以下、この発明の第1の実施の形態について、図1〜図8の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る遊技機の一形態として例示するパチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図、図2は、このパチンコ遊技機に設置された遊技制御装置20によって行われる、始動記憶数に関連した第1の変動入賞装置5及び第2の変動入賞装置6等の制御に関する制御ブロック図である。
この遊技盤1のガイドレール2で囲まれた遊技領域1aには特別図柄(特図)表示装置4、遊技球が入賞可能な始動入賞口9aを備えた普通電動(普電)入賞装置としての始動入賞装置9、前記特別図柄表示装置4での変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口(第1大入賞口)5bを閉じた(又は閉鎖)状態(遊技者にとって不利な第1状態の一形態)から開いた(又は開放)状態(遊技者にとって有利な第2状態)に変換するサイクル遊技(ラウンド遊技)を行う第1の変動入賞装置5、該第1の変動入賞装置5と同様に前記特別図柄表示装置4での変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口(第2大入賞口)6bを閉じた(又は閉鎖)状態(遊技者にとって不利な第1状態)から開いた(又は開放)状態(遊技者にとって有利な第2状態)に変換するサイクル遊技(ラウンド遊技)を行う第2の変動入賞装置6、一般入賞口8、……、普通図柄(普図)始動ゲート11、サイドランプ12、12、風車と呼ばれる打球方向変換部材14、……、多数の障害釘(一部を除いて図示省略)などが配設されている。遊技領域1aの最下端部中央にはアウト球を回収するためのアウト穴13が設けられている。
特別図柄表示装置4は遊技領域1aの略中央上部寄りに設置されていて、例えば、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)からなる変動表示装置4aと、遊技制御装置20(図2)からの指令に基づき変動表示装置4aの表示制御を行うサブ制御装置としての演出表示制御装置(表示制御装置)40(図2)と、を備えている。前記変動表示装置4aはその表示状態が変化(変動表示)可能となっており、ここでは、複数の識別情報としての特別図柄(例えば、図柄、数字、記号などの図柄)を変動表示可能となっている。
上記2つの変動入賞装置5、6のうちの第1の変動入賞装置5は上記特別図柄表示装置4の中央部下方に設置されていて、アタッカー形式で平板状の第1可動部材5aによって開閉される第1大入賞口5bを備えている。より詳しく説明すると、この第1の変動入賞装置5は、当該遊技機の前方側に開口して遊技球が入賞可能な第1大入賞口5bと、第1可動部材5aとを有し、第1可動部材1用ソレノイド(SOL)5e(図2)の駆動により、第1可動部材5aが下辺部の左右方向にのびた軸(図示省略)を軸芯として上端側が起立して第1大入賞口5bを閉鎖する閉状態(閉鎖状態)と、第1可動部材5aが第1大入賞口5bの下辺部の前記軸を軸芯として手前側に倒れる方向に回動することで上方から流下する遊技球を第1可動部材5aの裏面側で受け止めて第1大入賞口5bに導入可能な開状態(遊技者にとって有利な第2状態の一形態)とに変換可能に構成されている。
第1大入賞口5bの内部(入賞領域)には、該第1大入賞口5bの一般入賞口(入賞した遊技球を一般入賞として扱う入賞口)に入った遊技球を検出するための一般入賞口センサ5g(図2)と、第1大入賞口5bに入った遊技球のうち図示省略の特別入賞口(継続入賞口)に流入した遊技球を検出するための特別入賞口(継続入賞口)センサ5h(図2)が配設されている。
また、第1の変動入賞装置5には、第1大入賞口5bに入る遊技球のうちで前記特別入賞口に流入する遊技球の割合を調整する入賞率調整用ソレノイド(SOL)5f(図2)が配設されている。
この第1の変動入賞装置5は、第1大入賞口5bの開放時に遊技球が入賞した場合、1入賞に対して第2の変動入賞装置6の場合より少ない(この実施の形態では11個)賞球が排出されるようになっており、始動入賞装置9の始動入賞口9aの直上に配設されて、第1可動部材5aが回動して第1大入賞口5bを開放すると該第1可動部材5aが始動入賞口9aの上部を覆うこととなり、始動入賞し難い状態(始動入賞口9aと第1可動部材5aとの間には僅かな隙間しか開いていなくて始動入賞し難い状態)となる。そのため、特別遊技状態が発生して第1の変動入賞装置5が開放した場合には、賞球が少ないばかりか、始動入賞し難いため、その分の賞球も減少することとなる。また、第1の変動入賞装置5で特別遊技状態のラウンド遊技が行われている場合は、始動入賞し難く、始動記憶数が上限になり難いが、第1大入賞口5bの開放中においては、遊技者は多くの賞球を獲得しようとして遊技球を発射しないわけにはいかないので、いわゆる止め打ちを行うことはありえず、遊技店の稼働上の問題は起こらないと考えられる。また、第1の変動入賞装置5が開放してラウンド遊技が行われた場合であっても、ラウンド遊技と次のラウンド遊技の間(ラウンド間)は所定時間(例えば、2秒)第1可動部材5が第1大入賞口5bを閉鎖した状態に復帰するため、この間は始動入賞のチャンスとなり、この間に始動入賞が発生すれば、始動記憶数は上限となって、後のラウンド遊技が第2の変動入賞装置6で行われるという期待感がもてるようになるため、ラウンド間の止め打ちを防止できるといった効果もある。なお、第1の変動入賞装置5が開放した際に始動入賞口9aとの隙間を遊技球が通過できないように設定することで、第1の変動入賞装置5が開放した際には、始動入賞が全く生じないようにしても良い。
この第1の変動入賞装置5の第1大入賞口5bは、その左右方向の長さ寸法が第2の変動入賞装置6の第2大入賞口6bの左右方向の長さ寸法よりも短く、その分、第2の変動入賞装置6の第2大入賞口6bよりも遊技球が入り難くなっている。
一方、第2の変動入賞装置6は上記第1の変動入賞装置5下方の上記始動入賞装置9を挟んだ位置に設置されていて、アタッカー形式で平板状の第2可動部材6aによって開閉される第2大入賞口6bを備えている。より詳しく説明すると、この第2の変動入賞装置6は、当該遊技機の前方側に開口して遊技球が入賞可能な第2大入賞口6bと、第2可動部材6aとを有し、第2可動部材2用ソレノイド(SOL)6e(図2)の駆動により、第2可動部材6aが下辺部の左右にのびた軸(図示省略)を軸心として上端側が起立して第2大入賞口6bを閉鎖する閉状態(閉鎖状態)と、第2可動部材6aが第2大入賞口6bの下辺部の軸を軸芯として手前側に倒れる方向に回動することで上方から流下する遊技球を第2可動部材6aの裏面側で受け止めて第2大入賞口6bに導入可能な第2大入賞口6bに導入可能な開状態(遊技者にとって有利な第2状態の一形態)とに変換可能に構成されている。
第2大入賞口6bの内部(入賞領域)には、該第2大入賞口6bの一般入賞口(入賞した遊技球を一般入賞として扱う入賞口)に入った遊技球を検出するための一般入賞口センサ6g(図2)と、第2大入賞口6bに入った遊技球にうち図示省略の特別入賞口(継続入賞口)に流入した遊技球を検出するための特別入賞口(継続入賞口)センサ6h(図2)が配設されている。
また、第2の変動入賞装置6には、第2大入賞口6bに入る遊技球のうちで前記特別入賞口に流入する遊技球の割合を調整する入賞率調整用ソレノイド(SOL)6f(図2)が配設されている。
請求項2の発明に係る第2の変動入賞装置6の第2状態への変換に関連して遊技者に付与する遊技価値を、第1の変動入賞装置5の第2状態への変換に関連して遊技者に付与する遊技価値よりも大きくするように設定している構成の例として次のような構成が挙げられる。
第2の変動入賞装置6は、第2大入賞口6bの開放時に遊技球が入賞した場合、1入賞に対して第1の変動入賞装置5の場合より多い(この実施の形態では15個)賞球が排出されるようになっており、始動入賞装置9の始動入賞口9aの直下に配設されていて、第2可動部材6aが回動して第2大入賞口6bを開放しても始動入賞口9aへの遊技球の入賞には何ら影響を与えないようになっている。
そして、第2の変動入賞装置6の方が、開放した際の大入賞口の左右方向の横幅寸法が大きく遊技球が入賞し易くなっている。また、第2の変動入賞装置6の方が第1の変動入賞装置5よりも遊技球が入賞し易い位置に設置され、釘配列も第2の変動入賞装置6の方が第1の変動入賞装置5よりも遊技球が入賞し易いようになっている。
このように、第2の変動入賞装置6が開放したときの方が第1の変動入賞装置5が開放したときよりも遊技球が入賞し易くなっている他、第2の変動入賞装置6が開放したときであってもその第2可動部材6aによって始動入賞口9aへの遊技球の入賞は妨げられないが、第1の変動入賞装置5が開放したときにはその第1可動部材5aによって始動入賞口9aへの遊技球の入賞がし難い状態となる。
このように構成したことで、第2の変動入賞装置6の第2状態への変換に関連して遊技者に付与する遊技価値が、第1の変動入賞装置5の第2状態への変換に関連して遊技者に付与する遊技価値よりも大きくなる。
なお、第2の変動入賞装置6は、始動入賞口への遊技球の入賞に影響を与えない位置なら、始動入賞口の直下でなく他の位置に配設してもよい。
上記始動入賞装置9は第1の変動入賞装置5と第2の変動入賞装置6との間に設置されていて、始動入賞装置9の始動入賞口9aは、この実施の形態の場合、普通電動用ソレノイド(普電用SOL)9e(図2)によって左右の可動部材9b,9bの上端側が下端部の軸(図示省略)を軸芯として左右に開(逆ハの字状に開いた状態)閉(図1に示すように、遊技球1個入賞し得る程度に開いた状態)可能に構成された普通電動入賞装置によって構成されている。この始動入賞装置9は、変動入賞装置5、6に比べ遊技者に対して少ない利益(開放しても、開放時間も短いし、少ない個数の入賞しか望めない。)を付与可能に構成されたもので、その前面側に、普図始動ゲート11を遊技球が通過(入賞ともいう)の際に該普図始動ゲート11を構成する普図始動センサ11aに検出されることに基づいて普図(普通図柄)の可変表示ゲーム(普図ゲーム)を行う普通図柄表示器9cと、普図始動ゲート11を通過して未だ普図ゲームが行われていない普図未処理回数を表示する普図未処理回数記憶表示器9dとが設けられている。普図未処理回数記憶表示器9dは、この実施の形態の場合、複数のLED(例えば、4個)によって構成されている。
このように構成された始動入賞装置9は、普図始動ゲート11を遊技球が通過する際の普図始動センサ11aの検出の記憶に基づいて普通図柄(普図)表示器9cで行われる普図変動表示ゲーム(数字表示が変化して停止するゲーム)の結果が特定結果(例えば、数字の「7」で停止)となった場合に、左右の可動部材9b,9bが所定時間(例えば、0.5秒)逆「ハ」字状に開くようになっている。
この始動入賞装置9は、図1に示すように、上記第1の変動入賞装置5の直下に配置されていて、第1の変動入賞装置5の第1大入賞口5b及び第1可動部材5aの左右方向の幅寸法が始動入賞装置9の左右の可動部材9b,9bが開放した状態での始動入賞口9aへの入賞領域幅より広く設定されている。これにより、特別遊技状態が発生して、第1の変動入賞装置5の第1可動部材5aの上端側が手前側に倒れる向きに回動して遊技球を第1大入賞口5bに導入可能な開放状態となった(第1の変動入賞装置5が遊技者にとって有利な第2状態となった)場合には、当該第1可動部材5aの開状態への変換により該第1可動部材5aが始動入賞口9a(始動入賞装置9の左右の可動部材9b,9bが開放した状態での始動入賞口9aへ入賞可能な入賞領域も含む)を塞いで、該始動入賞口9aへ遊技球が入賞し難い状態となる。が、第1の変動入賞装置5の第1可動部材5aの開状態への変換により、第1可動部材5aが始動入賞口9aを完全に塞ぐ状態にして、始動入賞口9aへ遊技球が入賞できない状態にしてもよい。これらの状態は、始動記憶数が所定数(上限の始動記憶数「12」)に達しない状態で変動表示ゲームの結果として大当たりが発生して特別遊技状態に移行した場合に発生されるようになっている。
本発明に係る遊技機としてのパチンコ遊技機の遊技に関する変動入賞装置制御手段として機能する遊技制御装置20は、図2の制御ブロック図に示すように、内部にCPU(Central Processig Unit)21a、RAM(Random Access Memory)21b及びROM(Read Only Memory)21cを備えた遊技用マイクロコンピュータ21、入出力I/F23、発振器22等によって構成され、バックアップ電源81を備えた電源供給装置80から電源供給を受けて遊技に関する統括的制御を行うものである。
CPU21aは制御部及び演算部を備えて、演算制御を行う他、変動表示装置4aでの変動表示ゲームや普図変動表示ゲームのゲーム内容決定に関与する各種乱数値、普通図柄(普図)変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)での停止図柄を決定するための乱数値なども生成している。RAM21bは、始動信号としての始動入賞口センサ9bのオン(ON)信号の記憶(始動記憶)の記憶領域、CPU21aで生成される各種乱数値の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域、並びに、CPU21aの作業領域等を備えている。ROM21cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、変動表示ゲームの遊技内容及び特別遊技状態に何れの変動入賞装置5(6)でラウンド遊技を行わせるかを決定するための各種判定値(例えば、特別遊技状態の発生を判定するための判定値)などが書き込まれている。
また、入出力I/F23は、入力I/F及び出力I/Fで構成されている。入力I/Fには、図示しないローパスフィルタ及びバッファゲートを介して、第1及び第2の変動入賞装置5,6内の一般入賞口センサ5g,6g及び特別入賞口センサ(継続入賞口検出センサ)5h,6h、始動入賞口9a内の特図始動センサ9f、一般入賞口8、8、………内の入賞口センサS1,…,SN、普図始動ゲート11内の普図始動センサ9fなどが接続され、それら各センサから出力される検出信号が入力I/Fを介してCPU21aに入力されるようになっている。一方、出力I/Fには、CPU21aから各種の制御信号が出力され、それら制御信号は、出力I/Fから、図示しない出力ポート及びドライバを介して、第1の変動入賞装置5の第1の可動部材用1ソレノイド5e及び入賞率調整用ソレノイド(SOL)5f、第2の変動入賞装置6の第2の可動部材2用ソレノイド(SOL)6e及び入賞率調整用ソレノイド(SOL)6f、サブ制御装置としての演出制御装置40及び排出発射制御装置30、始動入賞装置(普通電動入賞装置)9の普電用ソレノイド(SOL)9e、普通図柄表示器9c及び普図記憶表示器9dなどに出力される他、外部出力端子70を介して集中管理装置(図示省略)や島設備装置などとの間で各種信号の遣り取りがされるようになっている。
演出制御装置40は、遊技制御装置20のCPU21aから出力される各種制御指令(制御信号)に基づいて、変動表示装置(特別図柄表示装置)4aに複数の識別情報による変動表示ゲームや各種情報表示を行わせたり、遊技盤1に配設された装飾ランプ(LED)を点灯(点滅も含む)させたり、パチンコ遊技機のスピーカ41から各種音声を出力させたりするための制御を行う。
排出発射制御装置30は、遊技制御装置20のCPU21aから出力される賞球制御指令やカードユニット(図示省略)等から出力される貸球制御指令に基づいて、排出装置32から所要数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御を行うものである。
演出制御装置40は,CPU(Central Processig Unit)、ROM(Read Only Memory)、 RAM(Random Access Memory)及びDMAC(Direct Memory Access Controller)、発振器、VDC(Video Digital Controller)、フォントROM、VDCの電気信号(入力信号)を光信号(出力信号)に変換させる際のγ補正回路、インターフェイスなどを備えている。
演出制御装置40のCPUは、その内部に制御部、演算部、各種カウンタ及び各種レジスタなどを備え、遊技制御装置20と入出力I/F23を介して接続され、遊技制御装置20の制御下、変動表示装置4aの表示制御を行っている。その制御データは発振器からのパルスに同期させてVDCに送られる。ROMには、変動表示装置4aの表示制御を行うための表示制御プログラムや表示制御データ等が書き込まれている。RAMは、各種データを一時的に記憶する記憶領域とCPUの作業領域を備えている。DMACは、遊技用マイクロコンピュータ21からの表示制御情報(表示制御信号)に対し、CPUとのアクセスなしで直接各メモリやVDC等との間で表示制御データの遣り取りを行っている。
演出制御装置40のフォントROMには、変動表示ゲーム用の図柄の表示データ、背景画像の表示データ、リーチ状態画像の表示データ、遊技内容(遊技の進行など)を説明する文字の文字データなどが書き込まれている。VDCの内部には、スプライトRAM、パレットRAM、V−RAM等が備えられていて、次のような画像データ制御を行っている。即ち、VDCは、CPUからの指令信号を受けて、フォントROMから特別図柄や背景画像の表示データを取り出して編集する。そして、その指令信号に含まれる配色データに基づいて、その編集した画像データに対し配色の指定をパレットRAMで行い、次いでスプライトRAMにて特別図柄やキャラクタ等の画像編集を行う。この編集された画像データ信号はγ補正回路で補正された後、V−SYNCやH−SYNCと同期させて変動表示装置4aに送信され、この変動入賞装置4aにおいて表示される。遊技制御装置20を始めとする各制御装置30、40は、電源供給装置80から電源を供給されている。
遊技制御装置20から演出制御装置40に送られる各種制御信号及びデータ等を示す図4のブロック図に基づいて説明すると、遊技制御装置20のCPU21aから演出制御装置40に出力される変動表示装置4aでの変動表示ゲームに関する表示制御情報としては、例えば、変動表示ゲームを開始させるための変動表示開始信号、変動表示パターンを指示するための変動表示パターンコマンド、変動表示ゲームの停止図柄を定める停止図柄データ、変動表示ゲームの変動表示を停止させるための変動表示停止信号などの変動表示ゲーム情報がある。また、表示制御情報として特図の始動記憶数が+1される毎に遊技制御装置20から演出制御装置40に特図始動記憶情報が送信され、演出制御装置40は該情報の受信により始動記憶表示領域4cの始動記憶表示部4caなどの表示を更新する。なお、特図始動記憶数を減算する際の表示の更新は、変動表示ゲームの終了毎に演出制御装置40側で(減算に対応した情報の受信なしで)行ってもよいし、始動記憶数が−1される場合も特図始動記憶情報を遊技制御装置20から受信するようにしてもよい。
次に、図5に基づいて変動表示装置の表示領域に表示される画像について説明する。図5は変動表示装置の表示領域に表示される画像を示す図である。
上記変動表示装置4aは表示領域4aaを備え、該表示領域4aaには、図5に示すように、後述のメイン制御装置(遊技制御装置)20の制御下でサブ制御装置(演出制御装置)40により、変動表示ゲームを行うための複数(例えば、第1〜第3の3つ)の変動表示領域4ba,4bb,4bc、所定個数(例えば、上限始動記憶数の12個)まで始動記憶を表示可能な始動記憶表示領域4c、変動表示ゲーム中に当該変動表示ゲームの結果として何れの変動入賞装置(5又は6)を遊技者にとって有利な第2状態に変換させるかを報知する予告報知領域4d、ゲームに関する説明などの情報を表示して報知する情報表示領域4eなどが表示されるようになっていて、報知手段としても機能する。
上記表示領域4aaの始動記憶表示領域4cには、上記演出制御装置40により、例えば、12個の始動記憶表示部4ca,4cb,4cc,………,4clが表示され、始動記憶が1増加する毎に1の始動記憶部の色(例えば、背景色に似た色)が他の色(例えば、背景色と区別し得る色)に変化し、始動記憶が1消化される毎に1の始動記憶部の色(他の色に変化された色)が元の色に戻されるようになっている。
そして、後述する特別遊技状態時には、上記演出制御装置40の制御により、例えば、第1の変動表示領域4baがどの識別情報(図柄)で特別遊技態様が発生したかを報知する特別遊技状態発生図柄報知領域に変化し、第2の変動表示領域4bbがラウンド遊技の継続した回数(何ラウンド目のラウンド遊技が行われているかを示すラウンド数)を報知するラウンド数表示領域に変化し、第3の変動表示領域4bcがラウンド遊技の継続条件の成立を報知するための継続条件成立情報表示領域4fと次回(次のラウンド)のラウンド遊技を行うのは何れの変動入賞装置5又は6であるかを報知する変動入賞装置選択報知領域4gとに変化するようになっている。
そして、上記演出制御装置40の制御により、上記変動表示領域4ba,4bb,4bcには、一連の識別情報(例えば、15種類ずつの一連の識別図柄(例えば、0、1、2、3、………9、A、B、C、D、E))を順次変動表示させた後に順次停止させる変動表示ゲームが遊技球の始動入賞口9aへの入賞(始動入賞)の特図始動検出センサ9fによる検出(該検出に基づく始動記憶)に基づいて次々と行われ、リーチ状態(例えば、「1,変動中,1」など)を経て、幸運にも特別結果(例えば、「1,1,1」などのぞろ目)となった場合に大当たりとなって特別遊技状態が発生するようになっている。
ここに、特別結果(特別図柄組合せ態様:特別表示態様)は、例えば、0〜9までの数字やA、B、C、D、E等のアルファベットなどの図柄のぞろ目(例えば、「1,1,1」「2,2,2」「3,3,3」「4,4,4」「A,A,A」など)である。
これら特別結果うちの例えば奇数のぞろ目等の特定の図柄でのぞろ目は特定の特別結果となり、その場合には特別遊技状態終了後に特別結果の導出確率が通常よりも高められる確率変動状態(特別遊技状態の発生に対して遊技者に有利に作用する特定遊技状態)が遊技制御装置20の制御により発生される。
確率変動状態が発生すると、遊技制御装置20の制御により、普通図柄表示器9cの変動表示時間が通常より短くなる(例えば、通常の30秒から5秒に短縮)とともに普図変動表示ゲームの結果が特定結果となった場合(当たった場合)に、始動入賞装置9の開放時間が通常よりも長く(0.5秒から3秒に延びる、間欠開放しても良い)なる制御も併せて行われるので、確率変動状態中には通常遊技状態中よりも始動入賞が容易となり、始動記憶数が通常遊技状態中よりも増加することとなる。したがって、確率変動状態(および、確率変動状態中のリーチ状態)中には、遊技制御装置20の制御により、始動記憶数が増加した状態で大当たりとして特別遊技状態が発生することが通常遊技状態中よりも極めて高くされることとなり、確率変動状態は、単に次の特別遊技状態の発生を早くしたり或いは約束したりする以外に、次の特別遊技状態時に開放する変動入賞装置が第2の変動入賞装置6となり易くする機能も含んでいる。
特別遊技状態は、遊技制御装置20の制御により、始動記憶数に関連して(例えば、始動記憶数が所定数に達した(或いは所定数以上)か否か、或いは、始動記憶数に応じて)第1、第2の変動入賞装置5,6の何れかが選択され、何れの変動入賞装置の場合も、遊技者にとって有利な第2状態(開放状態)へ変換してから遊技者にとって不利な第1状態(閉鎖状態)へ復帰するまでを1ラウンドとして、各ラウンド中に継続条件が成立した場合に、選択された第1、第2の変動入賞装置6の何れかによって次のラウンドが継続して行われるというラウンド遊技単位で所定回数(例えば、15ラウンド)を上限として進行するようになっている。
また、既に変動表示ゲームが行われている間や特別遊技状態が発生している間等の直ちに変動表示ゲームを始動(開始)できない期間中(変動表示ゲーム始動不可状態時)に始動入賞口9aへ遊技球が入賞した場合には、変動表示ゲームが始動可能な状態(変動表示ゲーム始動可能状態時)となるまで、始動記憶手段(ここでは、遊技制御装置20のRAM21bが相当する)が、前記始動入賞口9aへの遊技球の入賞を変動表示ゲームを始動(開始)させるための始動記憶として記憶することが可能となっている。なお、この実施の形態の始動入賞口9aは、遊技球を遊技盤1の裏側に流入させるタイプの始動入賞口であって、その内部(入賞領域)に特図始動センサ9f(図2)を備えており、当該特図始動センサ9f(図2)で遊技球の入賞を検出している。また、ここでは、前記始動記憶は所定の上限始動記憶数(例えば、12個)以内で記憶可能となっており、前記期間中(変動表示ゲーム始動不可状態時)、始動入賞口9aに上限数より多く遊技球が入賞しても始動記憶数は上限数より多くならないようにされている。
次に、図2に基づいて、遊技制御装置20と演出制御装置40により、変動表示装置4aでの変動表示ゲームの結果が大当たりとなって特別遊技状態が発生した場合に、始動記憶数に関連して、第1の変動入賞装置5と第2の変動入賞装置6の何れかを遊技者にとって有利な第2状態に変換させてラウンド遊技を実行する遊技制御について説明する。
まず、遊技球が始動入賞口9aに入賞すると、始動入賞口9a内部の特図始動センサ9fで遊技球の入賞を検出し、遊技制御装置20のCPU21aにおいて、前記始動入賞口センサ9fから出力される検出信号に基づいて、RAM21bに記憶されている特図に関する各種乱数値(所定周期で記憶更新されている大当たり判定用の乱数値、特別表示態様の種類を決定する乱数値等)を抽出する。そして、変動表示ゲームが直ちに始動可能な状態であるときには、そのまま、該抽出した乱数値と、予めROM21cに記憶されている特図に関する各種判定値との比較により、変動表示ゲーム内容(例えば、特別遊技状態を発生するか否か、変動表示領域4ba、…のそれぞれに本停止させる特別図柄を何れにするかなど)を決定するとともに、その決定に基づいて、演出制御装置40に表示制御情報を出力する。演出制御装置40は、その表示制御情報に基づいて、第1〜第3の変動表示領域4ba,4bb,4bcに複数の識別図柄(識別情報:例えば、15種類ずつの一連の識別図柄(識別情報;例えば、15種類ずつの一連の識別図柄「0、1、2、3、………9、A、B、C、D、E」など))を変動表示させることによって変動表示ゲームを行う。
しかし、変動表示ゲームが行われている期間や特別遊技状態が発生している間等の直ちには変動表示ゲームを始動できない期間(変動表示ゲーム始動不可状態時)中に始動入賞口9aに遊技球が入賞した場合には、変動表示ゲームが始動可能な状態(変動表示ゲーム始動可能状態時)となるまで、始動記憶手段(ここでは、遊技制御装置20のRAM21bが相当する)が、抽出した乱数値を所定数(例えば、12個)を上限とした範囲で始動記憶として一旦記憶し、その始動記憶数は、遊技制御装置20からの指令を受けて、演出制御装置40により、変動表示装置4aの始動記憶表示領域4cの始動記憶表示部4ca,……の表示色(始動記憶が無いときには、例えば、背景色と同系色になっている)をその始動記憶数分だけ他の色(例えば、背景色と明確に区別し得る色)に変化させその変化させた始動記憶表示部4ca,……の個数によって始動記憶数を報知する。
そして、変動表示ゲームが始動可能な状態になると、始動記憶を呼び出し、該始動記憶として記憶されている前記乱数値と、予めROM21cに記憶されている特図に関する各種判定値との比較により、変動表示ゲームの内容(例えば、特別遊技状態を発生するか否か、表示領域の各々に本停止させる特別図柄を何れにするかなど)を決定するとともに、その決定に基づいて、演出制御装置40に演出制御情報を出力する。演出制御装置40はその演出制御情報に基づいた内容の変動表示ゲームの変動表示を変動表示装置4aに行わせる。
変動表示ゲームがリーチ状態(例えば、「1,変動中,1」「2,変動中,2」「3,変動中,3」など)を経て特別図柄で本停止した結果、幸運にも特別結果(例えば、「1,1,1」「2,2,2」「3,3,3」などのぞろ目で大当たりを発生させる特別表示態様)となった場合は大当たりとして特別遊技状態を発生させる。
ここに、特別結果(特別図柄組合せ態様:特別表示態様)は、例えば、0〜9までの数字やA、B、C、D、E等のアルファベットなどの図柄のぞろ目(例えば、「1,1,1」「2,2,2」「3,3,3」「4,4,4」「A,A,A」など)である。
これら特別結果うちの奇数のぞろ目は特定の特別結果となり、その場合には特別遊技状態終了後に特別結果の導出確率が通常よりも高められる確率変動状態(特別遊技状態の発生に対して遊技者に有利に作用する特定遊技状態)が遊技制御装置20の制御により発生される。
確率変動状態が発生すると、遊技制御装置20の制御により、普通図柄表示器9cの変動表示時間が通常より短くなる(例えば、通常の30秒から5秒に短縮)とともに普図変動表示ゲームの結果が特定結果となった場合(当たった場合)に、始動入賞装置9の開放時間が通常よりも長く(0.5秒から3秒に延びる、間欠開放しても良い)なる制御も併せて行われるので、確率変動状態中には通常遊技状態中よりも始動入賞が容易となり、始動記憶数が通常遊技状態中よりも増加することとなる。したがって、確率変動状態(および、確率変動状態中のリーチ状態)には、遊技制御装置20の制御により、始動記憶数が増加した状態で大当たりとして特別遊技状態が発生することが通常遊技状態中よりの極めて高くされることとなり、確率変動状態は、単に次の特別遊技状態の発生を早くしたり或いは約束したりする以外に、次の特別遊技状態時に開放する変動入賞装置が第2の変動入賞装置6となり易くする機能も含んでいる。
特別遊技状態は、遊技制御装置20の制御により、始動記憶数に関連して(例えば、始動記憶数が所定数に達したか否か、或いは、始動記憶数に応じて)第1、第2の変動入賞装置5,6の何れかが選択され、何れの変動入賞装置の場合も、遊技者にとって有利な第2状態(開放状態)へ変換してから遊技者にとって不利な第1状態(閉鎖状態)へ復帰するまでを1ラウンドとして、各ラウンド中に継続条件が成立した場合に、選択された第1、第2の変動入賞装置6の何れかによって次のラウンドが継続して行われるというラウンド遊技単位で所定回数(例えば、15ラウンド)を上限として進行するようになっている。
また、既に変動表示ゲームが行われている間や特別遊技状態が発生している間等の直ちに変動表示ゲームを開始できない期間中(変動表示ゲーム始動不可状態時)に始動入賞口9aへ遊技球が入賞した場合には、変動表示ゲームが始動可能な状態(変動表示ゲーム始動可能状態時)となるまで、始動記憶手段(ここでは、遊技制御装置20のRAM21bが相当する)が、前記始動入賞口9aへの遊技球の入賞を変動表示ゲームを始動(開始)させるための始動記憶として記憶することが可能となっている。なお、この実施の形態の始動入賞口9aは、遊技球を遊技盤1の裏側に流入させるタイプの始動入賞口であって、その内部(入賞領域)に特図始動センサ9f(図2)を備えており、当該特図始動センサ9f(図2)で遊技球の入賞を検出している。また、ここでは、前記始動記憶は所定の上限始動記憶数(例えば、12個)以内で記憶可能となっており、前記期間中(変動表示ゲーム始動不可状態時)、始動入賞口9aに上限数より多く遊技球が入賞しても始動記憶数は上限数より多くならないようにされている。
特別結果となって大当たりが発生して行われる特別遊技状態は、第1、第2の変動入賞装置5,6の何れの場合も、第1、第2可動部材5a、6aが開放状態(第2状態)へ変換してから閉鎖状態(第1状態)へ復帰するまでを1ラウンドとして、各ラウンド中に継続条件(第1、第2の大入賞口5b、6b中の特別入賞口に入賞して特別入賞口センサ5h、6hに検出されることを条件)が成立した場合に、選択された前記第1、第2の変動入賞装置5,6の何れかによって次のラウンドが継続して行われるというラウンド遊技単位で所定回数(例えば、15回)を上限として進行し、変動入賞装置制御手段として機能する遊技制御装置20は、ラウンド遊技の開始時に始動記憶手段として機能するRAM21bに記憶されている始動記憶数がその始動記憶数の判定時に所定数未満(所定数に達していない、例えば、上限記憶数に達していない)であった場合に行われる当該ラウンド遊技においては第1の変動入賞装置5を第2状態に変換するが、ラウンド遊技の開始時に始動記憶手段に記憶されている始動記憶数がその始動記憶数の判定時に所定数に達している場合に行われる当該ラウンド遊技においては第2の変動入賞装置6を第2状態に変換するようになっている。
つまり、サイクル遊技の内容、即ち、サイクル遊技において第1及び第2の変動入賞装置5,6の何れを開放するかは、大当たり確定後に適宜行われる始動記憶数の判定に基づいて決定されるようになっている。
次に、図3の遊技制御のタイミングチャートと図5の表示領域4aaの画像表示を参照しながら、変動表示ゲームの開始後、リーチ状態を経て大当たり(特別遊技)が発生し、その後に行われるラウンド遊技の途中までの期間中における始動記憶、変動入賞装置によって行われるラウンド遊技及び変動入賞装置に関する情報表示について説明する。
図3のタイミングチャートは、変動表示ゲームの変動表示が開始されリーチ状態を経て停止し、その停止の結果が特別結果となって大当たり(特別遊技状態)が発生し、その後(所定時間(例えば、5秒)経過後)、特別遊技状態としてラウンド遊技が開始され、各ラウンド毎に継続条件が満たされて、図3に示すように、ラウンド遊技が第1ラウンド、第2ラウンド、……第5ラウンドまで進行し、その後、さらに継続条件が満たされると、上限回数(15ラウンド)まで進行するようになっている。
そして、その変動表示ゲームが行われている期間 及び該変動表示ゲームの結果発生した特別遊技状態としてラウンド遊技が行われている期間 (変動表示ゲーム始動不可期間、或いは、変動表示ゲーム始動不可状態時)中の始動入賞に基づき始動記憶数がその変動表示ゲーム中に「4」、「5」、「6」まで累積加算され、変動表示ゲームの変動表示が停止されて特別結果となった時点(大当たりが発生した時点)から所定時間経過直前(例えば、5秒経過直前)、即ち、第1ラウンド目のラウンド遊技が開始される直前)に始動記憶数が所定数(始動記憶上限数「12」)に達しているか否かの第1回目(初回)の判定時までの期間中に「7」まで累積加算されている。そして、その第1回目の判定時では、始動記憶数が「7」のため、所定数(上限始動記憶数「12」)に達していないと判定され、その判定に基づき第1ラウンド目のラウンド遊技は、遊技者に付与される遊技価値の低い第1の変動入賞装置5によって行われる。始動記憶数が所定数(始動記憶上限数「12」)に達しているか否かの判定は各ラウンド遊技開始の直前に行われるが、第4ラウンド目のラウンド遊技が開始されるまでは始動記憶数が所定数に達していないため、第4ラウンド目までのラウンド遊技は、第1ラウンド目のラウンド遊技と同様、遊技者に付与される遊技価値の低い第1の変動入賞装置5によって行われる。そして、第4ラウンド目のラウンド遊技中に記憶数が所定数(上限記憶数「12」)に達したため、第5ラウンド目のラウンド遊技の直前の判定では、始動記憶数が所定数(上限始動記憶数「12」)に達していると判定されて、その判定に基づき第5ラウンド目のラウンド遊技は、遊技者に付与される遊技価値の高い第2の変動入賞装置6によって行われる。その後も、各ラウンド遊技開始の直前に始動記憶数が所定数(上限始動記憶数「12」)に達しているか否かの判定が行われるが、特別遊技状態中は変動表示ゲームが行われないことから、始動記憶数は減ることなく所定数(上限始動記憶数「12」)に達していると判定されて、その後も継続条件が満たされることを条件に、最終ラウンド目のラウンド遊技まで、遊技者に付与される遊技価値の高い第2の変動入賞装置6によって行われることとなる。各ラウンド間の時間(インターバルの時間)は例えば2秒である。
このようにゲームが行われている間、遊技制御装置20制御下で、演出制御装置40により、変動表示装置4aの表示領域4aaに、継続してその時々の情報表示が行われる。
即ち、遊技制御装置20から演出制御装置40へ適宜表示制御情報(指令信号)が送られ、該表示制御情報に基づいて演出制御装置40が変動表示装置4aの情報表示領域4eにその時々の遊技に関する情報表示(遊技の進行上、遊技者が知っておきたい遊技情報の情報表示)が行われる。
請求項5に係る発明では、変動表示ゲームがリーチ状態となっている場合においては、始動記憶手段(RAM21b)に現在記憶されている始動記憶数との関係で、当該変動表示ゲームにより発生する特別遊技状態によって第1、第2の変動入賞装置5,6の何れが第2状態に変換するかを報知する報知手段として次のように機能する変動表示装置4aを備えている。
例えば、図3の(丸1)のタイミングでは、図5(イ)に示すように変動表示ゲームがリーチ状態(「7」「変動中」「7」)で、かつ、始動記憶が「5」で所定数(上限記憶数「12」)になっていないので、図5(イ)に示すように、始動記憶表示領域4cの5個の始動記憶表示部4ca、………の色を変化させて始動記憶数が未だ「5」である旨の報知を行うとともに、そのときの変動入賞装置に関する情報として、例えば、図5(イ)に示すように“始動記憶を増やした方が大当たりした際にお得です”の表示を行う。そして、この時には、始動記憶表示領域4cの始動記憶表示部4ca、………に色の変化で報知しているように、始動記憶数が未だ「5」で、所定数(上限数)に達していないために、予告報知領域4dの予告表示は「アタッカー1」の文字を例えば白抜き(白以外の色でもよい)で表示することによって、特別遊技状態が発生した場合のラウンド遊技は第1の変動入賞装置5を開放することによって行う旨の予告表示をする。
また、図3の(丸2)のタイミングでは、例えば、図5(ロ)に示すように変動表示ゲームの停止結果が特別結果(「7,7,7」の停止表示態様)となって大当たりが確定したが、その時点では始動記憶が未だ「6」で所定数(上限記憶数「12」)になっていないので、図5(ロ)に示すように、始動記憶表示領域4cの6個の始動記憶表示部4ca、………の色を変化させて始動記憶数が未だ「6」である旨の報知を行うとともに、そのときの変動入賞装置に関する情報として、“まだチャンス!始動記憶を増やしてください”の表示をする。そして、この時には、そのときの変動入賞装置に関する情報として、「アタッカー1」の文字を例えば白抜き(白以外の色でもよい)で表示することによって、特別遊技状態が発生した場合のラウンド遊技は第1の変動入賞装置5を開放して行う旨の予告表示をする。
また、大当たり確定後の図3の(丸3)のタイミングでは、始動記憶が未だ「7」で所定数(上限記憶数「12」)になっていないので、図5(ハ)に示すように、始動記憶表示領域4cの6個の始動記憶表示部4ca、………の色を変化させて始動記憶数が未だ「7」である旨の報知を行うとともに、そのときの変動入賞装置に関する情報を例えば、図5(ハ)に示すように“まだチャンス!始動記憶を増やしてください”の表示とその時点での第1回目の判定までの残り時間が2秒であることを知らせるための“残り時間2秒”の表示などを行う。残り時間の表示は、大当たり確定時から第1回目の判定時までの間に、「5」、「4」、「3」、「2」、「1」、「0」というようにカウントダウン表示形式で行われる。図5(ハ)はその途中(7個目の始動入賞の後)の表示例である。この間に、始動記憶が所定数(上限始動記憶数「12」)に達した場合は、アタッカー2を白抜きにして、「おめでとうございます」等の表示に切り換える。そして、この時には、始動記憶表示領域4cの始動記憶表示部4ca、………に色の変化で報知している始動記憶数が未だ「6」で、所定数(上限数)に達していないために、そのときの変動入賞装置に関する情報として、予告報知領域4dの予告表示は「アタッカー1」の文字を例えば白抜き(白以外の色でもよい)で表示することによって、特別遊技状態が発生した場合のラウンド遊技は第1の変動入賞装置5を開放して行う旨の予告表示をする。
また、特別遊技状態時には、例えば、第1の変動表示領域4baが特別遊技状態発生図柄報知領域に変化してどの識別情報(図柄)で特別遊技態様が発生したかを報知(この実施の形態では、「7」の図柄を表示することにより、「7」の図柄のぞろ目「7,7,7」で、特別遊技状態が発生したことを報知)し、第2の変動表示領域4bbがラウンド遊技の継続した回数(ラウンド数)を報知するラウンド数表示領域に変化して、何ラウンド目のラウンド遊技が行われているかをラウンド数で示す。
また、図3のタイミングチャート中、(丸4)、(丸5)のタイミングでは、始動記憶がそれぞれ「11」、「12」なので、図5(ニ)、(ホ)に示すように、それぞれ始動記憶表示領域4cの11個、12個の始動記憶表示部4ca、………の色を変化させて始動記憶数がそれぞれ「11」、「12」である旨の報知を行うとともに、そのときの変動入賞装置に関する情報として、それぞれ「4」、「5」の数字を表示してそれぞれ第4ラウンド、第5ラウンドであることを示す。また、第3の変動表示領域4bcが継続条件成立情報表示領域4fと変動入賞装置選択報知領域4gとに変化し、継続条件成立情報表示領域4fには、ラウンド遊技の継続条件の成立を報知(図5の(ニ)、(ホ)では、それぞれ「V」の文字が表示され、それぞれ継続条件が満たされていることを報知)し、変動入賞装置選択報知領域4gには、そのときの変動入賞装置に関する情報として、始動記憶数との関係で次回(次のラウンド)のラウンド遊技を行うのは何れの変動入賞装置5又は6であるかを報知(図5の(ニ)、(ホ)ではそれぞれ「1」、「2」の文字が表示され、それぞれ次のラウンドのラウンド遊技は第1の変動入賞装置5、第2の変動入賞装置6が開放されて行われることを予告報知)する。
このように構成されていることから、変動表示ゲームがリーチ状態となっている場合においては、始動記憶手段(RAM21b)に現在記憶されている始動記憶数との関係で、当該変動表示ゲームにより発生する特別遊技状態によって第1、第2の変動入賞装置5,6の何れが遊技者にとって有利な第2状態に変換するかを報知手段として機能する変動表示装置4aが報知する。
次に、図6に基づいて、遊技制御装置20によって行われる特別遊技状態処理を説明する。
図6は遊技制御装置によって遊技上必要な一連の遊技処理として行われるメイン制御処理(図示省略)のサブルーチンとしての特別遊技状態処理の手順を示すフローチャートである。
この特別遊技状態処理が開始されると、まず、ステップS1でラウンド遊技のラウンド開始の条件が成立したか否かが判定され、成立していると判定されたときにはステップS2でラウンド数を「+1」加算してステップS3に移行し、成立していないと判定されたときにはそのままステップS6に移行する。ここで、第1ラウンド目のラウンド開始条件は、変動表示ゲームの結果が特別結果となって大当たりが発生し、かつ、大当たり確定から所定時間(例えば、5秒)経過したことが条件となる。第2ラウンド目以降の開始の条件は、この実施の形態の場合、前回のラウンドで継続条件が成立し、かつ、所定時間(例えば、2秒)のインターバルが終了したことになる。ステップS2において、最初のラウンドは「0」に「+1」加算して「1」となる。
ステップS3では始動記憶(始動記憶数)が上限(この実施の形態では「12」)となったか否かを判定し、上限となっていなければステップS4で第1の変動入賞装置5の第1可動部材1用ソレノイド(SOL)5eを作動させて第1可動部材5aを開放させるための開放データをセットしてステップS6に移行し、上限に達していれば第2の変動入賞装置6の第2可動部材2用ソレノイド(SOL)6eを作動させて第2可動部材6aを開放させるための開放データをセットしてステップS6に移行する。この実施の形態では、始動記憶数が所定数、例えば、上限数(例えば、「12」)に達しているか否かによって第1の変動入賞装置5と第2の変動入賞装置6のどちらを開放させるか決定しているが、必ずしも上限数に達したか否かで決定しないで、上限数以外の所定数(例えば、「8」)に達したか否か(所定数以上か否か)で決定するようにしてもよい。
上記ステップS3〜S5の処理構成(手段)が、請求項3に係る発明の、変動入賞装置制御手段として機能する遊技制御装置20は、特別遊技状態が発生した場合に、始動記憶手段(RAM21b)に記憶されている始動記憶数が所定数に達した(或いは所定数以上となった)ことを条件として、第2の変動入賞装置6を第2状態に変換する構成に対応している。
このような構成により、変動入賞装置制御手段として機能する遊技制御装置20は、特別遊技状態が発生した場合に、始動記憶手段(RAM21b)に記憶されている始動記憶数が所定数以上となった(上限記憶数に達した)ことを条件として、第2の変動入賞装置6を第2状態に変換する。
また、上記ステップS3、S4、S5の処理構成(手段)が、請求項4に係る発明の、変動入賞装置制御手段として機能する遊技制御装置20は、ラウンド遊技の開始時に始動記憶手段(RAM21b)に記憶されている始動記憶数が所定数(上限始動記憶数)に達していなかった場合に行われる当該ラウンド遊技においては第1の変動入賞装置5を第2状態に変換するが、ラウンド遊技の開始時に始動記憶手段に記憶されている始動記憶数が前記所定数に達している場合に行われる当該ラウンド遊技においては第2の変動入賞装置6を前記第2状態に変換する構成に対応している。
ここに、継続条件は、変動入賞装置中の特別入賞口(継続入賞口)へ入賞して特別入賞口センサ5hに検出されることによって成立する。また、所定数に達している場合とは、所定数以上の場合も含む意味である。
このように構成されているので、変動入賞装置制御手段は、ラウンド遊技の開始時に始動記憶手段に記憶されている始動記憶数が所定数達していなかった場合(所定数未満)に行われる当該ラウンド遊技においては第1の変動入賞装置5を遊技者にとって有利な第2状態に変換するが、ラウンド遊技の開始時に始動記憶手段に記憶されている始動記憶数が前記所定数に達した場合(或いは所定数以上の場合)に行われる当該ラウンド遊技においては第2の変動入賞装置6を遊技者にとって有利な第2状態に変換する。
ステップS6ではラウンド終了条件(大入賞口への入賞個数が10カウントもしくは開放時間が所定時間(例えば、15秒)経過)が成立したか否かを判定し、ラウンド終了条件が成立していなければそのままメイン制御処理(図示省略)に戻り、メイン制御処理(図示省略)を行う過程で再度、サブルーチンの特別遊技状態処理に至ったときに、上記ステップS1以下の処理を行うが、ラウンド終了条件が成立していればステップS7で第1及び第2の変動入賞装置5,6の第1及び第2可動部材1、2用ソレノイド(SOL)5e、6eの閉鎖データをセットしてステップS8に移行する。ここで、第1及び第2の変動入賞装置5,6のうちのどちらでラウンド遊技が行われていたかに拘わらず、第1及び第2可動部材1、2用ソレノイド(SOL)5e、6e双方の閉鎖データをセットするのは、誤作動防止のためである。
ステップS8ではラウンド継続条件が成立しているか否かを判定し、ラウンド継続条件が成立していなければ、即ち、特別入賞口への入賞がないか若しくは最終ラウンド(例えば15ラウンド)であれば、ステップS9で特別遊技状態を終了(そのラウンドでラウンド遊技を終了)させるための特別遊技状態終了情報セットをしてからメイン制御処理(図示省略)に戻るが、ラウンド継続条件が成立していればメイン制御処理(図示省略)に戻る。そして、メイン制御処理(図示省略)を行う過程で再度、サブルーチンの特別遊技状態処理に至ったときに、上記ステップS1以下の処理を行う。
このように、本実施の形態では、変動表示ゲームの結果が特別結果(大当たりを発生させる停止表示態様)となって特別遊技状態を発生することによって行われるラウンド遊技は、始動記憶手段の記憶状態に関連して第1の変動入賞装置5と第2の変動入賞装置6の何れかが択一的に選択されて行われるので、特別遊技状態が発生する前や、特別遊技状態(第1ラウンド目の開始前やラウンド間も含む)中の始動入賞状態、即ち、特別遊技状態が発生する前や特別遊技状態中に遊技者自らが遊技した結果が特別遊技状態の実行態様に影響することとなって、遊技上の興趣を極めて高くすることができる。
そして、第2の変動入賞装置6が開放状態(第2状態の一形態)に変換したことに関連して遊技者に付与される遊技価値を、第1の変動入賞が開放状態(第2状態の一形態)に変換したことに関連して遊技者に付与される遊技価値よりも大きく設定しているため、どの変動入賞装置が開放されるかによって遊技者の利益状態が変化することとなり、遊技者の期待感や興趣を極めて高めることができる。ここで、第2の変動入賞装置6の第2状態への変換に関連して遊技者に付与する遊技価値を、第1の変動入賞装置5の第2状態への変換に関連して遊技者に付与する遊技価値よりも大きくするとは、第2の変動入賞装置6が第1の変動入賞装置5よりも入賞時の賞球数が多い場合の他、第2の変動入賞装置6が開放した際の入賞口の寸法の方が第2の変動入賞装置6が開放した際の入賞口の寸法より大きい場合であってもよい。また、第2の変動入賞装置6の方が第1の変動入賞装置5よりも入賞し易い位置に配設されている場合であってもよいし、第2の変動入賞装置6の方により入賞し易いように上部の障害釘が設けられている場合などであってもよい。また、第2の変動入賞装置6が第2状態に変換した場合の方が、第1の変動入賞装置5が第2状態に変換した場合よりも、始動入賞口などへ入賞し易くなるように、第1、第2の変動入賞装置6が配置されている場合でもよい。従って、この場合の遊技価値には、始動入賞も含まれる。また、遊技価値として、遊技に関する遊技上の他の特典などが得られるようになってもよい。
第2の変動入賞装置6が開放状態(第2状態の一形態)に変換したことに関連して遊技者に付与される価値を、第1の変動入賞が開放状態(第2状態の一形態)に変換したことに関連して遊技者に付与される価値よりも大きくするために、上述した例の他、第1の変動入賞装置5の開放時間より第2の変動入賞装置6の開放時間を長く設定したり、或いは、1ラウンド当たりの第1の変動入賞装置5への入賞個数より第2の変動入賞装置6への遊技球の入賞個数の方が多くなるように1ラウンドが終了する入賞個数を設定(制限)したりすることも可能である。
また、変動入賞装置制御手段として機能する遊技制御装置20は、特別遊技状態が発生した場合に、始動記憶手段として機能するRAM21bに記憶されている始動記憶数が所定数(例えば、上限記憶数「12」)に達したことを条件として、第2の変動入賞装置6を開放状態に変換することから、始動入賞口9aへの入賞が、変動表示ゲームを行うためのもの以外にも影響することとなり、しかも始動入賞は遊技者が狙って得られるといった達成感があるため、遊技に対する興趣や期待感を極めて高めることができる。また、始動入賞を増加させるために遊技者は所謂止め打ち(リーチ状態中の止め打ち)を行う頻度が低くなり遊技店の利益が減少することを防止できる。
ここで、所定数は、始動記憶の上限数であってもよいし、上限数未満の特定数(記憶数が半分以上が望ましい)であってもよい。また、始動記憶の上限は何個としても良く、上限数を比較的多く(例えば、6個、10個、12個など)設定しているような遊技機においては、所定数(上限数)に達しないことが多くなるため、第2の変動入賞装置6を開放すべく、始動入賞を狙った遊技の機会が増加し、更に興趣を高めることができる。一方、始動記憶の上限を比較的多く設定した場合、前記始動記憶数が所定数に達しないことが多くなり、第2の変動入賞装置6が開放する機会が少なくなるので、その分、特別遊技状態の発生確率を高めたり、或いは確率変動状態の発生(継続)割合を高めたりして遊技者の期待感を高めるような遊技内容とすることも可能となる。
また、変動表示ゲームがリーチ状態となった場合に、発射装置31の発射状態が継続すると、そのリーチ状態からさらに特別結果が導出されて特別遊技状態に移行した場合には、特別遊技状態中に始動記憶数がほとんどの場合上限に達して、リーチ状態の間に始動入賞した分が無駄になってしまうことから、従来より、多くの遊技者はリーチ状態が発生した場合に、該リーチ状態の結果が導出されるまで発射状態を一旦停止する、上記止め打ちを行うことが多いが、この止め打ちを行うことにより遊技機の稼働が低下して遊技店の利益が減少してしまうといった課題があった。そこで、上記のように、特別遊技状態が発生した場合に、変動入賞装置制御手段として機能する遊技制御装置20が、始動記憶手段としてのRAM21bに記憶されている始動記憶数が所定数に達した(例えば、上限記憶個数の「12」となった、或いは、所定数(6個など)以上となった)ことを条件として、第2の変動入賞装置6を遊技者にとって有利な第2状態に変換するようにしたことで、特別遊技状態が発生した際に始動記憶数が多い方が遊技者の利益が大きくなるため、リーチ状態となる以前より始動記憶数が多い方がリーチ状態となった場合に有利となり、そのため、変動表示ゲームがリーチ状態となった場合の止め打ちはもとより、リーチ状態以外でも止め打ちを行う遊技者が少なくなり遊技店の利益が減少することを防止できる。更に、遊技者は自己の遊技の仕方により始動記憶数を多くして、第2の変動入賞装置6が開放する特別遊技状態を発生させた場合には、遊技者の喜びを極めて高めることができる。
また、特別遊技状態は、第1、第2の変動入賞装置5,6の何れの場合も、開放状態(第2状態の一形態)へ変換してから閉鎖状態(第1状態の一形態)へ復帰するまでを1ラウンドとして、各ラウンド中に継続条件が成立した場合に、選択された前記第1、第2の変動入賞装置5,6の何れかによって次のラウンドが継続して行われるというラウンド遊技単位で進行するものとされ、変動入賞装置制御手段として機能する遊技制御装置20は、ラウンド遊技の開始時に始動記憶手段として機能するRAM21bに記憶されている始動記憶数が所定数未満(例えば、上限始動記憶数「12」)であった場合に行われる当該ラウンド遊技においては第1の変動入賞装置5を開放状態に変換するが、ラウンド遊技の開始時に始動記憶手段に記憶されている始動記憶数が所定数に達している場合に行われる当該ラウンド遊技においては第2の変動入賞装置6を開放状態に変換するようにしたことから、ラウンド遊技単位で、開放する変動入賞装置の変更が可能となって、特別遊技状態の遊技内容が多彩化するとともに特別遊技状態中における始動入賞が遊技上重要となり、どのように遊技しても遊技者の利益が殆ど一定であり特別遊技状態が単に消化ゲーム的であった従来の遊技機に比べ、特別遊技状態中の遊技内容を興趣性の高いものにできる。更に、特別遊技状態の発生時にその特別遊技状態で得られる利益が決まってしまう従来の遊技機に比べ、特別遊技状態の発生時には始動記憶数が少なくても、その後増加すれば価値の高い特別遊技状態に変化する可能性を残せることとなって、遊技者の期待感を持続することができる。ここに、所定数は、所定数(始動記憶数)の上限であってもよいし、上限数未満の特定数(始動記憶数の半分以上が望ましい)であってもよい。
また、変動表示ゲームがリーチ状態となっている場合においては、始動記憶手段としてのRAM21bに現在記憶されている始動記憶数との関係で、当該変動表示ゲームにより発生する特別遊技状態によって前記第1、第2の変動入賞装置5,6の何れが開放状態に変換するかを報知する報知手段として機能する変動表示装置4aの予告報知領域4dを備えたことから、始動記憶数に応じて特別遊技状態時に開放する変動入賞装置が変化するといった遊技内容を遊技者に的確に知らしめることができる。また、リーチ状態が発生した場合に、遊技者に始動記憶数を増加させることを促すことができ、遊技者の期待感を高めるとともに遊技店の利益が減少することを防止できる。ここで、報知手段による報知は遊技者に認識させられるものであれば、実施の形態の報知形式に限定せず、どのような報知形式(音声による報知など)をとってもよい。
なお、上記実施の形態では、特別遊技状態の発生時に始動記憶数が上限に達していない場合でも、その後に上限に達したら、その次のラウンド遊技で第2の変動入賞装置6を開放するようにしているが、特別遊技状態の発生時の始動記憶数に基づいて、その特別遊技状態中の全てのラウンド遊技において開放する変動入賞装置を選択するようにしてもよい。即ち、例えば、特別遊技状態の発生時に始動記憶数が上限に達していない場合には、第1の変動入賞装置5を選択して15ラウンド全てのラウンド遊技において第1の変動入賞装置5が開放することとなる。このようにすれば、特別遊技状態発生時の始動記憶数が遊技上非常に重要となり、遊技者に注目させることができる。また、第1の変動入賞装置5が開放する機会が増加する分、特別遊技状態の発生確率を比較的高く設定でき、遊技者の期待感を高めることができる。
また、上記実施の形態においては、各ラウンド遊技の開始のタイミングで変動入賞装置をどちらにするかを判定するようにしているが、特別結果の確定後で変動入賞装置が開放する以前に所定のタイミングで変動入賞装置をどちらにするかを判定するようにしてもよいし、特別結果の確定(導出)時に始動記憶数を判定するようにしてもよい。このようにすれば、遊技店の不利益が増大することを防止できるし、リーチ状態中には止め打ちを行って、特別結果が導出された時点で発射を再開するというような遊技店にとって不利益となる遊技が行われることを防止できる。
また、第1の変動入賞装置5に対する賞球の方を多く(例えば、15個に)するとともに第2の変動入賞装置6に対する賞球の方を少なく(例えば、11個に)し、特別遊技状態が発生した場合の始動記憶数が所定数未満(例えば、上限数未満)の場合に第2の変動入賞装置6を開放し、所定数に達した場合に第1の変動入賞装置5を開放するようにしても良い。このようにすれば、始動記憶数が所定数未満で特別遊技状態が発生した場合であっても上記実施の形態の場合に比べ特別遊技状態中に始動入賞し易くなり、遊技者の不満を抑えることができる。
また、各変動入賞装置(第1、第2の変動入賞装置5,6)の配置は、上記実施の形態以外の配置でも良く、例えば、第1の変動入賞装置5は、始動入賞口9aへの遊技球の流下経路上に位置していればよく、始動入賞口9aの直上でなく、変動表示装置4aの側部(遊技盤1の左右方向の左側部)に形成される始動入賞経路上に設けるようにしてもよい。すなわち、始動入賞口9a方向へ向かって流下する遊技球の流下状態に影響を及ぼす位置に第1の変動入賞装置5を設けてもよい。
始動入賞口の直上には始動入賞率を調整する複数の障害釘を設ける必要があるため、始動入賞口と第1の変動入賞装置5はある程度の距離をとって障害釘を配設するスペースを設けることが望ましい。
なお、始動入賞口への遊技球の流下経路は、障害釘や他の役物装置等で形成されている。
また、始動記憶数の上限を変更する始動記憶数上限変更手段を例えば上記遊技制御装置20に備えるようにしても良い。そして、例えば、特別遊技状態の発生を契機に始動記憶数の上限を変更するようにすれば、その所定数(例えば、上限数)の変更により、第2の変動入賞装置6の開放する難易度が変化することとなり、興趣を高めることができる。
また、表示状態が変化する変動表示が可能な変動表示装置を備え、始動条件の成立に基づき該変動表示装置で複数の図柄による変動表示ゲームを始動し、該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技者にとって不利な第1状態と遊技者にとって有利な第2状態とに変換可能であるとともに、第2状態への変換に関連して遊技者に付与する遊技価値(変動入賞装置の大入賞口への入賞のし易さ、1入賞当たりの賞球数、始動入賞口などへの入賞のし易さ、遊技に関する遊技上の他の特典など)が異なるように設定された複数の変動入賞装置と、前記特別遊技状態が発生した場合に、前記複数の変動入賞装置のうちの何れか1つを開放させる変動入賞装置制御手段と、を備え、前記変動入賞装置制御手段は、所定条件の成立(例えば、始動記憶数が所定数に達することを条件とするなど)に基づき、前記特別遊技状態中に先に開放させた変動入賞装置とは別の変動入賞装置に変更して開放させる変動入賞装置変更手段を含んでいる遊技機としてもよい。
また、第2状態への変換に関連して遊技者に付与する遊技価値の異なる3以上の変動入賞装置を備え、始動記憶数が多いほど、遊技価値の大きい変動入賞装置を第2状態に変換するようにしてもよい。
また、前記変動入賞装置制御手段は、特別遊技状態の発生により最初(初回のラウンド遊技)に開放する変動入賞装置を(初回は選択せずに)遊技価値の低い(例えば、得られる賞球数などが少ない)変動入賞装置にし、最初以外の後に行われるラウンド遊技のときに始動記憶数に関連させて開放させる変動入賞装置を選択するようにしてもよい。
このようにすれば、特別図柄組合せ態様で決定した変動入賞装置を特別遊技状態中に全てのラウンド遊技で開放するようにしていた従来の遊技機よりも、特別遊技状態中の興趣を高めることができる。また、遊技価値の低い変動入賞装置が最初に開放した場合でも、その後遊技価値の高い変動入賞装置に変更される場合があるため、遊技者の期待感を高めることができる。
なお、上記所定条件の成立は、始動記憶数が所定数以上となった場合、乱数の抽出結果が特定の乱数値を抽出した結果となった場合、先に開放した変動入賞装置への遊技球の入賞態様が特定の入賞態様(例えば、上限数の入賞)となった場合、などに成立するようにしてもよい。
次に、図7及び図8を用いて、この発明の変形例について説明する。
図7は大当たりの発生した状態画面表示から、乱数の抽出結果に応じた変動入賞装置決定ゲームが行われている状態の画面表示への変化を示し、図8は大当たり発生時に変動入賞装置決定手段として機能する遊技制御装置20によって大当たり発生時に、遊技上行われているメイン制御処理(図示省略)のサブルーチンとしての変動入賞装置決定処理のフローチャートを示す。なお、図6での変動入賞装置の決定に関する処理は行われないものとする。
この変形例は、始動記憶範囲を始動記憶数に応じて複数範囲(例えば、始動記憶数が0〜5の場合を範囲1、始動記憶数が6〜9の場合を範囲2、始動記憶数が10〜12の場合を範囲3)に分けておき、大当たり発生時に、その範囲に応じてラウンド遊技が第2の変動入賞装置6で行われる確率が高くなるように制御される。
遊技制御装置20が遊技上行うメイン制御処理(図示省略)のサブルーチンとしての変動入賞装置決定処理を図8のフローチャートに沿って説明すると、先ず、ステップR1で大当たりが発生したか否かを判定し、発生していなければそのままステップR1に戻り、発生していればステップR2おいて遊技制御装置20のCPU21aで生成された乱数を抽出する。次いで、ステップR3で始動記憶数の範囲に応じて、第2の変動入賞装置6を選択する確率を変化させるように、遊技制御装置20のROM21c中から判定値を選択する。例えば、始動記憶数が0〜5の範囲1である場合は、第2の変動入賞装置6が選択される確率が低くなる(例えば、30%の確率)ような判定値を選択し、始動記憶数が6〜9の範囲2である場合は、第2の変動入賞装置6が選択される確率が中位となる(例えば、50%の確率)ような判定値を選択し、始動記憶数が10〜12の範囲3である場合は、第2の変動入賞装置6が選択される確率が高くなる(例えば、80%の確率)ような判定値を選択する。
そして、その後、ステップR4において、ステップR2で抽出した乱数とステップR3で選択した判定値と比較判定した判定結果に基づいて第1の変動入賞装置5を選択するか、第2の変動入賞装置6を選択するかを決定して、遊技制御装置20が行っている遊技上のメイン制御処理(図示省略)に戻る。
この変形例は、上記のように、始動記憶範囲を始動記憶数に応じて複数範囲に分けておき、大当たり発生時に、その範囲に応じてラウンド遊技が第2の変動入賞装置6で行われる確率が高くなるように制御されるので、遊技者は、特別遊技状態の発生によって行われるラウンド遊技が第2の変動入賞装置6で行われる確率が高くなることを期待して、始動記憶が多くなるように遊技を行うようになり、その結果、所謂止め打ちを行う頻度が低くなって遊技店の利益が減少することを防止できる。
即ち、変動入賞装置制御手段として機能する遊技制御装置20は、乱数の抽出結果に基づいて開放状態に変換する変動入賞装置を選択するが、特別遊技状態が発生した場合に、始動記憶手段として機能するRAM21bに記憶されている始動記憶数に応じて開放する変動入賞装置の選択基準を変更することから、開放する変動入賞装置の選択を、ある程度変動入賞装置制御手段上で設定することができ、遊技者と遊技店との利益バランスが余りにもどちらかに偏ってしまうことを防止できる。
なお、この変形例では、始動記憶数を3つの範囲に分けたが、それに限定せず、複数範囲であれば、いくつに分けても良い。
また、大当たり発生時に、その大当たり(特別遊技状態)中の全ラウンド遊技で第2状態に変換する変動入賞装置を決定しているが、各ラウンド遊技毎に乱数を抽出して、各ラウンド毎に第2状態に変換する変動入賞装置を決定するようにしてもよい。
また、その範囲に応じて変化する第2の変動入賞装置6の選択確率も適宜設計変更して使ってよいことはいうまでもない。
次ぎに、本発明の第2の実施の形態について、図9〜図14の図面を参照しながら説明する。なお、第2の実施の形態としての遊技機であるパチンコ遊技機は、そのハード構成及び主な制御の仕方は、第1の実施の形態のパチンコ遊技機と同様となっている。そして、第2の実施の形態の第1の実施の形態との相違点は、第1の実施の形態においては、変動表示ゲームが特別結果となって、特別遊技状態となった場合の始動記憶数に基づいて第1の変動入賞装置5と第2の変動入賞装置6とのうちの何れを開放状態とするかを決定していたのに対して、変動表示ゲームがリーチ状態となった場合にリーチ状態中に遊技球が始動入賞装置9に始動入賞した回数を特定始動記憶数として始動記憶数とは別にカウントし、特定始動記憶数に基づいて第1の変動入賞装置5と第2の変動入賞装置6とのうちの何れを開放状態とするかを決定するようにしたものである。
なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に始動記憶数に基づく第1の変動入賞装置5と第2の変動入賞装置6との選択も行うようになっており、変動表示ゲームが特別結果となって特定遊技状態となった場合に、始動記憶数が所定数(例えば、12)以上となる条件と、特定始動記憶数が所定数(例えば、4)以上となる条件とのうちの少なくとも一方の条件が成立した場合(両方の条件が成立した場合を含む)に、第1の変動入賞装置5よりも開放状態となった場合に遊技者が得る遊技価値が大きな第2の変動入賞装置6が選択されるようになっている。また、第2の実施の形態では、第1の実施の形態のように特別遊技状態のサイクル遊技におけるラウンド毎に、始動記憶数が所定数以上か否かが判定され、特定遊技状態中に始動記憶数が所定数に達した場合に、開放状態となる変動入賞装置が第1の変動入賞装置5から第2の変動入賞装置6に変更されることはなく、第1の変動入賞装置5と第2の変動入賞装置6とのうちの最初のラウンドで開放状態となった一方の選択された変動入賞装置が特別遊技状態が終了するまでラウンド毎に開放状態となる。
以上のように、第2の実施の形態の第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略し、以下に第1の実施の形態と異なる構成を説明する。
図9に基づいて、上述の変動表示ゲームがリーチ状態となった際のリーチ状態中の始動入賞数を特定始動記憶数としてカウントする始動入賞処理を説明する。図9は、遊技制御装置20で行われるメイン制御処理のサブルーチンとしての始動入賞処理の手順を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が開始されると、まず、ステップQ1で始動入賞したか否かが判定される。すなわち、始動入賞装置9の始動入賞口9aへ遊技球が入賞して特図始動センサ9fから遊技球の検知を示す信号が遊技制御装置20に入力しているか否かを判定し、始動入賞したと判定された場合には、次ぎに、ステップQ2において、始動記憶手段としてのRAM21bに記憶されている始動記憶数が上限数(所定数:例えば、「12」)となっているか否かを判定する。そして、始動記憶数が上限数となっていない場合には、始動記憶数を1つ増加させる。すなわち、始動記憶数としてRAM21bに設定されたカウンタのカウント値を1つ増加させる。次ぎに、ステップQ3として、RAM21bに所定タイミング毎に記憶更新されている大当り判定用の乱数値を抽出し、これを始動記憶数に対応付けてRAM21bに記憶する。なお、抽出して記憶された乱数値は、大当り用の判定値と比較されて、乱数値が大当り用判定値と同じ場合に、乱数値が対応する始動記憶に基づいて開始される変動表示ゲームが大当り(特別結果)となる。
また、ステップQ2において、始動入賞数が上限数となっていると判定された場合には、ステップQ3,Q4の処理を行わずにステップQ5の処理に進む。従って、始動記憶数が上限となっている場合には、始動記憶数がそれ以上増加することがないとともに、大当り判定用の乱数の抽出も行われない。このステップQ1〜Q4までの処理は、上述の第1の実施の形態のパチンコ遊技機でも行われている処理であり、始動記憶数をカウントアップする処理である。そして、ステップQ5からの処理が、リーチ状態中の始動入賞の回数である特定始動記憶数を求めるとともに、特定始動記憶数が所定数(例えば「4」)となるとともに途中結果がリーチ状態となった変動表示ゲームにおいて結果が特別結果となった場合、第1の変動入賞装置5ではなく第2の変動入賞装置6を選択する特別遊技状態処理を行う際に参照する条件成立フラグをセットする処理となる。
次ぎに、ステップQ5においては、リーチ状態中か否かを判定する。
ここで、リーチ状態とは、変動表示ゲームを終了(停止)させる途中段階で特別結果が導出される可能性が残る途中停止態様が導出された際に、通常とは異なる長い時間変動表示ゲームが行われる状態のこと、例えば、複数の変動表示領域(4ba、4bb、4bc)の識別情報を順に停止する過程において、一部の変動表示領域が未だ未停止の状態で、既に停止している複数の変動表示領域に特別結果が導出される可能性が残っている途中停止態様が導出された際に、未停止の変動表示領域において、通常とな異なる変動表示態様、例えば、遊技者に変動中の識別情報が認識可能な程度の速度で変動表示態様を長い時間(通常は、高速変動から停止までは1秒等の短い時間であるが、それよりも長い時間)行う状態である。
なお、特別結果が導出される可能性が残っている途中停止態様とは、この例において、特別結果が複数の複数の変動表示領域(4ba、4bb、4bc)において、識別情報として同じ図柄が揃うこと、すなわち、ぞろ目となることなので、既に停止している複数の変動表示領域(例えば、左の第1の変動表示領域4baと右の第3の変動表示領域4bc)に同じ図柄の識別情報が停止表示された場合である。
また、リーチ状態中の期間とは、変動表示ゲーム開始後、リーチとなる途中停止態様が導出された時点(すなわち、二番目に識別情報が停止する第3の変動表示領域4bcで識別情報がリーチとなるように停止表示された時点)から全ての変動表示領域において識別情報が停止表示される(変動表示が終了する)までの間である。例えば、リーチ状態中とは、変動表示ゲーム開始後、第1の変動表示領域4baで識別情報が停止表示された後に第3の変動表示領域4bcで、第1の変動表示領域4baと同じ識別情報が停止表示されてから、第2の変動表示領域4bbで識別情報が停止表示されるまでの間である。なお、リーチ状態が終了する時点は、最後となる第2の変動表示領域4bbで識別情報が停止表示された瞬間である必要はなく、例えば、変動表示ゲームがリーチ状態後に特別結果となった場合に、変動表示ゲーム終了後に特別遊技状態が開始されるまで(例えば、特別遊技状態の開始を示す表示が行われるまで)リーチ状態中としても良いし、第1の変動入賞装置5もしくは第2の変動入賞装置6が開放状態となる直前としても良い。
ステップQ5において、リーチ状態中ではないと判定された場合には始動入賞処理を終了する。ステップQ5において、リーチ状態中と判定された場合には、ステップQ7において、始動記憶数が上限か否かを判定する。そして、始動記憶数が上限となっている場合、すなわち、始動記憶数が所定数以上となっている場合には、この例において、第1の変動入賞装置5ではなく、第2の変動入賞装置6を開放状態とする設定となっているので、ステップQ12に進み、ステップQ12で条件成立フラグをセットする。
また、ステップQ6において、始動記憶数が上限でないと判定された場合には、ステップQ7において、条件成立フラグがONとされているか、すなわちセットされているかを判定し、条件成立フラグが既にONとなっている場合には、始動入賞処理を終了する。
これにより、既に前回の処理で始動記憶数と特定始動記憶数との少なくも一方が所定数に達して、条件成立フラグがセットされている場合には、特定始動記憶数をさらに増加することなく処理を終了する。
また、条件成立フラグがONとなっていない場合には、ステップQ8において、未だ特定始動記憶数が所定数に達していないので、RAM21bに設定されたカウンタのカウント値としての特定始動記憶数を1増加する。次ぎに、ステップQ9において、特定始動記憶数が所定値(所定数)に至ったか否かが判定され、特定始動記憶数が所定値に至っていない場合には、始動入賞処理を終了し、所定値に至っている場合には、ステップQ10において、条件成立フラグをセットして処理を終了する。
また、ステップQ1において、始動入賞ではないと判定された場合に、ステップQ11において、リーチ状態中か否かを判定し、リーチ状態中の場合は処理を終了し、リーチ状態中でない場合には、ステップQ12において、大当り状態中(特別遊技状態中)か否かが判定される。そして、大当り状態中と判定された場合には、始動入賞処理を終了する。大当り状態中ではないと判定された場合には、ステップQ13において、特定始動記憶数をクリアして0とするとともに、前記条件成立フラグをクリアする。すなわち、ステップQ11〜Q13の処理は、以前に行われた変動表示ゲームで、且つ、途中結果がリーチ態様となった最新の変動表示ゲーム(最後にリーチ状態となった変動表示ゲーム)において、特定始動記憶数がカウントされた場合や条件成立フラグがセットされた場合に、カウントされた特別始動記憶数やセットされた条件成立フラグをクリアするための処理である。なお、大当り状態中においては、後述する第2の実施の形態の特別遊技状態処理において、条件成立フラグが使用されるため、リーチ状態から特別遊技状態となった際に条件成立フラグをクリアせず、特別遊技状態が終了した後に条件成立フラグをクリアすることになる。
上記ステップQ5〜Q12の処理構成(手段)が、請求項7に係る発明としての遊技機が、遊技球の入賞に基づき前記始動条件を付与可能な始動入賞口9aを備え、前記始動記憶手段(遊技制御装置20のRAM21b)は、前記変動表示ゲームがリーチ状態となっている期間中における前記始動入賞口9aへの遊技球の入賞を特定始動記憶として記憶する特定始動記憶手段(遊技制御装置20のRAM21b)を含むという構成に対応している。
以上の始動入賞処理により、始動記憶数がカウントされるとともに、リーチ状態の場合に限り特定始動記憶数がカウントされ、かつ、変動表示ゲームがリーチ状態中に始動記憶数が上限(所定数)となっている場合と、リーチ状態中に特定始動記憶数が所定数に達した場合に、条件成立フラグがセットされる。なお、このフローでは、リーチ状態となる前の段階で、始動記憶数が所定数(上限数、例えば12)となるまでの残りとなる数値が、特定始動記憶数の設定された所定数(例えば、4)より小さいと、特定始動記憶数が所定数となることはなく、始動記憶数が所定数となったところで、特定遊技状態(大当り)となった際に、第1の変動入賞装置5ではなく第2の変動入賞装置6が開放状態となる条件が成立(条件成立フラグがON)する。なお、以下のように、特定始動記憶数の所定数を変更可能として、リーチ状態となった際に、始動記憶数の所定数までの残り数値が特定始動記憶数の予め設定された所定数より小くなった場合は、特定始動記憶数の所定数を前記残り数値と同じ数値となるように変更しても良いし、逆に、始動記憶数に関係なく、リーチ状態中に特定始動記憶数をカウントするもの(始動記憶数が上限数となっても、特定始動記憶数のカウントを行うもの)とし、始動記憶数が上限数となっても特定始動記憶数が所定数とならなければ、特別遊技状態となった際に第2の変動入賞装置6が開放状態となる条件が成立しないものとしても良い。
次ぎに、図10に基づいて、特別遊技状態中に上述の条件設定フラグを参照して、第1の変動入賞装置5を開放するか、第2の変動入賞装置6を開放するかを決定する特別遊技状態処理を説明する。図10は、遊技制御装置20で行われるメイン制御処理のサブルーチンとしての特別遊技状態処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2の実施の形態の特別遊技状態処理は、図6に示す第1の実施の形態の特別遊技状態処理と、略同様な処理であり、図6に示すフローチャートのステップS3の処理だけを変更したものであり、他のステップは、第一の実施の形態と同様の処理を行うのでステップS3a以外の説明を簡略化する。
第2の実施の形態の特別遊技状態処理が開始されると、第1の実施の形態の場合と同様に、ステップS1でラウンド遊技のラウンド開始の条件が成立したか否かが判定され、成立していると判定されたときにはステップS2でラウンド数を「+1」加算してステップS3aに移行し、成立していないと判定されたときにはそのままステップS6に移行する。
ステップS3aでは、条件成立フラグがセットされてONとなっているか否かを判定し、ONとなっていなければステップS4で第1の変動入賞装置5の第1可動部材1用ソレノイド(SOL)5eを作動させて第1可動部材5aを開放させるための開放データをセットしてステップS6に移行し、条件成立フラグがONとなっていればステップS5で第2の変動入賞装置6の第2可動部材2用ソレノイド(SOL)6eを作動させて第2可動部材6aを開放させるための開放データをセットしてステップS6に移行する。従って、上述のように始動入賞処理において、特別遊技状態となる前の結果がリーチ状態を経て特別結果となる変動表示ゲーム中において、始動記憶数が所定数(上限数)となっているか、もしくは、前記変動表示ゲームがリーチ状態中の間に、特別始動記憶数が所定数となった場合(条件成立フラグがONの場合)に、第1の変動入賞装置5が開放状態となった場合よりも遊技者に大きな遊技価値を与えることが可能となるように第2の変動入賞装置6が開放状態となる。
上記ステップS3a〜S5の処理構成(手段)が、請求項7に係る発明の、変動入賞装置制御手段として機能する遊技制御装置20は、リーチ状態の後に特別遊技状態が発生した場合に、前記特定始動記憶手段(遊技制御装置20のRAM21b)に記憶されている特定始動記憶数が所定数以上となったことを条件として、前記第2の変動入賞装置6を前記第2状態(開放状態)に変換する構成に対応している。
このような構成により、変動入賞装置制御手段として機能する遊技制御装置20は、特別遊技状態が発生した場合に、始動記憶手段(RAM21b)に記憶されている始動記憶数が所定数以上となった(上限記憶数に達した)ことと、特定始動記憶手段(RAM21b)に記憶されている特定始動記憶数が所定数以上となった(上限記憶数に達した)こととのうちの少なくとも一方が成立することを条件として、第2の変動入賞装置6を第2状態に変換する。
ステップS6ではラウンド終了条件が成立したか否かを判定し、ラウンド終了条件が成立していなければそのままメイン制御処理に戻り、メイン制御処理を行う過程で再度、サブルーチンの特別遊技状態処理に至ったときに、上記ステップS1以下の処理を行うが、ラウンド終了条件が成立していればステップS7で第1及び第2の変動入賞装置5,6の第1及び第2可動部材1、2用ソレノイド(SOL)5e、6eの閉鎖データをセットしてステップS8に移行する。
ステップS8ではラウンド継続条件が成立しているか否かを判定し、ラウンド継続条件が成立していなければ、ステップS9で特別遊技状態を終了させるための特別遊技状態終了情報セットをしてからメイン制御処理に戻るが、ラウンド継続条件が成立していればメイン制御処理に戻る。そして、メイン制御処理を行う過程で再度、サブルーチンの特別遊技状態処理に至ったときに、上記ステップS1以下の処理を行う。なお、図10のフローチャートでは、図6のフローチャートの場合と同様に特別遊技状態のラウンド毎に、第1の変動入賞装置5と第2の変動入賞装置6とのいずれを開放状態にするかの決定を行う処理を行っているが、この処理を特別遊技状態開始時に1回だけ行うようにしても良い。
次ぎに、図11のタイミングチャートと、図12及び図13に示す変動表示装置4aの表示領域4aaの画像表示を参照しながら、変動表示ゲームの開始後、リーチ状態を経て大当たり(特別遊技)が発生し、その後に行われるラウンド遊技の途中までの期間中における始動記憶、変動入賞装置によって行われるラウンド遊技及び変動入賞装置に関する情報表示について説明する。
図11のタイミングチャートに示すように、本発明の遊技機であるパチンコ遊技機において、変動表示ゲームが開始される。また、パチンコ遊技機においては、始動入賞(始動入賞口9aへの遊技球の入賞)がある度に、始動記憶数に1加算され、変動表示ゲームが開始される度に始動記憶数が1減算される。ここで、図11のタイミングチャートの(丸1)のタイミングでは、変動表示ゲームが開始された後に始動記憶数が4個であったのが、5になり、例えば、図12(A)に示すように、変動表示装置4aの表示領域4aa内の上部の始動記憶表示領域4cの5個の始動記憶表示部4ca〜4ceの色を変化させて始動記憶数が未だ「5」である旨の報知を行う。なお、始動記憶表示部4ca〜4clの色の変化は、始動記憶数の増減に基づいて変化し、始動記憶数と同数の始動記憶表示部4ca〜4clの色が変化することにより、始動記憶数を報知している。
次ぎに、図11に示すように、変動表示ゲームにおいて、リーチ状態となると、図12(B)に示すように、表示領域4aaにおいて、第一の変動表示領域4baと第2の変動表示領域4bcとに同じ図柄の識別情報が停止表示されるとともにリーチ状態を報知する表示が行われ、さらに、表示領域4aaの始動記憶表示領域4cの下が、特定始動記憶表示領域4hとされる。そして、特定始動記憶表示領域4hには、特定始動記憶数の所定数である例えば4つの特定始動記憶表示部4ha〜4hdが表示される。そして、図11のタイミングチャートの(丸2)のタイミングで、始動入賞があると、第1の実施の形態と同様に始動記憶表示部4ca〜4clの表示の変更が行われるとともに、始動記憶表示部4ca〜4clとほぼ同様に、表示制御情報としてリーチ状態中に遊技制御装置20において特定始動記憶数が始動入賞毎に+1され、特定始動記憶数がカウントアップされる毎に遊技制御装置20から演出制御装置40に特定始動記憶情報が送信される。
そして、演出制御装置40は該情報の受信により特定始動記憶表示領域4hの特定始動記憶表示部4ha〜4hdの表示を更新する。これにより、特定始動記憶数と同数の特定始動記憶表示部4ha〜4hdの色が始動記憶表示部4ca〜4clと同様に変更される。ここで、例えば、変動表示ゲームの途中結果がリーチ態様となってからリーチ状態中に、始動入賞が二回あると、図12(B)に示すように特定始動記憶表示領域4hの特定始動記憶表示部4ha〜4hdのうちの2つの特定始動記憶表示部4ha,4hbの色が変更され、特定始動記憶数が2であることが報知される。なお、この際に始動記憶数もカウントアップされ、始動記憶表示領域4cで報知される。
また、図12(B)に示すようにリーチ状態中は、第1の実施の形態と同様の情報表示領域4eに、“チャンスタイム!!始動記憶を増やした方が大当たりした際にお得です”等の遊技者が本発明の遊技機の遊技として知っておいた方が有利な情報(遊技方法を指導する情報)の表示を行う。なお、第2の実施の形態においては、例えば、始動記憶数が所定数(上限数:例えば12)の半分以下(例えば、6以下)等の少ない数値であって、変動表示ゲームがリーチ状態後に特別結果となって大当りが発生しても、その前までに、始動記憶数を所定数とすることが困難な状態であっても、リーチ状態中の始動入賞数である特定始動記憶数が所定数(例えば、4)となれば第1の変動入賞装置5が作動した場合に比較して遊技者が獲得する遊技価値がより大きな第2の変動入賞装置6が作動することになる。従って、リーチ状態中は、遊技者がより大きな遊技価値を取得するための機会を得る可能性が高められた状態となり、チャンスタイムとなる。
また、変動表示ゲームがリーチ状態中において、図12(B)に示すように、始動記憶表示領域4cの始動記憶表示部4ca〜4clに色の変化で報知しているように、始動記憶数が7となった状態で所定数(上限数)に達せず、また、特定始動記憶表示領域4hの特定始動記憶表示部4ha〜4hdに色の変化で報知しているように、特定始動記憶数が2となった状態で所定数に達していない場合には、第1の実施の形態と同様の予告報知領域4dの予告表示は「アタッカー1」の文字を例えば白抜き(白以外の色でもよい)で表示することによって、特別遊技状態が発生した場合に第1の変動入賞装置5を開放することによって行う旨の予告表示をする。すなわち、始動記憶数と特定始動記憶数との少なくとも一方が所定数となっていない状態では、リーチ状態後に特別遊技状態となった場合に、第1の変動表示装置5が作動することが報知される。
そして、図11に示すように、(丸3)、(丸4)のタイミングで変動表示ゲー-ムの変動表示が開始されリーチ状態を経て停止し、その停止の結果が特別結果となって大当たり(特別遊技状態)が発生した場合には、その後(所定時間(例えば、5秒)経過後:この期間が大当りファンファーレ状態)、特別遊技状態としてラウンド遊技が開始され、各ラウンド毎に継続条件が満たされて、ラウンド遊技が第1ラウンド、第2ラウンド、…と進行し、その後、さらに継続条件が満たされると、上限回数(15ラウンド)まで進行するようになっている。
上述のように特別遊技状態が発生した際に、始動入賞数が所定数に達せず、また、特定始動記憶数が所定数に達しない場合には、上述の特別遊技状態処理において、第1の変動入賞装置5の可動部材5aを作動させる可動部材1用ソレノイド5eを開放させるデータがセットされ、第1の変動入賞装置5を開放状態とするサイクル遊技が開始される。
また、変動表示ゲームが特別結果となった場合には、図12(C)に示すように、第1〜第3の変動表示領域4ba〜4bcに同じ図柄の識別情報が停止表示されるとともに大当り確定が表示され、この際に上述のように始動記憶数と特定始動記憶数との両方とも所定数に達していないと、予告報知領域4dの予告表示は「アタッカー1」のままとされ、第1の変動入賞装置5が作動することが報知された状態となり、さらに情報表示領域4eに”残念 アタッカー1が開きます”等の特別遊技状態中には第1の変動入賞装置5が作動することを報知するようになっている。
一方、変動表示ゲームがリーチ状態となり、リーチ状態中に、特定始動記憶数の所定数となる回数だけ始動入賞があり、特定始動記憶数が所定数となると、予告報知領域4dの予告表示は「アタッカー2」とされ、リーチ状態後変動表示ゲームが特別結果となって特別遊技状態が発生すると、第2の変動入賞装置6が開放状態となるサイクル遊技が行われることが報知される。また、その後変動表示ゲームの結果が特別結果となると、図13(D)に示すように、表示領域4aaにおいて、全ての識別情報が同じ図柄となって停止表示されるとともに大当り確定の表示が行われ、予告報知領域4dに上述のようにアタッカー2が予告表示され、さらに、情報表示領域4eに”ヤッタネ アタッカー2が開きます。”と表示され、特別遊技状態において、第2の変動入賞装置6が作動することが報知される。
また、図11に示すように、タイミングチャートの(丸5)のタイミング、すなわち、特別遊技状態中(特定始動記憶数が所定数となった場合の特別遊技状態中)においては、図13(E)に示すように、例えば、第1の変動表示領域4baが特別遊技状態発生図柄報知領域に変化してどの識別情報(図柄)で特別遊技態様が発生したかを報知(この実施の形態では、「7」の図柄を表示することにより、「7」の図柄のぞろ目「7,7,7」で、特別遊技状態が発生したことを報知)し、第2の変動表示領域4bbがラウンド遊技の継続した回数(ラウンド数)を報知するラウンド数表示領域に変化して、何ラウンド目のラウンド遊技が行われているかをラウンド数で示す。
また、第3の変動表示領域4bcが継続条件成立情報表示領域4fと変動入賞装置選択報知領域4gとに変化し、継続条件成立情報表示領域4fには、ラウンド遊技の継続条件の成立を報知する表示が行われ、変動入賞装置選択報知領域4gには、特定始動記憶数が所定数に達して条件成立フラグがONとなったことに基づいて第2の変動入賞装置6が開放されるサイクル遊技が行われていることを報知する表示が行われる。
以上のことから、変動表示ゲームがリーチ状態となっている場合においては、特定始動記憶手段(RAM21b)に現在記憶されている特定始動記憶数との関係で、当該変動表示ゲームにより発生する特別遊技状態によって第1、第2の変動入賞装置5,6の何れが遊技者にとって有利な第2状態に変換するかを報知手段として機能する変動表示装置4aが報知する。なお、この場合には、例えば、変動表示ゲームがリーチ状態中に遊技制御装置20においてカウントされる特定始動記憶数が所定数となった場合に、遊技制御装置2から演出制御装置40に、特定始動記憶数が所定数となったことを示す報知表示情報が送信され、演出制御装置40は、報知表示情報に基づいて、報知表示情報が受信されるまでは、特別遊技状態となった際に第1の変動入賞装置5が作動することを報知する表示制御を変動表示装置4aに対して行い、報知制御情報が受信された場合には、特別遊技状態となった場合に第2の変動入賞装置6が作動することを報知する表示制御を変動表示装置4aに対して行う。
なお、演出制御装置40において、例えば、リーチ状態中に遊技制御装置20から始動入賞毎に送信される始動入賞情報をカウントして、リーチ状態中に受信された始動入賞情報のカウント値が特定始動記憶数の所定数に達していない場合には、演出制御装置40が、特別遊技状態となった際に第1の変動入賞装置5が作動することを報知する表示制御を変動表示装置4aに対して行い、リーチ状態中に受信された始動入賞情報のカウント値が特定始動記憶数の所定数に達した場合には、特別遊技状態となった場合に第2の変動入賞装置6が作動することを報知する表示制御を変動表示装置4aに対して行うようにしても良い。
なお、上述の第2の実施の形態では、変動表示ゲームの途中結果がリーチ態様となった際に、既に、始動記憶数の所定数までの残りの数値が特定始動記憶数の所定数より小さいと、特定始動記憶数が所定数に達することがなく、始動記憶数が所定数(条件数)となったところで、条件成立フラグがONとなるが、図14に示すように、変動表示ゲームの途中結果がリーチ態様となった際に(図11の(丸6)のタイミング)、始動記憶数の所定数(上限数)までの残りの数値が、特定始動記憶数の所定数より小さい場合に、特定始動記憶数の所定数を前記残りの数値に変更するようにしても良い。図14に示す場合には、リーチ状態となる前に始動記憶数の所定数までの残りの数値が2とされているので、特定始動記憶数の所定数が2に変更される。そして、変動表示装置4aの特定始動記憶表示領域4hには、変更された特定始動記憶数の所定数に対応して特定始動記憶表示部4ha,4hbが二つだけ表示される。
このようにした場合には、始動記憶数が所定数(上限数)となった場合には、特定始動記憶数も所定数となるので、条件成立フラグがONとなった際には、特定始動記憶数が必ず所定数となっていることになる。従って、特定始動記憶数が所定数となるという条件が成立しなければ、条件成立フラグはONせず、リーチ状態後特別結果が成立して特定遊技状態が発生した場合にリーチ状態中に特定始動記憶数が所定数となっていなければ、第1の変動入賞装置5が開放状態となる動作を行い、リーチ状態中に特定始動記憶数が所定数となっていれば、第2の変動入賞装置6が開放状態となる動作を行う。
以上のような第2の実施の形態では、遊技球の入賞に基づき前記始動条件を付与可能な始動入賞口を備え、前記始動記憶手段は、前記変動表示ゲームがリーチ状態となっている期間中における前記始動入賞口への遊技球の入賞を特定始動記憶として記憶する特定始動記憶手段を含み、前記変動入賞装置制御手段は、当該リーチ状態の後に前記特別遊技状態が発生した場合に、前記特定始動記憶手段に記憶されている特定始動記憶数が所定数以上となったことを条件として、前記第2の変動入賞装置6を前記第2状態に変換する。
従って、始動入賞口への入賞(特定始動記憶数)が、変動表示ゲームを行うためのもの以外にも影響することとなり、しかも始動入賞は遊技者が狙って得られるといった達成感があるため、遊技に対する興趣や期待感を極めて高めることができる。また、リーチ状態中に所謂止め打ちを行うと、特典(作動した場合に第1の変動入賞装置5より遊技者に大きな遊技価値を与える第2の変動入賞装置6の作動)が得られなくなるので、遊技者はリーチ状態中でも始動入賞を増加させるために遊技を継続することとなり、リーチ状態中の止め打ちによる遊技機の稼働率の低下を防止できる。
さらに、リーチ状態には、相互に時間が異なる複数種類を設定するようにすれば、発生したリーチ状態の種類に応じて、特定始動記憶を所定数に達するための難易度が変化することとなり、リーチ状態中の興趣および期待感を極めて高めることができる。
なお、価値の小さい第1の変動入賞装置5と、価値の大きい第2の変動入賞装置6を備え、大当り発生時の始動記憶数を判定して、大当り発生時の始動記憶数が所定数(例えば、上限数)に達していない場合には、第1の変動入賞装置5を開放し、所定数に達していた場合には、第2の変動入賞装置6を開放するようにした第一の実施の形態においても、大当たりした場合に有利な第2の変動入賞装置6を開放するためには、始動記憶数が多くなくてはならないので、通常状態中、特にリーチ状態中の止め打ちを防止できるといった効果がある。
さらに、第2の実施の形態では、リーチ状態中に発生する始動入賞数を監視し、この始動入賞数が所定数となった場合に、第2の変動入賞装置6を開放するようにしており、より、確実にリーチ状態中の止め打ちを防止できる。すなわち、第1の実施の形態では、大当りが発生した時点で始動記憶数を監視するようにしていたのに対して、第2の実施の形態では、その監視期間をリーチ状態中に限定することで、よりリーチ状態中の止め打ちを防止できるといった効果がある。例えば、第1の実施の形態では、第2の変動入賞装置6を開放状態とする条件を成立させるためのリーチ状態中に必要な始動入賞数が0〜始動記憶数の所定数(上限数)まで、リーチ状態となる毎にばらつく可能性があり、極端な場合に、条件成立に必要な始動入賞数が0となってしまうと遊技球を発射する必要がなくなり遊技者に止め打ちされる可能性がり、逆に条件成立に必要な始動入賞数が、始動記憶数の上限となってしまうと遊技者の意欲を低下させて止め打ちされる可能性があるが、上述のように、第2の実施の形態では、少なくとも、条件成立に必要なリーチ状態中の始動入賞数を特定始動記憶数に対する所定数以下とすることができる。また、第2の実施の形態において、条件成立に始動記憶数を用いずに特定始動記憶数だけを用いることにすれば、リーチ状態中に条件成立に必要な始動入賞数が0となるのも防止できる。従って、第2の実施の形態の請求項7記載の発明に基づく構成によれば、リーチ状態中に条件成立に必要となる始動入賞数をリーチ状態中に遊技者が止め打ちするのを防止するのに適正な範囲に設定することが可能なる。
すなわち、従来、リーチ状態が発生した場合に遊技者が止め打ちを行う傾向にあり、かつ、最近の遊技機は興趣を高めるためにリーチ状態となる期間が長くなる傾向にある。従って、遊技者にリーチ状態中に止め打ちをされると、遊技店の売上に大きく影響がでるが、本発明によれば、リーチ状態中の遊技者による止め打ちを防止でき、さらに、第2の実施の形態の遊技機によれば、より確実にリーチ状態中の遊技者による止め打ちを防止できる。
また、第2の実施の形態の遊技機は、前記変動表示ゲームがリーチ状態となっている場合においては、前記特定始動記憶手段(RAM21b)に現在記憶されている特定始動記憶数との関係で、当該変動表示ゲームにより発生する特別遊技状態によって前記第1、第2の変動入賞装置5,6の何れかが前記第2状態に変換するかを報知する報知手段(変動表示装置4aの予告報知領域4d等)を備えている。
従って、特定始動記憶数に応じて特別遊技状態時に開放する変動入賞装置が変化するといった遊技内容を遊技者に的確に知らしめることができる。また、リーチ状態が発生した場合に、遊技者に特定始動記憶数を増加させることを促すことができ、遊技者の期待感を高めるとともに遊技店の利益が減少することを防止できる。ここで、報知手段による報知は遊技者に認識させられるものであれば、実施の形態の報知形式に限定せず、どのような報知形式(音声による報知など)をとってもよい。
また、第2の実施の形態においては、第2の変動入賞装置6を開放する条件とする特定始動記憶数の所定数を4個としたが、それ以外(3、5,6個など)でもよい。なお、第2の実施の形態では、特定始動記憶数が所定数となるまでカウントし、それ移行カウントしていないが、特定始動記憶数が所定数以上となっても第2の変動入賞装置6を開放する条件は成立しているものとなる。
また、第2の実施の形態において、リーチ状態が発生した際、或いは、リーチ状態中に、始動記憶数(合計)が上限値となっていて、特定始動記憶の空きが所定数(4個)未満となってしまった場合に。リーチ状態中に特定始動記憶数が所定数となる可能性が無くなってしまう。本実施の形態では、その場合の対応として、リーチ状態が発生した際の特定始動記憶の空きが所定数未満であった場合には、始動記憶数の上限を第2の変動入賞装置6を開放する条件としている。このようにすることにより、通常状態(リーチ状態以外の状態)中から止め打ちすることを防止できる(4個の空きを確保するために通常状態から止め打ちが行われる虞があるため)。言い換えれば、請求項7に記載された「所定数」は始動記憶数に応じて変化することとなる。
なお、始動記憶数とは無関係にリーチ状態中の始動入賞を監視して、特定始動記憶を計数し、該特定始動記憶数が所定数以上となった場合に、第2の変動入賞装置6を開放するようにしても良い。すなわち、始動記憶数が上限となった場合以降でも、始動入賞(オーバーフローとなり始動条件の成立とならない始動入賞口への入賞)を監視して特定始動記憶数を計数するようにする。この場合には、特定始動記憶数は、変動表示ゲームを開始するものとは無関係なものが含まれる。
また、第2の実施の形態では、特定始動記憶数が所定数以上となった場合に、無条件で第2の変動入賞装置6を開放するようにしているが、特定始動記憶数が所定数以上となった場合に、通常(所定数未満)よりも第2の変動入賞装置6を開放する確率を高くするようにしても良い。例えば、特定始動記憶数が所定数とならない場合(もしくは条件成立フラグがONとならない場合)には、特別遊技状態となった際に、例えば20%の確率で第2の変動入賞装置6が開放し、80%の確率で第1の変動入賞装置5が開放するようにする。また、特定始動記憶数が所定数となった場合(もしくは条件成立フラグがONとなった場合)には、例えば80%の確率で第2の変動入賞装置6が開放し、20%の確率で第1の変動入賞装置5が開放するようにする。
すなわち、本発明の遊技機において、「変動入賞装置制御手段(遊技制御装置20)は、乱数の抽出に基づき、所定の確率で第2の状態に変換する変動入賞装置を第2の変動入賞装置6に選択するものとし、
特定始動記憶手段に記憶されている特定始動記憶数が所定数以上となった場合には、通常よりも第2の変動入賞装置6を選択する確率を高めるようにした。」構成としても良い。
このようにすれば、確率的な要素が含まれ興趣が向上するし、たとえ特定始動記憶数が所定数に達していない場合でも第2の変動入賞装置6が開放する可能性があるので、遊技者の期待感を高めることができる。また、所定数に達したとしても、第1の変動入賞装置5が開放する可能性もあるので、遊技者の利益が大きくなりすぎることを防止でき、遊技店と遊技者との利益バランスを調整できる。
また、第2の実施の形態では、第2の変動入賞装置6を開放することとなる特定始動記憶数は、固定であるが、これを変更するようにしても良い。
すなわち、本発明の遊技機において、「変動入賞装置制御手段(遊技制御装置20)が第2状態に変換させる変動入賞装置を第2の変動入賞装置6に選択することとなる前記所定数を、予め定められている複数の値のうちの何れかに選択して決定する条件変更手段(遊技制御装置20)備える。」としても良い。
例えば、リーチ状態が発生した場合に、乱数を抽出して、その抽出結果に基づいて、前記所定数を2個、3個、4個、5個の何れか1つを選択するようにしても良い。
このようにすれば、リーチ状態が発生した場合に、第2の変動入賞装置6を開放する難易度が変化することとなり、興趣および期待感が極めて向上する。また、難易度の高い所定数を設けることにより、遊技者の利益が大きくなりすぎることを防止でき、遊技店と遊技者との利益バランスを調整できる。
また、本発明の遊技機において、「遊技制御装置は、相互に実行時間の異なる複数のリーチ状態を発生可能として、該遊技制御装置には、複数のリーチ状態を選択して発生させるリーチ状態選択手段(変動表示ゲーム実行時間選択手段と言い換えることもできる)が備えられている。」としても良い。
このような構成とすれば、リーチ状態の長さが変わることにより、特定始動記憶数が所定数となる難易度が変化することとなり、遊技が多彩になって興趣が向上することとなる。
また、上記のリーチ状態選択手段を備える遊技機において、「リーチ状態選択手段は、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合には、特別結果とならない場合よりも高い確率で相対的に実行時間の長いリーチ状態を選択するように制御する。」としても良い。
このように制御することにより、相対的に実行時間の長いリーチ状態が発生した場合には、特別結果が導出される可能性が高まるほか、特定始動記憶数が多くなる可能性も高まるので、遊技者の期待感を相乗的に高めることができる。
なお、上述の特定始動記憶数に対する所定数を変更する条件変更手段が、リーチ状態選択手段が選択したリーチ状態を反映して条件を設定するようにしても良い。例えば、相対的に長いリーチ状態を選択した場合には、相対的に大きい所定数を設定する一方、相対的に短いリーチ状態を選択した場合には、相対的に小さい所定数を設定する。このようにすれば、相対的に長いリーチ状態となった場合に、相対的に大きな所定数を選択することで、長いリーチ状態の期間中に直ぐに特定始動記憶数が所定数となることにより、遊技者が止め打ちするのを防止できる。また、上述の逆でもよい。このようにすれば、所定数に達する難易度が、所定数の種類およびリーチ状態の種類に応じてより多彩化して興趣を向上できる。
また、本発明においては、複数の変動入賞装置を備えて遊技者に付与する遊技価値を始動入賞数に基づいて変更するようにしているが、それ以外の方法で始動入賞数に基づいて遊技価値を変更するようにすることも可能である。例えば、始動入賞数に応じて特定遊技状態における遊技者の獲得可能な遊技価値の大きさを変更するものとして以下の構成が挙げられる。
例えば、遊技機に1つの変動入賞装置(ここでは、普図の変動表示ゲームが大当りとなった際に変動する始動入賞装置9を除き、特図の変動表示ゲームが大当りとなった際、すなわち、特別遊技状態となった際に開放する変動入賞装置の数を1つとする)を設け、特定始動記憶(或いは始動記憶)が所定数以上となった場合には、変動入賞装置への遊技球の入賞に基づく賞球数を、通常(所定数未満の場合)の賞球数(13個)から(それよりも多い)特定の賞球数(15個)に変更する。
また、特定始動記憶(或いは始動記憶)が所定数以上となった場合には、大当り状態中のラウンド数の上限を、通常のラウンド上限数(12ラウンド)から(それよりも多い)特定のラウンド上限数(15ラウンド)に変更する。
また、特定始動記憶(或いは始動記憶)が所定数以上となった場合には、大当り状態終了後に、変動表示ゲームが特別結果となる確率を通常よりも高めた確率変動状態を発生させる。
すなわち、始動入賞数に基づいて特別遊技状態における遊技者が獲得可能な遊技価値の大きさを変更するものとした場合に、本発明の遊技機を「表示状態が変化可能な変動表示装置を備え、始動条件の成立に基づき該変動表示装置に複数の識別情報による変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記変動表示ゲームを直ちに実行できない変動表示ゲーム始動不可状態時に前記始動条件が成立した場合には、その変動表示ゲーム始動不可状態が解消した後に該変動表示ゲームを実行させるための始動記憶を累積的に記憶可能な始動記憶手段と、
特別遊技状態が発生した場合に遊技者に付与する遊技価値を変更可能な特別遊技状態付与価値変更手段(遊技制御装置)を備え、
前記特別遊技状態付与価値変更手段は、前記特定始動記憶手段(始動記憶手段)に記憶されている特定始動記憶数(始動記憶数)が所定数以上であった場合には、通常(所定数未満の場合に)付与する遊技価値よりも大きい特定の遊技価値を付与するようにした。」遊技機に代えることも可能である。
また、第2の実施の形態では、特定始動記憶手段が所定数以上となった場合には、大当り状態における全てのラウンドで第2の変動入賞装置6を開状態に変換し、所定数未満であった場合には全てのラウンドで第1の変動入賞装置5を変換するようにしているが、それ以外でも良い。例えば、以下のような構成としても良い。
例えば、本発明の遊技機において、「変動入賞装置制御手段は、ラウンド遊技毎に第2状態に変換する変動入賞装置を第1或いは第2の変動入賞装置6の何れかに選択するものとするとともに、特定始動記憶手段に記憶されている特定始動記憶数に応じて、前記第2の変動入賞装置6を前記第2状態に変換するラウンド数を決定するものとし、該特定始動記憶数が多い程、第2の変動入賞装置6を第2状態に変換するラウンド数が多くなるように決定するようにした。」構成としても良い。
例えば、特定始動記憶数が4個の場合、全て(15R)のラウンドで第2の変動入賞装置6を開放し、特定始動記憶が3個の場合、最初の10ラウンドで第2の変動入賞装置6を開放し(その後のラウンドでは、最後となるラウンドまでは第1の変動入賞装置5を開放)、特定始動記憶が2個の場合、最初の5ラウンドで第2の変動入賞装置6を開放(その後のラウンドでは、最後となるラウンドまでは第1の変動入賞装置5を開放)、特定始動記憶が1個の場合、最初の2ラウンドで第2の変動入賞装置6を開放し(その後のラウンドでは、最後となるラウンドまでは第1の変動入賞装置5を開放)、特定始動記憶が0個の場合、全てのラウンドで第1の変動入賞装置5を開放する、などとすることが可能である。なお、このような決定制御を行う場合には、変動入賞装置制御手段は、特定始動記憶数に対応したラウンド数選択テーブルを設けて、該ラウンド数選択テーブルに基づき第2の変動入賞装置6を開放するラウンド数の決定制御を行う。ラウンド数選択テーブルには、各特定始動記憶数に対して、何ラウンドまで第2の変動入賞装置6を開放するかが対応づけて記憶されている。
このようにすれば、変動入賞装置の選択パターンがより多彩になり興趣を高めることができるし、仮に特定始動記憶数が4個にならなくとも、記憶した特定始動記憶数に応じて、ある程度遊技者に有利に遊技価値を付与することができ、遊技者の不満感を解消できる。
また、本発明の遊技機において、「変動入賞装置制御手段は、ラウンド遊技毎に第2状態に変換する変動入賞装置を乱数の抽出結果に基づき第1或いは第2の変動入賞装置5,6の何れかに確率的に選択するものとするとともに、特定始動記憶手段に記憶されている特定始動記憶数に応じて、各ラウンドにおける前記第2の変動入賞装置6の選択確率を決定するものとし、該特定始動記憶数が多い程、第2の変動入賞装置6を選択する確率が相対的に高くなるように選択確率を決定するようにした。」構成としても良い。
例えば、特定始動記憶数が4個の場合、各ラウンドにおける第2の変動入賞装置6の選択確率を80%(第1の変動入賞装置5の選択確率を20%)、特定始動記憶数が3個の場合、各ラウンドにおける第2の変動入賞装置6の選択確率を60%(第1の変動入賞装置5の選択確率を40%)、特定始動記憶数が2個の場合、各ラウンドにおける第2の変動入賞装置6の選択確率を40%(第1の変動入賞装置5の選択確率を60%)、特定始動記憶数が1個の場合、各ラウンドにおける第2の変動入賞装置6の選択確率を20%(第1の変動入賞装置5の選択確率を80%)、特定始動記憶数が0個の場合、各ラウンドにおける第2の変動入賞装置6の選択確率を10%(第1の変動入賞装置5の選択確率を90%)などしても良い。なお、このような選択制御行う場合に、各ラウンド間(インターバル状態中)で、変動表示装置において第2状態に変換する変動入賞装置の決定ゲームを行うようにすれば、遊技の興趣が向上するし、選択された変動入賞装置を確実に遊技者に報知できる。
このようにすれば、変動入賞装置の選択パターンがより多彩になり興趣を高めることができるし、仮に特定始動記憶数が4個にならなくとも、記憶した特定始動記憶数に応じて、ある程度遊技者に有利に遊技価値を付与することができ、遊技者の不満感を解消できる。
第2の実施の形態においては、特定始動記憶数が所定数になった場合にセットされる条件成立フラグのクリア処理を、始動入賞処理において、始動入賞が無い場合でリーチ状態でも大当り状態でもない場合に行っているが、これを始動入賞処理において、次ぎの始動入賞があった場合に行っても良い。すなわち、始動入賞処理において、始動入賞があり、かつ、リーチ状態中でも大当り状態中でもない場合に、条件成立フラグをクリアするものとしても良い。
この場合に、例えば、リーチ状態となる変動表示ゲームが連続して発生したような場合に、前のリーチ状態となる変動表示ゲームで条件成立フラグがセットされた状態で、次ぎのリーチ状態となる変動表示ゲームが発生し、リーチ状態となるまで、始動入賞がなければ、条件成立フラグがクリアされずに次ぎのリーチ状態となる変動表示ゲームに持ち越されることになる。
また、次の大当り状態中ではない始動入賞の発生を条件に条件成立フラグのクリアを行うことにより、条件成立フラグがセットされた大当り状態の終了後、次の始動入賞が発生する前(すなわち始動記憶以内)に次の大当り状態が発生した場合にも、無条件で条件成立フラグをセットでき、連続した大当り状態に対する特典を付与することができ、遊技者の期待感を高めることができる。また、条件成立フラグをクリアする処理を、必ずしも始動入賞処理で行う必要はなく、この処理を他の箇所で行うようにしてもよい。例えば、大当り終了時および外れの変動表示ゲームの終了時に条件成立フラグをクリアすることにより、第2の実施の形態のように始動入賞処理で頻繁に条件成立フラグをクリアする処理が行われることがなくなるとともに、必要以上に条件成立フラグが保持されないようにすることができる。
第2の実施の形態では、1回のリーチ状態中に記憶された特定始動記憶数のみを変動入賞装置の選択に有効としているが、複数回のリーチ状態中に記憶された特定始動記憶数の合計値を変動入賞装置の選択に有効としてもよい。
例えば、大当り状態が発生するまでの所定数回(例えば、2回、3回など)前のリーチ状態中に記憶された特定始動記憶数の合計値で当該大当り状態の変動入賞装置の選択制御を行ったり、或いは、前回の大当り状態から今回の大当り状態が発生するまでに発生したリーチ状態の全てにおいて記憶された特定始動記憶数の合計値で今回の大当り状態の変動入賞装置の選択制御を行う。この場合には、ある程度所定数を大きく設定する必要がある(例えば、10個、20個など)。
また、第2の実施の形態では、特定始動記憶を記憶する期間をリーチ状態が開始されてから大当たりが確定する(変動表示ゲームの変動表示が終了)までの期間としたが、この監視期間を大当たり確定後に延長するようにしてもよい。すなわち、大当たり確定後には変動入賞装置が開放するまでに大当たりファンファーレ状態が発生するが、この大当たりファンファーレ状態(大当りが確定した後から変動入賞装置が開放される前までの状態)の一部(或いは全部)においても特定始動記憶を記憶する期間としても良い。
このようにすれば、特定始動記憶数が多くなる可能性が高くなり、遊技者の期待感を高められるし、大当たり確定後の変動入賞装置が開放されるまでの間の止め打ちを防止できる。
なお、遊技機には、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などが含まれる。変動表示装置は、液晶表示装置、CRT(陰極線管)表示装置などのような単体の装置であってもよいし、これら装置と多数の発光素子を配列した表示装置、回転ドラムを使用したメカ式の表示装置などとの組み合わせでもよく、変動表示ゲームが行える装置であればどのようなものであってもよい。始動条件は、遊技球が特図始動センサに検出されることなどによって成立し、その特図始動センサは必ずしも特図始動入賞口に設置されている場合に限られず、特図始動ゲート内に設置されていてもよい。識別情報は識別図柄(例えば、0、1、2、3、……9、A、B、Cの図柄など)など、遊技者が識別できる表示情報であればどのような表示情報であってもよい。変動表示ゲームとは、例えば、複数の図柄列から構成される識別情報列を、変動表示装置に形成された、複数の変動表示領域の各々で上から下に各識別情報が移動するように変動表示されることで行われ、変動表示ゲームの開始から所定時間経過した時点で、各変動表示領域の変動表示を所定の順序で停止させて各々所定の識別情報を停止表示させることで停止結果態様を導出させるものが挙げられる。特別結果とは、特別遊技状態を発生させるものとして予め定められた停止結果態様(例えば、「1,1,1」「2,2,2」「3,3,3」「4,4,4」などのぞろ目での停止表示態様)のことである。特別遊技状態とは、通常遊技時に比べて多くの遊技価値(賞球など)を獲得し易い遊技状態をいう。変動表示ゲーム始動不可状態時とは、変動表示ゲームが行われているときや特別遊技状態が発生しているときなど、変動表示ゲームを直ちに始動(開始)できない状態時である。遊技者にとって不利な第1状態は、変動入賞装置に遊技球が全く入らない状態の他、入りにくい状態も含む意味である。遊技者にとって有利な第2状態とは、変動入賞装置の可動部材が開くなどして変動入賞装置に遊技球が入り易い状態をいう。なお、第2状態は、第1の変動入賞装置5と第2の変動入賞装置6とで変換態様や変換時間などが異なっていてもよい。記憶状態に関連しては、始動記憶数に応じてであってもよいし、始動記憶の有無に応じてであってもよい。また、始動記憶数が所定数(始動記憶の上限数に限らない)に達している(越えた場合も含む)か否かにより、なども含む広い概念である。
また、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。本発明の範囲は前記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。