JP2007505602A - 酵母からのタンパク質の分泌 - Google Patents

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Abstract

本発明は酵母細胞によってプロセシング可能なシャトルペプチド構築物をコードする核酸配列を含む発現構築物に関する。また、そのような構築物を含む適切な発現ベクター、該ベクターを用いて実施される標的タンパク質の組換え生産方法、該ベクターで形質転換された宿主、シャトルペプチドおよびそれをコードする核酸配列、外来タンパク質と融合されたそのようなシャトルペプチドをコードする核酸配列、そのようなシャトルペプチドによって産生されるハイドロホビンタンパク質、ならびに革などの物体をコーティングするためのハイドロホビンの使用が開示されている。

Description

本発明は、酵母細胞によってプロセシング可能なシャトルペプチド構築物をコードする核酸配列を含む発現構築物、前記構築物を含む対応の発現ベクター、該ベクターを用いて実施する標的タンパク質の組換え生産方法、該ベクターで形質転換された宿主、シャトルペプチドおよびそれをコードする核酸配列、外来タンパク質と融合した上記シャトルペプチドをコードする核酸配列、この種類のシャトルペプチドを用いて生産されたハイドロホビンタンパク質、ならびに物体(例えば革など)をコーティングするためのハイドロホビンの使用に関する。
先行技術
a)酵母での発現
酵母は異種タンパク質発現のための宿主として広く使用されている。その理由は、酵母は細菌や他の真核細胞と比較してより高密度で増殖が可能であり、かつタンパク質のグリコシル化および翻訳後修飾が可能であるというように、酵母の発現系が様々な利点を有するからである。さらに、酵母は細胞溶解に対して非常に抵抗力があり、かつ増殖培地は大抵低量の外来タンパク質しか含まないため、酵母により産生および分泌された産物は単純な手法で精製することができる。さらに、酵母は、安価な栄養培地上、高密度で、他の真核細胞よりも早く増殖することができる。
酵母で異種タンパク質を発現させかつ分泌させる非常に多くの異なるアプローチを先行技術中に見出すことができる。例えば、US 5,642,487は酵母におけるタンパク質の組換え製造方法であって、動物ペプチド神経ホルモンのリーダー配列、αへリックス構造を産生するアダプター配列、プロセシングシグナルおよび構造遺伝子をコードする構造要素をコードする発現カセットで酵母を形質転換することを含む、上記方法を記載している。
さらに、酵母によって産生されるフェロモンであるα因子の遺伝子の調節要素を、酵母における異種タンパク質の発現を制御するために使用することも先行技術から知られている。例えば、α因子シグナルリーダーペプチド配列が異種タンパク質を発現させるために使用された(例えばUS 5,010,182号明細書)。
さらに、公開された米国特許出願US 2003/0077831号明細書は、酵母で異種タンパク質を発現させるための発現ベクターであって、適切な転写開始配列ならびに翻訳開始および停止配列が隣接した、複合型前駆体ポリペプチド(その要素は酵母によって分泌されるタンパク質のシグナルペプチドおよびリーダーペプチドを含み、かつN末端およびC末端プロペプチド配列に挟まれた該異種タンパク質をさらに含む)のコード配列を含む、上記発現ベクターを開示している。
b)ハイドロホビン
ハイドロホビンは約100アミノ酸残基を含み、興味深い技術的性質を有するシステインに富む小タンパク質である。これは疎水性表面を親水性にすることが可能である。ハイドロホビンは親水性表面を疎水性にする。
しかし、ハイドロホビンおよびその用途に関する多くの特許が存在する。例えばWO-A-96/41882は食菌由来のハイドロホビンを記載している(例えば配列番号21および22)。WO-A-00/58342は相分離抽出によるハイドロホビン含有融合タンパク質の精製に関する。WO-A-01/57066は、亜硫酸処理によるハイドロホビンの安定化、可溶化、それに関連した改善された用途を記載する。WO-A-01/57076はテフロンビーズへの吸着を介したハイドロホビンの精製およびTween等の界面活性剤による低温での溶出を記載している。WO-A-01/57528は、Tweenおよび85℃以下の温度を適用することによる、表面へのハイドロホビンの固定を記載している。
WO-A-01/74864は、RdlAおよびRdlB(例えば配列番号19および20)と称する、糸状菌(特にストレプトマイセス・エスピー(Streptomyces sp.))の非典型的なハイドロホビン(わずかに1つのジスルフィド架橋)を記載している。ハイドロホビンは窓、コンタクトレンズ、車体等、様々な物体の表面処理に用いられる。そこに記載されるタンパク質を、該タンパク質を培地に放出する組換え宿主中で産生させることがさらに提案されている。宿主を除去した後、ハイドロホビン含有培地は表面のコーティングに適切であると考えられる。実際の発現および分泌の実験的証拠は提供されていない。
発明の概要
本発明の一目的は、酵母(特にシゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe))で発現された同種または特に異種タンパク質の、酵母細胞からその周囲の培地への分泌を可能にする方法を提供することである。特に、組換え的に産生されたハイドロホビンの宿主細胞からの分泌を可能にする方法が提供されるものとする。
酵母細胞によってプロセシング可能なシャトルペプチド構築物をコードする核酸配列を含み、式:
(Sig-SP)
を有し、かつ
a)プロセシング可能に連結されたシグナルペプチド(Sig)、
b)該酵母細胞によって分泌可能な少なくとも1つのシャトルペプチド(SP)
をコードする核酸配列を5'−3'の配向で含む発現構築物を提供することによって達成されることを見出した。
上記目的の達成は、異種の標的タンパク質(Targ)としてのアスペルギルス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)のハイドロホビンDewA(配列番号13のコード配列を含む配列番号14の成熟タンパク質;配列番号15のコード核酸配列を含む配列番号16のシグナル配列を含むプレタンパク質)の例による代表的な方法で説明される。このタンパク質はクラスIハイドロホビン、すなわち自己アセンブリングが可能な分泌型真菌コートタンパク質を代表する。
特に、標的タンパク質(DewA)をコードするDNA配列(配列番号13)は、S.ポンベ(S.pombe)のペプチドフェロモン(P因子;成熟P因子に関する配列番号6のアミノ酸配列)をコードするDNA配列(成熟P因子に関する配列番号5)の3'末端と融合される。生じた融合タンパク質は前記フェロモンおよびこれと融合される標的タンパク質を分泌するために必要な全てのシグナル配列、特に除去可能なシグナルペプチド(配列番号4)を含む。分泌には融合タンパク質のタンパク質分解プロセシングを伴う。結果として、フェロモン(P因子)(配列番号6)および標的タンパク質(ハイドロホビン;配列番号14)が別々に培地中に分泌される。
本発明の知見は、P因子プレタンパク質の実際の調節要素(成熟フェロモンのN末端)が酵母細胞による標的タンパク質の分泌を制御するのに明らかに十分ではない限り、驚きである。別の共分泌性タンパク質成分(成熟フェロモン)が分泌される標的タンパク質の上流にプロセシング可能に位置する構築物の使用のみが、該標的タンパク質を所望の仕方で培養培地中へ分泌させることを可能にする。
発明の詳細な説明
a)一般的知識
タンパク質配列は通常は明細書および図面の中で「1文字コード」で示される。
宿主細胞によって(特に酵母によって)細胞内発現され、内因的細胞機構を介して細胞膜を通して細胞から(好ましくは周囲の培地へ)分泌されるタンパク質は、本発明に従って「分泌可能」である。
タンパク質前駆体(すなわち、例えばプレタンパク質など、成熟したプロセシング済みのタンパク質にはもはや存在しないN末端および/C末端ペプチド配列を含む、発現された最初の形態のタンパク質)は、宿主細胞内および/または宿主細胞外でタンパク質分解プロセシングによって成熟形態に変換され得る場合には、本発明に従って「プロセシング可能」である。
プロセシングされるべきタンパク質中の個々のタンパク質部分が宿主細胞のタンパク質分解酵素によって切断可能なペプチド結合を介して結合されている場合は、「プロセシング可能な結合」が存在する。
「プロセシング」は成熟したプロセシング済みのタンパク質(標的タンパク質)の配列のN末端で生じ、適切な場合にはC末端でも生じ得る。
「同種」標的タンパク質は本発明に従って用いられる宿主内で本来的に発現されるため、宿主に対して内因的なタンパク質であるが、本発明の発現構築物による該宿主の形質転換に起因して宿主細胞によって分泌される。
「異種」標的タンパク質は本発明に従って用いられる宿主内で本来的に発現されないため、内因的な宿主タンパク質ではないが、本発明の発現構築物による該宿主の形質転換に起因して宿主細胞によって分泌される。
「シャトルペプチド」は、本発明に従って用いられる宿主細胞内でプロセシング可能な「シャトルペプチド構築物」の一部分である。シャトルペプチドは、1以上のプロセシング可能な調節ペプチド断片(例えばシグナル配列、リーダー配列)とC末端および/またはN末端、好ましくはN末端で結合してシャトルペプチド構築物を形成する。シグナルペプチドとは対照的に、例えば、シャトルペプチドは宿主細胞によって分泌されるポリペプチドである。調節要素のプロセシングが細胞内で行われることが好ましい。シャトルペプチドは、たとえC末端で標的タンパク質とプロセシング可能に融合されることが好ましい場合であっても、分泌可能なままである。このC末端プロセシング(すなわち分泌の際の標的タンパク質のタンパク質分解除去)が、例えば、宿主細胞のエンベロープを通過している間に、または細胞外空間(例えば周囲の培養培地)で、内因性細胞プロテアーゼによって行われることが好ましい。
本発明による「発現構築物」または「発現カセット」には、上述されるプロセシング可能なシャトルペプチド構築物のコード核酸配列と機能的な形態で連結した、特定の宿主系(特に酵母細胞等)における発現を制御するのに必要な転写および適切な場合には翻訳のための開始シグナルと終止シグナルとを含む。発現構築物は、特に転写因子のための結合部位を含む。コード配列の5'上流に、宿主細胞で機能し得る、構成性または誘導性、自己のまたは異種の、天然のまたは合成のプロモーターが含まれる。発現構築物は多くの制限酵素切断部位(例えば発現ベクターへ該構築物を挿入するための制限酵素切断部位)をさらに含む。さらに、発現構築物は選択可能なマーカー遺伝子を含んでもよい。
「発現ベクター」は、本発明の発現カセットをレプリコン(例えばプラスミド、コスミド、ウイルス)に導入することによって取得可能な構築物を指す。この種のベクターは、自律複製または宿主細胞への組込みが可能であり、本発明による上述のプロセシング可能なシャトルペプチド構築物をコードする核酸配列の転写および適切な場合には翻訳を制御するのに必要な制御配列を含む。
b)好適な実施形態
本発明は第1に、酵母細胞によってプロセシング可能なシャトルペプチド構築物をコードする核酸配列を含み、式:
(Sig-SP)
を有し、かつ
a)プロセシング可能に連結されたシグナルペプチド(Sig)、
b)該酵母細胞によって分泌可能な少なくとも1つのシャトルペプチド(SP)、
および、適切な場合には、プロセシングおよび/または分泌を促進し、コードシグナルペプチド配列の5'末端または3'末端に位置する核酸配列の1以上をコードする核酸配列を5'−3'の配向で含む発現構築物に関する。
SPおよびSigをコードする配列は同一の読み枠内であり、さらにSigのC末端とSPのN末端との間のプロセシング可能な配列は翻訳中に形成される。かかるプロセシング可能な配列の一例は、人工的に導入された、タンパク質分解切断が可能な天然または合成のアダプター配列であるが、これがSigのC末端部分またはSPのN末端部分であることが好ましい。アダプター配列は、切断配列がSigのC末端またはSPのN末端で全体的にまたは部分的に見られ得るようにプロセシングされ得る。後者は、SPの分泌能力に対して実質的に逆効果とならない限り、特に該分泌能力を妨げない限り可能である。
本発明は特に、最も広義の酵母によってプロセシングされたポリペプチドに由来するプロセシング可能なシャトルペプチド構築物をコードする発現構築物に関する。かかる酵母は特に子嚢菌の中から選択されるものである。アーキアスコマイセテス(Archiascomycetes)網、シゾサッカロマイセタレス(Schizosaccharomycetales)目の酵母から選択された酵母が好ましく、シゾサッカロマイセス属の酵母(S.ポンベ等)の中から選択された酵母が特に好ましい。マイナス(Minus)細胞もP因子を分泌することを示すデータも存在するが、接合因子(フェロモン)が適合する株(すなわち、プラス(Plus)因子(P因子)についてはプラス細胞、そしてマイナス因子(M因子)についてはマイナス細胞)を用いることが好ましい。
プロセシング可能なシャトルペプチド構築物は、特に酵母のフェロモンプレタンパク質から誘導され、該フェロモンはN末端およびC末端プロセシングによって該プレタンパク質から産生される。フェロモンはプロセシングによりN末端で除去可能なポリペプチドを有することが好ましく、これは特にプレタンパク質をプロセシングおよび/または分泌するのに必要な要素(シグナルペプチド等)、ならびに適切な場合にはリーダー配列を含み、必要なプロテアーゼ切断部位をさらに含む。
真菌フェロモンは公知であり、例えばウスチラゴ・メイディス(Ustilago maydis)(Urban, M., Kahmann, R.およびBolker, M. (1996) The biallelic a mating type locus of Ustilago maydis: remnants of an additional pheromone gene indicate evolution from a multiallelic ancestor (Mol Gen Genet 250(4):414-420))またはコプリノプシス・シネラ(Coprinopsis cinera)(Halsall, J.R., Milner, M.J.およびCasselton, L.A. (2000) Three subfamilies of pheromone and receptor genes generate multiple B mating specificities in the mushroom Coprineus cinereus (Genetics 154(3):1115-1123))などの担子菌、ならびにシゾサッカロマイセス・ポンベ(Imai, Y.およびYamamoto, M. (1995) The fission yeast mating pheromone P-factor: its molecular structure, gene structure, and ability to induce gene expression and G1 arrest in the mating partner (Genes Dev 8(3):328-338), Davey, J. (1992) Mating pheromones of the fission yeast Schizosaccharomyces pombe: purification and structural characterization of M-factor and isolation and analysis of two genes encoding the pheromone (EMBO J 11(3):951-960))、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)(Michaelis, S.およびHerskowitz, I. (1988) The a-factor pheromone of Saccharomyces cerevisiae is essential for mating (Mol Cell Biol 8(3):1309-1318), Kurjan, J. and Herskowitz, I. (1982) Structure of a yeast pheromone gene (MF-alpha): a putative alpha-factor precursor contains four tandem copies of mature alpha-factor (Cell 30(3):933-943))、クルイベロミセス・デルフェンシス(Kluyveromyces delphensis)(Wong, S., Fares, M.A., Zimmermann, W., Butler, G.およびWolfe, K.H. (2003) Evidence from comparative genomics for a complete sexual cycle in the 'asexual' pathogenic yeast Candida glabrata (Genome Biol 4(2)R10))およびサッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)(Egel-Mitani, M.およびHansen, M.T. (1987) Nucleotide sequence of the gene encoding the Saccharomyces kluyveri alpha mating pheromone (Nucleic Acids Res 15(15)6303))などの子嚢菌のいずれについても記載されている。
本発明に適切なフェロモンは比較的小さなペプチドである(例えば5〜40または8〜30アミノ酸等)。その一次配列は通常有意な相同性を示さない。これらはプレタンパク質として生じ、タンパク質分解プロセシングがなされ、培養培地へ放出される。
特に適切なフェロモンまたはこれに対応するプレタンパク質の例は、S.ポンベ由来の「P因子」および「M因子」ならびにその前駆体タンパク質である(Imai, Y.およびYamamoto, M. (1995) The fission yeast mating pheromone P-factor: its molecular structure, gene structure, and ability to induce gene expression and G1 arrest in the mating partner (Genes Dev 8(3):328-338), Davey, J. (1992) Mating pheromones of the fission yeast Schizosaccharomyces pombe: purification and structural characterization of M-factor and isolation and analysis of two genes encoding the pheromone (EMBO J 11(3):951-960), Kjaerulff, S., Davey, J.およびNielsen, O. (1994) Analysis of the structural genes encoding M-factor in the fission yeast Schizosaccharomyces pombe: identification of a third gene, mfm3 (Mol Cell Biol 14(6)3895-3905)参照)。
P因子プレタンパク質は、例えば配列番号9のDNA配列および配列番号10のタンパク質配列を有する。プレタンパク質は、プロセシングによって分離可能な4つの連続的フェロモンペプチド配列と架橋したN末端シグナルペプチド配列を含む(図3参照)。
本発明の好適な構築物では、プロセシング可能なシャトルペプチド構築物は、N末端またはC末端でプロセシング可能なフェロモンポリペプチド(Pher)と、プロセシング可能に連結したシグナルポリペプチド(Sig)とを含むように設計される。
シグナルペプチドは特に、タンパク質分解除去が可能な、フェロモンプレタンパク質の天然のシグナルペプチド(例えば、配列番号3によってコードされる配列番号4)を含むか、またはこれと同一である。
C末端プロテアーゼ切断部位を含む、C末端で処理されるフェロモンポリペプチドがさらに好適である。
発現構築物が、シャトルペプチド構築物(Sig-SP)のC末端にプロセシング可能に連結された同種または異種標的タンパク質(Targ)をコードする核酸配列をさらに含むことが好ましい。
本発明は、酵母細胞によってプロセシング可能であり、式:
Sig-L1n-Pher-L2m-Targ
[式中、Sig、PherおよびTargは上記定義の通りであり、L1およびL2はプロセシング可能なリンカーまたはアダプター配列であり、nとmはそれぞれ独立に0または1である。しかしnが1で、mが0であることが好ましい。]
を有する融合タンパク質をコードする核酸配列を含む、上記タイプの発現構築物に関することが好ましい。
L1およびL2は天然または合成のリンカーであり得る。これらは少なくとも1つのタンパク質分解プロセシングが可能なペプチド配列を含む。適切な場合には、例えばプロセシング、分泌、転写および/または翻訳を促進する、他のエフェクター基がL1および/またはL2と結合されてもよい。
プロセシング可能なシャトルペプチド構築物をコードする核酸配列が、成熟P因子フェロモン(Pher)をコードする配列番号5の核酸配列またはその機能的同等物と機能的な形態で連結された、配列番号3のシグナルポリペプチド(Sig)コード配列またはその機能的同等物を含む発現構築物が特に好ましい。
リンカーL2が存在しないことが好ましい。対照的に、配列番号10のアミノ酸残基21〜30のポリペプチドをコードする配列を含むリンカーL1を提供することが好ましい。L1は、フェロモンの第1フェロモン構成ブロック(配列番号10の31〜57位)とシグナルポリペプチドとをここで架橋する。L1のC末端はタンパク質分解プロセシングに必要なプロテアーゼの認識配列に対応する。
特に好適な実施形態では、プロセシング可能なシャトルペプチド構築物をコードする核酸配列は配列番号1の配列を含む。
原理的には、S.ポンベに存在する第2のフェロモンであるM因子を利用して同一手順を使用でき、任意の同種および異種標的タンパク質の発現に適用することができる。いずれの場合も、マイナス接合型を有する細胞のフェロモンであるM因子をコードする3種のゲノム遺伝子(mfm1、配列番号42;mfm2、配列番号45;およびmfm3、配列番号48)が存在する。まず、プレタンパク質(配列番号43、46および49)が各遺伝子から産生され、分泌中にプロセシングされる。最後に、それぞれ配列番号44、47および50によってコードされるM因子(YTPKVPYMC;配列番号51)が成熟フェロモンとして培地中に放出される(図9参照)。
したがって、本発明に適切な別のシャトルペプチド構築物は、M因子フェロモンに機能的に結合されたM因子シグナルペプチドをコードする、配列番号42、45または48のコード配列から誘導し得る。これに対応するコードシャトルペプチド配列の非限定的な例には、例えば、配列番号42のヌクレオチド残基1〜117;配列番号45のヌクレオチド残基1〜123;または配列番号48のヌクレオチド残基1〜114;あるいはこれらから誘導される、M因子フェロモンおよび該フェロモンとC末端でタンパク質分解除去可能に結合された同種または異種の標的タンパク質の分泌ならびにプロセシングを制御する、機能的に同等な構築物が含まれる。機能的同等物は、成熟M因子のコード配列(配列番号44、47または50)の5'上流に位置する配列部分を未変化型または改変型(例えば、単一または複数の核酸残基の欠失による)形態で含んでもよく、その結果、改変されたアミノ酸配列を有し、成熟M因子ペプチド配列を例えばC末端切断型シグナル配列部分と機能的に結合するシャトルペプチドをコードし得る。
本発明に従って発現される標的タンパク質(Targ)は、本発明の方法で宿主細胞がシャトルペプチド(SP)との融合タンパク質の一部分として該標的タンパク質を発現し、分泌しかつプロセシングすることが可能である限り、任意の原核または真核生物(特にヒト、動物または酵母)に由来し得る。分泌されかつプロセシングされた産物は治療上有用であるか、または他の有利に適用可能な性質を有し得る。本明細書で言及し得る治療上有用なタンパク質の例は、免疫グロブリン、ペプチドホルモン、成長因子、リンホカイン、プロテアーゼ阻害剤等である。本明細書で言及し得る興味深い用途に用いられる他の性質を有する標的タンパク質の例は、特にハイドロホビンである。
本発明の特に好適な実施形態では、標的タンパク質はハイドロホビン、特にクラスIハイドロホビンである。
典型的なハイドロホビンは、保存された8個のシステインのモチーフ(X2-38-C-X5-9-C-C-X11-39-C-X8-23-C-X5-9-C-C-X6-18-C-X2-13)を有する比較的小さな(100±25アミノ酸)中程度の疎水性のタンパク質である。ハイドロホビンは、疎水性−親水性界面に集合してタンパク質フィルムを与えることができる。かかるクラスIハイドロホビンの凝集体はSDS中で不溶性であるが、クラスIIハイドロホビンの凝集体はSDS中で可溶性である(Wessels, J.G.H. (1997) Hydrophobins: Proteins that change the nature of the fungal surface. Adv Microb Physiol 38:1-45)。
本発明に従って使用できるハイドロホビンは、特に真菌に由来し、例えば子嚢菌(アスペルギウス属の子嚢菌等)、特にA.ニジュランスに由来する。
有用なハイドロホビンは上述した先行技術からも公知であり、真菌由来のものに限定されない。
有用なハイドロホビンの非限定的な例は、配列番号14(DewA)、配列番号19(RdlA)、配列番号20(RdlB)、配列番号21(HYP1)、配列番号22(HYP4)、および配列番号56(RodA)の中から選択される。
Figure 2007505602
RodAタンパク質は、DewAタンパク質と共にA.ニジュランスの胞子の外皮膜の一部分である。
本発明はさらに、調節核酸配列の少なくとも1つと機能的な形態で連結した上述の核酸構築物を含む発現ベクターに関する。
本発明はまた、(適切な場合には宿主ゲノムに安定的に組み込まれた)上述の少なくとも1つの発現ベクターまたは発現構築物を含む組換え微生物に関する。
本発明による組換え微生物には、本発明の少なくとも1つの発現ベクターまたは本発明の発現構築物を含み、最も広義の酵母から誘導される。かかる酵母は特に子嚢菌から誘導される。好適な酵母は、アーキアスコマイセテス網、シゾサッカロマイセタレス目から選択され、特にS.ポンベなどのシゾサッカロマイセス属の酵母の中から選択されることが好ましい。
本発明はさらに、酵母細胞によってプロセシング可能であり、酵母のフェロモンプレタンパク質から誘導されるシャトルペプチド構築物に関し、該フェロモンはN末端およびC末端プロセシングによって該プレタンパク質から誘導可能かつ分泌可能である。
C末端がプロセシングされるフェロモンポリペプチドとN末端でプロセシング可能に連結されたシグナルポリペプチドを含むシャトルペプチド構築物が好ましい。
かかるシグナルポリペプチドは、タンパク質分解除去可能な、天然のフェロモンプレタンパク質のシグナルポリペプチドであり、C末端がプロセシングされるフェロモンポリペプチドはC末端プロテアーゼ切断部位を含むことが好ましい。
好適なシャトルペプチド構築物は、酵母のフェロモンプレタンパク質、特にS.ポンベのP因子とM因子のプレタンパク質から誘導される。特に好適なシャトルペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列またはその機能的同等物を含む。
本発明はさらに、上述の組換え微生物を培養すること、標的タンパク質をコードする核酸配列を発現させること、および培養培地中に分泌された該標的タンパク質を単離することを含む、該標的タンパク質(例えば上述のハイドロホビン等)の組換え生産方法に関する。
本発明はさらに、上述のシャトルペプチド構築物をコードする核酸;および酵母細胞によってプロセシング可能であり、かつ標的タンパク質を含む、上述の融合タンパク質をコードする核酸に関する。
本発明はまた、本発明の方法によって取得可能なハイドロホビンに関する。
最後に、本発明は、特に、ガラス、繊維、布、革、着色物体、例えば自動車の車体、フィルム、ファサードの中から選択される物体の表面を処理することを含む、表面処理のための前記ハイドロホビンの使用に関する。
本発明はまた、繊維、布または革の表面を処理するためのハイドロホビンの使用に関する。
c)本発明の別の実施形態
c1)ポリペプチド/タンパク質
本発明はまた、具体的に開示されたかまたは使用されたポリペプチド/タンパク質の「機能的同等物」を含む。これは中間的に産生された融合タンパク質およびその成分、すなわち標的タンパク質(Targ)、シャトルペプチド(SP)(フェロモン(Pher)等)だけでなく、シグナルペプチド(Sig)およびリンカーにも適用する。ポリペプチド/タンパク質に使用される一般的な用語は、以下本明細書では「ポリペプチド」のみであろう。
本発明の範囲内である具体的に開示したポリペプチドの「機能的同等物」または類似体は、さらに所望の生物学的活性を有する、該ポリペプチドと異なるポリペプチドである。類似のシャトルペプチドは標的タンパク質の分泌およびプロセシングを制御するのにさらに適切であるべきである。同様に、シグナルポリペプチド、フェロモン、リンカーなどのシャトルペプチドの成分の機能的同等物も、標的タンパク質の放出を伴う効率的な分泌およびプロセシングに必要な更なる性質を有することが意図される。
発明に係るポリペプチド(標的タンパク質、シャトルペプチド等)の「機能的同等物」は、C末端および/またはN末端に、特に、タンパク質分解切断から生じる天然のリンカーまたはアダプター配列の残存物を含んでもよい。
「機能的同等物」は、本発明に従って、特に、上述した具体的な配列の配列位置の少なくとも1ヶ所のアミノ酸が具体的に記載したものと異なるが、それにも関わらず上述した生物学的活性の一つを有する変異タンパク質を意味する。したがって「機能的同等物」は、1以上のアミノ酸の付加、置換(下記の表中の例を参照)、欠失および/または転移によって取得可能な変異タンパク質を含み、これらが本発明の性質プロフィールを有する突然変異タンパク質を生じる限り、任意の配列位置で前記改変を生じさせることが可能である。
アミノ酸置換に適切な残基の例は以下の通りである:
Figure 2007505602
特に、変異のおよび非改変のポリペプチドが質的に一致した活性パターンを有する場合も機能的同等性が存在する。これは、例えば改変型シャトルペプチドが、同一の宿主内で、より高い効率またはより低い効率で同一の標的タンパク質を発現または分泌すること、あるいは改変型標的タンパク質が増加もしくは低下した薬理作用または改変された適用可能性を有することを意味する。
上記の意味における「機能的同等物」は、記載されるポリペプチドの前駆体をも含み、かつ該ポリペプチドの機能的誘導体および塩をも含む。「塩」という表現は、本発明のタンパク質分子の、カルボキシル基の塩およびアミノ基の酸付加塩の両方を意味する。カルボキシル基の塩は、それ自体公知の手法で調製してもよく、例えばナトリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、鉄塩および亜鉛塩などの無機塩、ならびに例えばアミン(トリエタノールアミン等)、アルギニン、リシン、ピペリジン等の有機塩基を含む塩を含む。同様に、本発明は、例えば塩酸または硫酸等の鉱酸との塩ならびに酢酸およびシュウ酸等の有機酸との塩などの、酸付加塩に関する。
本発明のポリペプチドの「機能的誘導体」は、同様に、既知の技術を用いて機能的アミノ酸側鎖基であるいはこれらのN末端またはC末端で調製し得る。この種の誘導体には、例えば、アンモニアまたは第1級もしくは第2級アミンとの反応によって取得可能なカルボン酸基の脂肪族エステル、カルボン酸基のアミド;アシル基との反応によって調製される遊離アミノ基のN-アシル誘導体;あるいはアシル基との反応によって調製される遊離ヒドロキシ基のO-アシル誘導体を含む。
「機能的同等物」はまた、具体的に記載した生物と異なる生物および天然に生じた変異体から取得可能なポリペプチドも当然に含まれる。例えば、同等の酵素を、同種の配列領域の配列比較領域によって確立し、本発明の具体的な基準に従って決定することができる。
「機能的同等物」にはまた、例えば所望の生物学的機能を有する本発明のポリペプチドの断片、好ましくは個々のドメインまたは配列モチーフが含まれる。
「機能的同等物」はさらに、上述したポリペプチド配列の1つまたはこれらから誘導された機能的同等物、およびこれらと機能的に異なる少なくとも1つの更なる異種配列を、機能的NまたはC末端結合で有する(すなわち、融合タンパク質部分の互いにごくわずかな機能的欠陥を伴う)融合タンパク質である。この種の異種配列の非限定的な例は、例えばシグナルペプチド、酵素、免疫グロブリン、表面抗原、受容体または受容体リガンドである。
また本発明の「機能的同等物」には、具体的に記載したポリペプチドの相同体も含まれる。かかる相同体は具体的に開示した任意の配列と、PearsonおよびLipmanのアルゴリズム(Proc. Natl. Acad, Sci. (USA) 85(8), 1988, 2444-2448)によって算出して、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、特に少なくとも85%(例えば90%、95%または99%等)相同である。本発明の同種のポリペプチドの相同性%は、特に、本明細書に具体的に記載される任意のアミノ酸配列の全長に対するアミノ酸の同一性%を意味する。
タンパク質のグリコシル化が起こり得る場合は、本発明の同等物は、脱グリコシル化またはグリコシル化形態のポリペプチド、およびグリコシル化パターンを改変することによって取得可能な修飾形態のポリペプチドを含む。
本発明のタンパク質またはポリペプチドの相同体は、それ自体公知の手法で(突然変異誘発、例えば点突然変異誘発またはタンパク質の末端切断によって)作製し得る。
C2) 核酸配列
本発明の核酸配列、特に上記のポリペプチドおよびその機能的同等物のいずれかをコードする核酸配列は、例えばcDNAおよびmRNA等の一本鎖および二本鎖DNAならびにRNA配列を含む。
本明細書に記載される全ての核酸配列は、天然起源であるか、またはそれ自体公知の手法で、ヌクレオチド構成ブロックの化学合成(例えば、個々の重複した相補的核酸構成ブロックの断片縮合等)によって調製することができる。
オリゴヌクレオチドの化学合成は、それ自体公知の手法で、例えばホスホアミダイト法(Voet, Voet, 第2版, Wiley Press New York, 896-897頁)に従って実施し得る。合成オリゴヌクレオチドのアセンブリー、DNAポリメラーゼのクレノー断片を用いたギャップの充填、連結反応および一般的なクローニング法は、Sambrookら(1989), Molecular Cloning: A laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory Pressに記載される。
本発明はまた、例えば人工ヌクレオチド類似体を用いることによってアクセス可能な、上記任意のポリヌクレオチドおよびその機能的同等物をコードする核酸配列に関する。
本発明は、本発明のポリヌクレオチドをコードする単離された核酸分子またはその生物学的活性部分および、例えば本発明のコード核酸を同定または増幅するためのハイブリダイゼーションプローブまたはプライマーとしての使用に適切な核酸断片に関する。
本発明の核酸分子は、コード遺伝子領域の3'および/または5'末端の非翻訳配列をさらに含み得る。
「単離された」核酸分子は、該核酸の天然源に存在する他の核酸分子から取り出され、さらに組換え技術によって調製される際には他の細胞物質または培養培地が実質的になくてもよく、あるいは化学合成される際には化学前駆物質または他の化学物質がなくてもよい。
本発明の核酸分子は、分子生物学的標準技術および本発明に従って提供される配列情報によって単離し得る。例えば、cDNAは、具体的に開示した完全配列のいずれかまたはその部分をハイブリダイゼーションプローブとして用いること、および標準的なハイブリダイゼーション技術(例えばSambrook, J., Fritsch, E.F.およびManiatis, T. Molecular Cloning: A Laboratory Manual. 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989に記載される)により、適切なcDNAバンクから単離し得る。さらに、開示された配列のいずれかまたはその部分を含む核酸分子を、該配列に基づいて作製したオリゴヌクレオチドプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応によって単離することが可能である。このように増幅された核酸を適切なベクターにクローニングし、DNA配列分析によって特徴付けし得る。
本発明はさらに具体的に記載したヌクレオチド配列またはその部分と相補的な核酸分子を含む。
かかる核酸配列は、他の細胞型および生物中の相同な配列を同定および/またはクローニングするのに使用し得るプローブおよびプライマーの作製を可能にする。かかるプローブおよびプライマーは通常、本発明の核酸配列のセンス鎖またはこれに対応するアンチセンス鎖の、少なくとも約12個、好ましくは少なくとも約25個(例えば約40、50または75個等)連続したヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列領域を含む。
本発明の別の核酸配列は、具体的に開示される配列および、単一のまたは複数のヌクレオチドの付加、置換、挿入または欠失によって該配列と異なるが、依然として所望の性質プロフィールを有するポリペプチドをコードする配列から誘導される。
本発明には、「サイレント」突然変異を含む核酸配列、または特殊な供給源または宿主生物のコドン利用頻度に従って具体的に記載される配列と比較して改変されている核酸配列、ならびにその天然の変異体(例えばスプライス変異体または対立遺伝子変異体等)も含まれる。本発明はまた、保存的ヌクレオチド置換(該当するアミノ酸を、同一の電荷、大きさ、極性および/または溶解性のアミノ酸で置換すること)によって取得可能な配列に関する。
本発明はまた、具体的に開示された核酸から配列多型によって誘導される分子に関する。これらの遺伝子多型は、自然変異に起因して集団内の個体間で存在し得る。これらの自然変異は、通常、遺伝子のヌクレオチド配列において1〜5%の変異を引き起こす。
本発明にはさらに、上述したコード配列とハイブリダイズするか、またはこれと相補的な核酸配列を含む。これらのポリヌクレオチドは、ゲノムまたはcDNAバンクをスクリーニングする際に見出すことができ、その後、適切な場合には、例えば、適切なプライマーを用いたPCRによって増幅し、適切なプローブを用いて単離することができる。
ポリヌクレオチドと「ハイブリダイズ」することができる性質は、ほぼ相補的な配列とストリンジェントな条件下で結合するが、非相補的なパートナー間での非特異的な結合がこの条件下で生じない、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの能力を意味する。このためには、配列は70〜100%、好ましくは90〜100%の相同性であるべきである。互いに特異的に結合することができる相補的配列の性質は、例えばノーザンまたはサザンブロット技術で、あるいはPCRまたはRT-PCRにおけるプライマー結合に利用される。通常は30塩基対以上の長さのオリゴヌクレオチドがこの目的に用いられる。ストリンジェントな条件は、例えばノーザンブロット技術において、非特異的にハイブリダイズしたcDNAプローブまたはオリゴヌクレオチドを溶出するために、50〜70℃、好ましくは60〜65℃で洗浄溶液、例えば0.1% SDSを含む0.1xSSCバッファー(20xSSC:3M NaCl、0.3M クエン酸ナトリウム、pH 7.0)を使用することを意味する。上述したように、これは高い相補性の核酸のみが互いの結合を維持することを意味する。ストリンジェントな条件の設定は当業者に公知であり、例えばAusubelら, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1-6.3.6に記載される。
C3) 発現構築物およびベクター
本発明はさらに、調節核酸配列の遺伝子制御下で、本発明に従って発現されるべきポリペプチドをコードする核酸配列を含む発現構築物、および該発現構築物の少なくとも1つを含むベクターに関する。
本発明の上記構築物は、特定のコード配列の5'上流にプロモーターを含み、3'下流にターミネーター配列を含み、適切な場合には、さらに共通の調節要素を含むことが好ましい(いずれの場合もコード配列と機能的な形態で連結される)。
「機能的な形態での連結」は、プロモーター、コード配列、ターミネーター、および適切な場合には、各調節要素がコード配列を発現する際に要求通りにその機能を発揮することができるような他の調節要素の連続的な配置を意味する。
機能的な形態で連結可能な配列の例は、標的配列ならびに、エンハンサーおよびポリアデニル化シグナル等である。他の調節要素には、選択可能なマーカー、増幅シグナル、複製起点等が含まれる。適切な調節配列は、例えばGoeddel, Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, CA (1990)に記載される。
遺伝子構築物はコード核酸配列の1以上のコピーを含んでもよい。
使用可能なプロモーターの例は酵母のプロモーターであるADC1、MFalpha、AC、P-60、CYC1、GAPDH、nmt1、nmt41およびnmt81である。
言及し得る酵母S.ポンベに適切なプロモーターの例はnmt1、nmt41、nmt81、adh1、fbp1、SV40またはCaMVである。別の情報はhttp://pingu.salk.edu/〜forsburg/vectors.html#expから入手可能である。プロモーターはその転写速度が異なり、所望の発現レベルに応じて選択される。従ってこれは他の酵母にも当てはまる。
適切な酵母のプロモーターは、例えば本明細書によってはっきりと参照される公開米国特許出願2003/0077831号明細書に記載されている。
また、例えば光および特に温度誘導性プロモーター等の、誘導性プロモーターを用いることが有効である。
記載した調節配列は、前記核酸配列およびタンパク質発現の標的化発現を可能にすることが意図される。宿主生物に応じて、これは例えば、遺伝子が誘導後にのみ発現または過剰発現されること、あるいは直ちに発現および/または過剰発現されることを意味し得る。
これに関連して、調節配列または調節因子は、積極的に発現に影響し、その結果、タンパク質の発現を増加または減少し得る。したがって、調節要素は、プロモーターおよび/または「エンハンサー」等の強力な転写シグナルを用いることによって転写レベルで有利に増強され得る。しかし、これ以外でも例えばmRNAの安定性を改善することによって翻訳を増進することも可能である。
発現カセットは、適切なプロモーターを適切なコードヌクレオチド配列およびターミネーターシグナルまたはポリアデニル化シグナルと融合させることによって調製される。このためには、例えばT. Maniatis, E.F. FritschおよびJ. Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1982);T.J. Silhavy, M.L. BermanおよびL.W. Enquist, Experiments with Gene Fusions, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1984)、ならびにAusubel, F.M.ら, Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Assoc. and Wiley Interscience (1987)に記載されるもの等、一般的な組換えおよびクローニング技術が用いられる。
組換え核酸構築物または遺伝子構築物は、宿主内での最適な遺伝子発現を可能にする宿主特異的ベクターに都合よく挿入されることによって、適切な宿主生物で発現される。ベクターは当業者に周知であり、例えば「Cloning Vectors」(Pouwels P. H.ら編, Elsevier, Amsterdam-New York-Oxford, 1985)で見出すことができる。ベクターは、プラスミド以外に、例えばファージ、ウイルス(SV40、CMV、バキュロウイルスおよびアデノウイルス等)、トランスポゾン、IS要素、ファスミド、コスミドおよび線状または環状DNAなど、当業者に公知の他の任意のベクターをも意味する。これらのベクターは、宿主生物内で自律的にまたは染色体によって複製され得る。
本明細書で特に言及し得る、本発明に適切な発現ベクターの例は、酵母S.ポンベに適切な構築物である(例えばhttp://pingu.salk.edu/〜forsburg/vectors.html#exp参照)。
他の例は以下の通りである:
pART1 (McLeod, M., Stein, M.およびBeach, D. (1987) The product of the mei3+ gene expressed under control of the mating type locus, induces meiosis and sporulation in fission yeast. EMBO J. 6:729-736
pCHY21 (Hoffman, C. S.およびWinston, F. (1991). Glucose repression of transcription of the schizosaccharomyces pombe fbp1 gene occurs by a camp signaling pathway. Genes Dev. 5:561-571)
REP1 ,REP3, REP4 (Maundrell, K. (1990). nmt1 of fission yeast: a highly transcribed gene completely repressed by thiamine. J. Biol. Chem. 265:10857-10864)
REP41, REP42, REP81, REP82 (Basi, G., Schmid, E.およびMaundrell, K. (1993). TATA box mutations in the Schizosaccharomyces pombe nmt1 promoter affect transcription efficiency but not the transcription start point or thiamine repressibility. Gene 123:131-136)
pYEpSec1 (Baldariら, (1987) Embo J. 6:229-234)、pMFa (KurjanおよびHerskowitz (1982) Cell 30:933-943)、pJRY88 (Schultzら(1987) Gene 54:113-123)およびpYES2 (Invitrogen Corporation, San Diego, CA)等の、酵母S.セレビシエにおける発現のための酵母発現ベクター。糸状菌等の他の真菌における使用に適したベクターを構築するためのベクターおよび方法は、van den Hondel, C.A.M.J.J. & Punt, P.J. (1991) Gene transfer systems and vector development for filamentous fungi: Applied Molecular Genetics of Fungi, J.F. Peberdyら編, pp. 1-28, Cambridge University Press: Cambridgeに詳細に記載されるものを含む。
他の適切な発現系は、Sambrook, J., Fritsch, E.F.およびManiatis, T., Molecular cloning: A Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989の16および17章に記載される。
c4) 組換え微生物
本発明のベクターを用いて、例えば本発明のベクターの少なくとも1つで形質転換されており、かつ本発明のポリペプチドを産生し得る組換え微生物を調製することが可能である。
上述した本発明の組換え構築物が適切な宿主系に導入されて発現されることが有利である。これが、記載した核酸を特定の発現系で発現させるために、例えば共沈殿、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、レトロウイルストランスフェクション等、当業者に精通した公知のクローニングおよびトランスフェクションの使用を含むことが好ましい。適切な系は、例えばCurrent Protocols in Molecular Biology, F. Ausubelら編, Wiley Interscience, New York 1997, またはSambrookら. Molecular Cloning: A Laboratory Manual. 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989に記載されている。
適切な宿主生物は、原理的には、本発明の核酸、その対立遺伝子変異体、その機能的同等物もしくは誘導体の発現を可能にする任意の生物である。好適な宿主生物は酵母である。
外来DNAを酵母細胞に導入する方法は先行技術から公知である。かかる導入は、例えばHinnenらによるスフェロプラスト形質転換(1978, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 75: 1919-1935)によって実施し得る。化学的形質転換法は、例えばS.ポンベについてはAlfaら(Alfa, C., Fantes, P., Hyams, J., McLeod, M.およびWarbrick, E. (1993) Experiments with fission yeast. Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)で、またはS.セレビシエについてはKaiserら(Kaiser, C., Michaelis, S.およびMitchell, A. (1994) Methods in Yeast Genetics. Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)で見出すことができる。
栄養要求性マーカーは形質転換体を選別するために酵母で頻繁に利用される。この場合、形質転換されるべき株は、特定の代謝産物を産生するために必要なタンパク質を欠く。これに対応する活性タンパク質が、利用するベクターによって細胞に導入される。頻繁に利用されるマーカーは、例えばウラシル、ロイシン、ヒスチジンまたはトリプトファン生合成の遺伝子である。
うまく形質転換された生物は、ベクターまたは発現カセットに含まれるマーカー遺伝子を介して効率よく選択することもできる。かかるマーカー遺伝子の例は、抗生物質耐性遺伝子および形質転換細胞の着色を生じさせる色産生反応を触媒する酵素の遺伝子である。後者はその後、自動化細胞分別によって選別し得る。ベクターで首尾よく形質転換されておりかつ適切な抗生物質耐性遺伝子(例えば、G418またはハイグロマイシン)を保有する微生物は、これに対応する抗生物質含有培地または栄養物質床を介して選別することができる。細胞表面上に曝露されたマーカータンパク質は、親和性クロマトグラフィーによる選別に利用し得る。
宿主生物と、プラスミド、ウイルスまたはファージ、例えばRNAポリメラーゼ/プロモーター系を含むプラスミド、ファージ8もしくは他の溶原性ファージまたはトランスポゾン、および/あるいは他の有利な調節配列などの該生物用の適切なベクターとの組合せが発現系を構築する。
c5) 標的タンパク質の組換え生産
本発明はさらに上記の標的タンパク質の組換え生産方法に関する。
組換え微生物は公知の方法に従って培養および発酵させることができる。適切な培養条件は、例えばS.ポンベについてはAlfaら(Alfa, C., Fantes, P., Hyams, J., McLeod, M.およびWarbrick, E. (1993) Experiments with fission yeast. Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)およびGutzら(Gutz, H., Heslot, H., Leupold, U.およびLoprieno, U. (1974) Schizosaccharomyces pombe. In: Handbook of Genetics 1, pp 395-446, Plenum Press, New York)に、S.セレビシエについてはKaiserら(Kaiser, C., Michaelis, S.およびMitchell, A. (1994) Methods in Yeast Genetics. Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)によって詳細に記載されている。
標的タンパク質が培養物上清に分泌される場合、細胞が培養物上清から除去され、標的タンパク質が既知のタンパク質単離法に従って上清から取得される。
標的タンパク質は、分子ふるいクロマトグラフィー(ゲル濾過)、イオン交換クロマトグラフィー(Q-セファロースクロマトグラフィー等)および疎水性クロマトグラフィーなどの既知のクロマトグラフィー法を用いることによって精製することもでき、かつ限外濾過、結晶化、塩析、透析および通常のゲル電気泳動など、他の一般的な方法を用いて精製することもできる。適切な方法は、例えばCooper, F. G., Biochemische Arbeitsmethoden [Original title: The Tools of Biochemistry], Verlag Walter de Gruyter, Berlin, New York or in Scopes, R., Protein Purification, Springer Verlag, New York, Heidelberg, Berlinに記載されている。
組換えタンパク質の単離は、精製を単純化する改変型ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードするベクター系を用いることによって容易にすることもできる。この種の適切な改変の例は、アンカーとして作用する「タグ」であり、例えば、抗体によって抗原として認識され得るヘキサヒスチジンアンカーまたはエピトープとして知られる修飾等である(例えば、Harlow, E.およびLane, D., 1988, Antibodies: A Laboratory Manual. Cold Spring Harbor (N.Y.) Pressに記載されている)。これらのアンカーは、タンパク質を固体支持体(例えば、クロマトグラフィーカラムに詰め込むことができるかまたはマイクロタイタープレートもしくは他の支持体上で使用し得る高分子マトリックス)に付着させるのに使用し得る。
これらのアンカーは同時に、タンパク質の認識にも使用し得る。さらにタンパク質は、蛍光染料、基質との反応後に検出可能な反応産物を生じる酵素マーカー、または放射活性ラベル等の従来のマーカーを単独で、あるいは該タンパク質を誘導体化するための前記アンカーと組合せて用いることによって認識され得る。
C6) ハイドロホビンを用いた表面処理
表面の特性を例えば疎水性または親水性に改変するための、ハイドロホビンを用いた表面処理は原理的には知られているが、今回本発明により、ハイドロホビンの組換え生産が十分な出発物質を与えることによって実質的に簡易化される。
先行技術の教示(例えば、サルファイト処理に起因するハイドロホビンの安定化、可溶化、それに関連した改善された用途を記載するWO-A-01/57066の教示;テフロンビーズへの吸着を介したハイドロホビンの精製および界面活性剤としてTweenなどを低温で用いた溶出を記載するWO-A-01/57076の教示;Tweenおよび85℃までの温度を適用することによるハイドロホビンの表面への固定化を記載するWO-A-01/57528の教示等)を考慮すれば、ガラス、繊維、布、革、着色物体、フィルム、ファサードなどの非常に広範囲の固体材料をハイドロホビンでコートすることができる。
以下の非限定的な実施例により、添付した図面を参照しながらより詳細に本発明を説明する。
実験の部
一般的な実験の詳細:
a) 一般的なクローニング法
本発明のためにクローニング工程を実施した。例えば制限酵素切断、アガロースゲル電気泳動、DNA断片の精製、ニトロセルロース膜およびナイロン膜への核酸の転写、DNA断片の結合、大腸菌細胞(E.coli)の形質転換、細菌の培養、ファージの増殖および組換えDNAの配列分析は、特に記載がない限り前掲のSambrookら(1989)によって記載されるように実施した。
DNAは反応混合物から、またはNucleoSpin Extract Kit(Machery-Nagel, Duren, Germany)によるゲル電気泳動後に精製し、プラスミドDNAはNucleoSpin Plasmid Quick Pure Kit(Machery-Nagel, Duren, Germany)を製品説明書に従って使用して大腸菌から単離した。
制限酵素(Invitrogen)を製品説明書に従って用いた。DNAの連結はT4リガーゼ(Promega, Mannheim, Germany)を製品説明書に従って用いて行った。
大腸菌の形質転換は、Gene Pulser II装置(BIO-RAD, Munich, Germany)および2mmエレクトロポレーションクベット(Biozym Diagnostik, Hess. Oldendorf, Germany)を製品説明書に従って用いて行った。形質転換体をアンピシリン(150mg/l)を含むLB培地(Lennox, 1955, Virology, 1:190)上で選別した。
b) ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
PCR増幅はCombizyme DNAポリメラーゼ(Invitek, Berlin, Germany)を製品説明書に従って用いて行った。いずれの場合も100μlの反応量につき1pmolの適切なプライマーを用いた。
c) 培養
S.ポンベは、Alfaら(Alfa, C., Fantes, P., Hyams, J., McLeod, M.およびWarbrick, E. (1993) Experiments with fission yeast. Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)およびGutzら(Gutz, H., Heslot, H., Leupold, U.およびLoprieno, U. (1974) Schizosaccharomyces pombe. In: Handbook of Genetics 1, pp 395-446, Plenum Press, New York)に記載されるように培養した。
組換え株は、Alfaら(Alfa, C., Fantes, P., Hyams, J., McLeod, M.およびWarbrick, E. (1993) Experiments with fission yeast. Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)およびGutzら(Gutz, H., Heslot, H., Leupold, U.およびLoprieno, U. (1974) Schizosaccharomyces pombe. In: Handbook of Genetics 1, pp 395-446, Plenum Press, New York)に記載されるように培養した。
d) 細胞の破壊
発現の早急な制御のために、細胞を遠心分離により除去し(5分、3.500xg)、ゲル電気泳動のために細胞ペレットをLaemmliバッファー(Laemmli, U.K. (1970) Cleavage of structural proteins during the assembly of the head of bacteriophage T4 (Nature 227:680-685))中に取り上げた。
細胞を破壊するために、細胞を遠心分離(5分、3500xg)によって回収した。細胞ペレットを1mlの1xPBS中で再懸濁し、1容量のガラスビーズを添加した。混合液を5分間ボルテックス(激しく撹拌)し、ガラスビーズ上の上清を除去した。
e) 使用した生物
DH5α株(Invitrogen)、XL10-Gold株(Stratagene)またはBL21株(BioLabs)を大腸菌の研究のために用いた。
S.ポンベ株は教授G.Rodel博士(the Institute for Genetics of Technische Universitat Dresden, Germany)のグループの分裂酵母株のコレクションから得た。
実施例1:DewAおよびDewAHA発現構築物の作製とpJR1-3XLベクターへのクローニング
a) DewA遺伝子のゲノムDNA配列の単離とイントロンの除去
Kaiserら(Kaiser, C., Michaelis, S.およびMitchell, A. (1994) Methods in Yeast Genetics. Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)におけるように単離されたA.ニジュランス(A. nidulans)の染色体DNAは、教授A. Brakhage博士(Hanover, Germany)から快く提供された。
約550bpのゲノムDNA断片を、染色体DNAを鋳型として用い、プライマーSpDewBamrevとScDewBamforとを用いてPCR増幅した。
ScDewBamfor:
5'-TAA TAA GGA TCC ATG CGC TTC ATC GTC TCT CTC C-3' (配列番号41)
SpDewBamrev:
5'-TAA TAA GGA TCC TTA CTC AGC CTT GGT ACC GGC -3' (配列番号28)
反応混合液をゲル電気泳動によって分画し、対応するDNAバンドを上述のように溶出した。このプライマーによって導入されたBamHI切断部位がいずれかの側に隣接している断片を制限エンドヌクレアーゼBamHI(Invitrogen)を製品説明書に従って使用して切断し、反応混合物から精製した(上記参照)。
ベクターpUC18(Yanisch-Pron, C., Vieira, J. and Messing, J. (1985) Improved M13 phage cloning vectors and host strains: Nucleotide sequences of M13mp18 and pUC19 vectors. Gene 33:103)も同様に、BamHIによって切断し、ゲル電気泳動によって分画し、その後、ゲルから溶出した(上記参照)。
ベクターと断片を連結し(上記参照)、連結反応混合物を大腸菌中に形質転換した。組換えプラスミドはプラスミドの調製およびその後の制限消化後に同定した。クローニング後に、クローニングしたPCR産物の正確なDNA配列を配列決定によって確認し、これは本明細書の下記で調製された全ての構築物についても行った。配列決定反応はSangerら(Sanger, F., Nicklen, S.およびCoulson, A.R.(1977)DNA sequencing with chain terminating inhibitors. Proc Natl Acad Sci USA 74:5463-5467)に従って実施した。配列決定反応は、「Thermo-Sequenase fluorescent labelled primer cycle sequencing kit with 7-deaza-dGTP」(Amersham Pharamacia Biotech, Freiburg, Germany)および5’IRD800標識プライマー(MWG Biotech AG, Ebersberg, Germany)を用いて実施した。産物を分画し、配列を自動化配列決定システムLI-COR 4000/4200(MWG Biotech AG, Ebersberg, Germany)を用いて分析した。
pUC18ベクターのBamHI切断部位にクローニングしたイントロン含有ゲノムDewA遺伝子を含む構築物をpDewAgenと称した。
ゲノムDewA DNAに存在する2つのイントロン(ゲノムDewA配列(配列番号39)参照)を「重複伸長PCR(OEP)」(Pogulis, R.J., Vallejo, A.N.およびPease, L.R. In vitro recombination and mutagenesis by overlap extension PCR. Methods Mol Biol. 1996;57:167-76を参照)によって除去した。
鋳型としてpDewAgen構築物のDNAを用いて、DewAのオープンリーディングフレームの亜断片を、プライマー対ScDewBamfor/DewI1rev、DewI1for/DewI2revおよびDewI2for/SpDewBamrevを用いて最初にPCR増幅した。
ScDewBamfor:
5'-TAA TAA GGA TCC ATG CGC TTC ATC GTC TCT CTC C-3' (配列番号41)
DewI1rev:
5'-GT GTG GTC GAC GAG AGC GAG CAG ACC CAG CTG-3' (配列番号24)
DewI1for:
5'-CAG CTG GGT CTG CTC GCT CTC GTC GAC CAC AC-3' (配列番号23)
DewI2rev:
5'-GTC GAC GGC AAC ACA GTT GGT GGT TCC CTC-3' (配列番号26)
DewI2for:
5'-GAG GGA ACC ACC AAC TGT GTT GCC GTC GAC-3' (配列番号25)
SpDewBamrev:
5'-TAA TAA GGA TCC TTA CTC AGC CTT GGT ACC GGC-3' (配列番号28)
これらの亜断片をゲル電気泳動により分画し、精製した。最終PCRにおいて、イントロンを含まないORFを、該亜断片を鋳型として用い、かつ遠位プライマーScDewBamforとSpDewBamrevとを用いて増幅した。約410bpのPCR産物をゲル電気泳動によって分画し、精製し、そして制限エンドヌクレアーゼBamHIによって切断した。適切な切断部位は遠位プライマーによって導入された。切断した断片を精製し、同様にBamHIで切断したpUC18にクローニングした。ベクターと断片とを連結し(上記参照)、連結反応混合物を大腸菌中に形質転換した。プラスミドのミニプレパレーション後、組換えプラスミドを同定し、クローニングしたORFの正確な配列を配列決定によって確認した。このように得た構築物(pDewAORF)は、対応する発現プラスミドの構築のための鋳型として使用した。
b) DewHA(+イントロン)およびDewHA(−イントロン)発現構築物の作製とC末端赤血球凝集素タグの導入
DewAに対する特異的な抗体が入手可能でなかったため、DewAをOEPによってHAエピトープと融合させて、異種発現を検出した。第1に、一次PCRにおいて、プライマー対SpDewXhofor/DewAHArevおよびDewAHAfor/DewAHANcorevを利用した。
SpDewXhofor:
5'-TAA TAA CTC GAG ATG CGC TTC ATC GTC TCT CTC C-3' (配列番号27)
DewAHArev:
5'-TCC ACG CGG AAC CAG CTC AGC CTT GGT ACC-3' (配列番号30)
DewAHAfor:
5'-GGT ACC AAG GCT GAG CTG GTT CCG CGT GGA-3' (配列番号29)
DewAHANcorev:
5'-ATT ATT CCA TGG CTA TTA GCG GCC GCA CTG AGC AGC-3' (配列番号31)
pDewAgen構築物のDNAはDewHA(+イントロン)を調製するための鋳型として用い、pDewAORF構築物のDNAはDewHA(−イントロン)を調製するための鋳型として用いた。HA-tag DNA配列を保有するベクターyEP351HA(Kettner, K., Friederichs, S., Schlapp, T.およびRodel G (2001) Expression of a VEGF-like protein from Parapoxvirus ovis in the yeasts Saccharomyces cerevisiae and Schizosaccharomyces pombe. Protein Expr Purif Aug;22(3):479-83)を、DewAHAfor/DewAHANcorevを用いたPCRのための鋳型として用いた。HAエピトープをコードするDNAは、プライマー対SpDewXhofor/ DewAHANcorevおよびそれぞれの亜断片を用いて、最終PCRで特定のDewA-DNAと融合させた。このように増幅された断片は、XhoI制限切断部位が5'に隣接し、NcoI制限切断部位が3'に隣接する(これらはいずれも遠位プライマーを用いて導入された)。この断片をゲル電気泳動によって分画し、精製し、制限エンドヌクレアーゼXhoIとNcoIによって切断し、反応混合物から精製した。
ベクターpJR1-3XL(Moreno, M.B., Duran, A.およびRibas, J.C. A family of multifunctional thiamine-repressible expression vectors for fission yeast. Yeast. 2000 Jun 30;16(9):861-72)も同様に、制限酵素XhoIとNcoIによって切断し、ゲル電気泳動によって分画し、精製した。ベクターと断片とを連結し(上記参照)、連結反応混合物を大腸菌中にエレクトロポレーションによって形質転換した。プラスミドのミニプレパレーション後、組換えプラスミドを同定し、クローニングしたORFの正確な配列を配列決定によって確認した。このように得たDewA-HA(+イントロン)およびDewA-HA(−イントロン)発現プラスミドでは、融合構築物はS.ポンベにおいて強力なnmt1プロモーターの制御下で発現される。
c) DewA-HA(+イントロン)およびDewA-HA(−イントロン)の発現
a)およびb)に従って取得したDewA-HA(+イントロン)およびDewA-HA(−イントロン)ベクターを、SchiestlおよびGietz(Schiestl, R.H.およびGietz, R.D. (1989) High efficiency transformation of intact yeast cells using single stranded nucleic acids as a carrier. Curr Genet 16:339-346)によって記載されるように、S.ポンベ宿主株KO103(h-s ade6-M210 leu1-32 his7-366)中に形質転換した。Leu1-32突然変異によって生じたS.ポンベ株のロイシン栄養要求性は、発現ベクターに存在するS.セレビシエ(S. cerevisiae)LEU2遺伝子によって相補される。したがって、ロイシンを欠く最小培地上で形質転換体を選別することが可能である。対応する酵母形質転換体中での融合タンパク質の発現はウエスタンブロット分析によって調査した。
抗HA抗体(article 1 583 816, 抗HA(12CA5)マウスモノクローナル抗体)および抗c-myc(article 1 667 149,抗c-myc抗体)はRoche Diagnostics(Mannheim, Germany)から購入した。
培養後、酵母形質転換体を回収し、ガラスビーズによって破壊し、3.500xgで遠心分離し、上清を除去した。いずれの場合も、50μgの20.000xgペレット(「膜画分」)および上清(「サイトゾルタンパク質」)をSDS-PAGEにアプライし、分画した。ウエスタン分析における検出はHA抗体を用いて実施した。図5はその結果を示している。基準のkDaサイズは左に示されている。図5Aでは、インサート非含有のベクターを含む培養物のサンプル(pJR1-3XL、ネガティブコントロール)、HA標識化対照タンパク質のサンプル(ポジティブコントロール)またはイントロンを含むHA標識化DewA遺伝子を含むベクターのサンプル(DewA-HA(+イントロン))をアプライした。図5Bでは、いずれの場合も、ベクターを含む培養物のサンプル(pJR1-3XL、ネガティブコントロール)、イントロンを含まないHA標識化DewA遺伝子を含むベクターのサンプル(DewA-HA(−イントロン))またはイントロンを含むHA標識化RodA遺伝子を含むベクターのサンプル(Rod-AHA(+イントロン))をアプライした。
RodAHA(+イントロン)は実施例1a)および1b)の情報と同様に調製した。RodAはA.ニジュランス(A. nidulans)由来の別のハイドロホビンである。
実施例2:PDewAHA構築物を含むベクター、発現したDewAを分泌させるための発現ベクターの作製
a) P因子シグナルペプチドをコードする配列を含むPDewAHA構築物の作製
S.ポンベ(S. pombe)細胞からのタンパク質の分泌を最適化するために、最初に、分裂酵母で効果的でないA.ニジュランス(A. nidulans)の基準タンパク質分泌シグナルをS.ポンベP因子の除去可能なシグナルペプチドによって置換した。P因子は細胞によってペプチドフェロモンとして培地中に分泌される。これは、除去可能なN末端シグナル配列とP因子の4つのコピーからなる前駆体タンパク質(プレタンパク質)として細胞中で合成され、いずれの場合も短いスペーサー配列で分離されており、分泌の過程で、シグナル配列の除去および4つのP因子ペプチドのタンパク質分解放出を含む成熟化を行う。
P因子シグナル配列を、最初に、S.ポンベのゲノムDNAを鋳型として用い、プライマー対SigPXhofor/PDewArevを用いたPCRによって増幅し、これに対応するPCR産物を精製した。
SigPXhofor:
5'-TAA TTT CTC GAG ATG AAG ATC ACC GCT GTC ATT GCC CTT TTA TTC TCA C-3'(配列番号34)
PDewArev:
5'-GGC AGA GGC CGG GAG TGG AAT AGG TGA GGC-3'(配列番号33)
プライマー対PDewfor/DewAHANcorevおよび鋳型としてのDewA-HA(−イントロン)構築物のDNAによるPCR産物も同様にゲル電気泳動によって分画し、精製した。
PDewfor:
5'-GCC TCA CCT ATT CCA CTC CCG GCC TCT GCC -3'(配列番号32)
DewAHANcorev:
5'-ATT ATT CCA TGG CTA TTA GCG GCC GCA CTG AGC AGC-3'(配列番号31)
遠位プライマーSigPXhofor/DewAHANcorevを用いた最終PCRにおいて、これら2つの一次PCR産物を鋳型として用いた。こうして増幅したPDewAHA断片は、XhoI制限切断部位が5'に隣接し、NcoI制限切断部位がその3'末端にある(いずれも上記プライマーを用いて導入された)。この断片によってコードされた融合タンパク質(PDewAHA)では、A.ニジュランスDewAの除去可能なシグナル配列は、P因子前駆体タンパク質の除去可能なシグナル配列ペプチドによって置換された。
PDewAHA断片は制限エンドヌクレアーゼXhoIおよびNcoIで切断し、ゲル電気泳動によって分画し、同一の制限エンドヌクレアーゼで切断されているpJR1-3XLベクター(上記参照)に連結させた。ベクターと断片とを連結させ、連結反応混合物をエレクトロポレーションによって大腸菌中に形質転換した。プラスミドのミニプレパレーション後、組換えプラスミドを同定し、クローニングしたORFの正確な配列を配列決定によって確認した。取得した構築物はPDewAHAと称した。
b) 発現
この実験は実施例1c)と同様に行った。
PDewAHAタンパク質はS.ポンベで発現させた。細胞を回収し、培養物上清をアリコートに分割し、一部をTCAで沈殿させた。TCA沈殿物を、Laemmliバッファー(Laemmli, U.K. (1970) Cleavage of structural proteins during the assembly of the head of bacteriophage T4 (Nature 227:680-685))中に取り上げた。細胞ペレット、上清およびTCAで沈殿させた上清を調査した。タンパク質はSDS-PAGEおよびHA抗体を用いたウエスタンブロット後に検出した。図6はその結果を示している。バンドは星印(*)で示され、前駆体タンパク質(約18kD、上のバンド)および成熟形態(約17kD、下のバンド)に対応する。
この分析は、注目に値する効果的な分泌がなかったことを示した。除去可能なP因子シグナルペプチドのN末端融合は、融合型ハイドロホビンの分泌に十分ではない。
実施例3:P+6DewAHA構築物を含むベクターから、発現したDewAを分泌させるための発現ベクターの調製
a) 6個のアミノ酸でC末端が伸長されたP因子シグナルペプチドをコードする配列を含むP+6DewAHA構築物の作製
分泌に重要であり得るシグナルペプチドの基準配列環境を確認するため、融合タンパク質中の該シグナルペプチドの配列を、一次PCR反応でプライマー対SigPXhofor/P+6DewArevとP+6DewAfor/DewAHANcorevとを用いかつ鋳型としてPDewAHA構築物のDNAを用い、最終PCR反応でプライマー対SigPXhofor/DewAHANcorevを用いたOEPによって、C末端に隣接する6個のアミノ酸(P+6DewA)で伸長した。
SigPXhofor:
5'-TAA TTT CTC GAG ATG AAG ATC ACC GCT GTC ATT GCC CTT TTA TTC TCA C-3'(配列番号34)
P+6DewArev:
5'-CAC ACC AGG ATC GGC AAC TGG AAT AGG TGA GGC-3'(配列番号36)
P+6DewAfor:
5'-GTT GCC GAT CCT GGT GTG CTC CCG GCC TCT GCC-3'(配列番号35)
DewAHANcorev:
5'-ATT ATT CCA TGG CTA TTA GCG GCC GCA CTG AGC AGC-3'(配列番号31)
P+6DewA断片は制限エンドヌクレアーゼXhoIおよびNcoIによって切断され、ゲル電気泳動によって分画し、同一の制限エンドヌクレアーゼで切断されているpJR1-3XLベクター(上記参照)へ連結し、連結反応混合物をエレクトロポレーションによって大腸菌中に形質転換した。プラスミドミニプレパレーション後、組換えプラスミドを同定し、クローニングしたORFの正確な配列を配列決定によって確認した。P+6DewA断片もpJR-81XLベクターにクローニングした。ここで、融合遺伝子は弱いnmt81プロモーターの制御下で転写される。この構築物は、pJR1-3XL構築物のかなりの高発現が分泌に与える負の影響を試験するために使用することが意図された。
これに対応する構築物はP+6DewA/pJR1-3XLおよびP+6DewA/pJR1-81XLと称した。
実験は実施例2aと同様に実施した。
pJR1-3Xlにおける増幅配列のクローニングは実施例2aと同様に実施した。
b) 発現
発現は実施例2b)と同様に実施した。
S.ポンベの細胞は、強力なプロモーター(pJR1-3XL)および弱いプロモーター(pJR1-81XL)を介してP+6DewAを発現する2つのプラスミドで形質転換した。この細胞はc-myc-Tagを含むprp1遺伝子の異型を染色体に有する。これは溶解した細胞による培養物上清の汚染を除外する対照としての役割を果たす。細胞を回収し(ペレット)、培養物上清をTCAによって沈殿させた(上清)。沈殿物をLaemmliバッファー中に取り上げ、同様に分析した。タンパク質は、SDS-PAGEならびにHAに対する抗体(図7A)およびc-mycに対する抗体(Roche Diagnostics)(図7B)を用いたウエスタンブロット後に検出した。
図7で図示するように、この構成も効率的な分泌に適切ではない。
実施例4:PfakDewAHA構築物を含むベクター、発現したDewAを分泌させるための発現ベクターの作製
a) 成熟第1P因子(P因子シグナルペプチドを含む)をコードする配列を含むPfakDewAHA構築物の作製
DewAHAはOEPにより成熟P因子配列のカルボキシル末端と融合させた。プライマー対SigPXhofor/PfakDewArevを用い、S.ポンベ(S.pombe)のゲノムDNAを鋳型として用いた一次PCR反応、
SigPXhofor:
5'-TAA TTT CTC GAG ATG AAG ATC ACC GCT GTC ATT GCC CTT TTA TTC TCA C-3'(配列番号34)
PfakDewArev:
5'-GGC AGA GGC CGG GAG GCG CTT TTT CAA GTT GGG TC-3'(配列番号38)
ならびに、プライマー対PfakDewAfor/DewAHANcorevと、鋳型としてP+6DewA/pJR1-81XL構築物のDNAとを用いた一次PCR反応
PfakDewAfor:
5'-AAC TTG AAA AAG CGC CTC CCG GCC TCT GCC -3'(配列番号37)
DewAHANcorev:
5'-ATT ATT CCA TGG CTA TTA GCG GCC GCA CTG AGC AGC-3'(配列番号31)
で取得したPCR断片を、ゲル電気泳動によって分離し、精製し、プライマー対SigPXhofor/DewAHANcorevを用いた最終PCR用の鋳型として利用した。こうして取得したPfakDewA断片は、制限エンドヌクレアーゼXhoIとNcoIによって切断し、ゲル電気泳動によって分画し、同一の制限エンドヌクレアーゼで切断されているpJR1-81XLベクター(上記参照)に連結した。連結反応混合物はエレクトロポレーションによって大腸菌中に形質転換した。プラスミドミニプレパレーション後、組換えプラスミドを同定し、クローニングしたORFの正確な配列を配列決定によって確認した。かかる構築物はPfakDewA/pJR1-81XLと称した。この構築物において、第1アミノ末端フェロモンを含むP因子プレタンパク質およびハイドロホビンをコードする融合配列は、nmt81プロモーターの制御下にある。
この実験はpJR1-81XL発現ベクターが用いられていること以外は実施例2aと同様に実施した。
増幅した配列は実施例2aと同様にpJR1-81XLにクローニングした。このために、制限エンドヌクレアーゼXhoIおよびNcoIで切断された増幅DNAをpJR1-81XL発現ベクターのXhoIおよびNcoI切断部位にクローニングした。
b) 発現
発現は実施例3b)と同様に行った。
細胞をペレット化し、培養物上清をTCAで沈殿させた。沈殿物をLaemmliバッファー中に取り上げ、同様に分析した。タンパク質はSDS-PAGEおよびHAに対する抗体を用いたウエスタンブロット後に検出した。図8は、培地へのハイドロホビンの効率的な分泌がこの構成物を用いて達成されることを示す結果を記載する。したがって、これに対応する融合タンパク質は、その標準的関連において、分泌に必要な全てのP因子プレタンパク質を含む。P因子自体はタンパク質分解により除去される。
実施例5:発現したハイドロホビンのテフロンへの吸着の顕微鏡検出
発現したハイドロホビンのテフロンへの吸着の顕微鏡検出は、蛍光標識化HA抗体を利用する(Molecular Probes, Cat. No. A-21287)。
実施例1〜4のいずれかに従って調製した形質転換宿主細胞が培養される。細胞および、適切な場合には上清が別々に回収される。ハイドロホビン遺伝子を有さない対応するベクターで形質転換された培養細胞およびこれに対応する培養物上清を参照サンプルとして使用する。
細胞は機械的に破壊する(振動ミル)。テフロン小板を細胞破壊溶液または上清中で、約18時間室温でインキュベートし、水で洗浄する(10分、3回)。次いで、処理したテフロンはPBS中で蛍光標識した抗体と共にインキュベートし、その後、再度PBSで洗浄し(15分、3回)、N2ジェットで乾燥する。最後に、蛍光顕微鏡で評価する。
参照サンプルで蛍光は観察されないが(結果を示さず)、(ハイドロホビンが発現細胞によって分泌される際には)斑点様蛍光が細胞ホモジネートまたは培養物上清中でのインキュベーション後に明らかである。
図1は、S.ポンベ(S. pombe)からハイドロホビンを分泌させるために本発明に従って作製された様々な構築物を示す。 図2A)は、DewA遺伝子のゲノム配列(配列番号39)を示す。下線は2つのイントロンの配列である。B)は、アスペルギルス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)のDewAタンパク質のアミノ酸配列とこれに対応するDNA配列(括弧内)とを示す。シグナル配列は太字で記載され、シグナル配列以降の部分配列は成熟DewAの配列に対応する。C)はHA-Tagのアミノ酸配列とこれに対応するDNA配列(括弧内)とを示す。 図3A)は、P因子プレタンパク質のアミノ酸配列とこれに対応するDNA配列(括弧内)とを示す。シグナル配列は太字で記載され、シグナル配列以降の下線の部分配列は4種の成熟フェロモンペプチドの配列に対応する。シグナルペプチドの隣に位置するフェロモンはP因子と称する。B)は、除去可能なシグナルペプチドおよび、その下流のP因子プレタンパク質の6アミノ酸(下線)のアミノ酸配列とこれに対応するDNA配列(括弧内)とを示す。C)は、本発明の「P-シャトル」のアミノ酸配列とこれに対応するDNA配列(括弧内)とを示す。シグナル配列は太字で記載され、シグナル配列以降の下線の部分配列は成熟P因子の配列に対応する。 図4は、「P-シャトル」配列(太字はシグナル配列;下線は成熟Pタンパク質)、成熟DewA(二重下線)およびC末端で融合されたHA-Tagを含む、本発明の融合タンパク質(配列番号17でコードされる配列番号18)を示す。 図5は、S.ポンベ(S.pombe)におけるハイドロホビンの免疫学的検出を示す。免疫学的検出のために、A.ニジュランス(A.nidulans)のハイドロホビン遺伝子DewAおよびRodAをHAタグと融合し、pJR1-3XL発現ベクター中にクローニングし、S.ポンベに形質転換した。「膜画分」と「サイトゾルタンパク質」とをSDS-PAGEによって分画した。ウエスタン分析による検出をHA抗体を用いて行った。基準のkDaサイズが左に示される。A:インサート非含有のベクターを含む培養物のサンプル(pJR1-3XL、ネガティブコントロール)、HAがタグ付けされた対照タンパク質のサンプル(ポジティブコントロール)およびイントロンを含むHAがタグ付けされたDewA遺伝子を含むベクターのサンプル(DewA-HA(+イントロン))をアプライした。B:いずれの場合も、ベクターを含む培養物のサンプル(pJR1-3XL、ネガティブコントロール)、イントロンを含まないHAがタグ付けされたDewA遺伝子(DewA-HA(−イントロン))またはイントロンを含むHAがタグ付けされたRodA遺伝子(RodA-HA(+イントロン))を含むベクターのサンプルをアプライした。 図6は、S.ポンベ(S.pombe)におけるハイドロホビンの発現の免疫学的検出を示す。PDewAHAタンパク質はS.ポンベで発現された。細胞を回収し、培養物上清をアリコートに分け、一部をTCAで沈殿させた。SDS-PAGEおよびHA抗体を用いたウエスタンブロット後にタンパク質を検出した。バンドは、星印(*)で示され、前駆体タンパク質(約18kD、上のバンド)および成熟形態(約17kD、下のバンド)に対応する。 図7は、S.ポンベにおけるハイドロホビンの発現の検出を示す。S.ポンベの細胞は、強力なプロモーター(pJR1-3XL)または弱いプロモーター(pJR-81XL)を介してP+6DewAを発現するプラスミドで形質転換した。この細胞はc-myc-Tagを含むprp1遺伝子の異型を染色体に保有し、これは溶解した細胞による培養物上清の汚染を排除するための対照としての役割を果たす。細胞を回収し(ペレット)、培養物上清をTCAで沈殿させた(上清)。SDS-PAGEおよびHA(A)またはc-myc(B)に対する抗体を用いたウエスタンブロット後にタンパク質を検出した。 図8は、「Pシャトル」法を用いた分泌の検出を示す。S.ポンベ(S.pombe)細胞を弱いプロモーター(pJP1-81XL)を介したPfakDewAを発現するプラスミドで形質転換した。細胞を回収し(ペレット)、培養物上清をTCAで沈殿させた(SN)。タンパク質をSDS-PAGEおよびHAに対する抗体を用いたウエスタンブロット後に検出した。 図9は、いずれの場合もS.ポンベ(S.pombe)のM因子(成熟因子については配列番号51)をコードする3種の遺伝子を示す。A)はmfm+−遺伝子の配列、B)はmfm2+−遺伝子の配列、そしてC)はmfm3+−遺伝子の配列を示す。 図10は、RodA遺伝子を示す。RodA遺伝子のゲノム配列(配列番号52)は、対応するコードORF(配列番号53)中に存在しない2種類のイントロン(下線)を含む。プレタンパク質(配列番号54)は、成熟タンパク質(配列番号55でコードされる配列番号56)に存在しない除去可能なシグナル配列(太字で記載される)を含む。

Claims (28)

  1. 酵母細胞によってプロセシング可能なシャトルペプチド構築物をコードする核酸配列を含み、式:
    (Sig-SP)
    を有し、かつ
    a)プロセシング可能に連結されたシグナルペプチド(Sig)、
    b)前記酵母細胞によって分泌可能な少なくとも1つのシャトルペプチド(SP)
    をコードする核酸配列を5'-3'の配向で含む、発現構築物。
  2. シャトルペプチド構築物(Sig-SP)が、シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属の酵母、特にS.ポンベ(S. pombe)によってプロセシングされたポリペプチドから誘導されたものである、請求項1に記載の発現構築物。
  3. シャトルペプチド構築物(Sig-SP)が酵母のフェロモンプレタンパク質から誘導されたものであり、該フェロモン(Pher)がN末端およびC末端プロセシングによってプレタンパク質から誘導可能かつ分泌可能である、請求項1または2に記載の発現構築物。
  4. シグナルポリペプチド(Sig)がタンパク質分解により除去可能な、フェロモンプレタンパク質の天然シグナルポリペプチドである、請求項3に記載の発現構築物。
  5. C末端でプロセシングされるフェロモン(Pher)がC末端プロテアーゼ切断部位を含む、請求項4に記載の発現構築物。
  6. シャトルペプチド構築物(Sig-SP)のC末端にプロセシング可能に連結された同種または異種の標的タンパク質(Targ)をコードする核酸配列をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発現構築物。
  7. 酵母細胞によってプロセシング可能であり、かつ下記の式を含む融合タンパク質をコードする核酸配列を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発現構築物。
    Sig-L1n-Pher-L2m-Targ
    [式中、Sig、PherおよびTargは上記定義の通りであり、L1およびL2はプロセシング可能なリンカーであり、nおよびmは独立的に0または1である]
  8. シャトルペプチド構築物(Sig-SP)をコードする核酸配列が、成熟フェロモンタンパク質(P因子)をコードする配列番号5の核酸配列またはその機能的同等物と機能的な形態で連結された、配列番号3のシグナルポリペプチドコード配列またはその機能的同等物を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発現構築物。
  9. シャトルペプチド構築物をコードする核酸配列が、適切な場合には標的タンパク質(Targ)をコードする配列によって3'末端が伸長された配列番号1の配列を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発現構築物。
  10. 標的タンパク質が外因性ハイドロホビン、特にクラスIハイドロホビンである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の発現構築物。
  11. ハイドロホビンが配列番号14(DewA)、配列番号19(RdlA)、配列番号20(RdlB)、配列番号21(HYP1)および配列番号22(HYP4)の中から選択されるか、または配列番号13の核酸配列によってコードされる、請求項10に記載の発現構築物。
  12. 少なくとも1つの核酸調節配列と機能的な形態で連結されている請求項1〜11のいずれか1項に記載の発現構築物を含む発現ベクター。
  13. 請求項12に記載の発現ベクターの少なくとも1つ、または適切な場合に宿主ゲノム内に安定的に組み込まれる請求項1〜11のいずれか1項に記載の発現構築物、を含む組換え微生物。
  14. 酵母の中から選択される請求項13に記載の微生物。
  15. シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属の酵母、特にS.ポンベ(S. pombe)の中から選択される請求項14に記載の微生物。
  16. 酵母細胞によってプロセシング可能であり、酵母のフェロモンプレタンパク質から誘導されるシャトルペプチド構築物(Sig-SP)であって、該フェロモンがN末端およびC末端のプロセシングによって前記プレタンパク質から誘導可能かつ分泌可能である、上記構築物。
  17. C末端がプロセシングされるフェロモンポリペプチドとN末端でプロセシング可能に連結されたシグナルポリペプチドを含む、請求項16に記載のシャトルペプチド構築物。
  18. シグナルポリペプチドがタンパク質分解により除去可能な、フェロモンプレタンパク質の天然シグナルポリペプチドである、請求項17に記載のシャトルペプチド構築物。
  19. C末端がプロセシングされるフェロモンポリペプチドがC末端プロテアーゼ切断部位を含む、請求項17に記載のシャトルペプチド構築物。
  20. 配列番号237に記載のアミノ酸配列またはその機能的同等物を含む、請求項16〜19のいずれか1項に記載のシャトルペプチド構築物。
  21. 請求項13〜15のいずれか1項に記載の微生物を培養すること、前記標的タンパク質をコードする核酸配列を発現させること、および培養培地中に分泌された標的タンパク質を単離することを含む、標的タンパク質の組換え生産方法。
  22. 標的タンパク質が請求項10または11に記載されるハイドロホビンである、請求項21に記載の方法。
  23. 請求項16〜20のいずれかに記載のシャトルペプチド構築物をコードする核酸。
  24. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の核酸。
  25. 請求項22に記載の方法によって取得可能なハイドロホビン。
  26. 請求項25に記載のハイドロホビンの、表面処理のための使用。
  27. ガラス、繊維、布、革、着色物体、フィルムおよびファサードの中から選択される物体の表面を処理する、請求項26に記載の使用。
  28. 繊維、布および革の表面処理のための、請求項10または11に記載のハイドロホビンの使用。
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