JPH0749588A - 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び画像形成方法

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JPH0749588A
JPH0749588A JP5147705A JP14770593A JPH0749588A JP H0749588 A JPH0749588 A JP H0749588A JP 5147705 A JP5147705 A JP 5147705A JP 14770593 A JP14770593 A JP 14770593A JP H0749588 A JPH0749588 A JP H0749588A
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雅己 藤本
Minoru Shimojo
稔 下條
Toshiaki Nakahara
俊章 中原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、低温定着性、耐オフセット性に優
れ、定着時の臭気の発生の少ない静電荷像現像用トナー
及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することを目
的とする。 【構成】 本発明は、多官能重合開始剤の存在下で重合
されたスチレン系樹脂を含有し、GPCにおける分子量
分布において、分子量3.5×103 〜5×104 の領
域に極大値(P1 )を有し、分子量1×105 以上の領
域に極大値(P2)またはショルダーを有し、分子量3
×103 以下の領域の樹脂成分が15%以下含有され、
トナーに含有されるスチレン及びベンズアルデヒドの含
有量が100ppm以下であることを特徴とする静電荷
像現像用トナーに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法等に用いられるトナー、該トナーを使用する画像形成
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ている如く多数の方法が知られている。一般には光導電
性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜
像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必
要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、種
々の方法で定着し、複写物を得るものである。定着方法
としては、2本以上の金属ロール間を通過させる圧力定
着方式、電熱ヒーターによる加熱雰囲気中を通過させる
オーブン定着方式及び現在最も一般的な、加熱ローラ間
を通過させる熱ロール定着方式またはサーフ定着方式が
ある。
【0003】加熱ローラによる圧着加熱方式はトナーに
対し離型性を有する材料で表面を形成した熱ローラの表
面に被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら
通過せしめることにより定着を行うものである。この方
法は熱ローラの表面と被定着シートのトナー像とが加圧
下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着す
る際の熱効率が極めて良好であり、かつ迅速に定着を行
うことができ、高速度電子写真複写機において非常に有
効である。上記方法では、熱ローラ表面とトナー像とが
溶融状態で加圧下で接触するためにトナー像の一部が定
着ローラ表面に付着、転移してしまい、次の被定着シー
トにこれが再転移して所謂オフセット現象を生じ、被定
着シートを汚すことがある。熱定着ローラ表面に対して
トナーが付着しないようにすることは熱ローラ定着方式
の必須条件の1つである。
【0004】また、この熱ロール定着方式においては熱
源の電源を入れてから、熱ロールが定着可能な温度まで
上昇し、定着可能となるまでに比較的長い時間を要す
る。そのため、オフィスワークにおけるハードコピー出
力に要する時間は、少ないとは言えない。このウエイト
アップタイムは時間の損失となり、オフィスワークの効
率化を妨げている。このウエイトアップタイムの短縮
化、さらには電子写真法による記録方法の高速化に伴
い、熱ロール定着方式における定着性を向上させる様々
な工夫がなされている。トナーの定着性を向上させるた
めにバインダー樹脂においては、溶融時におけるトナー
の粘度を低下させ定着基材との接着面積を大きくする必
要があり、このために使用するバインダー樹脂のガラス
転移点(Tg)や分子量を低くすることが要求される。
【0005】しかしながら、安易にバインダー樹脂のT
gや分子量を低くすると前述のオフセットが発生しやす
くなる。
【0006】このように低温定着性とオフセット防止性
とは相反する一面を有することから、これらの要求を同
時に満足するトナーの開発は難しいものがある。
【0007】これらの要求を満たすバインダー樹脂とし
て特公昭63−32182号公報及び特公昭63−32
382号公報にゲルパーミュレーションクロマトグラフ
ィー(GPC)で二つのピークを有するバインダー樹脂
が提案されている。このバインダーは低分子量分では定
着性を向上させ、高分子量分ではオフセット防止性を向
上させる優れたバインダー樹脂であるがさらに定着性を
向上させるために、より低分子量にしようとすると、ト
ナーの現像性能が低下し、トナー中に揮発成分が増加す
るという問題点がある。そのため、よりいっそうの定着
性を向上したトナー及び熱ロール定着方式が求められて
いる。
【0008】近年、電子写真法を用いた記録方法は応用
範囲が広がり、一般のオフィスや自宅で使用されるに至
っている。トナー中に残存モノマー及び残存溶剤が多い
場合、画像形成時または定着時に臭気を発し、不快感を
与えるといった問題を有しており、残存モノマー及び残
存溶剤を低減したトナーが求められている。
【0009】特に、最近の電子写真装置では感光体表面
に静電荷潜像を形成する際の高電圧印加によるオゾンの
発生を防止するため、コロナ帯電に代って接触帯電手段
が用いられている。この接触帯電手段を用いた電子写真
装置ではオゾンの発生がほとんどなくなった結果、オゾ
ンフィルターを装着しないことが可能となった。オゾン
フィルターを装着しない場合には、トナーの臭気の問題
が著しく発現しやすい。
【0010】トナー中の残存モノマー量を低減するため
には、バインダー樹脂の重合開始剤量を増加する方法、
重合後に溶剤蒸留する際に、非常に長時間減圧蒸留する
方法、トナーを製造する際に、減圧しながら高温で混練
する方法等が挙げられる。しかしながら、これらの方法
で残存モノマー量を低減しようとした場合にはいくつか
の問題が生じる。例えば、単に重合開始剤量を増加する
と、ポリマーの分子量のコントロールが難しくなり、低
分子量成分が増えるとともに分子量分布のピーク形状が
ブロードになり、現像特性が悪くなることがある。ま
た、重合後に溶剤を減圧蒸留する方法は、長い時間製造
装置を占有する点、多大な熱量を必要としエネルギーを
浪費する点等の問題があり、また解重合(ポリマーの分
解)により樹脂の分子量が低下することがある。トナー
を製造時に減圧し高温混練する方法では、高温混練のた
めにトナーの他の材料例えばワックスの分散性が悪くな
るという弊害を生じやすい等の問題点がある。
【0011】従来、電子写真装置等における帯電手段と
してコロナ放電器が知られている。しかし、コロナ放電
器は高電圧を印加しなければならない、オゾンの発生量
が多い等の問題点を有している。
【0012】そこで、最近ではコロナ放電器を利用しな
いで接触帯電手段を利用することが検討されている。具
体的には帯電部材である導電性ローラまたは導電性ブレ
ードに電圧を印加してローラまたはブレードを被帯電体
である感光体に接触させて感光体表面を所定の電位に帯
電させるものである。このような接触帯電手段を用いれ
ばコロナ放電器と比較して低電圧化がはかれ、オゾン発
生量も減少する。
【0013】また、潜像担持体(感光体)表面に形成し
たトナー像を、紙の如きシート状の転写材に静電的に転
写する工程を含む画像形成装置において、回転円筒状、
無端ベルト状などの潜像担持体を使用し、バイアスを印
加した転写装置をこれに圧接してこれら両者間に転写材
を通過させて、潜像担持体側のトナー像を転写材に転写
するように構成したものが、例えば、特開昭59−46
664号公報に提案されている。
【0014】このような装置は、従来から広く用いられ
ているコロナ放電を利用した転写手段に比して、転写ロ
ーラの潜像担持体への圧接力を調整することによって転
写材の潜像担持体への吸着領域を拡大することができる
ので、転写材を転写部位において積極的に押圧支持して
いる。このため、転写材搬送手段による同期不良や転写
材に存在するループ、カールなどによる転写ずれを生ず
るおそれが少なく、近来におけるこの種の画像形成装置
の小型化にともなう転写材搬送路の短縮化、潜像担持体
の小径化などの要請にも対処しやすい。
【0015】しかしながら、前記接触帯電手段を用いた
場合、被帯電体と十分な接触を保つことができないと帯
電不良を生ずるという問題点を有する。そして、当接部
に於ては、感光体表面に現像剤成分が残留すると、帯電
部材が所定の当接圧を有している為、帯電部材及び感光
体表面に残留している現像剤成分が固着し、潜像形成ま
たは現像画像に影響が出てしまう問題点も有している。
【0016】特開昭59−46664号公報に提案の当
接により転写を行う装置に於いては、当接部位により転
写電流が供給される為、ある程度の圧力を転写装置に加
圧する必要がある。当接圧が加えられた場合、潜像担持
体上のトナー像にも、圧力が加わり凝集が起りやすい。
【0017】さらに、潜像担持体表面が樹脂で構成され
ている場合には、トナー凝集物と潜像担持体との間でも
密着が発生し、その結果、トナーが潜像担持体表面や転
写装置の当接部材表面に固着する現象が起こる場合があ
る。
【0018】そのような現象が起こると、潜像担持体の
潜像形成に欠損が生じたり、転写抜けが生じてしまい、
欠陥のあるトナー画像が生成してしまうという問題が起
こる場合がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の問題点を解決した静電荷像現像用トナー及び画像形成
方法を提供することにある。
【0020】本発明の目的は、優れた低温定着性及びオ
フセツト防止性を示すとともに優れた現像特性を示し、
トナー中の残存モノマー等の揮発成分が少なく、臭気の
発生が少ない静電荷像現像用トナーを提供することにあ
る。
【0021】更に、ウエイトアップ時間の短縮化、電子
写真プロセスの高速化に対応する優れた熱ロール定着方
式による定着システムを使用した画像形成方法を提供す
ることにある。
【0022】本発明の目的は、トナー中の残存モノマ
ー、モノマーの分解物、副生成物、残存溶剤等の揮発成
分が少なく、臭気の少ない静電荷像現像用トナーを提供
することにある。
【0023】更に本発明の目的は、オゾン臭、トナー臭
等による臭気を抑制した画像形成方法を提供することに
ある。
【0024】更に本発明の目的は、接触帯電手段、転写
ローラの当接により転写を行う手段を用いた画像形成方
法において、帯電部材及び感光体表面に現像剤成分が固
着することなく、優れた画質のトナー画像を長時間また
は多数枚にわたって供給し得る静電荷像現像用トナーを
提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、多官
能重合開始剤の存在下で重合されたスチレン系樹脂を含
有し、GPCにおける分子量分布において、分子量3.
5×103 〜5×104 の領域に極大値を有し、分子量
1×105 以上の領域に極大値またはショルダーを有
し、分子量3×103 以下の領域の樹脂成分が15%以
下含有され、トナーに含有されるスチレン及びベンズア
ルデヒドの含有量が100ppm以下であることを特徴
とする静電荷像現像用トナーに関する。
【0026】更に、本発明は、静電潜像担持体に、電圧
を印加した帯電部材を当接させて、静電潜像担持体を帯
電し、帯電した静電潜像担持体を露光して静電潜像を形
成し、形成された静電潜像を、多官能重合開始剤の存在
下で重合されたスチレン系樹脂を含有し、GPCにおけ
る分子量分布において、分子量3.5×103 〜5×1
4 の領域に極大値を有し、分子量1×105 以上の領
域に極大値またはショルダーを有し、分子量3×103
以下の領域の樹脂成分が15%以下含有され、トナーに
含有されるスチレン及びベンズアルデヒドの含有量が1
00ppm以下である静電荷像現像用トナーで現像して
トナー像を形成し、形成されたトナー像を電圧を印加し
た転写部材で転写材を押圧しながら転写材へ静電転写
し、転写材上のトナー像を芯金厚1mm以下の熱ローラ
で加熱加圧定着する画像形成方法に関する。
【0027】更に本発明を詳細に説明する。
【0028】本発明のトナーにおける結着樹脂は、GP
Cにおける分子量分布において、分子量3.5×103
〜5×104 の領域に極大値を有し、分子量1×105
以上の領域に極大値またはショルダーを有することを特
徴とする。本発明においてショルダーとはGPCクロマ
トグラム曲線の微分値が極値となる点である。
【0029】分子量3.5×103 〜5×104 の領域
に極大値を有することで良好な定着性を有するトナーを
得ることができ、そのトナーの製造時の粉砕工程で良好
な粉砕性を得ることができ、分子量1×105 以上の領
域に極大値またはショルダーを有することで、良好なオ
フセツト防止性が得られる。
【0030】分子量1×105 以上の領域に極大値また
はショルダーを有する樹脂成分は、その含有率が多いほ
どオフセツト防止性が高いが、多すぎると定着性能を阻
害することがある。GPCによる分子量分布において、
分子量10万以上の成分が5〜50重量%であり、好ま
しくは10〜50重量%が良い。5重量%未満の場合に
は良好なオフセット防止性が得られない場合があり、ま
た、定着器に具備されているクリーニング部材からのト
ナー流出を容易に防止することができにくくなる。一
方、50重量%を越える場合には、定着性を阻害する傾
向が高くなる。定着性を維持しつつ、オフセット防止性
を高めるために、その分子量分布における極大値または
ショルダーを高分子量領域にもっていき、より高分子量
化することが好ましい。
【0031】これらの高分子量樹脂成分を得るために多
官能重合開始剤の存在下で重合することが好ましい。特
に多官能重合開始剤として、ラジカルを発生する官能基
が3官能以上の重合開始剤が好ましく、さらに4官能重
合開始剤あるいは4官能以上の多官能重合開始剤がより
好ましい。本発明者らの検討によると、トナー製造時、
溶融混練の際には内部摩擦が非常に強いために、大きな
剪断力が重合体にかかり、高分子量成分の切断が起こっ
て高分子量成分の分子量が全体的に低下する傾向があ
る。すなわち、トナー中の結着樹脂の分子量分布は、ト
ナー原材料樹脂における分子量分布より分子量が低くな
りやすく、そのためトナー原材料樹脂の分子量分布とト
ナーのオフセット防止性とが完全に一致している訳では
ない。
【0032】本発明者らの研究によれば、多官能重合開
始剤の官能基数が多くなると原材料樹脂の分子量分布を
高分子量側へシストさせることができるとともに、トナ
ー製造時の溶融混練の際に高分子量樹脂成分の分子剪断
が起こりずらくなり、分子量3×103 以下の成分を生
成しにくい。そのため、官能基数が少ない重合開始剤を
使用して生成した原材料樹脂を用いたトナーの場合より
オフセット防止性に優れている。また、官能基数が多い
多官能重合開始剤を使用した場合の方が、原材料樹脂中
に残存するモノマー量も低減させることが可能である。
【0033】GPCにおける分子量分布において、分子
量3.5×103 〜5×104 の領域に極大値を有する
ことがトナーの定着性及びトナー製造時の粉砕工程にお
ける粉砕性の面から好ましい。分子量分布における極大
値の位置がより低分子量側になるほど低温定着を可能と
する。耐ブロッキング性を考慮すれば、分子量5×10
3 〜5×104 の領域に極大値を有することがより好ま
しい。分子量5×103 未満の低分子量成分は、現像特
性等に悪影響を与え易い。極大値の位置が分子量5×1
3 未満となり、これらの低分子量分が増加すると、オ
フセット防止性を阻害したり、ブロッキングが発生した
り、ドラム表面に対するトナー付着が発生したり、さら
に、トナー製造装置内部に融着を発生することがある。
また、トナー担持体(現像スリーブ)や、摩擦帯電付与
部材(塗布ブレードまたは塗布ローラ)へトナーが付着
し、摩擦帯電付与能力を低下させ、現像特性を悪化する
ことがある。また、低分子量側の極大値の位置が分子量
5×104 を越える場合は定着性に劣るようになる。
【0034】分子量5×104 以下の成分は、定着性に
働き、分子量分布においてこの成分が30〜95重量%
であることが好ましく、更に好ましくは、40〜90重
量%であることが良い。30重量%未満では良好な定着
性が得られにくく、トナー製造時の粉砕工程における粉
砕性が劣るようになる。一方、95重量%を越える場合
には、十分なオフセット防止性が得られにくい。
【0035】低温定着性から、分子量3.5×103
5×104 の領域に極大値を有する低分子量樹脂成分の
含有量は多くなるため、この樹脂成分合成時の残存モノ
マー量及び残存副生成物量が、樹脂全体の残存モノマー
量及び残存副生成物量に大きく影響を与える。
【0036】トナー中の残存モノマーの低減を図るため
に、低分子量樹脂成分中の残存モノマーを単に重合開始
剤の増量、製造条件等で低減しようとすると、低分子量
成分の分子量分布がブロードになり、低分子量成分ピー
クの裾野に当たる分子量3×103 以下の成分が多くな
り、トナーの帯電量が低下しやすく画像濃度の低下を招
いてしまう。
【0037】分子量3×103 以下の成分は結着樹脂全
量の15%以下が好ましい。15%を越えると画像濃度
低下を招く。より好ましくは13%以下である。更に好
ましくは10%以下である。
【0038】更に、GPCにおける分子量分布におい
て、分子量3.5×103 〜5×104 の領域に極大値
を持つ低分子量樹脂成分が、少なくとも、半減期の長い
重合開始剤Aと半減期の短い重合開始剤Bの異なる2種
の重合開始剤の存在下で重合され、これらの重合開始剤
は重合温度における半減期τA と半減期τB の比率(τ
A /τB )が1.5以上である条件下で合成された樹脂
成分を含有する静電荷像現像用トナーが前述の課題解決
のためにより好ましいことを見いだした。
【0039】本発明者らが鋭意検討したところ、分子量
3.5×103 〜5×104 の領域に極大値を有する低
分子量樹脂成分を合成するための好ましい方法として、
少なくとも、半減期の長い重合開始剤Aと半減期の短い
重合開始剤Bの異なる2種の重合開始剤を用い、重合温
度における半減期τA と半減期τB の比率τA /τB
1.5以上であることにより分子量分布における極大値
の低分子量側がシャープなピークとなり、分子量3×1
3 以下の成分が15%以下の樹脂成分を調製しやす
い。この結果、トナーは十分な現像特性及び定着特性が
得られるとともに残存モノマーの低減が図れ、臭気の少
ないトナーが得られる。
【0040】より好ましくは低分子量樹脂成分を重合す
る際の重合温度が75〜145℃の範囲内で、半減期の
短い重合開始剤Bの重合温度における半減期τB が0.
1時間以上、更には0.5乃至10時間であることが良
い。
【0041】半減期の長い重合開始剤Aと半減期の短い
重合開始剤Bの重合温度における半減期τA と半減期τ
B の比率τA /τB は、より好ましくは2乃至5×10
3 の範囲が良い。
【0042】更に好ましくは、低分子量樹脂成分を重合
する際の重合温度が75〜145℃の範囲内で、重合温
度における半減期の短い重合開始剤Bの半減期τB
0.5乃至3時間であることが良く、半減期の長い重合
開始剤Aの半減期τA が2乃至60時間であることが良
く、半減期τA と半減期τB の比率τA /τB は、2乃
至5×102 の範囲である組み合わせの重合開始剤Aと
重合開始剤Bの組合せが好ましい。
【0043】上記条件を満足する重合開始剤の組み合せ
が本発明に好ましく用いることができる。重合開始剤A
及び重合開始剤Bの添加量及び添加比率は、得られる低
分子量樹脂成分の分子量分布、モノマーの種類、製造条
件等により選ばれる。重合開始剤A及び重合開始剤Bの
添加量としては、分子量3.5×103 〜5×104
領域に極大値を有する低分子量樹脂成分を合成するため
に必要な重合性モノマー100重量部に対して重合開始
剤0.1〜5重量部の範囲で用いられ、添加比率として
は、重合開始剤A/重合開始剤Bの比が0.01〜10
0の範囲内で用いられ、より好ましくは0.1〜10で
ある。
【0044】重合性モノマーとして、重合性ビニルモノ
マーを使用して低分子量樹脂成分(すなわち、低分子量
ビニル系樹脂)を調製することが好ましい。ビニル系樹
脂としては、スチレン系樹脂が好ましい。さらに、スチ
レン系樹脂として、スチレンホモポリマー,スチレン−
アクリル酸エステル共重合体及びスチレン−メタクリル
酸エステル共重合体が好ましい。
【0045】これらの方法を用いると、トナー中の残存
モノマーは良好に低減される。本発明においてはスチレ
ンモノマー及びベンズアルデヒドがトナー中100pp
m以下であることが必要である。ベンズアルデヒドは、
特有な強い臭気を有するので10ppm以下であること
がさらに好ましい。また、スチレンモノマーは50pp
m以下であることがより好ましい。さらにコモノマーと
してアクリル系モノマーを有する場合、アクリル系モノ
マーが30ppm以下であることがより好ましい。
【0046】残存モノマー及びベンズアルデヒドが低減
されることにより、複写時に発生する臭気が抑制される
のはもちろんのこと、さらにトナー粒子がドラムに固着
しにくくなり、フィルミング融着と言われる現象を起こ
しにくくなる。接触帯電系装置、接触転写系装置の場合
は、特にこのフィルミングまたは融着が発生しやすい
が、トナー中の残存モノマー及びベンズアルデヒドを低
減することによりこれらの現象も出にくくなる傾向にあ
る。
【0047】本発明者らは、さらに残存モノマーの低減
により転写ローラーへのトナー粒子及びシリカの付着が
少なくなり、また現像器ステイ上にたまる遊離シリカも
少なくなることを見いだした。
【0048】この理由は明確ではないが、残存モノマー
はシリカとトナー粒子を遊離させることに寄与してお
り、残存モノマーが減りシリカの遊離も減ったと考えら
れる。
【0049】トナー中の残存モノマー及びベンズアルデ
ヒドの定量はガスクロマトグラフを用いて例えば以下の
方法により行う。
【0050】2.55mgのN,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF)を内部標準とし、100mlのアセトン
を加えて内部標準品入り溶媒をつくる。次にトナー40
0mgを上記溶媒で10mlの溶液とする。30分間超
音波振とう機にかけた後、1時間放置する。次に0.5
μmのフィルターで濾過をする。打ち込み試料量は4μ
lとする。
【0051】ガスクロマトグラムの条件を以下に示す。 ・キャピラリカラム{ジェイ アンド ダブル サイア
ンティフィック製(J&W Scientific)3
0m×0.249mm、DBWAX、膜厚0.25μ
m} ・検出器FID、窒素圧0.45kg/cm2 ・インジェクション温度200℃、ディテクター温度2
00℃とし、カラム温度は50℃から5℃/1分の割合
で30分間昇温する。 ・検量線の作製 サンプル溶液と同量のDMF、アセトン溶液に対象とな
るモノマーを加えた標準サンプルについて同様にガスク
ロマトグラフ測定し、モノマーと内部標準品DMFの重
量比/面積比を求める。
【0052】また、内部標準をトルエンとし、溶媒とし
てテトラヒドロフランを使用して、上記と同様にして求
めることもできる。
【0053】本発明に用いられる重合開始剤としては油
溶性開始剤が用いられる。代表的具体例としては、例え
ば、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイ
ド、イソブチリルパーオキサイド、ジイソプロピルパー
オキシジカーボネート、2−エチルエキジルパーオキシ
ジカーボネート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキ
サイド、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5
−トリメチルヘキサノニルパーオキサイド、オクタノイ
ルパーオキサイド、デカノニルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プ
ロピオニルパーオキサイド、スクニックアシッドパーオ
キサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキ
サイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ
マレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレー
ト、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−
2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン、t−ブチル
パーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、ジイソブチルジパーオキシフタレート、メチルエ
チルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジt−ブチルパーオキシヘ
キサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチル
ヒドロパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジt−ブチルパーオキシヘ
キサン、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイ
ド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ピナンヒドロ
パーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−
ジヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド
等のパーオキサイド系開始剤、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、1,1′−アゾビスシクロヘキサン1
−カーボニトリル、2,2′−アゾビス4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2′−アゾビス
−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系開始剤が
挙げられる。これらは単独で使用するか、併用して使用
するか、または必要によっては多官能性ラジカル重合開
始剤と併用して使用される。
【0054】本発明における高分子量スチレン系樹脂成
分を重合するためには多官能重合開始剤を用いることが
好ましい。
【0055】多官能重合開始剤を用いることにより、ス
チレン系樹脂をより高分子量化し、これにより十分なる
オフセツト防止性が得られるようになる。本発明に用い
られる多官能重合開始剤としては、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘ
キサン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニ
ル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチル
パーオキシ)バリレート、2,2−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ブタン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキ
シ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパー
オキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフ
タレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパー
オキシシクロヘキシル)プロパン、ジーt−ブチルパー
オキシα−メチルサクシネート、ジーt−ブチルパーオ
キシジメチルグルタレート、ジ−t−ブチルパーオキシ
ヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキ
シアゼラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)−ヘキサン、ジエチレングリコール−
ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、ジ−t−
ブチルパーオキシトリメチルアジペート等の2官能性ラ
ジカル重合開始剤、トリス(t−ブチルパーオキシ)ト
リアジン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラ
ン等の3官能性ラジカル重合開始剤、2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)
プロパン、t−ブチルパーオキシアリルカーボネートの
共重合化合物(例えば日本油脂(株)製ハイパーB及び
ハイパーGシリーズ)、t−ブチルパーオキシマレイン
酸の共重合化合物等の4官能以上の多官能ラジカル重合
開始剤等があげられる。
【0056】これらの多官能重合開始剤は、単独で使用
するか、併用して使用するか、または、必要によって
は、単官能性重合開始剤と併用して使用される。かかる
多官能性重合開始剤の使用量は、1×105 以上の領域
に極大値またはショルダーを形成する高分子量スチレン
系樹脂成分を構成するモノマー量に対して、0.01〜
5重量%、好ましくは0.05〜3重量%使用するのが
良い。
【0057】本発明において、GPCによるクロマトグ
ラフのピーク又は/およびショルダーの分子量は次の条
件で測定される。
【0058】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTH
Fを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05
〜0.1重量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を50
〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあ
たっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポ
リスチレン標準試料により作製された検量線の対数値と
カウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準
ポリスチレン試料としては、例えばPressrue
Chemical Co.製或いは東洋ソーダ工業社製
の分子量が6×102 、2.1×103 、4×103
1.75×104 、5.1×104 、1.1×105
3.9×105 、8.6×105 、2×106 、4.4
8×106 のものを用い、少なくとも10点程度の標準
ポリスチレン試料を用いるのが適用である。検出器には
RI(屈折率)検出器を用いる。
【0059】カラムとしては、103 〜4×106 の分
子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレン
ゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Wate
rs社製のμ−styragel 500、103 、1
4 、105 、の組み合わせや、昭和電工社製のSho
dex KF−80Mや、KF−802、803、80
4、805の組合せ、あるいは東洋曹達製のTSKge
l G1000H、G2000H、G2500H、G3
000H、G4000H、G5000H、G6000
H、G7000H、GMHの組合せが好ましい。
【0060】本発明では、バインダー樹脂に対する各成
分の重量%は、例えば、次のように求められる。
【0061】分子量3×103 以下の成分のバインダー
樹脂に対する重量%は、GPCによるクロマトグラムに
おいて、分子量4×102 乃至3×103 の成分が示す
面積と、分子量4×102 以上の成分が示す面積との面
積比から計算する。またTHF不溶分が存在する場合に
は、THF可溶分の重量%を別途求め、これを前記同様
にGPCによるクロマトグラムから、THF不溶分の含
有量を考慮してバインダー樹脂全体に対する4×102
乃至3×103 の成分の重量%を求めて3×103 以下
の成分の重量%とする。
【0062】GPCによるクロマトグラムの具体例の1
つを図2に示した。
【0063】本発明においては、高分子量スチレン系樹
脂成分としてスチレン系重合体或はスチレン系共重合体
が好ましく用いられる。
【0064】用いられるスチレン系モノマーとしては例
えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p
−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジ
クロルチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチル
スチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブ
チルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オ
クチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デ
シルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等のスチレン
誘導体を用いることができる。
【0065】スチレン系共重合体を得るためのコモノマ
ーとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブ
チレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジ
エン等の不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニ
ルなどのビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n
−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2
−エチルヘキシル、メチクリル酸ステアリル、メタクリ
ル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メ
タクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂
肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチ
ル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル類;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
イソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメ
チルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペ
ニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロー
ル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、
N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;ビニル
ナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリ
ル酸誘導体;前述のα,β−不飽和酸のエステル、二塩
基酸のジエステル類;のビニル系モノマーが単独もしく
は2種以上で用いられる。
【0066】本発明に用いられる結着樹脂は、必要に応
じて以下に例示する様な架橋性モノマーで架橋された重
合体であってもよい。
【0067】芳香族ジビニル化合物、例えば、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレン等:アルキル鎖で結ばれ
たジアクリレート化合物類、例えば、エチレングリコー
ルジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアク
リレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートを
メタアクリレートに代えたもの;エーテル結合を含むア
ルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類例えば、ジ
エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリ
コールジアクリレート、テトラトエチレングリコールジ
アクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアク
リレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレ
ート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以
上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えた
もの;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジ
アクリレート化合物類、例えば、ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリ
レート、及び、以上の化合物のアクリレートをメタアク
リレートに代えたもの;更には、ポリエステル型ジアク
リレート化合物類、例えば、商品名MANDA(日本化
薬)が掲げられる。多官能の架橋剤としては、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタン
トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、
オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアク
リレートをメタアクリレートに代えたもの;トリアリル
シアヌレート、トリアリルトリメリテート;等が挙げら
れる。
【0068】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0重量部に対して、0.01〜5重量部(更に好ましく
は0.03〜3重量部)用いることができる。
【0069】本発明において、多官能重合開始剤を使用
して重合した高分子量スチレン系樹脂と、分子量3.5
×103〜5×104の領域に極大値を有する低分子量樹
脂成分との混合重量比は、10〜70:90〜30(好
ましくは、20〜60:80〜40)が良い。
【0070】本発明に係る樹脂を用いたトナー中には上
記結着樹脂成分の他に、本発明の効果に悪影響を与えな
い範囲で、該結着樹脂成分の含有量より少ない割合で以
下の化合物を含有させてもよい。
【0071】例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビ
ニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、
フェノール樹脂、低分子量ポリエチレン又は低分子量ポ
リプロピレンの如き脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳
香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンクワッ
クスなどである。
【0072】本発明に係る結着樹脂を合成する方法とし
ては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合
法などが利用できる。
【0073】本発明の静電荷像現像用トナーは、よりそ
の帯電性を安定化させる為に必要に応じて荷電制御剤を
得ることができる。
【0074】今日、当該技術分野で知られている荷電制
御剤としては、以下のものが挙げられる。
【0075】トナーを負荷電性に制御するものとして、
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効でモノアゾ
金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ヒドロキ
シカルボン酸、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体があ
る。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モ
ノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステ
ル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類である。
【0076】トナーを正荷電性に制御するものとして、
例えばニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成物;ト
リブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−
ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテト
ラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及びこ
れらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及び
これらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれ
らのレーキ顔料。(レーキ化剤としては、りんタングス
テン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデ
ン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシア
ン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属
塩;アセチルアセトン金属錯体;ジブチルスズオキサイ
ド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズ
オキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチル
スズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキ
シルスズボレートなどのジオルガノスズボレート等が挙
げられる。これらを単独で或いは2種類以上組合せて用
いることができる。これらの中でも、ニグロシン系化合
物、有機四級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好
ましく用いられる。
【0077】本発明のトナーに於いては、帯電安定性、
現像性、流動性、耐久性向上の為、シリカ微粉末を添加
することが好ましい。
【0078】本発明に用いられるシリカ微粉末は、BE
T法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2 /g
以上(特に50〜400m2 /g)の範囲内のものが良
好な結果を与える。トナー100重量部に対してシリカ
微粉体0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜5重量
部使用するのが良い。
【0079】本発明に用いられるシリカ微粉末は、必要
に応じ、疎水化、帯電性コントロール、などの目的でシ
リコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコー
ンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリ
ング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他
の有機ケイ素化合物等の処理剤で、或いは種々の処理剤
で併用して処理されていることも好ましい。
【0080】他の添加剤としては、テフロン、ステアリ
ン酸亜鉛、ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤(中でもポリ
弗化ビニリデンが好ましい);酸化セリウム、炭化ケイ
素、チタン酸ストロンチウムの如き研磨剤(中でもチタ
ン酸ストロンチウムが好ましい);酸化チタン、酸化ア
ルミニウム、疎水性酸化チタン、疎水性酸化アルミニウ
ムの如き流動性付与剤(中でも特に疎水性のものが好ま
しい);ケーキング防止剤;カーボンブラック、酸化亜
鉛、酸化アンチモン、酸化スズの如き導電性付与剤;ト
ナー粒子と逆極性の白色微粒子または黒色微粒子を現像
性向上剤として少量用いることもできる。
【0081】熱ロール定着時の離型性を良くする目的で
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイ
クロクリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾー
ルワックス、パラフィンワックスの如きワックス状物質
をバインダー樹脂100重量部に対し0.5〜10重量
部をトナーに加えることも本発明の好ましい形態の1つ
である。
【0082】更に本発明のトナーは、二成分系現像剤と
して用いる場合にはキャリア粉と混合して用いられる。
この場合には、トナーとキャリア粉との混合比はトナー
濃度として0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜1
0重量%、更に好ましく3〜5重量%が好ましい。
【0083】本発明に使用しうるキャリアとしては、公
知のものが使用可能である。例えば鉄粉、フェライト
粉、ニッケル粉の如き磁性を有する粉体、及びこれらの
表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂或はシリコーン系樹
脂等で処理したものなどが挙げられる。
【0084】更に本発明のトナーは更に磁性材料を含有
させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材
料は着色剤の役割をかねている。本発明の磁性トナー中
に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイ
ト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルの
ような金属或いはこれらの金属のアルミニウム、コバル
ト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、
ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マン
ガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのよ
うな金属の合金及びその混合物等が挙げられる。
【0085】これらの磁性体は平均粒径が0.1〜2μ
m、好ましくは0.1〜0.5μmのものが好ましい。
トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部
に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分
100重量部に対し40〜150重量部が良い。
【0086】また、磁性体は、10Kエルステッド印加
での磁気特性が抗磁力20〜150エルステッド飽和磁
化50〜200emu/g、残留磁化2〜20emu/
gのものが好ましい。
【0087】本発明のトナーに使用し得る着色剤として
は、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。着色剤と
しては、例えば顔料としてカーボンブラック、アニリン
ブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、
ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレー
キ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレン
ブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を維持す
るのに必要充分な量が用いられ、樹脂成分100重量部
に対し0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部
の添加量が良い。同様の目的で、更に染料が用いられ
る。例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサン
テン系染料、メチン系染料等があり樹脂成分100重量
部に対し0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10
重量部の添加量が良い。
【0088】本発明に係る静電荷像現像用トナーを作製
するには結着樹脂、着色剤としての顔料、または染料、
磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤等
を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機によ
り充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストル
ーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して
樹脂類を互いに相溶せしめた中に金属化合物、顔料、染
料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び
分級を行って本発明に係るところのトナーを得ることが
出来る。
【0089】更に必要に応じ所望の添加剤をヘンシェル
ミキサー等の混合機により充分混合し、本発明に係る静
電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0090】本発明の画像形成方法について具体的に図
1に沿って説明する。
【0091】1は回転ドラム型の静電荷像保持体(以
下、感光体と記す)であり、該感光体1はアルミニウム
等の導電性基層1bと、その外面に形成した光導電層1
aとを基本構成層とするものであり、図面上時計方向に
所定の周速度(プロセススピード)で回転される。
【0092】本実施例では感光体として、有機光導電体
(OPC)を使用する。感光体ドラム1は外径30mm
φである。
【0093】2は帯電ローラであり、中心の芯金2bと
その外周を形成した導電性弾性層とを基本構成とするも
のである。帯電ローラ3は、感光体1面に押圧力をもっ
て圧接され、感光体1の回転に伴い従動回転する。3は
帯電ローラ2に電圧を印加するための帯電バイアス電源
であり、帯電ローラ3にバイアスが印加されることで感
光体1の表面が所定の極性・電位に帯電される。次いで
画像露光4によって静電潜像が形成され、現像手段5に
よりトナー画像として順次可視化されていく。
【0094】本実施例では帯電ローラ2の外径は16m
mφであり、導電ゴム層2aはスチレン−ブタジエンラ
バー(SBR)、表面層には主にナイロン系樹脂を用い
ている。帯電ローラ2の硬度は64°(ASKER−
C)である。3はこの帯電ローラ2に電圧を印加する電
源部で所定の電圧を帯電ローラ2の芯金2bに供給す
る。図1において3は直流電圧を示している。直流電圧
に交流電圧を重畳したものでも良い。
【0095】帯電部材の感光体への当接圧は、5〜50
0g/cmに、帯電部材に印加される直流電圧は絶対値
200〜1.5kVに設定されることが好ましい。当接
圧は10〜100g/cmがより好ましい。
【0096】交流電圧はトナーの感光体への付着をさけ
るため、印加しないほうが好ましいが交流電圧を印加す
る場合はピーク−ピーク電圧500〜5000V、周波
数50〜3000Hzに、各々調整されることが好まし
い。
【0097】帯電部材にはクリーニングブレード9をす
り抜けたトナーやトナー外添剤が付着、たい積しやす
く、その結果、帯電ムラ、カブリを生じてしまう。そこ
で、帯電ローラをクリーニングする清掃機構を有するほ
うが良い。図中清掃部材2Cは作動時のみ帯電部材に接
触し、侵入量は0.5mm以上とする。
【0098】本発明に係るクリーニング工程について
は、一般にトナー像転写後の感光ドラムはクリーナーの
ブレードやローラの如きクリーニング部材により転写後
の残留トナー分やその他の汚染物の拭掃除去を受けて清
浄面化され繰り返して像形成に供される。
【0099】係るクリーニング工程を、電子写真法に関
わる帯電工程や現像工程、或いは、転写工程の中で同時
に行うことも可能である。
【0100】線圧については、次式で算定する。
【0101】(線圧)[g/cm]=(転写部材に加え
られる総圧)[g]÷(当接されている長さ)[cm]
【0102】6は転写ローラであり、中心の芯金6bと
その外周を形成した導電性弾性層を6aとを基本構成と
するものである。転写ローラ6は、感光体1面に押圧力
をもって圧接され、感光体1の周速度と等速度或は周速
度に差をつけて回転させる。転写材8は感光体1と転写
ローラ6との間に転送されると同時に、転写ローラ6に
トナーと逆極性のバイアスを転写バイアス電源7から印
加することによって感光体1上のトナー画像が転写材8
の表面側に転写される。
【0103】本実施例においては、転写ローラ6の外径
は16mmφであり、導電性弾性層6aは、発泡したエ
チレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)
を用いた。転写ローラ6の硬度は30°(ASKER−
C)である。転写ローラ6の感光体1への当接圧は0.
5g/cm以上であるのが好ましく、3g/cm以上1
00g/cm以下がより好ましい。
【0104】転写ローラに印加される直流電圧は、絶対
値3.5kV〜7.0kVに設定されることが好まし
い。
【0105】転写部材には現像器からドラム上に飛散す
るトナーやトナー外添剤等あるいはクリーニングブレー
ド9からすり抜けたものが付着、たい積し、転写ぬけ、
転写不良、転写ムラを生じてしまう。
【0106】そこで、転写ローラをクリーニングするた
めに、転写材の間で転写時に印加する電圧と、逆方向の
電圧を印加するのが好ましい。このとき直流電圧は絶対
値で3.5kV〜7.0kVが好ましい。
【0107】また転写ローラをクリーニングする清掃機
構を有するほうが良い。
【0108】次いで転写材8は、ハロゲンヒータを内蔵
させた加熱ローラ11aとこれと押圧力をもって圧接さ
れた弾性体の加圧ローラ11bとを基本構成とする定着
器11へ搬送され、11aと11b間を通過することに
よってトナー像が転写材8に定着して画像形成物として
排出される。
【0109】本発明の画像形成方法において、ウエイト
アップタイム短縮のために加熱ローラ11aの熱容量を
小さくすることが必要であり、そのために加熱ローラ1
1aの芯金厚が1mm以下であることが必要である。こ
の芯金の材質としては、強度・安定性が保持できればど
のような金属・合金でも使用可能であるが、好ましくは
炭素鋼である。
【0110】加熱ローラ11aは離型性の良い樹脂によ
ってコーティングされていることが良い。これらの樹脂
としては、例えばフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アミド
樹脂等が挙げられる。
【0111】定着ローラをクリーニングする機構を有す
ることが好ましい。このような機構としてクリーニング
ウエップ、クリーニングパッド等が挙げられるが、クリ
ーニングウエップ11cを清掃機構として有することが
好ましい。
【0112】本画像形成法は転写材が11aと11bと
の間を通過する速度(プロセススピード)が150mm
/sec(A4たて送り22.5枚/分)以上に適用す
る時に効果を発現する。
【0113】図1に示す定着器11の加熱ローラ11a
において、芯金14の内部にはヒータ12が内包されて
おり、芯金14の表面に樹脂層13が具備されており、
加圧ローラ11bにおいては、芯金16の表面に弾性層
15が具備されている。
【0114】トナー画像転写後の感光体1面では転写残
りトナー等の付着汚染部質を、感光体1にカウンター方
向に圧接した弾性クリーニングブレードを具備したクリ
ーニング装置で清浄面化され、更に除電露光装置10に
より除電されて、繰り返して作像される。
【0115】以上本発明の基本的な構成と特色について
述べたが、以下本発明を実施例により具体的に説明す
る。しかしながら、これは本発明をなんら限定するもの
ではない。以下の配合における部数は重量部である。
【0116】合成例1 窒素ガス導入管、コンデンサー、攪拌機、温度計を具備
した4つ口フラスコにイオン交換水200部、スチレン
80部、アクリル酸n−ブチル20部、多官能重合開始
剤として四官能の1,4−ビス(t−ブチルバーオキシ
カルボニル)シクロヘキサン(HTP)0.40部を仕
込み、重合温度90℃にて25時間懸濁重合を行った。
その後、冷却、水洗い、乾燥し、高分子量スチレン系共
重合体を得た。このスチレン系共重合体を結着樹脂Aと
する。この結着樹脂Aの分子量分布をGPCで測定した
ところ、分子量51万にピーク(P2)をもっていた。
【0117】次に上述の重合装置に、キシレン800部
を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌昇温して140℃に保
ち、スチレン84部、アクリル酸n−ブチル16部、重
合開始剤Bとしてジ−t−ブチルパーオキサイド(DT
BP、温度140℃の半減期1.6時間)0.9部、重
合開始剤AとしてP−メンタンヒドロパーオキサイド
(P−Menthane hydroperoxid
e、温度140℃の半減期5.0時間)0.2部の混合
物を連続滴下装置を用いて2時間かけて滴下し、4時間
重合を行い、低分子量重合体である結着樹脂Bの重合溶
液を得た。なお結着樹脂Bの分子量分布をGPCで測定
したところ、分子量1.0万にピーク(P1)をもって
いた。
【0118】上記重合溶液(結着樹脂B:70部含有)
中に、結着樹脂A:30部、低分子量ポリプロピレン
(重量平均分子量=約10000):4部を、100℃
で約4時間かけて十分に攪拌しながら溶解混合させた
後、減圧蒸留により脱溶剤(約20mmHg,約40℃
で24時間)した後にさらに約20mmHgの減圧下8
0℃に加熱し、1時間減圧処理し、トナー用結着樹脂I
を得た。
【0119】比較合成例1 合成例1で述べたのと同じ重合装置にキシレン800部
を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌昇温し、140℃に保
ち、スチレン84部、アクリル酸n−ブチル16部、重
合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド(DTB
P)1.0部の混合物を連続滴下装置を用いて2時間か
けて滴下し、4時間かけて重合を行い、低分子量重合体
である結着樹脂Cの重合溶液を得た。なお、結着樹脂C
の分子量分布をGPCで測定したところ分子量1.0万
にピーク(P1)をもっていた。
【0120】上記重合溶液(結着樹脂C:70部含有)
中に、合成例1と同様にして結着樹脂A:30部、低分
子量ポリプロピレン4部を混合し、トナー用結着樹脂I
Iを得た。
【0121】この樹脂IIをさらに80℃で2時間減圧
処理してトナー用結着樹脂IIIを得た。
【0122】比較合成例2 比較合成例1と同様にして、重合開始剤としてジ−t−
ブチルパーオキサイド(DTBP)1.5部を用い結着
樹脂Eを得た。結着樹脂Eは、0.9万にピーク(P
1)をもっていた。合成例1と同様にして結着樹脂E7
0部含有溶液中に結着樹脂A30部、低分子量ポリプロ
ピレン4部を混合し、溶媒除去操作をしてトナー用結着
樹脂IVを得た。
【0123】比較合成例3 合成例1結着樹脂Aにおける重合開始剤を2,2′−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部に
換え重合温度80℃にて9時間懸濁重合を行って合成例
1と同様にして結着樹脂Fを得た。この結着樹脂Fの分
子量分布をGPCで測定したところ分子量25万にピー
ク(P2)をもっていた。
【0124】次に合成例1と同様に結着樹脂Bを合成
し、この溶液(結着樹脂B、70部含有)に結着樹脂F
30部、低分子量ポリプロピレン4部を同様に混合、減
圧処理してトナー用樹脂Vを得た。
【0125】合成例2 合成例1(結着樹脂A)における重合開始剤をトリス
(t−ブチルパーオキシ)トリアジン0.4部にかえ、
重合温度80℃にて8時間懸濁重合を行って、合成例1
と同様にして結着樹脂Gを得た。
【0126】この結着樹脂Gの分子量分布をGPCで測
定したところ、分子量60万にピーク(P2)をもって
いた。
【0127】次に合成例1結着樹脂Bと同様にしてスチ
レン85部、アクリル酸n−ブチル15部、重合開始剤
Bとしてジ−t−ブチルパーオキサイド(DTBP温度
140℃の半減期1.6時間)4.0部、重合開始剤A
として2,5−ジメチルヘキサン2,5−ジヒドロパー
オキサイド(温度140℃の半減期30時間)1.0部
の混合物をキシレン800部溶液に、2時間かけて滴下
し、8時間重合を行い、結着樹脂Hを得た。
【0128】結着樹脂Gは分子量0.40万にピーク
(P1)をもっていた。
【0129】さらに合成例1と同様にして、結着樹脂H
70部含有溶液中に結着樹脂G30部、低分子量ポリプ
ロピレン4部を混合し、溶媒除去操作をしてトナー用結
着樹脂VIを得た。
【0130】合成例3 窒素ガス導入管、コンデンサー、攪拌機、温度計を具備
した4つ口フラスコにイオン交換水200部、スチレン
80部、アクリル酸n−ブチル20部、重合開始剤2,
2−ビス(4,4−tert−ブチルパーオキシシクロ
ヘキシル)プロパン0.13部を仕込み、重合温度90
℃にて25時間懸濁重合を行った。その後、冷却、水洗
い、乾燥し、高分子量重合体を得た。この重合体を結着
樹脂Jとする。この結着樹脂Jの分子量分布をGPCで
測定したところ、分子量80万にピーク(P2)をもっ
ていた。
【0131】次に合成例1と同様にして、結着樹脂Bを
合成し、この溶液(結着樹脂B 70部含有)に結着樹
脂J30部、低分子量ポリプロピレン4部を同様に混
合、減圧処理してトナー用樹脂VIIを得た。
【0132】比較合成例4 ・スチレン 76重量部 ・アクリル酸n−ブチル 23重量部 ・ジビニルベンゼン 0.30重量部 ・ジ−tert−ブチルパーオキサイド 0.8重量部
【0133】上記材料を、還流温度まで加熱したキシレ
ン200重量部中に4時間かけて滴下した。更に4時間
キシレン還流下(138〜144℃)で重合を完了し、
減圧下で200℃まで昇温させながらキシレンを除去し
た。このようにして得られた樹脂を樹脂VIIIとす
る。
【0134】比較合成例5 ・スチレン 73重量部 ・アクリル酸n−ブチル 24重量部 ・ジ−tert−ブチルパーオキサイド 0.8重量部
【0135】上記材料を80〜90℃に加熱したキシレ
ン200重量部中に2時間かけて滴下した。更に、6時
間キシレン還流下で重合を完了し、減圧下で200℃ま
で昇温させながら、キシレンを除去した。
【0136】このようにして得られた樹脂を樹脂IXと
する。
【0137】実施例1 ・結着樹脂 VII 100部 ・四三酸化鉄(平均粒径0.2μm) 90部 ・ニグロシン 2部
【0138】上記材料をブレンダーで十分に混合した。
【0139】その後、80℃に設定した2軸混練押出機
にて混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミル
で粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用い
て微粉砕し、得られた微粉砕粉をコアンダ効果を利用し
た多分割分級機を用いて分級して、重量平均粒径8.5
μmの黒色微粉体(磁性トナー)を得た。
【0140】得られた黒色微粉体(磁性トナー)100
部に、正荷電性疎水性乾式シリカ(BET比表面積:1
30m /g)0.6部を加え、ヘンシェルミキサー
で混合し、トナー粒子表面にシリカを有する正荷電性磁
性トナーとした。
【0141】得られた磁性トナー0.2gをTHF(テ
トラヒドロフラン)20mlに溶かし磁性体及び他の不
溶分をフィルターによって除き、溶けた樹脂分のGPC
を測定した。測定結果を表1に示した。分子量5万以下
の樹脂成分の含有量は、約69重量%であった。また、
THFに溶けなかったスチレン系樹脂成分は、実質的に
存在していなかった。
【0142】図1に示す画像形成装置に於ける各条件を
以下に示す。
【0143】 帯電ローラの感光体への当接圧:50g/cm 印加電圧:−1400V(直流) 転写ローラの感光体への当接圧:20g/cm(線圧) 印加電圧:−6000V(直流) 感光体に対する周速差:0 クリーニングブレードの当接圧:20g/cm 現像バイアス条件 Vpp:1300V(交流) Vf:1800Hz Vdc:−210V(直流) 感光体と現像剤担持体間の距離:300μm 加熱定着ローラ:厚さ0.9mmの炭素鋼からなる芯金
上にポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)層を
設けてある。内側には、2本のハロゲンランプを有し、
定着ローラの外周は所定の温度(概ね160〜200
℃)に制御されている。
【0144】加圧ローラ:厚さ1mmの炭素鋼からなる
芯金の上に弾性層としてシリコーンゴム層2mmを有す
る。
【0145】プロセススピード:200mm/sec 上記磁性トナーを用い、転写材としてA4サイズの普通
紙を用いて20000枚画出し耐久テストを行った。2
万枚後も高濃度ですぐれた画質の画像が得られた。
【0146】画像濃度、カブリ、フィルミングの有無、
転写ローラの汚れ、現像器ステイ上にたまるシリカ量、
トナー中の残存モノマー量、定着時の臭気テストの結果
について表2に示す。定着時の臭気テストはモニター3
人による相対評価である。
【0147】次いでこの画像形成装置の定着器を取り外
した改造機に、上記トナーを使用し、未定着画像を得
た。一方、取り外した定着器を改造して温度可変の熱ロ
ーラ外部定着器とし、これを用いて未定着画像の定着試
験及びオフセット試験を行った。
【0148】外部定着器のニップを4.0mm、プロセ
ススピードを200mm/sに設定し、100℃〜25
0℃の温度範囲で5℃おきに温調して、各々の温度で未
定着画像の定着を行い、得られた定着画像を50g/c
の加重をかけたシルボン紙で摺擦し、摺擦前後の
画像濃度低下率が2%以下となる定着温度を定着開始温
度とした。その結果、定着開始温度は170℃と低く、
低温定着性に優れたものであった。またオフセット開始
温度は250℃以上と高く、耐オフセット性に優れたも
のであった。
【0149】次に、本発明に係る画像形成装置を用い、
A3サイズ画像を100枚連続で複写した後30秒静置
し、次いでA3ベタ白画像を5枚複写した。このときの
複写紙両面の汚れの程度から、オフセットトナーの流出
を評価した。その結果、両面に汚れはなく、オフセット
トナー流出防止に対しても優れていた。
【0150】上記磁性トナーを50℃乾燥機中に2週間
放置して、トナーの耐ブロッキング性を試験したが、ま
ったく問題はなかった。
【0151】これらの結果を表3に示す。
【0152】実施例2 結着樹脂として結着樹脂Iを用いる他は、実施例1と同
様にして評価した。
【0153】結果を表1、表2及び表3に示す。
【0154】実施例3 結着樹脂として結着樹脂VIを用いる他は実施例1と同
様にして評価した。結果を表1、表2及び表3に示す。
【0155】実施例4 実施例1で使った磁性トナーをNP2020(キヤノン
(株)製複写機)で画像評価した。
【0156】初期から1.40の高画像濃度でカブリの
ない優れた画像が得られた。20万枚複写後も画像濃度
1.37でカブリがなく、フィルミングも発生しない良
好な画像が得られた。また臭気も少なかった。
【0157】比較例1 結着樹脂として樹脂IIを用いる他は実施例1と同様に
評価した。
【0158】比較例2 結着樹脂として樹脂IIIを用いる他は実施例1と同様
に評価した。
【0159】比較例3 結着樹脂として樹脂IVを用いる他は実施例1と同様に
評価した。
【0160】比較例4 結着樹脂として樹脂Vを用いる他は実施例1と同様に評
価した。
【0161】比較例5 結着樹脂として樹脂VIIIを用いる他は実施例1と同
様に評価した。
【0162】比較例6 結着樹脂として樹脂IXを用いる他は実施例1と同様に
評価した。
【0163】
【表1】
【0164】
【表2】
【0165】
【表3】
【0166】
【発明の効果】上述したように、上記成分を含有する本
発明のトナーは優れた低温定着性及びオフセット防止性
を示す。更に、定着方式として芯金厚が1mm以下の熱
ローラを用いる画像形成法に用いることでウェイトアッ
プ時間の短縮化、電子写真プロセスの高速化が図れる。
【0167】また、本発明のトナーは残存モノマー等の
揮発成分が少なく複写の際に臭気が少ない。
【0168】更に、本発明のトナーで現像する上記画像
形成方法を用いることで、オゾン臭、トナー臭の少ない
画像形成装置を提供する。更に、帯電部材や感光体表面
上にトナーが固着することなく高画像濃度でカブリのな
い優れた画質の画像を長時間にわたって提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法を実施するための画像形
成装置の概略図である。
【図2】本発明の実施例1で使用したトナーの樹脂成分
のGPCクロマトグラムを示す。
【符号の説明】
1 静電荷像担持体(感光体) 2 帯電ローラ 3 帯電バイアス印加電源 4 画像露光 5 現像手段 6 転写ローラ 7 転写バイアス印加電源 8 転写材 9 クリーニング手段 10 除電露光 11 定着手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下條 稔 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 中原 俊章 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多官能重合開始剤の存在下で重合された
    スチレン系樹脂を含有し、GPCにおける分子量分布に
    おいて、分子量3.5×103 〜5×104の領域に極
    大値(P1 )を有し、分子量1×105 以上の領域に極
    大値(P2 )またはショルダーを有し、分子量3×10
    3 以下の領域の樹脂成分が15%以下含有され、トナー
    に含有されるスチレン及びベンズアルデヒドの含有量が
    100ppm以下であることを特徴とする静電荷像現像
    用トナー。
  2. 【請求項2】 少なくとも、半減期の長い重合開始剤A
    と半減期の短い重合開始剤Bの異なる2種の重合開始剤
    の存在下で、重合温度における半減期τA と半減期τB
    の比率τA /τB が1.5以上である条件下で重合され
    た樹脂成分を含有する請求項1の静電荷像現像用トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 静電潜像担持体に、電圧を印加した帯電
    部材を当接させて、静電潜像担持体を帯電し、帯電した
    静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成し、形成され
    た静電潜像を、 多官能重合開始剤の存在下で重合されたスチレン系樹脂
    を含有し、GPCにおける分子量分布において、分子量
    3.5×103 〜5×104 の領域に極大値を有し、分
    子量1×105 の領域に極大値またはショルダーを有
    し、分子量3×103 以下の領域の樹脂成分が15%以
    下含有され、トナーに含有されるスチレン及びベンズア
    ルデヒドの含有量が100ppm以下である静電荷像現
    像用トナーで現像してトナー像を形成し、形成されたト
    ナー像を、電圧を印加した転写部材で転写材を押圧しな
    がら転写材へ転写し、転写材上のトナー像を芯金厚1m
    m以下の熱ローラで加熱加圧定着することを特徴とする
    画像形成方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも、半減期の長い重合開始剤A
    と半減期の短い重合開始剤Bの異なる2種の重合開始剤
    の存在下で、重合温度における半減期τA と半減期τB
    の比率τA /τB が1.5以上である条件下で重合され
    た樹脂成分をトナーが含有している請求項3の画像形成
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007333802A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Kao Corp 電子写真用トナー
US9612542B2 (en) 2014-06-18 2017-04-04 Fuji Xerox Co., Ltd. Electrostatic charge image developing toner, electrostatic charge image developer, and toner cartridge
DE102005026397B4 (de) 2004-06-08 2022-03-10 Kao Corp. Verfahren zur Herstellung eines Harzbindemittels für einen Toner und Harzbindemittel

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