JP4657210B2 - 分析物と分析物類似体を区別するための方法及び材料 - Google Patents

分析物と分析物類似体を区別するための方法及び材料 Download PDF

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Description

本発明は、分析物用生物学的アッセイに関し、特に、分析物と結合媒介物間の複合体をレポーター分子によって検出するアッセイであって、このレポーター分子は、結合媒介物が分析物と複合体を形成した場合は結合媒介物と複合体を形成することができるが、結合媒介物が分析物類似体と複合体を形成した場合は複合体を形成することができない、上記アッセイに関する。
免疫診断法は、臨床領域内外で非常に役立つことが判明している。食物試験、環境試験、および法医学的適用があるが適用例の数例にすぎない。方法の確かさ、精度、および利便性によって、家庭用キットから高性能研究室用自動分析装置にわたる適用例がもたらされている。特に、高分子量の分析物に関する免疫測定技術の開発は目覚しい成功を収めている。そのような技術のある種の利点は、分析物濃度の上昇に伴いシグナルも上昇することである。
古典的な競合アッセイ型式は大変広く使用されているが、それは分析物と分析物類似体間に結合部位について競合を発生させ、その後どれくらいの分析物類似体が結合部位に結合したかを測定することに依存する点で基本的な難さがある。従って、それらのアッセイ型式は、どれくらいの分析物が結合したかを直接には測定していない。そのような方法は、ELISA and Other Solid Phase Immunoassaysの第1章、DM Kemeny & SJ Challacombe編, Wiley発行, 1988に記載されている。分析物によって占有されなかった結合部位数を測定する他の間接的アッセイは、WO95/04931号およびWO92/19973号に記載されている。
米国特許第5,641,690号には、特異的結合媒介物を使用する分析物の測定方法が開示されている。分析物を分析物類似体と混合し結合媒介物に接触させる。分析物と結合媒介物間の複合体を抗体によって検出するが、典型的にはこの抗体は結合媒介物上の部位に特異的である。しかし、分析物類似体が結合媒介物に結合した場合は、分析物類似体が抗体と結合媒介物間の結合を妨害するように分析物類似体を設計する。このアッセイは、分析物によって占有された結合部位数を直接測定し、それによって分析物結合の間接的検出に依存するアッセイよりも感度が高く正確なアッセイを可能にする方法を提供する。しかし、こうしたアッセイは、選択した分析物類似体によって遮断される結合パートナーとその抗体の相互作用のための分析物結合部位に十分に近接して結合する抗体を生成できるかどうかに依存する。これは、時間も費用も嵩みかねない。
概して、本発明は、上記のように米国特許第5,641,690号に記載したアッセイに類似するアッセイに関し、分析物と結合媒介物間の複合体はレポーター分子によって検出され、このレポーター分子は、結合媒介物が分析物と複合体を形成した場合は結合媒介物に結合することができ、結合媒介物が分析物類似体と複合体を形成した場合は結合しないものである。従って、結合媒介物は、分析物または分析物類似体に結合することができるが、同時に両方には結合しない分析物結合部位を有している。
その最も広範な形態では、本発明は、分析物または分析物類似体と結合することが可能な分析物結合部位を有する結合媒介物を修飾する方法であって、該修飾は、その修飾された結合媒介物が前記分析物に結合した場合はレポーター分子と検出可能に相互作用するが、その修飾された結合媒介物が前記分析物類似体に結合した場合は相互作用しないように適合されたレポーター部位を形成することを含む上記方法を提供する。こうした方法によって生成される修飾された結合媒介物も提供する。
本発明は、試料中の分析物を測定する方法であって、
(a)分析物または分析物類似体と結合することが可能な分析物結合部位を有する結合媒介物を修飾するステップであって、該修飾が、その修飾された結合媒介物が前記分析物に結合した場合はレポーター分子と検出可能に相互作用するが、その修飾された結合媒介物が前記分析物類似体に結合した場合は相互作用しないように適合されたレポーター部位を形成することを含むステップ、および
(b)試料を
(i)前記分析物の類似体、
(ii)前記修飾された結合媒介物、および
(iii)前記レポーター分子
と接触させるステップ、そして任意により
(c)修飾された結合媒介物と相互作用するレポーター分子の量を測定するステップ
を含む方法を提供する。
この方法は、レポーター部位の位置および性質を制御することによって、結合媒介物が特定のアッセイに適応できるようにする。とりわけ、この方法によって異なる結合媒介物が関与するアッセイで単一レポーター分子を使用できるようになり得る。多様な結合媒介物が全て、同じレポーター部位を含むように設計できるからである。
この方法によりそのようなアッセイのための分析物類似体の標準化が可能になるであろう。特定の形状および/または大きさの分析物類似体が、修飾された結合媒介物に結合することによって、そのレポーター部位とレポーター分子の相互作用が干渉されるように、レポーター部位の位置および性質を選択することができる。これによって一般的な構造フレームワークまたは分子骨格を中心として分析物類似体を設計できるようになり得る。
結合媒介物は、分析物に結合することが可能ないかなる適当な分子でもよい。以下にさらに詳細に記載するように、結合媒介物と分析物は特異的な結合対を形成することが好ましい。好ましい実施形態では、結合媒介物は抗体または酵素である。
好ましい実施形態では、レポーター分子はレポーター部位に結合することができる。次いで、レポーター部位とレポーター分子の結合は、任意の適当な方法によって検出し得る。レポーター部位とレポーター分子が特異的結合対を形成することも好ましい。
従って、修飾された結合媒介物は、分析物とレポーター分子に同時に結合できるが、レポーター分子と分析物類似体には同時に結合しない。すなわち、分析物類似体は、修飾された結合媒介物に結合した場合には、レポーター分子とレポーター部位間の結合に干渉する。
分析物類似体は、立体障害、静電反発、または他のいかなる適当な機序によって前記レポーター分子と前記結合媒介物間の結合を妨害し得る。
レポーター部位は、結合媒介物を化学的に修飾することによって、または結合媒介物をコードする核酸を修飾することによって作出し得る。レポーター部位は、レポーター分子への近接によって、またはその逆によって検出可能な修飾された特性を有する部分を含みうる。例えば、レポーター部位およびレポーター分子は、それぞれ、2つの蛍光標識が互いに密接した場合、その発光スペクトルが変化する蛍光標識を含んでよい。
あるいは、レポーター部位は、特異的レポーター分子が結合することができる標識を含んでよく、例えば、レポーター部位はアビジンもしくはストレプトアビジン(または抗ビオチン抗体)と結合すること/結合されることが可能なビオチン部分を含んでもよいし、または既知の結合パートナーを有するペプチド配列でもよい。好ましい実施形態では、レポーター部位は、モノクローナル抗体など、抗体に対する既知のエピトープである。
本発明のある種の化学修飾法は、選択的切断可能基によって分離される二官能基または三官能基を含むことが可能な反応物を利用する。これは、結合媒介物中に標識を導入する方法とみなしてよく、標識は適当なレポーター分子によって検出できるものである。従って、上記のように、標識はレポーター部位を構成してよい。しかし、これらの方法は他の状況においても適用可能と思われる。
従って、本発明は、さらに、分析物結合部位を有する結合媒介物の標識方法であって、
前記結合媒介物と標識反応物の間で複合体を形成させるステップであって、前記標識反応物は標的化部分と反応基を含み、前記標的化部分が前記結合部位へ結合することによって前記複合体が形成されるステップ、
前記反応基を前記結合媒介物と反応させるステップ、および
前記標的化部分を前記結合媒介物から解離させるステップ
を含む方法を提供する。
標的化部分は、結合部位に結合することが可能な分析物、またはその断片もしくは模倣体を含みうる。
結合媒介物と標識反応物の反応基の間の反応は、照射、pHもしくは温度変化、酸化剤もしくは還元剤の添加などによって開始し得る。反応基は、光活性化可能な部分であることが好ましい。
結合部位からの標的化部分の解離に続き、標的化部分が結合部位と相互作用できなくなるように、標的化部分を化学的に誘導体化してもよい。本明細書に記載したように、標識化結合媒介物を分析物についてのアッセイで使用する場合、そのように誘導体化した標的化部分は、レポーター部位として機能し得る。
あるいは、標識反応物は、選択的切断可能基を標的化部分と反応基の間に位置させて含んでよい。この方法は、さらに、前記選択的切断可能基を切断するステップを含んでよい。切断は、標的化部分が分析物結合部位から解離する前または後に行ってよい。
選択的切断可能基は、照射、pHもしくは温度変化、酸化剤もしくは還元剤の添加などによって切断可能でありうる。選択的切断可能基は、反応基が結合媒介物と反応するのに必要な条件とは異なる条件下で切断されるのが好ましい。
好ましい実施形態では、選択的切断可能基は、還元または照射によって切断することができる。特に好ましい実施形態では、特に反応基が光活性化可能な部分である場合は、選択的切断可能基はジスルフィド結合である。
標識反応物は、さらに、標識部分を含んでよい。あるいは、標識部分は、標識反応物が結合媒介物に結合した後に標識反応物に結合してよい。標識部分は、前記選択的切断可能基の切断により生じた基を介して標識反応物に結合し、または標識反応物は選択的切断可能基とは別個の反応基をさらに有し、標識部分のそのような結合を促進することも可能である。
標識反応物は、Sulfo−SBED(Geselowitz & Neumann (1995) Bioconjugate Chem, 6, 502-506)などの三官能基反応物を含み得る。
結合媒介物は、例えば抗体または酵素でありうる。結合媒介物が抗体である場合は、標識反応物の標的化部分は、前記抗体の同族エピトープを含み得る。
結合媒介物が酵素である場合は、標識反応物の標的化部分は、前記酵素の基質または該基質の修飾因子を含み得る。特に、分析物が酵素の基質である場合は、酵素を不活化させ、その結果、分析物を酵素によって化学的に修飾することなく、活性部位に結合させることができるようになる。
さらに、試料中の分析物の測定に使用するキットの製造方法であって、
(a)分析物または分析物類似体と結合することが可能な分析物結合部位を有する結合媒介物を修飾するステップであって、該修飾が、その修飾された結合媒介物が前記分析物に結合した場合はレポーター分子と検出可能に相互作用するが、前記修飾された結合媒介物が前記分析物類似体に結合した場合は相互作用しないように適合されたレポーター部位を形成することを含むステップ、および
(b)以下を一緒にパッケージングするステップ
(i)前記修飾された結合媒介物
(ii)前記レポーター分子
(iii)前記分析物類似体
を含む方法を提供する。
結合媒介物は、本明細書に記載した任意の方法によって修飾し得る。
キットには、さらに、(例えば、アッセイを行うための検量線構築用に)分析物自体、および/または並置型アッセイを実施するための1組の使用説明書を含めてよい。
本明細書に記載したような結合媒介物の修飾は、分析物に特異的な第1の抗原結合部位と、レポーター分子に特異的な第2の抗原結合部位を有する二重特異性抗体の形成を含んでよく、第2の抗原結合部位は、上記の結合媒介物のレポーター部位とみなすことができる。
従って、ある種の実施形態では、試料中の分析物を測定する方法であって、前記試料を
(i)前記分析物または分析物類似体と結合することが可能な第1の抗原結合部位、およびレポーター分子と結合することが可能な第2の抗原結合部位を有する抗体、
(ii)前記分析物類似体、および
(iii)前記レポーター分子
と接触させるステップであって、第2の抗原結合部位は、第1の抗原結合部位が分析物に結合した場合は前記レポーター分子と結合できるが、第1の抗原結合部位が分析物類似体に結合した場合は結合できない、上記ステップ、そして任意により
第2の抗原結合部位に結合したレポーター分子の量を測定するステップ
を含む方法を提供する。
さらに、試料中の分析物を測定するためのキットであって、
(i)前記分析物の類似体、
(ii)レポーター分子、および
(iii)前記分析物または前記分析物類似体と結合することが可能な第1の抗原結合部位と、前記レポーター分子と結合することが可能な第2の抗原結合部位を有する抗体
を含み、
第2の抗原結合部位は、第1の抗原結合部位が分析物に結合した場合は前記レポーター分子と結合できるが、第1の抗原結合部位が分析物類似体に結合した場合は結合することができないものである、上記キットを提供する。
キットには、さらに、(例えば、アッセイを行うための検量線の構築用に)分析物自体、および/または並置型アッセイを実施するための1組の使用説明書を含めてよい。
本明細書に記載したアッセイのいずれも固相で実施することができる。従って、上記キットは、固相アッセイ、例えば、分析物の存在を判定するためのラテラルフロー型アッセイを提供しうる。キットは、生体液、例えば、尿、血液、唾液、精液、涙または他の分泌物など、体液中の分析物の存在を検出するために使用してよい。
本発明は、修飾された結合媒介物、および所望の分析物についてのアッセイにおけるその使用を提供し、このアッセイは、レポーター分子が、結合媒介物と分析物との間の複合体には(例えば、その複合体への結合によって)検出可能に相互作用するが、レポーター分子と分析物類似体との間の複合体には結合しない該レポーター分子の能力に依存する。典型的には、分析物類似体は、例えば、立体障害または静電反発によって、レポーター分子が類似体/結合媒介物複合体へ結合するのを妨害するが、他の可能な機序も当業者には明らかである。特異的に修飾された結合媒介物を使用することによって、アッセイの標準化など、上記のようにいくつかの利点がもたらされる。
結合媒介物は、レポーター分子と相互作用するレポーター部位を形成するために、化学的に、または遺伝子組換えによって修飾しうる。好ましい実施形態では、レポーター分子は、レポーター部位に結合することできる。
従って、アッセイは、2種の主要な分子相互作用、すなわち第一に、結合媒介物の結合部位と、分析物または分析物類似体との間の相互作用、第二に、結合媒介物のレポーター部位と、(分析物類似体が結合媒介物に結合することによってその相互作用が妨害される)レポーター分子との間の相互作用に依存する。
結合部位と分析物/類似体との間の相互作用は特異的相互作用であることが好ましい。「特異的」とは、結合媒介物の特定の結合部位が、アッセイで分析物または類似体以外の分子に何らかの有意な結合性を示さないことを意味する。アッセイでは、結合部位の分析物または類似体への親和性は、他の分子への親和性に比べて少なくとも10倍を超えることが好ましく、20倍を超えることが好ましく、50倍を超えることが好ましく、100倍を超えることがより好ましい。典型的には、結合部位の他の分子への親和性は、分析物または類似体への親和性の約1000分の1である。
結合媒介物は、分析物への親和性と同じまたは実質上同じ親和性を類似体にも有するのが好ましい。典型的には、分析物類似体は、結合媒介物によって認識されるのと同じ分析物分子部分(以下を参照)、またはその断片もしくは模倣体を含む。類似体は、結合部位に対して誘起された抗体など、分析物結合部位に結合することが可能な他の部分を含んでよい。例えば、結合媒介物が分析物に対して誘起された抗体である場合は、分析物類似体はその抗原結合部位に対して誘起された抗イディオタイプ抗体でよい。
従って、分析物(および類似体)は、結合媒介物の結合部位と特異的結合対を構成することが好ましい。
特異的結合対という用語は、特異的な結合メンバー(sbm)とその結合パートナー(bp)を含む1対の分子について説明するために使用され、この結合対は互いに対して特定の特異性を有し、正常な状態では他の分子への結合に優先して互いに結合する。特異的結合対の例には、抗原と抗体、(ホルモンなどの)リガンドと受容体、アビジン/ストレプトアビジンとビオチン、相補的ヌクレオチド配列がある。当業者ならば、他に多くの例を考えることができ、それらをここに例示する必要はない。さらに、用語「特異的結合対」は、特異的結合メンバーおよび結合パートナーの一方または両方が、大型分子の結合部分しか含まない場合にも適用できる。従って、抗体に関して、特異的結合メンバーは、抗原のエピトープ、または抗原に特有もしくは特徴的ではあるが、キャリア蛋白質と複合体化した場合を除き抗体応答を刺激することが不可能な短い配列に結合できる抗体ドメイン(ドメインに結合する抗体)を含むだけでもよい。
レポーター分子が、レポーター部位に結合できる場合、レポーター分子の結合媒介物/分析物複合体への親和性は、結合媒介物/分析物類似体複合体への親和性の少なくとも10倍を超え、20倍を超えることが好ましく、50倍を超えることが好ましく、100倍を超えることがより好ましい。
レポーター分子は、レポーター部位に特異的であり、先に分析物/類似体と結合部位に対して記載したのと同じように(必要に応じて変更を加える)、レポーター部位と特異的結合対を構成するのが好ましい。
結合媒介物
典型的には、結合媒介物は蛋白質であるが、分子インプリント(mips)またはアプタマーなどの任意の結合媒介物であってよい。
適当な結合媒介物の例には、基質または修飾因子としてその分析物を有する酵素が含まれる。修飾因子の例には、競合的なまたはアロステリックな阻害因子や活性化因子が含まれ、それらは酵素分子上の活性部位または他の部位に結合することによってその生理作用を発揮し得る。分析物が酵素の基質である場合は、酵素は不活化され、その結果、酵素が分析物を構造的に変化させまたは修飾することもなく、したがってアッセイも損なわれないであろう。これは、(例えば、触媒作用的に重要な活性部位残基の)変異誘発、補因子の除去などによって実現し得る。あるいは、補基質など、別の必要な分子がアッセイ培地中に存在しないので、酵素が分析物に作用することは不可能であろう。
結合媒介物の例には、さらに、レクチン、受容体分子、および例えば葉酸塩結合蛋白質などのビタミン結合蛋白質などの結合蛋白質など、生理学的結合官能基を有する分子が含まれる。
さらに好ましい結合媒介物は、抗体、T細胞受容体、MHC分子などの免疫学的に重要な分子であり、抗体が特に好ましい。従って、分析物結合部位は抗体の抗原結合部位であるのが好ましい。
結合媒介物として分子インプリントを使用することもできる。これらは、標的分析物の周囲にプラスチックポリマーを形成し、形成したポリマーから分析物を抽出し、次いでポリマーを微粉末に粉砕することによって作製することができ、Nonbiological Alternatives to Antibodies in Immunoassays; Principles and Practice of Immunoassay (second edition) Chapter 7 pp 139-153, CP Price & DJ Newman編 (1997)に記載されている。
アプタマーは、他の分子に結合するその能力を基準としてライブラリから選択されたDNAまたはRNA分子である。他の核酸、蛋白質、小さな有機化合物、さらには生物全体に結合することができるアプタマーが選択されている。
結合媒介物は、一価であるのが好ましい。これは、化学修飾によって修飾された結合媒介物分子が、ある隣接する結合部位は正確に修飾したが、他の隣接する結合部位は不適切に修飾したということがないようにする。
抗体
抗体全体のフラグメントが、結合する抗原の機能を果たせることは分かっている。従って、本明細書で使用する用語「抗体」は、抗体の結合フラグメントを含むどんな分子も包含することになり、結合媒介物および結合部位という用語はそれに応じて解釈されるものとする。結合フラグメントの例には、(i)VL、VH、CL、およびCH1ドメインからなるFabフラグメント、(ii)VHおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント、(iii)単一抗体のVLおよびVHドメインからなるFvフラグメント、(iv)VHドメインからなるdAbフラグメント(Ward, E.S. et al., Nature 341, 544-546 (1989))、(v)単離されたCDR領域、(vi)2個の連結したFabフラグメントを含む二価のフラグメントであるF(ab’)2フラグメント、(vii)2個のドメインが会合して抗原結合部位を形成できるようにするペプチドリンカーによって、VHドメインおよびVLドメインが連結している一本鎖Fv分子(scFv)(Bird et al, Science, 242, 423-426, 1988; Huston et al, PNAS USA, 85, 5879-5883, 1988)である。好ましい実施形態では、結合媒介物は分析物に特異的な単一抗原結合部位、すなわち一価の抗体または抗体フラグメントを含む。
二重特異性抗体もまた本発明での使用が具体的に企図される(以下を参照)。
結合媒介物の修飾
結合媒介物は、レポーター部位を形成するために、いかなる適当な方法によって修飾してもよい。
好ましい実施形態では、結合媒介物を変異誘発(例えば、部位特異的変異誘発)して分子中に自然に存在しないペプチド配列を導入することによってレポーター部位を形成することができる。そのような配列は、抗体に対するエピトープを提供することが可能であり、または本明細書に記載のアッセイ方法でレポーター分子として使用するのに適当な別の分子に結合することが知られている。その配列は、FLAGエピトープタグなどの既存の抗体に対する既知のエピトープでありうる。
あるいは、抗体は、ペプチド配列または修飾された結合媒介物に対して誘起することができ、例えば、適当な哺乳動物を修飾された結合媒介物によって免疫することによって産生することができる。免疫する動物は、未修飾結合媒介物に対して寛容であることが好ましく、その結果、抗体はレポーター部位に対して優先的に誘起される。これは、その結合媒介物が本来得られた種の中で抗体を誘起させることによって実現し得る。変異誘発が、多数の新規な残基の導入を必要としないことは注目すべきである。分子表面上に新規なエピトープを得るためには、単一変異(例えば、単一のアミノ酸残基の欠失、挿入、または置換)で十分であろう。変異誘発は、親分子上に存在しない新規な糖鎖形成部位も作出し得る。真核細胞中で発現させることによって、親分子上には存在しない炭水化物が付加され、これがレポーター部位として役立ち得る。
変異誘発は、変異誘発に対して耐性のある結合媒介物の一領域で実施するのが好ましい。これは、分析物に対する結合媒介物の親和性が著しくは低減されないことを意味し、親和性の低減は1桁未満であることが好ましい。
その好ましい位置は、明らかに結合媒介物の性質に依存するが、一般的には、柔軟であり、所定の高次構造(例えば、αへリックス、β鎖、またはβターン立体配置)を持たず、分析物に対して結合部位部分を形成しない分子表面ループがしばしば適当である。例えば、修飾に適当な抗体領域は、抗原結合部位に近接したFv領域中のフレームワーク領域である。
変異誘発による修飾は、結合媒介物中に短いペプチドエピトープなどの導入に限定されない。これは、結合媒介物と、別の蛋白質のサブユニットもしくは部分とを含む融合蛋白質の生成にも広げてよい。例えば、融合パートナーのエピトープは、レポーター部位を形成し得る。あるいは、融合パートナー自体が、上記のように結合媒介物自体に特異的な結合パートナーのための生物学的結合機能を有してよく、例えば、それは、特定のリガンド、基質、または同族抗原に結合することが可能な受容体、酵素または抗体でありうる。
分析物類似体が結合媒介物に結合することは、融合パートナーがその特異的結合パートナーに結合するのを妨害する可能性がある。従って、その特異的結合パートナーに結合する融合パートナーのその一部は、レポーター部位とみなしてよく、従って特異的結合パートナー自体をレポーター分子とみなしてよい。
従って、結合媒介物は、二重特異性抗体を含むと考えられ、本発明のこの態様をさらに詳細に以下に記載する。
さらに好ましい技術には、標識反応物を結合媒介物に、好ましくは結合媒介物表面に化学的に結合することが含まれ、その結果、(標識と称してよい)標識反応物の残基がレポーター分子の結合のためのレポーター部位として機能する。典型的には、標識は結合媒介物のアミノ酸側鎖に結合する。標的側鎖の種類に応じて、いかなる適当な結合化学を使用してよい。
修飾された結合媒介物が、記載したアッセイ方法での使用に適当であるためには、分析物類似体が結合媒介物に結合することによっては遮断され得る部位であるが、分析物自体の結合によっては遮断されない部位にのみ標識を導入することが重要である。好ましくは、分析物類似体が結合した場合にレポーター分子が到達できる標識が結合媒介物上に存在してはならない。すなわち、部位の選択は、結合媒介物、分析物、分析物類似体、およびレポーター分子の種類によって決定される。
標識反応物は、結合反応に利用可能な一位置にしか存在しない種類のアミノ酸残基、例えば特有のアミノ酸残基、すなわち結合媒介物分子中のどこにも見出されない種類の残基を標的化することが好ましい。そのような残基は変異誘発(例えば、部位特異的変異誘発)によって結合媒介物中に導入することができる。例えば、システイン残基を他のシステインを欠く分子中に導入してもよいし、あるいは折り畳まれた分子中のジスルフィド結合の形成に他の全てのシステインが関与している分子中に導入してもよく、それにより(例えばビオチンマレイミドへの)結合に適当な遊離スルフヒドリル基を得る。
標識は、レポーター分子と相互作用(例えば結合)することができる任意の部分でありうる。従って、エピトープとその同族抗体(上記のように、エピトープがペプチド、ハプテン、または他の抗原決定基であるかどうか)、ビオチンとアビジン/ストレプトアビジンもしくは抗ビオチン抗体、炭水化物とレクチン、相補的核酸など、生物学的アッセイで従来より使用されている多くの特異的結合対は、標識およびレポーター分子として使用することができる。特に好ましいものは、抗ビオチン抗体と組み合せたビオチンであり、IgM抗体が特に好ましい。
上記のように、結合官能基を有する他の分子を使用して、レポーター部位を形成することもできる。結合媒介物との融合物中に組み込むことが可能と思われる任意の分子または分子の一部もしくはドメインを、通常、結合媒介物に化学的に連結することができる。従って、可能性ある標識部分としては、抗体、受容体、結合蛋白質、酵素などが含まれる。上に既に述べたように、その場合、レポーター分子のレポーター部位への結合は、分析物類似体の結合媒介物への結合によって妨害することができる。
使用する特定の結合化学は、結合媒介物および標識反応物の性質によって決まり、例えば、Bioconjugate Techniques by Greg T. Hermanson, Academic Press 1996(ISBN 0-12-342335-X)を参照されたい。結合は、抗体を酵素に結合するために当技術分野で従来より使用されている結合試薬など、慣用の結合試薬の使用によって実現することができる。適当な試薬には、以下のものが含まれる:グルタルアルデヒドなどのアルデヒド、およびChemistry of Protein Conjugation and Cross-Linking by Shan S. Wong, CRC Press 1991に記載されているものなど、他のヘテロ二官能基試薬、例えば、N−スクシイミジル3−[2−ピリジイジチオールプロピオネート)(SPDP)、(m−マルクイミドベンゾイルN−ヒドロキシスクシンイミドエステル)(MBS)、(スクシイミジル4−[N−マレイミドメチルシクロヘキサネル−カルボキシレート)(SMCC)、(N−ヒドロキシスクシンイミジイ−2,3−ジブロモプロプリオネート)(SDBP)、(1,5ジフルオロ−2,4ジニトロベンゼン)(DFDNB)、(ビス−[f3−(4−アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド)(BASED)。
結合媒介物の特定の部分に標識を標的化するためには、標的化標識反応物を使用することもできる。
適当な標識反応物には、少なくとも反応基と、結合媒介物上の選択した標的化部位に可逆的に結合可能な標的化部分を含めてもよい。典型的には、反応基は、所与の条件下で特異的アミノ酸側鎖と反応することができる。これら二官能基間のスペーサー基を適切に選択することによって、反応基が反応できる標的化部位からの距離、従って標識反応物が結合媒介物に結合できるようになる標的化部位からの距離が決定される。
標識反応物は、分析物結合部位に近接する位置を標的化するのが好ましい。そのような実施形態では、標的化部分は、結合媒介物の結合部位が認識し結合することが可能な、分析物自体、またはその断片もしくは模倣体であることが好ましい。
従って、概して、本明細書に記載したようなアッセイで使用するための結合媒介物を修飾する方法であって、
(a)前記結合媒介物と標識反応物の間で複合体を形成させるステップであって、標識反応物は結合媒介物上の標的化部位と可逆的に会合することが可能な標的化部分と反応基を含む、上記ステップ、前記反応基を前記結合媒介物と反応させるステップ、および前記標的化部分を前記結合媒介物から解離させるステップを含む方法を提供する。
標的化基を適切に選択することによって、この方法は、本明細書に記載のアッセイで使用するのに適したいずれの結合媒介物にも適用することができる。特に、本明細書に記載したような分析物結合部位を有する結合媒介物であり、かつ本明細書に記載したようなアッセイでの使用に適したいずれの結合媒介物も、標的化部分として分析物またはその模倣体を使用することによって、このように修飾し得る。
本発明は、さらに分析物結合部位を有する結合媒介物の標識方法であり、
前記結合媒介物と標識反応物の間で複合体を形成させるステップであって、前記標識反応物は分析物結合部位と結合することが可能な標的化部分と反応基を含み、前記標的化部分が前記結合部位へ結合することによって前記複合体が形成される上記ステップ、前記反応基を前記結合媒介物と反応させるステップ、および前記標的化部分を前記結合媒介物から解離させるステップを含む方法を提供する。
標識反応物の反応基の性質に応じて、結合媒介物と標識反応物の反応基との間の反応は、照射、pHもしくは温度変化、酸化剤もしくは還元剤の添加などによって開始し得る。好ましい実施形態では、反応基は光活性化可能な部分であり、例えば、アリールフェニル、アリールアジド、ペルフルオロ化アリールアジド、ベンゾフェノン、またはジアゾ基である。
典型的には、標的化部分と標識反応物の反応基は柔軟なリンカー基によって結合する。分析物部分が、結合媒介物の結合部位に会合した場合は、リンカー基は十分柔軟でなければならず、それによって反応基が反応可能な結合媒介物の表面上の基に反応基は到達できるようなり、他方で本明細書に記載したアッセイで修飾された結合媒介物が依然として使用できることを確実にするためにリンカー基は十分に短くなくてはならない。すなわち、分析物についてのアッセイにおいて、分析物類似体が結合部位に結合した場合は、レポーター分子と相互作用することができないように、標識は結合部位に十分に近接して結合しなくてはならない。リンカーとしては、炭化水素鎖、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族もしくはヘテロ芳香族鎖、ポリマー鎖、またはポリペプチドもしくは核酸鎖が含まれる。
続いて、標識反応物の標的化部分を、それがアッセイにおいてさらに結合部位と相互作用し、結合部位と分析物との間の相互作用の遮断を妨害するように誘導体化してもよい。
あるいは標的化部分は、結合部位からの解離前後に標識反応物から切断してよい。従って、選択的切断可能基は、標的化部分と反応基の間に位置し、典型的には上記のリンカー基中に位置してよい。
選択的切断可能基の性質に応じて、標的化部分は、照射、pHもしくは温度変化、酸化剤もしくは還元剤の添加などによって切断可能である。選択的切断可能基の切断に必要な条件は、反応基と結合媒介物の間の反応の開始に必要な条件とは異なるのが好ましい。好ましい実施形態では、選択的切断可能基は、還元または照射(1−(2−ニトロフェニル)−エチル部分などの光切断可能な基)によって切断可能である。特に好ましい実施形態では、特に、反応基が光活性化可能な部分である場合は、選択的切断可能基はジスルフィド結合である。
標識反応物は、さらに標識部分を含んでよい。誘導体化された標的化部分は、標識部分とみなしてよい。選択的切断可能基の切断による分析物/模倣体の放出後の標識反応物残基であるからである。
あるいは、別の標識部分を標識反応物に結合する前に、標識反応物を結合媒介物に結合してよい。標識部分は、前記選択的切断可能基の切断によって生じた基を介して標識反応物に結合してよく、または標識部分のそのような結合を促進するために、標識反応物は選択的切断可能基とは別個の反応基をさらに保持してよい。標識部分の機能は、(少なくとも部分的には)レポーター部位として機能することであり、従って本明細書に記載したようなレポーター部位として機能することが可能ないずれの基も標識部分を構成し得る。
結合媒介物は、例えば抗体や酵素でありうる。結合媒介物が抗体である場合は、標識反応物の標的化部分は前記抗体の同族エピトープを含んでよい。
結合媒介物が酵素である場合、標識反応物の標的化部分は、前記酵素の基質または修飾因子を含んでよい。特に、分析物が酵素の基質である場合は、酵素を不活化してもよく、その結果、分析物は酵素によって化学的に修飾されることなく、活性部位に結合することができる。
この方法は、特に抗体の修飾に適当であり、その際、抗体の抗原結合部位は標的化部位として機能し、その同族エピトープは標識反応物の標的化基として機能する。
従って、同族抗原のエピトープに対する結合部位を有する抗体を修飾する方法であって、
(a)前記抗体と標識反応物の間で複合体を形成するステップであって、前記標識反応物が同族抗原またはその模倣体の前記エピトープと、それらの間に選択的切断可能基を有する反応基を含む、上記ステップ、
(b)反応基を抗体と反応させるステップ、
(c)選択的切断可能基を選択的に切断するステップ、および
(d)エピトープまたは模倣体を抗体から解離するステップ
を含む方法をさらに提供する。
上記方法は、本明細書に記載の種類のアッセイでそのように生じた修飾された結合媒介物を使用するステップをさらに含んでよい。
反応基と結合媒介物の間の反応は、コンジュゲーションの所望の領域から望ましくない活性種の結合を低減するために、クエンチャー物質の存在下で行ってよい。あるいは、標識反応物を結合媒介物とインキュベートし、続いて遊離の過剰な標識反応物を結合媒介物−標識反応物複合体から分離した後、2個の分子間の反応を開始してよい。例えば、分離は、高速サイズ排除カラムクロマトグラフィーまたは透析によって実施してよい。
反応後、必須ではないが、未反応(従って未修飾)結合媒介物、および/または不適当な部位でコンジュゲーションによって修飾された結合媒介物を除去することは有用である。未反応結合媒介物は、例えば、レポーターに結合させたアフィニティカラムでの精製によって除去することができ、未修飾結合媒介物はレポーターに結合せず、それを除去した後に結合変化物質を回収し得る。不適切な修飾された結合媒介物は、反応混合液を分析物類似体と混合し、それを再度レポーターアフィニティカラムに通すことによって除去することができる。適切にコンジュゲートした物質は通り抜けるが、不適切に結合した部分を有する分子はそうはならない。
結合媒介物は、一価であることが好ましく、それによって異なる結合部位が異なる方法で修飾されて反応物の有効性が減退されるということがない。
米国特許第5,532,379号(Fujimoto)は、こうした方法で使用される標識反応物の主鎖として使用し得る三官能基反応物について記載している。その中で記載されているように、そうした反応物はビオチン部分、NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)活性エステル、および光活性化可能なアリールアジドを含む三官能基化合物であり、各部は中心のCH基から依存している。ジスルフィド結合を含むリンカー基は、中心CH基と、NHSエステルおよびアリールアジドの少なくとも1個との間に存在する。
本発明に適用されるように、標的化部分を反応性NHS基によって三官能基主鎖と連結してもよい。ジスルフィド結合または他の適当な選択的切断可能基は、中心CH基と標的化部分の間に位置するが、CH基と反応基として機能するアリールアジド基の間には位置しない。従って、Pierce and Warriner、製品番号33033)から購入することができ、米国特許第5,532,379号に記載されている化合物Sulfo−SBED(スルホスクシンイミジル−2−[6−(ビオチンアミド)−2−(p−アジドベンズアミド)−ヘキサノアミド]エチル−1,3’−ジチオプロピオネートが、特に、そのような方法での使用に適当である。
ビオチン官能基を持たない同様の化合物は、二官能基分子として上記標識方法での適用に使用できるであろう。アリールアジドと結合媒介物の反応、およびジウルフィド結合の切断による標的化部分の放出の後に、標識を遊離チオールとコンジュゲートさせ、そのように形成されたものをレポーター基として使用してよい。あるいは、分子の残基はレポーター基として機能するであろう。分子の残りの部分に対して誘起させた抗体をレポーター分子として使用することも可能であろう。
使用中、標識反応物を結合媒介物とインキュベートすると、これらは標的化部分と標的化部位を介して会合するようになる。化学量論的当量を使用してよいが、過剰な標識反応物を使用する場合は、調製用HPLCなど、適当な分離技術によってこれを系から除去してよい。
アリールアジドを照射によって誘発して結合媒介物と反応させ、この標識反応物を結合媒介物に共有結合的に連結する。次いで、選択的切断可能基を切断(例えば、ジチオトレイトールまたはβ−メルカプトエタノールで処理することによってジスルフィド結合を還元)して、複合体の残りの部分から標的化部分を分離し、結合媒介物から解離した後にその標的化部分を除去することもでき、除去は、例えば単純透析やサイズ排除クロマトグラフィーによって、任意でカオトロピック剤などの解離剤や条件を使用することによって行う。
米国特許第5,532,379号に記載されているビオチン部分は、標識部分として使用してよく、または他のいかなる適当な標識部分を代用してもよい。あるいは、三官能基主鎖の一部として別の反応基を含めてもよく、適当な標識部分を添加する前に、標識反応物を結合媒介物に共有結合的に連結してもよい。さらに別法として、この官能基を標識反応物から取り除き、標識部分を導入する前に、今や遊離基となった基(例えばスルフヒドリル基)を介して、標識反応物を結合媒介物に共有結合で連結してもよく、この遊離基は選択的切断可能基の切断により標的化部分が放出されて生じている。
分析物またはエピトープの模倣体は、任意の適当な方法によって設計することができる。典型的には、結合媒介物への結合を測定する際に決定的でかつ/または重要な分析物またはエピトープの特定の部分を決定する。ペプチドの場合には、ペプチド中で様々なアミノ酸残基を系統的に変化させることによって、例えば、各残基を順次置換することによって、この決定を行うことができる。化合物の活性領域を構成するこうした部分または残基は、その「ファルマコフォア」として知られている。
ファルマコフォアが見出された後は、様々な供給源、例えば分光技術、X線回析データ、NMRから得られたデータを使用し、その物性、例えば立体化学、結合、大きさ、および/または電荷に従ってその構造をモデル化する。コンピュータ分析、(原子間結合ではなくファルマコフォアの電荷および/または体積をモデル化する)類似性マッピング、および他の技術をこのモデル化過程に使用することができる。
この手法の変法では、分析物もしくはエピトープおよび結合媒介物の三次元構造をモデル化する。これは分析物/エピトープまたは結合媒介物が、結合時の高次構造を変化させる場合に特に有用であり、模倣体の設計においてモデルがこの変化を考慮できるようなる。
次いで、ファルマコフォアを模倣する化学的基をその上にグラフト化することができる鋳型分子を選択する。鋳型分子およびその上にグラフト化した化学的基は、好都合に選択することができ、その結果、その結合特性、および標識で使用する個々の方法に応じた他のいかなる望ましい特徴も維持しつつ、模倣体は容易に合成される。次いで、この手法によって見出される1つまたは複数の模倣体をスクリーニングして、模倣体が必要な特性を有しているかどうか、またはどの程度それが示されるかを確認することができる。次いで、さらに最適化または修飾を実施して、使用する1個または複数の最終模倣体に到達することができる。
二重特異性抗体
既に記載したように、結合媒介物は、(先に定義したような)抗体でよく、分析物に特異的な単一抗原結合部位のみを含む抗体が好ましい。
好ましい実施形態では、レポーター分子に特異的な抗体の抗原結合部位によってレポーター部位は形成され、またはその部位の一部である。従って、結合媒介物は、分析物およびレポーター分子の両方に対する抗原結合部位を有する分子、すなわち、二重特異性抗体を含む。
従って、さらに、試料中の分析物を測定する方法であって、前記試料を
(i)前記分析物または分析物類似体と結合することが可能な第1の抗原結合部位、およびレポーター分子と結合することが可能な第2の抗原結合部位を有する抗体、
(ii)前記分析物類似体、および
(iii)前記レポーター分子
と接触させるステップであって、第2の抗原結合部位は、第1の抗原結合部位が分析物に結合した場合は前記レポーター分子と結合できるが、第1の抗原結合部位が分析物類似体に結合した場合は結合できない、上記ステップ、そして任意により
第2の抗原結合部位に結合したレポーター分子の量を測定するステップ
を含む方法を提供する。
レポーター分子が、分析物または分析物類似体以外であることは先の記述から明らかである。
従って、適当な結合媒介物は、二重特異性一本鎖Fv二量体(PCT/US92/09965号)および「ダイアボディ」、すなわち、遺伝子融合によって構築された多価または多特異性フラグメント(WO94/13804号;P. Holliger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 6444-6448, 1993)を含む。
ダイアボディは、ポリペプチド多量体であり、各ポリペプチドは免疫グロブリン軽鎖の結合領域を含む第一のドメインと、免疫グロブリン重鎖の結合領域を含む第二のドメインを含み、この2つのドメインは(例えば、ペプチドリンカーによって)連結されているが、互いには会合して抗原結合部位を形成することはできず、抗原結合部位は多量体内の一方のポリペプチドの第一のドメインと、多量体内の他方のポリペプチドの第二のドメインとの会合によって形成される(WO94/13804号)。
慣用の二重特異性抗体は、様々な方法(Holliger, P. and Winter G. Current Opinion Biotechnol. 4, 446-449 (1993))で製造することができ、例えば、化学的に、またはハイブリッドハイブリドーマから調製することができ、あるいは上記二重特異性抗体フラグメントのいずれであってもよい。
一特異性の抗体は、結合(グルタルアルデヒドなど、または好ましくは、SPIDP−(N−スクシニンイミジル−3−[2−ピリジイジチオイプロピオネートなど、より多くの特異的クロスリンカーの1つ)に利用することができる多様な化学的手段のいずれかによって、別の特異性を有する別の抗体に化学的に結合させることができる。二重特異性抗体の作製に適当な方法は、H. Paulus, Behring Inst.Mitt.,78,118-132, 1985に記載されている。小さな抗体フラグメントは特に有利であり、Holliger et al.(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 90(14):6444-6448; 1993)に記載されている通りに調製しうる。結合部位を含む抗体フラグメントの化学的連結によって、有用なコンジュゲートを含む混合物が生成された場合、これらを有用でないコンジュゲートから精製することができる。二重特異性抗体は、DeSilva & Wilson, Journal of Immunological Methods, 188 (1995), 9-19に記載されている固相合成法によっても有用に調製し得る。
あるいは、二重特異性抗体は、抗体鎖を分離し、互いに再結合させることによって調製することもでき、それによっていくつかの鎖はその他の抗体鎖と結合し二重特異性抗体を形成する(Paulus, Behring Inst. Mitt.,78,118-132, 1985; Lebegue et al, C.R. Acad. Sci. Paris, Seric Ill, 310:377-382, 1990)。
二重特異性抗体は、そこから二重特異性抗体を得る必要のある2種の抗体を合成し、複合体中に存在させたい2種の抗体を産生する2種のハイブリドーマからクアドローマを形成することによっても有用に調製され(Suresh et a], Methods in Enzymology, 121,211, 1986; Bos R, Nieuwenhuitzen W, Hybridoma, 11(l):41-51, 1992)、所望の抗体と除去することが可能な汚染物質の混合物が得られる。De Lau et al, Journal of Immunological Methods (1989) 117, 1-8は、HAT−s−ネオマイシン−r二重変異体の形成に基づく産生に適切な系について説明している。
あるいは、抗体結合領域間の組換えコンジュゲートは、遺伝子組換え手段によって形成することができ、例えば、記載されている手段、二機能性マウス:ヒトキメラ抗体を産生するためのCOS−1細胞(De Sutter & Flers, Molecular Immunology, 31(4)261-267)などを使用してよい。
抗体全体ではなく、scFv二量体またはダイアボディを使用するのが好ましいであろう。可変ドメインのみを使用して、Fc領域なしにダイアボディおよびscFvを構築することができる。二重特異性抗体の他の形態には、Traunecker et al, Embo Journal, 10, 3655-3659, (1991)に記載されている一本鎖「ジャヌシン(Janusins)」が含まれる。
二重特異性の抗体全体とは対照的に、二重特異性のダイアボディも特に有用である。容易に構築し、大腸菌中で発現させることができるためである。適当な結合特異性を有するダイアボディ(および抗体フラグメントなどの他の多くのポリペプチド)は、ライブラリからファージディスプレイ(WO94/13804号)を使用し容易に選択することができる。ダイアボディの一つのアームを一定に維持する、例えば、抗原Xに対する特異性を持たせる場合は、次いで他方のアームを変え、適当な特異性の抗体を選択したライブラリを作製することができる。
分析物
分析物は、上記の代謝産物を含め、医薬、乱用薬物、ホルモン、汚染物質、診断マーカー、または分析が必要な他のどんな化合物でもよい。しばしば、分析物は約15000ダルトン未満の小さな分子であろう。
従って、本発明によって測定することができる分析物には、薬物、例えば乱用薬物、具体的にはモルヒネ、コデイン、ヘロイン、デキストロメトルファン、メサドンなどのモルヒネアルカロイド、コカインやベンジルエクゴニンなどのコカインアルカロイド、リゼルギン酸などの麦角アルカロイド、ステロイドアルカロイド、イミナゾイルアルカロイド、キノリンアルカロイド、およびジテルピンアルカロイドを含むアルカロイド、エクスタシーおよびその誘導体、カンナビノールやテトラヒドロカンニビノールを含むマリファナ、およびDIVIDEなどの合成薬物などが含まれる。
さらに、分析物には、医薬、例えば、ペニシリン、クロロムセチン、アクチノマイセチン、テトラサイクリンなどの抗生物質、ならびにそれらの代謝産物および誘導体、ジゴキシンなどの強心配糖体、ペプチドホルモンやステロイドホルモン、チロキシンやトリヨードチロニンなどの他の代謝生成物、エストロゲン、例えばエストラジオールやエストロン−3−グルクロニドなどのステロイド、プロゲステロンなどの他のステロイド、テストステロンなどのアンドロゲン、アンドレノコルチカールステロイド、胆汁酸、強心グリコシダーゼおよび無糖体、サポニンおよびサポニン誘導体、ネオプテリンなどのプテリジン、バソプレッシンなどのペプチド、およびシクロスポリン、FK506、ミコフェノール酸などの免疫抑制剤が含まれる。
分析物クラスにはさらに、ビタミンA、B、例えばB12、C、D、E、ビオチンおよびK、葉酸、ナイアシンおよびチアミンなどのビタミン、細菌およびアフラトキシンなどの真菌毒素を含む食物毒素が含まれる。
分析物クラスにはさらに、PCBやアフラトキシンなどの環境および農業関連物、ポリハロゲン化ビフェニル、リン酸エステル、チオホスファート、カルバマート、ポリハロゲン化スルフェンアミドおよびその誘導体などの殺虫剤、毒および家庭毒素を含む汚染物質が含まれる。この中で、石油化学活性物などの工業過程から生じた化合物は重要な分析物の一群である。
分析物類似体
分析物類似体は、分析物の代わりに分析物結合部位に結合した場合、レポーター分子がレポーター部位へ結合することを妨害できるいずれの分子または分子複合体でもよい。これは、通常、立体配置に関する手段によって実現され、その際、分析物類似体は、物理的にレポーター分子がレポーター部位へ到達するのを遮断する。しかし、他の作用方式も可能である。例えば、レポーター分子が荷電されている場合、次いで分析物類似体が同じ電荷を有し、そして静電反発によってレポーターの結合を妨害し得る。
従って典型的には、分析物類似体は、分析物、または分析物結合部位と同じ相互作用を十分に示すことができる断片もしくはその部分、またはキャリアとコンジュゲートさせた分析物模倣体を含む大きな分子であり、キャリアは、ウシやヒト血清アルブミンなどの単一分子、キーホールリンペットヘモシアニン、または例えば金やラテックスから形成したビーズまたは粒子でありうる。その大きさは、分析物自体の大きさ、ならびに結合媒介物、レポーター部位、およびレポーター分子の性質に明らかに依存するが、典型的にはこれらの分子量は、50,000ダルトンからはるかに大きくてよく、60,000〜600,000ダルトンが好ましい。上記のように、分析物分子の模倣体は必要に応じて変更を加えて生成しうる。
レポーター分子および検出方法
レポーター分子と結合媒介物との間の相互作用を検出し得る多数の方法が存在する。レポーター分子は、(例えば放射性、蛍光化学発光、酵素標識により)直接的または間接的に標識してよく、その結果、当技術分野で周知の技術を使用し標識を検出することができる。直接的に標識したレポーターには、その分子に会合し、または結合した標識が含まれる。あるいは、レポーターは、さらに標識した種(例えば、レポーターに結合することが可能な標識抗体)によって検出可能であり、またはさらに別の種に作用して検出可能な結果をもたらし得る。従って、シンチレーションカウンタまたは他の放射線計数器具を使用して放射性標識を検出し、レーザーおよび共焦点顕微鏡を使用して蛍光標識、ならびに典型的には色彩変化をもたらす基質に対する酵素標識の作用による酵素標識を検出することができる。結合反応およびあらゆる必要な分離ステップを行った後、基質にこの酵素を接触させることによってアッセイ結果が得られ、酵素はこの基質に作用して色彩変化などの観察可能な結果をもたらし、色彩変化の程度は元々試料中に存在する分析物の量に依存する。適当な酵素標識は、比色、蛍光、化学発光、電気化学変化などの検出可能な変化を生じさせることができ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、ならびに(例えばミクロコックス・リソデイクチクスなどの生物を溶解することによって検出可能な)リゾチーム、キモトリプシン、大腸菌DNAポリメラーゼが含まれる。
あるいは、上記のように、レポーター部位は酵素の一部でよく、その場合、レポーター分子は、基質分子、またはアロステリックな活性化因子や阻害因子など、酵素に結合することが可能な分子でよい。但し、酵素の適当な部分へのレポーターの到達が、分析物類似体によって制限される限りである。従って、レポーターは単純に酵素に結合することができ、その場合、上記のようにレポーターを検出することができ、または酵素の基質を構成してよく、その場合、検出可能な変化(例えば色彩変化)は基質に対する酵素活性から生じ得る。
あるいは、レポーター部位は、酵素のためのFADやNADなど、補因子または補欠分子族を含んでよい。次いで、アポ酵素をレポーター分子として使用してよい。アポ酵素がその補因子へ結合することによって触媒活性酵素が提供され、この酵素は基質に作用して検出可能なシグナルを生成し得る。例えば、FADをレポーター部位として使用し、グルコースオキシダーゼまたはアミノ酸オキシダーゼをレポーター分子として使用してよい。例えば、米国特許第4,622,293号を参照されたい。
結合媒介物が、二重特異性または二価抗体(すなわちレポーター部位が抗原結合部位)である場合は、典型的にはレポーター分子は同族抗原である。結合は、上記のように検出することができる。あるいは、レポーターは抗イディオタイプ抗体でよい。
結合媒介物とレポーター分子との間の相互作用を検出するために他の方法を使用してもよく、そのような方法には表面プラズモン共鳴、凝集反応、光散乱などの物理的方法、または他の手段が含まれる。
レポーター分子に標識を別々にコンジュゲートさせるために、Hunter et al, Nature 144:945, 1962; David et al, Biochemistry 13:1014, 1974; Pain et al, J. Immunol. Meth. 40:219, 1981; and Nygren, J Histochem. and Cytochem. 30:407, 1982に記載されているような方法を含め、当技術分野で知られているいかなる方法を使用してもよい。一つの好ましい方法は、スペクトルにより分離される吸収特性または発光特性を有する個々の蛍光色素、リン光体、またはレーザー染料と共有結合で連結させることによる。適当な蛍光色素には、フルオレセイン、ローダミン、ルシフェリン、フィコエリトリンおよびテキサスレッドが含まれる。適当な発色性色素には、ジアミノベンジジンが含まれる。
他のレポーターには、高分子コロイド粒子、またはラテックスビーズなどの微粒子物質が含まれ、このビーズは着色、磁性または常磁性の生物学的活性剤または化学的活性剤であり、これらは視覚的に観察し、電子的に検出し、ないし他の方法で記録することができる検出可能なシグナルを直接的または間接的に生じさせることができる。こうした分子は、例えば、発色もしくは色彩を変化させ、または電気的特性を変化させる反応を触媒する酵素であってよい。これらの分子は、分子的に励起可能であってよく、その結果、エネルギー状態相互間の電子的移行によって、特徴的なスペクトルの吸収または放出がもたらされる。これらには、バイオセンサと併せて使用される化学的物質が含まれてよい。
均一なアッセイ形式では、分析物に結合し、次いでレポーター分子に結合した結合媒介物をプラズモン共鳴によって、または免疫沈降法アッセイで検出することができ、Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, 147-158 (CRC Press, Inc, 1987)を参照されたい。The Immunoassay Handbook (Second Edition) D Wild編, the Nature Publishing Group発行 (2001)に記載されているシグナル発生方法も適当である。個々の適用例のうち、(例えば、弱αまたはβ−エミッター、蛍光発色団を用いる)Chapter 11 (E.F. Ullman). Scintillation Proximity Assay (SPA)に記載されているような均一系および(例えばグルコースオキシダーゼやペルオキシダーゼを用いる)酵素チャネリングが、記載の方法で使用するために特に魅力的な系を提供する。こうした方法では、結合媒介物とレポーターそれぞれを検出系の相補成分で標識してよく、その結果、分析物が結合した場合、2種の成分が一緒になって十分に近接して運ばれて検出可能なシグナルを生じるが、分析物類似体が結合した場合は、そのような会合が生じず従ってシグナルも生じない。
レポーターは、抗体に結合したか否かに応じて異なるシグナルを生じるリガンドに結合する抗体でよい。この種の適当なリガンドには、リガンドが結合したか否かに応じて電磁放射(特に視認できるUV光および蛍光)の生成吸収で差を示すようなリガンドが含まれる。本発明のこの態様での使用に好ましいリガンドには、フルオレセインやローダミンなどの蛍光発色団が含まれる。
キット
本明細書に記載した修飾させた結合媒介物は、例えば生物試料中の分析物を測定するためのアッセイで使用するキットに梱包してよい。従って、試料中の分析物の測定に使用するためのキットの製造方法であって、
(a)分析物または分析物類似体と結合することが可能な分析物結合部位を有する結合媒介物を修飾するステップであって、該修飾が、その修飾された結合媒介物が前記分析物に結合した場合はレポーター分子と検出可能に相互作用するが、その修飾された結合媒介物が前記分析物類似体に結合した場合は相互作用しないように適合されたレポーター分子を形成することを含むステップ、および
(b)以下を一緒にパッケージングするステップ
(i)前記修飾された結合媒介物
(ii)前記レポーター分子
(iii)前記分析物類似体
を含む方法を提供する。
レポーター分子は、レポーター部位に結合することが可能であろう。
キットにはさらに、(iv)アッセイ較正検量線の作成に有用であり得る前記分析物、および/または(v)試料中の分析物を測定するための前記キットの使用説明書を同梱するステップを含めてよい。
同様に提供されるものは、本明細書記載の方法で得られ、使用するためのキットである。
結合媒介物が、2つの抗原結合部位であって、その各々が分析物および結合媒介物の一つに特異的である部位を含む二重特異性抗体である場合、試料中の分析物の測定に使用するためのキットであって、(i)前記分析物または分析物類似体と結合することが可能な第1の抗原結合部位と、レポーター分子と結合することが可能な第2の抗原結合部位を有する抗体、(ii)前記分析物類似体、および(iii)前記レポーター分子を含み、第2の抗原結合部位は、第1の抗原結合部位が分析物に結合した場合は前記レポーター分子と結合できるが、第1の抗原結合部位が分析物類似体に結合した場合は結合できないものである、上記キットを提供する。
固相アッセイ系
本明細書に記載したアッセイ系は、試料中の分析物濃度が増大するにつれ、シグナルが増大するという有利な特徴を有する。これは、標識含有種の集団を分離するために他の系で使用されている問題の多い分離ステップ、および過剰量の標識化反応物の使用における制限を回避するのに役立つ(米国特許第4,670,383号および同第5,798,273号)。
その結果、アッセイは、(例えば、Price et al., Disposable Integrated Immunoassay Devices; Chapter 22 of Principles and Practice of Immunoassay, 2nd edn, 1997, Christopher P Price and David J Newman eds., Macmillan Reference Ltd, Basingstoke, UK (ISBN 1-56159-145-0))に記載されているような)ラテラル・フロー・ストリップ・アッセイ器具やディップスティックアッセイ器具などの固相系で、または例えばラボオンチップ(lab-on-a-chip)型アレイ器具などの適用例でマイクロスケールで使用するのに特に適している。
従って、修飾された結合媒介物またはレポーター分子(または結合媒介物/レポーター複合体に結合することが可能な媒介物)は固相上に固定することができる。
ある実施形態では、非固定成分(レポーター分子または修飾された結合媒介物)は、上記のように直接的または間接的に標識してよい。一例では、非固定成分は金粒子など視覚検出可能な標識に直接的または間接的に結合される。
ある実施形態では、結合媒介物を固相に固定し、好ましくはバンドやスポットなど、別個の位置に固定する。同時に複数のアッセイを実施するために、1つの支持体上に多数の結合媒介物を固定することができる。別の実施形態では、結合媒介物を固体支持体上に、例えば検出区域中に固定し、レポーターはアッセイで溶液中に遊離して存在し、または固体支持体上を遊走することができる。
実施例
以下の実施例を単に例示目的で提供する。
ジゴキシンイムノアッセイ系の開発
以下の標準緩衝液を使用した:
R−50mM Tris 0.2%BSA pH7.4
CB−コーティング緩衝液−50mM重炭酸塩緩衝液pH9.3
TT−0.2%Tween20含有50mM Tris pH7.4
P−0.1M NaCl含有0.1Mリン酸緩衝液pH7.5
Fabフラグメント調製:
ジゴキシンに対するモノクローナル抗体1mg、およびフルオレセインイソチオシアネートに対するモノクローナル抗体1mg(Biogenesis U.K.、カタログ番号4510‐7914)をどちらもPierce and Warriner(UK)Ltdのフィシン抗体フラグメント化キット(カタログ番号44880)で別個に処理して抗体Fabフラグメントを得た。
二重特異性Fabコンジュゲートの調製:
ジゴキシンに対するモノクローナル抗体のFabフラグメントおよびフルオレセインに対するFabフラグメントを取り一緒に混合して以下ように二重特異性反応物を形成した。
抗ジゴキシンFabおよび抗フルオレセインFabを0.1mg/ml緩衝液になるように調整した。各1mlを1Lの緩衝液P中で2時間透析した。次いで、それらをエッペンドルフチューブに入れた。クロスリンカーの(N−スクシンイミジイ−3[2−ピリジイジチオ]プロピオネート)(SPDP)(Pierce & Warrinerカタログ番号21657)を溶解し、純粋エタノール中の濃度0.63mg/mlの新たな溶液を作成した。この溶液の10μlを攪拌しながら各Fab調製液に加えた。次いで、混合液を10分間放置した。
次いで、抗フルオレセインFab混合液を緩衝液P中で終夜4℃で透析した。抗ジゴキシンFab混合液を0.1M酢酸緩衝液pH4.5中で終夜4℃で透析し、次いで0.5Mジチオトレイトール(Sigma Chemical Co Ltd.カタログ番号D5545)100μlを添加することによって活性化させ、次いで30分間室温で放置して寝かせた。次いで、この還元したFab調製物を緩衝液Pに対して透析した(2×2L、各時2時間)。次いで、Fab調製物を一緒に混合し、2日間放置して反応させた。次いで、二重特異性抗体調製液を蒸留水に対して終夜透析した。すると、コンジュゲートの容量は3.5mlであった。
好適な二重特異性コンジュゲートの精製:
次いで、透析したジゴキシンBSA 0.3mg(1mg/ml溶液の0.3mlなど)を二重特異性コンジュゲート混合液に加え、室温で30分間インキュベートした。混合液を含む緩衝液Rを以下の通りEAH−セファロース(Pharmacia LKB、Sweden)から調製したフルオレセイン−セファロースカラムに通した:供給されているEAH−セファロースビーズ10mlを0.1M重炭酸塩緩衝液pH9.3で洗浄し、その後に1mg/mlのフルオレセインイソチオシアネート(Sigma Chemical Co Ltd、カタログ番号F4274)の溶液1mlを一度に100μlづつ静かに加えた。混合液は、終夜室温で穏やかに振盪しホイルで被覆した。翌日、カラムを作製し、0.1M重炭酸塩緩衝液で洗浄し、続いて緩衝液Rで洗浄した。最初に、カラムは上のようにコンジュゲートの調製で使用したが、BSAは溶出緩衝液に添加しなかった。今回の調製には、上記のように溶出緩衝液にBSAを含めた。溶出液の1ml画分を回収したが、試料使用後の最初の2つは無視し、続く4つの画分を回収し混合した。二重特異性コンジュゲート(BC)の容量を緩衝液Rで5mlにした。
Nuncマイクロタイタープレートを200μl/ウェルでBSA−フルオレセイン(Sigma Chemical Co Ltdカタログ番号A9771)l0μg/mlを含むコーティング緩衝液でコーティングすることによって準備し、それを終夜室温で放置した。次いで、プレートに0.2%BSAを含むコーティング緩衝液を上塗りし、室温で10分間放置し、その後プレートをTTで4回洗浄した。次いで、三つ組のウェルに以下のジゴキシン基準:1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml、0.1ng/ml、0基準を含むTT緩衝液100μlを入れた。混合しながら、次いで一連の各ウェルに10μlのBC、続いて90μlのRを入れた。プレートを室温で1時間インキュベートし、次いでTTで洗浄した。アルカリフォスファターゼで標識した抗マウスIgG Fab(Sigma Chemical Co Ltd、カタログ番号A2179)の1:1000希釈液200μlを加え30分間室温で放置した。プレートをTTで4回洗浄し、200μlのpNPPを加え、最も早く発色したウェルが分光光度計の限界に達するまで反応を405nmでモニターした。
得られたデータは、以下の通りであった。
ジゴキシン(ng/ml) 0.0 0.1 1.0 10 100 1000
Abs 405 1663 2067 2246 2236 2626 2665
これらのデータから検量線を引いて未知の試料中のジゴキシン濃度を測定した。
フルオレセインの測定
実施例1の二重特異性抗体を実施例1の通りに作製し、実施例1と同様にしてフルオレセイン−BSAの存在下、ジゴキシンカラムで精製した。再度、同様にして、ジゴキシン−BSAでコートしたマイクロタイタープレートを使用して、またフイオレセイン−BSAをハプテン類似体として使用して、フルオレセイン用検量線を生成した。プレート上の二重特異性抗体の存在は、二重特異性抗体のジゴキシンFab部分に対する、アルカリフォスファターゼで標識した抗免疫複合体抗体を添加することによって測定した。再度、同様にして、適当なインキュベーション後、過剰な標識抗体を洗い流し、基質を加え、検量線を取得し、それに対して未知の濃度のフルオレセインを含む試料を測定することができた。
ゲンタマイシンの測定
ジゴキシンモノクローナル抗体をゲンタマイシンに対するモノクローナル抗体(Biogenesis Ltd,U.K.、カタログ番号4630‐0206)に変えて実施例1を繰り返した。ジゴキシンBSAもゲンタマイシン−BSA(Biogenesis Ltd,England、番号46300604)と交換した。ゲンタマイシンに対する検量線を取得し、未知の試料のゲンタマイシンを分析できるようにした。
ゲンタマイシンに対するモノクローナル抗体1mgを使用し、Pierce Immunopure lgG1調製キットを用いてFabフラグメントを調製した。Fabフラグメントは0.2mg/ml得られた。Fabフラグメント調製物を0.1mg/mlに希釈して、同様に0.1mg/mlの抗FITC Fabフラグメントにコンジュゲートさせた。このゲンタマイシンとFITCとのコンジュゲート2.0mlを1mg/mlの(予め透析した)ゲンタマイシンBSA溶液0.25mlに加えた。これを室温で30分間放置した。
セファデックス−FITCカラム(5ml)を調製し、0.2%BSAを含む50mM Tris緩衝液で平衡化した。上記ゲンタマイシン−BSAの0.75mlをカラムに通し、再度、Tris/BSKを使用し、コンジュゲート/ゲンタマイシン−BSA混合液の1mlをTris/13SAで溶出するカラムにアプライした。1mlのアリコートを回収し、光学密度を測定して試料のピークを測定した。次いで、この物質を以下のように使用した。
(i)ELISAプレートをFab特異的抗IgG(10μg/ml)でコートした。プレートをブロッキングし洗浄した後、50μlのコンジュゲート(10μg/ml)を加え、それに100μg/mlから100pg/mlまで(10倍段階)ゲンタマイシン基準液を50μl加えた。20μlのアルカリフォスファターゼ−FITCを加えた。プレートを3℃で30分間インキュベートし、次いで洗浄し、pNPPで発色させた。検量線を取得し、それに対して未知の試料を測定することができた。
(ii)プレートを10mg/ml BSA−FITCでコートした。ブロッキングし洗浄した後、10μlと別の系列で40μlのコンジュゲートを加え、続いて100μlのゲンタマイシン基準を加えた。プレートを37℃で1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、抗Fab−アルカリホスファターゼの1:1000希釈液を30分間室温で加えた。プレートを洗浄し、pNPPで発色させた。検量線を取得し、それに対して未知の試料を測定することができた。
エストラジオールイムノアッセイ系の開発
ジゴキシンモノクローナル抗体をエストラジオールに対するモノクローナル抗体(Biogenesis Ltd、UK、カタログ番号7010‐2190)に変えて実施例1を繰り返した。ジゴキシンBSAも同様にエストラジオール−BSA(Sigma Chemical Co Ltd、カタログ番号E5630)と交換した。エストラジオールに対する検量線を取得し、それにより未知の試料のエストラジオールの分析が可能になった。
抗エストラジオールIgG1 Fabおよび抗FITC IgG1 FabをImmunopureキットで作製した。0.1mg/mlのFabフラグメントを上記のようにコンジュゲートさせた。1.5mlのコンジュゲートを透析した1mg/mlエストラジオール−BSA 1.5mlに加えた。
フルオレセイン−セファデックスカラムを0.1M炭酸水素ナトリウム(5ml)で調製した。カラムをTris Tween緩衝液でよく洗浄した。透析した1mg/mlエストラジオール−BSAの1.5mlをカラムに通し、Tris Tweenで洗浄後、Fabコンジュゲートをカラムに載せ、カラムにTris Tweenを通し溶出液を回収した。
マイクロタイタープレートを、抗マウスIgGl、Fab特異的抗体10μg/ml、100μl/ウェルを含むコーティング緩衝液でコートした。これを37℃で2時間放置した。0.2%BSAを含むコーティング緩衝液用いて100μl/ウェルでプレートを15分間室温でブロッキングした。抗FITC−抗エストラジオールFabコンジュゲートを濃度10μg/mlに希釈し、3連のウェルの各ウエルに10μl、50μlまたは100μl加えた。プレートを室温で1時間インキュベートした。これをTris Triton緩衝液で4回洗浄した。エストラジオール基準を10倍希釈で100μg/mlから10pg/mlまで作製した。各基準の50μlをプレートに入れ、続いて0.4mg/mlエストラジオール−BSAを25μl入れた。プレートを室温で10分間インキュベートした。次いで、FITC−アルカリフォスファターゼの1:100希釈液10μlを加えた。これを10分間室温で放置し、4回洗浄し、200μlのpNPPを各ウエルに加え、インキュベートし、ウェルを405nmで読み取り、未知の試料のエストラジオールを測定するのに最良の検量線を選択し、これらを使用して未知の試料を測定した。
コルチゾールの測定
高親和性抗コルチゾールモノクローナル抗体を産生するマウスハイブリドーマ細胞系統を取得し、10%熱不活化ウシ胎仔血清を含むαMEM培地(MEM10%)に順応させ、以下のようにチオグアニン耐性にする。すなわち、J774マクロファージ細胞から得た20%調整マクロファージ培養物、および5μg/ml 6−チオグアニン(Sigma Chemical Co Ltd)を含むMEM10%を入れた2×48ウエル組織培養プレートに10個のハイブリドーマ細胞を入れる。およそ1ヶ月後に耐性クローンが得られ、次いでこれらを二次培養し、抗コルチゾールの抗体産生が維持されているか得られたクローンを検査する。抗コルチゾール抗体を健康に高速で増殖する良好な分泌細胞(Cort−thio)を選択し、以下の二重特異性抗体の産生で使用する。モノクローナル抗体(D−blo−1)を用いて標準的な手段によりBalb/cマウスを6週間にわたって免疫し、最後の免疫は融合の4日前に行う。次いで、標準的な技術によってこの動物の脾細胞をCort−thioに融合する。次いで、コルチゾールおよび免疫グロブリンD−blo−1に反応性の二重特異性抗体を産生する得られたクローンを以下の通り同定する。マイクロタイターストリップをD−blo−1でコートし、BSAを上塗りする。試験対象の培養液を加え、1時間室温でインキュベートする。この液体を除去し、0.02%含む50mM Tris緩衝液pH7.4でプレートを4回洗浄する。トリチウム化コルチゾールを加え、30分間室温でインキュベートし、溶液を除去し、ストリップを再度4回洗浄し、その後個々のウェルのその放射能を評価する。次いで、選択したクローンを増殖させ、標準的な手段によってサブクローニングする。次いで、以下のようにそれらを適当な二重特異性抗体産生について再評価する。
ここ(スクリーニングB)では、マイクロタイタープレートを100μlの抗マウスIgGでコートし、BSAを上塗りする。試験対象の培養液100μlをウェルに加え、1時間室温でインキュベートする。溶液を5μg/mlの無関係のマウスIgGの1 10μlと交換し、さらに30分間インキュベートする。溶液を除去し、ウェルを4回洗浄する。0、10pg/ml、および10倍ずつ増加して10μg/mlの範囲にわたるコルチゾール基準100μlを加え、10分間インキュベートし、その後、標準的な手段によってKLH(Sigma Chemical Co Ltdカタログ番号第H7017)とコルチゾン3−(O−カルボキシメチル)オキシムからコンジュゲートさせたコルチゾール−キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)5μgを50mM Tris緩衝液pH7.6の10μlに加え、混合し、30分間インキュベートする。これに続き、標準的マレイミドヘテロ−二官能基リンカーコンジュゲーションによって作製したD−blo−1のアルカリ−ホスファターゼコンジュゲート10μlを加え、混合し、さらに30分間インキュベートする。溶液を除去し、プレートを洗浄し、続いてアルカリフォスファターゼ基質p−ニトロフェノールホスフェートを標準的に添加し、405nmでの反応の発色を行う。最良の検量線(Cort−D−blo−1)を生じるクローンを二重特異性抗体産生細胞として採用し、次いでさらに増殖させ、標準的な技術を使用し保存する。
スクリーニングBを未知の試料で繰り返し、使用する基準に関してそのコルチゾールのレベルを測定することができる。
実施例5を繰り返すが、コルチゾール−KLH阻害薬の代わりに、抗コルチゾール抗体に対する抗イディオタイプ抗体を使用する。
Cort−D−blo−1を増殖させ、その二重特異性抗体を精製する。標準的手順を使用しアルカリフォスファターゼでこれを標識し、以下のようにコルチゾールに関する診断試験で使用する。
マイクロタイタープレートを100μlのD−bio−1でコートし、BSAを上塗りする。二つ組のウェルに(1)0.0、10倍濃度段階で10pg/mlから10μg/mlまでの基準コルチゾール溶液100μl、および未知の基準、(2)5pg/mlのコルチゾール−KLH、ならびに(3)cort−D−blo−1−アルカリホスファターゼコンジュゲートの1:1000希釈液10μlを入れる。ウェルを30分間室温でインキュベートし、溶液を除去し、ウェルを4回洗浄する。次いで、pNPP基質を加え、ウェルを405nmでモニタする。光学密度に対してコルチゾール濃度の検量線を引き、未知の試料中のコルチゾール濃度を測定する。
実施例7を繰り返すが、コルチゾール−KLHの代わりに、コルチゾール抗体に対する抗イディオタイプ抗体を使用する。
特異的に調製したプレートでのゲンタマイシンの測定:
プレートの調製:
Pierce 34 and Warrinerキット(1995カタログ番号44880)によって、抗IgG Fab抗体を取得しフラグメント化してFabフラグメントを得る。これらを50mM重炭酸塩緩衝液pH9.6で希釈して5μl/mlにする。Nuncマイクロタイタープレートのウェルに200μlのアリコートを分注し、終夜室温でインキュベートし、その後溶液を除去し、0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)を含む同緩衝液と交換する。プレートを室温で30分間放置し、その後それを0.02%Tween20を含む50mM Tris pH7.4の洗浄液で4回洗浄する。
IgGモノクローナル抗体をゲンタマイシンに対して得る。これをPierce and Warrinerキット(1995カタログ番号44880)によってフラグメント化するとFabフラグメントが得られる。これらをウシ血清アルブミンにモル比1(Fab):10(BSA)で混合してコンジュゲートさせ、その後混合液をヘテロ−二官能基反応物エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)(Abdelia et al Biochem. & Biophys. Res. Coms. (1979) 87;734(Pierce & Warriner 1995カタログ番号21565)で処理する。次いで、二量体コンジュゲートをサイズ排除クロマトグラフィーによって単離すると、BSAホモ二量体コンジュゲートの除去を試みなくても反応物「Fab−conj」が得られる。二量体コンジュゲート溶液を50mM Tris pH7.4で15μg/mlに希釈し、180μlをマイクロタイタープレートの各ウェルに入れ、1時間室温でインキュベートする。溶液を除去し、プレートを洗浄液で4回洗浄する。1Mヒドロキシルアミンを含む0.05Mリジン溶液pH8.5を200μl加え、プレートを4時間37℃でインキュベートすると、2時間30分後にヒドロキシルアミン溶液は変化する。プレートを再度4回洗浄し、(Pierce and Warrinerキットを使用することによって、ゲンタマイシンFabフラグメントと同様に)抗フルオレセインIgGモノクローナル抗体のFabフラグメント溶液175μlを50mM Tris緩衝液pH7.4中1μg/mLの濃度で調製する。プレートを1時間室温でインキュベートし、溶液を除去し、プレートを洗浄液で4回洗浄する。これで使用準備が整う。
ゲンタマイシンアッセイ:
調製したプレートのウェルに以下を入れる。すなわち、一連のゲンタマイシン基準(10倍段階で10pg/ml〜10μg/ml、およびゼロ基準)175μl、および未知の濃度のゲンタマイシンを含む試料を入れる。プレートを10分間室温でインキュベートする。次いで、200μg/mlのゲンタマイシン−BSA溶液(Biogenesis 199596 カタログ番号4630‐0604)15μlを各ウェルに混合し、プレートをさらに10分間インキュベートする。これに続けてさらに10分間インキュベーションする前に、フルオレセインイソチオシアネート(Sigma Chemical Co.Ltd 1994カタログ番号F4274)およびウシ腸アルカリフォスファターゼ(Sigma Chemical Co Ltd 1994カタログ番号P5221)から標準的な手段によって調製したフルオレセイン−アルカリホスファターゼ複合体溶液l0μlを各ウェルに添加し、続いてセファデックスG−150クロマトグラフィーカラムによって精製する。溶液を除去し、ウェルを4回洗浄する。次いで、3.3mM MgClを含む50mM重炭酸塩緩衝液pH9.3を200μl各ウエルに加え、ウェルを405nmでモニタする。最も早く発色したウェルが光学密度1.8に到達したとき全ウェルを読み取り、グラフにゲンタマイシン濃度に対する光学密度をプロットし、そこから未知の試料中のゲンタマイシン濃度を算出する。
二重特異的抗体反応物の調製
(Calbiochem‐Novabiochem UK Ltd.製品番号05-23-0155)バソプレッシンの免疫原性コンジュゲートをPierce & Warriner U.K.製の活性化キャリアウシ血清アルブミン(cat. Imject Maleimide Activated BSA製品番号77115)を使用し作製する。これに対してポリクローナル抗体を誘起し、硫酸アンモニウム分画およびDEAEクロマトグラフィーを使用し慣用法によって精製する。
Pierce & Warriner(0589)の基本プロトコルに従い、次いでSulfo−SBED(2−[6−(ビオチンアミド)−2−(p−アジドベンズアミド)−ヘキサンアミド]エチル−1−3’−ジチオ−プロピオネート)(Pierce & Warriner製品番号33033)を使用して、以下のように結合部位の周囲が好都合にビオチン化された抗体を調製し得る。
光活性化ステップまで継続して暗所に置いた5mgのバソプレッシンハプテンをマイクロ遠心管中の0.1Mリン酸緩衝食塩水(pH7.2)0.5mlに溶解する。次いで、1.12mgのSulfo−SBEDを25μlのDMSOに溶解し、11μlをバソプレッシン溶液に加える。次いで、これを室温で30分間インキュベートする。次いで、溶液を1分間遠心分離し、溶液を慎重に除去し、未反応Sulfo−SBEDを除去分離する。
次いで、ビオチン化ハプテンを0.5mlのPBSに溶解した5mg抗体と混合し、暗所室温で10分間インキュベートする。次いで、スカベンジャーp−アミノ安息香酸を加え、これを5cm離した長波UVランプ(365nm)で15分間光分解する。次いで、PBSで平衡化した10mlの脱塩カラムを使用して混合液を脱塩し、1mlの画分を回収し、蛋白質画分をプールする。スペーサーアームのジスルフィド結合を50mMジチオトレイトール(DTT)と共にインキュベートすることによって破壊する。この調製物は(DBab1)と称する。次いで、過剰なDTTおよび非コンジュゲート抗体を抗ビオチンカラムによって除去する。混合液をビオチンアガロースカラム(Sigma Chemical Co Ltd製品番号A1559)にアプライし、溶離剤を廃棄し、精製した抗体を溶出緩衝液で溶出させ、PBSに対して透析する。この抗体は、二重結合性抗体(double-binder antibody;DBab1)と称する。
DBabは、使用前にさらに精製して、以下のように、ハプテン類似体が結合部位に結合することによって、ビオチン残基の結合が阻害されない位置で望ましくないビオチン残基を有している抗体を除去してもよい。
5mgのバソプレッシン−BSAを含む2mlのPBSと共に0.5mgのDBabをインキュベートする。次いで、これを先に使用したように再度抗ビオチン抗体カラムにアプライするが、この時は真っ直ぐカラムを通り抜ける蛋白質を回収し使用する。これをプロテインAカラムにアプライし、未結合バソプレッシンBSAを洗浄し溶出させる。次いで、抗体を溶出させ、その後5mgの遊離バソプレッシンを加え、アジドの存在下で混合液を24時間インキュベートし、再度新しいプロテインAカラムにアプライする。再度、第一の溶離剤および洗浄物を廃棄し、結合した抗体を続いてカラムから取り出す。これを十分に透析にして使用前に残存するバソプレッシンを取り出す。
バソプレッシンアッセイ
Nuncマイクロタイタープレートのウェルを2μg/mlのDBabを含むコーティング緩衝液100μlでコートし4℃で終夜放置する。次いで、0.2%BSAを含むコーティング緩衝液200μlを加えることによってプレートを上塗りし、この緩衝液はウェルに30分間室温で入れたままにする。次いで、溶液を除去し、ウェルを4回洗浄緩衝液で洗浄する。10μg/ml〜1pg/mlの基準バソプレッシン溶液を緩衝液で10倍ずつ希釈して作製する。それぞれの100μlを個々のウェルに加え、他のウェルには未知量のバソプレッシンを含む試験試料100μlを入れる。次いで、予め作製し免疫に使用した20μg/mlバソプレッシン−BSAコンジュゲート溶液20μlを各ウェルに攪拌しながら加える。プレートを室温で20分間放置し、その後1:20,000に希釈した抗ビオチン抗体アルカリホスファターゼ複合体(Sigma Chemical Co Ltd、カタログ番号A7064)10μlを各ウェルに混合し、ウェルをさらに20分室温で放置する。溶液をウェルから除去し、ウェルを4回洗浄する。p−ニトロフェノールホスフェート(Sigma Chemical Co Ltd、カタログ番号N2770)の基準アッセイ基質溶液100μlを各ウエルに加え、プレートを室温でマイクロタイタープレートリーダーにより405nmでモニタする。最も早く発色したウェルが光学密度約2.0に達したときプレート全体を読み取る。光学密度に対するバソプレッシン基準濃度の検量線を引き、これを用いてアッセイ中にそれらが達した光学密度から、未知の試験試料のバソプレッシン濃度を測定する。
実施例10のDBab1は、以下ように別法で得てもよい。(30mgとして算出された)抗体をプロテインAカラム(Pierce & Warriner製品44898)にアプライし、次いでこれを洗浄する。次いで、PBSで2mlにしたSulfo−SBED連結バソプレッシンを静かにカラムに通し、フローが停止し、カラムを30分間室温で放置し、次いで20mlのPBSで洗浄する。次いで、カラム物質をカラムから除去し、スカベンジャーp−アミノ安息香酸を含む10mlのPBSに懸濁させ、穏やかに混合しながら、5cm離した長波UVランプ(365nm)によって40分間照射する。カラムを再形成するためにこの物質をまとめて戻して充填し、次いでこれを10mlのPBSで洗浄する。次いで、連結した抗体をPierce & Warriner社製の専売溶液でカラムから除去する。次いで、これを透析サックに入れ、50mM DTT(Sigma Chemical Co Ltd)を含むPBSで透析する。次いで、抗体をチオシアン酸アンモニウムで3Mにし、予め3M チオ硫酸アンモニウムを含むPBSで平衡化した脱塩カラム(Pierce and Warriner製品番号20290)にアプライする。第一の蛋白質抗体画分をプールし、次いで0.05%のアジ化ナトリウム防腐剤を含むPBSに対して透析する。この抗体は、二重結合性抗体(DBab1)と称し、先の実施例で使用している。
実施例10のバソプレッシンアッセイを物質Pに関して繰り返すが、実施例全体を通して物質Pをバソプレッシンと置き替え、抗バソプレッシンポリクローナル抗体を抗物質Pモノクローナル抗体に、かつプロテインAカラムをプロテインGカラムと置き替える。
バソプレッシンアッセイ
2μg/mlの抗γ鎖抗体(Sigma Chemical Co Ltdカタログ番号R1008)を含むコーティング緩衝液100μlで、Nuncマイクロタイタープレートのウェルをコートし4℃で終夜放置する。次いで、0.2%BSAを含むコーティング緩衝液200μlを加えることによってこれを上塗りし、この緩衝液をウェル中に30分間室温で入れたままにする。次いで、溶液を除去し、ウェルを4回洗浄緩衝液で洗浄する。次いで、精製したDBab調製物の100μlを各ウエルに加え、プレートを1時間室温でインキュベートする。溶液を除去し、ウェルを洗浄液で4回洗浄する。10μg/ml〜1pg/mlの基準バソプレッシン溶液を緩衝液で10倍ずつ希釈して作製する。それぞれの100μlを個々のウェルに加え、他のウェルには未知量のバソプレッシンを含む試験試料100μlを入れる。次いで、各ウェルには、予め作製し免疫に使用した、10μg/mlのバソプレッシン−BSAコンジュゲート溶液20μlを攪拌しながら加える。プレートを室温で20分間放置し、その後1:20,000に希釈した抗ビオチン抗体アルカリホスファターゼ複合体(Sigma Chemical Co Ltd、カタログ番号A7064)10μlを各ウェルに混合し、ウェルをさらに20分室温で放置する。溶液をウェルから除去し、ウェルを4回洗浄する。p−ニトロフェノールホスフェート(Sigma Chemical Co Ltd、カタログ番号N2770)の基準アッセイ基質溶液100μlを各ウエルに加え、プレートを室温でマイクロタイタープレートリーダーにより405nmでモニタする。最も早く発色したウェルが光学密度約2.0に達したときプレート全体を読み取る。光学密度に対するバソプレッシン基準濃度の検量線を引き、これを用いてアッセイ中にそれらが達した光学密度から、未知の試験試料のバソプレッシン濃度を測定する。
物質Pの測定
実施例13を物質Pに関して繰り返すが、実施例全体にわたって物質Pをバソプレッシンと置き替え、抗バソプレッシンポリクローナル抗体を抗物質Pモノクローナル抗体に、かつプロテインAカラムをプロテインGカラムと置き替えて物質Pの測定系を生じさせる。
並置反応物(apposition reagent)の調製
以下のプロトコルによってマウス抗葉酸モノクローナル抗体を抗原結合部位に近接してビオチン化した。
16mg葉酸を含む4mlのDMSO溶媒に、8mgのNHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)を加え、続いて9mgのDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)を含む500μlのDMSOを加えた。次いで、これを室温で2時間インキュベートし、次いで4.7mgのジアミノヘキサンを含む500μlのDMSOに加え、黄白色の沈殿/懸濁液を形成した。これを終夜放置して反応完了するまで反応させ、葉酸−ジアミノヘキサンリンカーを形成した。この156μlを次いで1mgのSulfo−SBED(2−[6−(ビオチンアミド)−2−(p−アジドベンズアミド)−ヘキサンアミド]エチル−1−3’−ジチオ−プロピオネート)(Pierce & Warriner製品番号33033)を含む100μlのDMFに加え、さらに48時間インキュベートし、その間に溶液は清澄になった。その次に750μlの蒸留水を加えて、依然として残存すると思われるいずれの三座−NHSエステル基も中和した。さらに4時間後、この加水分解された三座葉酸複合体500μlを1mg(500μl)の抗体に加え、さらに48時間インキュベートした。
暗所で過剰な三座葉酸塩を50mMのリン酸緩衝液pH7.5により小型P10脱塩カラムに通すことによって除去した。1mlの画分を得た。溶出抗体の大部分(0.8mg)は、カラムからチューブ4に取れた。このチューブの内容物をクオーツキュベット中で10分間UV照射した。次いで、7μlのメルカプトエタノールを加え、15分間室温でインキュベートして、三座ジスルフィド結合を減少させた。次いで、当初1M NaClを含む50mMリン酸緩衝液pH7.5に対してこれを24時間透析し、次いでNaClを含めないでさらに24時間透析して、メルカプトエタノールおよび残存するいずれの葉酸残基も除去した。次いで、1M酢酸1mlを透析バッグに加えて、葉酸残基を完全に解離させ、続いて2Lの50mMリン酸塩pH7.5に対して即時透析を2日間行った。次いで、抗体の使用準備が整った。
並置反応物の使用
終夜4℃で、50mM炭酸塩/重炭酸塩pH9.6のコーティング緩衝液中3μg/mlの並置反応物を100μlのアリコートでプレートにコートした。次いで、0.5%ウシ血清アルブミンを含むコーティング緩衝液のブロッキング液100μlで1時間、室温でウェルを上塗りした。溶液をウェルから廃棄し、プレート洗浄器によってプレートを洗浄緩衝液(洗浄緩衝液−0.005%Tritonを含む50mM Tris緩衝液pH7.4)で洗浄した。
混合プレートのウェルにおいて以下を混合した。すなわち、TBT+緩衝液(0.005%Triton+0.2%ウシ血清を含む50mM Tris緩衝液pH7.4)中、3倍希釈で10μg/mlから0.014μg/mlの葉酸塩基準60μl;TBT緩衝液(0.005%Tritonを含む50mM Tris緩衝液pH7.4)中32μg/mlの葉酸−BSA60μl。次いで、洗浄した三座プレートに混合液100μlを移し、1時間室温でインキュベートした。次いで、プレートを洗浄緩衝液で洗浄した。1:2000希釈のMab抗ビオチン−AP(Sigma Chemical Co Ltd[BN34]カタログA6561)100μlを加え、1時間室温でインキュベートした。プレートを再度、洗浄緩衝液で洗浄し、続いて50mM炭酸塩/重炭酸塩pH10.3+3.3mM MgClの基質緩衝液中pNPP(p−ニトロフェニルホスフェート)基質100μlを加えた。次いで、プレートを405nmでモニタした。十分に発色したと判断されたとき1組の読み取りを行った。
得られたデータは、以下の通りであり、それから検量線を引き、この方法によってアッセイした未知の試料を測定した。
葉酸塩(μg/ml) OD 405nm 平均 OD
0.01 0.421 0.417 0.441 0.426
0.03 0.483 0.482 0.401 0.455
0.1 0.536 0.483 0.502 0.507
0.3 0.667 0.628 0.623 0.639
1 0.917 0.872 0.855 0.881
3 1.254 1.263 1.205 1.241
10 1.696 1.632 1.589 1.639
ベンゾイルエクゴニン(BE)用Elisa系
特異的BE−KLH阻害薬、および三座BEコンジュゲートで特異的に誘導体化した抗BE抗体を使用し、ベンゾイルエクゴニン(BE)に関して実施例14を繰り返した。
並置反応物の調製
ベンゾイルエクゴニン(BE)に対して特異的なモノクローナル抗体を得た。乾燥溶媒中、カルボジイミドおよび6炭素ジアミンリンカーでBEを処理して、6炭素鎖によりBE−COOH基をアミン基に転換した。次いで、再度乾燥溶媒中で、この薬物−ジアヘキサアミン誘導体を1:1モル比で三官能基(三座)SBED反応物((2−[6−(ビオチンアミド)−2−(p−アジドベンズアミド)−ヘキサンアミド]エチル−1−3’−ジチオ−プロピオネート)(Pierce & Warriner製品番号33033)に加えて、BE誘導体上のアミン基が三座のスルホ−NHSアームと反応できるようにした。36〜48時間暗所で混合液をインキュベートし、その後30倍過剰(330ug)の薬物−SBED反応物を(1mlの水性緩衝液中)1mgの抗体に加えた。再度、これを36時間放置して結合を促進した。次いで、G25カラムに通すことによって未結合SBED−BEコンジュゲートを抗体から除去した。次いで、先の実施例と同様に精製した抗体に直ちにUV光を照射した。次いで、メルカプトエタノールを加えて、三座SBED−BE複合体を半分に2分割した。次いで、1M酢酸で処理することによって遊離BEをその結合部位から除去し、続いて10mMリン酸緩衝液pH7.4で透析を繰り返した。すると、ビオチン誘導体化抗BE媒介物(BE−Bio)の使用準備が整った。
阻害薬の調製
BEを6炭素ジアミノヘキサンリンカーによってKLHにコンジュゲートさせた。次いで、コンジュゲートを十分に透析した。次いで、阻害薬をマイクロタイタープレートにコーティングし、次にそれを上塗りし、洗浄することによって、阻害薬の抗BE抗体に結合する能力を検査した。精製した抗BE抗体は、阻害薬に結合することが示され、それ自体は、アルカリフォスファターゼ標識した抗IgG抗体によって検出された。抗BE抗体の結合は、プレートに添加された抗BE抗体に遊離BEを加えることによって阻害されることが示された。
並置反応物の使用
マイクロタイタープレートのウェルをそれぞれ10μl/10mlのFc−特異的抗マウスIgGを含むTT緩衝液100μlでコートし、次いで先の実施例と同様に上塗りした。Tris Tween緩衝液中の濃度が30μg/10mlの誘導体化抗BE抗体100μlを試験ウェルに加え(プレートバックグラウンドを測定するためのウェルには緩衝液のみを入れた)、室温で1時間放置した。溶液を除去し、プレートを洗浄すると「ap.試験プレート」が得られた。BE−KLH濃度系列を通して、アルカリホスファターゼ複合体化抗ビオチンが、ビオチン化抗BE抗体抗体に結合するのを適切に阻害するために必要なBE−KLH阻害薬濃度を確立した。
「ap.試験プレート」の個々のウェルに、50μlのBE基準(3倍希釈で2.0μg/mlから2.7ng/mlまでのBEの基準希釈系列+ゼロ基準液)を加え、続いて20μl/ml BE−KLH阻害薬50μlを攪拌しながら各ウェルに加えた。プレートを室温で45分間インキュベートし、その後50μlの技術等級のマウスIgGをさらに加え、プレートをさらに15分間インキュベートした。溶液を振盪し、プレートを再度洗浄した。10μlの技術等級のIgGおよび3.5μlのアルカリホスファターゼ複合体化抗ビオチン抗体(Sigma Chemical Co Ltd)を含む10mlのTT緩衝液の溶液100μlを各ウエルに加え、1時間室温でインキュベートした。溶液を廃棄し、プレートを洗浄した。次いで、50mM重炭酸塩緩衝液pH10.3中20mg/10ml p−ニトロフェニルリン酸塩基質の100μlを各ウエルに加え、プレートリーダーにより発色速度を405nmでモニタした。20分のインキュベーション後、結果は以下の通りであった。
BE (μg/ml) OD 405nm 平均 OD
バックグラウンド 0.113 0.102 0.108
0.008 0.524 0.517 0.521
0.025 0.517 0.528 0.523
0.074 0.603 0.683 0.643
0.222 0.825 0.744 0.785
0.667 0.948 0.858 0.903
2.00 1.051 1,040 1.045
このデータから検量線を引いて、この方法によって分析した未知の試料中のBE濃度を検出する。
ビタミンB12系
葉酸塩の代わりにビタミンB12を用いて実施例14を繰り返した。ビタミンB12に対するモノクローナル抗体を三座−B12コンジュゲートにより誘導体化した。次いで、ビタミンB12を測定するために、葉酸塩用の系に類似する系でこれを用いて成功を収めた。
ベンゾイルエクゴニン(BE)用ラテラルフローディップスティック
ポリエステル支持体の5mm幅の8ミクロンニトロセルロースディップスティックおよび試料送達パッドは、0.5mg/ml抗ビオチン抗体溶液で通常にストリップされ、検出線を提供した。実施例15で調製されたビオチン誘導体化抗BE媒介物(BE−Bio)は、530nmでの光学密度が1である40nmの金粒子に2.5μg/mlで吸着することによって結合した。粒子を洗浄し濃縮して530nmでの作業懸濁度10が得られた。
混合マイクロタイタープレートのウェルに以下を加えた。すなわち、30μlの金懸濁液、70ulのTris/Triton pH7.4、(先の実施例の通り)0.2mg/ml BE−KLH阻害薬10μl、および10μg/ml BE貯蔵液から100μl当たり0、2、5および10μlを使用し調製した試料/基準液100μl。これらを15分間室温で放置した。ディップスティックの試料添加パッドを個々の混合ウェルに入れ、内容物を放置してスティックへ移動させた。さらにスティックを100μlの緩衝液中に置いた。BEを含むウェルに置いたこれらのスティックは、その検出線でゼロ基準より一層顕著な赤色の金のバンドを明瞭に示した。これは、試料中のBEの存在を示すために使用し得る。
ベンゾイルエクゴニン(BE)用間接的ラテラルフローディップスティック
実施例17を繰り返したが、ビオチン誘導体化抗BE媒介物で直接コートした金粒子を使用する代わりに、抗マウスFab抗体でコートした金粒子を使用した。これらを適当な濃度のBE−Bioと混合して良好な結合が得られたが、過飽和ではなかった(任意で、未結合ビオチン誘導体化媒介物を含めずにこれらを洗浄することができる)。直接コートした金粒子の代わりにこれらの粒子を使用すると、再度上記の試料/基準用ディップスティックアッセイ系が得られ、ゼロ試料を超えるBE陽性基準に関する赤い検出線の明瞭な発色がこの系によって示された。
本発明は、上記の例示的実施形態に関連して記載されているが、本開示を見れば多くの同等の変更形態および変形形態が当業者には明らかである。従って、記載した本発明の例示的実施形態は、例示的であると見なされ限定するものではない。本発明の趣旨と範囲を逸脱することなしに、記載した実施形態に多様な変化を行ってよい。上の文章中および以下に列挙した参照文献は、本発明を実施するために当業者に必要とされる限りにおいて参照により組み込む。

Claims (27)

  1. 試料中の分析物を測定する方法であって、
    (a)分析物または分析物類似体と結合することが可能な分析物結合部位を有する結合媒介物を修飾するステップであって、該修飾が、その修飾された結合媒介物が前記分析物に結合した場合はレポーター分子と検出可能に相互作用するが、その修飾された結合媒介物が前記分析物類似体に結合した場合は相互作用しないように適合されたレポーター部位を形成することを含むステップ、および
    (b)試料を
    (i)前記分析物類似体、
    (ii)前記修飾された結合媒介物、および
    (iii)前記レポーター分子
    と接触させるステッ
    含む方法。
  2. (c)前記修飾された結合媒介物と相互作用する前記レポーター分子の量を測定するステップ
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記レポーター分子が、前記レポーター部位に結合する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記レポーター部位が、前記結合媒介物を化学修飾することによって形成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記レポーター部位が、前記結合媒介物にビオチンを結合することによって形成される、請求項に記載の方法。
  6. 前記レポーター部位が、前記結合媒介物をコードする核酸を修飾することによって形成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記結合媒介物の少なくとも1個のアミノ酸の付加、置換、または欠失を含む、請求項に記載の方法。
  8. 前記レポーター部位が、抗体に対する既知のエピトープである、請求項またはに記載の方法。
  9. 前記分析物類似体が、立体障害または静電反発によって前記レポーター分子と前記結合媒介物間の結合を妨害する、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記結合媒介物が抗体または酵素である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記分析物類似体が、前記分析物結合部位に対する抗体である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記分析物が、コカインまたはベンゾイルエクゴニンなどの乱用薬物またはその代謝産物である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 試料中の分析物の測定に使用するためのキットの製造方法であって、
    (a)分析物または分析物類似体と結合することが可能な分析物結合部位を有する結合媒介物を修飾するステップであって、該修飾が、その修飾された結合媒介物が前記分析物に結合した場合はレポーター分子と検出可能に相互作用するが、その修飾された結合媒介物が前記分析物類似体に結合した場合は相互作用しないように適合されたレポーター部位を形成することを含むステップ、および
    (b)以下を一緒にパッケージングするステップ
    (i)前記修飾された結合媒介物
    (ii)前記レポーター分子、及び
    (iii)前記分析物類似体
    を含む方法。
  14. 前記レポーター分子が前記レポーター部位に結合する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記レポーター分子が抗体である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記結合媒介物が抗体または酵素である、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記キットが前記分析物をさらに含む、請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記分析物が、ラテラルフローアッセイまたはディップスティックアッセイなどの固相アッセイによって測定される、請求項13〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記分析物が、コカインまたはベンゾイルエクゴニンなどの乱用薬物またはその代謝産物である、請求項13〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 請求項13〜19のいずれか一項の方法によって製造されるキット。
  21. 試料中の分析物を測定する方法であって、前記試料を
    (i)前記分析物または分析物類似体と結合することが可能な第1の抗原結合部位、およびレポーター分子と結合することが可能な第2の抗原結合部位を有する抗体、
    (ii)前記分析物類似体、および
    (iii)前記レポーター分子
    と接触させるステップであって、第2の抗原結合部位は、第1の抗原結合部位が分析物に結合した場合は前記レポーター分子と結合できるが、第1の抗原結合部位が分析物類似体に結合した場合は結合できない、上記ステッ
    含む方法。
  22. 第2の抗原結合部位に結合した前記レポーター分子の量を測定するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
  23. 試料中の分析物を測定するためのキットであって、
    (i)前記分析物の類似体、
    (ii)レポーター分子、および
    (iii)前記分析物または前記分析物類似体と結合することが可能な第1の抗原結合部位と、前記レポーター分子と結合することが可能な第2の抗原結合部位を有する抗体
    を含み、
    第2の抗原結合部位は、第1の抗原結合部位が分析物に結合した場合は前記レポーター分子と結合できるが、第1の抗原結合部位が分析物類似体に結合した場合は結合できないものである、上記キット。
  24. 前記分析物をさらに含む、請求項23に記載のキット。
  25. 前記分析物が、ラテラルフローアッセイまたはディップスティックアッセイなどの固相アッセイによって測定される、請求項23または24に記載のキット。
  26. 前記分析物が、コカインまたはベンゾイルエクゴニンなどの乱用薬物またはその代謝産物である、請求項23〜25のいずれか一項に記載のキット
  27. 修飾された結合媒介物であって、結合媒介物が分析物または分析物類似体と結合することができる分析物結合部位を有し、該修飾が、その修飾された結合媒介物が前記分析物に結合した場合はレポーター分子と検出可能に相互作用するが、その修飾された結合媒介物が前記分析物類似体に結合した場合は相互作用しないように適合されたレポーター部位の形成を含む、上記修飾された結合媒介物。
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