JP7354078B2 - 化粧料 - Google Patents

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Description

本開示は、化粧料に関する。
シワ等の肌に生じた欠点に対処できる化粧料に対する需要は高く、有効成分の配合、視覚効果による隠蔽などを謳う種々の化粧料が上市されている。
シワの改善効果が得られる有効成分としては、ニコチン酸アミド、レチノール、及び、メチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸Na(慣用名:ニールワン)といった成分が、日本国厚生労働省より認可され薬用化粧料(医薬部外品)に配合されている。
一方、化粧料においては、種々の効果を得る目的において粉体の配合が行われている。
特許文献1には、疎水化処理粉体を含有させたメーキャップ用組成物が開示される。
特許文献2には、酸化亜鉛粒子又は酸化チタン粒子の表面に、硫酸バリウム、並びに、シリカ及び/又はシリカ水和物からなる被覆層を形成してなる複合粉体を配合した化粧料が開示される。
特許文献3には、基材と基材被覆する微粒子赤酸化鉄を含む被覆粉体を含有させた化粧料が開示される。
特許文献4には、4-tert-ブチル-4’-メトキシベンゾイルメタンと、微粒子酸化チタンの表面にシリカを被覆した複合顔料を含有する化粧料が開示される。
特許文献5には、金属酸化物粒子の表面に非晶性酸化チタンが担持された化粧料用粒子及びこの粒子を用いた化粧料組成物が開示される。
特開2008-291027号公報 特開2013-142103号公報 特開2020-70235号公報 特開平11-27322号公報 特開2017-33221号公報
ニコチン酸アミド等のシワ改善効果を有する有効成分(すなわち、抗シワ剤)を含有する化粧料は、シワの改善効果が得られたか否かの判断ができる迄に、ある程度の連続した使用期間が必要である。
ここで、本開示において「抗シワ剤」とは、皮膚に対して付与し続けることでシワ改善効果を発揮することが、日本国厚生労働省より認可された有効成分を意味する。
その一方で、抗シワ効果を謳う化粧料において、使用開始直後からシワの改善感が得られることは、使用者が化粧料の長期使用を継続するための動機付けとして重要な要素である。このため、抗シワ剤によるシワの根本的な改善効果に加えて、化粧料の使用開始直後からシワの改善感が体感できる化粧料が望まれる。
抗シワ剤を含有しつつも、使用開始直後からシワの改善感を得るための方策として、化粧料に粉体を含有させて、シワ部に適用(例えば、塗布)することでシワが低減したように見せる視覚効果(以下、「シワ隠し効果」ともいう。)を適用する手法を、本発明者らは見出した。この手法によれば、粉体の含有に起因するソフトフォーカス効果によってシワ隠し効果を得ることができる。
一方、化粧料に粉体を含有させるに際しては、化粧料の使用感、性状等を損なわないようにする必要がある。そのためには、粉体の含有量を少なくする、及び/又は、化粧料基材(例えば、油剤)への影響が小さい粉体を用いることが好ましい。化粧料基材への影響が小さい粉体としては、例えば、化粧料基材との屈折率差が小さい粉体の使用が考えられる。しかし、化粧料基材との屈折率差が小さい粉体の使用は、化粧料に多量の粉体を含有させる必要が生じ、化粧料の使用感、性状等への影響が懸念される。このため、粉体の選定に際しては、少ない含有量であっても、効果的なシワ隠し効果が得られる粉体を選定する必要がある。
本開示は、上記の事情に鑑みなされた。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、抗シワ剤を含有し、かつ、シワ隠し効果に優れる化粧料を提供することである。
本開示は、以下の態様を含む。
[1] 抗シワ剤と、化粧料の全質量に対する含有率が10質量%~95質量%である油剤と、油剤の屈折率に対する屈折率差の絶対値が0.1以上1.0以下であり、かつ化粧料の全質量に対する含有率が0.5質量%~10質量%である粉体Xと、を含有する化粧料。
[2] 抗シワ剤が、ニコチン酸アミドである、[1]に記載の化粧料。
[3] 粉体Xが、シリカと酸化チタンとを含む複合粉体である、[1]又は[2]に記載の化粧料。
[4] さらに、油剤の屈折率に対する屈折率差の絶対値が0.1未満であり、かつ吸油量が1mL/100g~150mL/100gである粉体Yを含有する、[1]~[3]のいずれか1つに記載の化粧料。
[5] 粉体Yの含有率が、化粧料の全質量に対して、20質量%~50質量%である、[4]に記載の化粧料。
[6] 抗シワ剤の含有率が、化粧料の全質量に対して、0.1質量%~10質量%である、[1]~[5]のいずれか1つに記載の化粧料。
[7] 油剤が、シリコーン油、シリコーンワックス、シリコーンゲル、炭化水素油、エステル油、高級脂肪酸、ロウ、高級アルコール、及び、天然動植物油剤からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の化粧料。
本開示の一実施形態によれば、抗シワ剤を含有し、かつ、シワ隠し効果に優れる化粧料が提供される。
図1は、粉体Xとシワ隠し効果との関係を示すグラフである。 図2(A)は、実施例3(しわスコア:21)、図2(B)は、実施例5(しわスコア:49)、図2(C)は、比較例1(しわスコア:71)、図2(D)は、しわスコア:100の状態を、それぞれ撮影した写真である。 図3は、ヨレ面積を説明するための写真である。 図4は、参考例の結果を示すグラフである。
以下、本開示の化粧料の実施形態の一例について説明する。但し、本開示の化粧料は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示が目的とする範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示では、段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、化粧料中の各成分の量は、各成分に該当する物質が化粧料中に複数存在する場合には、特に断らない限り、化粧料中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、粉体X及び粉体Yにおける「X」及び「Y」は、粉体を区別するためにのみ使用される符号である。
[化粧料]
本開示の化粧料は、抗シワ剤と、化粧料の全質量に対する含有率が10質量%~95質量%である油剤と、油剤の屈折率に対する屈折率差の絶対値が0.1以上1.0以下であり、かつ化粧料の全質量に対する含有率が0.5質量%~10質量%である粉体Xと、を含有する。
本開示の化粧料は、抗シワ剤を含有することから、シワを根本的に改善する効果が期待でき、かつ、シワ隠し効果に優れる。本開示の化粧料が、このような効果を奏し得る理由については、明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
本開示の化粧料は、抗シワ剤を含有することから、長期間連用することより抗シワ剤の作用よるシワの根本的な改善効果が期待できる。さらに、本開示の化粧料は、油剤を10質量%~95質量%の含有率で含有し、かつ、油剤の屈折率に対する屈折率差の絶対値が0.1以上1.0以下である粉体Xを0.5質量%~10質量%の含有率で含有することにより、適度な光散乱効果(すなわち、ソフトフォーカス効果)が発揮され、シワ隠し効果に優れると推測される。
本開示の化粧料が発揮するシワ隠し効果は、化粧料の使用開始直後から体感できる効果である。このため、本開示の化粧料を使用することにより、抗シワ剤の含有よるシワの根本的な改善効果の期待感と相俟って、化粧料の使用開始直後からシワの改善感が即時に体感できるものと推測される。なお、上記の推測は、本開示の化粧料を限定的に解釈するものではなく、一例として説明するものである。
一方、特許文献1~5に記載の技術を含む従来の化粧料は、抗シワ剤の含有とシワ隠し効果との両立に着目するものではない。
以下、本開示の化粧料が含有する各成分について、詳細に説明する。
〔(A)抗シワ剤〕
本開示の化粧料は、抗シワ剤を含む。
本開示の化粧料は、抗シワ剤を、1種単独で含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
抗シワ剤としては、特に制限はなく、化粧料に含有させることが可能な抗シワ剤から適宜選択することができる。抗シワ剤としては、例えば、ニコチン酸アミド、レチノール、及び、三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸Naが挙げられる。
本開示の化粧料が含有する抗シワ剤としては、シワ改善効果及び化粧料に含有させた際の安定性が高いという観点から、ニコチン酸アミドが好ましい。
ニコチン酸アミドは、ニコチン酸のアミド化合物であり、水溶性ビタミンであるビタミンB群の一つとして知られる物質である。ニコチン酸アミドは、米ぬかなどの天然物から抽出した抽出物であってもよいし、公知の製法によって合成した合成品であってもよい。ニコチン酸アミドとしては、上市された市販品を入手して用いてもよい。具体的には、第17改正日本薬局方に収載されているニコチン酸アミドを用いることができる。
本開示の化粧料における抗シワ剤の含有率は、特に限定されない。
抗シワ剤の含有率は、例えば、化粧料の全質量に対して、0.1質量%~10質量%が好ましく、1質量%~10質量%がより好ましく、2質量%~8質量%がさらに好ましく、4質量%~6質量%が最も好ましい
抗シワ剤の含有率が、化粧料の全質量に対して0.1質量%以上であると、抗シワ剤によるシワの改善効果がより期待できる。抗シワ剤の含有率が、化粧料の全質量に対して10質量%以下であると、抗シワ剤を化粧料中に安定に含有させ易い傾向がある。
〔(B)油剤〕
本開示の化粧料は、油剤を含む。
油剤としては、化粧料の分野で一般に油剤として使用される成分を用いることができる。
油剤は、液体であってもよいし、半固体であってもよいし、固体であってもよいし、これらの混合物であってもよい。
本開示の化粧料は、油剤を、1種単独で含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
油剤は、化粧料に適用可能な油剤であれば、特に限定されない。
油剤としては、シワ隠し効果の観点から、シリコーン油、シリコーンワックス、シリコーンゲル、炭化水素油、エステル油、高級脂肪酸、ロウ、高級アルコール、及び、天然動植物油剤からなる群より選択される少なくとも1種であることが好まく、シリコーン油、シリコーンワックス、シリコーンゲル、炭化水素油、エステル油、及びロウからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
油剤は、化粧料に、粘度、硬度等を付与する観点から選択することもできる。
油剤としては、市販品を用いてもよい。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン等の環状ポリシロキサン、カプリリルメチコンなどが挙げられる。
シリコーンワックスとしては、(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸ベヘニル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマーなどが挙げられる。
シリコーンゲルとは、主鎖骨格をなすシリコーン鎖同士がポリエーテル鎖、ポリグリセリン鎖、シリコーン鎖等で架橋しているシリコーン架橋物を指す。架橋に用いた鎖の構造により、ポリエーテル変性シリコーンゲル、ポリグリセリン変性シリコーンゲル、ポリエーテル・アルキル共変性シリコーンゲル、及びポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンゲルといった種類がある。本開示の化粧料は、これらのシリコーンゲルを油剤として制限なく用いることができる。
シリコーンゲルとして、具体的には、(ジメチコン/(PEG-10/15)クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、(ポリグリセリル-3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー、等が挙げられる。
炭化水素油としては、流動パラフィン、イソパラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー、水添ポリイソブテン、スクワラン、等が挙げられる。
エステル油としては、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、エチルヘキサン酸セチル、ホホバ油、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、トリイソステアリン、ステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリエチルヘキサノイン、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、パルミチン酸イソプロピル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール、イソノナン酸イソトリデシル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル-10、ポリソルベート60、等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベへニン酸、等が挙げられる。
ロウとしては、ミツロウ、モクロウ、ゲイロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、モンタンロウ、等が挙げられる。
高級アルコールとしては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ベヘニルアルコール、等が挙げられる。
天然動植物油剤としては、ホホバ種子油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、小麦胚芽油、サフラワー油、シアバター、タートル油、椿油、パーシック油、ヒマシ油、ブドウ油、マカデミアナッツ油、ヤシ油、ローズヒップ油、ダイズ油、卵黄油、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、硬化カカオ油、硬化タートル油、硬化ミンク油、牛油、ミンク油、ラノリン(所謂、羊毛脂)、等が挙げられる。
本開示の化粧料における油剤の含有率は、化粧料の全質量に対して、10質量%~95質量%である。油剤の含有率は、目的とする化粧料の形態に応じて、適宜決定することができる。油剤の含有率が10質量%~95質量%であることは、本開示の化粧料の含有成分の1つとして、油剤が含有されることを意味する。
例えば、本開示の化粧料を油性化粧料としてする場合であれば、油剤の含有率は、化粧料の全質量に対して、20質量%~95質量%が好ましく、20質量%~90質量%がより好ましく、30質量%~85質量%がさらに好ましい。
〔(C)粉体X〕
本開示の化粧料は、油剤の屈折率に対する屈折率差の絶対値が0.1以上1.0以下である粉体Xを含有する。
粉体Xは、油剤の屈折率に対する屈折率差の絶対値が、0.1以上1.0以下であり、0.3以上1.0以下がより好ましく、0.9以上1.0以下がさらに好ましい。
上記屈折率差の絶対値が0.1以上であると、シワ隠し効果を得るために多量の粉体の含有を必要とせず、化粧料組成を設計するに際しての自由度が高まる傾向となる。一方、上記屈折率差の絶対値が1.0以下であると、肌に適用(例えば、塗布)したときに適度の光が散乱し、肌の外観が白くなることが抑制され、良好なシワ隠し効果が得られる傾向となる。
本開示において、粉体X及び油剤の屈折率は、JIS K 7142:2014に記載のB法(ベッケ法)に従って、測定される値である。
粉体Xの油剤の屈折率に対する屈折率差の絶対値は、粉体X及び油剤の屈折率をそれぞれ測定し、油剤の屈折率から粉体Xの屈折率を減じて得た値の絶対値として算出する。
化粧料中に、粉体Xが複数種含有される場合には、粉体Xを構成する複数種の粉体の含有質量比率及び屈折率を測定し、得られた屈折率を含有質量比率に基づいて加重平均することにより算出した値を、粉体Xの屈折率とする。
化粧料中に、油剤が複数種含有される場合についても、粉体Xと同様にして屈折率を算出する。
粉体Xは、無機粉体であってもよいし、金属酸化物粉体であってもよいし、金属酸化物と無機の複合粉体であってもよく、金属酸化物と無機の複合粉体が好ましい。
粉体Xの形態は、特に限定されない。
光を効率的に反射してシワ隠し効果をより良好に発揮する観点からは、粉体Xは、球状粉体又は板状粉体であることが好ましく、球状粉体であることがより好ましい。
球状粉体には、真球状の粉体のみならず、略球状の粉体が含まれる。
球状粉体は、表面に凹凸を有していてもよい。
粉体Xの形態が球状であると、肌表面の凹部であるシワを良好に埋めることができる。特定粉体がシワに良好に埋まると、光の散乱によるシワ隠し効果がより良好に奏されると考えられる。
粉体Xに包含される粉体としては、例えば、
無機粉体(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、水酸化アルミニウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、中空シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー等)、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);
金属酸化物粉体(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);架橋型炭化水素系ポリマー(ナイロン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン等の架橋物);
金属酸化物と無機の複合粉体(シリカと酸化亜鉛、シリカと二酸化チタン、シリカと酸化鉄、シリカと水酸化アルミニウム、PMMAと酸化亜鉛、PMMAと二酸化チタン、PMMAと酸化鉄、PMMAと水酸化アルミニウム、マイカと酸化亜鉛、マイカと二酸化チタン、マイカと酸化鉄、マイカと水酸化アルミニウム、タルクと酸化亜鉛、タルクと二酸化チタン、タルクと酸化鉄、タルクと水酸化アルミニウム)等が挙げられる。
粉体Xに包含される粉体は、単一の成分からなる粉体であってもよいし、2種以上の成分からなる粉体であってもよい。金属酸化物と無機の複合粉体としては、例えば、粉末に金属酸化物等を被覆させて得られた複合粉体、及び、粉末表面を化合物等で処理した改質粉体が挙げられる。
本開示の化粧料は、粉体Xを、1種単独で含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
粉体Xは、シリカ又はマイカと、酸化チタン、酸化亜鉛、等の金属酸化物と、を含む複合粒子であることが好ましく、シリカと酸化チタンとを含む複合粉体であることがより好ましい。
粉体Xとしては、市販品を用いることができる。
市販品の例としては、BA-1及びBA-4(日揮触媒化成株式会社、中空シリカ粒子)、HCS Refle 30、HCS Refle 50、及びHCS Refle 90(日揮触媒化成株式会社、シリカと酸化チタンの複合粒子)、MZS-5104(鈴木油脂工業株式会社、マイカと酸化亜鉛の複合粒子)、プルセア OPZ-50(鈴木油脂工業株式会社、PMMAと酸化亜鉛の複合粒子)、プルセア SIZ-30(鈴木油脂工業株式会社、シリカと酸化亜鉛の複合粒子)、COVERLEAF MF(B)(日揮触媒化成株式会社、マイカ、酸化チタン、酸化鉄の複合粒子)、等が挙げられる。
粉体Xとして用いうる市販品は、これらに限定されない。
粉体Xの粒子径としては、特に限定されない。
粉体Xの粒子径は、例えば、1μm~20μmが好ましく、3μm~15μmがより好ましく、3μm~10μmが更に好ましい。
粉体Xの粒子径が、上記の範囲であると、化粧料を肌に塗り広げる際のきしみ感が抑制され、滑り性が向上する傾向となる。
本開示において、粉体の粒子径は、体積平均粒子径(Mv)をいい、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定される値である。
レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置としては、例えば、(株)堀場製作所のPartica LA-960(製品名)を好適に用いることができる。但し、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置は、これに限定されない。
粉体Xの含有率は、化粧料の使用感の観点から、化粧料の全質量に対して、0.5質量%~10質量%であり、0.5質量%~5質量%がより好ましく、1質量%~5質量%が更に好ましい。
粉体Xの含有率が、0.5質量%以上であることで、適度な光散乱効果を発揮し、シワ隠し効果に寄与しうる。粉体Xの含有率が10質量%以下であることで、化粧料の使用感への影響が抑制される傾向となる。
〔(D)粉体Y〕
本開示の化粧料は、油剤の屈折率に対する屈折率差の絶対値が1.0未満であり、かつ吸油量が1mL/100g~150mL/100gである粉体Yを含有することが好ましい。本開示の化粧料が、粉体Yを含有することで、シワ隠し効果と化粧ヨレの抑制との両立を図ることが容易となる。
ここで、本開示において「化粧ヨレ」とは、塗布されたファンデーション等のベースメイク化粧料が、肌上の所望とする塗布位置に留まらない状態となり、ムラ、カスレ等が生じることを意味する。
抗シワ剤を含有する化粧料は、通常、スキンケア化粧料として構成される。この場合、メイクアップを行うには、スキンケア化粧料を塗布した後の肌にファンデーション等のベースメイク化粧料を付与することになる。しかし、油剤等を含有するスキンケア化粧料を塗布した後の肌にベースメイク化粧料を付与すると、状況によっては、化粧ヨレが生じることも想定される。したがって、抗シワ剤及び油剤を含有する化粧料には、シワ隠し効果及び化粧ヨレの抑制の両立を図る観点も重要であるところ、本開示の化粧料は、吸油量が1mL/100g~150mL/100gである粉体Yを含有することで、シワ隠し効果及び化粧ヨレの抑制の両方に対処できるという副次的な予想外の効果をも奏する。
粉体Yの吸油量は、シワ隠し効果と化粧ヨレの抑制とを両立する観点から、1mL/100g~150mL/100gであり、1mL/100g~130mL/100gがより好ましく、30mL/100g~130mL/100gが更に好ましい。
また、粉体Yの吸油量が上記範囲であることは、化粧料中における摩擦が軽減され、化粧料を塗り広げる際の滑り性が向上することから、本開示の化粧料の塗布後にメイクアップを施した際において、塗布ムラの抑制がより向上する。
吸油量の測定は、JIS K 5101-13-1:2004に準じて行う。
粉体Yは、油剤の屈折率に対する屈折率差の絶対値が1.0を超える粉体である。粉体Yの屈折率は、粉体Xの屈折率と同様に測定することができる。
粉体Yとしては、油剤の屈折率に対する屈折率差の絶対値が1.0未満であり、かつ吸油量が1mL/100g~150mL/100gである粉体から選択すればよい。
粉体Yは、無機粒子であっても、有機粒子であってもよい。
粉体Yとしては、シリカ、及び、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA樹脂)が好ましく、シリカがより好ましい。
粉体Yとしては、市販品を用いることができる。
特定粉体の市販品の例としては、E-2C、D-11C、D-25C、E-90C、G-6C(鈴木油脂工業株式会社、シリカ)等が挙げられる。
粉体Yの粒子径としては、特に限定されない。
粉体Yの粒子径は、例えば、1μm~20μmが好ましく、3μm~15μmがより好ましく、3μm~10μmが更に好ましい。
粉体Yの粒子径が、上記の範囲であると、化粧料を肌に塗り広げる際のきしみ感が抑制され、滑り性が向上する傾向となる。
粉体Yの粒子径は既述の方法により測定することができる。
本開示の化粧料は、粉体Yを、1種単独で含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
粉体Yの含有率は、化粧料の全質量に対して、20質量%~50質量%であることが好ましく、30質量%~50質量%であることがより好ましい。
粉体Yの含有率が上記範囲であることで、粉体の沈殿が抑制されて、良好な分散性が得られ、かつ、化粧料の使用感も良好に保たれる傾向となる。
[その他の成分]
本開示の化粧料は、本開示の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、他の成分を含有していてもよい。
他の成分としては、紫外線吸収剤、水性媒体(水、低級アルコール、多価アルコール等、及び、ニコチン酸アミドを溶解可能な溶媒)、防腐剤(フェノキシエタノール、メチルパラベン等)、カロテノイド(アスタキサンチン等)、増粘剤、乳化剤、pH調整剤、エモリエント剤、保湿剤、酸化防止剤(トコフェロール類等)、美白剤、着色剤、香料などが挙げられる。
なお、本開示の化粧料が水性媒体を含有する場合、水性媒体の含有量は、化粧料の全質量に対して、1質量%~50質量%が好ましく、1質量%~20質量%がより好ましい。
水性媒体の含有量が上記範囲にあることで、水溶性の有効成分(例えば、ニコチン酸アミド)を効率的に皮膚中に浸透させることができる。
[化粧料の用途]
本開示の化粧料は、化粧品、医薬部外品(所謂、薬用化粧品)等として、好適に用いることができる。
[化粧料の使用態様]
本開示の化粧料の使用態様は、特に限定されない。
本開示の化粧料の使用態様としては、例えば、シワ隠し効果をより有効に発揮し得る点で、ベースメイク前に使用する態様が好ましい。
[化粧料の剤型]
本開示の化粧料の剤型は、特に限定されない。
本開示の化粧料は、油性化粧料であっても、乳化化粧料であってもよい。
[化粧料の形態]
本開示の化粧料の形態は、特に限定されない。
本開示の化粧料の形態としては、例えば、練り状、クリーム状、スティック状等の形態が挙げられる。
[化粧料の製造方法]
本開示の化粧料の製造方法は、特に限定されず、公知の製造方法を適用することができる。
本開示の油性化粧料は、例えば、以下の方法により製造することができる。
油剤及び他の油相成分を含有する油相組成物を調製し、得られた油相組成物と粉体Xとを混合する。別途、抗シワ剤(ニコチン酸アミド、等)及び他の水相成分を含有する水相組成物を調製する。特定量の粉体Xを混合した油相組成物と、水相組成物とを混合して、乳化化粧料を製造する。
油相組成物と水相組成物とを混合する際の乳化方法としては、特に制限はなく、常法に従って行うことができる。
また、本開示の化粧料は、抗シワ剤(ニコチン酸アミド等)と、油剤と、特定量の粉体Xと、必要に応じて、既述のその他の成分と、を混合することを含む方法により、製造することができる。
化粧料に含まれる各成分は、単に混合すればよく、全ての成分を一度に混合してもよいし、各成分をいくつかに分けて混合してもよい。
混合手段としては、特に限定されず、公知の混合手段を適用することができる。
混合手段としては、例えば、乳鉢及び乳棒、撹拌機、混練機等の公知の混合手段が挙げられる。
各成分を混合する際の温度及び時間は、各成分を十分に混合することができれば、特に限定されず、例えば、混合手段、各成分の種類等に応じて、適宜設定することができる。
以下、本開示の化粧料を実施例により更に具体的に説明する。但し、本開示の化粧料は、その主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1~5、比較例1]
下記の表1に示す処方に従い、油相成分の欄に示す各成分を、80℃で加熱しながら1時間溶解して、油相組成物を得た。
下記の表1に示す処方に従い、水相成分の欄に示す各成分を、80℃で加熱しながら1時間溶解して、水相組成物を得た。
上記で得られた油相組成物中に、80℃に保ったまま、粉体X及びアスタッツ液を混合し、ホモジナイザーを用いて攪拌した(1400rpm:revolutions per minutes、以下同じ)。
次いで、水相組成物を添加してホモジナイザーで攪拌し(5000rpm)、乳化物を得た。
得られた乳化物に、pH調整剤(AMP水溶液)を添加してpH調整を行った。pH調整後の乳化物を約40℃まで冷却し、40℃に保ったまま、更にホモジナイザー用いて攪拌し(5000rpm)、最終乳化物(化粧料)を調製した。
[評価]
(評価A:シワ隠し効果)
得られた化粧料を、バイオスキン目尻シワ模型(シワレベル4、ビューラックス社)に、80mg塗布して塗り広げ、顔画像診断装置(Visia、Canfield Scientific社)を用いて「しわスコア」を測定し、しわ隠し効果を下記基準により評価した。結果を表1に示す。下記の評価基準において、シワ隠し効果が最も優れるものは、「A」である。
-評価基準-
A:しわスコアが0以上40未満である。
B:しわスコアが40以上60未満である。
C:しわスコアが60以上100以下である。
図2に、(A)実施例3(しわスコア:21、評価ランクA)、(B)実施例5(しわスコア:49、評価ランクB)、(C)比較例1(しわスコア:71、評価ランクC)、(D)しわスコア:100の状態を、それぞれ撮影した写真を示す。

表1に記載の各成分の組成の単位は、質量%である。
表1中、組成の欄に記載の「-」は、該当する成分を含まないことを意味する。
表1では、便宜上、抗シワ剤、油剤、及び、粉体Xに該当する成分を、それぞれ(A)、(B)、及び(C)に分類して表記した。
表1に記載の各成分の詳細は、以下のとおりである。
<(A):抗シワ剤>
・ニコチン酸アミド
<(B):油剤>
・水添ポリイソブテン
・ステアリン酸
・ステアリン酸ソルビタン
・ジメチコン
・スクワラン
・ベヘニルアルコール
・ミツロウ
・ポリソルベート60
・ステアリン酸グリセリル
・ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)
・ホボバ種子油
上記油剤の屈折率(加重平均値)は、1.40である。
<(C):粉体X>
・HCS-Refle 90〔商品名、屈折率差:0.98、粒子径:5μm、シリカ/酸化チタン複合粒子、球状、無孔質、日揮触媒化成株式会社〕
・HCS-Refle 30〔商品名、屈折率差:0.36、粒子径:5μm、シリカ/酸化チタン複合粒子、無孔質、日揮触媒化成株式会社〕
・BA-4〔商品名、屈折率差:0.12、粒子径:5μm、シリカ粒子、球状、中空、無孔質、日揮触媒化成株式会社〕
<その他>
・トコフェロール
・アスタッツS〔商品名、アスタキサンチン含有液、富士フイルム株式会社〕
・ステアリン酸スクロース
・グリセリン
・ペンチレングリコール
・カルボマー
・(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー
・AMP〔アミノメチルプロパノール〕
表1に示されるように、実施例の化粧料は、いずれもシワ隠し効果に優れていた。
一方、粉体Xを含まない比較例1の化粧料は、シワ隠し効果が劣っていた。
[実施例6~12]
表2に記載の成分のうち、粉体を除く成分を、80℃にて加熱攪拌により混合した後、粉体X(酸化チタン/シリカ複合粒子)及び吸油量の異なる粉体(粉体Y及び他の粉体)をそれぞれ乳鉢を用いて混合し、混合製剤(化粧料)を得た。
37℃に加温したホットプレート上で、加温したバイオスキン(白)(ビューラックス社)上の4cm×5cm角内に、得られた混合製剤を80mg塗布して1分間乾燥した。乾燥後、混合製剤の塗布面に対し、パフを用いてパウダーファンデーション(商品名:ライティングパーフェクション ロングパーフェクトUV、富士フイルム株式会社)60mgを、決まった一方向に5回こすりながら塗布して、評価用試料を得た。
[評価]
(評価B1:シワ隠し効果)
得られた評価用試料について、シワ隠し効果を評価した。
評価方法及び評価基準の詳細は、(評価A:シワ隠し効果)における評価試験、評価基準等と同様であるため、ここでは説明を省略する。
(評価B2:化粧ヨレ)
得られた評価用試料において、混合製剤の塗布部(4cm×5cm角)からファンデーションがヨレ出した面積を、ImageJによる画像処理にて計測し、ヨレ面積を下記の評価基準により評価した。本評価では、ヨレ面積を化粧ヨレの程度として定義する。
ここで、図3に示す写真を参照に、ヨレ面積を説明する。
図3中、実線で示した方形部分が混合製剤の塗布部(4cm×5cm角)であり、矢印が示す方向が、ファンデーションの塗布方向である。塗布部の下端と破線で囲まれた部分がファンデーションがヨレ出した部分であり、この部分の面積がヨレ面積として定義される。
なお、図3に示す写真は、ヨレ面積の説明のためにのみに用いるものである。
-評価基準-
AA:ヨレ面積が2cm未満である。
A:ヨレ面積が2cm以上4cm未満である。
B:ヨレ面積が4cm以上である。

表2に記載の各成分の組成の単位は、質量%である。
表2中、組成の欄に記載の「-」は、該当する成分を含まないことを意味する。
表2では、便宜上、抗シワ剤、油剤、粉体X、及び粉体Yに該当する成分を、それぞれ(A)、(B)、(C)及び(D)に分類して表記した。
表2に記載の各成分の詳細は、以下のとおりである。
<(A):抗シワ剤>
・ニコチン酸アミド
<(B):油剤>
・ジメチコン
・(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー
・トリエチルヘキサノイン
上記油剤の屈折率(加重平均値)は、1.41である。
<(C):粉体X>
・酸化チタン/シリカ複合粒子(屈折率差:0.97、粒子径:5μm、商品名:HCS-Refle 90、日揮触媒化成株式会社)
<(D):粉体Y>
・シリカ粒子(吸油量:120mL/100g、屈折率差:0.05、粒子径:3.0~4.5μm、商品名:D-11C、鈴木油脂工業株式会社)
・シリカ粒子(吸油量:30mL/100g、屈折率差:0.05、粒子径:3.2~5.0μm、商品名:G-6C、鈴木油脂工業株式会社)
<その他>
・シリカ粒子(吸油量:400mL/100g、屈折率差:0.05、粒子径:4.0~6.0μm、商品名:SF-16C、鈴木油脂工業株式会社)
・イソステアリン酸ポリグリセリル-2
・BG〔ブチレングリコール〕
表2に示されるように、実施例6~12の化粧料は、いずれもシワ隠し効果に優れていた。また、粉体Yの含有により、化粧ヨレの抑制効果が向上することが分かった。
[粉体Xとシワ隠し効果との関係]
実施例1の化粧料の組成において、粉体Xの種類及び含有率を変更した以外は、実施例1と同様にして化粧料を調製し、粉体Xの種類及び含有率とシワ隠し効果との関係を評価した。評価用に調製した化粧料における粉体Xの種類及び含有率の詳細は、下記(1)、(2)及び(3)の各群に示すとおりである。
(1)群: HCS-Refle 90に代えて、粉体XとしてBA-4(日揮触媒化成株式会社、シリカ粒子)を用い、粉体Xの含有率を1質量%、3質量%、5質量%、及び、10質量%に変更した4種類の化粧料を、それぞれ調製した。
(2)群:HCS-Refle 90に代えて、粉体XとしてHCS Refle 30を用い、粉体Xの含有率を1質量%、3質量%、及び、5質量%に変更した3種類の化粧料を、それぞれ調製した。
(3)群: HCS Refle 90の含有率を、0.5質量%、0.75質量%(実施例1)、1質量%、1.5質量%、及び、3質量%に変更した5種類の化粧料を、それぞれ調製した。
得られた各化粧料について、「評価A:シワ隠し効果」と同様にして、シワ隠し効果の評価を行い、しわスコアを得た。得られたしわスコアを縦軸とし、粉体Xの含有率を横軸としたグラフを、図1に示す。
図1中、上記(1)群の化粧料群は三角(▲)、上記(2)群の化粧料群は四角(■)、及び上記(3)群の化粧料群は菱形(◆)を用いてプロットした。
上記(1)、(2)及び(3)の各群において用いた粉体Xの油剤に対する屈折率差の絶対値は、それぞれ、0.12、0.36、及び0.98であった。
図1中に、上記の屈折率差の値を併記する。
図1から、しわスコアは、屈折率差が1.0に近い粉体ほど、低い濃度でしわスコアが良化することが分かる。これは、屈折率差が大きいことで、光散乱性が増大するためと考えられる。
[粉体及び油剤の屈折率差とシワ隠し効果との関係:参考例]
シリコーンゲル(商品名:KSG-16、信越化学工業株式会社):トリエチルヘキサノイン(商品名:ノムコートTIO、日清オイリオ株式会社)=60:14からなる油剤及び、下記表3に示す各種の粉体を用いて、組成物の全質量に対する粉体の含有率が5質量%となるように、油剤と粉体とを乳鉢を用いて混合し、油剤及び粉体からなる組成物(評価用試料)を調製した。
油剤の屈折率(加重平均値)は、1.40である。
油剤の屈折率から粉体の屈折率を減じて得た値の絶対値(屈折率差の絶対値)を表3に示す。
得られた各評価用試料について、「評価A:シワ隠し効果」と同様にして、シワ隠し効果の評価を行い、「しわスコア」を得た。
得られた「しわスコア」の結果を、表3に併記する。また、図4に、得られた「しわスコア」を縦軸とし、粉体の種類を横軸に示したグラフを示す。
図4に示すグラフの右端に両矢印で示したA、B又はCの領域は、評価Aの評価基準のランクに対応する。

表3に記載の各粉体の入手先は以下のとおりである。
・HOLLOWY-N15〔商品名、日揮触媒化成株式会社〕
・B-6C〔商品名、鈴木油脂工業株式会社〕
・SATINIER M5〔商品名、日揮触媒化成株式会社〕
・BA-4〔商品名、日揮触媒化成株式会社〕
・BA-1〔商品名、日揮触媒化成株式会社〕
・HCS-Refle 30〔商品名、日揮触媒化成株式会社〕
・HCS-Refle 50〔商品名、日揮触媒化成株式会社〕
・HCS-Refle 90〔商品名、日揮触媒化成株式会社〕
・MZS-5104(商品名、鈴木油脂工業株式会社)、
・COVERLEAF MF(B)〔商品名、日揮触媒化成株式会社〕
表3及び図4に示す結果より、油剤及び油剤の屈折率に対する屈折率差の絶対値が0.1以上1.0以下である粉体を用いた組成物は、油剤の屈折率に対する屈折率差の絶対値が0.1未満の粉体を同じ含有率で用いた組成物との対比において、シワ隠し効果に優れることが確認された。
以上の実施例及び参考例より、抗シワ剤をシワの根本的な改善のため含有し、かつ、油剤及び粉体Xを所定の範囲にて含有する本開示の化粧料は、抗シワ剤によるシワの根本的な改善効果が期待でき、かつ、使用開始直後からシワの改善感が体感できる化粧料であることが分かる。

Claims (6)

  1. 抗シワ剤と、
    化粧料の全質量に対する含有率が10質量%~95質量%である油剤と、
    前記油剤の屈折率に対する屈折率差の絶対値が0.1以上1.0以下であり、かつ化粧料の全質量に対する含有率が0.5質量%~10質量%である粉体Xと、
    を含有する化粧料であって、
    前記粉体Xが、シリカと酸化チタンとを含む複合粉体である、
    化粧料
  2. 前記抗シワ剤が、ニコチン酸アミドである、請求項1に記載の化粧料。
  3. さらに、前記油剤の屈折率に対する屈折率差の絶対値が0.1未満であり、かつ吸油量が1mL/100g~150mL/100gである粉体Yを含有する、請求項1又は請求項に記載の化粧料。
  4. 前記粉体Yの含有率が、化粧料の全質量に対して、20質量%~50質量%である、請求項に記載の化粧料。
  5. 前記抗シワ剤の含有率が、化粧料の全質量に対して、0.1質量%~10質量%である、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の化粧料。
  6. 前記油剤が、シリコーン油、シリコーンワックス、シリコーンゲル、炭化水素油、エステル油、高級脂肪酸、ロウ、高級アルコール、及び、天然動植物油剤からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の化粧料。
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