JP2007331805A - チャック及びそれを用いた加熱殺菌可能なチャック付き袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱殺菌可能な袋の口部に熱接着して用いるチャックであって、チャックを取り付けた袋の口部からの内容物の充填が容易で、内容物が液状成分を含むものでも、密封した袋を加熱殺菌した際に、液状成分がチャックを通って袋の開封側に漏れだすことのないチャックとそれを用いた加熱殺菌可能なチャック付き袋を提供する。
【解決手段】チャックを、テープ状基材の一方の面に、長手方向に沿って互いに嵌合可能な雄型嵌合部と雌型嵌合部とを所定の間隔で平行に設け、その中間部に線状の薄肉部を設け、該テープ状基材の幅方向の一方の端部に、その幅を広げてなる拡大部を設け、該拡大部の前記雌雄の嵌合部が設けられている側の面に易剥離性シール剤層を設けて形成する。該チャックを袋に熱接着する際は、内容物の充填前は、該チャックは線状の薄肉部で折り畳み、前記雌雄の嵌合部を嵌合した状態で袋の口部内面の片面のフィルムのみに熱接着して用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、チャック及びそれを用いた加熱殺菌可能なチャック付き袋に関し、特に、内容物が液状成分を含むものであっても、それを袋に充填、密封し、加熱殺菌処理を施した際に、内容物の液状成分が、袋の口部に取り付けられたチャックを通って袋の開封側に漏れだすことがなく、また、内容物を取り出す際には袋の口部を容易に開封することができ、開封後はチャックの嵌合と解離により繰り返し再封及び再開封可能なチャック及びそれを用いた加熱殺菌可能なチャック付き袋に関する。
従来、液状物や液状成分を含む内容物を密封包装し、加熱殺菌を行うチャック付き袋では、通常のチャックを取り付けても加熱殺菌により、袋に充填された内容物の液状成分がチャックを通って袋の開封側に漏れだし、開封の際に液状成分が飛び散り、手や袋などを汚すという問題があった。
このような問題を解決するために、以下のようなチャック及びチャック付き袋が提案されている。
例えば、(A)嵌合具及び嵌合具付包装用袋体として、「雄型と雌型とを有する互いに嵌合可能な嵌合具において、雄型側と雌型側との非開封側フランジ部分の先端部が接合された接合部分を有し、接合部分とフランジ部分との間に突起状物を有し、接合部分の厚さが10μm以上100μm以下であり、かつ突起状物の厚さが200μm以上2mm以下であり、かつ接合部分の厚さはフランジ部分の厚さより薄く、突起状物の厚さはフランジ部分の厚さより厚いことを特徴とする嵌合具。また、前記嵌合具を袋体に融着し、製袋してなることを特徴とする嵌合具付包装用袋体。」がある(特許文献1参照)。
また、(B)チャックテープ付き包装袋として、例えば、「咬合部と、当該咬合部と連接する帯状基部から構成される一対の雄部材及び雌部材を備えたチャックテープが袋体に取り付けられているチャックテープ付き包装袋であって、前記帯状基部のうちの一方が、他方の帯状基部より内容物側に向かって幅広とされ、当該幅広とされた幅広部のうち咬合部側の面が、対向する袋体内面とイージーピール可能に接着されており、前記幅広部のうち咬合部と反対側の面が、対向する袋体内面と実質的に接着されていないことを特徴とするチャックテープ付き包装袋。また、前記チャックテープ付き包装袋において、前記イージーピール可能な接着が、前記幅広部のうち咬合部側の面と対向する袋体内面をヒートシールするものであることを特徴とするチャックテープ付き包装袋。」がある(特許文献2参照)。
特開2006−51987号公報(第2頁〜第3頁、図1〜図4) 特開2006−111277号公報(第2頁〜第4頁、図1、図2)
前記特許文献1、(A)に記載された発明の嵌合具及び嵌合具付包装用袋体によれば、図1、図4にも示されているように、袋の口部に融着された嵌合具の雄型側と雌型側との非開封側フランジ部分の先端部が前記厚さが10μm以上100μm以下の接合部分で接合されているので、段落〔0007〕に記載されているように、内容物が流動性の高い物質であった場合でも、内容物の流出を防止でき、また袋体を開封して内容物を取り出す際に、容易に接合部分を切り離すことができる。
しかし、このような嵌合具及び嵌合具付包装用袋体でも、嵌合具を袋体に取り付ける際には、図4に示されるように、雄型側のフランジ部分と雌型側のフランジ部分とをそれぞれが対向する袋体の内面に融着させて取り付けるものであり、嵌合具を袋の口部に取り付けた後は、この部分から内容物を充填することは不可能となるため、袋の形式を例えば図3に示されるような四方シール形式の袋とし、内容物の充填は、袋の嵌合具を取り付けた側と反対側の端縁部(例えば、袋の底部)を未シールの開口部として、この部分から内容物を充填する必要があった。このためスタンディングパウチなどのように底部を予めヒートシールして形成しておくような形式の袋には適用することが難しく、袋の形式が制約される問題があった。
また、前記特許文献2、(B)に記載された発明のチャックテープ付き包装袋によれば、例えば、図2に示されるように、雄型と雌型とによる咬合部10と連接する一対の帯状基部13、14のうちの一方が、他方の帯状基部より内容物側に向かって幅広とされ、その幅広とされた幅広部141のうち咬合部側の面が、対向する袋体内面とイージーピール可能に接着されており、前記幅広部141のうち咬合部10と反対側の面が、対向する袋体内面と実質的に接着されていない構成としているので、段落〔0010〕に記載されているように、気密性、水密性が保持され、チャックテープの咬合部の隙間に液状の内容物が入り込むことを防止することができる。また、袋体の内容物側に内圧が作用した場合でも、幅広部の咬合部側の面と対向する袋体内面とが剥離することもなく、内容物が漏れだすこともない。よって、袋体の内容物側に内圧が作用することとなるような用途(例えば、レトルト食品の包装用途)にも最適なチャックテープ付き包装袋を提供することができる。
しかし、このチャックテープ付き包装袋の場合も、製袋の際に、袋の口部の内面にチャックテープの雄部材と雌部材とをそれぞれの帯状基部で接着し、また、イージーピール部も接着して製袋を行うと、チャックテープを取り付けた側からの内容物の充填は不可能となるため、袋の形式を例えば四方シール形式などの袋とし、内容物の充填は、袋のチャックテープを取り付けた側と反対側の端縁部から行う必要があり、袋の形式が制約される問題があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、加熱殺菌可能な袋の口部内面に熱接着して用いられるチャック、及びそのチャックを袋の口部内面に熱接着してなる加熱殺菌可能なチャック付き袋であって、そのチャック及びチャック付き袋が加熱殺菌に耐える耐熱性を有すると同時に、チャック付き袋に内容物を充填する際に、袋のチャックを取り付けた側から、問題なく内容物の充填が可能で、袋の形式に制約がなく、四方シール形式の袋はもとよりスタンディングパウチ形式の袋でもその上部にチャックを取り付けて、上部から内容物を充填し、密封することができ、また、内容物が液状成分を含むもので、充填、密封後に加熱殺菌処理を行っても、内容物がチャックを通って袋の開封側に漏れだすようなことがなく、更に、密封された内容物を使用する際には、容易に袋の開封及びチャックの開閉を行って内容物を取り出すことができるという、内容物の充填適性及び保存性のほか、取り出し適性、再封性など使用適性に優れたチャック及びそれを用いた加熱殺菌可能なチャック付き袋を提供することである。
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、加熱殺菌可能な袋の口部内面に熱接着して用いられるプラスチック製のチャックであって、該チャックが、テープ状基材の一方の面に、その長手方向に沿って互いに嵌合可能な凸条の雄型嵌合部と凹条の雌型嵌合部とが所定の間隔を置いて平行に設けられ、該テープ状基材の該雄型嵌合部と雌型嵌合部との中間部に線状の薄肉部が設けられると共に、該テープ状基材の幅方向の両側端部のうち、いずれか一方の端部に該テープ状基材の幅を広げてなる拡大部が設けられ、該拡大部の前記雄型・雌型嵌合部が設けられている側の表面には易剥離性シール剤層が設けられて形成され、且つ、該チャックを袋の口部内面に熱接着する際に、袋に内容物が充填される前の段階では、該チャックは前記線状の薄肉部で折り畳まれ、前記雄型嵌合部と雌型嵌合部とが嵌合された状態で袋の口部の両面のフィルムのうち片面のフィルムのみに熱接着されるようにしたことを特徴とするチャックからなる。
本発明において、「加熱殺菌可能な袋」は、袋に内容物を充填、密封した包装体を袋ごと加熱殺菌処理を施して内容物および袋の殺菌を行うことのできる袋を意味するものである。この加熱殺菌処理の条件には、内容物の種類や殺菌後の保存条件、即ち、常温保存か冷蔵保存か、あるいは保存期間をどの程度に設定するかなどにより、種々のレベルがあり一定ではないが、具体的な加熱殺菌処理の方法としては、例えば、90℃〜100℃の熱水に浸漬して行うボイル殺菌処理のほか、レトルト釜などの加圧加熱殺菌装置を用いて120℃〜135℃程度の温度に加熱して行うレトルト殺菌処理などがあり、いずれの加熱殺菌処理方法を用いてもよい。従って、本発明のチャック及びそれを用いた加熱殺菌可能なチャック付き袋に必要とされる耐熱性は、必ずしも一定ではなく適用される加熱殺菌処理の条件に応じて選定することができる。
このような加熱殺菌可能なチャック付き袋の袋本体は、プラスチックを主体とする積層フィルムで形成され、積層フィルムの最内層のシーラント層は、熱接着性のほかに前記加熱殺菌処理に耐える耐熱性が必要であり、シーラント層の樹脂には比較的融点の高いポリオレフィン系樹脂が用いられる。
請求項2に記載した発明は、前記チャックが、融点115℃以上のポリオレフィン系樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1記載のチャックからなる。
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載のチャックが、加熱殺菌可能な袋の口部内面に熱接着されていることを特徴とする加熱殺菌可能なチャック付き袋からなる。
請求項4に記載した発明は、前記袋が、スタンディングパウチ形式の袋であることを特徴とする請求項3に記載の加熱殺菌可能なチャック付き袋からなる。
前記スタンディングパウチ形式の袋は、袋の底部を、前後の壁面の積層フィルムの下部の間に、底面フィルムを内側に折り返して挿入して形成されるガセット部を有する形式で形成し、内側に折り込まれた底面フィルムの両側下端近傍には半円形などのスポット状の底面フィルム切り欠き部を設けておいて、そのガセット部を内側が両側から中央部にかけて湾曲線状などで凹状となる船底形のシールパターンでヒートシールして形成するものであり、袋の底部をこのように形成することにより、内容物を充填した際、袋の底部が前後に大きく広がりフラットに近い底面が形成されると共に、底部の外周にはヒートシール部による脚部が形成されるので、 袋に優れた自立性が付与されるものである。
請求項1に記載した発明によれば、チャックを、加熱殺菌可能な袋の口部内面に熱接着して用いられるプラスチック製のチャックであって、該チャックが、テープ状基材の一方の面に、その長手方向に沿って互いに嵌合可能な凸条の雄型嵌合部と凹条の雌型嵌合部とが所定の間隔を置いて平行に設けられ、該テープ状基材の該雄型嵌合部と雌型嵌合部との中間部に線状の薄肉部が設けられると共に、該テープ状基材の幅方向の両側端部のうち、いずれか一方の端部に該テープ状基材の幅を広げてなる拡大部が設けられ、該拡大部の前記雄型・雌型嵌合部が設けられている側の表面には易剥離性シール剤層が設けられて形成され、且つ、該チャックを袋の口部内面に熱接着する際に、袋に内容物が充填される前の段階では、該チャックは前記線状の薄肉部で折り畳まれ、前記雄型嵌合部と雌型嵌合部とが嵌合された状態で袋の口部の両面のフィルムのうち片面のフィルムのみに熱接着されるようにした構成としているので、以下に列挙するような作用効果が得られる。
(1)チャックを袋の口部内面に熱接着して取り付ける際には、チャックがテープ状基材の雄型嵌合部と雌型嵌合部との中間部に設けられた線状の薄肉部で折り畳まれ、雄型嵌合部と雌型嵌合部とが嵌合された状態で袋の口部の両面のフィルムのうち片面のフィルムのみに熱接着されるように構成しているので、例えば、図2の(イ)に示すように、チャック20のテープ状基材21の幅方向の両側端部のうち、テープ状基材の幅を広げてなる拡大部25を設けていない側の端縁部を強シール部28で示されるように、袋の口部の両面の積層フィルム1、1′のうち、一方の積層フィルム1の内面に熱接着することができ、それにより、袋に内容物を充填する際に、チャックに邪魔されることがなく、チャックが取り付けられている袋の口部から容易に内容物を充填し、袋を密封することができる。
従って、袋の形式を、内容物の充填を袋の底部などから容易に行える四方シール形式などに限定する必要がなく、底部からの内容物の充填の難しいスタンディングパウチ形式の袋でも、その上部の口部から容易に内容物を充填することができ、採用できる袋の形式の制約をなくすことができる。
(2)また、前記チャックを取り付けた袋に内容物を充填した後は、折り畳まれたチャック20の前記拡大部25が上方に突き出した状態となっており、その拡大部25の前記雄型・雌型嵌合部が設けられている側の表面には易剥離性シール剤層26が設けられているので、袋の口部を閉じて前記拡大部25の部分を両面の積層フィルム1、1′の外側からシールバーで加熱圧着することにより、図2の(ロ)に示すように、拡大部25の易剥離性シール剤層26が設けられている面は、袋の積層フィルム1の内面に易剥離性シール部30を形成して熱接着され、また、拡大部25の易剥離性シール剤層26が設けられていない側の面は、袋の積層フィルム1′の内面に強シール部29を形成して熱接着される。 そして、袋の上部の端縁部は、両面の積層フィルム1、1′が上部シール部7でヒートシールされて袋の密封と共にチャック20の開封側が封鎖される。
前記のようにチャック20を袋の口部内面に熱接着することにより、チャック20の嵌合部27は、袋に充填された内容物から完全に隔離され、また、袋の外部からも密閉された状態となるので、充填された内容物を袋ごと加熱殺菌しても内容物がチャック20の嵌合部27を通って袋の開封側に漏れだすことがなく、また、外部から水蒸気その他の異物が侵入することも防止できる。
(3)袋に充填、密封された内容物を取り出す際には、袋の上部シール部7を切り取った後、積層フィルム1、1′の上縁を摘んで両側に引き離すことにより、積層フィルム1の内面とチャック20の拡大部25の易剥離性シール剤層26面とが、その易剥離性シール部30で容易に剥離される。次いで、チャック20の嵌合部27の雄型嵌合部と雌型嵌合部とを解離させた後、チャック20の線状の薄肉部24を突き破って引き裂くことにより、袋の口部が容易に開口され、内容物を取り出すことができる。
また、内容物の一部を取り出して袋を再封したい場合は、チャック20の雄型嵌合部と雌型嵌合部とを再度嵌合させることにより、袋を容易に再封することができる。
請求項2に記載した発明によれば、請求項1に記載した発明のチャックの構成において、前記チャックが、融点115℃以上のポリオレフィン系樹脂で形成された構成としているので、請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、袋の積層フィルムの最内層に用いられているシーラント層に対して良好な熱接着性を有すると同時に、前記ボイル殺菌処理やレトルト殺菌処理のそれぞれの加熱温度条件に合わせて、それよりも十分に高い融点のポリオレフィン系樹脂を選定してチャックを形成できるので、袋の積層フィルムのシーラント層に対する熱接着性がよく、且つ、前記ボイル殺菌処理またはレトルト殺菌処理の加熱殺菌に耐える耐熱性を有するチャックを一層確実に提供することができる。
前記チャックに使用するポリオレフィン系樹脂の融点は、加熱殺菌処理がボイル殺菌処理の場合は、110℃程度でも使用は可能であるが、115℃以上とすることにより、一層安全に使用することができるものである。
請求項3に記載した発明によれば、加熱殺菌可能なチャック付き袋を、請求項1または2に記載した発明のチャックが加熱殺菌可能な袋の口部内面に熱接着された構成としているので、請求項1または2に記載した発明のチャックの作用効果をそのまま加熱殺菌可能なチャック付き袋に付加することができる。
即ち、請求項1または2に記載した発明のチャックを加熱殺菌可能な袋の口部内面に熱接着する際に、袋に内容物を充填する前の段階では、請求項1に記載した発明の作用効果の(1)に記載したように、チャックをそのテープ状基材の雄型嵌合部と雌型嵌合部との中間部に設けられた線状の薄肉部で折り畳み、雄型嵌合部と雌型嵌合部とを嵌合させた状態で、図2の(イ)に示すように、そのテープ状基材21の幅を広げてなる拡大部25を設けていない側の端縁部を、袋の口部の両面の積層フィルム1、1′のうち、一方の積層フィルム1の内面のみに強シール部28を形成して熱接着することができる。このように加熱殺菌可能な袋の口部内面へのチャック20の第1段階(内容物充填前)の熱接着を行うことにより、折り畳まれたチャック20のテープ状基材21の拡大部25が設けられた側と袋のもう一方の積層フィルム1′との間は大きく開口できるので、この部分から、内容物をチャック20に邪魔されることなく容易に充填することができる。
そして、内容物を充填した後は、請求項1に記載した発明の作用効果の(2)に記載したように、折り畳まれたチャック20の前記拡大部25が、図2の(ロ)に示すように、上方に突き出した状態となっており、その拡大部25の前記雄型・雌型嵌合部が設けられている側の表面には易剥離性シール剤層26が設けられているので、袋の口部を閉じて前記拡大部25の部分を両面の積層フィルム1、1′の外側からシールバーで加熱圧着することにより、拡大部25の易剥離性シール剤層26が設けられている面は、袋の積層フィルム1の内面に易剥離性シール部30を形成して熱接着され、また、拡大部25の易剥離性シール剤層26が設けられていない側の面は、袋の積層フィルム1′の内面に強シール部29を形成して熱接着される。また、袋の口部の端縁部は、両面の積層フィルム1、1′を上部シール部7でヒートシールして袋を密封すると共にチャック20の開封側を封鎖する。
このようにチャック20を袋の口部内面に熱接着し、また、袋の口部の端縁部をヒートシールすることにより、チャック20の嵌合部27は、袋に充填された内容物から完全に隔離され、また、袋の外部からも密閉された状態となるので、充填された内容物を袋ごと加熱殺菌しても内容物がチャック20の嵌合部27を通って袋の開封側に漏れだすことがなく、また、外部から水蒸気その他の異物が侵入することもない加熱殺菌可能なチャック付き袋を提供することができる。
また、袋に充填、密封された内容物を取り出す際には、袋の上部シール部7を切り取った後、積層フィルム1、1′の上縁を摘んで両側に引き離すことにより、積層フィルム1の内面とチャック20の拡大部25の易剥離性シール剤層26面とが、その易剥離性シール部30で容易に剥離される。次いで、チャック20の嵌合部27の雄型嵌合部と雌型嵌合部とを解離させた後、チャック20の線状の薄肉部24を突き破って引き裂くことにより、袋の口部が容易に開口され、内容物を取り出すことができる。また、内容物の一部を取り出した後、袋を再封したい場合は、チャック20の雄型嵌合部と雌型嵌合部とを再度嵌合させることにより、袋を容易に再封することができる。このように、内容物を取り出す際の開封性、および内容物の一部を取り出した後の再封性にも優れた加熱殺菌可能なチャック付き袋を提供することができる。
請求項4に記載した発明によれば、請求項3に記載した発明の加熱殺菌可能なチャック付き袋の構成において、前記袋が、スタンディングパウチ形式の袋で形成された構成としているので、請求項3に記載した発明の作用効果に加えて、内容物を充填、密封した袋は優れた自立性を有し、取り扱いが容易になり、外観にも優れると共に、容量の割にコンパクトに包装することができる。
本発明のチャック及びそれを用いた加熱殺菌可能なチャック付き袋は、特にチャックの構成と、そのチャックを加熱殺菌可能な袋の口部内面に熱接着して取り付ける際の取付け方法に特徴を有するものであり、袋本体の形式は、四方シール形式や三方シール形式の平袋のほか、スタンディングパウチ形式の袋など、袋の口部内面に問題なくチャックを取り付けられる形式の袋であれば何でもよく、袋の形式自体は、特に限定はされない。
只、本発明のチャックは、袋の口部内面に熱接着して取り付けた後、その口部から特別な充填装置を用いることなく、内容物を容易に充填できるような構成としているので、特に袋の底部からの内容物の充填が難しいスタンディングパウチ形式などの袋に対して、より効果的に使用できるものである。
また、本発明の加熱殺菌可能なチャック付き袋の袋本体には、主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられ、簡単な構成では、基材フィルム層にシーラント層を積層した構成の積層フィルムが用いられるが、袋に充填される内容物や、内容物を充填、密封した後の流通、保存などの際の温度や期間等の使用条件、或いは、水蒸気その他のガスバリヤー性、遮光性、各種の機械的強度など必要とされる性能に応じて、更に、上記基材フィルム層とシーラント層との間などに水蒸気その他のガスバリヤー層や、遮光層、強度向上層などを積層した構成の積層フィルムを使用することができる。
上記基材フィルム層や水蒸気その他のガスバリヤー層、遮光層、強度向上層、シーラント層などは、それぞれを単独の層で形成してもよいが、複数の層を積層して形成することもできる。
前記基材フィルム層には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルの二軸延伸フィルムのほか、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などのポリアミドの二軸延伸フィルム、そして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどを好適に使用することができる。
これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
前記ガスバリヤー層としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などのフィルムのほか、アルミニウム箔、或いは、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層やPVDC、ポリアクリル酸(PAA)などの塗膜層を設けた二軸延伸ナイロンフィルム(ONフィルム)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などを使用することができる。
これらのうち、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着層を設けたフィルムは、不透明であるため遮光層を兼ねることもできる。
前記強度向上層としては、前記基材フィルムのいずれかを適宜追加積層してもよく、二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを防湿層を兼ねて積層することもできる。
前記基材フィルム層とガスバリヤー層、遮光層、強度向上層との積層には、公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
前記シーラント層としては、袋に内容物を充填、密封した後、加熱殺菌処理を施すことから、それに耐える耐熱性が必要であり、前述したように、加熱殺菌処理の温度条件に応じて、線状低密度ポリエチレン(L・LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)のほか、ポリプロピレン、プロピレン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂の中から適するものを選択して使用することができる。
シーラント層の積層は、上記の樹脂をフィルム状に製膜し、ドライラミネーション法または押し出しラミネーション法で積層する方法、或いは、上記の樹脂を押し出しコートして積層する方法などを採ることができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の加熱殺菌可能なチャック付き袋に用いるチャックの一実施例の構成を示す図で、(イ)はその平面図、(ロ)は(イ)のA−A線模式拡大断面図である。
図2は、図1に示したチャックを袋の口部内面に熱接着した状態を示す要部の模式断面図で、(イ)は袋に内容物を充填する前の状態を示す要部の模式断面図、(ロ)は袋に内容物を充填した後、チャックと袋との熱接着を完了させ、更に、袋の上縁をヒートシールして袋を完全密封した状態を示す要部の模式断面図である。
図3は、本発明の加熱殺菌可能なチャック付き袋の一実施例の構成を示す正面図である。
但し、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの図面に限定されるものではない。
本発明のチャックは、図1の(イ)、(ロ)に示すように構成することができる。
即ち、図1の(イ)、(ロ)に示したチャック20は、テープ状基材21の一方の面に、その長手方向に沿って互いに嵌合可能な凸条の雄型嵌合部22と凹条の雌型嵌合部23とを所定の間隔を置いて平行に設け、該テープ状基材21の雄型嵌合部22と雌型嵌合部23との中間部に線状の薄肉部24を設けると共に、該テープ状基材21の幅方向の両側端部のうち、いずれか一方の端部(図では雌型嵌合部23が設けられている側の端部)に、該テープ状基材21の幅を広げてなる拡大部25を設け、その拡大部25の前記雄型・雌型嵌合部22、23が設けられている側の表面には、易剥離性シール剤層26を設けて構成したものである。
前記線状の薄肉部24は、チャック20を加熱殺菌可能な袋の口部内面に熱接着して取り付ける際に、この部分でチャック20を折り畳んで、前記凸条の雄型嵌合部22と凹条の雌型嵌合部23とを嵌合させて取り付けるものであり、また、前記袋に充填された内容物を取り出す際には、前記雄型嵌合部22と雌型嵌合部23との嵌合を解離させた後、線状の薄肉部24を突き破り、あるいは引き裂いて袋の口部を開口させるものであり、チャック20の折り曲げ線と易引き裂き線の両方の機能を果たすものである。従って、線状の薄肉部24の厚みは、この部分の材質によっても異なるが10〜60μm程度の範囲であることが好ましい。
このようなチャック20は、図2の(イ)、(ロ)に示すような手順で、袋の口部の両面の積層フィルム1、1′の内面に熱接着して用いるものである。
即ち、図2の(イ)は、袋に内容物を充填する前のチャック20の接着状態を示す要部の模式断面図で、(ロ)は、袋に内容物を充填した後、チャック20と袋との熱接着を完了させ、更に、袋の上縁をヒートシールして袋を完全密封した状態を示す要部の模式断面図である。
チャック20を袋の口部内面に熱接着する際には、先ず、図1に示した構成のチャック20を、図2の(イ)に示すように、その線状の薄肉部24で折り畳んでテープ状基材21の一方の面に設けられた雄型嵌合部22と雌型嵌合部23とを嵌合させて嵌合部27を形成させる。次いで、折り畳まれたチャック20の拡大部25を設けていない側のテープ状基材21を、これと熱接着する袋の口部の一方の積層フィルム1の内面の所定の位置に配置して、積層フィルム1の外側からシールバー(図示せず)で積層フィルム1とチャック20のテープ状基材21部とを加熱圧着して、積層フィルム1の内面とそれに対向して接するテープ状基材21の端縁部とを強シール部28を形成させて熱接着する。
この状態では、チャック20は袋の口部の両面の積層フィルム1、1′のうち、一方の積層フィルム1の内面に熱接着されているのみで、もう一方の積層フィルム1′とは熱接着されていないので、チャック20と積層フィルム1′の間を大きく開口させて、そこから内容物を容易に充填することができる。
袋に内容物を充填した後は、折り畳まれたチャック20の前記拡大部25が上方に突き出した状態となっており、その拡大部25の前記雄型・雌型嵌合部が設けられている側の表面には易剥離性シール剤層26が設けられているので、袋の口部を閉じて前記拡大部25の部分を両面の積層フィルム1、1′の外側からシールバー(図示せず)で加熱圧着することにより、図2の(ロ)に示すように、拡大部25の易剥離性シール剤層26が設けられている面は、袋の積層フィルム1の内面に易剥離性シール部30を形成して熱接着され、また、拡大部25の易剥離性シール剤層26が設けられていない側の面は、袋の積層フィルム1′の内面に強シール部29を形成して熱接着される。
そして、袋の上部の端縁部は、両面の積層フィルム1、1′が上部シール部7でヒートシールされて袋の密封と共にチャック20の開封側が封鎖される。
このようにチャック20を袋の口部内面に熱接着することにより、チャック20の嵌合部27は、袋に充填された内容物から完全に隔離され、また、袋の外部からも密閉された状態となるので、充填された内容物を袋ごと加熱殺菌しても内容物がチャック20の嵌合部27を通って袋の開封側に漏れだすことがなく、また、外部から水蒸気その他の異物が侵入することも防止できる。
そして、袋に充填、密封された内容物を取り出す際には、袋の上部シール部7を切り取った後、積層フィルム1、1′の上縁を摘んで両側に引き離すことにより、積層フィルム1の内面とチャック20の拡大部25の易剥離性シール剤層26面とが、その易剥離性シール部30で容易に剥離される。次いで、チャック20の嵌合部27の雄型嵌合部と雌型嵌合部とを解離させた後、チャック20の線状の薄肉部24を突き破って引き裂くことにより、袋の口部が容易に開口され、内容物を取り出すことができる。
また、内容物の一部を取り出した後、袋を再封したい場合は、チャック20の雄型嵌合部22と雌型嵌合部23とを再度嵌合させることにより、袋を容易に再封することができる。
このようなチャック20は、袋の口部内面に熱接着され、該袋に内容物が充填、密封された後、その袋および内容物と共に加熱殺菌処理されるため、袋の積層フィルムの最内層のシーラント層に対して十分な熱接着性を有すると同時に、前記加熱殺菌処理に耐える耐熱性が必要である。
従って、チャック20の材質は、簡単には、袋の積層フィルムのシーラント層に強シール部28、29を形成して熱接着されるチャック20の本体部分、具体的には、拡大部25を含むテープ状基材21と雄型嵌合部22および雌型嵌合部23の部分と、拡大部25の雄型・雌型嵌合部22、23が設けられている側の表面に設けられた易剥離性シール剤層26の部分とに大別され、前記本体部分には、袋の積層フィルムのシーラント層に使用可能な樹脂として先に挙げた樹脂、即ち、線状低密度ポリエチレン(L・LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)のほか、ポリプロピレン、プロピレン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂の中から、実際に袋の積層フィルムのシーラント層に使用した樹脂に合わせて、それと熱接着可能で耐熱性においても同等またはそれ以上の樹脂を選択して使用することができる。
また、前記易剥離性シール剤層26の部分には、実際に袋の積層フィルムのシーラント層に使用されている樹脂の面にヒートシールして易剥離性シール部30を形成できる樹脂を使用することが必要であり、シーラント層に使用されている樹脂が、前記線状低密度ポリエチレン(L・LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリエチレン系樹脂の場合は、例えば、そのポリエチレン系樹脂を基材としてそれにシール強度抑制剤としてポリプロピレンなどの非相溶性樹脂をブレンドしたブレンド樹脂を使用することができる。また、前記シーラント層に使用されている樹脂が、前記ポリプロピレンまたはプロピレン系共重合体などのポリプロピレン系樹脂の場合は、そのポリプロピレン系樹脂を基材としてそれにシール強度抑制剤としてポリエチレンなどの非相溶性樹脂をブレンドしたブレンド樹脂を使用することができる。
以上のようなチャック20は、例えば、プラスチックの異形共押し出し成形法により、長尺の巻き取り状に製造することができる。
次に、図3は、本発明の加熱殺菌可能なチャック付き袋の一実施例の構成を示す正面図である。図3に示した加熱殺菌可能なチャック付き袋100は、袋の本体をスタンディングパウチ形式の袋に製袋したものであり、底部が常法に従って、前後の壁面の積層フィルム1、1′の下部の間に、底面フィルムを内側に折り返して底面フィルム折り返し部2まで挿入してなるガセット部4を有する形式で形成され、内側に折り込まれた底面フィルムの両側下端近傍には、この場合、半円形の底面フィルム切り欠き部3a 、3b が設けられ、ガセット部4が、内側が両側から中央部にかけて湾曲線状に凹状となる船底形の底部シール部5でヒートシールされて形成されている。また、袋の胴部は、前後の壁面の積層フィルム1、1′の両側の端縁部を側部シール部6a 、6b でヒートシールして形成されている。
そして、袋100の上部の端縁部は、内容物の充填後に上部シール部7でヒートシールして袋を密封するが、内容物の充填前は未シールの開口部とし、上部シール部7の下に5〜8mm程度の間隔を置いて、袋の開封手段として、ハーフカット線8とその両側の端部にノッチ9a 、9b を設け、更にハーフカット線8の下に8mm前後の間隔を置いて、袋の積層フィルム1、1′のうち、いずれか一方(図では前面側の積層フィルム1)の内面に、図1の(イ)、(ロ)に示した構成のチャック20を、図2の(イ)に示すように、その線状の薄肉部24で折り畳んで雄型嵌合部22と雌型嵌合部23とを嵌合させ、テープ状基材21の雄型嵌合部22側(拡大部25を設けていない側)の端縁部を積層フィルム1の外側からシールバーで加熱圧着して強シール部28が形成されるように熱接着して構成したものである。
尚、ハーフカット線8は、3本の平行なハーフカット線で示したが、その本数および形状は引き裂きラインが安定するように任意に設定することができる。また、ハーフカット線が不要な場合は、これを取り除いてノッチのみとしてもよく、あるいはハーフカット線を印刷による破線などの切取り指示線に代えてもよい。
また、袋100の上部の開口部からの内容物の充填、および内容物充填後のチャック20の拡大部25の両面と、積層フィルム1、1′の内面との強シール部29および易剥離性シール部30を形成しての熱接着、および上部シール部7のヒートシール、そして、密封包装された内容物の取り出し時の操作などについては、先に、図2の(イ)、(ロ)で詳しく説明したのでここでは省略する。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
図3に示した構成の加熱殺菌可能なチャック付き袋を作製することとし、以下の構成の積層フィルムとチャックを使用し、以下の寸法で袋を作製して実施例1の加熱殺菌可能なチャック付き袋とした。
(1)袋の壁面用積層フィルム1,1′の構成
(外側)二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと記載する)(厚み12μm)・シリカ蒸着層(厚み400Å)/印刷層/接着剤/二軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONフィルムと記載する)(厚み15μm)/接着剤/無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、CPPフィルムと記載する)(厚み70μm)
(2)袋の底面用積層フィルムの構成
(外側)PETフィルム(厚み12μm)・シリカ蒸着層(厚み400Å)/印刷層/接着剤/ONフィルム(厚み15μm)/接着剤/CPPフィルム(厚み60μm)
上記各フィルムの貼り合わせは、いずれもドライラミネーション法で行ったものであり、各フィルムの間の接着剤は、ドライラミネート用の二液硬化型ポリウレタン系接着剤を使用したものである。
(3)チャック20の構成
チャック20は、図1の(イ)、(ロ)に示した構成とし、その寸法は、テープ状基材21の拡大部25を除く部分の幅は40mmとし、その中間部に1.5mmの幅で厚み15μmの線状の薄肉部24を設け、拡大部25の幅は14mmとした。従って、テープ状基材21の全幅は54mmである。
チャック20の材質は、その本体部分(易剥離性シール剤層26を除いた部分)にはポリプロピレンを用い、易剥離性シール剤層26にはポリプロピレンを基材としてこれに高密度ポリエチレンをブレンドしたブレンド樹脂を用いた。
(4)袋の寸法
袋100の寸法は、外形寸法で長さが210mm、幅が120mmとし、底部のガセット部4の折り込み長さは38mmとした。 また、袋100の上部の端縁部には、袋の上端から下方に10mmまでを上部シール部7の領域とし、その下に5mmの間隔を置いてレーザー光照射により5本の平行なハーフカット線8を1mmピッチで設け、その両端にノッチ9a 、9b を設けた。また、前記ハーフカット線8の下に更に7mmの間隔を置いて、図2の(イ)に示したように、チャック20を線状の薄肉部24で折り畳んで、前面側の積層フィルム1の内面にそのテープ状基材21の端縁部で強シール部28を形成するように熱接着した。
前記実施例1の加熱殺菌可能なチャック付き袋の構成において、袋の形式を四方シール形式の袋に変更し、袋に用いる積層フィルムとして、前記「袋の壁面用積層フィルム1、1′の構成」に記載した積層フィルムと同じ構成の積層フィルムを用いたほかは、袋の外形寸法および袋の上部(口部)の構成など、総て実施例1と同様に作製して実施例2の加熱殺菌可能なチャック付き袋を作製した。
(試験およびその結果)
以上のように作製した実施例1および実施例2の加熱殺菌可能なチャック付き袋を評価するため、それぞれの袋に内容物として液状成分を含むペットフードを約400gずつ充填し、真空包装方式で、図2の(ロ)に示すように、上部シール部7と、チャック20の拡大部25とその両面の積層フィルム1、1′とのヒートシールを行ってそれぞれの袋を密封した。
尚、上記内容物の充填には、スタンディングパウチまたは四方シール形式の袋に使用する通常の給袋式充填装置を用いたが、特に問題もなく良好に充填することができた。
上記のように作製した実施例1、2の加熱殺菌可能なチャック付き袋による包装体は、いずれも真空包装されているため、袋の積層フィルムが内容物に密着した形状であるが、実施例1のチャック付き袋による包装体は、袋がスタンディングパウチ形式であるため、自立性を有しており、取り扱い性に優れていた。
次いで、それぞれの包装体を120℃、30分間の条件でレトルト殺菌処理を行ったところ、いずれの包装体も破袋の発生などの問題もなく良好にレトルト殺菌処理することができた。
また、それぞれの包装体について、内容物の取り出し時の開封性等の適性を確認するため、一方のノッチを利用してハーフカット線8に沿って引き裂いたところ、各包装体ともハーフカット線8に沿ってきれいに引き裂くことができ、上部シール部7を切り取ることができた。
続いて、上部シール部7が切り取られたそれぞれの袋の積層フィルム1、1′の上縁部を摘んで両側に引き離すことにより、チャック20の拡大部25の易剥離性シール剤層26面と積層フィルム1の内面とのヒートシールにより形成された易剥離性シール部30が容易に引き剥がされ、次いで、チャック20の嵌合部27を両側に解離させた後、その下に露出したチャック20の線状の薄肉部24を突き破って両側に引き裂くことにより、いずれの包装体も袋の上部(口部)を容易に大きく開口させることができた。
上記易剥離性シール部30の引き剥がしによる開封操作、およびチャック20の嵌合部27の両側への解離操作の際に、内容物の液状成分などがチャック20の嵌合部27などに漏れだしているようなことは全くなく、これらの開封操作の際に内容物が手に付着したり、周囲に飛び散るようなことも全くなかった。
また、上記のように開封した袋を再封したい場合でも、チャック20の嵌合により、いずれの包装体も容易に再封することができた。
本発明のチャック及びそれを用いた加熱殺菌可能なチャック付き袋は、特に、内容物が液状成分を含む食品などで、そのチャック付き袋に内容物を密封包装した後、加熱殺菌処理を施す必要のある内容物の包装用に適するものであるが、内容物や用途に関して特に制限はない。
本発明の加熱殺菌可能なチャック付き袋に用いるチャックの一実施例の構成を示す図で、(イ)はその平面図、(ロ)は(イ)のA−A線模式拡大断面図である。 図1に示したチャックを袋の口部内面に熱接着した状態を示す要部の模式断面図で、(イ)は袋に内容物を充填する前の状態を示す要部の模式断面図、(ロ)は袋に内容物を充填した後、チャックと袋との熱接着を完了させ、更に、袋の上縁をヒートシールして袋を完全密封した状態を示す要部の模式断面図である。 本発明の加熱殺菌可能なチャック付き袋の一実施例の構成を示す正面図である。
符号の説明
1、1′ 積層フィルム
2 底面フィルム折り返し部
3a 、3b 底面フィルム切り欠き部
4 ガセット部
5 底部シール部
6a 、6b 側部シール部
7 上部シール部
8 ハーフカット線
9a 、9b ノッチ
20 チャック
21 テープ状基材
22 雄型嵌合部
23 雌型嵌合部
24 線状の薄肉部
25 拡大部
26 易剥離性シール剤層
27 嵌合部
28、29 強シール部
30 易剥離性シール部
100 加熱殺菌可能なチャック付き袋

Claims (4)

  1. 加熱殺菌可能な袋の口部内面に熱接着して用いられるプラスチック製のチャックであって、該チャックが、テープ状基材の一方の面に、その長手方向に沿って互いに嵌合可能な凸条の雄型嵌合部と凹条の雌型嵌合部とが所定の間隔を置いて平行に設けられ、該テープ状基材の該雄型嵌合部と雌型嵌合部との中間部に線状の薄肉部が設けられると共に、該テープ状基材の幅方向の両側端部のうち、いずれか一方の端部に該テープ状基材の幅を広げてなる拡大部が設けられ、該拡大部の前記雄型・雌型嵌合部が設けられている側の表面には易剥離性シール剤層が設けられて形成され、且つ、該チャックを袋の口部内面に熱接着する際に、袋に内容物が充填される前の段階では、該チャックは前記線状の薄肉部で折り畳まれ、前記雄型嵌合部と雌型嵌合部とが嵌合された状態で袋の口部の両面のフィルムのうち片面のフィルムのみに熱接着されるようにしたことを特徴とするチャック。
  2. 前記チャックが、融点115℃以上のポリオレフィン系樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1記載のチャック。
  3. 請求項1または2に記載のチャックが、加熱殺菌可能な袋の口部内面に熱接着されていることを特徴とする加熱殺菌可能なチャック付き袋。
  4. 前記袋が、スタンディングパウチ形式の袋であることを特徴とする請求項3に記載の加熱殺菌可能なチャック付き袋。
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