JP2008000167A - パチンコ遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】長時間大当たりに当選しない、いわゆる「ハマリ状態」に陥っても遊技者が長時間遊技を楽しむことができるようにする。
【解決手段】パチンコ機1は、大当たりと、当選確率が大当たりより高くかつ当選したとき大当たりとは異なった特別遊技状態に設定される小当たりとに当選可能な抽選を実行する抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果を図柄の変動を伴って表示する第2図柄表示部9と、前記抽選手段による抽選結果を監視して大当たりに継続して当選しない非当選期間を検出する検出手段と、前記抽選手段による抽選によって前記小当たりに当選したとき前記検出手段により検出された非当選期間の長さが設定値以上であることを条件として遊技上の特典を遊技者へ付与する遊技制御手段とを備えている。
【選択図】図5

Description

この発明は、パチンコ機のような所定の条件のもとで抽選を実行した後、その抽選結果に応じて遊技者に有利な特別遊技状態を設定するパチンコ遊技機に関する。
従来のパチンコ機は、遊技盤の盤面に始動口が設けられており、この始動口にパチンコ球が入ると、機械内部で乱数発生による抽選が実行される。この抽選結果は、複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示器によって遊技者に報知されるようになっており、可変表示器を駆動させて3つの図柄表示位置に図柄を変動表示した後、抽選結果が「大当たり」である場合は、例えば、数字「7」の図柄を3個並んだ状態で停止表示させる。この「大当たり」の成立によって盤面に設けられた大入賞口が開放される特別遊技状態が設定され、口が大きく開いた大入賞口に多数個のパチンコ球が連続して入ることにより、多量のパチンコ球の払出しが行われる。
ところで前記抽選は、乱数をランダムな状態で出現させて行うので、短時間で頻繁に「大当たり」が発生することもあれば、長時間遊技しても「大当たり」が全く発生しない状態(一般に、「ハマリ状態」と呼ばれる。)に陥ることもある。このようなハマリ状態に陥ると、遊技者は多数のパチンコ球を消費するとともに、遊技が単調になるので、遊技に対する遊技者の期待感が損なわれ、遊技を続行する意欲が失われることになる。特に、初心者の場合は、利益が得られないと早い段階で遊技を終了してしまう傾向もある。
そこで、ハマリ状態に陥った遊技者を救済することができる遊技機として、「大当たり」発生後、次の「大当たり」が発生するまでの間に図柄の変動回数が所定回数以上である場合には、「大当たり」発生時に開放される大入賞口をより多くの賞球が得られる大入賞口に変更し、遊技者にとって価値の高い特別遊技状態を設定するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−230713号公報
上記した構成のパチンコ機は、ハマリ状態時に発生した「大当たり」に付加価値を付与することにより、遊技者を救済し、遊技の興趣を向上させるものである。しかし、一般的なパチンコ機では、「大当たり」の発生確率はかなり低く設定されているため、遊技者が救済を期待して「大当たり」が発生するまで遊技を続行することにより、さらにハマリ状態が長引く危険性がある。また、付加価値が付与された特別遊技状態が得られたとしても、1回の特別遊技状態で獲得できるパチンコ球には限りがあるため、遊技者にとって救済が期待はずれにおわり、遊技の続行意欲を失わせる可能性もある。
この発明は上記した問題に着目してなされたもので、仮にハマリ状態に陥っても、「大当たり」が発生しないことに伴うパチンコ球の減少を抑えるとともに、飽きを感じさせない趣向を凝らした遊技を提供することにより、遊技者が長時間にわたって遊技を楽しむことができるパチンコ機を提供することを目的とする。
この発明によるパチンコ遊技機は、パチンコ球が盤面上の始動口に入ることを条件として抽選が実行され、その抽選で大当たりに当選したとき入賞球が得られ易い特別遊技状態に設定される。さらに、この発明では、前記大当たりと、当選確率が大当たりより高くかつ当選したとき大当たりとは異なった特別遊技状態に設定される小当たりとに当選可能な抽選を実行する抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果を図柄の変動を伴って表示する図柄表示部と、前記抽選手段による抽選結果を監視して大当たりに継続して当選しない非当選期間を検出する検出手段と、前記抽選手段による抽選によって前記小当たりに当選したとき前記検出手段により検出された非当選期間の長さが設定値以上であることを条件として遊技上の特典を遊技者へ付与する遊技制御手段とを備えている。
ここで、「非当選期間」とは、「大当たり」の当選後、次に「大当たり」に当選するまでの継続して「大当たり」に当選することのない期間をいう。
この発明の上記した構成において、「抽選手段」、「検出手段」、および「遊技制御手段」は、プログラムされたコンピュータによって実現されるが、専用のハードウェア回路によっても実現することが可能である。
「特別遊技状態」とは、例えば、盤面に設けられた大入賞口を開放することにより実現される状態であり、「大当たり」に当選すると、大入賞口が開放される状態を長時間に設定し、「小当たり」に当選すると、大入賞口が開放される状態を短時間に設定する。
遊技上の「特典」としては、前記図柄表示部における図柄の変動時間を短縮することで単位時間当たりの抽選回数を増加させることや前記始動口にパチンコ球を入りやすくすることで単位時間当たりの抽選回数を増加させること、あるいは、その両方を組み合わせることが考えられるが、これに限らず、遊技者にとって有利なものであれば、例えば、「大当たり」に当選する確率を通常よりも高確率に変更することであってもよく、また、「小当たり」に当選したとき、大入賞口が開放される状態を通常より長くすることであってもよい。
上記した構成のパチンコ遊技機によれば、「大当たり」と、「大当たり」より当選確率の高い「小当たり」とを設定することにより、「大当たり」に当選することがなくても、「小当たり」に比較的頻繁に当選するので、「大当たり」に当選するまでの間に、遊技者は適度にパチンコ球の払い出しを受けることができ、遊技者の投資リスクが減少し、遊技者は遊技を続行しやすくなる。
また、所定の間「大当たり」に当選することのない状態(いわゆるハマリ状態)が継続している場合には、当選確率の高い「小当たり」の当選時に遊技者にとって有利な遊技上の特典が付与されるので、ハマリ状態に陥っている遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この発明の好ましい一実施態様においては、前記検出手段は、大当たりに当選したときに設定される特別遊技状態が終了した後の前記図柄表示部での図柄の変動回数を計数することにより前記非当選期間を検出するものである。
この実施態様は、遊技者がいわゆるハマリ状態に陥っているかどうかを、大当たりに当選したときに設定される特別遊技状態が終了した後の図柄表示部における図柄の変動回数を基準に判別するものであり、前記変動回数が判定基準値(例えば1000回)に達したとき、遊技者がハマリ状態に陥っていると判別する。
なお、前記変動回数は、大当たりに当選したことをもって、リセットされることが望ましい。
この発明の好ましい一実施態様においては、前記遊技制御手段は、複数個の遊技上の特典のうち、抽選で選ばれた遊技上の特典を遊技者に付与するものである。
この実施態様によれば、遊技者に付与される遊技上の特典が抽選により選ばれるので、遊技が画一的にならず、変化をもたせることができ、遊技者の遊技に対する興趣をさらに高めることができる。
この発明によれば、当たりとして、「大当たり」と、「大当たり」より当選確率の高い「小当たり」とが設定されているので、遊技者は、「大当たり」に当選することがなくても、「小当たり」に頻繁に当選することができる。これにより、「大当たり」に当選するまでの間に、遊技者は適度にパチンコ球の払い出しを受けることができるので、パチンコ球の著しい減少を防止して遊技を続行することができ、比較的大きな投資を必要としないで「大当たり」に当選することが可能となる。
また、いわゆるハマリ状態に陥っている遊技者に対して、遊技者に有利な遊技上の特典が付与されるので、ハマリ状態に陥っている遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図1は、この発明の一実施例であるパチンコ機1の構成を示している。
図示例のパチンコ機1には、機体の前面に、円形の遊技領域を有する遊技盤2が設けられている。遊技盤2上は透明のガラス板で覆われており、遊技盤2の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ちこまれている。遊技盤2の下方には、上皿3、下皿4、およびパチンコ球の発射ハンドル5が設けられている。また、上皿3の両側にはスピーカー7,7が配置されている。
前記上皿3は、遊技に先立ち、複数個のパチンコ玉を投入するためのもので、上皿3の内部はパチンコ球の取込口(図示せず)と賞球の放出口6とに連通している。前記下皿4の内部は賞球の放出口6に連通しており、上皿3が満杯になると、下皿4の放出口6から賞球が放出される。発射ハンドル5は、図示しない打撃部を駆動させて前記取込口から取り込まれたパチンコ玉を遊技盤2上へ打ち出すためのものである。
前記遊技盤2の盤面には、図2に示すように、中央位置に液晶より成る画像表示部10が、その上方位置に第1図柄表示部8および第2図柄表示部9が、それぞれ配置されている。画像表示部10の下方には始動口11が、その下方には上下2段構成の第1大入賞口12および第2大入賞口13が、それぞれ設けられている。また、中央下部位置にはアウト球を取り込むためのアウト口14が設けられている。さらに、遊技盤2の盤面の適所には、普通入賞口16(図示例では4つ)が設けられている。
前記第1図柄表示部8には、複数種類の図柄(例えば、「赤色」および「緑色」)が変動表示される。画像表示部10の左側部には、遊技盤2の盤面に沿って落下するパチンコ球が通過可能なゲート15が設けられている。ゲート15をパチンコ球が通過したとき、第1図柄表示部8の図柄が変動を開始して、所定の時間が経過した後に停止する。
この結果、第1図柄表示部8に赤色が表示されたときには、始動口11に設けられている開閉部材11a,11bが開かれ、始動口11が開放状態となる。これにより始動口11にパチンコ球が入りやすくなる。始動口11を開放状態とした後、所定時間が経過したときには、開閉部材11a,11bが閉じられる。開閉部材11a,11bが閉じると、パチンコ球が1個入ることができる程度の間隔になる。
前記第1図柄表示部8の左側には、LEDから成る4つの第1保留表示部80a〜80dが設けられている。第1図柄表示部8の図柄変動表示中にパチンコ球がゲート15を通過した場合には、そのパチンコ球の通過に対する第1図柄表示部8の図柄変動表示が保留される。この第1保留表示部80a〜80dは、第1図柄表示部8の図柄変動表示が保留となっている回数を表示するためのものであり、その上限数は4個に設定されている。保留された第1図柄表示部8の図柄変動表示は、実行中の第1図柄表示部8の図柄変動表示が終了した後に順次実行される。
前記第2図柄表示部9および画像表示部10は、2種類の当たりに関わる抽選の結果を遊技者に報知するためのものである。第2図柄表示部9は、当たりに当選したことを「1」〜「9」の数字および「A」〜「F」の文字によって、また、当たりに当選しなかったこと(はずれ)を「−」の記号によって、それぞれ表示する。この実施例では、当たりとして「大当たり」と「小当たり」の2種類の当たりが設定されている。
前記画像表示部10は、当選の有無および当選した当たりの種別に対応した演出画像を表示する。画像表示部10は、横方向に並べて配置された3つの図柄表示領域10a,10b,10cを有し、各図柄表示領域10a,10b,10cにそれぞれ複数種類の図柄(例えば、数字、文字、記号など)を変動表示させた後、いずれかの図柄を停止させて表示する。これにより、3つの図柄の組み合わせが表示される。
前記始動口11にパチンコ球が入ると、予め定められた個数の賞球(例えば3個)が上皿3に払い出されるとともに、機械内部で上記した2種類の当たりに当選可能な抽選が実施される。この抽選は、発生させた乱数をサンプリングし、その値が所定の範囲にあるかどうかで当たりの当選の有無および当選した当たりの種別を決定するものである。なお、この種の抽選は公知であり、ここでは詳細な説明は省略する。
前記抽選が行われると、第2図柄表示部9には、「1」〜「9」の数字と「A」〜「F」の文字と「−」の記号とが変動状態で次々に表示される。そして、抽選の結果、「大当たり」に当選したときは「0」〜「9」のいずれかの数字が、「小当たり」に当選したときは「A」〜「F」のいずれかの文字が、「はずれ」のときは「−」の記号が、所定時間の経過後にそれぞれ停止状態で1つ表示される。
画像表示部10には、前記第2図柄表示部9の図柄変動表示と連動して複数種類の図柄が各図柄表示領域10a,10b,10cに一斉に変動状態で表示される。前記抽選により「大当たり」に当選すると、所定時間の経過後に、予め定める順序に従って同じ数字の図柄(例えば「7」「7」「7」)が各図柄表示領域10a,10b,10cに停止状態で表示される。
また、前記抽選により「小当たり」に当選すると、画像表示部10には、前記変動状態の表示が行われた後、同じ英文字の図柄(例えば「A」「A」「A」)が各図柄表示領域10a,10b,10cに停止状態で表示される。
一方、前記抽選の結果が「はずれ」の場合は、画像表示部10には上記した当たり図柄とは異なる図柄の組み合わせが停止状態で表示される。したがって、遊技者は、画像表示部10の3つの図柄表示領域10a,10b,10cに停止表示された図柄の組み合わせを見れば、抽選結果が「当たり」であるか「はずれ」であるかを認識できる。
前記第2図柄表示部9の左側には、LEDから成る4つの第2保留表示部90a〜90dが設けられている。後述する大当たり状態中や前記第2図柄表示部9の図柄変動表示中に始動口11にパチンコ球が入った場合には、その入球に対する抽選および第2図柄表示部9の図柄変動表示は保留される。この第2保留表示部90a〜90dは、この保留数を表示するためのものであり、その上限数は4回に設定されている。
前記第1大入賞口12および第2大入賞口13は、左右に長く、始動口11の下方に上下に並んで配置されている。この第1大入賞口12および第2大入賞口13には、開閉板120,130がそれぞれ設けられており、ソレノイドを用いた第1大入賞口駆動部38(図3に示す)および第2大入賞口駆動部39(図3に示す)により開閉動作する。各開閉板120,130は、通常時は遊技盤2の盤面に沿った状態で各大入賞口12,13をそれぞれ塞ぎ、各大入賞口12,13にパチンコ球が入るのを阻止しているが、手前側に倒れることにより、各大入賞口12,13が開放され、落下してくる複数個のパチンコ球が同時に入球可能となる。
第1大入賞口12および第2大入賞口13へパチンコ球が入ると、予め定められた個数の賞球が払い出される。この実施例では第1大入賞口12および第2大入賞口13ともに、1個の入賞球につき15個の賞球が払い出される。詳細は後述するが、第2大入賞口13は「小当たり」の当選時であって、所定の条件を満たすときに開放される。
第2大入賞口13の内部には、一般入賞口13a,13aと特別入賞口13b(Vゾーン)とに区分けされている。この特別入賞口13b(Vゾーン)にパチンコ球が入ると、ハマリ状態に陥っている遊技者を救済するために、遊技者にとって有利な遊技上の特典が付与される。この実施例では、遊技上の特典として時短ゲームを100回実行することができる。時短ゲームとは、第2図柄表示部9における図柄の変動表示時間が通常よりも短く設定されるとともに、始動口11の開閉部材11a,11bの開かれる時間が長く設定されるゲームである。
この時短ゲームによれば、始動口11に通常時より多くのパチンコ球が入るので、入球に対する賞球の払出しによりパチンコ球の著しい減少を抑制することができる。さらに、入球により抽選が多数保留されている状態下であっても、抽選を頻繁に実行することができるので、抽選の機会を増やすことができ、「大当たり」に当選する確率が高まる。
なお、この実施例では、遊技上の特典として時短ゲームが100回実行できることとしているが、これに限らず、例えば、次に「大当たり」となるまでの間、前記抽選の結果が「大当たり」となる確率が通常よりも高確率に変更されるようにしてもよい。また、第2大入賞口13への入球に対して払い出される賞球の数を増加したり、第2大入賞口13の開放時間を長くして、より多くの賞球を獲得できるようにしてもよい。
「大当たり」が成立すると、入賞球が得られ易い特別遊技状態(以下、「大当たり状態」という。)に設定される。大当たり状態では、第1大入賞口12が開放され、第1大入賞口12に所定個数(例えば10個)のパチンコ球が入るか、または所定個数のパチンコ球が入る前に所定時間(例えば30秒)が経過したとき、第1大入賞口12が閉じ、このサイクルを1ラウンドとして、第1大入賞口12の開放動作が15ラウンド連続して実行される。この大当たり状態では、第1大入賞口12にパチンコ球が次々に入って多量の賞球が得られる。
「小当たり」が成立すると、大当たり状態とは異なった特別遊技状態(以下、「小当たり状態」という。)に設定される。小当たり状態では、第1大入賞口12あるいは第2大入賞口13が一時的(例えば0.5秒)に開放される状態に設定され、たとえ「大当たり」が成立しなくても、遊技者が利益を享受できるように、「小当たり」の当選確率が高く設定されている。遊技者は「小当たり」を比較的頻繁に成立させることにより、「大当たり」が成立するまでの間に、適度にパチンコ球の払い出しを受けることができる。
「小当たり」に当選してそれが成立したとき、遊技者が長時間遊技をしても全く「大当たり」が成立しない、いわゆるハマリ状態に陥っているかどうかによって第1大入賞口12と第2大入賞口13とが選択されて開放される。遊技者がハマリ状態に陥っていないと判別された場合には、第1大入賞口12が一時的に開放される。遊技者がハマリ状態に陥っていると判別された場合には、第2大入賞口13が一時的に開放される。第2大入賞口13内の特別入賞口13b(Vゾーン)にパチンコ球が入ると、その後、時短ゲームが100回実行される。これにより、遊技者がハマリ状態に陥っていても、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
前記始動口11の左右両側には普通入賞口16が2つずつ配置されている。これらの普通入賞口16にパチンコ球が入ると、予め定められた数の賞球(例えば10球)が上皿3へ払い出される。始動口11、第1大入賞口12、第2大入賞口13、および普通入賞口16のいずれにも入らなかったパチンコ球(アウト球)は、遊技盤2の下部のアウト口14に回収される。
図3は、上記したパチンコ機1の電気的な構成を示している。
このパチンコ機1の制御部は、ゲームの進行を統括制御するための主制御部30と、表示や音声等の出力を担当する副制御部40,50とで構成されている。主制御部30と副制御部40,50とは中継基板35を介して接続される。
前記主制御部30は、マイクロコンピュータにより構成され、CPU31、ROM32、RAM33などを含んでいる。前記ROM32には、プログラムのほか、当たりに関わる抽選のための抽選テーブルなどが格納されている。RAM33は、前記抽選で当たりに当選したときの当選フラグ(当選状態を記憶するためのもの)など、ゲームを進行させるのに必要なデータの読み書きに用いられる。
前記主制御部30は、図示しない乱数発生器を含み、CPU31は始動口11にパチンコ球が入ると、乱数発生器が発生した乱数をサンプリングし、このサンプリングされた乱数を前記抽選テーブルと照合し、当たりの当否を決定する。
図2に示した始動口11、第1大入賞口12、およびゲート15、さらには、各普通入賞口16には、入球やパチンコ球の通過を検知するための始動口センサS1、第1大入賞口センサS2、ゲートセンサS5、普通入賞口センサS6〜S9がそれぞれ設けられている。また、第2大入賞口13には、第2大入賞口13内の一般入賞口13a,13aに入ったパチンコ球を検知するための一般入賞口センサS3と、第2大入賞口13内の特別入賞口13bに入ったパチンコ球を検知するための特別入賞口センサS4とが設けられている。
これらのセンサは入出力ポート34を介して主制御部30に接続され、主制御部30には、各センサS1,S2,S3およびS4,S5,S6〜S9からの出力信号が入力されるようになっている。
さらに、主制御部30には、ドライバ回路36を介して前記第1図柄表示部8、第2図柄表示部9、第1保留表示部80a〜80dおよび第2保留表示部90a〜90dが接続されるとともに、始動口11の開閉部材11a,11b、第1大入賞口12や第2大入賞口13の開閉板120,130をそれぞれ作動させるための始動口駆動部37、第1大入賞口駆動部38、第2大入賞口駆動部39が接続されている。
前記RAM33には、前記第2図柄表示部9の図柄の変動回数Nを更新しつつ記憶するための図柄変動回数記憶部330が備えられている。CPU31は、第2図柄表示部9において図柄を変動表示させたとき、前記変動回数Nに「1」を加算して変動回数Nを更新する。また、CPU31は、前記抽選により「大当たり」に当選したとき、前記変動回数Nを「0」にリセットする。なお、前記抽選結果が「小当たり」および「はずれ」の場合には、CPU31は、前記変動回数Nのリセットを行わない。
また、前記RAM33には、抽選のためにサンプリングされた乱数を記憶するための乱数記憶部331が備えられている。乱数記憶部331は、図4に示すように、作動領域332および第1〜第4の保留用乱数記憶領域333〜336を含み、作動領域332には、抽選処理のために乱数が一時記憶される。第1〜第4保留用乱数記憶領域333〜336には、抽選を保留する場合に、始動口11への入球時にサンプリングした乱数が一旦記憶される。
第2図柄表示部9の図柄変動表示中や大当たり状態中でないときに、第1〜第4保留乱数記憶領域333〜336に乱数が記憶されていない状態で始動口11にパチンコ球が入ると、サンプリングされた乱数は作動領域332に一時記憶されるとともに、その乱数を用いて抽選のための照合処理が行われる。
一方、第2図柄表示部9の図柄変動表示中や大当たり状態中に始動口11にパチンコ球が入った場合には、その入球時にサンプリングされた乱数は第1〜第4保留乱数記憶領域333〜336に順次記憶される。第2図柄表示部9の図柄変動表示や大当たり状態が終了すると、第1保留用乱数記憶領域333に記憶された乱数が作業領域332に読み出されて抽選テーブルとの照合が行われるとともに、第2保留用乱数記憶領域334以降に記憶された乱数がそれぞれひとつ手前の乱数記憶領域に移される。なお、前記抽選の保留数が上限(4回)の状態で始動口11にパチンコ球が入った場合には、その始動口11への入球に対する乱数の記憶は行われない。
前記副制御部40,50は、マイクロコンピュータにより構成され、CPU41,51、ROM42,52、およびRAM43,53をそれぞれ含んでいる。一方の副制御部40にはドライバ回路44を介して画像表示部10が、他方の副制御部50にはドライバ回路45を介してスピーカー8や各種の演出ランプ17が、それぞれ接続されている。
前記副制御部40のROM42には、画像表示部10に変動状態で次々に表示させたり、停止状態で表示させたりするのに必要な画像データなどが記憶されている。
前記副制御部40のCPU41は、ROM42に記憶された画像データによって画像表示部10に画像を変動状態で次々に表示させた後、主制御部30のCPU31より当たりに関する抽選の結果に応じたコマンドを受信したとき、当たりの当選の有無および当選した当たりの種類に対応した演出画像を画像表示部10に停止状態で表示する。
なお、図3には示していないが、前記ドライバ回路36には、上記のほかに、パチンコ球の発射モータや、賞球の払出機構なども接続される。
図5は、上記した構成のパチンコ機1について、主制御部30のCPU31による制御の流れを示している。なお、図中、「ST」は「STEP」(ステップ)の略である。
同図のST1では、CPU31は、始動口センサS1の出力信号の有無を検知することにより、始動口11にパチンコ球が入ったかどうかを判定している。その判定が「YES」であればST2へ進み、CPU31は第2図柄表示部9について図柄変動のタイミングであるか否かを判定する。図柄変動表示が保留されていない場合は始動口11への入球のとき、図柄変動表示が保留されている場合は直前の図柄変動表示が終了したときまたは大当たり状態が終了したとき、ST2の判定は「YES」であり、ST3へ進む。もし、図柄を変動させるタイミングでなければ、ST2の判定が「NO」であり、図柄変動のタイミングになるまで待機する。
次のST3において、CPU31は前記RAM33の作動領域332に記憶されている乱数を抽選テーブルと照合することにより抽選結果の判定を行う。さらにCPU31は第2図柄表示部9に「0」〜「9」の数字と「A」〜「F」の文字と「−」の記号とを変動状態で次々に表示させるとともに、画像表示部10の3つの図柄表示領域10a,10b,10cについても図柄を変動表示させる(ST4)。次に、CPU31は、前記RAM33の図柄変動回数記憶部330に記憶されている図柄の変動回数Nを1加算する(ST5)。
前記抽選の結果が「大当たり」である場合には、ST6の判定が「YES」であり、CPU31は第2図柄表示部9に「0」〜「9」のいずれかの数字を停止状態で表示させるとともに、画像表示部10の各図柄表示領域10a,10b,10cに大当たりに関わる図柄を停止状態で3個表示させる(ST7)。その後、CPU31は大当たり状態、すなわち、第1大入賞口12が15ラウンド分だけ開放する状態に設定する(ST8)。大当たり状態の終了後、CPU31は図柄の変動回数Nを0にリセットし(ST9)、始動口11への入球に対する処理を終了する。
前記抽選の結果が「大当たり」ではなく、「小当たり」である場合には、ST6の判定が「NO」、ST10の判定が「YES」であり、CPU31は第2図柄表示部9に「A」〜「F」のいずれかの文字を停止状態で表示させるとともに、画像表示部10の各画像表示領域10a,10b,10cに小当たりに関わる図柄を停止状態で3個表示させる(ST11)。
つぎに、CPU31は図柄の変動回数Nが1000以上であるかどうかを判定する(ST12)。もし、変動回数Nが1000以上である場合には、ST12の判定は「YES」であり、CPU31は遊技者がハマリ状態に陥っていると判断し、第2大入賞口13を一時的に開放させる小当たり状態に設定する(ST13)。
ST13において、第2大入賞口13が開放されている間に、第2大入賞口13の特別入賞口13bにパチンコ球が入ると、ST14の判定は「YES」であり、CPU31は、小当たり状態の終了後、第1大入賞口12を2回開閉動作させてこの後時短ゲームに突入することを遊技者に報知し(ST15)、時短ゲームの状態に設定し(ST16)、時短ゲームを100回実行させる。この時短ゲームにより、遊技者がハマリ状態に陥ってもパチンコ球の著しい減少を抑制することができるとともに、抽選の機会の増加により「大当たり」に当選する確率が高められるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、時短ゲーム中に、「大当たり」に当選することなく再度「小当たり」に当選したとき、ST6の判定が「NO」、ST10の判定が「YES」となり、小当たり状態中に第2大入賞口13の特別入賞口13bにパチンコ球が入った場合には、ST14の判定が「YES」となり、時短ゲームの回数が100回に再設定される。
このように、「大当たり」に当選することなく第2大入賞口13の特別入賞口13bに再度パチンコ球が入ると、さらに時短ゲームが100回継続するので、時短ゲームが数珠繋ぎに実行され、「大当たり」に当選する機会が増加する。
ST12において、もし、変動回数Nが1000未満である場合には、その判定は「NO」であり、CPU31は遊技者がハマリ状態に陥っていないと判断し、第1大入賞口12を一時的に開放させる小当たり状態に設定する(ST17)。小当たり状態の終了後、始動口11への入球に対する処理を終了する。
一方、前記抽選の結果が「はずれ」である場合には、ST6の判定が「NO」、ST10の判定が「NO」であり、CPU31は第2図柄表示部9に「−」の記号を停止状態で表示させるとともに、画像表示部10の各画像表示領域10a,10b,10cにはずれの図柄の組み合わせを停止状態で表示させ(ST18)、始動口11への入球に対する処理を終了する。
上記した実施例では、遊技者がハマリ状態に陥っている場合に、第2大入賞口13内の特別入賞口13b(Vゾーン)にパチンコ球が入ったとき、ある特定の遊技上の特典(この実施例では、時短ゲーム)を付与する構成のものであるが、これに代えて、図6に示すような制御を行ってもよい。
図6の実施例は、第2大入賞口13内の特別入賞口13b(Vゾーン)にパチンコ球が入ったときに遊技者に付与する特典の抽選を行い、抽選結果に応じた遊技上の特典を付与するものである。付与される特典としては、時短ゲームを100回実行可能とするほかに、所定の確率(あまり高くない確率であることが望ましい。)で前記大当たり状態を設定可能とする。
図6において、第2大入賞口13が開放された小当たり状態に設定され(ST13)、第2大入賞口13内の特別入賞口13b(Vゾーン)にパチンコ球が入った場合には(ST14で「YES」の判定)、遊技者に付与される遊技上の特典の抽選を行う(ST15)。前記抽選の結果、特典が時短ゲームであれば、ST16の判定は「YES」であり、CPU31は、第1大入賞口12を2回開閉動作させてこの後時短ゲームに突入することを遊技者に報知した後(ST17)、時短ゲームの状態に設定し(ST18)、時短ゲームを100回実行させる。
一方、前記抽選の結果、特典が大当たり状態であれば、ST16の判定は「NO」であり、CPU31は、大当たり状態、すなわち、第1大入賞口12が15ラウンド分だけ開放する状態に設定する(ST8)。大当たり状態の終了後、CPU31は図柄の変動回数Nを0にリセットし(ST9)、始動口11への入球に対する処理を終了する。
その他の処理は図5と同じであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図6に実施例によれば、遊技者に付与される特典が抽選により選ばれるので、遊技が画一的にならず、変化をもたせることができ、遊技者の遊技に対する興趣をさらに高めることができる。
なお、上記した実施例では、大当たりに当選後、次に大当たりに当選するまでに第2図柄表示部9の図柄の変動回数Nが所定回数に達したとき、遊技者がハマリ状態に陥っていると判別する構成のものであるが、これに限らず、大当たりに当選後、次に大当たりに当選するまでの遊技時間を計測し、この計測時間が所定時間経過したとき、遊技者がハマリ状態に陥っていると判別する構成にしてもよい。
また、上記した実施例では、前記第2図柄表示部9の図柄の変動回数Nと比較される判定基準値が1000に設定されているが、これに限らず、前記判定基準値を抽選により設定してもよい。
図7は、この抽選に用いられる抽選テーブルの例である。この例では、「大当たり」に当選すると、設定されている判定基準値をリセットするとともに、図7に示すような選択率にしたがって抽選を行う。前記抽選によって選ばれた判定基準値と次に「大当たり」に当選するまでの第2図柄表示部9の図柄の変動回数Nとを比較し、この結果、変動回数Nが判定基準値を上回るとき、遊技者がハマリ状態に陥っていると判別される。
さらに、上記した実施例は、遊技盤2に第1大入賞口12および第2大入賞口13の2つの大入賞口が設けられた構成のものであるが、このような構成に限らず、例えば、図8に示すように、一般入賞口13aと特別入賞口13b(Vゾーン)とを備えた第2大入賞口13が1つだけ設けられた構成であってもよい。ただし、この場合、上記したような特別入賞口13b(Vゾーン)の入球によって遊技者に特典を付与する機能は、図柄の変動回数が所定回数以上のときのみ有効とする。
なお、この発明は、パチンコ球が盤面上の始動口に入ることを条件として抽選が実行され、その抽選で大当たりに当選したとき入賞球が得られ易い特別遊技状態に設定されるパチンコ機であれば、大当たり終了後の遊技で大当たりに当選する確率が通常よりも高確率に設定される確率変動機能を有するパチンコ機やその機能を有さないパチンコ機など、種々のパチンコ機に適用できる。
この発明の一実施例であるパチンコ機の全体構成を示す正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 特別図柄用乱数記憶部の構成を示す説明図である。 主制御部による制御の流れを示すフローチャートである。 他の実施例についての主制御部による制御の流れを示すフローチャートである。 判定基準値を抽選により選択する実施例の抽選テーブルの例を示す説明図である。 他の実施例についての遊技盤の構成を示す正面図である。
符号の説明
1 パチンコ機
2 遊技盤
9 第2図柄表示部
11 始動口
30 主制御部
31 CPU
32 ROM
33 RAM

Claims (5)

  1. パチンコ球が盤面上の始動口に入ることを条件として抽選が実行され、その抽選で大当たりに当選したとき入賞球が得られ易い特別遊技状態に設定されるパチンコ遊技機において、
    前記大当たりと、当選確率が大当たりより高くかつ当選したとき大当たりとは異なった特別遊技状態に設定される小当たりとに当選可能な抽選を実行する抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果を図柄の変動を伴って表示する図柄表示部と、前記抽選手段による抽選結果を監視して大当たりに継続して当選しない非当選期間を検出する検出手段と、前記抽選手段による抽選によって前記小当たりに当選したとき前記検出手段により検出された非当選期間の長さが設定値以上であることを条件として遊技上の特典を遊技者へ付与する遊技制御手段とを備えて成るパチンコ遊技機。
  2. 前記検出手段は、大当たりに当選したときに設定される特別遊技状態が終了した後の前記図柄表示部での図柄の変動回数を計数することにより前記非当選期間を検出するものである請求項1に記載されたパチンコ遊技機。
  3. 請求項2に記載されたパチンコ遊技機であって、
    前記検出手段により計数される図柄の変動回数の計数値は、前記大当たりに当選したことを条件にリセットされるパチンコ遊技機。
  4. 前記遊技制御手段は、複数個の遊技上の特典のうち、抽選で選ばれた遊技上の特典を遊技者に付与するものである請求項1〜3のいずれかに記載されたパチンコ遊技機。
  5. 前記遊技上の特典は、前記図柄表示部における図柄の変動時間を短縮した遊技状態を設定することと、前記始動口にパチンコ球が入りやすい遊技状態を設定することとの一方または両方を組み合わせたものである請求項1〜4のいずれかに記載されたパチンコ遊技機。
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JP2011212057A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Sophia Co Ltd 遊技機
JP2011234772A (ja) * 2010-05-06 2011-11-24 Taiyo Elec Co Ltd 弾球遊技機

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