JP2008002123A - 防水シート固定構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下地S上に敷設する防水シート2が、下地S上に横間隔をあけてネジ止めした複数の防水シート固定用板材Dによって固定されている防水シート固定構造において、板材Dと、その板材Dを下地Sに固定する固定ネジ部材1との間に、板材Dに対する固定ネジ部材1の軸芯X周りでのネジ締め方向の回転を許容する一方、緩み方向の回転を阻止する緩み防止手段Rが設けてある。
【選択図】図4
Description
そして、防水シート固定用板材Dは、図10に示すように、薄板を凹凸のある断面形状にプレス成形することで、軽量でありながら強度の高いものに構成されている。また、防水シート固定用板材Dの中央部には、固定ネジ部材1の拡径頭部1aが納まる座繰り部3aが形成してあり、防水シート固定用板材Dを固定ネジ部材1で下地Sに固定した状態では、拡径頭部3aが防水シート固定用板材Dの上面より上方へ突出しないように構成されている。
上述した従来の防水シート固定構造によれば、固定ネジによって防水シート固定用板材が下地に固定されていると共に、その上から防水シートが被さっているから、仮に固定ネジが緩んでも、そのままでは締め直すことができない。従って、固定ネジを締め直す為には、固定ネジ上に被さっている防水シート部分を切断して、拡径頭部を露出させて増締めを行う必要があり、その後、再度、別の防水シートを被して補修を図る必要がある。
即ち、従来技術によれば、防水シート固定用板材の固定が緩んで不完全なものとなる危険性があり、それを防止する為のメンテナンスに手間が掛かりやすい問題点があった。
また、一度固定した固定ネジ部材は、前記緩み防止手段によって緩み方向の回転が阻止されるから緩み防止を図ることが可能となる。尚、固定ネジ部材に対する回転阻止の為の反力は、緩み防止手段を介して、板材によって確保され、その板材そのものは、下地や防水シートとの摩擦力や、又は、防水シートによる接着力によって反力が確保されるから、他にアンカーや固化剤等を使用するまでもなく、確実に固定ネジ部材の緩み防止を図ることが可能となる。
従って、防水シートの確実な固定状態を長期に亘って維持させることが可能となる。
即ち、使用環境やコスト等、目的に合わせて最適な材料を自由に選択することが可能となる。
そして、その係合構造が、固定ネジ部材の外周面に形成した係合用突起に対して係合するように設定されているから、固定ネジ部材の軸芯に最も接近した位置で、回転許容や回転阻止が図られることになり、例えば、固定ネジ部材を締め込む際には、前記係合用突起と、それに対応する介在部材の部分との間に作用する摩擦抵抗による抵抗モーメントを最小に抑えることが可能となり、スムースに固定ネジ部材を締め付け固定操作することが可能となる。
更には、金属製の板材と固定ネジ部材との間に合成樹脂製の介在部材が存在することで、金属に比べて伝熱性が低い合成樹脂の特徴を発揮して、板材と固定ネジ部材間のヒートブリッジ防止効果を期待することが可能となる。
因みに、前記ネジ挿通孔3の周縁部は、前記接着面4より一段下がった座繰り部3aとして形成してあり、金属屋根Sに板材Dを取り付けた状態において、前記緩み防止手段Rや前記固定ネジ部材1の拡径頭部1aが板材Dの高さ寸法内に納まるよう構成してある (図3参照)。そして、座繰り部3aには、前記緩み防止手段Rとの係合部となる係合孔3bが、ネジ挿通孔3を中心にした点対称の位置にそれぞれ形成してある(図4参照)。
また、前記接着面4は、板材Dの該当する表面に予めホットメルト接着層を設けて構成してあり、上から防水シート2を被した状態で、防水シート2の上方から、電磁誘導加熱装置等によって板材Dを加熱することでホットメルト接着層を溶かして接着固定する等の方法によって防水シート2を金属屋根Sに固定できるものである。
また、前記拡径頭部1aと雄ねじ部1cとの間には、前記緩み防止手段Rとの係合部となる係合用突起1bが形成されている。この係合用突起1bは、固定ネジ部材1の外周面における周方向に一定間隔をあけた二箇所に、固定ネジ部材の径方向に突出する状態に形成してあり、後述する緩み防止手段R(図6参照)の係止爪6Abに当接して固定ネジ部材1の緩み方向の回転が阻止されるように構成されている。
また、係合用突起1bと雄ねじ部1cとの間には、周溝1eが形成してあり、後述する緩み防止手段Rの先窄まり部6Acが、この周溝1eに係合することで、緩み防止手段Rから固定ネジ部材1が抜けるのを阻止して、両者の一体性を向上させられるように構成されている。
また、筒部6Aの外周部の上端側には、上端側ほど径方向の外方へ突出する傾斜状態に外れ止め用切り起こし部6Aaが二箇所に形成してある。この切り起こし部6Aaは、径方向に沿って弾性的に揺動変形することができ、前記ネジ挿通孔3内に当該介在部材6を嵌め入れる際に、挿通孔内周部に接当することで縮径方向に弾性変形し、挿通孔内周部を乗り越えた時点で、弾性復元力で元の突出状態に復元し、切り起こし部6Aaの上端部がネジ挿通孔3の縁部の裏面側に位置する(図3参照)。従って、この切り起こし部6Aaによって、板材Dに取り付けた介在部材6の抜け止めを図ることが可能となる。
そして、前記先窄まり部6Acは、前述の通り、固定ネジ部材1の周溝1eに係合することで介在部材6から固定ネジ部材1が抜け難くなり、その結果、介在部材6を介して板材Dと固定ネジ部材1との一体化を図ることが可能となる。
従って、例えば、防水シート2上から断熱ボードS1の部分を人が踏むなどして沈み込んだ際、板材Dと固定ネジ部材1とがネジ軸芯方向に相対的に移動できる構成の場合、固定ネジ部材1の拡径頭部1aのみが突出して防水シート2を突き上げて破ってしまう(所謂『踏み抜け』)危険があるのに対して、板材Dと固定ネジ部材1とが一体化されていることで、踏み抜け荷重を前記板材Dの広い範囲に分散して防水シート2に伝えることができるから、応力集中を防いで、踏み抜けを生じ難くすることが可能となる。
また、筒部内に挿通された前記固定ネジ部材1が緩み方向に回転するような場合には、固定ネジ部材1の係合用突起1bを係止爪6Abの先端部で受け止めて、緩み回転を阻止することができる(図7(ロ)参照)。
当該係止爪6Abによって第二係合部K2が構成されている。
従って、板材Dのネジ挿通孔3に当該介在部材6を嵌め入れることで、前記係合孔3bに係合突起6Baが係合し、その結果、前記板材Dと当該介在部材6との前記軸芯X周りの相対回転が阻止される(図4参照)。
前記係合突起6Baによって第一係合部K1が構成されている。
従って、防水シートの確実な固定状態を長期に亘って維持させることが可能となる。
以下に他の実施の形態を説明する。
〈2〉 前記板材Dは、先の実施形態では、円板形状のものを説明したが、その形状に限るものではなく、例えば、帯板形状のものであったり、矩形板形状のものであってもよく、それらを総称して防水シート固定用板材という。
また、板材Dの上面に防水シート2が接着されている防水シート固定構造に限らず、例えば、図8に示すように、防水シート2の上に前記板材Dを配置して、下地Sに抑え固定してある防水シート固定構造であってもよい。この場合、板材Dの上を覆う状態に別の防水シートで構成されたパッチPを被して防水シート2に水密状態に接着しておくことで、防水シート固定部分の防水性を維持することができる。また、緩み防止手段Rを介しての固定ネジ部材1に対する緩み回転阻止反力の確保は、板材Dと防水シート2との摩擦力で確保することが可能であるが、板材Dの上面にパッチPを接着しておけば、より強力に緩み回転阻止反力を確保することができる。尚、板材Dに、下方の防水シート2に対して当接して摩擦抵抗力を増強する爪やローレット加工部等を形成しておけば、より強力に固定ネジ部材1の緩み回転阻止を図ることが可能となる。
〈3〉 前記介在部材6は、先の実施形態で説明したものに限るものではなく、材質や形状等の変更は、適宜実施することができる。
例えば、前記第一係合部K1に関しては、先の実施形態で説明した係合突起6Baによるものに限らず、例えば、図9に示すように、筒部6Aの外周形状を、角筒形状に構成し、板材Dのネジ挿通孔3を、その角筒形状に嵌合自在な角穴形状に構成することで構成するものであってもよい。
また、第二係合部K2に関しても、先の実施形態で説明した係止爪6Abに限るものではなく、その形状や数の変更も適宜実施することが可能である。
第二係合部K2において、固定ネジ部材1の係合用突起1bが接触する内周面部分は、例えば、円周面に沿うような形状に形成しておけば、固定ネジ部材1を挿入する際、引っ掛かり難く、スムースにネジ締め操作することが可能となる。
一方、同様に、固定ネジ部材1の係合用突起1bの当接面そのものも、先細り形状に形成しておけば、よりスムースに挿入締め付け操作することが可能となる。
1b 係合用突起
2 防水シート
6 介在部材
D 防水シート固定用板材
K1 第一係合部
K2 第二係合部
R 緩み防止手段
S 下地
X 軸芯
Claims (4)
- 下地上に敷設する防水シートが、前記下地上に横間隔をあけてネジ止めした複数の防水シート固定用板材によって固定されている防水シート固定構造であって、
前記板材と、その板材を前記下地に固定する固定ネジ部材との間に、前記板材に対する前記固定ネジ部材の軸芯周りでのネジ締め方向の回転を許容する一方、緩み方向の回転を阻止する緩み防止手段が設けてある防水シート固定構造。 - 前記緩み防止手段は、前記板材と固定ネジ部材との間に介在する介在部材で構成されている請求項1に記載の防水シート固定構造。
- 前記介在部材は、前記板材に対して前記軸芯周りの相対回転を阻止した状態に係合する第一係合部と、前記固定ネジ部材の外周面に形成した係合用突起に対して前記軸芯周りでのネジ締め方向の回転を許容する一方、緩み方向の回転を阻止する状態に係合する第二係合部とを備えて構成してある請求項2に記載の防水シート固定構造。
- 前記介在部材は、非導電性の合成樹脂で構成してあり、前記板材と固定ネジ部材との電気的な絶縁を図っている請求項2〜3に記載の防水シート固定構造。
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