JP2007524098A - 結合対の特異的な結合反応の媒体として使用するための水溶液 - Google Patents

結合対の特異的な結合反応の媒体として使用するための水溶液 Download PDF

Info

Publication number
JP2007524098A
JP2007524098A JP2007500065A JP2007500065A JP2007524098A JP 2007524098 A JP2007524098 A JP 2007524098A JP 2007500065 A JP2007500065 A JP 2007500065A JP 2007500065 A JP2007500065 A JP 2007500065A JP 2007524098 A JP2007524098 A JP 2007524098A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous solution
binding
range
solution according
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007500065A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4484924B2 (ja
Inventor
ペーター ラウフ
トービアス ポリフケ
アンゲラ ツェルマー
Original Assignee
カンドル バイオサイエンス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=34896214&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2007524098(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by カンドル バイオサイエンス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング filed Critical カンドル バイオサイエンス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
Publication of JP2007524098A publication Critical patent/JP2007524098A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4484924B2 publication Critical patent/JP4484924B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/5306Improving reaction conditions, e.g. reduction of non-specific binding, promotion of specific binding
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S435/00Chemistry: molecular biology and microbiology
    • Y10S435/962Prevention or removal of interfering materials or reactants or other treatment to enhance results, e.g. determining or preventing nonspecific binding

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

本発明は、第1の結合要素がこれと相補的な第2の結合要素を認識する結合対の特異的な結合反応の媒体として使用するための水溶液であって、a)pHを制御するためのバッファーと;b)-一般式I:R1-[[CR2R3]p-O]q-R4(式中、R1は水素またはヒドロキシ基であり、R2はそれぞれのユニットで独立して水素またはヒドロキシ基であり、R3は水素、メチル基、エチル基であり、R4は水素またはアルキル基であり、pは2から10の整数であり、qは1から100の整数であり、但し、この化合物は少なくとも2つのヒドロキシ基を有する)で規定される化合物;ポリオール;糖からなる群から選択される化合物Aと;c)非イオン性界面活性剤とを含む溶液に関する。

Description

本発明は、結合対の特異的な結合反応の媒体として使用するための水溶液に関する。
試験試料中の試験物質(検体)を検出するために1種以上の抗体を用いるイムノアッセイは、広く知られている。イムノアッセイ方法の進化により、この試験の検出感度は増大している。この数十年の進歩にもかかわらず、非特異的な結合反応、交差反応性、およびマトリックス中に存在する化合物の影響を排除したいという要求は依然として存在する。
イムノアッセイは、結合要素対の、例えば抗原またはリガンドなどの第1の結合要素が、結合要素対の、例えば抗体またはレセプターなどの第2の結合要素に特異的に結合する能力に依存する。このような結合の広がり(extend)を決定するためには、これらの結合要素の1つを含むコンジュゲートを、検出可能成分で標識する。このような結合要素対は、抗原と、該抗原に対する抗体でもよい。
イムノアッセイは、競合イムノアッセイ方式か、またはサンドイッチイムノアッセイ方式で行うことができる。競合イムノアッセイ方式においては、抗原を固相物質に固定化して、固相物質に結合した検出可能成分の量を検出、測定し、試験試料中に存在する抗体の量と関連付けることができる。固相物質の例としては、ビーズ、粒子、マイクロ粒子などを挙げることができる。サンドイッチイムノアッセイ方式においては、例えば抗体を含有する試験試料を、抗原などのタンパク質と接触させる。抗原は、固相物質上に固定化されている。固相物質の例としては、ビーズ、粒子、マイクロ粒子などを挙げることができる。固相物質は、典型的には、検出可能成分で標識した、第二の抗原または抗体を用いて作製される。次いで、第二の抗原または抗体を、それぞれ、固相物質上の対応する抗体または抗原とそれぞれ結合させ、1回またはそれ以上の洗浄ステップを経て、未結合の物質を除去した後に、色素物質などの指示薬物質を導入して検出可能成分と反応させ、例えば色の変化などの検出可能なシグナルを発生させる。次いで、色の変化を検出、測定して、試験試料中に存在する抗体の量と関連付ける。化学反応に関与する、マイクロ粒子、抗原、コンジュゲート、およびその他のアッセイの成分の操作を最適化するためには、様々な希釈剤やバッファーもまた必要とされることにも注目するべきである。
イムノアッセイにおいて最適の結果を得るためには、結合パートナーの間の結合反応(例えば、抗体抗原反応や、リガンドとレセプターとの複合体形成)に用いられる溶液が、抗原に結合する抗体の能力を最適化する媒体を与えるか、またはレセプターに結合するリガンドの能力を最適化するような媒体を与える一方で、誤ったシグナルの発生を避けるために、非特異的な相互反応、低親和性結合、およびマトリックス効果は強く低減されるか、または防止されなければならない。
非特異的な相互反応と交差反応性を排除するためには、非特異的な結合を除去するための結合反応後の洗浄ステップで用いられるバッファーに、界面活性剤が添加されてきた。
ウェスタンブロット分析、酵素免疫吸着測定法(ELISA)、およびその他などのイムノアッセイにおいては、ウシ血清アルブミンと0.01から0.05(v/v)のTween(登録商標)20を添加したリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含有する溶液が、結合パートナー(例えば抗体と抗原)の間の結合反応のための媒体として使用される。しかしながら、現状技術のバッファーを用いると、非特異的もしくは低親和性結合、交差反応性、およびマトリックス効果を避けることができないことが、非常にしばしば経験されている。例えば、複数の検体の検出を含むCRP検定の開発に際しては、複数の抗体を使用することに起因する交差反応性がマトリックス効果とならんで問題となるが、従来のイムノアッセイバッファーの使用によってはこれを解決することができなかった。
従って、本発明の目的は、非特異的な結合、低親和性結合、交差反応性、およびマトリックス効果を強く低減、ひいては防止するような、結合要素対の特異的な結合反応の媒体として使用するための溶液を提供することである。さらにまた、非特異的な低親和性結合、交差反応性、およびマトリックス効果が低減または防止されているイムノアッセイ方法を提供することも、本発明の目的である。
本発明の目的は、第1の結合要素がこれと相補的な第2の結合要素を認識する結合要素対の特異的な結合反応の媒体として使用するための水溶液であって、
a)pHを制御するためのバッファー;
b)一般式I:R1-[[CR2R3]p-O]q-R4(式中、R1は水素またはヒドロキシ基であり、R2はそれぞれのユニットで独立して水素またはヒドロキシ基であり、R3は水素、メチル基、エチル基であり、R4は水素またはアルキル基であり、pは2から10の整数であり、qは1から100の整数であり、但し、この化合物は少なくとも2つのヒドロキシ基を有する)で規定される化合物;
ポリオール;
糖;
からなる群から選択される化合物A;及び
c)非イオン性界面活性剤:
を含む溶液により解決される。
化合物Aの一般式IにおけるR4が水素である場合には、隣接するR2残基もまた水素である。R1がヒドロキシ基である場合には、隣接するR2残基は水素である。好ましい実施形態においては、化合物Aの式におけるqは1から50の整数であり、1から30であることがより好ましい。
本発明の発明者らは、驚くべきことに、本発明による水溶液が、イムノアッセイにおける交差反応性、マトリックス効果、非特異的結合、および低親和性結合を低減することを見出した。さらにまた、本発明による水溶液を用いた場合には、異好性抗体(ヒト抗マウス抗体)に起因する影響さえも防止されることを見出した。加えて、このバッファーを用いると、プラズマ応用の場合でさえ、リウマ因子(rheuma factor)、ヘモグロビン、ビリルビン、およびトリグリセリドに起因する悪影響を避けることができる。
本明細書において用いる「結合要素対」とは、「第1の結合要素」と「第2の結合要素」とを含む。結合要素はいずれも互いに特異的な結合の作用を受ける。結合要素対の第1の結合要素は、それぞれ抗原またはリガンドであってもよい。第2の結合要素(例えば、それぞれ抗体またはレセプター)は、第1の結合要素(例えば、それぞれ抗原またはリガンド)を特異的に認識して結合する。第2の結合要素は、対応する結合要素であり、したがって「対応結合要素」とも称される。技術者には、「第1の」結合要素と「第2の」結合要素の語が、それぞれ例えば抗原と対応する抗体、またはそれぞれ逆であってもよいことが理解されるであろう。
本発明による水溶液は、イムノアッセイ、および、例えば血漿、血清、およびその他の様々なマトリックス中での結合反応における媒体として普遍的なバッファーを表わす。タンパク質チップを用いると、例えば数種(または複数)の検体、および数種の抗体を同時にインキュベーションする複数検体用途の場合には、非特異的な結合や交差反応性が非常にしばしば起こる。このような望ましくない結合反応は、多くの場合に観察されている。現状技術において知られている標準的なELISAバッファーの使用では、このような交差反応性の影響を防止することはできなかった。現状技術に加えて、天然試料の使用はマトリックス効果を招き、他の参考方法と比べて誤った測定結果を与える。本明細書において用いる用語「マトリックス」は、血清のような天然試料中に存在する全ての化合物を表し;特に用語「マトリックス」は有機物、特にタンパク質のような生物学的化合物を表す。
本発明による水溶液は、結合対の結合反応のための媒体として、イムノアッセイおよび結合反応の試料希釈バッファーとして、また、それぞれ抗体および抗原の希釈バッファーとして用いてもよい。さらなる用途は、複数検体イムノアッセイおよびプロテオミクスであり、フルオロフォアで標識した抗体の望ましくない交差反応性を防止することができる。フルオロフォアで標識した抗体は、非特異的な様式で他のタンパク質と結合する傾向がある。本発明による水溶液を用いることにより、このような影響を避けることができる。
ELISAやタンパク質チップのようなイムノアッセイにおいて本発明によるバッファーを用いることにより、さらに良好な効果が示されている。本発明によるバッファーで固定化抗体を有する表面をインキュベートすると、固定化抗体の活性が増大したのである。このことは、検体の固定化抗体との結合を増進させることにつながる。結論として、本発明によるバッファーは、非特異的なシグナルや非特異的な効果を低減することに加えて、検体と抗体との間の特異的な結合反応に良い影響を与えることにより、特異的なシグナルを増大させるのである。その結果得られる固定化抗体の活性の増大は、より高い感度を個々の検定に与える。
本発明によるバッファーは、イムノアッセイELISA、EIA、FIA、ラテラルフロー試験、タンパク質チップ、複数検体検定、ウェスタンブロット、ドットブロット、免疫組織化学、レセプター-リガンド検定、およびイムノPCRに用いてもよい。
発明の詳細な説明
本発明の好ましい実施形態においては、水溶液にはさらに、非特異的な抗体結合を免疫学的にブロックするのに有効な量のタンパク質が含まれる。このタンパク質は、好ましくは、ウシ血清アルブミン、オボアルブミン、カゼイン、ウシ胎仔血清からなる群から選択される。さらに好ましくは、タンパク質は、0.1から2%(w/v)の範囲、さらに好ましくは0.5から1.5%(w/v)の範囲の濃度で水溶液中に存在している。これらのタンパク質は、イムノアッセイで用いられる抗体の何れにも認識されないものとする。この認識されないタンパク質は、試料中に存在しうるような分子または化合物による非特異的な抗体結合の免疫学的なブロックを可能にする。
さらに好ましい実施形態においては、水溶液は、NaCl、KCl、NH4Clからなる群から選択される塩を含む。さらに好ましくは、水溶液は、100mMから1.5mM、より好ましくは200mMから1M、さらに好ましくは200mMから800mM、特に好ましくは200mMから600mM、最も好ましくは250mMから500mMのイオン強度を有している。驚くべきことに、本発明者らは、結合反応の媒体として用いるバッファーの、例えば200mMから600mMの範囲という高いイオン強度が、特異的な結合反応には悪影響を与えることなく、非特異結合や交差反応性をさらに低減することを見出した。
特に好ましい実施形態においては、水溶液のバッファーは、Tris(トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、Pipes(ピペラジン-1,4-ビス-2-エタンスルホン酸)、Mes(4-モルホリノエタンスルホン酸)、Hepes(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジン-エタンスルホン酸)、リン酸バッファーからなる群から選択される。
さらに好ましい実施形態においては、化合物Aは、ポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、単糖類、二糖類、三糖類、サッカロース、マンノース、トレハロース、ポリオール、グリセロール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。好ましい実施形態においては、化合物Aの濃度は、0.5から25%(v/v)の範囲、好ましくは2.0から20%(v/v)の範囲、より好ましくは2.0から15%(v/v)の範囲、さらに好ましくは2.0から10%(v/v)、さらにより好ましくは2.0から7%(v/v)の範囲、最も好ましくは5%(v/v)前後である。化合物Aが液体の場合には、濃度は%(v/v)で表す。化合物Aが固体(例えば、糖類)の場合には、濃度は%(w/v)と解されるべきである。
さらに好ましい実施形態においては、水溶液は、非イオン界面活性剤として、
a)置換基R1およびR2を有する置換フェニル残基(R1-Ph-R2)(式中、R1はC1〜C9のアルキル基であり、R2は-O-[CH2-CH2-O]a-H基である。式中、「a」は5から40の整数であり、式中、R2は、R1に対してパラ、メタ、またはオルト位に位置する)、
b)
(式中、n、x、yおよびzは共に5から40の整数であり、Rは脂肪酸残基である)
からなる群から選択される一般式の化合物を含む。
さらに好ましくは、非イオン界面活性剤は、ドデシルポリ(エチレングリコールエーテル)m(式中、mは5から40の整数である);1-O-n-オクチル-β-D-グルコピラノシド(n-オクチルグルコシド);アルキルフェノールポリ(エチレングリコールエーテル)m(式中、mは5から40の整数であり、m=11(Nonidet P40(登録商標))であることが好ましい);1-O-n-ドデシル-β-D-グルコピラノシル(1-4)アルファ-D-グルコピラノシド;ドデシルポリ-(エチレングリコールエーテル)m(式中、mは5から40の整数であり、m=23(Brij35(登録商標))であることが好ましい);好ましくはポリ(オキシエチレン)(20)-ソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標)80)、ポリ(オキシエチレン)(20)-ソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)20)、ポリ(オキシエチレン)(20)-ソルビタンモノパルミテート(Tween(登録商標)40)、ポリ(オキシエチレン)(20)-ソルビタンモノステアレートから選択されるポリ(オキシエチレン)(20)-ソルビタンモノ脂肪酸エステル;オクチルフェノールポリ(エチレングリコールエーテル)m(但し、式中、mは5から40の整数であり、好ましくはm=10(Triton(登録商標)X-100)である)からなる群から選択される。
好ましい実施形態においては、非イオン性界面活性剤の濃度は、0.1から1.0%(v/v)の範囲である。好ましくは、非イオン性界面活性剤の濃度は、0.15から1.0%(v/v)の範囲、より好ましくは0.2から1.0%(v/v)の範囲、さらに好ましくは0.2から0.8%(v/v)の範囲、さらにより好ましくは0.25から0.6%(v/v)の範囲、最も好ましくは約0.25%(v/v)である。
本発明の重要な特徴は、請求項1で与えられる化合物Aが、非イオン性界面活性剤との組み合わせにおいて存在していることである。前記成分はいずれも(化合物Aと非イオン性界面活性剤)それぞれ、本発明の水溶液中に、現状技術のイムノアッセイに用いられるインキュベーション溶液について知られているよりも高い濃度で存在する。さらに好ましい実施形態においては、水溶液は、非イオン性界面活性剤の化合物Aに対する比率が、1:15から1:25、好ましくは1:20前後のものとして提供される。
特に好ましい実施形態では、水溶液は、2から7%(v/v)の範囲の濃度の化合物Aと、0.2から0.8%(v/v)の間の範囲の非イオン性界面活性剤とを含む。水溶液は、好ましくは200mMから1M、より好ましくは200mMから800mM、特により好ましくは200mMから600mM、最も好ましくは250mMから500mMのイオン強度を有する。水溶液は、化合物Aとして、ポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、グリセロール、およびこれらの混合物からなる群から選択される化合物を含むことが好ましく、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコールから選択される化合物を含むことがより好ましく、エチレングリコールを含むことが最も好ましい。
本発明による水溶液は、ジチオスレイトールを含まないことが好ましい。本発明による水溶液は、β-メルカプト-エタノールを含まないことがさらに好ましい。
さらに好ましい実施形態においては、水溶液のpHは、5.6から9.6の範囲、好ましくは6.0から9.0の範囲、さらに好ましくは6.5から8.0の範囲、最も好ましくは6.8から7.4の範囲に調整される。
特に好ましい実施形態の水溶液は、非特異的な結合、交差反応性、およびマトリックスのかく乱効果を低減する能力を有する。本発明による水溶液は、標準条件のものに比べて、特に、10-7Mを超えないKD値の低親和性結合を防止する能力を有する。さらに好ましい水溶液は、標準条件のものに比べて、KD値が10-7Mを超えない低親和性結合を防止し、KD値が10-7Mと10-8Mの間の範囲の中程度の親和性結合を少なくとも90%減少させる能力を有する。さらにより好ましくは、水溶液は、標準条件のものに比べて、KD値が10-7を超えない低親和性結合を防止し、KD値が10-7と10-9の間の範囲の中程度の親和性結合を少なくとも90%減少させる能力を有する。本明細書で用いる「標準条件のもの」とは、50mMのPBS(リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4)、150mMのNaCl、1%(w/v)のBSA(表1:参考例も参照のこと)から構成される水溶液を表す。この他の標準溶液、すなわち50mMのPBS(pH7.4)、100mMのNaCl、0.05%(v/v)のTween(登録商標)20からなる水溶液を用いた測定を比較した時も、同じ結果が得られた。
非特異的、低親和性結合とならんでマトリックス効果を低減する効果の他に、特に好ましくは、水溶液は、抗体の結合活性、好ましくは固定化抗体の結合活性、並びにリガンドとレセプターとの間の結合活性を増大させる能力を有する。本発明による溶液を用いることによる固定化抗体の結合活性の増大は、約10%以上であった。
本発明の目的はまた、前述の本発明の水溶液の濃縮物、好ましくは2から10倍の濃縮物、より好ましくは3から5倍の濃縮物によっても達成される。
さらに、本発明の目的は、第1の結合要素がこれと相補的な第2の結合要素を特異的に認識して結合する結合対の結合反応の媒体として本発明による水溶液を使用することにより達成される。好ましくは、水溶液は、抗体抗原結合反応の媒体として用いられ、代替実施形態においては、水溶液はレセプター-リガンド結合反応の媒体として用いられる。他の好ましい実施形態においては、水溶液は、例えば試料、試薬、リガンド、レセプター、抗原、抗体の希釈バッファーとして用いられる。水溶液はまた、結合反応が実施された後のイムノアッセイにおける洗浄バッファーとして用いてもよい。
本発明はさらに、第1の結合要素がこれと相補的な第2の結合要素を認識する結合対の特異的な結合反応の間における、非特異的な結合および/または交差反応性および/またはマトリックスのかく乱効果を低減するための方法において、特異的な結合反応の媒体としての本発明の水溶液の使用を含む方法を提供する。
本発明の他の側面においては、本発明による水溶液は、キットの構成要素として提供することができる。本明細書で用いる用語「キット」とは、試薬および関連材料、例えば、バッファー、固定化結合要素を含むキャリヤ、およびアッセイを実行するために必要な試薬を集めたものを意味する。従って、本発明は、少なくとも1種の被験検体のイムノアッセイによる検出のためのキットであって、被験検体が、第1の結合要素がこれと相補的な結合要素と特異的に結合する結合要素対の第1の結合要素であり、
a)本発明の水溶液を含有する容器;
b)その上に固定化した、検体を捕捉するための相補的な結合要素を含むキャリヤ;及び
c)所望により、相補的な結合要素と結合した検体を免疫学的に認識する試薬(ここで、該試薬(抗体)は検出手段と共役している);及び
d)所望により、前記検出手段と反応して検出可能な反応生成物を生成する試薬:
を含むキットを提供するものである。
典型的なキットの例は、例えば血清中の抗体の検出のためのELISAキットとして用いられる。この場合、b)によるキャリヤは、この上に固定化された相補的な結合要素、例えば検体を捕捉するウィルス抗原を含む。検体は、血清中の抗体である。そして、c)による試薬は、免疫学的に検体を認識するものであり、捕捉された抗体を認識する抗−抗体である。
本発明は、第1の結合要素がこれと相補的な第2の結合要素を認識する結合要素対の特異的な結合反応の媒体として使用するための水溶液が、
a)pHを制御するためのバッファー;
b)一般式I:R1-[[CR2R3]p-O]q-R4(式中、R1は水素またはヒドロキシ基であり、R2はそれぞれのユニットで独立して水素またはヒドロキシ基であり、R3は水素、メチル基、エチル基であり、R4は水素またはアルキル基であり、pは2から10の整数であり、qは1から100の整数であり、但し、この化合物は少なくとも2つのヒドロキシ基を有する)で規定される化合物;
ポリオール;
糖;
からなる群から選択される化合物A;及び
c)非イオン性界面活性剤:
を含むことを特徴とする。
第1の結合要素がこれと相補的な第2の結合要素を認識する結合対の特異的な結合反応の間における、非特異的な結合および/または交差反応性および/またはマトリックスのかく乱効果を低減するための、すなわち、イムノアッセイのための本発明の方法は、上記の水溶液の使用を含むことを特徴とする。
水溶液は、好ましくは、2から7%(v/v)の範囲の濃度の化合物Aと、0.2から0.8%(v/v)の範囲の非イオン性界面活性剤とを含むものが有用であることが見出されている。水溶液は、好ましくは200mMから1M、より好ましくは200mMから800mM、特により好ましくは200mMから600mM、最も好ましくは250mMから500mMのイオン強度を有する。水溶液は、ポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、グリセロール、およびこれらの混合物からなる群から選択される化合物、より好ましくはポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコールから選択される化合物、最も好ましくはエチレングリコールを、化合物Aとして含むことが好ましい。
以下の実施例において、本発明をより詳細に説明する。しかしながら、実施例は例示のためのものに過ぎず、本発明の範囲をなんら限定するものではない。
実施例1:マトリックス効果の低減
100μlの希釈した捕捉抗体C2(PBSバッファーにおける最終濃度1μg/ml)を、マイクロタイタープレート(C8 StarWellモジュール、NUNC)の各ウェルに添加し、プレートをプレートシーラーでカバーした。捕捉抗体は、CRP(C反応性タンパク質)に対するものである。次いで、プレートを室温で5時間インキュベートした。プレートシーラーを取り除き、各ウェルあたり300μlの洗浄バッファー(10mMリン酸、350mM NaCl、0.05% Tween、pH7.4)でプレートを4回洗浄した。次いで、各ウェルに200μlのブロッキング溶液(PBSバッファー pH7.4、1% BSA)を添加した。プレートシーラーでカバーした後、プレートを4℃で一晩インキュベートした。検体CRP(C反応性タンパク質)をウサギ血清中で希釈(0〜5ng/ml)し、室温で30分間インキュベートした。ビオチン標識検出抗体C6(CRPに対するもの)を異なる試料バッファー、および参考例バッファー中で希釈した(表1を参照)。各調合液の最終的な濃度は、4μg/mlであった。CRP含有ウサギ血清標準を、検出抗体を含有する試料バッファーを用いて1:2に希釈した。調合液を、室温で30分間インキュベートした。プレートシーラーを取り除き、300μlの洗浄バッファーでプレートを4回洗浄した。洗浄バッファーの残存物は、テーピングしてプレートを乾燥させることにより完全に取り除いた。ウェルに、100μlのCRP調合液を添加した。プレートをプレートシーラーでカバーし、穏やかに振盪しながら室温で4時間インキュベートした。その後、プレートを再度洗浄した。各ウェルに、100μlの希釈NeutrAvidin(商標)-ホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲート(PBSバッファーにおける最終濃度0.05μg/ml)を添加した。プレートを、穏やかに振盪しながら室温で1時間インキュベートした。次いで、プレートを再度洗浄した。等体積のImmunoPure(登録商標)TMB Substratの2種の溶液を混合し、ただちに100μlを各ウェルに添加した。所望の色が呈されるまで、プレートを室温でインキュベートした。色は、透明から明るい青色に変化した。最終ステップでは、各ウェルに150μlの2 M H2SO4を添加することにより反応を停止させ、450nmにおいてELISAプレートリーダー(Molecular devices)で吸光度を読み取った。マトリックス効果に対する異なるバッファーの影響を、図1にプロットした。表1は、試験の結果を示す。表1では、非特異的結合、低親和性結合、およびマトリックス効果の低減を、「結果」欄に「+」として示している。「+」の数は、参考例バッファー(「-」)との比較において、非特異的結合、低親和性結合、およびマトリックス効果が低減された量を示している。図1は、CRP濃度(ng/ml)に対してプロットした、450nmにおける吸光度としてのCRPに結合した検出抗体C6の量を示している。試料バッファーIが、最も良好な感度を示している。参考バッファーの低い感度は、強いマトリックス効果に起因している。
実施例2:ポリクローナル検出抗体の非特異的結合の低減
次のアッセイにおいては、250μlの希釈した捕捉抗体P3(ポリクローナルウサギ抗プロテアーゼ、自己調製物、PBSバッファーにおける最終濃度1g/ml)を、マイクロタイタープレート(C8 StarWellモジュール、NUNC)の各ウェルに添加し、プレートをプレートシーラーでカバーした。プレートを室温で4時間インキュベートした。その後、プレートシーラーを取り除き、各ウェルあたり300μlの洗浄バッファー(10mMリン酸、350mM NaCl、0.05% Tween(登録商標)、pH7.4)でプレートを4回洗浄した。次いで、各ウェルに200μlのブロッキング溶液(PBSバッファーpH7.4、1% BSA)を添加した。プレートをプレートシーラーで再度カバーし、4℃で一晩インキュベートした。ビオチン標識ポリクローナル検出抗体P2(ポリクローナルウサギ抗プロテアーゼ、自己調製物)を、参考例バッファーII、または試料バッファーI(表1を参照)中でそれぞれ希釈し(各調合液の最終濃度は10μg/ml)、ウェルに添加した(各ウェルあたり250μl;5倍の複製)。プレートを室温で2時間インキュベートした。プレートシーラーを取り除き、300μlの洗浄バッファーでプレートを4回洗浄した。洗浄バッファーの残存物は、テーピングしてプレートを乾燥させることにより完全に取り除いた。各ウェルに、250μlの希釈NeutrAvidin(商標)-ホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲート(PBSバッファーにおける最終濃度0.5μg/ml)を添加した。プレートを、穏やかに振盪しながら室温で1時間インキュベートした。次いで、プレートを再度洗浄した。等体積のImmunoPure(登録商標)TMB Substratの2種の溶液を混合し、ただちに100μlを各ウェルに添加した。所望の色が呈されるまで、プレートを室温でインキュベートした。色は、透明から明るい青色に変化した。最終ステップでは、各ウェルに150μlの2 M H2SO4を添加することにより反応を停止させ、450nmにおいてELISAプレートリーダー(Molecular devices)で吸光度を読み取った。捕捉抗体P3に非特異的に結合するポリクローナル検出抗体P2の非特異的な結合により生じる高いバックグラウンドシグナルに対する2種の異なるバッファーの影響を、図2にプロットする。図2は、本発明による試料バッファーIを用いたことによる、バックグラウンドシグナルの減少を示している。この実験においては、検体は用いていない。さらに、抗体としてはポリクローナル血清を用いた。ポリクローナル血清は、ターゲットタンパク質に対応する多くの異なる抗体を含む。多くの抗体が、低い、またはより低い親和性で結合する一方、いくつかの抗体は中程度の親和性で結合し、1種またはごく少ない抗体だけが高い親和性で結合する。図2に示すように、本発明によるバッファーの使用は、個々の抗体の低親和性結合を防止し、中程度の親和性結合を少なくとも低減する。結果として、このようなアッセイにおいて検体が一度添加されると、本発明による水溶液の性質によって、シグナル対ノイズ比率が改善される。
図1は、サンドイッチアッセイにおけるCRPに結合した検出抗体C6の量を、450nmにおける吸光度としてCRP濃度(ng/ml)に対してプロットして示した図である。検出抗体C6のタンパク質CRPに対する結合反応は、実施例1の概要に従い、本発明による試料バッファーをそれぞれ用いて、標準的な条件で行った(表1を参照)。本発明の溶液による試料バッファーIからIIIは、マトリックス効果の影響を非常に良く低減する。試料バッファーIが最も良好な感度を示す。参考バッファーの低い感度は、強いマトリックス効果に起因している。 図2は、捕捉抗体P3に非特異的に結合するポリクローナル検出抗体P2の非特異的な結合によって生じる高いバックグラウンドシグナルに対する、2種の異なるバッファーの影響を示した図である(実施例2による)。この実験においては、検体は存在していない。参考例バッファーIIの高いバックグラウンドシグナルと比較して、試料バッファーIは非特異的結合を著しく減少させる。

Claims (27)

  1. 第1の結合要素がこれと相補的な第2の結合要素を認識する結合対の特異的な結合反応の媒体として使用するための水溶液であって、
    a)pHを制御するためのバッファー;
    b)一般式I:R1-[[CR2R3]p-O]q-R4(式中、R1は水素またはヒドロキシ基であり、R2はそれぞれのユニットで独立して水素またはヒドロキシ基であり、R3は水素、メチル基、エチル基であり、R4は水素またはアルキル基であり、pは2から10の整数であり、qは1から100の整数であり、但し、この化合物は少なくとも2つのヒドロキシ基を有する)で規定される化合物;
    ポリオール;
    糖;
    からなる群から選択される化合物A;及び
    c)非イオン性界面活性剤:
    を含む溶液。
  2. 非特異的な抗体結合を免疫学的にブロックするのに有効な量のタンパク質をさらに含む、請求項1に記載の水溶液。
  3. タンパク質が、ウシ血清アルブミン、オボアルブミン、カゼイン、ウシ胎仔血清からなる群から選択される、請求項2に記載の水溶液。
  4. タンパク質の濃度が、0.1から2%(w/v)の範囲、好ましくは0.5から1.5%(w/v)の範囲である、請求項2または3に記載の水溶液。
  5. 溶液がNaCl、KCl、NH4Clからなる群から選択される塩を含む、請求項1から請求項4のいずれかに記載の水溶液。
  6. 溶液が100mMから1.5M、好ましくは200mMから1M、より好ましくは200mMから800mM、さらに好ましくは200mMから600mM、最も好ましくは250mMから500mMのイオン強度を有する、請求項1から5のいずれかに記載の水溶液。
  7. バッファーが、Tris(トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、Pipes(ピペラジン-1,4-ビス-2-エタンスルホン酸)、Mes(4-モルホリノエタンスルホン酸)、Hepes(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジン-エタンスルホン酸)、リン酸バッファーからなる群から選択される、請求項1から6のいずれかに記載の水溶液。
  8. 化合物Aが、ポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、単糖類、二糖類、三糖類、サッカロース、マンノース、トレハロース、ポリオール、グリセロール、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から7のいずれかに記載の水溶液。
  9. 化合物Aの濃度が、0.5から25%(v/v)の範囲、好ましくは2.0から20%(v/v)の範囲、より好ましくは2から15%(v/v)の範囲、さらに好ましくは2.0から10%(v/v)の範囲、さらにより好ましくは2.0から7.0%(v/v)の範囲、最も好ましくは5%(v/v)前後である、請求項1から8のいずれかに記載の水溶液。
  10. 非イオン性界面活性剤が、
    a)置換基R1およびR2を有する置換フェニル残基(R1-Ph-R2)(式中、R1はC1〜C9のアルキル基であり、R2は-O-[CH2-CH2-O]a-H基であり、式中、「a」は5から40の整数であり、式中、R2は、R1に対してパラ、メタ、またはオルト位に位置する)、
    b)

    (式中、n、x、yおよびzは共に5から40の整数であり、Rは脂肪酸残基である)
    からなる群から選択される一般式の化合物である、請求項1から9のいずれかに記載の水溶液。
  11. 非イオン性界面活性剤が、ドデシルポリ(エチレングリコールエーテル)m(式中、mは5から40の整数である);1-O-n-オクチル-β-D-グルコピラノシド(n-オクチルグルコシド);アルキルフェノールポリ(エチレングリコールエーテル)m(式中、mは5から40の整数であり、m=11(Nonidet P40(登録商標))であることが好ましい);1-O-n-ドデシル-β-D-グルコピラノシル(1-4)アルファ-D-グルコピラノシド;ドデシルポリ-(エチレングリコールエーテル)m(式中、mは5から40の整数であり、m=23(Brij35(登録商標))であることが好ましい);好ましくはポリ(オキシエチレン)(20)-ソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標)80)、ポリ(オキシエチレン)(20)-ソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)20)、ポリ(オキシエチレン)(20)-ソルビタンモノパルミテート(Tween(登録商標)40)、ポリ(オキシエチレン)(20)-ソルビタンモノステアレートから選択されるポリ(オキシエチレン)(20)-ソルビタンモノ脂肪酸エステル;オクチルフェノールポリ(エチレングリコールエーテル)m(式中、mは5から40の整数であり、好ましくはm=10(Triton(登録商標) X-100)である)からなる群から選択される、請求項1から9のいずれかに記載の水溶液。
  12. 非イオン性界面活性剤の濃度が、0.1から1.0%(v/v)の範囲、好ましくは0.15から1.0%(v/v)の範囲、より好ましくは0.2から1.0%(v/v)の範囲、さらに好ましくは0.2から0.8%(v/v)の範囲、さらにより好ましくは0.25から0.6%(v/v)の範囲、最も好ましくは約0.25%(v/v)である、請求項1から11のいずれかに記載の水溶液。
  13. 非イオン性界面活性剤の化合物Aに対する比率が、1:15から1:25、好ましくは1:20前後である、請求項1から12のいずれかに記載の水溶液。
  14. 溶液がジチオスレイトールを含まない、請求項1から13のいずれかに記載の水溶液。
  15. pHが5.6から9.6の範囲、好ましくは6.0から9.0の範囲、より好ましくは6.5から8.0の範囲、最も好ましくは6.8から7.4の範囲に調整されている、請求項1から14のいずれかに記載の水溶液。
  16. 非特異結合、交差反応性、およびマトリックスのかく乱効果を低減する能力を有する、請求項1から15のいずれかに記載の水溶液。
  17. KD値が10-7Mを超えない低親和性結合を防止する能力を有する、請求項1から16のいずれかに記載の水溶液。
  18. KD値が10-7Mを超えない低親和性結合を防止し、KD値が10-7Mと10-8Mの間の範囲の中程度の親和性結合を少なくとも90%減少させる能力を有する、請求項1から17のいずれかに記載の水溶液。
  19. KD値が10-7Mを超えない低親和性結合を防止し、KD値が10-7と10-9の間の範囲の中程度の親和性結合を少なくとも90%減少させる能力を有する、請求項1から18のいずれかに記載の水溶液。
  20. 抗体の結合活性(親和性)、好ましくは固定化抗体の結合活性(親和性)を増大させる能力を有する、請求項1から19のいずれかに記載の水溶液。
  21. 好ましくは2から10倍の濃縮物、より好ましくは3から5倍の濃縮物である、請求項1から20のいずれか一項に記載の水溶液の濃縮物。
  22. 第1の結合要素が、これと相補的な第2の結合要素を特異的に認識して結合する結合対の結合反応のための媒体としての、請求項1から20のいずれか一項に記載の水溶液の使用。
  23. 抗体-抗原結合反応のための媒体としての、請求項1から20のいずれか一項に記載の水溶液の使用。
  24. レセプター-リガンド結合反応の媒体としての、請求項1から20のいずれか一項の水溶液の使用。
  25. 試料および試薬、好ましくはリガンド、レセプター、抗原、抗体の希釈バッファーとしての、または洗浄バッファーとしての、請求項1から20のいずれか一項に記載の水溶液の使用。
  26. 第1の結合要素がこれと相補的な第2の結合要素を認識する結合対の特異的な結合反応の間における、非特異的結合および/または交差反応性および/またはマトリックスのかく乱効果を低減するための方法であって、特異的な結合反応の媒体として請求項1から20の水溶液の使用を含む方法。
  27. 少なくとも1種の被験検体のイムノアッセイによる検出のためのキットであって、被験検体が、第1の結合要素がこれと相補的な結合要素と特異的に結合する結合対の第1の結合要素であり、
    a)請求項1から20のいずれか一項に記載のバッファーを含有する容器;
    b)その上に固定化した、検体を捕捉するための相補的な結合要素を含むキャリヤ;
    c)所望により、相補的な結合要素と結合した検体を免疫学的に認識する試薬であって、検出手段と共役している試薬;及び
    d)所望により、前記検出手段と反応して検出可能な反応生成物を生成する試薬:
    を含むキット。
JP2007500065A 2004-02-26 2004-02-26 結合対の特異的な結合反応の媒体として使用するための水溶液 Expired - Lifetime JP4484924B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/EP2004/050209 WO2005083433A1 (en) 2004-02-26 2004-02-26 An aqueous solution for use as medium for the specific binding reaction of a binding pair

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007524098A true JP2007524098A (ja) 2007-08-23
JP4484924B2 JP4484924B2 (ja) 2010-06-16

Family

ID=34896214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007500065A Expired - Lifetime JP4484924B2 (ja) 2004-02-26 2004-02-26 結合対の特異的な結合反応の媒体として使用するための水溶液

Country Status (8)

Country Link
US (2) US8877514B2 (ja)
EP (1) EP1718969B8 (ja)
JP (1) JP4484924B2 (ja)
CN (1) CN1922487A (ja)
AT (1) ATE476658T1 (ja)
DE (1) DE602004028515D1 (ja)
DK (1) DK1718969T3 (ja)
WO (1) WO2005083433A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019532291A (ja) * 2016-09-30 2019-11-07 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft 多重特異性分子の機能分析のためのsprに基づく二重結合アッセイ

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007178316A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Toyobo Co Ltd マトリックス効果の低減方法
EP2236520A1 (en) * 2009-03-31 2010-10-06 Leukocare Ag Stabilizing composition for immobilized biomolecules
CN101995459A (zh) * 2009-08-26 2011-03-30 刘萍 包被板封闭液
CN102662052A (zh) * 2012-04-19 2012-09-12 上海蓝怡科技有限公司 磁微粒封闭液
CN103063830B (zh) * 2012-12-21 2016-04-13 杭州茂天赛科技有限公司 一种elisa预包被酶标板的制备方法
CN103472222B (zh) * 2013-08-26 2015-12-23 河北省科学院生物研究所 一种长效酶标板稳定剂
CN103616507B (zh) * 2013-12-11 2015-08-19 山东博科生物产业有限公司 无蛋白包被板封闭液
CN106483293A (zh) * 2016-10-13 2017-03-08 广州华弘生物科技有限公司 He4a 临床免疫检测试剂盒及其制备方法
CN110392831B (zh) 2017-01-27 2023-09-05 豪夫迈·罗氏有限公司 用于在相互作用测定中调节信号强度的方法
CN108037279A (zh) * 2017-12-08 2018-05-15 中国人民解放军军事科学院军事医学研究院 一种提高elisa试剂盒信噪比的通用型酶标板洗涤液及其使用方法
CN107976540A (zh) * 2017-12-20 2018-05-01 山东省滨州畜牧兽医研究院 可变色elisa试剂盒样品稀释液
CN108535491B (zh) * 2018-03-22 2019-11-08 北京九强生物技术股份有限公司 一种肌钙蛋白i的胶乳增强免疫比浊检测试剂盒
CN116338162B (zh) * 2023-03-21 2024-01-12 江苏三联生物工程股份有限公司 一种点样液、使用点样液制备的蛋白质芯片及其制备方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FI792576A (fi) 1979-08-20 1981-02-21 Orion Yhtymae Oy Foerbaettrad metod att utfoera enzymimmunologiska bestaemningar
DE3134787A1 (de) * 1981-09-02 1983-03-10 Boehringer Mannheim Gmbh, 6800 Mannheim Creatinin-antikoerper
US4931385A (en) * 1985-06-24 1990-06-05 Hygeia Sciences, Incorporated Enzyme immunoassays and immunologic reagents
DD299142A7 (de) 1990-07-01 1992-04-02 Zentralinstitut Fuer Molekularbiologie,De Immunenzymometrischer assay (iema) zur immunchemischen bestimmung von glykogenisophosphorylase bb (gb-bb), verfahren zur herstellung und verwendung des iema
US5695928A (en) * 1993-12-10 1997-12-09 Novartis Corporation Rapid immunoassay for detection of antibodies or antigens incorporating simultaneous sample extraction and immunogenic reaction
US5616460A (en) * 1995-06-07 1997-04-01 Abbott Laboratories Buffer composition for reagents for immunoassay
JPH10245400A (ja) 1997-02-28 1998-09-14 Eiken Chem Co Ltd トランスフェリンレセプターの安定化方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019532291A (ja) * 2016-09-30 2019-11-07 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft 多重特異性分子の機能分析のためのsprに基づく二重結合アッセイ

Also Published As

Publication number Publication date
US20150050662A1 (en) 2015-02-19
US8877514B2 (en) 2014-11-04
ATE476658T1 (de) 2010-08-15
CN1922487A (zh) 2007-02-28
EP1718969A1 (en) 2006-11-08
US9267941B2 (en) 2016-02-23
US20080064116A1 (en) 2008-03-13
DE602004028515D1 (de) 2010-09-16
JP4484924B2 (ja) 2010-06-16
EP1718969B1 (en) 2010-08-04
EP1718969B8 (en) 2010-10-13
DK1718969T3 (da) 2010-11-29
WO2005083433A1 (en) 2005-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9267941B2 (en) Aqueous solution for use as medium for the specific binding reaction of a binding pair
JP3364537B2 (ja) 非競合結合検定方法
JP4209978B2 (ja) ポリエチレングリコール誘導化生体分子及び不均質検出法におけるその使用
US5770457A (en) Rapid oneside single targeting (ROST) immunoassay method
US20070148707A1 (en) Systems and methods for detection of analytes in biological fluids
JP4382866B1 (ja) クロマトグラフ媒体
JP5248264B2 (ja) イムノクロマトグラフ法による高感度測定キット
KR20010025027A (ko) 면역측정시약 및 면역측정법
US11320427B2 (en) Tandemly repeated antibody-binding protein and its applications
EP1239285A1 (en) Improved homogeneous immunoassay method
US20120214257A1 (en) Reagent Kit for Determining an Analyte in a Sample by Agglutination
JP4554356B2 (ja) サンドイッチアッセイおよびキット
JP5714791B2 (ja) 非特異反応抑制剤
EP1184666A2 (en) Auxiliary haptens and haptenylated agents in displacement immunoassays
JP2006234831A (ja) 免疫学的測定用試薬
EP0903582B1 (en) Ligand binding surfaces
CN104090097B (zh) 一种用作结合对的特异性结合反应培养基的水溶液
JP4440540B2 (ja) アッセイ方法およびそのためのキット
CN117169509A (zh) 一种类风湿因子及其亚型的测定试剂盒及其制备方法和检测方法
AU2001294469A1 (en) Assay method and kit therefor

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100223

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100323

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4484924

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term