JP4284063B2 - 核酸塩基配列決定方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、遺伝子工学分野で有用な、核酸の塩基配列決定方法に関する。
背景技術
現在、核酸の塩基配列を解析する方法としては、平板タイプまたはキャピラリータイプのゲルを用いた電気泳動方法によって解析を行うチェーンターミネータ法がその主流である。該方法は、使用するポリメラーゼあるいは電気泳動装置の改良により一度に解析できる塩基配列の長さが伸びてきている。しかしながらそれでも、通常500塩基対前後、長くても1000塩基対以下を解析できるにすぎない。従って、通常のプラスミド、ファージ、コスミド等のベクターにクローニングされた、数キロ塩基対より長いDNA断片の塩基配列を決定するためには、プライマーウォーキング法、サブクローニング法あるいはデリーションクローン作製法のような手法のいずれかを単独、または組み合わせて用いる必要がある。
例えば、上記の手法をそれぞれ用いて、プラスミドベクターにクローニングされた5キロ塩基対の長さのDNA断片の塩基配列を決定するケースにおいて、プライマーウォーキング法を用いるならば、クローニングされたDNA断片のどちらかの末端から、まずはベクター上の塩基配列を有するプライマーを用いて塩基配列を決定する。その後、新たに得られた塩基配列の情報に基づいて新たなプライマーを設計・合成してさらに先の領域の塩基配列を決定する。この操作を何回も繰り返すことによって、クローニングされた断片の全塩基配列を決定することができる。しかしながらプライマーウォーキング法では、各塩基配列の操作毎に、プライマーを設計・合成する必要があり、時間と費用を要する。
次に上記DNA断片の塩基配列をサブクローニング法を用いて解析する場合には、まず、プラスミドDNAを種々の制限酵素で切断し、この切断されたDNA断片の長さに基づいて、クローニングされたDNA断片の制限酵素地図を作成する。次に、上記の制限酵素地図をもとに選択された制限酵素で切断されたDNA断片をファージあるいはプラスミドベクターにそれぞれサブクローニングし、ベクター上の配列を有するプライマーを用いて塩基配列を決定する。このサブクローニング法では、制限酵素地図の作成やそれに続くサブクローニング等、煩雑な操作が必要であり、手間と時間を要する。また、この方法で効率よく、元のクローニングされたDNA断片の塩基配列が決定されるためには、サブクローニングに適した制限酵素認識部位が該DNA断片上に均一に散在している必要がある。
さらにジーン(Gene)、第33巻、第103〜119頁(1985)記載のYanisch−Perronらによって開発された塩基配列決定法、すなわちデリーションクローン作製法は、クローニングされた断片のどちらか一端を基点にして、断片長が連続的に短くなっているクローンのシリーズを調製することを特徴とする。この方法は、上記プライマーウォーキング法、あるいはサブクローニング法にみられる問題点の一部を解決したものである。このデリーションクローン作製法を用いれば、プライマーウォーキング法のように、塩基配列決定の操作毎にプライマーを設計・合成する必要はなく、また、サブクローニング法のように制限酵素地図を作成したり、制限酵素地図に基づいてサブクローニングする必要もない。しかしながら、このデリーションクローン作製法においてDNA断片長が連続的に短くなっているクローンの群を調製するには、DNA断片がクローニングされたプラスミドを、2種類の制限酵素、エキソ(Exo)III ヌクレアーゼ、エキソVII ヌクレアーゼ、クレノウフラグメント DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼという順で、各酵素に適した条件で連続的に処理していく必要がある。そのため、該方法においては、遺伝子操作に関してかなりの熟練を要する。また、クローニングされたDNA断片の塩基配列によってエキソIII ヌクレアーゼに対する反応性(削られやすさ)が異なることから、上記の連続的な本操作の前に予備実験を行い、エキソIII ヌクレアーゼに対する反応性を予め調べておく必要がある。
また、PCR法でランダムに増幅した断片の塩基配列を解析する方法として、TeleniusらのDOP−PCR(Degenerate Oligonucleotide−primed PCR)法、ジェノミクス(Genomics)、第13巻、第718〜725頁(1992)や、WongらのTRHA(Tagged random hexamer amplification)法、ヌクレイック アシッド リサーチ(Nucleic Acids Research)、第24巻、第19号、第3778〜3783頁(1996)が挙げられる。しかしながら、いずれもの方法もランダムな配列を含む複数のプライマーの混合物を用いてPCRを行い、増幅された複数のラダーを一つずつ単離、精製した後にシークエンシングする方法であり、操作が繁雑である。
このように、現在の核酸の塩基配列解析方法は、いずれも問題点をかかえており、ゲノム解析において、迅速、低コストの核酸の塩基配列解析方法が求められていた。
発明の目的
本発明の目的は、複雑な操作を経ずに、鋳型核酸のある1点を基点にして、DNA断片長が連続的に短くなっている増幅DNA断片の群を調製し、該DNA断片の塩基配列を解析することを特徴とする核酸の塩基配列決定方法を提供することにある。
発明の概要
本発明者らは鋭意研究の結果、特定の塩基配列を有する複数のプライマーからなるプライマープールから選択されるプライマーと鋳型特異的プライマーを組み合わせてPCRを行うことによって、鋳型DNAの一箇所を基点にした鎖長の異なる一連のDNA増幅断片の群を調製できることを見い出した。そしてそのDNA増幅断片群中のそれぞれのDNA断片の塩基配列を決定することにより、元のDNA断片の全塩基配列を解析できることを明らかにし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の発明は、核酸の塩基配列決定方法であって、
(1)タグ配列を有する少なくとも2個のプライマーそれぞれと、鋳型核酸に特異的なプライマーおよびDNAポリメラーゼの存在下、鋳型核酸を増幅する工程、ここで該タグ配列を有するプライマーはプライマーの5’末端側にタグ配列を有し、3’末端側に3ヌクレオチド以上の特定の塩基配列を有する;および
(2)上記(1)工程で得られた増幅断片をダイレクトシークエンシングする工程;
を包含することを特徴とする核酸塩基配列決定方法に関する。
本発明の第1の発明において、タグ配列を有するプライマーは、下記一般式で表される構造を有するプライマーが使用できる。
一般式:5’−タグ配列−S−3’
[式中、SはG、A、TおよびCからなる群より選択される1個の塩基または2個以上の塩基の混合物を表し、aは3以上の整数を示す、ただしS中少なくとも3個のSはG、A、TおよびCからなる群より選択される1個の塩基を表す]。
また、本発明の第1の発明において、タグ配列を有するプライマーが表1〜表5に記載のプライマーから選択されるプライマーが使用できる。
さらに本発明の第1の発明において、鋳型核酸の増幅工程としては、ポリメラーゼ チェーン リアクション(PCR;polymerase chain reaction)が例示される。該PCRの工程に用いるDNAポリメラーゼとしては、polI型、α型又は非polI非α型DNAポリメラーゼ、あるいは混合型DNAポリメラーゼが好適に使用でき、Taq DNAポリメラーゼ、Pfu DNAポリメラーゼ、Ex−Taq DNAポリメラーゼ、LA−Taq DNAポリメラーゼ、Z−Taq DNAポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ、KOD DNAポリメラーゼあるいはKOD dash DNAポリメラーゼのいずれかより選択することができる。
本発明の第1の発明において、さらに実質的にシングルバンドのPCR増幅断片を生成する反応を選択する工程を含んでもよく、さらに実質的にシングルバンドのPCR増幅断片を選択する工程を含んでもよい。
本発明の第1の発明は、試料から直接あるいは試料から鋳型核酸を調製した後に、実施することができ、該鋳型核酸は、プラスミド、ファージ、コスミド、BAC、YACライブラリー、ゲノムあるいはcDNAののいずれの形でも好適に使用できる。
本発明の第2の発明は、上記本発明の第1の発明の核酸塩基配列決定方法に用いるプライマープールであって、該プライマーの5’末端側にタグ配列を有し、さらに3’末端側に3ヌクレオチド以上の特定の塩基配列を有する少なくとも2以上のプライマーを包含することを特徴とするプライマープールに関する。
本発明の第2の発明のプライマープールにおいて、タグ配列を有するプライマーは、下記一般式で表される構造を有するプライマーが好適に使用できる。
一般式:5’−タグ配列−S−3’
[式中、SはG、A、TおよびCからなる群より選択される1個の塩基または2個以上の塩基の混合物を表し、aは3以上の整数を示す、ただしS中少なくとも3個のSはG、A、TおよびCからなる群より選択される1個の塩基を表す]。
本発明の第2の発明において、プライマー中のタグ配列がシークエンシング用プライマー配列を含んでもよい。
本発明の第3の発明は、本発明の第2の発明のプライマープールを含むことを特徴とする核酸塩基配列決定用組成物に関する。
本発明の第3の発明の核酸塩基配列決定用組成物において、さらにDNAポリメラーゼを含んでもよく、該DNAポリメラーゼとしては、polI型、α型又は非polI非α型DNAポリメラーゼ、あるいは混合型DNAポリメラーゼが使用できる。例えば、Taq DNAポリメラーゼ、Ex−Taq DNAポリメラーゼ、LA−Taq DNAポリメラーゼ、Z−Taq DNAポリメラーゼ、KOD DNAポリメラーゼ、KOD dash DNAポリメラーゼのいずれもが好適に使用できる。
本発明の第4の発明は、本発明の第1の発明の核酸塩基配列決定方法に使用するためのキットであって、本発明の第2の発明のプライマープールを含むことを特徴とする核酸塩基配列決定用キットに関する。
本発明の第4の発明のキットにおいて、さらにDNAポリメラーゼ及び該DNAポリメラーゼ用バッファーを含んでもよい。
また、本発明の第4の発明のキットは、パッケージされた形態において、本発明の第2の発明のプライマープールおよび上記DNAポリメラーゼの使用を指示した指示書を含んでもよく、プライマープール中のタグ配列を有するプライマーのそれぞれがあらかじめ定められた場所に分注されていてもよい。
本発明の第5の発明は、包装材と該包装材に封入された核酸塩基配列決定用試薬からなる製造品であって、該核酸増幅用試薬がプライマープール及び/又はDNAポリメラーゼを含有し、該包装材に付されたラベル又は該包装材に添付された指示書に前記核酸塩基配列決定用試薬が塩基配列決定に使用できることが表示してなる核酸塩基配列決定用試薬の製造品に関する。
発明の詳細な説明
以下、本発明を、鋳型核酸を増幅するためにポリメラーゼ チェーン リアクション(Polymerase Chain Reaction;PCR)を使用する場合について説明する。しかし、本発明において使用される増幅方法はPCRに限定されるものではなく、DNAポリメラーゼの存在下、2つのプライマーによって規定される鋳型核酸の領域を特異的に増幅できるいずれもの方法を使用することができる。そのような方法としては例えば、国際公開公報第00/56877号パンフレット記載のICAN法、日本国特許2087497号記載のSDA法、米国特許5854035号記載のRCA法などが挙げられる。
本明細書においてプライマーとは、デオキシリボヌクレオチドあるいはリボヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドのことをいい、アデニンヌクレオチド(A)、グアニンヌクレオチド(G)、シトシンヌクレオチド(C)及びチミンヌクレオチド(T)が例示される。また、該デオキシリボヌクレオチドは、PCRに使用できるものであれば非修飾あるいは修飾デオキシリボヌクレオチドのいずれを含んでいてもよい。
本明細書において3’末端側とは、核酸、例えば、プライマーにおいて、その中央より3’末端にかけての部分を示す。同様に、5’末端側とは、核酸においてその中央より5’末端にかけての部分を示す。
本明細書においてタグ配列とは、上記プライマーの5’末端側に配置された、あるいは該プライマーの中央より3’末端側に配置された、特定のプライマープールに含有される各プライマーに共通の塩基配列、あるいは各プライマーごとに異なる塩基配列のことをいい、特に限定はされないが、チェーンターミネーター法によるシークエンシング用プライマーがアニーリングするための配列やさらに制限エンドヌクレアーゼの酵素認識部位を含んでいてもよい。また、該タグ配列は、鋳型核酸にアニーリングしにくい塩基配列を選択することが好ましいが、鋳型DNAの配列によっては該塩基配列を構築することが困難な場合もあるので特に限定はされない。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)本発明のプライマープール
本発明のプライマープールは、5’末端にタグ配列を有し、任意の塩基配列にアニーリングしうるプライマーのライブラリーである。PCRにおけるプライマープールから選択されるプライマーからのDNA鎖の伸長には、主に当該プライマーの3’末端側の配列が重要である。また、タグ配列には、鋳型にアニーリングしにくい塩基配列を選択することが、PCRでの特異的増幅に効果的である。本発明の方法に使用されるプライマープールに包含されるプライマーは、鋳型核酸中の任意の塩基配列に実質的に相補的な塩基配列を有し、その3’末端よりDNA鎖の伸長が可能である。すなわち、当該プライマーの3’末端側の塩基配列と鋳型DNAとが完全に相補的でない場合でもDNA鎖を伸長することが可能である。当該プライマーは通常、プール中の各プライマーが任意の塩基配列の鋳型核酸にほぼ均等に分散してアニーリングしうるように設計されることが好ましい。なお、ここで「実質的に相補的な塩基配列」とは、使用される反応条件において鋳型となるDNAにアニーリング可能な塩基配列を意味する。このようなプライマーの設計は、例えば、ラボマニュアルPCR(宝酒造発行、第13頁〜第16頁、1996年)を参考に設計することができる。また、市販のプライマー設計ソフト、例えば、OLIGOTM PrimerAnalysis software(宝酒造社製)を使用することができる。
本発明の方法において使用されるオリゴヌクレオチドプライマーは、特に限定はされないが約15ヌクレオチドから約100ヌクレオチドの長さのものが好ましい。さらに好ましくは、約18ヌクレオチドから約40ヌクレオチドの長さのプライマーである。その塩基配列は使用される反応条件において鋳型核酸にアニーリングするように、実質的に鋳型核酸に相補的な配列であることが好ましい。
本発明を何ら限定するものではないが、例えば、下記一般式で表す構造を持つオリゴヌクレオチドを本発明のプライマーとして使用することができる。
一般式:5’−タグ配列−S−3’
[式中、SはG、A、TおよびCからなる群より選択される1個の塩基または2個以上の塩基の混合物を表し、aは3以上の整数を示す、ただし、S中少なくとも3個のSはG、A、TおよびCからなる群より選択される1個の塩基を表す]。
まずプライマーの5’末端側のタグ配列としては、例えば、好ましくは10ヌクレオチド以上、特に好ましくは、15ヌクレオチド以上の塩基配列が配置される。該配列には、特に限定はないが、2次構造やダイマー構造を形成しない配列が好ましく、また、鋳型中の塩基配列と相補性のないものが特に好ましい。鋳型となる核酸の塩基配列に関する情報がある場合には、これを参考にして設計することができ、例えば鋳型核酸中の最も少ない6塩基の配列を組み合わせた約50種類から選択することができる。特に限定はされないが、具体的な塩基配列としては、例えば大腸菌、パイロコッカス属細菌あるいはバチルス属細菌等の塩基配列解析を行う場合、タグ配列として、GGCACGATTCGATAACG(配列番号1)を選択することができる。
次に、プライマーの3’末端側の特定の塩基配列(すなわちそれぞれの塩基が4種類の塩基から選択される1種の塩基のみからなる配列)については、鋳型核酸にアニーリングする必要があることから、少なくとも3ヌクレオチド以上、特に7ヌクレオチド以上が好ましい。さらに、該特定の塩基配列中には、その位置に特に限定はないが、例えば、特定の塩基配列の3’末端側、5’末端側あるいは内部にランダムな組み合わせ、N(G,A,T,Cの混合)部分を含んでもよい。特該ランダムな塩基配列は、0から5ヌクレオチドであることが好ましい。また、該特定の塩基配列中の塩基をA、G、C、Tのいずれかに固定したプライマープールであってもよく、例えば、特定の塩基配列が7ヌクレオチドの場合、3’末端側から1番目と7番目の塩基をA、G、C、Tのいずれかに固定した場合が挙げられる。さらに、該塩基配列中のGC含量は、50%〜70%であることが好ましく、例えば、特定の塩基配列が7ヌクレオチドの場合、4ヌクレオチドから5ヌクレオチドがGCになる場合が挙げられる。この場合、プライマー全体で2次構造をとらない、プライマーダイマー形成しないということを指標にすることが好ましい。
特定の塩基配列を有するプライマーの鋳型にアニーリングするための特異的配列は、3ヌクレオチド以上、さらに好ましくは7ヌクレオチド以上にすることにより、後のPCRにおいて効率的にシングルバンドを生成することができる。また、該プライマー中にランダムな塩基配列の部分を含んでもよい。特に、該プライマーにタグ配列を含むことが重要である。
本発明のプライマープールは、上記一般式に示す構造及び特定の塩基配列を有することにより、後のPCRにおいて実質的にシングルバンドの増幅断片を生成し、また、いろいろな鎖長の増幅断片を得ることができる。従って、該増幅断片の塩基配列を解析することにより鋳型核酸の全塩基配列を決定することができる。
本発明のプライマープールの一つの態様としては、例えば、鋳型特異的な塩基配列が7ヌクレオチドであるものが挙げられる。特に限定はされないが、例えば、実施例1に記載のプライマープールI〜IIIが挙げられる。さらに、該鋳型特異的塩基配列の5’側にランダムな塩基配列を含むプライマープールI、IVもしくはVI、又は3’末端側にランダムな塩基配列を含むプライマープールIIが例示される。また、該プライマーにランダムな塩基配列の部分を全く含まないプライマープールIIIあるいはVが例示される。
例えば、鋳型特異的な塩基配列が7ヌクレオチドである場合、鋳型核酸への特異的アニーリングには、上記プライマーの特定の塩基配列7ヌクレオチド中、6ヌクレオチド以上が鋳型核酸にアニーリングすることが好ましい。特に限定はされないが、例えば上記特定の塩基配列が3’末端側にある場合において、特に該特定の配列の3’末端の6ヌクレオチドの配列のバリエーションが重要であり、プライマープールの各プライマー間で6ヌクレオチド中2ヌクレオチド以上異なることが好ましい。
本発明のプライマープール中のプライマーのそれぞれと鋳型特異的なプライマーを組み合わせてPCRすることにより、全反応の少なくとも10%以上の割合でいろいろなサイズのシングルバンドの増幅断片を得ることができ、該増幅断片をダイレクトシークエンスすることにより、目的の核酸の全塩基配列を決定する事ができる。
本発明のプライマープールは、特定の塩基配列、タグ配列そしてランダムな塩基配列の各部分を持つように、例えばアプライド バイオシステムズ社(ABI社、Applied Biosystems Inc.)のDNAシンセサイザー394型を用いて、ホスホアミダイト法により合成できる。また、別法としてリン酸トリエステル法、H−ホスホネート法、チオホスホネート法等があるが、いかなる方法で合成されたものであっても良い。
(2)本発明の塩基配列決定方法
本発明の方法は、上記(1)に示されたプライマープールのそれぞれと鋳型特異的プライマーを組み合わせてPCRを行い、得られた増幅断片の塩基配列を決定することにより実施される。
本発明の方法において、PCRで使用するDNAポリメラーゼは、polI型、α型又は非polI非α型DNAポリメラーゼ、あるいは混合型DNAポリメラーゼ(すなわち複数のDNAポリメラーゼの混合物)を用いることができる。特に限定はされないが、例えば、Taq DNAポリメラーゼ(polI型)、KOD DNAポリメラーゼあるいはPfu DNAポリメラーゼ(いずれもα型)等が好適に使用できる。さらに、該DNAポリメラーゼはミ混合型のDNAポリメラーゼであってもよく、例えば、3’→5’エキソ活性のあるものとないものの組み合わせ、例えば、タカラ ExTaq DNAポリメラーゼ、タカラ LA−Taq DNAポリメラーゼ、タカラ Z−Taq DNAポリメラーゼあるいはKOD dash DNAポリメラーゼ等が好適に使用できる。また、国際公開公報第99/54455号パンフレット記載の3’→5’エキソ活性のあるもの同士の組み合わせあるいは3’→5’エキソ活性のないものの組み合わせのいずれもが本発明の方法に好適に使用できる。
当該方法では、伸長反応となる基質となるヌクレオチド3リン酸には、PCR法等に用いられるdNTP、すなわちdATP、dCTP、dGTP、dTTPの混合物が好適に使用できる。当該dNTPは、使用されるDNAポリメラーゼの基質となる限りにおいては、dNTPのアナログ、例えば7−デアザ−dGTP等を含んでもよい。
本発明の方法において、鋳型となる核酸、上記(1)のプライマープールのそれぞれと鋳型特異的プライマーを組み合わせてPCRすることにより、鋳型特異的プライマーを起点として、いろいろな鎖長の増幅断片を得ることができる。従って、該増幅断片をシークエンスすることにより、鋳型核酸の全塩基配列を解析することができる。
本発明の方法において、鋳型となる核酸は、生物のゲノムであってもよく、該ゲノムを物理的手段で切断した断片あるいは制限酵素で消化した断片、あるいは該断片をプラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、BACあるいはYACベクターに挿入したものも好適に使用できる。あるいは、逆転写反応で得られたcDNAであってもよい。
本発明の方法において鋳型となる核酸、すなわちDNAまたはRNAは、当該核酸を含む可能性のあるあらゆる試料から調製、あるいは単離したものでもよい。さらに、上記試料を直接、本発明の核酸増幅反応に使用してもよい。このような核酸を含む試料には特に限定はないが、例えば、全血、血清、バフィーコート、尿、糞便、脳脊髄液、精液、唾液、組織(例えば、癌組織、リンパ節等)、細胞培養物(例えば、哺乳動物細胞培養物及び細菌培養物等)のような生体由来試料、ウイロイド、ウイルス、細菌、カビ、酵母、植物及び動物のような核酸含有試料、ウイルス又は細菌のような微生物が混入もしくは感染している可能性のある試料(食品、生物学的製剤等)、あるいは土壌、排水のような生物を含有する可能性のある試料が挙げられる。また、前記試料等を公知の方法で処理することによって得られる核酸含有調製物であっても良い。該調製物としては、例えば細胞破砕物やそれを分画して得られる試料、該試料中の核酸、あるいは特定の核酸分子群、例えば、mRNAを富化した試料等が本発明に使用できる。さらに上記試料中に含まれる核酸が公知方法で増幅されたDNAあるいはRNA等の核酸等も好適に使用できる。
これら材料からの核酸含有調製物の調製には特に限定はなく、例えば、界面活性剤による溶解処理、超音波処理、ガラスビーズを用いた振盪撹拌、フレンチプレスの使用等により行うことができる。幾つかの例においては、さらに操作を加えて核酸を精製することが有利である(例えば、内在性ヌクレアーゼが存在するとき)。これらの例において、核酸の精製はフェノール抽出、クロマトグラフィー、イオン交換、ゲル電気泳動または密度勾配遠心分離等の公知方法により実施される。
また、本発明の方法においては、鋳型となる核酸の由来に応じて使用するプライマープールを選択する工程を含んでいてもよい。
RNA由来の配列を有する核酸を鋳型としたい場合には、当該RNAを鋳型とした逆転写反応によって合成されたcDNAを鋳型として本発明の方法を実施すればよい。本発明の方法に適用することができるRNAには、逆転写反応に使用されるプライマーが作製可能なものであれば特に制限はなく、試料中の全RNAの他、mRNA、tRNA、rRNA等のRNA分子群、あるいは特定のRNA分子種が挙げられる。
上記の逆転写反応に使用されるプライマーは、使用される反応条件において鋳型RNAにアニールするものであれば特に限定されるものではない。該プライマーは、特定の鋳型RNAに相補的な塩基配列を有するプライマー(特異的プライマー)の他、オリゴdT(デオキシチミン)プライマーやランダムな配列を有するプライマー(ランダムプライマー)であっても良い。逆転写用プライマーの長さは、特異的なアニーリングを行う観点から、好ましくは6ヌクレオチド以上であり、更に好ましくは9ヌクレオチド以上であり、オリゴヌクレオチドの合成の観点から、好ましくは100ヌクレオチド以下であり、更に好ましくは30ヌクレオチド以下である。
上記の逆転写反応に使用される酵素としては、RNAを鋳型としたcDNA合成活性を有するものであれば特に限定はなく、例えばトリ骨髄芽球症ウイルス由来逆転写酵素(AMV RTase)、モロニーネズミ白血病ウイルス由来逆転写酵素(MMLV RTase)、ラウス関連ウイルス2逆転写酵素(RAV−2 RTase)等、種々の起源の逆転写酵素が挙げられる。このほか、逆転写活性を併せ持つDNAポリメラーゼを使用することもできる。また、本発明の目的のためには、高温で逆転写活性を有する酵素が好適であり、例えばサーマス属細菌由来DNAポリメラーゼ、Tth(Thermus thermophilus)DNAポリメラーゼ等あるいは好熱性バチルス属細菌由来DNAポリメラーゼ等を使用できる。特に限定はないが、例えば、好熱性バチルス属細菌由来DNAポリメラーゼが好ましく、B.st(Bacillus stearothermophilus)由来DNAポリメラーゼ(Bst DNAポリメラーゼ)、さらにBca(Bacillus caldotenax)由来DNAポリメラーゼが好ましい。例えば、Bca DNAポリメラーゼは、逆転写反応にマンガンイオンを必要とせず、また、高温条件下で鋳型RNAの二次構造形成を抑制しながらcDNAを合成することができる。上記の逆転写酵素活性を有する酵素も、当該活性を有している範囲において天然体、変異体のいずれもが使用できる。
本発明の方法においてPCRは、目的とするDNA領域を増幅させるために例えば、二本鎖鋳型DNAの一本鎖への解離(変性)、一本鎖鋳型DNAへのプライマーのアニーリング、プライマーからの相補鎖合成(伸長)の3つのステップからなる反応により、もしくは、”シャトルPCR”(『PCR法最前線』、「蛋白質 核酸 酵素」別冊、第41巻、第5号、425頁〜428頁(1996))と呼ばれる、前述の3ステップ反応のうちプライマーのアニーリングおよび伸長のステップを同一温度で行なう2ステップ反応により実施することができる。また、本発明の方法におけるPCR条件は、国際公開パンフレット第00/14218号等に記載の高速PCR法の条件で実施してもよい。さらに、反応液中に国際公開パンプレット第99/54455号記載の酸性物質あるいは陽イオン錯体を含有させても良い。
上記のPCRで得られた増幅DNA断片を適切なDNA塩基配列決定操作、例えばチェーンターミネーター法に供することにより、当該DNA断片の塩基配列を決定することができる。さらに、同様に決定された各PCRの増幅断片の塩基配列を総合し、解析することにより、鋳型に用いた核酸の塩基配列を広い範囲にわたって決定することができる。
本発明の方法においては、PCR産物は、適当な精製方法、例えば、マイクロコン−100のようなPCR産物精製用の分子ふるいに供して、精製したのちにシークエンシングに供してもよい。
本発明の方法を用いた塩基配列解析の例として、例えば大腸菌ゲノムを解析した場合、タグ配列を有する92個のプライマーを含む本発明のプライマープールを用いた92反応中、22反応でシングルバンドの単一なPCR増幅産物が得られ、該増幅断片をダイレクトシークエンスすることにより、約4000bp以上の塩基配列を決定することができる。また、ピロコッカス フリオサスゲノムに関しては92反応中、18反応でシングルバンドのPCR増幅断片が得られ、約5000bp以上の領域に渡って塩基配列を決定することができる。さらに、バチルス カルドテナックスゲノムに関しては、挿入方向の異なる該ゲノム由来のDNA断片のプラスミドを混合することにより、各方向計92反応中、20反応でシングルバンドのPCR増幅産物が得られ、約2000bp以上の領域に渡って塩基配列を両方向から決定することができる。
上記のPCRにより増幅されたDNA断片は、その末端にプライマープールから選択されたプライマー由来のタグ配列を有している。従って、タグ配列と同じ塩基配列を有するプライマーを使用することにより、当該増幅DNA断片の塩基配列を決定することができる。
本発明において、塩基配列の決定はダイレクトシークエンシングによって実施される。本明細書においてダイレクトシークエンシングとは、増幅された核酸断片をベクターにクローン化することなく鋳型として使用して核酸の塩基配列を決定することをいう。従って、ダイレクトシークエンシングは、PCRなどの増幅方法によって得られた断片を鋳型とし、この断片に相補的な配列を有するプライマー、例えばタグ配列と同じ塩基配列を有するプライマーを使用して、ジデオキシ法のような通常の塩基配列決定方法によって実施される。
さらに、上記のPCRで得られた増幅断片を全てシークエンシング反応に供することにより、実質的にシングルバンドのPCR増幅断片が得られた反応については、バックグラウンドとして、プライマー同士の増幅断片がある場合においてもその塩基配列が解読される。すなわち、本発明において、実質的にシングルバンドの増幅断片とは、後のシークエンス解析において、その塩基配列を解析しうる程度に単一な増幅断片のことをいう。従って、本発明の方法においては、実質的にシングルバンドの増幅断片を得ることができる核酸増幅方法、特に限定はされないが、例えばPCR法、ICAN法、SDA法、RCA法等のいずれもが好適に使用できる。この結果を総合的に解析することにより、元の鋳型核酸の全塩基配列を決定することができる。なお、PCRで増幅される領域の偏り等により、鋳型核酸の一部の領域で塩基配列を決定できない場合もある。その場合は、該領域について本発明の方法を再度実施するか、あるいは公知の方法を組み合わせて、例えば、得られた塩基配列情報に基づいて新たに合成したプライマー等を用いて該領域の塩基配列を決定することは当然のことである。
上記塩基配列決定は、市販のシークエンサー例えば、Mega BACE 11000(アマシャム ファルマシア バイオテク社製)を使用することができる。また、市販のシークエンシングキット、例えばBcaBESTTM Dideoxy Sequencing キット(宝酒造社製)等を用いてもよい。
さらに好ましい態様としては、特に限定するものではないが、上記のPCR増幅産物をアガロース電気泳動等に供して、増幅産物を分析したうえで、実質的にシングルバンドの増幅断片が得られている反応並びに本発明の塩基配列決定方法に適切な鎖長の反応を選択し、その反応生成物をシークエンシングに供してもよい。上記工程を加えることにより、シークエンシングに供する増幅断片の数を減らし、塩基配列決定に要するコストを低減することができる。また、実質的にシングルバンドである反応を選択することにより、目的の増幅断片の分子(モル)数が他の増幅断片に比べて十分に多い場合、タグ配列を利用してシークエンス反応を行っても、ノイズが少なく信頼できるシークエンスデータを得ることができる。このように実質的にシングルバンドの増幅断片が得られている反応を選択するには、増幅断片の量を分子数に換算して評価することが重要である。特に限定するものではないが、例えば、Agilent 2100 バイオアナライザ(宝酒造社製)の電気泳動装置等を有効に利用することができる。該装置では、増幅断片の量とその分子量を測定して、その値から各断片の量を分子数に換算して表示することができる。また、塩基配列を決定したい全領域に渡って重複が少なくできる限り均等に分散した塩基配列データが得られるよう、適切な鎖長の反応を選択することも配列決定の経済効率を上げるという観点から重要である。このような2つの選択の工程を自動化したシステムをコンピューターに組み込んで構築することにより、塩基配列決定に要する労力、および時間を飛躍的に低減させることができる。
さらに、前記の増幅産物の分析において、複数の増幅断片が認められた場合であっても、公知の方法によって1種の増幅断片、例えば最も増幅量の多い断片を単離し、これをシークエンシングに供することもできる。
また、プライマープールのプライマー全てと、既知の配列に特異的なプライマーとでPCR反応を行った場合に、全てのPCR反応に特異的なプライマー同士で増幅したサイズのバンドが現れることがある。この増幅断片はタグ配列を含まないため、目的の増幅断片にバックグラウンドとして含まれていても塩基配列を決定することができる。ただし、上記の特異的なプライマー同士での増幅は、目的とする核酸の増幅効率を低下させるため、このような増幅が生じないようなプライマー配列を設計することが好ましい。特に限定はされないが、鋳型となる配列によっても異なるが、一般にプライマーの3’末端がATリッチであることが好ましい。
本発明の方法において使用するプライマープールは、上記(1)に記載されたプライマーを含むプールである。これらのプライマーの全てと鋳型核酸中の既知配列に特異的なプライマーの組み合わせを用いて個々にPCRを行う。特に限定はされないが、プライマープール中のプライマーが有する特定の塩基配列が7ヌクレオチドの時、配列中の塩基の分布にまったく偏りがない場合に平均して、該配列は4=16384に一個現れる。従って、7ヌクレオチドの特定の塩基配列を含むプライマーを100通り用意したとすると、平均して、約160ヌクレオチドに一個の割合で該配列が現れる。つまり、この100個の上記プライマーをそれぞれ別々に使ってPCRする事によって、平均160ヌクレオチドずつ、長さの異なった増幅断片が得られることになる。このうち、実質的にシングルバンドで得られたPCR産物をタグ配列と同じ、あるいはタグ配列に含有される塩基配列を有するシークエンス用プライマーでシークエンス反応を行って得られた塩基配列データを解析する事によって、後に得られるシークエンスデータを待つことなく、一気に数Kbのシークエンス解析を実施することができる。
(3)本発明のプライマープールを含むキット
本発明は、上記(1)に記載されたプライマープールを用いた上記(2)記載の核酸の塩基配列決定方法を実施するためのキットを提供する。1つの実施態様において、該キットは、パッケージされた形態において、本発明のプライマープールの仕様及び、該プールを用いたPCR法のための指示書を含むことを特徴とする。さらに、本発明のプライマープール、DNAポリメラーゼ並びに該ポリメラーゼ用バッファーを含むキットは本発明の方法に好適に使用できる。また、本発明のプライマープール、市販のDNAポリメラーゼ及びPCR用試薬を指示書に従って選択し、使用してもよい。さらに、鋳型がRNAの場合の逆転写反応用試薬を含んでもよい。DNAポリメラーゼは、上記(2)記載の本発明に使用されるDNAポリメラーゼから選択することができる。また、PCR用試薬は、市販のPCR用試薬であってもよく、実施例記載のバッファーを使用してもよい。さらに、塩基配列決定用試薬、例えばシークエンス用プライマーあるいはシークエンス用ポリメラーゼを含んでもよい。
本発明の塩基配列決定方法を記載した指示書とは、本発明の塩基配列決定方法を、当該キットの使用方法、推奨されるプライマープールの仕様、推奨される反応条件等に関する情報を第3者に提供するものの事を言い、該内容を記載した印刷物、例えばパンフレット又はリーフレット形式の取り扱い説明書のほか、キットに添付されたラベル、キットが納められたパッケージ等に記載されたものを含む。さらに、インターネットのような電子媒体を通じて、開示提供された情報も含まれる。
(4)本発明の組成物
本発明は、前述の核酸塩基配列決定方法に使用される組成物を提供する。該組成物としては、例えば、上記(1)に記載のプライマープール並びに上記(2)に記載のDNAポリメラーゼを含有するものが挙げられる。さらに、PCRを行うための成分として、緩衝成分やマグネシウム塩、dNTP等を含んでいてもよい。さらに、上記(2)記載の酸性物質あるいは陽イオン錯体を含んでいてもよい。
本発明のプライマープールを用いることにより、迅速で低コストの核酸塩基配列決定方法が提供される。また、該方法では、約100種類のプライマーを有するプライマープールと一つの特異的プライマーの組み合わせで実施することができるため、大量、多種類のゲノム解析に有用である。さらに、本発明の方法は、従来のショットガン・シークエンス法に比べ、少ないシークエンス回数で目的の核酸の塩基配列を決定することができることからも、大量、多種類のゲノム解析に有用である。
実施例
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
実施例1
(1)プライマープールIの作製
配列表の配列番号1記載の塩基配列、GGCACGATTCGATAACGをタグ配列として含むプライマーを合成した。すなわち、下記一般式(I)で表されるプライマープールIを合成した。
5’−タグ配列−NN−SSSSSSS−3’ (I)
(N:G、A、T、Cのミックス、S:GまたはAまたはTまたはCから選択された特定の塩基配列である。)
さらに表1にプライマープールIの構造及びSSSSSSSの特定の塩基配列について示す。
Figure 0004284063
すなわち、表1は、一般式Iで表されるプライマーの3’末端7ヌクレオチドの特定の塩基配列を示したものであり、4=16384通りの塩基配列の組み合わせよりTm値、プライマーの2次構造、プライマーダイマーの形成の可能性を考慮して、特定の92種類の塩基配列を有するプライマーを選定した。
(2)プライマープールIIの作製
配列表の配列番号2記載の塩基配列、GGCACGATTCGATAACをタグ配列として含むプライマーを合成した。すなわち、下記一般式(II)で表されるプライマープールIIを合成した。
5’−タグ配列−SSSSSSS−NN−3’ (II)
(N:G、A、T、Cのミックス、S:GまたはAまたはTまたはCから選択された特定の塩基配列である。)
さらに表2にプライマープールIIの構造及びSSSSSSSの特定の塩基配列について示す。
Figure 0004284063
すなわち、表2は、上記一般式IIで表されるプライマーの3’末端の3塩基目から9塩基目までの特定の塩基配列を示したものであり、4=16384通りの塩基配列の組み合わせよりTm値、プライマーの2次構造、プライマーダイマーの形成の可能性を考慮して、特定の92種類の塩基配列を有するプライマーを選定した。
(3)プライマープールIIIの作製
配列表の配列番号2記載の塩基配列、GGCACGATTCGATAACをタグ配列として含むプライマーを合成した。すなわち、下記一般式(III)で表されるプライマープールIIIを合成した。
5’−タグ配列−SSSSSSS−3’ (III)
(S:GまたはAまたはTまたはCから選択された特定の塩基配列である。)さらに表3にプライマープールIIIの構造及びSSSSSSSの特定の塩基配列について示す。
Figure 0004284063
すなわち、表3は、一般式IIIで表されるプライマーの3’末端7ヌクレオチドの特定の塩基配列を示したものであり、4=16384通りの塩基配列の組み合わせよりTm値、プライマーの2次構造、プライマーダイマーの形成の可能性を考慮して、特定の92種類の塩基配列を有するプライマーを選定した。
(4)プライマープールIVの作製
配列表の配列番号3記載の塩基配列、CAGGAAACAGCTATGACをタグ配列として含むプライマーを合成した。すなわち、下記一般式(IV)で表されるプライマープールIVを合成した。
5’−タグ配列−NNN−SSSSSS−3’ (IV)
(N:G、A、T、Cのミックス、S:GまたはAまたはTまたはCから選択された特定の塩基配列である。)
さらに表4にプライマープールIVの構造及びSSSSSSの特定の塩基配列について示す。
Figure 0004284063
すなわち、表4は、一般式IVで表されるプライマーの3’末端6ヌクレオチドの特定の塩基配列を示したものであり、4=4096通りの塩基配列の組み合わせよりTm値、プライマーの2次構造、プライマーダイマーの形成の可能性を考慮して、特定の77種類の塩基配列を有するプライマーを選定した。
(5)プライマープールVの作製
配列表の配列番号3記載の塩基配列、CAGGAAACAGCTATGACをタグ配列として含むプライマーを合成した。すなわち、下記一般式(V)で表されるプライマープールVを合成した。
5’−タグ配列−SSS−3’ (V)
(S:GまたはAまたはTまたはCから選択された特定の塩基配列である。)さらに表5にプライマープールVの構造及びSSSの特定の塩基配列について示す。
Figure 0004284063
すなわち、表5は、一般式Vで表されるプライマーの3’末端3ヌクレオチドの塩基配列を示したものであり、4=64通りの塩基配列を有するプライマーを選定した。
実施例2
(1)プラスミドにクローン化された大腸菌遺伝子の塩基配列決定方法について検討した。プラスミドクローンの調製は、以下のように行った。すなわち、大腸菌JM109(宝酒造社製)のゲノムDNAを鋳型に配列表の配列番号4及び5記載の塩基配列を有するEco−1プライマーとE6sphプライマーを用いてPCRを行った。得られた約6.1kbpのPCR増幅断片の末端をタカラ ブランティングキット(宝酒造社製)を用いて平滑末端化処理し、さらに制限酵素SphI(宝酒造社製)で消化後、プラスミドpUC119(宝酒造社製)のSmaI、SphIサイトに連結してプラスミドpUCE6を得た。
(2)上記プラスミドpUCE6を鋳型として、ベクター上の特異的な塩基配列を有するプライマーM13−primerRV(宝酒造社製)と実施例1で調製したプライマープールI〜IIIの各92とおりのプライマーのそれぞれとでPCRを行なった。PCR反応液組成は、20mM トリス酢酸(pH8.5)、50mM 酢酸カリウム、3mM 酢酸マグネシウム、0.01%BSA、各300μM dNTP混合物、100pgのプラスミドpUCE6、0.625単位のタカラ ExTaq DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)を含む反応液25μlを調製した。上記反応液をGene Amp PCR system 9600(パーキンエルマー社製)で、98℃ 0秒、38℃ 0秒、72℃、90秒を1サイクルとした30サイクルのPCRを行った後、該反応液2μlをアガロースゲル電気泳動に供し、エチジウムブロマイド染色によって増幅したDNA断片を確認した。
その結果、プライマープールIでは、92反応液のうち22反応液で300bpから5600bpの範囲でいろいろなサイズのシングルバンドのPCR増幅断片が得られた。該増幅断片は、それらの反応液よりマイクロコン−100(宝酒造社製)にてプライマー除去、脱塩後、配列表の配列番号2記載の塩基配列を有するシークエンスプライマー(タグ配列)を用いて、常法通り、ダイレクトシークエンスを行なった。その結果、プラスミドpUCE6に挿入されたDNA断片の4378塩基の配列を決定することができた。また、プライマープールIIでは、92反応液のうち21反応液で300bpから4700bpの範囲で異なるサイズの単一のPCR増幅DNA断片が得られた。該増幅断片についてダイレクトシークエンスを行ない、4601塩基の配列を決定することができた。さらに、プライマープールIIIの場合は、92反応液のうち24反応液で1000bpから6000bpの範囲でいろいろなサイズのシングルバンドのPCR増幅DNA断片が得られた。該増幅断片についてダイレクトシークエンスを行ない、上記プライマープールと同様に鋳型核酸の塩基配列を決定することができた。
(3)PCRにおいて、市販のExTaqバッファーを用いた場合についても同様に検討した。PCR反応液組成は、タカラ EX−Taq DNAポリメラーゼ用緩衝液(宝酒造社製)、各200μM dNTP混合物以外は、上記(2)と同じ条件で行った。上記反応液をGene Amp PCR system 9600(パーキンエルマー社製)で、98℃ 0秒、38℃ 0秒、72℃ 3分を1サイクルとした30サイクルのPCRを行った。反応液2μlをアガロースゲル電気泳動に供し、エチジウムブロマイド染色によって増幅したDNA断片を確認した。その結果、各プライマープールにおいて上記(2)と同様の結果が得られた。
(4)本発明の方法においてプライマーのアニーリング様式について検討した。本発明のプライマープールIの場合、92反応中22反応でシングルバンドのPCR産物が得られ(鋳型核酸の塩基配列を決定することができた。該反応のうち12反応においては、プライマーの特定の塩基配列7ヌクレオチドが鋳型核酸と完全一致していた。また、22反応中10反応では、1塩基ミスマッチでアニールしていた。そのうち5反応及び2反応は、それぞれ同一の領域を増幅していた。
本発明のプライマープールIIの場合、92反応中21反応でシングルバンドのPCR産物が得られ、鋳型核酸の塩基配列を決定できた。また、該反応のうち9反応においては、プライマーの特定の塩基配列7ヌクレオチドが鋳型核酸と完全一致していた。また、92反応中10反応では、1塩基ミスマッチでアニールしていた。そのうち2反応は2塩基ミスマッチでアニールしていた。
実施例3
(1)プラスミドにクローン化されたGC含量(43.2%)の低いピロコッカス フリオサス遺伝子の塩基配列決定方法について検討した。プラスミドクローンの調製は、以下のように行った。すなわち、ピロコッカス フリオサス(DSM登録番号3638)のゲノムDNAを鋳型に配列表の配列番号6及び7記載の塩基配列を有するPfuFXbaプライマーとPfuRXbaプライマーを用いてPCRを行った。得られた約8.5kbpのPCR増幅断片を制限酵素XbaI(宝酒造社製)で消化後、プラスミドpTV119N(宝酒造社製)のXbaIサイトに連結してプラスミドpTVPfu8.5を得た。
(2)上記プラスミドpTVPfu8.5を鋳型として、配列表の配列番号8記載のベクター上の特異的な塩基配列を有するプライマーMR1と実施例1で調製したプライマープールIの各92とおりのプライマーのそれぞれとでPCRを行なった。PCR反応液組成は、20mM トリス酢酸(pH8.5)、50mM 酢酸カリウム、3mM 酢酸マグネシウム、0.01%BSA、各300μM dNTP混合物、200pgのプラスミドpTVPfu8.5、2.5単位のタカラ ExTaq DNAポリメラーゼを含む反応液100μlを調製した。上記反応液をGene Amp PCR system 9600で、を98℃ 10秒、38℃ 10秒、72℃ 2分を1サイクルとした30サイクルのPCRを行った後、該反応液2μlをアガロースゲル電気泳動に供し、エチジウムブロマイド染色によって増幅したDNA断片を確認した。
その結果、92反応液のうち18反応液で1300bpから8400bpの範囲で異なるサイズの単一のPCR増幅断片が得られた。該増幅断片は、それらの反応液よりマイクロコン−100(宝酒造社製)にてプライマー除去、脱塩後、配列表の配列番号2記載の塩基配列を有するシークエンスプライマー(Tag配列)を用いて、常法通り、ダイレクトシークエンスを行なった。その結果、プラスミドpTVPfu8.5に挿入されたDNA断片の5622塩基の配列を決定することができた。
(3)PCRにおいて、市販のExTaqバッファーを用いた場合についても同様に検討した。PCR反応液組成は、タカラ EX−Taq DNAポリメラーゼ用緩衝液(宝酒造社製)、各200μM dNTP混合物以外は、上記(2)と同じ条件で行った。上記反応液をGene Amp PCR system 9600で98℃ 10秒、38℃ 10秒、72℃ 4分を1サイクルとした30サイクルのPCRを行った。反応液2μlをアガロースゲル電気泳動に供し、エチジウムブロマイド染色によって増幅したDNA断片を確認した。その結果、各プライマープールにおいて上記(2)と同様の結果が得られた。
(4)本発明の方法においてプライマーのアニーリング様式について検討した。本発明のプライマープールIの場合、92反応中19反応でシングルバンドのPCR産物が得られ,鋳型核酸の塩基配列を決定することができた。また、該反応のうち4反応において、プライマーの特定の塩基配列7ヌクレオチドが鋳型核酸と完全一致していた。また、92反応中9反応では1塩基ミスマッチ、1反応では2塩基ミスマッチ、1反応では3塩基ミスマッチでアニールしていた。1塩基ミスマッチでアニールしていた反応のうち、2反応は、同一配列にアニールしていた。
実施例4
(1)GCクラスターとATクラスターの繰り返しが多いバチルス カルドテナックス遺伝子について、プラスミドにクローン化された該遺伝子の塩基配列決定方法について検討した。プラスミドクローンの調製は、以下のように行った。すなわち、バチルス カルドテナックス(DSM登録番号406)のゲノムDNAを制限酵素HindIII(宝酒造社製)で消化後、プラスミドpUC118(宝酒造社製)のHindIIIサイトに連結して2.7kbpのDNA断片が挿入されたプラスミドpUCBcaF2.7を得た。さらに、上記DNA断片の挿入方向が逆向きのプラスミドpUCBcaR2.7を得た。
(2)上記プラスミドpUCBcaF2.7及びプラスミドpUCBcaR2.7の混合物を鋳型として、ベクター上の特異的な塩基配列を有するプライマーM13−primerRVと実施例1で調製したプライマープールIの各92種類のプライマーのそれぞれとでPCRを行なった。PCR反応液組成は、20mM トリス酢酸(pH8.5)、50mM 酢酸カリウム、3mM 酢酸マグネシウム、0.01%BSA、各300μM dNTP混合物、200pgのプラスミドpUCBcaF2.7及びプラスミドpUCBcaR2.7の混合物、2.5単位のタカラ ExTaq DNAポリメラーゼを含む反応液100μlを調製した。上記反応液ををGene Amp PCR system 9600で98℃ 10秒、38℃ 10秒、72℃ 2分を1サイクルとした30サイクルのPCRを行った後、該反応液2μlをアガロースゲル電気泳動に供し、エチジウムブロマイド染色によって増幅したDNA断片を確認した。
その結果、92反応液のうち19反応液で650bpから2800bpの範囲で異なるサイズの単一のPCR増幅断片が得られた。該増幅断片は、それらの反応液よりマイクロコン−100にてプライマー除去、脱塩後、配列表の配列番号2記載の塩基配列を有するシークエンスプライマー(Tag配列)を用いて、常法通り、ダイレクトシークエンスを行なった。その結果、プラスミドに挿入されたDNA断片の2254塩基の配列を両方向から決定することができた。
(3)PCRにおいて、市販のExTaqバッファーを用いた場合についても同様に検討した。PCR反応液組成は、タカラ EX−Taq DNAポリメラーゼ用緩衝液(宝酒造社製)、各200μM dNTP混合物以外は、上記(2)と同じ条件で行った。上記反応液をGene Amp PCR system 9600で、98℃ 10秒、38℃ 10秒、72℃ 4分を1サイクルとした30サイクルのPCRを行った。反応液2μlをアガロースゲル電気泳動に供し、エチジウムブロマイド染色によって増幅したDNA断片を確認した。その結果、各プライマープールにおいて上記(2)と同様の結果が得られた。
(4)本発明の方法においてプライマーのアニーリング様式について検討した。本発明のプライマープールIの場合、92反応中19反応でシングルバンドのPCR産物が得られ、鋳型核酸の塩基配列を決定することができた。また、該反応のうち6反応において、プライマーの特定の塩基配列7ヌクレオチドが鋳型核酸と完全一致していた。また、8反応では1塩基ミスマッチ、2反応では2塩基ミスマッチでアニールしていた。
実施例5
実施例2〜4の結果について、本発明の方法におけるプライマーアニーリング様式を検討した。
本発明の方法について、特定の塩基配列7ヌクレオチドが、鋳型核酸と完全一致していないにも関わらず、シングルバンドでPCR増幅し、シークエンスができることを確認した。これらのプライマーについて、7ヌクレオチド中のどの塩基が鋳型と相補的でなかったのかを集計した。その結果、7ヌクレオチド中、3’末端がミスマッチであったが、シークエンスできたものが43反応中5反応、3’末端から2番目がミスマッチであったがシークエンスできたもの、43反応中3反応、以下同様に3’末端から3番目で43反応中2反応、4番目で43反応中6反応、5番目で43反応中6反応、6番目で43反応中5反応、7番目で43反応中16反応であった。すなわち、3’末端から7番目がミスマッチでもPCR増幅し、シークエンスできた例が多く、プライマープールの3’末端から7番目のバリエーションが必須でないことが明らかになった。一方、3’末端がミスマッチであったのにも関わらず、シングルバンドの増幅産物が得られてシークエンスできた例が5反応あった。次に、ミスマッチの種類について表6に示す。
Figure 0004284063
表6に示したように一方をTとするミスマッチが多いことから、このTが、他の塩基よりもミスマッチを起こしやすいことが確認できた。
実施例6
(1)コスミドにクローン化されたピロコッカス フリオサス遺伝子の塩基配列決定方法について検討した。コスミドクローンのは、国際公開公報WO97/24444パンフレット記載の40kbpのピロコッカス フリオサス遺伝子が挿入されたコスミド491を用いた。以下のように行った。
(2)上記コスミド491を鋳型として、配列表の配列番号9記載のインサート内の特異的な塩基配列を有するプライマーPfu30F1と実施例1で調製したプライマープールI、IIの各92種類、プライマープールIVの各77種類、及びプライマープールVの各64種類のプライマーのそれぞれとでPCRを行なった。PCR反応液組成は、20mM トリス酢酸(pH8.5)、50mM 酢酸カリウム、3mM 酢酸マグネシウム、0.01%BSA、各300μM dNTP混合物、500pgのコスミド491、2.5単位のタカラ ExTaq DNAポリメラーゼを含む反応液100μlを調製した。上記反応液をGene Amp PCR system 9600で、94℃ 3分の熱変性後、98℃ 10秒、38℃ 10秒、72℃ 40秒を1サイクルとした30サイクルのPCRを行った後、該反応液2μlをアガロースゲル電気泳動に供し、エチジウムブロマイド染色によって増幅したDNA断片を確認した。
その結果、プライマープールIを用いた場合、92反応液のうち22反応液で400bpから6000bpの範囲でいろいろなサイズの単一のPCR増幅断片が得られた。該増幅断片は、それらの反応液よりマイクロコン−100にてプライマー除去、脱塩後、配列表の配列番号2記載の塩基配列を有するシークエンスプライマー(タグ配列)を用いて、常法通り、ダイレクトシークエンスを行なった。その結果、コスミド491に挿入されたDNA断片の約1746塩基の配列を決定することができた。また、プライマープールIIを用いた場合、92反応液のうち20反応液で500bpから4000bpの範囲でいろいろなサイズの単一のPCR増幅断片が得られた。該増幅断片は、上記と同じ方法で精製後、ダイレクトシークエンスを行なった。その結果、コスミド491に挿入されたDNA断片の2045塩基の配列を決定することができた。また、プライマープールIVを用いた場合、77反応液のうち17反応液で1100bpから4000bpの範囲でいろいろなサイズの単一のPCR増幅断片が得られた。該増幅断片は、上記と同じ方法で精製後、配列表の配列番号3記載のシークエンスプライマー2を用いてダイレクトシークエンスを行なった。その結果、コスミド491に挿入されたDNA断片の2614塩基の配列を決定することができた。さらに、プライマープールVを用いた場合、64反応液のうち23反応液で500bpから2900pの範囲でいろいろなサイズの単一のPCR増幅断片が得られた。該増幅断片は、上記と同じ方法で精製後、配列表の配列番号3記載のシークエンスプライマー2を用いてダイレクトシークエンスを行なった。その結果、プライマープールVにおいても、コスミド491に挿入されたDNA断片の塩基の配列を決定することができた。
(3)PCRにおいて、市販のExTaqバッファーを用いた場合についても同様に検討した。PCR反応液組成は、タカラ EX−Taq DNAポリメラーゼ用緩衝液(宝酒造社製)、各200μM dNTP混合物以外は、上記(2)と同じ条件で行った。上記反応液をGene Amp PCR system 9600で、98℃ 10秒、38℃ 10秒、72℃ 2分を1サイクルとした30サイクルのPCRを行った。反応液2μlをアガロースゲル電気泳動に供し、エチジウムブロマイド染色によって増幅したDNA断片を確認した。その結果、各プライマープールにおいて上記(2)と同様の結果が得られた。
実施例7
(1)ピロコッカス フリオサス ゲノムDNAの塩基配列決定方法について検討した。ゲノムDNAは、常法により調製した。
(2)上記ゲノムDNAを鋳型として、配列表の配列番号9記載の塩基配列を有するプライマーPfu30F1と実施例1で調製したプライマープールIの各92種類のプライマーの内、表1の49番〜72番の24種のそれぞれとでPCRを行なった。PCR反応液組成は、20mM トリス酢酸(pH8.5)、50mM 酢酸カリウム、3mM 酢酸マグネシウム、0.01%BSA、各300μM dNTP混合物、10ngのピロコッカス フリオサスゲノムDNA、2.5単位のタカラ ExTaq DNAポリメラーゼを含む反応液100μlを調製した。上記反応液をGene Amp PCR system 9600で、94℃ 3分の熱変性後、98℃ 10秒、50℃ 10秒、72℃ 40秒を1サイクルとした40サイクルのPCRを行った後、該反応液2μlをアガロースゲル電気泳動に供し、エチジウムブロマイド染色によって増幅したDNA断片を確認した。
その結果、プライマープールIを用いた場合、24反応液のうち8反応液で400bpから4000bpの範囲でいろいろなサイズの単一のPCR増幅断片が得られた。該増幅断片は、それらの反応液よりマイクロコン−100にてプライマー除去、脱塩後、配列表の配列番号2記載の塩基配列を有するシークエンスプライマー(タグ配列)を用いて、常法通り、ダイレクトシークエンスを行なった。その結果、ゲノムDNAにおいても約1000塩基の配列を決定することができ、本発明の核酸塩基配列決定方法が有効であることを確認した。
(3)PCRにおいて、市販のExTaqバッファーを用いた場合についても同様に検討した。PCR反応液組成は、タカラ EX−Taq DNAポリメラーゼ用緩衝液(宝酒造社製)、各200μM dNTP混合物以外は、上記(2)と同じ条件で行った。上記反応液をGene Amp PCR system 9600で、、94℃ 3分の熱変性後、98℃ 10秒、50℃ 10秒、72℃ 2分を1サイクルとした40サイクルのPCRを行った。反応液2μlをアガロースゲル電気泳動に供し、エチジウムブロマイド染色によって増幅したDNA断片を確認した。その結果、各プライマープールにおいて上記(2)と同様の結果が得られた。
実施例8
サーモコッカス リトラリス RNaseHII遺伝子、サーモコッカス セラー RNaseHII遺伝子のクローニング
(1)ゲノムDNAの調製
サーモコッカス リトラリス(Thermococcus litoralis、ドイッチェ ザムルンク フォン ミクロオルガニスメン ウント ツェルクルツレンGmbHより購入:DSM5473)、サーモコッカス セラー(Thermococcus celer、ドイッチェ ザムルンク フォン ミクロオルガニスメン ウント ツェルクルツレンGmbHより購入:DSM2476)それぞれ11ml相当分の菌体を集め、500μlの25%ショ糖、50mMトリス−HCl(pH8.0)に懸濁し、100μlの0.5M EDTA、50μlの10mg/ml塩化リゾチーム(ナカライテスク社製)水溶液を加えて、20℃で1時間反応させた。反応終了後、この反応液に4mlの150mM NaCl、1mM EDTA、20mMトリス−HCl(pH8.0)、50μlの20mg/mlプロテイナーゼK(宝酒造社製)及び250μlの10%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を加え、37℃で1時間保温した。反応終了後、フェノール−クロロホルム抽出、エタノール沈殿、風乾した後に100μlのTEに溶解してそれぞれゲノムDNA溶液を得た。
(2)RNaseHII遺伝子中央部のクローニング
様々な耐熱性RNaseHIIのアミノ酸配列の間で保存されている部分をもとにしてオリゴヌクレオチドRN−F1(配列番号10)とオリゴヌクレオチドRN−R0(配列番号11)を合成した。
上記実施例8−(1)で調製したサーモコッカス リトラリス とサーモコッカス セラーのゲノムDNA溶液各5μlを鋳型にして、100pmolのRN−F1及び100pmolのRN−R0をプライマーに用い、100μlの容量でPCRを行った。PCRでのDNAポリメラーゼはタカラタック(宝酒造社製)を添付のプロトコールに従って用い、PCRは94℃で30秒、45℃で30秒、72℃で1分を1サイクルとして、50サイクル行った。反応終了後、マイクロコン−100(宝酒造社製)で、プライマーを除去すると同時に濃縮した。
(3)RNaseHII遺伝子上流および下流部分のクローニング
上記実施例8−(2)で得た約0.5kbのサーモコッカス リトラリス由来の断片TliF1R0のとサーモコッカス セラー由来の断片TceF1R0の塩基配列を決定し、それをもとにTliF1R0の上流をクローニングするための特異的なオリゴヌクレオチドTliRN−1(配列番号12)と下流をクローニングするための特異的なオリゴヌクレオチドTliRN−2(配列番号13)を合成した。また、TceF1R0の上流をクローニングするための特異的なオリゴヌクレオチドTceRN−1(配列番号14)と下流をクローニングするための特異的なオリゴヌクレオチドTceRN−2(配列番号15)を合成した。さらに、表7に示す48種類のプライマーを合成した。表7中のタグ配列を配列表の配列番号16に示す。
Figure 0004284063
実施例8−(1)で調製した各ゲノムDNA溶液1μlを鋳型にして20pmolのTliRN−1または20pmolのTliRN−2と各20pmolの表1記載の48種類のプライマーとの組み合わせで、また、20pmolのTceRN−1または20pmolのTceRN−2と各20pmolの表1記載の48種類のプライマーとの組み合わせで、20mM トリス酢酸(pH8.5)、50mM酢酸カリウム、3mM酢酸マグネシウム、0.01%BSA、各30μM dNTP混合物、2.5単位のタカラExTaq DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)を含む反応液中でPCRをおこなった。PCRは94℃で3分インキュベートした後、98℃で10秒、50℃で10秒、72℃で40秒を1サイクルとし、40サイクル行った。得られたPCR産物の一部をアガロース電気泳導し、シングルバンドになったものを選び出し、それらの反応液をマイクロコン−100(宝酒造社製)で、プライマーを除去すると同時に濃縮し、ダイレクトシークエンスをおこない、RNaseHIIの上流または下流を含む断片をスクリーニングした。その結果、サーモコッカス リトラリスでは、約450bpのPCR増幅断片TliN7にRNaseHII遺伝子の上流が、約600bpのPCR増幅断片TliC25、約400bpのPCR増幅断片TliC26に下流が含まれていることがわかった。また、サーモコッカス セラーでは、約450bpのPCR増幅断片TceN24にRNaseHII遺伝子の上流が、約400bpのPCR増幅断片TceC29に下流が含まれていることがわかった。
(4)RNaseHII遺伝子全域のクローニング
TliF1R0、上流、下流を含む遺伝子の塩基配列を配列表の配列番号17に示す。また、該塩基配列から推定されるRNaseHIIのアミノ酸配列を配列表の配列番号18に示す。上記塩基配列をもとにプライマーTliNde(配列番号19)及びTliBam(配列番号20)を合成した。
同様に、TceF1R0、上流、下流を含む遺伝子の塩基配列を配列表の配列番号21に示す。また、該塩基配列から推定されるRNaseHIIのアミノ酸配列を配列表の配列番号22に示す。上記塩基配列をもとにプライマーTceNde(配列番号23)及びTceBam(配列番号24)を合成した。
実施例8−(1)で得たサーモコッカス リトラリス ゲノムDNA溶液1μlを鋳型にして、20pmolのTliNde及び20pmolのTliBamをプライマーに用い、100μlの容量でPCRを行なった。PCRでのDNAポリメラーゼはExTaq DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)を添付のプロトコールに従って用い、PCRは94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で1分を1サイクルとし、40サイクル行った。増幅した約0.7kbのDNA断片をNdeI及びBamHI(ともに宝酒造社製)で消化し、得られたDNA断片をプラスミドベクターpTV119Nd(pTV119NのNcoIサイトをNdeIサイトに変換したもの)またはpET3a(ノバジェン社製)のNdeI及びBamHI間に組込み、プラスミドpTLI223NdおよびpTLI204を作製した。
また、サーモコッカス リトラリス ゲノムDNA溶液1μlを鋳型にして、20pmolのTceNde及び20pmolのTceBamをプライマーに用い、100μlの容量でPCRを行なった。PCRでのDNAポリメラーゼはパイロベストDNAポリメラーゼ(宝酒造社製)を添付のプロトコールに従って用い、PCRは94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で1分を1サイクルとし、40サイクル行った。増幅した約0.7kbのDNA断片をNdeI及びBamHI(ともに宝酒造社製)で消化し、得られたDNA断片をプラスミドベクターpTV119Nd(pTV119NのNcoIサイトをNdeIサイトに変換したもの)またはpET3a(ノバジェン社製)のNdeI及びBamHI間に組込み、プラスミドpTCE265NdおよびpTCE207を作製した。
(5)RNaseHII遺伝子を含むDNA断片の塩基配列の決定
実施例8−(2)で得られたpTLI223Nd、pTLI204、pTCE265NdおよびpTCE207の挿入DNA断片の塩基配列をジデオキシ法によって決定した。
得られた塩基配列の結果を解析したところ、RNaseHIIをコードすると考えられるオープンリーディングフレームが見出された。pTLI204のオープンリーディングフレームの塩基配列を配列表の配列番号25に示す。また、該塩基配列から推定されるRNaseHIIのアミノ酸配列を配列表の配列番号26に示す。pTLI223Ndのオープンリーディングフレームの塩基配列は、pTLI204とくらべて484番目のTがCに置きかわっていた。また、アミノ酸配列では162番目のフェニルアラニンがロイシンに置きかわっていた。
また、pTCE207のオープンリーディングフレームの塩基配列を配列表の配列番号27に示す。該塩基配列から推定されるRNaseHIIのアミノ酸配列を配列表の配列番号28に示す。pTCE265Ndのオープンリーディングフレームの塩基配列は、pTCE207とくらべて14番目のAがGに置きかわっており、693から696番目が欠失していた。また、アミノ酸配列では5番目のグルタミン酸がグリシンに置きかわっており、231番目のフェニルアラニンが欠失していた。
(6)RNaseHII遺伝子の発現
pTLI223Nd、pTCE265Ndで形質転換された大腸菌JM109を100μg/mlのアンピシリンおよび1mM IPTGを含む10mlのLB培地にそれぞれ植菌し、37℃で1晩振盪培養した。培養終了後、遠心分離によって集めた菌体を196μlのバッファーAに懸濁し、超音波破砕機にかけた。この破砕液を12000rpmで10分間の遠心分離を行い、得られた上清を70℃、10分間の熱処理にかけた。その後、再度12000rpmで10分の遠心分離を行い、上清を集め、熱処理上清液を得た。同様にpTLI204、pTCE207で形質転換された大腸菌HMS174(DE3)を100μg/mlのアンピシリンを含む10mlのLB培地にそれぞれ植菌し、37℃で1晩振盪培養し、培養終了後、遠心分離によって集めた菌体を上記の方法で処理し、熱処理上清液を得た。
上記で得られた熱処理上清液の酵素活性を測定した結果、いずれの形質転換体においてもRNaseH活性が認められた。すなわち、塩基配列あるいはアミノ酸配列において置換があった場合でも本発明のポリヌクレオチドの活性があることが確認できた。このように、本発明の方法により、ライブラリーを作製することなく、ゲノムより直接目的の遺伝子を簡便、迅速にクローニングできることが示された。
産業上の利用の可能性
本発明によれば、鋳型に特異的なプライマーと特定の塩基配列を有するプライマーとでPCRすることによって得られるPCR産物をシークエンシングすることにより、迅速で低コストの核酸の塩基配列決定方法が提供される。
Figure 0004284063
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【配列表】
Figure 0004284063
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Figure 0004284063

Claims (7)

  1. 核酸の塩基配列決定方法であって、
    (1)タグ配列を有する少なくとも2個のプライマーそれぞれと、鋳型核酸に特異的なプライマーおよびDNAポリメラーゼの存在下、鋳型核酸を別々に増幅し、鋳型核酸に特異的なプライマーの配列を基点にした鎖長の異なるDNA増幅断片の群を調製する工程、ここで該タグ配列を有するプライマーはプライマーの5'末端側にタグ配列を有し、3'末端側に3ヌクレオチド以上の特定の塩基配列を有し、該特定の塩基配列の3’末端側あるいは5'末端側にランダムな組合せ、N(G,A,T,Cの混合)部分を有していてもよい;および
    (2)上記(1)工程で得られた増幅断片を、タグ配列と同じ塩基配列を有するプライマーを使用してダイレクトシークエンシングする工程;
    を包含することを特徴とする核酸塩基配列決定方法。
  2. 鋳型核酸を増幅する工程が、ポリメラーゼ チェーン リアクション(PCR)であることを特徴とする請求項1記載の核酸塩基配列決定方法。
  3. さらにシングルバンドの増幅断片を精製する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の核酸塩基配列決定方法。
  4. polI型、α型又は非polI非α型DNAポリメラーゼ、あるいは混合型DNAポリメラーゼをPCRの工程に用いることを特徴とする請求項2記載の核酸塩基配列決定方法。
  5. DNAポリメラーゼが、Taq DNAポリメラーゼ、Pfu DNAポリメラーゼ、Ex−Taq DNAポリメラーゼ、LA−Taq DNAポリメラーゼ、Z−Taq DNAポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ、KOD DNAポリメラーゼあるいはKOD dash DNAポリメラーゼのいずれかより選択されるDNAポリメラーゼを用いることを特徴とする請求項1記載の核酸塩基配列決定方法。
  6. 試料から鋳型核酸を調製した後に、実施することを特徴とする請求項1記載の核酸塩基配列決定方法。
  7. 鋳型核酸が、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、BAC、YACライブラリー、ゲノムあるいはcDNAの形で提供されることを特徴とする請求項6記載の核酸塩基配列決定方法。
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