JP2008018775A - 制動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】減速制御の制御効果を高めつつ、ポンプモータの寿命が無駄に低下することを防止すること。
【解決手段】運転者のブレーキ操作が検出されている場合には、ブレーキ操作が検出されていない場合よりも、ポンプモータ17の回転数を低くするようにした。そのため、旋回走行時に、運転者がブレーキ操作をしている場合、つまり、運転者がブレーキ操作をしていない場合に比べ、減速制御によって小さく緩やかな減速度を発生すれば十分な場合には、ポンプモータの回転数17が低くなることで、ポンプモータ17の寿命を延ばすことや音振性能が悪化することを防止することができる。また、運転者がブレーキ操作をしていない場合、つまり、減速制御によって大きな制動力を発生する必要がある場合には、ポンプモータ17の回転数が高くなるので、ポンプモータ17による素早い昇圧により減速制御の制御効果を高めることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、減速制御を行う制動力制御装置に関する。
従来、この種の技術としては、例えば、旋回走行時に、車両が安定して走行可能な閾値を車両の状態量が越えている場合、車両が旋回走向を維持するために必要な減速度を自動的に実現する減速制御を行う車両の旋回制御装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、このような旋回制御装置にあっては、通常、減速制御実行時に、ポンプモータを回転させてホイールシリンダ内のブレーキ圧を増大し、任意の減速度を実現する(制動力を発生する)油圧ブレーキ用アクチュエータ(ポンプアップシステム)が用いられる。
特許第2600876号公報
ここで、上記従来の技術にあっては、例えば、ポンプモータの回転数を積極的に制御する構成にはなっていないため、ある一定の回転数で回転させる構成が採用されると考えられる。しかしながら、ポンプモータの回転数を高い一定値とすると、旋回走行時に、運転者がブレーキ操作をしていない場合、つまり、減速制御によって大きな減速度を発生する必要がある場合には、ポンプモータによる素早い昇圧により制御効果を得ることができるものの、運転者がブレーキ操作をしている場合、つまり、減速制御によって小さく緩やかな減速度を発生すれば十分な場合には、ポンプモータによる素早い昇圧を必要としないにも関わらず、ポンプモータの回転数が高く素早い昇圧が行われることになるため、ポンプモータにとっては無駄に負荷がかかってしまう恐れがあった。
また、例えば、ポンプモータの回転数を低い一定値とすると、旋回走行時に、運転者がブレーキ操作をしている場合には、ポンプモータへの負荷を低下することを防止できるものの、運転者がブレーキ操作をしていない場合には、ポンプモータによる素早い昇圧を行うことができず、十分な制御効果を得ることが難しくなる恐れがあった。
本発明は、上記従来の技術の未解決の課題を解決することを目的とするものであって、減速制御の制御効果を高めつつ、ポンプモータへの負荷を低下することができる制動力制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の制動力制御装置は、運転者のブレーキ操作に応じてホイールシリンダのブレーキ圧を制御する第1のブレーキ圧制御手段と、減速制御によってポンプモータを駆動して前記ホイールシリンダのブレーキ圧を制御する第2のブレーキ圧制御手段と、運転者のブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、を備え、前記第2のブレーキ圧制御手段は、前記ブレーキ操作検出手段で運転者のブレーキ操作が検出されている場合には、ブレーキ操作が検出されていない場合よりも、前記ポンプモータの回転数を低くすることを特徴とする。
したがって、本発明の制動力制御装置にあっては、運転者のブレーキ操作が検出されている場合にはポンプモータの回転数が低くなり、運転者のブレーキ操作が検出されていない場合にはポンプモータの回転数が高くなるため、例えば、旋回走行時等、減速制御による減速が必要なときに、運転者がブレーキ操作をしていない場合、つまり、減速制御によって大きな制動力を発生する必要がある場合には、ポンプモータの回転数が高くなることで、ポンプモータによる素早い昇圧により減速制御の制御効果を高めることができる。
また、例えば、旋回走行時等、減速制御による減速が必要なときに、運転者がブレーキ操作をしている場合、つまり、運転者がブレーキ操作をしていない場合に比べ、減速制御によって小さく緩やかな減速度を発生すれば十分な場合には、ポンプモータの回転数が低くなることで、ポンプモータの寿命が無駄に低下することを防止できる。
以下、本発明の制動力制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
<制動力制御装置の構成>
図1は、本実施形態の制動力制御装置の構成を示すブロック図である。この図1に示すように、制動力制御装置は、車速センサ1、舵角センサ2、ヨーレイトセンサ3、ブレーキセンサ4、路面μセンサ5、マスターシリンダ圧センサ6、コントローラ7、エンジン出力制御装置8及びブレーキ圧制御ユニット9を含んで構成される。
車速センサ1は、車速を検出し、その検出結果をコントローラ7に出力する。
舵角センサ2は、操舵輪の舵角を検出し、その検出結果をコントローラ7に出力する。
ヨーレイトセンサ3は、車体のヨーレイトを検出し、その検出結果をコントローラ7に出力する。
ブレーキセンサ4は、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作を検出し、その検出結果をコントローラ7に出力する。
路面μセンサ5は、路面μを検出し、その検出結果(路面μ推定値)をコントローラ7に出力する。
マスターシリンダ圧センサ6は、マスターシリンダ圧を検出し、その検出結果をコントローラ7に出力する。
コントローラ7は、所定時間が経過するたびに減速制御処理(後述)を実行し、車速センサ1、舵角センサ2及びヨーレイトセンサ3からの出力に基づいて、旋回時に減速制御を行わせる指令をエンジン出力制御装置8及びブレーキ圧制御ユニット9に出力する。
また、コントローラ7は、前記制動力制御の実行時に、所定時間が経過するたびにポンプモータ回転数制御処理(後述)を実行し、ブレーキセンサ4及び路面μセンサ5に基づいてブレーキ圧制御ユニット9に備えられているポンプモータ17の回転数を制御する。
エンジン出力制御装置8は、運転者のアクセル操作及びコントローラ5の指令に従って、エンジン出力(エンジン回転数、エンジントルク等)を制御する。
ブレーキ圧制御ユニット9は、運転者のブレーキ操作に応じてホイールシリンダ11i(i=FL,FR,RL,RR)のブレーキ圧を制御する。
また、ブレーキ圧制御ユニット9は、コントローラ7の指令に従って、ホイールシリンダ11iのブレーキ圧を制御するとともに、ポンプモータ17の回転数を制御する。
具体的には、ブレーキ圧制御ユニット9は、図2に示すように、マスターシリンダ10と各ホイールシリンダ11iとの間に介装されている。
マスターシリンダ10は、運転者によるブレーキペダルの操作量に応じてプライマリ側とセカンダリ側との2系統の液圧(マスターシリンダ圧)を作るタンデム式のものであり、プライマリ側をフロント左・リア右のホイールシリンダ11FL・11RRに伝達し、セカンダリ側を右前輪・左後輪のホイールシリンダ11FR・11RLに伝達する。
各ホイールシリンダ11FL〜11RRは、ディスクロータをブレーキパッドで挟圧して制動力を発生させるディスクブレーキ、又はブレーキドラムの内周面にブレーキシューを押圧して制動力を発生させるドラムブレーキに内蔵されている。
また、ブレーキ圧制御ユニット9は、アンチスキッド制御(ABS)、トラクション制御(TCS)、スタビリティ制御(Vehicle Dynamics Control)等に用いられる制動流体圧制御回路を利用したものであり、運転者のブレーキ操作に関わらず各ホイールシリンダ11FL〜11RRの液圧を増圧・保持・減圧可能に構成されている。
すなわち、プライマリ側は、マスターシリンダ10及びホイールシリンダ11FL(11RR)間の流路を閉鎖可能なノーマルオープン型の第1ゲートバルブ12A、第1ゲートバルブ12A及びホイールシリンダ11FL(11RR)間の流路を閉鎖可能なノーマルオープン型のインレットバルブ13FL(13RR)、ホイールシリンダ11FL(11RR)及びインレットバルブ13FL(13RR)間に連通したリザーバ14、ホイールシリンダ11FL(11RR)及びリザーバ14間の流路を開放可能なノーマルクローズ型のアウトレットバルブ15FL(15RR)、マスターシリンダ10及び第1ゲートバルブ12A間とリザーバ14及びアウトレットバルブ15FL(15RR)間とを連通した流路を開放可能なノーマルクローズ型の第2ゲートバルブ16A、並びにリザーバ14及びアウトレットバルブ15FL(15RR)間に吸入側を連通し、且つ、第1ゲートバルブ12A及びインレットバルブ13FL(13RR)間に吐出側を連通したポンプモータ17を備えている。また、ポンプモータ17の吐出側には、吐出されたブレーキ液の脈動を抑制し、ペダル振動を弱めるダンパー室18が配設されている。
また、セカンダリ側も、プライマリ側と同様に、第1ゲートバルブ12B、インレットバルブ13FR(13RL)、リザーバ14、アウトレットバルブ15FR(15RL)、第2ゲートバルブ16B、ポンプモータ17及びダンパー室18を備えている。
第1ゲートバルブ12A・12B、インレットバルブ13FL〜13RR、アウトレットバルブ15FL〜15RR及び第2ゲートバルブ16A・16Bは、それぞれ2ポート2ポジション切換・シングルソレノイド・スプリングオフセット式の電磁操作弁であって、第1ゲートバルブ12A・12B及びインレットバルブ13FL〜13RRは、非励磁のノーマル位置で流路を開放し、アウトレットバルブ15FL〜15RR及び第2ゲートバルブ16A・16Bは、非励磁のノーマル位置で流路を閉鎖する。
ポンプモータ17は、負荷圧力に関係なく任意の吐出量を確保できる歯車ポンプ及びピストンポンプ等、容積形のポンプで構成されている。
そして、ブレーキ圧制御ユニット9は、プライマリ側を例に説明すると、通常時には(減速制御非実行時には)、第1ゲートバルブ12A、インレットバルブ13FL(13RR)、アウトレットバルブ15FL(15RR)、及び第2ゲートバルブ16Aを全て非励磁のノーマル位置とすることで、マスターシリンダ10の液圧(運転者のブレーキ操作によって作られたマスターシリンダ圧)をそのままホイールシリンダ11FL(11RR)に伝達し、運転者のブレーキ操作に応じた制動力を発生する(通常ブレーキ)。
また、ブレーキ圧制御ユニット9は、減速制御実行時には、インレットバルブ13FL(13RR)、及びアウトレットバルブ15FL(15RR)を非励磁のノーマル位置としたまま、第1ゲートバルブ12Aを励磁して閉鎖するとともに、第2ゲートバルブ16Aを励磁して開放し、さらに、ポンプモータ17を駆動することで、マスターシリンダ10の液圧を第2ゲートバルブ16Aを介して吸入し、吐出される液圧をインレットバルブ13FL(13RR)を介してホイールシリンダ11FL(11RR)に伝達し、減速制御による制動力を発生する(増圧)。
さらに、ブレーキ圧制御ユニット9は、第1ゲートバルブ12A、アウトレットバルブ15FL(15RR)、及び第2ゲートバルブ16Aを非励磁のノーマル位置とし、インレットバルブ13FL(13RR)を励磁して閉鎖することで、ホイールシリンダ11FL(11RR)からマスターシリンダ10及びリザーバ14への流路それぞれが遮断され、ホイールシリンダ11FL(11RR)の液圧を保持する(保持)。
また、第1ゲートバルブ12A及び第2ゲートバルブ16Aを非励磁のノーマル位置とし、インレットバルブ13FL(13RR)を励磁して閉鎖するとともに、アウトレットバルブ15FL(15RR)を励磁して開放することで、ホイールシリンダ11FL(11RR)の液圧をリザーバ14に流入して減圧する(減圧)。
なお、セカンダリ側に関しても、通常ブレーキ・増圧・保持・減圧の動作は、プライマリ側の動作と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
したがって、コントローラ7は、第1ゲートバルブ12A・12B、インレットバルブ13FL〜13RR、アウトレットバルブ15FL〜15RR、第2ゲートバルブ16A・16B及びポンプモータ17を駆動制御することによって、各ホイールシリンダ11FL〜11RRの液圧を増圧・保持・減圧することができる。
<コントローラの動作>
・減速制御処理
次に、コントローラ7で実行される減速制御処理を図3のフローチャートに基づいて説明する。この減速制御処理は、所定時間(例えば、10msec.)が経過するたびに実行される処理であって、まず、そのステップS1で、舵角センサ2で検出された舵角σ、車速センサ1で検出された車速V及びヨーレイトセンサ3で検出されたヨーレイトφ1(実ヨーレイト)に基づいてヨーレイトセレクト値φ*を設定するヨーレイト算出処理(後述)を実行する。
次にステップS2に移行して、予め設定されている目標横加速度Yga(例えば、0.45g)を横加速度制限値Yg*とする横加速度制限値算出処理を実行する。
目標横加速度Ygaは、例えば、車両がコーナに速度超過で進入し、運転者の意図する旋回軌跡(ハンドル操作に応じた旋回軌跡)より外側を走行しそうなときに減速制御が実行されるような値に設定する。
次にステップS3に移行して、前記ステップS1で設定されたヨーレイトセレクト値φ*、前記ステップS2で設定された横加速度制限値Yg*及び路面μセンサ5で検出された路面μ推定値μに基づいて目標車速V*を算出する目標車速算出処理(後述)を実行する。
次にステップS4に移行して、車速センサ1で検出された車速V及び前記ステップS3で算出された目標車速V*に基づいて目標減速度Xg*を算出する目標減速度算出処理(後述)を実行する。
次にステップS5に移行して、車速センサ1で検出された車速V及び前記ステップS3で算出された目標車速V*に基づいて、所定時間後の目標車速の推定値が現在の車速Vより小さいか否かを判定し、小さい場合にはホイールシリンダ11iに予圧を印加するようにブレーキ圧制御ユニット9を制御する予圧制御出力処理(後述)を実行する。
次にステップS6に移行して、前記ステップS4で算出された目標減速度Xg*が正値であるか否かを判定し、正値である場合(減速制御を行う場合)には、前記目標減速度Xg*を実現するための制動力が発生するようにブレーキ圧制御ユニット9を制御するとともに、目標エンジントルクengtrq-cを小さい値に設定し、その目標エンジントルクengtrq-cに基づいてエンジン出力制御装置8を制御する車両出力処理(後述)を実行してから、この演算処理を終了する。
・ヨーレイト算出処理
次に、前記ステップS1のヨーレイト算出処理を図4のブロック図に基づいて説明する。このヨーレイト算出処理では、まず、ヨーレイト推定部20によって、舵角センサ2で検出された舵角σ及び車速センサ1で検出された車速Vに基づいてヨーレイト推定値φ2を推定する。
次に、セレクトハイ部21によって、そのヨーレイト推定値φ2の絶対値及びヨーレイトセンサ3で検出されたヨーレイトφ1(実ヨーレイト)の絶対値のうち大きい値をヨーレイトセレクト値φ*(>0)に設定してから、この演算処理を終了する。
すなわち、通常時には、舵角σから算出されるヨーレイト推定値φ2のほうが実ヨーレイト(ヨーレイトφ1)よりも早いタイミングで変化し、また、低μ路走行時等、舵角σが十分に小さい状態でヨーレイトが増加する所謂スロースピンモード時には、舵角σから算出されるヨーレイト推定値φ2よりも実ヨーレイト(ヨーレイトφ1)のほうが実際の変化を適切に反映しているため、ヨーレイトセレクト値φ*を減速制御に用いることで、減速制御を適切なタイミングで実行でき、適切な制御効果を得ることができる。
・ 目標車速算出処理
次に、前記ステップS3の目標車速算出処理を図5のブロック図に基づいて説明する。この目標車速算出処理では、前記ステップS1で設定されたヨーレイトセレクト値φ*、前記ステップS2で設定された横加速度制限値Yg*及び路面μセンサ5で検出された路面μ推定値μに基づき、下記(1)式に従って目標車速V*を算出する。
*=μ×Yg** ・・・(1)
すなわち、目標車速V*は、ヨーレイトセレクト値φ*が大きくなるほど小さい値となり、横加速度制限値Yg*及び路面μ推定値μが小さくなるほど小さい値となる。
・目標減速度算出処理
次に、前記ステップS4の目標減速度算出処理を説明する。この目標減速度算出処理では、車速センサ1で検出された車速Vから前記ステップS3で算出された目標車速V*を減じた減算結果を所定時間td(車速Vと目標車速V*との速度差を0にするまでの時間)で除し、その除算結果に所定ゲインKを乗じた除算結果を目標減速度Xg*とする。
すなわち、目標減速度Xg*は、車速Vと目標車速V*との差が正の方向に大きくなるほど大きい値となる。
なお、目標減速度Xg*の算出方法は、この方法に限られるものではなく、例えば、車速Vと目標車速V*との差の時間変化量を考慮し、下記(2)式に従って目標減速度Xg*を算出してもよい。そのようにすれば、運転者が素早い操舵を行い、目標車速V*が急に小さくなった場合に、素早く減速させる目標減速度Xg*を設定できる。
Xg*=(K1×(V−V*)+K2×((V−V*)―ΔVZ))/td ・・(2)
ここで、K1及びK2は予め設定されたゲインであり、ΔVZは前記減速制御処理が前回実行されたときに算出された(V−V*)である。
・予圧制御出力処理
次に、前記ステップS5の予圧制御出力処理を図6のフローチャートに基づいて説明する。この予圧制御出力処理では、まず、そのステップS11で、車速センサ1で検出された車速Vを取得(入力)する。
次にステップS12に移行して、前記ステップS3で算出された目標車速V*を取得する。
次にステップS13に移行して、予圧制御所定時間Δtを取得する。
予圧制御所定時間Δtは、予圧制御の開始から制御効果が得られるまでに要する時間に設定する(例えば、300msec.)。
次にステップS14に移行して、前記ステップS12で取得された目標車速V*の逆数1/V*を算出(演算)する。
次にステップS15に移行して、前記ステップS11で取得された車速度Vの逆数1/Vを算出する。
次にステップS16に移行して、前記ステップS14で算出された目標車速の逆数1/V*の変化量d(1/V*)を算出する。
次にステップS17に移行して、前記ステップS12で取得された目標車速V*及び前記ステップS13で取得された予圧制御所定時間Δtに基づき、下記(3)式に従って予圧制御所定時間Δt経過後の目標車速の逆数推定値1/Vprefillを算出する。
1/Vprefill=1/V*+d(1/V*)/dt×Δt ・・・(3)
次にステップS18に移行して、前記ステップS17で算出された逆数推定値1/Vprefillが前記ステップS15で算出された車速の逆数1/Vより大きいか否かを判定する。そして、車速の逆数1/Vより大きい場合には(Yes)ステップS19に移行し、車速の逆数1/V以下である場合には(No)ステップS21に移行する。
前記ステップS19では、prefill FlagをON状態とする。
次にステップS20に移行して、制動力増加処理を実行し、ポンプモータ17を駆動してホイールシリンダ11iに予圧(例えば、3kgf/cm2)を印加させる指令をブレーキ圧制御ユニット9に出力してから、この演算処理を終了する。
ちなみに、予圧を印可しない方法にあっては、減速制御が開始され、モーターポンプ17が作動しても、ホイールシリンダ11iのブレーキ圧が高まるまでは応答(初期応答)が遅れ、減速制御によって所望される減速感が得られない恐れがある。
一方、前記ステップS21では、prefill FlagをOFF状態としてから、この演算処理を終了する。
・車両出力処理
次に、前記ステップS6の車両出力処理を図7のフローチャートに基づいて説明する。この車両出力処理では、まず、そのステップS100で、前記ステップS3で算出された目標減速度Xg*及び運転者のアクセル操作に応じたエンジントルク(ドライバ要求エンジントルクengtrq-bs)を取得する。
次にステップS101に移行して、前記ステップS17で算出された逆数推定値1/Vprefillが前記ステップS15で算出された車速の逆数1/Vより大きいか否かを判定する。そして、車速の逆数1/Vより大きい場合には(Yes)ステップS102に移行し、車速の逆数1/V以下である場合には(No)ステップS104に移行する。
前記ステップS102では、prefill FlagをON状態とする。
次にステップS103に移行して、前記制動力増加処理を実行する。
次にステップS105に移行して、前記ステップS100で取得された目標減速後Xg*が0より大きいか否かを判定する。そして、0より大きい場合には(Yes)ステップS106に移行し、0以下である場合には(No)ステップS114に移行する。
前記ステップS106では、F-FlagをON状態とする。
次にステップS107に移行して、第2の制動力増加処理を実行し、前記ステップS100で取得された目標減速度Xg*を制動力のみで実現するための目標ブレーキ圧を算出し、その目標ブレーキ圧を、ポンプモータ17を駆動してホイールシリンダ11iに印可させる指令をブレーキ圧制御ユニット9に出力する。
なお、その際、目標ブレーキ圧は、制動力が発生することで車両挙動が不安定となってしまうことがなく、また、必要とする制動力が比較的速やかに発生するように(例えば、所定の変化度合いで制動力が増大するように)設定する。
次にステップS108に移行して、前記減速制御処理が前回実行されたときに算出された目標エンジントルクengtrq-cから予め設定されている低減量Δengtrq-dnを減じた減算結果を新しい目標エンジントルクengtrq-cとする。
なお、前記減速制御処理が初めて実行された場合には、前回実行されたときの目標エンジントルクengtrq-cとして、前記ステップS100で取得されたドライバ要求エンジントルクengtrq-bsを用いるものとする。
次にステップS109に移行して、最小エンジントルク値Δengtrq-minを設定する最小値Δengtrq-min設定処理を実行する。
次にステップS110に移行して、前記ステップS108で算出された目標エンジントルクengtrq-cが前記ステップS109で設定された最小エンジントルク値Δengtrq-minより小さいか否かを判定する。そして、最小エンジントルク値Δengtrq-minより小さい場合には(Yes)ステップS111に移行し、最小エンジントルク値Δengtrq-min以上である場合には(No)ステップS112に移行する。
前記ステップS111では、前記ステップS109で設定された最小エンジントルク値Δengtrq-minを目標エンジントルクengtrq-cとしてから、前記ステップS112に移行する。
前記ステップS112では、前記ステップS108で算出された目標エンジントルクentrq-c(前記ステップS111を経た場合には前記ステップS111で設定されたentrq-c)及び前記ステップS100で取得されたドライバ要求トルクengtrq-bsのうち小さい値を新しいentrq-cとする(セレクトロー)。
すなわち、ドライバ要求エンジントルクengtrq-bsが最小エンジントルク値Δengtrq-minより小さい場合には、目標エンジントルクengtrq-cとして、運転者のアクセル操作に応じたエンジントルク(ドライバ要求エンジントルクengtrq-bs)が設定されるために、運転者の意思を適切に反映することができる。
次にステップS113に移行して、前記ステップS112又は後述するステップS114で設定された目標エンジントルクengtrq-cを発生させる指令をエンジン出力制御装置8に出力してから、この演算処理を終了する。
一方、前記ステップS104では、prefill FlagをOFF状態としてから、この演算処理を終了する。
また、一方、前記ステップS114では、F-FlagをOFF状態とする。
次にステップS115では、前記ステップS100で取得されたドライバ要求エンジントルクengtrq-bsを目標エンジントルクengtrq-cとしてから、前記ステップS113に移行する。
・ポンプモータ回転数制御処理
次に、コントローラ7で実行されるポンプモータ回転数制御処理を図8のフローチャートに基づいて説明する。このポンプモータ回転数制御処理は、所定時間(例えば、10msec.)が経過するたびに実行される処理であって、まず、そのステップS201で、運転者がブレーキ操作をしているか否かを示すブレーキ操作判断フラグBrake SWがON状態であるか否かを判定する。そして、ON状態である場合には(Yes)ステップS202に移行し、OFF状態である場合には(No)ステップS206に移行する。
なお、ブレーキ操作判断フラグBrake SWは、ブレーキセンサ4で運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が検出されている場合にON状態となり、ブレーキペダルの踏み込み操作が検出されていない場合にOFF状態となる。
次にステップS202に移行して、マスターシリンダ圧センサ6で検出されたマスターシリンダ圧mc-Pが閾値圧力mc-P-min以上であるか否かを判定する。そして、閾値圧力mc-P-min以上である場合には(Yes)ステップS203に移行し、閾値圧力mc-P-minより小さい場合には(No)前記ステップS206に移行する。
閾値圧力mc-P-minは、例えば、ブレーキパッドとキャリパーとの間のクリアランスを0とするブレーキ圧(無効液圧分を詰まらせるブレーキ圧)としてもよい。
また、例えば、ブレーキペダルに軽く足を乗せるくらいのブレーキ操作しかしておらず、ホイールシリンダ11iのブレーキ圧が小さいときに、減速制御が行われた場合、マスターシリンダ10の液圧をポンプモータ17が吸入することでブレーキペダルが吸い込まれるような感覚を運転者に与えてしまう恐れがある。そのため、例えば、減速制御が行われてもブレーキペダルが吸い込まれる感覚を与えない大きさのブレーキ圧(マスターシリンダ圧mc-P)を官能評価で調べ、そのマスターシリンダ圧mc-Pを閾値圧力mc-P-minとしてもよい(例えば、1kgf/cm2)。
前記ステップS203では、マスターシリンダ圧センサ6で検出されたマスターシリンダ圧mc-Pに基づき、図10に示すように、マスターシリンダ圧mc-Pとポンプモータ回転数αとの関係を示す制御マップを用いてポンプモータ回転数αを設定する。
制御マップは、図10に示すように、マスターシリンダ圧mc-Pが閾値圧力mc-P-mより小さい領域ではポンプモータ回転数αが大きい一定値をとり、マスターシリンダ圧mc-Pが比較的大きい領域ではポンプモータ回転数αが小さい一定値をとり、それらの領域の間の領域ではマスターシリンダ圧mc-Pの増加とともにポンプモータ回転数αが徐々に減少する値をとるように設定されている。
すなわち、マスターシリンダ圧mc-P(運転者のブレーキ操作量)が大きいほどポンプモータ回転数αが低い値に設定される。
なお、本実施形態では、マスターシリンダ圧mc-Pの増加に応じてモータ回転数αを徐々に減少する構成を示したが、これに限られるものではない。例えば、マスターシリンダ圧mc-Pに関わらず一定のポンプモータ回転数αを設定してもよいし、マスターシリンダ圧mc-Pの各範囲(例えば、1〜5kgf/cm2、5〜15kgf/cm2、15kgf/cm2〜)毎に一定のモータ回転数αを設定してもよく、そのようにすれば、モータ回転数αの変化によって音振性能が悪化してしまうことを抑制することができる。
次にステップS204に移行して、まず、前記ステップS4で算出された目標減速度Xg*に基づき、図11に示すように、目標減速度Xg*と補正係数Zとの関係を示す制御マップを用いて補正係数Zを算出する。次に、その補正係数Zを前記ステップS203で設定されたポンプモータ回転数αに乗じて新しいポンプモータ回転数αを算出する。
制御マップは、図11に示すように、目標減速度Xg*が比較的小さい領域では補正係数Zが小さい一定値をとり、目標減速度Xg*が比較的大きい領域では補正係数Zが小さい一定値をとり、それらの領域の間の領域では目標減速度Xg*の増加とともに補正係数Zが徐々に増加する値をとるように設定されている。
すなわち、目標減速度Xg*が大きいほど補正係数Z(新しいポンプモータ回転数α)が大きい値に設定される。
なお、本実施形態では、補正係数Zを乗じてポンプモータ回転数αを補正する例を示したが、これに限られるものではない。例えば、補正係数(例えば、ポンプモータ回転数α*)を加算してポンプモータ回転数αを補正するようにしてもよい。
次にステップS205に移行して、まず、前記ステップS204で算出されたポンプモータ回転数αを目標減速度Xg*が増加傾向(図9の左領域、dX/dt≧0領域)である場合のポンプモータ回転数α-up[rpm]とし、ポンプモータ回転数αから所定回転数γを減じた減算結果を目標減速度Xg*が減少傾向(図9の右領域、dX/dt<0領域)である場合のポンプモータ回転数α-dn[rpm]とする。
次に、前記ステップS4で算出された目標減速度が増加傾向にあるか否かを判定する。そして、増加傾向にある場合には減速制御の実行時におけるポンプモータ17の回転数を前記ポンプモータ回転数α-upと一致させる指令をエンジン出力制御装置8に出力し、減少傾向にある場合にはポンプモータ17の回転数を前記ポンプモータ回転数α-dnと一致させる指令をエンジン出力制御装置8に出力してから、この演算処理を終了する。
前記ステップS206では、図10の制御マップにおいて、マスターシリンダ圧mc-Pが0である場合のモータ回転数をポンプモータ回転数βとする。
すなわち、運転者のブレーキ操作が検出されていない場合には、ブレーキ操作が検出されていない場合よりも、前記ポンプモータ17の回転数を高くする。
次にステップS207に移行して、まず、前記ステップS4で算出された目標減速度Xg*に基づき、図11に示すように、目標減速度Xg*と補正係数Zとの関係を示す制御マップを用いて補正係数Zを算出する。次に、その補正係数Zを前記ステップS205で設定されたポンプモータ回転数βに乗じて新しいポンプモータ回転数βを算出する。
次にステップS208に移行して、まず、前記ステップS207で算出されたポンプモータ回転数βを目標減速度Xg*が増加傾向である場合のポンプモータ回転数β-up[rpm]とし、ポンプモータ回転数βから所定回転数γを減じた減算結果を目標減速度Xg*が減少傾向である場合のポンプモータ回転数β-dn[rpm]とする。
次に、前記ステップS4で算出された目標減速度が増加傾向にあるか減少傾向にあるかを判定する。そして、増加傾向にある場合にはポンプモータ17の回転数を前記ポンプモータ回転数β-upと一致させる指令をエンジン出力制御装置8に出力し、減少傾向にある場合にはポンプモータ17の回転数を前記ポンプモータ回転数β-dnと一致させる指令をエンジン出力制御装置8に出力してから、この演算処理を終了する。
<制動力制御装置の動作>
次に、本実施形態の制動力制御装置の動作を具体的状況に基づいて説明する。
まず、コーナ進入時、運転者がブレーキペダルを踏みながら操舵操作をしたときに、コントローラ7でポンプモータ回転数制御処理が実行されたとする。すると、図8に示すように、まず、そのステップS201の判定が「YES」となり、また、マスターシリンダ圧mc-Pが閾値圧力mc-P-min以上であるとすると(マスターシリンダ圧mc-Pが比較的大きかったとすると)、ステップS203で、その大きいマスターシリンダ圧mc-Pに基づき、図10の制御マップを用いてポンプモータ回転数αが小さい値に設定される(ブレーキ操作が検出されていない場合のポンプモータ回転数βよりも低い値)。
また、ステップS204で、目標減速度Xg*に基づき、図11の制御マップを用いて補正係数Zが設定され、その補正係数Zが前記設定されたポンプモータ回転数αに乗じられて新しいポンプモータ回転数αが小さい値とされ、目標減速度Xg*が増加傾向であったとすると、ステップS205で、その新しいポンプモータ回転数αが目標減速度Xg*が増加傾向の場合のポンプモータ回転数α-upとされ、減速制御の実行時におけるポンプモータ17の回転数を前記ポンプモータ回転数α-upと一致させる指令がエンジン出力制御装置8に出力された後、この演算処理を終了する。
また、同時に、コントローラ7で減速制御処理が実行されたとする。すると、図3に示すように、まず、そのステップS1で、ヨーレイト算出処理が実行され(図4参照)、舵角センサ2で検出された舵角σ、車速センサ1で検出された車速V及びヨーレイトセンサ3で検出されたヨーレイトφ1に基づいてヨーレイトセレクト値φ*が設定される。
また、ステップS2で、横加速度制限値算出処理が実行され、予め設定されている目標横加速度Yga(例えば、0.45g)が横加速度制限値Yg*とされる。
さらに、ステップS3で、目標車速算出処理が実行され(図5参照)、前記設定されたヨーレイトセレクト値φ*、前記設定された横加速度制限値Yg*及び路面μセンサ5で検出された路面μ推定値μに基づいて目標車速V*が算出される。
また、ステップS4で、目標減速度算出処理が車速センサ1で検出された車速V及び前記算出された目標車速V*に基づいて目標減速度Xg*が算出される。
さらに、ステップS5で、制動力増加処理が実行され(図6参照)、車速センサ1で検出された車速V及び前記算出された目標車速V*に基づいて、所定時間後の目標車速の推定値が現在の車速Vより小さいか否かが判定され、小さい場合にはホイールシリンダ11iに予圧を印加する指令がブレーキ圧制御ユニット9に出力される。
そして、ブレーキ圧制御ユニット9によって、その指令が取得されると、ポンプモータ17が駆動され、ホイールシリンダ11iに予圧が印加される。
また、ステップS6で、前記算出された目標減速度Xg*が正値であるか否かが判定され、正値である場合(減速制御を行う場合)には、前記目標減速度Xg*を実現するための制動力を発生する指令がブレーキ圧制御ユニット9に出力され、また、目標エンジントルクengtrq-cが小さい値に設定され、その目標エンジントルクengtrq-cを発生する指令がエンジン出力制御装置8に出力された後、この演算処理を終了する。
そして、ブレーキ圧制御ユニット9によって、前記設定されたポンプモータ回転数α-upでポンプモータ17が駆動され、ホイールシリンダ11iのブレーキ圧が僅かに増加され、目標減速度Xg*を実現するための制動力が発生されるとともに、エンジン出力制御装置8によって、エンジン出力が低減される。
一方、コーナ進入時、運転者がブレーキペダルを踏まないで操舵操作をしたときに、コントローラ7でポンプモータ回転数制御処理が実行されたとする。すると、図8に示すように、前記ステップS201の判定が「NO」となり、ステップS206で、ポンプモータ回転数βが図10の制御マップのモータ回転数の最大値とされる(ブレーキ操作が検出されている場合のポンプモータ回転数αよりも高い値)。
また、前記ステップS207で、補正係数Zが設定され、その補正係数Zが前記設定されたポンプモータ回転数βに乗じられて新しいポンプモータ回転数βが大きい値とされ、前記ステップS208で、その新しいポンプモータ回転数αが目標減速度Xg*が増加傾向の場合のポンプモータ回転数α-upとされ、減速制御の実行時におけるポンプモータ17の回転数を前記ポンプモータ回転数β-upと一致させる指令がエンジン出力制御装置8に出力された後、この演算処理を終了する。
なお、本実施形態の変形例として、ステップS206〜ステップS208の代わりに、従来通りの高回転数でポンプモータ17を回転させるようにしてもよい。
また、同時に、コントローラ7で減速制御処理が実行されたとする。すると、図3に示すように、前記ステップS1〜S6を経て、目標減速度Xg*を実現するための制動力を発生する指令がブレーキ圧制御ユニット9に出力され、また、目標エンジントルクengtrq-cが小さい値に設定され、その目標エンジントルクengtrq-cを発生する指令がエンジン出力制御装置8に出力された後、この演算処理を終了する。
そして、ブレーキ圧制御ユニット9によって、前記設定されたポンプモータ回転数β-upでポンプモータ17が駆動され、ホイールシリンダ11iのブレーキ圧が素早く昇圧され、目標減速度Xg*を実現するための制動力が発生されるとともに、エンジン出力制御装置8によって、エンジン出力が低減される。
以上、図2のマスターシリンダ10が特許請求の範囲に記載の第1のブレーキ圧制御手段を構成し、以下同様に、図2のコントローラ7及びブレーキ圧制御ユニット9、図8のステップS202〜S205が第2のブレーキ圧制御手段を構成し、図1のマスターシリンダ圧センサ6がブレーキ操作量検出手段を構成し、図2のコントローラ7、図3のステップS4が目標減速度算出手段を構成する。
(1)このように、本実施形態の制動力制御装置にあっては、運転者のブレーキ操作が検出されている場合には、ブレーキ操作が検出されていない場合よりも、ポンプモータ17の回転数を低くするようにした。そのため、旋回走行時に、運転者がブレーキ操作をしている場合、つまり、運転者がブレーキ操作をしていない場合に比べ、減速制御によって小さく緩やかな減速度を発生すれば十分な場合には、ポンプモータの回転数17が低くなることで、不要なポンプモータ回転を無くすことができ、ポンプモータ17への負荷を低下すること(モータブラシやポンプシールへの負荷を低下すること)ができるとともに、音振性能が悪化することを防止することができる。
また、ポンプモータの回転数17が低くなることで、マスターシリンダ10の液圧をポンプモータ17が吸入することでブレーキペダルが吸い込まれるような感覚を運転者に与えてしまうことを防止し、ペダルフィールの悪化を抑制することができる。
また、運転者がブレーキ操作をしていない場合、つまり、減速制御によって大きな制動力を発生する必要がある場合には、ポンプモータ17の回転数が高くなるので、ポンプモータ17による素早い昇圧により減速制御の制御効果を高めることができる。
(2)また、運転者のブレーキ操作量(マスターシリンダ圧mc-P)が大きいほどポンプモータ17の回転数を低くするようにした(図10の制御マップに従ってモータ回転数αを低く設定するようにした)。そのため、運転者のブレーキ操作量(マスターシリンダ圧mc-P)が大きいために、ホイールシリンダ11i内のブレーキ圧が高くなっている場合、つまり、高回転でポンプモータ17を回転させなくても昇圧応答がよい場合に、モータブラシやポンプシールの寿命や音振性能が低下することを防止できる。
(3)さらに、目標減速度Xg*が大きいほどポンプモータ17の回転数を高くするようにした(図11の制御マップに従ってモータ回転数αに乗じる補正係数Zを大きな値とした)。すなわち、目標減速度Xg*が大きいほど実際の車速Vと目標車速V*との差が大きいので、より素早く車速Vを低減する必要があるが、ポンプモータ17の回転数を高くすることで、昇圧応答性を高め、減速制御の制御効果をより高めることができる。
(4)また、目標減速度Xg*が減少傾向にある場合は、増加傾向にある場合よりも、ポンプモータ17の回転数を低くするようにした(α-up>α-dn)。すなわち、目標減速度Xg*が増加傾向から減少傾向となったときは、バルブによりホイールシリンダ11iのブレーキ圧を制御するため、ポンプモータ17を回転する必要はなく、不要なポンプモータ回転を無くすことができ、ポンプモータ17の寿命が低下することや音振性能が悪化することを防止することができる。
また、本発明の制動力制御装置は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上記実施形態では、運転者のブレーキ操作が検出されている場合には、常に、ポンプモータ17の回転数を低くする例を示したが、これに限られるものではなく、ブレーキ操作とともに特定機能が作動しているときには、各機能間の出力調停を行ってポンプモータ17の回転数を制御し、車両状態を安全方向に持っていくようにしてもよい。
具体的には、緊急ブレーキが必要とされるときに、運転者が強くブレーキを踏み込めなかった場合にブレーキへの伝達遅れを低減することで停止距離を短縮する所謂ブレーキアシスト機能が作動している場合には、運転者のブレーキ操作が検出されても、ポンプモータ17の回転数を高くしてもよく、そのようにすれば、昇圧応答が早く効果的である。
本発明の制動力制御装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。 図1のブレーキ圧制御ユニットの構成を示すブロック図である。 減速制御処理のフローを示すフローチャートである。 ヨーレイト算出処理の動作を示すブロック図である。 目標減速度算出処理の動作を示すブロック図である。 予圧制御出力処理のフローを示すフローチャートである。 車両出力処理のフローを示すフローチャートである。 ポンプモータ回転数制御処理のフローを示すフローチャートである。 目標減速度が増加傾向である場合及び減少傾向である場合を説明する説明図である。 マスターシリンダ圧とポンプモータ回転数との関係を示す制御マップである。 目標減速度と補正係数との関係を示す制御マップである。
符号の説明
1は車速センサ、2は舵角センサ、3はヨーレイトセンサ、4はブレーキセンサ、5は路面μセンサ、6はマスターシリンダ圧センサ、7はコントローラ、8はエンジン出力制御装置、9はブレーキ圧制御ユニット、10はマスターシリンダ、11はホイールシリンダ11FL〜11RR、12A及び12Bは第1ゲートバルブ、13FL〜13RRはインレットバルブ、14はリザーバ、15FL〜15RRはアウトレットバルブ、16A及び16Bは第2のゲートバルブ、17はポンプモータ、18はダンパー室、20はヨーレイト算出部、21はセレクトハイ部

Claims (5)

  1. 運転者のブレーキ操作に応じてホイールシリンダのブレーキ圧を制御する第1のブレーキ圧制御手段と、減速制御によってポンプモータを駆動して前記ホイールシリンダのブレーキ圧を制御する第2のブレーキ圧制御手段と、運転者のブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、を備え、
    前記第2のブレーキ圧制御手段は、前記ブレーキ操作検出手段で運転者のブレーキ操作が検出されている場合には、ブレーキ操作が検出されていない場合よりも、前記ポンプモータの回転数を低くすることを特徴とする制動力制御装置。
  2. 運転者のブレーキ操作量を検出するブレーキ操作量検出手段を備え、
    前記第2のブレーキ圧制御手段は、前記ブレーキ操作量検出手段で検出された運転者のブレーキ操作量が大きいほど前記ポンプモータの回転数を低くすることを特徴とする請求項1に記載の制動力制御装置。
  3. 前記減速制御に用いられる目標減速度を算出する目標減速度算出手段と、
    前記第2のブレーキ圧制御手段は、前記目標減速度算出手段で算出された目標減速度が大きいほど前記ポンプモータの回転数を高くすることを特徴とする請求項1に記載の制動力制御装置。
  4. 前記減速制御に用いられる目標減速度を算出する目標減速度算出手段と、
    前記第2のブレーキ圧制御手段は、前記目標減速度算出手段で算出された目標減速度が減少傾向にある場合は、増加傾向にある場合よりも、前記ポンプモータの回転数を低くすることを特徴とする請求項2又は3に記載の制動力制御装置。
  5. 減速制御によってポンプモータを駆動してホイールシリンダのブレーキ圧を制御する制動力制御装置であって、
    運転者によってブレーキ操作が行われている場合には、ブレーキ操作が行われていない場合よりも、前記ポンプモータの回転数を低くすることを特徴とする制動力制御装置。
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