ノズルからスパッタを除去しノズルを清掃すること、コンタクトチップを取り替えること、保持ヘッドアセンブリを清掃すること、スパッタの蓄積を防止すること、および加工部品と係合するコンタクトチップの端部に対して特定の長さに溶接ワイヤを切断すること、などのタスクを実施することができる、溶接作業の間の自動化された一貫した効果的なトーチシステムのメンテナンスに対するニーズが存在する。また上述の整備作業を、整備中の溶接トーチの最小限の再位置決めと有効に結び付けるニーズが存在する。さらに、ロボット化されたMIGトーチを含む、いくつかの溶接室(welding cell)にわたって分散された複数のトーチを整備するための、単一の装置に対するニーズが存在する。
本発明はMIG溶接トーチシステムのメンテナンスに関するものであって、全てのメンテナンス作業を単一の整備場所に統合することによって、トーチエレメントがメンテナンスされるプロセスを自動化することによって、および主要な整備作業が生じる間は溶接トーチを適切な場所に固定することによって、トーチエレメントの無定見かつ時間を浪費する修理の問題を解決する。統合化および自動化は、トーチコンポーネントのメンテナンスにおけるばらつきを減少させる。ダウンタイムを減少することによって、およびより正確で再現性のあるメンテナンス結果を提供することによって、このような構成はロボット化溶接ステーションの効率を増加する可能性を有する。
一局面においては、溶接ノズルの自動化された整備のための装置が提供され、ノズルは加工部品よりもむしろトーチに近接して配置された第1の端部を含む。該装置はベースの上に取り付けられた第1のツールを含み、第1のツールはノズルを取り外し、または取り替えるために使用され得る。該装置はまたベースに対して配置される第2のツールを含み、それは第1の端部からノズルに入ることによってノズルの内部を清掃する。
一実施形態においては、該装置はまたベースの上に取り付けられた第3のツールを含み、第3のツールはノズルを取り外し、または取り替えるために使用され得る。このような実施形態においては、ベースの作動が第1のツールと第3のツールの位置を交換することができる。このような実施形態においては、ノズルは第2のノズルによって取り替えられ得る。別の実施形態においては、該装置は、整備する間に装置またはベースに関して一定の位置に溶接トーチを固定するためのクランプツールを含む。さらに別の実施形態においては、該装置は、加工部品に近接して配置されるノズルの端部である、ノズルの第2の端部にアンチスパッタ溶液を塗布するツールを含む。さらに別の実施形態においては、該装置は、第2のトーチの整備のために第2のトーチに隣接する配置転換に対して適合される。
別の局面においては、トーチに近接する第1の端部を有する、取り外し可能なノズルを含む溶接トーチを整備するための、自動化された方法が提供される。該方法は、ベースに取り付けられた第1のツールによって、トーチからノズルを取り外すことと、ベースに対する位置からノズルの第1の端部に入る第2のツールによって、第1の端部からノズルを清掃することとを含む。該方法はまたノズルを取り替えることを含む。
一実施形態においては、該方法は、ベースに取り付けられた第1のツールまたは第3のツールを使用して、ノズルを第2のノズルと取り替えることを含み得る。該方法はまた、トーチをベースに対して固定することを含み得る。清掃は、ノズルの取り外しまたは取り替えの何れかと実質的に同時に実施され得る。該方法は、加工部品に近接して配置された、ノズルの第2の端部にアンチスパッタ溶液を塗布することを含み得る。一部の実施形態においては、該方法は、第2のトーチを整備するために、ベース、第1のツール、および第2のツールを第2のトーチに隣接して自動的に再位置決めすることを含む。
さらに別の局面においては、ノズルの内部に配置された保持ヘッドアセンブリを含む溶接トーチの自動化された整備のための装置が提供される。該装置は、ノズルを取り外しまたは取り替えることができる第1のツールを含み、第1のツールはベースの上に取り付けられる。該装置はまた、第2のツールが保持ヘッドアセンブリの面と係合する間は、保持ヘッドアセンブリと回転的に接触して保持ヘッドアセンブリを清掃することができる、第2のツールを含む。保持ヘッドアセンブリの面は、保持ヘッドアセンブリの周囲であり得る。第2のツールは保持ヘッドアセンブリの面の周りを動くことができる。該装置は第3のツールを含み得、それはベースの上に取り付けられ、ノズルを取り外しまたは取り替えることができる。このような実施形態においては、ベースは第1および第3のツールの位置を相互に交換するように作動され得る。ノズルはまた第2のノズルによって取り替えられ得る。
さらに別の実施形態においては、該装置は、整備の間に装置またはベースに関して一定の位置にトーチを固定するための、クランプツールを含む。該装置は、ノズルの内部を清掃するためにノズルの第1の端部に入る、第4のツールを含み得る。ノズルの第1の端部はトーチに近接して配置され得る。保持ヘッドアセンブリは、保持ヘッドまたはディフューザーを含み得る。該装置は、溶接ワイヤを保持ヘッドアセンブリの先端の近くで切断するためのツールを含み得る。該装置は、第1の端部または保持ヘッドアセンブリの反対側に配置されたノズルの第2の端部に、アンチスパッタ溶液を塗布するためのツールを含み得る。該装置は、第2のトーチの整備のために、第2のトーチと隣接する自動的な配置転換に対して適合され得る。
さらに別の局面においては、取り外し可能なノズルの内部に配置された保持ヘッドアセンブリを有する溶接トーチを整備するための自動化された方法が提供され、それは、ベースの上に取り付けられる第1のツールによって、トーチからノズルを取り外すことを含む。該方法はまた、保持ヘッドアセンブリの面と係合する第2のツールにより、保持ヘッドアセンブリの面を清掃することを含む。清掃するステップは、第2のツールを保持ヘッドアセンブリの面の周りに動かすことを含み得る。保持ヘッドアセンブリの面は、保持ヘッドアセンブリの周囲であり得る。該方法はノズルを取り替えるステップを含み得る。このような実施形態においては、ノズルはベースの上に取り付けられた第1のツールまたは第3のツールによって、第2のノズルと取り替えられ得る。
該方法はベースに対してトーチを固定することを含み得る。ノズルがトーチに近接した第1の端部を含むような、一実施形態においては、該方法はベースに対して位置決めされた第4のツールにより第1の端部からノズルを清掃することを含み得る。該方法は、第1の端部または保持ヘッドアセンブリの反対側に配置されたノズルの第2の端部に、アンチスパッタ溶液を塗布することを含み得る。該方法は溶接ワイヤを保持ヘッドアセンブリの先端の近くで切断することを含み得る。該方法は第2のトーチを整備するために、その近くにベース、第1のツール、および第2のツールを自動的に再位置決めすることを含み得る。
一局面においては、ノズルの内部に配置されたコンタクトチップを含む溶接トーチの自動化された整備のための装置が提供される。該装置は、ノズルを取り外しまたは取り替えることができる、ベースの上に取り付けられる第1のツール、整備する間にトーチを装置またはベースに関して一定の位置に固定するためのクランプツール、およびコンタクトチップを取り外し、それを1個以上の取替え用コンタクトチップを保持するマガジンから得られる取替え用コンタクトチップと取り替える、ベースに対して位置決めされるサブアセンブリを含む。サブアセンブリは、取り外されたコンタクトチップを捨てることができる。該装置はベースに取り付けられる第2のツールを含み得、それはノズルを取り外しまたは取り替えることができる。このような実施形態においては、ベースの作動は第1のツールおよび第2のツールの位置を相互に交換することができる。ノズルは第2のノズルと取り替えられ得る。
ノズルがトーチに近接して配置された第1の端部を含むような、別の実施形態においては、該装置は、ノズルの第1の端部に入りノズルの内部を清掃する、第3のツールを含み得る。トーチがノズルの内部に配置された保持ヘッドアセンブリを含むような、一実施形態においては、該装置は、第4のツールが保持ヘッドアセンブリの面と係合する間に、保持ヘッドアセンブリと回転的に接触し、それを清掃する、第4のツールを含み得る。保持ヘッドアセンブリはコンタクトチップと係合し得る。保持ヘッドアセンブリの面は保持ヘッドアセンブリの周囲であり得る。該装置は、その中を溶接ワイヤが通過するコンタクトチップの開口、または第1の端部の反対側に配置されたノズルの第2の端部、に近接して溶接ワイヤを切断するための第5のツールを含み得る。該装置は、ノズルの第2の端部、保持ヘッドアセンブリまたはコンタクトチップの開口に、アンチスパッタ溶液を塗布するための第6のツールを含み得る。第2のトーチを整備するために、該装置は第2のトーチと隣接する自動的な配置転換に対して適合され得る。
別の局面においては、溶接トーチが取り外し可能なノズルの内部に配置された取り外し可能なコンタクトチップを含む場合に、溶接トーチを整備するための自動化された方法が提供される。該方法は、トーチをベースに対して一定の位置に固定すること、ベースに取り付けられた第1のツールによりノズルを溶接トーチから取り外すこと、ベースに対して位置決めされたサブアセンブリによりコンタクトチップを取り外すこと、サブアセンブリにより1個以上の取替え用コンタクトチップを保持するマガジンから取替え用コンタクトチップを入手すること、およびサブアセンブリにより取替え用コンタクトチップを保持ヘッドアセンブリに固定することを含む。該方法はコンタクトチップをサブアセンブリによって捨てることを含み得る。該方法はノズルを取り替えることを含み得る。このような実施形態においては、ノズルはベースの上に取り付けられた第1のツールまたは第3のツールによって取り替えられ得る。
ノズルがトーチに近接した第1の端部を含むような実施形態においては、該方法は、ベースに対して位置決めされたツールにより第1の端部からノズルを清掃することを含む。該方法は、保持ヘッドアセンブリの表面と接触する第4のツールにより保持ヘッドアセンブリの面を清掃することを含み得る。保持ヘッドアセンブリの面は保持ヘッドアセンブリの周囲を含み得る。コンタクトチップが開口とその中を通過するワイヤを含むような実施形態においては、該方法は、ノズルの第2の端部または開口の近くでワイヤを切断することを含み得る。該方法は、ノズルの第2の端部、保持ヘッドアセンブリまたはコンタクトチップにアンチスパッタ溶液を塗布することを含み得る。該方法は、第2のトーチの整備のために、ベース、第1のツール、サブアセンブリ、およびマガジンを第2のトーチに隣接して自動的に再位置決めすることを含み得る。
別の局面においては、溶接トーチの自動化された整備のための装置が提供され、ここではトーチは保持ヘッドアセンブリに固定されたコンタクトチップを含み、その両方共に、トーチに近接した第1の端部およびトーチから遠位の第2の端部を有する取り外し可能なノズルの内部に配置される。該装置は、ベース、トーチを装置またはベースに関して一定の位置に固定するためのクランプツール、ベースの上に取り付けられ、ノズルを取り外しまたは取り替えることができる第1のツール、ベースの上に取り付けられ、ノズルを取り外しまたは取り替えることができ、ベースの作動によってその位置が第1のツールと相互に交換され得る第2のツール、ノズルの第1の端部に入り、ノズルの内部を清掃する第3のツール、第4のツールが保持ヘッドアセンブリの面と係合する間に、保持ヘッドアセンブリと回転的に接触しそれを清掃する第4のツール、および、コンタクトチップを取り外し、マガジンから取替え用のコンタクトチップを入手し、取替え用のコンタクトチップをトーチに固定することができる、ベースに対して位置決めされたサブアセンブリ、を含む。該装置は、ノズルの第2の端部、保持ヘッドアセンブリまたは取り替えられたコンタクトチップにアンチスパッタ溶液を塗布するための、第5のツールを含み得る。該装置は、ノズルの第2の端部またはコンタクトチップの開口の近くで溶接ワイヤを切断するための、第6のツールを含み得る。
一局面においては、溶接トーチの自動化された整備をするための装置が提供される。トーチは、トーチに近接した第1の端部を有するノズルを含む。該装置は、ノズルを取り外しまたは取り替えるための手段、および第1の端部からノズルに入るツールによりノズルを清掃するための手段を含む。一構成においては、トーチはノズルの内部に位置決めされる保持ヘッドアセンブリを含む。このような構成においては、該装置は保持ヘッドアセンブリを清掃するための手段を含み得る。トーチはまたノズルの内部に位置決めされたコンタクトチップを含み得、該装置はコンタクトチップを取り外すための、または取替え用コンタクトチップをトーチに固定するための手段を含み得る。
該装置は、自動化された整備を行う間に、トーチを一定の位置に固定するための手段を含み得る。該装置はまた、トーチまたはトーチのコンポーネントにアンチスパッタ溶液を塗布するための手段を含み得る。一部の実施形態においては、該装置は、ノズルまたはコンタクトチップのオリフィスに隣接して溶接ワイヤを切断するための手段を含み得る。溶接ワイヤは所定の長さに切断され得る。
これまでの説明は、添付の図面と関連付けて解釈されるときには、以下の発明に関する詳細な記載内容からより容易に理解される。
図1は、本発明の実施形態に従った、ロボットMIGトーチを整備するための装置を示す。溶接トーチに対して自動化された整備作業を実施する様々なツールが、概してハウジング10の内部に配置され得る。発明の一部の実施形態においては、様々なツールがハウジング10の外部に置かれ得る。例えば、図1においては、アンチスパッタ溶液を塗布するためのツール12がハウジング10の外部に図示され、そこに固定される。ハウジング10は、トーチがハウジング10の内部のツールにアクセスすることを可能とするための、開口14を規定する。発明の実施形態においては、MIG溶接トーチ16はロボットまたはロボットアーム18によって操作される。このような実施形態においては、マウント20はトーチ16の1部分と固定的に係合し、トーチをロボット18と結合する。ロボット18は、溶接室の床などの表面に固定され得る支持メンバ22によって支持されるか、またはロボット18は固定されず、自由に直立するかまたは移動可能であり得る。ロボット18は様々な回転軸(pivot)26を含み、それは概してロボット18がトーチ16を三次元的に動かすことを可能とする。ロボット18の動きは、コンピュータ(示されていない)上でソフトウェアを実行することによって一般的に制御され得、特に、ソフトウェアの命令がロボット18の様々な部分に対して特定の方向に動くように指示する。特定の実施形態においては、ソフトウェアはロボット18に、トーチ16の1部分が開口14を通過するように、トーチ16が開口14に対して位置するように指示する。さらに、ロボット18に動きを指示する制御手段(すなわち、ローカルなプログラマブル回路またはカスタム回路ボード)は、装置に対する入力および出力を制御することができる。記述された装置の様々な機能は、溶接アプリケーションの間、溶接室の中に存在する既存の空気圧および電気的制御システムと統合化され得る。
図2は、本発明の実施形態に従った、トーチに近接して配置されたノズルの第1の端部から、溶接トーチノズルを整備するための装置を示す。装置はクランプツール200を含み、それはトーチ16を固定する。クランプツール200はトーチ受容部分200a、および装置に対して、特にベース202に対してトーチをしっかりと拘束するための固定する部分を規定し得る。受容部分200aは、トーチ16が通過することができる、任意の構成であり得る。図示された実施形態においては、受容部分は開いた側面を有するU字形であるが、発明はこの構成に限定されず、例えば、1側面を有するI字形、2側面を有するL字形、4側面を有する箱形、または輪郭線で囲まれた形、を含み得る。固定する部分は、トーチ16の位置をしっかりと拘束する、任意の構成であり得る。図示された実施形態においては、クランプツール200の固定する部分は、トーチ16に対して締付けられる取り付けねじを使用して、トーチ16を受容部分に固定する。しかしながら、発明はこの構成に限定されず、例えば、トーチの金属部分と係合する磁石または電磁石、トーチ16に対するねじ切りされた(threaded)係合装置、膨張可能なスリーブと共に配置される複数のプレート、またはクランプを備えるV字形ブロック、を含み得る。
図示されるように、トーチを整備する装置は、その上に取り付けられた第1のツール204aを有するベース202を含み得る。第1のツール204aは、ノズル208を受容しそれと係合するための覆い(envelope)206aを含む。特定の実施形態においては、覆い206aは膨張可能なスリーブの上に配置されたプレートを含み、スリーブが膨張したときには、プレートがノズル208と強固に係合できる。実施形態は、膨張可能なスリーブの内部に取り付けられた3つの半球形のプレートを有する覆い206aを含む。プレートはノズル208を取り囲むように構成され得る。空気がスリーブの内部に導入されプレートをノズル208に対して締め付けることができ、ノズル208をその外表面を傷つけることなく固定する。
第1のツール204aの覆い206aがノズル208と係合した後に、第1のツール204aはノズル208とトーチ16のグースネック210との間の結合を緩めるように構成され得る。第1のツール204aはまたノズル208を、それをトーチ16のグースネック210に固定することによって、取り替えるように構成され得る。特定の実施形態においては、第1のツール204aは一般に、ノズル208によって規定される軸に沿ってノズル208と位置合わせされ得る。ノズル208を取り外すために、第1のツール204aは軸の回りに回転することができ、グースネックまたは保持ヘッドアセンブリのねじ切りされた部分からノズル208のねじ切りされた部分の係合を解く。同様に、ノズル208をトーチに固定するために、第1のツール204aは同じ軸の回りに反対方向に回転することができ、ノズル208のねじ切りされた部分をグースネックまたは保持ヘッドアセンブリのねじ切りされた部分に係合し、特定のトルクで締められる。ノズル208は一般に2つの端部、すなわち第1の端部および第2の端部を有する。第1の端部はグースネック210に近接または近い位置にあり、しかるに第2の端部はグースネックから遠位の、コンタクトチップ212および加工部品に近接する位置にある。2つの端部は長手方向の軸を規定し得る。特定の実施形態においては、第1のツール204aがノズル208をトーチ16から取り外すときには、ノズル208の第2の端部はベース202に隣接する。装置はまた第2のツール、すなわち「清掃ツール」214を含み得、それはベース202とは独立に非同期的に動作することができる。
一部の実施形態においては、第1のツール204aがトーチ16からノズル208を取り外した後に、ノズルを清掃するために清掃ツール214がノズル208の第1の端部に入ることができるような位置に、ベースは第1のツール204aを位置決めする。一実施形態においては、軸216が清掃ツール214と係合し、清掃ツール214を駆動するためにアセンブリ218と結合する。図示された実施形態においては、清掃ツール214はアセンブリ218によって支持され、それは第2の車輪220bと連結される車輪220aを含む。車輪220bは、例えば、ロータリモータ(示されていない)、または回転出力を有するモータによって駆動され、ベルト(示されていない)を経由して車輪220aと連結され、それは車輪220bの回転に対応して車輪220aを回転させる。当該分野において公知のその他の手段、例えばラックアンドピニオン、または清掃ツール214とロータリモータとの直接結合が、清掃ツール214を駆動するために使用され得る。
一部の実施形態においては、ベース202が作動し、ノズル208と係合する第1のツール204aが、ノズルを清掃ツール214の長さに沿って長手方向に移動することを可能とする。このような実施形態においては、清掃ツール214はノズル208の第1の端部からノズル208の第2の端部まで通過し、かくして、ノズル208の内部の溶接ワイヤのスパッタおよびその他の汚染を清掃し、ノズル208の第2の端部からスラグを強制的に排出する。別の実施形態においては、第1のツール204aが作動し、それがノズル208を清掃ツール214の長さに沿って長手方向に移動する。一部の実施形態においては、清掃ツール214は、ノズル208の内面にそって長手方向に移動し、それを清掃することができる。一部の実施形態においては、清掃ツール214はノズル208の第2の端部を通過して突入し、それ故にノズルのオリフィスをその過程の中で清掃する。清掃ツール214は、例えば、リーマー、ドリルビット、フライス加工(milling)ツール、またはブラシ、を含み得る。軸216から清掃ツール214の係合を外し、軸216に異なる種類の清掃ツールを係合することによってもたらされる交換により、単一の整備装置が一種類より多い清掃ツール214を採用することができる。
図2をさらに参照して、ノズル208と係合するための第3のツール204bが提供され得る。第3のツールは、第1のツール204aに関して記述された覆い206aと同様の、ノズルと係合するための覆い206bを含む。覆い206bはノズル208と係合する第1の覆い206aと同じ手段を採用し得るが、しかしノズルと係合するための他の手法も使用され得る。さらに、第3のツール204bは、ノズル208と係合し、緩め、またノズル208を特定のトルクで締めるための、第1のツール204aに関して記述されたものと同様の属性を含み得る。第3のツール204bは、図示されるように、ベース202の上に取り付けられる。特定の実施形態においては、第1のツール204aおよび第3のツール204bは、ベース202の同じ面のそれぞれ反対側に取り付けられ、それは第1のツール204aおよび第3のツール204bの位置を相互に交換するように作動することを可能にする。より詳細には、ベース202が180度回転する場合には、以前に第1のツール204aによって占められていた位置は、第3のツール204bによって占められる。第1のツール204aおよび第3のツール204bの再位置決めは、トーチ16がクランプツール200によって固定されている間に整備されることを可能にする。固定されたトーチは、装置の様々なツールがそこから方向を合わせ、そこに向けけられるための単一の三次元基準点を提供する。
一部の実施形態においては、第1のツール204aはノズル208と係合するように位置決めされ得、第3のツール204bは清掃ツールと係合するように位置決めされる。このような実施形態においては、第3のツール204bは第2のノズル(示されていない)と係合し得る。清掃ツール214を駆動するアセンブリ218が起動されるときには、ベース202はトーチ16の方向に作動して第1のツール204aをノズル208と係合させ得、第3のツール204bによって係合された第2のノズルは実質的に同時にツール214によって清掃される。ベース202は次いで第1のツール204aをトーチ16から離れるように移動し得、同様に第3のツール204bを清掃ツール214から離れるように移動し得る。第1のツール204aおよび第3のツール204bの位置は、次いでベース202を180度回転することによって相互に交換され得る。ベース202の中心軸の周りの回転が記述されているが、当該分野において公知の他の移動パターンもまた採用可能である。回転の後に、ベース202は2度目の、トーチの方向に移動され得る。第3のツール204bによって係合された第2のノズル(示されていない)は次いで、第1のノズル208に関して上述されたように、トーチ16に固定され得る。この構成は、第1のノズル208がトーチ16から取り外されるときに第2のノズルが清掃され、それはノズルが再位置決めされる回数を減らすので、整備のための時間を削減する。
ベース202が2度目に作動するときに清掃ツール214がノズル208と係合しないように、清掃ツール214は再位置決めされ得る。図示された実施形態においては、アセンブリ218はアセンブリ218がそれに沿ってスライドすることができる開口を規定し、清掃ツール214の再位置決めを可能にする。特定の実施形態においては、ノズル208が清掃された後、およびノズル208または第2のノズル(示されていない)が取り替えられた後に、クランプツール200の固定する部分はトーチ16を開放し得、そしてロボット18はトーチ16を装置から取り外し得る。任意ではあるが、ロボットはトーチ16をツール12の近くに再位置決めし得、その結果として、ツール12はノズルおよびノズルの周囲に配置されたコンポーネントに、以下により詳細に記述されるようにアンチスパッタ溶液を塗布し得る。
図2の図示された実施形態においては、第1のツール204aおよび第3のツール204bが示されている。しかしながら、本発明の方法は、ベース202の上に取り付けられた第1のツール204aのみを採用して実行され得る。すなわち、第1のツール204aはノズル208を取り外し、清掃ツール214と係合し、ノズル208を取り替えることができる。ノズル208がトーチ16から取り外された実施形態においては、ノズルの内部に配置されたコンポーネント、すなわち保持ヘッドアセンブリ222およびコンタクトチップ212が露出される。一部の実施形態においては、保持ヘッドアセンブリ222はコンタクトチップ212を含む。コンタクトチップ212は保持ヘッドアセンブリ222に固定され得、それはまたグースネック210に固定され得る。保持ヘッドアセンブリ222は保持ヘッドまたはガスディフューザーを含み得る。保持ヘッドアセンブリはチップを規定し、それはトーチ動作の間に加工部品に近接することができる。グースネック210は、グースネック210の外面に配置された外面ねじのセット、およびグースネック210の内面に配置された内面ねじのセットの両方を含み得る。保持ヘッドアセンブリ222が保持ヘッドを含む実施形態においては、保持ヘッドアセンブリ222の内側のねじ切りされた領域(すなわち、内面ねじ)は、グースネック212の外側のねじ切りされた面(すなわち、外面ねじ)とねじ込み可能に係合する。保持ヘッドアセンブリ222がガスディフューザーを含む実施形態においては、保持ヘッドアセンブリ222の外側のねじ切りされた領域(すなわち、外面ねじ)は、グースネック212の内側のねじ切りされた面(すなわち、内面ねじ)とねじ込み可能に係合する。
図3は、保持ヘッドアセンブリを清掃するためのツールを含む、発明の別の実施形態に従った溶接トーチを整備するための装置を示す。一実施形態においては、図2に関して上述されたように、ロボット(示されていない)がトーチ16を、クランプツール200によって固定されるために位置決めする。トーチ16の位置が確定され、様々なツールに対する1つの三次元基準点が生成された後に、ノズル208は図2に関して上述されたように、第1のツール204aによって取り外され得、それによって保持ヘッドアセンブリ222を露出する。保持ヘッドアセンブリ222は一般に面を規定する。一実施形態においては、その面は保持ヘッドアセンブリ222の内部である。別の実施形態においては、保持ヘッドアセンブリの面は保持ヘッドアセンブリ222の周囲である。特定の実施形態においては、アセンブリ清掃ツール250が保持ヘッドアセンブリ222を清掃するために提供される。アセンブリ清掃ツール250は凹んだ部分252を含み得る。このような実施形態においては、アセンブリ清掃ツール250は、アセンブリ清掃ツール250を回転するドライバ254と結合され得る支持メンバの上に取り付けられ得る。図示された実施形態においては、支持メンバはラックアンドピニオンの駆動アセンブリと結合される。ドライバはロータリモータまたは当該分野において公知の他の適切な構成を含み得る。
一実施形態においては、アセンブリ清掃ツール250が回転する間に、それは保持ヘッドアセンブリ222の面と係合し、面を清掃する。アセンブリを清掃するアセンブリ清掃ツール250は、ノズル208の取り外しの後に露出される保持ヘッドアセンブリ222の部分と接触し、飛散した溶接ワイヤまたは破片を保持ヘッドアセンブリから清掃する。より詳細には、アセンブリ清掃ツール250の凹んだ部分252が保持ヘッドアセンブリと接触し得る。図示された実施形態においては、アセンブリ清掃ツール250およびドライバ254はベース202の上に取り付けられ、それは第1のツール204aおよび第3のツール204bから90度の位置において、上述された支持メンバとして働く。このような実施形態においては、第1のツール204aが上述されたようにトーチ16からノズル208を取り外した後に、および第1のツール204aがトーチから離れるように動かされた後に、ベースは90度(または反対側に向く270度)だけ回転され得、アセンブリ清掃ツール250を露出された保持ヘッドアセンブリ222に対して清掃のために位置決めする。ベース202は次いで、露出された保持ヘッドアセンブリ222の方向に移動され得、アセンブリ清掃ツール250が上述されたように保持ヘッドアセンブリと回転可能に係合することを可能にする。
アセンブリ清掃ツール250はベース202の上に取り付けられ得るが、しかし、これは要求されるものではない。例えば、アセンブリ清掃ツール250は分離した支持(示されていない)の上に取り付けられ得、その支持は、アセンブリ清掃ツール250がベース202の動きとは独立に保持ヘッドアセンブリ222の面と回転可能に係合するように、アセンブリ清掃ツール250を作動する。さらに、第1のツール204aおよび第3のツール204bがベース202の上に取り付けられているように示されているものの、本発明の原理は第1のツール204aのみを採用することによって達成され得る。このような実施形態においては、アセンブリ清掃ツール250はベース202の上に第1のツール204aと共に90度以外の位置に、例えば図3において第3のツール204bによって占められていた位置に取り付けられ得、またはアセンブリ清掃ツール250は分離した支持の上に取り付けられ得る。
一部の実施形態においては、アセンブリ清掃ツール250が保持ヘッドアセンブリと回転可能に係合するときには、アセンブリ清掃ツール250は保持ヘッドアセンブリ222の面の周りを移動する。例えば、アセンブリ清掃ツール250は清掃部分および駆動手段と結合される軸を含み得る。アセンブリ清掃ツール250の清掃部分を軸の中心軸の回りに回転させる軸を回転させる駆動手段に加えて、軸自身またはアセンブリ清掃ツール250を支持する手段は、保持ヘッドアセンブリ222の面(例えば、周囲の面)の周りを半径方向に回転し得る。本発明の図示された実施形態においては、アセンブリ清掃ツール250は、支持メンバによる保持ヘッドアセンブリ222の方向への作動のときに、保持ヘッドアセンブリ222を受容するように適合された凹み部分252を含む。保持ヘッドアセンブリが凹み部分252と係合するに先立ち、アセンブリ清掃ツール250と軸を経由して結合された駆動手段がアクティベートされ得、アセンブリ清掃ツール250を回転させる。凹み部分252の内側の面がかくして、トーチの方向へとトーチから離れる方向へとの両方の作動の間、保持ヘッドアセンブリ222の面と回転可能に係合する。特定の実施形態においては、アセンブリ清掃ツール250の凹み部分252は、清掃ツール250に固定された3つのスクィージーブレード256a〜256cを含む。凹み部分252が保持ヘッドアセンブリ222と回転可能に接触するときには、スクィージーブレードは摩擦力およびねじりの力を使用して破片を取り除くことができる。他の実施形態においては、凹み部分252はバッファパッド、サンディングパッド、グラインディングパッド、スティールウール、他の研磨手段、および/または蓄積された溶接ワイヤスパッタを溶解するための加熱エレメントを含み得る。凹み部分252はまた、ホースヘア、ナイロン、または金属ブラシを含むブラシエレメントを含み得るが、ブラシエレメントはこれらの材料に限定されない。
特定の実施形態においては、ノズル208は図2に関して上述された方法で、第1のツール204aまたは第3のツール204bによって清掃される。保持ヘッドアセンブリ222が清掃された後に、ノズル208は図2に関して上述されたように、第1のツール204aまたは第3のツール204bの何れかによって取り替えられ得る。
図4は本発明の実施形態に従った、コンタクトチップを取替えるための、および溶接ワイヤを切断するためのサブアセンブリを含む、溶接トーチを整備するための装置を示す。図示された実施形態においては、装置はトーチ16に対してアンチスパッタ溶液を塗布するためのツール12、および溶接ワイヤを所定の長さに切断するためのツール300を含む。一実施形態においては、ロボットはトーチ16を、例えば図2に関して上述されたように、クランプツール200によって固定するために装置の近くに位置決めする。このような実施形態においては、ノズル208は取り外され、上述されたように第1のツール204aまたは第3のツール204bによって、および例えば図2に関して上述されたように清掃ツール214によって清掃される。任意ではあるが、保持ヘッドアセンブリ222は図3に関して上述されたように、アセンブリ清掃ツール250によって清掃され得る。一実施形態においては、保持ヘッドアセンブリ222はコンタクトチップ212が取り替えられる前に清掃される。他の実施形態においては、保持ヘッドアセンブリ222はコンタクトチップ212が取り替えられた後に清掃される。図示された実施形態においては、ベース202を作動または回転させるためのドライバ301が描かれ、ドライバと結合されたシリンダ、またはベース202を作動または回転させるための他の手法を含み得る。
特定の実施形態においては、サブアセンブリ302がトーチ16のコンタクトチップ212を取り替えるために採用される。コンタクトチップ212はノズル208の内部に配置され、第1のツール204a、204bによってノズル208が取り外されるときに露出される。一実施形態においては、サブアセンブリ302は、トーチ16からコンタクトチップ212を取り外し廃棄することができる、第1のチップツール304を含む。図示された実施形態においては、第1のチップツール304は回転可能なベース306の上に取り付けられている。第2のチップツール308もまた、回転可能なベース306の上に取り付けられている。回転可能なベース306は、第1のチップツール304または第2のチップツール308をトーチ16の近くに、特に保持ヘッドアセンブリ222の近くに、位置決めするために移動され得る。サブアセンブリ302はまた、1つ以上の取替え用コンタクトチップを格納するマガジン310を含み得る。マガジンは図5に関連して非常に詳しく記述される。特定の実施形態においては、第1のチップツール304または第2のチップツール308は回転可能なベース306の作動を通じて、取替え用コンタクトチップを入手するためにマガジン310の近くに位置決めされる。取替え用コンタクトチップを入手した後に、第1のチップツール304または第2のチップツール308は、トーチ16に取替え用コンタクトチップを固定するまたは取り付けるために、トーチ16の近くに位置決めされ得る。
図示された実施形態においては、回転可能なベース306およびベース202は同じ支持メンバ312の上に取り付けられる。このような実施形態においては、支持メンバ312は「リフト」メンバ314によってトーチの方向に移動され得、「スライド」メンバ316によってトーチに対して横方向に移動され得る。リフトメンバ314およびスライドメンバ316はモータ、ピストン、または当該分野において公知の他の駆動手段によって駆動され得る。別の実施形態においては、回転可能なベース306およびベース202は異なる支持メンバに取り付けられ、トーチ16の方向へのおよびそれから離れる方向への独立の動きが可能である。一実施形態においては、サブアセンブリは、ベース202とは独立に回転可能なベース306を作動するためのドライバ318を含み得る。図示された実施形態においては、ドライバ318はロータリアクチュエータであるが、しかし本発明の範囲から逸脱することなく他の駆動手段が採用され得る。
一実施形態においては、回転可能なベース306は第1のチップツール304をトーチ16のコンタクトチップ212の近くに位置決めする。回転可能なベース306は第1のチップツール304を、コンタクトチップ212と接触するように作動させ得る。このような実施形態においては、第1のチップツール304は、コンタクトチップ212をそれを傷つけることなくしっかりとグリップするかまたはロックすることによって、コンタクトチップ212と係合する。第1のチップツール304は汚染されたまたは使用済みのコンタクトチップ212を取り外すことができ、コンタクトチップ212の保存が考慮されない場合には、それはサブアセンブリ302から最終的に廃棄される。特定の実施形態においては、第1のチップツール304は係合の間にコンタクトチップ212を受容するための覆い部分304aを含む。覆い部分304aはコンタクトチップ212の外面と係合するための、カム軸受け結合金具を含み得る。覆い部分304aはまた、スパイラルカッティングブレード、膨張可能なスリーブと接合する複数の金属プレート、またはコンタクトチップの外側を傷めることのない他の固定されたグリップホルダーなどの、係合のためのコンポーネントを含み得る。第1のチップツール304の覆い部分がコンタクトチップと係合した後に、コンタクトチップ212を保持ヘッドアセンブリ222との係合を解くために、第1のチップツールは回転され得、それによってコンタクトチップ212のねじ切りされた部分が、保持ヘッドアセンブリ222のねじ切りされた部分から、係合を解かれる。
特定の実施形態においては、第1のチップツール304によってコンタクトチップ212が取り外された後に、コンタクトチップ212は廃棄される。第1のチップツール304は、コンタクトチップ212の外面の係合を解くことによって、およびコンタクトチップを強制的に覆い部分304aから離脱させることによって、コンタクトチップ212を廃棄することができる。第1のチップツール304は空気が強制的に送られる通路(示されていない)を提供し得、それによりコンタクトチップ212が覆い部分304aから追い出される。別の実施形態においては、重力によってコンタクトチップ212が覆い部分304aから外れるように、第1のチップツール304は向きを変えられ得る。さらに別の実施形態においては、第1のチップツール304がコンタクトチップから離れる方向に移動される間、コンタクトチップ212は例えばホルダー(示されていない)によって固定され得る。このような実施形態においては、第1のチップツール304がコンタクトチップ212から離れるように移動された後に、コンタクトチップ212を固定するコンポーネントはコンタクトチップ212を解放し得、コンタクトチップは重力によって、すなわちそれが横からの支持を失うことによって地上に落下し得る。図示された実施形態においては、装置はコンタクトチップをサブアセンブリ302から放出するためのコンタクトチップエジェクタユニット320を含む。一部の実施形態においては、コンタクトチップツール304、308はエジェクタユニット320のグリップ部分322を許容するような位置に移動され得る。グリップ部分322は上述された係合のための手法を使用して、使用済みのコンタクトチップと係合するように構成され得る。このような実施形態においては、チップツール304、308は、グリップ部分322が使用済みのコンタクトチップと係合した後に、使用済みのコンタクトチップとの係合を解き得る。チップツール304、308は次いでエジェクタユニット320から離れるように移動され得、グリップ部分322は使用済みコンタクトチップを、係合を解き解放する。
コンタクトチップ212が取り外され廃棄された後に、取替え用コンタクトチップを格納するマガジン310から取替え用コンタクトチップが入手され得る。一実施形態においては、第1のチップツール304がマガジン310の方向に移動され、チップツール304の覆い部分304aの受容端部がマガジン310と係合する。覆い部分304aの受容端部がマガジンと係合した後に、マガジン310は取替え用コンタクトチップを解放し、それは覆い部分304aの中に落下するかまたは強制的に開口を通過して送られる。第1のツール304は次いでトーチ16の近く、例えばトーチ16の保持ヘッドアセンブリ222の近くに再位置決めされ得る。取替え用コンタクトチップと係合する第1のツール304は、取替え用コンタクトチップが保持ヘッドアセンブリ222とねじにより係合するように位置決めされ得る。第1のツール304は次いで、取替え用コンタクトチップによって規定される軸の回りに回転させられ得、取替え用コンタクトチップの外面に配置されたねじ(すなわち、外部ねじ)が、保持ヘッドアセンブリ222の内面に配置されたねじ、すなわち、内部ねじと係合することを可能にし、かくして取替え用コンタクトチップをトーチ16に固定または取り付ける。取替え用コンタクトチップをトーチ16に固定した後に、第1のチップツール304はトーチ16から離れるように作動される。ノズルは、図2に関して上述された方法を使用して、取り外され、トーチ16に固定される。
図4に関する上記コンセプトを採用する実施形態においては、単一の整備ツール304がコンタクトチップ212を取り外し、コンタクトチップ212を廃棄し、マガジン310から取替え用コンタクトチップを入手し、取替え用コンタクトチップをトーチ16に固定し得る。一部の実施形態においては、第2のチップツール308は、第1のチップツール304の覆い部分304aと同様に、マガジン310からの取替え用コンタクトチップを受容するために構成された覆い部分308aを含む。第2のチップツール308のマガジン310の近くへの作動のときに、第2のチップツール308はマガジン310から取替え用コンタクトチップを入手し得る。このような実施形態においては、第1のチップツール304はトーチ16からコンタクトチップ212を取り外し、上述したようにコンタクトチップを廃棄する。第2のチップツール308の位置は第1のチップツール304のそれと相互に交換可能である。一実施形態においては、ツール304および308の位置は、ベース306をベースに対して垂直な中心軸の回りに回転することによって相互に交換され得るが、しかしながら第1のチップツール304および第2のチップツール308の位置を交換する、当該分野において公知の他の方法が使用され得る。第2のチップツール308は次いでトーチの近くに位置決めされ得、第2のチップツール308は、例えば第1のチップツール304に関して上述されたように、取替え用コンタクトチップをトーチに固定し得る。図2に関して上述されたように、清掃ツール214を支持するアセンブリ218は、サブアセンブリ302と清掃ツール214との間の相互干渉を避けるために、スライド可能な方法で再位置決めされ得る。
図5は、本発明の実施形態に従った、コンタクトチップを取り替えるためのサブアセンブリによって採用されるマガジン500を示す。マガジンは第1のチップツール304または第2のチップツール308に提供される1つ以上の取替え用コンタクトチップを格納することができる。一実施形態においては、マガジン500はその中に配置された取替え用コンタクトチップを有するハウジング502を含む。ハウジングはまた開口504を規定し得る。第1のチップツール304および第2のチップツール308は、覆い部分304a、308aが開口504と係合するような位置に作動され得る。取替え用コンタクトチップ506は次いで、開口504を経て覆い部分304a、304bの中に達し得る。第1のチップツール304および第2のチップツール308は次いで開口504から離れ、保持ヘッドアセンブリの方向に作動され得、取替え用コンタクトチップ506をそこに固定する。一実施形態においては、重力が取替え用コンタクトチップを、開口504を経て覆い部分304a、304bの中に強制的に送る。特定の実施形態においては、プランジャ508が、ハウジング502の上の開口504と反対の位置に取り付けられ得る。取替え用コンタクトチップが開口504に隣接して位置決めされた後に、プランジャ508が取替え用コンタクトチップを、開口504を経て第1のチップツール304および第2のチップツール308の覆い部分の中へ強制的に送る。
図示された実施形態においては、マガジン500はハウジング502の内部に、開口504の方向に付勢力を加えるように使用され得るばねを含む。ばねはピストン部品に外接し得、フォーシングブロック510と係合し得る。フォーシングブロック510は隣接する取替え用コンタクトチップと接触し、第1のチップツール304および第2のチップツール308の中に分配するために、取替え用コンタクトチップの「スタック」を開口504の方向に駆動する。ばねはまたハウジング502の後壁512と係合する。マガジン500はサブアセンブリから取り外し可能であるように設計され組み立てられ得る。図示された実施形態においては、マガジン500は2つの固定クランプ514a、514bを含み、それはハウジング502の1部分をプランジャ508に対する相対的位置に固定する。固定クランプ514a、514bは解放され得、ハウジング502の移動可能な部分が後壁512の方向に移送されることを可能にする。このような構成においては、複数の取替え用コンタクトチップが、フォーシングブロック510と開口504との間の空いたエリアに補充され得る。このようにして、マガジンはサブアセンブリから取り外され、他の整備のためのツールから離れた場所において取替え用コンタクトチップを再充填され得る。一実施形態においては、マガジンの部分は取り付けブラケット516を介して装置に固定され得る。
図6は、複数のロボットMIG溶接トーチを整備するための装置を示す。概して、本発明は、1つ以上の溶接室の中に配置された複数のロボット溶接トーチを整備するための単一の装置を構成することによって、規模の経済性を達成することができる。特定の実施形態においては、例えば図1に関して上述されたように、装置はロボット18と係合する。整備のための装置がロボット18の整備を完了した後に、ロボット18はハウジング10によって規定された開口14からトーチ16を取り外す。このような実施形態においては、装置は第2のトーチの整備のために第2の溶接トーチに対して自動的に配置転換するように適合され得る。装置が自動的に配置転換された後に、第2のロボット600が、ロボット18に関して上述されたものと実質的に同じプロセスによって、第2のトーチ602を装置によって整備するために位置決めする。装置は次いで本明細書に記載されたように、第2のトーチ602の整備を開始し得る。図示された実施形態においては、装置はスライドするガントリー604の上面に載っており、それは上述されたドライバを採用して、装置が第1のロボット18から第2のロボット600へと駆動されることを可能にし得る。なお別の実施形態においては、装置は、車輪、スライド、レールまたは第1のロボット18の近くの第1の点から第2のロボット600に隣接する第2の点に装置を配置転換することが可能な他の構成を採用する、自動的な配置転換に対して適合され得る。一実施形態においては、整備を行う装置の移動は、ロボット18および600を制御するソフトウェアによって、または整備を行う装置のみを制御するソフトウェアによって制御され得る。
図7は、本発明の実施形態に従った、溶接ワイヤを整備するためのツール700を示す。示されるように、ツール700は固定されたベース701を含み、ベース701はトーチシート702および固定ブレード704aを示す。図示された実施形態においては、切断されたワイヤを蓄えるためのリザーバがベース701の下方に置かれているが、しかしリザーバ706は要求されない。一実施形態においては、ベース701は、ブレードホルダー708と結合され得る可動ブレード704bに対して相対的に固定され得る。ブレードホルダー708はハウジング710の内部に配置されたドライバ(示されていない)と結合され得る。一実施形態においては、ドライバはブレードホルダー708を固定ブレード704aの方向に強制的に動かす空気圧シリンダであり得るが、しかし他のドライバも使用され得る。一実施形態においては、例えばアクチュエータを様々なコンポーネントが取り付けられている支持メンバ712と結合することによって、トーチが依然として固定された位置に固定されている間に、溶接ワイヤを切断するためにツール700は溶接トーチのノズルまたはコンタクトチップの近くの位置に作動され得る。ツールの作動は、例えば上記説明されたように、三次元方向にハウジングを作動する複数の駆動モータを含む、複数のドライバによって駆動され得る。別の実施形態においては、ノズルまたはコンタクトチップがシート702と係合し、そのオリフィスまたはチップが固定ブレード704aと可動ブレード704bとの間の分離によって規定される開口714の上に配置されるように、トーチは再位置決めされ得る。一実施形態においては、溶接ワイヤはノズルまたはコンタクトチップからリザーバ706の方向に向けて出され得る。溶接ワイヤが2つのブレード704aと704bとの間に位置した後に、ドライバは可動ブレード704bを固定ブレード704aとカッティングコンタクトするように動かし得、かくして溶接ワイヤの部分を切断する。一部の実施形態においては、カッティングブレード704a、704bは同一線上または同一平面内にない。特定の実施形態においては、ブレードはインデクサブルカーバイドから形成され得るが、しかし本発明の範囲から逸脱することなく、他の材料が使用され得る。
図8は、本発明の実施形態に従った、様々なトーチのコンポーネントにアンチスパッタ溶液を塗布するためのツール800を示す。ツール800はアンチスパッタ溶液を収容するリザーバ802を含む。ツール800はまた、ツール800またはそのコンポーネントを装置に取り付けるためのブラケット804を含み得る。図示された実施形態においては、ツールは噴霧器ハウジング806を含み、それはオリフィス808を規定し、そのオリフィスを通ってアンチスパッタ溶液が噴霧され得る。示されるように、噴霧器ハウジング806はリザーバ802と同じブラケットの上に取り付けられているが、しかしこれは要求されない。噴霧器ハウジング806は1つ以上の空気ホース(示されていない)を取り付けるための、1つ以上のカップリングを規定し得る。空気ホースはまたリザーバ802と結合し得る。特定の実施形態においては、ホースはリザーバ802から噴霧器ハウジング806のオリフィスを通る通路に対して、アンチスパッタ溶液を供給する。
特定の実施形態においては、ツール800は、トーチから遠位置にあるノズルの第2の端部、すなわち、トーチ操作の間に加工部品に最も近い端部、に近い位置に作動され得る。ツール800は、例えば、上述されたような、ブラケットまたは噴霧器ハウジング806と結合し得るドライバによって作動され得る。別の実施形態においては、ツール800は固定して配置され得、トーチがツール800と接近するように移動され得る。例示的な実施形態においては、トーチのノズルはオリフィス808から約1インチの位置に置かれ得、オリフィスと位置合わせされ得る。コンタクトチップはノズルの内部に配置され得、かくして、概ねオリフィス808と位置合わせされる。このような実施形態においては、リザーバ802と結合されたバルブからの空気圧が、溶液を空気ホースを通過して噴霧器ハウジング806に向かって強制的に送り得る。一実施形態においては、アンチスパッタ溶液はオリフィス808から放出され得、ノズルの第2の端部、保持ヘッドアセンブリ、およびコンタクトチップと流体接触し、その部分を覆う。溶液はノズルの第2の端部の開口からノズルの中に入り得、ノズルの内面を覆うことに加えて、その中に配置されたコンポーネントを覆うことができる。
アンチスパッタ溶液は一般に、スパッタとして飛散する溶接ワイヤおよび破片がトーチの部品の上に蓄積することを防止することを助ける。TOUGH GARD(Windsor、CanadaのTregaskiss,Ltd.の登録商標)などの、アンチスパッタ溶液のいくつかの例が、当該分野において公知である。ツール800は比較的低い粘度を有する水ベースのアンチスパッタ溶液を採用することが好ましい。溶液がトーチに塗布された後に、ノズルおよびツール800は、例えばノズルから離れるようにツール800を作動させることによって、またはツールから離れるようにノズルを作動させることによって(またはその組み合わせによって)、係合を解かれ得る。一部の実施形態においては、アンチスパッタ溶液の塗布の後に、例えば、図7に関して上述されたように、溶接ワイヤが切断され得る。別の実施形態においては、溶接ワイヤはアンチスパッタ溶液の塗布の前に切断される。
特定の例示的な実施形態を参照して、本発明が詳細に示され記述されてきたが、添付の特許請求の範囲において表明された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形式および詳細における様々な変更が行われ得ることが、当業者によって理解されるべきである。