JP2018029529A - 標的核酸の検出法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体試料の精製工程を経ることなく、一方の末端に蛍光物質を、他方の末端にクエンチャー物質が修飾されたオリゴヌクレオチドからなる標識プローブの検出ができる方法を提供する。【解決手段】(a)5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないDNAポリメラーゼ及び(b)Flapエンドヌクレアーゼ(FEN)を用いて、標的核酸にハイブリダイズする標識プローブを切断して標識断片を遊離させ、その遊離してきた標識断片を検出し、あるいは測定することにより、生体試料から核酸を精製することなく、標的核酸の存在を検出する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、核酸増幅、特にPCR(Polymerase Chain Reaction)において、標的核酸配列の検出または測定法に関する。
PCR法とは、(1)熱処理によるDNA変性(2本鎖DNAから1本鎖DNAへの解離)、(2)鋳型1本鎖DNAへのプライマーのアニーリング、(3)DNAポリメラーゼを用いた前記プライマーの伸長、という3ステップを1サイクルとし、このサイクルを繰り返すことによって、試料中の標的核酸を増幅する方法である。この方法により、数コピーといった極微量サンプルから標的核酸を何十万倍に増幅することができるため、遺伝子研究には欠かせない技術となっている。
中でも、リアルタイムPCRは反応後に電気泳動することなく、簡便に核酸の微量検出や定量を行えることができるため、研究用途のみならず、遺伝子診断、臨床診断といった法医学分野、あるいは、食品や環境中の微生物検査等においても、広く用いられている。PCRを用いた増幅は鋳型となる核酸のコピー数が多いと短時間で一定の強度に達し、少ないと長い時間を要する。そのため、蛍光を用いて増幅の経時変化を測定できるリアルタイムPCRでは、一定強度まで達する増幅回数を濃度既知の核酸と濃度未知の核酸で比較することで、鋳型核酸の定量が可能となる。
リアルタイムPCRの蛍光の検出方法には、二本鎖DNAに結合する蛍光色素を使用するインターカレーター法と、遺伝子産物に特異的に結合する蛍光プローブを使用するハイブリダイゼーション法がある。前者の一例としてSYBR(登録商標)Greenと呼ばれる蛍光色素が広く使用されている。SYBR(登録商標)Greenは、二本鎖DNAに結合する蛍光色素はあらゆる配列に対して利用することができるため汎用性が高いが、プライマーの二量化などの非特異的な増幅産物にも結合し、不正確な測定値を得る可能性もある。逆に、TaqMan(登録商標)プローブ及びFRETプローブに代表されるハイブリダイゼーション法は、遺伝子産物によって、それぞれ特異的な配列をもつ蛍光プローブを作成する必要があるが、任意の配列を特異的に定量できる利点がある。
診断用途では、非特異的な増幅産物の検出がないこと、蛍光色素を変えてマルチプレックスで解析できることが重要となっており、ハイブリダイゼーション法での検出が一般的になっている。設計が容易という点から、TaqMan(登録商標)プローブが最も広く用いられており、TaqMan(登録商標)プローブを用いた様々な診断薬も開発されてきている。TaqMan(登録商標)プローブとは標的核酸特異なオリゴヌクレオチドの5‘末端に蛍光色素、3’末端にクエンチャーを標識したプローブであり、PCR酵素の5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性で加水分解されることで、蛍光シグナルが発せられ、それを検出することで核酸の微量検出や定量を行うことができる。
PCRに用いられる耐熱性DNAポリメラーゼには、ファミリーAに属するものとファミリーBに属するものが存在する。ファミリーAに属するDNAポリメラーゼとしてはサーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)由来のDNAポリメラーゼ(Tth DNAポリメラ−ゼ)やサーマス・アクアチカス(Thermus aquaticus)由来のDNAポリメラ−ゼ(Taq DNAポリメラーゼ)などが知られている。また、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼとしてはパイロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)由来の耐熱性DNAポリメラーゼ(Pfu DNAポリメラーゼ)やサーモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)由来の耐熱性DNAポリメラ−ゼ(Tli DNAポリメラーゼ)、サーモコッカス・コダカラエンシス(Thermococcus kodakaraensis)由来の耐熱性DNAポリメラーゼ(KOD DNAポリメラーゼ)などが知られている。
最近では、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼが増幅ターゲットの配列に依存しない点、PCR阻害に強い点で評価されてきており、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼを診断用途で使用する流れが出てきている。しかしながら、ファミリーAに属するDNAポリメラーゼは、それ自身のもつ5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を用い、TaqManプローブの検出が可能であるが、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼは5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないため、TaqMan(登録商標)プローブの検出には使用できないといった問題があった。
また、ファミリーAに属するDNAポリメラーゼはPCR阻害物質に影響を受けやすく、未精製サンプルからの増幅はできない。ファミリーAに属するDNAポリメラーゼでも、エキソヌクレアーゼ活性を除去したものではこのような増幅が可能になることが報告されている(特許文献2)が、上記と同様、TaqMan(登録商標)プローブでの検出ができなくなるという問題があった。
従来から報告されている手法として、標識プローブの5‘末端にミスマッチを挿入することで、FENヌクレアーゼの切断を促し標的核酸の存在を検出する方法が知られている(特許文献3)。しかしながら、この手法ではプローブ配列にミスマッチの配列を挿入する必要があり、非特異的な検出を引き起こす可能性があった。
また、FENとファミリーBに属するDNAポリメラーゼを融合させたタンパク質で、5‘領域が標的核酸と相補的である標識プローブを検出する方法も知られている(特許文献4)。しかし、この手法では、融合タンパク質の安定性が悪くなる場合があり、DNAポリメラーゼの反応効率やFENによる切断効率が融合タンパク質にすることで落ちることが示唆されている。
一方、診断用途では、精製しても残存するフミン酸やフェノールなどのPCR阻害物質を含むサンプルからの増幅が必要である。また精製の際に生じるサンプルのロスやコンタミの観点から、精製工程を経ずに増幅工程を実施する方法が求められていた。TaqMan(登録商標)プローブの検出ができ、かつ、PCR阻害に強いPCRの反応系が求められていた。
特表平6−500021号公報 米国特許第5436149号公報 特許第4960560号公報 国際公開2015/085230パンフレット
現状では、TaqMan(登録商標)プローブに代表される、一方の末端に蛍光物質を、他方の末端にクエンチャー物質が修飾されたオリゴヌクレオチドからなる標識プローブを用いて検出することのできるファミリーAに属するDNAポリメラーゼは、PCRの阻害に弱く、診断用途では目的の生体試料からDNAを精製する必要があった。生体試料の精製工程を経ることなく、一方の末端に蛍光物質を、他方の末端にクエンチャー物質が修飾されたオリゴヌクレオチドからなる標識プローブの検出ができる方法が求められていた。
本発明者らは、上記事情に鑑み鋭意研究を行った結果、PCRの阻害物質に強いファミリーBに属するDNAポリメラーゼやエキソヌクレアーゼを欠損させたファミリーAに属するDNAポリメラーゼにFENヌクレアーゼを添加することで、生体試料から精製工程を経ることなく、TaqMan(登録商標)プローブを検出することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
代表的な本発明は、以下の通りである。
項1.生体試料から核酸を精製することなく、標的核酸を検出する方法であって、
(a)5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないDNAポリメラーゼ、及び、
(b)Flapエンドヌクレアーゼ(FEN)
を用いることにより、標的核酸にハイブリダイズする標識プローブを切断して標識断片を遊離させ、その遊離された標識断片を検出しあるいは測定することにより、標的核酸の存在を検出する方法。
項2.標識プローブの5’末端に蛍光物質を、3‘末端にクエンチャー物質が修飾されたオリゴヌクレオチドである項1に記載の方法。
項3.前記5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないDNAポリメラーゼが、
(a)5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を欠損させたファミリーAに由来するDNAポリメラーゼ、又は、
(b)ファミリーBに属するDNAポリメラーゼ
のいずれかから選択され、かつ、
プロセッシビティーが50塩基以上であるDNAポリメラーゼである項1又は2に記載の方法。
項4.前記5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないDNAポリメラーゼが、
(a)5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を欠損させたファミリーAに由来するDNAポリメラーゼ、又は、
(b)ファミリーBに属するDNAポリメラーゼ
のいずれかから選択され、かつ、
鎖置換能をもつDNAポリメラーゼである項1〜3のいずれかに記載の方法。
項5.前記FENヌクレアーゼが60℃で10分間加熱しても、50%以上の活性がほじされるFENヌクレアーゼである、項1〜4のいずれかに記載の方法。
項6.生体試料が、血液、糞便、唾液、尿よりなる群から選択されるいずれかであることを特徴とする項1〜5のいずれかに記載の方法。
項7.以下の(a)及び(b)を反応液中に含むことを特徴とする、項1〜6のいずれかに記載の標的核酸の存在を検出する方法を行うための試薬。
(a)5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないDNAポリメラーゼ
(b)Flapエンドヌクレアーゼ(FEN)
項8.項7に記載の試薬を含む標的核酸の存在を検出する方法を行うためのキット。
本発明により、生体試料を精製処理する必要がなく、PCR阻害に強いPCR反応液を提供することができる。特には、診断用途において非常に有用である。
5‘末端にミスマッチのあるプローブとないプローブでの検出の比較 FEN−KOD融合タンパクの評価 検出感度の比較 GCリッチなターゲットの増幅比較 血液からの増幅検出
以下、本発明の実施形態を示しつつ、本発明についてさらに詳説する。
本発明における標的核酸の存在を検出する方法は、
(a)5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないDNAポリメラーゼ、及び、
(b)Flapエンドヌクレアーゼ(FEN)
を用いて、標的核酸にハイブリダイズする標識プローブを切断して標識断片を遊離させ、その遊離してきた標識断片を検出し、あるいは測定し、標的核酸の存在を検出する方法である。
本発明における生体試料とは、生体から採取された試料であれば特に限定されない。例えば、体毛、爪、口腔粘膜などの動植物組織、血液などの体液、糞便や尿などの排泄物、細胞、細菌、ウイルス等をいう。体液には血液や唾液が含まれ、細胞には血液から分離した白血球が含まれるが、これらに限定されるものではない。
本発明における検出方法は、生体試料内の核酸を精製することなく使用する。ここで、精製とは、生体試料の組織、細胞壁などの夾雑物質と生体試料中のDNAとを分離する方法であり、フェノールあるいはフェノール・クロロホルム等を用いて、DNAを分離する方法や、イオン交換樹脂、ガラスフィルターあるいはタンパク質凝集作用を有する試薬によってDNAを分離する方法が挙げられる。
本発明における検出方法は、生体試料をこれらの精製工程を経ることなく、核酸増幅反応液に添加し検出する方法である。本発明において「精製工程を経ていない生体試料」とは、生体試料そのものも指すが、液体の生体試料を水などの溶媒を用いて希釈したもの、固体の生体試料を水などの溶媒に添加して熱をかけて破砕させたものなども含まれる。一方、臓器や細胞など、増幅対象となる核酸が試料の組織内に存在する場合、前記核酸を抽出するために組織を破壊する行為(例えば、物理的な処理による破壊、界面活性剤などを使用した破壊など)は、本発明における精製に該当しない。また、前記方法で得られた試料、または、生体試料を、緩衝液などにより希釈する行為も、本発明における精製に該当しない。
本発明における5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないDNAポリメラーゼとは、5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないDNAポリメラーゼであれば特に限定されるものではない。好ましくは、特許文献2のように、ファミリーAに属するポリメラーゼに欠損や変異を挿入しエキソヌクレアーゼ活性を除去したものや、元々5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を有さない、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼなどが挙げられる。
5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を除去したファミリーAに属するDNAポリメラーゼとは、5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性の完全な欠如を含み、例えば、親酵素と比較して0.03%、0.05%、0.1%、1%、5%、10%、20%、または最大でも30%以下の5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を有する改変されたDNAポリメラーゼを指す。5‘−3’エキソヌクレアーゼの活性を解析するための方法は、Proc.Natl.Acad.Sci.USA Vol.65,p168−175(1970年)に記載されている方法に基づく。
ファミリーBに属するDNAポリメラーゼとしては、例えばサーモコッカス・コダカラエンシスに由来するDNAポリメラーゼ(KOD)、パイロコッカス・フリオサスに由来するDNAポリメラーゼ(Pfu)、サーモコッカス・ゴルゴナリウスに由来するDNAポリメラーゼ(TGO)、サーモコッカス・リトラリスに由来するDNAポリメラーゼ(Tli、Vent)、パイロコッカス・エスピーGB−Dに由来するDNAポリメラーゼ、サーモコッカス・エスピーJDF−3に由来するDNAポリメラーゼ、サーモコッカス・エスピー9°N−7に由来するDNAポリメラーゼ、サーモコッカス・エスピーKS−1に由来するDNAポリメラーゼ、サーモコッカス・セラーに由来するDNAポリメラーゼ、又はサーモコッカス・シクリに由来するDNAポリメラーゼなどが挙げられるが、特に限定されない。
また本発明のDNAポリメラーゼは5‘−3’エキソヌクレアーゼの活性を持たないものであればよく、さらに欠損や変異を導入したもの、SSB(一本鎖DNA結合ドメイン)を融合させたものであってもよい。変異の種類は特に限定されないが、ファミリーAに属するDNAポリメラーゼであれば、例えば特許第5809059号公報や特許第04193997号公報に記載の変異などが挙げられる。ファミリーBに属するDNAポリメラーゼであれば、特開2014−079236号公報、特開2014−079235号公報、特開2014−079233号公報、特許第3891330号公報などに記載の変異が挙げられる。
さらに好ましくは、プロセッシビティーが50塩基以上であるDNAポリメラーゼを用いることが望ましく、好ましくは、ファミリーAに属するDNAポリメラーゼでは、プロセッシビティー50〜85塩基を示すKlenTaq、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼでは、プロセッシビティー300塩基以上を示すKOD、Phusionなどが挙げられる。ここで、プロセッシビティーとはポリメラーゼがDNAと結合してから解離するまでに合成する塩基数を示し、プロセッシビティー20塩基を示すPfu DNAポリメラーゼなどと比較するとプロセッシビティーが高いポリメラーゼの方が、PCRの阻害や配列のGC率やAT率に影響することなく、優れた増幅能力を示す。本発明において、プロセッシビティーの測定方法は、Appl. Environ. Microbiol.November 1997 Vol.63,No.11,p4504−4510に記載されている方法に基づく。
さらに好ましくは微弱ながらも鎖置換活性をもつDNAポリメラーゼが望ましく、好ましくはファミリーAに属するDNAポリメラーゼではKlenTaq、Bst DNAポリメラーゼ、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼではKOD、Phusion、Ventなどが挙げられる。本発明において、鎖置換活性とは、鋳型となる二本鎖DNAの水素結合を自ら解離しつつ、新しいDNA鎖を合成する機能をいう。
鎖置換活性の有無はFENを含む反応系に5’末端がマッチしている標識プローブを添加し、qPCRを実施することで判断できる。FENヌクレアーゼは、Flap構造のみを切断するため、鎖置換反応が促進され、Flap構造をとった場合のみ、プローブが切断される。qPCRにいて、標識プローブの分解による蛍光の増加が確認されれば、鎖置換能があると評価する。KlenTaqやKODの鎖置換活性は非常に弱いが、本発明においては、以下の測定系で蛍光の増加が確認され、鎖置換能があるものとみなす。本発明においてFlap構造とは、DNAの三重鎖構造を示し、二本鎖DNA上のニックあるいはギャップ部分の5’側または3’側に一本鎖または二本鎖が飛び出したDNAの構造を示す。
より具体的には、KOD −Plus− Ver.2(Toyobo製)添付の10×PCR Buffer、またはrTaq DNA Polymerase(Toyobo製)の10×PCR Bufferを用い、1×PCR Buffer、および1.5mM MgSOまたはMgCl、0.2mM dNTPs、β―アクチンを増幅する4pmolの配列番号1及び2に記載のプライマー、β―アクチン遺伝子と完全にハイブリダイズする5‘にFAM、3’にBHQ1が修飾された2pmolのプローブ(配列番号3)、RNA5ng相当のcDNA、500ngKOD FENを含む20μlの反応液中に、鎖置換の有無を判定したい酵素を0.4〜2.0Uになるよう添加する。94℃、30秒の前反応の後、94℃、10秒→60℃、30秒を40サイクル繰り返すスケジュールでLight Cycler(登録商標)96(Roche製)にてFAMを認識するqPCRを行う。標識プローブの分解による蛍光の増加が確認されれば、鎖置換能があると評価する。
本発明におけるFENヌクレアーゼとは、Flap structure−specific endonuclease 1のことを示し、Flap構造を認識して、ヌクレオチドを切断する酵素のことをいう。好ましくは耐熱性のFENヌクレアーゼであることが望ましく、さらに好ましくは、サーモコッカスやパイロコッカスのFENヌクレアーゼなどが挙げられるが、特に限定されない。
本発明における耐熱性のFENヌクレアーゼとは、60度以上の温度条件下においても安定な耐熱性FENヌクレアーゼであり、具体的には、60度で10分加温しても活性が50%以上維持される耐熱性FENヌクレアーゼを示す。より好ましくは60℃で10分加温しても活性が80%以上維持される耐熱性FENヌクレアーゼであれば、特に限定されない。FENヌクレアーゼの活性の測定方法は、特許第3018163号公報に記載されている方法に基づく。
本発明におけるFENとDNAポリメラーゼは、融合されることなく、別々に働くことを特徴とする。これによって、DNAポリメラーゼの反応効率やFENによる切断効率が融合タンパク質とすることによる低下するという従来の課題を解消することができる。
本発明における標識プローブとは、特許文献1などに記載のオリゴヌクレオチドであり、好ましくは蛍光色素を修飾したオリゴヌクレオチドが挙げられるが、ビオチンの修飾や放射性同位元素の使用など検出に用いられる方法は特に限定されない。蛍光物質としては、5’末端にFAMなどの蛍光物質、3‘末端にTAMRAなどのクエンチャー物質を修飾したオリゴヌクレオチドが特に好ましい。この場合に修飾される蛍光物質には、FAM、VIC、HEX、ROXなど様々あるが特に限定されない。また、クエンチャー物質にもTAMRAやBHQなど様々あるが、特に限定されない。本発明における標識プローブは、5‘末端や3’末端にミスマッチが挿入されていてもよい。
本発明では5‘末端が完全に相補的であってもよく、DNAポリメラーゼの伸長で形成されたFlap構造を切断して検出するため、市販のTaqMan(登録商標)プローブについても検出することができる。
本発明における標的核酸の検出は、DNAポリメラーゼの増幅性能を落とすことなく、プローブにより検出を可能にするもので、DNAポリメラーゼ本来の増幅効率を活かし標的核酸の配列はGCが40%以下や60%以上と偏っていてもよい。好ましくは30%以下、70%以上で偏っていてもよい。さらに好ましくは20%以下、80%以上で偏っていてもよく、特に限定されない。
また本発明における標的核酸の検出にはPCRの阻害物質が含まれていてもよく、阻害物質としては、例えば生体試料を示すが、PCRを阻害する物質であれば特に限定されない。生体試料とは、生体から採取された試料であれば特に限定されない。例えば、体毛、爪、口腔粘膜などの動植物組織、血液などの体液、糞便や尿などの排泄物、細胞、細菌、ウイルス等をいう。体液には血液や唾液が含まれ、細胞には血液から分離した白血球が含まれるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、必要に応じて、さらに耐熱性DNAポリメラーゼのポリメラーゼ活性及び/又は3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を抑制する活性を有する抗体を用いても良い。前記抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体などが挙げられる。本反応組成は、PCRの感度上昇、非特異的増幅の軽減に特に有効である。
核酸増幅法を実行するための試薬
本発明の検出を実行するための試薬は、
(a)5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないDNAポリメラーゼ、及び、
(b)FENヌクレアーゼ
を反応液中に含み、標識プローブを用い、そのプローブを切断することで増幅の有無を判定するものが挙げられる。それ以外の構成は特に限定されない。なお、前記試薬にはキットの形態も含まれる。
以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明する。もっとも、本発明は、下記実施例により、特に限定されるものではない。
(実施例1)
FENヌクレアーゼプラスミドの作製
後述の実施例に用いるために、サーモコッカス・コダカラエンシス KOD1株由来のFENヌクレアーゼ遺伝子を含有するプラスミドを作製した。FENヌクレアーゼ遺伝子はN末にHisタグ配列を付与した状態で人工合成により作成され(配列番号4)、pET23bにクローニングされた(pFEN)を用いた。得られたプラスミドはエシェリシア・コリBL21(DE3)に形質転換し、酵素調製に用いた。
(実施例2)
FENヌクレアーゼの作製
実施例1で得られた菌体の培養は、以下のようにして実施した。まず、滅菌処理した100μg/mLのアンピシリンを含有するLB培地(1%バクトトリプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム;ギブコ製)80mLを、500mL坂口フラスコに分注した。この培地に、予め100μg/mLのアンピシリンを含有する3mLのLB培地で37℃、16時間培養したエシェリシア・コリBL21(DE3)(プラスミド形質転換株)(試験管使用)を接種し、30℃でOD660が0.5付近になるまで通気培養した。その後、滅菌処理したIPTGを終濃度0.5mMになるまで添加し、30℃で引き続き4時間、通気培養した。培養液より菌体を遠心分離により回収し、50mLの破砕緩衝液(30mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)、30mM NaCl、0.1mM EDTA)に懸濁後、ソニケーション処理により菌体を破砕し、細胞破砕液を得た。次に、細胞破砕液を80℃にて15分間処理した後、遠心分離にて不溶性画分を除去した。更に、ニッケルアガロースクロマトグラフィーを行い精製し、最後に保存緩衝液(50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)、50mM 塩化カリウム、1mM ジチオスレイトール、50% グリセリン)に置換し、FENヌクレアーゼを得た。
(実施例3)
FENヌクレアーゼ−KOD DNAポリメラーゼ融合タンパク プラスミドの作製
後述の実施例に用いるために、サーモコッカス・コダカラエンシス KOD1株由来のFENヌクレアーゼ遺伝子とKOD DNAポリメラーゼの融合タンパクの遺伝子を含有するプラスミドを作製した。具体的には実施例1で用いたFENヌクレアーゼ遺伝子のC末に特許文献4記載のリンカー、及びKOD DNAポリメラーゼの配列をIn Fusion(TaKaRa製)を用いて挿入し、N末端にHisタグ配列を付与したFEN−KOD(配列番号5)をクローニングした(pFEN−KOD)。得られたプラスミドはエシェリシア・コリBL21(DE3)に形質転換し、酵素調製に用いた。
(実施例4)
FENヌクレアーゼ-KODポリメラーゼ融合タンパクの作製
実施例3で得られた菌体の培養は、以下のようにして実施した。まず、滅菌処理した100μg/mLのアンピシリンを含有するLB培地(1%バクトトリプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム;ギブコ製)80mLを、500mL坂口フラスコに分注した。この培地に、予め100μg/mLのアンピシリンを含有する3mLのLB培地で37℃、16時間培養したエシェリシア・コリBL21(DE3)(プラスミド形質転換株)(試験管使用)を接種し、30℃でOD660が0.5付近になるまで通気培養した。その後、滅菌処理したIPTGを終濃度0.5mMになるまで添加し、30℃で引き続き4時間、通気培養した。培養液より菌体を遠心分離により回収し、50mLの破砕緩衝液(30mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)、30mM NaCl、0.1mM EDTA)に懸濁後、ソニケーション処理により菌体を破砕し、細胞破砕液を得た。次に、細胞破砕液を80℃にて15分間処理した後、遠心分離にて不溶性画分を除去した。更に、ニッケルアガロースクロマトグラフィーを行い精製し、最後に保存緩衝液(50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)、50mM 塩化カリウム、1mM ジチオスレイトール、50% グリセリン)に置換し、FENヌクレアーゼ−KODポリメラーゼ融合タンパクを得た。
(実施例5)
標識プローブによる検出
5‘末端にミスマッチのあるプローブ(配列番号6)とミスマッチのないプローブ(配列番号3)で検出の比較を実施した。
KOD −Plus− Ver.2(Toyobo製)添付の10×PCR Bufferを用い、1×PCR Buffer、および1.5mM MgSO4、0.2mM dNTPs、β―アクチンを増幅する4pmolの配列番号1及び2に記載のプライマー、実施例2で調製した500ngKOD FEN、0.4U KOD−Plus−を含む20μlの反応液中に、2pmolの5’末端がターゲットとハイブリしない配列を添加したFAM,BHQで標識したプローブ(配列番号6)、もしくはターゲットと完全にハイブリするFAM,BHQで標識したプローブ(配列番号3)を添加し、それぞれTotal RNA25ng、2.5ng、250pg、25pg、2.5pg、250fg、25fg相当のcDNAを鋳型に、94℃、30秒の前反応の後、94℃、10秒→60℃、30秒を40サイクル繰り返すスケジュールで、Light Cycler(登録商標) 96(Roche製)にてFAMを認識するqPCRを行った。
qPCRのCq値、および増幅曲線の結果を図1に示す。上段がミスマッチのないプローブを用いたもの、下段がミスマッチのあるプローブを用いたものになる。FENヌクレアーゼはFLAP構造のみを切断する酵素だが、5’末端にミスマッチがないプローブでも、ミスマッチがあるプローブと同等以上のCq値が得られた。これはKODの鎖置換反応により、ミスマッチ配列がなくともプローブを浮かせて伸長が進み、FLAP構造を作製したことが示される。このFLAP構造をFENが認識し、プローブの切断が起こったと考えられる。ミスマッチのないプローブの方は250fg、25fgの検出でCqがばらつく結果になったため、検出の効率も低い結果となった。本発明はミスマッチのないプローブを検出でき、反応の効率面でも高い結果が得られた。同様の反応を5‘−3’エキソヌクレアーゼがないことが知られているPhusion(NEB製)、Hemo KlenTaq(NEB製)でも実施し、5’末端にミスマッチのないプローブでもミスマッチありのプローブと同程度の検出ができることが示された。
(実施例6)
FEN−KOD融合タンパク質の評価
FEN−KODの融合タンパク質において、5‘末端にミスマッチのないプローブ(配列番号3)で遺伝子増幅の検出が可能かを評価した。
KOD −Plus− Ver.2(Toyobo製)添付の10×PCR Bufferを用い、1×PCR Buffer、および1.5mM MgSO4、0.2mM dNTPs、β―アクチンを増幅する4pmolの配列番号1及び2に記載のプライマー、RNA25ng相当のcDNA、実施例4で調製した50ngFEN−KOD融合タンパク質を含む20μlの反応液中に、ターゲットと完全にハイブリする配列番号3のFAM,BHQで標識したプローブ、もしくは1/30000の濃度になるようSYBR(登録商標)Greenを添加し、94℃、30秒の前反応の後、94℃、10秒→60℃、30秒を40サイクル繰り返すスケジュールで、Light Cycler(登録商標)96(Roche製)にてqPCRを行った。
qPCRの増幅曲線の結果を図2に示す。上段に示すSYBR(登録商標)Greenの検出系では蛍光の増加が確認されるが、下段に示すプローブの系では蛍光の増加が確認できなかった。融合タンパクにしたことでFENやKODの動きが悪くなり、プローブの検出ができなかったことが考えられる。発現、精製の手間はかかるが、それぞれ反応に適した量を添加できる点において、で融合タンパク質を用いる手法よりも、FENとDNAポリメラーゼを別々に入れる本発明の手法の方が容易に反応系を構築できるものと考える。
(実施例7)
検出感度比較
実施例2で得られたFENヌクレアーゼを用い、Taqの反応系と検出感度の比較をした。
FENの検出系はKOD −Plus− Ver.2(Toyobo製)添付の10×PCR Bufferを用い、1×PCR Buffer、および1.5mM MgSO4、0.2mM dNTPs、β―アクチンを増幅する4pmolの配列番号1及び2に記載のプライマー、実施例2で調製した500ngKOD FENヌクレアーゼ、0.4U KOD−Plus−を含む20μlの反応液中に、2pmolのFAM,BHQで標識したプローブ(配列番号3)を添加し、それぞれTotal RNA25ng、2.5ng、250pg、25pg、2.5pg、250fg、25fg相当のcDNAを鋳型に、94℃、30秒の前反応の後、94℃、10秒→60℃、30秒を40サイクル繰り返すスケジュールで、Light Cycler(登録商標)96(Roche製)にてFAMを認識するqPCRを行った。
Taqの検出系では、THUNDERBIRD qPCR Mixを用い、1×MasterMixにβ―アクチンを増幅する4pmolの配列番号1及び2に記載のプライマー、2pmolのFAM,BHQで標識したプローブ(配列番号3)を含む20μlの反応液でTotal RNA25ng、2.5ng、250pg、25pg、2.5pg、250fg、25fg相当のcDNAを鋳型に、94℃、30秒の前反応の後、94℃、10秒→60℃、30秒を40サイクル繰り返すスケジュールで、Light Cycler 96(Roche製)にてFAMを認識するqPCRを行った。
qPCRのCq値、および増幅曲線の結果を図3に示す。
上段で示すFENとKODの組み合わせでは、25fgRNA相当のcDNAからでも増幅が確認され、250fgまでしか検出できなかった下段に示すTaqの検出系より良好な検出感度が確認できた。KODはTaqより優れた検出感度、PCR効率を持つことが知られている。本発明でKODの特長を活かし、プローブ検出が可能になった。
(実施例8)
GCリッチなターゲットの増幅
実施例2で得られたFENヌクレアーゼを用い、Taqの反応系とGCリッチなターゲットの増幅を比較した。
FENの検出系はKOD −Plus− Ver.2(Toyobo製)添付の10×PCR Bufferを用い、1×PCR Buffer、および1.5mM MgSO4、0.2mM dNTPs、GC率70%を超えるβ―グロビンを増幅する4pmolの配列番号7及び8に記載のプライマー、実施例2で調製した500ngKOD FENヌクレアーゼ、0.4U KOD−Plus−を含む20μlの反応液中に、2pmolのFAM,BHQで標識したプローブ(配列番号9)を添加し、gDNAを鋳型に、94℃、30秒の前反応の後、94℃、10秒→60℃、30秒を40サイクル繰り返すスケジュールでLight Cycler 96(Roche製)にてFAMを認識するqPCRを行った。
Taqの検出系では、THUNDERBIRD qPCR Mixを用い、1×MasterMixにβ―グロビンを増幅する4pmolの配列番号7及び8に記載のプライマー、2pmolのFAM,BHQで標識したプローブ(配列番号9)を含む20μlの反応液でgDNAを鋳型に、94℃、30秒の前反応の後、94℃、10秒→60℃、30秒を40サイクル繰り返すスケジュールでLight Cycler 96(Roche社)にてFAMを認識するqPCRを行った。それぞれgDNAは8.25ng、2ng、0.52ng、0.13ng、32pg、8.1pgの6水準を鋳型とした。
qPCRのCq値、および増幅曲線の結果を図4に示す。
下段で示すTaqの検出系では、GC率の高いターゲットがうまく増幅できず、立ち上がりが遅れるのに対し、上段で示すFENとKODの組み合わせでは、6水準目の8.1pgまでしっかりと立ち上がりが確認された。プロセッシビティーの高いKODやKlenTaqは、通常のTaqに比べ、このようなGCの偏りがある配列の増幅にも耐性があることが確認される。FENと組み合わせることで、ポリメラーゼの高い性能を活かしてプローブアッセイが可能になる。
(実施例9)
血液耐性
実施例2で得られたFENヌクレアーゼを用い、Taqの反応系と血液からの増幅を比較した。
FENの検出系はKOD −Plus− Ver.2(Toyobo製)添付の10×PCR Bufferを用い、1×PCR Buffer、および1.5mM MgSO4、0.2mM dNTPs、β―グロビンを増幅する4pmolの配列番号10及び11に記載のプライマー、実施例2で調製した500ngKOD FENヌクレアーゼ、0.4U KOD−Plus−を含む20μlの反応液中に、2pmolのFAM,BHQで標識したプローブ(配列番号12)を添加し、血液を鋳型に、94℃、30秒の前反応の後、94℃、10秒→60℃、30秒を40サイクル繰り返すスケジュールでLight Cycler 96(Roche製)にてFAMを認識するqPCRを行った。
Taqの検出系では、THUNDERBIRD qPCR Mixを用い、1×MasterMixにβ―グロビンを増幅する4pmolの配列番号10及び11に記載のプライマー、2pmolのFAM,BHQで標識したプローブ(配列番号12)を含む20μlの反応液で血液を鋳型に、94℃、30秒の前反応の後、94℃、10秒→60℃、30秒を40サイクル繰り返すスケジュールで、Light Cycler(登録商標)96(Roche製)にてFAMを認識するqPCRを行った。それぞれ血液は反応系に5%、0.2%、0.05%含まれるように添加した。
qPCRの増幅曲線の結果を図5に示す。
血液にはヘモグロビンなどPCRを阻害する物質が多く含まれている。下段で示すTaqの系では0.05%といった非常に薄い血液からしか増幅できないものの、上段で示すFENとKODの組み合わせでは5%と非常に濃い血液からでも増幅が可能であった。
同様の反応を5‘−3’エキソヌクレアーゼがないことが知られているPhusion(NEB製)、Hemo KlenTaq(NEB製)でも実施し、Phusionでは5%まで。Hemo KlenTaqでは0.2%まで検出ができることが示された。
血液を希釈することなくqPCRの反応系に添加できるため、コンタミや時間の短縮につながる。診断用途でも利用できると考えられる。
本発明は、DNA合成に関わるバイオテクノロジー関連産業において有用であり、特に診断用途において有用である。

Claims (8)

  1. 生体試料から核酸を精製することなく、標的核酸を検出する方法であって、
    (a)5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないDNAポリメラーゼ、及び、
    (b)Flapエンドヌクレアーゼ(FEN)
    を用いることにより、標的核酸にハイブリダイズする標識プローブを切断して標識断片を遊離させ、その遊離された標識断片を検出しあるいは測定することにより、標的核酸の存在を検出する方法。
  2. 標識プローブの5’末端に蛍光物質を、3‘末端にクエンチャー物質が修飾されたオリゴヌクレオチドである請求項1に記載の方法。
  3. 前記5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないDNAポリメラーゼが、
    (a)5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を欠損させたファミリーAに由来するDNAポリメラーゼ、又は、
    (b)ファミリーBに属するDNAポリメラーゼ
    のいずれかから選択され、かつ、
    プロセッシビティーが50塩基以上であるDNAポリメラーゼである請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないDNAポリメラーゼが、
    (a)5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を欠損させたファミリーAに由来するDNAポリメラーゼ、又は、
    (b)ファミリーBに属するDNAポリメラーゼ
    のいずれかから選択され、かつ、
    鎖置換能をもつDNAポリメラーゼである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記FENヌクレアーゼが60℃で10分間加熱しても、50%以上の活性がほじされるFENヌクレアーゼである、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 生体試料が、血液、糞便、唾液、尿よりなる群から選択されるいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 以下の(a)及び(b)を反応液中に含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の標的核酸の存在を検出する方法を行うための試薬。
    (a)5‘−3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないDNAポリメラーゼ
    (b)Flapエンドヌクレアーゼ(FEN)
  8. 請求項7に記載の試薬を含む標的核酸の存在を検出する方法を行うためのキット。
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JP2009521954A (ja) * 2006-01-06 2009-06-11 ストラタジーン カリフォルニア 濃縮(packed)DNAポリメラーゼを含む核酸複製のための反応緩衝液組成物
JP2009540867A (ja) * 2006-06-22 2009-11-26 ストラタジーン カリフォルニア 逆転写酵素を用いて切断構造を形成することによる標的核酸の検出のための方法
JP2010512754A (ja) * 2006-12-15 2010-04-30 ホロジック インコーポレイティッド 切断反応による核酸の検出のための方法および組成物

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