JP2007513885A - キラルな塩基環状アミドとの塩形成による、場合により置換されたマンデル酸を分割するための方法 - Google Patents
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Abstract
Description
オン(BMI)、(+)−シンコニン、ブルシン、キニン、キニジン、(−)−エフェドリン、(−)−2−アミノ−1−ブタノール、アンフェタミンおよびアドレナリンが記載されている。これらのアミンおよび他のものがE.J.Ebbers et al.Tetrahedron:Asymmetry 1997,8,4047−4057、およびそこに引用された参考文献に記載される。
さらに、本発明者らは驚くべきことに、好ましい特性を有し、そして製造方法において有用である、マンデル酸誘導体(とりわけ、(R)−3−クロロ,5−ジフルオロ−メトキシマンデル酸)のある種の金属塩、およびある種のアミン塩を見出している‐たとえば以後の実施例12および特許請求の範囲を参照されたい。
したがって、キラルな塩基(D)−または(L)−環状アミドとの塩形成により、(R)−または(S)−の場合により置換されたマンデル酸を、当該場合により置換されたマンデル酸のラセミ混合物から分割するための方法が提供され、当該方法は以下の工程を含む:
溶媒、または溶媒混合物中で、ラセミの、場合により置換されたマンデル酸とキラルな塩基(D)−または(L)−環状アミドとの混合物を形成すること、ここで使用されるキラルな塩基は、酸:塩基のモル比が1:0.25〜0.75における(R)−マンデル酸の分離のための(D)、または(S)−マンデル酸分離のための(L)のいずれかであり;溶媒、または溶媒混合物は場合により溶媒の5〜15%(容量)の範囲で水を含有していてもよい;および
(b)それぞれの(R)/(D)または(S)/(L)マンデル酸‐環状アミド塩を分離すること。
本明細書では、特記しない限り、“環状アミド”という用語は、場合により置換されたその形状を包含し、そしてプロリンアミド、アゼチジン−2−カルボキサミドおよびピペリジン−2−カルボキサミドならびにそれらの置換された形状を包含するが、それらに限定されない。置換は、C1〜6アルキルによって、環窒素原子上であってもよく、または1〜6アルキルもしくはハロ(たとえばクロロ、フルオロまたはブロモ)によって、適切な環炭素原子上であってもよい。置換されていない環状アミドが好ましいが、置換される場合、環窒素原子上の置換または適切な環炭素原子上のモノ‐置換が好ましい。
疑いを避けるために、本明細書では、‘C1〜6’は1、2、3、4、5または6炭素原子を有する炭素群を意味すると理解すべきである。
(a)溶媒、または溶媒混合物中で式(I):
(b)式IIa
離すること。
方法中の工程(a)におけるラセミマンデル酸誘導体およびキラルな塩基環状アミドの量は1:0.25〜0.75のモル比;あるいは1:0.4〜0.7のモル比で添加される。別の側面では、マンデル酸誘導体:キラルな塩基のモル比1:0.48〜0.52が使用され(たとえばエチルアセテート溶媒中)、別の側面ではモル比は1:0.50である。モル比はまた、およそこれらの限度、たとえば±0.005の実験変動を包含すると理解すべきである。
(a)エチルアセテート/水中で、ラセミの場合により置換されたマンデル酸とキラルな塩基(D)−または(L)−環状アミドの混合物を形成すること、ここで使用されるキラルな塩基は、酸:塩基のモル比が1:0.48〜0.52における(R)酸の分離のための(D)、および(S)酸分離のための(L)であり;そして水はエチルアセテートの5〜15%(容量)の範囲にある;次に
(b)上記混合物を還流させながら加熱および撹拌すること;次に
(c)上記の工程(b)由来の混合物/懸濁液を冷却し、その後上記の冷却した混合物/懸濁液をろ過し、それぞれのR/DまたはS/Lマンデル酸環状アミド塩を得ること。
(a)エチルアセテート/水中で式I:
(b)上記混合物を還流させながら加熱および撹拌すること;次に
(c)上記の工程(b)由来の混合物/懸濁液を冷却し、その後上記の冷却した混合物/懸濁液をろ過し、式II:
(a)エチルアセテート/水中で式I:
(b)上記混合物を還流させながら加熱および撹拌すること;次に
(c)上記の工程(b)由来の混合物/懸濁液を冷却し、その後上記の冷却した混合物/懸濁液をろ過し、式III:
本発明の別の側面では、以下の工程を含む、キラルな塩基(L)−環状アミドとの塩形成により、ラセミマンデル酸誘導体から(S)−マンデル酸誘導体を分割するための方法が提供される:
(a)エチルアセテート/水中で式I:
(b)上記混合物を還流させながら加熱および撹拌すること;次に
(c)上記の工程(b)由来の混合物/懸濁液を冷却し、その後上記の冷却した混合物/懸濁液をろ過し、式IV:
本発明の別の側面では、式IのRがCHF2である、式V:
先の側面および態様では、先の式I(x)に関して示すように、使用される環状アミドは場合により、C1〜6アルキルによって窒素原子上で、または1〜6アルキルもしくはハロ(たとえばフルオロ、クロロまたはブロモ)によって適切な環炭素原子上で置換されてもよい。
本方法の工程(a)における、付加的な水の添加量は、エチルアセテートの5〜15%(容量)の範囲である。これは、水の濃度がエチルアセテートの5〜15%(容量)である、たとえば3.7mlエチルアセテート中に添加された0.3mlの水は7.5%であるような溶液を生じる。好ましくは、添加された水の量はエチルアセテートの5〜10%(容量)の範囲である。添加された水の量がエチルアセテートの6〜7%(容量)の範囲である場合がとりわけ好ましい。
上記の側面および態様では、マンデル酸環状アミド塩において使用される環状アミドは、先の式I(x)に示すように、場合によりC1〜6アルキルによって窒素原子上で、またはC1〜6アルキルもしくはハロ(たとえばフルオロ、クロロまたはブロモ)によって、適切な環炭素原子上で置換されてもよい。
また、本明細書内、および本明細書に開示された任意の実施例内に記載の方法によって得ることができる生成物が提供される。
“e.e.”という句は、エナンチオマー過剰率の略語を意味し、混合物中のエナンチオマーを表すモル画分として定義される:
%e.e.=[R]−[S]/[R]+[S]
式中、[R]および[S]は(R)−および(S)−エナンチオマーの濃度である。反応において、キラルな化合物はしばしば、エナンチオマーの混合物として得られる。たとえば、80%の(R)−エナンチオマー、および20%の(S)−エナンチオマーが形成される場合、e.e.は80−20/80+20=60%である。
実施例1〜3
これらの実施例1〜3では、以下の方法を使用し、容量および量は表1に概説したとおりであった。
PA=(D)−プロリンアミド。
Eq.PA=ラセミマンデル酸誘導体に比較した(D)−プロリンアミドの当量。
EtOAc=水中で飽和された溶液としてのエチルアセテート。
水/EtOAc(%)=エチルアセテート中の水の濃度。
mmolMA/ml 水‐EtOAc=エチルアセテートおよび水の1mlあたりのラセミマンデル酸誘導体の濃度範囲。
e.e.(%)=混合物中のエナンチオマーを表す%モル画分として定義されたエナンチオマー過剰率
1)純度に関して補正、すなわち初めは86%純粋なラセミマンデル酸誘導体。
これらの実施例では、以下の方法を使用し、容量および量は表2に概説したとおりであった。
ラセミマンデル酸誘導体3−クロロ,5−ジフルオロ−メトキシマンデル酸(26.18g、93.3mmol、1eq,HPLCによると90%純粋)および(D)−プロリンアミド(4.80g、42mmol、0.45eq)はエチルアセテート(54.5ml)に添加し、混合物は加熱還流した。還流しながら、5.5mlの水を添加し、さらに10分間還流しながら撹拌した。希薄な懸濁液は3時間にわたり18℃に冷却した。懸濁液はろ過し、エチルアセテートで洗浄(3x30ml)し、8.6gの塩を得た。試料は1M HClとエチルアセテートの1:1混合物に溶解した。有機層を分離し、濃縮乾燥し、キラルHPLCにより分析した。これは、98.2%の“適切な”(R)−エナンチオマーを示した。母液から、さらに物質を結晶化し、それをろ過し、洗浄して乾燥させた。このことにより、さらに1.6gの塩を得た。遊離(R)−マンデル酸はHPLCにより分析し(適切な方法に関しては実施例11Aを参照されたい)、“適切な”(R)−エナンチオマーを99.0%含有した。
PA=(D)−プロリンアミド。
Eq.PA=ラセミマンデル酸誘導体に比較した(D)−プロリンアミドの当量。
EtOAc=mlで表したエチルアセテート。
水/EtOAc(%)=エチルアセテート中の水の濃度。
mmolMA/ml 水‐EtOAc=エチルアセテートおよび水の1mlあたりのラセミマンデル酸誘導体の濃度範囲。
e.e.(%)=混合物中のエナンチオマーを表す%モル画分として定義されたエナンチオマー過剰率
1)純度に関して補正、すなわち初めは85〜90%純粋なラセミマンデル酸誘導体。
2)懸濁液は4時間にわたり18℃に冷却した。
ラセミマンデル酸誘導体3−クロロ,5−ジフルオロ−メトキシマンデル酸(0.2g、0.79mmol)および(L)−プロリンアミド(0.05g、0.48mmol、0.6eq)は1mlジオキサンに添加し、混合物は90℃に加熱した。加熱中に、濃厚な懸濁液が形成された。懸濁液をろ過し、1M HClとエチルアセテートを使用した抽出後処理により、(S)−マンデル酸が遊離した。ee:92%の0.05gエナンチオマーが得られた。
いったん所望する(“適切な”)マンデル酸/プロリンアミド(MAPA)塩がろ過により単離されていれば、過剰な別の(“不適切な”)マンデル酸エナンチオマー(さらに多少の沈殿していない“適切な”マンデル酸のプロリンアミド塩)を含有する母液はラセミ化することができる‐以下のラセミ化スキームを参照されたい。得られたラセミ化合物を再び本発明の方法で使用し、より多くの所望するエナンチオマーを分離することができる。このラセミ化/再利用方法は何回も反復して高収率の所望するエナンチオマーを得ることが可能であり、たとえば2回再利用すると、“適切な”マンデル酸の全体収率70%までが可能になり、3回再利用すると、収率80%までが可能になる。
過剰の“不適切な”マンデル酸エナンチオマー(3.35kg、3.53L、0.462kgマンデル酸に対応、1.83mol)を含有する、分割方法(たとえば、先の実施例1〜9のいずれか)由来の、エチルアセテート中の母液は減圧下、50〜55℃で、容量2.78Lに濃縮した。溶液は、15〜25℃において、10%水性塩酸(0.62kg、1.69mol、0.92eq)で抽出し、D−プロリンアミドを除去した。有機溶液は脱イオン水(0.58kg)で洗浄し、その後有機相が水相の下になる相逆転が起きた。塩化ナトリウム(0.030kg)を添加して再び相を逆転させ、相を分離した。有機相は、8.7%水性NaHCO3(0.71kg、0.74mol、0.40eq)で洗浄した。有機相は減圧下、50〜60℃でできるだけ濃縮した。残存する残渣(0.483kg)は、HPLCによる測定によると、化学純度76.5%、そしてキラルHPLCによる測定によると、S−エナンチオマーの光学純度81%を有した。残渣は、25〜40℃でメタノール(1.33kg、1.67L)に溶解し、30%水性水酸化カリウム(0.84kg、4.46mol、2.43eq)を添加した。混合物は68〜75℃に加熱し、キラルHPLCに従って完全なラセミ化が起きるまで、約3.5時間撹拌した。メタノールは減圧下、40〜50℃で、蒸留によって除去した。ジクロロメタン(1.35kg、1.02L)および水(0.20kg)を水性溶液に添加し、混合物は0〜5℃に冷やした。20%水性塩酸(1.17kg、1.10L、6.41mol、3.50eq)をT=0〜20℃(発熱反応、pH=1)で、撹拌した2相混合物に20分間以内に添加した。沈殿した油性生成物がジクロロメタンに完全に溶解するまで、混合物を20〜25℃で約10分間にわたり撹拌した。相を分離し、水溶液をジクロロメタン(0.53kg、0.40L)で抽出した。合わせた有機相は水(0.48kg)で洗浄し、減圧下、40〜50℃で濃縮した。これにより、97.1面積%のHPLC純度を持つ油性生成物0.443kgを得た。
カラム:Symmetry Shield RP8、2.1x50mm、3.5mm、Waters
流速:0.5mL/分
検出:UV、220nm
注入量:15mL
カラム温度:20℃
“分析時間”:35分;ポストタイム(post time):5分
移動相:A:50mLアセトニトリル+200mLリン酸二水素アンモニウムバッファー+750mL純水
B:800mLアセトニトリル(HPLC等級)+200mLリン酸二水素アンモニウムバッファー
グラジエント:
カラム:Chiralpak AD、250x4.6mm、DAICEL
流速:1.0mL/分
検出:UV、215nm
注入量:10mL
カラム温度:20℃
“分析時間”:30分
移動相:n−ヘキサン/2−プロパノール/トリフルオロ酢酸=900mL/100mL/1mL
得られたラセミ化合物は、たとえば以下の実施例に従って、本発明の方法で再び使用し、さらに多量の所望するエナンチオマーを単離することができる。
エチルアセテート中のラセミマンデル酸(最初のラセミ化後に得られた)溶液(29.9%(W/W)溶液1.433kg、0.429kgラセミマンデル酸誘導体、1.698mol、1.00eq)はろ過し、72〜75℃でエチルアセテート(0.407kg、0.452L)および水(0.153kg)中の(D)−プロリンアミド(0.095kg、0.853mol、0.49eq)の撹拌溶液に30分間以内に添加した。添加完了後、透明な溶液が得られた。混合物は45分間以内に58℃に冷やした。結晶化は認められなかった。混合物は2.5時間以内にさらに0〜2℃に冷やした。塩は約55℃で沈殿を開始した。0〜2℃でさらに1時間撹拌後、固体をろ過し、予め冷やした(0〜5℃)エチルアセテート/水=9:1の混合物で2回洗浄(w/w、2x0.20kg)した。湿った、灰色がかった白色の粉末(0.264kg)が純度99.3%および光学純度97.6%で得られた。
湿ったマンデル酸D−プロリンアミド塩(0.264kg)は、エチルアセテート(1.00kg、1.11L)および水(0.10kg)の混合物に懸濁した。懸濁液は73〜75に加熱し、30分間、この温度で撹拌した。懸濁液は2時間以内に3〜5℃に冷やし、この温度でさらに1時間撹拌した。固体はろ過し、予め冷やした(0〜5℃)エチルアセテート/水=9:1の混合物で2回洗浄(w/w、2x0.38kg)した。白色固体は減圧下(10mbar)、35〜40℃でマンデル酸D−プロリンアミド塩が一定の重量になるまで乾燥した。これにより、化学純度>99%および光学純度>99%の0.225kgの生成物(D−プロリンアミドに基づいて73.9%)を得た。
実施例12:異なる塩
いったんマンデル酸エナンチオマーが分離されると、所望するエナンチオマーはその後の処理に適した異なる塩として単離することができる。どのマンデル酸が必要であるかに依存して、そのような異なる塩がプロリンアミド塩、またはプロリンアミド塩がろ過された後に残存している母液のいずれかから単離されてもよい。
水(2.5ml)中の0.449g(1.778mmol)の(R)−マンデル酸(HCl(aq)を使用して(R)−MA−(D)−PA塩から製造し、水で洗浄)の懸濁液に、水中の25%w/wアンモニア溶液(0.133g、1.965mmol、1.1eq)を添加し、水移動洗浄(water transfer wash)(0.15ml)を行った。得られた溶液に水0.7ml中の0.118g(1.067mmol.0.6eq)塩化カルシウム溶液を添加し、水移動洗浄(0.1ml)を行った。固体は速やかに形成された。周囲温度で1時間後、混合物は氷浴で冷やし、2時間、0℃に維持した。その後、懸濁液をろ過し、固体物質を氷冷水で2回(2x0.9ml)洗浄した。化合物を真空下、40℃で乾燥させ、結晶性カルシウム塩(先に記載のようにXRPDにより確認)0.37g(0.681mmol、76.6%)を得た。
マグネシウムおよび亜鉛塩
結晶性マグネシウムおよび亜鉛塩(先に記載のようにXRPDにより確認)は、カルシウム塩に関して記載された手順に類似のものを使用して得た。(R)−マンデル酸.Mg塩は収率16%(MP=186℃)で得られ、(R)−マンデル酸.Zn塩は収率78%で得られた。
実施例12B‐1:トリエタノールアミン塩
vs(非常に強い):>50%相対強度
s(強い):28〜50%相対強度
m(中等度):9〜28%相対強度
w(弱い):4〜9%相対強度
vw(非常に弱い):<4%
相対強度は可変スリットにより測定したジフラクトグラム(diffractogram)に基づく。
実施例12B−2:他のアミン塩
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(MP=153℃)、ピペラジン(MP=135℃)、1,4−ジメチルピペラジン(MP=93℃)、2,4,6−トリメチルピリジン(MP=66℃)、および4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン(MP=145℃)との(R)−3−クロロ,5−ジフルオロ−メトキシマンデル酸の結晶性固体塩は実施例12B−1に類似の方法で得た。
上記のアミン塩は、単一の(R)−または(S)−エナンチオマーと共に、または3−クロロ,5−ジフルオロ−メトキシマンデル酸のラセミ化合物と共に形成されてもよい。たとえば、3−クロロ,5−ジフルオロ−メトキシマンデル酸のラセミ化合物の固体塩は、先に記載の手順に類似のものにより、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、トリエタノールアミン(結晶性、MP=53℃)、2,4,6−トリメチルピリジン(結晶性、MP=72℃)、および4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン(結晶性、MP=120℃)によって得た。
3−クロロ−5−ジフルオロ−メトキシマンデル酸のトリエタノールアミン塩は、それが結晶性コングロメレートとして存在するため、とりわけ興味深い。このことは、エナンチオ選択的な方法由来の生成物としての、(R)−3−クロロ,5−ジフルオロ−メトキシマンデル酸のエナンチオマー過剰率を改善することを可能にする。
ラセミ3−クロロ−5−ジフルオロメトキシマンデル酸(51.25mg、0.203mmol)は、周囲温度でエチルアセテート中の0.351Mの(R)−マンデル酸(0.607g、2.405mmol;HCl(aq)を使用して(R)−MA−(D)−PA塩から製造、そして水で洗浄)に添加した。溶液中の(R)−マンデル酸のエナンチオマー過剰率は、キラルHPLC分析(先の実施例11のように実行)により92.4%であると確認された。トリエタノールアミン(0.417g、2.739mmol)は23℃で溶液に添加した。添加時に温度は25℃に上昇した。溶液は、70℃に加熱した。70℃において、イソオクタン(1.5ml)を添加し、溶液に(R)−3−クロロ−5−ジフルオロメトキシマンデル酸(99.8%ee;実施例12Bを参照されたい)のトリエタノールアミン塩を数粒播いた。溶液は65℃に冷やし、結晶化が開始しなかったので、播種を反復した。溶液は3時間にわたり26℃に冷却したが、塩の沈殿は依然として見られなかったので、溶液を再び70℃に加熱し、播種し、冷やした。結局、結晶化はさらに播種した後、58℃で開始した。懸濁液は周囲温度に戻し、撹拌しながら一晩放置した。翌朝、試料をろ過し、キラルHPLC分析によりその光学純度は98.1%eeであると確認した(実施例11を参照されたい)。かさばった(bulk)懸濁液を1℃に冷やし、21/4時間撹拌した。塩はろ過により単離し、EtOAc/イソオクタン2.5:1(2x2.07ml)で洗浄し、40℃で一晩真空乾燥し、白色粉末(0.897g、88.8%)として(R)−3−クロロ−5−ジフルオロメトキシマンデル酸のトリエタノールアミン塩を得た。塩の光学純度はキラルHPLC分析により99.5%であると確認した(実施例11を参照されたい)。
ラセミ3−クロロ−5−ジフルオロメトキシマンデル酸(371.29mg、1.470mmol)は、周囲温度でエチルアセテート中の0.351Mの(R)−マンデル酸(3.500g、13.856mmol;HCl(aq)を使用して(R)−MA−(D)−PA塩から製造、そして水で洗浄)溶液に添加した。溶液中の(R)−マンデル酸のエナンチオマー過剰率は、キラルHPLC分析(実施例11を参照されたい)により91.1%であると確認した。トリエタノールアミン(2.566g、16.856mmol)は23℃で溶液に添加した。添加時に温度は29℃に上昇した。溶液は、70℃に加熱した。70℃において、イソオクタン(8.6ml)を添加し、溶液に(R)−3−クロロ−5−ジフルオロメトキシマンデル酸(99.8%ee;実施例12Bを参照されたい)のトリエタノールアミン塩を数粒播いた。溶液は65℃に冷やし、結晶化が開始しなかったので、播種を反復した。溶液は徐々に冷やし、さらに4回播種した。結局、約40℃で塩は結晶化した。懸濁液は室温に戻し、一晩撹拌しながら放置した。翌朝、試料をろ過し、キラルHPLC分析によりその光学純度は97.0%eeであると確認した(実施例11を参照されたい)。かさばった懸濁液を1℃に冷やし、23/4時間撹拌した。塩はろ過により単離し、EtOAc/イソオクタン4:1(2x7.5ml)で洗浄し、40℃で一晩真空乾燥し、白色粉末(5.451g、92.0%)として(R)−3−クロロ−5−ジフルオロメトキシマンデル酸のトリエタノールアミン塩を得た。塩の光学純度は、キラルHPLC分析により98.7%であると確認した(実施例11を参照されたい)。
Claims (16)
- 以下の工程を含む、キラルな塩基(D)−または(L)−環状アミドとの塩形成により、(R)−または(S)−の場合により置換されたマンデル酸を、前記の場合により置換されたマンデル酸のラセミ混合物から分割するための方法:
(a)溶媒、または溶媒混合物中で、ラセミの、場合により置換されたマンデル酸とキラルな塩基(D)−または(L)−環状アミドとの混合物を形成すること、ここで使用されるキラルな塩基は、酸:塩基のモル比が1:0.25〜0.75における(R)−マンデル酸の分離のための(D)、または(S)−マンデル酸分離のための(L)のいずれかであり;そしてここで溶媒、または溶媒混合物は場合により溶媒の5〜15%(容量)の範囲で水を含有していてもよい;および
(b)それぞれの(R)/(D)または(S)/(L)マンデル酸‐環状アミド塩を分離すること。 - 以下の工程を含む、キラルな塩基(D)−または(L)−環状アミドとの塩形成により、(R)−または(S)−の置換されたマンデル酸を、前記の置換されたマンデル酸のラセミ混合物から分割するための請求項1に記載の方法:
(a)溶媒、または溶媒混合物中で式(I):
(b)式IIa
離すること。 - 使用する溶媒がエチルアセテート、アセトニトリル、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、tert−ブチルメチルエーテル、2−プロパノールおよびエタノールまたはこれらの溶媒のいずれかの混合物から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 使用する溶媒がエチルアセテートである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 混合物を加熱(好ましくは還流)し、その後それぞれの(R)/(D)または(S)/(L)マンデル酸‐環状アミド塩を冷却し、そしてろ過する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 酸:塩基のモル比が1:0.4〜0.7である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- マンデル酸環状アミド塩を分離し、母液をラセミ化し、方法を少なくとも1回繰り返して、さらに分割されたマンデル酸環状アミド塩を得る、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 式Iaのマンデル酸誘導体が(R)−マンデル酸または(S)−マンデル酸誘導体、好ましくは(R)−マンデル酸である、請求項11に記載の金属塩。
- 式Ibのマンデル酸誘導体が(R)−または(S)−マンデル酸であり、そしてアミンがトリエタノールアミン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、2,4,6−トリメチルピリジン、または4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンから選択される、請求項10に記載のアミン塩。
- 式Ibのマンデル酸誘導体が(R)−マンデル酸であり、そしてアミンがトリエタノールアミンである、請求項13または14に記載のアミン塩。
- マンデル酸が(R)−3−クロロ,5−ジフルオロ−メトキシマンデル酸((2R)−[3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−(ヒドロキシ)酢酸)である、請求項9〜15のいずれかに記載の塩。
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