JP2008006722A - 樹脂成形品の製造方法及び成形型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明における樹脂成形品1は、一次成形品10とカラー40と金属平板50とを二次成形部30によって一体に成形したものである。カラー40を下型60Bにセットするための位置決め突部64の上端には、金属平板50の孔51の内側に収容される軸部65と、その軸部65の外周に位置決め突部64の側面と連続して面一となってガイド面66Aを有するガイド突条66とが設けられている。カラー40を位置決め突部64にセットする際に、カラー40の内周面がガイド面66Aに接触して傾き姿勢となったとしても、下型60Bの底面から高い位置で傾き姿勢となるため、異常を発見しやすくなる。したがって、カラー40が傾いたまま型閉じが行われて変形することを未然に防ぐことができる。
【選択図】図5
Description
請求項1又は請求項4の発明によると、位置決め突部の上端にガイド突条を設けたから、位置決め突部の高さ範囲内においてカラーが傾き姿勢となるよりも、下型の底面からより高い位置となるガイド突条の高さ位置においてカラーが傾き姿勢となるほうが、傾き姿勢等の異常事態を発見しやすくなる。この結果、カラーが傾いた姿勢のまま型閉じが行われ、カラーが変形することを未然に防ぐことができる。
請求項2又は請求項5の発明によると、カラーをガイド突条に嵌め込んだ際にカラーがどのような傾き姿勢となっても、カラーの内周面とガイド突条の外側面とを接触させることができる。したがって、カラーがガイド突条の高さ範囲にあるときにカラーを位置決めすることが可能となり、カラーを位置決め突部に向けて円滑に嵌め込みやすくなる。
請求項3の発明によると、金属平板の孔の位置精度が悪い場合であっても、金属平板を成形型にセットすることができる。また、インサート成形前にカラーが傾き姿勢であることを発見できなかったとしても、インサート成形後に切欠き部から露出するカラーの露出量を検査することで、カラーの変形の有無を容易に確認することができる。
本発明の実施形態1を図1ないし図11によって説明する。本実施形態における樹脂成形品1は自動車のトランスミッションの内部に設置されるものである。樹脂成形品1は、図1に示すように、全体として横長形状をなし、バスバー2が内部に組み込まれた一次成形品10と筒状のカラー40と金属平板50とが二次成形部30によって一体にインサート成形されている。金属平板50には、カラー40の内径よりも小径の図示2個の孔51が貫通して設けられており、孔51と同軸をなす位置で、かつ金属平板50の下面側にカラー40が配されている。孔51は、図示しないボルト等を挿通させるための孔であって、このボルトを金属平板50側から挿入し、ミッションケースの内部に配されるバルブユニット等にタッピングされた雌ネジに螺合することにより、樹脂成形品1がカラー40を介してバルブユニット等に固定される。尚、本実施形態において長手方向とは図1における左右方向を基準とし、幅方向とは図1における上下方向を基準とし、上下方向とは図1における紙面と直交する方向を基準として紙面手前側を上方とする。
まず、成形型60の下型60Bに対して一次成形品10とカラー40と金属平板50とをセットする。カラー40は、ガイド突条66のガイド面66Aの外周部分を通過して位置決め突部64へと嵌め込まれる。カラー40の内周面がガイド面66Aに接触することで、カラー40は、ガイド突条66に嵌め込まれた際にカラー40がどのような傾き姿勢となっても、カラー40の内周面とガイド面66Aとが接触することで、カラー40がガイド突条66にあるときにおいてもカラー40を位置決めすることが可能となり、カラー40を位置決め突部64に向けて円滑に嵌め込みやすくなる。
1.位置決め突部64の上端にガイド突条66を設けたから、位置決め突部64の高さ範囲内においてカラー40が傾き姿勢となるよりも、下型60Bの底面からより高い位置となるガイド突条66の高さ位置においてカラー40が傾き姿勢となるほうが、傾き姿勢等の異常事態を発見しやすくなる。この結果、カラー40が傾いた姿勢のまま型閉じが行われ、カラー40が変形することを未然に防ぐことができる。この結果、端子面13に係合孔を設けることなく、一次成形品10の位置決めを行うことができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
2…バスバー
10…一次成形品
12…リブ
12A…第1リブ
12B…第2リブ
13…端子面
14…対向面
15…リブ形成面(リブが形成されている面)
30…二次成形部
40…カラー
50…金属平板
51…孔
52…切欠き部
60…成形型
60A…上型
60B…下型
61…支持部
62…ゲート
63…キャビティ内面
64…位置決め突部
65…軸部
66…ガイド突条
66A…ガイド面
Claims (5)
- インサート成形するための成形型を構成する下型の底面から突出して設けた位置決め突部に対し筒状のカラーを嵌め込んで前記カラーを前記下型にセットした上で、前記カラーの内径よりも小径の孔が貫通して設けられている金属平板を前記孔と前記カラーとが同軸をなすようにして前記カラーの上端にセットし、前記金属平板の下面と前記カラーの外周面と前記下型の底面とで構成される成形空間内に樹脂を注入することで、前記カラーと前記金属平板とが一体にインサート成形された樹脂成形品の製造方法であって、
前記位置決め突部の上端には、その位置決め突部と同軸で上方に突出し、前記金属平板の孔の内側に収容される軸部と、その軸部の外周に前記位置決め突部の側面と連続して面一となった面を有するガイド突条とを設ける一方、前記金属平板には、前記孔の内周面から径方向外側に向けて切り欠かれた切欠き部を形成することで、前記金属平板を前記カラーの上部に載置したときに前記ガイド突条が前記切欠き部に収容されるようにしたことを特徴とする樹脂成形品の製造方法。 - 前記軸部は円柱状をなすと共に、前記ガイド突条は前記軸部の外周面に等角度間隔で放射状に配置されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品の製造方法。
- 前記切欠き部の、前記カラーの径方向における切り込み量は、前記切欠き部の先端が前記カラーの内周面よりも外側に位置するように設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の樹脂成形品の製造方法。
- 上下方向に開口する筒状のカラーの上端には、金属平板が載置され、前記金属平板には、前記カラーと同軸で、かつ前記カラーの内径よりも小径の孔が貫通して設けられ、前記孔の内周面には、径方向外側に向けて切り欠かれた切欠き部が形成され、前記カラーの外周面よりも径方向外側であって前記金属平板の下面よりも下方領域には、樹脂部が前記カラー及び前記金属平板と一体に成形されている樹脂成形品をインサート成形するための成形型であって、
前記成形型を構成する下型の底面には、前記カラーの内径よりも小径で、かつ前記カラーの高さとほぼ同一の高さ寸法となるように設定されている位置決め突部が前記底面から上方に突出して設けられ、
前記位置決め突部の上端には、前記金属平板の孔の内径よりも小径で、かつ前記金属平板の板厚とほぼ同一の高さ寸法となるように設定されている軸部と、その軸部の外周に前記位置決め突部の側面と連続して面一となった面を有し、前記金属平板を前記カラーの上部に載置したときに前記切欠き部に収容されるガイド突条が設けられていることを特徴とする成形型。 - 前記軸部は円柱状をなすと共に、前記ガイド突条は前記軸部の外周面に等角度間隔で放射状に配置されていることを特徴とする請求項4記載の成形型。
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