JP2007508941A - 金属、特にアルミニウムを熱間圧延するための圧延機並びに熱間圧延方法 - Google Patents

Abstract

粗圧延ライン（４）と仕上げ圧延ライン（５）とを有する熱間ストリップライン（３）によって金属、特にアルミニウムを熱間圧延するための圧延機（１）を、設備のサイズをコンパクトにしたり、既にコンパクトに構成された設備を生産的にするように改善するため、粗圧延ライン（４）は、相前後して配設される少なくとも２つの粗圧延スタンド（８，９）が共に関与する場合にタンデムモードで被圧延物を圧延するタンデムラインとして形成されている。選択的又は同時に、粗圧延ライン（４）は、仕上げライン（５）と共にタンデムラインとして作動し、粗圧延ライン及び仕上げ圧延ラインのロールスタンドが共に関与する場合にタンデムモードで圧延が行なわれる。加えて、仕上げ圧延ラインでは、同様に好ましくは可逆的にタンデムモードで圧延が行なわれる。

Description

本発明は、粗圧延ラインと仕上げ圧延ラインとを有する熱間ストリップラインによって金属、特にアルミニウムを熱間圧延するための圧延機並びに相応する熱間圧延方法に関する。

アルミニウムを熱間ストリップラインにおいて圧延することは公知である。模範的に図３で図示されているこのような熱間圧延機用の古典的もしくは従来のレイアウト１００は、炉領域１０２、圧延ライン１０３、場合によっては矯正部（調整部）の本質的な加工ステーションから成る。

アルミニウムバー１１７は、炉１２０，１２１−炉床型炉又は押出型炉−内で圧延温度にされ、アプセットスタンド１０７を通過した後に粗圧延ライン１０４の１スタンドの粗圧延スタンド１０８において粗圧延される。粗圧延中、粗圧延製品は、第１のシャー１２２によって中間でクロップ取りをされる。ここでは単に模範的に示されているように４つのスタンド１１１，１１２，１２３，１２４から成る仕上げ圧延ライン１０５に入る前に、シートバー１１９は、シートバーの終端部と先端部をクロップ取りされ、これら２つのクロップシャー１２２，１２５間には一定の間隔がある。仕上げ圧延ライン１０５内で仕上げ圧延されたストリップ１１３は、サイドカットシャー１２６に沿って走り、ドライブローラ１２７を介して巻上げ装置１１４によって巻き上げられる。

炉領域１０２と圧延ライン１０３を有するこのような設備は、莫大な構造長さ備えることがある。従って、炉領域１０２の長さｘは、例えば１３０ｍとなり、粗圧延スタンド１０８と仕上げ圧延ラインの第１のスタンド１１１間の間隔は、例えば２４０ｍとなってしまい、この間隔は、達成可能なコイルサイズに影響を与える。この場合、ローラテーブルのような大規模な搬送及び案内装置によって圧延機の設備の被圧延物の通過が行なわれる。傾向として、このような圧延設備は、大きなコイル寸法によって経済的に作動する。

このような構造長さの設備は、高い投資額と結び付き、広い構造面積を必要とする。更に、非圧延物を搬送するための広大なローラテーブルは、同様に投資額が多くなる。

上記のことから出発して、本発明の基本にある課題は、個々の加工ステーション（炉領域、粗圧延、仕上げ圧延）間の搬送用中間スペースが縮小されるような、その構造がコンパクトな、金属、特にアルミニウムを熱間圧延するための圧延機を提供することにある。同時に、圧延機の構造がコンパクトであっても高い経済性をもって最終圧延厚さへのストリップの圧延を可能にする熱間圧延方法も提供する。

この課題は、請求項１又は４の特徴を有する圧延機と、請求項７又は８の特徴を有する方法とによって解決される。有利な発展形は、下位の請求項に記載されている。

本発明の基本思想は、粗圧延ライン又は仕上げ圧延ライン又は粗圧延ラインと仕上げ圧延ラインにおいてタンデム圧延を一貫して利用することによって、圧延機もしくは熱間ストリップラインのコンパクトな構造が共に生じることである。粗圧延ラインだけ及び／又は仕上げ圧延ラインだけ又は粗圧延ラインと仕上げ圧延ラインを一緒にしたものが、タンデムライン、即ちロールスタンドが相前後している（タンデム配設）設備領域である。これにより生じるコンパクトな構造に基づいて、さもなければ必要なローラテーブルの大部分を省略することができ、投資コストが削減される。

本発明によれば、粗圧延ラインがタンデムラインとして形成され、これは、相前後して配設される２つの粗圧延スタンドを有することができる。この粗圧延ラインは、このましくは可逆的に作動する。

同様に、粗圧延ラインは、１スタンドとすることもできる。この場合、粗圧延スタンドは、仕上げ圧延ラインとタンデムモードで作動する。粗圧延ラインと仕上げ圧延ライン間の間隔は、全てのスタンドが同時に圧延することができるように選択されている。

加えて、仕上げ圧延ラインが２つの巻上げ装置を備え、仕上げ圧延ラインがタンデムモードで運転されることを提案する。

提案したレイアウトは、新しく構成するためばかりでなく、既設の設備を近代化するためにも適している。特に、粗圧延ライン及び／又は仕上げ圧延ラインでのタンデム圧延によって、その次の処理が部分的に不経済である、これまでは僅かなトン数で小さなコイルしか生産されてなかった小さな設備を、ローラテーブルの長さが一定の場合にコイルの重量（ストリップの長さ）を拡大させることができ、これが生産性を向上させるように換装することができる。

好ましいレイアウトの場合、粗圧延ラインには２つの粗圧延スタンドが設けられ、仕上げ圧延ラインには２つの仕上げ圧延スタンドが設けられ、これらのスタンドは、それぞれタンデムモードで作動する。全体として、４つのスタンドを有するこのレイアウトの場合、５つのスタンドを有する古典的なレイアウトに対して被圧延物を節約することができる。加えて、両粗圧延スタンドは、新しいレイアウトに応じてコストを削減するデュオスタンドとして構成できる一方、仕上げ圧延スタンドは、４ロール（クアトロ）スタンドである。

本発明の更なる詳細及び利点を、下位の請求項及び図に示した本発明の実施形を詳細に説明する以下の説明から明らかにする。

図１は、アルミニウム用の新しいコンパクトな熱間圧延機のレイアウト１を示す。図３に従った従来技術によるレイアウト１００との対比は、本発明による設備のコンパクトさを明示する。設備は、同様に炉領域２と粗圧延及び仕上げ圧延ライン（４，５）を有する圧延ライン３とから成る。

炉領域２の後の搬送方向に、大型クロップシャー６とアプセットスタンド７とが配設されている。粗圧延ライン４は、示されたこの実施形の場合、タンデムモードで可逆的に作動する相前後して配設される２つの粗圧延スタンド８，９から成る。仕上げ圧延の準備をするためにフライングシャー１０が続いている。仕上げ圧延は、互いに近くに配設される２つのクアトロスタンド１１，１２から成り、ストリップ１３を可逆的に圧延することができる仕上げ圧延ライン５において実施される。このため、仕上げ圧延ライン５の後の第２の巻上げ装置１４以外に、もう１つの巻上げ装置１５が仕上げ圧延ライン５の前に配設されている。１６で、サイドカットシャーが指示されている。

公知の設備に対して、図１による本発明による設備の構造長さは、明らかに短くなっており、これは、特に粗圧延ライン４の終端部と仕上げ圧延ライン５の第１のスタンド１１間の間隔に該当する。提案した設備は、非常にコンパクトであり、同時に大きな重量のコイル生産が可能である。従来の設備（図３）と比べると、僅かに１つのフライングシャー１０が粗圧延ライン４と仕上げ圧延ライン５間に配設されているだけである。

方法自体は、図２によって明示される。熱間圧延工程のため、加熱されたアルミニウムバー１７は、ローラテーブル１８上に載せられ、粗圧延タンデムライン４に搬送され、そこでタンデムモードで両粗圧延スタンド８，９において可逆的に、例えば矢印ａによって示され、圧延ステップＩで指示されているように前後に３度圧延される。ストリップエンドは、大型シャー６によって中間でクロップ取りされる。十分な可逆工程の後、今あるシートバー１９は、全てのスタンドが同時に関与している仕上げ圧延ライン５に直接搬送される。従って、粗圧延と仕上げ圧延スタンドの全てのスタンドにおいてタンデムモードが行なわれる。シートバー１９は、仕上げ圧延ライン５のスタンド１１，１２においてタンデム圧延することによってストリップ１３へと仕上げ圧延される（圧延ステップＩＩ）。

他の方法のバリエーション（ＩＩｂ）のによれば、粗圧延製品は、仕上げ圧延スタンド１１，１２においてタンデム圧延することによって両巻上げ装置１４，１５間で可逆的に圧延される。ストリップ１３は、両仕上げ圧延スタンド１１，１２が同時に関与した状態での第１の圧延工程の後で第２の巻上げ装置１４によって巻き上げられる。ストリップエンドは、フライングシャー１０によってクロップ取りされる。引き続き、スタンド１１，１２のそれぞれの上下のロールの回転方向が変更され（矢印ｂ）、ストリップ１３は、新たに仕上げ圧延スタンド１１，１２に引き込まれる。ストリップ１３は、第１の巻上げ装置１５によって巻き上げられ、同時に第２の巻上げ装置１４によって巻き戻され、引き続き再び逆転される（矢印ｃ）。可逆行程は、所望のストリップ１３の厚さに応じて繰り返すことができる。

アルミニウム用の熱間ストリップラインにおいてタンデム圧延を利用することによって、特に、これまでは不経済に作動したコンパクトな設備がその生産性及び経済性を本質的に高めることができる。

本発明によるアルミニウムを圧延するための圧延機のコンパクトな設備レイアウトを示す。 本発明による圧延機における圧延方法の実施を示す。 比較のために従来のアルミニウム用の熱間ストリップラインの設備レイアウトを示す。

符号の説明

１ 熱間圧延機のレイアウト
２ 炉領域
３ 圧延ラインもしくは熱間ストリップライン
４ 粗圧延ライン
５ 仕上げ圧延ライン
６ 大型シャー
７ アプセットスタンド
８ 粗圧延スタンド、デュオスタンド
９ 粗圧延スタンド、デュオスタンド
１０ フライングシャー
１１ 仕上げ圧延スタンド、クアトロスタンド
１２ 仕上げ圧延スタンド、クアトロスタンド
１３ ストリップ
１４ 第２の巻上げ装置
１５ 第１の巻上げ装置
１６ サイドカットシャー
１７ バー、粗製品
１８ ローラテーブル
１９ シートバー、粗圧延された製品
１００ 従来の熱間圧延機のレイアウト
１０２ 炉領域
１０３ 圧延ライン
１０４ 粗圧延ライン
１０５ 仕上げ圧延ライン
１０７ アプセットスタンド
１０８ 粗圧延スタンド
１１１，１１２ スタンド
１１３ ストリップ
１１４ 巻上げ装置
１１７ アルミニウムバー
１１９ シートバー
１２０ 炉
１２１ 炉
１２２ クロップシャー
１２３ スタンド
１２４ スタンド
１２５ 小型クロップシャー
１２６ サイドカットシャー
１２７ ドライブローラ
ｘ，ｙ，ｚ 間隔
ａ，ｂ，ｃ 矢印
Ｉ タンデムモードで行なわれる粗圧延
ＩＩ 全てのスタンドがタンデムモードで行なわれる仕上げ圧延
ＩＩａ ２つの巻上げ装置間でタンデムモードで行なわれるか逆的な仕上げ圧延

Claims (10)

1. 粗圧延ライン（４）と仕上げ圧延ライン（５）とを有する熱間ストリップライン（３）によって金属、特にアルミニウムを熱間圧延するための圧延機（１）において、
   粗圧延ライン（４）が、相前後して配設される少なくとも２つの粗圧延スタンド（８，９）が共に関与した場合にタンデムモードで被圧延物を圧延するタンデムラインとして形成されていること、及び／又は、
   粗圧延ライン（４）が、仕上げライン（５）と共にタンデムラインとして作動し、粗圧延ライン及び仕上げ圧延ラインのロールスタンドが共に関与した場合にタンデムモードで圧延が行なわれることを特徴とする圧延機。
2. 粗圧延タンデムライン（４）が、可逆的に作動することを特徴とする請求項１に記載の圧延機。
3. 粗圧延タンデムライン（４）が、それぞれ２ロールスタンド（デュオスタンド）（８，９）を有することを特徴とする請求項１又は２に記載の圧延機。
4. 特に請求項１〜３のいずれか１つに記載の粗圧延ライン（４）と仕上げ圧延ライン（５）とを有する熱間ストリップライン（３）によって金属、特にアルミニウムを熱間圧延するための圧延機（１）において、
   圧延方向に見て仕上げ圧延ライン（５）の前後にそれぞれ１つの巻上げ装置（１５，１４）が配設されていること、仕上げ圧延ライン（５）が、タンデムラインとして、それぞれの仕上げ圧延スタンドが同時に関与した場合にタンデムモードで圧延を行なう、相前後して配設される少なくとも２つの仕上げ圧延スタンド（１１，１２）を有することを特徴とする圧延機。
5. −成形する前に粗製品に熱を供給するための炉領域（２）と、
   −大型クロップシャー（６）と、
   −アプセットスタンド（７）と、
   −タンデムモードで可逆的に作動する、相前後して配設される２つの粗圧延スタンド（８，９）と、
   −フライングシャー（１０）と、
   −タンデムモードで可逆的に作動する、相前後して配設される２つの仕上げ圧延スタンド（１１，１２）と、
   −第２の巻上げ装置（１４）と、
   がレイアウトされていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１つに記載の圧延機。
6. 粗圧延ライン（４）と仕上げ圧延ライン（５）とを有する熱間ストリップライン（３）において粗圧延製品、特にアルミニウムバー（１７）が粗圧延され、引き続き仕上げ圧延される、特に請求項１〜５のいずれか１つに記載された圧延機（１）において金属、特にアルミニウムを熱間圧延するための方法において、
   粗製品が、タンデムラインとして相前後して配設される少なくとも２つの粗圧延スタンド（８，９）を備えている粗圧延ライン（４）自身において、それぞれの粗圧延スタンドが共に関与した場合にタンデムモードで粗圧延されること、及び／又は、
   圧延製品が、粗圧延ライン（４）と仕上げ圧延ラインとにおいてタンデムモードで圧延されることを特徴とする方法。
7. 粗圧延ライン（４）と仕上げ圧延ライン（５）とを有する熱間ストリップライン（３）において粗圧延製品、特にアルミニウムバー（１７）を粗圧延し、引き続き仕上げ圧延する、特に請求項１〜５のいずれか１つに記載された圧延機（１）において金属、特にアルミニウムを熱間圧延するための方法において、
   粗圧延された圧延製品（１９）が、タンデムラインとして相前後して配設される少なくとも２つの仕上げ圧延スタンド（１１，１２）を備えている仕上げ圧延ライン（５）において、それぞれの仕上げ圧延スタンドが同時に関与した場合にタンデムモードで圧延されることを特徴とする方法。
8. 粗圧延ライン（４）及び仕上げ圧延ライン（５）の全てのロールスタンドが同時に関与した状態で、粗製品が粗圧延スタンド（８，９）の一方又は両方において圧延され、圧延製品が仕上げ圧延ライン（５）に装入される（ステップＩＩａ）ことを特徴とする請求項６又は７に記載の方法。
9. 粗製品が粗圧延スタンド（８，９）の一方又は両方において圧延され、引き続き仕上げ圧延ライン（５）のタンデムモードで可逆的に仕上げ圧延されることを特徴とする請求項６又は７に記載の方法。
10. −加熱された粗製品（１７）、特にアルミニウムバーを粗圧延タンデムライン（４）に搬送するステップと、
    −粗圧延スタンド（８，９）によってタンデムモードで可逆的に粗圧延をするステップ（ステップＩ）と、
    −大型シャー（６）によって粗圧延製品（１９）、特にアルミニウムシートバーの中間クロップ取りをするステップと、
    −粗圧延製品（１９）の所定の粗圧延厚さに圧延するステップと、
    −フライングシャー（１０）によって粗圧延製品（１９）のクロップ取りをするステップと、
    −タンデムモードで作動する仕上げ圧延ライン（５）を通過するストリップ（１３）を後に配設される第２の巻上げ装置（１４）によって巻き上げるステップと、
    −ロールスタンド（１１，１２）の運動方向を逆転し、仕上げ圧延ライン（５）にストリップ（１３）を新たに引き込むステップと、
    −第２の巻上げ装置（１４）を同時に巻き戻している場合に、前に配設される巻上げ装置（１５）に巻き上げるステップと、
    −仕上げ圧延ラインにおいて圧延ステップを一回又は複数回実施するステップ（ステップＩＩｂ）と、
    を有することを特徴とする請求項９に記載の方法。

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