JP2002030032A - ラセミ体有機酸の光学分割方法 - Google Patents

ラセミ体有機酸の光学分割方法

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JP2002030032A
JP2002030032A JP2000213290A JP2000213290A JP2002030032A JP 2002030032 A JP2002030032 A JP 2002030032A JP 2000213290 A JP2000213290 A JP 2000213290A JP 2000213290 A JP2000213290 A JP 2000213290A JP 2002030032 A JP2002030032 A JP 2002030032A
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Yasumasa Yamaguchi
靖正 山口
Mitsuharu Hamanaka
光治 浜中
Nozomi Shibuya
望 渋谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性医農薬合成中間体として有用な光学
活性有機酸の工業的に有利な製造方法を提供する。 【解決手段】 ラセミ体の有機酸に光学活性な4−アミ
ノ−2−メチルブタン−1−オールを作用させ、生成す
るジアステレオマー塩を晶出させ固液分離する。又は、
該ジアステレオマー塩を水層と有機層に二層分離する方
法によりラセミ体有機酸を光学分割する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学分割剤及び光
学活性医農薬合成中間体として有用な光学活性有機酸を
製造するために用いられるラセミ体有機酸の光学分割方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ラセミ体有機酸を光学分割する際に使用
する光学分割剤としては、天然物由来のキニーネ、シン
コニンおよびL−(+)−リシンと合成品の光学活性2
−アミノ−1−ブタノール、光学活性α−メチルベンジ
ルアミンおよび光学活性1−(1−ナフチル)エチルア
ミン等が使用されていた。
【0003】しかし、これらの物は価格が高いという問
題点あるいは安定性が悪いという問題点を有していた。
また、光学分割を受ける有機酸の種類と溶剤の種類によ
って、分割効率が悪いという問題点を有しており、光学
分割できない場合があった。
【0004】光学活性低分子アミノアルコールとラセミ
体マンデル酸とのジアステレオマー複合体形成に関する
例としては、光学活性2−アミノ−1−ブタノールとラ
セミ体マンデル酸との塩(US4260815A,US
4259521A,EP518B1)、光学活性2−ベ
ンジルアミノ−1−ブタノールとラセミ体マンデル酸と
の塩(US4239912A)が公知であるが、これら
のアミノアルコールはアミノ基が不斉炭素に結合するβ
−アミノアルコールに関するものである。
【0005】これまでに工業的に安価に光学活性有機酸
を生産出来る製造法はなく、また、光学活性4−アミノ
−2−メチルブタン−1−オールによる光学活性有機酸
の光学分割に関する報告もなされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、光学
分割剤及び光学活性医農薬合成中間体として有用な光学
活性有機酸を、ラセミ体有機酸から工業的に有利に光学
分割して製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、光学活性な4−
アミノ−2−メチルブタン−1−オールを使用し、ラセ
ミ体の有機酸に光学活性な4−アミノ−2−メチルブタ
ン−1−オールを作用させることにより、ジアステレオ
マー塩が生成し、該ジアステレオマー塩を晶出、又は、
水層と有機層に二層分離することによりラセミ体有機酸
の光学分割が可能であることを見出し、本発明を完成し
た。
【0008】即ち、本発明は、ラセミ体の有機酸に光学
活性な4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを作
用させることを特徴とするラセミ体有機酸の光学分割方
法及びラセミ体の有機酸に光学活性な4−アミノ−2−
メチルブタン−1−オールを作用させることを特徴とす
るジアステレオマー塩を製造する方法である。
【0009】本発明で光学分割剤として使用される光学
活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールはメチ
ル基が結合する不斉炭素はアミノ基の結合する炭素とは
γの位置に相当するという構造を取っているが、このよ
うな構造を持つアミノアルコールにおいても、ラセミ体
有機酸とジアステレオマー複合体を形成し、分離可能で
あるという新たな知見を得たことによる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の方法においては、光学活
性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールとして
R体、S体の両方を使用することができる。
【0011】光学分割されるラセミ体有機酸としては、
一般式(1)で表されるラセミ体カルボン酸またはラセ
ミ体スルホン酸、ラセミ体ホスホン酸が挙げられる。
【化5】 (式中、DはCOO-、SO3 -、PO3H-を示す。A,B,Cは
それぞれ水素、炭素数1から10の置換、または無置換
の直鎖または分岐状のアルキル基、アルコキシ基、ハロ
ゲン原子、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基、置換また
は無置換のフェニル基、ナフチル基を表す。上記アルキ
ル基、フェニル基、ナフチル基の置換基は炭素数1から
10の直鎖または分岐状のアルキル基、アルコキシ基、
ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基、スル
ホン酸基である。しかし、A,B,C、(CH2)n-DHは
同一であることはない。nは1または0である。)
【0012】一般式(1)で表されるラセミ体カルボン
酸、ラセミ体スルホン酸またはラセミ体ホスホン酸にお
いて、A,B,Cで表される炭素数1から10の直鎖ま
たは分岐状のアルキル基としては、例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec-ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基など
が上げられる。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭
素原子が上げられる。アルコキシ基としてはメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基等が上げられる。上記ア
ルキル基、フェニル基、ナフチル基の置換基としては例
えば、前述の炭素数1から10の直鎖または分岐状のア
ルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、ニト
ロ基、カルボキシ基、スルホン酸基などを上げることが
できる。
【0013】具体的な例として、ラセミ体カルボン酸と
しては、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、マンデル酸、ジベン
ゾイル酒石酸、シトラマリン酸、フェニル乳酸、1,4
−ベンゾジオキサン−2−カルボン酸などのラセミ体ヒ
ドロキシカルボン酸類とその誘導体、2−ブロモプロピ
オン酸、γ−カルボキシ−γ−ブチロラクトン、2−ク
ロロブタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−メチルデカ
ン酸、2−メチルブタン酸、メンチロキシ酢酸、テトラ
ヒドロフラン酸、2−フェニルブタン酸、2−フェニル
プロピオン酸、2−フェニルコハク酸、ラセミ体N−置
換アミノ酸、ピログルタミン酸、カンファー酸、などが
例示できる。
【0014】また,ラセミ体スルホン酸としては、10
−カンファースルホン酸、フェニルエタンスルホン酸、
α−ブロモカンファー−π−スルホン酸、3−エンドブ
ロモカンファー−8−スルホン酸などが例示できる。ラ
セミ体ホスホン酸としては、1−アミノ−2−メチルプ
ロピルホスホン酸などが例示できる。
【0015】ラセミ体カルボン酸類の中でも好ましいも
のとしては、一般式(2)で表されるラセミ体2−アリ
ール−2−置換酢酸が挙げられる。
【化6】 (Yは、炭素数1から10の直鎖または分岐状のアルキ
ル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基を示す。A
rは置換または無置換のフェニル基、ナフチル基を表
す。置換基は、炭素数1から10の直鎖または分岐状の
アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、ニ
トロ基、カルボキシ基、スルホン酸基である。*は不斉
炭素を表す。)
【0016】上記一般式(2)で表されるラセミ体2−
アリール−2−置換酢酸において、Yで表される炭素数
1から10の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン
原子、アルコキシ基としては一般式(1)で例示したも
のが挙げられる。Arとしては置換または無置換のフェ
ニル基、ナフチル基が挙げられ、その置換基としては、
前述の炭素数1から10の直鎖または分岐状のアルキル
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、
カルボキシ基、スルホン酸基などを挙げることができ
る。
【0017】上記一般式(2)で表されるラセミ体2−
アリール−2−置換酢酸の特に好ましい例として下記一
般式(3)で表されるラセミ体マンデル酸誘導体が上げ
られる。
【化7】 (Zは、水素または炭素数1から10の直鎖または分岐
状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸
基、ニトロ基、ベンゾイル基を示す。*は不斉炭素を表
す。)
【0018】Zの位置としては下記式(4)で表される
位置が特に好ましい。
【化8】 (式中、Zは、水素または炭素数1から10の直鎖また
は分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、
水酸基、ニトロ基、ベンゾイル基を示す。*は不斉炭素
を表す。)また、特に好ましいZとしてはハロゲン原子
である。
【0019】上記一般式(3)で表されるラセミ体マン
デル酸誘導体において、Zで表される炭素数1から10
の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アル
コキシ基としては一般式(1)で例示したものが挙げら
れる。これらのラセミ体マンデル酸誘導体の調製方法は
任意である。
【0020】本発明で用いる溶媒としては、水、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノー
ル、ブタノール等の各種アルコール類、ジエチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル
類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の含窒素
溶媒、ジクロルメタン、ジクロルエタン、クロロホルム
などのハロゲン化炭化水素、またはこれらの混合物を用
いることができる。
【0021】本発明において溶媒中にてジアステレオマ
ー塩を形成させる方法としては、例えば適当な溶媒に有
機酸のラセミ体を溶解し、光学分割剤として使用する光
学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを直
接あるいは適当な溶媒に希釈して滴下すればよく、ま
た、この逆の順序で混合しても良い。光学活性4−アミ
ノ−2−メチルブタン−1−オールは、有機酸のラセミ
体1当量に対し、0.4から1.2当量、好ましくは、
0.5から1.0当量を使用する。混合温度は任意であ
るが、通常0〜100℃、好ましくは10〜80℃であ
る。得られたジアステレオマー塩溶液より公知の方法に
より光学活性な有機酸のジアステレオマー塩を異種の光
学活性なジアステレオマー塩または異種の光学活性有機
酸のアルカリ塩と公知の方法により分離できる。分離方
法としては、光学活性な有機酸のジアステレオマー塩を
晶析させ、固液分離する方法又は水層と有機層に二層分
離する抽出法が用いられる。
【0022】固液分離する方法では、得られたジアステ
レオマー塩溶液を直接もしくは濃縮後、冷却し、結晶を
析出させる。この際、種晶として光学純度の高いジアス
テレオマー塩の結晶を少量添加することにより、同種の
ジアステレオマー塩を優先的に晶析させることも可能で
ある。種晶の光学純度は高いことが望ましいが、添加量
は溶質量の0.01〜1%程度で十分である。また、種
晶を全く加えなくても過飽和状態にあるジアステレオマ
ー塩の結晶化は自然に起こり、種晶を加えた場合と同種
のジアステレオマー塩が析出する。このようにして得ら
れたジアステレオマー塩は、エタノール等の適当な溶媒
を用いて再結晶することにより、より光学的に純粋なジ
アステレオマー塩とすることができる。このジアステレ
オマー塩を常法により中和あるいはイオン交換樹脂処理
等により、光学活性有機酸を回収することができる。分
割剤として用いた光学活性4−アミノ−2−メチルブタ
ン−1−オールは回収再利用することができる。固液分
離により得られる分離液は、常法により中和あるいはイ
オン交換樹脂処理等により、異種の光学活性有機酸を回
収することができる。分離液中の光学活性4−アミノ−
2−メチルブタン−1−オールは回収再利用することが
できる。
【0023】二層分離する抽出法では、得られたジアス
テレオマー塩溶液を水または有機溶媒により抽出する。
ジアステレオマー塩溶液を水または有機溶媒と多段ある
いは向流に接触させることにより、有機層側に光学純度
の高いジアステレオマー塩溶液を、水層側に異種の光学
活性ジアステレオマー塩溶液および/または異種の光学
活性有機酸アルカリ塩を得る。このジアステレオマー塩
溶液を常法により中和あるいはイオン交換樹脂処理等に
より、光学活性有機酸を回収することができる。分割剤
として用いた光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−
1−オールは回収再利用することができる。水層側も同
様に処理して、異種の光学活性有機酸を回収でき、分割
剤として用いた光学活性4−アミノ−2−メチルブタン
−1−オールは回収再利用することができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明の範囲はこれらの実施例の範囲に限定される
ものではない。
【0025】実施例1 ラセミ体マンデル酸1.51gをイソプロパノール5g
に添加し、1.03gの(S)−4−アミノ−2−メチ
ルブタン−1−オールを滴下し、加熱溶解した。室温ま
で冷却し、1mgの(S)−マンデル酸・(S)−4−
アミノ−2−メチルブタン−1−オールの塩を種晶とし
て加え、さらに5℃まで徐々に冷却した。析出した結晶
を濾別し、冷イソプロパノールでリンスし、0.59g
のジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の有機
酸の光学純度は、(S)体88%e.e.であった。さ
らにこの結晶を、5gのイソプロパノールに加熱溶解
し、再結晶操作を繰り返し、光学純度の高いジアステレ
オマー塩の結晶0.14gを得た。この結晶中の有機酸
の光学純度は、(S)体99.9%e.e.であった。
【0026】得られたジアステレオマー塩中の有機酸の
光学純度は以下の条件にて測定した。 液体クロマトグラフィー条件 カラム : MCI GEL CRS15W 三菱化学(株)製 移動相 : 2mM CuSO/イソプロピルアルコール =90/10(vol) 流速 : 0.5ml/min カラム温度 : 室温 検出 : UV254nm サンプル : 水で0.5%に希釈 注入量 : 5μl
【0027】実施例2 ラセミ体−2−クロロマンデル酸1.86gをイソプロ
パノール8gに溶解し、1.03gの(S)−4−アミ
ノ−2−メチルブタン−1−オールを滴下し、加熱溶解
した。室温まで冷却し、1mgの(S)−2−クロロマ
ンデル酸・(S)−4−アミノ−2−メチルブタン−1
−オールの塩を種晶として加え、さらに5℃まで徐々に
冷却した。析出した結晶を濾別し、冷イソプロパノール
でリンスし、1.61gのジアステレオマー塩の結晶を
得た。この結晶中の有機酸の光学純度は、(S)体63
%e.e.であった。さらにこの結晶を、8gのイソプ
ロパノールに加熱溶解し、再結晶操作を繰り返し、光学
純度の高いジアステレオマー塩の結晶0.95gを得
た。この結晶中の有機酸の光学純度は、(S)体99.
9%e.e.であった。
【0028】実施例3 ラセミ体−2−クロロマンデル酸1.86gを水2gに
溶解し、1.03gの(S)−4−アミノ−2−メチル
ブタン−1−オールを滴下し、加熱溶解した。室温まで
冷却し、1mgの(S)−2−クロロマンデル酸・
(S)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの
塩を種晶として加え、さらに5℃まで徐々に冷却した。
析出した結晶を濾別し、冷イソプロパノールでリンス
し、0.79gのジアステレオマー塩の結晶を得た。こ
の結晶中の有機酸の光学純度は、(S)体89.9%
e.e.であった。
【0029】実施例4 ラセミ体−2−クロロマンデル酸1.86gをエタノー
ル10gに溶解し、1.03gの(S)−4−アミノ−
2−メチルブタン−1−オールを滴下し、加熱溶解し
た。室温まで冷却し、1mgの(S)−2−クロロマン
デル酸・(S)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−
オールの塩を種晶として加え、さらに5℃まで徐々に冷
却した。析出した結晶を濾別し、冷イソプロパノールで
リンスし、1.23gのジアステレオマー塩の結晶を得
た。この結晶中の有機酸の光学純度は、(S)体76.
0%e.e.であった。
【0030】実施例5 用いる溶媒をアセトンに換えた以外は全て実施例2と同
様にして、0.36gのジアステレオマー塩の結晶を得
た。この結晶中の光学活性有機酸の光学純度は(S)体
82.2%e.e.であった。
【0031】実施例6 用いる溶媒をアセトニトリルに換えた以外は全て実施例
2と同様にして、1.32gのジアステレオマー塩の結
晶を得た。この結晶中の光学活性有機酸の光学純度は
(S)体29.6%e.e.であった。
【0032】実施例7 用いるラセミ体有機酸をラセミ体4−クロロマンデル酸
に、種晶を(S)−4−クロロマンデル酸・(S)−4
−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの塩に換えた
以外は全て実施例2と同様にして、0.36gのジアス
テレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の光学活性有機
酸の光学純度は(S)体9.4%e.e.であった。
【0033】実施例8 用いるラセミ体有機酸をラセミ体4−ニトロマンデル酸
に、種晶を(S)−4−ニトロマンデル酸・(S)−4
−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの塩に換えた
以外は全て実施例2と同様にして、1.28gのジアス
テレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の光学活性有機
酸の光学純度は(S)体87.4%e.e.であった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、光学活性医農薬合成中
間体と光学分割剤として有用な光学活性有機酸が工業的
規模で高収率、高純度かつ安価に提供可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 303/44 C07C 303/44 C07F 9/38 C07F 9/38 Z // C07M 7:00 C07M 7:00 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC81 AC83 AD16 AD17 BA51 BJ50 BM30 BM72 BN10 BS10 4H050 AA02 AC83 AD15 AD16 AD33

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラセミ体の有機酸に光学活性な4−アミ
    ノ−2−メチルブタン−1−オールを作用させることを
    特徴とするラセミ体有機酸の光学分割方法。
  2. 【請求項2】 ラセミ体の有機酸に光学活性な4−アミ
    ノ−2−メチルブタン−1−オールを作用させることを
    特徴とするジアステレオマー塩を製造する方法。
  3. 【請求項3】 ラセミ体の有機酸が、一般式(1)表さ
    れるラセミ体カルボン酸、ラセミ体スルホン酸またはラ
    セミ体ホスホン酸であることを特徴とする請求項1記載
    のラセミ体有機酸の光学分割方法。 【化1】 (式中、DはCOO-、SO3 -、PO3H-を示す。A,B,Cは
    それぞれ水素、炭素数1から10の置換、または無置換
    の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アル
    コキシ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基、置換また
    は無置換のフェニル基、ナフチル基を表す。上記アルキ
    ル基、フェニル基、ナフチル基の置換基は炭素数1から
    10の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、
    アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基、スル
    ホン酸基である。しかし、A,B,C、(CH2)n-DHは
    同一であることはない。nは1または0である。)
  4. 【請求項4】 ラセミ体の有機酸が、下記一般式(2)
    で表されるラセミ体2−アリール−2−置換酢酸である
    請求項1記載のラセミ体有機酸の光学分割方法。 【化2】 (Yは、炭素数1から10の直鎖または分岐状のアルキ
    ル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基を示す。A
    rは置換または無置換のフェニル基、ナフチル基を表
    す。置換基は、炭素数1から10の直鎖または分岐状の
    アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニ
    トロ基、カルボキシ基、スルホン酸基である。*は不斉
    炭素を表す。)
  5. 【請求項5】 ラセミ体の有機酸が、下記一般式(3)
    で表されるラセミ体マンデル酸誘導体である請求項1記
    載のラセミ体有機酸の光学分割方法。 【化3】 (式中、Zは、水素または炭素数1から10の直鎖また
    は分岐状のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、
    水酸基、ニトロ基、ベンゾイル基を示す。*は不斉炭素
    を表す。)
  6. 【請求項6】 ラセミ体の有機酸が、下記一般式(4)
    で表されるラセミ体マンデル酸誘導体である請求項1記
    載のラセミ体有機酸の光学分割方法。 【化4】 (式中、Zは、水素または炭素数1から10の直鎖また
    は分岐状のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、
    水酸基、ニトロ基、ベンゾイル基を示す。*は不斉炭素
    を表す。)
  7. 【請求項7】 請求項6記載の一般式(4)のZがハロ
    ゲン原子である請求項1記載のラセミ体有機酸の光学分
    割方法。
  8. 【請求項8】 ラセミ体の有機酸に光学活性な4−アミ
    ノ−2−メチルブタン−1−オールを作用させ、生じた
    ジアステレオマー塩を晶出させ、これを固液分離するこ
    とを特徴とするラセミ体有機酸の光学分割方法。
  9. 【請求項9】 ラセミ体の有機酸に光学活性な4−アミ
    ノ−2−メチルブタン−1−オールを作用させ、生じた
    ジアステレオマー塩を水層と有機層に二層分離すること
    を特徴とするラセミ体有機酸の光学分割方法。
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