JP2007511489A - ペルオキシ誘導体を含む二元分子、この合成及び治療適用 - Google Patents

ペルオキシ誘導体を含む二元分子、この合成及び治療適用 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)
Figure 2007511489

[式中、Aは、抗マラリア分子残基及び/又は生物学的利用能促進残基であり、p、p’及びp”は、互いに独立して、0又は1であり、但しp又はp”の少なくとも1個は1に等しく、同じか又は異なるY及びYは、場合により1又は数個のアミン、アミド、チオアミド、スルホニル、スルホネート、スルホンアミド、カルボニル、チオカルボニル、カルボキシル、チオカルボキシル、エーテル又はチオエーテル基を含むアルキレン鎖であり、Uは、アミン、アミド、チオアミド、スルホニル、スルホネート、スルホンアミド、カルボニル、チオカルボニル、カルボキシル、チオカルボキシル、エーテル又はチオエーテル基であり、Z及びZはアルキレン基を表わすか又はZとZは多環構造を表わし、R及びRは一緒になって4−8個の環成員を含む環状ペルオキシドを形成し、環構造内に1又は2個の付加的な酸素原子を含む。]の二元分子に関する。抗マラリア薬の形態の本発明の二元分子を製造し、使用するための方法も開示する。

Description

本発明は、特に抗マラリア活性を有する、ペルオキシド誘導体を含む二元分子、この合成及びこの治療適用に関する。
マラリアは世界中で主要な感染性死亡原因の1つであり、年間1億から2億人が罹患する。近年認められるこの疾患の重大な急増は、
−DDT(トリクロロ−1,1,1−ビス(p−クロロフェニル)−2,2−エタンの略語)などの従来の安価な殺虫薬に対して耐性になりつつあるキャリアー、すなわちハマダラカ;
−危険度の高い地帯での人口増加、及び主として、
−この疾患の致命的形態の原因となる寄生生物、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)の多くの株の、クロロキン及びメフロキンのような従来使用されてきた医薬品に対する耐性
を含む、いくつかの因子に帰せられる。クソニンジン(Artemisia annua)から抽出された強力な抗マラリア物質、アルテミシニンの発見は、アルテミシニンのような、エンドペルオキシド機能を有する分子への注目を喚起した。
アルテミシニン及びのこの半合成誘導体(アルテメーテルやアルテスネートなど)は、耐性熱帯熱マラリア原虫株に対して非常に活性であることが明らかになった。しかし、これらの天然化合物の高いコスト及び不確実な供給は重大な難点である。従って、低価格で入手でき、アルテミシニンと同様の作用機構、すなわちヘム(ヘモグロブリンの構成群の1つ)及び/又は寄生生物タンパク質へのアルキル化作用を提供する、合成抗マラリア化合物の利点を評価する。
抗マラリア作用を有する合成ペルオキシドは、例えばPCT国際公開広報第WO03/000676号に述べられている。
抗マラリア医薬品として使用するために適切なものとする、改善された薬理特性を有する化合物の探索は、発明者を、寄生生物において有効に蓄積され、アルテミシニンのような作用を及ぼすことができる化合物の使用に基づく新規合成戦略の開発へと導いた。
発明者は、抗マラリア特性を有する化合物とペルオキシド型誘導体の間で共有結合付加物を形成することは、意外にも、クロロキン耐性株へのそれぞれの成分の浸透能力と活性の間での相乗作用と、及び、一般に、広い範囲の寄生生物に対する高い効果とを備えたカップリング生成物を提供することを認めた。カップリング生成物の形態で提供されるこのような二元分子は、国際公開広報第WO01/77105号の対象である。
発明者は、今や、上述したタイプであるが、医薬品としてのこれらの使用のために有利である、少数の立体異性体を有する分子のファミリーを開発した。本発明は、従って、マラリアなどの寄生生物疾患を治療するために極めて好都合であることが明らかになる、このような二元分子、この合成及びこの生物学的適用に関する。
本発明に従った二元分子は、式(I):
Figure 2007511489
[式中、
−Aは、抗マラリア活性を有する分子の残基及び/又は生物学的利用能を促進する残基を表わし、
−p、p’及びp”は、互いに独立して、0又は1を表わし、但しp又はp”の少なくとも1個は1に等しく、
−Y及びYは、同じか又は異なっていてよい、場合により1又はそれ以上のアミン、アミド、チオアミド、スルホニル、スルホネート、スルホンアミド、カルボニル、チオカルボニル、カルボキシル、チオカルボキシル、エーテル又はチオエーテル基を含む直鎖、分枝又は環状C−Cアルキレン鎖を表わし、但しこのアルキレン鎖は、場合により、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アセタール基及び直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基から選択される1又はそれ以上の基で置換されており、
−Uは、アミン、アミド、チオアミド、スルホニル、スルホネート、スルホンアミド、カルボニル、チオカルボニル、カルボキシル、チオカルボキシル、エーテル又はチオエーテル基を表わし、
−Z及びZは、同じか又は異なっていてよい、飽和又は不飽和の直鎖、分枝又は環状C−Cアルキレン基を表わし、但しZ又はZの1個は存在しない場合があるか、又はZとZは一緒になって、N及び接合炭素Cを含む多環構造を表わし、
−R及びRは、同じか又は異なっていてよい、水素原子又は二元分子の水溶解度を高めることができる官能基を表わし、
−R及びRは一緒になって、4−8個の環成員を含み、環構造内に1又は2個の付加的な酸素原子を含む環状ペルオキシドを形成し(すなわち環内に合計3−4個の酸素原子)、Cはこの環状ペルオキシドの環成員の1つであり、
・前記環状ペルオキシドは、同じか又は互いに異なっていてよい、1−8個のR基で置換されており、Rは、ペルオキシド環の炭素原子上のいずれかの位置を占め、
水素、ハロゲン、−OH、−CF、−NO、アリール(フェニルなど)又はヘテロアリール、アルキル(ピリジニルなど)又は−O−アルキル[前記アルキル基は1−10個の炭素原子を含み、直鎖、分枝又は環状である。]から選択され、又は
場合によりハロゲン原子、ヒドロキシル基及び直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基から選択される1又はそれ以上の基で置換された、酸素、窒素及び硫黄から選択される1又はそれ以上(例えば1−6個)のヘテロ原子を同時に含み得るC−C18単、二又は三環構造から選択され、このような環構造の例は、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル基など)及びアダマンチル基(10個の炭素原子を含む三環構造)であり、
・R基の少なくとも1個は水素原子とは異なり、
・ペルオキシド環上の隣接炭素原子によって担持されている2個のR基は一緒になって、場合によりいずれかの位置において上記で定義した1又はそれ以上(例えば1−6個)の置換基Rで置換された、飽和又は不飽和の5員又は6員環構造を形成することが可能であり、
・ペルオキシド環の同じ炭素原子によって担持されている2個のR基は一緒になって、上記で定義した単、二又は三環構造を形成することが可能である(従って、ペルオキシド環のスピロ位置に存在する。)。]
に相当する。
好都合に、残基Aは、寄生生物を本発明に従った式(I)の化合物に接触させ、前記化合物はその後ヘム及び/又は寄生生物タンパク質にアルキル化作用を及ぼす。
式(I)の化合物は、塩基又は酸付加塩の形態で存在し得る。このような付加塩も本発明の一部である。これらの塩は、医薬適合性の酸で好都合に製造されるが、例えば式(I)の化合物を精製する又は単離するために有用な他の酸の塩も本発明の一部である。
本発明に従った化合物はまた、水和物又は溶媒和物、すなわち水の1又はそれ以上の分子又は溶媒との会合物又は結合物の形態でも存在し得る。このような水和物及び溶媒和物も本発明の一部である。
本発明はまた、式(I)の分子のラセミ混合物及び光学的に純粋な異性体、及びまた前記の光学的に純粋な異性体の何らかの割合の混合物を対象とする。これはまた、アキラル分子を対象とする。
上記式(I)の化合物の定義及び続く本文において、本文中で異なる指示がない限り:
−「ハロゲン原子」という用語は、F、Cl、Br又はI原子を意味することが意図されている、
−「アルキル基」という用語は、炭化水素の分子からの1個の水素原子の除去によって生じる一価の基(式−Cのエチル基など)を意味することが意図されている、
−「アルキレン基又は鎖」という用語は、炭化水素の2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去によって生じるニ価の基(例えば式−CH−CH−のエチレン鎖など)を意味することが意図されている、
−「アセタール基」という用語は、環状又は非環状アセチル基を意味することが意図される。例として、それぞれ以下の式:
Figure 2007511489
に相当する、ジメトキシル、ジエトキシル、エタン−1,2−ジオキシル、プロパン−1,3−ジオキシル及び2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオキシル基が挙げられる。
−「生物学的利用能を促進する残基」という表現は、飽和又は不飽和C−C18環状分子、又は場合により置換された線状C−C18鎖を意味することが意図されており、但し前記分子及び前記鎖は、N、O及びSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含む。生物学的利用能を促進する残基の例として、グアニジニウム、モルホリノ、ペプチド又はポリアミン残基が挙げられる、
−「二元分子の水溶解度を高めることができる官能基」という表現は、−COOH、−OH及び−N(R、R)[式中、R及びRは、同じか又は異なっていてよい、水素原子又は直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基を表わす。]から好都合に選択される基を意味することが意図されている、
−「アミン基」という用語は、式−NR−[式中、Rは上記で定義したとおりである]の基を意味することが意図されている、
−「アミド基」という用語は、式−NR−CO−又は−CO−NR−[式中、Rは上記で定義したとおりである。]の基を意味することが意図されている、
−「チオアミド基」という用語は、式−NR−CS−又は−CS−NR−[式中、Rは上記で定義したとおりである。]の基を意味することが意図されている、
−「スルホニル及びスルホネート基」という用語は、それぞれの式−SO−又は−SO−の基を意味することが意図されている、
−「スルホンアミド基」という用語は、式−NR−SO−又は−SO−NR−[式中、Rは上記で定義したとおりである]の基を意味することが意図されている、
−「カルボキシル基」という用語は、式−CO−O−又は−O−CO−の基を意味することが意図されている、
−「チオカルボキシル基」という用語は、式−CS−O−又は−O−CS−の基を意味することが意図されている、
−「カルボニル及びチオカルボニル基」という用語は、それぞれの式−CO−及び−CS−の基を意味することが意図されている、
−「エーテル及びチオエーテル基」という用語は、それぞれの式−O−及び−S−の基を意味することが意図されている。
本発明に従った式(I)の化合物において、Aは、式(II):
Figure 2007511489
[式中、
−R及びR’は、同じか又は異なっていてよい、各々、これらが結合している環上の異なる位置を占める、水素又はハロゲン原子及び以下の基:−OH、−CF、アリール(フェニルなど)、ヘテロアリール(ピリジニルなど)、アルキル又は−O−アルキル(前記アルキル基は1−5個の炭素原子を含み、直鎖、分枝又は環状である。)、−NO又は−N(R、R)[式中、R及びRは、同じか又は異なっていてよい、水素原子又は1−5個の炭素原子を含み、直鎖、分枝又は環状であるアルキル基を表わす。]から選択される1又はそれ以上の置換基を表わし;但しR又はR’の少なくとも1個は水素原子とは異なり、
−Rは、水素原子又は直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基を表わすか、又はRは、式(I)の−(Y−(U)p’−(Yp”−基内に存在する炭素又は窒素原子と共に、5−8個の環成員を含む環を形成し、
−B、C、D、B、C及びD基は、B、C及びD基の1個が窒素原子を表わし、他の基が−CH=環成員を表わすか、又はB、C及びD基が窒素原子を表わし、この基が−CH=環成員を表わすか、又はB、C及びD基の1個とB、C及びD基の1個が窒素原子を表わし、他の基が−CH=環成員を表わす。]
の窒素含有複素環を表わすことができる。
式(II)の窒素含有複素環は、特に、以下の式(IIa)のアミノキノリン又は式(III)の1,5−ナフチリジン:
Figure 2007511489
[式中、R、R’及びRは上記で定義したとおりであり、及びBが窒素原子を表わし、Bが−CH=環成員を表わすか、又はBが−CH=環成員を表わし、Bが窒素原子を表わす。]
から選択することができる。
式(IIa)のアミノキノリンのうちで、式(IIb)及び(IIc):
Figure 2007511489
[式中、R、R’及びRは上記で定義したとおりである。]
のアミノキノリンも挙げられる。
本発明に従った式(I)の化合物において、Aはまた、式(IV):
Figure 2007511489
[式中、Rは、アリール基(例えば9−フェナントレニル)又は場合により1又はそれ以上(例えば1−3個)の上記で定義したR基で置換された窒素含有複素環残基(例えば4−キノリニル)を表わす。]
の基を表わすことができる。
本発明に従った式(I)の化合物において、Aはまた、式(V)の2−(アミノメチル)フェノール残基、式(VI)のプログアニル誘導体から選択されるビグアニド誘導体、式(VII)のシクログアニル誘導体、ピリミジン残基、より特定すると式(VIII)又は(IX)のピリメタミン残基、又は式(X)のアクリジン残基:
Figure 2007511489
[式中、R、R’、R及びRは上記で定義したとおりである。]
を表わすことができる。
従って、残基Aの性質に従って、式(I)の化合物の様々なサブグループを得ることができる。
例えばAが上記で定義した式(II)の窒素含有複素環を表わすとき、式(Ia):
Figure 2007511489
に相当する本発明に従った化合物が得られる。
特に、Aが、上記で定義した式(IIa)に従ったアミノキノリン型の窒素含有複素環を表わすとき、式(Ib):
Figure 2007511489
に相当する本発明に従った化合物が得られる。
本発明に従った式(I)の二元分子のうちで、特に、R及びRが共に、5又は6個の環成員を含み、環構造内に1個の付加的な酸素原子(すなわち環内に合計3個の酸素原子)を含む環状ペルオキシドを形成し、Cがこの環状ペルオキシドの環成員の1個であり、前記環状ペルオキシドが、上記で定義した、同じか又は異なっていてよい1−4個のR基で置換されているものが挙げられる。
このようなペルオキシド環は、特に、
−式(XI):
Figure 2007511489
[式中、Rは、上記で定義した、同じか又は異なっていてよい1−4個の基を表わす。]
のトリオキサン、又は
−式(XII):
Figure 2007511489
[式中、R3’は、同じか又は互いに異なっていてよい、1又は2個の基を表わし、
水素、ハロゲン、−OH、−CF、−NO、アリール(例えばフェニル)又はヘテロアリール(例えばピリジニル)、アルキル又は−O−アルキル[前記アルキル基は1−10個の炭素原子を含み、直鎖、分枝又は環状である。]から選択され、又は
場合によりハロゲン原子、ヒドロキシル基及び直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基から選択される1又はそれ以上の基で置換された、酸素、窒素及び硫黄から選択される1又はそれ以上(例えば1−6個)のヘテロ原子を同時に含み得るC−C18単、二又は三環構造から選択され、前記環構造の例は、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル基など)及びアダマンチル基(10個の炭素原子を含む三環構造)であり、
・R3’基の少なくとも1個は水素原子とは異なり、
・ペルオキシド環の同じ炭素原子によって担持されている2個のR3’基は一緒になって、上記で定義した単、二又は三環構造を形成することが可能である(従って、ペルオキシド環のスピロ位置に存在する。)。]
のトリオキソランから成る。
式(XI)及び(XII)において、炭素Cは式(I)で定義したとおりである、すなわち環状ペルオキシドと、窒素原子、炭素C及びZ及びZ基で形成される複素環の接合炭素に相当する。
式(XI)のトリオキサンのうちで、特に式(XIa):
Figure 2007511489
[式中、円の弧は、飽和又は不飽和の5員又は6員環構造を表わし、Cは上記で定義したとおりであり、及びR、R及びRは、同じか又は互いに異なっていてよく、以下の原子及び基:水素、ハロゲン、−OH、−CF、−NO、アリール(例えばフェニル)又はヘテロアリール(例えばピリジニル)、アルキル又は−O−アルキル[前記アルキル基は1−10個の炭素原子を含み、直鎖、分枝又は環状である。]から選択される。]
に相当するものが挙げられる。
式(XIa)において、R、R及びRは、好都合に水素原子又は直鎖又は分枝C−C10アルキル基を表わす。
式(XI)のトリオキサンのうちで、式(XIb):
Figure 2007511489
[式中、Cは上記で定義したとおりであり、及びR、R及びRは式(XIa)に関して定義したとおりである。]
に相当するものも挙げられる。
式(XI)のトリオキサンのうちで、式(XIc):
Figure 2007511489
[式中、Cは上記で定義したとおりであり、及びR3”は、同じか又は互いに異なっていてよい、1−4個の基を表わし、ペルオキシド環の炭素原子上のいずれかの位置を占め、及び以下の原子及び基:水素、ハロゲン、−OH、−CF、−NO、アリール(フェニルなど)又はヘテロアリール(ピリジニルなど)、アルキル又は−O−アルキル[前記アルキル基は1−10個の炭素原子を含み、直鎖、分枝又は環状である。]から選択され、又は
場合によりハロゲン原子、ヒドロキシル基及び直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基から選択される1又はそれ以上の基で置換された、酸素、窒素及び硫黄から選択される1又はそれ以上(例えば1−6個)のヘテロ原子を同時に含み得るC−C18単、二又は三環構造から選択され、このような環構造の例は、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル基など)及びアダマンチル基(10個の炭素原子を含む三環構造)であり;
・R3”基の少なくとも1個は水素原子とは異なり、
・ペルオキシド環の同じ炭素原子によって担持される2個のR3”基は一緒になって、上記で定義した単、二又は三環構造を形成することが可能である(従って、ペルオキシド環のスピロ位置に存在する。)。]
に相当するものも挙げられる。
式(XIc)において、R3”は、水素原子及び直鎖又は分枝C−C10アルキル基から好都合に選択される1−4個の基を表わすか、又はペルオキシド環の同じ炭素原子によって担持される2個のR3”基は一緒になって、上記で定義した単、二又は三環構造を形成する。
本発明は、特に、式(IIa)のアミノキノリンと式(XI)のペルオキシド構造を含むカップリング生成物に相当する二元分子を対象とする。このような分子は、式(XIII):
Figure 2007511489
[式中、R、R’、B、B、Y、U、Y、p、p’、p”、Z、Z、C、R、R、R、及びRは上記で定義したとおりである。]
に相当する。
本発明はまた、式(IIa)のアミノキノリンと式(XIa)のペルオキシド構造を含むカップリング生成物に相当する二元分子を対象とする。このような分子は、式(XIIIa):
Figure 2007511489
[式中、R、R’、B、B、Y、U、Y、p、p’、p”、Z、Z、C、R、R、Rは上記で定義したとおりである。]
に相当する。
本発明はまた、式(IIa)のアミノキノリンと式(XIb)のペルオキシド構造を含むカップリング生成物に相当する二元分子を対象とする。このような分子は、式(XIIIb):
Figure 2007511489
[式中、R、R’、B、B、Y、U、Y、p、p’、p”、Z、Z、C、R、R、R、及びR、R、R及びRは上記で定義したとおりである。]
に相当する。
本発明はまた、式(IIa)のアミノキノリンと式(XIc)のペルオキシド構造を含むカップリング生成物に相当する二元分子を対象とする。このような分子は、式(XIIIc):
Figure 2007511489
[式中、R、R’、B、B、Y、U、Y、p、p’、p”、Z、Z、C、R、R、R3”、及びRは上記で定義したとおりである。]
に相当する。
本発明はまた、式(IIa)のアミノキノリンと式(XII)のペルオキシド構造を含むカップリング生成物に相当する二元分子を対象とする。このような分子は、式(XIV):
Figure 2007511489
[式中、R、R’、B、B、Y、U、Y、p、p’、p”、Z、Z、C、R、R、R3’、及びRは上記で定義したとおりである。]
に相当する。
上記で定義した様々な式において、R及びR’は、好都合に、
−R及びR’は1個の置換基を表わす。すなわち、R又はR’の一方は水素原子を表わし、R及びR’の他方は、ハロゲン原子及び−CF、−N(R、R)及び−O−アルキル基[前記アルキル基は直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基であり、R及びRは上記で定義したとおりである。]から選択される基を表わすか、又は
−R及びR’は、各々、ハロゲン原子及び−CF、−N(R、R)及び−O−アルキル基[前記アルキル基は直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基であり、R及びRは上記で定義したとおりである。]から選択される基を表わす。
残基AとR及びRによって形成される環状ペルオキシドの間の連結腕として式(I)の分子内に存在する、式−(Y−(U)p’−(Yp”の基に関して、分子に最適活性を与えるために、分子の水溶解度を調節するように好都合に選択される。
これに関して、特に、p、p’及びp”は上記で定義したとおりであり、及び
−Y及びYは、同じか又は異なっていてよい、場合により1又はそれ以上のアミン、アミド、カルボニル又はエーテル基を含む直鎖、分枝又は環状C−Cアルキレン鎖を表わし、但しこのアルキレン鎖は、場合により、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アセタール基及び直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基から選択される1又はそれ以上の基で置換されており、
−Uは、アミン、アミド、カルボニル、カルボキシル又はエーテル基を表わす、
本発明に従った式(I)の分子が挙げられる。
また、
−p’=p”=0であり、p=1であり、Yが場合により上述したように置換された直鎖、分枝又は環状(好都合には直鎖又は分枝)C−Cアルキレン鎖を表わすか、
−又は、p=p’=1であり、p”=0であり、Yが場合により上述したように置換された直鎖、分枝又は環状(好都合には直鎖又は分枝)C−Cアルキレン鎖を表わし、及びUはアミン、アミド、カルボニル、カルボキシル又はエーテル基を表わすか、
−又は、p=p’=p”=1であり、Y及びYが場合により上述したように置換された直鎖、分枝又は環状(好都合には直鎖又は分枝)C−Cアルキレン鎖を表わし、及びUはアミン、アミド、カルボニル、カルボキシル又はエーテル基を表わす、
本発明に従った式(I)の分子が挙げられる。
本発明に従った式(I)の他の分子は、Z及びZが、同じか又は異なっていてよい、各々直鎖又は分枝C−Cアルキレン基を表わす分子である。特に、Z及びZが、窒素原子及び接合炭素Cと共にピペリジニル環を形成するように、各々エチレン基を表わす、本発明に従った式(I)の分子が挙げられる。
式(I)の構成基の各々について以下で与える様々な定義は、本発明に従った二元分子の様々なサブグループを形成するために、互いに組み合わせて解釈することができる。特に、式(XV)又は(XVI):
Figure 2007511489
[式中、R、R’、B、B、Y、U、Y、p、p’、p”、Z、Z、C、R、R、R、及びRは上記で定義したとおりである。]
に相当する二元分子が挙げられる。
本発明に従った式(I)の化合物のもう1つのサブグループは、
−Aは、抗マラリア活性を有する分子の残基及び/又は生物学的利用能を促進する残基を表わし、後者は、グアニジニウム、モルホリノ、ペプチド又はポリアミン残基などの、飽和又は不飽和C−C18環状分子又は飽和もしくは不飽和線状C−C18鎖内に、N、O及びSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を有し、
−p、p’及びp”は、互いに独立して、0又は1を表わし、但しp又はp”の少なくとも1個は1に等しく、
−Y及びYは、同じか又は異なっていてよい、適切な場合には、1又はそれ以上のアミン、アミド、スルホンアミド、カルボキシル、チオカルボキシル、カルボニル、エーテル、チオエーテル又はチオカルボニル基を含む直鎖又は分枝C−Cアルキレン鎖を表わし、但しこのC−Cアルキレン鎖は、適切な場合には、直鎖又は分枝C−Cアルキル基で置換されており、
−Uは、アミン、アミド、チオアミド、スルホニル、カルボニル、チオカルボニル、カルボキシル、チオカルボキシル(C(O)=S)、エーテル、チオエーテル又はスルホネート(SO)基を表わし、
−Z及びZは、同じか又は異なっていてよい、飽和又は不飽和の直鎖、分枝又は環状C−Cアルキレン基を表わし、但しZ又はZの1個は存在しない場合があるか、又はZ+Zは一緒になって、N及び接合炭素Cを含む多環構造を表わし、
−R及びRは、同じか又は異なっていてよい、水素原子又は、−COOH、−OH、−N(R、R)[式中、R及びRは、同じか又は異なっていてよい、水素原子又は直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基を表わす。]から好都合に選択される、二元分子の水溶解度を高めることができる官能基を表わし、
−R及びRは一緒になって、4−8個の環成員を含み、環構造内に1又は2個の付加的な酸素原子(すなわち環内に合計3又は4個の酸素原子)を含む環状ペルオキシドを形成し、但し、Cはこの環状ペルオキシドの環成員の1つであり、前記環状ペルオキシドは、同じか又は互いに異なっていてよい、1−4個のR基で置換されており、Rは、ペルオキシド環の炭素原子上のいずれかの位置を占め、以下の原子及び基:水素、ハロゲン、−OH、−CF、−NO、アリール又はヘテロアリール(例えばフェニル又はピリジン)、アルキル又は−O−アルキル[前記アルキル基は1−6個の炭素原子を含み、直鎖、分枝又は環状である。]選択されるか、場合により直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基で置換された、酸素、窒素及び硫黄から選択される1又はそれ以上(例えば1−6個)のヘテロ原子を同時に含み得るC−C18単、二又は三環構造[このような環構造の例は、シクロヘキシル又はアダマンチル基(10個の炭素原子を含む三環構造)である。]から選択され、
・R基の少なくとも1個は水素原子とは異なり、
・ペルオキシド環上の2個の隣接R基は一緒になって、場合によりいずれかの位置において上記で定義した1又はそれ以上(例えば1−3個)の置換基Rで置換された、飽和又は不飽和の5員又は6員環構造を形成することが可能である、
サブグループであり得る。
本発明の1つの対象はまた、上記で定義した式(I)の分子を製造するための方法である。この方法は、Aの反応性誘導体(ハロゲン化誘導体など)と残基R及びRを含むペルオキシド誘導体を、式(I)に関して定義した連結腕−(Y−(U)p’−(Yp”−を形成するように反応させることを含む。
様々な合成経路が、従来の手法に従った反応を実施することにより、当業者に容易に利用可能である。残基R及びRを含むペルオキシド誘導体の合成に関しては、例えばS.Pataiによる著作:“The Chemistry of Peroxides”,John Wiley and Sons Ltd.,1983が参照される。
従って、残基Aとして、上記で定義した式(IIa)のアミノキノリンを含む式(I)の二元分子を製造するために、式(XVII):
Figure 2007511489
[式中、R、R’、B、B、R、Y、Y、U、p、p’及びp”は上記式(I)及び(IIa)で定義したとおりであり、及びGfは官能基(好都合には、ヒドロキシル基又はハロゲン原子などの脱離基)を表わす。]
の化合物を、式(VIII):
Figure 2007511489
[式中、Z、Z、R、R、C、R及びRは式(I)で定義したとおりである。]
の化合物と反応させることができる。
上記で定義したような、式(Ib)に相当する本発明に従った化合物はこのようにして得られる。
また、p=1であり、及び残基Aとして式(IIa)のアミノキノリンを含む式(I)の化合物を得るために、式(XIX):
Figure 2007511489
[式中、R、R’、B、B、R及びYは上記式(I)及び(IIa)で定義したとおりであり、及び「hal」はハロゲン原子を表わす。]
の化合物を、式(XX):
Figure 2007511489
[式中、U、Y、p’、p”、Z、Z、R、R、C、R及びRは式(I)で定義したとおりである(好都合には、p’=1であり及びU=−NHある。)。]
の化合物と反応させることができる。
p=p’=1であり、p”=0であり及びUが式−NH−CO−のアミド基を表わす、式(I)の化合物を得るために、代替的方法は、上記で定義した式(XVIII)の化合物をホスゲン又はホスゲン誘導体(トリホスゲンなど)と反応させ、次に式(XXI):
Figure 2007511489
[式中、R、R’、B、B、R及びYは上記式(I)及び(IIa)で定義したとおりである。]
の化合物と反応させることに存し得る。
さらに、p=p’=1であり、p”=0であり及びUが式−O−CO−のカルボキシル基を表わす、式(I)の化合物を得るために、選択的方法は、式(XXII):
Figure 2007511489
[式中、R、R’、B、B、R及びYは上記式(I)及び(IIa)で定義したとおりである。]
の化合物をホスゲン又はホスゲン誘導体(トリホスゲンなど)と反応させ、次に上記で定義した式(XVIII)の化合物と反応させることに存し得る。
本発明に従った式(I)の化合物を得るための上述したカップリング反応は、極性溶媒中、有機又は無機塩基の存在下に周囲温度で好都合に実施される。
カップリング反応に続いて、適切な場合には、塩の形態のカップリング生成物を得るために医薬適合性の酸との反応を実施する。このために、医薬適合性の有機又は無機酸を添加することによって塩基性窒素をプロトン化する。医薬適合性の有機塩の例として、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩及び乳酸塩が挙げられる。医薬適合性の無機塩の例として、塩酸塩及びリン酸塩が挙げられる。反応は2当量の酸で実施できる。次いでプロトン化生成物を回収し、必要に応じて1又はそれ以上の精製工程に供する。
上記で定義した式(XIX)の中間体を得るために、以下を実施し得る。
a)式(XXIII):
Figure 2007511489
[式中、R、R’、B及びBは式(IIa)において上記で定義したとおりであり、及び「hal」はハロゲン原子を表わす。]
の化合物を、式R−NH−Y−U[式中、R及びYは上記で定義したとおりであり、及びUは−OH、−Cl、−Br、−I、−NH、−NHR、−COR又は−COOR基(好都合には、U=−OHである。)を表わす。]のアミノ誘導体と反応させ、式(XXIV):
Figure 2007511489
の化合物を生成する、
b)式(XIX)の化合物を生成するために、U基をハロゲン(「hal」)、好都合には臭素原子で置換する。
工程a)は、攪拌しながら185℃の温度で好都合に実施される。式R−NH−Y−Uのアミノ誘導体は、5モル当量の割合で使用することができる。冷却後、得られた生成物を、10%水酸化ナトリウムを添加することによって沈殿させ、メタノールで洗浄することができる。
工程b)は、160℃で3時間半、HBr/HSO混合物を添加することによって好都合に実施される。中和後、例えばトルエンでの、抽出によって生成物を回収する。
Aが、上記で定義したとおりであり、式(IIa)の基とは異なる、本発明に従った式(I)の化合物は、当業者に公知の有機化学手法に従って、上述した反応と同様の反応により、しかし出発化合物(XVII)、(XIX)、(XXI)又は(XXII)を、Aの別の反応性誘導体で適切に置き換えて入手することができる。
本発明の1つの対象はまた、上記で定義した式(XVIII)及び(XX)の化合物である。これらの化合物は、本発明に従った式(I)の化合物の合成中間体として有用であり得る。
以下の実施例は、本発明に従った幾つかの化合物の製造を説明する。これらの実施例は限定ではなく、単に本発明を示すものである。これらの実施例は、それぞれ化合物PA1010、PA1011、PA1025(及びこの塩PA1047及び1042)、PA1128、PA1102、PA1035、PA1020、PA1021(及びこの塩PA1040)、PA1026、PA1069、PA1080及びPA1097の合成を示す、図1−12を参照する。
ラセミ混合物、PA1010の合成(図1):
7−クロロ−N−{2−[6−イソプロピル−8a−メチル−4a,7,8,8a−テトラヒドロ−1’H−スピロ[1,2,4−ベンゾトリオキシン−3,4’−ピペリジン]−1’−イル]エチル}キノリン−4−アミン
1−1:トリオキサン3の合成
Boc−ピペリドン2(J.McGuireら、J.Med.Chem.1998,41,1409−1416が述べた方法に従って製造した。)0.66g(3.3mmol)を、アルゴン雰囲気下に丸底フラスコにおいて、無水ジクロロメタン2mlに溶解する。この混合物を−20℃に冷却し、BFOEt 0.46ml(3.6mmol)、次いで、ジクロロメタン中の0.66M溶液の形態の、PCT国際公開広報第WO01/77105号の中でMeunierらが述べた方法に従って製造した、アスカリドール1の溶液0.5ml(0.33mmol)を添加する。15分毎に、BFOEt 42μl(0.33mmol)、次いでアスカリドール1 0.5ml(0.33mmol)をこの反応混合物に添加する。この分割添加操作をさらに8回反復する。次に、飽和NaHCO水溶液5mlを添加して反応を停止させ、ジクロロメタン50mlを加える。有機相をジクロロメタン100mlで抽出し、NaSOを加えて乾燥し、ろ過して、真空下で溶媒を蒸発させる。次いで、残留物をクロマトグラフィーカラム(SiO 60 ACC 6−35μm、溶離液:70/20/10、v/v/v、n−ヘキサン/エーテル/ジクロロメタン)によって精製する。カラムからの生成物の排出をTLC(SiO 60 F 254、リンモリブデン酸で視覚化)によって制御し、トリオキサンを回収する。トリオキサン3を含む相を併合し、溶媒を蒸発させて、トリオキサン3と特定される油を得る:0.20g(収率=16%)。
1−2:トリオキサン4の合成
トリオキサン3 0.46g(1.2mmol)を酢酸エチル3mlに溶解する。酢酸エチル中のHClの3M溶液0.7mlを周囲温度でこの混合物に滴下する。混合物を攪拌しながら一晩放置する。エーテル50mlを加え、沈殿物をろ取する。粉末をエーテル20mlで洗い、真空下で2時間乾燥する。化合物4と特定される白色粉末を得る:0.28g(収率=70%)。
1−3:7−クロロ−4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)キノリン 5の合成
4,7−ジクロロキノリン(50.0g、252mmol)と2−アミノエタノール(46.26g、757mmol)の混合物を、磁気攪拌しながら、150℃で15分間、次に185℃で30分間加熱する。周囲温度に戻した後、固体を10%(w/v)水酸化ナトリウム水溶液250mlに懸濁する。得られた沈殿物を、半融ガラスを通してろ取し、水で洗って、次いでメタノール125ml中で15分間還流する。周囲温度に戻した後、半融ガラスを通して沈殿物をろ取し、メタノール40mlで3回洗って、次いで真空下で乾燥する。生成物5を白色粉末の形態で得る:52.28g(収率=93%)。
1−4:7−クロロ−4−(β−ブロモエチルアミノ)キノリン 6の合成
臭化水素酸(22.5ml、414mmol)、次いで硫酸(7.5ml、140mmol)を7−クロロ−4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)キノリン 5(15g、67mmol)に滴下し、冷水浴を用いて反応媒質を冷蔵する。次いで反応媒質を165℃で3時間半加熱し、冷水300mlに注ぎ入れる。次にNaHCO(pH 約9)を添加してpHを調整し、媒質をトルエン(300ml)の還流で15分間抽出する。次いで有機相を収集し、−18℃で一晩結晶化して、ろ過し、真空下で乾燥することによって生成物6を得る:10.55g(収率=55%)。
1−5:PA1010の合成
Figure 2007511489
PA1010(+結合鏡像異性体)
トリオキサン4 0.14g(0.46mmol)及び化合物6 0.13g(0.46mmol)をDMF10mlに溶解する。得られた混合物にトリエチルアミン0.14ml(1mmol)を加え、この混合物を、攪拌しながら周囲温度で96時間放置する。次に水50mlを加え、化合物を水100mlで3回抽出する。有機相の溶媒を蒸発させ、粗生成物をクロマトグラフィーカラム(SiO 60 ACC 6−35μm、溶離液:99/1、v/v、エーテル/トリエチルアミン)によって精製する。カラムからの生成物の排出をTLC(SiO 60 F 254、UV下で視覚化)によって制御する。化合物6がもはや出現しなくなったとき、溶離液相を変更し(80/20、v/v、ジクロロメタン/トリエチルアミン)、カップリング生成物を回収する。カップリング生成物を含む溶媒を蒸発させ、粗生成物をエーテル100mlに溶解して、水5mlで洗う。NaSOを加えて有機相を乾燥し、ろ過して、蒸発させる。得られた油を最小量のジクロロメタンに溶解し、これに同量のn−ヘキサンを加えて、次いで真空下で24時間蒸発させ、PA1010と特定される白色粉末を得る:0.08g(収率=35%)。Mp(融点):134−135℃(分解)。H NMR(300MHz,298K,CDCl)δ,ppm:8.55(d,J=5.1Hz,1H,HC2’),7.97(d,J=2.1Hz,1H,HC8’),7.66(d,J=9.0Hz,1H,HC5’),7,40(dd,J=9.0Hz,J=2.1Hz,HC6’),6.38(d,J=5.4Hz,HC3’),6.01(m,1H,NH),5.45(d,J=4.8Hz,1H,HC6),4.06(ブロード s,1H,HC5),3.32(td,J=5.1Hz,J=5.4Hz,2H,HC11’),2.81(t,J=6.0Hz,2H,HC12’),2.73−2.46(m,4H+1H,H−ピペリドン+HC9),2.29−2.22(m,1H+2H,HC12+HC8),2.10−1.76(m,4H,H−ピペリドン),1.54−1.52(m,1H,HC9),1.13(ブロード s,3H,HC11),1.06(d,J=4.8Hz,HC13,HC14),1.04(d,J=4,8Hz,3H,HC13,HC14)。13C NMR(100MHz,293K,CDCl)δ,ppm:152.58(C2’),150.58(C7),150.09(C4’),149.39(C9’),135.26(C7’),129.13(C8’),125.84(C6’),121.60(C5’),117.66(C10’),116.36(C6),101.31(C3),99.71(C3’),79.18(C10),67.60(C5),55.25(C12’),49.94,49.62(C15,C16,C17,C18),39.36(C11’),35.50(C15,C16,C17,C18),35.03(C12),26.59(C11),25.68(C9),21.86,21.56(C13,C14),19.76(C11)。MS(DCI/NH>0)m/z(%):472(MH+,100))。C2634Cl・0.5HOについての元素分析:理論値%C64.92,H7.33,N8.73;実験値%C64.53,H7.52,N8.41。
ラセミ混合物、PA1011の合成(図2)
7−クロロ−N−{2−[6−イソプロピル−8a−メチル−4a,7,8,8a−テトラヒドロ−1’H−スピロ[1,2,4−ベンゾトリオキシン−3,4’−ピペリジン]−1’−イル]プロピル}キノリン−4−アミン
Figure 2007511489
PA1011(+結合鏡像異性体)
トリオキサン4 0.10g(0.33mmol)及び化合物8(J.Lhommeら、J.Med.Chem.1977,20,106−113が述べた方法に従って製造した、4−(3−ブロモプロピルアミノ)−7−クロロキン)0.10g(0.33mmol)をDMF10mlに溶解する。次に、トリエチルアミン0.10ml(0.74mmol)を使用して、上記実施例1−5で述べたように手順を実施する。PA1011と特定される白色粉末を得る:0.05g(収率=33%)。融点:140−141℃(分解)。H NMR(300MHz,298K,CDCl)δ,ppm:8.52(d,J=5.4Hz,1H,HC2’),7.95(d,J=2.1Hz,1H,HC8’),7.77(d,1H,HC5’),7.56(m,1H,NH),7.39(dd,J=9.0Hz,J=2.1Hz,1H,HC6’),6.34(d,J=5.4Hz,1H,HC3’),5.50(d,J=4.8Hz,1H,HC6),4.08(ブロード s,1H,HC5),3.40(td,J=4.8Hz,J=4.8Hz,2H,HC11’),2.74(m,2H,HC12’),2.66(t,J=5.4Hz,2H,HC13’),2.34−1.71(m,8H+2H+1H−ピペリドン+HC8+HC9),1.58−1.54(m,HC9),1.20−1.09(ブロード s,3H,HC11),1.08(d,J=6.6Hz,3H,HC13,HC14),1.06(d,J=6.6Hz,3H,HC13,HC14)。MS(DCI/NH>0)m/z(%):486(MH+,100))。C2736Cl・0.5HOについての元素分析:理論値%C65.50,H7.53,N8.48;実験値%C65.78,H7.36,N8.12。
アキラル分子、PA1025及びこの塩PA1047及びPA1042の合成(図3)
7−クロロ−N−[1,2,5−トリオキサ−9−アザスピロ[5.5]ウンデク−9−イル]エチル]キノリン−4−アミン
3−1:3−メチル−3−[(トリエチルシリル)ジオキシ]ブタノール 9
P.M.O’Neillら(Tetrahedron Letters,42,2001,4569−4571)が述べた方法に従って手順を実施する。
3−2:PA1023の合成
3−メチル−3−[(トリエチルシリル)ジオキシ]ブタノール 9 10.72g(48mmol)及びN−(ブトキシカルボニル)−4−ピペリドン 2 29.05g(145mmol)をクロロホルム250mlに溶解する。パラ−トルエンスルホン酸6.47g(34mmol)をアルゴン下に周囲温度で添加し、この混合物を、攪拌しながら30分間放置する。次に反応媒質を直接クロマトグラフィー(SiO 60 ACC 70−200μm、溶離液:20/80、v/v、エーテル/ペンタン)によって精製する。カラムからの生成物の排出をTLC(SiO 60 F 254、硫酸で視覚化)によって制御する。生成物を含む相の溶媒を蒸発させ、PA1023と特定される白色個体を得る:4.03g(収率=30%)。融点:69−70℃。
3−3:PA1024の合成
PA1023 0.27g(0.94mmol)を酢酸エチル3mlに溶解する。酢酸エチル中のHClの3M溶液0.5mlを周囲温度でこの混合物に滴下する。次に混合物を攪拌しながら1時間放置する。溶媒を真空下で4/5に蒸発させ、エーテル30mlを加える。出現した沈殿物をろ過し、エーテル20mlで洗って、真空下で2時間乾燥する。PA1024と特定される白色粉末を得る:0.12g(収率=56%)。融点:155℃(分解)。
3−4:PA1025の合成
Figure 2007511489
PA1024 0.47g(2.11mmol)及び化合物6 0.60g(2.11mmol)をDMF25mlに溶解する。得られた混合物にトリエチルアミン0.65ml(4.6mmol)を加え、この混合物を、攪拌しながら周囲温度で72時間放置する。DMFを真空下で蒸発させ、残留物をクロマトグラフィーカラム(SiO 60 ACC 70−200μm、溶離液:80/19/1、v/v/v、エーテル/メタノール/トリエチルアミン)によって精製する。カラムからの生成物の排出をTLC(SiO 60 F 254)によって制御する。カップリング生成物を含む相の溶媒を蒸発させ、粗生成物をエーテル300mlに溶解して、水100mlで洗う。NaSOを加えて有機相を乾燥し、ろ過して、真空下で24時間蒸発させ、PA1025と特定される白色粉末を得る:0.25g(収率=30%)。融点:156℃(分解)。H NMR(400MHz,233K,CDCl)δ,ppm:8.54(d,HC2’),7.93(d,HC8’),7.68(d,J=8.8Hz,1H,HC5’),7.40(d,7.6Hz,HC6’),6.38(d,6Hz,1H,HC3’),6.15(s,1H,HN),3.91(ブロード s,HC5),3.49,(d,J=11.6Hz,1H,HC5),3.31(s,2H,HC11’),3.12−1.60(m,8H,H−ピペリドン),2.82(s,2H,HC12’),1.55(s,3H,HC7,HC8),1.14(s,3H,HC8)。13C NMR(100MHz,233K,CDCl)δ,ppm:152.70(C2’),150.05(C4’),149.15(C9’),135.26(C7’),128.94(C8’),125.91(C6’),121.91(C5’),117.54(C10’),100.82(C3),99.78(C3’),77.87(C6),67.15(C5),55.15(C12’),49.83及び49.51(C9,C12),35.23(C11’),28.80(C10,C11),23.36,22.33(C7,C8)。MS(DCI/NH>0)m/z(%):392(MH+,100)。C2026Clについての元素分析:理論値%C61.30,H6.69,N10.72;実験値%C61.31,H6.59,N10.44。
3−5:PA1042の合成
Figure 2007511489
12M塩酸0.18mlをアセトン2mlに希釈する。この溶液を、アセトン18ml中のPA1025 0.40g(1.01mmol)に滴下して注ぎ入れる。得られた懸濁液を攪拌しながらエーテル200mlに注ぎ入れる。この混合物をろ過し、沈殿物をエーテル100mlで洗って、次に真空下で乾燥し、PA1042と特定される白色粉末を得る:0.44g(収率=95%)。融点:174℃(分解)。H NMR(300MHz,298K,DMSOd)δ,ppm:14.61(s,1H,HN),11.41(s,HN),9.76(s,1H,HN),8.82(d,J=9.0Hz,HC5’),8.66(d,J=6.9Hz,HC2’),8.13(s,1H,HC8’),7.79(dd,J=9.0Hz,J=1.8Hz,1H,HC6’),7.05(d,J=7.2Hz,HC3’),4.02(m,2H,HC11’),3.80−3.40(m,2H+2H+2H,+HC12’+H−ピペリドン),3.07(m,3H,H−ピペリドン),2.08(m,3H,H−ピペリドン),1.37−1.06(m,6H,HC7,HC8)。MS(ES/MS>0,MeOH)m/z(%):392.25(MH+,100)。C2026Cl・2HCl・1.4HOについての元素分析:理論値%C49.02,H6.33,N8.57;実験値%C48.73,H5.93,N8.50。
3−6:PA1047の合成
Figure 2007511489
アセトン2ml中に希釈した15Mリン酸0.14mlを使用して、上記3−5で述べた手順を実施する。PA1047 0.54gを得る(収率=90%)。融点:173℃(分解)。H NMR(300MHz,298K,DMSOd)δ,ppm:8.98(m,6H,HN+HPO),8.44(m,2H,HC2’+HC5’),7.87(s,1H,HC8’),7.58(d,J=7.2Hz,HC6’),6.72(d,J=7.2Hz,HC3’),3.70−3.50(m,4H,HC11’+HC5),2.89(s,2H,HC12’),2.72(s,4H,H−ピペリドン),2.26−1.76(m,4H,H−ピペリドン),1.36−0.93(m,6H,HC7,HC8)。MS(DCI/NH>0)m/z(%):392(MH+,9)。
アキラル分子、PA1128の合成(図4)
N−(7−クロロキノリン−4−イル)−N’−[2−(3,3−ジメチル−1,2,5−トリオキサ−9−アザスピロ[5.5]ウンデク−9−イル)エチル]エタン−1,2−ジアミン
4−1:[2−(3,3−ジメチル−1,2,5−トリオキサ−9−アザスピロ[5.5]ウンデク−9−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル 23
PA1024 0.50g(2.23mmol)及び2−(boc−アミノ)エチルブロミド0.50g(2.23mmol)をDMF40mlに溶解する。得られた混合物にトリエチルアミン0.69ml(4.91mmol)を加え、この混合物を、攪拌しながら周囲温度で72時間放置する。DMFを蒸発させ、残留物をクロマトグラフィーカラム(SiO 60 ACC 70−200μm、溶離液:酢酸エチル/MeOH/トリエチルアミン、(90/9/1、v/v/v))によって精製する。カップリング生成物を含む相の溶媒を蒸発させ、この後残留物をエーテル50ml中にとり、水50mlで洗う。NaSOを加えて有機相を乾燥し、ろ過して、真空下で蒸発させ、生成物23と特定される白色粉末を得る:0.21g(収率=28%)。
4−2:化合物24の合成
化合物23 0.21g(0.63mmol)を酢酸エチル4ml及びメタノール3ml中に溶解する。酢酸エチル中のHClの3M溶液5mlを周囲温度でこの混合物に滴下する。この混合物を、攪拌しながら24時間放置する。溶媒を真空下で4/5に蒸発させ、エーテル30mlを加える。出現した沈殿物をろ取し、エーテル20mlで洗って、真空下で2時間乾燥する。化合物24と特定される白色粉末を得る:0.17g(収率=定量的)。
4−3:PA1128の合成
Figure 2007511489
24 0.10g(0.31mmol)及び6 0.89g(0.31mmol)をDMF5mlに溶解する。得られた混合物にトリエチルアミン0.14ml(1.02mmol)を加え、この混合物を、攪拌しながら周囲温度で72時間放置する。DMFを蒸発させ、次に残留物をクロマトグラフィーカラム(SiO 60 ACC 70−200μm、溶離液:CHCl/MeOH/トリエチルアミン(24.9/75/0.1、v/v/v)によって精製する。カップリング生成物を含む相の溶媒を蒸発させ、この後残留物をエーテル50ml中にとり、水50mlで洗う。NaSOを加えて有機相を乾燥し、ろ過して、真空下で蒸発させ、PA1128と特定される油を得る:0.004g(収率=3%)。H NMR(300MHz,298K,CDCl)δ,ppm:8.53(d,J=5.4Hz,HC2’),7.96(d,J=2.1Hz,1H,HC8’),7.78(d,J=9.0Hz,1H,HC5’),7.38(dd,J=9.0Hz,J=2.2Hz,HC6’),6.39(d,J=5.4Hz,1H,HC3’),6.01(s,1H,NH),3.75(ブロード s,1H,HC5),3.45(m,1H+2H,HC5+HC11’),3.07(t,J=6.3Hz,HC12’),2.77(m,2H,HC14’),2.56(m,2H+2H,HC15’+H−ピペリドン),2.45(m,2H,H−ピペリドン),1.79(m,H−ピペリドン),1.50(s,3H,HC7,HC8),1.12(s,3H,HC7,HC8)。MS(DCI/NH>0)(%):435(MH+,5)。
アキラル分子、PA1102の合成(図5)
N−[3−(3,3−ジメチル−1,2,5−トリオキサ−9−アザスピロ[5.5]ウンデク−9−イル)−3−オキソプロピル]−6−メトキシキノリン−8−アミン
5−1:3−(6−メトキシキノリン−8−イルアミノ)プロピオン酸 26の合成
6−メトキシ−8−アミノキノリンヒドロブロミド5.0g(19.56mmol)、アクリル酸1.48ml(21.51mmol)及びトリエチルアミン5.45ml(39.12mmol)の混合物をトルエン25mlに溶解し、磁気攪拌しながら16時間で110℃にする。次に10%(w/v)水酸化ナトリウム水溶液10mlを加え、この混合物を、攪拌しながら20分間100℃に保持する。周囲温度に戻した後、トルエンを含む相を除去し、水相をクロロホルム100mlで抽出する。次いで、5−6のpHが得られるまで酢酸を加えて水相を酸性にする。得られた沈殿物をろ取し、次に水で洗う。真空下で乾燥した後、化合物26を緑色粉末の形態で得る:1.77g(収率=37%)。
5−2:PA1102の合成
Figure 2007511489
PA1024 0.50g(2.23mmol)及び化合物26 0.55g(2.23mmol)をDMF20mlに溶解する。得られた混合物に、N−メチルモルホリン1.23ml(11.17mmol)及びPYBOP(登録商標)(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)1.16g(2.23mmol)を連続的に加える。この混合物を、攪拌しながら周囲温度で24時間放置する。ジクロロメタン80mlの添加後、有機相を飽和NaHCO溶液300mlで洗い、次に水300mlで2回洗う。有機相の溶媒を真空下で蒸発させて、油を得る。次にこの残留物をクロマトグラフィーカラム(SiO 60 ACC 70−200μm、溶離液:酢酸エチル/トリエチルアミン、(90/10、v/v))によって精製する。カップリング生成物を含む相を併合して、水1lで洗う。NaSOを加えて有機相を乾燥し、ろ過して、真空下で蒸発させ、PA1102と特定される白色粉末を得る:0.63g(収率=71%)。融点:138℃(分解)。H NMR(300MHz,298K,CDCl)δ,ppm:8.55(d,J=4.2Hz,1H,HC2’),7.94(dd,J=8.1Hz,J=2.1Hz,1H,HC4’),7.32(dd,J=8.1Hz,J=4.2Hz,HC3’),6.42(m,1H,HN),6.38(m,1H+1H,HC5’+HC7’),3.91(s,3H,HC14’),3.67(q,J=5.7Hz,HC11’),3.65(m,1H,HC5),3.57−3.35(m,1H+4H,HC5+H−ピペリドン),2.77(t,J=6.6Hz,2H,HC12’),2.34(m,H−ピペリドン),2.06(m,3H,H−ピペリドン),1.49(s,3H,HC7,HC8),1.13(s,3H,HC7,HC8)。MS(DCI/NH>0)(%):416(MH+,62)。C2229についての元素分析:理論値%C63.60,H7.04,N10.11;実験値%C63.63,H6.76,N10.11。
アキラル分子、PA1035の合成(図6)
7−トリフルオロメチル−N−[1,2,5−トリオキサ−9−アザスピロ[5.5]ウンデク−9−イル)エチル]キノリン−4−アミン
6−1:7−トリフルオロメチル−4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)キノリン 10の合成
4−クロロ−7−(トリフルオロメチル)キノリン(1.0g、4.7mmol)と2−アミノエタノール(0.86g、14.1mmol)の混合物を、磁気攪拌しながら、150℃で15分間、次いで185℃で30分間加熱する。周囲温度に戻した後、固体を10%(w/v)水酸化ナトリウム水溶液5mlに懸濁する。得られた沈殿物を、半融ガラスを通してろ取し、水で洗って、次いでメタノール10ml中で15分間還流する。周囲温度に戻した後、沈殿物が出現するまで水を加える。半融ガラスを通して沈殿物をろ取し、水10mlで洗って、次いで真空下で乾燥する。生成物10を白色粉末の形態で得る:0.82g(収率=68%)。融点:181−182℃。
6−2:7−トリフルオロメチル−4−(β−ブロモエチルアミノ)キノリン 11の合成
臭化水素酸(0.88ml、16.2mmol)、次いで硫酸(0.29ml、5.5mmol)を7−トリフルオロメチル−4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)キノリン 10(0.67g、2.6mmol)に滴下し、冷水浴を用いて反応媒質を冷蔵する。次いで反応媒質を165℃で3時間半加熱し、冷水10mlに注ぎ入れる。次にNaHCO(pH 約9)を添加してpHを調整し、媒質をトルエン(10ml)の還流で15分間抽出する。次いで有機相を収集し、−18℃で一晩結晶化して、ろ過し、真空下で乾燥することによって生成物11を得る:0.48g(収率=58%)。融点:106℃(分解)。
6−3:PA1035の合成
Figure 2007511489
PA1024 0.18g(0.8mmol)及び化合物11 0.24g(0.7mmol)をアセトニトリル5mlに溶解する。得られた混合物にNaCO 0.34g(3.2mmol)を加え、この混合物を、攪拌しながら周囲温度で45分間放置する。次に混合物を40℃で45分間、50℃で45分間、60℃で45分間及び70℃で1時間半加熱する。次いで反応混合物をろ過し、溶媒を蒸発させて、残留物をクロマトグラフィーカラム(SiO 60 ACC 70−200μm、溶離液:80/20、v/v、ジクロロメタン/トリエチルアミン)によって精製する。カラムからの生成物の排出をTLC(SiO 60 F 254)によって制御する。カップリング生成物を含む相の溶媒を蒸発させ、粗生成物をエーテル50mlに溶解して、水10mlで洗う。NaSOを加えて有機相を乾燥し、ろ過して、真空下で24時間蒸発させ、PA1035と特定される白色粉末を得る:0.46g(収率=13%)。H NMR(300MHz,298K,CDCl)δ,ppm:8.63(d,J=5.1Hz,HC2’),8.30(s,1H,HC8’),7.92(d,J=8.7Hz,1H,HC5’),7.64(dd,J=8.7Hz,J=1.5Hz,HC6’),6.48(d,J=5.4Hz,1H,HC3’),6.23(s,1H,HN),3.79(ブロード s,1H,HC5),3.59(ブロード s,1H,HC5),3.38(s,2H,HC12’),2.87(t,J=5.7Hz,2H,HC13’),2.74−1.90(m,8H,H−ピペリドン),1.37(s,3H,HC7,HC8),1.04(s,3H,HC7,HC8);Mp:154℃(decomp.);MS(DCI/NH>0)m/z(%):426(MH+,100%)。
アキラル分子、PA1020の合成(図7)
7−クロロ−N−[2−(7,14,15−トリオキサ−3−アザスピロ[5.1.5.2]ペンタデク−3−イル)エチル]キノリン−4−アミン
7−1:1,2,4−トリオキソランを製造するための一般的手順
オゾン発生器(Trailigaz(登録商標)LI,1981)を使用して、酸素からオゾンを発生させる。ケトンO−メチルオキシム誘導体及びN−Boc−ピペリドン2を20/80、v/v、ジクロロメタン/ペンタン混合物に溶解し、0℃に置く。反応媒質を、最初に酸素で5分間通気し、次にオゾンで10分間通気する(流速:200l/時、仕事率:0.6A)ことによって除去する。この溶液を、酸素で5分間通気し、アルゴンで10分間通気することによって除去する。次に、回転蒸発器を用いて反応粗生成物を28℃で濃縮する。このようにして得られた油をシリカカラムでクロマトグラフィーにかける。
7−2:トリオキソランPA1014の合成
ジクロロメタン(20ml)/ペンタン(80ml)混合物中の、Donarumaら、J.Org.Chem.,1957,22,1024が述べた方法に従って製造した、シクロヘキサノンO−メチルオキシム 34(0.636g、5mmol)及び化合物2(1.99g、10mmol)の溶液を、上記7−1で詳述した一般的手順に従ってオゾンで通気することによって処理する。得られた反応粗生成物をシリカカラムでクロマトグラフィーにかける(SiO 60 AAC 6−35μm、溶離液:65/35、v/v、ヘキサン/エーテル)。エタノール/水(2/1、v/v)混合物15mlからの再結晶化後、PA1014を白色粉末の形態で得る:0.22g(収率=14%)。
7−3:トリオキソランPA1015の合成
PA1014(0.610g、1.95mmol)を酢酸エチル3mlに溶解し、次に、あらかじめ酢酸エチル870μlに希釈した12M塩酸(290μl、3.48mmol)を注ぎ入れる。この混合物を、磁気攪拌しながら17時間周囲温度に保持する。ジエチルエーテル25mlを加えて生成物を沈殿させ、半融ガラスを通してろ過する。エーテルで洗い、真空下で乾燥した後、生成物PA1015を白色粉末の形態で得る:0.25g(収率=51%)。
7−4:PA1020の合成
Figure 2007511489
PA1015(0.18g、0.73mmol)及び化合物6(0.21g、0.73mmol)をジメチルホルムアミド5mlに懸濁し、次にトリエチルアミン226μl(1.62mmol)を滴下する。この媒質を、磁気攪拌しながら89時間周囲温度に保持する。水70mlを加えた後、水相をジエチルエーテル100mlで抽出し、NaClで飽和させて、エーテル100mlで2回抽出する。エーテル相を併合し、NaSOで乾燥して、回転蒸発器で濃縮し、次いで、シリカでのクロマトグラフィーにかける(SiO 60 AAC 6−35μm、溶離液:エーテル/トリエチルアミン(9.9/0.1、v/v))。PA1020を含む相を併合し、次に溶媒を蒸発させて、白色粉末を得る:0.09g(収率=29%)。融点:153℃(分解)。H NMR(400MHz,298K,CDCl)δ,ppm:8.53(d,J=5.6Hz,1H,HC2’),7.99(d,J=1.5Hz,1H,HC8’),7.68(d,J=6.9Hz,1H,HC5’),7.40(dd,J=5.6Hz及びJ=1.5Hz,HC6’),6.39(d,J=5.6Hz,1H,HC3’),6.10(ブロード s,1H,HN),3.33(m,2H,HC11’),2.82(t,2H,HC12’),2.72及び2.57(2m,2H及び2H,及びHC13),1.94(m,4H,HC11+HC14),1.81−1.57(m,14H,HC6+HC7+HC9+HC10),1.47(m,1H,HC8),1.40(m,1H,HC8)。13C NMR(100MHz,298K,CDCl)δ,ppm:152.02(C2’),150.33(C4’),148.92(C9’),135.54(C7’),128.77(C8’),125.97(C6’),121.55(C5’),117.59(C10’),109.93(C3),107.20(C5),99.64(C3’),55.29(C12’),51.04(C12,C13),39.57(C11’),34.83(C11,C14),34.96及び24.19(C6,C7,C9,C10),25.24(C8)。MS(ES/MS>0)m/z(%):418.25(MH+)。C2228CINについての元素分析:理論値%C63.22,H6.75,N10.05;実験値%C63.26,H6.74,N9.76。
上記化合物の純度を、以下の条件に従ってHPLCによって測定した:Beckman Coulter ODS C18カラム、5μm、4.6×250mm;溶離液:A:HO 0.1%TFA、B:90/10 CHCN/HO 0.1%TFA、勾配:40分でB10%−100%、次にB100%20分間。流速:1ml/分。μ=254nm。注入量:10μl。メタノール中1mg/mlの試料。純度:98%。
アキラル分子PA1021及びこの塩PA1040の合成(図8)
7−クロロ−N−[2−(1H−ジスピロ[ピペリジン−4,3’−[1,2,4]トリオキソラン−5’、2”−トリシクロ [3.3.1.13,7]デカン]−1−イル)エチル]キノリン−4−アミン
8−1:2−アダマンタノンO−メチルオキシム 35の合成
塩酸塩形態のメトキシルアミン3.76g(45mmol)及びピリジン4.36g(55.1mmol)を、メタノール30ml中の2−アダマンタノン4.51g(30mmol)に加える。反応媒質を周囲温度で66時間攪拌し、溶媒を真空下で蒸発させて、次に残留物をジクロロメタン50ml及び水50mlで希釈する。有機相を分離し、水相をジクロロメタン30mlで再び抽出する。有機相を併合し、希塩酸(1M)30mlで2回及びブライン30mlで洗って、次いで硫酸マグネシウムで乾燥する。ろ過して回転蒸発器で蒸発させた後、生成物35を白色粉末の形態で得る:3.57g(収率=66%)。
8−2:トリオキソランPA1016の合成
米国特許第6,486,199号(Vennerstromら)に述べられている手順に従ってこの化合物を合成する。ジクロロメタン(20ml)/ペンタン(80ml)混合物中の、2−アダマンタノンO−メチルオキシム 35(0.9g、5mmol)及び2(1.99g、10mmol)の溶液を、上記7−1で述べた一般的手順に従ってオゾンで通気することによって処理する。得られた反応粗生成物を、シリカカラムを用いてクロマトグラフィーにかける(SiO 60 AAC 6−35μm、溶離液:80/20、v/v、ヘキサン/エーテル)。エタノール/水(2/1、v/v)15mlからの再結晶化後、N−Boc−トリオキソランPA1016を白色粉末の形態で得る:0.37g(収率=21%)。
8−3:トリオキソランPA1017の合成
あらかじめ酢酸エチル800μlに希釈した12M塩酸266μl(3.20mmol)を、酢酸エチル3ml中のPA1016 0.65g(1.78mmol)に加える。この混合物を、磁気攪拌しながら20時間周囲温度に保持する。ジエチルエーテル25mlを加えて生成物を沈殿させ、半融ガラスを通してろ過する。エーテルで洗い、真空下で乾燥した後、生成物PA1017を白色粉末の形態で得る:0.42g(収率=78%)。
8−4:PA1021の合成
Figure 2007511489
PA1017(0.32g、1.06mmol)及び化合物6(0.30g、1.06mmol)をジメチルホルムアミド10mlに懸濁し、次にトリエチルアミン326μl(2.33mmol)を滴下する。この媒質を、磁気攪拌しながら112時間周囲温度に保持する。水100mlを加えた後、水相をジエチルエーテル100mlで抽出し、NaClで飽和させて、エーテル100mlで2回抽出する。エーテル相を併合し、NaSOで乾燥して、回転蒸発器で濃縮し、次いで、シリカでのクロマトグラフィーにかける(SiO 60 AAC 6−35μm、溶離液:97/3、v/v、酢酸エチル/トリエチルアミン)。PA1021を含む相を併合し、次に溶媒を蒸発させて、白色粉末を得る:0.25g(収率=52%)。融点:130℃。H NMR(400MHz,298K,CDCl)δ,ppm:8.53(d,J=5.6Hz,1H,HC2’),7.98(d,J=1.5Hz,1H,HC8’),7.69(d,J=6.9Hz,1H,HC5’),7.40(dd,J=5.6Hz及びJ=1.5Hz,1H,HC6’),6.38(d,J=5.6Hz,1H,HC3’),6.10(ブロード s,1H,HN),3.33(m,2H,HC11’),2.82(m,2H,HC12’),2.73及び2.57(2m,2H及び2H,HC7及びHC8),1.94(m,2H+2H,HC6+HC9),2.04−1.70(m,14H,H−アダマンタン)。13C NMR(100MHz,298K,CDCl)δ,ppm:152.95(C2’),150.30(C4’),149.00(C9’),135.49(C7’),128.81(C8’),125.95(C6’),121.57(C5’),117.60(C10’),112.34(C3),107.27(C5),99.64(C3’),55.32(C12’),51.12(C7,C8),39.56(C11’),34.95(C6,C9),37.11,36.76,35.24,35.15,27.21,26.81(C−アダマンタン)。MS(ES/MS>0,MeOH)m/z(%):470.05(MH+,38)。C2632CINについての元素分析:理論値C66.44,H6.86,N8.94;実験値%C66.66,H6.75,N8.60。純度:98%(7−4で上述したプロトコールに従ってHPLCによって測定)。
8−5:PA1040の合成
Figure 2007511489
エーテル中の1M塩酸500μlを、クロロホルム2.5mlに溶解したPA1021 0.11g(0.24mmol)に加える。エーテル15mlを添加した後、この懸濁液を遠心分離し、得られたペレットをエーテル(15mlで2回)、次いでペンタン15mlで連続的に洗う。真空下で乾燥した後、生成物PA1040を白色粉末の形態で得る:0.13g(収率=98%)。融点:189℃(分解)。H NMR(300MHz,298K,DMSOd)δ,ppm:14.60(ブロード s,1H,HNC4’),11.50(ブロード s,1H,HNC14’),9.76(ブロード s,1H,HNC2’),8.81(d,J=9.3Hz,1H,HC5’),8.66(d,6.9Hz,1H,HC2’),8.13(d,J=1.8Hz,1H,HC8’),7.79(dd,9.3Hz及びJ=1.8Hz,1H,HC6’),7.05(d,J=6.9Hz,HC3’),4.04(ブロード s,2H,HC11’),3.67−3.15(m,2H+2H,HC7+HC8),3.41(ブロード s,2H,HC12’),2.50−1.66(m,2H+2H+14H,HC6+HC9+H−アダマンタン)。MS(ES/MS>O,MeOH)m/z(%):470.15(MH+)。C2632CIN・2HCl・3HOについての元素分析:理論値%C52.29,H6.75,N7.03;実験値%C52.22,H6.68,N7.10。
アキラル分子、PA1026の合成(図9)
−[2−(1H−ジスピロ[ピペリジン−4,3’−[1,2,4]トリオキソラン−5’,2”−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン]−1−イル)エチル]−N,N−ジメチルキノリン−4,6−ジアミン
9−1:6−ジメチルアミノ−4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)キノリン 13
Riegelら、J.Am.Chem.Soc.,1946,68,1264が述べた方法に従って製造した、4−クロロ−6−ジメチルアミノキノリン 12(4.92g、24mmol)と2−アミノエタノール(43.99g、720mmol)の混合物を、磁気攪拌しながら、150℃で15分間、次いで185℃で30分間加熱する。周囲温度に戻した後、固体を10%(w/v)水酸化ナトリウム水溶液25ml及び水165mlに懸濁する。得られた沈殿物を半融ガラスでろ過し、水で洗って、次いで真空下で乾燥する。生成物を白色粉末の形態で得る:4.86g(収率=88%)。
9−2:6−ジメチルアミノ−4−(β−ブロモエチルアミノ)キノリン 14の合成
臭化水素酸(6.6ml、122mmol)、次いで硫酸(2.2ml、41.4mmol)を6−ジメチルアミノ−4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)キノリン 13(4.56g、19.7mmol)に滴下し、冷水浴を用いて反応媒質を冷蔵する。次いで反応媒質を165℃で3時間半加熱し、冷水71mlに注ぎ入れる。次にNaHCO(pH 約9)を添加してpHを調整し、媒質をトルエン(71ml)の還流で15分間抽出する。次いで有機相を収集し、−18℃で一晩結晶化して、ろ過し、ヘキサンで洗って、真空下で乾燥することによって生成物を得る:3.28g(収率=57%)。
9−3:PA1026の合成
Figure 2007511489
PA1017 0.30g(0.99mmol)及び6−ジメチルアミノ−4−(β−ブロモエチルアミノ)キノリン 14 0.29g(0.99mmol)をジメチルホルムアミド10mlに懸濁し、次にトリエチルアミン305μl(2.18mmol)を滴下する。この媒質を、磁気攪拌しながら113時間周囲温度に保持する。水100mlを加えた後、水相をジエチルエーテル100mlで抽出し、NaClで飽和させて、エーテル100mlで2回抽出する。エーテル相を併合し、NaSOで乾燥して、回転蒸発器で濃縮し、次いで、シリカでのクロマトグラフィーにかける(SiO 60 AAC 6−35μm、溶離液:ジクロロメタン/トリエチルアミン(9/1、v/v))。生成物の排出をTLC(SiO 60 F 254)によって観測する。ジクロロメタン/ヘキサンで沈殿させた後、生成物PA1026を白色粉末の形態で得る:0.14g(収率=30%)。H NMR(300MHz,298K,CDCl)δ,ppm:8.36(d,J=5.1Hz,1H,HC2’),7.96(d,J=9.3Hz,1H,HC8’),7.32(dd,J=9.3Hz及びJ=2.4Hz,1H,HC7’),6.66(d,J=2.4Hz,1H,HC5’),6.36(d,J=5.1Hz,1H,HC3’),5.99(ブロード s,1H,HN),3.35(m,2H,HC11’),2.85(m,2H,HC12’),2.69及び2.63(2m,2H及び2H,HC7及びHC8),2.04−1.71(m,2H+2H+14H,HC6+HC9+H−アダマンタン)。MS(ES/MS>0,MeOH)m/z(%):479.45(MH+)。C2838・HOについての元素分析:理論値%C67.71,H8.12,N11.28;実験値%C67.78,H8.02,N11.13。純度:99%(上記7−4で述べたプロトコールに従ってHPLCで測定)。
アキラル分子、PA1069の合成(図10)
7−クロロ−N−{2−[2−(1H−ジスピロ[ピペリジン−4,3’−[1,2,4]トリオキソラン−5’、2”−トリシクロ [3.3.1.13,7]デカン]−1−イル)エトキシ]エチル}キノリン−4−アミン
Figure 2007511489
10−1:2−[2−(7−クロロキノリン−4−イルアミノ)エトキシ]エタノール 21の合成
4,7−ジクロロキノリン(5.0g、25.0mmol)と2−(2−アミノエトキシ)エタノール(10.51g、100.0mmol)の混合物を、磁気攪拌しながら135℃で5時間加熱する。冷却後、反応媒質をジエチルエーテル200ml中に取り、攪拌を周囲温度で一晩維持する。形成される固体残留物を単離し、次にジクロロメタン/トリエチルアミン(9/1、v/v)の混合物500mlに溶解して、シリカ床(SiO 60 AAC 70−200μm)を含む半融ガラスでろ過する。生成物をエタノール(2l)でシリカから溶出する。エタノール相を併合し、蒸発させる。ジクロロメタン50mlを残留物に加え、有機相を水50mlで2回洗う。有機相を回収し、NaSOで乾燥して、回転蒸発器で蒸発させる。真空下で乾燥した後、化合物21をベージュ色粉末の形態で得る:5.03g(収率=75%)。
10−2:[2−(2−ブロモエトキシ)エチル]−(7−クロロキノリン−4−イル)アミン 22の合成
臭化水素酸(5.9ml、109.1mmol)、次いで硫酸(2.0ml、37.0mmol)を化合物21 4.7g(17.6mmol)に滴下し、冷水浴を用いて反応媒質を冷蔵する。次いで反応媒質を155℃で2時間半加熱し、冷水70mlに注ぎ入れる。次にNaHCO(pH 約9)を添加してpHを調整し、媒質をトルエン(70ml)の還流で20分間抽出する。次いで有機相を収集し、−18℃で一晩結晶化して、ろ過し、ヘキサンで洗って、真空下で乾燥することによって生成物22を得る:1.77g(収率=31%)。
10−3:PA1069の合成
PA1017 0.50g(1.66mmol)及び化合物22 0.77g(1.66mmol)をジメチルホルムアミド25mlに懸濁し、次にトリエチルアミン508μl(3.64mmol)を滴下する。この媒質を、磁気攪拌しながら101時間周囲温度に保持する。ジクロロメタン100mlを加えた後、有機相を、NaHCOで飽和させた水200mlで1回、次いで水200mlで3回洗う。有機相をNaSOで乾燥し、回転蒸発器で濃縮して、次いでシリカでのクロマトグラフィーにかける(SiO 60 AAC 6−35μm、溶離液:酢酸エチル/トリエチルアミン(90/10、v/v))。ジクロロメタン/n−ヘキサンから再結晶化し、真空下で乾燥した後、生成物PA1069を白色粉末の形態で得る:0.29g(収率=35%)。融点:144℃(分解)。H NMR(300MHz,298K,CDCl)δ,ppm:8.53(d,J=5.4Hz,1H,HC2’),7.99(d,J=2.1Hz,1H,HC8’),7.86(d,J=9.0Hz,1H,HC5’),7.44(dd,J=9.0Hz及びJ=2.1Hz,1H,HC6’),6.42(d,J=5.4Hz,1H,HC3’),5.86(ブロード s,1H,HN),3.83(m,2H,HC12’),3.70(m,2H,HC14’),3.51(m,2H,HC11’),2.78−2.60(m,2H+2H+2H,HC15’+HC7+HC8),2.05−1.70(m,2H+2H+14H,HC6+HC9−アダマンタン)。MS(ES/MS>0,MeOH)m/z(%):514.25(MH+)。C2836CINについての元素分析:理論値%C65.42,H7.06,N8.17;実験値%C65.32,H7.02,N8.08。
アキラル分子PA1080の合成(図11)
N−{2−[(7−クロロキノリン−4−イル)アミノ]エチル}−1H−ジスピロ[ピペリジン−4,3’−[1,2,4]トリオキソラン−5’、2”−トリシクロ [3.3.1.13,7]デカン]−1−カルボキサミド
Figure 2007511489
無水トリエチルアミン544μl(3.87mmol)を、無水ジクロロメタン15ml中の、あらかじめ真空下で乾燥したPA1017 0.53g(1.76mmol)に加える。次にこの溶液を無水ジクロロメタン5ml中のトリホスゲン0.19g(0.65mmol)の溶液に滴下する。反応媒質を、磁気攪拌しながら1時間周囲温度に保持する。さらに、無水トリエチルアミン272μl(1.94mmol)を無水ジクロロメタン15ml中の27(PCT国際公開広報第WO01/77105号の中でMeunierらが述べた方法に従って製造した)0.39g(1.76mmol)の溶液に加える。次にこの溶液を初期反応媒質に移し、混合物全体を、磁気攪拌しながら16時間周囲温度に保持する。ジクロロメタン100mlの添加後、有機相を、NaHCOで飽和させた水200mlで洗い、次いで水200mlで2回洗う。有機相をNaSOで乾燥し、濃縮して、次いでシリカでのクロマトグラフィーにかける(SiO 60 AAC 6−35μm、溶離液:ジクロロメタン/トリエチルアミン(90/10、v/v))。ジクロロメタン/ジエチルエーテル混合物で再結晶化した後、得られた化合物をクロロホルム75ml中にとる。有機相を水150ml、ブライン150ml及び水150mlで3回、連続的に洗う。次いで有機相をNaSOで乾燥し、回転蒸発器で濃縮して、真空下で乾燥する。生成物PA1080を白色粉末の形態で得る:0.20g(収率=23%)。融点:192℃(分解)。H NMR(250MHz,298K,CDCl)δ,ppm:8.41(d,J=5.6Hz,1H,HC2’),7.89(d,J=2.0Hz,1H,HC8’),7.86(d,J=8.8Hz,1H,HC5’),7.47(ブロード s,1H,HNC12’),7.34(dd,J=8.8Hz及びJ=2.0Hz,1H,HC6’),6.21(d,J=5.6Hz,1H,HC3’),5.30(t,J=6.4Hz,1H,HNC13’),3.69及び3.32(2m,2H及び2H,HC11’及びHC12’),3.52(m,2H+2H,HC7+HC8),1.93−1.66(m,2H+2H+14H,HC6+HC9+H−アダマンタン)。MS(ES/MS>0,MeOH)m/z(%):513.30(MH+)。C2733CIN・0.7HOについての元素分析:理論値%C61.69,H6.59,N10.66;実験値%C61.69,H6.09,N10.35。
アキラル分子PA1097の合成(図12)
2−[(7−クロロキノリン−4−イル)アミノ]エチル}−1H−ジスピロ[ピペリジン−4,3’−[1,2,4]トリオキソラン−5’、2”−トリシクロ [3.3.1.13,7]デカン]−1−カルボキシレート
Figure 2007511489
無水トリエチルアミン269μl(1.92mmol)を、無水ジクロロメタン15ml中の化合物5(あらかじめ真空下で乾燥した)0.42g(1.92mmol)に加える。次に、このようにして調製した溶液を無水ジクロロメタン5ml中のトリホスゲン0.21g(0.71mmol)に加える。反応媒質を、磁気攪拌しながら3時間半周囲温度に保持する。さらに、無水トリエチルアミン594μl(4.22mmol)を無水ジクロロメタン15ml中の無水PA1017(0.58g、1.90mmol)に加える。次にこの溶液を初期反応媒質に移し、混合物全体を、磁気攪拌しながら1時間45分間周囲温度に保持する。ジクロロメタン100mlの添加後、有機相を、NaHCOで飽和させた水200mlで洗い、次いで水150mlで2回洗う。有機相をNaSOで乾燥し、回転蒸発器で濃縮して、次いでシリカでのクロマトグラフィーにかける(SiO 60 AAC 6−35μm、溶離液:酢酸エチル/トリエチルアミン(90/10、v/v))。生成物を含む分画を併合し、溶媒を蒸発させて、クロロホルム70mlを加える。有機相を水150mlで2回洗い、MgSOで乾燥する。一定容量のヘキサンを添加し、この後混合物全体を回転蒸発器で濃縮して、真空下で乾燥する。生成物PA1097を白色粉末の形態で得る:0.07g(収率=7%)。融点:159℃(分解)。H NMR(300MHz,298K,CDCl)δ,ppm:8.55(d,J=5.4Hz,1H,HC2’),7.97(d,J=2.1Hz,1H,HC8’),7.72(d,J=8.7Hz,1H,HC5’),7.40(dd,J=8.7Hz,J=2.1Hz,1H,HC6’),6.37(d,J=5.4Hz,HC3’),6.31(ブロード s,1H,HN),4.56(m,2H,HC12’),3.60−3.52(m,2H+2H+2H,HC7+HC8+HC12’),2.05−1.63(m,2H+2H+14H,HC6+HC9+H−アダマンタン)。MS(DCI/NH>0)m/z(%):514(MH+)。C2732CIN・1HOについての元素分析:理論値%C60.95,H6.44,N7.90;実験値%C60.88,H5.75,N7.73。
これらを入手するためのプロトコールの詳細を上記で述べた化合物に加えて、本発明に従った式(I)の他の化合物を以下の表に分類する;これらの例は限定ではなく、単に本発明を示すものである。
Figure 2007511489
Figure 2007511489
Figure 2007511489
Figure 2007511489
Figure 2007511489
Figure 2007511489
Figure 2007511489
Figure 2007511489
Figure 2007511489
Figure 2007511489
本発明に従った式(I)のカップリング生成物の薬理的性質の試験は、これらが抗マラリア活性を示すことを明らかにした。
通常の抗マラリア医薬品に関して、致死的な種である熱帯熱マラリア原虫の株の耐性の現象が発現しつつあること、これに加えて、多大の研究が実施されているが、ワクチンを通しての保護が今後数年間は実現されないと考えられることから、このような効果を得ることはなおいっそう有益である。
本発明に従った二元分子の熱帯熱マラリア原虫への抗マラリア活性の試験
ヒト赤血球で培養した熱帯熱マラリア原虫に関してインビトロで得た結果を以下に示す。
1.熱帯熱マラリア原虫の培養
熱帯熱マラリア原虫株を、TragerとJensen(Science,1976,193,673−675)の方法に従って連続的に培養する。前記寄生生物を、25mM Hepes+24mM NaHCO+2mM L−グルタミン及び全ての群の5%のヒト血清を添加したRPMI培地中2%の血中寄生生物レベルに希釈して、ヒト赤血球(O±)中に維持する。寄生生物を、湿潤雰囲気中、5%CO、37℃でインキュベートする。FcB1−Columbia及びFcM29−Cameroon株は、それぞれ中等度の(IC50:66nM)及び非常に強い(IC50:258nM)クロロキン耐性である。これら2つの株に対するアルテミシニンのIC50値は、それぞれ11nM及び5nMである。
2.化学的感受性試験
Desjardinsら(Antimicrob.Agents Chemother., 1979,16,710−718)の放射性微量法に従って抗マラリア活性試験を実施する。各々の分子を3回試験する。アッセイは96穴マイクロプレートで実施する。熱帯熱マラリア原虫株を、2%のヘマトクリット及び1.5%の血中寄生生物レベルを有する5%のヒト血清を添加したRPMI 1640の溶液中で培養する。各々のアッセイに関して、寄生生物を、湿潤雰囲気中、5%CO、37℃で48時間、漸減濃度の試験化合物と共にインキュベートする。アルテミシニン及びリン酸クロロキン(chloroquine diphosphate)を標準分子として使用する。試験化合物の第一希釈をジメチルスルホキシド中1mg/mlで実施する。連続的娘溶液のための一連の希釈溶液もジメチルスルホキシド中で調製する。次に各々の娘溶液を、5%のヒト血清を添加したRPMI 1640中で1/50に希釈し、全ての希釈を37℃で実施する。これらの希釈溶液をマイクロプレートの培養中の寄生生物に添加する。試験化合物の添加後、5%のヒト血清及び1%のジメチルスルホキシドを含むRPMI 1640中で寄生生物を培養する。寄生生物の増殖を、粉砕したヒポキサンチン(試験化合物への暴露開始から24時間後に添加)の取り込みによって測定し、試験化合物不在下での取り込み(100%とする)と比較する。GraphPad Prism 4(登録商標)プロセシングソフトウエア(GraphPad Software Inc.,5755 Oberlin Drive,#110,San Diego,CA92121,USA)を用いて、阻止パーセンテージを用量の対数の関数としてプロットすることにより、IC50値(寄生生物増殖を50%阻止するために必要な濃度)を決定する。
3.結果
本発明に従った式(I)の化合物についてのIC50値は1μM未満である。使用した株に関して、これらのIC50値は、試験した式(I)の化合物の大部分について、アルテミシニンに比肩し得るか又はさらに良好である。2つの株のいずれか、すなわちFcB1−Columbia株(クロロキンに対して中等度に耐性の株)及びFcM29−Cameroon株(クロロキンに対する高度耐性株)に関して、試験した化合物のIC50値に著明な差は測定されない。
例として、FcM29−Cameroon株に対する化合物PA1011、PA1021及びPA1026のIC50値は、それぞれ13nM、6nM及び4.4nMに等しい。
本発明は、医薬品としての使用及び抗マラリア活性を有する医薬組成物の開発のために、これらのカップリング生成物の性質を利用することを対象とする。
従って、もう1つの側面によれば、本発明の1つの対象は、式(I)の化合物、又は前記化合物の医薬適合性の酸との付加塩、又はさもなければ式(I)の化合物の水和物又は溶媒和物を含有する医薬品である。
これらの医薬品は、マラリアの予防及び治療において、治療薬として役立つ。
もう1つの側面によれば、本発明は、本発明に従った化合物を有効成分として含有する医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、少なくとも1つの本発明に従った式(I)の化合物、又は前記化合物の医薬適合性の塩、水和物又は溶媒和物の有効量、及び同時に少なくとも1つに医薬適合性の賦形剤を含有する。前記賦形剤は、所望医薬形態及び投与方式に従って、当業者に公知の通常の賦形剤から選択される。
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所(topical、local)、気管内、鼻内、経皮又は直腸投与のための本発明の医薬組成物では、マラリアの予防又は治療のために、上記式(I)の有効成分又はこの可能な塩、溶媒和物又は水和物を、単位投与形態中、従来の製薬賦形剤との混合物として投与することができる。
適切な単位投与形態は、錠剤、軟又は硬ゼラチンカプセル、粉末、顆粒及び経口溶液又は懸濁液などの経口投与形態、舌下、口腔、気管内、眼内又は鼻内投与形態及び吸入による投与のための形態、局所、経皮、皮下、筋肉内又は静脈内投与形態、直腸投与形態、及びインプラントを含む。局所適用については、本発明に従った化合物は、クリーム、ゲル、軟膏又はローションとして使用することができる。好ましい投与経路は、経口、直腸及び注射経路である。
例として、錠剤形態の本発明に従った化合物の単位投与形態は、以下の成分を含有し得る:
本発明に従った化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
クロスカルメロースナトリウム 6.0mg
トウモロコシデンプン 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
より高い又はより低い用量が適切である特定の症例が存在し得る;このような用量は本発明の背景から逸脱しない。通常慣例によれば、各々の患者についての適切な用量は、投与方式及び前記患者の体重及び応答に応じて医師によって決定される。
もう1つの側面によれば、本発明はまた、本発明に従った式(I)の化合物、又はこの医薬適合性の塩又は水和物又は溶媒和物の1つの有効量を患者に投与することを含む、マラリアを治療する又は予防するための方法に関する。
本発明はまた、有効成分が本発明に従った化合物から成る生物学的試薬を対象とする。これらの試薬は、何らかの抗マラリア活性試験における標準又は基準として使用することができる。
ラセミ混合物、PA1010の合成。 ラセミ混合物、PA1011の合成。 アキラル分子、PA1025及びこの塩PA1047及びPA1042の合成。 アキラル分子、PA1128の合成。 アキラル分子、PA1102の合成。 アキラル分子、PA1035の合成。 アキラル分子、PA1020の合成。 アキラル分子PA1021及びこの塩PA1040の合成。 アキラル分子、PA1026の合成。 アキラル分子、PA1069の合成。 アキラル分子PA1080の合成。 アキラル分子PA1097の合成。

Claims (27)

  1. 塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、式(I):
    Figure 2007511489
    [式中、
    −Aは、抗マラリア活性を有する分子の残基及び/又は生物学的利用能を促進する残基を表わし、
    −p、p’及びp”は、互いに独立して、0又は1を表わし、但しp又はp”の少なくとも1個は1に等しく、
    −Y及びYは、同じか又は異なっていてよい、場合により1又はそれ以上のアミン、アミド、チオアミド、スルホニル、スルホネート、スルホンアミド、カルボニル、チオカルボニル、カルボキシル、チオカルボキシル、エーテル又はチオエーテル基を含む直鎖、分枝又は環状C−Cアルキレン鎖を表わし、但しこのアルキレン鎖は、場合により、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アセタール基及び直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基から選択される1又はそれ以上の基で置換されており、
    −Uは、アミン、アミド、チオアミド、スルホニル、スルホネート、スルホンアミド、カルボニル、チオカルボニル、カルボキシル、チオカルボキシル、エーテル又はチオエーテル基を表わし、
    −Z及びZは、同じか又は異なっていてよい、飽和又は不飽和の直鎖、分枝又は環状C−Cアルキレン基を表わし、但しZ又はZの1個は存在しない場合があるか、又はZとZは一緒になって、N及び接合炭素Cを含む多環構造を表わし、
    −R及びRは、同じか又は異なっていてよい、水素原子又は二元分子の水溶解度を高めることができる官能基を表わし、
    −R及びRは一緒になって、4−8個の環成員を含み、環構造内に1又は2個の付加的な酸素原子を含む環状ペルオキシドを形成し、Cはこの環状ペルオキシドの環成員の1つであり、
    ・前記環状ペルオキシドは、同じか又は互いに異なっていてよい、1−8個のR基で置換されており、Rは、ペルオキシド環の炭素原子上のいずれかの位置を占め、
    水素、ハロゲン、−OH、−CF、−NO、アリール又はヘテロアリール、アルキル又は−O−アルキル[前記アルキル基は1−10個の炭素原子を含み、直鎖、分枝又は環状である。]から選択され、又は
    場合によりハロゲン原子、ヒドロキシル基及び直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基から選択される1又はそれ以上の基で置換された、酸素、窒素及び硫黄から選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を同時に含み得るC−C18単、二又は三環構造から選択され、
    ・R基の少なくとも1個は水素原子とは異なり、
    ・ペルオキシド環上の隣接炭素原子によって担持されている2個のR基は一緒になって、場合によりいずれかの位置において上記で定義した1又はそれ以上の置換基Rで置換された、飽和又は不飽和の5員又は6員環構造を形成することが可能であり、
    ・ペルオキシド環の同じ炭素原子によって担持されている2個のR基は一緒になって、上記で定義した単、二又は三環構造を形成することが可能である。]
    に相当する化合物。
  2. Aが、抗マラリア活性を有する分子の残基を表わすことを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項1に記載の式(I)の化合物。
  3. Aが、式(II):
    Figure 2007511489
    [式中、
    −R及びR’は、同じか又は異なっていてよい、各々、これらが結合している環上の異なる位置を占める、水素又はハロゲン原子及び以下の基:−OH、−CF、アリール、ヘテロアリール、アルキル又は−O−アルキル、−NO又は−N(R、R)[式中、R及びRは、同じか又は異なっていてよい、水素原子又は1−5個の炭素原子を含み、直鎖、分枝又は環状であるアルキル基を表わす。]から選択される1又はそれ以上の置換基を表わし;但しR又はR’の少なくとも1個は水素原子とは異なり、
    −Rは、水素原子又は直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基を表わすか、又はRは、式(I)の−(Y−(U)p’−(Yp”−基内に存在する炭素又は窒素原子と共に、5−8個の環成員を含む環を形成し、
    −B、C、D、B、C及びD基は、B、C及びD基の1個が窒素原子を表わし、他の基が−CH=環成員を表わすか、又はB、C及びD基が窒素原子を表わし、他の基が−CH=環成員を表わすか、又はB、C及びD基の1個とB、C及びD基の1個が窒素原子を表わし、他の基が−CH=環成員を表わす。]
    の窒素含有複素環を表わすことを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項1又は請求項2に記載の式(I)の化合物。
  4. Aが、式(IIa)のアミノキノリン又は式(III)の1,5−ナフチリジン:
    Figure 2007511489
    [式中、R、R’及びRは請求項3で定義したとおりであり、及びBが窒素原子を表わし、Bが−CH=環成員を表わすか、又はBが−CH=環成員を表わし、Bが窒素原子を表わす。]
    を表わすことを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  5. Aが、式(IIb)又は(IIc):
    Figure 2007511489
    [式中、R、R’及びRは請求項3で定義したとおりである。]
    のアミノキノリンを表わすことを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  6. Aが、式(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)又は(X):
    Figure 2007511489
    [式中、R、R’、R及びRは請求項3で定義したとおりであり、及びRは、アリール基又は場合により1又はそれ以上のR基で置換された窒素含有複素環残基を表わす。]
    の残基を表わすことを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項1又は請求項2に記載の式(I)の化合物。
  7. 及びRが一緒になって、5又は6個の環成員を含み、環構造内に1個の付加的な酸素原子を含む環状ペルオキシドを形成し、Cがこの環状ペルオキシドの環成員の1個であり、前記環状ペルオキシドが、請求項1で定義した、同じか又は異なっていてよい1−4個のR基で置換されていることを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  8. 及びRが一緒になって、式(XI):
    Figure 2007511489
    [式中、Rは、請求項1で定義した、同じか又は異なっていてよい1−4個の基を表わす。]
    に相当する環状ペルオキシドを形成することを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項7に記載の式(I)の化合物。
  9. 及びRが一緒になって、式(XIa):
    Figure 2007511489
    [式中、円の弧は、飽和又は不飽和の5員又は6員環構造を表わし、及びR、R及びRは、同じか又は互いに異なっていてよく、以下の原子及び基:水素、ハロゲン、−OH、−CF、−NO、アリール又はヘテロアリール、アルキル又は−O−アルキル[前記アルキル基は1−10個の炭素原子を含み、直鎖、分枝又は環状である。]から選択される。]
    に相当する環状ペルオキシドを形成することを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項8に記載の式(I)の化合物。
  10. 及びRが一緒になって、式(XIb):
    Figure 2007511489
    [式中、R、R及びRは請求項9で定義したとおりである。]
    に相当する環状ペルオキシドを形成することを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項8又は請求項9に記載の式(I)の化合物。
  11. 及びRが一緒になって、式(XIc):
    Figure 2007511489
    [式中、R3”は、同じか又は互いに異なっていてよい、1−4個の基を表わし、ペルオキシド環の炭素原子上のいずれかの位置を占め、及び以下の原子及び基:水素、ハロゲン、−OH、−CF、−NO、アリール又はヘテロアリール、アルキル又は−O−アルキル[前記アルキル基は1−10個の炭素原子を含み、直鎖、分枝又は環状である。]から選択され、又は
    場合によりハロゲン原子、ヒドロキシル基及び直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基から選択される1又はそれ以上の基で置換された、酸素、窒素及び硫黄から選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を同時に含み得るC−C18単、二又は三環構造から選択され、
    ・R3”基の少なくとも1個は水素原子とは異なり、
    ・ペルオキシド環の同じ炭素原子によって担持されている2個のR3”基は一緒になって、上記で定義した単、二又は三環構造を形成することが可能である。]
    に相当する環状ペルオキシドを形成することを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項8に記載の式(I)の化合物。
  12. 及びRが共に、式(XII):
    Figure 2007511489
    [式中、R3’は、同じか又は互いに異なっていてよい、1又は2個の基を表わし、以下の原子及び基:水素、ハロゲン、−OH、−CF、−NO、アリール又はヘテロアリール、アルキル又は−O−アルキル[前記アルキル基は1−10個の炭素原子を含み、直鎖、分枝又は環状である。]から選択され、又は
    場合によりハロゲン原子、ヒドロキシル基及び直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基から選択される1又はそれ以上の基で置換された、酸素、窒素及び硫黄から選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を同時に含み得るC−C18単、二又は三環構造から選択され、
    ・R3’基の少なくとも1個は水素原子とは異なり、
    ・ペルオキシド環の同じ炭素原子によって担持されている2個のR3’基は一緒になって、上記で定義した単、二又は三環構造を形成することが可能である。]
    に相当する環状ペルオキシドを形成することを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項7に記載の式(I)の化合物。
  13. 式(XIII):
    Figure 2007511489
    [式中、R、R’、B、B、Y、U、Y、p、p’、p”、Z、Z、C、R、R、R、及びRは、請求項1、2、3、4及び8のいずれかで定義したとおりである。]
    に相当することを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項1、2、3、4、7及び8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  14. 式(XIV):
    Figure 2007511489
    [式中、R、R’、B、B、Y、U、Y、p、p’、p”、Z、Z、C、R、R、R、及びRは、請求項1、2、3、4及び12のいずれかで定義したとおりである。]
    に相当することを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項1、2、3、4、7及び12のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  15. −Y及びYが、同じか又は異なっていてよい、場合により1又はそれ以上のアミン、アミド、カルボニル又はエーテル基を含む直鎖、分枝又は環状C−Cアルキレン鎖を表わし、但しこのC−Cアルキレン鎖は、場合によりハロゲン原子、ヒドロキシル基、アセタール基及び直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基から選択される1又はそれ以上の基で置換されており、
    −Uが、アミン、アミド、カルボニル、カルボキシル又はエーテル基を表わす
    ことを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項1から14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  16. −p’=p”=0であり、p=1であり、及びYが、場合によりハロゲン原子、ヒドロキシル基、アセタール基及び直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基から選択される1又はそれ以上の基で置換された、直鎖又は分枝C−Cアルキレン鎖を表わすか、又は、
    −p=p’=1であり、p”=0であり、Yが、場合によりハロゲン原子、ヒドロキシル基、アセタール基及び直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基から選択される1又はそれ以上の基で置換された、直鎖又は分枝C−Cアルキレン鎖を表わし、及びUが、アミン、アミド、カルボニル、カルボキシル又はエーテル基を表わすか、又は、
    −p=p’=p”=1であり、Y及びYが、場合によりハロゲン原子、ヒドロキシル基、アセタール基及び直鎖、分枝又は環状C−Cアルキル基から選択される1又はそれ以上の基で置換された、直鎖又は分枝C−Cアルキレン鎖を表わし、及びUが、アミン、アミド、カルボニル、カルボキシル又はエーテル基を表わす
    ことを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項15に記載の式(I)の化合物。
  17. 及びZが、同じか又は異なっていてよい、各々直鎖又は分枝C−Cアルキレン基を表わすことを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項1から16のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  18. 式(XV):
    Figure 2007511489
    [式中、R、R’、B、B、Y、U、Y、p、p’、p”、R、R、R、及びRは、請求項1、2、3、4、7、8及び13のいずれかで定義したとおりである。]
    に相当することを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項1、2、3、4、7、8及び13のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  19. 式(XVI):
    Figure 2007511489
    [式中、R、R’、B、B、Y、U、Y、p、p’、p”、R、R、R、及びRは、請求項1、2、3、4、7、12及び14のいずれかで定義したとおりである。]
    に相当することを特徴とする、塩基又は酸付加塩の形態の、及びまた水和物又は溶媒和物の形態の、請求項1、2、3、4、7、12及び14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  20. 以下の化合物:PA1010、PA1011、PA1020、PA1021、PA1025、PA1026、PA1035、PA1038、PA1039、PA1040、PA1041、PA1042、PA1044、PA1045、PA1047、PA1048、PA1049、PA1050、PA1051、PA1052、PA1057、PA1059、PA1060、PA1061、PA1062、PA1069、PA1070、PA1071、PA1072、PA1078、PA1079、PA1080、PA1081、PA1083、PA1084、PA1097、PA1102、PA1110、PA1112、PA1116、PA1120、PA1125、PA1128、PA1138、PA1139、PA1140、PA、PA1141、PA1142及びPA1143から選択されることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  21. Aの反応性誘導体と、残基R及びRを含むペルオキシド誘導体の反応性誘導体との反応を含み、これらの誘導体の間に請求項1で定義した連結腕−(Y−(U)p’−(Yp”−を形成することを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を製造するための方法。
  22. 誘導体Aとして、請求項4で定義した式(IIa)のアミノキノリンを含む化合物を製造するために、式(XVII):
    Figure 2007511489
    [式中、R、R’、B、B、R、Y、Y、U、p、p’及びp”は請求項1又は4で定義したとおりであり、及びGfは官能基を表わす。]
    の化合物を、式(VIII):
    Figure 2007511489
    [式中、Z、Z、R、R、C、R及びRは請求項1で定義したとおりである。]
    の化合物と反応させることを特徴とする、請求項21に記載の製造方法。
  23. p=1であり、及び誘導体Aとして請求項4で定義した式(IIa)のアミノキノリンを含む化合物を製造するために、式(XIX):
    Figure 2007511489
    [式中、R、R’、B、B、R及びYは請求項1及び4で定義したとおりであり、及び「hal」はハロゲン原子を表わす。]
    の化合物を、式(XX):
    Figure 2007511489
    [式中、U、Y、p’、p”、Z、Z、R、R、C、R及びRは請求項1で定義したとおりである。]
    の化合物と反応させることを特徴とする、請求項21に記載の製造方法。
  24. 式(XVIII)又は(XX):
    Figure 2007511489
    [式中、U、Y、p’、p”、Z、Z、R、R、C、R及びRは請求項1で定義したとおりである。]
    の化合物。
  25. 請求項1から20のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又は医薬適合性の酸とのこの化合物の付加塩、又は式(I)の化合物の水和物又は溶媒和物を含有することを特徴とする、医薬品。
  26. 請求項1から20のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はこの化合物の医薬適合性の塩、水和物又は溶媒和物、及び同時に少なくとも1つの医薬適合性の賦形剤を含有することを特徴とする、医薬組成物。
  27. マラリアの治療及び予防を意図する医薬品を製造するための、請求項1から20のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
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