JP2008021026A - 排出機構および販売装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排出機構1は、筒体Aを複数収納する収納ケース10と、ポケット部38A,38Bを横切る方向に往復動する底壁部材40A,40Bと、底壁部材40A,40Bを収納ケース10の前後方向に往復動させる駆動手段と、を備える。底壁部材40A,40Bが開放位置にあるときには、ポケット部38A,38Bに筒体Aを一つ収納し、底壁部材40A,40Bが閉じ位置に移動すると、押出部42A,42Bがポケット部38A,38B内の筒体Aの側面を押し出して排出口50に排出する。ポケット部38A,38Bに一つずつ筒体Aを収納し押出部42A,42Bで排出口50に押し出すことができるので、従来の球状のカプセルに包装された物品とは異なる形状の物品を排出することができる。
【選択図】図5
Description
このような従来の手動式販売装置では、カプセルの大きさおよび形状に制限があるため、カプセルに収納できる物品の大きさや形状が限られてしまうが、近年では、様々な形状、大きさの物品を販売したいという要望がある。
ここで、筒体とは、排出される物品自体の形状が筒状であっても良く、あるいは、排出される物品が筒状の容器等に包装されることによって筒体を構成してもよい。
この実施の形態においては、収納ケースが仕切られ、複数の底壁部材が、それぞれ互いに異なる位相で往復動し、筒体を排出する。よって、複数の底壁部材が互いに異なるタイミングで筒体を排出する。複数の底壁部材の一つが筒体を排出口に押し出している間に、他の底壁部材の一つが開放位置に移動して、ポケット部に筒体を受け入れる。
したがって、この実施の形態によれば、一つの底壁部材が筒体を排出している間に他の底壁部材の少なくとも一つがポケット部に筒体を受け入れるので、筒体の排出のための準備動作が短くてすむ。したがって、次の筒体を排出する際に、直ちに排出動作に移行できる。また、筒体を排出している間に次の筒体の排出のための準備動作を行えるから、排出動作により時間を割くことができ、より確実に排出動作を行える。また、底壁部材が複数設けられ、これらの底壁部材の少なくとも二つが互いに異なる位相で往復動するので、複数の底壁部材によって筒体を異なるタイミングで排出することが可能になるから、底壁部材の一往復の移動の間に排出できる筒体の数を多くすることができる。つまり、反対に、排出機構全体としては、筒体を一つ排出するのに必要な底壁部材の移動距離が少なくなるから、筒体を一つ排出するのに必要な動力が小さくなるため、駆動手段への負担が軽くなる。
したがって、この他の実施の形態によれば、排出口に隣接して受入室が形成されているので、排出口から排出された筒体が、受入室に受け入れられ、取出口から筒体が取り出されるから、筒体を取り出しやすくなる。また、蓋部材が取出口を閉じているときは、遮断部材が非遮断位置に位置して排出口を開放するので、ポケット部内の筒体が排出口から受入室へ排出可能となる。さらに、蓋部材を移動させて取出口を開くときは、蓋部材の移動によって遮断部材が遮断位置に移動するので、ポケット部に受け入れられた次に排出されるべき筒体が取出口から取り出されるのを防止できる。このとき、遮断部材は、非遮断位置と遮断位置との間の移動中、蓋部材との係合状態を維持するので、蓋部材の移動に連動して遮断部材を移動させることができるから、遮断部材の移動操作が簡単になる。また、蓋部材が取出口を開いているときには、蓋部材が遮断部材を遮断位置に保持するので、遮断部材が遮断位置に保持されるから、ポケット部に受け入れられた筒体を取出口から取り出すのを確実に防止できる。
したがって、このさらに他の実施の形態によれば、蓋部材の回動動作によって蓋部材の一方の端部が遮断部材を持ち上げて遮断位置に移動させるので、蓋部材の移動を遮断部材に伝達する機構等が不要となり、遮断部材の揺動機構が簡単になる。
この別の実施の形態においては、蓋部材を開閉する際には、遮断部材は、受入室に受け入れられた筒体の周面よりも排出口側で揺動する。
したがって、この別の実施の形態によれば、遮断部材が、受入室に受け入れられた筒体の周面よりも排出口側に配置されているので、筒体が受入室に受け入れられた状態でも、遮断部材が遮断位置および非遮断位置の間で揺動可能となる。よって、筒体が受入室に受け入れられた状態でも、筒体に干渉することなく、遮断部材を揺動させて蓋部材を開閉することができる。
したがって、このさらに別の実施の形態によれば、ポケット部が筒体の下方半分を受け入れ、底壁部材の押出部が底壁部材の先端部で構成されているので、押出部が筒体を安定して排出口の外に押し出すことができる。
したがって、本発明の他の実施の形態によれば、送り手段が設けられているので、収納ケース内の筒体を確実にポケット部に向けて移動させることができるから、収納ケース内の筒体を最後の一つまでポケット部に確実に案内でき、収納ケース内に筒体が残っているにも関わらず排出できなくなるのを防止できる。
したがって、この別の実施の形態によれば、送り手段がプーリおよび環状ベルトを有しているので、簡単な機構で収納ケース内の筒体をポケット部に向けて移動させることができる。また、送り手段がラックとピニオンをさらに有し、ラックが底壁部材と一体的に移動するので、底壁部材の駆動によって送り手段を駆動することができる。よって、送り手段の駆動機構を別途設ける必要がなく、排出機構の部品点数が少なくなり、排出機構の構造が簡単になる。また、切替手段が設けられているので、底壁部材が往復動しても、環状ベルトの上側は、排出口に近接する方向にのみ移動するから、収納ケース内の筒体を確実に排出口側に移動させることができる。
この発明によれば、販売装置が、前述の排出機構を備えているので、前述の排出機構の効果と同様の効果が得られ、従来の球形の物品のみを排出する販売装置とは異なる、筒体を排出して販売することができ、より多様な形状、大きさの物品を販売することが可能となる。
本発明の第一実施形態について説明する。
[手動式販売装置の全体構成]
図1は、本発明の第一実施形態に係る販売装置としての手動式販売装置100を正面側からみた斜視図である。本発明の第一実施形態に係る手動式販売装置100は、一方を他方の上面の上に積み上げたすなわち上下二段構成になっている。上下の手動式販売装置100は、それぞれ箱型の筐体101を有する。筐体101の上部には、筒体Aを複数収納し、筒体Aを一つずつ排出する本発明の第一実施形態に係る排出機構1が設けられている。また、手動式販売装置100の排出機構1の下方には、筐体101の前面開口を覆うカバー体103が、ヒンジにより開閉自在に設けられている。
カバー体103には、コインを投入するためのコイン投入口104と、返却されるコインが排出されるコイン受け皿106と、が設けられている。また、カバー体103には、排出機構1を作動させるために操作する回転ハンドル110がカバー体103に対して回転可能に配置されている。さらに、カバー体103からは、投入したコインを返却させるための返却部材102が突出している。
また、本実施形態では、手動式販売装置100の筐体101は、従来の球形のカプセルに包装された物品を販売するための手動式販売装置の筐体と同じものを使用している。つまり、本発明の第一実施形態に係る排出機構1は、従来の手動式販売装置に着脱可能となっており、したがって、本実施形態の手動式販売装置100は、既存の手動式販売装置の上部に配置される、球状のカプセルが収納される収納ケースを、本発明の第一実施形態に係る排出機構1に付け替えた構成となっている。したがって、図1の手動式販売装置100には、従来の球状のカプセルを取り出すための取出口105がカバー体103に設けられているが、本実施形態では、この取出口105は使用しない。
図2に示すように、手動式販売装置100の上方には、排出機構1が、中央には、投入されたコインを選別するコイン検出装置107が、下方には、コイン検出装置107で選別されたコインを収納するコイン収納部108が設けられている。
なお、本実施形態では、手動式販売装置100は、従来球状のカプセルに収納された物品を排出する既存の手動式販売装置の筐体を使用しているため、歯車112から回転台20の歯21までの減速比は、回転ハンドル110が1回転すると、回転台20が所定角度回動するように設定されている。
一方、コイン検出装置1は、所定種類のコインが所定枚数投入されていない場合には、伝達機構109を作動させず、回転ハンドル110の回転を阻止する。この結果、排出機構1が作動せず、筒体Aは取り出されない。
また、コイン検出装置1は、コイン受け皿106に連通しており、返却されるべきコインをコイン受け皿106に排出する。さらに、コイン検出装置1は、コイン収納部108とも連通しており、回転ハンドル110が回転されるごとに、投入された所定枚数の所定種類のコインをコイン収納部108に排出する。
次に、排出機構1の構成について説明する。
図3は、排出機構1を上方から見た斜視図であり、図4は、排出機構1を下方から見た斜視図である。これらの図3および図4に示すように、排出機構1は、筒体Aを複数収納する収納ケース10と、前述の回転台20と、回転台20の回動運動を往復運動に変換する回転往復動変換手段30と、回転往復動変換手段30によって変換された往復動に伴って往復動する底壁部材40と、収納ケース10の前方に形成され、筒体Aが排出される排出口50と、収納ケース10内の筒体Aを排出口50に向かって移動させる送り手段60と、を備える。なお、本実施形態では、収納ケース10において、排出口50が設けられた側を前方側とし、その反対側を後方側として説明する。また、収納ケース10の前後方向に直交する略水平方向を収納ケース10の横方向(幅方向)として説明する。
本実施形態では、収納ケース10と回転台20は、一つ設けられ、回転往復動変換手段30、底壁部材40、および送り手段60は、それぞれ複数(本実施形態では二つ)設けられている。
また、図4に示すように、収納ケース10の下方には回転台20を収容する収容部13が形成されており、この収容部13の後方側には、回転台20の外周の一部が外部に露出するように開口14が形成されている。回転台20の一部は、開口14から外部に露出し、この露出した部分において、回転台20の歯21が筐体101の駆動歯車114に噛み合っている。
回転板31A,31Bの上面の周縁には、上方に突出するピン34A,34Bが形成されている。これらのピン34A,34Bは、位相を互いに所定角度(本実施形態では約180°)ずらした位置に配置されている。つまり、ピン34Aがその軌跡上で排出機構1の最後方に位置したときに、ピン34Bは、排出機構1の最前方に位置するように配置されている。このように、いずれか一方のピン34A,34Bが排出機構1の最後方に、いずれか他方が最前方に配置される位置が、回転板31A,31Bの初期位置となっている。
また、回転台20から回転板31A,31Bまでの減速比は、回転ハンドル110が一回転して回転台20が所定角度回動したときに、回転板31A,31Bがそれぞれ半回転(180°)回動するように設定されている。
なお、回転台20と、回転往復動変換手段30とを備えて、底壁部材40A,40Bを駆動する本発明の駆動手段を構成する。
蓋部材52は、周面に開口52Aを有する円筒形で、長手方向軸線に直交する方向の断面が円弧状(略C字形)となっている。蓋部材52は、長手方向軸線が収納ケース10の幅方向に沿うように、収納ケース10の略全幅にわたって配置されている。
蓋部材52は、長手方向軸線を中心に回動可能に設けられ、図示しない付勢手段によって開口52Aが排出口50側を向いて円弧状部分が取出口51を覆うように、付勢されている。蓋部材52Aの周面には、蓋部材52を付勢手段に抗して下方に回動させるためのつまみ52Bが設けられている。また、蓋部材52の内部の径寸法は、筒体Aの径寸法よりも大きくなるように設定されており、蓋部材52の内部に、排出口50から排出された筒体Aを受け入れる受入室52Cが形成される。
ピニオン64A,64Bは、中央の回転軸65の、中央のプーリ61A,61Bの間に設けられた筒軸68の両端に固定されており、この筒軸68は、回転軸65に対して回転可能で且つ軸方向にスライド可能となっている。筒軸68両端の、ピニオン64A,64Bより外側には角柱状の連結部69A,69Bが固定されている。一方、中央のプーリ61A,61Bには、ピニオン64A,64Bに対向する面に連結部69A,69Bが挿入可能な角柱状の連結孔(図示せず)が形成されている。
これにより、筒軸68が空間12Aのプーリ61Aに近接する方向にスライドすると、ピニオン64Aの連結部69Aがプーリ61Aの連結孔に挿入されて、筒軸68と回転軸65とが連結される。このとき、ピニオン64Aはラック63Aとは噛合せず、ピニオン64Bがラック63Bと噛合する。
次に、本実施形態の手動式販売装置100の動作について説明する。
まず、コイン投入口104から所定種類のコインを所定枚数投入すると、コイン検出装置107がコインを検出して、回転ハンドル110を回転可能にするとともに、所定枚数のコインをコイン収納部108に収納する。
回転台20が所定角度回動すると、回転板31A,31Bは半回転するが、回転板31A,31Bの初期位置においては、回転板31A,31Bに取り付けられたピン34A,34Bの位相は180°ずれているので、例えば図5に示すように、一方の回転板31Bのピン34Bが最前方に位置し、他方の回転板31Aのピン34Aが最後方に位置している。この状態で、ピン34A,34Bが回動すると、ピン34A,34Bがスライド板35A,35の長孔36A,36B内で移動することにより、スライド板35A,35Bが排出口50に対して進退する方向にスライドする。つまり、スライド板35Aは前方に、スライド板35Bは後方に向かって移動する。ここで、スライド板35A,35Bの一往復の一周期の位相を、回転板31A,31Bの位相で360°と考えると、スライド板35A,35Bは、互いに180°異なる位相で往復動することとなる。スライド板35A,35Bがスライドすると、底壁部材40A,40Bも一体的に移動する。最後方にある底壁部材40Aは、排出口50に近接する方向に移動し、最前方にある底壁部材40Bは排出口50から離間する方向に移動する。
まず、図8に示すように、底壁部材40Aが収納ケース10の最後方の位置に配置された開放位置に位置する状態では、ポケット部38Aの上方が開放されるため、ポケット部38Aに筒体Aが一つだけ受け入れられた状態となっている。なお、収納ケース10内に収納されたその他の筒体Aは、ポケット部38Aの筒体A上およびガイド板37A上に積み重なって収納される。
回転台20の回転により回転板31Aが回転すると、スライド板35Aが排出口50に近接する方向にポケット部38Aを横切る方向に移動する。すると、図9に示すように、底壁部材40Aの先端の押出部42Aが、ポケット部38Aに受け入れられた筒体Aの側面を排出口50側に押し出す。このとき、ポケット部38Aは、筒体Aの下方略半分を受け入れるので、押出部42Aは、ポケット部38A内の筒体Aの長手方向軸線を含む水平面内に位置し、筒体Aの周面に当接して筒体Aを、長手方向軸線を含む水平面内で押し出すこととなる。
なお、一方の底壁部材40Aが筒体Aを排出口50の外に押し出している間、他方の底壁部材40Bは、収納ケース10の最後方に退避して、ガイド板37Bの前方端より後方に位置し、ポケット部38Bの上方を全部開放する開放位置に位置するので、ポケット部38Bには、筒体Aが一つ落下して受け入れられる。このとき、排出口50の前方には保持部材53Bが設けられているので、筒体Aは保持部材53Bに保持されることによって排出口50の外部に移動することがなく、ポケット部38B内に保持される。
このように、遮断部材55は、非遮断位置と遮断位置との間で揺動し、これらの位置の間を移動中、蓋部材52と係合(接触)状態にある。
前述の図5に示すように、底壁部材40Aが収納ケース10の最後方の開放位置にある状態では、筒軸68は、底壁部材40A側の中央のプーリ61Aに近接して配置され、このため、ピニオン64Aの連結部69Aがプーリ61Aの連結孔に挿入されて両者が連結する。また、ピニオン64Bが、スライド板35Bのラック61Bに噛み合う。
図12に示すように、底壁部材40Bが収納ケース10の最後方近傍まで移動した状態では、ピニオン64Bは、ラック63Bの最前方部分と噛み合っている。また、ピニオン64Aは、ラック63Aとは噛み合ってはいないが、ラック63Aの最後方部分近傍に位置する。そして切替手段70Bの先端部分が、ピニオン64Bの外周に接触している。
この切替動作によって、後方に移動するラック63Bにピニオン64Bが噛み合うように、その噛合状態を切り替えることにより、環状プーリ62A,62Bは、上側部分が排出口50に近接する方向に、常に一方向にのみ移動し、収納ケース10内の筒体Aを常に後方から前方に移動させる。
排出機構1にポケット部38A,38Bおよび底壁部材40A,40Bを設け、底壁部材40A,40Bが閉じ位置と開放位置との間で往復動可能に設けたので、押出部42A,42Bが筒体Aの周面を排出口50に向かって押し出すことにより、排出機構1が、筒体Aを一つずつ排出することができる。したがって、従来球形のカプセルに物品を収納していた場合と比較して、筒体Aが筒形状であると、同じ径寸法でも内部の高さ方向により大きな空間を作ることができるので、より大きな物品、より多様な形状の物品を収納することができる。これにより、より多様な種類の物品の販売にも柔軟に対応できる。
また、一つの回転台20の歯車22に、回転板31A,31Bを互いに所定角度(180°)を有して配置することによって回転板31A,31Bの往復動の位相をずらすことができる。
また、送り手段60A,60Bが、プーリ61A,61Bおよび環状ベルト62A,62Bを有して構成されるので、簡単な構造で送り手段60A,60Bを構成できる。
また、環状ベルト62A,62Bの外周に突起67A,67Bが形成されているので、突起67A,67Bが筒体Aの側面に当接するから、筒体Aが環状ベルト62A,62B上で滑るのを防止でき、より確実に筒体Aを収納ケース10の前方に移動させることができる。
排出口50に遮断部材55が設けられ、非遮断位置と遮断位置との間で揺動可能に構成されているので、蓋部材52から筒体Aを取り出す際に、遮断部材55によって排出口50を塞ぐことができる。したがって、これによってもポケット部38A,38Bに受け入れられた筒体Aが、意図しないタイミングで排出口50から外部に排出されるのを防止できる。また、蓋部材52を回動させて開口52Aと取出口51を整列させたときに、遮断部材55が排出口50を塞ぐから、ポケット部38A,38Bに収納された筒体Aを取り出せないようにできる。よって、次に排出されるであろう筒体Aの中身を見たり、次の筒体Aを取り出すなどの行為を防止できる。
本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態の排出機構1は、第一実施形態の排出機構1の隣り合うポケット部38A,38Bを連結可能に構成して、第一実施形態とは異なる寸法の筒体Bを排出可能に構成したものである。
底壁部材40A,40Bは、スライド板35A,35Bに対してスライド可能に連結されるスライド部43A,43Bと、スライド部43A,43Bに一体的に形成された押出部42A,42Bと、スライド板35A,35Bの前方端に当接可能な当接部44A,44Bと、ガイド板37A,37B(37C)とともに収納ケース10内の筒体A(B)を下方から支持するための支持部46A,46Bと、を有する。
スライド部43A,43Bの垂直部分の上端には、押出部42A,42Bが形成されている。押出部42A,42Bは、前方に突出する断面略三角形状に形成され、押出部42A,42Bの上端は、ガイド板37Aの上面とほぼ同じ高さに設定されている。さらに、押出部42A,42Bの幅寸法は、スライド板35A,35Bの幅寸法の略半分となっている。
スライド部43A,43Bの平行部分の下面には、付勢手段としてのばね45A,45Bの一端が固定されている。ばね45A,45Bの他端は、位置決め板32の裏面(下面)に固定されており、これにより、スライド部43A,43B、つまり底壁部材40A,40Bは、収納ケース10の後方に向かって付勢可能となっている。
他方の底壁部材40Aは、初期位置において、ガイド板37Aの前方端に当接されてその場で静止し、ポケット部38の上方を開放する開放位置に配置される。底壁部材40Aは、ガイド板37Aの前方端に当接して、それ以上の後方への移動が阻止されるのに対して、スライド板37Aは、それ以上に後方に移動している。したがって、スライド板35Aは、底壁部材40Aに対してスライドして後方に位置し、この初期位置においては、スライド板35Aの前方端と当接部44Aは離れている。
まず、手動式販売装置100を、筒体Bを販売するための販売装置とする場合には、収納ケース10から仕切り部11を取り外し、前述の図16に示すように、筒体収納室12A,12Bおよびポケット部38A,38Bを連結して一体にして筒体収納室12およびポケット部38をそれぞれ形成する。そして、筒体収納室12に筒体Bを複数収納する。底壁部材40A,40Bの初期位置では、一方の底壁部材40Bは閉じ位置に配置され、他方の底壁部材40Aが開放位置に配置されているため、ポケット部38の上方の一部が閉じられた状態となるため、ポケット部38に筒体Bは受け入れられない。
回転台20の回転によってスライド板35A,35Bが前後方向にスライドすると、スライド板35Aは、後方から前方に向かって移動し、スライド板35Bは、前方から後方に向かって移動する。
底壁部材40Bは、スライド板35Bとともに後方に移動し、ガイド板37Bに当接された位置で静止する。一方、底壁部材40Aは、スライド板35Aが前方に移動しても、当接部44Aがスライド板35Aに当たらないので前方に移動せず、底壁部材40Aがガイド板37Aに当接された位置で静止している。したがって、この状体では、二つの底壁部材40A,40Bが全て(両方)がそれぞれガイド板37Cに当接されて開放位置に配置される。このとき、ポケット部38の上方は、全幅において開放となるので、筒体Bが一つ、ポケット部38に受け入れられる。
底壁部材40Aが前方に移動すると、押出部42Aがポケット部38内の筒体Bの周面に、筒体Bの長手方向軸線を含む水平面と交差する部分近傍で接触し、当該部分を略水平方向に押す。このとき、底壁部材40Aは、筒体Bの一端側を押し出すが、押出補助部39Aが筒体Bの外周面に接触して、押出部42Aとともに筒体Aを押し出すのを補助するので、筒体Bは傾くことなく、ほぼ平行に移動して排出口50側に押し出される。底壁部材40Aが最前方まで移動すると、筒体Bは排出口50から排出され、保持部材53A,53Bを超えて取出口51に収納される。
底壁部材40Aは、最前方まで移動した後、今度は後方に移動し、ポケット部38の中程に突出した初期位置まで後退して排出動作を終了する。
以上の動作を交互に繰り返すことにより、排出機構1は、底壁部材40A,40Bの交互の運動によって筒体Bを排出する。
底壁部材40A,40Bは、筒体Bを排出する場合と同じ動作を行う。つまり、回転台20の回転によってスライド板35A,35Bが前後方向にスライドすると、一方のスライド板35Aは、後方から前方に向かって移動し、他方のスライド板35Bは、前方から後方に向かって移動する。底壁部材40Bは、後方に移動してガイド板37Bに当接されて静止する。底壁部材40Bは、開放位置に位置するので、ポケット部38Bの上方が開放されるため、ポケット部38Bに筒体Aが一つ受け入れられる。このように、底壁部材40A,40Bの両方が開放位置に位置する状態では、両方のポケット部38A,38Bにそれぞれ筒体Aが一つずつ受け入れられている。スライド板35Bが後方に移動する間、底壁部材40Bはガイド板37Bに当接された状態で保持される。
一方、スライド板35Aが前方に移動して、底壁部材40Aの当接部44Aに当接すると、スライド板35Aが底壁部材40Aを前方に押し出す。これにより、押出部42Aがポケット部38Aに受け入れられた筒体Aを排出口50に排出する。
仕切り部材11が、収納ケース10に対して着脱可能に設けられ、仕切り部材11を着脱することによって、筒体収納室12A,12Bおよびポケット部38A,38Bを分割したり、一体にしたりすることができるので、共通の排出機構1で二種類の寸法の筒体A,Bを排出することができる。したがって、一つの排出機構1を備えた手動式販売装置100で販売できる物品の種類を多様化することができ、排出機構1の汎用性を向上させることができる。
押出補助部39A,39Bが形成されているので、筒体Aまたは筒体Bを二箇所で押し出すことができるから、より安定して筒体A,Bを排出口50に排出することができる。
例えば、収納ケースは複数の筒体収納室に分割されているものに限らず、仕切り部材が設けられていない一つの筒体収納室を有するものであってもよい。この場合には、回転往復動変換手段および底壁部材は、収納ケースに複数並べて配置されているものに限らず、一つの筒体収納室(収納ケース)に対して一つ設けられていればよい。そして、回転台が所定角度回動すると底壁部材が一往復するように、回転往復動変換手段の減速比を調整すればよい。
筒体は、筒状の容器に玩具等を収納して構成されるものに限らず、例えば販売する製品自体が筒状のものであってもよい。
販売装置は、手動式販売装置に限らず、例えば排出機構の回転台をモータで駆動するなどして構成してもよい。
10…収納ケース
11…仕切り部材
12A,12B…筒体収納室
20…回転台
22…歯車(歯)
30…回転往復動変換手段
31…回転板
34…ピン
35…スライド板
36…長孔
38…ポケット部
40…底壁部材
50…排出口
51…取出口
52…蓋部材
52A…開口
52C…受入室
53…保持部材
55…遮断部材
60…送り手段
61A,61B…プーリ
62A,62B…環状ベルト
63A,63B…ラック
64A,64B…ピニオン
67A,67B…突起
70A,70B…切替手段
100…手動式販売装置(販売装置)
Claims (10)
- 筒体を一つずつ排出する排出機構であって、
内部に前記筒体を複数収納して、前記筒体を一つずつ排出する排出口と、前記排出口に連通する、前記筒体を一つだけ受け入れ可能なポケット部と、を有する収納ケースと、
前記ポケット部に向かって移動して、前記ポケット部の上方の少なくとも一部を閉じる閉じ位置と、前記ポケット部の上方を開放する開放位置との間で、前記ポケット部を横切る方向に往復動可能な底壁部材と、
この底壁部材を駆動するための駆動手段と、を備え、
前記底壁部材は、前記筒体を前記排出口の外に向けて押すための押出部を有し、前記底壁部材が前記開放位置に移動すると、前記筒体が前記ポケット部の中に受け入れられ、また、前記閉じ位置に向けて移動するとき、前記ポケット部内の前記筒体を前記押出部によって前記排出口の外に押し出すとともに、別の前記筒体が前記ポケット部の中に落下しないように、前記ポケット部の上方の少なくとも一部を閉じる、
ことを特徴とする排出機構。 - 前記収納ケースは、前記筒体の移動方向に延びて前記収納ケース内を複数の筒体収納室に分割する仕切り部材を有し、
前記底壁部材および前記ポケット部は、前記筒体収納室のそれぞれに設けられ、
これらの底壁部材の少なくとも二つは、互いに異なる位相で往復動し、
複数の前記底壁部材の一つが、前記閉じ位置に向けて移動して前記筒体を前記排出口の外に押し出す間に、他の前記底壁部材の少なくとも一つが前記開放位置に移動して、対応する前記ポケット部内に前記筒体が受け入れられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の排出機構。 - 前記収納ケースは、前記筒体の移動方向に延びて前記収納ケースおよび前記ポケット部をそれぞれ複数の筒体収納室および複数のポケット部に分割する仕切り部材を有し、前記仕切り部材は前記収納ケースに対して着脱自在であり、
前記底壁部材は、前記筒体収納室のそれぞれに設けられ、
複数の前記底壁部材は、少なくとも二つが互いに異なる位相で往復動し、往復動の一周期の間に一回、全ての前記底壁部材が前記開放位置に移動するように、前記駆動手段によって制御されており、
前記仕切り部材が取り外された状態では、複数の前記筒体収納室および複数の前記ポケット部がそれぞれ一体となり、前記収納ケースに複数の前記ポケット部にわたる長さの長い筒体が収納可能となり、全ての前記底壁部材が前記開放位置に移動したときに、前記長い筒体が一体となった前記ポケット部に受け入れられ、
前記底壁部材の少なくとも一つが前記閉じ位置に向けて移動するとき、前記ポケット部内の前記長い筒体を前記押出部によって前記排出口の外に押し出す、
ことを特徴とする請求項1に記載の排出機構。 - 前記排出口に隣接して、前記排出口から押し出された前記筒体を受け入れる受入室が形成されており、この受入室は、開閉可能な蓋部材が設けられた、前記筒体を取り出すための取出口を有し、
さらに、前記排出口には、前記排出口の下部に軸支された遮断部材が設けられ、
この遮断部材は、前記排出口を開放する非遮断位置と、前記排出口を塞ぎ、前記受入室と前記ポケット部との間を遮断する遮断位置との間で揺動可能であり、前記遮断部材の前記非遮断位置と前記遮断位置との間の移動中、前記蓋部材と前記遮断部材との係合状態が維持されており、前記蓋部材が前記取出口を閉じている状態においては、前記遮断部材は前記蓋部材側に自重により倒れて前記排出口を開放して、前記取出口を開くために前記蓋部材を移動させると、前記遮断部材が前記蓋部材によって前記非遮断位置から前記遮断位置に移動され、この遮断位置において、前記遮断部材が前記蓋部材によって前記遮断位置に保持される、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の排出機構。 - 前記蓋部材は、長手方向軸線に直交する方向の断面が円弧状の、開口を有する筒状に形成され、且つ前記軸線を中心に回動可能で、
前記蓋部材が前記取出口を閉じるときは、前記蓋部材の円弧状の一方の端部が、前記非遮断位置にある前記遮断部材の下方に位置するとともに、円弧状部分が前記取出口を覆い、
前記蓋部材が前記軸線を中心に回動して前記取出口を開くときに、前記一方の端部が前記遮断部材を持ち上げるとともに、前記蓋部材の前記開口と前記取出口とが整列する、
ことを特徴とする請求項4に記載の排出機構。 - 前記遮断部材は、前記筒体が前記受入室に受け入れられた状態で前記蓋部材が開閉可能となるように、前記筒体の周面よりも前記排出口側に配置される、
ことを特徴とする請求項5に記載の排出機構。 - 前記ポケット部は、前記筒体の下方半分を受け入れ、
前記底壁部材の前記押出部は、前記底壁部材の先端部分で構成されており、
前記底壁部材が前記閉じ位置に向かって移動するとき、前記筒体の周面部分が前記押出部によって押されて、前記排出口の外に押し出される、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の排出機構。 - 前記底壁部材の前記駆動手段によって駆動され、前記収納ケース内に収納された前記筒体を前記底壁部材上で前記ポケット部に向かって移動させるための送り手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の排出機構。 - 前記送り手段は、前記収納ケースの下方に前記排出口に対して進退する方向に沿って配置される環状ベルトと、
この環状ベルトが掛け回されるプーリと、
前記底壁部材と一体的に移動する往復動方向に沿ったラックと、
前記プーリに固定され、前記ラックと噛合可能なピニオンと、
前記ラックおよび前記ピニオンを噛合させる状態および噛合を外す状態との間で切り替え可能で、前記環状ベルトの上側を前記排出口に近接する方向に移動させるように前記ラックが移動するときに前記ラックと前記ピニオンとを噛み合わせる切替手段と、を有する、
ことを特徴とする請求項8に記載の排出機構。 - 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の排出機構を備えたことを特徴とする販売装置。
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