JP2005158355A - Sofc用多孔質電極、その製造方法及びsofc並びに触媒担持用造孔材 - Google Patents

Sofc用多孔質電極、その製造方法及びsofc並びに触媒担持用造孔材 Download PDF

Info

Publication number
JP2005158355A
JP2005158355A JP2003392737A JP2003392737A JP2005158355A JP 2005158355 A JP2005158355 A JP 2005158355A JP 2003392737 A JP2003392737 A JP 2003392737A JP 2003392737 A JP2003392737 A JP 2003392737A JP 2005158355 A JP2005158355 A JP 2005158355A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
sofc
catalyst
porous electrode
pore
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003392737A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazufumi Takeuchi
和史 竹内
Hiromi Sugimoto
博美 杉本
Noritoshi Sato
文紀 佐藤
Mitsugi Yamanaka
貢 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2003392737A priority Critical patent/JP2005158355A/ja
Publication of JP2005158355A publication Critical patent/JP2005158355A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】触媒利用効率が高く、触媒使用量を減らしつつ発電性能を維持又は向上した、高性能なSOFC用多孔質電極、その製造方法、製造に使用可能な触媒担持用造孔材、及びSOFCを提供すること。
【解決手段】電極材料に触媒材料を担持して成るSOFC用多孔質電極。材料固有の空隙部と造孔材に起因する空隙部を有し、かかる造孔材に起因する空隙部内に、触媒材料を担持している。SOFC用多孔質電極を少なくとも1つ備えるSOFC。
SOFC用多孔質電極の製造方法である。触媒材料を担持した造孔材と、電極材料を混合して電極形成混合物を得、次いで、得られた混合物を成形・焼成する。
触媒材料と熱焼失カーボンを含有して成る触媒担持用造孔材。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池(SOFC)用多孔質電極、その製造方法及びSOFC並びに触媒担持用造孔材に係り、更に詳細には、触媒利用効率が高く、触媒使用量を減らしつつ発電性能を維持又は向上した、高性能なSOFC用多孔質電極、その製造方法、製造に使用可能な触媒担持用造孔材、及びSOFC用多孔質電極を備えたSOFCに関する。
従来から、SOFCの性能向上を目的として、その電極性能の向上が図られ、様々なSOFCが提案されている。
例えば、多孔質電極に触媒材料を担持して、高性能なSOFC用多孔質電極を得る方法としては、(1)酸素イオン伝導性又は混合伝導性を有する多孔質焼結体に、電子伝導性又は混合伝導性を有する触媒材料のスラリーを含浸させ、微細孔内に担持する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
なお、「混合伝導性を有する」とは、電子伝導性と酸素イオン伝導性を併せて有することである。
また、(2)酸素イオン伝導性を有する酸化物粉体を、電極触媒活性を有する金属のイオンを含有する溶液中に浸し、その後乾燥・加熱処理をして酸化物表面に金属を担持し、得られた金属担持酸化物粉体を成型・焼成する方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
一方、固体高分子型燃料電池用電極を得る方法ではあるが、(3)炭素前駆体ポリマーと触媒材料を担持した熱焼失性ポリマーを熱溶融・紡糸・炭素化して微細孔内に触媒材料を担持した多孔質カーボンファイバーを得、このカーボンファイバーに固体高分子電解質を含む溶液を含浸させる方法がある(例えば、特許文献3参照。)。
特開2000−200614号公報 特開平10−144337号公報 特開2003−109607号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、スラリーにより触媒材料を微細孔内に担持する際、径の小さな微細孔内にまでスラリーが浸透せず、触媒材料を十分に担持することができないという問題があった。
このような、従来のSOFC用多孔質電極を図面を用いて説明する。
図3は、従来のSOFC用多孔質電極の一例(サーメット型)を示す模式的説明図である。同図に示すように、SOFCは固体電解質基板20上に、電極材料(金属材料)1と電極材料(酸化物材料)3と触媒材料5から成るSOFC用多孔質電極10を備える。例えば、同図で示すE部位のように、細孔部が一部細くなっている又は入り組んだ部位には、触媒材料5が担持されにくい。
また、溶液やスラリーを多孔質電極に染み込ませるという方法では、一方の電極の製造は容易だが、他方の電極の製造に困難を伴なう。即ち、一方の電極、電解質、他方の電極といった順でセルを形成すると、他方の電極に触媒材料を担持する際に、一方の電極に溶液やスラリーが染み込まないような工夫をすることが更に必要となる。
特許文献2に記載の従来技術では、予め形成した電極に触媒材料を担持するのではなく、酸化物粉体全体に触媒材料を担持して電極を作製するため、触媒材料の使用量が多くなり、高価な触媒材料を使用すると経済的な面から好ましくない。更に、必ずしも3相界面に触媒材料が担持されない、即ちガスの拡散が起こる部位に必ずしも担持されないため、触媒利用率が低く、このような点からも改善の余地があった。
このような、従来のSOFC用多孔質電極を図面を用いて説明する。
図4は、従来のSOFC用多孔質電極の一例を示す模式的説明図である。同図に示すように、SOFCは固体電解質基板20上に、電極材料(酸化物材料)3と触媒材料5から成るSOFC用多孔質電極10を備える。例えば、同図で示すF部位のように、ガス拡散が起こりにくい部位にも触媒材料5が担持されるため、触媒材料5が積極的に使用されず、また、電極の電子伝導性を確保するために、担持する触媒材料5の使用量が増え、コストがかかるなどの問題があった。
特許文献3に記載の従来技術では、微細孔内に担持された触媒材料の上から固体高分子電解質を形成するため、触媒材料と形成する3相界面へのガス拡散が阻害される。仮に、ガス拡散性の高い多孔質な固体高分子電解質を形成した場合には、電解質が多孔質であるためイオン伝導度が低下し、触媒材料担持部分が有効に利用されないという問題があった。
また、微細孔内に形成される固体高分子電解質膜が薄い場合、膜の水平方向のイオン伝導距離が長いために、イオン伝導抵抗が大きくなり、触媒材料担持部分が有効に利用されず、一方でイオン伝導抵抗低減のためには、形成する電解質膜にある程度の厚さを持たせる必要があるが、その場合にはガス拡散が阻害されてしまうという問題があった。
更に、炭素前駆体ポリマーの残炭素率を15%以上、熱焼失性ポリマーの残炭素率を10%以下のポリマーに調整することにより、触媒を担持するカーボンファイバーの細孔を制御し得る。しかし、同じポリマーにおいて、一方は精度良くグラファイト化させ、他方は熱分解して消失させる機構であるため、焼成炉内の温度、雰囲気などの条件ばらつきを抑制し、品質を一定に保ち、歩留まり良く製造することは困難であった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、触媒利用効率が高く、触媒使用量を減らしつつ発電性能を維持又は向上した、高性能なSOFC用多孔質電極、その製造方法、製造に使用可能な触媒担持用造孔材、及びSOFCを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、触媒材料を担持した造孔材を用いることなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のSOFC用多孔質電極は、電極材料に触媒材料を担持して成り、材料固有の空隙部と造孔材に起因する空隙部を有し、かかる造孔材に起因する空隙部内に、触媒材料を担持している。
また、本発明のSOFCは、上記本発明のSOFC用多孔質電極を少なくとも1つ備えて成る。
更に、本発明のSOFC用多孔質電極の製造方法は、上記本発明のSOFC用多孔質電極を製造する方法であって、触媒材料を担持した造孔材と、電極材料を混合して電極形成混合物を得、次いで、得られた混合物を成型・焼成し、SOFC用多孔質電極を得る方法である。
更にまた、本発明の触媒担持用造孔材は、上記本発明のSOFC用多孔質電極の製造方法に用いる触媒担持用造孔材であって、触媒材料と熱焼失カーボンを含有して成る。
本発明によれば、触媒材料を担持した造孔材を用いることなどにより、触媒利用効率が高く、触媒使用量を減らしつつ発電性能を維持又は向上した、高性能なSOFC用電極及びSOFCを提供することができる。
以下、本発明のSOFC用多孔質電極について詳細に説明する。なお、明細書及び特許請求の範囲において、「%」は特記しない限り、質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明のSOFC用多孔質電極は、電極材料に触媒材料を担持して成り、材料固有の空隙部と造孔材に起因する空隙部を有し、かかる造孔材に起因する空隙部内に、触媒材料を担持している。
ここで、詳しくは後述するが、造孔材に起因する空隙部は材料固有の空隙部と比較すると通常は大きく拡げられている部位である。
また、本発明において、「造孔材に起因する空隙部内」には、「造孔材に起因する空隙部の開口近傍」も含む。
本発明のSOFC用多孔質電極を図面を用いて説明する。
図1は、本発明のSOFC用多孔質電極の一例を示す模式的説明図である。同図に示すように、固体電解質基板20上に電極材料(金属材料)1と電極材料(酸化物材料)3と触媒材料5から成るSOFC用多孔質電極10を備える。
本発明のSOFC用多孔質電極10は、例えば同図に示すA部位のように、造孔材に起因する空隙部内に触媒材料5が担持されている一方、例えばB部位のように、材料固有の空隙部内には触媒材料5が担持されていない。
ガスが拡散する際は、材料固有の空隙部(B部位)に比べて、造孔材に起因する空隙部(A部位)の方がガス拡散抵抗が小さく、よってガス供給量が多いため、A部位での電極反応が促進され得る。A部位に触媒材料5を担持することにより、A部位やB部位の区別なく触媒材料5を担持した場合に比べ、触媒利用率を大幅に向上することができる。
なお、図示しないが、担持された触媒材料は、必ずしも1層であることに限られず、2層以上の積層構造を有していてもよい。
本発明において、多孔質電極の大きさや形状は、特に限定されるものではないが、代表的には、電解質支持型SOFCで使用されるような薄膜電極や、電極支持型SOFCで使用されるような厚板電極などを挙げることができる。
また、多孔質電極は、触媒材料を担持してSOFC用電極として使用することが可能であれば、特に限定されるのものではないが、代表的にはそれぞれ使用時に、電子伝導性を有する材料、酸素イオン伝導性を有する材料又は電子伝導性及び酸素イオン伝導性の両性質を併せ有する混合伝導性材料並びにこれらの任意の混合材料から成る電極を挙げることができる。
また、本発明において、造孔材に起因する空隙部は、各々少なくとも電極のガス供給側に連通していれば、造孔材に起因する空隙部はそれぞれ独立であってもよい。また、一部又は全部の造孔材に起因する空隙部が連接していること、即ち、造孔材に起因する空隙部と材料固有の空隙部とが連接しつつ電極のガス供給側に連通していてもよく、又は造孔材に起因する空隙部同士が連接しつつ電極のガス供給側に連通していてもよい。これら造孔材に起因する空隙部は、後述するSOFC用多孔質電極の製造方法により調整できる。
造孔材に起因する空隙部の断面最大径は、1〜20μmであることが好ましい。
ここで「空隙部の断面最大径」とは、任意の切断面で観察される空隙部の最大径をいう。
上記範囲に調整することにより、ガス拡散性を保持しつつ、耐久性に優れたSOFCを提供することができる。
例えば、本発明のSOFC用多孔質電極を支持基板とする、いわゆる電極支持型の薄膜電解質型SOFCに用いる場合、造孔材に起因する空隙部の断面最大径が20μmを超えると、その上に薄膜電解質を形成した際に、欠陥が生じ易く好ましくない。
また、薄膜電解質の欠陥防止という観点からは10μm以下であることが更に好ましい。
一方、造孔材に起因する空隙部の断面最大径が1μm未満では、電極のガス拡散性を十分に確保できない可能性がある。
更に、本発明において、触媒材料は、電子伝導性を有する金属材料、酸素イオン伝導性又は混合伝導性を有する酸化物材料、及びこれらの任意の混合物を用いることができる。
用いる金属材料としては、特に限定されるものではないが、代表的には、電極触媒活性を有するニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、鉄(Fe)、銀(Ag)、クロム(Cr)を挙げることができる。
用いる酸化物材料としては、上述したような酸化物材料であれば、特に限定されるものではないが、代表的には、酸化ネオジム(Nd)、酸化サマリウム(Sm)、イットリア(Y)、酸化スカンジウム(Sc)及び酸化ガドリニウム(Gd)などを固溶した安定化ジルコニア、セリア(CeO)含有固溶体、酸化ビスマス固溶体、LaGa固溶体ぺロブスカイト、ランタンコバルト含有酸化物、ランタンマンガン含有酸化物などを挙げることができる。
また、図1を用いて説明すると、例えば同図に示すC部位のように、造孔材に起因する空隙部の界面に存在する電極材料(酸化物材料)3に、図示する如く触媒材料5が担持されているとき、触媒材料5が金属材料である場合は、3相界面が増加するため好ましい。逆の場合であっても、即ち電極材料(酸化物材料)3が電子伝導性又は混合伝導性を有する材料であって、触媒材料5が酸素イオン伝導性又は混合伝導性を有する酸化物材料である場合にも、3相界面が増加するため好ましい。
更に、例えば同図に示すD部位のように、造孔材に起因する空隙部の界面に、図示する如く覆うように触媒材料5が担持されているとき、触媒材料5が金属材料である場合には、触媒材料5がSOFC用多孔質電極の電子伝導パスとなり、電子伝導性が向上するため好ましい。一方、触媒材料5が酸素イオン伝導性を有する材料(混合伝導性材料を含む。)である場合、触媒材料5がSOFC用多孔質電極の酸素イオン伝導パスとなり、酸素イオン伝導性が向上するため好ましい。
次に、本発明のSOFCについて詳細に説明する。
上述の如く、本発明のSOFCは、上記本発明のSOFC用多孔質電極を少なくとも1つ備える。SOFCの種類としては、特に限定されるものではないが、具体的には、電解質支持型や電極支持型SOFCなどを挙げることができる。
次に、本発明のSOFC用多孔質電極の製造方法について詳細に説明する。
上述の如く、本発明のSOFC用多孔質電極の製造方法は、上記本発明のSOFC用多孔質電極を製造する方法であって、触媒材料を担持した造孔材と、電極材料を混合して電極形成混合物を得、次いで、得られた混合物を成型・焼成することによりSOFC用多孔質電極を得る方法である。
本発明の製造方法により、造孔材は、多孔質電極に残存しないよう除去され、造孔材に担持されていた触媒材料は、その造孔材に起因する空隙部に担持され、所望の多孔質電極を得ることができる。
ここで、造孔材は空隙部を形成して熱焼失する材料であれば、特に限定されるものではないが、代表的にはカーボンやポリマービーズなどを挙げることができる。
また、触媒材料の担持方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を適宜用いることが可能であるが、代表的には、スプレーコート、スプレー熱分解、PVD、及び触媒材料を含む水溶液又はスラリーの造孔材への含浸などを挙げることができる。
用いる造孔材としてはカーボンが特に望ましい。カーボンは900℃程度の比較的高温で除去され、例えばポリマー材料などより高温で、収縮変形なく熱焼失するため、電極材料の焼結が起こる温度付近まで存在させることができ、より確実に造孔材(例えばカーボン)に起因する空隙部に触媒材料を担持することが可能となる。
用いる造孔材の平均粒径は3〜10μmであることが好ましい。本発明のSOFC用多孔質電極が、電極支持型SOFCの電極基板となる場合、造孔材の粒径が3μm未満では、多孔質電極のガス拡散性が十分に確保できない可能性があり、更にカーボンの場合は粒径が小さいと凝集してしまい、非常に大きな空隙部が形成される可能性があるため、空隙部のサイズをコントロールすることが難しくなる。
一方、造孔材の粒径が10μmを超えると、部分的に連接した空隙部が大きくなり、その上に薄膜電解質が形成される場合には、薄膜電解質に破損が生じるおそれがある。また、電極基板としての強度が低下するために、電極基板自体が破損するおそれもある。
また、造孔材の含有量は、電極形成混合物の5〜20%であることが好ましい。
ここで、「電極形成混合物」は、電極材料と触媒材料と造孔材から成る混合物であり、造孔材の含有量もこれを基準とする。製造方法によっては、成形を容易にするため、溶媒や可塑剤や分散剤などを加える場合もあるが、基準は変わるものではない。
本発明のSOFC用多孔質電極が、電極支持型SOFCの電極基板となる場合、例えば、造孔材であるカーボンの含有量が5%未満では、多孔質電極のガス拡散性が十分に確保できない可能性があり、カーボンの含有量が20%を超えると、空隙部同士が連接して大きくなり、薄膜電解質に破損が生じる恐れがある。また、電極基板としての強度が低下するために、電極基板自体が破損するおそれもある。
このように、造孔材であるカーボンの平均粒径や含有量、更には混合の程度によってカーボン濃度分布を調整することなどによって、多孔質電極のガス拡散性を保持しつつ、欠陥が少ない薄膜電解質を形成可能、即ち耐久性に優れたSOFCを提供することができる。
次に、本発明の触媒担持用造孔材について詳細に説明する。
上述の如く、上記本発明のSOFC用多孔質電極の製造方法に用いる触媒担持用造孔材であって、触媒材料と熱焼失カーボンを含有して成る。
焼結体などの焼成工程が必要な材料の製造に当たり、造孔を目的として添加される造孔材に触媒材料をあらかじめ担持することによって、ガス拡散流路により確実に触媒を担持することが可能となり、触媒の使用量を少なくすることができるため、コストを低減することができる。特に、Ptなどの高価な触媒を担持する際に有効である。
また、本発明の触媒担持用造孔材は、熱焼失するカーボンを含有するので、貴金属に限られず、酸化物触媒や色素触媒などに対しても、担持特性が良好であり、更に熱焼失工程の制御が容易で、品質の安定した触媒担持部材を形成することができる。
本発明の触媒担持用造孔材において、触媒材料の粒径に対する造孔材の粒径の比(造孔材粒径/触媒材料粒径)は4〜50であることが好ましい。4未満では、触媒材料の活性面積に対し、ガスが拡散する速度が不足したものとなるため、性能が向上する効果が少なく、50を超えると、造孔材が熱焼失する工程で、焼結体母材に触媒を担持させられない比率が増加するので好ましくない。
以下、本発明をいくつかの実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、8YSZは8mol%イットリウム添加安定化ジルコニア、LSCはストロンチウム複合ランタンコバルト酸化物、LSGMはストロンチウムマグネシウム複合ランタンガレート、SSCはストロンチウム複合サマリウムコバルト酸化物、SDCはサマリウム添加セリアを表す。
(実施例1)
カーボン粒子(平均粒径:10μm)に、PtペーストにてPtを担持して、Pt担持カーボン粒子を得た。
燃料極材料粉NiO−8YSZ(NiO:8YSZ=6:4)に、得られたPt担持カーボン粒子を混合して、電極形成混合物を得た(カーボン含有量5%)。
電極形成混合物を用い、ドクターブレード法にて燃料極シートを形成した。得られた燃料極シートを直径39mmの円形に打ち抜き、1100℃で2時間焼成し、直径37mm、厚さ1mmの燃料極板(燃料極層)を得た。
得られた燃料極板を基板とし、基板上全面に印刷法により8YSZ電解質を塗布し、1400℃で5時間焼成して、厚さ10μmの電解質層を形成した。
更に、8YSZ電解質層上の直径20mmの範囲に室温でスパッタリング法にて厚さ1μmのLSC空気極層を形成し、図5に示すような、本例のSOFCを得た。
図2に、得られた燃料極板の微細構造を走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定した写真を示す。同図から、カーボン粒子により20μm以下の空隙部が形成されていることを確認した。ここで、焼成条件等によるが、代表的には、材料固有の空隙部の断面最大径は1μm未満であり、造孔材に起因する空隙部の断面最大径は1〜20μmである。
(実施例2)
カーボン粒子(平均粒径:3μm)を、Ruを分散させたスラリーに混合・撹拌して、Ru担持カーボン粒子を得た。
得られたRu担持カーボン粒子をNiO−8YSZ燃料極材料粉と混合して(カーボン含有量5%)、ペースト状とした。
得られたペーストを直径30mm、厚さ500μmのLSGM電解質基板(電解質層)上の直径20mmの範囲に印刷法により塗布し、1300℃で2時間焼成して、厚さ20μmの燃料極層を形成した。
カーボン粒子(平均粒径:3μm)に、PtペーストにてPtを担持して、Pt担持カーボン粒子を得た。
得られたPt担持カーボン粒子をSSC空気極材料粉と混合して(カーボン含有5%)、ペースト状とした。
得られたペーストを燃料極を形成した側と逆側のLSGM電解質基板(電解質層)上の直径20mmの範囲に印刷法により塗布し、1100℃で2時間焼成して、厚さ20μmの空気極層を形成し、図6に示すような、本例のSOFCを得た。
(実施例3)
カーボン粒子(平均粒径:5μm)をCeO及びSmをCe0.8Sm0.21.9となるように混合した硝酸水溶液に分散させ、SDC担持カーボン粒子を得た。
燃料極材料粉NiO−8YSZ(NiO:8YSZ=6:4)に、得られたSDC担持カーボン粒子を混合して、電極形成混合物を得た(カーボン含有量10%)。
電極形成混合物を用い、ドクターブレード法にて燃料極シートを形成した。得られた燃料極シートを直径39mmの円形に打ち抜き、1100℃で2時間焼成し、直径37mm、厚さ1mmの燃料極板(燃料極層)を得た。
得られた燃料極板を基板とし、基板上全面に印刷法により8YSZ電解質を塗布し、1400℃で5時間焼成して、厚さ10μmの電解質層を得た。
更に、8YSZ電解質層上の直径20mmの範囲に印刷法によりSSCを塗布し、1100℃で2時間焼成して、厚さ20μmの空気極層を形成し、図7に示すような、本例のSOFCを得た。
本発明の触媒担持用造孔材は、主にSOFC用多孔質電極の製造に使用されるが、これに限定されるものではなく、例えば、多孔質アルミナやコーディエライトなどの担体に貴金属が担持された自動車用の排ガス触媒や、セラミックスや耐熱性金属などの担体に改質触媒が担持された燃料改質触媒、多孔質チタニアなどに貴金属や酸化ルテニウムなどの触媒や色素が担持された光触媒や色素増感型太陽電池などの製造に使用することができる。
本発明のSOFC用多孔質電極の一例を示す模式的説明図である。 実施例1のSOFC用多孔質電極のSEM写真である。 従来のSOFC用多孔質電極の一例を示す模式的説明図である。 従来のSOFC用多孔質電極の一例を示す模式的説明図である。 実施例1のSOFCの構成を示す構成図である。 実施例2のSOFCの構成を示す構成図である。 実施例3のSOFCの構成を示す構成図である。
符号の説明
1 電極材料(金属材料)
3 電極材料(酸化物材料)
5 触媒材料
10 多孔質電極
20 固体電解質

Claims (10)

  1. 電極材料に触媒材料を担持して成る固体酸化物型燃料電池用多孔質電極において、
    材料固有の空隙部と造孔材に起因する空隙部を有し、
    上記造孔材に起因する空隙部内に、上記触媒材料を担持していることを特徴とする固体酸化物型燃料電池用多孔質電極。
  2. 上記造孔材に起因する空隙部の断面最大径が1〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池用多孔質電極。
  3. 上記触媒材料が金属材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物型燃料電池用多孔質電極。
  4. 上記触媒材料が酸素イオン伝導性又は混合伝導性を有する酸化物材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物型燃料電池用多孔質電極。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の固体酸化物型燃料電池用多孔質電極を少なくとも1つ備えることを特徴とする固体酸化物型燃料電池。
  6. 請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の固体酸化物型燃料電池用多孔質電極を製造するに当たり、
    触媒材料を担持した造孔材と、電極材料を混合して電極形成混合物を得、次いで、得られた混合物を成形・焼成することを特徴とする固体酸化物型燃料電池用多孔質電極の製造方法。
  7. 上記造孔材の平均粒径が3〜10μmであることを特徴とする請求項6に記載の固体酸化物型燃料電池用多孔質電極の製造方法。
  8. 上記造孔材がカーボンであることを特徴とする請求項6又は7に記載の固体酸化物型燃料電池用多孔質電極の製造方法。
  9. 上記造孔材の含有量が、上記電極形成混合物の5〜20%であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つの項に記載の固体酸化物型燃料電池用多孔質電極の製造方法。
  10. 請求項6〜9のいずれか1つの項に記載の製造方法に用いる触媒担持用造孔材であって、
    触媒材料と熱焼失カーボンを含有して成ることを特徴とする触媒担持用造孔材。
JP2003392737A 2003-11-21 2003-11-21 Sofc用多孔質電極、その製造方法及びsofc並びに触媒担持用造孔材 Pending JP2005158355A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003392737A JP2005158355A (ja) 2003-11-21 2003-11-21 Sofc用多孔質電極、その製造方法及びsofc並びに触媒担持用造孔材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003392737A JP2005158355A (ja) 2003-11-21 2003-11-21 Sofc用多孔質電極、その製造方法及びsofc並びに触媒担持用造孔材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005158355A true JP2005158355A (ja) 2005-06-16

Family

ID=34719339

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003392737A Pending JP2005158355A (ja) 2003-11-21 2003-11-21 Sofc用多孔質電極、その製造方法及びsofc並びに触媒担持用造孔材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005158355A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100724120B1 (ko) 2006-08-18 2007-06-04 한국과학기술연구원 분리장벽을 갖는 단실형 고체산화물 연료전지 및 그제조방법
JP2010027510A (ja) * 2008-07-23 2010-02-04 Toyota Motor Corp 燃料電池およびその製造方法
JP2016152160A (ja) * 2015-02-18 2016-08-22 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 固体酸化物形燃料電池用の電極材料とその利用
JPWO2017221500A1 (ja) * 2016-06-23 2019-01-31 本田技研工業株式会社 金属多孔質体の製造方法及び電極触媒の製造方法
US10573897B2 (en) 2014-09-22 2020-02-25 Kabushiki Kaisha Toshiba Catalyst layer, method for producing the same, membrane electrode assembly and electrochemical cell
WO2024201999A1 (ja) * 2023-03-31 2024-10-03 日本碍子株式会社 電気化学セル

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100724120B1 (ko) 2006-08-18 2007-06-04 한국과학기술연구원 분리장벽을 갖는 단실형 고체산화물 연료전지 및 그제조방법
JP2010027510A (ja) * 2008-07-23 2010-02-04 Toyota Motor Corp 燃料電池およびその製造方法
US10573897B2 (en) 2014-09-22 2020-02-25 Kabushiki Kaisha Toshiba Catalyst layer, method for producing the same, membrane electrode assembly and electrochemical cell
JP2016152160A (ja) * 2015-02-18 2016-08-22 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 固体酸化物形燃料電池用の電極材料とその利用
JPWO2017221500A1 (ja) * 2016-06-23 2019-01-31 本田技研工業株式会社 金属多孔質体の製造方法及び電極触媒の製造方法
CN109417172A (zh) * 2016-06-23 2019-03-01 本田技研工业株式会社 金属多孔质体的制造方法和电极催化剂的制造方法
US10873091B2 (en) 2016-06-23 2020-12-22 Honda Motor Co., Ltd. Method for producing porous metal body and method for producing electrode catalyst
CN109417172B (zh) * 2016-06-23 2021-12-03 本田技研工业株式会社 金属多孔质体的制造方法和电极催化剂的制造方法
WO2024201999A1 (ja) * 2023-03-31 2024-10-03 日本碍子株式会社 電気化学セル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5366804B2 (ja) 高温型燃料電池用アノードのためのセラミック材料の組み合わせ
CN101796676B (zh) 从电化学装置移除杂质相
JP5213589B2 (ja) 金属支持型固体酸化物型燃料電池
JP4962640B1 (ja) 固体酸化物形燃料電池
JP5858430B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池用アノード支持体、アノード支持型ハーフセル及びアノード支持型固体酸化物形燃料電池単セル並びにアノード支持型ハーフセルの製造方法
JP2008519404A (ja) 電気化学的電池構造体および制御粉末法によるその製造方法
US20070117006A1 (en) Direct Fabrication of Copper Cermet for Use in Solid Oxide Fuel Cell
CN109904497A (zh) 一种抗积碳金属支撑固体氧化物燃料电池及其制备方法
JP5361143B2 (ja) 固体酸化物型燃料電池およびその製造方法
US20020098406A1 (en) Redox solid oxide fuel cell
JP7041678B2 (ja) 固体酸化物燃料電池のためのアノード
KR101637917B1 (ko) 수소이온 전도성 고체산화물 연료전지 및 이의 제조방법
JPWO2017013868A1 (ja) 固体酸化物形燃料電池、および電解質層−アノード接合体の製造方法
JP2006351405A (ja) Sofc燃料極およびその製造方法
JP2009245897A (ja) 固体酸化物形燃料電池及びその製造方法
JP6889900B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池用アノード及びその製造方法、並びに固体酸化物形燃料電池
JP6664132B2 (ja) 多孔質構造体とその製造方法、及びそれを用いた電気化学セルとその製造方法
JP2005158355A (ja) Sofc用多孔質電極、その製造方法及びsofc並びに触媒担持用造孔材
EP3054511B1 (en) Method for manufacturing anode support of solid oxide fuel cell, and anode support of solid oxide fuel cell
JP2020136217A (ja) 燃料電池およびその製造方法
JPH06196180A (ja) 固体電解質型燃料電池と製造方法
JP5304385B2 (ja) 単室型固体酸化物形燃料電池
Ruiz‐Morales et al. Cost‐Effective Microstructural Engineering of Solid Oxide Fuel Cell Components for Planar and Tubular Designs
WO2004112173A2 (en) Electrode for fuel cell and solid oxide fuel cell using the same
JP2007504604A (ja) 固体酸化物燃料電池及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081031

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100212