JP2008001678A - 複合粉体及びこれを配合した化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 すべりが良く滑らかな感触で、皮膚の毛穴・小じわ等を目立ち難くし、自然で透明感のある仕上がりが得られるうえ、皮膚の反射率に近い反射率を有する粉体を配合する事により白浮きを抑えた化粧料を提供する。
【解決手段】 1から50μm、特に5から20μmの 透明乃至半透明の有機合成球状粉体に対して着色粉体を0.1〜50重量%含有する複合粉体を化粧料に1から95重量%含有する事により、すべりが良く滑らかな感触で、皮膚の毛穴・小じわ等を目立ち難くし、自然で透明感のある仕上がりが得られるうえ、皮膚の反射率に近い反射率を有する粉体を配合する事により白浮きを抑えた化粧料を得る。
【選択図】図1
【解決手段】 1から50μm、特に5から20μmの 透明乃至半透明の有機合成球状粉体に対して着色粉体を0.1〜50重量%含有する複合粉体を化粧料に1から95重量%含有する事により、すべりが良く滑らかな感触で、皮膚の毛穴・小じわ等を目立ち難くし、自然で透明感のある仕上がりが得られるうえ、皮膚の反射率に近い反射率を有する粉体を配合する事により白浮きを抑えた化粧料を得る。
【選択図】図1
Description
本発明は、すべりが良く滑らかな感触で、皮膚の毛穴・小じわ等を目立ち難くし、自然で透明感のある仕上がりが得られるうえ、皮膚の反射率に近い反射率を有する粉体を配合する事により白浮きを抑えた化粧料に関する。
従来、球状粉体は化粧料にすべりの良い滑らかな感触を付加する成分として配合されて来たが、遮蔽効果が弱く化粧崩れの原因にもなるため、色々な処理が試みられている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、球状粉体の光の屈折や再帰反射により、強い光の下や写真撮影の時に特に白浮きが目立ってしまうと言う問題があった。しかし、白色粉体を内包する事により遮蔽力と光の屈折や再帰反射を改善する方法が示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平1−180811 特開平9−169626 特開2004−67624
しかしながら、前述の如く、球状粉体に内包されている粉体が白色粉体である場合は、多量に配合すると化粧料としては白味が勝ってしまうという問題点がある。
本発明は、斯かる実情に鑑み、すべりが良く滑らかな感触で、皮膚の毛穴・小じわ等を目立ち難くし、自然で透明感のある仕上がりが得られるうえ、皮膚の反射率に近い反射率を有する粉体を配合する事により白浮きを抑えた化粧料を提供しようとするものである。
本発明者らは、透明乃至半透明の有機合成球状粉体に皮膚の反射率と類似した反射率を持つ粉体を内包させる事により、すべりが良く滑らかな球状粉体の特長を維持しながら、併せて白浮きを抑えられる事を見出した。
通常、透明乃至半透明の球状粉体は、光が入ると粉体内部で反射をし、入射して来た方向に光を出す再帰反射という現象が起こる。そのため強い光を当てると白浮きという現象が起きる原因となる。このような粉体に不透明な粉体を内包させる事で、粉体内での乱反射を起こす事によって再帰反射を抑える事が可能となる。
透明乃至半透明の有機合成球状粉体は、化粧品に配合されている一般的な粉体の大きさ1から50μmであり、特に5から20μmが化粧料に適している。1μmより小さいと粉体を内包するのが難しく50μmより大きいと感触にざらつきが出てしまう。
更には化粧品で一般的に使用されている透明乃至半透明の有機合成球状粉体であって、その製造工程中に他の粉体を内包する事が可能であれば特に種類は問わない。例えばポリウレタン、ナイロン、ポリメタクリル酸メチルポリマー、ポリエチレン、ポリスチレン、セルロース、シリコーン樹脂粉末等がある。既存の製造方法としては、特許第3100977号等が知られている。
内包する粉体は、球状粉体の合成に支障を来たさない粉体であれば特に限定されない。例えばタルク、マイカ、セリサイト、カオリン、二酸化チタン、酸化亜鉛等の白色粉体、酸化鉄(ベンガラ)、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カーボンブラック、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、群青、紺青、タール系色素等の着色顔料等がある。しかし、白色粉体を内包した場合は、反射した光が白色となり白味の強い化粧料になってしまうため、特に白浮きを抑えるにはこれらの粉体を混合する事により、予め肌色に調整する事が望ましい。なぜなら、肌色に調整した粉体は肌と類似した反射率を持っているからである。
なお、球状粉体に対して内包している粉体が0.1〜50重量%含有されているのが望ましく、球状粉体の特長を維持し更に白浮きを抑えるには特に0.5〜15重量%が望ましい。0.1重量%より少ないと再帰反射を抑える効果が弱く50重量%以上では製造が難しいうえに透明感が失われてしまうからである。
更に、既知のシリカ処理やシリコーン処理やフッ素化合物処理により、光の透過を妨げない範囲であれば表面処理を施す事も出来る。
本発明における「反射率」とは、400から800nmの光りを反射する比率の事である。
本発明における「光の屈折」及び「再帰反射」とは、異なる物質に入射する際に曲がる、光の性質を「光の屈折」と表し、粉体の中で屈折した光が入射方向に反射する事を「再帰反射」という。
更に、本発明における「皮膚の反射率」とは、一般的に健康な人の肌は肌表面の反射光と肌内部に入射した光が散乱され、主にヘモグロビン、メラニン、カロチン、ピルビリン当の色素に吸収された残りの光が再び肌上に戻ってくる拡散反射光からなり、図1のようになる。
また、化粧料において粉体を内包している透明乃至半透明の有機合成球状粉体以外に必要に応じて加えられる粉体は、通常化粧料として用いられるものであれば特に限定されず、例えば、タルク、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、セリサイト、カオリン、二酸化チタン等の体質顔料、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆タルク、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、着色酸化チタン被覆雲母等のパール顔料、アルミニウムパウダー、酸化鉄(ベンガラ)、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カーボンブラック、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、群青、紺青等の無機着色顔料、酸化亜鉛、ベントナイト、硫酸バリウム、金属石鹸、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、シリカ、ナイロンパウダー、ゼオライト、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、セルロースパウダー、シリコーン樹脂粉末等の無機・有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色405号、赤色505号、だいだい色203号、だいだい色204号、だいだい色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色205号、黄色401号、青色1号、青色404号、緑色3号及びジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキ等のタール系色素、フッ素処理粉体、無機粉体被覆顔料等表面処理粉体などである。その他、化粧料において油性成分、保湿剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、消炎剤、ビタミン、ホルモンなどの薬剤、香料、pH調整剤、金属封鎖剤、収斂剤等の通常化粧品に配合される他の成分を配合することは可能である。
また、当然のことながら、精製水および水溶性成分および適切な界面活性剤を配合して液状化粧料としたり、乳化技術を駆使することによって、油中水型あるいは水中油型の乳化組成物とすることも可能である。
上記化粧料によれば、以下のような効果が得られる。
本発明の請求項1〜4記載の化粧料によれば、すべりが良く滑らかな感触で、皮膚の反射率と類似した反射率により適度に光を反射する事により皮膚の毛穴・小じわ等を目立ち難くし、自然で透明感のある仕上がりが得られるうえ、白浮きを抑えられるという優れた効果を奏し得る。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
化粧料の実施例に使用する粉体内包ウレタンAを特許第3100977号の方法により、ポリウレタン96.88重量%に予め均一に混合したシリカ2.0重量%、酸化チタン1.0重量%、黄酸化鉄0.16重量%、ベンガラ0.06重量%、黒酸化鉄0.01%を内包させて、平均粒子径を10〜15μmに調整した粉体を得た。
有用性の評価は、評価品目ごとに専用パネラー10名で評価した。ただし、パネラーが重複する場合もある。
「自然感」:自然な仕上がり、自然なメイクアップ効果及び透明感。「使用感」:のび、塗布のし易さ、べたつきのなさ。「化粧崩れ」:皮脂によるテカリ及び経時変化。「白浮きのなさ」:室内の屋外へ出た時の色調変化及び白浮きのなさ。「しわ消し効果」:しわの目立ちにくさ。以上5項目について「良い」から「悪い」を5から1の5段階で評価を行い、全パネラーの平均点数を持って評価結果とした。したがって、点数が高いほど評価項目に対する有用性が高い事を示す。
(下地クリーム)
実施例2の組成:粉体内包ウレタンA15.0重量%。(油相)ステアリン酸4.5重量%、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン1.5重量%、セタノール1.5重量%、スクワラン7.0重量%、流動パラフィン8.0重量%、大豆リン脂質0.2重量%。(水相)トリエタノールアミン2.2重量%、プロピレングリコール5.0重量%、ソルビット2.0重量%、精製水にて100.0重量%とする。
比較例2の組成:粉体未内包ウレタン15.0重量%。(油相)ステアリン酸4.5重量%、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン1.5重量%、セタノール1.5重量%、スクワラン7.0重量%、流動パラフィン8.0重量%、大豆リン脂質0.2重量%。(水相)トリエタノールアミ2.2重量%、プロピレングリコール5.0重量%、ソルビット2.0重量%、精製水にて100.0重量%とする。
製法:油相成分を混合し加熱溶解し粉体内包ウレタンAを加えて分散した後、75℃に加熱する。水相成分を80℃に混合溶解したものを先に調整した油相に撹拌しながら加え乳化する。これを撹拌しながら冷却して下地クリームを作成した。
実施例2の組成:粉体内包ウレタンA15.0重量%。(油相)ステアリン酸4.5重量%、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン1.5重量%、セタノール1.5重量%、スクワラン7.0重量%、流動パラフィン8.0重量%、大豆リン脂質0.2重量%。(水相)トリエタノールアミン2.2重量%、プロピレングリコール5.0重量%、ソルビット2.0重量%、精製水にて100.0重量%とする。
比較例2の組成:粉体未内包ウレタン15.0重量%。(油相)ステアリン酸4.5重量%、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン1.5重量%、セタノール1.5重量%、スクワラン7.0重量%、流動パラフィン8.0重量%、大豆リン脂質0.2重量%。(水相)トリエタノールアミ2.2重量%、プロピレングリコール5.0重量%、ソルビット2.0重量%、精製水にて100.0重量%とする。
製法:油相成分を混合し加熱溶解し粉体内包ウレタンAを加えて分散した後、75℃に加熱する。水相成分を80℃に混合溶解したものを先に調整した油相に撹拌しながら加え乳化する。これを撹拌しながら冷却して下地クリームを作成した。
(固形ファンデーション)
実施例3の組成:(粉体成分)粉体内包ウレタンA5.0重量%、メチコン処理セリサイトにて100.0重量%にする、メチコン処理マイカ10.0重量%、メチコン処理タルク20.0重量%、メチコン処理酸化チタン10.0重量%、メチコン処理硫酸バリウム10.0重量%、ステアリン酸マグネシウム2.0重量%、ナイロンパウダー10.0重量%、ベンガラ0.2重量%、黄酸化鉄1.0重量%、黒酸化鉄0.02重量%、(油剤)ジメチルポリシロキサン8.0重量%、イソノナン酸イソノニル2.0重量%。
製法:粉体成分を高速混合機にて混合し更に溶解混合した油剤を加えて均一に混合した後、粉砕機にて粉砕したものをふるいに通す。これを金皿に圧縮成型して固形ファンデーションを作成した。
実施例3の組成:(粉体成分)粉体内包ウレタンA5.0重量%、メチコン処理セリサイトにて100.0重量%にする、メチコン処理マイカ10.0重量%、メチコン処理タルク20.0重量%、メチコン処理酸化チタン10.0重量%、メチコン処理硫酸バリウム10.0重量%、ステアリン酸マグネシウム2.0重量%、ナイロンパウダー10.0重量%、ベンガラ0.2重量%、黄酸化鉄1.0重量%、黒酸化鉄0.02重量%、(油剤)ジメチルポリシロキサン8.0重量%、イソノナン酸イソノニル2.0重量%。
製法:粉体成分を高速混合機にて混合し更に溶解混合した油剤を加えて均一に混合した後、粉砕機にて粉砕したものをふるいに通す。これを金皿に圧縮成型して固形ファンデーションを作成した。
以上の結果より、実施例1から3で試作した化粧料は使用感に優れ、しわを目立ち難くし、自然で透明感のある仕上がりが得られるうえ、化粧崩れが少なく白浮きを抑えられる事が実証された。
尚、本発明の化粧料は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の化粧料はすべりが良く滑らかな感触で、皮膚の反射率と類似した反射率により適度に光を反射する事により皮膚の毛穴・小じわ等を目立ち難くし、自然で透明感のある仕上がりが得られるうえ、白浮きを抑えられるという効果により、化粧料の品質向上に著しく貢献する。
Claims (4)
- 1種類乃至2種類以上の粉体を内包している透明乃至半透明の有機合成球状粉体を含有する事を特徴とする化粧料。
- 1種類乃至2種類以上の粉体を内包している透明乃至半透明の有機合成球状粉体を1から95重量%含有する事を特徴とする化粧料。
- 透明乃至半透明の有機合成球状粉体が着色粉体を内包している事を特徴とする請求項1及び2に記載の化粧料。
- 透明乃至半透明の有機合成球状粉体に対して内包している粉体が、0.1〜50重量%の含有量である事を特徴とする請求項1から3に記載の化粧料。
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JP2006194859A JP2008001678A (ja) | 2006-06-20 | 2006-06-20 | 複合粉体及びこれを配合した化粧料 |
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2006
- 2006-06-20 JP JP2006194859A patent/JP2008001678A/ja active Pending
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