JP2007532739A - 発光ダイオードを用いて光硬化する方法 - Google Patents

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Abstract

特定の肉厚層のエチレン性不飽和系を、発光ダイオード(LED)光源を用いて光硬化するための方法が開示されている。肉厚の硬化性組成物は、肉厚コーティング、ゲルコート、複合材料、および接着剤である。光開始剤は、少なくとも1種のビスアシルホスフィンオキシドまたはモノアシルホスフィンオキシドである。本方法は、優れた表面硬化および貫通硬化を提供する。

Description

本発明は、特定の肉厚層のエチレン性不飽和系を、発光ダイオード(LED)光源を用いて光硬化するための方法に関するものである。
発光ダイオード光源は、たとえば歯科用途に使用されている。たとえば米国特許出願2002113217、2002115037、および2001046652、CA2332190、JP2000271155、米国特許第6,200,134号および第6,159,005号、EP780104、EP780103、米国特許第5,316,473号および第6,007,965号に開示されている。米国出願および特許の関連する開示を、参照により本明細書に組み入れる。
特定の厚形材コーティング、ゲルコート、複合材料、および接着剤は、効率よく硬化させるのが難しい。たとえば約10ミル[=約0.25mm]より厚い厚形材。
驚くべきことには、本発明の方法は、厚形材に対して表面のちりめんじわを伴わずに良好な表面硬化および良好な貫通硬化(through cure)を提供する。さらに驚くべきことには、本発明の方法は、厚形材を薄肉層よりも速く硬化させる。従来の光源、たとえば紫外線または可視光線については逆が当てはまるので、これは特に驚くべきことである。
したがって、本発明の主題は、エチレン性不飽和重合性化合物を硬化する方法であって、該化合物に少なくとも1種のアシルホスフィンオキシド光開始剤を添加し、このようにして得た混合物に発光ダイオード光源からの光を照射することを含む方法である。
モノアシルホスフィンオキシドおよびビスアシルホスフィンオキシド光開始剤の混合物を使用するのが有利である。モノアシルホスフィンオキシドまたはビスアシルホスフィンオキシド光開始剤とα−ヒドロキシケトン光開始剤との混合物を使用するのも有利である。同様に、モノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、およびα−ヒドロキシケトン光開始剤の混合物を使用する。
特に、本発明の方法は、肉厚コーティング、肉厚ゲルコート、肉厚多層複合材料、または肉厚接着層に適切である。
肉厚コーティングは、約10ミル[=約0.25mm]より厚く、たとえば10ミル〜約30ミル[=約0.76mm]である。本発明の肉厚コーティングは、たとえば金属、プラスチック、またはガラス用のコーティングである。コーティングは、たとえばアクリレートをベースとするコーティングである。
本発明の接着剤は、たとえば約10ミルより厚い、たとえば約10ミル[=約0.25mm]〜約30ミル[=約0.76mm]の肉厚層接着剤である。接着剤はたとえば貼り合せ用接着剤、構造接着剤、または感圧接着剤、たとえば感圧性ホットメルト接着剤である。
前記接着剤は、ホットメルト接着剤、ならびに水媒介または溶剤媒介接着剤とすることができる。特に、感圧接着剤、たとえばuv硬化性ホットメルト感圧接着剤が適切である。接着剤は、たとえば、少なくとも1種のゴム成分、粘着付与剤として少なくとも1種の樹脂成分、および少なくとも1種のオイル成分を、たとえば重量比30:50:20で含む。適切な粘着付与剤は、天然または合成樹脂である。適切な該当する化合物ならびに適切なオイル成分またはゴムは、当業者に知られている。
ゲルコートはまた約10ミル[=約0.25mm]より厚く、たとえば肉厚約10ミル〜約30ミル[=約0.76mm]である。ゲルコートは、典型的には白色であり、TiO2を高い配合量、たとえば全配合物に基づいて約10%〜約25重量%含有する。
たとえば本発明のコーティング、接着層、およびゲルコートは、約11、12、13、14ミルより厚いか、または約15ミルより厚い[約0.28、0.31、0.325、0.36mmより厚いか、または約0.38mmより厚い]。
複合材料は、たとえば約25ミル[約0.64mm]より厚い、たとえば約25ミル〜約300ミル[約7.6mm]の多層肉厚系である。複合材料は、たとえば約2〜約8層を含む。複合材料は、たとえばスチレン系ポリエステルであり、ガラス繊維および他の助剤を含有できる。複合材料組成物は、光硬化配合物が含浸された、自己支持マトリックス材料、たとえばガラス繊維織物、あるいは、たとえば植物繊維(K.-P. Mieck and T. Reussmann in Kunststoffe 85(1995), 366-370を参照)で作られる。複合材料組成物から製造された造形品は、機械的安定性および抵抗が高い。
本発明による複合材料は、たとえば、両面をガラス繊維強化プラスチックでコーティングされたボート、チップボード、または合板パネル、パイプ、コンテナなどに用いられる。複合材料の他の例は、ガラス繊維を含有する成形品(GRP)、たとえば波板およびラミネート紙用のUP樹脂コーティングである。ラミネート紙は、尿素またはメラミン樹脂を主成分としてもよい。ラミネートの製造に先立って、コーティングを支持材(たとえばシート)の上に形成する。さらなる利点は、複合材料組成物は、部分硬化した可塑状態で光源から移動させることができ、そして造形することができることである。続いて、完全な硬化を行う。
本発明の複合材料は、たとえば透明である。
本発明によるLED光源は、低温で作動する。たとえばLED光源は約390nm±30nm、約250mW/cm2で作動する。LED光源は、たとえば樹脂中の揮発分の沸点より低い、たとえば大気圧でのスチレンの沸点より低温で作動する。
アシルホスフィンオキシド光開始剤は、たとえば米国特許第4,324,744号、第4,737,593号、第5,942,290号、第5,534,559号、第6,020,528号、第6,486,228号、および第6,486,226号(これらの関連する開示を、参照により本明細書に組み入れる)に開示されている。
アシルホスフィンオキシド光開始剤は、ビスアシルホスフィンオキシドまたはモノアシルホスフィンオキシドである。
ビスアシルホスフィンオキシド光開始剤は、式I:
Figure 2007532739
(式中、R50は、C1〜C12アルキル、シクロヘキシル、あるいは非置換または1〜4個のハロゲンもしくはC1〜C8アルキルで置換されたフェニルであり;R51およびR52は、互いに独立に、C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシであり;R53は、水素またはC1〜C8アルキルであり;R54は、水素またはメチルである)である。
たとえば、R50は、C2〜C10アルキル、シクロヘキシル、あるいは非置換または1〜4個のC1〜C4アルキル、Cl、もしくはBrで置換されたフェニルである。
別の態様は、R50が、C3〜C8アルキル、シクロヘキシル、あるいは非置換または2−、3−、4−もしくは2,5−位でC1〜C4アルキルにより置換されたフェニルである場合である。
たとえば、R50は、C4〜C12アルキルまたはシクロヘキシルであり、R51およびR52は、互いに独立に、C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシであり、R53は、水素またはC1〜C8アルキルである。
たとえば、R51およびR52は、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシであり、R53は、水素またはC1〜C4アルキルである。
別の態様は、R51およびR52が、メチルまたはメトキシであり、R53が、水素またはメチルである場合である。
たとえばR51、R52、およびR53は、メチルである。
別の態様は、R51、R52、およびR53が、メチルであり、R54が、水素である場合である。
別の態様は、R50が、C3〜C8アルキルである場合である。
たとえば、R51およびR52は、メトキシであり、R53およびR54は、水素であり、R50は、イソオクチルである。
たとえばR50は、イソブチルである。
たとえばR50は、フェニルである。
本発明のビスアシルホスフィンオキシド光開始剤は、たとえばビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(CAS# 162881-26-7)であるか、またはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−(2,4−ビス−ペンチルオキシフェニル)ホスフィンオキシドである。
モノアシルホスフィンオキシド光開始剤は、式II:
Figure 2007532739
(式中、R1およびR2は、互いに独立に、C1〜C12アルキル、ベンジル、非置換またはハロゲン、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜4回置換されたフェニルであるか、またはシクロヘキシルまたは−COR3基であるか、あるいはR1は−OR4であり;R3は、非置換、またはC1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、および/またはハロゲンで1〜4回置換されたフェニルであり;R4は、C1〜C8アルキル、フェニル、またはベンジルである)である。
たとえば、R1は、−OR4である。
たとえばR2は、非置換、またはハロゲン、C1〜C8アルキル、および/またはC1〜C8アルコキシで1〜4回置換されたフェニルである。
たとえばR3は、非置換またはC1〜C8アルキルで1〜4回置換されたフェニルである。
たとえば、本発明のモノアシルホスフィンオキシドは、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド(CAS# 84434-11-7)または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(CAS# 127090-72-6)である。
本発明の方法は、別の光開始剤、たとえば式III:
Figure 2007532739
(式中、R11およびR12は、互いに独立に、水素、C1〜C6アルキル、フェニル、C1〜C6アルコキシ、OSiR16(R172、または−O(CH2CH2O)q−C1〜C6アルキルであるか、あるいはR11およびR12は、これらが結合した炭素原子と共に、シクロヘキシル環を形成し;
qは、1〜20の数であり;
13は、OH、C1〜C16アルコキシ、または−O(CH2CH2O)q−C1〜C6アルキルであり;
14は、水素、C1〜C18アルキル、C1〜C12ヒドロキシアルキル、C1〜C18アルコキシ、−OCH2CH2−OR15、−CH=CH2、−C(CH3)=CH2であるか、または
Figure 2007532739
であり;
nは2〜10の数であり;
15は、水素、−COCH=CH2、または−COC(CH3)=CH2であり;
16およびR17は、互いに独立に、C1〜C8アルキルまたはフェニルであり;
3およびG4は、互いに独立に、ポリマー構造の末端基、好ましくは水素またはメチルである)のα−ヒドロキシケトン光開始剤を使用できる。
対象となるα−ヒドロキシケトン光開始剤は、R11およびR12が、互いに独立に水素、C1〜C6アルキル、またはフェニルであるか、あるいはR11およびR12が、これらが結合した炭素原子と共に、シクロヘキシル環を形成し、R13が、OHであり、R14が、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、−OCH2CH2OR15、−C(CH3)=CH2、または
Figure 2007532739
であるものである。
α−ヒドロキシケトン光開始剤として適切なのは、たとえば、R11およびR12が、互いに独立に、メチルまたはエチルであるか、あるいはR11およびR12は、これらが結合した炭素原子と共に、シクロヘキシル環を形成し、R13が、水素であり、R14が、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、または−OCH2CH2OHであるものである。
14が、
Figure 2007532739
である化合物も対象である。
たとえば、適切なα−ヒドロキシケトン光開始剤は、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロピルフェニル)プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−ドデシルフェニル)プロパノン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、および2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパノンである。
本発明のα−ヒドロキシケトン光開始剤は、たとえばα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンまたは2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンである。
直鎖状または分岐状のアルキルは、たとえば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、イソオクチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、またはドデシルである。同様にアルコキシまたはアルキルチオは、同じ直鎖状または分岐状である。
適切な光開始剤ブレンド(PIブレンド)は、たとえば米国特許第6,020,528号および米国特許出願第60/498,848号(2003年8月29日出願)に開示されており、この開示を、参照により本明細書に組み入れる。
本発明のPI(光開始剤)ブレンドは、たとえばビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(CAS# 162881-26-7)および2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド(CAS# 84434-11-7)の重量:重量比約1:11、1:10、1:9、1:8、または1:7の混合物である。
別の特に適切なPIブレンドは、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、および2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン(CAS# 7473-98-5)の重量比たとえば約3:1:15または3:1:16または4:1:15または4:1:16の混合物である。
別の適切なPIブレンドは、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンの重量比たとえば約1:3、1:4、または1:5の混合物である。
本発明のアシルホスフィンオキシドPIまたはPIブレンドは、放射線硬化性組成物中に、組成物重量に基づいて約0.2〜約10重量%存在する。たとえば、PIまたはPIブレンドは、放射線硬化性組成物の重量に基づいて、約0.5〜約8重量%、約1〜約7重量%、または約2、3、4、5、もしくは6重量%存在する。
本発明による他の適切な光開始剤は、たとえば、他のモノ−またはビスアシルホスフィンオキシド、たとえばジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシドまたはビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド;α−ヒドロキシケトン類、たとえば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンまたは2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパノン;α−アミノケトン類、たとえば2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−(4−メチルベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[3,4−ジメトキシフェニル]−1−ブタノン;ベンゾフェノン類、たとえばベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、2−メトキシカルボニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(クロロメチル)−ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、メチル2−ベンゾイルベンゾエート、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−(4−メチルフェニルチオ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチル−4’−フェニル−ベンゾフェノン、または3−メチル−4’−フェニル−ベンゾフェノン;ケタール化合物、たとえば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニル−エタノン;およびフェニルグリオキシル酸エステルの単量体または二量体、たとえばメチルフェニルグリオキシル酸エステル、5,5’−オキソ−ジ(エチレンオキシジカルボニルフェニル)、または1,2−(ベンゾイルカルボキシ)エタンである。
アシルホスフィンオキシド光開始剤を伴うまたは伴わない本発明による他の適切な光開始剤は、たとえば、米国特許第6,596,445号(この開示を、参照により本明細書に組み入れる)に開示されているような、オキシムエステルである。適切なオキシムエステル光開始剤は、たとえば
Figure 2007532739
である。
アシルホスフィンオキシド光開始剤を伴うまたは伴わない本発明による適切な光開始剤の別の種類は、たとえば、米国特許第6,048,660号(この開示を、参照により本明細書に組み入れる)に開示されているような、たとえばフェニルグリオキサレートである。たとえば式:
Figure 2007532739
(式中、Yは、C1〜C12アルキレン、シクロヘキシレン、シクロへキシレン、O、S、またはNR30により1回以上中断されたC2〜C40アルキレンであり、R30は、水素、C1〜C12アルキル、またはフェニルであり、好ましくは、Yは、CH2CH2−O−CH2CH2である)のフェニルグリオキサレート。
光重合性の混合物は、光開始剤に加えて種々の添加剤を含有できる。それらの例は、早期重合を防ぐことを意図する熱防止剤(thermal inhibitor)であり、たとえばヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、p−メトキシフェノール、β−ナフトール、または立体障害フェノール類、たとえば2,6−ジ(t−ブチル)−p−クレゾールである。たとえば、銅化合物、たとえばナフテン酸銅、ステアリン酸銅、またはオクチル酸銅、リン化合物、たとえばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、またはトリベンジルホスファイト、第四級アンモニウム化合物、たとえばテトラメチルアンモニウムクロリドまたはトリメチルベンジルアンモニウムクロリド、あるいはヒドロキシルアミン誘導体、たとえばN−ジエチルヒドロキシルアミンを用いることにより、暗所での保存寿命を延ばすことができる。重合の間、大気中の酸素を入れないようにするために、パラフィンまたは類似のワックス様の物質を加えることができ;これらは重合が開始すると、ポリマーへのその溶解性が低いために表面に移行し、そして空気の進入を防ぐ透明な表面層を形成する。酸素バリア層を付着させることも同様に可能である。添加することができる光安定剤は、UV吸収剤、たとえば、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニル−ベンゾフェノン、オキサルアミド、またはヒドロキシフェニル−s−トリアジンタイプの周知の市販UV吸収剤である。このような化合物を個々にまたはこれらの混合物で、立体障害アミン光安定剤(HALS)の使用を伴ってまたは伴わずに使用することができる。立体障害アミンは、たとえば2,2,6,6−テトラメチルピペリジンをベースとする。
UV吸収剤および立体障害アミンの例を示す。
2−(2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾール類、たとえば、米国特許第3,004,896号、第3,055,896号、第3,072,585号、第3,074,910号、第3,189,615号、第3,218,332号、第3,230,194号、第4,127,586号、第4,226,763号、第4,275,004号、第4,278,589号、第4,315,848号、第4,347,180号、第4,383,863号、第4,675,352号、第4,681,905号、第4,853,471号、第5,268,450号、第5,278,314号、第5,280,124号、第5,319,091号、第5,410,071号、第5,436,349号、第5,516,914号、第5,554,760号、第5,563,242号、第5,574,166号、第5,607,987号、第5,977,219号、および第6,166,218号に開示されているような公知の市販ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾール類およびベンゾトリアゾール類、たとえば2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−s−ブチル−5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ビス−α−クミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−(ω−ヒドロキシ−オクタ−(エチレンオキシ)カルボニル−エチル)−フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−ドデシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニル)エチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、ドデシル化2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシ−カルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−(2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル)−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−(2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル)−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス(4−t−オクチル−(6−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−オクチル−5−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−フルオロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、メチル3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、および5−フェニルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール。
2−ヒドロキシベンゾフェノン類、たとえば4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ、および2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
置換および非置換安息香酸のエステル、たとえば4−t−ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
アクリレートおよびマロネート、たとえば、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸エチルエステルまたはイソオクチルエステル、α−カルボメトキシ−桂皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−桂皮酸メチルエステルまたはブチルエステル、α−カルボメトキシ−p−メトキシ−桂皮酸メチルエステル、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチル−インドリン、Sanduvor(登録商標)PR25、ジメチルp−メトキシベンジリデンマロネート(CAS# 7443-25-6)、およびSanduvor(登録商標)PR31、ジ−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)p−メトキシベンジリデンマロネート(CAS# 147783-69-5)。
立体障害アミン安定剤、たとえば4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−アリル−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−t−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状または環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6,テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1、1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状または環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−および4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンおよび2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS Reg. No.[136504-96-6]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸の1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィン−コポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物。
立体障害アミンは、米国特許第5,980,783号に記載されている化合物の一つであってもよい。立体障害アミンは、米国特許第6,046,304号および第6,297,299号(これらの開示を、参照により本明細書に組み入れる)に記載されている化合物の一つであってもよい。
N原子でヒドロキシ置換アルコキシ基により置換された立体障害アミン、たとえば1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−オキシル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとt−アミルアルコールからの炭素基との反応生成物、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラ−メチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタラート、および2,4−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジンなどの化合物。
オキサミド類、たとえば4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−t−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−t−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エトキサニリドおよびその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−t−ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、ならびにo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
トリス−アリール−o−ヒドロキシフェニル−s−トリアジン類、たとえば、米国特許第3,843,371号、第4,619,956号、第4,740,542号、第5,096,489号、第5,106,891号、第5,298,067号、第5,300,414号、第5,354,794号、第5,461,151号、第5,476,937号、第5,489,503号、第5,543,518号、第5,556,973号、第5,597,854号、第5,681,955号、第5,726,309号、第5,736,597号、第5,942,626号、第5,959,008号、第5,998,116号、第6,013,704号、第6,060,543号、第6,187,919号、第6,242,598号、および第6,468,958号に開示されているような公知の市販トリス−アリール−o−ヒドロキシフェニル−s−トリアジン類およびトリアジン類、たとえば4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン、Cyasorb(登録商標)1164(Cytec Corp)、4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2-ヒドロキシ−4−(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(4−ブロモフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシカルボニルエチリデンオキシフェニル)−s−トリアジン、2−フェニル−[2−ヒドロキシ−4−(3−s−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−s−アミルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−n−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ジ−n−ブチルオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ノニルオキシ*−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−α−クミルフェニル]−s−トリアジン(*は、オクチルオキシ、ノニルオキシ、およびデシルオキシ基の混合を意味する)、メチレンビス−{2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−s−トリアジン}、3:5’、5:5’、および3:3’位で5:4:1の比で架橋されたメチレン架橋二量体混合物、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシカルボニル−イソプロピリデンオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−5−α−クミルフェニル)−s−トリアジン、2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,6−ビス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−s−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−フェニル]−s−トリアジン、4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル)−s−トリアジンおよび4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル)−s−トリアジンの混合物、Tinuvin(登録商標)400(Ciba Specially Chemicals Corp.)、4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル)−s−トリアジン、および4,6−ジフェニル−2−(4−ヘキシルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−s−トリアジン。
光重合を促進するために、アミン、たとえばトリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、エチルp−ジメチルアミノベンゾエート、またはミヒラーケトンを添加することができる。アミンの作用を、ベンゾフェノンタイプの芳香族ケトンの添加により強めることができる。酸素スカベンジャーとして用いることができるアミンの例は、EP−A−339 841に記載されている置換N,N−ジアルキルアニリンである。さらなる促進剤、共開始剤、および自動酸化剤は、たとえば、EP−A−438123およびGB−A−2180358に記載されているようなチオール、チオエーテル、ジスルフィド、およびホスフィンである。
分光感度をシフトするか広げる光増感剤の添加により、光重合を促進することもできる。これらは、特に、芳香族カルボニル化合物、たとえばベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、アントラキノン誘導体、および3−アシルクマリン誘導体、ならびに3−(アロイルメチレン)チアゾリン、ならびにエオシン、ローダミン、およびエリトロシン染料である。
特に、(たとえば二酸化チタンを用いて)顔料着色された組成物によって、さらに熱条件下でフリーラジカルを形成する成分、米国特許第4,753,817号に記載されているような、たとえばアゾ化合物、たとえば2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、トリアゼン、ジアゾスルフィド、ペンタザジエン(pentazadiene)、またはペルオキシ化合物、たとえばヒドロペルオキシドまたはペルオキシカーボネート、たとえばt−ブチルヒドロペルオキシドを添加することにより、硬化工程を促進することができる。
新規組成物は、光還元できる染料、たとえばキサンテン、ベンゾキサンテン、ベンゾチオキサンテン、チアジン、ピロニン、ポルフィリン、またはアクリジン染料、および/または放射線により開裂することができるトリハロメチル化合物を含むこともできる。類似の組成物が、たとえば米国特許第5,229,253号に記載されている。
他の従来の添加剤は、対象とする用途に応じて、蛍光増白剤、充填剤、顔料、染料、湿潤剤、またはレベリング助剤である。肉厚で顔料着色されたコーティングは、たとえば米国特許第5,013,768号に記載されているようにガラスマイクロビーズまたは粉末ガラス繊維を含有してもよい。
エチレン性不飽和重合性化合物は、1個または2個以上のオレフィン二重結合を含有できる。これらは、低分子(モノマー)化合物でも高分子(オリゴマー)化合物でもよい。1個の二重結合を含有するモノマーの代表的な例は、アルキルまたはヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレート、たとえばメチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル、および2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ならびにメチルおよびエチルメタクリレートである。これらのモノマーの別の例は、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、たとえば酢酸ビニル、ビニルエーテル、たとえばイソブチルビニルエーテル、スチレン、アルキルスチレン、ハロスチレン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、および塩化ビニリデンである。
2個以上の二重結合を含有するモノマーの例は、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびテトラアクリレート、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ビニルアクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルスクシネート、ジアリルフタレート、トリアリルホスフェート、トリアリルイソシアヌレート、またはトリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌレートである。高分子量(オリゴマー)ポリ不飽和化合物の例は、アクリル化エポキシ樹脂、アクリル化ポリエーテル、アクリル化ポリウレタン、およびアクリル化ポリエステルである。不飽和オリゴマーのさらなる例は、通常マレイン酸、フタル酸、およびジオール1種以上から製造された、分子量が約500より大きい不飽和ポリエステル樹脂である。このタイプの不飽和オリゴマーは、プレポリマーとしても公知である。
不飽和化合物の代表的な例は、エチレン性不飽和カルボン酸とポリオールまたはポリエポキシドとのエステル、ならびに鎖または側基にエチレン性不飽和基を含有するポリマー(たとえば不飽和ポリエステル、ポリアミド、およびポリウレタン、およびこれらのコポリマー)、ポリブタジエンおよびブタジエンコポリマー、ポリイソプレンおよびイソプレンコポリマー、側鎖に(メタ)アクリル基を含有するポリマーおよびコポリマー、ならびにこのようなポリマー1種または2種以上の混合物である。
不飽和カルボン酸の具体例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、桂皮酸、不飽和脂肪酸、たとえばリノレイン酸またはオレイン酸である。
適切なポリオールは、芳香族、脂肪族、および脂環式のポリオールである。芳香族ポリオールは、通常ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ならびにノボラックおよびレゾールである。ポリエポキシドは、列挙したポリオール、たとえば芳香族ポリオールと、エピクロロヒドリンとをベースとするものを含む。さらに、適切なポリオールは、ポリマー鎖または側基にヒドロキシル基を含有するポリマーおよびコポリマー、たとえばポリビニルアルコールおよびそのコポリマー、またはヒドロキシアルキルポリメタクリレートまたはそのコポリマーである。他の適切なポリオールは、ヒドロキシル末端基を持つオリゴエステルである。
脂肪族および脂環式のポリオールの具体例は、たとえば2〜12個の炭素原子を含有するアルキレンジオール、たとえばエチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−、または1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量がたとえば200〜1500であるポリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−、または1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリス(□−ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、およびソルビトールである。
ポリオールは、1種または異なる不飽和カルボン酸で、部分的にまたは完全にエステル化されていてもよく、その場合部分的なエステルのフリーヒドロキシル基が変性、たとえばエーテル化、または他のカルボン酸でエステル化されていてもよい。
エステルの具体例は、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、トリペンタエリスリトールオクタメタクリレート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ジペンタエリスリトールトリスイタコネート、ジペンタエリスリトールペンタイタコネート、ジペンタエリスリトールヘキサイタコネート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトール変性トリアクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、オリゴエステルアクリレートおよびメタクリレート、グリセロールジおよびトリアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、分子量200〜1500ポリエチレングリコールのビスアクリレートおよびビスメタクリレート、あるいはこれらの混合物である。多官能モノマーおよびオリゴマーは、たとえばUCB Chemicals, Smyrna, Georgia and Sartomer, Exton, Pennsylvaniaから入手できる。
適切なエチレン性不飽和重合性化合物は、さらに、同一または異なる不飽和カルボン酸と、たとえば2〜6個、たとえば2〜4個のアミノ基を含有する芳香族、脂環式、および脂肪族のポリアミンとのアミドである。このようなポリアミンの例は、エチレンジアミン、1,2−または1,3−プロピレンジアミン、1,2−、1,3−、または1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、1,6−ヘキシレンジアミン、オクチレンジアミン、ドデシレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、フェニレンジアミン、ビスフェニレンジアミン、ビス−(β−アミノエチル)エーテル、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ビス(β−アミノエトキシ)エタン、またはビス(β−アミノプロポキシ)エタンである。他の適切なポリアミンは、側鎖にさらなるアミノ基を含有してもよいポリマーおよびコポリマー、ならびにアミノ末端基を含有するオリゴアミドである。
このような不飽和アミドの例は、メチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ジエチレントリアミントリスメタクリルアミド、ビス(メタクリルアミドプロポキシ)エタン、β−メタクリルアミドエチルメタクリレート、N−[(β−ヒドロキシエトキシ)エチル]アクリルアミドである。
適切な不飽和ポリエステルおよびポリアミドは、代表的にはマレイン酸およびジオールまたはジアミンから誘導される。マレイン酸は、他のジカルボン酸、たとえばフマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、またはクロロマレイン酸で、部分的に置換さていてもよい。ポリエステルの反応性を制御するために、そして架橋密度したがって生成物特性に影響を及ぼすために、不飽和ジカルボン酸に加えて、飽和ジカルボン酸、たとえばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、コハク酸、またはアジピン酸を異なる量で用いることができる。不飽和ポリエステルは、エチレン性不飽和コモノマー、たとえばスチレンと共に用いることができる。ポリエステルおよびポリアミドは、ジカルボン酸およびエチレン性不飽和ジオールまたはジアミン、特に、通常炭素原子数6〜20の長鎖を含有するものから誘導することもできる。ポリウレタンは、通常、飽和または不飽和のジイソシアネートと、不飽和および飽和のジオールとから誘導されるものである。
適切なポリエステルアクリレートまたはアクリル化ポリエステルは、オリゴマー、通常エポキシド、ウレタン、ポリエーテル、またはポリエステルと、アクリレート、たとえばヒドロキシエチルアクリレートまたはヒドロキシプロピルアクリレートとを反応させることにより得られる。
ポリブタジエンおよびポリイソプレンおよびこれらのコポリマーは公知である。適切なコモノマーは、オレフィン、たとえばエチレン、プロペン、ブテン、ヘキセン、(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、スチレン、または塩化ビニルを含む。側鎖に(メタ)アクリレート基を含有するポリマーも公知である。これらは、通常、ノボラック系エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物、(メタ)アクリル酸でエステル化されたポリビニルアルコールまたはそのヒドロキシアルキル誘導体のホモまたはコポリマー、あるいはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートでエステル化された(メタ)アクリレートのホモおよびコポリマーとすることができる。
モノマーは、たとえばアルキル−またはヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレート、スチレン、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレートまたはビスフェノールAジアクリレート、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートまたはテトラアクリレート、たとえばアクリレート、スチレン、ヘキサメチレングリコールまたはビスフェノールAジアクリレート、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパンまたはトリメチロールプロパントリアクリレートである。
オリゴマーのポリ不飽和化合物は、たとえば、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、および1種または2種以上のジオールから製造された、通常、分子量約500〜3000のポリエステルアクリレートまたは不飽和ポリエステル樹脂である。
不飽和カルボン酸は、たとえばアクリル酸およびメタクリル酸である。
光重合性の化合物は、単独または所望の混合物で用いる。ポリオール(メタ)アクリレートの混合物を使用するのが適切である。
バインダーを不飽和光重合性化合物に添加してもよい。バインダーの添加は、光重合性化合物が液体または粘稠な物質である場合、特に有用である。バインダーの量は、全組成物に基づいて5〜95、たとえば10〜90、たとえば40〜90重量%とすることができる。バインダーの選択は、使用用途およびそのために望ましい特性、たとえば組成物の水性および有機溶剤系での展開性、基板への接着性、および酸素感受性に依存する。
適切なバインダーは、通常、分子量約5,000〜2,000,000、たとえば10,000〜1,000,000のポリマーである。具体例は、アクリレートおよびメタクリレートのホモおよびコポリマー、たとえばメチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマー、ポリ(アルキルメタクリレート)、ポリ(アルキルアクリレート);セルロースエステルおよびエーテル、たとえば酢酸セルロース、セルロースアセトブチレート、メチルセルロース、エチルセルロース;ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、環化ゴム、ポリエーテル、たとえばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフラン;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、塩素化ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/塩化ビニリデンのコポリマー、塩化ビニリデンと、アクリロニトリル、メチルメタクリレートおよび酢酸ビニルとのコポリマー、ポリ酢酸ビニル、コポリ(エチレン/酢酸ビニル)、ポリカプロラクタムおよびポリ(ヘキサメチレンアジポアミド)などのポリマー、ポリエステル、たとえばポリ(エチレングリコールテレフタレート)およびポリ(ヘキサメチレングリコールスクシネート)である。
不飽和化合物も、非光重合性のフィルム形成成分との混合状態で使用することができる。これらの成分は、物理的乾燥ポリマー、あるいは有機溶剤、たとえばニトロセルロースまたはセルロースアセトブチレートの溶液とすることができる。光重合性不飽和モノマーは、フリーラジカルイオン硬化性ブレンド、たとえばフリーラジカルカチオン硬化性ブレンドの成分とすることができる。さらに重要なのは、熱と光誘発硬化サイクルの両方を受ける、たとえばパウダーコーティング、ラミネート、特定の接着剤、およびコンフォーマルコーティングに用いられる系である。
さらに別の不飽和モノマーを含有する、プレポリマーとポリ不飽和モノマーとの混合物が適切である。この場合プレポリマーがフィルムの特性を本質的に決定し、当業者はそれを変化させることにより硬化フィルムの特性に影響を及ぼすことができる。ポリ不飽和モノマーは、フィルムを不溶性にする架橋剤として働く。モノ不飽和モノマーは、これを使って、溶剤を用いる必要なく粘度が下がる反応性希釈剤として働く。さらに、硬化した組成物の特性、たとえば硬化速度、架橋密度、および表面特性は、モノマーの選択に依存する。
不飽和ポリエステル樹脂は、通常、モノ不飽和モノマーと共に、たとえばスチレンと共に二成分系で用いる。
二成分の電子過剰/電子不足モノマー系が、肉厚顔料着色コーティングにおいて使用されることが多い。たとえば、ビニルエーテル/不飽和ポリエステル系は、パウダーコーティングで使用され、スチレン/不飽和ポリエステル系は、ゲルコートで用らいる。
エチレン性不飽和重合性化合物が、オリゴマー化合物少なくとも1種とモノマー少なくとも1種との混合物である方法が適切である。
エチレン性不飽和重合性化合物が、1)特にマレイン酸、フマル酸、および/またはフタル酸と、1種または2種以上のジオールとから製造し、分子量500〜3,000を有する不飽和ポリエステル、および2)アクリレート、メタクリレート、またはスチレン、またはこれらの組合せの混合物である方法が対象である。
エチレン性不飽和重合性化合物が、1)不飽和ポリエステルと2)アクリレートまたはメタクリレートまたはこれらの組合せとの混合物である方法も重要である。
エチレン性不飽和重合性化合物が、1)不飽和ポリエステルアクリレートと2)アクリレートまたはメタクリレートまたはこれらの組合せとの混合物である方法も別の対象である。
基板のコーティングは、液体組成物、溶液、または懸濁液を、基板に塗布することにより行うことができる。溶剤および濃度の選択は、組成物のタイプおよびコーティング方法に主に依存する。溶剤は、不活性であるべきであり、すなわち成分との化学反応を受けるべきではなく、コーティング後、乾燥中に再び除去することが可能であるべきである。適切な溶剤の例は、ケトン、エーテル、およびエステル、たとえばメチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−ジメトキシエタン、酢酸エチル、n−ブチルアセテート、およびエチル3−エトキシプロピオネートである。溶液を、公知コーティング方法、たとえばスピンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、はけ塗り、噴霧により、特に静電噴霧およびリバースロールコーティングにより、基板に均一に付着する。仮の柔軟な支持材に感光性層を付着させ、次に、ラミネーションによって該層を移すことにより、最終基板、たとえば銅クラッド回路板をコーティングすることもできる。
以下の実施例で本発明をさらに説明する。特記しない限り、部および%は、全配合物の重量に基づく重量部および重量%である。
実施例1−ゲルコート
ゲルコート配合物は、スチレン希釈剤を加えて粘度を制御した不飽和ポリエステルオリゴマーからなる。スチレンは、全配合物の重量に基づいて35重量%で存在する。他の成分は、ルチルTiO215重量%、および光開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィン2重量%である。混合物をガラス基板上に引き伸ばし、ガラス状固体状態に硬化させた。LED光源は、狭い範囲の出力380〜400nm、CW電力250mW/cm2を有する。ランプ距離は、サンプルの約12mm上である。フィルム厚さは、約20ミルである。
実施例2−複合材料
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンを光開始剤として全配合物の重量に基づいて1重量%で含有する不飽和ポリエステル(UPES)樹脂で含浸させて、ガラス繊維入りの複合材料配合物(2層=厚さ55ミル[1.4mm]、8層=厚さ274ミル[7mm])を調製した。390nmを中心とするLED光源を用いて、240mW/cm2で優れた表面硬化および貫通硬化を実現した。
実施例3−肉厚コーティング
肉厚アクリレートコーティング配合物(10ミル[0.25mm])を、二官能エポキシアクリレート、および光開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンを全配合物の重量に基づいて2重量%で用いて調製した。各配合物に対して390nmを中心とするLED光源を用いて、240mW/cm2で、優れた表面硬化および貫通硬化を実現した。
実施例1〜3における光開始剤を、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドおよび2,4,6,−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド(CAS# 84434-11-7)の重量:重量比約1:9の混合物;またはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2,4,6,−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、および2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンの重量比約3.5:1.0:15.5の混合物;またはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンの重量比約1:4の混合物に置き換え、結果は良好であった。

Claims (15)

  1. エチレン性不飽和重合性化合物を硬化する方法であって、該化合物に少なくとも1種のアシルホスフィンオキシド光開始剤を添加し、このようにして得た混合物に発光ダイオード光源からの光を照射することを含む方法。
  2. アシルホスフィンオキシド光開始剤が、ビスアシルホスフィンオキシドまたはモノアシルホスフィンオキシド光開始剤である、請求項1記載の方法。
  3. アシルホスフィンオキシド光開始剤が、少なくとも1種の式I:
    Figure 2007532739

    (式中、R50は、C1〜C12アルキル、シクロヘキシル、あるいは非置換または1〜4個のハロゲンもしくはC1〜C8アルキルで置換されたフェニルであり;R51およびR52は、互いに独立に、C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシであり;R53は、水素またはC1〜C8アルキルであり;R54は、水素またはメチルである)のビスアシルホスフィンオキシド光開始剤である、請求項1記載の方法。
  4. 光開始剤が、式I(R50は、C2〜C10アルキル、シクロヘキシル、あるいは非置換または1〜4個のC1〜C4アルキル、Cl、もしくはBrで置換されたフェニルである)である、請求項3記載の方法。
  5. ビスアシルホスフィンオキシドが、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(CAS# 162881-26-7)またはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−(2,4−ビス−ペンチルオキシフェニル)ホスフィンオキシドである、請求項3記載の方法。
  6. アシルホスフィンオキシド光開始剤が、少なくとも1種の式II:
    Figure 2007532739

    (式中、R1およびR2は、互いに独立に、C1〜C12アルキル、ベンジル、非置換またはハロゲン、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜4回置換されたフェニルであるか、またはシクロヘキシルまたは基−COR3であるか、あるいは
    1は−OR4であり;
    3は、非置換またはC1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、および/またはハロゲンで1〜4回置換されたフェニルであり;
    4は、C1〜C8アルキル、フェニル、またはベンジルである)のモノアシルホスフィンオキシド光開始剤である、請求項1記載の方法。
  7. 光開始剤が式II(R1は−OR4である)である、請求項6記載の方法。
  8. モノアシルホスフィンオキシドが、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド(CAS# 84434-11-7)または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(CAS# 127090-72-6)である、請求項6記載の方法。
  9. アシルホスフィン光開始剤が、
    (i)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドおよび2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシドの重量:重量比約1:11〜約1:7の混合物、
    (ii)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、および2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンの重量:重量:重量比約2:1:14〜約5:2:17の混合物、ならびに
    (iii)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンの重量:重量比約1:3〜約1:5の混合物よりなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  10. アシルホスフィンオキシド光開始剤に加えて少なくとも1種のα−ヒドロキシケトン光開始剤を添加することを含む、請求項1記載の方法。
  11. α−ヒドロキシケトン光開始剤が、式III:
    Figure 2007532739

    (式中、R11およびR12は、互いに独立に、水素、C1〜C6アルキル、フェニル、C1〜C6アルコキシ、OSiR16(R172、または−O(CH2CH2O)q−C1〜C6アルキルであるか、あるいはR11およびR12は、これらが結合した炭素原子と共に、シクロヘキシル環を形成し;
    qは、1〜20の数であり;
    13は、OH、C1〜C16アルコキシ、または−O(CH2CH2O)q−C1〜C6アルキルであり;
    14は、水素、C1〜C18アルキル、C1〜C12ヒドロキシアルキル、C1〜C18アルコキシ、−OCH2CH2−OR15、−CH=CH2、−C(CH3)=CH2であるか、または
    Figure 2007532739

    であり;
    nは2〜10の数であり;
    15は、水素、−COCH=CH2、または−COC(CH3)=CH2であり;
    16およびR17は、互いに独立に、C1〜C8アルキル、またはフェニルであり;
    3およびG4は、互いに独立に、ポリマー構造の末端基である)である、請求項10記載の方法。
  12. α−ヒドロキシケトン光開始剤が、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロピルフェニル)プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−ドデシルフェニル)プロパノン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、および2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパノンよりなる群から選択される、請求項10記載の方法。
  13. 厚さが約10ミル[0.25mm]より厚い、特に厚さ約10ミル[0.25mm]〜約30ミル[0.75mm]のアクリレートをベースとするコーティング、白色ゲルコート、および接着層を製造するための、請求項1記載の方法。
  14. 厚さが約25ミル[0.64mm]より厚い、特に厚さ約25ミル[0.64mm]〜約300ミル[7.6mm]の複合材料を製造するための、請求項1記載の方法。
  15. 発光ダイオード光源の出力が約390nm±約30nmを中心とする、請求項1記載の方法。
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