JP2007520236A - 抗凍結タンパク質により高められた核酸増幅 - Google Patents

抗凍結タンパク質により高められた核酸増幅 Download PDF

Info

Publication number
JP2007520236A
JP2007520236A JP2006552251A JP2006552251A JP2007520236A JP 2007520236 A JP2007520236 A JP 2007520236A JP 2006552251 A JP2006552251 A JP 2006552251A JP 2006552251 A JP2006552251 A JP 2006552251A JP 2007520236 A JP2007520236 A JP 2007520236A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
enzyme
protein
afp
enzyme solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006552251A
Other languages
English (en)
Inventor
スミス ウエストベリー,ライアン
ペータース,ラルス−エリック
ジャクリン グリーンリー,ジェシカ
Original Assignee
キアジェン ノース アメリカン ホールディングス,インコーポレイティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by キアジェン ノース アメリカン ホールディングス,インコーポレイティド filed Critical キアジェン ノース アメリカン ホールディングス,インコーポレイティド
Publication of JP2007520236A publication Critical patent/JP2007520236A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions
    • C12Q1/6848Nucleic acid amplification reactions characterised by the means for preventing contamination or increasing the specificity or sensitivity of an amplification reaction
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions
    • C12Q1/6853Nucleic acid amplification reactions using modified primers or templates

Abstract

方法及び組成物は、標準核酸増幅緩衝液、リアルタイムPCR緩衝液、又はその両方のシグナル強度の増加及び貯蔵安定性を与える。本発明に記載される緩衝液は、抗凍結タンパク質(AFP)を、場合によりBSAなどのキャリアタンパク質と共に含む。

Description

本発明は、核酸増幅反応における増幅収量を増加するための、シグナル強度を高めて核酸検出及び定量方法、例えばリアルタイム・ポリメラーゼ連鎖反応(リアルタイムPCR)、におけるシグナル対ノイズ比を改善するための、並びに度重なる凍結/融解サイクルにわたりかかる反応において使用する増幅酵素溶液の安定性を増加するための方法及び組成物に関する。
関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、2004年2月4日に出願された「METHODS AND COMPOSITIONS TO ENHANCE AMPLIFICATION EFFICIENCY AND SIGNAL」と題する米国仮特許出願第60/541,999号に基づく優先権を主張する。
多量の核酸分子を調製する能力は、分子生物学の多くのプロトコルに必須であり、そしてバイオテクノロジー及び臨床研究における多くの下流用途における基本的な要件である。例えば、増幅された核酸分子は、しばしば、クローニング実験、DNAシーケンス反応、制限酵素切断反応、及びそれに続くライゲーション反応に使用され、そしてこうした使用は全て、又はある程度は、開始DNA物質の品質及び量に左右される。そのようなものとして、品質の高い多量の配列特異的核酸分子を調製する信頼の置ける方法に対する必要性がこれまで存在し、そして継続して存在する。
さらに、混合された標的物質から標的核酸分子を検出及び/又は定量する能力は、多くの臨床、工業、及び基礎研究適用に有用である。例えば、患者サンプル中でウイルス核酸配列を感度高くそして正確に検出及び定量することは、正確な診断及びそれに続く患者の治療についての臨床セットに有用である。かかる検出及び治療方法は、一般的に開始物質に存在する1以上の標的核酸分子の増幅を必要とする。そのようなものとして、開始物質由来の標的核酸分子の検出及び治療を容易にすることについて必要性が存在し、そして継続して存在し、これは、品質の高い多量の配列特異的核酸分子を調製する信頼できる方法をまた必要とする。
核酸を増幅する有力なアプローチは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介する。PCRは、テンプレートの核酸を指数関数的に増幅するのに有用で便利なin vitro増幅方法である。PCRの特定の応用は、標的遺伝子発現を検出及び/又は定量すること、並びにアレイ技術を用いて検出される標的遺伝子発現の差を確認することを含む。一般的にPCR技術の最適化は、増幅された産物(単位複製配列)の正確性(つまり、配列特異性)及びトータル・レベル若しくは量の両方を向上させ、そしてリアルタイム-PCR技術の最適化は、当該方法の間、感度を高め、そして非特異的増幅を抑制しうる。それぞれのリアルタイムアッセイは、PCR産物の生成の際の検出可能なシグナルの放出に依存しており、そして非特異的増幅は、開始物質が少量である場合特に問題となる。さらに、反応の間、及び反応混合液と合わせる前の反応に関与する構成要素の貯蔵の間の両方において、PCR反応に関与する構成要素である酵素のより優れた安定性に対して必要性が存在する。
従来、PCR最適化は、標準PCR緩衝液を改変すること、プライマー・アニーリング温度を改変すること、より効率のよい熱安定性のポリメラーゼ酵素を提供すること、及びより有効なプライマー分子を設計することに注目してきた。リアルタイムPCRにおける産物の定量化に関して、最適化は、2個の比較的新しいアッセイ:インターカレット型の色素及びバイナリ・ハイブリダイゼーション・プローブを使用するリアルタイムPCRのTaqMan(登録商標)法(Leeら、1993 Nucleic Acids Res., 21 (16:3761.6)) の開発に焦点を当てた。いずれの場合でも、非特異的増幅のさらなる減少、シグナル強度の増幅、及び酵素安定性の向上は、より感度の高く、正確で、そしてしっかりとした結果を提供するために決定的に必要とされている。
この背景に対して、本発明が開発された。
関連文献の要約
抗凍結タンパク質(AFP)は、氷結温度又は氷点下で生存する生物において広く見られる氷に結合するタンパク質のクラスである。最初に発見されたAFPは、南極地方の魚のある種の血液から発見された(DeVries(1969)Science 163, 1073-1075)。これらの最初の発見以来、当該タンパク質を発現する多くの生物(例えば、魚、昆虫、植物、及び微生物)が同定された(Jiaら、(2002) TRENDS in Biochem. Sciences, 27:2、101-106)。AFPは、タンパク質配列及び構造特徴に基づいて分類され、その多くはかなり異なる構造を有する。多くのAFPに基づく異なる構造は、これらの分析において同定され、へリックス・バンドル・タンパク質、タンパク質の一の側に並んだThr残基を有するらせん状のタンパク質、Ala-Ala-Thrの繰り返しを有するらせん状タンパク質、及び球形タンパク質を含む。
近年、AFPタンパク質及び特にI型AFPタンパク質(AFP type I protein)は、一般的な商品の安定性のため、化粧品用途において使用されてきた。さらに、AFPは、凍結条件下で、冷凍食品の保護を助けるために、食品添加剤として限られた設定で使用され、哺乳動物細胞の凍結保護用に使用され、そして細胞手術の間の腫瘍細胞の破壊を高めるために使用されてきた(Fletcherら(1999)CHEMTECH 30(6):17-28)。
本発明は、核酸増幅反応の性能を改善するための組成物及び方法を提供する。ここで、当該反応は、通常、少なくとも1回の変性ステップ、アニーリング・ステップ、及び伸張ステップを含む。本発明の組成物は、何回もの凍結/融解のコースに渡って酵素安定性を改善する有利な効果を提供し、そしてさらに驚くべきことに、増幅反応の性能を有意に高め、そしてシグナル強度を劇的に増加させ、そして関連する検出及び定量方法においてシグナル対ノイズ比を改善する。本発明は、抗凍結タンパク質(AFP)、例えばBSAなどのキャリアタンパク質と混合されたAFP、ポリオールと混合されたAFP、及びキャリアタンパク質及びポリオールと混合されたAFPを含む増幅反応混合組成物を提供する。
本発明の一の態様では、増幅酵素溶液中において酵素の安定性を改善するための方法及び組成物が提供され、ここで、当該酵素溶液は、次の増幅反応において使用する前に、少なくとも1回の凍結融解サイクルに付される。一の実施態様では、酵素溶液は、AFPを含み、そして場合によりさらにキャリアタンパク質及び/又はポリオールを含む。好ましい実施態様では、AFPは、凍結融解サイクルの前に、又は同時に酵素溶液に加えられる。
本発明の別の態様では、一般的な核酸増幅反応、及び特に関連する検出及び定量方法の性能を改善するための方法及び組成物であって、両性イオン緩衝液中のキャリアタンパク質と場合により組合せた少なくとも1の抗凍結タンパク質を、増幅反応混合液中に含めることを含む。本明細書中に記載されるように、これらの新たな増幅反応混合液は、単位複製配列の収量及びシグナル強度を改善し、シグナル対ノイズ比を増加させ、そして反応の全体の感受性を高める。
特別な実施態様では、反応のシグナル対ノイズ比を改善するために反応混合液が少なくとも1の抗凍結タンパク質を含む核酸増幅反応を含む、改善された核酸検出及び定量方法が提供される。好ましい抗凍結タンパク質は、シグナル及び感度を高めるための1以上のアラニン-リッチ・モチーフを有する。特に好ましい実施態様では、キャリアタンパク質、例えばBSA又は他のタンパク質は、反応混合液中に、抗凍結タンパク質と組み合わせて含められて、シグナル対ノイズ比を最大にする。驚くべきことに、AFPとキャリアタンパク質の組合せは、AFP単独又はキャリアタンパク質単独を超えるシグナル対ノイズ比の相乗的改善を提供する。
好ましい実施態様では、ポリオールは、一定の第二構造を有するテンプレート核酸を含む増幅反応混合液中に含められる。特に好ましい実施態様では、ポリオールは、ソルビトール、マルチトール、アドニトール、アラビトール、及びマンニトールからなる群から選ばれる。付属的な物質(例えば非限定的に、一本鎖結合タンパク質、n-プロピル・スルホキシドなどを含む)は、増幅反応をさらに促進するために、当該反応混合液に含めることができる。
本発明のさらなる実施態様は、5’-3’ヌクレオチド分解性の切断の際に蛍光シグナルの放出が予期されるリアルタイムPCRの間、シグナル増幅を最大化する組成物を含む。本発明の好ましい組成物及び方法は、好ましくは1以上のアラニン・リッチ・モチーフを有する少なくとも1の抗凍結タンパク質(例えばI型AFPにより発現される)を、単独で、又はキャリアタンパク質と組み合わせて含む反応混合液を使用する。特に好ましい実施態様では、反応混合液は、約7.9〜約8.1のpHを有する両性緩衝液で調製される。別の好ましい実施態様では、核酸定量方法は、リアルタイムPCRであり、そして抗凍結タンパク質、及びキャリアタンパク質の添加が、相乗的なシグナル増幅を与える。
本発明のこれらの及び様々な他の特徴及び利点は、以下の詳細な記載を読み、そして添付の特許請求の範囲を読むことから明らかであろう。
以下の定義は、本明細書中で頻繁に使用される用語の理解を促すために提供され、そして本開示の範囲を制限することを意味しない。
本明細書中に使用されるとき「増幅反応」又は「核酸増幅反応」は、DNAポリメラーゼを用いて、所望の核酸配列のコピーの数を増加するin vitro方法のいずれかを指す。核酸増幅反応は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(米国特許第4,683,195号及び第4,683,202号に記載される。両特許は、本明細書中に援用される)、核酸配列に基づく増幅(Nucleic Acid Sequence-Based Amplification)(NASBA)(米国特許第5,409,818号に記載される。当該特許は本明細書中に援用される)、及び鎖置換増幅(Strand Displacement Amplification)(SDA)(米国特許5,455,166号に記載される。当該特許は、本明細書中に援用される)を含む。当該技術分野に周知であるが、かかる反応は、サンプル中の1以上の標的核酸配列の存在を測定する多くの核酸検出方法において、並びに当該反応により産生された単位複製配列の量を定量する多様な核酸定量方法において有利な用途を見つける。
本明細書中で使用されるとき「アンチセンス」は、標的「センス」ポリヌクレオチド配列に相補的であるポリヌクレオチド配列を指す。
本明細書中に使用されるとき、「キャリアタンパク質」は、ウシ血清アルブミン(BSA)、プリオネックス(Prionex)、冷水魚ゼラチン、ゼラチン、Gro L、Gro S、DNAK、熱ショックタンパク質70(HSP70)、アポリポタンパク質、並びに血清アルブミン様の他の物質を指す。
本明細書中で使用されるとき「Ctシフト」又は「閾値サイクル」は、増幅産物が検出できるサイクルを指し、1.5〜3サイクルのCtシフトは、5〜10倍量のDNAに相当する。
本明細書中で使用されるとき、「核酸」又は「NA」は、デオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)の両方、並びにそれらの改変及び/又は官能基化されたバージョンを指す。同様に、本明細書中で使用される「ヌクレオチド」は、リボ核酸及びデオキシリボ核酸の個々のユニットの両方、並びにヌクレオシド及びヌクレオチドアナログ、及び改変されたヌクレオチド、例えば標識ヌクレオチドを含む。さらに、「ヌクレオチド」は、非天然型のアナログ構造、例えば、糖、ホスフェート、及び/又は塩基ユニットが失われているか、又は他の化学構造により置換されている構造を含む。こうして、「ヌクレオチド」という用語は、個々のペプチド核酸(PNA)(Nielsenら、Bioconjug. Chem.1994;5(1):3-7)及びロックされた核酸(locked nucleic acid)(LNA)(Braasch及びCorey, Chem. Biol. 2001; 8(1); 1-7)を含む。
本明細書中で使用されるとき、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」又は同等の文法的同等物は、互いに共有結合された少なくとも2個のヌクレオチドを意味する。当業者により認められるように、糖-ホスフェート骨格の様々な改変は、生理環境における係る分子の安定性を増加するために行われ、例えば、化学改変、例えば、ホスホロチオエート、又はメチルホスホネートを含む。係る分子は、例えば、標識の付加を促進する目的で、明らかな特徴的性質を有する1以上の分子とカップリングすることにより官能基化されてもよい。
本明細書中に使用されるとき、「核酸配列」は、核酸の鎖に沿ったヌクレオチドの順番又は配列を指す。幾つかの場合、これらのヌクレオチドの順番は、対応するポリペプチド鎖に添ったアミノ酸の順番を決定するであろう。核酸配列は、こうしてアミノ酸配列をコードする。核酸配列は、定められる場合、一本鎖又は二本鎖であってもよく、又は二本鎖及び一本鎖配列の両方の一部を含んでもよい。核酸配列は、DNA、ゲノム及びcDNA、RNA、又はハイブリッドから構成されてもよく、ここで当該配列は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドの任意の組合せ、及び塩基(例えばウラシル(U)、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、イソシトシン、イソグアニンなど)の任意の組合せを含む。
本明細書中で使用されるとき「相補」又は「相補性」は、第二ポリヌクレオチド分子中の別のヌクレオチドと塩基対を形成するポリヌクレオチド分子中のヌクレオチドの能力を指す。例えば、5’-A-C-T-3’配列は、3’-T-G-A-5’配列に相補する。相補性は部分的(その場合ヌクレオチドの幾つかのみが、塩基対に従って適合する)であってもよいし、又は完全(その場合、全てのヌクレオチドが塩基対に従って適合する)であってもよい。本発明の目的では、「実質的に相補的」は、標的塩基対領域の長さにわたり、95%以上の同一性を指す。
本明細書中で使用されるとき、「発現」は、宿主細胞内で起こる転写及び翻訳を指す。宿主細胞におけるDNA分子の発現レベルは、細胞内に存在する対応するmRNAの量、又は宿主細胞により産生されるDNA分子がコードするタンパク質の量のいずれかに基づいて決定されてもよい。本発明の文脈内において、「発現」という用語についてのさらなる詳細は、Sambrookら、1989, Molecular Cloning; A Laboratory Manual; 18.1-18.88の総説を介して得ることができる。
本明細書中で使用されるとき、「凍結/融解」条件は、典型的には0℃未満、及び好ましくは約-30℃〜約-40℃以下ではない温度で標的物質を凍結することにより特徴付けられる。融解条件は、典型的には室温を超えることはない。典型的なゆっくりの凍結/融解サイクルは、物質を約0℃〜約-40℃で凍結し、その温度で一定の時間貯蔵し、そして約1℃から約27℃で融解するサイクルであり、必要とされる最終用途に左右される。
本明細書中に使用されるとき、「宿主細胞」又は「宿主細胞(複数)」は、異種のポリヌクレオチド分子、例えばプラスミド・ベクターを発現しているか、又は発現することができる細胞を指す。本発明の宿主細胞は、バイオテクノロジー、分子生物学、及び臨床セットを含む多くの用途において有用であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現する。本発明における適切な宿主細胞の例は、非限定的に細菌、酵母、昆虫、及び哺乳動物細胞を含む。かかる細胞の具体例は、イー.コリ(E.coli)DH5α細胞、並びに種々の他の細菌細胞源、例えばイー.コリ株:DH10b細胞、XL1Blue細胞、XL2Blue細胞、Top10細胞、HB101細胞、及びDH12S細胞、並びにサッカロマイシス(Saccharomyces)、ピチア(Pichia)、及びクルヴェロマイシス(Kluveromyces)を含む属由来の酵母宿主細胞を含む。
本明細書中に使用されるとき、本発明の目的のための「単離された」及び「精製された」は、互換性を有し、そしてポリヌクレオチド、例えば標的核酸配列であって、細胞破片から分離されたもの、例えば高分子量DNA、RNA、及びタンパク質を指す。これは、DNAを含む細胞破片から分離される単離RNAサンプルを含む。
本明細書中に使用されるとき、「タンパク質」、「ペプチド」、及び「ポリペプチド」は、交換して使用することができ、アミノ酸ポリマー又は2以上の相互作用若しくは結合するアミノ酸ポリマーのセットを指す。
本明細書中に使用されるとき、「リアルタイムPCR」は、蛍光プローブ、ビーコン、及び/又はインターカレット型色素を、当該方法の全てのサイクルの間用いる定量的PCR技術を指す。
本明細書中に使用されるとき、「厳格度」は、条件、つまり、温度、イオン強度、溶媒などであって、その条件下でポリヌクレオチド間のハイブリダイゼーションが生じる条件を指す。ハイブリダイゼーションは、増幅方法のアニーリングステップの間、プライマーとテンプレートDNAとの間で生じるプロセスである。
本発明の実施態様は、核酸増幅反応の全体としての性能を高め、そして関連する検出及び定量方法を改善するための方法及び組成物を提供する。特に、本発明の実施態様は、一般的な核酸増幅反応のシグナル強度を向上させ、シグナル増幅を高め及び/又は核酸検出法及び増幅法においてシグナル対ノイズ比を改善し、そしてかかる反応及び方法において使用する前に1回又は数回の凍結融解サイクルをとおした酵素溶液の安定性を増加することに関する。
好ましくは、本発明の具体的な実施態様は、以下の:
リアルタイムPCRの間において、シグナル増幅(RFU)及び感度(閾値サイクル)を高めるために抗凍結タンパク質(AFP)を含めること;凍結/融解条件の間、貯蔵安定性を高めるために酵素溶液内にAFPを含めること;シグナルの大きさ及び感度、並びに貯蔵安定性についてさらなる相乗効果を提供するために、AFPとともにキャリアタンパク質、例えばBSAを含めること;凍結/融解サイクルの間、生成物収量を高め、そして安定性をさらに改良するために、混合物中にAFPとともにソルビトール又は他の同様のポリオール物質を含めること;及び高性能核酸増幅緩衝液、例えばPCR緩衝液(感度、特異性、シグナル強度、及び貯蔵安定性を増加させる)を提供するために、両イオン性緩衝液製剤、つまりKClを伴うTAPS-Tris又はKClを伴うTAPS-KOHに基づく緩衝液(特にここでpHは約7.9〜約8.1である)中に、dUTP、ポリオール、及びAFPを含めることを含む。
抗凍結タンパク質(AFP)
抗凍結タンパク質(AFP)は、凍結条件下で生育する多くの種に凍結抵抗性及び凍結寛容性を与えるタンパク質のファミリーを表す。一般的に、生物内のAFP分子は、種氷結晶の表面に結合して、結晶の成長を制御する。Jiaら、(2002) TRENDS in Biochem. Sciences, 27(2) 101-106を参照のこと。数種の魚及び数種の昆虫を含む多くの異なる生物がAFPを発現することが、発見されてきた。魚のAFPは、主に一次構造及び二次構造分析に基づいて、5個の群に分類される(表1を参照のこと)。昆虫のAFPに関して、Tm又はDc(カブトムシ)及びCf(蛾)を含む数種の昆虫は、2のグループに分類されてきた。AFPは、数種の植物種から同様に単離されてきた(Aticiら、(2003)Phytochemistry, 64(7)187-96)。
重要なことに、AFPファミリー内において幾つかの異なって同定されるモチーフ及びモチーフの繰り返しは、氷の成長を阻害するように同様に機能することが示されてきた。これらには、11個のアミノ酸(aa)を有するアラニンリッチへリックス(へリックスの3個のターン)(I型AFP)又はAla-Ala-X(二糖の側鎖)の3個のaaの繰り返しモチーフ(ここで、Xはセリン、アルギニン、リジン、アスパラギン、グルタミン、又はスレオニンである)(AFGP)が含まれる。さらなる構造情報は、Jiaらから得ることができ、そして表1に示される(米国特許第6,017,574号を参照のこと。当該特許は、本明細書中に援用される)。
Figure 2007520236
本発明は、核酸検出及び定量方法、例えばリアルタイムPCRにおいて、シグナル増幅を高めるための、並びに核酸増幅反応において使用される酵素溶液の安定性を増加させるための組成物及び方法を提供する。
一の実施態様では、本明細書中に提供される改良された増幅反応混合物は、一般的にプライマー、テンプレートDNA、dNTP、及び適切な増幅酵素、例えばTaqDNAポリメラーゼを提供し、そして特異的に少なくとも1のAFPを含む。好ましい実施態様では、AFPは、アラニン-リッチへリックス又は-Ala-Ala-X-(二糖)の繰り返しを有する群から選ばれ、それぞれI型AFP又はAFGPに由来する。さらに、I型AFPに由来するアラニンリッチへリックスモチーフを有するAFP断片(例えば米国特許第5,925,540号を参照のこと、この開示は、本明細書中に明らかに援用される)、又はAFGPに由来する-Ala-Ala-Thr-(二糖)の繰り返し、及びそれらのバリアント、誘導体、アイソタイプ、及びその融合タンパク質(これら全ての例は、本発明の目的のために、一般的にAFPと呼ばれる)は、これらの点で有用である。好ましい実施態様では、増幅酵素溶液及び/又は反応混合液は、AFPに基づく結果を高めるために、さらにキャリアタンパク質、例えばBSA又はゼラチンを含む。本明細書中に示されるように、AFPとともに反応混合液中にキャリアタンパク質を含めることは、AFP単独又はキャリアタンパク質単独を超える相乗効果をもたらす。
本発明に記載される実施態様は、典型的に、約10〜200μg/ml、及び好ましくは約25〜100μg/ml、そして最も好ましくは約40〜60μg/mlのAFPの酵素溶液を含む。AFPにキャリアタンパク質を含めることは、典型的に、約100μg/ml〜約300μg/ml、及び好ましくは約150〜約250μg/ml、そして最も好ましくは約200μg/mlの濃度にて行われる。平均的なRFU、及び閾値サイクルで計測された検出のサイクルにより計測されるとき、AFPとキャリアタンパク質を、標準リアルタイムPCR緩衝液中に含めることにより、シグナル増幅の有意な改善が提供される。以下の実施例に記載されるように、AFPとキャリアタンパク質の組合せは、かかるアッセイのシグナル強度又は輝度、及び感度の相乗的な改善を提供する。
本発明において使用するためのAFPは、AFP Proteins, Inc., Waltham MA.から購入できる。さらに、本発明に記載されるAFP、並びにAFPの断片、誘導体、及び融合タンパク質は、昆虫細胞、酵母細胞、原核細胞、及び真核細胞において発現することができる。発現に使用される適切な原核宿主は、非限定的にエスケリキア、バチルス、及びサルモネラ属の細菌を含む。組換えタンパク質の発現を設計するためのAFP配列は、Jiaらの総説から得ることができ、その全てを本明細書中に援用される(米国特許第5,925,540号を参照のこと、当該特許もその全てを援用される)。
本発明において有用なAFP分子のアミノ酸配列の改変は、多くの既知の配列により達成することができる。例えば、突然変異は、オリゴヌクレオチド-ダイレクト突然変異誘導により、特定の位置で誘導されうる(Walderら、1986, Gene, 42:133; Bauerら, 1985, Gene 37: 73, Craik, 1985, Biotechniques, 12-19; Smithら、1981, Genetic Engineering: Principles and Methods, Plenum Press; 米国特許第4,737,462号)。本明細書中に記載され、そして実施例において示されるように、改変は、AFP活性を高めるのに有用でありうる。
本発明のAFPポリペプチドは、好ましくは、単離又は部分的に単離された形態で使用される。ポリペプチドは、例えば、硫酸アンモニウム又はエタノール沈殿、アニオン又はカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロース・クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティ・クロマトグラフィー、及びレクチン・クロマトグラフィーを含む既知の方法により、組換え細胞の培養物から回収及び精製されうる。
AFPポリペプチドを、精製を促進するために異種のポリペプチドと融合することができる。多くの利用できる異種のペプチドは、融合タンパク質の結合パートナーへの選択的結合を可能にする。ペプチドタグの非限定的な例は、6-His、チオレドキシン、ヘマググルチニン、GST、及びOmpAシグナル配列タグを含む。異種ペプチドを認識し、当該ペプチドに結合する結合パートナーは、金属イオン、抗体、抗体断片、或いは異種ペプチドに優先的に結合して、融合タンパク質の精製を許容する任意のタンパク質又はペプチドを含む任意の分子又は化合物でありうる。
本発明は、何回もの凍結/融解サイクル、及び4℃〜-80℃の長期の貯蔵後において使用するための高い安定性を有する増幅酵素溶液及び増幅緩衝液、例えばリアルタイムPCR緩衝液を提供する(以下の実施例を参照のこと)。上記のように、標準増幅緩衝液成分は、任意の2回のゆっくりした凍結/融解サイクルの間酵素分解を最小にするために、上記濃度を使用してAFPと、又はAFP及びキャリアタンパク質と混合される。AFPが、ゆっくりした凍結事象、例えば酵素溶液の0℃〜-40℃での凍結に対する安定化に特に有効であるということに留意すべきである。
そのようなものとして、そして理論に束縛されることなく、AFP又はキャリアタンパク質と組み合わせたAFPを含めることは、繰り返しの凍結/融解サイクルの間増幅酵素の安定化に二重の利得をもたらし、そして驚くべきことに、後の核酸増幅反応の感度及びシグナル強度をさらに高めるということが信じられている。典型的に、0℃〜-40℃の凍結条件に対して、安定性が提供される。適切な量のAFPを含む増幅緩衝液、例えばリアルタイムPCR緩衝液を有するキットは、アッセイの安定性を最大化し、ゆっくりした凍結条件下で緩衝液の貯蔵を安定化するようにパッケージされうる。加えて、AFP又はAFPとキャリアタンパク質は、PCR又は他の同様の増幅反応混合液に加えるために、所望のポリメラーゼとパッケージされうる。
PCR緩衝液中のAFPを含めることにより、ポリメラーゼに基づく増幅反応及び当該反応を使用する検出及び定量方法が高められることが示されるが、他の所望の活性を有する酵素の貯蔵において有用であることも想像されるということに留意すべきである。例えば、AFPは、酵素活性の維持を必要とするゆっくりした凍結条件を受ける任意の酵素溶液(つまり、ここで酵素が、凍結/融解により損傷を受けうる)における用途を見出すであろう。1の他の実施態様では、キャリアタンパク質の存在下又は非存在下において、AFPは、AMVと混合されて、数回のゆっくりした凍結/融解サイクルの間にわたり、酵素の逆転写活性を保護する。
AFPに基づく反応混合液を使用する核酸増幅
1の態様では、本発明は、核酸テンプレートを増幅するための方法であって、増幅反応混合液中において核酸テンプレートを増幅反応に付すことを含む方法を提供する。増幅反応混合液は、好ましくは、AFP1及びさらに好ましくはAFP1とキャリアタンパク質、例えばBSAを含む。
核酸分子は、文献に記載される手動又は自動化増幅方法のいずれかに従って増幅されてもよい。核酸増幅は、ヌクレオチドを、DNA分子又はプライマー中に取り込むことをもたらし、それにより、核酸テンプレートに相補する新たなDNA分子を形成する。形成されたDNA分子及びそのテンプレートは、さらなるDNA分子を合成するためにテンプレートとして使用することができる。本明細書中に使用されるとき、1の増幅反応は、DNA複製の多くのサイクル又はラウンドからなりうる。DNA増幅反応は、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む。1のPCR反応は、10〜100サイクルのDNA分子の変性と合成からなりうる。かかる方法は、非限定的にPCR(米国特許第4,683,195号及び第4,683,202号に記載され、これらの特許は、本明細書中に援用される)、鎖置換増幅(SDA)(米国特許第5,455,166号に記載され、当該特許は本明細書中に援用される)、及び核酸配列に基づく増幅(NASBA(米国特許第5,409,818号に記載され、当該特許は本明細書に援用される)を含む。例えば、増幅は、熱を用いずにDNA融解の効力を高めるためにヘリカーゼをさらに使用するローリング・サークル複製システム(rolling circle replication systemu)により達成されてもよい(Yuzhakouら、"Replisome Assembly Reveals the Basis for Asymmetric Function in Leading and Lagging Strand Replication" Cell 86: 877-886(1996)及びMokら、"The Escherichia coli Preprimosome and DnaB Helicase Can Form Replication Forks That Move at the Same Rate," J. Biol. Chem. 262: 16558-16565(1987)を参照のこと。これらの文献は、本明細書に援用される)。最も好ましくは、核酸分子は、PCRに基づく増幅技術を使用して本発明の方法により増幅される。
好ましい実施態様では、増幅反応は、高温の変性ステップを含む。高温の変性ステップについての好ましい温度は、約90℃〜約98℃の範囲であり、93℃〜94℃の温度は特に好ましい。かかる好ましい増幅反応は、温度サイクル増幅反応、例えば約10〜100サイクル、より好ましくは約25〜50サイクル、そして約93℃〜約94℃のピーク温度のポリメラーゼ連鎖反応を含む。
好ましい実施態様では、(a)必要とする配列の末端が、十分詳細に知られており、それらにハイブリッド形成するオリゴヌクレオチドを合成でき、そして(b)少量の配列が、連鎖反応を開始するために利用できるならば、PCR反応が所望のポリメラーゼを使用して行われて、関与する反応ステップの数に比例する指数関数量で、少なくとも1の特異的な核酸配列を産生する。連鎖反応の産物は、使用された特異的プライマーの各末端に対応する末端を有する別個の核酸二本鎖であろう。
精製又は未精製の形態における核酸の任意の源は、所望の特異的核酸を含むかぎり、開始核酸として利用できる。こうして、当該方法は、例えばDNA又はメッセンジャーRNAを含むRNA(ここでDNA又はRNAは一本鎖又は二本鎖であってもよい)を利用しうる。さらに、それぞれの一の鎖を含むDNA-RNAハイブリッドが、利用されてもよい。これらの核酸の任意の混合物が使用されてもよいか、或いは同じ又は異なるプライマーを使用して前に行った増幅反応から産生される核酸が利用されてもよい。増幅された核酸は、好ましくはDNAである。増幅される特異的核酸配列は、巨大分子のほんの一部であってもよいし、又は特異的配列は核酸全体を構成するように個別の分子として最初から存在することもある。増幅される配列が、はじめに純粋な形態である必要はなく、複合混合物の数少ない部分であってもよい。例えば、全ヒトDNA中に含まれるβ-グロビン遺伝子の部分、或いは特定の生物サンプルの分画中かなり少数の部分を構成する特定の微生物に起因する核酸配列部分などである。開始核酸は、同じであるか又は異なりうる1超の所望の特異的核酸配列を含んでもよい。その結果、当該方法は、1の特異的核酸配列の多くの量を産生するためだけでなく、同じ又は異なる核酸分子上に配置する1超の異なる特異的核酸を同時に産生するためにも有用である。
核酸は、任意の源から得てもよく、そしてプラスミド及びクローン化されたDNA又はRNA、並びに、例えば細菌、酵母、ウイルス、及び植物又は動物などの高等動物を含む任意の源由来のDNA又はRNAを含んでもよい。DNA又はRNAは、Maniatisら、Molecular Cloning: A Labolatory Manual, (New York: Cold Spring Harbor Laboratory) pp 280-281(1982)により記載される種々の技術により、血液、絨毛膜絨毛、又は羊膜から抽出されうる。
任意の特異的核酸は、本方法により製造されうる。所望の配列の異なる鎖に、そして配列に沿った相対位置にハイブリッド形成する2個のオリゴヌクレオチド・プライマーが調製されるように、配列の両末端にて十分な数の塩基が十分詳細に知られることのみが必要とされる。その結果、1のプライマーから合成される伸張産物が、そのテンプレート(相補体)から分離されたとき、他のプライマーが規定の長さの核酸へと伸張するためのテンプレートとして役に立つ。配列の両末端での塩基についての知識が多ければ多いほど、標的核酸配列についてのプライマーの特異性が大きくなり、そうして当該方法の効率がよくなる。以後用いられるプライマーという用語は、特に増幅される断片の末端配列に関する組成についていくらかの不明確性が存在する場合、1超のプライマーを指しうることが理解されよう。例えば、核酸配列が、タンパク質配列情報から与えられる場合、遺伝コードの縮重に基づいて起こりうるコドンの多様性を示す配列を含むプライマーの集合がそれぞれの鎖について使用されうる。当該集合からの1のプライマーが、増幅される所望の配列の末端と同一であろう。
幾つかの変わりの実施態様において、ランダムプライマー、好ましくはヘキサマーが、核酸分子テンプレートを増幅するために使用される。いくつかの実施態様では、増幅された的確な配列は、予め決められていない。
オリゴヌクレオチド・プライマーは、任意の適切な方法、例えばホスホトリエステル及びホスホジエステル法、又はこれらの自動化された実施態様を用いて調製されてもよい。かかる自動化された実施態様の一つでは、ジエチルホスホロアミダイト(diethylohoshoramidite)が開始物質として使用され、そしてBeaucageら、Tetrahedron Letters, 22: 1859-1862(1981)により記載されるように合成されてもよい。当該文献は、本明細書中に援用される。改変された固体支持体上でのオリゴヌクレオチドの合成方法は、米国特許第4,458,006号において記載されている。当該文献は本明細書中に援用される。生物学的ソースから単離されたプライマーを使用することも可能である(例えば制限的エンドヌクレアーゼ切断)。
特異的核酸は、その配列をテンプレートとして含む核酸を使用することにより生成される。核酸が2個の鎖を含む場合、別のステップで又はプライマー伸張産物の合成と同時に、テンプレートとして使用される前に核酸の鎖を分離することが必要である。当該鎖の分離は、物理的、化学的、又は酵素的方法を含む任意の適切な変性方法により達成することができる。核酸の鎖を分離する1の物理的方法は、核酸を完全に(99%)変性するまで熱することを含む。典型的な熱変性は、1〜10分間、約80℃〜105℃の範囲の温度を含む。標準的な分離は、ヘリカーゼとして知られている酵素のクラス由来の酵素、つまりRecA酵素により誘導されうる。当該酵素は、ヘリカーゼ活性を有し、そしてDNAを変性することが知られている。核酸の鎖をヘリカーゼで分離するために適した反応条件は、Cold Spring Harbor Symposia on Quantitative Biology, Vol. XLIII "DNA:Replication and Recombination"(New York:Cold Spring Harbor Laboratory, 1978)に記載されており、そしてRecAを使用する方法は、C. Radding, Ann, Rev. Genetics, 16:405-37(1982)において総説されており、当該文献は本明細書中に援用される。
増幅される配列を含む元の核酸が一本鎖である場合、その相補体は、1又は2個のオリゴヌクレオチドプライマーを元の核酸に加えることにより合成される。適切な1のプライマーを加える場合、プライマー伸張産物は、当該プライマー、ポリマー化薬剤、及び以下に記載される4個のヌクレオチドの存在下で合成される。生成物は、部分的に一本鎖核酸に相補し、そして核酸鎖とハイブリッド形成して、不均等の長さの二本鎖を形成し、当該鎖は上記のように一本鎖に分離されて、一本に分離された2個の相補鎖を提供する。或いは、2個の適切なプライマーが、一本鎖核酸に加えられ、そして反応が行われうる。
元の核酸が、増幅される配列を構成する場合、生成されたプライマー伸張産物は、元の核酸の鎖に完全に相補し、そしてそれらとハイブリッド形成して、一本鎖分子へと分離される同じ長さの鎖の二本鎖を形成する。
核酸がもともと二本鎖であろうと又は一本鎖であろうと、核酸(単数又は複数)の相補鎖が分離されるとき、鎖は、さらなる核酸鎖の合成のためのテンプレートとして使用される準備ができている。この合成は、任意の適切な方法を用いて行われうる。好ましくは、過剰量のモル数(クローン化された核酸では、通常約1000:1のプライマー:テンプレート、ゲノム核酸については、通常約106:1のプライマー対テンプレート)の2個のオリゴヌクレオチド・プライマーを分離されたテンプレートの鎖を含む緩衝液に加える。しかしながら、本明細書中の方法が診断適用に用いられる場合、相補鎖の量は知られていないので、その結果相補鎖の量に対するプライマーの量が、確信をもって決定できないということが理解される。しかしながら、実際の問題として、増幅される配列が、長鎖の核酸鎖の複合混合物中に含まれるとき、加えられるプライマーの量は、一般的に相補鎖(テンプレート)の量を超えるモル過剰量である。大幅なモル過剰量は、当該方法の効率を改善するために好ましい。
ヌクレオチド三リン酸、好ましくはdATP、dCTP、dGTP、及びdTTPはまた、適切な量で合成混合物中に加えられ、そして得られた溶液は、好ましくは約90℃〜95℃で約1〜10分間、好ましくは15秒〜2分間熱せられる。この加熱時間の後に、溶液を約60℃に冷却する。この温度は、プライマー・ハイブリダイゼーションに好ましい。次に、ポリメラーゼは、室温を超える温度、好ましくは約60〜75℃で核酸合成を行う。
新たに合成された鎖及びその相補的な核酸鎖は、本方法の次のステップにおいて使用される二本鎖を形成する。次のステップにおいて、二本鎖分子の鎖を上記方法のいずれかを使用して分離して一本鎖分子を提供する。
新たな核酸を一本鎖分子に基づいて合成する。さらなるポリメラーゼ、ヌクレオチド、及びプライマーを、必要に応じて、上記条件下で反応を行うために加えてもよい。さらに、合成がオリゴヌクレオチド・プライマーの一の末端にて開始され、そしてテンプレートの一本鎖に沿って進行して、さらなる核酸を提供するであろう。
鎖分離及び伸張産物合成のステップは、特異的な核酸配列の所望の量を与えるために必要とされるだけ、繰り返すことができる。産生される特異的核酸の量は、指数関数的に増加するであろう。
第一核酸又は核酸の混合物から1超の特異的核酸配列を産生することが所望される場合、適切な数の異なるオリゴヌクレオチド・プライマーが利用される。例えば、2個の異なる特異的核酸配列が産生されるならば、4個のプライマーが利用される。2個のプライマーは、特異的核酸配列のうちの一つに特異的であり、そして残りの2個のプライマーは、第二の核酸配列に特異的である。この様式では、2個の異なる特異的配列は、本方法により指数関数的に産生されうる。もちろん、核酸配列が同じである場合、プライマー配列は、同じであろう。
さらに上記のとおり、他の実施態様では、ランダムプライマーが核酸分子テンプレートを増幅するために使用される。
本発明は、段階的に(各段階の後に、新たな試薬が加えられる)、同時に(全ての試薬が最初のステップに加えられる)、又は部分的に段階的でそして部分的に同時に(ある数のステップの後に新たな試薬を加える。例えば、AFP及び場合によりキャリアタンパク質を含む新たな酵素溶液を加える)行われうる。適切な時間が過ぎて、所望量の核酸配列が産生された後に、既知の方法のいずれかで酵素を不活性化することにより、又は反応の内容物を分離することにより、反応を止めてもよい。
本発明に従って核酸分子を増幅する際に、好ましくはAFP、及び好ましくはAFP1を有し、そして最も好ましくはAFPとキャリアタンパク質を有する適切な緩衝液中において、核酸分子はポリメラーゼを含む組成物と接触される。
一回以上の凍結/融解後の増幅反応を高める方法
本発明は、溶液中の酵素、好ましくはPCR又はリアルタイム-PCR緩衝液中のポリメラーゼの機能的溶液を維持するための方法を提供するが、逆転写ポリメラーゼIIIなどの他の酵素も、本発明の範囲内である。最初に、ポリオール、AFP又はキャリアタンパク質を伴うAFPを、所望の増幅酵素と混合する。組合せは、本発明のより具体的な実施態様に一致する標準増幅緩衝液(単数又は複数)中で生じうる。混合された酵素-ポリオール、酵素-AFP、又は酵素-AFP-キャリアタンパク質を、増幅反応のための反応混合物中で使用する。凍結させた際、残存物質は、凍結融解効果のいくらか、又は全てから保護される。こうして得られた酵素溶液は、必要とされる酵素活性を維持し、そして何回もの凍結融解、好ましくは最大5又は10回の凍結融解、より好ましくは最大15回の凍結融解にわたって使用することができる。好ましい実施態様では、増幅反応は、リアルタイムPCR反応である。別の実施態様では、当該方法は、少なくとも以下の:ポリオール、AFP、及びキャリアタンパク質うちの2つが混合され、そして最も好ましくはこれら三つの全てが含まれる酵素を含む。さらなる実施態様では、一般的ではないヌクレオチドは、dUTP BASED COMPOSITIONS FOR REDUCING PRIMER-DIMER FORMATION DURING NUCLEIC ACID AMPLIFICATIONという題名の2005年2月4日に出願される同時係属特許協力条約出願第 号に記載されるように、プライマー-ダイマーの形成を低減することにより、反応効率を増大するために増幅反応ミックス中に含められる。当該特許は本明細書中に援用される。
本発明の別の実施態様において、1以上のポリオールを増幅酵素溶液又は緩衝液中に含めることにより、さらに凍結融解条件下で安定性が増加する。好ましい実施態様では、増幅緩衝液は、標準的PCR緩衝液である。1の実施態様では、ソルビトール又は他の同様のポリオールは、約50mM〜約500mM、好ましくは約50mM〜約400mM、そして最も好ましくは約100mM〜約300mMの濃度で、PCR緩衝液中に含められる。上記のように、他の破壊的薬剤、つまりDMSO、SSBPなどを、ポリオールに含めることは、全体としてのプラスの影響を高めることが予期される。
高性能リアルタイムPCR緩衝液の組成物
本発明はさらに、増幅反応、好ましくは標準PCR反応及びリアルタイムPCR反応において使用するための高性能増幅緩衝液をさらに提供する。本発明に記載される緩衝液は、抗凍結タンパク質(好ましくはAFP1、AFGP、AFP1とAFGPの混合物)、キャリアタンパク質、dNTPミックス、ポリオール、核酸ポリメラーゼ、好ましくは好熱性又は超好熱性ポリメラーゼを含むことができ、そして両性イオン製剤を利用する緩衝系を通して得られる改変されたpHを有する。代表的な両性イオン製剤は、HEPES-KOH、TAPS-Tris、HEPES-Tris、HEPES-KOH、TAPS-KOH、又はTAPS-Trisを含む。本発明の好ましい実施態様は、TAPS-KOH及び/又はTAPS-Tris、及び最も好ましくはTAPS-Tris0を含む緩衝系を利用する。これらの緩衝液についての好ましいpH範囲は、最終的な使用に左右される。例えば、リアルタイムPCRにおいて使用する緩衝液は、約7.9〜約8.7、そして好ましくは約8.2〜約8.7のpHを有するように緩衝化される。標準PCRにおいて使用するための緩衝液は、約7.9〜8.9のpHを有するように改変される。好ましい実施態様では、カリウム塩濃度は、10mM〜約80mMである。好ましい実施態様では、緩衝系のdNTPミックスは、約10%〜約50%dUTPを含み(dNTPミックス中のdTTPを置換する)、そしてより好ましくは約10%〜40%dUTP(dNTPミックス中のdTTPを置換する)を含む。さらに、幾つかの実施態様では、n-プロピル・スルホキシド、及び/又はトレハロースは、高性能緩衝液中に含めることができる。
高性能緩衝液の実施態様における有用な成分濃度は、表2に示されるとおりである。TAPS-KOHの好ましい濃度は、150mM・KClであり、そしてTAPS-Trisの好ましい濃度は、500mM・KClであることに留意すべきである。その両方とも約8の最終緩衝液pHを有する。
Figure 2007520236
本発明はさらに、約30mM〜約80mM、そして好ましくは約40mM〜60mMの濃度の範囲の一価カリウム塩を有する上記AFP両性緩衝液組成物を提供する。さらに、本発明の緩衝液中のマグネシウムイオンは、約2.5mM〜約10mMであり、そして好ましくは約5mM〜約8mMでありうる。
前記実施態様に従ったプライマー-ダイマー形成を制限するために改変dNTP混合物を使用する実施態様は、本発明の高性能PCR緩衝液の実施態様に含められうるということが、予測される。2005年2月4日に出願され、そしてdUTP BASED COMPOSITIONS FOR REDUCING PRIMER-DIMER FORMATION DURING NUCLEIC ACID AMPLIFICATIONという題名の同時係属特許協力条約出願第 号を参照のこと。当該特許出願は、本明細書中に援用される。そのようなものとして、両性イオン緩衝液製剤を使用する実施態様は、1以上のAFP、キャリアタンパク質、ソルビトール、マンニトール、DMSO、SSBP、及びdNTPミックス(dTTP又はdNTPの他の成分のある割合がdUTPなどの一般的でないヌクレオチドに置換される)のうちの1以上を有しうる(例えば、米国特許第6,783,940号、本明細書中に援用される)。典型的に、当該組成物は、最適効果について約7.9〜8.2のpHを有する。他のpHは、限定された結果で使用されうる。
PCR及びリアルタイムPCR緩衝液キット
本発明はさらに、本発明の実施態様の組成物を含むキットを提供する。キットは、本発明のPCR緩衝液、例えば本発明の高性能PCR緩衝液の実施態様、或いは、予め決められた独立量のAFP、ソルビトール、マンニトール、又は他の本発明の組成物を含むことができ、これらは、PCR緩衝液に加えられるか、又は標的用途に適した増幅酵素と混合され、本発明と混合される。さらに、キット組成物は、同じ又は異なるチューブ中におけるAFPと、異なるポリメラーゼ酵素との組合せを含みうる。
本発明を一般的に記載してきたが、以下の実施例を参照することにより、本発明をより容易に理解されるであろう。当該実施例は、例示の方法により提供され、そして制限するものとして意図されない。
実施例1:抗凍結タンパク質(AFP)は、-20℃での長期間の貯蔵の間、リアルタイム-PCRマスター・ミックスの安定性を高める。
リアルタイムPCR緩衝液の凍結/融解安定性についてのAFP1の効果が調査された。まず最初に、AFP1は、AFP1のどの濃度までが単位複製配列の収量に悪影響を及ぼさないかを決定するために、リアルタイム-PCR反応で滴定された。リアルタイムPCRを、Eppendorf RealMasterMix Probe +/- ROX(カタログ番号00320900.525)に記載されるとおりに行い、そして産物をエチジウム・ブロミド染色1%アガロースゲル上で可視化した。図1に示されるように、産物収量は、約100μg/mlのAFP1が反応ミックスに含まれるまでは、悪影響を及ぼさなかった。逆に、50μg/mlのAFP1をリアルタイムPCRに加えることは、反応収量にほとんど影響を及ぼさないか、まったく影響を及ぼさなかった(0AFP1を有するレーンと、50μg/mlのAFP1を有するレーンとの比較)。
AFP1の存在下及び非存在下においてリアルタイムPCR緩衝液の凍結/融解の許容度を決定する前に、AFP1が凍結前のリアルタイムPCRサンプルを高める能力を試験した。リアルタイムPCRは、上記の通り行われ、そしてサンプルは、200μg/mlのBSA、50μg/mlのAFP1、又は200μg/mlのBSAと混合された50μg/mlのAFP1とインキュベーションされた。図2A及び図2Bは、AFP1のみが、実際は本実験において平均RFU(A)と閾値サイクル(B)に若干のマイナスの影響を与えることをグラフで示す。BSAのみは、リアルタイムPCRにほとんど影響を与えないか、まったく影響を与えない。しかしながら、BSAとAFP1の組合せは、シグナル増幅(A)と閾値サイクル(B)の両方に目立った改善を提供した。そうして、AFP1とBSAなどのキャリアタンパク質の組合せは、単位複製配列の最大収量を維持する一方で、リアルタイムPCRの際の相乗効果を提供する。
AFP1:BSAを含有するリアルタイムPCRサンプルを、次に-20℃での0、1週、2週、及び3週間に渡る凍結融解状態の安定性について試験した(図3A及び図3Bを参照のこと)。リアルタイムPCR条件は、異なる量のキャリアタンパク質及びAFP1を含めることを除いて、上記のとおりであった。図3A及び3Bに示されるように、リアルタイムPCRの間得られた高いシグナルが、AFP1及びBSAを反応ミックスに加えた際に維持され(A)、そしてBSAのみ、AFP1のみ、又は添加なしにおいて記録される変化に比べて閾値サイクルが維持された(B)。
AFP1の効果がAFP1に限定されるか、又はAFP1の効果が他のAFPファミリーのメンバー、特に同様の一次及び二次構造を有するAFPファミリーメンバーに拡張可能であるかを決定するために、同様のリアルタイムPCR試験を、AFGPをキャリアタンパク質の存在下及び非存在下で使用することにより行った。AFGPは、AFP1に類似する一次及び二次タンパク質構造を含み、特にαへリックス両親媒性二次構造を有するAFP1のアラニン・リッチ・モチーフと、AFGPのアラニン-アラニン-スレオニン二糖の繰り返しとの間に強い類似性が存在する。AFP1と同様に、BSAと組み合わせたAFGPは、対照サンプルに比較して閾値サイクルを維持又は低減する重要な影響を有した。実験パラメーターを以下の表3に示す。
Figure 2007520236
図7に示されるように、AFGPは、新たなサンプル及び1、2、又は3週間凍結融解されたサンプル(-20℃)についての閾値サイクルにおいて同様の結果を示した。I型AFP、AFGP、及びBSAの組合せは、対照のみならず、I型AFPのみ、AFGPのみ、I型AFPとBSA、及びAFGPとBSAに比べて、リアルタイムPCR安定性試験において最良の総合性能を提供したということに留意すべきである。
当該実施例における結果により、リアルタイムPCR反応においてキャリアタンパク質の存在下においてAFP1及びAFGPを含めることが、-20℃における複数回の凍結/融解の間緩衝液の安定性を助けるという有用性が示される。当該実施例はまた、少なくとも2個の抗凍結タンパク質ファミリーのメンバー、I型AFP及びAFGPが、リアルタイムPCR緩衝液の長期の安定性を支持するということを提供する。当該データーは、類似する抗凍結タンパク質様機能性質を示すタンパク質が、当該タンパク質と同様の様式で有効であり、そしてI型AFP及びAFGPの機能モチーフ(上記表1を参照のこと)は、同様の様式で有効であるという強い証拠を提供する。
実施例2:pHの改変及び緩衝液のタイプは、ソルビトール、AFP1を含むリアルタイムPCR緩衝液に有意な影響を与える。
幾つかのリアルタイムPCR緩衝液の組合せを、ソルビトール及びAFP1/BSAの両方の標準量の存在下におけるシグナル増幅及び閾値サイクルについて試験した。異なるイオン濃度及びpHを提供するために、緩衝組成物及び塩の両方を変更した。特に、15mM・KClを伴う25mM・HEPES-KOH・pH8.0;15mM・K GLUTを伴う25mM・TAPS-Tris・pH8.0;50mM・KClを伴う25mM・HEPES-Tris・pH8.0;15mM・K GLUTを伴う25mM・Bicine-Tris・pH8.0;15mM・KClを伴う25mM・HEPES-KOH、pH8.0;50mM・K GLUTを伴う25mM・Bicine−Tris・pH8.0;15mM・KClを伴う25mM・TAPS-KOH・pH8.0;15mM・KClを伴う25mM・Bicine-Tris・pH8.0;50mM・KClを伴う25mM・TAPS-Tris・pH8.0;及び50mM・KClを伴う25mM・Bicine-Tris・pH8.4を、高度に正確なリアルタイムPCR(それぞれの緩衝液はまた、50μg/ml AFP1、200μg・mlBSA、及び100mMソルビトールを含む)をサポートする能力について比較した。
図4A及び4Bにおいてグラフに示されるように(及び表4)、TAPS-KOH150mM・KCl、pH8.0及びTAPS-Tris500mM・KCl、pH8.0から構成される緩衝液は、リアルタイムPCRにおいて最も低い閾値サイクル及び最も高いシグナル増幅を提供した。
Figure 2007520236
15mM・KClを伴う25mM・TAPS-KOH・pH8.0、50mM・KCLを伴う25mM・TAPS-Tris・pH8.0、及び50mM・KClを伴う25mM・Bicine-Tris・pH8.4がリアルタイムPCRをサポートする能力について比較することにより、緩衝液組成物について、さらに特徴決定を行った。図5に示される結果は、各緩衝液条件についてRFU及び閾値についてグラフで示し、50mM・KClを伴う25mM・TAPS-Tris・pH8.0が、15mM・KClを伴う25mM・TAPS-KOH・pH8.0、及び50mM・KClを伴う25mM・Bicine-Tris・pH8.4の両方の性能をしのぐということを示す。最終的に、図6に示される結果は、50mM・KClを伴う25mM・TAPS-Trisが、50mM・KClを伴う25mM・Bicine-Tris・pH8.4及びインビトロゲン・プラチナqPCRスーパーミックス-UDG(Invitrogen Platinum qPCR Supermix-UDG)(Invitrogen、製品番号:11730-017)の両方の性能をしのぐことを示す。インビトロゲン・プラチナqPCRスーパーミックス-UDG用のリアルタイムPCR条件が、製品の推奨条件を使用して行われた。
本データーにより、50mM・KClを伴う25mM・TAPS-Tris、pH約8から構成され、そしてソルビトール、AFP1、及びBSAを含むリアルタイムPCR緩衝液が、インビトロゲンの製品に対して、シグナルサイズ及び閾値サイクルを有意に改善するということが示される。これらの同じ緩衝液は、試験者が有する長期間貯蔵に対する要望について、-20℃で貯蔵された緩衝液を安定化するのに役に立つ。
実施例3:AFPを含有するPCRマスターミックスは、競合するPCRミックスより性能が優れている。
本発明に従って調製されるPCRマスター・ミックスの実施態様は、リアルタイム-PCR内での長期間の安定性をサポートするその能力について、プラチナqPCRスーパーミックス-UDGと機能的に比較される。サイクルのパラメーターは:95℃で1分、そして95℃で20秒、56℃で10秒、そして68℃で30秒を40サイクルを含んだ。
Figure 2007520236
図8A及び8Bに示されるように、本発明のAFPを含有するリアルタイムPCR緩衝液は、インビトロゲン・プラチナqPCRスーパーミックスUDGと比較して、6週間の実験コースにわたり、4℃、-20℃、及び-80℃で強いシグナル増幅(RFU)(8A)及び早いCt(8B)をサポートした。このデーターにより、本発明の緩衝液が、当該技術水準として売られている緩衝液に比べて、本発明の緩衝液は、長期間の安定性について比較されるほどの又はよりよい結果を提供することが示される。そのようなものとして、本発明の実施態様は、リアルタイムPCRにおいて有用である緩衝液の長期間の安定性を提供する有用性を有する。インビトロゲン製品を購入し、そして製品推奨に従って用いた。
実施例4:ソルビトールは、-20℃での長期間の貯蔵の間、リアルタイムPCRマスター・ミックスの安定性を高める。
リアルタイム-PCRマスターミックス緩衝液の貯蔵安定性について、ソルビトールの効果を決定するために、ソルビトールをリアルタイムPCRマスターミックス中に含めた。マスター・ミックスサンプルを、100mMソルビトールあり及びなしで調製し、4、-20、又は-80℃で、1、2、又は3週間貯蔵し、そしてリアルタイムPCRにおいて全体の性能について試験した。
図9A及び図9Bにおいて示されるように、100mMのソルビトールによって、-20℃で1週間、2週間、又は3週間凍結されたマスターミックスで行われる反応では、少ないCtが与えられる。対応するRFU値はまた、この温度においてソルビトール含有マスターミックス中で維持された。4℃又は-80℃のいずれかで貯蔵されるサンプルは、ソルビトール含有又は非含有サンプルの間で少しの変化を示すか、又はまったく変化を示さなかった。ソルビトールは、当該温度範囲においてゆっくり凍結する性質のため、-20℃で貯蔵されるマスターミックスを安定するのに最も有効であることが信じられる。比較として、マスターミックスを4℃又は-80℃のいずれかで貯蔵することにより、同じ保護が提供されることは予期されなかった。なぜなら、4℃は、サンプルを凍結させないし、そして-80℃はかなりの急速凍結であるので、損傷を与える氷結晶の形成に関与しないようであるが、以下に示されるようにいくらかの利得が得られる。
図10A及び10Bは、1週間及び3週間の貯蔵後の収量についての比較を提供し、RT-PCRにおいて-20℃でマスターミックスを安定化する際のソルビトールの有用性がここでも示される。-20℃で貯蔵されたマスターミックス中にソルビトールが含まれない場合、収量が有意に減少することに留意すべきである(10Aのレーン8、及び10Bのレーン5)。しかしながら、対応するサンプルの劇的な増加は、100mMのソルビトールがマスターミックス緩衝液中に含められるときに生じる。
実施例5:AFP1は、多くの凍結/融解のコースにわたる、有意な安定性保護を提供する。
DNAポリに基づくgDNA増幅(DNApoly based gDNA amplification)についてのAFP1の効果は、15回の凍結融解サイクルにわたり試験された。反応ミックスは、ROX(5-カルボキシ-ローダミン;トリエチルアンモニウム塩)を伴うか又は伴わない2.5×リアルマスターミックス(RealMasterMix)を含んだ。リアルマスターミックスは、10×リアルマスタープローブ緩衝液(0.5mg/ml・AFP1、250mm・Taps、103mm・Tris、500mm・KCl、50mm・MgAc及び2mg/mlBSA)、10mm・dNTPミックス(エッペンドルフ(Eppendorf)製品番号W40460)、及び100UμlのHotMaster Taq DWAポリメラーゼから構成される。それゆえ、それぞれの反応は、およそ200μg/mlのBSA及び50μg/mlのAFP1を含む。反応は、AB1 7000サーマルサイクラー又はBio-RadのiCyclerを使用して、表6、7、及び8に示されるように設定した。各反応ミックスは温和にボルテックスしたことに留意すべきである。
Figure 2007520236
Figure 2007520236
Figure 2007520236
図11に示されるように、BSAと混合されたAFP1は、15回の凍結/融解のコースに渡り、DNAポリメラーゼ活性の保護を提供した。各凍結/融解サイクルは、-20℃へゆっくり凍結し、そして室温へ融解することを含んだ。
試験された各組成は、2種の他のPCR法のもとで、15回の凍結/融解サイクルの各回の後で、性能が一致することが認められた。このデーターにより、BSAと混合されたAFP1が、何回もの凍結/融解のコースにわたり、DNAポリメラーゼ活性を維持するように機能することが示される。この保護は、他の酵素系に拡張可能であり、そして凍結温度で長期間、酵素保護に使用するように拡張可能であることが予測される。
本発明は、具体的な実施例を参照することで記載された。これらの実施例は、本発明をどのようにも制限することを意味しない。本開示の目的で、種々の変更及び改変が本発明になされ、それらの変更及び改変が本発明の範囲内であることが理解される。多くの他の変更がなされてもよく、それらは当業者に容易に示唆されるものであり、そして本明細書中に開示される本発明の本質に包含され、そして添付の特許請求の範囲において定義される。
本明細書は、特許、特許出願、及び公開を多く引用を含むが、それらは全ての目的のため、本明細書中に援用される。
反応液内に含められた0〜200mg/mlの抗凍結タンパク質を有する反応から得たPCR反応産物の収量を示す、染色された1%アガロースゲル。 図2A及び2Bは、PCRの間における(A)平均RFUでのPCRと(B)閾値サイクル(Ct)についての抗-凍結タンパク質1とBSAとの間のシグナル増幅相乗効果をグラフに記載する。 図2A及び2Bは、PCRの間における(A)平均RFUでのPCRと(B)閾値サイクル(Ct)についての抗-凍結タンパク質1とBSAとの間のシグナル増幅相乗効果をグラフに記載する。 図3A及び図3Bは、PCRマスターミックス中にBSAとAFP1を含めることが、-20℃で緩衝液の貯蔵を向上させることをグラフで記す。図3Aは、平均RFU値を示し、そして図3Bは、閾値サイクル値を示す。緩衝液サンプルは、BSAのみ、AFP1のみ、BSAとAFP1の混合物、又は添加なしのいずれかであった。 図3A及び図3Bは、PCRマスターミックス中にBSAとAFP1を含めることが、-20℃で緩衝液の貯蔵を向上させることをグラフで記す。図3Aは、平均RFU値を示し、そして図3Bは、閾値サイクル値を示す。緩衝液サンプルは、BSAのみ、AFP1のみ、BSAとAFP1の混合物、又は添加なしのいずれかであった。 図4A及び図4Bは、AFP1、BSA、及び緩衝液と塩のさまざまに取り込んだ組合せを含むPCR緩衝液組成物をグラフで記す。(A)閾値サイクル及び(B)平均RFU。 図4A及び図4Bは、AFP1、BSA、及び緩衝液と塩のさまざまに取り込んだ組合せを含むPCR緩衝液組成物をグラフで記す。(A)閾値サイクル及び(B)平均RFU。 図5は、15mM・KClを伴う25mM・TAPS-KOH・pH8、50mM・KClを伴う25mM・TAPS-Tris・pH8.0、及び50mM・KClを伴うBicine-Tris・pH8.4中に調製されるリアルタイム-PCR産物についての閾値サイクルをグラフで比較する。 図6は、製品標準に従って使用される50mM・KClを伴う25mM・Bicine-Tris・pH8.4、50mM・KClを伴う25mM・TAPS-Tris・pH8.0、及びInvitrogen Platinum qPCR Supermix-UDG中に調製されるリアルタイムPCR産物について閾値サイクルをグラフで比較する。 図7は、添加剤なし、BSA、AFGP、AFGPとBSA、AFP1とBSA、及びAFGPとAFP1とBSAの存在下で調製されるリアルタイムPCR産物についての閾値サイクルをグラフで比較する。 図8A及び8Bは、購入し、そしてInvitrogenプロトコルを使用して行われるInvitrogen Platinum qPCR Supermix UDG製品を用いて行われる試験に比較した、本発明の実施態様の長期間の安定性試験についてのRFUをグラフで比較する。 図8A及び8Bは、購入し、そしてInvitrogenプロトコルを使用して行われるInvitrogen Platinum qPCR Supermix UDG製品を用いて行われる試験に比較した、本発明の実施態様の長期間の安定性試験についてのRFUをグラフで比較する。 図9A及び図9Bは、-20℃においてRT-PCRマスターミックス中に100mMのソルビトールを取り込むことが、-20℃での貯蔵安定性を促進することをグラフで表す。図9Aは、1週間又は3週間ソルビトールを含有するマスターミックス緩衝液及びソルビトールを含有しないマスターミックスを凍結した後に融解して行われたPCRからのCt値を示し、そして図9Bは同PCRからのRFU値を示す。サンプルはそれぞれ4℃、-20℃、又は-80℃で貯蔵した。 図9A及び図9Bは、-20℃においてRT-PCRマスターミックス中に100mMのソルビトールを取り込むことが、-20℃での貯蔵安定性を促進することをグラフで表す。図9Aは、1週間又は3週間ソルビトールを含有するマスターミックス緩衝液及びソルビトールを含有しないマスターミックスを凍結した後に融解して行われたPCRからのCt値を示し、そして図9Bは同PCRからのRFU値を示す。サンプルはそれぞれ4℃、-20℃、又は-80℃で貯蔵した。 図10A及び10Bは、0、100mM、又は200mMのソルビトール中で4、-20、又は80℃にて1週間(10A)又は3週間(10B)貯蔵した後のRT PCR反応生成物を1%アガロースゲルで染色したものを示す。 図10A及び10Bは、0、100mM、又は200mMのソルビトール中で4、-20、又は80℃にて1週間(10A)又は3週間(10B)貯蔵した後のRT PCR反応生成物を1%アガロースゲルで染色したものを示す。 図11は、15回の凍結/融解サイクルにわたる本発明の実施態様の性能の一貫性をグラフで表す。

Claims (20)

  1. 抗凍結タンパク質及び酵素を含む酵素溶液であって、当該酵素が、少なくとも1回の凍結/融解の後に酵素活性を保持する、前記溶液。
  2. 前記酵素が、10回を超える凍結/融解の後に活性を保持する、請求項1に記載の酵素溶液。
  3. さらに緩衝液を含む、請求項1又は2に記載の酵素溶液。
  4. 前記緩衝液が、両性イオン性である、請求項3に記載の酵素溶液。
  5. さらにキャリアタンパク質を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の酵素溶液。
  6. 前記キャリアタンパク質が、ウシ血清アルブミン(BSA)である、請求項5に記載の酵素溶液。
  7. 前記抗凍結タンパク質が、アラニン-リッチ・モチーフを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の酵素溶液。
  8. 前記抗凍結タンパク質が、I型AFPタンパク質である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の酵素溶液。
  9. 組成物のpHが、約7.9〜8.9である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の酵素溶液。
  10. さらにポリオールを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の酵素溶液。
  11. 前記ポリオールが、ソルビトール、トレハロース、又はそれらの混合物である、請求項10に記載の酵素溶液。
  12. 前記抗凍結タンパク質が、約10μg〜約200μg/mlの濃度を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の酵素溶液。
  13. 前記酵素がDNAポリメラーゼであり、そして当該酵素溶液を増幅反応混合液に添加することは、核酸増幅反応の感度及び収量を改善する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の酵素溶液。
  14. dNTP及び請求項13に記載される酵素溶液を含む、核酸増幅反応において使用するための反応混合液。
  15. 2回以上の凍結/融解にわたり、酵素の安定性を高める方法であって、抗凍結タンパク質を、当該凍結融解の前に当該酵素を含む酵素溶液に加えることを含む、前記方法。
  16. 標的核酸配列を、請求項14に記載される反応混合液中の少なくとも1のプライマーと混合し、そして当該標的核酸配列を増幅することを含む、核酸増幅反応の感度及び収量を増加する方法であって、前記抗凍結タンパク質を含めることが、単位複製配列の収量及び感度を増加する、前記方法。
  17. サンプルを、請求項14に記載の反応混合液中の少なくとも1のプライマーと混合し、そして当該標的核酸配列を増幅することを含む、サンプル中の標的核酸配列を検出する改良方法であって、前記抗凍結タンパク質を含めることが、シグナル強度を増加させ、当該シグナル対ノイズ比を改善する、前記方法。
  18. サンプルを、請求項14に記載の反応混合液中の少なくとも1のプライマーと混合し、そして前記標的核酸配列を増幅することを含む、サンプル中の標的核酸配列を定量する改良方法であって、前記抗凍結タンパク質を含めることが、シグナル強度を改善し、そしてシグナル対ノイズ比を改善する、前記方法。
  19. 抗凍結タンパク質及び酵素を含む溶液を含むキット。
  20. 前記溶液がさらにキャリアタンパク質を含む、請求項19に記載のキット。
JP2006552251A 2004-02-04 2005-02-04 抗凍結タンパク質により高められた核酸増幅 Pending JP2007520236A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US54199904P 2004-02-04 2004-02-04
PCT/US2005/003502 WO2005076908A2 (en) 2004-02-04 2005-02-04 Anti-freeze protein enhanced nucleic acid amplification

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007520236A true JP2007520236A (ja) 2007-07-26

Family

ID=34860246

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006552262A Active JP4718493B2 (ja) 2004-02-04 2005-02-04 核酸増幅中のプライマー凝集体形成を減少させるためのdUTPに基づく組成物
JP2006552251A Pending JP2007520236A (ja) 2004-02-04 2005-02-04 抗凍結タンパク質により高められた核酸増幅

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006552262A Active JP4718493B2 (ja) 2004-02-04 2005-02-04 核酸増幅中のプライマー凝集体形成を減少させるためのdUTPに基づく組成物

Country Status (6)

Country Link
US (2) US20100035238A1 (ja)
EP (2) EP1718743B1 (ja)
JP (2) JP4718493B2 (ja)
AT (2) ATE440948T1 (ja)
DE (2) DE602005018460D1 (ja)
WO (2) WO2005076908A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010233505A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Toyobo Co Ltd 保存安定性に優れた核酸増幅検出試薬キット

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008206491A (ja) * 2007-02-28 2008-09-11 Toyobo Co Ltd p−ヒドロキシ安息香酸水酸化酵素の安定化方法
JP6060447B2 (ja) 2011-04-08 2017-01-18 バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレーティッド 非特異的活性が低下したSso7ポリメラーゼコンジュゲート
WO2012138416A1 (en) 2011-04-08 2012-10-11 Bio-Rad Laboratories, Inc. Pcr reaction mixtures with decreased non-specific activity
EP4249603A3 (en) 2011-06-08 2024-01-03 Life Technologies Corporation Design and development of novel detergents for use in pcr systems
US9567628B2 (en) 2011-06-08 2017-02-14 Life Technologies Corporation Polymerization of nucleic acids using proteins having low isoelectric points
EP3063129B1 (en) 2013-10-25 2019-04-17 Life Technologies Corporation Novel compounds for use in pcr systems and applications thereof
US10160998B2 (en) 2014-02-07 2018-12-25 Qiagen Sciences, Llc PCR primers containing cleavable nucleotides
CN104389026A (zh) * 2014-10-30 2015-03-04 北京诺禾致源生物信息科技有限公司 单细胞转录组测序文库的构建方法及其应用
US10858694B2 (en) 2014-12-23 2020-12-08 Global Life Sciences Solutions Operations UK Ltd Methods and reagents for reverse-transcription polymerase chain reaction
WO2016106111A1 (en) * 2014-12-23 2016-06-30 Ge Healthcare Uk Limited Methods and reagents for reverse-transcription polymerase chain reaction
WO2016106129A2 (en) 2014-12-23 2016-06-30 Ge Healthcare Uk Limited Methods and reagents for reverse-transcription polymerase chain reaction
CN108645676B (zh) * 2018-05-25 2020-07-14 吉林建筑大学 基于超声波技术的季冻区路基土材料损伤检测与评价方法
CN109609495B (zh) * 2018-12-31 2023-05-23 苏州近岸蛋白质科技股份有限公司 一种高纯度单链dna制备方法及其应用
CN112608984B (zh) * 2020-12-17 2022-12-06 厦门大学 一种用于核酸扩增的预装pcr反应试剂及其制备方法
WO2024047160A1 (en) 2022-08-31 2024-03-07 Qiagen Gmbh Freeze dried nucleic acid amplification mixture
WO2024046992A1 (en) * 2022-09-02 2024-03-07 F. Hoffmann-La Roche Ag Improvements to next-generation target enrichment performance

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001505404A (ja) * 1996-06-03 2001-04-24 クイーンズ ユニヴァーシティー アット キングストン ハマキガ抗凍結タンパク質、遺伝子及びこれらの使用方法
JP2003250572A (ja) * 2002-03-04 2003-09-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ワカサギ由来抗凍結タンパク質、その回収方法、及びその用途

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3223104A1 (de) * 1982-06-21 1983-12-22 Hoechst Ag, 6230 Frankfurt Photopolymerisierbares gemisch und damit hergestelltes photopolymerisierbares kopiermaterial
US4737462A (en) * 1982-10-19 1988-04-12 Cetus Corporation Structural genes, plasmids and transformed cells for producing cysteine depleted muteins of interferon-β
US4683195A (en) * 1986-01-30 1987-07-28 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or-cloning nucleic acid sequences
US4683202A (en) * 1985-03-28 1987-07-28 Cetus Corporation Process for amplifying nucleic acid sequences
US4806343A (en) * 1986-03-13 1989-02-21 University Of Southwestern Louisiana Cryogenic protectant for proteins
CA1340807C (en) * 1988-02-24 1999-11-02 Lawrence T. Malek Nucleic acid amplification process
US5536648A (en) * 1988-12-09 1996-07-16 Amrad Corporation Limited Amplified DNA assay using a double stranded DNA binding protein
US5605824A (en) * 1989-10-24 1997-02-25 Stratagene Composition for hybridizing nucleic acids using single-stranded nucleic acid binding protein
ES2117640T3 (es) * 1990-01-17 1998-08-16 Univ California Composicion para mejorar la supervivencia de materiales biologicos.
DE69130800T2 (de) 1990-07-24 1999-09-16 Hoffmann La Roche Verringerung von nicht spezifischer amplifikation während einer (in vitro) nukleinsäure amplifikation unter verwendung von modifizierten nukleinsäure basen
US5932697A (en) * 1990-09-25 1999-08-03 Virginia Tech Intellectual Properties, Inc. Synthetic antifreeze peptide
US5455166A (en) * 1991-01-31 1995-10-03 Becton, Dickinson And Company Strand displacement amplification
CA2122203C (en) * 1993-05-11 2001-12-18 Melinda S. Fraiser Decontamination of nucleic acid amplification reactions
US5731171A (en) * 1993-07-23 1998-03-24 Arch Development Corp. Sequence independent amplification of DNA
US5830655A (en) * 1995-05-22 1998-11-03 Sri International Oligonucleotide sizing using cleavable primers
US6307020B1 (en) * 1996-01-31 2001-10-23 Hsc Research And Development Ltd. Partnership Intracellular antifreeze polypeptides and nucleic acids
US6413718B1 (en) * 1996-05-01 2002-07-02 Visible Genetics Inc. Method for sequencing of nucleic acid polymers
WO1998054309A1 (en) * 1997-05-26 1998-12-03 Shionogi & Co., Ltd. GENETIC DIAGNOSIS FOR DISEASES WHEREIN TNF-α PROMOTER PARTICIPATES
DE19736062A1 (de) * 1997-08-20 1999-02-25 Boehringer Mannheim Gmbh Reduktion von Kreuzkontaminationen bei Nukleinsäureamplifikationen
US6485925B1 (en) * 1998-04-01 2002-11-26 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Anthrax lethal factor is a MAPK kinase protease
US6951722B2 (en) * 1999-03-19 2005-10-04 Takara Bio Inc. Method for amplifying nucleic acid sequence
WO2002090536A2 (en) 2001-05-10 2002-11-14 Novozymes A/S A method for producing recombined polynucleotides
US6783940B2 (en) * 2001-10-31 2004-08-31 Applera Corporation Method of reducing non-specific amplification in PCR
GB0126887D0 (en) 2001-11-08 2002-01-02 Univ London Method for producing and identifying soluble protein domains
WO2004022700A2 (en) * 2002-09-09 2004-03-18 Genesis Research And Development Corporation Limited Antifreeze proteins isolated from forage grasses and methods for their use

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001505404A (ja) * 1996-06-03 2001-04-24 クイーンズ ユニヴァーシティー アット キングストン ハマキガ抗凍結タンパク質、遺伝子及びこれらの使用方法
JP2003250572A (ja) * 2002-03-04 2003-09-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ワカサギ由来抗凍結タンパク質、その回収方法、及びその用途

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010233505A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Toyobo Co Ltd 保存安定性に優れた核酸増幅検出試薬キット

Also Published As

Publication number Publication date
EP1718743B1 (en) 2009-08-26
EP1725680A2 (en) 2006-11-29
JP4718493B2 (ja) 2011-07-06
US20100035238A1 (en) 2010-02-11
EP1725680A4 (en) 2008-05-21
ATE452992T1 (de) 2010-01-15
EP1718743A2 (en) 2006-11-08
ATE440948T1 (de) 2009-09-15
WO2005076908A3 (en) 2006-01-19
WO2005076925A2 (en) 2005-08-25
US20070264633A1 (en) 2007-11-15
JP2007520237A (ja) 2007-07-26
WO2005076908A2 (en) 2005-08-25
WO2005076925A3 (en) 2005-10-13
DE602005018460D1 (de) 2010-02-04
US7932059B2 (en) 2011-04-26
EP1725680B1 (en) 2009-12-23
EP1718743A4 (en) 2007-03-28
DE602005016221D1 (de) 2009-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007520236A (ja) 抗凍結タンパク質により高められた核酸増幅
JP2019107015A (ja) リガーゼ支援核酸環状化及び増幅
JP5731113B2 (ja) 反応化合物と安定化ポリメラーゼの乾燥組成物
JP2017503521A (ja) 高温核酸合成で使用するための新規な逆転写酵素
JP5401080B2 (ja) 核酸増幅方法
JP6249947B2 (ja) アニオン性ポリマーを含む、rt−pcr用組成物及び方法
JP7375845B2 (ja) 改変された耐熱性dnaポリメラーゼ
US20080044921A1 (en) Primers used in novel gene amplification method
JP2017508474A (ja) 低塩条件下での等温増幅
US9279150B2 (en) Mutant endonuclease V enzymes and applications thereof
JP2020036614A (ja) 核酸増幅法
JP4284063B2 (ja) 核酸塩基配列決定方法
JP2009060897A (ja) 核酸増幅方法
JP6074036B2 (ja) 拡大された基質範囲を有する新規のdnaポリメラーゼ
JP2013509885A (ja) 熱安定性ポリメラーゼとともに二本鎖核酸複合体を用いてデオキシリボヌクレオチド鎖を合成するための組成物および方法
WO2019023243A1 (en) METHODS AND COMPOSITIONS FOR SELECTING AND AMPLIFYING DNA TARGETS IN A SINGLE REACTION MIXTURE
JP2009273432A (ja) 逆転写反応用組成物
JP6980375B2 (ja) 核酸増幅用試薬及び核酸増幅法
JP4942160B2 (ja) RecAタンパク質を利用した核酸の等温増幅法
JP4300321B2 (ja) Dna合成反応を促進する方法、およびそのための組成物
WO2024009873A1 (ja) 逆転写活性を有する核酸ポリメラーゼ
KR100812259B1 (ko) 기지의 서열에 인접한 미지의 dna 서열을 증폭하는 방법
JP2024008528A (ja) マンガンを使用しない逆転写方法
JP2008178338A (ja) 断片化核酸が混入する核酸試料中の標的核酸を増幅する核酸増幅方法、及びそのキット
JP2018029529A (ja) 標的核酸の検出法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070323

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101109

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110208

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110216

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110906