JPH11228546A - 光学活性2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンの製造法 - Google Patents
光学活性2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンの製造法Info
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- JPH11228546A JPH11228546A JP4450398A JP4450398A JPH11228546A JP H11228546 A JPH11228546 A JP H11228546A JP 4450398 A JP4450398 A JP 4450398A JP 4450398 A JP4450398 A JP 4450398A JP H11228546 A JPH11228546 A JP H11228546A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 光学純度の高い光学活性2−(N−tert
−ブチルカルバモイル)ピペラジンを製造すること。 【解決手段】 (RS)−2−(N−tert−ブチル
カルバモイル)ピペラジンとL−マンデル酸又はD−マ
ンデル酸を溶媒に溶解し、得られた溶液から(R)−2
−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンの
L−マンデル酸塩又は(S)−2−(N−tert−ブ
チルカルバモイル)ピペラジンのD−マンデル酸塩を析
出させる。
−ブチルカルバモイル)ピペラジンを製造すること。 【解決手段】 (RS)−2−(N−tert−ブチル
カルバモイル)ピペラジンとL−マンデル酸又はD−マ
ンデル酸を溶媒に溶解し、得られた溶液から(R)−2
−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンの
L−マンデル酸塩又は(S)−2−(N−tert−ブ
チルカルバモイル)ピペラジンのD−マンデル酸塩を析
出させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学分割による光
学活性2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペ
ラジンの製造方法に関する。光学活性2−(N−ter
t−ブチルカルバモイル)ピペラジンは、医薬の中間体
として有用な化合物である。
学活性2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペ
ラジンの製造方法に関する。光学活性2−(N−ter
t−ブチルカルバモイル)ピペラジンは、医薬の中間体
として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】(RS)−2−(N−tert−ブチル
カルバモイル)ピペラジンの光学分割により光学活性2
−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンを
製造する方法は従来公知である。これら従来の方法にお
いては、光学分割の分割剤として、光学活性なカンファ
ースルホン酸、ピログルタミン酸、乳酸、リンゴ酸、酒
石酸、アミノ酸誘導体等、種々の分割剤が使用されてい
る。
カルバモイル)ピペラジンの光学分割により光学活性2
−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンを
製造する方法は従来公知である。これら従来の方法にお
いては、光学分割の分割剤として、光学活性なカンファ
ースルホン酸、ピログルタミン酸、乳酸、リンゴ酸、酒
石酸、アミノ酸誘導体等、種々の分割剤が使用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光学分割は2種形成さ
れるジアステレオマー塩の溶解度差を利用し、一方の難
溶性ジアステレオマー塩を溶液中から結晶として析出さ
せて、他方の易溶性のジアステレオマー塩を含む溶液か
ら分離するものである。通常は結晶として析出した難溶
性ジアステレオマー塩が高い光学純度を有している。そ
して分割剤として使用される光学活性な化合物は、その
対掌体の一方が他方に比べて入手が容易であるため、こ
の入手容易な対掌体を分割剤として使用し、かつ目的の
立体異性体を難溶性ジアステレオマー塩として析出させ
る方法が工業的に特に有用である。
れるジアステレオマー塩の溶解度差を利用し、一方の難
溶性ジアステレオマー塩を溶液中から結晶として析出さ
せて、他方の易溶性のジアステレオマー塩を含む溶液か
ら分離するものである。通常は結晶として析出した難溶
性ジアステレオマー塩が高い光学純度を有している。そ
して分割剤として使用される光学活性な化合物は、その
対掌体の一方が他方に比べて入手が容易であるため、こ
の入手容易な対掌体を分割剤として使用し、かつ目的の
立体異性体を難溶性ジアステレオマー塩として析出させ
る方法が工業的に特に有用である。
【0004】上記従来法は、分割剤として入手容易な対
掌体の方を使用することにより、その多くが(S)−2
−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンを
難溶性ジアステレオマー塩として析出させていることか
ら、主として(S)−2−(N−tert−ブチルカル
バモイル)ピペラジンを工業的に製造しようとするもの
である。尚、光学活性ピログルタミン酸を分割剤に使用
すると、入手容易な対掌体であるL−ピログルタミン酸
が(R)−2−(N−tert−ブチルカルバモイル)
ピペラジンと難溶性ジアステレオマー塩を形成するが、
形成されるジアステレオマー塩はL−ピログルタミン酸
2モルと(R)−2−(N−tert−ブチルカルバモ
イル)ピペラジン1モルの塩であり比較的多量の分割剤
が必要となる。
掌体の方を使用することにより、その多くが(S)−2
−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンを
難溶性ジアステレオマー塩として析出させていることか
ら、主として(S)−2−(N−tert−ブチルカル
バモイル)ピペラジンを工業的に製造しようとするもの
である。尚、光学活性ピログルタミン酸を分割剤に使用
すると、入手容易な対掌体であるL−ピログルタミン酸
が(R)−2−(N−tert−ブチルカルバモイル)
ピペラジンと難溶性ジアステレオマー塩を形成するが、
形成されるジアステレオマー塩はL−ピログルタミン酸
2モルと(R)−2−(N−tert−ブチルカルバモ
イル)ピペラジン1モルの塩であり比較的多量の分割剤
が必要となる。
【0005】本発明は、光学純度の高い光学活性2−
(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンを製
造することを課題とするものであり、特に分割剤に入手
容易な対掌体の方を用いたときに(R)−2−(N−t
ert−ブチルカルバモイル)ピペラジンを難溶性ジア
ステレオマー塩として析出させることができる方法を提
供しようとするものである。
(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンを製
造することを課題とするものであり、特に分割剤に入手
容易な対掌体の方を用いたときに(R)−2−(N−t
ert−ブチルカルバモイル)ピペラジンを難溶性ジア
ステレオマー塩として析出させることができる方法を提
供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明らは、上記課題を
解決するために鋭意検討を行った結果、分割剤として光
学活性マンデル酸を用いて(RS)−2−(N−ter
t−ブチルカルバモイル)ピペラジンを光学分割する
と、光学純度の高い光学活性2−(N−tert−ブチ
ルカルバモイル)ピペラジンを得ることができ、しかも
光学活性マンデル酸として入手容易なL−マンデル酸を
使用したときに、これと(R)−2−(N−tert−
ブチルカルバモイル)ピペラジンとの塩を難溶性ジアス
テレオマー塩として析出させることができること、並び
に形成されるジアステレオマー塩は光学活性マンデル酸
1分子と光学活性2−(N−tert−ブチルカルバモ
イル)ピペラジン1分子とからなるものであることを見
出し、本発明を完成させた。
解決するために鋭意検討を行った結果、分割剤として光
学活性マンデル酸を用いて(RS)−2−(N−ter
t−ブチルカルバモイル)ピペラジンを光学分割する
と、光学純度の高い光学活性2−(N−tert−ブチ
ルカルバモイル)ピペラジンを得ることができ、しかも
光学活性マンデル酸として入手容易なL−マンデル酸を
使用したときに、これと(R)−2−(N−tert−
ブチルカルバモイル)ピペラジンとの塩を難溶性ジアス
テレオマー塩として析出させることができること、並び
に形成されるジアステレオマー塩は光学活性マンデル酸
1分子と光学活性2−(N−tert−ブチルカルバモ
イル)ピペラジン1分子とからなるものであることを見
出し、本発明を完成させた。
【0007】即ち、本発明は、(RS)−2−(N−t
ert−ブチルカルバモイル)ピペラジンとL−マンデ
ル酸又はD−マンデル酸を溶媒に溶解し、得られた溶液
から(R)−2−(N−tert−ブチルカルバモイ
ル)ピペラジンのL−マンデル酸塩又は(S)−2−
(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンのD
−マンデル酸塩を析出させることを特徴とする光学活性
2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジン
の製造方法。
ert−ブチルカルバモイル)ピペラジンとL−マンデ
ル酸又はD−マンデル酸を溶媒に溶解し、得られた溶液
から(R)−2−(N−tert−ブチルカルバモイ
ル)ピペラジンのL−マンデル酸塩又は(S)−2−
(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンのD
−マンデル酸塩を析出させることを特徴とする光学活性
2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジン
の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明法を詳細に説明す
る。本発明で用いる原料化合物である(RS)−2−
(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンは、
例えば次の方法によって容易に製造することができる。
まず特開平7−145153号公報に記載の方法に従
い、2−シアノピラジンとtert−ブチルアルコール
とを硫酸の存在下で反応させてN−tert−ブチル−
2−ピラジンカルボキサミドを得る。次に、得られたN
−tert−ブチル−2−ピラジンカルボキサミドを、
特開平7−206830号公報に記載の方法に従い、ラ
ネーコバルト触媒を用いて接触水素還元すると、ラセミ
体である(RS)−2−(N−tert−ブチルカルバ
モイル)ピペラジンが得られる。勿論、他の方法で製造
されたものであってもよい。また、本発明で使用する
(RS)−2−(N−tert−ブチルカルバモイル)
ピペラジンは2−(N−tert−ブチルカルバモイ
ル)ピペラジンの(R)体と(S)体を等量含むもの、
即ちラセミ体であっても、(R)体と(S)体のどちら
か一方を多く含むものであってもよい。
る。本発明で用いる原料化合物である(RS)−2−
(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンは、
例えば次の方法によって容易に製造することができる。
まず特開平7−145153号公報に記載の方法に従
い、2−シアノピラジンとtert−ブチルアルコール
とを硫酸の存在下で反応させてN−tert−ブチル−
2−ピラジンカルボキサミドを得る。次に、得られたN
−tert−ブチル−2−ピラジンカルボキサミドを、
特開平7−206830号公報に記載の方法に従い、ラ
ネーコバルト触媒を用いて接触水素還元すると、ラセミ
体である(RS)−2−(N−tert−ブチルカルバ
モイル)ピペラジンが得られる。勿論、他の方法で製造
されたものであってもよい。また、本発明で使用する
(RS)−2−(N−tert−ブチルカルバモイル)
ピペラジンは2−(N−tert−ブチルカルバモイ
ル)ピペラジンの(R)体と(S)体を等量含むもの、
即ちラセミ体であっても、(R)体と(S)体のどちら
か一方を多く含むものであってもよい。
【0009】本発明においては分割剤として光学活性マ
ンデル酸を用いる。光学活性マンデル酸は、L−マンデ
ル酸及びD−マンデル酸のいずれも使用できる。光学活
性マンデル酸1分子が2−(N−tert−ブチルカル
バモイル)ピペラジン1分子と塩を形成することから、
光学活性マンデル酸の使用量は、(RS)−2−(N−
tert−ブチルカルバモイル)ピペラジン1モルに対
して通常1モル程度であるが、これに限定されず0.5
〜2.0モルの範囲で使用すればよい。また、光学活性
マンデル酸の一部を塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸また
は、酢酸等の有機酸に置換して光学分割を実施すること
も可能である。光学活性マンデル酸と鉱酸又は有機酸の
合計量は、(RS)−2−(N−tert−ブチルカル
バモイル)ピペラジン1モルに対して0.5〜2.0モ
ルとなるようにする。
ンデル酸を用いる。光学活性マンデル酸は、L−マンデ
ル酸及びD−マンデル酸のいずれも使用できる。光学活
性マンデル酸1分子が2−(N−tert−ブチルカル
バモイル)ピペラジン1分子と塩を形成することから、
光学活性マンデル酸の使用量は、(RS)−2−(N−
tert−ブチルカルバモイル)ピペラジン1モルに対
して通常1モル程度であるが、これに限定されず0.5
〜2.0モルの範囲で使用すればよい。また、光学活性
マンデル酸の一部を塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸また
は、酢酸等の有機酸に置換して光学分割を実施すること
も可能である。光学活性マンデル酸と鉱酸又は有機酸の
合計量は、(RS)−2−(N−tert−ブチルカル
バモイル)ピペラジン1モルに対して0.5〜2.0モ
ルとなるようにする。
【0010】本発明に使用する溶媒は、(RS)−2−
(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジン及び
光学活性マンデル酸の両者を溶解することができ、両者
を変質させることのないものであり、更に、(RS)−
2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジン
及び光学活性マンデル酸からの2種生成するジアステレ
オマー塩の一方の難溶性ジアステレオマー塩を析出させ
るものであれば、特に限定されない。このような溶媒と
しては、例えば、水、アルコール(例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール、2−プロピルアルコール、
ブチルアルコール等)及びケトン(例えば、アセトン、
2−ブタノン等)等が挙げられ、これらの1種又は2種
以上の混合溶媒を使用できる。好ましい溶媒は、アルコ
ールとケトンとの混合溶媒である。
(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジン及び
光学活性マンデル酸の両者を溶解することができ、両者
を変質させることのないものであり、更に、(RS)−
2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジン
及び光学活性マンデル酸からの2種生成するジアステレ
オマー塩の一方の難溶性ジアステレオマー塩を析出させ
るものであれば、特に限定されない。このような溶媒と
しては、例えば、水、アルコール(例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール、2−プロピルアルコール、
ブチルアルコール等)及びケトン(例えば、アセトン、
2−ブタノン等)等が挙げられ、これらの1種又は2種
以上の混合溶媒を使用できる。好ましい溶媒は、アルコ
ールとケトンとの混合溶媒である。
【0011】本発明の実施方法の一例を示すと、(R
S)−2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペ
ラジン及び光学活性マンデル酸を溶媒中、撹拌下、50
℃程度に加熱して溶解する。この溶液を冷却及び/又は
溶媒を留去して濃縮すると、光学活性2−(N−ter
t−ブチルカルバモイル)ピペラジンと光学活性マンデ
ル酸とから形成されたジアステレオマー塩のうち、難溶
性のジアステレオマー塩が結晶として析出する。光学活
性マンデル酸としてL−マンデル酸を用いた場合は難溶
性ジアステレオマー塩として(R)−2−(N−ter
t−ブチルカルバモイル)ピペラジンのL−マンデル酸
塩が析出し、一方D−マンデル酸を用いた場合は(S)
−2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジ
ンのL−マンデル酸塩が析出する。析出したジアステレ
オマー塩をろ別し、上記溶媒で再結晶すれば、更にジア
ステレオマー塩の光学純度を高めることができる。
S)−2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペ
ラジン及び光学活性マンデル酸を溶媒中、撹拌下、50
℃程度に加熱して溶解する。この溶液を冷却及び/又は
溶媒を留去して濃縮すると、光学活性2−(N−ter
t−ブチルカルバモイル)ピペラジンと光学活性マンデ
ル酸とから形成されたジアステレオマー塩のうち、難溶
性のジアステレオマー塩が結晶として析出する。光学活
性マンデル酸としてL−マンデル酸を用いた場合は難溶
性ジアステレオマー塩として(R)−2−(N−ter
t−ブチルカルバモイル)ピペラジンのL−マンデル酸
塩が析出し、一方D−マンデル酸を用いた場合は(S)
−2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジ
ンのL−マンデル酸塩が析出する。析出したジアステレ
オマー塩をろ別し、上記溶媒で再結晶すれば、更にジア
ステレオマー塩の光学純度を高めることができる。
【0012】上記の方法で分離したジアステレオマー塩
を塩分解すれば、遊離の光学活性2−(N−tert−
ブチルカルバモイル)ピペラジンを得ることができる。
塩分解は通常行われている一般的な方法で実施すること
ができる。一例を示すと、得られたジアステレオマー塩
に、該ジアステレオマー塩中の光学活性マンデル酸と当
量のアルカリ(例えば、アルカリ金属の水酸化物等)を
含む水溶液を加えて混合し、その後得られた混合物から
水を留去して乾固する。次に水を留去した後の残渣にジ
アステレオマー塩とアルカリとの反応によって生じるマ
ンデル酸の塩が実質的に不溶であり、且つ遊離の光学活
性2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジ
ンが可溶である溶媒、例えばテトラヒドロフラン等を加
える。これを50℃程度に加熱し、よく混合した後マン
デル酸の塩をろ別する。ろ液を濃縮乾固すると遊離の光
学活性2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペ
ラジンが得られる。
を塩分解すれば、遊離の光学活性2−(N−tert−
ブチルカルバモイル)ピペラジンを得ることができる。
塩分解は通常行われている一般的な方法で実施すること
ができる。一例を示すと、得られたジアステレオマー塩
に、該ジアステレオマー塩中の光学活性マンデル酸と当
量のアルカリ(例えば、アルカリ金属の水酸化物等)を
含む水溶液を加えて混合し、その後得られた混合物から
水を留去して乾固する。次に水を留去した後の残渣にジ
アステレオマー塩とアルカリとの反応によって生じるマ
ンデル酸の塩が実質的に不溶であり、且つ遊離の光学活
性2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジ
ンが可溶である溶媒、例えばテトラヒドロフラン等を加
える。これを50℃程度に加熱し、よく混合した後マン
デル酸の塩をろ別する。ろ液を濃縮乾固すると遊離の光
学活性2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペ
ラジンが得られる。
【0013】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、以下の実施例における光学純度は、2−(N−te
rt−ブチルカルバモイル)ピペラジンの光学活性マン
デル酸塩をそのまま或いは塩分解によって得た遊離の2
−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンを
次に示す条件で高速液体クロマトグラフィーにより測定
した。光学活性2−(N−tert−ブチルカルバモイ
ル)ピペラジンの保持時間は(S)体が17.5分であ
り、(R)体が20.5分であった。
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、以下の実施例における光学純度は、2−(N−te
rt−ブチルカルバモイル)ピペラジンの光学活性マン
デル酸塩をそのまま或いは塩分解によって得た遊離の2
−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンを
次に示す条件で高速液体クロマトグラフィーにより測定
した。光学活性2−(N−tert−ブチルカルバモイ
ル)ピペラジンの保持時間は(S)体が17.5分であ
り、(R)体が20.5分であった。
【0014】高速液体クロマトグラフィー分析条件 カラム:CHIRALPACK AD[ダイセル化学工
業(株)製]4.6mmφ×250mm 溶離液:n−ヘキサン/2−プロピルアルコール(1%
ジエチルアミン含有)=90/10(容量比) 溶離液流量:0.5ml/分 検出:UV 254nm 試料溶液の調整:遊離の2−(N−tert−ブチルカ
ルバモイル)ピペラジンの場合はその0.07gを、ま
た2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジ
ンの光学活性マンデル酸塩の場合はその0.12gを秤
量し、2−プロピルアルコール10mlに溶解する。 試料溶液注入量:10μl
業(株)製]4.6mmφ×250mm 溶離液:n−ヘキサン/2−プロピルアルコール(1%
ジエチルアミン含有)=90/10(容量比) 溶離液流量:0.5ml/分 検出:UV 254nm 試料溶液の調整:遊離の2−(N−tert−ブチルカ
ルバモイル)ピペラジンの場合はその0.07gを、ま
た2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジ
ンの光学活性マンデル酸塩の場合はその0.12gを秤
量し、2−プロピルアルコール10mlに溶解する。 試料溶液注入量:10μl
【0015】実施例1 ラセミ体である(RS)−2−(N−tert−ブチル
カルバモイル)ピペラジン5.0g及びL−マンデル酸
4.1gをメチルアルコール5.0gと2−ブタノン1
5.0gの混合溶媒に加え、撹拌下、50℃に30分保
った。その後、徐々に冷却し、別に調製した(R)−2
−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンの
L−マンデル酸塩を種結晶として加え、35℃に3時間
保ち、難溶性ジアステレオマー塩の結晶を析出させた。
析出した結晶をろ別し、2−ブタノンで洗浄後、乾燥し
た。収量2.60g。次に、得られた難溶性ジアステレ
オマー塩にこれと等モルの水酸化ナトリウムを含む濃度
1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加え、よ
く混合した後、エバポエーターで水を留去して乾固し
た。得られた残渣にテトラヒドロフラン56gを加え、
50℃に加熱してよく混合し、同温度で不溶物をろ別
し、ろ液を濃縮、乾固した。その結果、光学純度98%
e.e.の(R)−2−(N−tert−ブチルカルバ
モイル)ピペラジン1.40gが得られた[収率28.
0%、(RS)−2−(N−tert−ブチルカルバモ
イル)ピペラジン基準]。
カルバモイル)ピペラジン5.0g及びL−マンデル酸
4.1gをメチルアルコール5.0gと2−ブタノン1
5.0gの混合溶媒に加え、撹拌下、50℃に30分保
った。その後、徐々に冷却し、別に調製した(R)−2
−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンの
L−マンデル酸塩を種結晶として加え、35℃に3時間
保ち、難溶性ジアステレオマー塩の結晶を析出させた。
析出した結晶をろ別し、2−ブタノンで洗浄後、乾燥し
た。収量2.60g。次に、得られた難溶性ジアステレ
オマー塩にこれと等モルの水酸化ナトリウムを含む濃度
1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加え、よ
く混合した後、エバポエーターで水を留去して乾固し
た。得られた残渣にテトラヒドロフラン56gを加え、
50℃に加熱してよく混合し、同温度で不溶物をろ別
し、ろ液を濃縮、乾固した。その結果、光学純度98%
e.e.の(R)−2−(N−tert−ブチルカルバ
モイル)ピペラジン1.40gが得られた[収率28.
0%、(RS)−2−(N−tert−ブチルカルバモ
イル)ピペラジン基準]。
【0016】実施例2 ラセミ体である(RS)−2−(N−tert−ブチル
カルバモイル)ピペラジン5.0g及びD−マンデル酸
4.1gをメチルアルコール5.0gと2−ブタノン1
5.0gの混合溶媒に加え、撹拌下、50℃に30分保
った。その後、得られた溶液を徐々に冷却し、別に調製
した(S)−2−(N−tert−ブチルカルバモイ
ル)ピペラジンのD−マンデル酸塩を加え、35℃に3
時間保ち、難溶性ジアステレオマー塩の結晶を析出させ
た。析出した結晶をろ別し、2−ブタノンで洗浄後、乾
燥した。その結果、光学純度98.0%d.e.の
(S)−2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピ
ペラジンのD−マンデル酸塩2.60gが得られた[収
率28.5%、(RS)−2−(N−tert−ブチル
カルバモイル)ピペラジン基準]。
カルバモイル)ピペラジン5.0g及びD−マンデル酸
4.1gをメチルアルコール5.0gと2−ブタノン1
5.0gの混合溶媒に加え、撹拌下、50℃に30分保
った。その後、得られた溶液を徐々に冷却し、別に調製
した(S)−2−(N−tert−ブチルカルバモイ
ル)ピペラジンのD−マンデル酸塩を加え、35℃に3
時間保ち、難溶性ジアステレオマー塩の結晶を析出させ
た。析出した結晶をろ別し、2−ブタノンで洗浄後、乾
燥した。その結果、光学純度98.0%d.e.の
(S)−2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピ
ペラジンのD−マンデル酸塩2.60gが得られた[収
率28.5%、(RS)−2−(N−tert−ブチル
カルバモイル)ピペラジン基準]。
Claims (1)
- 【請求項1】 (RS)−2−(N−tert−ブチル
カルバモイル)ピペラジンとL−マンデル酸又はD−マ
ンデル酸を溶媒に溶解し、得られた溶液から(R)−2
−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンの
L−マンデル酸塩又は(S)−2−(N−tert−ブ
チルカルバモイル)ピペラジンのD−マンデル酸塩を析
出させることを特徴とする光学活性2−(N−tert
−ブチルカルバモイル)ピペラジンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4450398A JPH11228546A (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | 光学活性2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンの製造法 |
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---|---|---|---|
JP4450398A JPH11228546A (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | 光学活性2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11228546A true JPH11228546A (ja) | 1999-08-24 |
Family
ID=12693364
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4450398A Pending JPH11228546A (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | 光学活性2−(N−tert−ブチルカルバモイル)ピペラジンの製造法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JPH11228546A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007513885A (ja) * | 2003-11-28 | 2007-05-31 | アストラゼネカ アクチボラグ | キラルな塩基環状アミドとの塩形成による、場合により置換されたマンデル酸を分割するための方法 |
JP2008545683A (ja) * | 2005-05-24 | 2008-12-18 | アストラゼネカ アクチボラグ | (置換された)(r)−又は(s)−マンデル酸の動的分割のための方法 |
-
1998
- 1998-02-09 JP JP4450398A patent/JPH11228546A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007513885A (ja) * | 2003-11-28 | 2007-05-31 | アストラゼネカ アクチボラグ | キラルな塩基環状アミドとの塩形成による、場合により置換されたマンデル酸を分割するための方法 |
KR101134767B1 (ko) * | 2003-11-28 | 2012-04-13 | 아스트라제네카 아베 | 키랄 염기 환형 아미드와의 염 형성에 의해, 임의로 치환된 만델산을 분할하는 방법 |
JP2008545683A (ja) * | 2005-05-24 | 2008-12-18 | アストラゼネカ アクチボラグ | (置換された)(r)−又は(s)−マンデル酸の動的分割のための方法 |
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