JP2008004423A - 固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固体酸化物形燃料電池2において、固体電解質層6と、空気極層10と、燃料極層16と、これらの多孔質電極層18のずれかにおいてチャンネル状パターンを有する1又は2以上のキャビティ20と、を備え、前記チャンネル状パターンを破線状パターンを有するようにする。このようなキャビティ20を備える多孔質構造を備えることにより発電特性が向上する。
【選択図】図1
Description
図1には、本発明のSOFCのセルの一例を示し、図2及び図3には、チャンネル状パターンの各種平面形態を示し、図4には、チャンネル状パターンにおけるキャビティの構成形態を示す。
本SOFC2における固体電解質層6は、従来公知の形態を採ることができるとともに、その材料についても、同様に従来公知の各種の固体電解質材料を特に限定しないで用いることができる。固体電解質層6は、空気雰囲気および燃料ガス雰囲気において酸化物イオン伝導性が高く、ガス透過性が無く、電子伝導性が無い層を形成できる材料により構成されることが好ましい。例えば、固体電解質材料としては、イットリアあるいはスカンジアを固溶させたジルコニア、イットリアとスカンジアを固溶させたジルコニアが挙げられる。これらの各種ジルコニア固溶体におけるイットリアおよびスカンジアの固溶量としては特に限定しないが、例えば、3〜12mol%程度とすることができる。
本SOFC2の空気極層10は、固体電解質層6に対して積層され、固体電解質層6との間で電極界面を構成している。空気極層10は、従来公知の各種形態を採ることができるとともに、その材料についても同様に従来公知の各種の空気極材料を特に限定しないで用いることができる。例えば、LaAMnO3(A=Sr or Ca)で表されるランタンマンガナイト、LaSrCoO3で表されるランタンコバルタイト、LaSrFeO3で表されるランタンフェライト、LaFeCoO3で表されるランタン鉄コバルタイト、LaNiO3で表されるランタンニッケル酸化物、SmSrCoO3で表されるサマリウムコバルタイト、GdSrCoO3で表されるガドリウムコバルタイトなどが挙げられる。また、ランタンマンガナイトには、Ce、Sm、Gd、Pr、Nd、Co、Al、Fe、Cr、Ni、Ca、Sr等が固溶化されていてもよい。
本SOFC2における燃料極層16は、従来公知の形態を採ることができるとともに、その材料についても、同様に従来公知の各種の燃料極材料を特に限定しないで用いることができる。燃料極材料としては、例えば、Ni/YSZが挙げられる。これらの組成も特に限定しないが、例えば重量比率で50/50〜90/10とすることができる。また、他の燃料極材料としては、Ni/ScSZ、Ni/カルシウムを固溶させたジルコニア(以下、Ni/CSZと示す)、Ni/セリウム酸化物が挙げられる。
なお、本SOFC2に用いられるセパレーター30又はインターコネクターとしては、SOFCにおいて従来公知の各種形態を採ることができるとともに従来公知のセパレーター等材料を特に限定しないで用いることができる。例えば、アルカリ土類酸化物を固溶させたランタンクロマイト、Ni-Cr合金、Crフェライト系合金が挙げられる。
図1に示すように、本SOFC2の空気極層10及び燃料極層16のいずれかあるいは双方(以下、こうした形態を一括して多孔質電極層18というものとする。)の領域内には、多孔質電極層18を構成する多孔質体により区画されたキャビティ20を備えている。多孔質電極層18におけるキャビティ20は、多孔質電極層18を構成する材料の多孔質体によって区画されて構成されている。すなわち、キャビティ20は多孔質電極層18の多孔質体における細孔(空隙)そのものではなく、多孔質電極層18において、固体電解質層6と電極界面を構成するように周囲と同様の多孔質電極層18の構造が形成されるべき領域に備えられる凹部、貫通孔、スリットのような形態を採るものである。すなわち、キャビティ20においては、多孔質電極層18の厚みは周囲の多孔質電極層18の厚みよりも小さいかあるいは0となっている。なお、このようなキャビティ20は、多孔質体からなる多孔質電極層18を区画あるいは分断するように備えられる場合もあり、多孔質電極層18自体によって区画されている場合も包含されている。
次に、本SOFC2の製造に適した製造方法について説明する。
本発明のSOFC2の製造方法は、上記したチャンネル状パターンを有する1又は2以上のキャビティ20を備える多孔質電極層18を形成する電極形成工程を備えている。キャビティ20を備える多孔質電極層18を形成するには、各種の印刷手法のほか、UVやレーザーなどのエネルギー波の照射を伴う切削加工、マイクロドリルなどのマイクロマシンによる微細機械加工などが挙げられる。
Claims (13)
- 固体酸化物形燃料電池であって、
固体電解質層と、
多孔質電極層と、
前記多孔質電極層においてチャンネル状パターンを有する1又は2以上のキャビティと、
を備え、
前記チャンネル状パターンは、その長さ方向に沿って前記チャンネル状パターンを分断する電極層からなる分断部と該分断部により区画された短線分キャビティとを有する破線状パターンを有する、固体酸化物形燃料電池。 - 前記キャビティの電極面積当たりの長さは、30mm/cm2以上100mm/cm2以下である、請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記分断部の長さは、0.05mm以上0.8mm以下である、請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記短線分キャビティの長さは、0.5mm以上1.5mm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記分断部の長さに対する前記短線分キャビティの長さは1.0以上7.0以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記チャンネル状パターンは、同心状に閉じた又は開放した複数の環状構造を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記チャンネル状パターンは、ガス流路の方向に沿って均一又は不均一に配置されている、請求項1〜6のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記キャビティは、前記多孔質電極層を貫通する、請求項1〜7のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記キャビティの前記ガス流路側への開口幅の最大寸法が50μm以上500μm以下である、請求項1〜8のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記多孔質電極層において前記キャビティは少なくともガス流路側に開口され、該開口の開口面積の合計は、全電極面積の5%以上40%以下である、請求項1〜9のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記多孔質電極層の厚さは5μm以上1mm以下である、請求項1〜10のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記電極は燃料極である、請求項1〜11のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池。
- 固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、
チャンネル状パターンを有する1又は2以上のキャビティを備え、
前記チャンネル状パターンは、その長さ方向に沿って前記チャンネル状パターンを分断する電極層からなる分断部と該分断部により区画された短線分キャビティとを有する破線状パターンを有する多孔質電極層を形成する工程を備える、固体酸化物形燃料電池の製造方法。
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