JP2007504439A - 分析物と分析物類似体を区別するための方法及び材料 - Google Patents
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Abstract
Description
(a)分析物または分析物類似体と結合することが可能な分析物結合部位を有する結合媒介物を修飾するステップであって、該修飾が、その修飾された結合媒介物が前記分析物に結合した場合はレポーター分子と検出可能に相互作用するが、その修飾された結合媒介物が前記分析物類似体に結合した場合は相互作用しないように適合されたレポーター部位を形成することを含むステップ、および
(b)試料を
(i)前記分析物の類似体、
(ii)前記修飾された結合媒介物、および
(iii)前記レポーター分子
と接触させるステップ、そして任意により
(c)修飾された結合媒介物と相互作用するレポーター分子の量を測定するステップ
を含む方法を提供する。
前記結合媒介物と標識反応物の間で複合体を形成させるステップであって、前記標識反応物は標的化部分と反応基を含み、前記標的化部分が前記結合部位へ結合することによって前記複合体が形成されるステップ、
前記反応基を前記結合媒介物と反応させるステップ、および
前記標的化部分を前記結合媒介物から解離させるステップ
を含む方法を提供する。
(a)分析物または分析物類似体と結合することが可能な分析物結合部位を有する結合媒介物を修飾するステップであって、該修飾が、その修飾された結合媒介物が前記分析物に結合した場合はレポーター分子と検出可能に相互作用するが、前記修飾された結合媒介物が前記分析物類似体に結合した場合は相互作用しないように適合されたレポーター部位を形成することを含むステップ、および
(b)以下を一緒にパッケージングするステップ
(i)前記修飾された結合媒介物
(ii)前記レポーター分子
(iii)前記分析物類似体
を含む方法を提供する。
(i)前記分析物または分析物類似体と結合することが可能な第1の抗原結合部位、およびレポーター分子と結合することが可能な第2の抗原結合部位を有する抗体、
(ii)前記分析物類似体、および
(iii)前記レポーター分子
と接触させるステップであって、第2の抗原結合部位は、第1の抗原結合部位が分析物に結合した場合は前記レポーター分子と結合できるが、第1の抗原結合部位が分析物類似体に結合した場合は結合できない、上記ステップ、そして任意により
第2の抗原結合部位に結合したレポーター分子の量を測定するステップ
を含む方法を提供する。
(i)前記分析物の類似体、
(ii)レポーター分子、および
(iii)前記分析物または前記分析物類似体と結合することが可能な第1の抗原結合部位と、前記レポーター分子と結合することが可能な第2の抗原結合部位を有する抗体
を含み、
第2の抗原結合部位は、第1の抗原結合部位が分析物に結合した場合は前記レポーター分子と結合できるが、第1の抗原結合部位が分析物類似体に結合した場合は結合することができないものである、上記キットを提供する。
典型的には、結合媒介物は蛋白質であるが、分子インプリント(mips)またはアプタマーなどの任意の結合媒介物であってよい。
抗体全体のフラグメントが、結合する抗原の機能を果たせることは分かっている。従って、本明細書で使用する用語「抗体」は、抗体の結合フラグメントを含むどんな分子も包含することになり、結合媒介物および結合部位という用語はそれに応じて解釈されるものとする。結合フラグメントの例には、(i)VL、VH、CL、およびCH1ドメインからなるFabフラグメント、(ii)VHおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント、(iii)単一抗体のVLおよびVHドメインからなるFvフラグメント、(iv)VHドメインからなるdAbフラグメント(Ward, E.S. et al., Nature 341, 544-546 (1989))、(v)単離されたCDR領域、(vi)2個の連結したFabフラグメントを含む二価のフラグメントであるF(ab’)2フラグメント、(vii)2個のドメインが会合して抗原結合部位を形成できるようにするペプチドリンカーによって、VHドメインおよびVLドメインが連結している一本鎖Fv分子(scFv)(Bird et al, Science, 242, 423-426, 1988; Huston et al, PNAS USA, 85, 5879-5883, 1988)である。好ましい実施形態では、結合媒介物は分析物に特異的な単一抗原結合部位、すなわち一価の抗体または抗体フラグメントを含む。
結合媒介物は、レポーター部位を形成するために、いかなる適当な方法によって修飾してもよい。
(a)前記結合媒介物と標識反応物の間で複合体を形成させるステップであって、標識反応物は結合媒介物上の標的化部位と可逆的に会合することが可能な標的化部分と反応基を含む、上記ステップ、前記反応基を前記結合媒介物と反応させるステップ、および前記標的化部分を前記結合媒介物から解離させるステップを含む方法を提供する。
前記結合媒介物と標識反応物の間で複合体を形成させるステップであって、前記標識反応物は分析物結合部位と結合することが可能な標的化部分と反応基を含み、前記標的化部分が前記結合部位へ結合することによって前記複合体が形成される上記ステップ、前記反応基を前記結合媒介物と反応させるステップ、および前記標的化部分を前記結合媒介物から解離させるステップを含む方法を提供する。
(a)前記抗体と標識反応物の間で複合体を形成するステップであって、前記標識反応物が同族抗原またはその模倣体の前記エピトープと、それらの間に選択的切断可能基を有する反応基を含む、上記ステップ、
(b)反応基を抗体と反応させるステップ、
(c)選択的切断可能基を選択的に切断するステップ、および
(d)エピトープまたは模倣体を抗体から解離するステップ
を含む方法をさらに提供する。
既に記載したように、結合媒介物は、(先に定義したような)抗体でよく、分析物に特異的な単一抗原結合部位のみを含む抗体が好ましい。
(i)前記分析物または分析物類似体と結合することが可能な第1の抗原結合部位、およびレポーター分子と結合することが可能な第2の抗原結合部位を有する抗体、
(ii)前記分析物類似体、および
(iii)前記レポーター分子
と接触させるステップであって、第2の抗原結合部位は、第1の抗原結合部位が分析物に結合した場合は前記レポーター分子と結合できるが、第1の抗原結合部位が分析物類似体に結合した場合は結合できない、上記ステップ、そして任意により
第2の抗原結合部位に結合したレポーター分子の量を測定するステップ
を含む方法を提供する。
分析物は、上記の代謝産物を含め、医薬、乱用薬物、ホルモン、汚染物質、診断マーカー、または分析が必要な他のどんな化合物でもよい。しばしば、分析物は約15000ダルトン未満の小さな分子であろう。
分析物類似体は、分析物の代わりに分析物結合部位に結合した場合、レポーター分子がレポーター部位へ結合することを妨害できるいずれの分子または分子複合体でもよい。これは、通常、立体配置に関する手段によって実現され、その際、分析物類似体は、物理的にレポーター分子がレポーター部位へ到達するのを遮断する。しかし、他の作用方式も可能である。例えば、レポーター分子が荷電されている場合、次いで分析物類似体が同じ電荷を有し、そして静電反発によってレポーターの結合を妨害し得る。
レポーター分子と結合媒介物との間の相互作用を検出し得る多数の方法が存在する。レポーター分子は、(例えば放射性、蛍光化学発光、酵素標識により)直接的または間接的に標識してよく、その結果、当技術分野で周知の技術を使用し標識を検出することができる。直接的に標識したレポーターには、その分子に会合し、または結合した標識が含まれる。あるいは、レポーターは、さらに標識した種(例えば、レポーターに結合することが可能な標識抗体)によって検出可能であり、またはさらに別の種に作用して検出可能な結果をもたらし得る。従って、シンチレーションカウンタまたは他の放射線計数器具を使用して放射性標識を検出し、レーザーおよび共焦点顕微鏡を使用して蛍光標識、ならびに典型的には色彩変化をもたらす基質に対する酵素標識の作用による酵素標識を検出することができる。結合反応およびあらゆる必要な分離ステップを行った後、基質にこの酵素を接触させることによってアッセイ結果が得られ、酵素はこの基質に作用して色彩変化などの観察可能な結果をもたらし、色彩変化の程度は元々試料中に存在する分析物の量に依存する。適当な酵素標識は、比色、蛍光、化学発光、電気化学変化などの検出可能な変化を生じさせることができ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、ならびに(例えばミクロコックス・リソデイクチクスなどの生物を溶解することによって検出可能な)リゾチーム、キモトリプシン、大腸菌DNAポリメラーゼが含まれる。
本明細書に記載した修飾させた結合媒介物は、例えば生物試料中の分析物を測定するためのアッセイで使用するキットに梱包してよい。従って、試料中の分析物の測定に使用するためのキットの製造方法であって、
(a)分析物または分析物類似体と結合することが可能な分析物結合部位を有する結合媒介物を修飾するステップであって、該修飾が、その修飾された結合媒介物が前記分析物に結合した場合はレポーター分子と検出可能に相互作用するが、その修飾された結合媒介物が前記分析物類似体に結合した場合は相互作用しないように適合されたレポーター分子を形成することを含むステップ、および
(b)以下を一緒にパッケージングするステップ
(i)前記修飾された結合媒介物
(ii)前記レポーター分子
(iii)前記分析物類似体
を含む方法を提供する。
本明細書に記載したアッセイ系は、試料中の分析物濃度が増大するにつれ、シグナルが増大するという有利な特徴を有する。これは、標識含有種の集団を分離するために他の系で使用されている問題の多い分離ステップ、および過剰量の標識化反応物の使用における制限を回避するのに役立つ(米国特許第4,670,383号および同第5,798,273号)。
以下の実施例を単に例示目的で提供する。
以下の標準緩衝液を使用した:
R−50mM Tris 0.2%BSA pH7.4
CB−コーティング緩衝液−50mM重炭酸塩緩衝液pH9.3
TT−0.2%Tween20含有50mM Tris pH7.4
P−0.1M NaCl含有0.1Mリン酸緩衝液pH7.5
ジゴキシンに対するモノクローナル抗体1mg、およびフルオレセインイソチオシアネートに対するモノクローナル抗体1mg(Biogenesis U.K.、カタログ番号4510‐7914)をどちらもPierce and Warriner(UK)Ltdのフィシン抗体フラグメント化キット(カタログ番号44880)で別個に処理して抗体Fabフラグメントを得た。
ジゴキシンに対するモノクローナル抗体のFabフラグメントおよびフルオレセインに対するFabフラグメントを取り一緒に混合して以下ように二重特異性反応物を形成した。
次いで、透析したジゴキシンBSA 0.3mg(1mg/ml溶液の0.3mlなど)を二重特異性コンジュゲート混合液に加え、室温で30分間インキュベートした。混合液を含む緩衝液Rを以下の通りEAH−セファロース(Pharmacia LKB、Sweden)から調製したフルオレセイン−セファロースカラムに通した:供給されているEAH−セファロースビーズ10mlを0.1M重炭酸塩緩衝液pH9.3で洗浄し、その後に1mg/mlのフルオレセインイソチオシアネート(Sigma Chemical Co Ltd、カタログ番号F4274)の溶液1mlを一度に100μlづつ静かに加えた。混合液は、終夜室温で穏やかに振盪しホイルで被覆した。翌日、カラムを作製し、0.1M重炭酸塩緩衝液で洗浄し、続いて緩衝液Rで洗浄した。最初に、カラムは上のようにコンジュゲートの調製で使用したが、BSAは溶出緩衝液に添加しなかった。今回の調製には、上記のように溶出緩衝液にBSAを含めた。溶出液の1ml画分を回収したが、試料使用後の最初の2つは無視し、続く4つの画分を回収し混合した。二重特異性コンジュゲート(BC)の容量を緩衝液Rで5mlにした。
ジゴキシン(ng/ml) 0.0 0.1 1.0 10 100 1000
Abs 405 1663 2067 2246 2236 2626 2665
実施例1の二重特異性抗体を実施例1の通りに作製し、実施例1と同様にしてフルオレセイン−BSAの存在下、ジゴキシンカラムで精製した。再度、同様にして、ジゴキシン−BSAでコートしたマイクロタイタープレートを使用して、またフイオレセイン−BSAをハプテン類似体として使用して、フルオレセイン用検量線を生成した。プレート上の二重特異性抗体の存在は、二重特異性抗体のジゴキシンFab部分に対する、アルカリフォスファターゼで標識した抗免疫複合体抗体を添加することによって測定した。再度、同様にして、適当なインキュベーション後、過剰な標識抗体を洗い流し、基質を加え、検量線を取得し、それに対して未知の濃度のフルオレセインを含む試料を測定することができた。
ジゴキシンモノクローナル抗体をゲンタマイシンに対するモノクローナル抗体(Biogenesis Ltd,U.K.、カタログ番号4630‐0206)に変えて実施例1を繰り返した。ジゴキシンBSAもゲンタマイシン−BSA(Biogenesis Ltd,England、番号46300604)と交換した。ゲンタマイシンに対する検量線を取得し、未知の試料のゲンタマイシンを分析できるようにした。
ジゴキシンモノクローナル抗体をエストラジオールに対するモノクローナル抗体(Biogenesis Ltd、UK、カタログ番号7010‐2190)に変えて実施例1を繰り返した。ジゴキシンBSAも同様にエストラジオール−BSA(Sigma Chemical Co Ltd、カタログ番号E5630)と交換した。エストラジオールに対する検量線を取得し、それにより未知の試料のエストラジオールの分析が可能になった。
高親和性抗コルチゾールモノクローナル抗体を産生するマウスハイブリドーマ細胞系統を取得し、10%熱不活化ウシ胎仔血清を含むαMEM培地(MEM10%)に順応させ、以下のようにチオグアニン耐性にする。すなわち、J774マクロファージ細胞から得た20%調整マクロファージ培養物、および5μg/ml 6−チオグアニン(Sigma Chemical Co Ltd)を含むMEM10%を入れた2×48ウエル組織培養プレートに107個のハイブリドーマ細胞を入れる。およそ1ヶ月後に耐性クローンが得られ、次いでこれらを二次培養し、抗コルチゾールの抗体産生が維持されているか得られたクローンを検査する。抗コルチゾール抗体を健康に高速で増殖する良好な分泌細胞(Cort−thio)を選択し、以下の二重特異性抗体の産生で使用する。モノクローナル抗体(D−blo−1)を用いて標準的な手段によりBalb/cマウスを6週間にわたって免疫し、最後の免疫は融合の4日前に行う。次いで、標準的な技術によってこの動物の脾細胞をCort−thioに融合する。次いで、コルチゾールおよび免疫グロブリンD−blo−1に反応性の二重特異性抗体を産生する得られたクローンを以下の通り同定する。マイクロタイターストリップをD−blo−1でコートし、BSAを上塗りする。試験対象の培養液を加え、1時間室温でインキュベートする。この液体を除去し、0.02%含む50mM Tris緩衝液pH7.4でプレートを4回洗浄する。トリチウム化コルチゾールを加え、30分間室温でインキュベートし、溶液を除去し、ストリップを再度4回洗浄し、その後個々のウェルのその放射能を評価する。次いで、選択したクローンを増殖させ、標準的な手段によってサブクローニングする。次いで、以下のようにそれらを適当な二重特異性抗体産生について再評価する。
プレートの調製:
Pierce 34 and Warrinerキット(1995カタログ番号44880)によって、抗IgG Fab抗体を取得しフラグメント化してFabフラグメントを得る。これらを50mM重炭酸塩緩衝液pH9.6で希釈して5μl/mlにする。Nuncマイクロタイタープレートのウェルに200μlのアリコートを分注し、終夜室温でインキュベートし、その後溶液を除去し、0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)を含む同緩衝液と交換する。プレートを室温で30分間放置し、その後それを0.02%Tween20を含む50mM Tris pH7.4の洗浄液で4回洗浄する。
調製したプレートのウェルに以下を入れる。すなわち、一連のゲンタマイシン基準(10倍段階で10pg/ml〜10μg/ml、およびゼロ基準)175μl、および未知の濃度のゲンタマイシンを含む試料を入れる。プレートを10分間室温でインキュベートする。次いで、200μg/mlのゲンタマイシン−BSA溶液(Biogenesis 199596 カタログ番号4630‐0604)15μlを各ウェルに混合し、プレートをさらに10分間インキュベートする。これに続けてさらに10分間インキュベーションする前に、フルオレセインイソチオシアネート(Sigma Chemical Co.Ltd 1994カタログ番号F4274)およびウシ腸アルカリフォスファターゼ(Sigma Chemical Co Ltd 1994カタログ番号P5221)から標準的な手段によって調製したフルオレセイン−アルカリホスファターゼ複合体溶液l0μlを各ウェルに添加し、続いてセファデックスG−150クロマトグラフィーカラムによって精製する。溶液を除去し、ウェルを4回洗浄する。次いで、3.3mM MgCl2を含む50mM重炭酸塩緩衝液pH9.3を200μl各ウエルに加え、ウェルを405nmでモニタする。最も早く発色したウェルが光学密度1.8に到達したとき全ウェルを読み取り、グラフにゲンタマイシン濃度に対する光学密度をプロットし、そこから未知の試料中のゲンタマイシン濃度を算出する。
(Calbiochem‐Novabiochem UK Ltd.製品番号05-23-0155)バソプレッシンの免疫原性コンジュゲートをPierce & Warriner U.K.製の活性化キャリアウシ血清アルブミン(cat. Imject Maleimide Activated BSA製品番号77115)を使用し作製する。これに対してポリクローナル抗体を誘起し、硫酸アンモニウム分画およびDEAEクロマトグラフィーを使用し慣用法によって精製する。
Nuncマイクロタイタープレートのウェルを2μg/mlのDBabを含むコーティング緩衝液100μlでコートし4℃で終夜放置する。次いで、0.2%BSAを含むコーティング緩衝液200μlを加えることによってプレートを上塗りし、この緩衝液はウェルに30分間室温で入れたままにする。次いで、溶液を除去し、ウェルを4回洗浄緩衝液で洗浄する。10μg/ml〜1pg/mlの基準バソプレッシン溶液を緩衝液で10倍ずつ希釈して作製する。それぞれの100μlを個々のウェルに加え、他のウェルには未知量のバソプレッシンを含む試験試料100μlを入れる。次いで、予め作製し免疫に使用した20μg/mlバソプレッシン−BSAコンジュゲート溶液20μlを各ウェルに攪拌しながら加える。プレートを室温で20分間放置し、その後1:20,000に希釈した抗ビオチン抗体アルカリホスファターゼ複合体(Sigma Chemical Co Ltd、カタログ番号A7064)10μlを各ウェルに混合し、ウェルをさらに20分室温で放置する。溶液をウェルから除去し、ウェルを4回洗浄する。p−ニトロフェノールホスフェート(Sigma Chemical Co Ltd、カタログ番号N2770)の基準アッセイ基質溶液100μlを各ウエルに加え、プレートを室温でマイクロタイタープレートリーダーにより405nmでモニタする。最も早く発色したウェルが光学密度約2.0に達したときプレート全体を読み取る。光学密度に対するバソプレッシン基準濃度の検量線を引き、これを用いてアッセイ中にそれらが達した光学密度から、未知の試験試料のバソプレッシン濃度を測定する。
2μg/mlの抗γ鎖抗体(Sigma Chemical Co Ltdカタログ番号R1008)を含むコーティング緩衝液100μlで、Nuncマイクロタイタープレートのウェルをコートし4℃で終夜放置する。次いで、0.2%BSAを含むコーティング緩衝液200μlを加えることによってこれを上塗りし、この緩衝液をウェル中に30分間室温で入れたままにする。次いで、溶液を除去し、ウェルを4回洗浄緩衝液で洗浄する。次いで、精製したDBab調製物の100μlを各ウエルに加え、プレートを1時間室温でインキュベートする。溶液を除去し、ウェルを洗浄液で4回洗浄する。10μg/ml〜1pg/mlの基準バソプレッシン溶液を緩衝液で10倍ずつ希釈して作製する。それぞれの100μlを個々のウェルに加え、他のウェルには未知量のバソプレッシンを含む試験試料100μlを入れる。次いで、各ウェルには、予め作製し免疫に使用した、10μg/mlのバソプレッシン−BSAコンジュゲート溶液20μlを攪拌しながら加える。プレートを室温で20分間放置し、その後1:20,000に希釈した抗ビオチン抗体アルカリホスファターゼ複合体(Sigma Chemical Co Ltd、カタログ番号A7064)10μlを各ウェルに混合し、ウェルをさらに20分室温で放置する。溶液をウェルから除去し、ウェルを4回洗浄する。p−ニトロフェノールホスフェート(Sigma Chemical Co Ltd、カタログ番号N2770)の基準アッセイ基質溶液100μlを各ウエルに加え、プレートを室温でマイクロタイタープレートリーダーにより405nmでモニタする。最も早く発色したウェルが光学密度約2.0に達したときプレート全体を読み取る。光学密度に対するバソプレッシン基準濃度の検量線を引き、これを用いてアッセイ中にそれらが達した光学密度から、未知の試験試料のバソプレッシン濃度を測定する。
実施例13を物質Pに関して繰り返すが、実施例全体にわたって物質Pをバソプレッシンと置き替え、抗バソプレッシンポリクローナル抗体を抗物質Pモノクローナル抗体に、かつプロテインAカラムをプロテインGカラムと置き替えて物質Pの測定系を生じさせる。
以下のプロトコルによってマウス抗葉酸モノクローナル抗体を抗原結合部位に近接してビオチン化した。
終夜4℃で、50mM炭酸塩/重炭酸塩pH9.6のコーティング緩衝液中3μg/mlの並置反応物を100μlのアリコートでプレートにコートした。次いで、0.5%ウシ血清アルブミンを含むコーティング緩衝液のブロッキング液100μlで1時間、室温でウェルを上塗りした。溶液をウェルから廃棄し、プレート洗浄器によってプレートを洗浄緩衝液(洗浄緩衝液−0.005%Tritonを含む50mM Tris緩衝液pH7.4)で洗浄した。
葉酸塩(μg/ml) OD 405nm 平均 OD
0.01 0.421 0.417 0.441 0.426
0.03 0.483 0.482 0.401 0.455
0.1 0.536 0.483 0.502 0.507
0.3 0.667 0.628 0.623 0.639
1 0.917 0.872 0.855 0.881
3 1.254 1.263 1.205 1.241
10 1.696 1.632 1.589 1.639
特異的BE−KLH阻害薬、および三座BEコンジュゲートで特異的に誘導体化した抗BE抗体を使用し、ベンゾイルエクゴニン(BE)に関して実施例14を繰り返した。
ベンゾイルエクゴニン(BE)に対して特異的なモノクローナル抗体を得た。乾燥溶媒中、カルボジイミドおよび6炭素ジアミンリンカーでBEを処理して、6炭素鎖によりBE−COOH基をアミン基に転換した。次いで、再度乾燥溶媒中で、この薬物−ジアヘキサアミン誘導体を1:1モル比で三官能基(三座)SBED反応物((2−[6−(ビオチンアミド)−2−(p−アジドベンズアミド)−ヘキサンアミド]エチル−1−3’−ジチオ−プロピオネート)(Pierce & Warriner製品番号33033)に加えて、BE誘導体上のアミン基が三座のスルホ−NHSアームと反応できるようにした。36〜48時間暗所で混合液をインキュベートし、その後30倍過剰(330ug)の薬物−SBED反応物を(1mlの水性緩衝液中)1mgの抗体に加えた。再度、これを36時間放置して結合を促進した。次いで、G25カラムに通すことによって未結合SBED−BEコンジュゲートを抗体から除去した。次いで、先の実施例と同様に精製した抗体に直ちにUV光を照射した。次いで、メルカプトエタノールを加えて、三座SBED−BE複合体を半分に2分割した。次いで、1M酢酸で処理することによって遊離BEをその結合部位から除去し、続いて10mMリン酸緩衝液pH7.4で透析を繰り返した。すると、ビオチン誘導体化抗BE媒介物(BE−Bio)の使用準備が整った。
BEを6炭素ジアミノヘキサンリンカーによってKLHにコンジュゲートさせた。次いで、コンジュゲートを十分に透析した。次いで、阻害薬をマイクロタイタープレートにコーティングし、次にそれを上塗りし、洗浄することによって、阻害薬の抗BE抗体に結合する能力を検査した。精製した抗BE抗体は、阻害薬に結合することが示され、それ自体は、アルカリフォスファターゼ標識した抗IgG抗体によって検出された。抗BE抗体の結合は、プレートに添加された抗BE抗体に遊離BEを加えることによって阻害されることが示された。
マイクロタイタープレートのウェルをそれぞれ10μl/10mlのFc−特異的抗マウスIgGを含むTT緩衝液100μlでコートし、次いで先の実施例と同様に上塗りした。Tris Tween緩衝液中の濃度が30μg/10mlの誘導体化抗BE抗体100μlを試験ウェルに加え(プレートバックグラウンドを測定するためのウェルには緩衝液のみを入れた)、室温で1時間放置した。溶液を除去し、プレートを洗浄すると「ap.試験プレート」が得られた。BE−KLH濃度系列を通して、アルカリホスファターゼ複合体化抗ビオチンが、ビオチン化抗BE抗体抗体に結合するのを適切に阻害するために必要なBE−KLH阻害薬濃度を確立した。
BE (μg/ml) OD 405nm 平均 OD
バックグラウンド 0.113 0.102 0.108
0.008 0.524 0.517 0.521
0.025 0.517 0.528 0.523
0.074 0.603 0.683 0.643
0.222 0.825 0.744 0.785
0.667 0.948 0.858 0.903
2.00 1.051 1,040 1.045
葉酸塩の代わりにビタミンB12を用いて実施例14を繰り返した。ビタミンB12に対するモノクローナル抗体を三座−B12コンジュゲートにより誘導体化した。次いで、ビタミンB12を測定するために、葉酸塩用の系に類似する系でこれを用いて成功を収めた。
ポリエステル支持体の5mm幅の8ミクロンニトロセルロースディップスティックおよび試料送達パッドは、0.5mg/ml抗ビオチン抗体溶液で通常にストリップされ、検出線を提供した。実施例15で調製されたビオチン誘導体化抗BE媒介物(BE−Bio)は、530nmでの光学密度が1である40nmの金粒子に2.5μg/mlで吸着することによって結合した。粒子を洗浄し濃縮して530nmでの作業懸濁度10が得られた。
実施例17を繰り返したが、ビオチン誘導体化抗BE媒介物で直接コートした金粒子を使用する代わりに、抗マウスFab抗体でコートした金粒子を使用した。これらを適当な濃度のBE−Bioと混合して良好な結合が得られたが、過飽和ではなかった(任意で、未結合ビオチン誘導体化媒介物を含めずにこれらを洗浄することができる)。直接コートした金粒子の代わりにこれらの粒子を使用すると、再度上記の試料/基準用ディップスティックアッセイ系が得られ、ゼロ試料を超えるBE陽性基準に関する赤い検出線の明瞭な発色がこの系によって示された。
Claims (43)
- 試料中の分析物を測定する方法であって、
(a)分析物または分析物類似体と結合することが可能な分析物結合部位を有する結合媒介物を修飾するステップであって、該修飾が、その修飾された結合媒介物が前記分析物に結合した場合はレポーター分子と検出可能に相互作用するが、その修飾された結合媒介物が前記分析物類似体に結合した場合は相互作用しないように適合されたレポーター部位を形成することを含むステップ、および
(b)試料を
(i)前記分析物類似体、
(ii)前記修飾された結合媒介物、および
(iii)前記レポーター分子
と接触させるステップ、そして任意により
(c)修飾された結合媒介物と相互作用するレポーター分子の量を測定するステップ
を含む方法。 - 前記レポーター分子が、前記レポーター部位に結合する、請求項1に記載の方法。
- 前記レポーター部位が、前記結合媒介物を化学修飾することによって形成される、請求項1または2に記載の方法。
- 前記レポーター部位が、前記結合媒介物にビオチンを結合することによって形成される、請求項3に記載の方法。
- 前記レポーター部位が、前記結合媒介物をコードする核酸を修飾することによって形成される、請求項1または2に記載の方法。
- 前記結合媒介物の少なくとも1個のアミノ酸の付加、置換、または欠失を含む、請求項5に記載の方法。
- 前記レポーター部位が、抗体に対する既知のエピトープである、請求項5または6に記載の方法。
- 前記分析物類似体が、立体障害または静電反発によって前記レポーター分子と前記結合媒介物間の結合を妨害する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記結合媒介物が抗体または酵素である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記分析物類似体が、前記分析物結合部位に対する抗体である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 前記分析物が、コカインまたはベンゾイルエクゴニンなどの乱用薬物またはその代謝産物である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 分析物に対する分析物結合部位を有する結合媒介物の標識方法であって、
前記結合媒介物と標識反応物の間で複合体を形成させるステップであって、前記標識反応物は標的化部分と反応基を含み、前記標的化部分が前記結合部位へ結合することによって前記複合体が形成されるステップ、
前記反応基を前記結合媒介物と反応させるステップ、および
前記標的化部分を前記結合媒介物から解離させるステップ
を含む方法。 - 前記標的化部分が、前記分析物、またはその断片もしくは模倣体を含む、請求項12に記載の方法。
- 前記標識反応物が、前記標的化部分と前記反応基の間に選択的切断可能基を含む、請求項12または13に記載の方法。
- 前記複合体の形成後、前記選択的切断可能基を切断するステップを含む、請求項14に記載の方法。
- 前記選択的切断可能基がその還元によって切断可能である、請求項14または15に記載の方法。
- 前記選択的切断可能基がジスルフィド結合である、請求項16に記載の方法。
- 前記標識反応物が標識部分をさらに含む、請求項12〜17のいずれか一項に記載の方法。
- 前記標識反応物に標識部分を結合するステップをさらに含む、請求項12〜17のいずれか一項に記載の方法。
- 前記標識部分が、前記選択的切断可能基の切断によって生じた基によって結合している、請求項15〜17のいずれか一項に従属する請求項19に記載の方法。
- 前記標識部分が、前記選択的切断可能基とは別個の第二の反応基によって結合している、請求項15〜17のいずれか一項に従属する請求項19に記載の方法。
- 前記標識部分がビオチンである、請求項18〜21のいずれか一項に記載の方法。
- 前記反応基が光活性化可能な基である、請求項12〜22のいずれか一項に記載の方法。
- 前記反応基が、アリールフェニル、アリールアジド、ペルフルオロ化アリールアジド、ベンゾフェノン、またはジアゾ基である、請求項23に記載の方法。
- 前記標識反応物がSulfo−SBEDを含む、請求項12に記載の方法。
- 前記結合媒介物が抗体であり、前記分析物が前記抗体の同族エピトープを含む、請求項12〜25のいずれか一項に記載の方法。
- 前記結合媒介物が酵素であり、前記分析物が前記酵素の基質または修飾因子を含む、請求項12〜25のいずれか一項に記載の方法。
- 前記酵素が不活化されている、請求項27に記載の方法。
- 請求項12〜28のいずれか一項に記載の方法によって生成された標識化結合媒介物。
- 試料中の分析物の測定に使用するためのキットの製造方法であって、
(a)分析物または分析物類似体と結合することが可能な分析物結合部位を有する結合媒介物を修飾するステップであって、該修飾が、その修飾された結合媒介物が前記分析物に結合した場合はレポーター分子と検出可能に相互作用するが、その修飾された結合媒介物が前記分析物類似体に結合した場合は相互作用しないように適合されたレポーター部位を形成することを含むステップ、および
(b)以下を一緒にパッケージングするステップ
(i)前記修飾された結合媒介物
(ii)前記レポーター分子、及び
(iii)前記分析物類似体
を含む方法。 - 前記レポーター分子が前記レポーター部位に結合する、請求項30に記載の方法。
- 前記レポーター分子が抗体である、請求項31に記載の方法。
- 前記結合媒介物が抗体または酵素である、請求項30〜32のいずれか一項に記載の方法。
- 前記キットが前記分析物をさらに含む、請求項30〜33のいずれか一項に記載の方法。
- 前記分析物が、ラテラルフローアッセイまたはディップスティックアッセイなどの固相アッセイによって測定される、請求項30〜34のいずれか一項に記載の方法。
- 前記分析物が、コカインまたはベンゾイルエクゴニンなどの乱用薬物またはその代謝産物である、請求項30〜35のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項30〜36のいずれか一項の方法によって製造されるキット。
- 試料中の分析物を測定する方法であって、前記試料を
(i)前記分析物または分析物類似体と結合することが可能な第1の抗原結合部位、およびレポーター分子と結合することが可能な第2の抗原結合部位を有する抗体、
(ii)前記分析物類似体、および
(iii)前記レポーター分子
と接触させるステップであって、第2の抗原結合部位は、第1の抗原結合部位が分析物に結合した場合は前記レポーター分子と結合できるが、第1の抗原結合部位が分析物類似体に結合した場合は結合できない、上記ステップ、そして任意により
第2の抗原結合部位に結合したレポーター分子の量を測定するステップ
を含む方法。 - 試料中の分析物を測定するためのキットであって、
(i)前記分析物の類似体、
(ii)レポーター分子、および
(iii)前記分析物または前記分析物類似体と結合することが可能な第1の抗原結合部位と、前記レポーター分子と結合することが可能な第2の抗原結合部位を有する抗体
を含み、
第2の抗原結合部位は、第1の抗原結合部位が分析物に結合した場合は前記レポーター分子と結合できるが、第1の抗原結合部位が分析物類似体に結合した場合は結合できないものである、上記キット。 - 前記分析物をさらに含む、請求項39に記載のキット。
- 前記分析物が、ラテラルフローアッセイまたはディップスティックアッセイなどの固相アッセイによって測定される、請求項39または40に記載のキット。
- 前記分析物が、コカインまたはベンゾイルエクゴニンなどの乱用薬物またはその代謝産物である、請求項30〜35のいずれか一項に記載の方法。
- 修飾された結合媒介物であって、結合媒介物が分析物または分析物類似体と結合することができる分析物結合部位を有し、該修飾が、その修飾された結合媒介物が前記分析物に結合した場合はレポーター分子と検出可能に相互作用するが、その修飾された結合媒介物が前記分析物類似体に結合した場合は相互作用しないように適合されたレポーター部位の形成を含む、上記修飾された結合媒介物。
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