JPH0635069B2 - プラズマ切断トーチの火口交換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はプラズマ切断トーチを加工具とするプラズマ切
断装置に用いられるプラズマ切断トーチの火口交換装置
に関するものである。

〈従来の技術〉 プラズマ切断トーチを搭載したプラズマ切断機を用いて
鋼板やステンレス鋼板等を切断することが行われてい
る。

上記プラズマ切断トーチはプラズマ切断機に取り付けら
れるトーチ本体と、トーチ本体に着脱可能に取り付けら
れる電極とによって構成されている。前記電極は切断作
業の進行に伴って消耗し、寿命に達すると新たな電極と
交換することが必要となる。

電極の交換作業はオペレーターによる手作業で行われ
る。このため、プラズマ切断はガス切断と比較して数倍
の高速切断性能を有するが、前記性能も電極の交換に要
する時間と煩わしさによって相殺されているのが実情で
ある。

電極の耐久性を増加させることが期待されているが、現
在の技術と材料では極めて困難と考えられている。

本件出願人は、電極の交換を容易にしたカセット式プラ
ズマトーチ（特開昭62-104682号公報）と電極の破壊を
検出する方法（特開昭62-24864号公報）を開発して既に
特許出願している。

〈発明が解決しようとする問題点〉 上記の如く、プラズマ切断トーチの電極が寿命に達した
とき、この電極はオペレーターによって新たなものと交
換される。電極の交換は煩わしい作業であり、オペレー
ターの作業効率を劣化させるという問題がある。

本発明の目的は、電極を含む火口をトーチ本体に着脱さ
せるプラズマ切断トーチの火口交換装置を提供すること
にある。

〈発明を解決するための手段〉 上記問題を解決する本発明に係るプラズマ切断トーチの
火口交換装置は、電極とキャップとを有する火口をトー
チ本体の先端に装着して構成したプラズマ切断トーチの
火口交換装置であって、前記火口を保持するコンテナを
一定の間隔で配列すると共に前記コンテナを配列された
間隔で移動される保持手段と、前記保持手段と対向して
配置されトーチ本体に火口を着脱させる着脱手段とを有
し、着脱手段と対向して停止したプラズマ切断トーチの
トーチ本体に装着された火口を着脱手段によって取り外
して保持手段に保持させると共に保持手段に保持された
火口をトーチ本体に装着するように構成したものであ
る。

〈作用〉 上記プラズマ切断トーチの火口交換装置（以下『交換装
置』という）によれば、人手を介すことなくトーチ本体
に火口を着脱して交換することが出来る。

即ち、保持手段に火口を保持するコンテナを一定の間隔
で配列し、該コンテナを配列された間隔で移動させるよ
うに構成したので、電極とキャップを有する複数の火口
をコンテナに保持して一定の間隔で移動させて停止させ
ることが出来る。

またトーチ本体に火口を着脱させる着脱手段を保持手段
と対向して配置したので、トーチ本体に装着された火口
を着脱手段によって取外し、且つ保持手段に保持された
火口をトーチ本体に装着することが出来る。

〈実施例〉 以下上記交換装置の一実施例について図を用いて説明す
る。

第１図は交換装置の全体図、第２図はプラズマ切断トー
チの説明図、第３図は交換装置の要部断面図である。

先ず、プラズマ切断トーチＡの概略構成について第２図
により説明する。

図に示すプラズマ切断トーチＡは、特開昭62-104682号
公報によって出願したカセット式プラズマトーチと同一
の構造を有しており、トーチ本体１と、トーチ本体１の
先端に装着される火口２とによって構成されている。

火口２の内部には図示しない電極，チップ等が配置され
最も外側にキャップ２ａが配置されている。

火口２は冷却水を流通させて冷却し得るように構成され
ると共に酸素ガス，空気等のアシストガスを噴射し得る
ように構成されている。これ等の冷却水やアシストガス
は、火口２の頭部に形成されたシート部２ｂとトーチ本
体１の内部に形成されたシート部１ａとの当接によって
夫々分離された通路を介して供給されている。

トーチ本体１の外周先端にはネジ部１ｂが形成されてい
る。また火口２には袋ナット３が取り付けられており、
この袋ナット３をトーチ本体１のネジ部１ｂに螺合する
ことで、火口２のトーチ本体１に装着するように構成さ
れている。

従って、トーチ本体１に火口２が装着されている場合、
袋ナット３を緩めることで火口２をトーチ本体１から取
り外すことが可能である。

袋ナット３の外周所定位置には、後述するコンテナ６に
設けたピン６ｂと係合する溝３ａが形成されており、こ
の溝３ａにピン６ｂを係合させてコンテナ６を回転させ
ることで、火口２をトーチ本体１に着脱させている。

上記の如く構成されたプラズマ切断トーチＡを例えば数
値制御式切断機に搭載した場合、第１図に示すように、
プラズマ切断トーチＡは図示しないトーチホルダーを介
して該切断トーチＡに傾角を与えて溶接継手に必要な開
先切断を行うようにした角度設定機構４に取り付けられ
る。

尚、５はクランプ機構であり、トーチ本体１に対し火口
２の着脱を行う際に、トーチ本体１を固定する機能を有
するものである。

次に、交換装置の構成を第１図及び第３図により説明す
る。

図に於いて、交換装置は火口２を保持する保持手段Ｂ
と、トーチ本体１に対し火口２の着脱を行う着脱手段Ｃ
とによって構成されている。

保持手段Ｂは、火口２を保持するコンテナ６を回転及び
摺動可能に収納した複数のホルダー７を一定の間隔（ピ
ッチ）で固着した円板８と、該円板８を一定のピッチで
回動させる駆動部９とによって構成されている。

コンテナ６は保持する火口２の長さよりも大きい長さを
持った有底円筒状に形成されている。コンテナ６の上部
にはホルダー７の上端と係合するフランジ６ａが形成さ
れ且つ内部の所定位置には火口２の袋ナット３に形成し
た溝３ａと係合する複数のピン６ｂが突設されている。
またコンテナ６の底部６ｃには複数の穴６ｄが形成され
ている。

ホルダー７は円筒状に形成されており、円板８に設定さ
れた所定の半径を有する円周上であって且つ等しい角度
で分割された位置に固着されている。従って、円板８上
に設けた複数のホルダー７は等しいピッチを有してい
る。

円板８のホルダー７に対応する位置には、着脱手段Ｃの
軸10を貫通させる穴８ａが形成されている。

上記ホルダー７に収納されたコンテナ６は、回転及び軸
方向への摺動が可能である。

コンテナ６によって火口２を保持するには、該火口２を
先端を下向きにしてコンテナ６の上方から収容する。こ
のとき、火口２の袋ナット３に形成した溝３ａがコンテ
ナ６のピン６ｂと係合することで、火口２はコンテナ６
に保持される。

駆動部９は所謂インデックス装置によって構成されてお
り、円板８を一定の角度で回動させるものである。前記
角度は円板８に設けたホルダー７の分割角度と等しく設
定されている。

また駆動部９により円板８が回動し、且つ停止したと
き、ホルダー７，コンテナ６は常に一定の位置に停止し
得るように構成されている。

着脱手段Ｃは回転部となる軸10と、昇降部となる昇降装
置11とによって構成されている。

軸10は円板８の停止位置に於けるホルダー７と対向して
配置されており、先端にはコンテナ６の底部６ｃに形成
した穴６ｄと係合する突起10aが形成され、且つ該先端
がホルダー７の内部を貫通してコンテナ７の底部６ｃと
当接し得るように構成されている。

軸10は回転機構12によって正逆転駆動され、且つ昇降装
置11によって昇降される。

次に、上記の如く構成した交換装置によってトーチ本体
１に装着された火口２を交換する際の手順について説明
する。

先ず、保持手段Ｂのホルダー７に収納されたコンテナ６
に新しい火口２を収容する。このとき、着脱手段Ｃの軸
10と対向するコンテナ６には火口２を収容することなく
空のままにしておく。

着脱手段Ｃの軸10を下限まで下降させた退避位置に保持
する。

プラズマ切断トーチＡに装着した火口２の電極が寿命に
達したとき、該トーチＡを交換装置のホルダー７の上部
まで移動させて停止させると共にクランプ機構５を操作
してプラズマ切断トーチＡを切断機に固定する。

次に、昇降装置11を作動させて軸10を円板８の穴８ａを
貫通して上昇させ、該軸10の先端に形成した突起10aを
コンテナ６の底部６ｃに形成した穴６ｄに係合させる。
更に、軸10を上昇させることで、コンテナ６をホルダー
７に沿って上昇させピン６ｂを火口２の袋ナット３に形
成した溝３ａに係合させる。

次いで、軸10をトーチ本体１から火口２を取り外す方向
に回転させると、コンテナ６が軸10と同一方向に回転
し、従って、袋ナット３が緩み火口２はトーチ本体１か
ら取り外されてコンテナ６に保持される。

火口２がトーチ本体１から取り外された後、軸10の回転
を停止し、昇降装置11によって軸10を下降させると、こ
の下降に伴ってコンテナ６，火口２が下降し、コンテナ
６のフランジ６ａがホルダー７と係合してコンテナ６は
ホルダー７に収納される。軸10は引続き下降し、先端が
円板８から離脱して下降限に到達すると、駆動部９が作
動して円板８を一定角度で回動させ、未使用状態の火口
２が軸10及びトーチ本体１と対向する。

前述と同様にして軸10が上昇し、火口２を保持したコン
テナ６を上昇させ、該火口２をトーチ本体１に当接させ
る。次いで、軸10を火口２をトーチ本体１に装着する方
向に回転させて袋ナット３をトーチ本体１に螺合するこ
とで、火口２をトーチ本体１に装着する。

上記の如くしてプラズマ切断トーチＡの火口２を交換す
ることが可能である。

尚、前述の実施例に於いて、軸10の先端に突起10aを形
成し、該突起10aとコンテナ６の底部６ｃに形成した穴
６ｄとを係合させることで、火口２に回転を与えるよう
に構成したが、この構成に限定されるものではないこと
は当然である。

〈発明の効果〉 以上詳細に説明したように本発明に係るプラズマ切断ト
ーチの火口交換装置では、人手を介することなく火口を
交換することが出来る。このため、火口の交換に対する
オペレーターの煩わしさを排除し作業効率を向上させる
ことが出来る。

また数値制御切断装置等の自動制御切断機及び／又は電
極の寿命を検出する検出装置と接続することによって、
電極の寿命到達に伴って自動的に火口を交換することが
出来る交換装置を構成することが出来る。この場合、自
動制御されるプラズマ切断装置の稼働効率を向上させる
ことが出来る等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は交換装置の全体図、第２図はプラズマ切断トー
チの説明図、第３図は交換装置の要部断面図である。 Ａはプラズマ切断トーチ、Ｂは保持手段、Ｃは着脱手
段、１はトーチ本体、１ａ，２ｂはシート部、２は火
口、２ａはキャップ、３は袋ナット、３ａは溝、４は角
度設定機構、５はクランプ機構、６はコンテナ、６ａは
フランジ、６ｂはピン、６ｄは穴、７はホルダー、８は
円板、８ａは穴、９は駆動部、10は軸、10aは突起、11
は昇降装置、12は回転機構である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電極とキャップとを有する火口をトーチ本
   体の先端に装着して構成したプラズマ切断トーチの火口
   交換装置であって、前記火口を保持するコンテナを一定
   の間隔で配列すると共に前記コンテナを配列された間隔
   で移動させる保持手段と、前記保持手段と対向して配置
   されトーチ本体に火口を着脱させる着脱手段とを有し、
   着脱手段と対向して停止したプラズマ切断トーチのトー
   チ本体に装着された火口を着脱手段によって取り外して
   保持手段に保持させると共に保持手段に保持された火口
   をトーチ本体に装着するように構成したことを特徴とし
   たプラズマ切断トーチの火口交換装置。
2. 【請求項２】前記保持手段を複数のコンテナを一定の間
   隔で配置した円板と、前記円板を回転させてコンテナを
   一定位置で停止させる駆動部とによって構成したことを
   特徴とした特許請求の範囲(1)記載のプラズマ切断トー
   チの火口交換装置。
3. 【請求項３】前記着脱手段を火口を回転させて該火口を
   トーチ本体に着脱させる回転部と、前記回転部を昇降さ
   せる昇降部とによって構成したことを特徴とした特許請
   求の範囲(1)記載のプラズマ切断トーチの火口交換装
   置。