JP2007330036A - 振動体、圧電アクチュエータ、電子機器、および振動体の製造方法 - Google Patents

振動体、圧電アクチュエータ、電子機器、および振動体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電素子の導通構造に関し、格段に小型化できるとともに容易に製造でき、エネルギ効率も低下しない振動体、圧電アクチュエータ、電子機器、および振動体の製造方法の提供。
【解決手段】圧電素子30A,30Bの体表面部35には、複数の電極パターン311〜315が形成されるとともにこれら電極311〜315のうち互いに導通して同電位とすべきものを電気的に接続する導通パターン411〜419が圧電素子30A,30Bの体表面部35に形成されている。導通パターン411〜419は、常温で導電性粒子を含有した液状物をインクとするインクジェット法により、当該インクを常温より高い温度で乾燥固化させることにより導電性粒子を相互接触させて形成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、振動体、圧電アクチュエータ、電子機器、および振動体の製造方法に関する。
圧電素子は電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率や応答性などに優れ、小型化・薄型化に適するため、マイクロエレクトロニクスの分野などでは、圧電素子に交流電圧を印加した際の振動によりロータなどの被駆動体を駆動する圧電アクチュエータ(超音波モータ)の開発が進められている。
ここで、小型薄型化に好適な定在波方式であって矩形状の振動体を有する圧電アクチュエータの構造の一例として特許文献1を示す。この特許文献1の圧電アクチュエータは、2枚の矩形板状の圧電素子と、これらの圧電素子の間に介装される導電性の補強板と、圧電素子と外部基板とを導通するリード基板とを備えて構成されている。各圧電素子は厚み方向に互いに逆向きに分極されており、各圧電素子の裏側が接合される補強板を各圧電素子の共通電極として、この補強板と、各圧電素子の表側にめっきなどで形成された電極それぞれとの間に分極方向に沿って駆動電圧が印加され、圧電横効果によって各圧電素子は同時に伸縮する。
このような圧電アクチュエータにおける導通実装に関し、圧電素子に複数の電極が形成された特許文献1では、リード基板に形成するオーバーハング部を使用し、全電極からオーバーハング部でリード基板に引き出した後、外部回路内で導通をとっている。補強板の表裏の各圧電素子のそれぞれの表面に形成された各電極は略同電位とされるため、補強板の表側の圧電素子に設けられたリード基板と、補強板裏側の圧電素子に設けられたリード基板とを互いに導通して電圧印加装置に接続する。ここで、特許文献1では、1枚の基板を振動体の表裏両側に向けて折り曲げることでリード基板同士の接続を不要としている。そして、この折り曲げたリード基板の両端縁からそれぞれ、各圧電素子表面の電極に向かって突出する可撓性を有するオーバーハングパターンを配置し、オーバーハング部の先端を熱溶着などで電極に取り付ける。
なお、オーバーハングパターンによる導通の代わりに、図36に示すようにワイヤボンディングを用いることもある。この場合、同じリード基板990に対して各圧電素子991,992の表面電極からそれぞれワイヤ993で導通を図ることが可能である。
特開2004−289965号公報(図3)
しかしながら、前述のような導通関係の実装では、圧電アクチュエータの厚みが大きくなるという問題がある。すなわち、特許文献1の図3(B)を参照して説明すると、オーバーハング部461と圧電素子表面の電極とが接触しないように、リード基板46の実装の際には、オーバーハング部461の寸法に応じてリード基板46を圧電素子表面から所定間隔離してリード基板46を配置する必要があり、このように間隔を空ける分、厚くなってしまう。
また、特許文献1でもそうであるように、圧電素子表面の電極が複数に分割されている場合は、落下、振動によりオーバーハング部が撓んで他の電極に短絡しないように、その間隔を大きくする必要がある。
このように、補強板の片面側の圧電素子だけ見ても、圧電アクチュエータが厚くなる要因があるところ、特許文献1のように2枚の圧電素子表面の電極をそれぞれ導通させる場合は片側の実装構造に対して2倍の厚みが必要となるため、圧電アクチュエータ全体ではかなり嵩張ってしまう。圧電アクチュエータは、他のモータなどと比べてその厚みや長さなどの寸法に対して大きな駆動力が得られることから、小型の電子機器に搭載されることが多く、機器の小型化に伴い、今後一層の小型化が望まれている。
このような厚み寸法の問題に加えて、リード基板と圧電素子との間の所定の間隔を保持しながらオーバーハング部を圧電素子表面の電極に接合する組立作業は煩雑という問題もある。さらに、このようなリード基板を保持するスペーサやピンなどの部品が必要となり、部品点数が多くなる点でも、圧電アクチュエータ製造における組立作業が煩雑であり、またコストアップに繋がる。
一方、図36で示したようなワイヤボンディングによる実装構造では、ワイヤ993の可撓性により振動体に平面的に隣接する位置にリード基板990を設けることが可能であって、これによって厚みを減らす一定の効果はあるものの、ワイヤ993に可撓性があるがゆえにその位置が定まらず、またはんだの盛り上がりにより、やはり圧電素子991,992の表面からワイヤ993を所定間隔離して配置する必要がある。
そのうえ、振動に影響しない程度のワイヤ993の細さでは、その位置が非常に定まり難く、作業ばらつきが許容される余裕ある間隔設定が必要となるから、厚みはさらに増大する。
なお、圧電素子表面の電極が複数に分割されている場合に、落下、振動によりワイヤが撓んで他の電極に短絡しないようにその間隔を大きくする必要があったり、2枚の圧電素子を備える場合は厚みが2倍となるのはオーバーハング部の場合と同様である。
また、ワイヤボンディングの場合は、ボンディング作業を既に実施した一方の圧電素子の側を保持して反対側のもう一方の圧電素子に対してボンディングを実施する際に、既にボンディングされたワイヤの位置がばらついていることから、これらのワイヤが確実に圧電素子を保持可能な領域が狭い。このため、圧電素子を安定的に保持できず、ボンディングツールからの振動および熱を確実に伝えることができないため、ワイヤの接続品質が著しく不安定となる。
加えて、前述のボンディングワイヤも、また箔状といえどもオーバーハングも、その抗力やはんだの重みなどによって圧電素子の振動が妨げられ、また、これらワイヤやオーバーハング自体も圧電素子とは別に振動することから、不要な振動モードが発生し、圧電アクチュエータのエネルギー効率が低下するという問題もある。特に、ワイヤの場合は、振動により断線するおそれもあり、信頼性の低下が懸念される。
このような問題に鑑みて、本発明の目的は、導通構造に関し、格段に小型化できるとともに容易に製造でき、エネルギ効率も低下しない振動体、圧電アクチュエータ、電子機器、および振動体の製造方法を提供することにある。
本発明の振動体は、複数の電極が形成された圧電素子を備え、前記電極同士を電気的に接続する導通部が前記圧電素子の体表面部に形成され、前記導通部は、常温では導電性粒子を含有した液状物を前記体表面部に設けた後、当該液状物を常温より高い温度で乾燥固化させることにより前記導電性粒子を相互接触させて形成されることを特徴とする。
また、本発明の振動体の製造方法は、振動体を構成する圧電素子に複数の電極をそれぞれ形成する電極形成工程と、常温では導電性粒子を含有した液状物を前記圧電素子の体表面部に設けた後、当該液状物を常温より高い温度で乾燥固化させることにより前記導電性粒子を相互接触させて、前記電極同士を電気的に接続する導通部を形成する導通部形成工程とを備えることを特徴とする。
これらの発明によれば、このような液状物を用いた導通部の形成手段により、圧電素子の体表面部に沿った薄膜として導通部を形成することが可能となり、電極が圧電素子と一体化されていることと略同様に、導通部も圧電素子と一体化される。このため、ワイヤやオーバーハング部などの導通手段によって圧電素子の厚みが嵩張ることなく、このような圧電素子を備える振動体の小型化を格段に促進できる。本発明によれば、導通部の形成に際し、従来のように圧電素子上の電極との短絡を防止するための所定間隔を確保する必要が無く、圧電素子に関し、従来とは根本的に異なる導通構造を提供できる。
ここで、液状物を用いることから、従来実現し得なかった微細な導通パターンの形成が可能となり、細密配線が可能となるから、小型化・薄型化を一層促進できる。
また、液状物を圧電素子の外周部で乾燥固化させるという形成手段により、導通部の位置が定まらないということがなく、導通部は精密にパターニングされる。さらに、導通部の組み立てが不要であるから、製造が極めて容易となる。またさらに、このように圧電素子に直接導通部を形成しているので、リード基板が不要であり、基板を保持する構造も不要であることから、一層、製造容易となる。そのうえ、基板コストが削減でき、コストダウンもできる。
そして、配線、組み立てに起因して信頼性が低下するおそれもない。
加えて、導通部が薄膜として圧電素子に一体化されるので、圧電素子の電気エネルギと機械エネルギとの相互変換の効率が良く、エネルギ効率が低下しない。圧電素子を圧電アクチュエータに使用する場合は、導通部が圧電素子と一体に変位するから、当該変位が導通部によって妨げられず、駆動効率が良好になる。
なお、圧電素子の用途は、特に限定されず、発振子、フィルタ、およびトランスなどの電子部品や、物品寸法形状等の非接触測定装置、物品変位の測定装置、生体の診断装置、および流量計などの情報機器や、加工機械、治療器、および圧電アクチュエータなどの動力装置などとして広く利用できる。
なお、電極は、Au,Niなどによるめっき、スパッタ、蒸着などによって形成できる。
また、導通部を形成する導通性粒子としては、Ag,Au,Cuなどを例示できる。
ここで、液状物とは、常温において、導電性粒子分散媒すなわち媒質に導電性粒子が分散された状態にあるものをいう。この液状物には、粒径数μm程度のAg等の導電性粒子がエポキシ樹脂等を分散剤として水等の媒質に分散された状態のゲルやペースト状のものも含まれる。また、分散剤などを用いることにより、常温では数nm程度の非常に微細な超微粒子が高い金属含有量で分散したナノインクも液状物に含まれる。つまり、圧電素子の体表面部に吐出、塗布、噴出、滴下等が可能な程度の流動性を有するものであれば、本発明の液状物として用いることができる。なお、以下において、「液状物」はこれと同様の意味内容である。
さらに、液状物を設ける方法としては、後述するインクジェット法のほか、タンポ(パット)印刷、スクリーン印刷、ディスペンサによる塗布などを例示できる。
またさらに、振動体は、圧電素子を保持する補強部材を備えることが好ましく、補強板などの表裏両面にそれぞれ圧電素子が接合されることがより好ましい。このように圧電素子が補強板の両面に設けられることで振動体が安定的に振動するうえ、前述の導通部により、1つ1つの圧電素子における厚みが抑えられていることで振動体の厚みを表裏両方で薄くできるので、前述した効果を大きくできる。
本発明の振動体では、前記圧電素子は、略板状に形成され、その平面には、前記電極であって互いに同電位とされる2つ以上の同電位電極がそれぞれ形成され、前記導通部により、前記各同電位電極は、前記圧電素子の前記平面に隣接する側面を経由して互いに導通されていることが好ましい。
この発明の背景としては、圧電素子の外周部に形成された複数の電極のうち異電位とされるものがあり、同電位電極が隣接せず互いに離間する場合に、同電位電極が異電位電極と導通しないように絶縁手段を設ける必要があることである。
この発明によれば、電極が形成されていない圧電素子の側面部分を経由して同電位電極が互いに導通されるため、絶縁手段を不要にでき、圧電素子の厚みをさらに薄くできるとともに製造をさらに容易化できる。また、絶縁手段を設けないことでエネルギ効率もより良好にできる。
なお、インクジェット法により導通部が形成される場合、インクジェット法は被噴射面に非接触の方式であるため、圧電素子の平面と側面との間の角部や、矩形状とされた圧電素子の側面の角部や、円形や円環状とされた圧電素子の曲面状の側面にも、他の印刷手段などと比べると導通部を容易に形成できる。
ここで、圧電素子に形成された複数の電極は、電圧印加により圧電素子に逆圧電効果をもたらす駆動電極や、正圧電効果により圧電素子の変位を検出する検出電極などとして使用され、これらの駆動電極や検出電極がそれぞれ複数設けられる場合がある。例えば、矩形板状の圧電素子における長手方向に沿った縦振動と、縦振動に対して幅方向に直交する屈曲振動とを励振する混合モードを電極の配置により実現する場合には、例えば一対の電極(電極対)を対角線の両端側にそれぞれ形成することが考えられる。この場合、この電極対を相互に導通して同電位とした方が配線の効率が良い。このような場合において、電極対を互いに圧電素子の側面を経由して導通すればよい。
本発明の振動体では、前記体表面部には、前記電極であって互いに同電位とされる2つ以上の同一面内電極が略同一面にそれぞれ形成され、前記導通部であって前記各同一面内電極を互いに導通するものとして同一面内導通部があり、当該同一面内導通部における前記同一面内電極との各接点間に位置する中間部は、前記同一面内電極における電位とは異なる異電位部と重なり、前記中間部と前記異電位部との間には、絶縁層が介装されることが好ましい。
また、本発明の振動体の製造方法は、互いに同電位とされる2つ以上の電極を、振動体を構成する圧電素子における略同一面にそれぞれ形成する電極形成工程と、常温では導電性粒子を含有した液状物を前記圧電素子の体表面部に設けた後、当該液状物を常温より高い温度で乾燥固化させることにより前記導電性粒子を相互接触させて、前記電極同士を電気的に接続する導通部を形成する導通部形成工程と、前記導通部と、前記電極における電位とは異なる異電位部とを絶縁する絶縁層を形成する絶縁層形成工程とを備え、前記導通部形成工程では、前記導通部を前記異電位部と重なる位置に形成することを特徴とする。
ここで、「同一面内電極」には、厳密に同一面内に配置されている電極だけでなく、略同一面に配置されている電極をも含む。
「同一面導通部」は、同一面内電極と略同一面に配置されている。なお、同一面導通部の一部が同一面内電極と略同一面に配置されていてもよい。
これらの発明によれば、絶縁層の形成により、互いに隣接しない同電位電極同士の導通にあたり絶縁されるべき異電位の電極を跨いで配線可能となるので、圧電素子におけるより複雑な電極および導通部のレイアウトが可能となる。このような絶縁層を形成しても、ワイヤボンディングやオーバーハングの場合は短絡防止の隙間が必要となることと比べて格段に薄型化できる。これにより、細密化が一層促進され、より小型化できる。
なお、前述したような電極対を相互に導通し同電位とすることにより、同じ駆動電圧信号(単相の駆動信号)による駆動を実現できる。このような場合に、絶縁層の形成により、電極対を互いに接続する導通部を振動検出電極などと重ねて配置できるので、複雑な配線を要する高度な制御が可能となる。
また、矩形状の圧電素子において例えば電極が4分割されており、前述の電極対がもう一対、すなわち矩形における2つの対角線について電極対がそれぞれ配置される場合において、一方の電極対への電圧印加と他方の電極対への電圧印加とを切り替えることにより、圧電素子の正方向への変位と逆方向への変位とが得られる。このような圧電素子をアクチュエータに適用することで被駆動体を正方向および逆方向に駆動できる。このような場合において、一方の電極対に係る導通部と他方の電極対に係る導通部とが互いに重なる場合や、いずれかの導通部が異電位電極に重なる場合があり得、この場合は一方の電極対と他方の電極対とは同時には電圧印加されないから互いに異電位部であり、この異電位部の部分に絶縁層が形成される。
本発明の振動体では、前記絶縁層は、常温では液状である絶縁体を前記異電位部の外面部に設けた後、当該絶縁体を常温より高い温度で乾燥固化させることにより形成されていることが好ましい。
この発明によれば、導通部と同様の手段で絶縁層も形成したので、絶縁板などを設ける場合と比べ、圧電素子の厚みを抑えること、製造が容易となること、およびエネルギ効率を低下させないことなどの前述した効果をより大きいものとできる。
なお、絶縁層の形成に関しても、後述するインクジェット法が好適であり、この場合のインクとして使用できる絶縁体としては、エポキシ系絶縁樹脂を例示できる。
本発明の振動体では、前記絶縁層が形成される領域外への前記絶縁体の流出を規制する流出規制部を有することが好ましい。
この発明によれば、流出規制部により、絶縁層が形成される適正な領域内に絶縁体を追い込むことができ、当該領域外に絶縁体が流出しないので、絶縁層を目論見通りの膜厚で正確な位置に形成できる。これにより、絶縁体の付着に起因する導通不良などを防止でき、信頼性を向上させることができる。
本発明の振動体では、前記流出規制部は、前記中間部と前記接点との間に形成されていることが好ましい。
この発明によれば、流出規制部により接点への絶縁体の付着が防止されるので、接点の導通を確保でき、歩留まりを良くできる。
本発明の振動体では、前記流出規制部は、前記絶縁層の位置から前記圧電素子の表面に向かって窪む凹部とされていることが好ましい。
この発明によれば、凹部により、圧電素子の厚みが増すことなく流出規制部を形成できる。また、流出規制部が圧電素子の外周部から殆ど突出しないため、流出規制部を形成した後の加工に制約がなく、製造工程の順序に自由度を持たせることができる。
なお、凹部の形成手段および凹部の態様は任意であるが、例えばフォトリソグラフィーにおけるエッチングなどにより、電極膜の厚みにおいてこのような凹部を容易にかつ精密に刻設できる。そのほか、エンドミル、レーザー、超音波カッターなどで凹部を形成してもよい。
本発明の振動体では、前記流出規制部は、前記圧電素子の表面から突出する凸部とされていることが好ましい。
この発明によれば、凸部の突出高さや幅などを自在に設定することにより、絶縁体の吐出量や流動性のばらつきを考慮した余裕が必要であるような場合であっても、絶縁体の流れを確実に規制できる。
なお、この凸部は、ディスペンサなどを用いて絶縁性の接着剤を塗布することによって形成することもでき、このように接着剤を使用することで圧電素子外周部や電極膜との密着性が向上し、圧電素子外周部への凸部の一体性が高まる。この場合、紫外線硬化型や熱硬化型などの接着剤の使用によって接着剤を迅速に固化させれば、凸部の位置・形状精度などを良好にできる。なお、熱影響を回避するために紫外線硬化型接着剤の使用が好ましい。
本発明の振動体では、前記凸部は、常温では液状であって前記絶縁体が前記異電位部に設けられた際における当該絶縁体の粘度よりも高粘度の絶縁体を常温より高い温度で乾燥固化させることにより形成されていることが好ましい。
この発明によれば、絶縁層と凸部とに粘度のみ異なる同一の材料を使用することも可能であり、材料コストを低減できる。
また、絶縁層と凸部とを同様の方法で形成できるので、製造をより容易化できる。
本発明の振動体では、前記流出規制部は、前記絶縁層に平面的に隣接する位置に形成された撥水作用を奏する撥水部とされていることが好ましい。
この発明によれば、導通部が形成されるべき領域の外に絶縁体が吐出などされたとしても、その領域外の絶縁体液滴が撥水部によって領域内にはじかれるので、絶縁層を必要な箇所に確実に形成できる。このような撥水部により、前述の凹部と略同様に圧電素子の厚みが殆ど増すことなく流出規制部を形成できる。
本発明の振動体では、前記各同一面内電極には、前記絶縁層の表面に露出する導電性ポストが前記絶縁層の形成以前に立設され、前記導通部は、前記導電性ポストを介して前記各同一面内電極を互いに導通することが好ましい。
この発明によれば、液状の絶縁体が適正な領域を超えて流出した場合であっても、導電性ポストを介して同一面内電極の導通が可能となる。すなわち、前述のような絶縁体の流出規制部を形成することなく、絶縁層を形成する際の位置制御を省略もしくは簡略化できる。
なお、このポストについても、液状物を用いてインクジェット法などで形成することができる。
本発明の振動体では、前記導通部は、複数形成され、これらのうち1つ以上の導通部と1つ以上の導通部との間において、その電気抵抗が互いに同一とされていることが好ましい。
このような振動体の製造に際しては、複数設けられた前記導通部のうち1つ以上の導通部と1つ以上の導通部との間において、その電気抵抗が互いに同一となるように、前記各導通部の膜厚および長さがそれぞれ調整されることが好ましい。
この発明によれば、一の組の導通部と他の組の導通部との電気抵抗を同一としているので、これら導通部の取り回しの態様に関わらず等価配線を実現できる。すなわち、前述の例でいえば、一方の電極対に係る導通部と他方の電極対に係る導通部とを等価配線とできる。この場合、圧電素子の正方向の変位特性と逆方向の変位特性とを略同様とすることができる。
ここで、導通部は液状物を用いて極めて薄く形成され電気抵抗が無視できないことから、電気抵抗は低く設定することが好ましい。なお、圧電素子の導通に関し細密化、微細化が進むと導通部パターンは長く、細くなるため、電気抵抗の検討がますます重要となる。
本発明の振動体では、前記導通部は、当該振動体の振動の節近傍に形成されていることが好ましい。
前述したように、本発明では導通部が薄膜状に圧電素子と一体に形成されるから、導通部が圧電素子の変位に与える影響は殆どないが、このように振動の節近傍に導通部を形成することによって、振動体の振動への影響をごく小さくできる。このため、振動体の振動が減衰せず、エネルギ効率を良好にできる。また、振動が異常となり過振幅となった際などでも断線せず、信頼性を向上できる。
本発明の圧電アクチュエータは、前述の振動体を備え、前記圧電素子の変位を被駆動体に伝達することにより当該被駆動体を駆動することを特徴とする。
この発明によれば、前述の振動体を備えたことにより、前述と同様の作用および効果を享受できる。
なお、圧電アクチュエータの駆動方式は問わず、振動により被駆動体を駆動するタイプ(超音波モータ)としては振動の節および腹の位置が不変の定在波駆動方式や、節および腹の位置が遷移する進行波駆動方式等を適宜採用できる。また、分極方向および電圧印加の方向等も任意に構成できる。
なお、被駆動体としては、回転駆動されるロータ、直線駆動されるリニア駆動体などを採用でき、被駆動体の駆動方向は任意に構成できる。
本発明の電子機器は、前述の振動体または前述の圧電アクチュエータを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、前述の振動体を備えたことにより、前述と同様の作用および効果を享受できる。
ここで、本発明の電子機器としては、カメラ、プリンタ、携帯情報機器、可動玩具、計測機器など各種の電子機器が対象となる。これら電子機器における駆動機構や発振子などとして前述の圧電素子が組み込まれる。
本発明の電子機器では、計時部と、この計時部で計時された情報を表示する計時情報表示部とを備えた時計であることが好ましい。
この発明によれば、時計における駆動手段として一般的なステッピングモータなどに置換して、本発明の振動体を使用した圧電アクチュエータを採用することにより、磁気の影響を受けない、応答性が高く微小送りが可能、小型化・薄型化に有利、高トルク、保持トルク(無通電であってもロータ位置が保持される)が大きいなどの数々のメリットを享受できる。
ここで、圧電アクチュエータは、カレンダ駆動機構や時刻を示す指針の駆動機構などに組み込むことができる。この場合、圧電素子の振動によって送られるロータなどで歯車を駆動し、この歯車などを介して指針や回転板などを駆動することによって時刻や暦の情報を表示することができる。
本発明の振動体の製造方法は、後に圧電素子に個片化される略板状の基材を扱い、前記圧電素子の体表面部に複数の電極をそれぞれ形成する電極形成工程と、前記基材から前記圧電素子を複数、板状に個片化する個片化工程と、前記圧電素子に補強板を積層して振動体を構成する積層工程と、常温では導電性粒子を含有した液状物を前記補強板と積層された圧電素子の前記体表面部に設けた後、当該液状物を常温より高い温度で乾燥固化させることにより前記導電性粒子を相互接触させて、前記電極同士を電気的に接続する導通部を形成する導通部形成工程とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、振動体の製造方法について前述した電極形成工程および導通部形成工程による作用効果を享受できる。
また、本発明では、基材を用いて複数の圧電素子を一括して製作できる点と、これらの圧電素子に補強板を積層して振動体を製造する点に特徴を有する。ここで、圧電素子に補強板を積層した後、導通部を圧電素子に形成しているため、導通部は薄膜といえども、その厚みに影響されずに補強板と圧電素子とを精密に貼り合わせできる。こうすることで導通部の信頼性を良好に確保できる。
なお、圧電素子と補強板とを積層する際に加圧手段を用いることによって、圧電素子と補強板をより強固に貼り合せることができる。
そして、補強板との貼り合わせ後、インクジェット法などにより、絶縁層や導通部などの形成を一連の工程で実施することによって、生産性を高くできる。
なお、補強板の表裏にそれぞれ圧電素子を一枚〜数十枚程度貼り合わせて振動体を構成しても良い。
本発明の振動体の製造方法では、前記導通部形成工程において、前記液状物としてのインクを前記体表面部に噴射することによって前記導通部を形成することが好ましい。
この発明によれば、このようなインクジェット法により、導通部の形成が必要な箇所のみに必要量だけインクを噴射し、導通部を一層微細にかつ薄く成膜できるため、一層の薄型化が図られる。また、その薄さによって圧電素子と導通部との一体性が高まるから、エネルギ効率を良好にできる。さらに、噴射量(吐出量)を制御することにより膜厚制御が容易であり、圧電素子の外周部における異なる場所に、異なった膜厚および材料で成膜することが可能となる。
なお、インクジェット法には、フォトリソグラフィ等を用いて導通部を形成する場合と比べて必要な部分にのみインクを過不足無く噴射するため材料の使用量が少なくてすむというメリットがある。
また、マスクを使わないため多品種少量生産が可能であり、設備コストも大幅に低減できる。また、薬液の廃液などがほとんどない。
以上の本発明によれば、圧電素子の導通構造に関し、格段に小型化できるとともに製造が容易であって、エネルギ効率も低下しない圧電素子、振動体、圧電アクチュエータ、電子機器、および振動体の製造方法を提供できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
なお、電子機器の実施形態として、圧電アクチュエータが組み込まれたプリンタと、電子時計(第6実施形態)とを例示する。
〔第1実施形態〕
[1.全体概略構成]
図1は、本実施形態に係るプリンタ1の概略図である。プリンタ1は、印刷用紙がセットされる用紙トレイ2と、印刷された紙PPが排出される排出部3と、筐体4内部に設置される紙送りローラ5とを備える。
ローラ5は、図示しない印刷駆動部で印刷された紙PPを排出部3に送るものである。
[2.紙送りローラの駆動機構]
ローラ5を駆動する駆動機構は、圧電アクチュエータ(超音波モータ)20と、この圧電アクチュエータ20の振動によって回転駆動されるロータ28と、ロータ28の回転を減速しつつ伝達する減速輪列29とを備えて構成されている。
減速輪列29は、ロータ28と同軸に設けられてロータ28と一体的に回転する歯車291と、この歯車291に噛合し、かつ、ローラ5の回転軸に固定された歯車292とで構成されている。
なお、圧電アクチュエータ20と、ロータ28とは、図2に示すように、圧電アクチュエータユニット10としてユニット化されている。
[3.圧電アクチュエータユニットの構成]
圧電アクチュエータユニット10は、筐体4のフレーム等に取り付けられる矩形状の支持プレート11と、支持プレート11にそれぞれ取り付けられる圧電アクチュエータ20と、圧電アクチュエータ20による被駆動体としてのロータ28とを備えて構成されている。このように、圧電アクチュエータユニット10は、圧電アクチュエータ20とロータ28とが平面的に隣接して配置されていることで薄型となっている。
支持プレート11の四隅には、筐体4のフレーム側に取り付けるための孔11Aと、図示しないカバー部材等を取り付けるためのネジピン11Bとがそれぞれ形成され、圧電アクチュエータ20は、支持プレート11の略中央にビス11C等の固定手段によって固定される。なお、圧電アクチュエータ20を固定する際の位置決め用のピン11Dがビス11Cの近傍に形成されている。
また、支持プレート11の圧電アクチュエータ20が対向する部分には、支持プレート11の厚み方向に窪む凹部11Eが圧電アクチュエータ20よりも大きい平面寸法で形成されており、圧電アクチュエータ20が十分な振幅で振動可能となっている。
[4.圧電アクチュエータの構成]
図3は、圧電アクチュエータ20の斜視図であり、図4および図5は、圧電アクチュエータ20の断面図である。
圧電アクチュエータ20は、図3〜図5に示すように、2枚の矩形板状の圧電素子30A,30Bと、これらの圧電素子30A,30Bの間に介装される補強板21とを備えている。これら圧電素子30A、補強板21、および圧電素子30Bは互いに積層され、圧電素子30A,30Bの伸縮変位に伴い振動する振動体20Aとして構成されている。
補強板21は、ステンレス鋼などの導電性部材であり、圧電素子30Aが接合される略矩形状の本体211と、本体211の両側面からそれぞれ突出する一対の腕部212,213とを有する。
本体211の一方の短辺の略中央には、ロータ28(図2)の外周面(本実施形態では断面円弧状)に当接される突起211Aが本体211と一体的に形成され、突起211Aは、圧電アクチュエータ20をユニット10に組み込んだ際にロータ28の径方向に沿って配置される。
この突起211Aとロータ28との相対位置は、突起211Aがロータ28の外周面に対して所定の力で当接するように調整されており、突起211Aとロータ28側面との間に適切な摩擦力が発生することで振動体20Aの振動が効率良くロータ28に伝達される。なお、本体211の他方の短辺側に突起211Aと略同様の突起がカウンタとして形成されていてもよい。
また、本体211は、圧電素子30A,30Bよりも長さが若干短く、本体211の短辺側の両端は、圧電素子30A,30Bの側面よりも内側に配置されている。
腕部212には、位置決め用ピン11D(図2)が挿通される孔212A,212Cと、ビス11Cが挿通される孔212Bとが形成され、腕部213にも同様の孔213A〜213Cが形成されている。これらの腕部212,213は、ビス11C(図2)によって支持プレート11にそれぞれ固定される。なお、支持プレート11には、絶縁処理がされているものとする。
一方の腕部212は、図示しない導通手段により、圧電アクチュエータ20外部の回路基板に導通されており、当該回路基板の回路ブロックにおける基準電位が腕部212に給電される。
なお、腕部212,213の本体211に連設される部分は、首状の括れ部212D,213Dとなっているため、振動体20Aの振動エネルギの腕部212,213への散逸が抑制される。
[5.圧電素子の構成]
圧電素子30A,30Bは、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT(登録商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等から任意に選択した材料により形成され、厚み方向に分極処理がされ、エポキシ系接着剤などで補強板21に強固に接着されている。なお、これら圧電素子30A、30Bの分極方向は互いに逆向きであり、補強板21を挟んで対称となっている。
また、圧電素子30A,30Bの長手方向に沿った両方の長辺側面部352は、圧電素子30A,30Bの厚み方向に対して傾斜している。これにより、圧電素子30A,30Bの幅方向端部における表面部351と長辺側面部352との間の角部が面取りされ、図5に示すように、当該角部の角度θ1が大きくなっているとともに、長辺側面部352と腕部212,213表面との間の角度θ2も大きくなっている。
圧電素子30A,30Bにおいて補強板21と重ねられない外側の面を表面、補強板21と重ねられる面を裏面とすると、これら圧電素子30A,30Bにおける少なくとも表面の略全体には、ニッケル(Ni)や金(Au)などによるめっき、スパッタ、蒸着等によって電極31がそれぞれ形成されている。なお、本実施形態では、圧電素子30A,30Bの裏面全体にも電極31と略同様の電極(図示せず)が形成され、この電極と補強板21とが接触しているが、圧電素子30A,30Bの裏面側に、このような電極が形成されず補強板21に直接重ねられていてもよい。
ここで、圧電素子30Aの構成と圧電素子30Bの構成とは互いに略同様であるため、以下では、圧電素子30A,30B共通の構成については圧電素子30と総称することもある。
また、本実施形態は、後述するように、圧電素子30の表面部351および長辺側面部352および短辺側面部353にそれぞれ沿って、導通パターンなどが形成されることに特徴を有し、これらの表面部351、長辺側面部352、および短辺側面部353はいずれも、圧電素子30の体表面部35と総称される。
圧電素子30の表面に形成された電極31は、エッチングなどで形成された溝32によって分割され、互いに絶縁された5つの電極パターン311〜315がそれぞれ形成されている。
これらの電極パターン311〜315の分割態様は、大略、矩形状の電極31が圧電素子30の長手方向に沿った溝32により幅方向に3等分され、3等分されたうち幅方向両側の電極がさらに、長手方向の略中央で2つに分割されたものであり、これらの電極パターン311〜315は、圧電素子30の長手方向に沿った中心線について線対称に、かつ平面中心について点対称に配置されている。
詳しくは、これらの電極パターン311〜315は、圧電素子30の長手方向中央部で幅寸法が減少しており、圧電素子30の長手方向両側にそれぞれ配置された電極パターン311と電極パターン312とは、あるいは電極パターン314と電極パターン315とは、圧電素子30の長手方向中央を超えて互い違いに突出する。これにより、電極パターン311〜315のすべてが圧電素子30の長手方向中央部に略等しい幅で並び、これらの電極パターン311〜315のいずれとも圧電素子30の長手方向中央部で導通を取ることができる。
[5−1.導通構造(配線)について]
図6は、圧電アクチュエータ20が配線された状態を示す平面図である。
本実施形態では、電極パターン311〜315を適宜使い分けることにより、ロータ28(図2)を正方向R+および逆方向R−に駆動して紙送りローラ5(図1)を正方向にも逆方向にも駆動することが可能である。
具体的に、圧電素子30略中央で長手方向に延びる中央電極パターン313には、ロータ28の正方向R+の回転時にも逆方向R−への回転時にも電圧が印加される。また、一方の対角線上に配置された対称電極パターン(電極対)311,315には、ロータ28の正方向R+の回転時にのみ、電圧が印加され、他方の対角線上に配置された対称電極パターン(電極対)312,314には、ロータ28の正方向R−の回転時にのみ電圧が印加される。
なお、ロータ28の正転逆転に応じて、電圧が印加されない電極パターン(対称電極パターン311,315または対称電極パターン312,314)は、圧電アクチュエータ20の振動状態を電圧信号として取り出す検出電極として使用される。振動検出信号は、腕部212における電位を基準信号として、この基準信号に対する対称電極パターン311,315の電位の差、あるいは基準信号に対する対称電極パターン312,314の電位の差である差動信号として検出される。
中央電極パターン313は、液状物を乾燥固化させることで形成されたL字状の導通パターン(導通部)411により、一方の腕部212の孔212Bの周りに設けられた箔状のパッド452に導通され、このパッド452から任意の導通手段により、図示しない回路基板に実装された駆動制御装置に導通されている。なお、中央電極パターン313は、圧電素子30の表面部351、長辺側面部352、および腕部212の表面に沿って連続して形成されている。
ここで、圧電素子30の長手方向略中央部の略矩形状の部分と腕部212の表面とを合わせた領域には、液状の絶縁体が用いられた絶縁層511が形成されている。この絶縁層511により、中央電極パターン313が導通パターン411の経路上にある電極パターン314,315とは互いに導通しないようになっている。
このような絶縁層511は、導通パターン411の両端にある接点411A間の中間部411Bが異電位とされる部分に重なる場合に必要となる。すなわち、中央電極パターン313から見て、ロータ28の正回転時には対称電極パターン312,314が異電位部となり、ロータ28の逆回転時には対称電極パターン311,315が異電位部となるから、導通パターン411と電極パターン311〜315とを互いに絶縁する必要がある。以降で説明する導通パターンについても、各接点間に異電位部と重なる中間部を有する場合、絶縁層などの絶縁手段が必要となるのは同様であるため、以降では、接点および中間部に関する説明は簡略もしくは省略する。
絶縁層511は、圧電素子30の表面部351、長辺側面部352、および腕部212の表面に沿って連続して形成され、この絶縁層511によって、腕部212に3つ設けられたパッド451〜453が互いに絶縁されている。
なお、一方の腕部212に設けられたパッド451〜453を介して、圧電アクチュエータ20の片側から圧電アクチュエータ20外部へと導通を取っているため、配線作業が容易となっている。
なお、圧電素子30に形成された導通パターン411〜414等や、絶縁層511等はすべて、液状物/液状の絶縁体を圧電素子30に向かって吐出後、乾燥固化させること(具体的には、後述するインクジェット法(インクジェット方式))によって形成されている。
また、対称電極パターン311,315は、互いに導通される同一面内電極であって、略L字状の導通パターン(同一面内導通部)412により互いに導通されて同電位とされる。すなわち、対称電極パターン311,315は互いに離間した位置にあるが、絶縁層511が形成されていることにより、他の電極パターン313,314を跨いでこれらの対称電極パターン311,315を互いに導通させることが可能となる。
導通パターン412は、腕部212の孔212Cの周りに設けられたパッド453に導通され、駆動制御装置に導通されている。なお、絶縁層511は、電極パターン315の導通パターン412が通る部分には形成されていない。
対称電極パターン312,314も、同一面内電極であって、絶縁層511が形成された部分で中央電極パターン313を跨ぐコ字状の導通パターン(同一面内導通部)413によって互いに導通されることにより同電位とされ、一方の電極パターン314に設けられたL字状の導通パターン414(同一面内導通部)、および腕部212のパッド451を通じて駆動制御装置に導通される。
なお、導通パターン413,414の膜厚および長さ、そして前述した導通パターン412の膜厚および長さがそれぞれ調整されることにより、導通パターン413,414の合計による電気抵抗と、導通パターン412による電気抵抗とが略同一に調整されている。
以上説明した導通パターン411〜414および絶縁層511は、圧電体30Aのみに形成されており、各圧電体30A,30Bにおける電極パターン311同士、電極パターン312同士、電極パターン313同士、電極パターン314同士、電極パターン315同士(各同電位電極)はそれぞれ、圧電体30A,30Bの短辺側面部353を通る導通パターン415〜419により導通されて互いに同電位とされている。
ここで、導通パターン415〜419と補強板21との絶縁が問題となるが、図7に振動体20Aの短辺側の側面部20Bを示したように、側面部20Bには、液状の絶縁体を乾燥固化させた絶縁層512が形成されている。図8の断面図にも、絶縁層512を示した。絶縁層512は、振動体20Aの両方の短辺側にそれぞれ形成されている。なお、補強板21が絶縁性の樹脂製などである場合は、このような絶縁層512は不要である。
このような絶縁層512は、振動体20Aを側面部20Bを上にした状態で起立させ、補強板21の側面211Cを底部とする凹部に液状物を吐出することにより、補強板21の側面211Cを被覆するように(圧電素子30A,30Bの裏面側に形成された図示しない電極も被覆するように)形成される。圧電素子30A,30Bの短辺側面部353は、これらの絶縁層512によって被覆されていなくてもよいが、一般に多孔質構造(ポーラス)であることが多い圧電素子30A,30Bの素地が絶縁層512によって被覆されて短辺側面部353が平滑とされることによって、この絶縁層512に重ねて導通パターン415〜419を形成し易くなる。
これらの絶縁層512により、圧電素子30A,30Bの表面部351に形成された電極パターン同士が補強板21と絶縁される。
なお、図7や図8などにおいて、作図上、電極パターン311〜315や導通パターン411〜419や絶縁層511,512などの厚みが実際よりも厚く示されており、これらの実際の膜厚は、電極パターン311〜315等が数μm〜数十μm程度であり、導通パターン415〜417等が数nm〜数μm程度である。絶縁層511,512の膜厚は、圧電素子30A,30Bへの印加電圧や対称電極パターン311等から出力される振動電圧などに応じて適宜設定される。
前述のように、圧電素子30A,30Bは補強板21を共通電極としてパラレルに接続されており、圧電素子30Aの表面に形成された電極パターン311〜315それぞれと補強板21との間、および圧電素子30Bの表面に形成された電極パターン311〜315それぞれと補強板21との間に、図示しない駆動制御装置によって交流電圧が印加される。すると、分極方向および電界の方向に直交する方向に変位する圧電横効果によって圧電素子30A,30Bは同時に伸縮変位する。すなわち、圧電素子30Aが伸びるときは圧電素子30Bも伸び、圧電素子30Aが縮むときは圧電素子30Bも縮む。
[6.駆動制御装置の構成]
なお、図示しない回路基板に実装される圧電アクチュエータ20の駆動制御装置について簡単に説明すると、当該駆動制御装置は、圧電素子30A,30Bに交流電圧を印加する電圧印加部と、振動体20Aの振動状態を検出する振動検出部とを有する。また、ロータ28の回転方向に応じて、対称電極パターン311,315と対称電極パターン312,314とを電圧印加装置または振動検出装置のいずれかに通電するセレクタが設けられている。電圧印加部が印加する電圧の波形は特に限定されず、例えばサイン波、矩形状波、台形波などが採用できる。
本実施形態では、電圧印加部が発振する駆動信号の位相は単相であり、電極パターン311〜315および補強板21には、同じ位相の駆動信号が供給される。
ここで、圧電アクチュエータ20の振動体20Aは、突起211Aが良好な振動軌跡を描き、ロータ28を高効率で駆動可能なように、圧電素子30A,30Bの縦横の長さ比や厚さなどが設計されており、このように設計された振動体20Aについて、駆動電圧の周波数が設定される。この駆動周波数は、振動体20Aの振動時における縦振動共振点と屈曲共振点とが互いに近接するように設定される。
[7.圧電アクチュエータの動作]
以上説明した圧電アクチュエータ20の動作について図6などを参照して説明する。
中央電極パターン313と対称電極パターン311,315とに駆動制御装置の電圧印加部から給電されるとき、圧電素子30A,30Bはこれら電極パターン311,313,315の領域において長手方向に伸縮し、振動体20Aは長手方向に沿って縦一次振動を励振する。この際、対称電極パターン311,315の配置により、振動体20Aの平面中心を軸として図6中、時計回りにモーメントが生じ、振動体20Aは幅方向に屈曲変位する屈曲二次振動を誘起する。これら縦振動および屈曲振動の混合モードで圧電アクチュエータ20は駆動する。この縦振動と屈曲振動との位相差により、突起211Aは楕円軌道(+)を描く。この楕円軌道(+)との接線方向にロータ28(図2)が正方向(R+)に微動送りされ、突起211Aが所定の駆動周波数で楕円運動を続けることにより、ロータ28の回転を通じて紙送りローラ5が正方向に回転駆動される。
この際、対称電極パターン312,314は駆動制御装置の振動検出部に通電されており、駆動制御装置により、検出された振動状態に基いて電圧印加部が発する駆動電圧の周波数が可変に制御される。
一方、紙送りローラ5が逆方向に回転される際には、中央電極パターン313と対称電極パターン312,314とに駆動制御装置の電圧印加部から給電され、対称電極パターン311,315は駆動制御装置の振動検出部に通電される。
ここで、対称電極パターン312,314の配置により、振動体20Aには図6中、前述とは逆となる反時計回りにモーメントが生じ、突起211Aは、前述の楕円軌道(+)とは逆周りの楕円軌道(−)を描く。これにより、ロータ28は逆方向R−に回転駆動され、紙送りローラ5が逆方向に回転駆動される。
図9は、振動体20Aの屈曲振動について示す模式図である。振動体20Aの節Aは、振動体20Aの振動面内における中心にあり、Bは、振動体20Aの腹である。
ここで、図3などに示したように、各電極パターン311〜315は、圧電素子30の長手方向略中央に配置され、導通パターン411〜414もこの電極パターン311〜315の位置に合わせて形成されている。すなわち、導通パターン411〜414は、振動体20Aの節Aの近傍に形成されている。
[8.インクジェット手段の構成]
次に、前述の導通パターン411〜419および絶縁層511、512を形成する際に使用されるインクジェット手段について説明する。
図10は、インクジェット手段としてのインクジェットヘッド110の拡大図であり、インクジェットヘッド110は、インクを蓄積するインク室111と、インク室111からインクを振動体20Aに噴射する複数のノズル112と、インク室111とノズル112とを連通するとともにその流路が収縮可能な複数(ノズル112と同数)の圧力発生室113と、圧力発生室113を圧縮して流路を収縮させる圧電振動子114とを備えている。
ノズル112は、ノズルプレート1121にプレス加工などにより穿設されたノズル孔で構成され、互いに所定間隔を有して配置されている。
図11には、ノズル112の拡大断面図が示されている。この図11において、ノズルプレート1121の外表面1121Aには、ニッケルなどのめっきによるめっき層1122が設けられており、このめっき層1122は、ノズル112開口の周囲に所定距離を有して形成されることにより、ノズル112周囲に段差1122Aを形成している。
また、めっき層1122の外表面にはさらにコンポジットめっきによるめっき層1123が形成されている。このめっき層1123は、ノズル112の内周にも形成されている。
このめっき層1123により、ノズルプレート1121の外表面には、撥インク処理が施されている。また、ノズル112の内面のめっき層1123が形成されていない部分には、親水処理が施されている。これらの撥インク処理および親水処理により、ノズル112から噴射されるインク120(図12)がノズルプレート1121に付着するのが良好に防止されるとともに、略球形状の液滴が安定した噴射量(吐出量)で噴射可能となっている。また、この撥インク処理により、インク120がノズル112の穿設方向に沿ってまっすぐ噴射される。
圧力発生室113の外側には、圧力発生室113を収縮させる圧電振動子114が圧力発生室113の数に応じて設けられている。これらの圧電振動子114は、電圧が印加されると長手方向に伸縮する縦振動を励振する。この圧電振動子114の先端が圧力発生室113の外壁に固定されている。
圧力発生室113外壁において圧電振動子114の両側には、それぞれ薄肉部113Aが形成されている。この薄肉部113Aにより、圧電振動子114の振動で外壁が変形しやすくなっている。
このようなインクジェットヘッド110では、圧電振動子114に所定の電圧を印加して振動させると、圧電振動子114が圧力発生室113の外壁を押圧して圧力発生室113を収縮させる。これにより、圧力発生室113内のインクが押し出され、ノズル112から微小な液滴となって噴射される。
図12(A)および図12(B)は、ノズル112から噴射されるインク120を示す図である。この図12に示されるように、ノズル112から噴射されたインク120は、略球形となり、ノズル112の穿設方向に沿って真っ直ぐ噴射される。インク120の液滴が噴射された後、圧電振動子114を元の位置に戻した後さらにわずかに収縮させると、圧力発生室113が膨張し、ノズル112開口で表面張力により半球状に突出したインク120をノズル112内部へ引き込む。これにより、インク120がノズル112からこぼれるなどの不具合が確実に解消される。また、圧電振動子114の変位を制御してノズル112開口のインク120の挙動を積極的に制御することにより、液滴の吐出量が安定する。
なお、圧電振動子114の変位量や変位速度などを調整することによりインク120の吐出量、液滴の大きさや吐出速度を調整可能となっている。
このようなインクジェットヘッド110は、図示しない移動機構により、圧電素子30A,30Bおよび補強板21においてインク120が噴射される面の面内方向(X方向、Y方向)および面外方向(Z方向)にそれぞれ移動可能とされている。インクジェットヘッド110は、インク120の吐出量などの調整を行いながら、決められた膜厚かつ長さで導通パターン411〜419や絶縁層511、512を圧電素子30A,30Bに対して直接描画する。
ここで、インク吐出量の調整は、導通パターン411〜419それぞれに決められた膜厚および長さや、絶縁層511、512にそれぞれ必要とされる膜厚および範囲の面積など、また、インクにおける溶媒の蒸発速度、インクジェットヘッド110から振動体20Aにおけるインク被噴射面までの距離などに基いて行われる。
あるいは、インクジェットヘッド110から吐出されるインクの吐出量を監視して、予め設定された所定吐出量を吐出するように調整してもよい。つまり、インクジェットヘッド110から一回につき吐出される吐出量は、圧電振動子114の変位量などによって予め設定されているので、ノズル112からの液体の吐出回数を予め設定することにより、液体の所定量の吐出が可能となる。なお、所定吐出量は、調製の際に加えた溶媒の量などを勘案して設定されることが好ましい。
[9.振動体の製造方法]
次に、振動体20Aの製造方法について図13〜図19を参照して説明する。図13のフロー図に示すように、振動体20Aの製造工程は、電極形成工程S1と、個片化工程S2と、積層工程S3と、絶縁層形成工程S4と、導通部形成工程S5とを有する。
[9−1.電極形成工程]
図14(A)および(B)は、多数の圧電素子30が形成される基材300を示す。本実施形態では、図14(A)に示すような四角形の板状に形成された基材300を用いる。そして、この基材300の表裏両面にめっき、スパッタ、蒸着などで電極31を形成し(図14(A))、この電極31の面にエッチングによって溝32を刻設する(図14(B))。
図15は、図14(B)の拡大図である。後にそれぞれ個片化される各圧電素子30は、短手方向に沿った方向において、表裏交互となるように配列されている。一方、長手方向に沿った方向では、各圧電素子30の表裏の向きは揃っており、長手方向に延びる溝32が各圧電素子30に連続して形成されている。
[9−2.個片化工程]
次に、図15の一点鎖線に沿って基材300をダイシングし、各圧電素子30に個片化する(個片化工程S2)。ここで、図16に基材300の側面を示したように、各圧電素子30の長辺側に関しては、図16の一点鎖線に沿って斜めにダイシングし、傾斜した長辺側面部352を形成する。
[9−3.積層工程]
次の積層工程S3では、ステンレス鋼板のプレス打ち抜きなどによって別途形成された補強板21(図3)に圧電素子30A,30Bを接合し、積層体としての振動体20Aを製作する。この際は、図17の概略図に示すように、位置決めピン101〜103を有する支持部材100に圧電素子30B、補強板21、圧電素子30Aの順に、接合面にエポキシ系の導電性接着剤を塗布して積層し、積層方向に沿って加圧手段105で加圧する。なお、加圧手段105と圧電素子30Aとの間には、テフロン(登録商標)製などのシート106を介装することが好ましい。この加圧により、圧電素子30A、補強板21、および圧電素子30が互いに平行となって正確に貼り合わせられ、互いに強固に接着される。
なお、支持部材100には、振動体20Aの短辺側にピン101を1つ、振動体20Aの長辺側で腕部212の両側には2本のピン102,103をそれぞれ立設した。また、接着剤の硬化に際しては、ホットエアなどを用いることにより迅速に硬化させることができる。
[9−4.絶縁層形成工程]
次の絶縁層形成工程S4では、前述のインクジェットヘッド110(図10)を使用する。絶縁層形成工程S4における使用インクは、常温では液状である絶縁体として調製される。
この液状の絶縁体には、エポキシ系絶縁樹脂などの樹脂材料を採用できる。
図18に、絶縁層形成工程S4によって形成される絶縁層511,512を示す。
絶縁層形成工程S4では、前述のような液状の絶縁体をインクとして、インクジェットヘッド110を移動しながら、絶縁層511,512が形成される圧電素子30の表面部351や長辺側面部352、腕部212表面、振動体20Aの側面部20Bに当該インクを噴射する。ここで、インクジェットヘッド110内部の制御手段によって、インクを噴射するノズル112が選択され、絶縁層511、512の形成が必要な箇所にのみ、インクが過不足無い量で噴射される。
この際、長辺側面部352が傾斜面とされ、角度θ1,θ2(図5)が大きいため、圧電素子30の表面部351から腕部212へと、この長辺側面部352を介して絶縁層511を形成し易い。
インクの噴射後、ホットエアなどを利用して液状の絶縁体を常温より高い温度で乾燥固化させることにより、絶縁層511、512が形成される。
[9−5.導通部形成工程]
次に、絶縁層511、512に重ねて導通パターン411〜419を形成する。この導通部形成工程S5でも、前述のインクジェットヘッド110を使用し、常温で導電性粒子を含有した液状物をインクとして使用する。なお、インクジェットヘッド110を絶縁層形成工程S4および導通部形成工程S5ごとにそれぞれ準備する方が、生産効率上良い。
本工程S5で使用するインクが含有する導電性粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、ニッケルのいずれかを含有する金属微粒子の他に、導電性ポリマーや超電導体の微粒子などを例示でき、これらの微粒子を溶媒に分散させた液体を用いることができる。微粒子を分散させるために、微粒子表面に有機物などをコーティングして使うこともできる。また、インク被吐出面への接合剤として有機バインダなども使用できる。
なお、溶剤への分散しやすさとインクジェット法への適用との観点から、微粒子の粒径は約1nm以上約0.1μm以下であることが好ましい。
ここで、ガス中蒸発法などと、分散剤とを用いることにより、数nm程度の非常に微細な超微粒子が得られ、このような超微粒子は、分散剤で覆われているために常温では高い金属含有量でも凝集せず、液体として挙動する。このような超微粒子を含む液状物(ナノインクと呼ばれる)によれば、導通パターン411〜419の厚みおよび幅・長さ方向において十分な数の超微粒子が融合および融着接合するため、導電性を良好にできる。
このため、本実施形態では、このような超微粒子が分散された液状物をインクとして使用する。この液状物を、分散剤を捕捉する捕捉物質と、有機バインダ(樹脂)とを含有するように調製しておく。
図19に、導通部形成工程S5によって形成される導通パターン411〜419を示す。
この工程S5においても、前述の絶縁層形成工程S4と略同様に、インクジェットヘッド110を移動しながら、導通パターン411〜419が形成される圧電素子30の表面部351や長辺側面部352、腕部212の表面、振動体20Aの側面部20Bに、前述のように超微粒子が分散状態に調製されたインクを噴射する。ここで、インクジェットヘッド110内部の制御手段により、導通パターン411〜419の形成が必要な箇所にのみ、各導通パターン411〜419の位置や膜厚、長さ等が制御されつつ、インクが噴射される。
ここでも、長辺側面部352が傾斜面とされ、角度θ1,θ2(図5)が大きいため、圧電素子30の表面部351から腕部212へと、この長辺側面部352を介して導通パターン411等を容易に形成できる。
インクの噴射後、ホットエアなどを利用して液状物を常温より高い温度で乾燥固化させる。この際、例えば200℃程度の比較的低温において分散剤の捕捉物質が活性化し、分散剤が化学的に除去されるとともに、有機バインダが硬化収縮するため、超微粒子同士が融合、融着接合する。
ここで、本実施形態で使用されるナノインクの粒子径はnmオーダーであるため、インクの表面エネルギの上昇により、比較的低温で金属原子同士が融解されて金属結合が生じる。例えば、マクロ的なAgの融点は912℃であるところ、その粒子径がnmオーダーになると、150℃でも金属の融解を生じさせることが可能となる。これがナノ技術の最たる特徴、利点であって、結合温度が低くて済むため、圧電素子30への熱衝撃を減らすことが可能となる。
以上のような乾燥固化によって導電性粒子を相互に接触させることにより、導通パターン411〜419が形成され、振動体20Aが完成する。
そして、振動体20Aを支持プレート11(図2)に組み付けるとともに、腕部212のパッド451〜453を任意の導通手段により駆動制御装置に接続し、また、腕部212をプリンタ1の駆動部における基準電位回路ブロックに導通することにより、圧電アクチュエータ20の組み立てが終了する。
[10.本実施形態による効果]
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)圧電アクチュエータ20の圧電素子30の配線に関し、導通パターン411〜419や絶縁層511,512を液状のインク120を用いて形成したことにより、これら導通パターン411〜419や絶縁層511,512を圧電素子30の体表面部35に沿った薄膜として形成することが可能となり、これら導通パターン411〜419や絶縁層511,512が圧電素子30と一体化される。このため、ワイヤやオーバーハング部などの導通手段によって圧電アクチュエータ20の厚みが嵩張ることなく、小型化を格段に促進できる。また、インク120を用いることによって、導通パターン411〜419のような微細なパターニングが可能となり、細密配線が可能となるから、小型化・薄型化を一層促進できる。
また、このように液状のインク120を用いる方式では、インクジェットヘッド110によって導通パターン411〜419の位置などが制御され、吐出されたインク120を圧電素子30の体表面部35で乾燥固化させる方法が採られるから、導通パターン411〜419の位置が定まらないということがなく、これら導通パターン411〜419は精密にパターニングされる。さらに、これら電極パターン311〜315同士の導通構造に関して組み立てが不要であるから、製造が極めて容易となる。またさらに、このように圧電素子30に直接導通パターン411〜419を形成しているので、リード基板が不要であり、基板を保持する構造も不要であることから、一層、製造容易となる。そのうえ、基板コストが削減でき、コストダウンもできる。
そして、配線、組み立てに起因して信頼性が低下するおそれもない。
加えて、導通パターン411〜419および絶縁層511,512が薄膜として圧電素子30に一体化されるので、圧電素子30の電気エネルギと機械エネルギとの相互変換の効率が良く、エネルギ効率が低下しない。すなわち、振動体20Aが振動する際、導通パターン411〜419および絶縁層511,512が圧電素子30と一体に変位するから、振動が導通パターン411〜419によって妨げられず、駆動効率を良好にできる。
(2)インク120を付着させ、乾燥固化させる方法として、特にインクジェット法を採用したことから、必要な箇所のみに必要量だけインク120を噴射することが容易にでき、導通パターン411〜419および絶縁層511,512を一層微細にかつ薄く、均一に成膜できる。これにより、一層の薄型化に貢献できるとともに、その薄さによって導通パターン411〜419および絶縁層511,512と圧電素子30との一体性が高まるから、エネルギ効率を良好にできる。
(3)インクジェットヘッド110は圧電振動子114の振動によってインク120を吐出するように構成され、インク120の微量の吐出が可能となるから、導通パターン411〜419等をより精密にパターニングできる。これにより、振動体20Aの振動特性のばらつきを抑制できる。
また、インクジェットヘッド110が圧電振動子114の振動で液体流路を圧縮することによりインク120を吐出するので、例えばインクを加熱することによってインク液滴を吐出させる方式に比べて、加熱によるインクの性能劣化が低減される。
(4)また、導通パターン411等における接点411A間の中間部411Bが電極パターン314,315などの異電位部と重なる配線において、導通部形成工程S5を行う前に絶縁層形成工程S4を実施し、絶縁層511,512を形成することにより、異電位の電極を跨いで配線可能となる。これにより、圧電素子30における電極パターン311〜315および導通パターン411〜419のような複雑なレイアウトが可能となり、これらに基く複雑な駆動制御も可能となる。
(5)導通パターン412〜414の膜厚および長さがそれぞれ制御されることにより、導通パターン413,414の合計による電気抵抗と、導通パターン412による電気抵抗とが略同一とされていることから、等価配線を実現できる。
(6)導通パターン411〜414および絶縁層511は振動体20Aの振動の節Aの近傍に形成されているのでこれら導通パターン411〜414および絶縁層511による振動体20Aの振動への影響をごく小さくできる。このため、振動体20Aの振動が減衰せず、エネルギ効率を良好にできる。また、このように節Aの近傍で配線しているから、外乱時の断線なども防止できる。
(7)圧電素子30に補強板21を積層した後、圧電素子30に導通パターン411〜419を形成しているため、導通パターン411〜419は薄膜といえども、その厚みに影響されずに補強板21と圧電素子30とを精密に貼り合わせすることができる。こうすることで導通パターン411〜419の信頼性を良好に確保できる。
また、圧電素子30と補強板21とを積層する際に加圧手段105を用いることで、圧電素子30と補強板21とを強固に貼り合せることができる。
そして、圧電素子30と補強板21との積層後、インクジェットヘッド110を使用し、絶縁層511,512や導通パターン411〜419などの形成を一連の工程(絶縁層形成工程S4および導通部形成工程S5)で実施することによって、生産性を高くできる。
(8)導通パターン411〜419に使用したナノインクは、その接合メカニズムゆえに、導電ペースト等に比べて接続抵抗が低い特徴を有し、この特徴により、基板実装分野においてインクジェット、デイスペンサ―、スクリーン印刷などあらゆる塗布方法での活用が可能である。ここで、特にインクジェットは、材料効率がよく、極めて微細なレベルで細密塗布が可能という他の塗布方法にはない特徴を有する。インクジェットによれば、例えば、パターンの最小幅を約10μmにでき、パターン同士の最小間隔(隣合うパターン同士が互いに結合しない間隔)を約10μmにできる。このため、このインクジェット法によりナノインクの使用がより効果的となり、これらインクジェット法とナノインク使用との相乗効果により、一層の細密配線に貢献できる。
ここで、市販品のナノインクと、同じく市販品の導電性ペーストとを次表の各項目について比較する。なお、表中の「IJ」はインクジェットを意味する。また、ナノインク使用かつIJ印刷の場合で細密配線を行う際のパターン幅は、例えば10μm程度とすることができるのに対して、IJ以外の印刷の場合では、100μm程度となる。
Figure 2007330036
〔第1実施形態の変形例〕
図20に、本実施形態と一部の構成が異なる圧電アクチュエータ20´を示した。圧電アクチュエータ20´の長手方向略中央部における絶縁層511´は、前述の圧電アクチュエータ20(図6)における絶縁層511とは異なり、電極パターン315の部分が一部切り欠きされていない。すなわち、導通パターン412´は、電極パターン315とは絶縁されている。
この圧電アクチュエータ20´は、電極パターン312,314に電圧が印加された際に突起211Aが描く楕円軌道によって被駆動体を一方向に駆動するものとなっており、圧電アクチュエータ20のように正逆両方向には駆動せず、被駆動体が一方向にのみ駆動される電子機器に組み込まれている。
このような圧電アクチュエータ20´では、導通パターン412´が接続されたパッド452が回路基板の振動検出部に導通されており、つまり電極パターン311は振動検出のために用いられる。なお、圧電アクチュエータ20´では補強板21の向きが前述の圧電アクチュエータ20とは異なり、突起211Aと離間する側に電極パターン311が配置されていることから、突起211Aと被駆動体との当接によるノイズなどが振動検出信号に乗りにくい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について図21〜図23を参照して説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略する。
図21は、本実施形態における圧電アクチュエータ22の平面図であり、図22は、圧電アクチュエータ22の部分拡大斜視図である。
圧電アクチュエータ22における振動体22Aは、矩形板状の圧電素子33A,33Bと、これらの圧電素子33A,33Bの間に介装される補強板21とを備えて構成されている。
圧電素子33A,33Bの四隅は、R形状(曲線状)に面取りされた面取部330となっている。
また、圧電素子33A,33Bのそれぞれの表面部351には、電極31が形成され、この電極31が溝32によって分割されることにより、略中央には、第1実施形態とは形状が少々異なるが中央電極パターン313が形成され、幅方向両側ではより細かく分割されることにより、振動体22Aの固有振動数の調整に用いられる調整用の電極パターンが形成されている。これは、第1実施形態の電極パターン311〜315(図6)との対比によれば、図6の対称電極パターン311,312,314,315に相当する部分がそれぞれ、調整用パターン311A〜311D、312A〜312D、314A〜314D、315A〜315Dとされている。
補強板21は、突起211Aが形成された本体214と、腕部212,213とを有する。ここで、本体214の長手方向に沿った両方の側面に凹部214A(図23)が形成されている点が第1実施形態とは異なる。本実施形態では、この凹部214Aは、図23に示すように断面略円弧状に形成され、圧電素子33A,33B、および補強板21の積層時に接合面から接着剤が溢れた場合に、接着剤がこの凹部214Aに案内される。これにより、接着剤の電極面などへの付着を防止できる。
調整用パターン312Dの一部には、絶縁層513が形成されている。この絶縁層513は、振動体22Aにおける振動の節Aの近傍に形成され、一方の腕部213の表面に連続して形成されている。ここで、圧電素子33A,33Bの表面部351には、この絶縁層513のみが形成されている。なお、反対側の腕部212の表面にも、絶縁層514が形成されている。
また、調整用パターン312A、調整用パターン314A、および中央電極パターン313に隣接する振動体22Aの側面部20Bには、絶縁層515,516,517がそれぞれ形成されている。これらの絶縁層515〜517は、常温で液状の絶縁体を使用するインクジェットによって凹部214A(図23)に形成されている。
本実施形態では、調整用パターンによって調整領域331,332,334,335がそれぞれ構成されており、各調整領域331,332,334,335ごとに電圧を印加する調整用パターンを1個〜4個選択することにより、振動体22Aの固有振動数が調整可能となっている。つまり、各調整領域331,332,334,335ごとに、電圧を印加すべき調整用パターン同士を導通させる。図21には、調整領域332における調整用パターン同士を導通する同一面内導通部としての導通パターン421と、調整領域334における調整用パターン同士を導通する同一面内導通部としての導通パターン422とを示した。
本実施形態では、中央電極パターン313と、対称である調整領域332,334とに電圧を印加することにより、突起211Aの楕円軌道を得て、被駆動体を一方向にのみ駆動するものである。本実施形態では、節A近傍の調整用パターン311Dを振動検出のために使用している。
なお、本実施形態に限らず、逆方向にも駆動する場合などには他の調整領域331,335ごとに各調整用パターン同士を適宜導通し、逆方向駆動時における固有振動数を調整することが可能である。
すなわち、図21および図22に示した導通パターン421〜427の態様は一例であり、各調整用パターン311A〜311D,312A〜312D,314A〜314D,315A〜315Dは、個々の振動体22Aにおいて所望の固有振動数を実現するように適宜選択され、互いに導通される。
ここで、図22に示すように、対称となる調整用領域332,334の間、具体的には調整用電極パターン312A,314D(同電位電極)の間は、圧電素子33A,33Bの短辺側面354および長辺側面355を経由する導通パターン423により導通され、これによって調整用領域332,334が同電位とされている。この導通パターン423は、圧電素子33A,33Bの側面にインクジェットヘッド110(図10)から直接描画されている。この際、面取部330が形成されていることにより、圧電素子33A,33Bの四隅における導通パターン423の形成がさらに容易となる。
なお、本実施形態では、導通パターン423の幅は約10μm〜約50μm程度に形成されるので、約0.1mm〜約0.2mm程度の厚みとされる圧電素子33A,33Bの短辺側面354および長辺側面355を介して配線可能となる。これに対して、オーバーハングの場合は0.1mm〜0.15mm程度の幅に形成することが限界であり、略同じ厚みの圧電素子33A,33Bの側面に配線することが殆ど不可能である。
ちなみに、補強板21の厚みは、本実施形態では約0.3mm〜約0.5mmとなっている。
このように短辺側面354および長辺側面355を経由するように配線された導通パターン423は、腕部212の括れ部212D近傍で分岐して一方の腕部212のパッド452に接続され、このパッド452を介して回路基板の電圧印加部に導通される。
一方、中央電極パターン313は、絶縁層513に沿って形成された導通パターン424により、もう一方の腕部213に設けられたパッド455に接続され、このパッド455を介して回路基板の電圧印加部に導通される。
また、調整用パターン311Dは、導通パターン423と略同様に圧電素子33A,33Bの長辺側面355を通る導通パターン425によって腕部213に設けられたパッド454に接続され、このパッド454から回路基板の振動検出部に導通されている。つまり、調整用パターン311Dは振動検出電極として用いられる。
圧電素子33A,33Bにおける調整用パターン312A同士は、導通パターン426によって導通されており、この導通パターン426は、絶縁層515によって補強板21と絶縁されている。また、圧電素子33A,33Bにおける調整用パターン314A同士は、導通パターン427によって導通されており、この導通パターン427は、絶縁層516によって補強板21と絶縁されている。また、同様に、導通パターン417で互いに導通された中央電極パターン313は、絶縁層517によって補強板21と絶縁されている。
本実施形態の振動体22Aの製造工程は、第1実施形態と略同様に行う。すなわち、各導通パターン421〜427および各絶縁層513〜517は、インクジェットヘッド110(図10)の使用によって形成される。
本実施形態によれば、前述の効果に加えて、次のような効果を奏する。
(9)圧電素子33A,33Bの側面354,355(図22)を経由するように形成された導通パターン423〜425により、互いに隣接しない調整用電極パターン312A,314D同士、あるいは調整用パターン311Dとパッド455とを互いに導通できるので、これらの導通に関して絶縁手段を不要にできる。これにより、振動体22Aをさらに薄型化。小型化できるとともに製造をさらに容易化でき、エネルギ効率もより良好にできる。
なお、本実施形態における調製用パターンは、調整領域331,332,334,335における電極31が溝32によって圧電素子33A,33Bの幅方向に分割されることで形成されていたが、これに限らず、各調整領域331,332,334,335が圧電素子33A,33Bの長手方向に沿って分割されることで調整用パターンが形成されていてもよい。このような調整用パターンによっても、前述と同様に固有振動数を調整できる。
また、本実施形態における、面取部330はR形状であったが、直線状に面取りされた面取部によっても、本実施形態と同様の効果が得られる。ここで、このような面取部の形成により、圧電素子33A,33Bの角隅部に剥離力が集中しないから、当該角隅部が補強板21から剥離しにくいという効果が得られる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を図24〜図26を参照して説明する。
図24は、本実施形態における圧電アクチュエータ23の平面図である。
圧電アクチュエータ23における振動体23Aは、矩形平板状の圧電素子34A,34Bと補強板21との積層体であり、各圧電素子34A,34Bにはそれぞれ、5つの電極パターン311〜315が形成されている。ここで、圧電素子34A,34Bの略中央には、前記各実施形態とは形状が少々異なり略十字状の中央電極パターン313が形成されており、電極パターン311、312,314,315は第1実施形態(図6)と略同様に形成されている。
本実施形態における各電極パターン311〜315の間における導通態様は、配線の経路こそ異なるが第1実施形態(図6)と略同様となっている。すなわち、対称電極パターン311,315は、略L字状の導通パターン(同一面内導通部)431により互いに導通され、対称電極パターン312,314は、略L字状の導通パターン(同一面内導通部)432により互いに導通されている。これらの導通パターン431,432は、圧電素子34A,34Bの側面を介して腕部212のパッド453および腕部213のパッド456にそれぞれ接続されている。
また、中央電極パターン313にも、圧電素子34A,34Bの側面を介して腕部212のパッド452に接続される導通パターン433が形成されている。
導通パターン431における接点431A,431B間に配置された中間部431Cと、導通パターン432における接点432A,432B間に配置された中間部432Cとに関し、これらの中間部431C,432Cと電極31面との間には、平面略コ字状の絶縁層518が介装されている。この絶縁層518は、腕部213の表面に連続して形成されている。また、腕部212の表面には、絶縁層519が形成されている。
ここで、本実施形態は、絶縁層518を確実に形成するための流出規制部を有する点が前記各実施形態とは相違する。
具体的に、導通パターン432の接点432Aと中間部432Cとの間、および接点432Bと中間部432Cとの間には、エッチング等による凹部551がそれぞれ形成され、導通パターン431の接点431Aと中間部431Cとの間にも、エッチング等による平面視略コ字状の凹部552が形成されている。
これら流出規制部としての凹部551,552は、図24のA−A線矢視図である図25(A)に凹部551を代表して示したように、電極パターン312,311における電極厚みにおいて形成されており、これらの凹部551,552において、本実施形態では電極としての導電膜が完全に除去され、凹部551,552の底部は圧電素子34A,34Bの表面となっている。ただし、このような態様に限らず、凹部は、絶縁層518が形成される位置から圧電素子34A,34Bの表面に向かって窪む溝であればよい。
このような凹部551,552が形成されていることにより、絶縁層518が形成される領域を超えて広がろうとするインクが当該凹部551,552の内部に案内され、当該領域内にインクを留めることができる。
また、導通パターン432の接点432Bと中間部432Cとの間には、流出規制部としての凸部(ダムとも呼ばれる)553が形成されている。この凸部553は、図24のB−B線矢視図である図25(B)に示すように、圧電素子34A,34Bの表面から面外方向に突出しているため、絶縁層518が形成される領域内にインク120を塞き止めることができる。
このような凸部553は、絶縁層518に使用するインクの噴射時における粘度よりも高粘度とされた液状の絶縁体を常温より高い温度で乾燥固化させることにより形成されている。絶縁層518に使用するインクと、凸部553に使用する液状の絶縁体(インク)とは、粘度のみが異なる同一材料となっている。本実施形態では、この凸部553をインクジェット法によって形成している。
図26は、本実施形態の振動体23Aの製造工程を示すフロー図である。本実施形態における凹部551,552、凸部553などの流出規制部は絶縁層518の形成以前に形成される(流出規制部形成工程S6)。
本実施形態によれば、前述の効果に加えて、次のような効果を奏する。
(10)凹部551,552、凸部553などの流出規制部により、絶縁層518が形成される適正な領域内に絶縁体(インク)を追い込むことができるので、絶縁層518を目論見通りの膜厚で正確な位置に形成できる。これにより、導通不良などを防止でき、信頼性が向上する。
(11)また、凹部551,552、および凸部553は、導通パターン431,432における各接点(431A,431B,432A,432B)と中間部(431C,432C)との間に形成されているため、接点431A,431B,432A,432Bにおける導通を確保でき、歩留まりを良くできる。
(12)絶縁層518と凸部553とに粘度のみ異なる同一の材料を使用しており、材料コストを安くできる。
〔第3実施形態における他の態様〕
なお、本実施形態では、流出規制部を説明するために、一つの振動体23Aに複数種類の流出規制部(凹部551,552および凸部553)を示したが、生産効率等を考慮してこれら流出規制部の構成は適宜変更できる。
例えば、凸部553をエッチングなどによる凹部に置換可能であり、流出規制部を凹部のみによって構成できる。
これにより、圧電素子34A,34Bの厚みが増すことなく流れ規制部を形成できる。この場合、凹部は圧電素子34A,34Bの外周部から殆ど突出しないため、加圧手段を用いる積層工程S3の前に流出規制部形成工程S6を実施しても問題ない。
また、凹部551,552を高粘度の絶縁体を用いた凸部に置換可能であり、流出規制部を凸部のみによって構成できる。
これにより、凸部の突出高さや幅などを自在に設定することで、絶縁体の吐出量や流動性のばらつきを考慮した余裕が必要であるような場合であっても、絶縁体の流れを確実に規制できる。
なお、この凸部をディスペンサなどを用いて接着剤を塗布することによって形成することもできる。このように接着剤を使用することで圧電素子34A,34Bの外周部や電極膜との密着性が向上し、圧電素子34A,34Bの外周部への凸部の一体性が高まる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態を図27および図28を参照して説明する。本実施形態は、第3実施形態と略同様の構成において、第3実施形態とは異なる流出規制部を示すものである。
本実施形態の圧電アクチュエータ24における振動体24Aでは、絶縁層518の周りを平面的に囲む撥水部554が流出規制部として形成されている。
撥水部554には、例えばフルオロアルキルシランを使用できる。すなわち、気相または液相により、このフルオロアルキルシラン等による自己組織化膜として撥水部554を形成できる。
自己組織化膜とは、電極パターン311〜315などの下地層の構成原子と反応可能な結合性官能基とそれ以外の直鎖分子とからなり、該直鎖分子の相互作用により極めて高い配向性を有する化合物を配向させて形成された膜である。前記自己組織化膜はフォトレジスト材等の樹脂膜とは異なり、単分子を配向させて形成されているので、極めて膜厚を薄くすることができ、しかも、分子レベルで均一な膜となる。即ち、膜の表面に同じ分子が位置するため、膜の表面に均一でしかも優れた撥液性や親液性を付与することができ、微細なパターニングをする際に特に有用である。
ここで、撥水部554を製造する際には、例えば図28(A)の模式図のように、まずは絶縁層518の領域を含む矩形状の領域5540全体に前記のように気相または液相による自己組織化膜を形成する。この自己組織化膜の表面にはフルオロアルキル基が存在するので撥水性がある。この後、図28(B)に網目状にハッチングして示した領域5541,5542に紫外線を照射することにより、当該領域5541,5542に形成された自己組織化膜を除去する。これにより、領域5541,5542の表面にはヒドロキシル基が現れるので親水性を示す。これらの親水性の領域のうち領域5541に液状の絶縁体インクを用いて絶縁層518を形成すればよい。
本実施形態によれば、前述の効果に加えて、次のような効果を奏する。
(13)導通パターン411〜419が形成されるべき領域5541の外に絶縁体インクが吐出されたとしても、その液滴を撥水部554によって領域5541内に移動させることができるので、絶縁層518を必要な箇所に確実に形成できる。このような撥水部554により、前述の凹部551,552と略同様に圧電素子34A,34Bの厚みが殆ど増すことなく流れ規制部を形成できる。
(14)自己組織化膜の形成を通じて、撥水部554および親水部(領域5541)の両方を形成でき、これら撥水部554および親水部(領域5541)の相乗効果により、絶縁層518を適正な領域内に確実に収めることが可能となる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態を図29〜図32を参照して説明する。本実施形態は、第3、第4実施形態とは異なる手段により、液状の絶縁体インクの流出に対処するものである。
図29は、本実施形態における圧電アクチュエータ25の振動体25Aの平面図であり、図30は、振動体25Aの側断面図である。振動体25Aは、突起211A,211Bおよび腕部212,213が形成された補強板21´と、圧電素子34Aとを備えている。圧電素子は、補強板21´の裏面側には設けられていない。なお、本実施形態では、圧電素子34Aの振動検出は行わないものとする。
対称電極パターン311,315にはそれぞれ、絶縁層521の表面に露出する導電性のポスト311X、315Xが絶縁層521の形成以前に形成される(図31)。
これらのポスト311X、315Xは、インクジェット法により、電極パターン311〜315を形成するために用いるインクよりも高粘度のインクによって形成されている。なお、本実施形態におけるポスト311X、315Xは、インクジェットヘッド110により所定の時間間隔で繰り返しインクを吐出することによって、対称電極パターン311,315に立設される。
このようなポスト311X、315Xの形成後、インクジェットによって絶縁層521を形成する(図32)。この際、絶縁性インクが圧電素子34Aの電極面に沿って流れたとしても、ポスト311X、315Xの先端が絶縁層521の表面に露出する。
よって、次の導通パターン441を形成する工程では、各ポスト311X、315Xの先端部を介して対称電極パターン311,315同士を問題なく導通できる(図29参照)。
本実施形態によれば、前述の効果に加えて、次のような効果を奏する。
(15)絶縁層521を形成する際に絶縁性インクが必要な領域を超えて流出した場合であっても、ポスト311X、315Xを介して電極パターン311,315同士の導通が可能となる。すなわち、第3、第4実施形態のような流出規制部を形成することなく、絶縁層を形成する際の位置制御を省略もしくは簡略化できる。
(16)また、このようなポスト311X、315Xにより、圧電素子34Aの厚み方向にも配線可能となるので、圧電素子34A,34Bの平面方向だけでは限界がある複雑な配線が可能となり、高度な制御が可能となる。
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態を図33〜図35を参照して説明する。本実施形態は、電子機器である電子時計への組み込み例を示す。
[1.全体構成]
図33は、本実施形態に係る電子時計7の外観図である。電子時計7は、計時部としてのムーブメント131と、時分秒を表示するための計時情報表示部としての文字板132、時針133、分針134、秒針135のほか、文字板132に設けられた窓部132Aから日付を表示する日付表示装置140を備えた腕時計(ウォッチ)である。
[2.日付表示装置の構成]
図34は、底板131Aに支持された日付表示装置140を示す平面図である。日付表示装置140は、第1実施形態の圧電アクチュエータ20(図3)と、この圧電アクチュエータ20によって回転駆動される被駆動体としてのロータ28と、ロータ28の回転を減速しつつ伝達する減速輪列141と、減速輪列141を介して伝達される駆動力により回転する日車142とを備えて大略構成されている。
ロータ28は、日の変わり目、あるいは日付補正時に圧電アクチュエータ20により回転駆動される。本実施形態では、ロータ28を圧電アクチュエータ20の振動体20Aに向けて付勢するバネ部材281が設けられている。
減速輪列141は、ロータ28と同軸に配置されてロータ28と一体的に回転する歯車1411と、歯車1411に噛合する日回し中間車1412と、日回し車1413とで構成されている。
なお、底板131Aの下方(裏側)には、水晶振動子が発振するパルス信号で動作するステッピングモータや(図示せず)、ステッピングモータに接続されて時針133、分針134、秒針135を駆動する運針輪列(図示せず)や、電池131B等が設けられている。電池131Bは、ステッピングモータや圧電アクチュエータ20、圧電アクチュエータ20に交流電圧を印加する駆動回路(図示せず)などの各回路に電力を供給する。
日回し中間車1412は、大径部1412Aと小径部1412Bとから構成されている。小径部1412Bは、大径部1412Aよりも若干小径の円筒形であり、その外周面には、略正方形状の切欠部1412Cが形成されている。この小径部1412Bは、大径部1412Aに対し、同心をなすように固着されている。大径部1412Aには、ロータ28の上部の歯車1411が噛合していることにより、日回し中間車1412は、ロータ28の回転に連動して回転する。
日回し中間車1412の側方の底板131Aには、板バネ1414が設けられており、この板バネ1414の基端部が底板131Aに固定され、先端部が略V字状に折り曲げられて形成されている。板バネ1414の先端部は、日回し中間車1412の切欠部1412Cに出入可能に設けられている。板バネ1414に近接した位置には、接触子1415が配置されており、この接触子1415は、日回し中間車1412が回転し板バネ1414の先端部が切欠部1412Cに入り込んだときに、板バネ1414と接触するようになっている。そして、板バネ1414には、所定の電圧が印加されており、板バネ1414が接触子1415に接触すると、その電圧が接触子1415にも印加される。従って、接触子1415の電圧を検出することによって、日送り状態を検出でき、日車142の1日分の回転量が検出できる。
なお、日車142の回転量は、板バネ1414や接触子1415を用いたものに限らず、ロータ28や日回し中間車1412の回転状態を検出して所定のパルス信号を出力するものなどを利用でき、具体的には、公知のフォトリフレクタ、フォトインタラプタ、MRセンサ等の各種の回転エンコーダ等が利用できる。
日車142は、リング状であり、その内周面に内歯車1421が形成されている。日回し車1413は、五歯の歯車を有しており、日車142の内歯車1421に噛合している。また、日回し車1413の中心には、シャフト1413Aが設けられており、このシャフト1413Aは、底板131Aに形成された貫通孔131Cに遊挿されている。貫通孔131Cは、日車142の周回方向に沿って長く形成されている。そして、日回し車1413およびシャフト1413Aは、底板131Aに固定された板バネ1413Bによって図34の右上方向に付勢されている。この板バネ1413Bの付勢作用によって日車142の揺動も防止される。
[3.圧電アクチュエータの構成]
図35は、図34の部分拡大図である。
圧電アクチュエータ20は、日付の変わり目に、あるいは、日付補正時に起動され、図示しない駆動回路によって交流電圧が供給されることにより、ロータ28を駆動する。
なお、本実施形態の日付表示装置140には、前述したすべての圧電アクチュエータを組み込むことが可能である。
本実施形態によれば、前述の効果に加えて、次のような効果を奏する。
(17)電子時計7では、時計における駆動手段として一般的なステッピングモータなどに置換して、圧電アクチュエータ20を採用しており、これによって磁気の影響を受けない。さらに、応答性が高く微小送りが可能、小型化・薄型化に有利、高トルク、保持トルク(無通電であってもロータ位置が保持される)が大きいなどのメリットを享受できる。
(18)また、圧電アクチュエータ20は特に薄型であるため、薄型化が大きな課題とされる時計への組み込みに好適であり、また、圧電素子30A,30Bにおけるパラレル接続によって低電圧で大きな変位を得ることができるから、時計など電池で駆動させる携帯機器に好適な構成とすることができる。
〔本発明の変形例〕
以上、本発明の実施態様について具体的に示したが、前記各実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改良、変形が可能である。なお、本発明の振動体の製造方法は、振動体の製造装置にそれぞれ展開可能である。
本発明は、常温では導電性粒子を含有した液状物を用いて導通部を圧電素子の体表面部に直接形成することを要旨とするものであり、導通部を形成する方法としては、前記各実施形態で例示したインクジェット法のほかに、タンポ(パット)印刷、スクリーン印刷、ディスペンサによる塗布などを例示できる。
また、導通部と同様に、絶縁層に関しても、液状の絶縁体を用いるインクジェット法、タンポ(パット)印刷、スクリーン印刷、ディスペンサによる塗布などによって形成することも本発明に含まれる。
なお、前記各実施形態では、補強板の腕部212,213の表面にもインクジェットによって絶縁層を形成していたが、本発明では、腕部212,213には他の手段によって絶縁層が形成されていてもよい。つまり、絶縁性を確保する表面加工を別途腕部212,213に施したり、絶縁性のシートなどを腕部212,213の表面に設置したりしてもよい。
さらに、前記各実施形態では、圧電素子30A,30Bの表面部351に電極が形成されていたが、電極が形成される圧電素子の部位は特に限定されず、例えば、補強板21と対向する圧電素子30A,30Bの裏面側に複数の電極が形成され、これらの電極同士を導通する導通部がこの裏面側に形成された後、圧電素子30A,30Bが補強板21に積層されていてもよい。つまり、本発明における圧電素子の体表面部には、圧電素子の表裏平面、側面、周面など、その向きを問わず、すべての体表面部が含まれる。
前記実施形態では、一対の腕部212,213を有して支持部材などに両側面側で固定される振動体を示したが、これに限らず、本発明の振動体は、片側で支持固定されていてもよい。この場合、被駆動体との当接部(突起)の位置を支持固定された側とは反対側に幅方向にずらすなどして、当接部(突起)が一の楕円軌道を描くものとし、被駆動体が一方向に送られるものとしてもよい。
また、圧電アクチュエータの電子機器への組み込みに関し、圧電アクチュエータまたはロータにばねなどの付勢手段を設け、圧電アクチュエータの当接部(突起)とロータとの間を加圧してもよい。ここで、付勢手段としてスライドを使用してもよく、つまりスライダで圧電アクチュエータをスライド可能に保持した状態で支持部材などに組み付けてもよい。
また、前記各実施形態では、交流電圧が印加され振動する圧電素子を例示したが、直流電圧が印加された際の圧電素子の変位を利用してもよい。このような例としては、直流電圧が印加される圧電バルブなどが挙げられる。
前記各実施形態では、矩形板状の圧電アクチュエータを示したが、これに限らず、円形や円環状の圧電素子によって圧電アクチュエータを構成することもできる。
さらに、圧電アクチュエータの電極パターンのレイアウトや、導通パターンの取り回し、圧電素子と補強板との積層態様、補強板に積層する圧電素子の個数などは任意に構成できる。圧電素子の変位方向は分極方向および電界の方向に応じて適宜設定すればよく、圧電縦効果、圧電横効果、圧電厚みすべり効果などを奏するものでもよい。
なお、補強板は必須ではなく、圧電素子単体で用いることも可能である。この場合は、圧電素子に被駆動体との当接部を一体に形成したり、別体で形成した突起部材などを圧電素子に固着したり、あるいは、矩形状などとされた圧電素子の角部を被駆動体に当接するなどすればよい。
本発明は、前記実施形態のプリンタや電子時計に適用されるものに限らず、各種の電子機器に適用可能であり、特に小型化が要求される携帯用の電子機器に好適である。
ここで、各種の電子機器としては、時計機能を備えた電話、携帯電話、非接触ICカード、パソコン、携帯情報端末(PDA)、カメラ等が例示できる。
また、時計機能を備えないカメラ、ディジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ機能付き携帯電話等の電子機器にも適用可能である。これらカメラ機能を備えた電子機器に適用する場合には、レンズの合焦機構や、ズーム機構、絞り調整機構等の駆動に本発明の圧電アクチュエータを用いることができる。
さらに、計測機器のメータ指針の駆動機構や、自動車等のインパネ(instrumental panel)のメータ指針の駆動機構、圧電ブザー、プリンタ等に用いられるインクジェットヘッドの圧電振動子(図13の圧電振動子114も可)、プリンタの紙送り機構、乗り物や人形などの可動玩具類の駆動機構および姿勢補正機構、超音波モータ、ハードディスクドライブ、超音波洗浄器、超音波加湿器、超音波溶着・溶接装置、超音波治療器、超音波カッター、チューブポンプ等に本発明の圧電アクチュエータを用いてもよい。
また、前記実施形態では、圧電アクチュエータ20を暦を示す表示装置の駆動に用いていたが、これに限らず、計時された時刻情報を示す指針の駆動に本発明の圧電アクチュエータを用いてもよい。
なお、前記各実施形態では、圧電アクチュエータの適用例として腕時計を示したが、これに限定されず、本発明は、懐中時計、置時計、掛け時計などにも適用できる。これらの各種時計において、例えばからくり人形などを駆動する機構としても利用できる。
また、前記各実施形態では、圧電素子を駆動装置として利用する圧電アクチュエータを示したが、圧電素子の利用範囲はこれに留まらず、正圧電効果による圧電素子の歪(変位)の状態を示す電圧信号の情報的な利用、例えば、水中通信装置(ソナー)、魚群探知機(測深機)、距離計、非破壊検査装置(超音波探傷機)、超音波診断装置、超音波厚み計、流量計などにも圧電素子を利用できる。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第1実施形態におけるプリンタの概略図。 前記実施形態における圧電アクチュエータユニットの斜視図。 前記実施形態におけ圧電アクチュエータの斜視図。 前記実施形態における圧電アクチュエータの長辺側断面図。 前記実施形態における圧電アクチュエータの短辺側断面図。 前記実施形態における圧電アクチュエータの配線を示す平面図。 前記実施形態における振動体の側面を示す斜視図。 前記実施形態における振動体側面側の絶縁層を示す断面図。 前記実施形態における振動体の屈曲振動について示す模式図。 前記実施形態におけるインクジェットヘッドの一部を示す断面斜視図。 前記インクジェットヘッドのノズルの拡大断面図。 前記ノズルの液滴吐出を示す断面図。 前記実施形態における振動体の製造工程を示すフロー図。 前記実施形態における基材に対する電極形成工程を示す図。 図14(A)の部分拡大図。 図15に示した基材の側断面図。 前記実施形態における積層工程について示す図。 前記実施形態における絶縁層形成工程について示す図。 前記実施形態における導通部形成工程について示す図。 第1実施形態の変形例を示す図。 本発明の第2実施形態における圧電アクチュエータの平面図。 前記実施形態における圧電アクチュエータの斜視図。 前記実施形態における振動体側面側の絶縁層を示す断面図。 本発明の第3実施形態における圧電アクチュエータの平面図。 前記実施形態における振動体の断面図。 前記実施形態における振動体の製造工程を示すフロー図。 本発明の第4実施形態における圧電アクチュエータの平面図。 前記実施形態における撥水層の形成工程について示す模式図((A)(B))。 本発明の第5実施形態における圧電アクチュエータの平面図。 前記実施形態における圧電アクチュエータの側断面図。 前記実施形態における導電性ポストの形成工程について示す図。 前記実施形態における絶縁層の形成工程について示す図。 本発明の第6実施形態における時計の外観図。 前記実施形態における日付表示装置を示す平面図。 図34の部分拡大図。 従来例の圧電アクチュエータを示す図。
符号の説明
1・・・プリンタ(電子機器)、5・・・紙送りローラ、7・・・電子時計(電子機器)、20,20´、22,23,24,25・・・圧電アクチュエータ、20A,22A,23A,24A,25A・・・振動体、20B・・・側面部、21・・・補強板、28・・・ロータ(被駆動体)、30A,30B,33A,33B,34A,34B・・・圧電素子、31・・・電極、110・・・インクジェットヘッド、120・・・インク(液状物または液状の絶縁体)、131・・・ムーブメント(計時部)、132・・・文字板(計時情報表示部)、133・・・時針(計時情報表示部)、134・・・分針(計時情報表示部)、135・・・秒針(計時情報表示部)、300・・・基材、311〜315,311A〜311D,312A〜312D,314A〜314D,315A〜315D・・・電極パターン(電極)、312A,314D・・・調整用電極パターン(同電位電極)、311,315・・・電極パターン(同一面内電極)、312,314・・・電極パターン(同一面内相互電極)、351・・・表面部(体表面部)、352・・・長辺側面部(体表面部)、353・・・短辺側面部(体表面部)、354・・・短辺側面(体表面部)、355・・・長辺側面(体表面部)、411〜419,421〜427,431〜433,441・・・導通パターン(導通部)、412,413、412´・・・導通パターン(同一面内導通部)、411A,431A,431B,432A,432B・・・接点、411B,431C,432C・・・中間部、511〜519,521、511´・・・絶縁層、311X,315X・・・導電性ポスト、551,552・・・凹部、553・・・凸部、554・・・撥水部、A・・・節(振動の節)、S1・・・電極形成工程、S2・・・個片化工程、S3・・・積層工程、S4・・・絶縁層形成工程、S5・・・導通部形成工程、S6・・・流出規制部形成工程。

Claims (20)

  1. 複数の電極が形成された圧電素子を備え、
    前記電極同士を電気的に接続する導通部が前記圧電素子の体表面部に形成され、
    前記導通部は、常温では導電性粒子を含有した液状物を前記体表面部に設けた後、当該液状物を常温より高い温度で乾燥固化させることにより前記導電性粒子を相互接触させて形成される
    ことを特徴とする振動体。
  2. 請求項1に記載の振動体において、
    前記圧電素子は、略板状に形成され、その平面には、前記電極であって互いに同電位とされる2つ以上の同電位電極がそれぞれ形成され、
    前記導通部により、前記各同電位電極は、前記圧電素子の前記平面に隣接する側面を経由して互いに導通されている
    ことを特徴とする振動体。
  3. 請求項1に記載の振動体において、
    前記体表面部には、前記電極であって互いに同電位とされる2つ以上の同一面内電極が略同一面にそれぞれ形成され、
    前記導通部であって前記各同一面内電極を互いに導通するものとして同一面内導通部があり、当該同一面内導通部における前記同一面内電極との各接点間に位置する中間部は、前記同一面内電極における電位とは異なる異電位部と重なり、
    前記中間部と前記異電位部との間には、絶縁層が介装される
    ことを特徴とする振動体。
  4. 請求項3に記載の振動体において、
    前記絶縁層は、常温では液状である絶縁体を前記異電位部の外面部に設けた後、当該絶縁体を常温より高い温度で乾燥固化させることにより形成されている
    ことを特徴とする振動体。
  5. 請求項4に記載の振動体において、
    前記絶縁層が形成される領域外への前記絶縁体の流出を規制する流出規制部を有する
    ことを特徴とする振動体。
  6. 請求項5に記載の振動体において、
    前記流出規制部は、前記中間部と前記接点との間に形成されている
    ことを特徴とする振動体。
  7. 請求項5または6に記載の振動体において、
    前記流出規制部は、前記絶縁層の位置から前記圧電素子の表面に向かって窪む凹部とされている
    ことを特徴とする振動体。
  8. 請求項5または6に記載の振動体において、
    前記流出規制部は、前記圧電素子の表面から突出する凸部とされている
    ことを特徴とする振動体。
  9. 請求項8に記載の振動体において、
    前記凸部は、常温では液状であって前記絶縁体が前記異電位部に設けられた際における当該絶縁体の粘度よりも高粘度の絶縁体を常温より高い温度で乾燥固化させることにより形成されている
    ことを特徴とする振動体。
  10. 請求項5または6に記載の振動体において、
    前記流出規制部は、前記絶縁層に平面的に隣接する位置に形成された撥水作用を奏する撥水部とされている
    ことを特徴とする振動体。
  11. 請求項4に記載の振動体において、
    前記各同一面内電極には、前記絶縁層の表面に露出する導電性ポストが前記絶縁層の形成以前に立設され、
    前記導通部は、前記導電性ポストを介して前記各同一面内電極を互いに導通する
    ことを特徴とする振動体。
  12. 請求項1に記載の振動体において、
    前記導通部は、複数形成され、これらのうち1つ以上の導通部と1つ以上の導通部との間において、その電気抵抗が互いに同一とされている
    ことを特徴とする振動体。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の振動体において、
    前記導通部は、当該振動体の振動の節近傍に形成されている
    ことを特徴とする振動体。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の振動体を備え、
    前記振動体の振動を被駆動体に伝達することにより当該被駆動体を駆動する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  15. 請求項1から13のいずれかに記載の振動体または請求項14に記載の圧電アクチュエータを備えた
    ことを特徴とする電子機器。
  16. 請求項15に記載の電子機器は、
    計時部と、この計時部で計時された情報を表示する計時情報表示部とを備えた時計である
    ことを特徴とする電子機器。
  17. 振動体を構成する圧電素子に複数の電極をそれぞれ形成する電極形成工程と、
    常温では導電性粒子を含有した液状物を前記圧電素子の体表面部に設けた後、当該液状物を常温より高い温度で乾燥固化させることにより前記導電性粒子を相互接触させて、前記電極同士を電気的に接続する導通部を形成する導通部形成工程とを備える
    ことを特徴とする振動体の製造方法。
  18. 互いに同電位とされる2つ以上の電極を、振動体を構成する圧電素子における略同一面にそれぞれ形成する電極形成工程と、
    常温では導電性粒子を含有した液状物を前記圧電素子の体表面部に設けた後、当該液状物を常温より高い温度で乾燥固化させることにより前記導電性粒子を相互接触させて、前記電極同士を電気的に接続する導通部を形成する導通部形成工程と、
    前記導通部と、前記電極における電位とは異なる異電位部とを絶縁する絶縁層を形成する絶縁層形成工程とを備え、
    前記導通部形成工程では、前記導通部を前記異電位部と重なる位置に形成する
    ことを特徴とする振動体の製造方法。
  19. 後に圧電素子に個片化される略板状の基材を扱い、前記圧電素子の体表面部に複数の電極をそれぞれ形成する電極形成工程と、
    前記基材から前記圧電素子を複数、板状に個片化する個片化工程と、
    前記圧電素子に補強板を積層して振動体を構成する積層工程と、
    常温では導電性粒子を含有した液状物を前記補強板と積層された圧電素子の前記体表面部に設けた後、当該液状物を常温より高い温度で乾燥固化させることにより前記導電性粒子を相互接触させて、前記電極同士を電気的に接続する導通部を形成する導通部形成工程とを備える
    ことを特徴とする振動体の製造方法。
  20. 請求項17〜19のいずれかに記載の振動体の製造方法において、
    前記導通部形成工程では、前記液状物としてのインクを前記体表面部に噴射することによって前記導通部を形成する
    ことを特徴とする振動体の製造方法。
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