JP2008015219A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の光源からの光ビームを光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持って入射する斜め入射方式の光走査装置において、高速、高密度化に対応可能で副走査ビームピッチ偏差が小さく、走査線曲りと波面収差の劣化を有効に補正可能とする。
【解決手段】本発明は、複数の光源を有する光源装置1を備え、該複数の光源から射出される複数の光ビームは、同一の被走査面7と異なる被走査面7に向かう光ビームを含み、光偏向器5で偏向された後、走査結像光学系L1,L2により各々対応する被走査面7に集光される光走査装置において、前記光偏向器5として振動ミラーを用い、全ての光ビームは、前記振動ミラーからなる光偏向器5の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持ち、かつ、同一の偏向反射面に入射し、異なる被走査面7に向かう光ビームは、前記偏向反射面の法線を挟み副走査方向両側より入射する光ビームを含むように構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、光走査装置及び、その光走査装置を備えたデジタル複写機、レーザプリンタ、レーザプロッタ、レーザファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置に関する。
デジタル複写機やレーザプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に関連して広く知られている光走査装置は、一般に、光源装置から出射された光ビームを光偏向器により偏向させ、fθレンズ等の走査結像光学系により被走査面に向けて集光して被走査面上に光スポットを形成し、この光スポットで被走査面を光走査(主走査)するように構成されている。被走査面の実体をなすものは光導電性の感光体等である感光媒体の感光面である。
また、フルカラー画像形成装置の一例として、4つの感光体を記録紙の搬送方向に配列し、これらの各感光体に対応した複数の光源装置から放射された光ビームの光束を1つの偏向手段により偏向走査し、各感光体に対応する複数の光走査光学系により各感光体に同時に露光して潜像を作り、これらの潜像をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの各々異なる色の現像剤を使用する現像器で可視像化した後、これらの可視像を同一の記録紙に順次重ね合わせて転写し、定着することで、カラー画像を得られるように構成されている。
このように、光走査装置と感光体の組み合わせを2組以上用いて、2色画像や多色画像、カラー画像等を得るようにした画像形成装置は「タンデム型画像形成装置」として知られている。また、このようなタンデム型画像形成装置として、以下のような複数の感光媒体が単一の光偏向器を共用する方式のものが開示されている。
(1) 略平行でかつ副走査方向に離れた複数の光束を光偏向器に入射し、複数の光束に対応する複数の走査光学素子を副走査方向に並べて走査する方式(特許文献1等参照)。
(2) 光偏向器の片側より光束を入射し、光偏向器で偏向された光束を3枚構成の走査結像光学系を用いて結像走査する方式であり、第1、第2の走査レンズは異なる被走査面に向かう複数の光束が通過し、第3の走査レンズは各被走査面毎に設けられている方式(特許文献2、特許文献3、特許文献4等参照)。
上記の方式のように、複数の被走査面で光偏向器を共用すると、光偏向器の数を減らすことができ、画像形成装置をコンパクト化することが可能になる。
しかしながら、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4つの異なる被走査面(感光体)を持つフルカラー対応の画像形成装置の光走査装置としては、光偏向器の数を減らすことは可能だが、副走査方向に複数の感光体に向かう光ビームを略平行に並べて光偏向器に入射させるため、ポリゴンミラー等の光偏向器が副走査方向に大型化するという課題がある。一般的に、光走査装置内の光学素子でポリゴンミラー部のコストは高く、装置全体の低コスト化及び小型化を狙う場合において弊害となる。
さらに最近では、カラー画像形成装置の光走査装置において、単一の光偏向器にして低コスト化を図る手段として、特許文献5に記載の従来技術の如く、光偏向器の偏向反射面に副走査方向に角度を持って光ビームを入射させる斜め入射光学系が知られている。前記斜め入射光学系は、複数の光ビームがそれぞれ偏向反射面で偏向反射された後に、各々対応する被走査面(感光体)に、折返しミラーなどで分離され導かれる。この時、それぞれの光ビームの副走査方向の角度(光偏向器に斜め入射する角度)は、前記ミラーで各光束が分離可能な角度に設定されている。
この斜め入射光学系を用いることで、前記ミラーで各光束が分離可能な副走査方向の隣接する光ビームの間隔を、光偏向器の大型化(副走査方向へのポリゴンミラーの多段化、厚肉化)無しに実現可能となる。
さらに、前記の説明のような斜め入射光学系によれば、光偏向器として、ポリゴンミラーを用いる場合を考えてみると、通常の入射方式では、光源側からの光束をポリゴンミラーの回転軸に向けて入射させることが難しく(不可能ではないが、回転軸に向けて入射させた場合、必要な偏向角を確保しようとすると、個々の偏向反射面が極端に大きくなる)、ポリゴンミラーを小型化することができない。また、所謂「サグ」の発生も大きく、発生するサグは像高:0に対して非対称である。また、ポリゴンミラーが大きいと、その高速回転に大きなエネルギーを必要とし、高速回転させたときの「風切り音」も大きく、防音手段も大型化せざるを得ない。
これに対して斜め入射方式では、光源側からの光束をポリゴンミラーの回転軸に向けて入射させることが可能であり、ポリゴンミラーを小径化でき、高速回転させたときの「風切り音」も小さく、従って高速化に適している。また、ポリゴンミラーを小径化できるのでサグの発生も小さく、発生するサグを像高:0に対して対称化できるので、補正も容易である。
しかしながら、その反面、斜め入射方式の光走査装置において、光偏向器としてポリゴンミラーを用いる場合に、同一の被走査面を複数の光ビームで同時に書込むマルチビーム走査方式においては、被走査面上に書き込まれる各々の光ビームの副走査方向の間隔の像高間での偏差が大きく生じるという課題がある。
レーザプリンタ、レーザファクシミリ等の画像形成装置の書込系に用いられる光走査装置において記録速度を向上させる手段として、偏向手段としての回転多面鏡(ポリゴンミラー)の回転速度を上げる方法がある。しかし、この方法ではモータの耐久性や騒音、振動及び半導体レーザの変調スピード等が問題となり、記録速度に限界がある。
そこで、一度に複数の光ビームを走査して複数ラインを同時に記録することにより記録速度を向上したマルチビーム光走査装置が提案されている。マルチビーム光源装置の一例としては、複数の半導体レーザ(LD)と、半導体レーザと対で設けられたカップリングレンズとを主走査方向に配列してこれらを一体的に支持する光源装置が提案されている。この光源装置は、光偏向器の偏向反射面近傍で各々の光ビームを主走査方向に交差させるようにすることで、偏向反射面の小型化を達成し、且つ、偏向反射後の各々の光ビームを結像光学系のほぼ同じ光路を通すことが可能であるため、各々の光ビーム間での光学性能の差も小さく抑えることが可能である(以下、このような光源装置を、交差方式マルチビーム光源装置と称する)。さらに、安価なLDを用い、構成部品も少ないため、非常に安価なマルチビーム光源装置、及び光走査装置が提供可能である。
先に説明した斜入射光学系を光走査装置に用いた場合、特に前記安価なマルチビーム光源装置の使用により、被走査面上に書き込まれる各々の光ビームの副走査方向の間隔の像高間での偏差(以下副走査ビームピッチ偏差と称す)が大きく生じるという課題が発生する。
前記マルチビーム光源装置を用いる場合、同一像高に向かう光ビームのポリゴンミラーの回転角が異なるために光学的なサグの影響を受け、副走査ビームピッチ偏差が大きく発生してしまう。これを回避する方法としては、同一像高に向かう光ビームのポリゴンミラーの回転角を略一致させる方法がある、しかし、実現のためには、光源として高価な半導体レーザアレイ(LDA)を用いたり、安価なLDを複数用いてプリズムなどでポリゴンミラーへ入射する主走査方向の入射角を一致させる必要があり、光走査装置のコストアップ、もしくは、プリズムを配置することによる光走査装置の大型化などの課題が生じてしまう。
ここで、副走査ビームピッチ偏差の発生について説明を加える。ここでは図10に示すが如く、斜入射光学系の光偏向器としてポリゴンミラーを用い、交差方式のマルチビーム光源装置を用いたマルチビーム光走査装置を例に説明する。図10において、符号301−a,301−bはマルチビーム光源装置を構成する第1半導体レーザ(LD1)と第2半導体レーザ(LD2)であり、302−a,302−bはカップリングレンズ、303はシリンドリカルレンズ、304は光偏向器としてのポリゴンミラー、305−1,305−2は走査結像光学系305を構成する走査レンズ、306は折り返しミラー、307は被走査面である感光体、308は主走査方向の同期信号検出用の光検出器である。
図10に示すような構成の光走査装置では、第1半導体レーザ(LD1)301−aと第2半導体レーザ(LD2)301−bから出射された光ビームは、カップリングレンズ302−a,302−bとシリンドリカルレンズ303を通ってポリゴンミラー304に入射するが、図11(a)に示すように、LD1,LD2からの光ビームは、ポリゴンミラー(POL)の偏向反射面に主走査方向に角度を持ち入射する。このとき、同一像高に各々の光ビームを偏向するためには、図11(b)に示すように、ポリゴンミラーの回転角を異ならせる必要がある。このとき、ポリゴンミラーの回転軸は、偏向反射面上に無いため、光学的なサグが発生する。
斜め入射光学系においては、図12(a)、(b)に示すように、例えば±150mmの像高に向かう時の偏向反射面のサグを見てみると、LD1とLD2でサグ量が変化してしまう。ポリゴンミラーの偏向反射面におけるサグ量の変化の一例を図13に示す。
±150mmの像高に向かう時の偏向反射面のサグ量は、LD1とLD2で反転しており、図12(a),(b)に示すように偏向反射後のLD1、LD2の各光ビーム間の副走査方向のピッチが変化する。つまり、像高間で偏向反射後の副走査方向のピッチが変化するため、走査結像光学系305透過後の被走査面307における副走査ビームピッチは像高間で異なる、つまり偏差を持つこととなってしまう。具体的には、図14に示すように、像高片側より逆側に向かい副走査ビームピッチが増大する。
フルカラー画像形成装置などに図10に示すような光学系を用いた場合、各色間で重ね合わせる光ビームが第1半導体レーザ(LD1)301−aと第2半導体レーザ(LD2)301−bとで異なってしまう場合には、周辺の像高における副走査方向の色ずれの発生が大きくなり画像品質を著しく低下させてしまう。
さらに斜め入射方式には「走査線曲がり」が大きいという問題がある。この走査線曲がり発生量は、前記各光ビームの副走査方向の斜め入射角により異なり、各々の光ビームで描かれた潜像を各色のトナーにより重ね合わせて可視像化した際に、色ずれとなって現れてしまう。
また、斜め入射することにより、光束が走査レンズにねじれて入射することで、波面収差も増大し、特に周辺の像高で光学性能が著しく劣化し、ビームスポット径が太ってしまい、高画質化を妨げる要因となる。
特開平9−54263号公報 特開2001−4948号公報 特開2001−10107号公報 特開2001−33720号公報 特開2003−5114号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、斜め入射方式で、高速、高密度化に対応可能なマルチビーム光走査装置において、副走査ビームピッチ偏差の低減を課題とする。また、本発明は、低コスト化、低消費電力に適した良好な光学性能を有する斜め入射方式の光走査装置を小型化した、新規な構成の光走査装置の実現を課題とする。さらに本発明は、斜入射光学系により生じる、走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正することができる光走査装置を実現することを課題とする。さらにまた、本発明は、斜め入射方式の光走査装置における走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正し、高速、高密度化や、温度変動時においても色ずれ発生が小さい新規な構成の画像形成装置を実現することを課題とする。
より詳しく述べると、本発明は、複数の光源からの複数の光ビームを光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持って入射する斜め入射方式の光走査装置において、高速、高密度化に対応可能で、副走査ビームピッチ偏差が小さく、走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正可能なマルチビーム光走査装置の実現と、その光走査装置を用いて高速、高密度化や、温度変動時においても色ずれ発生が小さい画像形成装置の実現を目的とする。また、本発明は、光偏向器の小型化や、光走査装置の消費電力の低下、低騒音など、環境を考慮した光走査装置の実現と、その光走査装置を用いて前記目的を達成する画像形成装置の実現を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下のような技術的手段を採っている。
本発明の第1の手段は、複数の光源を備え、該複数の光源から射出される複数の光ビームは、同一の被走査面と異なる被走査面に向かう光ビームを含み、光偏向器で偏向された後、走査結像光学系により各々対応する被走査面に集光される光走査装置において、前記光偏向器として振動ミラーを用い、全ての光ビームは、前記振動ミラーからなる光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持ち、かつ、同一の偏向反射面に入射し、異なる被走査面に向かう光ビームは、前記偏向反射面の法線を挟み副走査方向両側より入射する光ビームを含むことを特徴とする。
本発明の第2の手段は、第1の手段の光走査装置において、全ての光ビームは、同一の光偏向器の同一の偏向反射面で偏向されることを特徴とする。
また、本発明の第3の手段は、第1の手段の光走査装置において、前記光偏向器の偏向反射面の法線を挟み副走査方向両側より入射する複数の光ビームの対を複数持ち、それぞれの対は、前記光偏向器の異なる偏向反射面に入射されることを特徴とする。
さらに本発明の第4の手段は、第1乃至第3のいずれか1つの手段の光走査装置において、少なくとも同一の被走査面に向かう複数の光ビームは、偏向反射面近傍で主走査方向に交差していることを特徴とする。
本発明の第5の手段は、第1乃至第4のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記走査結像光学系は以下の条件:
(1)光偏向器が等角速度運動すると仮定したときに、像高の中心に比べ周辺で走査速度が速い、
(2)光偏向器が正弦波振動するときに、像高の中心に比べ周辺で走査速度が遅い、
を満足することを特徴とする。
また、本発明の第6の手段は、第1乃至第5のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記光源を駆動する光源駆動手段を備え、該光源駆動手段は、1ライン内の各画素毎に点灯タイミングを個別に設定する機能を有することを特徴とする。
本発明の第7の手段は、第1乃至第6のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記走査結像光学系は複数の走査レンズで構成され、該走査結像光学系の最も光偏向器に近い走査レンズは複数の被走査面に向かう光ビームで共用され、該走査レンズに入射する光ビームの前記光偏向器の法線に対する副走査方向の角度が、レンズ周辺に向かうに従い入射時の角度に対し大きくなって該走査レンズより射出されることを特徴とする。
また、本発明の第8の手段は、第7の手段の光走査装置において、前記走査結像光学系の最も光偏向器に近い走査レンズの少なくとも1面は、主走査方向に応じて副走査方向の曲率が変化する面であることを特徴とする。
さらに本発明の第9の手段は、第7または第8の手段の光走査装置において、前記走査結像光学系の少なくとも最も被走査面に近い走査レンズは、副走査方向に曲率を持たない面で構成され、かつ主走査方向に応じて副走査方向のチルト偏芯角度が異なる特殊面を持つことを特徴とする。
本発明の第10の手段は、像担持体に対して帯電、露光、現像の電子写真プロセスを実行することによって前記像担持体上に画像を形成する画像形成装置において、前記電子写真プロセスのうちの露光プロセスを実行する手段として、第1乃至第9のいずれか1つの手段の光走査装置を具備し、被走査面である前記像担持体に露光を行なうことを特徴とする。
本発明の第11の手段は、像担持体に対して帯電、露光、現像の電子写真プロセスを実行することによって前記像担持体上に画像を形成する画像形成装置において、前記電子写真プロセスのうちの露光プロセスを実行する手段として、第1乃至第9のいずれか1つの手段の光走査装置を具備し、異なる被走査面として、少なくとも4つの像担持体を備え、前記光走査装置で4つの像担持体に対して露光を行なうことを特徴とする。
本発明の光走査装置では、光偏向器として振動ミラーを用いることにより、光偏向器の小型化や、光走査装置の消費電力の低下、低騒音化を達成し、斜め入射方式の光走査装置特有の課題である、副走査ビームピッチ偏差を良好に補正可能とし、且つ、光偏向器が等角速度運動すると仮定したときに、像高の中心に比べ周辺で走査速度が速く、且つ、光偏向器が等角速度運動しないときに、像高の中心に比べ周辺で走査速度が遅い特性をもつ走査結像光学系を用いることで、正弦振動ミラーを用いたときの特有の課題となる主走査方向のビームスポット径の像高間偏差、等速性の劣化を補正可能となる。また、走査結像光学系の走査レンズに特殊面を用いることで、斜め入射光学系特有の課題である走査線曲がりの発生や、波面収差劣化によるビームスポット径の劣化を良好に補正可能とすることができる。
以上のことから、本発明では、複数の光源からの複数の光ビームが光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持って入射する斜め入射方式の光走査装置において、高速、高密度化に対応可能なマルチビーム光走査装置を実現することができ、そのマルチビーム光走査装置を用いた画像形成装置を実現することができる。また、本発明では、光偏向器の小型化や、光走査装置の消費電力の低下、低騒音など、環境を考慮した光走査装置を実現することができ、その光走査装置を用いて前記効果を達成する画像形成装置を実現することができる。さらに本発明では、高速、高密度に対応し、フルカラー機における色ずれを低減することができる光走査装置の実現と、その光走査装置を用いて高速、高密度化を図ることができ、温度変動時においても色ずれ発生が小さい画像形成装置の実現が可能となる。
以下、本発明の構成、動作及び作用効果を、図示の実施例に基いて詳細に説明する。
[実施例1(第1〜4の手段に対応)]
図1は本発明に係る光走査装置の一実施例を説明するための図であり、光走査装置の光学系を主走査断面(光軸を含み、光偏向器による偏向走査方向(主走査方向)に平行な平断面)に展開して示す光学系配置図である。
先ず、図1を参照して説明すると、光源装置1の半導体レーザ(LD)(またはLDアレイ)から放射された発散性の光束はカップリングレンズ2により以後の光学系に適した光束形態に変換される。カップリングレンズ2により変換された光束形態は、平行光束であることも、弱い発散性あるいは弱い集束性の光束であることもできる。
カップリングレンズ2からの光束はシリンドリカルレンズ3により副走査方向に集光され、折返しミラー4で光路を折り返されて光偏向器としての振動ミラー5の偏向反射面に入射する。また、この光源側からの光束は、振動ミラー5の偏向反射面の法線に対して副走査方向に傾いて入射する。
このように偏向反射面の法線に対して副走査方向に傾いて入射する光ビームは、所望の角度に光源装置1、カップリングレンズ2、シリンドリカルレンズ3を傾けて配置しても良いし、前記折返しミラー4を用いて角度をつけても良い。また、シリンドリカルレンズ3の光軸を副走査方向にシフトすることで、偏向反射面に向かう光ビームに角度をつけても構わない。
振動ミラー5の偏向反射面により反射された光束は、走査結像光学系6の第1走査レンズL1と第2走査レンズL2を透過して、被走査面7上に集光する。これにより、偏向光束は被走査面7上に光スポットを形成して主走査方向に偏向走査され、被走査面7の光走査を行う。なお、図中では、光源装置1をシングルビームとして説明したが、本発明の光走査装置では、光源装置1は複数の光源(複数の半導体レーザ(LD)またはLDアレイ)を有し、同一の被走査面7に向かう光ビームは複数(マルチビーム)である。
次に本発明の光走査装置の斜め入射光学系の特徴について、タンデム型のカラー画像形成装置の光走査装置を例に挙げ説明する。一例として、図2、図3に示すような、片側走査方式の光走査装置について説明する。
図2はタンデム型のカラー画像形成装置に適用した片側走査方式の光走査装置の一例を示す概略斜視図であり、図3は光偏向器(振動ミラー)以降の光学系配置例を示す概略断面図である。図中の符号1は複数の光源(複数の半導体レーザ(LD)またはLDアレイ)を有する光源装置、2はカップリングレンズ、3はシリンドリカルレンズ、4は折り返しミラー、5は光偏向器(振動ミラー)、L1は第1走査レンズ、L2は第2走査レンズ、M1〜M3は折り返しミラー、7は被走査面である感光体、PDは光検出器である。
図2、図3において、複数の光源装置1からの複数の光ビームは、同一の光偏向器(振動ミラー)5の同一の偏向反射面に斜め入射される。各光ビームは、偏向反射面の法線を挟み副走査方向両側(図3中のAの領域とBの領域)より入射している。全ての光ビームは、共通の第1走査レンズL1を透過後、副走査方向への折り返しミラーM1により分離され、各第2走査レンズL2を透過して対応する被走査面としての感光体7に導かれる。本実施例では、走査レンズを2枚構成としており、対応する被走査面に向かう光ビームごとにそれぞれ2枚目の走査レンズL2が配置されている。前記折り返しミラー4は、偏向反射面の法線を挟み副走査方向片側、例えば図3中のAの領域より入射される光ビームに対応する枚数は奇数枚であり、逆側、つまり図中Bの領域側から入射される光ビームに対応する枚数は偶数枚として配置されている。なお、図3中の光ビームは光偏向器5で偏向された後の光ビームであり、入射光は図中の光ビームの副走査方向反対側の領域から入射となる。
本発明の実施例においては、光偏向器5として振動ミラーを用いている。振動ミラーとは、例えばマイクロマシン技術を用いた共振構造の正弦振動を行うマイクロミラーである。このマイクロミラーを光偏向器5として用いることで、装置が小型化されるため、従来用いられていた、ポリゴンスキャナ、ガルバノミラー等に比べ、振動によるバンディング、温度上昇、騒音、消費電力等を大幅に低減することが可能となる。
次に光源装置について説明する。前記光源装置1は、複数の光源(発光点)を持つ光源装置で構成される。つまり、対応する感光体7ごとに設けられた光源装置1は、各々の感光体7に同時に複数の光ビームを書き込むことが可能なように複数の光源(発光点)を有している。
一例として、交差方式マルチビーム光源装置について説明する。図4はマルチビーム光源装置の一例を示す分解斜視図である。図4において、光源である2つの半導体レーザ(LD)403,404は、各々ベース部材405に形成された嵌合孔405−1,405−2にベース部材の裏側から個別に嵌合されている。上記嵌合孔405−1,405−2は主走査方向に所定角度、本実施形態では約1.5°微小に傾斜していて、この嵌合孔に嵌合された半導体レーザ403,404も主走査方向に約1.5°傾斜している。半導体レーザ403,404は、その円筒状ヒートシンク部403−1,404−1に切り欠きが形成されていて、押え部材406、407の中心丸孔に形成された突起406−1,407−1を上記ヒートシンク部403−1,404−1の切り欠き部に合わせることによって発光源の配列方向が合わせられている。押え部材406,407はベース部材405にその背面側からネジ412で固定されることにより、半導体レーザ403,404がベース部材405に固定されている。また、コリメートレンズ408,409は各々その外周をベース部材405の半円状の取り付けガイド面405−4,405−5に沿わせて光軸方向の調整を行い、発光点から射出した発散ビームが平行光束となるよう位置決めされ接着されている。
なお、図4に示す例では、各々の半導体レーザからの光線が主走査面内で交差するように設定するため、光線方向に沿って嵌合孔405−1,405−2および半円状の取り付けガイド面405−4,405−5を傾けて形成している。
また、ベース部材405の円筒状係合部405−3をホルダ部材410に係合し、ネジ413を貫通孔410−2に通してベース部材405のネジ孔405−6,405−7に螺合することによって、ベース部材405がホルダ部材410に固定され、光源ユニットを構成している。
上記光源ユニットのホルダ部材410は、その円筒部410−1が光学ハウジングの取り付け壁411に設けた基準孔411−1に嵌合され、取り付け壁411の表側よりスプリング611を挿入してストッパ部材612を円筒部突起410−3に係合することで、取り付け壁411の裏側に密着して保持され、これによって上記光源ユニットが光学ハウジングに保持されている。スプリング611の一端を取り付け壁411の突起411−2に引っ掛け、スプリング611の他端を光源ユニットに引っ掛けることで、光源ユニットに円筒部中心を回転軸とした回転力を発生している。この光源ユニットの回転力を係止するように設けた調節ネジ613を具備していて、この調節ネジ613により、光軸の周りであるθ方向にユニット全体を回転してビームピッチを調節することができるように構成されている。光源ユニットの前方にはアパーチャ415が配置され、アパーチャ415には半導体レーザ毎に対応したスリットが設けられ、光学ハウジングに取り付けられて光ビームの射出径を規定するように構成されている。
なお、上記の半導体レーザは、複数の発光点を持つ半導体レーザアレイ(LDアレイ)を用いても構わない。
また、半導体レーザアレイを複数持たず、単独でマルチビームを構成しても良いことは言うまでも無い。
従来、斜め入射光学系において、高速、高密度化を達成するためにマルチビーム化を行う場合、副走査ビームピッチ偏差が発生するという課題があった。理由は、前述した通りである。このため、光偏向器としてポリゴンスキャナを用いる場合に、斜入射光学系を採用することで、偏向反射面の副走査方向の厚さを大幅に低減可能であるため、光走査装置内でコストウエイトが高いポリゴンスキャナの低コスト化、回転体としてのイナーシャを小さくでき起動時間を短くできる、風損の影響が小さくなり低消費電力になる等の効果を得ることができたが、高速、高密度化への展開が困難であった。
本発明においては、光偏向器5として振動ミラーを用いることで前記課題を解決可能である。
前述の通り、斜め入射光学系におけるマルチビーム化はポリゴンミラーので発生する光学的なサグの影響によるところが大きかった。本発明によれば、光偏向器5として振動ミラーを用いることで、光ビームを偏向する際に生じる光学的なサグを低減することができる。振動ミラーの回転中心は、略偏向反射面上に位置するため、偏向角が変化してもサグは発生しない、もしくは非常に小さくなる。この結果、偏向反射面上での各光ビームの副走査方向の間隔の変化が、全像高に渡り大幅に低減することが可能となるため、被走査面上における副走査ビームピッチ偏差を大幅に低減可能となる。つまり、従来のポリゴンスキャナの偏向反射面の法線に対し平行に入射していた光走査装置と同等となるまで改善可能となる。このため、従来では達成困難であった、斜め入射光学系におけるマルチビーム化が、前記説明の交差方式マルチビーム光源においても達成可能となる。
次に光走査装置の別の形態として、複数の光源装置からの光ビームの対を複数持ち、それぞれの対が同一の光偏向器の異なる偏向反射面に入射される対向走査方式の光走査装置について説明する。
図9はタンデム型のカラー画像形成装置に適用した対向走査方式の光走査装置の一例を示す概略斜視図である。図中の符号101〜104は被走査面である感光体、105は搬送ベルトまたは中間転写ベルト、106は2つの振動ミラー117,118で構成される光偏向器、107〜110は図4に示したような構成の2組の半導体レーザとカップリングレンズ(コリメートレンズ)を光源ユニット内に一体化したマルチビーム光源装置、111,112は入射光学系の折り返しミラー、113〜116はシリンドリカルレンズ、120,121は走査結像光学系の第1走査レンズ、122〜125は走査結像光学系の第2走査レンズ、126〜137は走査結像光学系の折り返しミラー、141,142は光検出器、151は転写材搬送ベルトまたは中間転写ベルト上に形成される位置ずれ検出用のマーク、152は発光素子154と受光素子155とレンズ153,156で構成されるマーク検出器、201〜204は2本の光ビーム(マルチビーム)である。
前記説明の片側走査方式の光走査装置に対して、図9に示すような構成の対向走査方式の光走査装置では、光偏向器106の偏向反射面の法線を挟み副走査方向両側より入射する複数の光源装置107〜110からの光ビームの対(マルチビーム)201〜204を複数持ち、それぞれのマルチビーム201〜204は、各々対応する光偏向器106としての2つの振動ミラー117,118に入射される。本方式によれば、前述してきた効果の他に、斜め入射光学系の斜め入射角、つまり、光偏向器(振動ミラー117,118)の偏向反射面の法線に対する副走査方向の角度を、片側走査方式に対して小さく設定することが可能となり、後述する斜め入射光学系特有の課題となる走査線曲がりの発生と、波面収差劣化によるビームスポット径の劣化を小さく抑えることが可能となる。つまり、良好な光学性能を確保しつつ、高速・高密度に対応し、マルチビーム化された斜め入射光学系が達成可能となる。
また、対向走査方式の光走査装置の別の形態として、振動ミラーを単一とし(すなわち図9の光偏向器106を一つの振動ミラーで構成し)、振動ミラーの表面と裏面を用いても良い。このとき、対向する光ビームの対は主走査方向に相反する方向から対応する振動ミラーの偏向反射面に入射させることで前記説明と同等な効果をもつ対向走査方式の光走査装置が実現可能となる。
[実施例2(第5の手段に対応)]
図1〜3に示すような構成の光走査装置に用いられる走査結像光学系6(第1走査レンズL1、第2走査レンズL2)(または、図9に示すような構成の光走査装置の第1走査レンズ120,121と第2走査レンズ122〜125)は、以下の条件を満足していることが望ましい。
(1)光偏向器が等角速度運動すると仮定したときに、像高の中心に比べ周辺で走査速度が速い。
(2)光偏向器が正弦波振動するときに、像高の中心に比べ周辺で走査速度が遅い。
本発明の光走査装置の光偏向器として用いられる振動ミラーは、従来のポリゴンスキャナと違い偏向する際に等角速度運動をしないことが知られている。実際には、走査結像光学系の走査レンズに、等角速度で偏向走査する従来のポリゴンスキャナに対応したfθレンズを用いた場合に、等速性が著しく劣化してしまう。具体的には、周辺像高では中心像高に比べ走査速度が遅くなる。
光偏向器として正弦振動ミラーを用いる場合、従来のfθレンズをそのまま用いることは以上の理由により好ましくない。偏向する角度を小さくして、正弦振動ミラーがほぼ等角速度で偏向する位置を使用すれば、fθレンズを用いても等速性の劣化は小さく抑えられるが、偏向反射面から被走査面までの距離を長く取る必要が生じ、装置が大型化してしまうため好ましくない。
そこで、正弦波振動に応じて、
H=K×sin−1(φ/2φ
で示されるような結像特性を有する走査結像光学系を用いることが提案されている。前記式のHは像高、Kは比例定数、φはミラーの振れ角、φは、ミラーの振幅である。このような特性をもたせることで、正弦振動ミラーを用いたときにおいても等速性は良好に保たれることとなる。
しかし、このような特性をもつ走査結像光学系では、主走査方向のビームスポット径が像高間で大きな偏差を持ってしまうという課題が生じる。この大きさは正弦振動ミラーの振幅、振れ角にもよるが、20%以上のビームスポット径の偏差が生じる。
そこで、本発明の走査結像光学系においては、光偏向器が等角速度運動すると仮定したときに、像高の中心に比べて周辺で走査速度が速く、且つ、光偏向器が等角速度運動しないときに、像高の中心に比べて周辺で走査速度が遅い特性をもつ走査結像光学系を用いることで前記課題を解決している。
従来のfθレンズでは、光偏向器が等角速度運動した場合、像高の中心と周辺での走査速度はほぼ一致している。また、正弦振動ミラーを用いたときには、像高の中心に対し周辺での走査速度は遅くなり、等速性が劣化する。
また、先に説明した正弦振動ミラーに対応する走査結像光学系では、光偏向器が正弦波振動した場合に、像高の中心と周辺での走査速度はほぼ一致している。しかし、光偏向器が等角速度運動した場合、像高の中心に対し周辺での走査速度は早くなる。このとき、正弦振動ミラーに対応する特性を持たせることにより、走査レンズの主走査方向の焦点距離が中央像高付近と周辺像高で変化し、主走査方向のビームスポット径が像高間で大きな偏差を持ってしまう。
本発明の形態によれば、光偏向器が等角速度運動すると仮定したときに、像高の中心に比べて周辺で走査速度が速く、且つ、等角速度運動しない正弦振動ミラーを用いたときに、像高の中心に比べて周辺で走査速度が遅い特性をもつ走査結像光学系を用いる。
具体的には、光偏向器として正弦振動ミラーを用いた場合、fθレンズに比べて等速性を補正するようにし、正弦振動ミラーに対応したレンズに比べて、像高の中心に対し周辺での走査速度は遅くする特性をもたせることで、走査レンズの主走査方向の焦点距離の変化を中央像高付近と周辺像高で小さくし、主走査方向のビームスポット径の像高間での偏差を低減可能とする。このとき、等速性の劣化は残存するが、従来のfθレンズを用いる場合に比べて小さく補正されている。また、等速性をより良好に補正するためには、後に説明する光源駆動手段にて良好に補正可能となる。
つまり、fθレンズに比べて等速性は大幅に改善可能であり、正弦振動ミラーに対応した走査結像光学系に対し、主走査方向のビームスポット径偏差を低減した走査結像光学系が提供可能となる。
この走査結像光学系は、具体的には、光偏向器として正弦振動ミラーを用いた場合、fθレンズに比べて等速性を補正するようにしており、光偏向器が等角速度運動すると仮定したときには、像高の中心に比べて周辺で走査速度が速い特性を有していることとなる。
[実施例3(第6の手段に対応)]
本発明の光走査装置においては、走査結像光学系の補正で残存する等速性の劣化を更に良好に補正するために、光源駆動手段は、1ライン内の各画素毎に点灯タイミングを個別に設定する機能を有することが望ましい。
本発明の光走査装置では、実施例2の走査結像光学系を用いた場合に、先に説明した如く正弦振動ミラーを用いた時の等速性は、fθレンズを用いた場合に対し改善される。また、主走査方向のビームスポット径の偏差も、正弦振動ミラー使用時に等速性を完全に補正する光学系に対し改善可能である。しかし、完全に中央像高付近と周辺像高付近の走査速度が一致しているわけではない。そこで、本実施例の如く、1ライン内の各画素毎に点灯タイミングを個別に設定する機能を有する光源駆動手段を設けることでより良好に等速性が補正され、倍率誤差発生による画像の歪み、ドットの粗密による濃度むら等による画像品質の劣化が補正可能となり、高品質な画像の提供が可能となる。
本発明の光走査装置では、中央像高付近に対し周辺像高で走査速度が遅い場合、光源駆動手段により周辺でドットを打つタイミング、つまり光源を発光させるタイミングを長くすることで、被走査面上に書き込まれるドットの間隔を等間隔とすることが可能となる。なお、従来通り等間隔で発光させる場合においては、中心像高付近に対し周辺像高付近ではドットの間隔が狭くなる。
fθレンズ使用時による等速性の変化は大きいため、光源駆動手段による補正量は大きくなる。結像レンズが理想状態で加工され、理想状態で組みつけられた場合においては、理論的には補正量が大きくても補正は可能となるが、加工誤差、組み付け誤差などの影響で、補正量が変化した場合、例えば、結像レンズの光軸が理想状態からプラス像高側にシフトしてしまった場合、プラス像高側では補正量は急激に少なくなるにもかかわらず大きく補正され、マイナス像高側では補正量は急激に大きくなるにもかかわらず補正量は小さいという現象が生じ、光源駆動手段での補正が画像品質を劣化させてしまう原因になることが懸念される。
このため、光源駆動手段で補正する量はある程度までに抑える必要があり、本発明の実施例のような走査レンズ、つまりはfθレンズよりも等速性が補正された走査レンズが必要となることとなる。
[実施例4(第7、8の手段に対応)]
次に斜め入射による波面収差劣化について説明する。走査結像光学系を構成する走査レンズの入射面の主走査方向の形状が、偏向反射面の光ビームの反射点を中心とする円弧形状でない限り、像高により光偏向器の偏向反射面から走査レンズの入射面までの距離は異なる。通常、走査レンズを前記形状にすることは、光学性能を維持する上で困難である。つまり、通常の光ビームは、光偏向器により偏向走査され、各像高にて主走査断面において、レンズ面に対し垂直に入射することはなく、主走査方向にある入射角を持って入射する。
光偏向器により偏向反射された光ビームの光束は、主走査方向にある幅を持っており、光束内で主走査方向の両端の光ビームは、光偏向器の偏向反射面から走査レンズの入射面までの距離が異なり、副走査方向に角度を持っていることにより(斜め入射されているため)、走査レンズにねじれた状態で入射することになる。この結果、波面収差が著しく劣化し、ビームスポット径が太る。図1に示すが如く、走査レンズL1,L2への主走査方向の入射角は、周辺像高に行くほどきつくなり、光束の主走査方向両端の光ビームの副走査方向の走査レンズへの入射位置は大きくずれるため、光束のねじれは大きくなり、周辺に行くほど波面収差の劣化によるビームスポット径の太りは大きくなる。
そこで本発明においては、波面収差補正を特殊面にて行っている。ここで、特殊面による波面収差補正について説明する。
先の説明の通り、走査レンズへの主走査方向の入射角は、周辺像高に行くほどきつくなり、光束のねじれは大きくなり、周辺像高に行くほど波面収差の劣化によるビームスポット径の太りは大きくなる。
波面収差の劣化は、特に副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズへの入射時に、光束がねじれることにより大きく発生する。
ここで、図5は、走査レンズに特殊面を用いずに、従来の走査レンズからなる走査光学系に光束を斜め入射させたときの副走査断面での光路を模式的に示す図である。図に示す光束は、カップリングレンズ通過後に配置されているアパーチャ(APT)の副走査方向中心の光ビーム(像高0へ向かう光束)cと、主走査方向両端の2本の光束a,bである。また副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズは、図中の第2走査レンズL2である。
さらに、図中の仮想面とは、実際には存在しない面であり、図中において第2走査レンズL2を第1走査レンズL1と水平に配置させるための仮想ミラー面である。
図5から明らかなように、光偏向器としてポリゴンミラーを用いた場合、ポリゴンミラーで反射された各光ビームは、第2走査レンズL2に副走査方向に高さを異ならせて入射する。中心像高においては、第2走査レンズL2にほぼ垂直に入射するため、各光ビームは副走査方向に高さを異ならせることなく第2走査レンズL2に入射している。このため、波面は劣化せず良好なビームスポット径を保つことができる。一方、周辺像高(ここでは、被走査面上の+150mmの位置に到達する光束a,b)では、ポリゴンミラーから第2走査レンズL2までの光路長の違いにより、副走査方向に入射高さが異なっている。このため、被走査面上では各光ビームは一点に集まらず、つまり波面収差が劣化している状態になり、ビームスポット径が劣化している。
また、被走査面上で像高0に向かう光束cと、像高+150mmに向かう光束a,bが副走査方向で一致していない。これは、走査線曲がりを意味し、副走査方向に強い屈折力を持つ第2走査レンズL2までの光路長の差により、周辺像高に向かう光束a,bが中心像高に向かう光束cに対し、副走査方向に強い屈折力を持つ第2走査レンズL2の光軸上より副走査方向に高さを持って入射していることにより発生している。
波面収差の補正のためには、前記副走査方向に強い屈折力を持つ第2走査レンズL2への入射高さを補正し、被走査面上で一点に集光するようにする必要がある。このため、波面収差の補正を行うために用いる特殊面は、副走査方向に最も強い屈折力を持つ第2走査レンズL2よりも、光偏向器側の第1走査レンズL1に設けることが望ましい。
図6に、走査レンズの特殊面により波面収差と走査線曲がりを補正した後の光路図を示す。ここでは第1走査レンズL1の第2面に特殊面を採用して波面収差の補正を行っている。すなわち、第2走査レンズL2への入射高さを高くし、光束内の主走査方向両端の光ビームa,bについても、周辺に行くほど副走査方向に強い屈折力を持つ第2走査レンズL2への副走査方向の入射高さを高くしている。
具体的には、図6に示すように、第1走査レンズL1で周辺の光ビームを跳ね上げ、第2走査レンズL2の高い位置に入射させることで、波面収差の劣化(光束のねじれ)を補正可能となり、被走査面で各光ビーム(同一光束内)を一点に集光することができる。図6の例では、後に説明するレンズ面の採用(第2走査レンズL2)により走査線曲がりも補正されている。
次に第1走査レンズL1の特殊面の効果について説明する。
第1走査レンズL1の特殊面は次式で表される、この特殊面は主走査方向に応じて副走査方向の曲率が変化する面であり、且つ、同面の主走査方向の周辺に向かい負の屈折力が強くなる面である。ただし、この発明の内容は以下の形状式に限定されるものではなく、同一の面形状を別の形状式を用いて特定することも可能である。
走査レンズの特殊面のレンズ面形状は、光軸を含み、主走査方向に平行な平断面である「主走査断面」内の近軸曲率半径をRY、光軸から主走査方向の距離をY、高次係数をA、B、C、D・・・とし、主走査断面に直交する「副走査断面」内の近軸曲率半径をRZとすると、以下の形状式により表せる。
X(Y,Z)=Y・Cm/{1+√[1-(1+K)・(Y・Cm)]}
+A・Y+B・Y+C・Y+D・Y10+E・Y12+・・・
+(Cs(Y)・Z)/{1+√[1-(Cs(Y)・Z)]}
但し、
Cm=1/RY
Cs(Y)=1/RZ+aY+bY+CY+dY+eY+fY+gY+hY
+iY+jY10・・・
この特殊面は、最も光偏向器に近い第1走査レンズL1に採用される。主走査方向に応じて副走査方向の曲率が変化する面で、且つ、同面の主走査方向の周辺に向かい負の屈折力が強くなる面により、透過される光ビームは主走査方向周辺に向かい光ビームを副走査方向に跳ね上げることが可能となる。この結果、先に説明した如く副走査方向に強い屈折力を持つ第2走査レンズL2への副走査方向の入射高さを調整可能となり、良好に波面収差補正が実施可能となる。
光ビームを前記説明の如く、第2走査レンズL2への入射位置を変化させ波面収差補正を実施する場合、特殊面の光軸(基準軸)上を光ビームが通過する構成では、結像位置が変化するのみで、第2走査レンズL2への副走査方向の入射高さの調整を実施することは困難である。そこで、特殊面の主走査方向への副走査方向の曲率変化を用い、更に光ビームを基準軸外を透過させることにより、光ビームの進路を偏向可能となる。また、複数の光ビームで同特殊面をもつ第1走査レンズL1を共有できるため、走査結像光学系の走査レンズの枚数を減らすことができ、低コスト化を実現することができる。
つまり、走査レンズの特殊面には基準軸外に光ビームを透過させる必要があり、共用の第1走査レンズL1に特殊面を用いることで、斜め入射光学系で課題となる波面収差補正を達成できるだけでなく、コンパクトな光学系、低コストな光学系の達成も可能となる。また、レンズ枚数が低減されることで、部品ばらつきの影響を低減でき、安定した光学性能を実現可能となる。
ここまでは、2枚構成の走査レンズを例に挙げて説明したが、1枚構成の場合は副走査方向に最も強い屈折力を持つ面より、光偏向器側の面に特殊面を設ければ同様の効果が得られる。
また、光偏向器に近い走査レンズに特殊面を形成することで、特に主走査方向の光束幅が広いため、特殊面の形状設定、波面収差の補正が良好に達成可能となる。波面収差補正のためには、光束内での光線の副走査方向の角度を偏向する必要がある。前に説明したように、特殊面により補正(光線の副走査方向の偏向)を実施するわけだが、光束の幅が小さいとその補正は困難になる。つまり、主走査方向の光束幅が絞られている位置、つまり被走査面に近い位置に特殊面を導入しても、光束の方向を変えることはできるが、光束内の光線を副走査方向に偏向することは難しい。
つまり、光偏向器に最も近い走査レンズを複数の光ビームで共用し、その入射面に特殊面を用いることが、良好な波面収差補正、安定した光学性能、低コストな光走査装置を実現する上で最も望ましいこととなる。しかし、本発明は本実施例に限られるものではなく、同様の効果が得られれば、本発明の範疇である。
[実施例5(第9の手段に対応)]
次に斜め入射光学系における、走査線曲がりについて説明する。例えば、走査結像光学系を構成する走査レンズ、特に副走査方向に強い屈折力を持つ第2走査レンズL2の入射面の主走査方向の形状が、偏向反射面の光ビームの反射点を中心とする円弧形状でない限り、主走査方向のレンズ高さにより光偏向器の偏向反射面から走査レンズ入射面までの距離は異なる。通常、走査レンズを前記形状にすることは、光学性能を維持する上で困難である。つまり、図1のように、通常の光ビームは、光偏向器により偏向走査され、各像高にて主走査断面において、レンズ面に対し垂直入射することはなく、主走査方向にある入射角を持って入射する。
副走査方向に角度を持っていることにより(斜め入射されているため)、光偏向器により偏向反射された光ビームは、像高により光偏向器の偏向反射面から走査レンズの入射面までの距離は異なり、図13に示すように、走査レンズへの副走査方向の入射高さが周辺に行くほど中心より高い位置、もしくは低い位置(光ビームの副走査方向にもつ角度の方向により異なる)に入射される。この結果、副走査方向に屈折力を持つ面を通過する際に、副走査方向に受ける屈折力が異なり走査線曲がりが発生してしまう。通常の水平入射であれば、偏向反射面から走査レンズの入射面までの距離が異なっても、光ビームは走査レンズに対し水平に進行するため、走査レンズ上での副走査方向の入射位置が異なることはなく、走査線曲がりの発生が生じない。
以上の説明の如く、大きな走査線曲がりの発生は、斜め入射光学系特有の課題であり、その発生方向は、偏向反射面の法線を挟み副走査方向両側で異なる。つまり、図3中のAの領域から入射する光ビームと、図3中のBの領域から入射する光ビームで発生方向は逆転する。これは、走査レンズに入射する走査線の湾曲が、走査レンズに入射する光ビームの副走査方向の入射角の方向、つまり斜入射の方向(図3中のA側からの入射かB側からの入射か)によりその方向が逆転するためである。特に副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズへ入射する走査線の湾曲が走査線曲がりを発生させるが、その理由は前述した通りである。
同様に、温度変化が生じたときにおいても、走査線曲がりの変化は、偏向反射面の法線を挟み副走査方向両側で逆となる。このように、異なる被走査面で走査線曲がりの方向が逆転した場合、各色を重ね合わせた場合には色ずれとなってしまい、カラー画像の品質が著しく低下してしまう。
そこで、斜め入射光学系で発生する走査線曲がり、及び、色ずれの影響を小さくするためには、設計時に、走査線曲がりの発生を小さく抑えることが好ましい。
具体的には、副走査方向に強い屈折力を持つ第2走査レンズL2を、副走査方向にシフト偏芯したり、副走査方向にチルト偏芯させることで、走査線曲がりの発生を低減することができる。より良好に補正するためには、第2走査レンズL2に主走査方向に異なる副走査方向のシフト偏芯、もしくは、チルト偏芯させることで、母線を副走査方向に湾曲させ、各像高に向かう光ビームを偏向させることで、斜め入射光学系による走査線曲がりの発生を良好に補正することが可能である。
しかし、図7(a)に示すが如く、前記母線を湾曲させる面においては、副走査方向に曲率を持つため、組み付け誤差、加工誤差、環境変動等の影響により、同レンズに入射する光束が副走査方向にシフトした場合、副走査方向のレンズの屈折力の影響を受け、走査線曲がりの形状が変化し、カラー画像においては、初期の(または設計時の)色ずれ抑制の効果は得られず、色ずれが発生してしまう課題がある。
そこで、より良好に走査線曲がりを安定して低減させるために、本実施例においては、被走査面に近い側の第2走査レンズL2の少なくとも1面を、副走査方向の形状を曲率を持たない平面形状とし、かつ、レンズ長手方向(主走査方向)のレンズ高さに応じてレンズ短手方向(副走査方向)の偏芯角度(チルト量)が異なる特殊チルト面とすることで、走査線曲がりの補正を実施している。前記特殊チルト面のチルト量(偏芯角度)とは、光学素子の光学面における短手方向の傾き角を言う。チルト量が0であるときには傾きがない状態、つまり通常のレンズと同じ状態となる。
次に第2走査レンズL2の特殊チルト面について説明を加える。第2走査レンズL2の特殊チルト面の面形状は、以下の形状式による。ただし、この発明の内容は以下の形状式に限定されるものではなく、同一の面形状を別の形状式を用いて特定することも可能である。
第2走査レンズL2の特殊チルト面の面形状は、光軸を含み、主走査方向に平行な平断面である「主走査断面」内の近軸曲率半径をRY、光軸から主走査方向の距離をY、高次係数をA,B,C,D・・・とし、主走査断面に直交する「副走査断面」内の近軸曲率半径をRZとすると、以下の形状式によって表せる。
X(Y,Z)=Y・Cm/{1+√[1-(1+K)・(Y・Cm)]}
+A・Y+B・Y+C・Y+D・Y10+E・Y12+・・・
+(Cs(Y)・Z)/{1+√[1-(Cs(Y)・Z)]}
+(F0+F1・Y+F2・Y+F3・Y+F4・Y+・・)Z
但し、
Cm=1/RY
Cs(Y)=1/RZ
とする。
なお、(F0+F1・Y+F2・Y+F3・Y+F4・Y+・・)Zは、チルト量を表す部分であり、チルト量を持たないときは、F0,F1,F2,・・・は全て0である。また、F1,F2,・・・が0で無いとき、チルト量は、主走査方向に変化することになる。
さらに、特殊チルト面の副走査方向の形状を曲率を持たない平面形状としている理由について説明する。
図7(b)に示すように、入射光線が副走査方向にシフトした場合、走査レンズの特殊面は屈折力を持たないため光線の進行方向もシフトするのみで、その方向の変化は小さい。母線が湾曲した面のように、副走査方向に曲率を持つ、つまり屈折力を持つ面では、図7(a)に示すように、入射光線が副走査方向にシフトした場合、屈折力が変わることにより光線の進行方向が変わる。各像高でこの進行方向の変化量が異なると、走査線曲がりが大きく発生してしまう。また、光束のスキューが発生し波面収差の劣化、ビームスポット径の劣化が生じる。以上の理由から、第2走査レンズL2の特殊面における副走査方向の形状は、曲率を持たない平面形状とする必要がある。
本発明によれば、特殊チルト面により各像高に向かう光ビームの副走査方向の方向を、走査レンズの主走査方向に異なるチルト量を最適に与えることで走査線曲がりを補正可能となる。
前記説明の特殊チルト面を、異なる被走査面に向かう光ビームごと、つまり光偏向器の反射面の法線に対する副走査方向の角度(斜入射角度)毎に最適に設定することで、全ての光ビームにおいて良好な波面収差補正、及び、走査線曲がり補正が可能となる。この場合、斜め入射角度が異なっても、本特殊チルト面を用い形状式の係数を変えて最適に設計することで対応可能となる。
[実施例6(第10、11の手段に対応)]
次に、本発明に係る光走査装置を用いた画像形成装置の一実施例を、図8を参照しながら説明する。本実施例は、本発明に係る光走査装置(例えば図2に示す片側走査方式の光走査装置)をタンデム型フルカラーレーザプリンタに適用した例である。図8において、装置内の下部側には水平方向に配設された給紙カセット13から給紙される記録材(例えば転写紙)Sを搬送する搬送ベルト17が設けられている。この搬送ベルト17上にはイエロー(Y)用の感光体7Y,マゼンタ(M)用の感光体7M,シアン(C)用の感光体7C及びブラック(K)用の感光体7Kが、転写紙Sの搬送方向上流側から下流側に向けて順に等間隔で配設されている。なお、以下、符号に対する添字Y,M,C,Kを適宜付けて区別するものとする。これらの感光体7Y,7M,7C,7Kは全て同一径に形成されたもので、その周囲には、電子写真プロセスにしたがって各プロセスを実行するプロセス部材が順に配設されている。感光体7Yを例に採れば、帯電チャージャ8Y、光走査装置9の走査結像光学系6Y、現像装置10Y、転写チャージャ11Y、クリーニング装置12Y等が順に配設されている。なお、他の感光体7M,7C,7Kに対しても同様である。
本実施形態では、感光体7Y,7M,7C,7Kの表面を各色毎に設定された被走査面(または被照射面)とするものであり、各々の感光体7Y,7M,7C,7Kに対して光走査装置9の走査結像光学系6Y,6M,6C,6Kが1対1の対応関係で設けられている。但し、光偏向器(振動ミラー)5と、該光偏向器5に近い側の第1走査レンズL1は、4つの走査結像光学系6Y,6M,6C,6Kで共通使用しており、感光体(被走査面)7Y,7M,7C,7Kに近い側の第2走査レンズL2は各光学系にそれぞれ設けられている。なお、複数の光源装置やカップリングレンズ、シリンドリカルレンズ等の図示は省略している。
搬送ベルト17は駆動ローラ18と従動ローラ19に支持されて図中の矢印の方向に回転され、その周囲には、感光体7Yよりも上流側に位置させてレジストローラ16と、ベルト帯電チャージャ20が設けられ、感光体7Kよりもベルト17の回転方向下流側に位置させてベルト分離チャージャ21、ベルト除電チャージャ22、ベルトクリーニング装置23等が順に設けられている。また、ベルト分離チャージャ21よりも転写紙搬送方向下流側には加熱ローラ24aと加圧ローラ24bからなる定着装置24が設けられ、排紙トレイ26に向けて排紙ローラ25で結ばれている。
このような概略構成のレーザプリンタにおいて、例えば、フルカラーモード(複数色モード)時であれば、各感光体7Y,7M,7C,7Kを帯電チャージャ8Y,8M,8C,8Kで帯電した後、各感光体7Y,7M,7C,7Kに対してY,M,C,K用の各色の画像信号に基づき光走査装置9の各々の走査結像光学系6Y,6M,6C,6Kによる光ビームの光走査で、各感光体表面に、各色信号に対応した静電潜像が形成される。これらの静電潜像は各々の対応する現像装置10Y,10M,10C,10KでY,M,C,Kの各色のトナーにより現像されてトナー像となる。この画像形成プロセスにタイミングを合わせて給紙カセット13内の転写紙Sが給紙ローラ14と搬送ローラ15により給紙され、レジストローラ16により搬送ベルト17に送り出される。搬送ベルト17に給紙された転写紙Sは、ベルト帯電チャージャ20の作用により搬送ベルト17に静電的に吸着されて感光体7Y,7M,7C,7Kに向けて搬送され、各感光体7Y,7M,7C,7K上の画像が転写紙S上に順次転写されることにより重ね合わせられ、転写紙S上にフルカラー画像が形成される。このフルカラー画像が転写された転写紙Sはベルト分離チャージャ21により搬送ベルト17から分離されて定着装置24に搬送され、定着装置34でフルカラー画像が転写紙Sに定着された後、排紙ローラ25により排紙トレイ26に排紙される。
本実施例では、上記のような構成の画像形成装置の光走査装置9を、前述の実施例1〜5で説明した光走査装置の構成とすることで、走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正し、色ずれが無く、高品位な画像再現性が確保できる画像形成装置を実現することができる。
なお、ここでは片側走査方式の光走査装置9を例に上げて説明したが、この他、図9に示したような構成の対向走査方式の光走査装置としても良く、その場合には、光偏向器106(2つの振動ミラー117,118)を中央に配置し、その光偏向器6を挟んで一方の側にY用とM用の走査結像光学系(例えば第1走査レンズ121、第2走査レンズ124,125等)を配置し、他方の側にC用とK用の走査結像光学系(例えば第1走査レンズ120、第2走査レンズ122,123等)を配置すれば、光偏向器106(2つの振動ミラー117,118)で4つの光ビームを同時に偏向走査することができる。また、この場合にも、各色の走査結像光学系を前述の実施例1〜5で説明した光走査装置の構成とすることで、走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正し、色ずれが無く、高品位な画像再現性が確保できる画像形成装置を実現することができる。
本発明に係る光走査装置の一実施例を説明するための図であり、光走査装置の光学系を主走査断面に展開して示す光学系配置図である。 タンデム型のカラー画像形成装置に適用した片側走査方式の光走査装置の一例を示す概略斜視図である。 本発明に係る光走査装置の光偏向器(振動ミラー)以降の光学系配置例を示す概略断面図である。 マルチビーム光源装置の一例を示す分解斜視図である。 走査レンズに特殊面を用いずに、従来の走査レンズからなる走査光学系に光束を斜め入射させたときの副走査断面での光路を模式的に示す図である。 走査レンズの特殊面により波面収差と走査線曲がりを補正した後の光路を模式的に示す図である。 走査レンズへの入射光線が副走査方向にシフトした場合に、走査レンズが副走査方向に屈折力を持つ場合と持たない場合の走査線曲がりとビーム径劣化の説明図である。 本発明に係る光走査装置を用いた画像形成装置の一実施例を示す図であって、タンデム型カラーレーザプリンタの概略構成図である。 タンデム型のカラー画像形成装置に適用した対向走査方式の光走査装置の一例を示す概略斜視図である。 従来の光走査装置の一例を示す概略斜視図である。 斜め入射光学系における問題点の説明図である。 斜め入射光学系における問題点の説明図である。 ポリゴンミラー反射面におけるサグ量の変化の一例を示す図である。 副走査ビームピッチの偏差を示す図である。
符号の説明
1:光源装置
2:カップリングレンズ
3:シリンドリカルレンズ
4:折り返しミラー
5:光偏向器(振動ミラー)
6:走査結像光学系
7:被走査面(感光体)
7Y,7M,7C,7K:感光体(被走査面)
8Y,8M,8C,8K:帯電チャージャ
9:光走査装置
9Y,9M,9C,9K:光走査光学系
10Y,10M,10C,10K:現像装置
11Y,11M,11C,11K:転写チャージャ
12Y,12M,12C,12K:クリーニング装置
13:給紙カセット
14:給紙ローラ
15:搬送ローラ
16:レジストローラ
17:搬送ベルト
18:駆動ローラ
19:従動ローラ
20:ベルト帯電チャージャ
21:ベルト分離チャージャ
22:除電チャージャ
23:ベルトクリーニング装置
24:定着装置
25:排紙ローラ
26:排紙トレイ
101〜104:感光体(被走査面)
105:搬送ベルトまたは中間転写ベルト
106:光偏向器
107〜110:光源装置
111、112:折り返しミラー
113〜116:シリンドリカルレンズ
120,121:の第1走査レンズ
122〜125:第2走査レンズ
126〜137:折り返しミラー
141,142:光検出器
151:位置ずれ検出用のマーク
152:マーク検出器
L1:第1走査レンズ
L2:第2走査レンズ
M1〜M3:折り返しミラー

Claims (11)

  1. 複数の光源を備え、該複数の光源から射出される複数の光ビームは、同一の被走査面と異なる被走査面に向かう光ビームを含み、光偏向器で偏向された後、走査結像光学系により各々対応する被走査面に集光される光走査装置において、
    前記光偏向器として振動ミラーを用い、全ての光ビームは、前記振動ミラーからなる光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持ち、かつ、同一の偏向反射面に入射し、異なる被走査面に向かう光ビームは、前記偏向反射面の法線を挟み副走査方向両側より入射する光ビームを含むことを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1記載の光走査装置において、
    全ての光ビームは、同一の光偏向器の同一の偏向反射面で偏向されることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項1記載の光走査装置において、
    前記光偏向器の偏向反射面の法線を挟み副走査方向両側より入射する複数の光ビームの対を複数持ち、それぞれの対は、前記光偏向器の異なる偏向反射面に入射されることを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    少なくとも同一の被走査面に向かう複数の光ビームは、偏向反射面近傍で主走査方向に交差していることを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記走査結像光学系は以下の条件:
    (1)光偏向器が等角速度運動すると仮定したときに、像高の中心に比べ周辺で走査速度が速い、
    (2)光偏向器が正弦波振動するときに、像高の中心に比べ周辺で走査速度が遅い、
    を満足することを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記光源を駆動する光源駆動手段を備え、該光源駆動手段は、1ライン内の各画素毎に点灯タイミングを個別に設定する機能を有することを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記走査結像光学系は複数の走査レンズで構成され、該走査結像光学系の最も光偏向器に近い走査レンズは複数の被走査面に向かう光ビームで共用され、該走査レンズに入射する光ビームの前記光偏向器の法線に対する副走査方向の角度が、レンズ周辺に向かうに従い入射時の角度に対し大きくなって該走査レンズより射出されることを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項7記載の光走査装置において、
    前記走査結像光学系の最も光偏向器に近い走査レンズの少なくとも1面は、主走査方向に応じて副走査方向の曲率が変化する面であることを特徴とする光走査装置。
  9. 請求項7または8記載の光走査装置において、
    前記走査結像光学系の少なくとも最も被走査面に近い走査レンズは、副走査方向に曲率を持たない面で構成され、かつ主走査方向に応じて副走査方向のチルト偏芯角度が異なる特殊面を持つことを特徴とする光走査装置。
  10. 像担持体に対して帯電、露光、現像の電子写真プロセスを実行することによって前記像担持体上に画像を形成する画像形成装置において、
    前記電子写真プロセスのうちの露光プロセスを実行する手段として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光走査装置を具備し、被走査面である前記像担持体に露光を行なうことを特徴とする画像形成装置。
  11. 像担持体に対して帯電、露光、現像の電子写真プロセスを実行することによって前記像担持体上に画像を形成する画像形成装置において、
    前記電子写真プロセスのうちの露光プロセスを実行する手段として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光走査装置を具備し、異なる被走査面として、少なくとも4つの像担持体を備え、前記光走査装置で4つの像担持体に対して露光を行なうことを特徴とする画像形成装置。
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