JP2006233551A - 屋根構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 デッキプレート、断熱材および防水シートの振動によりビスに緩みが生じない、シート防水工法が適用されてなる屋根構造を提供する。
【解決手段】 デッキプレート1と、デッキプレート1上に敷設された断熱材2と、断熱材2をデッキプレート1に固定するビス3と、断熱材2を覆う防水シート6とを備えてなる屋根構造Kであって、ビス3の回り止めをなす回り止め部材10を備えてなるものである。例えば、ビス頂部3aとシート6とを接着する接着性を有する部材11により、ビス3の回り止めをなすものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 デッキプレート1と、デッキプレート1上に敷設された断熱材2と、断熱材2をデッキプレート1に固定するビス3と、断熱材2を覆う防水シート6とを備えてなる屋根構造Kであって、ビス3の回り止めをなす回り止め部材10を備えてなるものである。例えば、ビス頂部3aとシート6とを接着する接着性を有する部材11により、ビス3の回り止めをなすものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は屋根構造に関する。さらに詳しくは、シート防水工法が適用されてなる屋根構造に関する。
従来より、建築物などの屋根として、図6に示すように、デッキプレート1の上に敷設された断熱材2を、表面に融着用樹脂5がコーティングされたディスク(以下、単にディスクという)4が装着されたビス3によりビス留めし、その上を防水シート6により覆った後に、ディスク4を高周波加熱などしてディスク4を防水シート6に融着してなる屋根構造(特許文献1)K‘が知られている。
しかるに、近年の地球の温暖化などの影響により、台風が大型化しかつその上陸回数も増加しているところから、デッキプレート1、断熱材2および防水シート6の強風や暴風による振動によりビス3が緩み、あるいは断熱材2の劣化により断熱材2とディスク4との間に隙間が生じてビス3が緩み、その緩みに起因してデッキプレート1に損傷がないにもかかわらず、ディスク4が浮き上がるという問題が生じている。また、緩みが増大してビス抜けが発生し、断熱材2や防水シート6などの屋根材に二次的損傷も発生しているという問題もある。
特開平4−254649号公報
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、デッキプレート、断熱材および防水シートの振動によりビスに緩みが生じない、シート防水工法が適用されてなる屋根構造を提供することを目的としている。
本発明者等はかかる従来技術の課題に対し鋭意研究した結果、ビスに若干の抵抗を付与することにより、ビスの緩みが防止できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の屋根構造は、デッキプレートと、該デッキプレート上に敷設された断熱材と、該断熱材を前記デッキプレートに固定するビスと、前記断熱材を覆うシートとを備えてなる屋根構造であって、前記ビスの回り止めをなす回り止め部材を備えてなることを特徴とする。
本発明の屋根構造においては、回り止め部材が、例えばビス頂部とシートとを接着する接着性を有する部材とされる。その場合、接着性を有する部材が予めビス頂部に備えられてなるのが好ましい。また、接着性を有する部材が熱溶融性を有するのが好ましい。
また、本発明の屋根構造においては、回り止め部材が、ビスに引き抜き力を付与する引抜力付与部材とされてもよい。その場合、引抜力付与部材がゴムパッキンとされて、ビスに装着されるディスクの凹部に嵌装されてなるのが好ましい。
さらに、本発明の屋根構造においては、回り止め部材が、ビスのねじ部を締め付けるねじ部締付体とされてもよい。その場合、ねじ部締付体が弾性体からなる平板状部材とされて、デッキプレートの山部に配設されてなるのが好ましい。
本発明によれば、デッキプレートや断熱材の振動によりビスに緩みが生じないという優れた効果が得られる。その結果、緩みが増大してビス抜けが発生することもなく、また断熱材や防水シートなどの屋根材における二次的損傷が防止されるという優れた効果も得られる。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
実施形態1
図1に、本発明の実施形態1に係るシート防水工法が適用されてなる屋根構造(以下、単に屋根構造という)の要部を断面図で示す。
図1に、本発明の実施形態1に係るシート防水工法が適用されてなる屋根構造(以下、単に屋根構造という)の要部を断面図で示す。
屋根構造Kは、図1に示すように、デッキプレート1と、その上に敷設された断熱材2と、断熱材2をビス留めする表面に融着用樹脂5がコーティングされたディスク(以下、単にディスクという)4が装着されたビス3と、ビス頂部3aに配設された回り止め部材10と、断熱材2を覆う防水シート6とを主要構成要素として備えてなるものである。そして、ディスク4と防水シート6とは、従来と同様にして接着される。
以下、屋根構造Kの従来と異なる点について説明する。
回り止め部材10は、防水シート6に接着あるいは固着してビス3の回り止めをなすものである。回り止め部材10は、具体的には、粘着テープや弾性を有する接着剤例えばシリコーン樹脂などの接着性を有する部材11とされる。
次に、かかる構成とされている屋根構造Kの施工について説明する。
手順1:デッキプレート1上に断熱材2を敷設する。
手順2:断熱材2をビス3によりビス留めする。
手順3:ビス頂部3aに回り止め部材10、例えば両面テープ11を接着あるいは固着して配設する。
手順4:防水シート6を敷設して断熱材2を覆う。
手順5:融着用樹脂5を溶融してディスク4を防水シート6に融着する。
手順6:回り止め部材10を防水シート6の上から押圧して防水シート6に接着あるいは固着させる。これにより、ビス3のデッキプレート1や断熱材2の振動による緩みが防止される。
このように、この実施形態1においては、ビス頂部3aと防水シート6との間に回り止め部材10を介装しているので、予想を超える暴風にデッキプレート1などがあおられて振動しても、その振動によりビス3が緩むことはない。また、ディスク4近傍が踏まれて断熱材2が圧接されてもビス頂部3aと防水シート6とは乖離しないので、回り止め部材10による回り止め効果は維持される。さらに、回り止め部材10は現場施工とされているので、既設の屋根にも容易に適用可能である。この場合、回り止め部材10に粘着テープ11を用いれば、乾燥のための養生期間が不要となり、施工が簡素化されかつ工期が短縮される。
実施形態2
図2に、本発明の実施形態2に係る屋根構造K1の要部を断面図で示す。実施形態2は実施形態1を改変してなるものであって、回り止め部材10を熱溶融材例えばホットメルト(商品名)12としてなるものである。この場合、ディスク4に設けられたビス頭部3bを収納する凹部4aの深さは、ビス頂部3aがディスク4表面と面一となるようにされているのが、作業の円滑を確保する点から好ましい。
図2に、本発明の実施形態2に係る屋根構造K1の要部を断面図で示す。実施形態2は実施形態1を改変してなるものであって、回り止め部材10を熱溶融材例えばホットメルト(商品名)12としてなるものである。この場合、ディスク4に設けられたビス頭部3bを収納する凹部4aの深さは、ビス頂部3aがディスク4表面と面一となるようにされているのが、作業の円滑を確保する点から好ましい。
このように、この実施形態2においては、回り止め部材10を熱溶融材12としているので、ディスク4の防水シート6への融着作業と同時にビス3の回り止めもなし得るので、実施形態1に比して作業能率が向上する。
実施形態3
図3に、本発明の実施形態3に係る屋根構造K2の要部を断面図で示す。実施形態3は実施形態2を改変してなるものであって、回り止め部材10である熱溶融材12、例えばホットメルト(商品名)を予めビス頂部3aに塗布してなるものである。
図3に、本発明の実施形態3に係る屋根構造K2の要部を断面図で示す。実施形態3は実施形態2を改変してなるものであって、回り止め部材10である熱溶融材12、例えばホットメルト(商品名)を予めビス頂部3aに塗布してなるものである。
このように、実施形態3においては、回り止め部材10である熱溶融材12、例えばホットメルト(商品名)を予めビス頂部3aに塗布しているので、ビス頂部3aに熱溶融材12を配設する工程が省略されて実施形態2に比して工期が短縮される。
実施形態4
図4に、本発明の実施形態4に係る屋根構造K3の要部を断面図で示す。実施形態4は実施形態1を改変してなるものであって、回り止め部材10をディスク4に設けられたビス頭部3bを収納する凹部4aに嵌装されるゴムパッキン(引抜力付与部材)13としてなるものである。つまり、ビス3に引き抜き力を付与してビス3の回り止めをなすようにしてなるものである。この場合、ゴムパッキン13を予め凹部4aに嵌装しておくのが、施工性を向上させる観点から好ましい。
図4に、本発明の実施形態4に係る屋根構造K3の要部を断面図で示す。実施形態4は実施形態1を改変してなるものであって、回り止め部材10をディスク4に設けられたビス頭部3bを収納する凹部4aに嵌装されるゴムパッキン(引抜力付与部材)13としてなるものである。つまり、ビス3に引き抜き力を付与してビス3の回り止めをなすようにしてなるものである。この場合、ゴムパッキン13を予め凹部4aに嵌装しておくのが、施工性を向上させる観点から好ましい。
このように、実施形態4においては、回り止め部材10を引抜力付与部材13としてビス頭部3bを収納する凹部4aに嵌装しているので、実施形態1と同様に、ビス3の緩みが防止される。また、引抜力付与部材13を凹部4aに嵌装するだけでよいので、既設の補修工事にも適用が可能である。
実施形態5
図5に、本発明の実施形態5に係る屋根構造K4の要部を断面図で示す。実施形態5は実施形態1を改変してなるものであって、回り止め部材10をゴム(例えばブチルゴム)などの弾性体からなるテープ(平板状部材)(ねじ部締付体)14とし、そのテープ14をデッキプレート1の山部1aに配設してなるものである。つまり、テープ14のビス3が貫通した箇所におけるゴムの弾性復元力によりねじ部3cを締め付けてビス3の回り止めをなすものである。この場合、テープ14はデッキプレート1の全幅に渡って配設されてもよく、またビス3が貫通する近傍に限定して配設されてもよい。ただし、罫書き作業などが不要となる点から、テープ14はデッキプレート1の全幅に渡って配設するのが好ましい。
図5に、本発明の実施形態5に係る屋根構造K4の要部を断面図で示す。実施形態5は実施形態1を改変してなるものであって、回り止め部材10をゴム(例えばブチルゴム)などの弾性体からなるテープ(平板状部材)(ねじ部締付体)14とし、そのテープ14をデッキプレート1の山部1aに配設してなるものである。つまり、テープ14のビス3が貫通した箇所におけるゴムの弾性復元力によりねじ部3cを締め付けてビス3の回り止めをなすものである。この場合、テープ14はデッキプレート1の全幅に渡って配設されてもよく、またビス3が貫通する近傍に限定して配設されてもよい。ただし、罫書き作業などが不要となる点から、テープ14はデッキプレート1の全幅に渡って配設するのが好ましい。
このように、実施形態5においては、回り止め部材10をねじ部締付体14としているので、実施形態1と同様に、ビス3の緩みが防止される。また、ディスク4近傍が踏まれて断熱材2が圧接されても締付力は維持されるので、回り止め部材10による回り止め効果は維持される。
本発明は、シート防水工法が適用された屋根構造に適用できる。
1 デッキプレート
1a 山部
2 断熱材
3 ビス
3a ビス頂部
3b ビス頭部
3c ねじ部
4 ディスク
4a 凹部
5 融着用樹脂
6 防水シート
10 回り止め部材
11 粘着テープ、両面テープ
12 熱溶融材
13 ゴムパッキン、引抜力付与部材
14 テープ、平板状部材、ねじ部締付体
K 屋根構造
1a 山部
2 断熱材
3 ビス
3a ビス頂部
3b ビス頭部
3c ねじ部
4 ディスク
4a 凹部
5 融着用樹脂
6 防水シート
10 回り止め部材
11 粘着テープ、両面テープ
12 熱溶融材
13 ゴムパッキン、引抜力付与部材
14 テープ、平板状部材、ねじ部締付体
K 屋根構造
Claims (8)
- デッキプレートと、該デッキプレート上に敷設された断熱材と、該断熱材を前記デッキプレートに固定するビスと、前記断熱材を覆うシートとを備えてなる屋根構造であって、
前記ビスの回り止めをなす回り止め部材を備えてなることを特徴とする屋根構造。 - 回り止め部材が、ビス頂部とシートとを接着する接着性を有する部材とされてなることを特徴とする請求項1記載の屋根構造。
- 接着性を有する部材が予めビス頂部に備えられてなることを特徴とする請求項2記載の屋根構造。
- 接着性を有する部材が熱溶融性を有することを特徴とする請求項2または3記載の屋根構造。
- 回り止め部材が、ビスに引き抜き力を付与する引抜力付与部材とされてなることを特徴とする請求項1記載の屋根構造。
- 引抜力付与部材がゴムパッキンとされて、ビスに装着されるディスクの凹部に嵌装されてなることを特徴とする請求項5記載の屋根構造。
- 回り止め部材が、ビスのねじ部を締め付けるねじ部締付体とされてなることを特徴とする請求項1記載の屋根構造。
- ねじ部締付体が弾性体からなる平板状部材とされて、デッキプレートの山部に配設されてなることを特徴とする請求項7記載の屋根構造。
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2005
- 2005-02-24 JP JP2005048752A patent/JP2006233551A/ja active Pending
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