JP2007333802A - 電子写真用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂の物性や特性に与える影響が小さく、安全性や臭気の問題となる樹脂中の残存スチレン量が低減された電子写真用トナー及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】結着樹脂を含有してなるトナー原料を連続式オープンロール型混練機で溶融混練する工程を含む方法により得られる電子写真用トナーであって、前記結着樹脂が、縮重合系樹脂の原料モノマー及びスチレンを含む付加重合系樹脂の原料モノマーを重合させることにより得られ、スチレン含有量が3〜100ppmである複合樹脂を、結着樹脂中40〜100重量%含有してなる、電子写真用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナー及び該電子写真用トナーの製造方法に関する。
近年、オンデマンド印刷に対する要求が強まり、より高画質化、より高速化に対応することができ、そしてさらなる高信頼性を備えたトナーが要望されている。そこで、従来、耐久性及び定着性の観点から、アルコール成分とカルボン酸成分とを含むポリエステルの原料モノマー及びスチレンを含む付加重合系樹脂の原料モノマーを用いて得られる樹脂を使用したトナーが報告されている(特許文献1参照)。
一方、トナー用結着樹脂に対する安全性への要求は年々高まっている。また、トナー製造時の溶融混練やトナー使用時の溶融定着において高温下に曝された際の臭気が問題視されている。そこで、これらの観点から、結着樹脂中の残存モノマー量を低減する方法が、各種検討されている。例えば、半減期の異なる重合開始剤を使用する方法がある(特許文献2、3参照)。
特開平10−87839号公報 特開平7−120971号公報 特開平7−49588号公報
しかしながら、前記方法では、残存モノマー量の低減効果が不十分であり、また反応時間の増大、樹脂分子量分布の変化、各種物性間の調整の困難化等を招いてしまう。さらに、重合開始剤の残存物による臭気も懸念される。このため、樹脂の物性や特性に与える影響が小さく、かつ安全性や臭気の問題となる樹脂中の残存スチレン量が低減されたトナーの開発が要望される。
本発明の課題は、樹脂の物性や特性に与える影響が小さく、安全性や臭気の問題となる樹脂中の残存スチレン量が低減された電子写真用トナー及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、
〔1〕 結着樹脂を含有してなるトナー原料を連続式オープンロール型混練機で溶融混練する工程を含む方法により得られる電子写真用トナーであって、前記結着樹脂が、縮重合系樹脂の原料モノマー及びスチレンを含む付加重合系樹脂の原料モノマーを重合させることにより得られ、スチレン含有量が3〜100ppmである複合樹脂を、結着樹脂中40〜100重量%含有してなる、電子写真用トナー、並びに
〔2〕 結着樹脂を含有してなるトナー原料を連続式オープンロール型混練機で溶融混練する工程を含む上記〔1〕記載の電子写真用トナーの製造方法であって、連続式オープンロール型混練機の混練有効長をLとするとき、トナー原料の供給口から混練物排出口側に向かって、0.5L以上1.0L以下の範囲におけるトナー原料の平均温度(T1)と、混練機のロールの設定最高温度(T2)の差(T2−T1)が式(1):
5≦T2−T1≦80
を満たすものである、電子写真用トナーの製造方法
に関する。
本発明の電子写真用トナーは、樹脂中の残存スチレン量が低減され、樹脂の物性や特性に与える影響が小さいという優れた効果を奏するものであり、また、本発明の方法により、樹脂中の残存スチレン量が低減され、樹脂の物性や特性に与える影響が小さい電子写真用トナーを得ることができる。
本発明の電子写真用トナーは、結着樹脂を含有するトナー原料を連続式オープンロール型混練機で溶融混練する工程を含む方法により得られる電子写真用トナーであって、前記結着樹脂が、縮重合系樹脂の原料モノマー及びスチレンを含む付加重合系樹脂の原料モノマーを重合させることにより得られ、スチレン含有量が3〜100ppmである複合樹脂を、結着樹脂中40〜100重量%含有していることに特徴がある。従来、残存スチレン量を低減するためには、トナー溶融混練時に高温で溶融混練する方法等が試みられていたが、高温では樹脂(高分子)の分解によりかえって残存スチレン量の増加という現象を招く結果となる。即ち、スチレンを揮発させるためには高温にする必要があるが、高分子の分解を抑制するためには低温にする必要がある。
本発明は上記の観点から、2つの相反する事象を実現するためになされたものである。即ち、本発明においては、開放系の混練機である連続式オープンロール型混練機でトナー原料を溶融混練する事により、樹脂中に含まれる及び/又は生成したスチレンをある程度飛散させることができ、しかも、低温で混練する事により高分子の分解を最小限に防げる事を見出した。
本発明において、複合樹脂における縮重合系樹脂成分としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステル・ポリアミド等が挙げられるが、水とスチレンとの反応物との結合し易さの観点から、ポリエステルが好ましい。
ポリエステルは、特に限定されないが、2価以上のアルコールからなるアルコール成分と、2価以上のカルボン酸化合物からなるカルボン酸成分を含む原料モノマーを縮重合させて得られる。
2価以上のアルコールとしては、トナーの保存安定性の観点から、式(I):
Figure 2007333802
(式中、ROはアルキレンオキサイドであり、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す正の数であり、xとyの和は1〜16、好ましくは1.5〜5である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。かかるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、40モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物としては、ポリオキシエチレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のRが炭素数2のエチレンオキサイド付加物、ポリオキシプロピレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のRが炭素数3のプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物以外のアルコール成分としては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
また、2価以上のカルボン酸化合物としては、例えば、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸(例えば、n-ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n-ドデシルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸)等の脂肪族カルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、並びにこれらの酸の無水物及び低級アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。上記のような酸、これらの酸の無水物、及び酸のアルキルエステルを、本明細書では総称してカルボン酸化合物と呼ぶ。
また、ポリエステルは、軟化点と粉砕性の観点から、アルコール成分及び/又はカルボン酸成分として3価以上のモノマーを用いて得られた架橋ポリエステルであることが好ましい。3価以上のモノマーの含有量は、アルコール成分及びカルボン酸成分の総量中、2〜20モル%が好ましく、4〜18モル%がより好ましい。3価以上のモノマーとしては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)及びその無水物が好ましい。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、分子量調整や耐オフセット性向上の観点から、適宜含有されていてもよい。
アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、例えば、不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で行うことができる。
一方、付加重合系樹脂の原料モノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン化合物;エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N-ビニルピロリドン等のN-ビニル化合物類等が挙げられ、これらの中では、スチレン以外に、重合反応の制御のし易さ及び安定性の観点から、エチレン性モノカルボン酸のエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステルがより好ましい。スチレンの含有量は、付加重合系樹脂の原料モノマー中、30〜95重量%が好ましく、60〜90重量%がより好ましい。
エチレン性モノカルボン酸のエステルの含有量は、保存性の観点から、付加重合系樹脂単量体中、5〜70重量%が好ましく、10〜40重量%がより好ましい。
さらに、スチレンとエチレン性モノカルボン酸のエステルの総含有量は、付加重合系樹脂単量体中、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。
また、スチレンのエチレン性モノカルボン酸のエステルに対するモノマー比(スチレン/エチレン性モノカルボン酸のエステル)は、50/50〜95/5が好ましく、70/30〜95/5がより好ましい。
なお、付加重合系樹脂の原料モノマーの付加重合には、重合開始剤、架橋剤等を必要に応じて使用してもよい。
付加重合反応は、例えば、重合開始剤、架橋剤等の存在下、有機溶媒存在下又は無溶媒下で、常法により行うことができるが、例えば、温度条件は、好ましくは110〜200℃、より好ましくは140〜170℃である。
付加重合反応の際に用いられる有機溶媒としては、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン等が挙げられる。有機溶媒の使用量は、付加重合系樹脂単量体100重量部に対して、10〜50重量部程度が好ましい。
本発明において、複合樹脂は、微量のスチレンの含有量の制御の容易さの観点から、縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーに加えて、さらに縮重合系樹脂の原料モノマー及び付加重合系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物(両反応性モノマー)を用いて得られる樹脂(ハイブリッド樹脂)であることが好ましい。ハイブリッド樹脂は、縮重合系樹脂成分と付加重合系樹脂成分とが部分的に両反応性モノマーを介して結合し、縮重合系樹脂成分中に付加重合系樹脂成分がより微細に、かつ均一に分散している。
両反応性モノマーとしては、分子内に、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基と、エチレン性不飽和結合とを有する化合物が好ましく、このような両反応性モノマーを用いることにより、分散相となる樹脂の分散性をより一層向上させることができる。両反応性モノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸、フマル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、及びこれらのカルボン酸の無水物、アルキル(炭素数1〜2)エステル等の誘導体等が挙げられ、これらのなかでは反応性の観点からアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸及びこれらのカルボン酸の誘導体が好ましい。
本発明において、両反応性モノマーのうち、官能基を2個以上有するモノマー(ポリカルボン酸等)及びその誘導体はポリエステルユニットの原料モノマーとして、官能基を1個有するモノマー(モノカルボン酸等)及びその誘導体は付加重合系樹脂ユニットの原料モノマーとして扱う。両反応性モノマーの使用量は、官能基を2個以上有するモノマー及びその誘導体については縮重合系樹脂単量体中、官能基を1個有するモノマー及びその誘導体については付加重合系樹脂単量体中、それぞれ1〜10モル%が好ましく、4〜8モル%がより好ましい。
本発明において、複合樹脂は、縮重合反応と付加重合反応を同一反応容器中で並行して行うことにより得られるが、縮重合反応と付加重合反応の進行及び完結は、時間的に同時である必要はなく、それぞれの反応機構に応じて反応温度及び時間を適当に選択し、反応を進行、完結させればよい。縮重合反応及び付加重合反応は、前述の方法により行うことができる。
また、複合樹脂は、残存スチレン量を効率よく低減させる観点から、少なくとも後述の工程(A)及び(B)を経て製造することができる。
即ち、スチレンを含む付加重合系樹脂単量体を付加重合反応させる工程(A)、(A)の途中及び/又は終了後に、工程(A)で生じる反応混合物と水とを混合する工程(B)、並びに工程(A)及び工程(B)の前、中及び後の少なくともいずれかの時点で、さらにポリエステル単量体を前記の反応系に存在させて縮重合反応させる工程(C)を経て得ることもできる。
水の混合量は、樹脂の物性への影響を制御する観点から、付加重合系樹脂単量体100重量部に対して、0.1〜50重量部が好ましく、0.5〜40重量部がより好ましく、1〜35重量部がさらに好ましい。
工程(A)で生じる反応混合物と水とを混合する際の系内の温度は、水の蒸発効率及び反応混合物の粘度の観点から、100〜300℃が好ましく、130〜250℃がより好ましく、150〜240℃がさらに好ましい。
工程(A)で生ずる反応混合物と水とを接触及び/又は混合する方法は特に限定されないが、水との共沸効果により、スチレン量を効率よく調整する観点から、かかる反応混合物に水を滴下したり、蒸気を添加したりする方法が好ましい。水は、混合後蒸発するが、樹脂中の含水量は、トナーの帯電特性の観点から、0.2重量%以下が好ましく、含水量を低減する方法としては、水の混合終了後、100℃以上で保持する、又は減圧により除去する等の方法が好ましい。
工程(A)と工程(B)は、それぞれ別々に行う必要はなく、両工程を一部並行して行ってもよい。従って、反応混合物と水とを混合する時期は、工程(A)における付加重合反応の終了後であっても、付加重合反応の途中であってもよいが、本発明では、水と樹脂との混合性の観点から、工程(A)における付加重合反応が終了した後に水を添加することが好ましい。付加重合反応の進行度は、使用した開始剤の半減期、反応熱量等から予測、確認することができる。
複合樹脂の製造方法における、工程の手順としては、
i)縮重合反応を行う工程(C)の後に、工程(A)を行う方法、
ii)縮重合反応を行う工程(C)を、工程(A)に先立って開始し、工程(A)の後に、再度反応温度を上昇させ、必要に応じて架橋剤となる3価以上の縮重合系樹脂単量体を重合系に添加し、工程(C)の縮重合反応をさらに進める方法、
iii)付加重合反応に適した温度条件下で付加重合反応を行う工程(A)と縮重合反応を行う工程(C)を並行して行い、反応温度を前記条件下で保持して工程(A)を完結させた後、反応温度を上昇させ、必要に応じて架橋剤となる3価以上の縮重合系樹脂単量体を重合系に添加し、工程(C)の縮重合反応をさらに進める方法、
等が挙げられる。これらの方法において、工程(B)の実施は前記のように工程(A)の開始後であればよいが、工程(A)の終了後であることが好ましく、工程(A)及び工程(C)の終了後であることがより好ましい。また、iii)の方法において、工程(A)と工程(C)を並行して行う際には、縮重合系樹脂単量体を含有した混合物中に、付加重合系樹脂単量体を含有した混合物を滴下して反応させることが好ましい。このように反応容器中で独立した2つの重合反応を並行して進行させる方法により2種類の樹脂成分が効果的に混合分散した複合樹脂を得ることができる。
また、複合樹脂が両反応性モノマーを用いて得られるハイブリッド樹脂である場合にも、両反応性モノマーを縮重合系樹脂の原料モノマー及び/又は付加重合系樹脂の原料モノマーと共に用い、好ましくは付加重合系樹脂の原料モノマーと共に用いて、上記工程(A)〜(C)を経て得ることができる。
本発明においては、縮重合系樹脂の付加重合系樹脂に対する重量比、即ち縮重合系樹脂の原料モノマーの付加重合系樹脂の原料モノマーに対する重量比(縮重合系樹脂の原料モノマー/付加重合系樹脂の原料モノマー)は、連続相が縮重合系樹脂であり、分散相が付加重合系樹脂であることが好ましいことから、55/45〜95/5が好ましく、60/40〜95/5がより好ましく、70/30〜90/10がさらに好ましい。
また、ワックスの分散性を向上させる観点からは、複合樹脂は、ワックスの存在下で縮重合系樹脂の原料モノマー及びスチレンを含む付加重合系樹脂の原料モノマーを重合させることにより得られる樹脂が好ましい。
ワックスとしては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンポリエチレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物、カルナウバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス及びそれらの脱酸ワックス等のエステル系ワックス、脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらのなかでは、離型性及び安定性の観点から、脂肪族炭化水素系ワックスが好ましい。
ワックスの添加量は、結着樹脂の製造に用いられる樹脂単量体の総量100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましい。
ワックスの添加時期は特に限定されず、重合開始当初であっても、重合反応途中であってもよい。
複合樹脂中のスチレン含有量は、臭気を抑制する観点から、3〜100ppmであり、好ましくは10〜85ppmであり、より好ましくは15〜70ppmである。特に、前記方法により得られる複合樹脂は、樹脂中のスチレン量が効率よく低減された樹脂となる。なお、本明細書において、スチレンの含有量は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
上記により得られる複合樹脂は、ワックスの分散性の観点から、結着樹脂中、40〜100重量%含有され、好ましくは70〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%、さらに好ましくは実質的に100%含有されることが望ましい。
本発明のトナーは、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、スチレン−アクリル樹脂等の他の結着樹脂を含有していてもよい。
結着樹脂中のスチレン含有量は、臭気を抑制する観点から、3〜100ppmが好ましく、より好ましくは10〜85ppmであり、さらに好ましくは15〜70ppmである。本明細書において、スチレンの含有量は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
結着樹脂の軟化点は、低温定着性、定着可能領域及び保存性の観点から、好ましくは70〜170℃、より好ましくは80〜150℃、さらに好ましくは80〜140℃、さらに好ましくは90〜130℃である。また、ガラス転移点は40〜80℃が好ましく、酸価は1〜20mgKOH/gが好ましい。本明細書において、軟化点、ガラス転移点、酸価は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
本発明のトナーには、さらに、着色剤、離型剤、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等を使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン-Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明により製造するトナーは、黒トナー、カラートナー、フルカラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
離型剤としては、前述したものが同様に挙げられる。これらのなかでは、離型性及び安定性の観点から、脂肪族炭化水素系ワックス及びエステル系ワックスが好ましく、これらは単独で又は2種以上を混合して含有されていても良い。離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。離型剤は分散性向上の観点から、結着樹脂製造時に樹脂の原料モノマーと共に用いられ、結着樹脂に内添されていてもよい。
荷電制御剤としては、負帯電性及び正帯電性のいずれのものも使用することができる。負帯電性荷電制御剤としては、例えば、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正帯電性荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。また、樹脂等の高分子タイプのものを使用することもできる。荷電制御剤の配合量は、帯電性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜8重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。
本発明のトナーは、結着樹脂等を含むトナー原料を、連続式オープンロール型混練機で溶融混練する工程を含む方法により得られる。溶融混練においては、結着樹脂等のトナー原料を均一に混合した後、オープンロール型混練機に供することが好ましい。
トナー原料の混合は、結着樹脂等の全ての原料を一度に混合する方法であっても、分割して混合する方法であってもよい。
トナー原料の混合に用いられる混合機としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等が挙げられるが、分散性の観点から、ヘンシェルミキサーが好ましい。
トナー原料の溶融混練では、ロールの軸方向に沿って設けられた供給口と混練物排出口を備えた連続式オープンロール型混練機を用いることにより、混練の繰り返しや分散助剤の使用をしなくても、離型剤を効率よく高分散させることができる。
トナー原料の混合物は、1箇所の供給口から混練機に供給してもよく、複数の供給口から分割して混練機に供給してもよいが、操作の簡便性及び装置の簡略化の観点からは、1箇所の供給口から混練機に供給することが好ましい。
連続式オープンロール型混練機とは、溶融混練部がオープン型であるものをいい、溶融混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。また、本発明に用いられる連続式オープンロール型混練機は、少なくとも2本のロール、好ましくは、加熱ロールと冷却ロールとの2本のロールを備えた混練機であることが望ましい。本発明においては、分散性の観点から、加熱ロールは高回転ロール、冷却ロールは低回転ロールであることが望ましい。
2本のロールは並行に配置されていてもよいが、より混練シェアを緩やかにして樹脂の分子切断等を防止しつつトナー原料組成物と回収微粉とを溶融混練する観点及び回収微粉のロール上での滞留時間を長くして均一に分散させる観点から、混練物排出口側端部のロール隙間は、供給口側端部のロール間隙よりも広くなるように配置されていることが好ましく、具体的には、混練物供給口側端部のロール隙間は、0.05〜2mmが好ましく、0.05〜1mmがより好ましく、0.05〜0.8mmさらに好ましく、混練物排出口側端部のロール隙間は、0.1〜2mmが好ましく、0.3〜1.5mmがより好ましく、0.5〜1mmがさらに好ましい。
ロールの構造、大きさ、材料等は特に限定されず、ロール表面も、平滑、波型、凸凹型等のいずれであってもよいが、混練シェアを高めるために、各ロールの表面には複数の螺旋状の溝が刻んであることが好ましい。
ロールの温度は、例えば、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
加熱ロール、特に供給口側の設定温度は、結着樹脂の軟化点及び離型剤の融点のいずれの温度よりも高いことが好ましく、そのいずれかの高い方の温度よりも、0〜80℃高いことがより好ましく、5〜50℃高いことがさらに好ましい。また、冷却ロール、特に供給口側の設定温度は、結着樹脂の軟化点の温度よりも低いことが好ましい。
即ち、混練機の混練有効長をLとするとき、トナー原料の供給口から混練物排出口側に向かって0.5L〜1.0Lの範囲内で混練されているトナー原料の平均温度(T1)と、混練機のロールの設定最高温度(T2)が下記式(1):
5≦T2−T1≦80
を満たすことが好ましく、式(2):
7≦T2−T1≦65
を満たすことがより好ましく、式(3):
10≦T2−T1≦50
を満たすことがさらに好ましい。
なお、トナー原料の平均温度(T1)とは、トナー原料の溶融混練時のロールの各位置における温度を測定し、得られた測定値の平均値を算出したものを示す。ロールの設定最高温度(T2)とは、ロールの原料供給口側の設定温度のことを示し、二本以上のロールを用いる場合は、それらの中で、最も高い設定温度のことを示す。また、T1は混練時のスチレンの発生を抑制する観点から、70℃〜125℃が好ましく、80℃〜120℃がより好ましく、90℃〜110℃がさらに好ましく、T1とT2の温度差は、ロールの周速度とロール間の幅を適宜調整することにより調整することができる。本明細書において、トナー原料の平均温度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
加熱ロールの周速度は、2〜100m/minであることが好ましい。冷却ロールの周速度は2〜100m/minが好ましく、4〜60m/minがより好ましく、4〜50m/minがさらに好ましい。また、2本のロールは、互いに周速度が異なっていることが好ましく、2本のロールの周速度の比(冷却ロール/加熱ロール)は、1/10〜9/10が好ましく、3/10〜8/10がより好ましい。
本発明のトナーは、上記に従って溶融混練後、冷却、粉砕、分級して製造することができる。さらに、必要に応じて外添剤により表面処理する工程を経て得ることもできる。表面処理は、疎水性シリカ等の流動性向上剤等の外添剤をヘンシェルミキサー等の混合機によりトナー表面に外添する方法が好ましい。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、カーボンブラック等の無機微粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー微粒子等、公知の微粒子が使用できる。
本発明のトナー中のスチレン含有量は、臭気を抑制する観点から、好ましくは3〜100ppmであり、より好ましくは10〜70ppmであり、さらに好ましくは15〜50ppmである。なお、本明細書において、スチレンの含有量は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、画質及び帯電性の観点から、2〜15μmが好ましく、2〜10μmがより好ましく、2.5〜7μmがさらに好ましく、2.5〜6μmがさらに好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明のトナーは、そのまま一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔離型剤の平均分散径〕
(1) エポキシ系樹脂で包埋したトナーを、凍結状態で約100nmの厚さの薄切片にし、透過電子顕微鏡を用いてトナー中に分散する離型剤の長径及び短径を測定する。
(2) 長径及び短径の値から、離型剤のドメイン径を求める。なお、ドメイン径は、(長径+短径)/2の式より求める。
(3) (1)及び(2)の方法により、トナー中に分散する離型剤のドメイン径を50個測定し、得られたドメイン径(D)の値を、下式:
Figure 2007333802
(式中、nはドメイン径がDである分散粒子の個数である)に代入して得られた値を平均分散径とする。
〔スチレン含有量〕
スチレンの含有量は、TD−GC/MS(加熱脱着-ガスクロマトグラフ質量分析計)を用いて、以下の方法により測定する。
(1) 測定装置
TD:Turbo Matrix ATD(自動加熱脱着(ATD)装置、Perkin Elmer社製)
GC:6890N(Agilent Technologies社製)
MS:5973N(Agilent Technologies社製)
(2) 測定条件
<TD>
出口スプリット使用
分析モード:2段階脱着
注入:2回
チューブからの加熱脱着条件:120℃で1時間
トラップ管への吸着条件:-30℃で50分
トラップ管からの脱着条件:-30℃から開始し、40℃/minで300℃まで昇温
パージ時間:1分
バルブ温度:150℃
トランスファー温度:160℃
カラム圧力:150kPa
入口スプリット:50mL/min
出口スプリット:5mL/min
脱着:50mL/min
<GC>
分析カラム:HP5-MS(60m×250μm×0.25μm)
キャリアー:He
流量条件:1mL/min
注入口温度:250℃
カラム圧力:150kPa(TDから制御)
オーブン温度条件:<temperature time (ratio)>
40℃ 3min
70℃ (2℃/min)
150℃ (5℃/min)
300℃ (10℃/min)
<MS>
イオン化法:EI(電子イオン化)法
インターフェイス温度:300℃
イオン源温度:230℃
四重極温度:150℃
検出モード:Scan (range m/z = 40-460)
Initial Area Reject:0
Initial Peak Width:0.097
Shoulder Detection:off
Initial Threshold:12.0
(3) スチレンの定量
テナックスTA入りチューブに標品「重トルエン/メタノール溶液(10mg/L)」を5μL注入する。次に、試料5mgを秤量し、上記チューブに添加する。その後、チューブを測定装置にセットし、測定を行う。なお、定量は一点検量で行い、重トルエンはm/z=98、スチレンはm/z=104のマスクロマトグラムのピークについてピーク面積を測定し、得られたピーク面積比よりスチレン濃度を求める。
樹脂製造例1(樹脂Aの製造例)
表1に示す無水トリメリット酸以外のポリエステル単量体の原料モノマー及びエステル化触媒としてオクチル酸スズ40gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃でテレフタル酸の粒が確認できなくなるまで縮重合反応させた。さらに、8kPaで1時間反応させ、表1に示すポリエチレンワックス「パラフリントH105」(サゾール社製)を添加し、160℃に冷却後、表1に示すビニル系樹脂単量体の原料モノマー及び重合開始剤の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下した。滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を熟成させた後、210℃に昇温し、8kPaで1時間保持して、ビニル系樹脂単量体の除去をおこなった。その後、表1に示す無水トリメリット酸を加えて、架橋反応を所定の軟化点に達するまで行い樹脂Aを得た。なお、樹脂Aにおける、ポリエステル単量体とビニル系樹脂単量体の重量比(ポリエステル単量体/ビニル系樹脂単量体の重量比)は73/17である。
樹脂製造例2〜3(樹脂B、Cの製造例)
表1に示す無水トリメリット酸以外のポリエステル単量体の原料モノマー及びエステル化触媒としてオクチル酸スズ40gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃でテレフタル酸の粒が確認できなくなるまで縮重合反応させた。さらに、8kPaで1時間反応させ、表1に示すポリエチレンワックス「パラフリントH105」(サゾール社製)を添加し、160℃に冷却後、表1に示すビニル系樹脂単量体の原料モノマー及び重合開始剤の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下した。滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を熟成させた後、210℃に昇温し、8kPaで0.5時間保持した。次いで、210℃で40kPaにおいて攪拌しながら、1時間かけて140℃の蒸気を、500g (付加重合系樹脂単量体の総量100重量部に対して、29.7重量部)/時間の速度で樹脂中に添加した。その後、表1に示す無水トリメリット酸を加えて、架橋反応を所定の軟化点に達するまで行い樹脂B及びCを得た。なお、樹脂B及びCにおける、ポリエステル単量体とビニル系樹脂単量体の重量比(ポリエステル単量体/ビニル系樹脂単量体の重量比)はいずれも73/17である。
樹脂製造例4(樹脂Dの製造例)
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー及びエステル化触媒としてオクチル酸スズ40gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、220℃で8時間縮重合反応させた。さらに、8.3kPaで1時間反応させた後、210℃に冷却し、表1に示す無水トリメリット酸を加えて、所望の軟化点に達するまで反応を行い、樹脂Dを得た。
Figure 2007333802
実施例1〜4及び比較例1〜2
表2に示すトナー原料をヘンシェルミキサーにて攪拌混合後、表2に示す条件で溶融混練した。なお、各条件については以下に記載の通りである。得られた混練物を冷却ローラーで圧延冷却した後、ジェットミルで粉砕し、分級して、体積中位粒径(D50)4.5μmのトナーを得た。得られたトナーについて、トナー原料の平均温度、樹脂の残存スチレン量、トナーの残存スチレン量を測定し、結果を表2に示す。
〔混練条件例A〕
ロール外径0.12m、有効ロール長0.8mの連続式二本ロール型混練機を使用した。連続式二本ロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)周速度9m/min、低回転側ロール(バックロール)周速度6m/min、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転ロールの原料投入側が160℃及び混練排出側が100℃であり、低回転ロールの原料投入側が30℃及び混練物排出側が30℃であった。また、原料混合物の供給速度は4kg/時間、平均滞留時間は約10分間であった。
〔混練条件例B〕
ロール外径0.12m、有効ロール長0.8mの連続式二本ロール型混練機を使用した。連続式二本ロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)周速度9m/min、低回転側ロール(バックロール)周速度6m/min、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転ロールの原料投入側が120℃及び混練排出側が100℃であり、低回転ロールの原料投入側が30℃及び混練物排出側が30℃であった。また、混合物の供給速度は4kg/時間、平均滞留時間は約10分間であった。
〔混練条件例C〕
混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を混練に使用した。ロール周速度は8.6m/minであった。ロール内の加熱温度は100℃であり、原料混合物の供給速度は4kg/時間、平均滞留時間は、約18秒間であった。
なお、トナー原料の溶融混練時の温度は、反射温度計(キーエンス社製)を用いて、トナー原料の供給口から混練物排出口側に向かって0.5L、0.75L、1.0Lの位置のトナー原料の溶融混練時の温度を測定し、それらの平均値を算出し、平均温度とする。
Figure 2007333802
以上の結果より、実施例1〜4のトナーは、比較例に対比してトナー中の残存スチレン量が低いものであった。オープンロールの設定最高温度が低い実施例4のトナーは、複合樹脂とトナーの残存スチレン量に大きな差は認められなかったが、特に、オープンロールの設定最高温度が高い実施例1〜3のトナーは、複合樹脂が含有するスチレンが揮発されることにより、トナーの残存スチレン量が低減していた。一方、複合樹脂中の残存スチレン量が多い比較例1のトナー、及びオープンロール型混練機を用いなかった比較例2のトナーは、残存スチレン量が多かった。また、オープンロール型混練機を用いた場合、ワックスの平均分散径が小さくなり、分散性が向上していることが示唆された。
本発明の電子写真用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に用いられる。

Claims (5)

  1. 結着樹脂を含有してなるトナー原料を連続式オープンロール型混練機で溶融混練する工程を含む方法により得られる電子写真用トナーであって、前記結着樹脂が、縮重合系樹脂の原料モノマー及びスチレンを含む付加重合系樹脂の原料モノマーを重合させることにより得られ、スチレン含有量が3〜100ppmである複合樹脂を、結着樹脂中40〜100重量%含有してなる、電子写真用トナー。
  2. 複合樹脂が、ワックス存在下で縮重合系樹脂の原料モノマー及びスチレンを含む付加重合系樹脂の原料モノマーを重合させることにより得られる樹脂である請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. トナー中のスチレン含有量が3〜100ppmである、請求項1又は2記載の電子写真用トナー。
  4. 複合樹脂が、さらに縮重合系樹脂の原料モノマー及びスチレンを含む付加重合系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物の存在下で重合させることにより得られる樹脂である請求項1〜3いずれか記載の電子写真用トナー。
  5. 結着樹脂を含有してなるトナー原料を連続式オープンロール型混練機で溶融混練する工程を含む請求項1〜4いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法であって、連続式オープンロール型混練機の混練有効長をLとするとき、トナー原料の供給口から混練物排出口側に向かって、0.5L以上1.0L以下の範囲におけるトナー原料の平均温度(T1)と、混練機のロールの設定最高温度(T2)の差(T2−T1)が式(1):
    5≦T2−T1≦80
    を満たすものである、電子写真用トナーの製造方法。
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