果データとして記憶手段290に記憶する。なお,図5,図10に示す具体例では,後区間圧力上昇レートは既にステップS210(図6参照)にて算出しているのでその結果を利用してもよい。この仮想の圧力上昇量は,前区間Δt01でも後区間圧力上昇レートと同じレートで圧力が上昇していると仮定したときの圧力チェック区間Δtcにおける圧力上昇量の計算値である。図11に示したアウトガスがある場合の圧力波形の例では,後区間圧力上昇レートはtanαで表され,前区間Δt01の開始時刻t0から仰角αで仮想の圧力直線(点線)を描くことによって仮想の圧力上昇量(Pcalc−P0)を求めることができる。
次に,制御部200は,ステップS520にて圧力チェック区間の実際の圧力上昇量(P2b−P0)と仮想の圧力上昇量(Pcalc−P0)を記憶手段290から読み出して,これらの差(以下,単に「圧力差」という)ΔPを求める。
続いて,制御部200は,ステップS530にて圧力差ΔPを例えば図12に示すようなトレンド監視グラフの形式で管理する。すなわち,処理室122の圧力チェック処理を実行し,圧力差ΔPを求めるごとに図12に示すようなトレンド監視グラフにその結果をプロットしていくようにする。このトレンド監視グラフには予め閾値を設定しておく。図12に示した例では,閾値は0.2Torrである。
次いで,制御部200は,ステップS540にて圧力差ΔPが閾値を越えているか否かを判断する。圧力差ΔPの値が閾値よりも小さく,この値がゼロに近づくほど,前区間Δt01において,後区間圧力上昇レートに近似するレートで圧力が上昇していることになる。逆に,圧力差ΔPの値が閾値よりも大きければ大きいほど,前区間Δt01において,後区間圧力上昇レートよりも大きいレートで圧力が上昇していることになる。この特性は図4Bに示したアウトガス異常が発生している場合の圧力波形に見られるものである。
そして,圧力差ΔPが閾値を超えていなければ,制御部200は,ステップS550にてアウトガス異常は発生していない(アウトガス正常)と判定する。これに対して,計算圧力差ΔPが閾値を超えていれば,制御部200は,ステップS560にてアウトガス異常と判定する。
なお,圧力差ΔPが閾値を超えている場合,その超過分が大きいほどアウトガスが多いと判定するようにしてもよい。また,制御部200は,アウトガス異常の有無を表示手段250に表示し,報知手段270を用いてオペレータに報知することが好ましい。
このように,本実施形態にかかるアウトガス異常判定処理によれば,圧力差ΔPに基づいて,処理室122内でアウトガス異常が発生しているか否かを判定する。図4Aに示すような圧力波形(アウトガス異常なしのパターン)と,図4B及び図11に示すような圧力波形(アウトガス異常ありのパターン)とを比較すれば明らかなように,アウトガス異常がある場合,前区間Δt01での圧力上昇レートが大きいため,圧力差ΔPが大きくなる。これに対して,アウトガス異常がない場合は,前区間Δt01でも後区間圧力上昇レートに近似するレートで圧力が上昇しているため,圧力差ΔPが小さくなる。従って,圧力差ΔPを算出すれば,この結果に基づいて,処理室122内の圧力上昇の原因にアウトガス異常が含まれるか否かを正確に判定することができる。
本実施形態でも第1実施形態と同様に,制御部200は,上記のステップS200にてリーク異常判定処理を行い,続くステップS500にてアウトガス異常判定処理を行うことによって,ステップS400にて処理室122のリーク異常の有無及びアウトガス異常の有無を上記の表1のように判定することができる。
また上述のように,後区間圧力上昇レートの算出は容易である。そして,アウトガスの有無を判定するために用いられる圧力差ΔPは,この後区間圧力上昇レートから簡単に導出される。従って,第2実施形態によれば第1実施形態と同様に,小さい演算リソースであってもアウトガス異常の有無を正確に判定することができる。
しかも,第2実施形態では,処理室122の圧力チェック処理を実行し,圧力差ΔPを求めるごとに図12に示すトレンド監視グラフにその結果をプロットしていくため,アウトガスに起因する処理室122内の圧力上昇の発生の傾向をつかむことが可能となる。これによって,処理室122のメンテナンス計画を立てやすくなり,スループット向上にも繋げることができる。
(第3実施形態)
次に,本発明の第3実施形態にかかる圧力チェック処理について図13と図14を参照しながら説明する。なお,第3実施形態にかかる熱処理装置及び制御部の構成は,図1及び図2に示すものと同様であるため,その詳細な説明を省略する。
本実施形態にかかる圧力チェック処理は,アウトガス異常判定処理のみ上述の第1,2実施形態とは異なるものである。具体的には,図5に示す圧力チェック処理の具体例を示すフローチャートにおいて,アウトガス異常判定処理としてステップS300に代えて図13に示すステップS600を実行する。
ここでは,圧力チェック開始から所定時間(図14に示す時刻t1)が経過する前後の圧力データ波形部分(例えば図14に示すΔt01の部分とΔt12の部分)から得られる圧力上昇率の差に基づいてアウトガス異常判定を行う場合について説明する。
例えば図4Aに示すようにアウトガス異常が発生していない場合は,圧力チェック時間Δtcの間はほぼ直線的に上昇するため,所定時間が経過する前後の圧力データ波形部分から得られる圧力上昇率の差はゼロ又は極めて小さくなる。
これに対して,例えば図4B,図14に示すようにアウトガス異常が発生している場合は,圧力チェック開始から急峻に圧力が上昇した後,後区間では緩やかに上昇するため,所定時間が経過した後の圧力データ波形部分から得られる圧力上昇率は,所定時間が経過する前の圧力データ波形部分から得られる圧力上昇率よりも大きくなり,アウトガスの量が多いほどその差が大きくなる傾向にある。
このように,圧力チェック開始から所定時間が経過する前後の圧力データ波形部分から得られる圧力上昇率の差を求めることによってアウトガス異常が発生しているか否かを判定することができる。
次に,上述したような手法でアウトガス異常判定処理を行う場合の具体例を図13と図14を参照しながら説明する。まず,制御部200は,ステップS610にて圧力チェックの開始(時刻t0)から所定時間が経過する前(時刻t1以前)の圧力データ波形部分の圧力波形の傾き,すなわち圧力チェック区間Δtcに設定した前区間Δt01における圧力上昇レート(以下,「前区間圧力上昇レート」という)を計算する。具体的には,制御部200のCPU210は,時刻t1以前の圧力データを記憶手段290から読み出して,この圧力データと,時刻t0から時刻t1までの時間Δt01とを用いて演算を行う。例えば,時刻t0における圧力値(目標値)P0と時刻t1における圧力値P1bとの差を求め,この差を前区間Δt01の時間で除することによって前区間圧力上昇レートを求める。この他,時刻t1以前の圧力データに対して,最小二乗法などを用いて近似直線を求めて,この近似直線の傾きを前区間圧力上昇レートとしてもよい。
次に,制御部200は,ここで求めた前区間圧力上昇レートと後区間圧力上昇レートとの差を求める。なお,図5,図13に示す具体例では,後区間圧力上昇レートは既にステップS210(図6参照)にて算出しているのでその結果を利用してもよい。図14に示したアウトガスがある場合の圧力波形の例では,前区間圧力上昇レートはtanβで表され,後区間圧力上昇レートはtanαで表される。従って,前区間圧力上昇レートと後区間圧力上昇レートの差(以下,「圧力上昇レート差」という)は,tanβ−tanαで求めることができる。
続いて,制御部200は,ステップS620にて圧力上昇レート差(tanβ−tanα)が所定の閾値を越えているか否かを判断する。圧力上昇レート差(tanβ−tanα)の値が閾値よりも小さく,この値がゼロに近づくほど,前区間Δt01において,後区間圧力上昇レートに近似する前区間圧力上昇レートで圧力が上昇していることになる。逆に,圧力上昇レート差(tanβ−tanα)の値が閾値よりも大きければ大きいほど,前区間Δt01において,後区間圧力上昇レートよりも大きい前区間圧力上昇レートで圧力が上昇していることになる。この特性は図4Bに示したアウトガス異常が発生している場合の圧力波形に見られるものである。
そして,圧力上昇レート差(tanβ−tanα)が閾値を超えていなければ,制御部200は,ステップS630にてアウトガス異常は発生していない(アウトガス正常)と判定する。これに対して,圧力上昇レート差(tanβ−tanα)が閾値を超えていれば,制御部200は,ステップS640にてアウトガス異常と判定する。
なお,圧力上昇レート差(tanβ−tanα)が閾値を超えている場合,その超過分が大きいほどアウトガスが多いと判定するようにしてもよい。また,制御部200は,アウトガス異常の有無を表示手段250に表示し,報知手段270を用いてオペレータに報知することが好ましい。
このように,本実施形態にかかるアウトガス異常判定処理によれば,圧力上昇レート差(tanβ−tanα)に基づいて,処理室122内でアウトガス異常が発生しているか否かを判定する。図4Aに示すような圧力波形(アウトガス異常なしのパターン)と,図4Bに示すような圧力波形(アウトガス異常ありのパターン)とを比較すれば明らかなように,アウトガス異常がある場合,前区間圧力上昇レートtanβは後区間圧力上昇レートtanαよりも大きくなる。これに対して,アウトガス異常がない場合は,前区間圧力上昇レートtanβと後区間圧力上昇レートtanαは近い値となる。従って,圧力上昇レート差(tanβ−tanα)を算出すれば,この結果に基づいて,処理室122内の圧力上昇の原因にアウトガス異常が含まれるか否かを正確に判定することができる。
本実施形態でも第1,2実施形態と同様に,制御部200は,上記のステップS200にてリーク異常判定処理を行い,続くステップS600にてアウトガス異常判定処理を行うことによって,ステップS400にて処理室122のリーク異常の有無及びアウトガス異常の有無を上記の表1のように判定することができる。
なお,本実施形態においても,第2実施形態と同様に,圧力チェック処理を実行し,圧力上昇レート差(tanβ−tanα)を求めるごとにトレンド監視グラフにその結果をプロットしていくようにしてもよい。これによって,アウトガスに起因する処理室122内の圧力上昇の発生の傾向をつかむことが可能となる。これによって,処理室122のメンテナンス計画を立てやすくなり,スループット向上にも繋げることができる。
(第4実施形態)
次に,本発明にかかる圧力異常原因判定システムを真空処理システムに適用した場合の第4実施形態について図面を参照しながら説明する。図15は,本実施形態にかかる真空処理システムの概略構成を示すブロック図である。ここでは,熱処理装置100の圧力異常原因判定を含む上述の圧力チェック処理を,熱処理装置100にネットワーク500を介して接続されたデータ処理装置400を利用して実行する場合を例に挙げて説明する。
真空処理システム300は,図15に示すように,熱処理装置100と,データ処理装置400とを例えばLAN(Local Area Network)などのネットワーク500を介して接続して構成される。
データ処理装置400は,例えば図15に示すようにCPU(中央処理装置)410,CPU410が処理を行うために必要なデータを記憶するROM(リード・オンリ・メモリ)420,CPU410が行う各種データ処理のために使用されるメモリエリア等を設けたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)430,操作画面や選択画面などを表示する液晶ディスプレイなどで構成される表示手段450,オペレータによる種々のデータの入力及び所定の記憶媒体への出力など各種データの出力などを行うことができる入出力手段460を備える。
また,データ処理装置400は,熱処理装置100等とネットワーク500を介してのデータのやり取りを行うための通信手段470,CPU410が実行するプログラム(例えば圧力データの演算プログラム)の各種プログラムやデータ等を記憶するハードディスク(HDD)などの記憶手段490を備える。このようなデータ処理装置400は,例えばコンピュータにより構成される。なお,ネットワーク500には,これに接続された各真空処理装置についての生産管理など集中して行うためのホストコンピュータを別途接続してもよい。
これらCPU410,ROM420,RAM430,表示手段450,入出力手段460,通信手段470,記憶手段490は,制御バス,システムバス,データバス等のバスライン402により電気的に接続されている。
また,データ処理装置400にて圧力原因判定処理(例えばリーク異常判定処理,アウトガス異常判定処理)を行う場合,上記記憶手段490には,図2に示す制御部200と同様の圧力データ,演算結果データを記憶するための記憶領域492,494を設けることが好ましい。なお,データ処理装置400にて上記圧力原因判定処理を行う場合には,熱処理装置100の制御部200には,演算結果データを記憶するための記憶領域494を設ける必要はない。
また,熱処理装置100の制御部200は,バスライン202に接続された図示しない通信手段により,ネットワーク500を介して上記データ処理装置400等とのデータのやり取りを行う。このようなネットワーク500によるデータ通信は,例えばTCP/IPなどの通信プロトコルに基づいて行われる。
このような構成の真空処理システム300において,熱処理装置100の圧力チェック処理は例えば図5に示すフローチャートのように行われる。但し,本実施形態の場合には,図5に示す圧力データ収集処理(ステップS100)は熱処理装置100における制御部200のCPU210により実行され,リーク異常判定処理(ステップS200),アウトガス異常判定処理(ステップS300),圧力異常原因判定(ステップS400)については,データ処理装置400のCPU410により実行される。
(圧力チェック処理)
以下,第4実施形態による圧力チェック処理を具体的に説明する。まず,熱処理装置100において,図5に示す圧力データ収集処理(ステップS100)を実行する。そして,熱処理装置100は収集した圧力データを,ネットワーク500を介してデータ処理装置400へ送信する。データ処理装置400は受信した圧力データを記憶手段490に記憶する。
次に,データ処理装置400は,記憶手段490の圧力データに基づいて,次のリーク異常判定処理(ステップS200)とアウトガス異常判定処理(ステップS300)を実行する。具体的には,上記第1〜第3実施形態の場合と同様に,圧力データの時間変化を示す波形(圧力データ波形)を識別してリーク異常の有無とアウトガス異常の有無の判定を行い,その結果に基づいて処理室122の圧力異常の原因を判定する。
なお,この判定結果は例えば表示手段450に表示される。また,この判定結果をネットワーク500を介して熱処理装置100に送信し,熱処理装置100側の表示手段250に表示させるようにしてもよい。これにより,オペレータは熱処理装置100の処理室122の圧力の異常原因を知ることができる。
このように,本実施形態によれば,熱処理装置100側の制御部200は,圧力データを送信するだけで,データ処理装置400側で処理室内の圧力原因判定処理を行うので,熱処理装置100側の制御部200の負担を軽減できる。
なお,上記ネットワーク500には,真空処理装置として上記熱処理装置100のみを接続してもよく,また他の真空処理装置として上記と同様の種類の熱処理装置を複数接続してもよい。また,プラズマエッチング装置,スパッタリング装置など他の種類の真空処理装置を接続するようにしてもよい。さらに,真空圧雰囲気で処理を行う真空処理装置のみならず,例えば膜厚測定器などのように大気圧雰囲気で処理を行う装置を接続してもよい。
また,データ処理装置400は,例えばアドバンスド・グループ・コントローラ(以下,「AGC」と称する)として構成し,各真空処理装置についての圧力チェックを行うようにしてもよい。なお,AGCは,上述した処理室内の圧力チェック機能の他,熱処理装置100及び他の真空処理装置のレシピ(プロセス条件値)の集中管理やこのレシピに基づく各真空処理装置のプロセスコントロールを行い,また各真空処理装置から得られるプロセスデータを対象に,その解析処理,統計処理,プロセスデータやその解析/統計結果の集中モニタリング処理,更には解析/統計結果をレシピに反映させる処理等を行うようにしてもよい。AGCは,1台のコンピュータで構成してもよく,複数台のコンピュータで構成してもよい。また,サーバとクライアントに分けて機能を分散させるように構成してもよい。
このように,複数の真空処理装置についての処理室内の圧力チェックをデータ処理装置400で集中して行うことにより,複数の真空処理装置それぞれの処理室に圧力異常が発生しても,その原因の判定処理を集中管理できるため,問題のある処理室を容易に特定でき,そのメンテナンスを効率よく行うことができる。この結果,短時間で真空処理システム300の稼動を再開することができる。
なお,第4実施形態において圧力データ収集処理は,圧力センサSPからの出力を熱処理装置100側で取込む場合について説明したが,必ずしもこれに限定されるものではなく,圧力センサSPからの出力をデータ処理装置400に直接取込むようにしてもよい。これにより,圧力異常判定のみならず,圧力データの収集についてもデータ処理装置400側で行うことができる。
上記第1〜4実施形態により詳述した本発明については,複数の機器から構成されるシステムに適用しても,1つの機器からなる装置に適用してもよい。上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを記憶した記憶媒体等の媒体をシステムあるいは装置に供給し,そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体等の媒体に記憶されたプログラムを読み出して実行することによっても,本発明が達成され得る。
この場合,記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり,そのプログラムを記憶した記憶媒体等の媒体は本発明を構成することになる。プログラムを供給するための記憶媒体等の媒体としては,例えば,フロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,CD−RW,DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−RW,DVD+RW,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどが挙げられる。また,媒体に対してプログラムを,ネットワークを介してダウンロードして提供することも可能である。
なお,コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより,上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく,そのプログラムの指示に基づき,コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行い,その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も,本発明に含まれる。
さらに,記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラムが,コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後,そのプログラムの指示に基づき,その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い,その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も,本発明に含まれる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上述した第1〜第4実施形態では,ウエハに対して熱処理を行う熱処理装置に本発明を適用した場合について説明したが,必ずしもこれに限定されるものではなく,処理室内が真空状態に調整される装置,例えばウエハに対してエッチング処理を行うプラズマ処理装置,ウエハに対して成膜処理を行う例えばプラズマCVD装置,スパッタリング装置などに本発明を適用してもよい。さらに本発明は,ウエハ以外の例えばFPD(フラットパネルディスプレイ),フォトマスク用のマスクレチクルなどの基板を処理する他の基板処理装置やMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)製造装置にも適用することができる。
本発明は,例えば圧力異常原因判定方法,圧力異常原因判定システム,真空処理装置,記録媒体に適用可能である。
本発明の第1実施形態にかかる熱処理装置の構成を示す断面図である。 同実施形態における制御部の構成を示すブロック図である。 図1に示す熱処理装置の処理室内を減圧したときの圧力波形図である。 図1に示す熱処理装置の処理室にリークがあった場合の圧力波形図である。 図1に示す熱処理装置の処理室内でガスが発生した場合の圧力波形図である。 同実施形態にかかる圧力チェック処理の具体例を示すフローチャートである。 同実施形態にかかるリーク異常判定処理の具体例を示すフローチャートである。 図6に示すリーク異常判定処理において算出した後区間圧力上昇レートを示す散布図である。 同実施形態にかかるアウトガス異常判定処理において得た全体圧力上昇量と後区間圧力上昇レートの相関関係を示す散布図である。 同実施形態にかかるアウトガスチェックの具体例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態にかかるアウトガス異常判定処理の具体例を示すフローチャートである。 図10に示すアウトガス異常判定処理において算出した圧力差を示す圧力波形図である。 図10に示すアウトガス異常判定処理において算出した圧力差を示す散布図である。 本発明の第3実施形態にかかるアウトガス異常判定処理の具体例を示すフローチャートである。 図13に示すアウトガス異常判定処理において算出した前区間圧力上昇レートと後区間圧力上昇レートを示す圧力波形図である。 本発明の第4実施形態にかかる真空処理システムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
100 縦型熱処理装置
110 反応管
110a 内管
110b 外管
112 マニホールド
114 ウエハボート
116 蓋体
118 保温筒
120 ボートエレベータ
122 処理室
130 ヒータ
132a〜132e ヒータユニット
134a〜134e 電力コントローラ
140a〜140c ガス供給管
142a〜142c 流量調整部
150 排気管
152 圧力調整部
154 真空ポンプ
200 制御部
202 バスライン
210 CPU
220 ROM
230 RAM
240 計時手段
250 表示手段
270 報知手段
280 各種コントローラ
290 記憶手段
292 圧力データ記憶領域
294 演算結果データ記憶領域
300 真空処理システム
400 データ処理装置(AGC)
410 CPU
420 ROM
430 RAM
450 表示手段
460 入出力手段
470 通信手段
490 記憶手段
492 圧力データ記憶領域
494 演算結果データ記憶領域
500 ネットワーク
P0 目標圧力
Patm 大気圧
SP 圧力センサ
ΔP 圧力差
Δt01 前区間
Δt12 後区間
Δtc 圧力チェック区間
Δtp プロセス処理区間
W ウエハ

Claims (13)

  1. 処理室内に配置した被処理基板に所定の処理を施す真空処理装置において前記処理室内の圧力の異常原因を判定する方法であって,
    前記処理室内の圧力を調整するためのバルブを制御して前記処理室内の圧力を目標値に調整し,前記バルブを閉じて圧力チェックを開始し,そこから所定の圧力チェック時間分の前記処理室内の圧力データを取得する圧力データ取得工程と,
    前記圧力データの時間変化を示す波形(以下,「圧力データ波形」と称する)の識別を行い,その結果に基づいて前記処理室内の圧力の異常原因を判定する判定工程と,
    を有することを特徴とする圧力異常原因判定方法。
  2. 前記判定工程は,前記処理室内の気密性不足を原因とするリーク異常の判定と,前記処理室内で発生するガスを原因とするアウトガス異常の判定とを,前記各異常原因による前記圧力データ波形の特徴の相違に基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載の圧力異常原因判定方法。
  3. 前記リーク異常の判定は,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データ波形部分から得られる圧力上昇率に基づいて行い,
    前記アウトガス異常の判定は,前記圧力上昇率と,圧力チェック開始から圧力チェック終了までの前記圧力データ波形全体から得られる圧力上昇量との相関関係に基づいて行うことを特徴とする請求項2に記載の圧力異常原因判定方法。
  4. 前記リーク異常の判定は,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データ波形部分から得られる圧力上昇率に基づいて行い,
    前記アウトガス異常の判定は,前記圧力上昇率にて圧力チェック開始から圧力チェック終了まで圧力が上昇したと仮定した場合における仮想圧力データ波形全体から得られる仮想の圧力上昇量と,圧力チェック開始から圧力チェック終了までの前記圧力データ波形全体から得られる実際の圧力上昇量との差に基づいて行うことを特徴とする請求項2に記載の圧力異常原因判定方法。
  5. 前記リーク異常の判定は,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データの波形部分から得られる圧力上昇率に基づいて行い,
    前記アウトガス異常の判定は,圧力チェック開始から所定時間が経過する前後の圧力データ波形部分から得られる圧力上昇率の差に基づいて行うことを特徴とする請求項2に記載の圧力異常原因判定方法。
  6. 処理室内に配置した被処理基板に所定の処理を施す真空処理装置において前記処理室内の圧力の異常原因を判定する方法であって,
    前記処理室内の圧力を調整するためのバルブを制御して前記処理室内の圧力を目標値に調整し,前記バルブを閉じて圧力チェックを開始し,そこから所定の圧力チェック時間分の前記処理室内の圧力データを取得する圧力データ取得工程と,
    圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データの部分から算出される圧力上昇率が所定の閾値を超えているか否か判断し,前記所定の閾値を超えていると判断した場合には,前記処理室内の気密性不足を原因とするリーク異常が発生していると判定するリーク異常判定工程と,
    を有することを特徴とする圧力異常原因判定方法。
  7. さらに,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データの部分から算出される圧力上昇率と,圧力チェック開始から圧力チェック終了までの前記圧力データの全体から算出される圧力上昇量との相関関係を分析して得られる一定の相関から外れるか否かを判断し,前記一定の相関から外れると判断した場合には,前記処理室内で発生するガスを原因とするアウトガス異常が発生していると判定するアウトガス異常判定工程を有することを特徴とする請求項6に記載の圧力異常原因判定方法。
  8. さらに,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データの部分から算出される圧力上昇率に圧力チェック時間をかけ算して得られる仮想の圧力上昇量と,圧力チェック開始から圧力チェック終了までの前記圧力データの全体から算出される実際の圧力上昇量との差が,所定の閾値を超えているか否かを判断し,所定の閾値を超えていると判断した場合は,前記処理室内で発生するガスを原因とするアウトガス異常が発生していると判定するアウトガス異常判定工程を有することを特徴とする請求項6に記載の圧力異常原因判定方法。
  9. さらに,圧力チェック開始から所定時間が経過する前後の圧力データの部分から算出される圧力上昇率の差が所定の閾値を超えていると判断した場合は,前記処理室内で発生するガスを原因とするアウトガス異常が発生していると判定するアウトガス異常判定工程を有することを特徴とする請求項6に記載の圧力異常原因判定方法。
  10. 処理室内に配置した被処理基板に所定の処理を施す真空処理装置であって,
    前記処理室内の圧力を調整するためのバルブと,
    前記処理室内の圧力を測定するための圧力センサと,
    前記圧力センサで測定して得られる圧力データを記憶する記憶手段と,
    前記バルブを制御して前記処理室内の圧力を目標値に調整し,前記バルブを閉じて圧力チェックを開始し,そこから所定の圧力チェック時間分の前記処理室内の圧力を前記圧力センサにて測定し,その測定結果を圧力データとして前記記憶手段に記憶し,この圧力データの時間変化を示す波形の識別を行い,その結果に基づいて前記処理室内の圧力の異常原因を判定する異常原因判定処理を行う制御部と,
    を有することを特徴とする真空処理装置。
  11. 処理室内に配置した被処理基板に所定の処理を施す真空処理装置であって,
    前記処理室内の圧力を調整するためのバルブと,
    前記処理室内の圧力を測定するための圧力センサと,
    前記圧力センサで測定して得られる圧力データを記憶する記憶手段と,
    前記バルブを制御して前記処理室内の圧力を目標値に調整し,前記バルブを閉じて圧力チェックを開始し,そこから所定の圧力チェック時間分の前記処理室内の圧力を前記圧力センサにて測定し,その測定結果を圧力データとして前記記憶手段に記憶する圧力データ取得処理と,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データの部分から算出される圧力上昇率が所定の閾値を超えているか否か判断し,前記所定の閾値を超えていると判断した場合には,前記処理室内の気密性不足を原因とするリーク異常が発生していると判定するリーク異常判定処理と,圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データの部分から算出される圧力上昇率と,圧力チェック開始から圧力チェック終了までの前記圧力データの全体から算出される圧力上昇量との相関関係を分析して得られる一定の相関から外れるか否かを判断し,前記一定の相関から外れると判断した場合には,前記処理室内で発生するガスを原因とするアウトガス異常が発生していると判定するアウトガス異常判定処理とを実行する制御部と,
    を備えることを特徴とする真空処理装置。
  12. 被処理基板に所定の処理を施す処理室と,前記処理室内の圧力を調整するためのバルブと,前記処理室内の圧力を測定するための圧力センサと,前記圧力センサで測定して得られる圧力データを記憶する記憶手段とを備える真空処理装置において,コンピュータに前記処理室内の圧力の異常原因判定処理を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって,
    前記異常原因判定処理は,
    前記バルブを制御して前記処理室内の圧力を目標値に調整し,前記バルブを閉じて圧力チェックを開始し,そこから所定の圧力チェック時間分の前記処理室内の圧力を前記圧力センサにて測定し,その測定結果を圧力データとして前記記憶手段に記憶する圧力データ取得ステップと,
    圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データの部分から算出される圧力上昇率が所定の閾値を超えているか否か判断し,前記所定の閾値を超えていると判断した場合には,前記処理室内の気密性不足を原因とするリーク異常が発生していると判定するリーク異常判定ステップと,
    圧力チェック開始から所定時間が経過した後の前記圧力データの部分から算出される圧力上昇率と,圧力チェック開始から圧力チェック終了までの前記圧力データの全体から算出される圧力上昇量との相関関係を分析して得られる一定の相関から外れるか否かを判断し,前記一定の相関から外れると判断した場合には,前記処理室内で発生するガスを原因とするアウトガス異常が発生していると判定するアウトガス異常判定ステップと,
    を有することを特徴とする記録媒体。
  13. 処理室内に配置した被処理基板に所定の処理を施す真空処理装置と,データ処理装置とをネットワークで接続し,前記真空処理装置における処理室内の圧力の異常原因を判定する圧力異常原因判定システムであって,
    前記真空処理装置は,前記処理室内の圧力を調整するためのバルブを制御して前記処理室内の圧力を目標値に調整し,前記バルブを閉じて圧力チェックを開始し,そこから所定の圧力チェック時間分の前記処理室内の圧力データを取得して,この圧力データを前記ネットワークを介して前記データ処理装置に送信し,
    前記データ処理装置は,前記圧力データを受信すると,その圧力データの時間変化を示す波形の識別を行い,その結果に基づいて前記処理室内の圧力の異常原因を判定することを特徴とする圧力異常原因判定システム。
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