JP2008227123A - 圧電振動体の製造方法および製造装置 - Google Patents
圧電振動体の製造方法および製造装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008227123A JP2008227123A JP2007062973A JP2007062973A JP2008227123A JP 2008227123 A JP2008227123 A JP 2008227123A JP 2007062973 A JP2007062973 A JP 2007062973A JP 2007062973 A JP2007062973 A JP 2007062973A JP 2008227123 A JP2008227123 A JP 2008227123A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piezoelectric element
- reinforcing member
- piezoelectric
- manufacturing
- vibrating body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Abstract
【課題】圧電素子と補強部材との接合に関し、加熱時間の短縮、および圧電素子の特性劣化を防止することを実現可能な圧電振動体の製造方法および製造装置の提供。
【解決手段】
圧電振動体製造方法は、圧電素子21と補強板22との間に、加熱されることを経て硬化する接合材を配置した状態で、補強板22の一部に加熱装置31における熱源部311を当接させる加熱工程を備える。
また、圧電素子21と補強部材22とを接合材によって接合する加熱工程を備え、この加熱工程では、圧電素子21における補強部材22との接合面21Aと補強部材22における圧電素子21との接合面22Aとが鉛直方向にほぼ沿うように圧電素子21と補強部材22とを保持する。
【選択図】図11
【解決手段】
圧電振動体製造方法は、圧電素子21と補強板22との間に、加熱されることを経て硬化する接合材を配置した状態で、補強板22の一部に加熱装置31における熱源部311を当接させる加熱工程を備える。
また、圧電素子21と補強部材22とを接合材によって接合する加熱工程を備え、この加熱工程では、圧電素子21における補強部材22との接合面21Aと補強部材22における圧電素子21との接合面22Aとが鉛直方向にほぼ沿うように圧電素子21と補強部材22とを保持する。
【選択図】図11
Description
本発明は、圧電振動体の製造方法および製造装置に関する。
従来、圧電アクチュエータとして、ステンレス鋼などで形成された補強板の表面および裏面のそれぞれに板状の圧電素子が接合された圧電振動体が開発されている(例えば、特許文献1)。このような圧電アクチュエータにおいて、厚み方向に対称に分極された各圧電素子の厚み方向に交流電圧を印加すると、各圧電素子が面内方向に伸縮し、これによって圧電振動体の全体が励振する。この圧電振動体の振動を伝達することにより、ロータなどの被駆動体が駆動される。
このような圧電アクチュエータの製造にあたり、圧電素子と補強部材とを接合する際には、特許文献1に示すように、加圧装置と加熱装置とを使用していた。加圧装置は、複数の位置決めピンが立設された下板と、この下板に対して平行に昇降する上板とを有して構成されている。一方、加熱装置は、恒温槽を備えて構成されている。
ここで、圧電素子と補強板との接合工程は、具体的に、ウェハなどの表面に所定厚みにスキージされた熱硬化型の接着剤をフィルムに転写し、このフィルム上の接着材を圧電素子にさらに転写する。そして、この圧電素子と補強板とを位置決めピンに当接させて積層し、これら圧電素子および補強板を加圧治具である下板と上板との間に挟持する。そして、上板に載せた重りによって圧電素子と補強板とを加圧して接着剤を圧電素子と補強板とに十分に接触させ、加圧治具ごと、高温雰囲気の恒温槽内部に配置して加熱することによって接着剤を硬化させていた。このような方法は、圧電素子と補強板との間の接着剤が加圧治具を介して加熱されることになるため、間接的な加熱方法であった。
ここで、圧電素子と補強板との接合工程は、具体的に、ウェハなどの表面に所定厚みにスキージされた熱硬化型の接着剤をフィルムに転写し、このフィルム上の接着材を圧電素子にさらに転写する。そして、この圧電素子と補強板とを位置決めピンに当接させて積層し、これら圧電素子および補強板を加圧治具である下板と上板との間に挟持する。そして、上板に載せた重りによって圧電素子と補強板とを加圧して接着剤を圧電素子と補強板とに十分に接触させ、加圧治具ごと、高温雰囲気の恒温槽内部に配置して加熱することによって接着剤を硬化させていた。このような方法は、圧電素子と補強板との間の接着剤が加圧治具を介して加熱されることになるため、間接的な加熱方法であった。
しかしながら、加圧治具を介した間接的な加熱方法には次のような課題があった。
(課題1)加熱時間が長い
圧電素子と補強板とを加圧治具のまま加熱しているため、加圧治具を介在させずに圧電素子や補強部材を直接加熱した場合と比べて接着剤の乾燥硬化に時間が掛かり、加熱時間が長くなってしまう。
(課題1)加熱時間が長い
圧電素子と補強板とを加圧治具のまま加熱しているため、加圧治具を介在させずに圧電素子や補強部材を直接加熱した場合と比べて接着剤の乾燥硬化に時間が掛かり、加熱時間が長くなってしまう。
一方、前記の間接的な加熱方法に対して、加圧治具を介在させない直接的な加熱方法も考えられる。すなわち、図28に示すように、補強板91の表面および裏面に積層された圧電素子92,92のそれぞれに直接、加熱・加圧ツール100を当接させて加熱を行う。このようにすれば、加熱時間を短縮できると考えられる。
なお、図28のように圧電素子92,92を直接加熱する構成において、圧電素子92,92と補強板91とを加圧しようとすれば、加熱機能と加圧機能とを兼ね備えた加熱・加圧ツール100,100を使用するほかない。
なお、図28のように圧電素子92,92を直接加熱する構成において、圧電素子92,92と補強板91とを加圧しようとすれば、加熱機能と加圧機能とを兼ね備えた加熱・加圧ツール100,100を使用するほかない。
しかしながら、図28に示すような直接的な加熱方法には、下記のような課題がある。
(課題2)圧電素子への熱ダメージ
加熱・加圧ツール100を圧電素子92に直接当接させるため圧電素子92への熱影響が大きくなり、圧電素子92の特性が劣化するおそれがある。
(課題2)圧電素子への熱ダメージ
加熱・加圧ツール100を圧電素子92に直接当接させるため圧電素子92への熱影響が大きくなり、圧電素子92の特性が劣化するおそれがある。
以上の課題に鑑みて、本発明の目的は、圧電素子と補強部材との接合に関し、
(1)加熱時間の短縮、
(2)圧電素子の特性劣化を防止すること、
のいずれも実現可能な圧電振動体の製造方法および製造装置を提供することにある。
(1)加熱時間の短縮、
(2)圧電素子の特性劣化を防止すること、
のいずれも実現可能な圧電振動体の製造方法および製造装置を提供することにある。
本発明の圧電振動体の製造方法は、圧電素子と、前記圧電素子に接合される補強部材とを有する圧電振動体の製造方法であって、前記圧電素子と前記補強部材との間に、加熱されることを経て硬化する接合材を配置した状態で、前記補強部材の一部に、前記補強部材の温度を上昇させる温度上昇装置を当接させる加熱工程を備えることを特徴とする。
この発明によれば、補強部材の一部からの熱伝導によって圧電素子と補強部材との間の接合材が加熱されて硬化することとなる。
ここで、圧電素子の熱伝導率は一般に低いが、広範囲な材料から選択可能な補強部材の熱伝導率は高くできる。補強部材には、熱伝導率が良好な例えばステンレス鋼、リン青銅などの金属製部材を用いることが好ましく、この金属製部材による補強部材の熱伝導率は圧電素子の熱伝導率よりも格段に高い。例えば、圧電素子に使用されるPZT(登録商標)の熱伝導率は1〜1.5W/m・℃であるのに対して、補強部材に使用可能なSUS部材の熱伝導率は15W/m・℃である。このように、熱伝導率が良好な補強部材を用いることで、圧電素子を加熱した場合と比べて非常に短時間で接合材を加熱することが可能となり、加熱時間を大幅に短縮できる。
また、本発明は治具を介在させずに補強部材の温度を温度上昇装置で上昇させているため直接的な加熱方法と言えるが、温度上昇装置を当接させるのは補強部材の一部であって、圧電素子ではない。つまり、圧電素子は直接加熱されないため、接合時における圧電素子への熱影響を小さくでき、圧電素子の特性が劣化しない。
すなわち、本発明によれば、加熱時間を大幅に短縮でき、かつ、接合時の温度上昇によって圧電素子の特性が劣化することを防止できるので、前記(課題1)および(課題2)を共に解決できる。
ここで、圧電素子の熱伝導率は一般に低いが、広範囲な材料から選択可能な補強部材の熱伝導率は高くできる。補強部材には、熱伝導率が良好な例えばステンレス鋼、リン青銅などの金属製部材を用いることが好ましく、この金属製部材による補強部材の熱伝導率は圧電素子の熱伝導率よりも格段に高い。例えば、圧電素子に使用されるPZT(登録商標)の熱伝導率は1〜1.5W/m・℃であるのに対して、補強部材に使用可能なSUS部材の熱伝導率は15W/m・℃である。このように、熱伝導率が良好な補強部材を用いることで、圧電素子を加熱した場合と比べて非常に短時間で接合材を加熱することが可能となり、加熱時間を大幅に短縮できる。
また、本発明は治具を介在させずに補強部材の温度を温度上昇装置で上昇させているため直接的な加熱方法と言えるが、温度上昇装置を当接させるのは補強部材の一部であって、圧電素子ではない。つまり、圧電素子は直接加熱されないため、接合時における圧電素子への熱影響を小さくでき、圧電素子の特性が劣化しない。
すなわち、本発明によれば、加熱時間を大幅に短縮でき、かつ、接合時の温度上昇によって圧電素子の特性が劣化することを防止できるので、前記(課題1)および(課題2)を共に解決できる。
また、本発明によれば、図28に示したような構成における下記問題に対応できる。すなわち、図28の構成では、圧電素子92と補強板91との間の接着剤を全体的に加熱して硬化させるため、加熱・加圧ツール100,100には当該ツール100,100のそれぞれを各圧電素子92の表面全体に接触させる平行出し機能が必要となり、また、各圧電素子92,92を同等の接合信頼性で補強板に接合するために、加熱・加圧ツール100,100間で加熱温度を均一にする機構も必要となる。このような平行出し機能と加熱機構との両方を具備する装置構成は、構造が複雑となり、また、加熱条件や加圧構造に制約を受ける。
このような問題に対応して、本発明によれば、補強部材の一部からの熱伝導によって補強部材の全体が略均一な温度となるので、圧電素子と補強部材との間の接合材が全体的に加熱され、圧電素子を直接加熱する図28の構成では必要となる平行出し機能や、上下ツールの加熱温度を均一に加熱する加熱機構などを必ずしも設けなくてもよい。すなわち、装置構成を簡略にできる。
このような問題に対応して、本発明によれば、補強部材の一部からの熱伝導によって補強部材の全体が略均一な温度となるので、圧電素子と補強部材との間の接合材が全体的に加熱され、圧電素子を直接加熱する図28の構成では必要となる平行出し機能や、上下ツールの加熱温度を均一に加熱する加熱機構などを必ずしも設けなくてもよい。すなわち、装置構成を簡略にできる。
ここで、温度上昇装置は任意に構成でき、例えば、ヒーター、レーザーなどの適宜な加熱装置であってよい。あるいは、補強部材や補強部材の金属被膜などに通電させる定電圧電源装置などを温度上昇装置として用いてもよい。なお、この通電方式の場合は、補強部材や金属被膜の電気抵抗で生じるジュール熱によって補強部材や金属被膜の全体の温度が上昇し、これによって接合材が硬化することになる。
また、温度上昇装置が当接される補強部材の一部は、補強部材における圧電素子との接合部以外となる。例えば板状の補強部材の場合、この補強部材の一部には側面も含まれる。
また、補強部材の材質としては、前記したステンレス鋼やリン青銅などの金属材料を良好に使用できるが、それ以外にも、プラスチック成型材料、例えば、ポリイミド(280℃)、PPS(250℃)、PET(230℃)など(括弧内は連続使用温度)も選択でき、このような材質の補強板の場合、金属被膜を形成することで、金属接合材による接合が可能となる。そして、このような材質により成型加工が可能となる為、補強部材の形状が複雑であっても短時間で加工可能となる。
また、補強部材の材質としては、前記したステンレス鋼やリン青銅などの金属材料を良好に使用できるが、それ以外にも、プラスチック成型材料、例えば、ポリイミド(280℃)、PPS(250℃)、PET(230℃)など(括弧内は連続使用温度)も選択でき、このような材質の補強板の場合、金属被膜を形成することで、金属接合材による接合が可能となる。そして、このような材質により成型加工が可能となる為、補強部材の形状が複雑であっても短時間で加工可能となる。
ところで、圧電素子に形成される前記金属被膜の形成領域は、圧電素子の外形形状を構成している圧電素子の外端から若干内側となる領域内に形成されていることが好ましい。特に、圧電素子の厚さの1/3以上、好ましくは1/2以上、より好ましくは、1/1以上の寸法分、圧電素子の外端の位置から内側に位置する領域に圧電素子の金属被膜が形成されていることが好ましい。
また、これと同様に補強部材においても、補強部材に形成される前記金属被膜の形成領域、又は上記酸化膜が除去されている領域は、補強部材の外形形状を構成している外端位置から若干内側寄りの領域に形成されていることが好ましい。特に、補強部材の厚さの1/3以上、好ましくは1/2以上、より好ましくは、1/1以上の寸法分、補強部材の外端位置から内側となる領域に補強部材の金属被膜が形成され、または当該領域が酸化膜が除去された領域とされていることが好ましい。
また、これと同様に補強部材においても、補強部材に形成される前記金属被膜の形成領域、又は上記酸化膜が除去されている領域は、補強部材の外形形状を構成している外端位置から若干内側寄りの領域に形成されていることが好ましい。特に、補強部材の厚さの1/3以上、好ましくは1/2以上、より好ましくは、1/1以上の寸法分、補強部材の外端位置から内側となる領域に補強部材の金属被膜が形成され、または当該領域が酸化膜が除去された領域とされていることが好ましい。
このように、圧電素子における金属被膜の形成領域、そして補強部材における金属被膜の形成領域・酸化膜除去領域に関し、上記の如く外端位置から若干内側寄りの領域となるように構成することにより、圧電素子と補強部材との接合によって前記金属接合材が圧電素子の外形形状から、または補強部材の外形形状から外方に、特に圧電素子の側面側、または補強部材の側面側にはみ出ることをより確実に防止することが可能となる。これにより、圧電素子と補強部材との接合に起因する圧電振動体の振動特性の悪化をより一層確実に防止することが出来る。
ここで、上記の如く外端位置から若干内側寄りの領域とする構成は、圧電素子および補強部材のいずれか一方に適用してもよく、或いはこれらの両者に適用してもよい。
なお、圧電素子と補強部材とのそれぞれの平面寸法などが相違し、これらの互いの接合面の大きさが相違する場合には、前記金属被膜の形成領域や前記酸化膜が除去される領域を圧電素子および補強部材のうち接合面がより小さい方の外縁部よりも内側に留めることが好ましい。
ここで、上記の如く外端位置から若干内側寄りの領域とする構成は、圧電素子および補強部材のいずれか一方に適用してもよく、或いはこれらの両者に適用してもよい。
なお、圧電素子と補強部材とのそれぞれの平面寸法などが相違し、これらの互いの接合面の大きさが相違する場合には、前記金属被膜の形成領域や前記酸化膜が除去される領域を圧電素子および補強部材のうち接合面がより小さい方の外縁部よりも内側に留めることが好ましい。
なお、本発明によって製造される圧電振動体は、互いに接合される圧電素子と補強部材とをそれぞれ1つ以上備えていれば良く、圧電素子および補強部材それぞれの個数は問わない。すなわち、2つの圧電素子の間に1つの補強部材が介装されている構成や、2つの補強部材の間に1つの圧電素子が介装されている構成なども、本発明によって製造される圧電振動体に含まれる。
本発明の圧電振動体の製造方法では、前記加熱工程では、前記圧電素子における前記補強部材との接合面と前記補強部材における前記圧電素子との接合面とが鉛直方向にほぼ沿うように前記圧電素子と前記補強部材とを保持することが好ましい。
この発明によれば、接合工程で圧電素子と補強部材とが保持された状態において、圧電素子と補強部材とのそれぞれの接合面が鉛直方向にほぼ沿っているので、圧電素子と補強部材との間から接合材が流出しても、この流出した接合材は圧電素子および補強部材のそれぞれの接合面の延出方向に沿って鉛直方向下側に流れ落ちる。これにより、圧電素子や補強部材における接合面とは反対側の部分などに接合材が付着しないので、振動特性のシフト、ばらつきなどを防止できる。
また、従来のように圧電素子と補強部材とが治具に平面的に配置される場合は、図31のように、圧電素子92と治具94との間に接合材が流入して治具94に固着する問題があったが、本発明によれば、圧電素子と補強部材との間から流れ落ちた接合材が圧電素子や補強部材の表面などに回り込まないので、圧電素子および補強部材を治具から容易に取り外すことができる。
また、従来のように圧電素子と補強部材とが治具に平面的に配置される場合は、図31のように、圧電素子92と治具94との間に接合材が流入して治具94に固着する問題があったが、本発明によれば、圧電素子と補強部材との間から流れ落ちた接合材が圧電素子や補強部材の表面などに回り込まないので、圧電素子および補強部材を治具から容易に取り外すことができる。
ここで、圧電素子の接合面と補強部材の接合面とのそれぞれは、平面状のみならず、曲面状であってもよい。また、圧電素子における補強部材との接合部や補強部材における圧電素子との接合部の形状が、凹凸状などである場合も、圧電素子の接合部と補強部材の接合部とがそれぞれ圧電素子側と補強部材側とから互いに対向する方向を規定し、この対向する方向に直交する面を仮定した際に、この直交する面が鉛直方向にほぼ沿っていればよい。
なお、接合面が鉛直方向にほぼ沿う、という構成は、以下でも同様に、圧電素子の接合部や補強部材の接合部が平面状、曲面状、凹凸状などのいずれの場合にも適用可能である。すなわち、圧電素子や補強部材の形状に関わらず、接合材が鉛直方向にほぼ沿って流れ落ちることにより、前記と同様の効果を奏する。
なお、接合面が鉛直方向にほぼ沿う、という構成は、以下でも同様に、圧電素子の接合部や補強部材の接合部が平面状、曲面状、凹凸状などのいずれの場合にも適用可能である。すなわち、圧電素子や補強部材の形状に関わらず、接合材が鉛直方向にほぼ沿って流れ落ちることにより、前記と同様の効果を奏する。
本発明の圧電振動体の製造方法では、前記加熱工程では、前記補強部材における一方の側と、この一方の側と反対側となる他方の側とのそれぞれに前記接合材を介して前記圧電素子を設けた状態で、前記補強部材の一部に、前記温度上昇装置を当接させることが好ましい。
この発明によれば、熱伝導によって全体が略均一な温度となる補強部材の両側でそれぞれ、接合材が略同時に加熱されて硬化するので、補強部材に2つの圧電素子を同等の加熱条件で接合することが容易となる。
また、図28のように、補強部材の両側の各圧電素子を直接加熱する場合では、これら圧電素子のそれぞれに当接させる温度上昇装置(図28の例では加熱・加圧装置)が合計2つ必要となるが、本発明では補強部材を加熱するため、温度上昇装置は1つで済むから、装置の構成を簡略化できる。
また、図28のように、補強部材の両側の各圧電素子を直接加熱する場合では、これら圧電素子のそれぞれに当接させる温度上昇装置(図28の例では加熱・加圧装置)が合計2つ必要となるが、本発明では補強部材を加熱するため、温度上昇装置は1つで済むから、装置の構成を簡略化できる。
本発明の圧電振動体の製造方法では、前記圧電素子における前記補強部材との接合部と、前記補強部材における前記圧電素子との接合部とが対向した状態で、前記圧電素子と前記補強部材とを互いの近接方向に加圧する加圧工程を備え、前記加圧工程による加圧下において、前記加熱工程での加熱が行われることが好ましい。
この発明によれば、前述のように温度上昇装置が当接される領域が補強部材の一部に限定されており、補強部材の残りの領域や圧電素子に対して加圧することが可能となるので、温度上昇装置と加圧装置とのそれぞれの構成を分離することが可能となる。このように温度上昇装置と加圧装置とのそれぞれを独立して構成することができ、これら温度上昇装置と加圧装置とを同一の装置に構成する必要がなくなるため、装置の構造の簡略化が図られる。つまり、これら温度上昇装置と加圧装置とを同一の装置に具備させる際に生じる加熱条件や加圧構造での制約を受けずに装置を簡略に構成することができ、例えば、圧電素子と補強部材とを間に挟持する2つの板部材により、加圧装置を簡略に構成できる。
本発明の圧電振動体の製造方法では、前記加圧工程では、弾性部材を介して前記加圧治具を前記圧電素子に当接することが好ましい。
ここで、圧電素子と補強部材との接合には、従来、圧電素子の浮き・割れの課題があった。圧電素子は一般に多孔質構造(ポーラス)であり、圧電素子の表面には圧電素子の切削時などに形成された微小な凸部が存在する場合があるため、図29に示すように、加圧時に圧電素子92が割れてしまうことがある。また、圧電素子や補強部材の形状誤差などで、図30のように位置決めピン93で囲まれた領域内に圧電素子92または補強部材91が収まらず、圧電素子92と補強部材91とが平行とならずに一方が他方に対して浮いてしまう場合があり、このような場合も、加圧時に圧電素子92が割れてしまうことがある。この圧電素子の割れを防止するため、加圧治具と圧電素子との間に弾性部材を配置したいが、弾性部材は加熱によって変質することが多い。すなわち、治具ごと加熱する間接的な加熱方法では、圧電素子の割れに対して有用な弾性部材を設けることが難しい。このような弾性部材を設けるにしても、その弾性部材が変質しないように加熱温度を決める必要があるなど、加熱条件に制約があった。
このような課題に対して、本発明では、前述のように圧電素子は直接加熱されないので、加圧治具における圧電素子との接触部分に弾性部材を設けることが可能となる。すなわち、本発明によれば、加圧治具と圧電素子との間に弾性部材が介装されることにより、加圧時の圧電素子の割れを防止できる。
本発明の圧電振動体の製造方法では、前記補強部材は、板状に形成され、かつ、その平面に前記圧電素子との接合面を有する補強部材本体と、前記補強部材本体から平面方向に突出する突出部とを有し、前記補強部材は、前記突出部を1つ以上有し、前記加熱工程では、前記温度上昇装置を前記突出部の少なくとも1つに当接させることが好ましい。
この発明によれば、突出部は補強部材において圧電素子と離間した位置にあるため、この突出部に、前記補強部材の温度を上昇させる温度上昇装置を当接させることにより、圧電素子への熱影響を極力小さくできる。また、突出部には補強部材の側面などと比べて温度上昇装置を容易に当接させることができる。
本発明の圧電振動体の製造方法では、前記突出部の少なくとも1つは、前記圧電素子を支持し、かつ被取付部材に取り付けられる支持取付部であることが好ましい。
この発明によれば、圧電振動体の支持取付に必要となる支持取付部を温度上昇装置の当接部位として利用可能となる。つまり、補強部材に他の突出部を形成しなくても良い。
本発明の圧電振動体の製造方法では、前記突出部の少なくとも1つは、前記圧電振動体の振動により駆動される被駆動体に当接される当接部であることが好ましい。
この発明によれば、被駆動体の駆動に必要となる当接部を温度上昇装置の当接部位として利用可能となる。つまり、補強部材に他の突出部を形成しなくても良い。
本発明の圧電振動体の製造方法では、前記補強部材は、板状に形成され、かつ、その平面に前記圧電素子との接合面を有する補強部材本体と、前記補強部材本体から平面方向に突出する突出部とを有し、前記補強部材は、前記突出部を1つ以上有し、前記加熱工程では、前記突出部の少なくとも1つが鉛直方向下側に位置しないように前記補強部材を配置した状態で前記圧電素子と前記補強部材とを接合することが好ましい。
この発明によれば、圧電素子と補強部材との間から流出した接合材を鉛直方向下側に向かって流し、鉛直方向下側には配置されない突出部の少なくとも1つには流さないようにすることができる。これによって、振動特性のシフト、ばらつきなどを抑制できる。
ここで、突出部には、圧電素子を支持し、かつ被取付部に取り付けられる支持取付部や、圧電振動体の振動が伝達されることで駆動される被駆動体に当接される当接部などがある。補強部材が突出部を2つ以上有する場合には、複数の突出部のうち少なくとも1つの突出部を選択し、鉛直方向下側を避けて配置する。このとき、接合材が付着した際に振動特性のシフトやばらつきへの影響がより大きい突出部を選択することができる。また、被駆動体に当接される当接部を鉛直方向下側を避けて配置すれば、当接部に接合材が付着せず、駆動時における当接部と被駆動体との摩擦抵抗を均一にできる。
ここで、突出部には、圧電素子を支持し、かつ被取付部に取り付けられる支持取付部や、圧電振動体の振動が伝達されることで駆動される被駆動体に当接される当接部などがある。補強部材が突出部を2つ以上有する場合には、複数の突出部のうち少なくとも1つの突出部を選択し、鉛直方向下側を避けて配置する。このとき、接合材が付着した際に振動特性のシフトやばらつきへの影響がより大きい突出部を選択することができる。また、被駆動体に当接される当接部を鉛直方向下側を避けて配置すれば、当接部に接合材が付着せず、駆動時における当接部と被駆動体との摩擦抵抗を均一にできる。
本発明の圧電振動体の製造方法では、前記突出部の1つは、前記圧電素子を支持し、かつ被取付部材に取り付けられる支持取付部であり、当該支持取付部は1つのみあり、前記加熱工程では、前記支持取付部が鉛直方向上側に位置するように前記補強部材を配置した状態で前記圧電素子と前記補強部材とを接合することが好ましい。
ここで、支持取付部は圧電素子および補強部材本体の振動を妨げないように、補強部材本体に隣接する部分が括れた形状に形成されることが多く、この括れた部分に接合材が流れると特に、振動特性のシフト、ばらつきが起き易い。
そのため、本発明では、支持取付部が1つのみであってこの支持取付部にて被取付部に片側で取り付けられる圧電振動体において、当該支持取付部を鉛直方向上側に配置した状態で接合を行うこととした。すなわち、振動特性に影響し易い支持取付部に接合材が流れることを防止でき、この鉛直方向上側に配置される支持取付部の他に支持取付部は無いため、支持取付部への接合材流出を原因とする振動特性のシフト等が生じない。つまり、片側で取り付けられる構造の圧電振動体の支持取付部が鉛直方向上側に配置されることによって、振動特性のシフト、ばらつきをより確実に防止できる。
そのため、本発明では、支持取付部が1つのみであってこの支持取付部にて被取付部に片側で取り付けられる圧電振動体において、当該支持取付部を鉛直方向上側に配置した状態で接合を行うこととした。すなわち、振動特性に影響し易い支持取付部に接合材が流れることを防止でき、この鉛直方向上側に配置される支持取付部の他に支持取付部は無いため、支持取付部への接合材流出を原因とする振動特性のシフト等が生じない。つまり、片側で取り付けられる構造の圧電振動体の支持取付部が鉛直方向上側に配置されることによって、振動特性のシフト、ばらつきをより確実に防止できる。
本発明の圧電振動体の製造方法では、前記加熱工程では、前記圧電素子における鉛直方向下側の端部、または前記補強部材における鉛直方向下側の端部の少なくともいずれかを、前記接合材とのぬれ性が前記圧電素子および補強部材のそれぞれにおける前記接合材とのぬれ性よりも良い治具に接触させた状態で、前記圧電素子と前記補強部材とを接合することが好ましい。
この発明によれば、治具における接合材とのぬれ性が良いため、圧電素子と補強部材との間から鉛直方向下側に流れた接合材が治具へと案内される。すなわち、接合材を圧電振動体の外側に積極的に流すことが可能となるので、圧電振動体の外周部に接合材が付着して振動特性がシフト、ばらつくなどの問題を回避できる。
ここで、補強部材本体や板状の圧電素子の側面に治具を接触させるよりも、補強板の突出部に治具を接触させる方が圧電振動体と治具との接触面積が小さくなるので、流れた接合材が治具に固着したとしても、圧電振動体を治具から容易に取り外せる。
ここで、補強部材本体や板状の圧電素子の側面に治具を接触させるよりも、補強板の突出部に治具を接触させる方が圧電振動体と治具との接触面積が小さくなるので、流れた接合材が治具に固着したとしても、圧電振動体を治具から容易に取り外せる。
本発明の圧電振動体の製造方法では、前記加熱工程では、前記圧電素子における鉛直方向下側の端部、または前記補強部材における鉛直方向下側の端部の少なくともいずれかを、前記接合材を吸収可能な吸収部材に接触させた状態で、前記圧電素子と前記補強部材とを接合することが好ましい。
この発明によれば、圧電素子と補強部材との間から流れ落ちた接合材が吸収部材に吸収されるので、圧電素子および補強部材のそれぞれにおける鉛直方向下側の端部周辺に接合材が拡がらない。すなわち、圧電振動体の外周部に接合材が付着しないので、振動特性のシフトやばらつきを防止できる。
本発明の圧電振動体の製造方法では、前記加熱工程では、前記圧電素子および前記補強部材の鉛直方向下側に、気圧差に基づいて前記接合材を吸引可能な吸引装置を設けた状態で、前記圧電素子と前記補強部材とを接合することが好ましい。
この発明によれば、圧電振動体の鉛直方向下側に流れ落ちた接合材が吸引装置によって除去される。すなわち、圧電振動体の外周部に接合材が付着しないので、振動特性のシフトやばらつきを防止できる。
本発明の圧電振動体の製造方法は、圧電素子と、前記圧電素子に接合材によって接合される補強部材とを有する圧電振動体の製造方法であって、前記圧電素子と前記補強部材とを接合材によって接合する接合工程を備え、前記接合工程では、前記圧電素子における前記補強部材との接合面と前記補強部材における前記圧電素子との接合面とが鉛直方向にほぼ沿うように前記圧電素子と前記補強部材とを保持することを特徴とする。
この発明によれば、接合工程で圧電素子と補強部材とが保持された状態において、圧電素子と補強部材とのそれぞれの接合面が鉛直方向にほぼ沿っているので、圧電素子と補強部材との間から接合材が流出しても、この流出した接合材は圧電素子および補強部材のそれぞれの接合面の延出方向に沿って鉛直方向下側に流れ落ちる。これにより、圧電素子や補強部材における接合面とは反対側の部分などに接合材が付着しないので、振動特性のシフト、ばらつきなどを防止できる。
また、従来の接合工程のように圧電素子と補強部材とが治具等に平面的に配置される場合は、圧電素子および補強部材のうち治具に接触する方と治具との間に接合材が流入して、治具に固着する問題があったが、本発明によれば、圧電素子と補強部材との間から流れ落ちた接合材が圧電素子や補強部材の表面などに回り込まないので、圧電素子および補強部材を治具から容易に取り外すことができる。
また、従来の接合工程のように圧電素子と補強部材とが治具等に平面的に配置される場合は、圧電素子および補強部材のうち治具に接触する方と治具との間に接合材が流入して、治具に固着する問題があったが、本発明によれば、圧電素子と補強部材との間から流れ落ちた接合材が圧電素子や補強部材の表面などに回り込まないので、圧電素子および補強部材を治具から容易に取り外すことができる。
本発明の圧電振動体の製造方法では、前記接合材として、接着剤を用いることが好ましい。
ここで、本発明では、有機接着材(樹脂接着材)や無機接着剤(金属接着材、ガラス接着材等)など、各種の接着剤を使用できる。
ここで、本発明では、有機接着材(樹脂接着材)や無機接着剤(金属接着材、ガラス接着材等)など、各種の接着剤を使用できる。
この発明によれば、接着剤には多くの種類があるため、加熱条件や接合信頼性などに適合する接着剤を容易に選択できる。
また、接合材として、加熱により硬化する熱硬化型接着剤を良好に使用できる。なお、はんだ等と比べて低温での硬化が可能な熱硬化型接着剤を選択することにより、接合時の圧電素子への熱ダメージをより減らすことが可能となる。
一方、加熱工程を行わない場合には、光硬化型、嫌気硬化型などの接着剤を使用できる。
また、接合材として、加熱により硬化する熱硬化型接着剤を良好に使用できる。なお、はんだ等と比べて低温での硬化が可能な熱硬化型接着剤を選択することにより、接合時の圧電素子への熱ダメージをより減らすことが可能となる。
一方、加熱工程を行わない場合には、光硬化型、嫌気硬化型などの接着剤を使用できる。
本発明の圧電振動体の製造方法では、前記接合材として、金属接合材を用いることが好ましい。この金属接合材としては、はんだが代表的である。
すなわち、圧電素子および補強部材のそれぞれの接合部に金属被膜を形成したり、これらの接合部における酸化膜をプラズマエッチングなどで除去するなどして金属接合材とのぬれ性を付与することによって、圧電素子と補強部材とを金属接合材で接合することが可能となる。
本発明によれば、金属接合材と圧電素子の表面、そして金属接合材と補強部材の表面とがそれぞれ金属結合することにより、分子間力に基づく接着の場合よりも高い結合力を得ることができる。これにより、接合の長期信頼性を高くできる。
なお、金属接合材としては、金ろう(Au/Ag/Cu/Zn/In)、銀ろう(Ag/Cu/Zn/Sn5)、銅ろう、りん銅ろう(Cu/P/Sn)、ニッケルろう(Ni/Si/P)、パラジウムろう(Pd/Ag/Cu)などを例示できる。このような金属接合材のぬれ性が良い金属としては、Auや、PdおよびAgの合金等が挙げられ、このような金属からなる金属被膜は、電気めっき、乾式めっき、無電解めっき等によって形成すればよい。
また、圧電素子や補強部材に形成される金属被膜の金属としては、上記Au等のほか、Niや、Cuの金属被膜も考えられる。これらは非常に酸化し易い金属である為、不活性雰囲気、例えばN2雰囲気中での取り扱いが必要となる。
本発明によれば、金属接合材と圧電素子の表面、そして金属接合材と補強部材の表面とがそれぞれ金属結合することにより、分子間力に基づく接着の場合よりも高い結合力を得ることができる。これにより、接合の長期信頼性を高くできる。
なお、金属接合材としては、金ろう(Au/Ag/Cu/Zn/In)、銀ろう(Ag/Cu/Zn/Sn5)、銅ろう、りん銅ろう(Cu/P/Sn)、ニッケルろう(Ni/Si/P)、パラジウムろう(Pd/Ag/Cu)などを例示できる。このような金属接合材のぬれ性が良い金属としては、Auや、PdおよびAgの合金等が挙げられ、このような金属からなる金属被膜は、電気めっき、乾式めっき、無電解めっき等によって形成すればよい。
また、圧電素子や補強部材に形成される金属被膜の金属としては、上記Au等のほか、Niや、Cuの金属被膜も考えられる。これらは非常に酸化し易い金属である為、不活性雰囲気、例えばN2雰囲気中での取り扱いが必要となる。
ここで、圧電素子に形成される金属被膜、補強部材に形成される金属被膜、および圧電素子と補強部材とを金属接合材としてのはんだで接合した場合の圧電素子と補強部材との間のはんだ層の厚みとをそれぞれ例示する。圧電素子に形成される電極の膜厚は、下地層と表層との膜厚をそれぞれ例示すると、下地0.1〜3.0μm、表層0.05〜3.0μmにそれぞれ設定できる。なお、好ましい膜厚の範囲は、下地0.5〜2.0μm、表層0.02〜1.0μmである。
また、補強部材に形成される金属被膜の膜厚についても、下地層と表層との膜厚をそれぞれ例示すると、下地0.1〜3.0μm、表層0.05〜3.0μmにそれぞれ設定できる。なお、好ましい膜厚の範囲は、下地0.5〜2.0μm、表層0.02〜1.0μmである。
そして、はんだ層の厚みは、1.0〜50.0μmに設定でき、好ましい厚みは、5.0〜20.0μmである。
また、補強部材に形成される金属被膜の膜厚についても、下地層と表層との膜厚をそれぞれ例示すると、下地0.1〜3.0μm、表層0.05〜3.0μmにそれぞれ設定できる。なお、好ましい膜厚の範囲は、下地0.5〜2.0μm、表層0.02〜1.0μmである。
そして、はんだ層の厚みは、1.0〜50.0μmに設定でき、好ましい厚みは、5.0〜20.0μmである。
また、接着の場合、圧電素子で生じた熱が接着剤で断熱され、圧電素子が自己発熱する問題があるが、本発明では、圧電素子の伸縮によって生じる熱が金属接合材を介して補強部材に放熱され、さらには補強部材が取り付けられた機器筐体などへと放熱されるため、自己発熱による圧電素子の特性劣化を防止できる。
さらに、加熱により溶融した金属接合材が圧電素子と補強部材とに全面的に接触するので、圧電素子と補強部材との導通が極めて安定し、電気的に安定した導通抵抗が得られる。
さらに、加熱により溶融した金属接合材が圧電素子と補強部材とに全面的に接触するので、圧電素子と補強部材との導通が極めて安定し、電気的に安定した導通抵抗が得られる。
本発明の圧電振動体の製造装置は、圧電素子と、前記圧電素子に接合される補強部材とを有する圧電振動体の製造装置であって、前記補強部材の温度を上昇させる温度上昇装置を備え、前記温度上昇装置は、加熱されることを経て硬化する接合材が前記圧電素子と前記補強部材との間に配置された状態で、前記補強部材の一部に当接されることを特徴とする。
この発明によれば、補強部材の一部からの熱伝導によって圧電素子と補強部材との間の接合材が加熱される一方で圧電素子は直接加熱されないため、前述したように、加熱時間を大幅に短縮でき、かつ、接合時の温度上昇によって圧電素子の特性が劣化することを防止できる。すなわち、前記(課題1)および(課題2)を共に解決できる。
そのうえ、補強部材の一部からの熱伝導によって補強部材の全体が略均一な温度となるので、平行出し機能や、上下ツールの加熱温度を均一に加熱する加熱機構などを必ずしも設けなくてもよい。すなわち、装置構成を簡略にできる。
本発明の圧電振動体の製造装置では、前記圧電素子における前記補強部材との接合面と前記補強部材における前記圧電素子との接合面とが鉛直方向にほぼ沿うように前記圧電素子と前記補強部材とを保持する鉛直保持部材を備えていることが好ましい。
この発明によれば、鉛直保持部材によって圧電素子と補強部材とが保持された状態において、圧電素子と補強部材とのそれぞれの接合面が鉛直方向にほぼ沿っているので、圧電素子と補強部材との間から流出した接合材が圧電素子および補強部材のそれぞれの接合面の延出方向に沿って鉛直方向下側に流れ落ちる。これにより、圧電素子や補強部材における接合面とは反対側の部分などに接合材が付着しないので、振動特性のシフト、ばらつきなどを防止できる。
また、圧電素子と補強部材との間から流れ落ちた接合材が圧電素子や補強部材の表面などに回り込まないので、圧電素子および補強部材を治具から容易に取り外すことができる。
また、圧電素子と補強部材との間から流れ落ちた接合材が圧電素子や補強部材の表面などに回り込まないので、圧電素子および補強部材を治具から容易に取り外すことができる。
本発明の圧電振動体の製造装置では、前記圧電素子における前記補強部材との接合部と、前記補強部材における前記圧電素子との接合部とを対向させ、かつ前記圧電素子と前記補強部材とを互いの近接方向に加圧する加圧装置を備え、前記加圧装置と前記温度上昇装置とは、別体の装置としてそれぞれ構成されていることが好ましい。
この発明によれば、補強部材の一部に温度上昇装置が当接され、補強部材の残りの領域や圧電素子に対して加圧装置で加圧すればよいため、温度上昇装置と加圧装置とのそれぞれの構成を分離することが可能となる。すなわち、これら温度上昇装置と加圧装置とを同一の装置に構成する必要がなく、別体に構成できるため、装置の構造の簡略化が図られる。
本発明の圧電振動体の製造装置では、前記圧電素子における前記補強部材との接合部と、前記補強部材における前記圧電素子との接合部とを対向させ、かつ前記圧電素子と前記補強部材とを互いの近接方向に加圧する加圧装置を備え、前記加圧装置と前記温度上昇装置とは、一体の装置として構成されていることが好ましい。
この発明によれば、加圧装置と前記温度上昇装置とが一体の装置とされているので、加圧および加熱の制御が容易となる。
そのうえ、加圧装置と温度上昇装置とが一体とされた装置により、加熱時には加圧しているので、加熱によって接合材が溶融した際に圧電素子と補強部材との平面位置を管理し易くなり、これによって圧電素子と補強部材との相対平面位置を正しい位置に規定できる。
さらに、加圧装置と温度上昇装置とが一体の装置とされることで、加熱後、十分冷却してから加圧を解除するタイミング管理がし易くなる。
そのうえ、加圧装置と温度上昇装置とが一体とされた装置により、加熱時には加圧しているので、加熱によって接合材が溶融した際に圧電素子と補強部材との平面位置を管理し易くなり、これによって圧電素子と補強部材との相対平面位置を正しい位置に規定できる。
さらに、加圧装置と温度上昇装置とが一体の装置とされることで、加熱後、十分冷却してから加圧を解除するタイミング管理がし易くなる。
本発明の圧電振動体の製造装置では、前記圧電素子と前記補強部材とは、それぞれ板状に形成されて積層体をなし、前記積層体において積層方向両側にそれぞれ配置された両平面部のうち少なくとも一方の平面部に当接されかつ当該面に倣う倣い部材を備えていることが好ましい。
この発明によれば、圧電素子や補強部材の形状に誤差があったり、圧電素子の表面等に微小な凸部がある場合などでも、圧電素子と補強部材とが積層された積層体の少なくとも一方の平面部に倣い部材が倣うので、圧電素子における接合面と補強部材における接合面とを平行にすることができる。このため、圧電素子と補強部材とを加圧した際に圧電素子が割れることを防止できる。
本発明の圧電振動体の製造装置は、圧電素子と、前記圧電素子に接合材によって接合される補強部材とを有する圧電振動体の製造装置であって、前記圧電素子における前記補強部材との接合面と前記補強部材における前記圧電素子との接合面とが鉛直方向にほぼ沿うように前記圧電素子と前記補強部材とを保持する鉛直保持部材を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、鉛直保持部材によって圧電素子と補強部材とが保持された状態において、圧電素子と補強部材とのそれぞれの接合面が鉛直方向にほぼ沿っているので、圧電素子と補強部材との間から流出した接合材が圧電素子および補強部材のそれぞれの接合面の延出方向に沿って鉛直方向下側に流れ落ちる。これにより、圧電素子や補強部材における接合面とは反対側の部分などに接合材が付着しないので、振動特性のシフト、ばらつきなどを防止できる。
また、圧電素子と補強部材との間から流れ落ちた接合材が圧電素子や補強部材の表面などに回り込まないので、圧電素子および補強部材を治具から容易に取り外すことができる。
また、圧電素子と補強部材との間から流れ落ちた接合材が圧電素子や補強部材の表面などに回り込まないので、圧電素子および補強部材を治具から容易に取り外すことができる。
以上のように、圧電振動体の製造方法および製造装置によれば、加熱時間の短縮、圧電素子の特性劣化を防止すること、のいずれも実現できる。
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。
なお、第2実施形態以降の説明において、以下に説明する第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
なお、第2実施形態以降の説明において、以下に説明する第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態を説明する。
[1.全体構成]
図1は、本実施形態の時計1を示す平面図である。時計1は、ムーブメント2と、時刻を表示するための文字板3、時針4、分針5、および秒針6のほか、クロノグラフ時間を示すクロノグラフ秒針7Aおよびクロノグラフ分針7Bを備えている。
時針4、分針5、秒針6は、通常のアナログクォーツと同様のものであって、水晶振動子が組み込まれた回路基板と、コイル、ステータ、ロータを有するステッピングモータと、駆動輪列と、電池とによって駆動される。
本発明の第1実施形態を説明する。
[1.全体構成]
図1は、本実施形態の時計1を示す平面図である。時計1は、ムーブメント2と、時刻を表示するための文字板3、時針4、分針5、および秒針6のほか、クロノグラフ時間を示すクロノグラフ秒針7Aおよびクロノグラフ分針7Bを備えている。
時針4、分針5、秒針6は、通常のアナログクォーツと同様のものであって、水晶振動子が組み込まれた回路基板と、コイル、ステータ、ロータを有するステッピングモータと、駆動輪列と、電池とによって駆動される。
[2.クロノグラフ秒針の駆動機構]
クロノグラフ秒針7Aを駆動する駆動機構は、圧電アクチュエータ20と、この圧電アクチュエータ20によって回転駆動される被駆動体としてのロータ25と、ロータ25の回転を減速しつつ伝達する減速輪列26とを備えて構成されている。
減速輪列26は、ロータ25と同軸に配置されてロータ25と一体的に回転する歯車261と、この歯車261に噛合し、かつクロノグラフ秒針7Aの回転軸に固定された歯車262とで構成されている。
なお、圧電アクチュエータ20、ロータ25、および歯車261は、図2に示すように、圧電アクチュエータユニット10としてユニット化されている。
クロノグラフ秒針7Aを駆動する駆動機構は、圧電アクチュエータ20と、この圧電アクチュエータ20によって回転駆動される被駆動体としてのロータ25と、ロータ25の回転を減速しつつ伝達する減速輪列26とを備えて構成されている。
減速輪列26は、ロータ25と同軸に配置されてロータ25と一体的に回転する歯車261と、この歯車261に噛合し、かつクロノグラフ秒針7Aの回転軸に固定された歯車262とで構成されている。
なお、圧電アクチュエータ20、ロータ25、および歯車261は、図2に示すように、圧電アクチュエータユニット10としてユニット化されている。
[3.圧電アクチュエータユニットの構成]
図2に示すように、圧電アクチュエータユニット10は、時計1の地板に取り付けられる略矩形状の支持プレート11と、圧電アクチュエータ20と、圧電アクチュエータ20で駆動される被駆動体としてのロータ25とを備えて構成されている。圧電アクチュエータ20とロータ25とが平面的に隣接配置されることにより、圧電アクチュエータユニット10は薄型となっている。
図2に示すように、圧電アクチュエータユニット10は、時計1の地板に取り付けられる略矩形状の支持プレート11と、圧電アクチュエータ20と、圧電アクチュエータ20で駆動される被駆動体としてのロータ25とを備えて構成されている。圧電アクチュエータ20とロータ25とが平面的に隣接配置されることにより、圧電アクチュエータユニット10は薄型となっている。
支持プレート11には、圧電アクチュエータ20が取り付けられる基台12,12が突設され、圧電アクチュエータ20は、この基台12,12にそれぞれビス12Aで取付固定されている。なお、各基台12には、圧電アクチュエータ20を取付固定する際の位置決め用のピン12Bがそれぞれ形成されている。
また、支持プレート11の四隅にはそれぞれ、支持プレート11を時計1の地板に取り付けるための孔11Aと、図示しないカバープレートを取り付けるためのネジピン11Bとが形成されている。
また、支持プレート11の四隅にはそれぞれ、支持プレート11を時計1の地板に取り付けるための孔11Aと、図示しないカバープレートを取り付けるためのネジピン11Bとが形成されている。
[4.圧電アクチュエータの構成]
図3は、圧電アクチュエータ20を示す。また、図4および図5はそれぞれ、図3のIV−IV線断面図、V−V線断面図である。なお、図4および図5では、構造を理解し易くするため、電極層などの厚みを誇張して示している。
圧電アクチュエータ20は、全体形状が略矩形板状の圧電振動体20Aにより構成されている。なお、圧電振動体20Aにはリード基板27(図7)が設けられている。
圧電振動体20Aは、矩形板状の2つの圧電素子21,21と、これらの圧電素子21,21を保持する補強板22とを備えている。圧電素子21,21は、補強板22の表面および裏面のそれぞれに積層され、これらの圧電素子21,21および補強板22は、金属接合材としてのはんだによって接合されている。
なお、本実施形態において、圧電素子21,21と補強板22とを接合する金属接合材には、金ろう(Au/Ag/Cu/Zn/In)、銀ろう(Ag/Cu/Zn/Sn5)、銅ろう、りん銅ろう(Cu/P/Sn)、ニッケルろう(Ni/Si/P)、パラジウムろう(Pd/Ag/Cu)などを用いることができる。
図3は、圧電アクチュエータ20を示す。また、図4および図5はそれぞれ、図3のIV−IV線断面図、V−V線断面図である。なお、図4および図5では、構造を理解し易くするため、電極層などの厚みを誇張して示している。
圧電アクチュエータ20は、全体形状が略矩形板状の圧電振動体20Aにより構成されている。なお、圧電振動体20Aにはリード基板27(図7)が設けられている。
圧電振動体20Aは、矩形板状の2つの圧電素子21,21と、これらの圧電素子21,21を保持する補強板22とを備えている。圧電素子21,21は、補強板22の表面および裏面のそれぞれに積層され、これらの圧電素子21,21および補強板22は、金属接合材としてのはんだによって接合されている。
なお、本実施形態において、圧電素子21,21と補強板22とを接合する金属接合材には、金ろう(Au/Ag/Cu/Zn/In)、銀ろう(Ag/Cu/Zn/Sn5)、銅ろう、りん銅ろう(Cu/P/Sn)、ニッケルろう(Ni/Si/P)、パラジウムろう(Pd/Ag/Cu)などを用いることができる。
[4−1.圧電素子の構成]
各圧電素子21には、本実施形態ではチタン酸ジルコン酸鉛(PZT(登録商標))が使用され、厚み方向に分極処理がされている。PZTのキュリー点は300〜400℃程度であり、熱伝導率は1〜1.5W/m・℃である。このPZTの他、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛なども圧電素子21として使用できる。各圧電素子21,21の分極方向は、補強板22を挟んで厚み方向に対称となっている。
なお、本実施形態における圧電素子21の寸法は、幅1mm、長さ3.5mm、厚み0.15mmとされている。
各圧電素子21には、本実施形態ではチタン酸ジルコン酸鉛(PZT(登録商標))が使用され、厚み方向に分極処理がされている。PZTのキュリー点は300〜400℃程度であり、熱伝導率は1〜1.5W/m・℃である。このPZTの他、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛なども圧電素子21として使用できる。各圧電素子21,21の分極方向は、補強板22を挟んで厚み方向に対称となっている。
なお、本実施形態における圧電素子21の寸法は、幅1mm、長さ3.5mm、厚み0.15mmとされている。
各圧電素子21の表面には、例えば、気相表面処理技術のうち蒸着法に分類されるイオンプレーティングによって、5つの電極211〜215が形成されている。このイオンプレーティングの工程中、電極211〜215の形状に応じたメタルマスクが使用される。メタルマスクの厚みは、例えば0.05mmとされている。なお、電極211〜215の形成方法はこれに限らず、例えば、電気めっき等によって圧電素子21の表面全体に形成した全面電極をエッチング等で分割することによって、電極211〜215が形成されていてもよい。
これらの電極211〜215は、圧電素子21,21のいずれにも、補強板22を挟んだ同じ位置に同じ形状で形成されている。すなわち、図3で補強板22の上側に配置された一方の圧電素子21には、当該圧電素子21の平面中心を含む領域に長手方向に沿って電極213が形成されているとともに、圧電素子21の平面中心についてそれぞれ点対称となる電極211,215と、電極212,214とがそれぞれ形成されており、これと同様に、図3で補強板22の下側に配置された他方の圧電素子21においても、当該圧電素子21の平面中心を含む領域に長手方向に沿って電極213が形成されているとともに、圧電素子21の平面中心についてそれぞれ点対称となる電極211,215と、電極212,214とがそれぞれ形成されている。
これらの電極211〜215は、圧電素子21,21のいずれにも、補強板22を挟んだ同じ位置に同じ形状で形成されている。すなわち、図3で補強板22の上側に配置された一方の圧電素子21には、当該圧電素子21の平面中心を含む領域に長手方向に沿って電極213が形成されているとともに、圧電素子21の平面中心についてそれぞれ点対称となる電極211,215と、電極212,214とがそれぞれ形成されており、これと同様に、図3で補強板22の下側に配置された他方の圧電素子21においても、当該圧電素子21の平面中心を含む領域に長手方向に沿って電極213が形成されているとともに、圧電素子21の平面中心についてそれぞれ点対称となる電極211,215と、電極212,214とがそれぞれ形成されている。
一方、図3では図示を省略したが、図4、図5に示すように、各圧電素子21において電極211〜215が形成された側と反対側の面のほぼ全面に亘って、めっき、スパッタ、蒸着等の任意の方法で金属被膜としての電極210が形成され、この電極210ははんだ29を介して補強板22と導通されている。補強板22は、圧電素子21の電極としても機能する。
電極210は、約1.0μm厚のNiまたはNi合金による下地と、約0.1μm厚のAuまたはAu合金によるはんだのぬれ性の良い表層被膜とを有している。なお、電極210の表層被膜は、AuやAu合金の被膜に限らず、PdおよびAgの合金等や、Niや、Cuなどであってもよい。但し、電極210の表層被膜がNiや、Cu等、非常に酸化し易い金属である場合は、不活性雰囲気、例えばN2雰囲気中での取り扱いが必要となる。
はんだ29には、本実施形態ではSn42%、Bi58%のクリームはんだが使用され、このはんだの融点は139℃となっている。なお、これに限らず、例えばSn―Ag−Cu系、Sn―Cu系の合金などの各種はんだを使用することができる。なお、本実施形態におけるはんだ29の層の厚さは、約10.0μmとされている。
電極210は、約1.0μm厚のNiまたはNi合金による下地と、約0.1μm厚のAuまたはAu合金によるはんだのぬれ性の良い表層被膜とを有している。なお、電極210の表層被膜は、AuやAu合金の被膜に限らず、PdおよびAgの合金等や、Niや、Cuなどであってもよい。但し、電極210の表層被膜がNiや、Cu等、非常に酸化し易い金属である場合は、不活性雰囲気、例えばN2雰囲気中での取り扱いが必要となる。
はんだ29には、本実施形態ではSn42%、Bi58%のクリームはんだが使用され、このはんだの融点は139℃となっている。なお、これに限らず、例えばSn―Ag−Cu系、Sn―Cu系の合金などの各種はんだを使用することができる。なお、本実施形態におけるはんだ29の層の厚さは、約10.0μmとされている。
[4−2.補強板の構成]
図3に戻り、補強板22は、本実施形態ではSUS301で形成され、圧電素子21が積層される部分である略矩形状の補強板本体221と、補強板本体221の各短辺部のそれぞれに設けられる突起部222A,222Bと、補強板本体221の各長辺部のそれぞれに設けられる一対の支持取付部223,223とを有している。突起部222A,222B、および支持取付部223,223はいずれも、補強板本体221から平面方向に突出する突出部に相当する。
ここで、補強板22には、Auを表層とする金属皮膜が表面および裏面のそれぞれに形成された基材(既めっき材)が使用され、この基材のプレスにより、補強板本体221と、突起部222A,222Bと、支持取付部223,223とは一体に形成されている。
このような補強板22の表面および裏面には、図4、図5に示すように、金属被膜としての電極220,220がそれぞれ形成されている。一方、補強板22の側面22L(図4)には、SUS301基材の素地が露出している。
なお、補強板22の熱伝導率は15W/m・℃となっている。
図3に戻り、補強板22は、本実施形態ではSUS301で形成され、圧電素子21が積層される部分である略矩形状の補強板本体221と、補強板本体221の各短辺部のそれぞれに設けられる突起部222A,222Bと、補強板本体221の各長辺部のそれぞれに設けられる一対の支持取付部223,223とを有している。突起部222A,222B、および支持取付部223,223はいずれも、補強板本体221から平面方向に突出する突出部に相当する。
ここで、補強板22には、Auを表層とする金属皮膜が表面および裏面のそれぞれに形成された基材(既めっき材)が使用され、この基材のプレスにより、補強板本体221と、突起部222A,222Bと、支持取付部223,223とは一体に形成されている。
このような補強板22の表面および裏面には、図4、図5に示すように、金属被膜としての電極220,220がそれぞれ形成されている。一方、補強板22の側面22L(図4)には、SUS301基材の素地が露出している。
なお、補強板22の熱伝導率は15W/m・℃となっている。
突起部222Aは、ロータ25(図2)の外周面に対して所定の力で当接するように、ロータ25との相対位置が設定されており、この突起部222Aとロータ25側面との間に適切な摩擦力が発生することで、圧電振動体20Aの振動がロータ25に伝達されるようになっている。すなわち、突起部222Aはロータ25に当接される当接部となっている。この突起部222Aは、補強板本体221とは別部材で形成されていてもよい。
なお、もう一方の突起部222Bは、カウンタとして設けられている。
なお、もう一方の突起部222Bは、カウンタとして設けられている。
各支持取付部223は、補強板本体221に連設される括れ部223Aと、ビス12A(図2)で基台12に取り付けられる取付部223Bとを有し、圧電素子21を支持している。取付部223Bには、ビス12Aが挿通される固定孔223Cと、位置決め孔223Dとが形成されている。
各支持取付部223における括れ部223Aは、圧電振動体20Aにおける振動の節の位置(圧電振動体20Aの平面中心)の近傍で、圧電振動体20Aの幅方向両側にそれぞれ設けられている。
また、支持取付部223における括れ部223A、および突起部222A,222Bの表面にはそれぞれ、エポキシ系絶縁樹脂による絶縁性部材220Zが印刷されている。
各支持取付部223における括れ部223Aは、圧電振動体20Aにおける振動の節の位置(圧電振動体20Aの平面中心)の近傍で、圧電振動体20Aの幅方向両側にそれぞれ設けられている。
また、支持取付部223における括れ部223A、および突起部222A,222Bの表面にはそれぞれ、エポキシ系絶縁樹脂による絶縁性部材220Zが印刷されている。
[5.圧電アクチュエータの電気的構成]
図6は、圧電アクチュエータ20における電気的構成の概念図である。圧電素子21に設けられた各電極211〜215は、リード基板27を介して駆動回路20Xに接続されている。他方、補強板22は、取付部223B(図3)に設けられた図示しないリード線などで、駆動回路20Xに接続されている。
補強板22は、各圧電素子21,21の共通の電極としてGNDに接続され、駆動回路20Xにより、一方の圧電素子21の各電極211〜215と補強板22との間、および他方の圧電素子21の各電極211〜215と補強板22との間のそれぞれに交流電圧が印加される。なお、各電極211〜215は後述するように選択的に用いられるが、各圧電素子21にそれぞれ設けられた同じ電極同士、すなわち電極211,211、電極212,212、電極213,213、電極214,214、電極215,215にはそれぞれ、同時に同電位が印加される。
図6は、圧電アクチュエータ20における電気的構成の概念図である。圧電素子21に設けられた各電極211〜215は、リード基板27を介して駆動回路20Xに接続されている。他方、補強板22は、取付部223B(図3)に設けられた図示しないリード線などで、駆動回路20Xに接続されている。
補強板22は、各圧電素子21,21の共通の電極としてGNDに接続され、駆動回路20Xにより、一方の圧電素子21の各電極211〜215と補強板22との間、および他方の圧電素子21の各電極211〜215と補強板22との間のそれぞれに交流電圧が印加される。なお、各電極211〜215は後述するように選択的に用いられるが、各圧電素子21にそれぞれ設けられた同じ電極同士、すなわち電極211,211、電極212,212、電極213,213、電極214,214、電極215,215にはそれぞれ、同時に同電位が印加される。
駆動回路20Xは、図示しないメイン基板に実装され、圧電素子21,21に交流電圧を印加する電圧印加部と、圧電振動体20Aの振動状態を検出する振動検出部とを有する。また、駆動回路20Xには、ロータ25の回転方向に応じて、各電極211〜215を電圧印加装置または振動検出装置のいずれかに通電するセレクタが設けられている。駆動回路20Xの電圧印加部が印加する電圧の波形は特に限定されず、例えばサイン波、矩形状波、台形波などが採用される。
本実施形態では、駆動回路20Xの電圧印加部が発振する駆動信号の位相は単相であり、電極211〜215および補強板22には、同じ位相の駆動信号が供給される。
ここで、圧電振動体20Aは、突起部222A(図7)が良好な振動軌跡を描き、ロータ25を高効率で駆動可能なように、圧電素子21,21の縦横寸法の長さ比や厚みなどが設計されており、このように設計された圧電振動体20Aについて、駆動電圧の周波数が設定される。この駆動周波数は、圧電振動体20Aの振動時における縦振動の共振点と屈曲振動の共振点とが互いに近接するように設定される。
ここで、圧電振動体20Aは、突起部222A(図7)が良好な振動軌跡を描き、ロータ25を高効率で駆動可能なように、圧電素子21,21の縦横寸法の長さ比や厚みなどが設計されており、このように設計された圧電振動体20Aについて、駆動電圧の周波数が設定される。この駆動周波数は、圧電振動体20Aの振動時における縦振動の共振点と屈曲振動の共振点とが互いに近接するように設定される。
[6.圧電アクチュエータの動作]
図7を参照して、圧電アクチュエータ20の動作を説明する。
本実施形態の圧電アクチュエータ20では、電極211〜215を使い分けることにより、ロータ25(図2)を正方向R+または逆方向R−に駆動してクロノグラフ秒針7A(図1)を正方向および逆方向のいずれの方向にも駆動することが可能である。
圧電素子21の略中央で長手方向に延びる電極213には、ロータ25の正方向R+の回転時にも逆方向R−への回転時にも電位が印加される。また、一方の対角線上に配置された電極211,215には、ロータ25の正方向R+の回転時にのみ、電位が印加され、他方の対角線上に配置された電極212,214には、ロータ25の正方向R−の回転時にのみ電位が印加される。
なお、ロータ25の正転逆転に応じて、電位が印加されない電極211,215あるいは電極212,214は、圧電アクチュエータ20の振動状態を電圧信号として取り出す検出電極として使用される。振動検出信号は、補強板22の電位を基準信号として、この基準信号に対する電極211,215の電位の差、あるいは基準信号に対する電極212,214の電位の差である差動信号として検出される。
図7を参照して、圧電アクチュエータ20の動作を説明する。
本実施形態の圧電アクチュエータ20では、電極211〜215を使い分けることにより、ロータ25(図2)を正方向R+または逆方向R−に駆動してクロノグラフ秒針7A(図1)を正方向および逆方向のいずれの方向にも駆動することが可能である。
圧電素子21の略中央で長手方向に延びる電極213には、ロータ25の正方向R+の回転時にも逆方向R−への回転時にも電位が印加される。また、一方の対角線上に配置された電極211,215には、ロータ25の正方向R+の回転時にのみ、電位が印加され、他方の対角線上に配置された電極212,214には、ロータ25の正方向R−の回転時にのみ電位が印加される。
なお、ロータ25の正転逆転に応じて、電位が印加されない電極211,215あるいは電極212,214は、圧電アクチュエータ20の振動状態を電圧信号として取り出す検出電極として使用される。振動検出信号は、補強板22の電位を基準信号として、この基準信号に対する電極211,215の電位の差、あるいは基準信号に対する電極212,214の電位の差である差動信号として検出される。
具体的に、ロータ25が正方向R+に回転される際には、電極213と電極211,215とに電位が印加され、圧電素子21,21はこれら電極211,213,215の領域において長手方向に伸縮し、圧電振動体20Aは長手方向に沿って縦一次振動を励振する。この際、電極211,215の配置により、圧電振動体20Aの平面中心を軸として図7中、時計回りにモーメントが生じ、圧電振動体20Aは幅方向に屈曲変位する屈曲二次振動を誘発する。圧電アクチュエータ20は、これら縦振動および屈曲振動が合成された混合モードで励振する。この縦振動と屈曲振動との位相差により、突起部222Aは楕円軌道+を描き、この楕円軌道+との接線方向にロータ25(図2)が正方向R+に駆動される。このロータ25の回転を通じてクロノグラフ秒針7Aが正方向に回転駆動される。
この際、電極212,214は駆動回路20Xの振動検出部に接続されており、電極212,214から検出された振動状態に基いて、駆動回路20Xの電圧印加部が出力する駆動電圧の周波数が可変に制御される。
この際、電極212,214は駆動回路20Xの振動検出部に接続されており、電極212,214から検出された振動状態に基いて、駆動回路20Xの電圧印加部が出力する駆動電圧の周波数が可変に制御される。
一方、ロータ25が逆方向に回転される際には、電極213と電極212,214とに電位が印加され、電極211,215は駆動制御装置の振動検出部に接続される。
ここで、電極212,214の配置により、圧電振動体20Aには図7中、反時計回りにモーメントが生じ、突起部222Aは楕円軌道−を描く。これにより、ロータ25は逆方向R−に回転駆動され、クロノグラフ秒針7Aが逆方向に回転駆動される。
ここで、電極212,214の配置により、圧電振動体20Aには図7中、反時計回りにモーメントが生じ、突起部222Aは楕円軌道−を描く。これにより、ロータ25は逆方向R−に回転駆動され、クロノグラフ秒針7Aが逆方向に回転駆動される。
[7.圧電振動体の製造方法および製造装置]
次に、図8〜図10を参照し、圧電振動体20Aの製造方法および製造装置について説明する。
なお、圧電素子21および補強板22をそれぞれ、予め製作しておく。圧電素子21を製作する際は、厚さ0.15mmのPZT基材に電極210や電極211〜215を形成した後、この基材をダイシングして個々の圧電素子21に個片化する。一方、補強板22は、前述のように既めっき材である基材からプレス成形する。
次に、図8〜図10を参照し、圧電振動体20Aの製造方法および製造装置について説明する。
なお、圧電素子21および補強板22をそれぞれ、予め製作しておく。圧電素子21を製作する際は、厚さ0.15mmのPZT基材に電極210や電極211〜215を形成した後、この基材をダイシングして個々の圧電素子21に個片化する。一方、補強板22は、前述のように既めっき材である基材からプレス成形する。
[7−1.はんだの印刷]
図8(A)は、圧電素子21における補強板22との接合面を示す。前述のように、圧電素子21における接合面には電極210が形成されており、本実施形態では、この電極210の表面にスクリーン印刷によってはんだ29を島状に配置する。はんだ29は、図8(B)に示すように電極210の表面にスクリーンの厚み(本実施形態では0.03mm)に応じた高さで配置される(図8でははんだ29の厚みが誇張されている)。
このようなはんだ29のスクリーン印刷は、各圧電素子21,21のそれぞれに同様にして行う。
図8(A)は、圧電素子21における補強板22との接合面を示す。前述のように、圧電素子21における接合面には電極210が形成されており、本実施形態では、この電極210の表面にスクリーン印刷によってはんだ29を島状に配置する。はんだ29は、図8(B)に示すように電極210の表面にスクリーンの厚み(本実施形態では0.03mm)に応じた高さで配置される(図8でははんだ29の厚みが誇張されている)。
このようなはんだ29のスクリーン印刷は、各圧電素子21,21のそれぞれに同様にして行う。
[7−2.圧電素子と補強板との積層態様]
図9は、圧電振動体20Aの分解斜視図であり、はんだ29が配置された各圧電素子21,21と補強板22とが積層される態様を示す。すなわち、電極210が形成された面と、電極220が形成された面とをそれぞれの接合面として、圧電素子21と補強板22とははんだ29によって接合される。
なお、本実施形態では、圧電素子21の電極210は圧電素子21における接合面の全面に形成され、補強板22の電極220も、補強板22における接合面の全面に形成されている。ここで、圧電素子21における補強板22との接合部は電極210であり、補強板22における圧電素子21との接合部は電極220となっている。
図9は、圧電振動体20Aの分解斜視図であり、はんだ29が配置された各圧電素子21,21と補強板22とが積層される態様を示す。すなわち、電極210が形成された面と、電極220が形成された面とをそれぞれの接合面として、圧電素子21と補強板22とははんだ29によって接合される。
なお、本実施形態では、圧電素子21の電極210は圧電素子21における接合面の全面に形成され、補強板22の電極220も、補強板22における接合面の全面に形成されている。ここで、圧電素子21における補強板22との接合部は電極210であり、補強板22における圧電素子21との接合部は電極220となっている。
[7−3.製造装置の構成]
図10は、圧電振動体20Aの製造に使用される製造装置を示す。この製造装置は、圧電振動体20Aが略水平に載置される載置部30と、温度上昇装置としての加熱装置31と、断熱部材32と、加圧治具351,352を含んで構成される加圧装置35とを備えている。
本実施形態では、加熱装置31と加圧装置35とはそれぞれ独立して構成されており、加熱装置31による加熱工程と、加圧装置35による加圧工程とは、適宜なタイミングでそれぞれ実施される。圧電素子21,21と補強板22との接合工程は、これら加熱工程と加圧工程とを備えている。
図10は、圧電振動体20Aの製造に使用される製造装置を示す。この製造装置は、圧電振動体20Aが略水平に載置される載置部30と、温度上昇装置としての加熱装置31と、断熱部材32と、加圧治具351,352を含んで構成される加圧装置35とを備えている。
本実施形態では、加熱装置31と加圧装置35とはそれぞれ独立して構成されており、加熱装置31による加熱工程と、加圧装置35による加圧工程とは、適宜なタイミングでそれぞれ実施される。圧電素子21,21と補強板22との接合工程は、これら加熱工程と加圧工程とを備えている。
載置部30には、加圧治具351,352のうち下方に配置される加圧治具352が収容される凹部301が形成されている。この凹部301の開口端部は平面視で矩形状とされ、この開口端部の段差部301Aに圧電振動体20Aの外周部が載置される。本実施形態では、段差部301Aの周囲に、圧電素子21,21と補強板22との位置を揃える位置決めピン302が立設されている。
加熱装置31はヒーターを内蔵し、このヒーターの発熱部である熱源部311が補強板22における突出部、例えば支持取付部223に当接される。なお、他の突出部である突起部222A,222Bに熱源部311が当接されてもよい。熱源部311は支持取付部223の上面に当接され、支持取付部223は下面側から断熱部材32によって支持される。
熱源部311は弾性部材311Aを有して構成されており、この弾性部材311Aは熱源部311において支持取付部223に当接される位置に設けられている。なお、弾性部材311Aは熱伝導率が良い材質、例えば、テフロン(登録商標)で形成されており、弾性部材311Aが支持取付部223に密着することで、熱源部311の熱が弾性部材311Aを介して補強板22に良好に伝達される。
なお、弾性部材311Aの熱伝導率は、熱源部311の熱が弾性部材311Aを介して補強板22に良好に伝達されるように高いことが好ましい。
熱源部311は弾性部材311Aを有して構成されており、この弾性部材311Aは熱源部311において支持取付部223に当接される位置に設けられている。なお、弾性部材311Aは熱伝導率が良い材質、例えば、テフロン(登録商標)で形成されており、弾性部材311Aが支持取付部223に密着することで、熱源部311の熱が弾性部材311Aを介して補強板22に良好に伝達される。
なお、弾性部材311Aの熱伝導率は、熱源部311の熱が弾性部材311Aを介して補強板22に良好に伝達されるように高いことが好ましい。
そして、加圧装置35は、圧電素子21,21と補強板22とを加圧する加圧治具351,352を有して構成されている。これらの加圧治具351,352は、積層体としての圧電振動体20Aの積層方向両側にそれぞれ設けられている。
上方に配置される加圧治具351には、圧電素子21と対向する位置にテフロンなどで形成された弾性部材350が設けられている。なお、加圧治具351の平面部351Aの寸法は、圧電素子21の平面寸法と同等またはそれよりも大きく形成され、弾性部材350は、平面部351Aの略全面に設けられている。
上方に配置される加圧治具351には、圧電素子21と対向する位置にテフロンなどで形成された弾性部材350が設けられている。なお、加圧治具351の平面部351Aの寸法は、圧電素子21の平面寸法と同等またはそれよりも大きく形成され、弾性部材350は、平面部351Aの略全面に設けられている。
下方に配置される加圧治具352は、圧電素子21に当接される第1部材352Aと、圧縮バネ352Cで支持され第1部材352Aの凸状曲面352Rを受ける第2部材352Bとを有し、倣い部材として構成されている。
第1部材352Aには、加圧治具351と同様にテフロンなどで形成された弾性部材350が設けられている。この第1部材352Aは、載置部30に圧電素子21や補強板22が載置されていない状態で段差部301A下面から上方側に突出しており、段差部301Aに圧電素子21,21と補強板22とが載置された状態で加圧治具351を下降させると、加圧治具351,352の間で圧電素子21,21と補強板22とが加圧される。
第1部材352Aには、加圧治具351と同様にテフロンなどで形成された弾性部材350が設けられている。この第1部材352Aは、載置部30に圧電素子21や補強板22が載置されていない状態で段差部301A下面から上方側に突出しており、段差部301Aに圧電素子21,21と補強板22とが載置された状態で加圧治具351を下降させると、加圧治具351,352の間で圧電素子21,21と補強板22とが加圧される。
[7−4.加熱および加圧]
圧電振動体20Aの圧電素子21,21と補強板22とを接合する接合工程では、載置部30の上に圧電素子21、補強板22、圧電素子21を順次積層し、加圧治具351を下降させて圧電素子21,21と補強板22とを加圧する加圧工程を実施する。この際、第1部材352Aの曲面352Rとバネ352Cとによって第1部材352Aが圧電素子21の表面に倣い、これによって圧電素子21,21と補強板22とのそれぞれの接合面が平行となる。
圧電振動体20Aの圧電素子21,21と補強板22とを接合する接合工程では、載置部30の上に圧電素子21、補強板22、圧電素子21を順次積層し、加圧治具351を下降させて圧電素子21,21と補強板22とを加圧する加圧工程を実施する。この際、第1部材352Aの曲面352Rとバネ352Cとによって第1部材352Aが圧電素子21の表面に倣い、これによって圧電素子21,21と補強板22とのそれぞれの接合面が平行となる。
この加圧工程と前後して、または並行して、加熱装置31の熱源部311を一方の支持取付部223に当接させ、加熱工程を行う。このように本実施形態では一方の支持取付部223のみに加熱装置31を当接させ、この一方の支持部223を介して加熱を行っているが、各支持部223,223のそれぞれに加熱装置の熱源部を当接させるなどして、両方の支持部223,223のそれぞれを介して加熱を行っても良い。
この支持取付部223への加熱により、熱源部311の熱が支持取付部223から弾性部材311Aを介して補強板22全体に迅速に伝達され、補強板22と圧電素子21との間に配置されたはんだ29(図5参照)が溶融する。なお、断熱部材32により、熱源部311からの熱が補強板22に確実に伝達される。
ここで、補強板22の熱伝導率は1〜15W/m・℃と高いため非常に短時間ではんだ29を溶融させることが可能となる。また、加熱装置31による加熱温度は、はんだ29の融点である139℃に対応して決められており、はんだ29の融点は圧電素子21のキュリー点の半分以下となっているので、加熱時に圧電素子21の特性が劣化しない。
なお、溶融したはんだ29の表面張力により、補強板22および圧電素子21がはんだ29の位置に案内されるため、圧電素子21と補強板22との位置が決まり易い。本実施形態では、この溶融はんだによるセルフアライメントと、載置部30に立設された位置決めピン302とを圧電素子21と補強板22との位置決めに併用している。
この支持取付部223への加熱により、熱源部311の熱が支持取付部223から弾性部材311Aを介して補強板22全体に迅速に伝達され、補強板22と圧電素子21との間に配置されたはんだ29(図5参照)が溶融する。なお、断熱部材32により、熱源部311からの熱が補強板22に確実に伝達される。
ここで、補強板22の熱伝導率は1〜15W/m・℃と高いため非常に短時間ではんだ29を溶融させることが可能となる。また、加熱装置31による加熱温度は、はんだ29の融点である139℃に対応して決められており、はんだ29の融点は圧電素子21のキュリー点の半分以下となっているので、加熱時に圧電素子21の特性が劣化しない。
なお、溶融したはんだ29の表面張力により、補強板22および圧電素子21がはんだ29の位置に案内されるため、圧電素子21と補強板22との位置が決まり易い。本実施形態では、この溶融はんだによるセルフアライメントと、載置部30に立設された位置決めピン302とを圧電素子21と補強板22との位置決めに併用している。
ここで、補強板22の側面22L(図9)には補強板22の素地が露出しており、はんだ29はこの側面22Lにはぬれないため、圧電素子21の接合部(電極210)と補強板22の接合部(電極220)との間から補強板22の側面22Lにはんだ(主としてフラックス)が流出しにくい(図5参照)。また、はんだは絶縁性部材220Z(図3)にもぬれないため、この絶縁性部材220Zが設けられた支持取付部223や突起部222A,222Bにはんだ29がはみ出さない。
圧電素子21と補強板22とは、はんだ29が電極210,220(図9)のそれぞれの表面と合金化することによって接合される。
圧電素子21と補強板22とは、はんだ29が電極210,220(図9)のそれぞれの表面と合金化することによって接合される。
[8.本実施形態による効果]
以上の本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
以上の本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
(1)圧電素子21,21と補強板22とをはんだ29で接合するにあたり、圧電素子21,21と補強板22との間にはんだ29を配置した状態で補強板22の支持取付部223に加熱装置31の熱源部311を当接させる構成とした。補強板22の熱伝導率は高く、熱源部311の熱が支持取付部223から補強板22の全体に迅速に伝達されるため、圧電素子21,21と補強板22との間のはんだ29が溶融して硬化するまでの加熱時間を大幅に短縮できる。
また、加熱装置31で直接加熱されるのは補強板22の一部であって、圧電素子21,21は直接加熱されないため、接合時における圧電素子21,21への熱影響を小さくでき、圧電素子の特性が劣化しない。
すなわち、加熱時間を大幅に短縮でき、かつ、接合時の温度上昇によって圧電素子21,21の特性が劣化することを防止できる。
また、加熱装置31で直接加熱されるのは補強板22の一部であって、圧電素子21,21は直接加熱されないため、接合時における圧電素子21,21への熱影響を小さくでき、圧電素子の特性が劣化しない。
すなわち、加熱時間を大幅に短縮でき、かつ、接合時の温度上昇によって圧電素子21,21の特性が劣化することを防止できる。
(2)補強板22の一部からの熱伝導によって補強板22の全体が略均一な温度となるので、圧電素子21,21と補強板22とのそれぞれの間のはんだ29が全体的に加熱される。これにより、補強板22の表面側と裏面側との加熱温度を均一に加熱する加熱機構などを設けることが不要となるので、装置構成を簡略化できる。
(3)また、加熱装置31は補強板22の支持取付部223に当接され、加圧装置35は圧電素子21,21にそれぞれ当接されるので、加熱装置31と加圧装置35とのそれぞれの構成を分離することが可能となる。すなわち、これら加熱装置31と加圧装置35とを同一の装置に構成しなくてもよいため、これら加熱装置31と加圧装置35とを同一の装置に具備させる際に生じる加熱条件や加圧構造での制約を受けることなく、装置を簡略に構成することができる。
(4)加圧治具351,352のそれぞれに設けられた弾性部材350により、加圧時の圧電素子21,21における応力が緩和されるので、圧電素子21,21の割れを防止できる。
(5)補強板22の一部を直接加熱することで補強板22の両面側が略均一な温度となり、補強板22の両面側ではんだ29が略同時に溶融して硬化するので、補強板22に2つの圧電素子21,21を同等の加熱条件で容易に接合できる。
(6)補強板本体221から突出した突出部としての支持取付部223に加熱装置31を当接させているため、圧電素子21,21への熱影響を極力小さくできる。
(7)また、加圧治具352における第1部材352Aが圧電素子21の形状に倣うので、圧電素子21,21や補強板22の形状に誤差があったり、圧電素子21,21の表面等に微小な凸部があるような場合でも、圧電素子21,21における接合面と補強板22における接合面とを平行にすることができる。このため、圧電素子21,21と補強板22とを加圧した際に圧電素子21,21が割れることを防止できる。
(8)圧電素子21,21と補強板22とをはんだ29によって接合しているため、はんだ29と圧電素子21,21の表面、そしてはんだ29と補強板22の表面とがそれぞれ金属結合となり、分子間力に基づく接着の場合よりも高い結合力を得ることができる。これにより、接合の長期信頼性を確保できる。
また、圧電素子21,21の熱がはんだ29を介して補強板22に放熱され、さらには補強板22が取り付けられた圧電アクチュエータユニット10(図2)、圧電アクチュエータユニット10が取り付けられた地板、そして時計1の外装ケースへと放熱されるため、自己発熱による圧電素子21,21の特性劣化を防止できる。なお、Snの熱伝導率は68W/m・kと高いため、圧電素子21,21の熱ははんだと電極210,220との合金層を経由して効率よく放熱される。
さらに、加熱により溶融したはんだが圧電素子21,21と補強板22とに全面的に接触するので、圧電素子21,21と補強板22との導通が極めて安定し、電気的に安定した導通抵抗が得られる。
また、圧電素子21,21の熱がはんだ29を介して補強板22に放熱され、さらには補強板22が取り付けられた圧電アクチュエータユニット10(図2)、圧電アクチュエータユニット10が取り付けられた地板、そして時計1の外装ケースへと放熱されるため、自己発熱による圧電素子21,21の特性劣化を防止できる。なお、Snの熱伝導率は68W/m・kと高いため、圧電素子21,21の熱ははんだと電極210,220との合金層を経由して効率よく放熱される。
さらに、加熱により溶融したはんだが圧電素子21,21と補強板22とに全面的に接触するので、圧電素子21,21と補強板22との導通が極めて安定し、電気的に安定した導通抵抗が得られる。
(9)なお、圧電アクチュエータ20には、磁気の影響を受けない、応答性が高く微小送りが可能、小型化・薄型化に有利、高トルク、保持トルク大(無通電であってもロータ位置が保持される)などの利点もある。
(10)また、圧電アクチュエータ20は薄型であるため、薄型化が重要課題とされる時計への組み込みに好適であり、また、圧電素子21,21が電気的にパラレルに接続されることによって低電圧で大きな変位を得ることができるから、電池で駆動される電子時計への適用は特に好適となる。
(11)圧電アクチュエータ20の放熱性が格段に向上しているので、秒針を連続的に駆動したり、大パワーを投入して負荷の大きい重厚な部材を駆動することなどを特に好適に行うことができる。また、接合の長期信頼性が高く、圧電素子21,21と補強板22との剥離が生じないため、製品の信頼性を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態は、加熱工程および加圧工程における圧電振動体の姿勢が第1実施形態とは相違する。
図11は、本実施形態における圧電振動体20Aの製造装置を示す。この製造装置は、圧電振動体20Aを保持する鉛直保持部材40,40と、2つの加熱装置31,31と、加圧治具352,352を含んで構成される加圧装置45と、補強板22の鉛直方向下側に設けられる治具46とを備えている。
ここで、鉛直保持部材40,40は、圧電素子21の接合面21Aと補強板22の接合面22Aとのそれぞれが鉛直方向にほぼ沿うように、圧電振動体20Aを保持する。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態は、加熱工程および加圧工程における圧電振動体の姿勢が第1実施形態とは相違する。
図11は、本実施形態における圧電振動体20Aの製造装置を示す。この製造装置は、圧電振動体20Aを保持する鉛直保持部材40,40と、2つの加熱装置31,31と、加圧治具352,352を含んで構成される加圧装置45と、補強板22の鉛直方向下側に設けられる治具46とを備えている。
ここで、鉛直保持部材40,40は、圧電素子21の接合面21Aと補強板22の接合面22Aとのそれぞれが鉛直方向にほぼ沿うように、圧電振動体20Aを保持する。
鉛直保持部材40,40のそれぞれにおける鉛直方向上下には、圧電素子21,21と補強板22との積層体の端部を保持する段差部411,412がそれぞれ形成されている。これらの段差部411,412が形成された部分は、補強板22の支持取付部223,223が鉛直保持部材40,40の外側にそれぞれ突出する開口部とされており、鉛直方向下側の支持取付部223の端部が治具46に接触する。ここで、治具46へのセットの容易さを考慮して、鉛直保持部材40,40に保持された状態の圧電振動体20Aの姿勢は鉛直方向から少し外れており、圧電素子21,21の接合面21Aおよび補強板22の接合面22Aのそれぞれは、鉛直方向にほぼ沿っている。
本実施形態では、加熱装置31,31が補強板22の支持取付部223の両面側にそれぞれ当接される。また、加圧装置45は、いずれも倣い部材として機能する2つの加圧治具352,352から構成され、圧電振動体20Aはこれらの加圧治具352,352によって両側から加圧される。すなわち、圧電振動体20Aが鉛直方向に保持される本実施形態では、加熱装置31,31や加圧治具352,352を圧電振動体20Aの両側に対称に設けることで、圧電振動体20Aへの加重のバランスをとり、圧電振動体20Aの鉛直姿勢を維持するようになっている。
ここで、治具46の表面は、はんだとのぬれ性の良い加工がされており、本実施形態ではAuを表層とする金属被膜461(図13)を治具46の表面に形成している。なお、Auに限らず、PdおよびAgの合金等でもよい。図12に、補強板22の鉛直方向下側の支持取付部223がこの治具46に接触した状態を示す。
ここで、治具46の表面は、はんだとのぬれ性の良い加工がされており、本実施形態ではAuを表層とする金属被膜461(図13)を治具46の表面に形成している。なお、Auに限らず、PdおよびAgの合金等でもよい。図12に、補強板22の鉛直方向下側の支持取付部223がこの治具46に接触した状態を示す。
本実施形態では、図11に示すように、圧電素子21と補強板22とを積層した状態で鉛直保持部材40,40に保持させ、この際、治具46に一方の支持取付部223を接触させる。そして、加圧治具352、352の一方を圧電振動体20Aの一方の圧電素子21に当接させてから、他方の加圧治具352を他方の圧電素子21に当接させ、これら加圧治具352,352の間で圧電素子21,21と補強板22とを加圧する。加圧治具352,352のそれぞれの第1部材352A,352Aが圧電素子21,21の表面に倣うことにより、圧電素子21,21における各接合面21Aと、補強板22の接合面22Aとはそれぞれ、略鉛直方向に沿って延出する。
一方、加熱装置31,31のそれぞれの熱源部311を鉛直方向上側の支持取付部223の両面側に当接させることで、加熱を行う。この支持取付部223からの熱伝導によって補強板22の全体が迅速に加熱され、補強板22と圧電素子21との間のはんだが短時間で溶融する。
図13は、図11の部分拡大図であり、はんだ29が溶融すると圧電素子21と補強板22との間からはんだ中のフラックスまたは余分のはんだの少なくとも一方が鉛直方向下側に流出し、鉛直方向下側に位置する支持取付部223を介して治具46に流れる。この際、補強板22におけるはんだとのぬれ性よりも、金属被膜461が形成された治具46表面におけるはんだとのぬれ性の方が良いため、支持取付部223に流れたフラックスまたは余分のはんだ(流出部291)は治具46に案内される。
ここで、はんだが含有するフラックスとは、相手材と合金層を形成するはんだ中の接合材(例えばSn)を互いに繋ぐ部材のことを言う。なお、図13〜図15に示した流出部291は、圧電素子21と補強板22との間から流れたフラックス、または相手材と合金化せずに圧電素子21と補強部材22との間から排出された余分のはんだ、の一方または両方を指している。
このように、圧電素子21の接合面21Aと補強板22の接合面22Aとが鉛直方向に略沿っていることから、はんだの流出部291が圧電素子21,21や補強板22の表面などに回り込まず、鉛直方向下側の支持取付部223を介してはんだ29を治具46に積極的に流すことが可能となる。
ここで、図12に示すように、鉛直方向下側の支持取付部223に比べて、この鉛直方向下側の支持取付部223以外の突出部、すなわち鉛直方向上側の支持取付部223や、突起部222A,222Bにははんだ29が流れにくい。
また、第1実施形態と同様、補強板22の側面はSUSの素地となっており、はんだがぬれないことと、絶縁性部材220Z(図3)が設けられた括れ部223Aにははんだがぬれないこととは、第1実施形態と同様である。
図13は、図11の部分拡大図であり、はんだ29が溶融すると圧電素子21と補強板22との間からはんだ中のフラックスまたは余分のはんだの少なくとも一方が鉛直方向下側に流出し、鉛直方向下側に位置する支持取付部223を介して治具46に流れる。この際、補強板22におけるはんだとのぬれ性よりも、金属被膜461が形成された治具46表面におけるはんだとのぬれ性の方が良いため、支持取付部223に流れたフラックスまたは余分のはんだ(流出部291)は治具46に案内される。
ここで、はんだが含有するフラックスとは、相手材と合金層を形成するはんだ中の接合材(例えばSn)を互いに繋ぐ部材のことを言う。なお、図13〜図15に示した流出部291は、圧電素子21と補強板22との間から流れたフラックス、または相手材と合金化せずに圧電素子21と補強部材22との間から排出された余分のはんだ、の一方または両方を指している。
このように、圧電素子21の接合面21Aと補強板22の接合面22Aとが鉛直方向に略沿っていることから、はんだの流出部291が圧電素子21,21や補強板22の表面などに回り込まず、鉛直方向下側の支持取付部223を介してはんだ29を治具46に積極的に流すことが可能となる。
ここで、図12に示すように、鉛直方向下側の支持取付部223に比べて、この鉛直方向下側の支持取付部223以外の突出部、すなわち鉛直方向上側の支持取付部223や、突起部222A,222Bにははんだ29が流れにくい。
また、第1実施形態と同様、補強板22の側面はSUSの素地となっており、はんだがぬれないことと、絶縁性部材220Z(図3)が設けられた括れ部223Aにははんだがぬれないこととは、第1実施形態と同様である。
本実施形態によれば、第1実施形態で述べた効果に加えて、次のような効果を奏する。
(12)圧電素子21,21と補強板22との接合時に、これら圧電素子21,21と補強板22とが略鉛直方向に沿った姿勢に保持されるので、はんだ29が圧電素子21,21および補強板22のそれぞれの接合面21A,22Aの延出方向に沿って鉛直方向下側に流れ落ちる。これにより、圧電素子21,21や補強板22の表面などにはんだが回り込まないので、振動特性のシフト、ばらつきなどを防止できる。
(13)また、はんだとのぬれ性が良い治具46を補強板22の鉛直下側の支持取付部223に接触させたので、圧電素子21,21と補強板22との間から流れ落ちたはんだの流出部291がこの治具46へと案内される。すなわち、はんだ29を圧電振動体20Aの外側に流すことができるので、圧電振動体20Aの外周部にはんだの流出部291が付着して振動特性がシフト、ばらつくなどの問題を回避できる。
(14)さらに、一方の支持取付部223を鉛直方向下側に配置したので、その他の突出部である他方の支持取付部223や突起部222A,222Bにははんだを流さないようにすることができる。これにより、振動特性のシフト、ばらつきなどを防止できる。
(15)治具46は、突出部としての支持取付部223に接触しており、このように圧電振動体20Aと治具46との接触面積が小さいため、はんだが治具46に固着した場合であっても、圧電振動体20Aを治具46から容易に取り外せる。
〔第1、第2実施形態の変形例〕
前記第1、第2実施形態でははんだが使用されていたが、はんだに置換して、加熱により硬化する熱硬化型接着剤を使用することもできる。すなわち、圧電素子21,21または補強板22の接合面に接着剤を塗布してこれら圧電素子21,21と補強板22とを積層し、加熱装置31の熱源部311を補強板22の一部に当接させると、圧電素子21,21と補強板22との間の接着剤の全体が乾燥硬化する。なお、接着剤による接着層は薄く均一に形成され、この接着層を通じて圧電素子21、補強板22のそれぞれの表面の微小な凹凸が接触することにより、圧電素子21,21と補強板22とが導通される。
ここで、熱硬化型接着剤には、はんだと比べて低温での硬化が可能な接着剤を選択することが好ましい。これにより、接合時の圧電素子21,21への熱ダメージをより減らすことが可能となる。
なお、本変形例では、圧電素子21,21の電極210(図9)と補強板22の電極220(図9)とは形成されていなくてもよい。
前記第1、第2実施形態でははんだが使用されていたが、はんだに置換して、加熱により硬化する熱硬化型接着剤を使用することもできる。すなわち、圧電素子21,21または補強板22の接合面に接着剤を塗布してこれら圧電素子21,21と補強板22とを積層し、加熱装置31の熱源部311を補強板22の一部に当接させると、圧電素子21,21と補強板22との間の接着剤の全体が乾燥硬化する。なお、接着剤による接着層は薄く均一に形成され、この接着層を通じて圧電素子21、補強板22のそれぞれの表面の微小な凹凸が接触することにより、圧電素子21,21と補強板22とが導通される。
ここで、熱硬化型接着剤には、はんだと比べて低温での硬化が可能な接着剤を選択することが好ましい。これにより、接合時の圧電素子21,21への熱ダメージをより減らすことが可能となる。
なお、本変形例では、圧電素子21,21の電極210(図9)と補強板22の電極220(図9)とは形成されていなくてもよい。
〔第2実施形態の第1変形例〕
また、図14は、前記第2実施形態の第1変形例を示す。
前記第2実施形態における治具46(図11、図12)に代えて、本変形例では金属製吸収剤471が設けられた治具47を使用する。ここで金属製吸収剤471とは、細い銅線を撚り平ワイヤー形状にしたものであり、例えばサンハヤト社製の商品名「ソルダーウイック」とされ、はんだやフラックスを吸収する吸収部材として機能する。この金属製吸収剤471は治具47に着脱可能に設けられ、新品のものに交換可能となっている。
本変形例では、圧電素子21,21と補強板22との間から流れ落ちたはんだの流出部291が金属製吸収剤471に吸収されるので、補強板22の鉛直方向下側の端部周辺にはんだが拡がらない。これにより、第2実施形態と同様、振動特性のシフトやばらつきを防止できる。
また、図14は、前記第2実施形態の第1変形例を示す。
前記第2実施形態における治具46(図11、図12)に代えて、本変形例では金属製吸収剤471が設けられた治具47を使用する。ここで金属製吸収剤471とは、細い銅線を撚り平ワイヤー形状にしたものであり、例えばサンハヤト社製の商品名「ソルダーウイック」とされ、はんだやフラックスを吸収する吸収部材として機能する。この金属製吸収剤471は治具47に着脱可能に設けられ、新品のものに交換可能となっている。
本変形例では、圧電素子21,21と補強板22との間から流れ落ちたはんだの流出部291が金属製吸収剤471に吸収されるので、補強板22の鉛直方向下側の端部周辺にはんだが拡がらない。これにより、第2実施形態と同様、振動特性のシフトやばらつきを防止できる。
〔第2実施形態の第2変形例〕
さらに、図15は、前記第2実施形態の第2変形例を示す。本変形例では、前記治具46(図13)や治具47(図14)を使用する代わりに、真空吸引を行う吸引装置48を圧電振動体20Aの鉛直方向下側に配置した。
本変形例では、圧電振動体20Aの鉛直方向下側に流れ落ちたはんだの流出部291が吸引装置48によって除去される。すなわち、圧電振動体20Aの外周部にはんだの流出部291が付着しないので、振動特性のシフトやばらつきを防止できる。なお、吸引装置48による吸引は、圧電振動体20Aとは非接触で行われる。
さらに、図15は、前記第2実施形態の第2変形例を示す。本変形例では、前記治具46(図13)や治具47(図14)を使用する代わりに、真空吸引を行う吸引装置48を圧電振動体20Aの鉛直方向下側に配置した。
本変形例では、圧電振動体20Aの鉛直方向下側に流れ落ちたはんだの流出部291が吸引装置48によって除去される。すなわち、圧電振動体20Aの外周部にはんだの流出部291が付着しないので、振動特性のシフトやばらつきを防止できる。なお、吸引装置48による吸引は、圧電振動体20Aとは非接触で行われる。
〔第2実施形態の第3変形例〕
次に、図16は、前記第2実施形態の第3変形例を示す。前記第2実施形態では、図12のように治具46を支持取付部223に接触させていたが、本変形例では、図16のように、支持取付部223ではなく圧電振動体20Aの側面部に治具491,492をそれぞれ接触させている。これらの治具491,492のそれぞれの表面には、はんだとのぬれ性の良い金属被膜(図示せず)が形成されている。
ここで、図16には圧電振動体20Aの屈曲振動の変位量が模式的に示されており、治具491,492は、屈曲振動の節A,A,Aのうち両端の節A,Aの近傍でそれぞれ圧電振動体20Aの側面に接触している。これにより、治具491,492に案内されたはんだが圧電振動体20Aの側面に付着したとしても、振動特性への影響を小さくできる。
次に、図16は、前記第2実施形態の第3変形例を示す。前記第2実施形態では、図12のように治具46を支持取付部223に接触させていたが、本変形例では、図16のように、支持取付部223ではなく圧電振動体20Aの側面部に治具491,492をそれぞれ接触させている。これらの治具491,492のそれぞれの表面には、はんだとのぬれ性の良い金属被膜(図示せず)が形成されている。
ここで、図16には圧電振動体20Aの屈曲振動の変位量が模式的に示されており、治具491,492は、屈曲振動の節A,A,Aのうち両端の節A,Aの近傍でそれぞれ圧電振動体20Aの側面に接触している。これにより、治具491,492に案内されたはんだが圧電振動体20Aの側面に付着したとしても、振動特性への影響を小さくできる。
〔第2実施形態の第4変形例〕
図17は、前記第2実施形態の第4変形例を示す。前記第2実施形態では、図12のように支持取付部223が鉛直方向下側に位置するように補強板22が配置されていたが、図17のように、突起部222Bを鉛直方向下側に向けて配置し、この突起部222Bに治具46を接触させてもよい。
ここで、突起部222A,222Bのいずれにもはんだが流れないことが好ましいが、突起部222Aにはんだが流れるとロータ25との摩擦抵抗に影響するおそれがあるため、カウンタとして設けられている突起部222Bを下側に向けている。なお、突起部222Bに付着するはんだの量を加味して突起部222Bの形状、寸法等を決めてもよい。
本変形例によれば、鉛直方向下側の突起部222Bを介してはんだが治具46に案内されるので、第2実施形態と略同様の効果を奏する。
図17は、前記第2実施形態の第4変形例を示す。前記第2実施形態では、図12のように支持取付部223が鉛直方向下側に位置するように補強板22が配置されていたが、図17のように、突起部222Bを鉛直方向下側に向けて配置し、この突起部222Bに治具46を接触させてもよい。
ここで、突起部222A,222Bのいずれにもはんだが流れないことが好ましいが、突起部222Aにはんだが流れるとロータ25との摩擦抵抗に影響するおそれがあるため、カウンタとして設けられている突起部222Bを下側に向けている。なお、突起部222Bに付着するはんだの量を加味して突起部222Bの形状、寸法等を決めてもよい。
本変形例によれば、鉛直方向下側の突起部222Bを介してはんだが治具46に案内されるので、第2実施形態と略同様の効果を奏する。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態は、第2実施形態と同様に圧電素子21,21の接合面と補強板22の接合面とを略鉛直方向に沿わせた状態で接合を行うが、加熱を行わない点で、前記各実施形態とは相違する。
図18は、本実施形態における製造装置を示す。この製造装置は、第2実施形態(図11)と同様の加圧装置45を備えているが、加熱装置は備えていない。
ここで、本実施形態における圧電振動体20Bは、前記各実施形態と同様に圧電素子21,21と補強板22とが積層されて構成されているが、これら圧電素子21,21と補強板22の接合には、嫌気硬化型接着剤が使用されている。これに対応して、鉛直方向下側の支持取付部223に設けられる治具46´は、この嫌気硬化型接着剤とのぬれ性がよい表面加工が施されている。
本実施形態では、加圧装置45によって圧電素子21,21と補強板22とを圧接することにより、圧電素子21,21と補強板22との間の空気を遮断することによって圧電素子21,21と補強板22との接合を実施する。この際、第2実施形態と略同様に、治具46´にはんだが案内される(図13参照)。
以上の本実施形態によれば、前述した(1)〜(7)、(9)〜(15)と略同様の効果を奏する。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態は、第2実施形態と同様に圧電素子21,21の接合面と補強板22の接合面とを略鉛直方向に沿わせた状態で接合を行うが、加熱を行わない点で、前記各実施形態とは相違する。
図18は、本実施形態における製造装置を示す。この製造装置は、第2実施形態(図11)と同様の加圧装置45を備えているが、加熱装置は備えていない。
ここで、本実施形態における圧電振動体20Bは、前記各実施形態と同様に圧電素子21,21と補強板22とが積層されて構成されているが、これら圧電素子21,21と補強板22の接合には、嫌気硬化型接着剤が使用されている。これに対応して、鉛直方向下側の支持取付部223に設けられる治具46´は、この嫌気硬化型接着剤とのぬれ性がよい表面加工が施されている。
本実施形態では、加圧装置45によって圧電素子21,21と補強板22とを圧接することにより、圧電素子21,21と補強板22との間の空気を遮断することによって圧電素子21,21と補強板22との接合を実施する。この際、第2実施形態と略同様に、治具46´にはんだが案内される(図13参照)。
以上の本実施形態によれば、前述した(1)〜(7)、(9)〜(15)と略同様の効果を奏する。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態を説明する。本実施形態では、時計の日車を駆動する圧電アクチュエータを示す。
[1.全体構成]
図19は、本実施形態に係る電子時計の外観図である。電子時計は、計時部としてのムーブメント141と、時分秒を表示するための計時情報表示部としての文字板142、時針143、分針144、秒針145のほか、文字板142に設けられた窓部142Aから日付を表示する日付表示装置70を備えた腕時計(ウォッチ)である。
次に、本発明の第4実施形態を説明する。本実施形態では、時計の日車を駆動する圧電アクチュエータを示す。
[1.全体構成]
図19は、本実施形態に係る電子時計の外観図である。電子時計は、計時部としてのムーブメント141と、時分秒を表示するための計時情報表示部としての文字板142、時針143、分針144、秒針145のほか、文字板142に設けられた窓部142Aから日付を表示する日付表示装置70を備えた腕時計(ウォッチ)である。
[2.日付表示装置の構成]
図20は、底板141Aに支持された日付表示装置70を示す平面図である。日付表示装置70は、圧電アクチュエータ50と、この圧電アクチュエータ50によって回転駆動される被駆動体としてのロータ25と、ロータ25の回転を減速しつつ伝達する減速輪列71と、減速輪列71を介して伝達される駆動力により回転する日車72とを備えて大略構成されている。
ロータ25は、日の変わり目、あるいは日付補正時に圧電アクチュエータ50により回転駆動されることにより、減速輪列71を介して日車72を駆動する駆動体である。本実施形態では、ロータ25を圧電アクチュエータ50の圧電振動体50Aに向けて付勢するバネ部材251が設けられている。
なお、圧電アクチュエータ50に限らず、前述の圧電アクチュエータ20を本実施形態の日表示装置70に組み込むことも可能である。
減速輪列71は、ロータ25と同軸に配置されてロータ25と一体的に回転する歯車711と、歯車711に噛合する日回し中間車712と、日回し車713とで構成されている。
図20は、底板141Aに支持された日付表示装置70を示す平面図である。日付表示装置70は、圧電アクチュエータ50と、この圧電アクチュエータ50によって回転駆動される被駆動体としてのロータ25と、ロータ25の回転を減速しつつ伝達する減速輪列71と、減速輪列71を介して伝達される駆動力により回転する日車72とを備えて大略構成されている。
ロータ25は、日の変わり目、あるいは日付補正時に圧電アクチュエータ50により回転駆動されることにより、減速輪列71を介して日車72を駆動する駆動体である。本実施形態では、ロータ25を圧電アクチュエータ50の圧電振動体50Aに向けて付勢するバネ部材251が設けられている。
なお、圧電アクチュエータ50に限らず、前述の圧電アクチュエータ20を本実施形態の日表示装置70に組み込むことも可能である。
減速輪列71は、ロータ25と同軸に配置されてロータ25と一体的に回転する歯車711と、歯車711に噛合する日回し中間車712と、日回し車713とで構成されている。
なお、底板141Aの下方(裏側)には、水晶振動子が発振するパルス信号で動作するステッピングモータや(図示せず)、ステッピングモータに接続されて時針143、分針144、秒針145を駆動する運針輪列(図示せず)や、電池141B等が設けられている。電池141Bは、ステッピングモータや圧電アクチュエータ50、圧電アクチュエータ50に交流電圧を印加する駆動回路(図示せず)などの各回路に電力を供給する。
日回し中間車712は、大径部712Aと小径部712Bとから構成されている。小径部712Bは、大径部712Aよりも若干小径の円筒形であり、その外周面には、略正方形状の切欠部712Cが形成されている。この小径部712Bは、大径部712Aに対し、同心をなすように固着されている。大径部712Aには、ロータ25の上部の歯車711が噛合していることにより、日回し中間車712は、ロータ25の回転に連動して回転する。
日回し中間車712の側方の底板141Aには、板バネ714が設けられており、この板バネ714の基端部が底板141Aに固定され、先端部が略V字状に折り曲げられて形成されている。板バネ714の先端部は、日回し中間車712の切欠部712Cに出入可能に設けられている。板バネ714に近接した位置には、接触子715が配置されており、この接触子715は、日回し中間車712が回転し板バネ714の先端部が切欠部712Cに入り込んだときに、板バネ714と接触するようになっている。そして、板バネ714には、所定の電圧が印加されており、板バネ714が接触子715に接触すると、その電圧が接触子715にも印加される。従って、接触子715の電圧を検出することによって、日送り状態を検出でき、日車72の1日分の回転量が検出できる。
なお、日車72の回転量は、板バネ714や接触子715を用いたものに限らず、ロータ25や日回し中間車712の回転状態を検出して所定のパルス信号を出力するものなどを利用でき、具体的には、公知のフォトリフレクタ、フォトインタラプタ、MRセンサ等の各種の回転エンコーダ等が利用できる。
日車72は、リング状であり、その内周面に内歯車721が形成されている。日回し車713は、五歯の歯車を有しており、日車72の内歯車721に噛合している。また、日回し車713の中心には、シャフト713Aが設けられており、このシャフト713Aは、底板141Aに形成された貫通孔141Cに遊挿されている。貫通孔141Cは、日車72の周回方向に沿って長く形成されている。そして、日回し車713およびシャフト713Aは、底板141Aに固定された板バネ713Bによって図20の右上方向に付勢されている。この板バネ713Bの付勢作用によって日車72の揺動も防止される。
[3.圧電アクチュエータの構成]
圧電アクチュエータ50は、日付の変わり目に、あるいは、日付補正時に起動され、図示しない駆動回路によって交流電圧が供給されることにより、ロータ25を駆動する。
図21は、本実施形態における圧電アクチュエータ50の平面図である。圧電アクチュエータ50を構成する圧電振動体50Aは、2枚の矩形板状の圧電素子21,21と、これらの圧電素子21,21が表面および裏面のそれぞれに接合される補強板52とを備えている。圧電素子21における補強板52との接合面と、補強板52における圧電素子21との接合面とにはそれぞれ、図示しない金属被膜としての電極が形成され、この電極が形成された領域をそれぞれの接合部として、圧電素子21と補強板52とははんだで接合されている。
圧電アクチュエータ50は、日付の変わり目に、あるいは、日付補正時に起動され、図示しない駆動回路によって交流電圧が供給されることにより、ロータ25を駆動する。
図21は、本実施形態における圧電アクチュエータ50の平面図である。圧電アクチュエータ50を構成する圧電振動体50Aは、2枚の矩形板状の圧電素子21,21と、これらの圧電素子21,21が表面および裏面のそれぞれに接合される補強板52とを備えている。圧電素子21における補強板52との接合面と、補強板52における圧電素子21との接合面とにはそれぞれ、図示しない金属被膜としての電極が形成され、この電極が形成された領域をそれぞれの接合部として、圧電素子21と補強板52とははんだで接合されている。
補強板52は、圧電素子21が接合される補強板本体211と、補強板本体211の各短辺部に連設される突起部522A,522Bと、補強板本体211の一方の長辺部に連設される支持取付部523と、補強板本体211の他方の長辺部に連設される突出部524とを備えている。ここで、突起部522A,522B、支持取付部523、および突出部524はいずれも、補強板本体211から平面方向に突出する突出部に相当する。
本実施形態の圧電振動体50Aは支持取付部523によって底板141Aに片側で支持固定される。なお、圧電振動体50Aを底板141Aに組み込むと、底板141Aに形成された図示しないどてと突出部524との間に所定間隔の隙間が形成され、突出部524は、落下衝撃時などにおける圧電振動体50Aの破損を防止する度当たりとしても機能する。
本実施形態の圧電振動体50Aは支持取付部523によって底板141Aに片側で支持固定される。なお、圧電振動体50Aを底板141Aに組み込むと、底板141Aに形成された図示しないどてと突出部524との間に所定間隔の隙間が形成され、突出部524は、落下衝撃時などにおける圧電振動体50Aの破損を防止する度当たりとしても機能する。
本実施形態の圧電アクチュエータ50の特徴は、ロータ25を一方向にのみ駆動することと、突起部522A,522Bが偏心した位置に配置されていることと、圧電素子21の表面には分割されていない全面電極216が形成されていることである。突起部522A,522Bの位置が偏心していることで屈曲振動が誘発されるので、本実施形態の圧電アクチュエータ50も、第1実施形態の圧電アクチュエータ20と同様に楕円振動を励振する。
図22は、本実施形態における圧電振動体50Aの製造装置を示す。この製造装置は、第2実施形態の製造装置(図11)と同様に構成されており、圧電素子21の接合面21Aと補強板22の接合面22Aとが略鉛直方向に沿うように圧電振動体20Aを保持した状態で加熱および加圧を実施する。
なお、図23は、圧電振動体50Aに治具46を接触させた状態を示し、加熱および加圧の際、圧電素子21,21と補強板52との間から流れたはんだは突出部524から治具46へと案内される。
なお、図23は、圧電振動体50Aに治具46を接触させた状態を示し、加熱および加圧の際、圧電素子21,21と補強板52との間から流れたはんだは突出部524から治具46へと案内される。
本実施形態によれば、前述の効果に加えて、次のような効果を奏する。
(16)圧電振動体50Aは支持取付部223を1つのみ有するため、当該支持取付部223を鉛直方向上側に配置した状態で接合を行うことにより、振動特性に影響し易い支持取付部223にフラックスや余分なはんだが流れることを防止できる。これにより、振動特性のシフト、ばらつきをより確実に防止できる。
(16)圧電振動体50Aは支持取付部223を1つのみ有するため、当該支持取付部223を鉛直方向上側に配置した状態で接合を行うことにより、振動特性に影響し易い支持取付部223にフラックスや余分なはんだが流れることを防止できる。これにより、振動特性のシフト、ばらつきをより確実に防止できる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態を説明する。図24は、時計に装備される日付表示装置を示す平面図であり、この日表示装置では、圧電アクチュエータ55により、日車72が駆動される。
図25は、本実施形態における圧電アクチュエータ55を構成する圧電振動体55Aを示す。圧電振動体55Aは、前記第4実施形態の圧電振動体50Aと同様に底板141Aに固定される支持取付部553を1つのみ有している。
本実施形態の圧電振動体55Aは、第2実施形態の製造装置(図11)と同様の製造装置で加圧、加熱されるが、その際、図26に示すように、縦振動および屈曲振動の双方の節Aの近傍となる圧電振動体55Aの側面に治具46を接触させている。これにより、治具46に案内されたフラックスまたは余分なはんだが圧電振動体55Aの側面に付着したとしても、振動特性への影響を小さくできる。
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態を説明する。本実施形態は、圧電アクチュエータが搭載される電子機器としてプリンタを示す。図27は、本実施形態に係るプリンタの概略図である。プリンタは、用紙がセットされる用紙トレイ73と、印刷された紙PPが排出される排出部74と、筐体75内部に設置される紙送りローラ76とを備える。
ローラ76は、図示しない印刷駆動部で印刷された紙PPを排出部74に送るものである。
次に、本発明の第5実施形態を説明する。図24は、時計に装備される日付表示装置を示す平面図であり、この日表示装置では、圧電アクチュエータ55により、日車72が駆動される。
図25は、本実施形態における圧電アクチュエータ55を構成する圧電振動体55Aを示す。圧電振動体55Aは、前記第4実施形態の圧電振動体50Aと同様に底板141Aに固定される支持取付部553を1つのみ有している。
本実施形態の圧電振動体55Aは、第2実施形態の製造装置(図11)と同様の製造装置で加圧、加熱されるが、その際、図26に示すように、縦振動および屈曲振動の双方の節Aの近傍となる圧電振動体55Aの側面に治具46を接触させている。これにより、治具46に案内されたフラックスまたは余分なはんだが圧電振動体55Aの側面に付着したとしても、振動特性への影響を小さくできる。
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態を説明する。本実施形態は、圧電アクチュエータが搭載される電子機器としてプリンタを示す。図27は、本実施形態に係るプリンタの概略図である。プリンタは、用紙がセットされる用紙トレイ73と、印刷された紙PPが排出される排出部74と、筐体75内部に設置される紙送りローラ76とを備える。
ローラ76は、図示しない印刷駆動部で印刷された紙PPを排出部74に送るものである。
ローラ76を駆動する駆動機構は、圧電アクチュエータ(超音波モータ)20と、この圧電アクチュエータ20の振動によって回転駆動されるロータ25と、ロータ25の回転を減速しつつ伝達する減速輪列26とを備えて構成されている。
減速輪列26は、ロータ25と同軸に設けられてロータ25と一体的に回転する歯車261と、この歯車261に噛合し、かつ、ローラ76の回転軸に固定された歯車262とから構成されている。
本実施形態では、圧電アクチュエータ20の振動軌跡を切り替えることによってロータ25を正方向と逆方向とに駆動し、これによって、紙送りローラ76を正方向および逆方向の両方向に駆動できる。
減速輪列26は、ロータ25と同軸に設けられてロータ25と一体的に回転する歯車261と、この歯車261に噛合し、かつ、ローラ76の回転軸に固定された歯車262とから構成されている。
本実施形態では、圧電アクチュエータ20の振動軌跡を切り替えることによってロータ25を正方向と逆方向とに駆動し、これによって、紙送りローラ76を正方向および逆方向の両方向に駆動できる。
〔本発明の変形例〕
以上、本発明の実施態様について具体的に示したが、本発明は、前記各実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改良、変形が可能である。
なお、前記各実施形態では、略矩形状の圧電振動体を示したが、これに限らず、圧電振動体の形状は、円環状、円形状、トラス状、台形状などであってよい。
以上、本発明の実施態様について具体的に示したが、本発明は、前記各実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改良、変形が可能である。
なお、前記各実施形態では、略矩形状の圧電振動体を示したが、これに限らず、圧電振動体の形状は、円環状、円形状、トラス状、台形状などであってよい。
さらに、本発明の加圧工程における加圧方式としては、圧電素子と補強部材とを間に挟みこむ加圧治具を用いる方式でもよいし、圧縮空気や圧縮液体などを利用してこれら流体の圧力により圧電素子と補強部材とを加圧する流体加圧方式でもよい。
そして、前記各実施形態ではヒーターを内蔵する加熱装置30によって補強板22を加熱していたが、補強部材の温度を上昇させる手段はこれに限らず、例えば、補強部材を通電(交流が好ましいが直流でも良い)させて補強部材の電気抵抗により発熱させることにより、補強部材の温度を上昇させても良い。
そして、前記各実施形態ではヒーターを内蔵する加熱装置30によって補強板22を加熱していたが、補強部材の温度を上昇させる手段はこれに限らず、例えば、補強部材を通電(交流が好ましいが直流でも良い)させて補強部材の電気抵抗により発熱させることにより、補強部材の温度を上昇させても良い。
また、圧電振動体の用途は特に限定されず、本発明の圧電振動体は、発振子、フィルタ、およびトランスなどの電子部品や、センサ、圧電アクチュエータ(超音波モータ)、および圧電ブザーなどとして広く利用できる。
なお、圧電アクチュエータの駆動方式は問わず、振動により被駆動体を駆動するタイプ(超音波モータ)としては、例えば、振動の節および腹の位置が不変の定在波駆動方式や、節および腹の位置が遷移する進行波駆動方式等を適宜採用できる。また、圧電素子の分極方向および電圧印加の方向等も任意に構成できる。
なお、被駆動体としては、回転駆動されるロータ、直線駆動されるリニア被駆動体などを採用できる。
なお、圧電アクチュエータの駆動方式は問わず、振動により被駆動体を駆動するタイプ(超音波モータ)としては、例えば、振動の節および腹の位置が不変の定在波駆動方式や、節および腹の位置が遷移する進行波駆動方式等を適宜採用できる。また、圧電素子の分極方向および電圧印加の方向等も任意に構成できる。
なお、被駆動体としては、回転駆動されるロータ、直線駆動されるリニア被駆動体などを採用できる。
本発明により製造される圧電振動体は、前記実施形態のプリンタや電子時計に搭載されるものに限らず、各種の電子機器に搭載可能であり、特に連続して駆動されたり、小型で大パワーが投入される携帯用の電子機器に好適である。
ここで、各種の電子機器としては、携帯電話、非接触ICカード、パソコン、携帯情報端末(PDA)、カメラ、ディジタルカメラ、ビデオカメラ等を例示できる。なお、カメラに適用される場合、レンズの合焦機構や、ズーム機構、絞り調整機構等の駆動に本発明に係る圧電振動体を用いることができる。
さらに、計測機器のメータ指針の駆動機構や、自動車等のインパネ(instrumental panel)のメータ指針の駆動機構、圧電ブザー、プリンタ等に用いられるインクジェットヘッドの圧電振動子、プリンタの紙送り機構、乗り物や人形などの可動玩具類の駆動機構および姿勢補正機構、超音波モータ、ハードディスクドライブ、超音波洗浄器、超音波加湿器、超音波溶着・溶接装置、超音波治療器、超音波カッター、チューブポンプ等に本発明に係る圧電振動体を用いてもよい。
ここで、各種の電子機器としては、携帯電話、非接触ICカード、パソコン、携帯情報端末(PDA)、カメラ、ディジタルカメラ、ビデオカメラ等を例示できる。なお、カメラに適用される場合、レンズの合焦機構や、ズーム機構、絞り調整機構等の駆動に本発明に係る圧電振動体を用いることができる。
さらに、計測機器のメータ指針の駆動機構や、自動車等のインパネ(instrumental panel)のメータ指針の駆動機構、圧電ブザー、プリンタ等に用いられるインクジェットヘッドの圧電振動子、プリンタの紙送り機構、乗り物や人形などの可動玩具類の駆動機構および姿勢補正機構、超音波モータ、ハードディスクドライブ、超音波洗浄器、超音波加湿器、超音波溶着・溶接装置、超音波治療器、超音波カッター、チューブポンプ等に本発明に係る圧電振動体を用いてもよい。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1・・・時計、20・・・圧電アクチュエータ、20A・・・圧電振動体、20B・・・圧電振動体、21・・・圧電素子、21A・・・接合面、22・・・補強板、22A・・・接合面、25・・・ロータ(被駆動体)、29・・・はんだ(接合材)、291・・・はんだ流出部、31・・・加熱装置(温度上昇装置)、35・・・加圧装置、40・・・鉛直保持部材、45・・・加圧装置、46・・・治具、47・・・治具、48・・・吸引装置、50・・・圧電アクチュエータ、50A・・・圧電振動体、52・・・補強板、55・・・圧電アクチュエータ、55A・・・圧電振動体、221・・・補強板本体、222A,222B・・・突起部(当接部)、223・・・支持取付部、251・・・バネ部材、311・・・熱源部、350・・・弾性部材、351・・・加圧治具、352・・・加圧治具、461・・・金属被膜、471・・・紙製ウェス(吸収部材)、522A,522B・・・突起部(当接部)、523・・・支持取付部、524・・・突出部、553・・・支持取付部。
Claims (18)
- 圧電素子と、前記圧電素子に接合される補強部材とを有する圧電振動体の製造方法であって、
前記圧電素子と前記補強部材との間に、加熱されることを経て硬化する接合材を配置した状態で、前記補強部材の一部に、前記補強部材の温度を上昇させる温度上昇装置を当接させる加熱工程を備える
ことを特徴とする圧電振動体の製造方法。 - 請求項1に記載の圧電振動体の製造方法において、
前記加熱工程では、前記圧電素子における前記補強部材との接合面と前記補強部材における前記圧電素子との接合面とが鉛直方向にほぼ沿うように前記圧電素子と前記補強部材とを保持する
ことを特徴とする圧電振動体の製造方法。 - 請求項1または2に記載の圧電振動体の製造方法において、
前記加熱工程では、前記補強部材における一方の側と、この一方の側と反対側となる他方の側とのそれぞれに前記接合材を介して前記圧電素子を設けた状態で、前記補強部材の一部に、前記温度上昇装置を当接させる
ことを特徴とする圧電振動体の製造方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載の圧電振動体の製造方法において、
前記圧電素子における前記補強部材との接合部と、前記補強部材における前記圧電素子との接合部とが対向した状態で、前記圧電素子と前記補強部材とを互いの近接方向に加圧する加圧工程を備え、
前記加圧工程による加圧下において、前記加熱工程での加熱が行われる
ことを特徴とする圧電振動体の製造方法。 - 請求項1から4のいずれかに記載の圧電振動体の製造方法において、
前記補強部材は、板状に形成され、かつ、その平面に前記圧電素子との接合面を有する補強部材本体と、前記補強部材本体から平面方向に突出する突出部とを有し、
前記補強部材は、前記突出部を1つ以上有し、
前記加熱工程では、前記温度上昇装置を前記突出部の少なくとも1つに当接させる
ことを特徴とする圧電振動体の製造方法。 - 請求項5に記載の圧電振動体の製造方法において、
前記突出部の少なくとも1つは、前記圧電素子を支持し、かつ被取付部材に取り付けられる支持取付部であるか、前記圧電振動体の振動により駆動される被駆動体に当接される当接部である
ことを特徴とする圧電振動体の製造方法。 - 請求項2から6のいずれかに記載の圧電振動体の製造方法において、
前記補強部材は、板状に形成され、かつ、その平面に前記圧電素子との接合面を有する補強部材本体と、前記補強部材本体から平面方向に突出する突出部とを有し、
前記補強部材は、前記突出部を1つ以上有し、
前記加熱工程では、前記突出部の少なくとも1つが鉛直方向下側に位置しないように前記補強部材を配置した状態で前記圧電素子と前記補強部材とを接合する
ことを特徴とする圧電振動体の製造方法。 - 請求項7に記載の圧電振動体の製造方法において、
前記突出部の1つは、前記圧電素子を支持し、かつ被取付部材に取り付けられる支持取付部であり、当該支持取付部は1つのみあり、
前記加熱工程では、前記支持取付部が鉛直方向上側に位置するように前記補強部材を配置した状態で前記圧電素子と前記補強部材とを接合する
ことを特徴とする圧電振動体の製造方法。 - 請求項2から8のいずれかに記載の圧電振動体の製造方法において、
前記加熱工程では、前記圧電素子における鉛直方向下側の端部、または前記補強部材における鉛直方向下側の端部の少なくともいずれかを、前記接合材とのぬれ性が前記圧電素子および補強部材のそれぞれにおける前記接合材とのぬれ性よりも良い治具に接触させた状態で、前記圧電素子と前記補強部材とを接合する
ことを特徴とする圧電振動体の製造方法。 - 請求項2から9のいずれかに記載の圧電振動体の製造方法において、
前記加熱工程では、前記圧電素子における鉛直方向下側の端部、または前記補強部材における鉛直方向下側の端部の少なくともいずれかを、前記接合材を吸収可能な吸収部材に接触させた状態で、前記圧電素子と前記補強部材とを接合する
ことを特徴とする圧電振動体の製造方法。 - 請求項2から10のいずれかに記載の圧電振動体の製造方法において、
前記加熱工程では、前記圧電素子および前記補強部材の鉛直方向下側に、気圧差に基づいて前記接合材を吸引可能な吸引装置を設けた状態で、前記圧電素子と前記補強部材とを接合する
ことを特徴とする圧電振動体の製造方法。 - 圧電素子と、前記圧電素子に接合材によって接合される補強部材とを有する圧電振動体の製造方法であって、
前記圧電素子と前記補強部材とを接合材によって接合する接合工程を備え、
前記接合工程では、前記圧電素子における前記補強部材との接合面と前記補強部材における前記圧電素子との接合面とが鉛直方向にほぼ沿うように前記圧電素子と前記補強部材とを保持する
ことを特徴とする圧電振動体の製造方法。 - 圧電素子と、前記圧電素子に接合される補強部材とを有する圧電振動体の製造装置であって、
前記補強部材の温度を上昇させる温度上昇装置を備え、
前記温度上昇装置は、加熱されることを経て硬化する接合材が前記圧電素子と前記補強部材との間に配置された状態で、前記補強部材の一部に当接される
ことを特徴とする圧電振動体の製造装置。 - 請求項13に記載の圧電振動体の製造装置において、
前記圧電素子における前記補強部材との接合面と前記補強部材における前記圧電素子との接合面とが鉛直方向にほぼ沿うように前記圧電素子と前記補強部材とを保持する鉛直保持部材を備えている
ことを特徴とする圧電振動体の製造装置。 - 請求項13または14に記載の圧電振動体の製造装置において、
前記圧電素子における前記補強部材との接合部と、前記補強部材における前記圧電素子との接合部とを対向させ、かつ前記圧電素子と前記補強部材とを互いの近接方向に加圧する加圧装置を備え、
前記加圧装置と前記温度上昇装置とは、別体の装置としてそれぞれ構成されている
ことを特徴とする圧電振動体の製造装置。 - 請求項13または14に記載の圧電振動体の製造装置において、
前記圧電素子における前記補強部材との接合部と、前記補強部材における前記圧電素子との接合部とを対向させ、かつ前記圧電素子と前記補強部材とを互いの近接方向に加圧する加圧装置を備え、
前記加圧装置と前記温度上昇装置とは、一体の装置として構成されている
ことを特徴とする圧電振動体の製造装置。 - 請求項13から16のいずれかに記載の圧電振動体の製造装置において、
前記圧電素子と前記補強部材とは、それぞれ板状に形成されて積層体をなし、
前記積層体において積層方向両側にそれぞれ配置された両平面部のうち少なくとも一方の平面部に当接されかつ当該面に倣う倣い部材を備えている
ことを特徴とする圧電振動体の製造装置。 - 圧電素子と、前記圧電素子に接合材によって接合される補強部材とを有する圧電振動体の製造装置であって、
前記圧電素子における前記補強部材との接合面と前記補強部材における前記圧電素子との接合面とが鉛直方向にほぼ沿うように前記圧電素子と前記補強部材とを保持する鉛直保持部材を備えている
ことを特徴とする圧電振動体の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007062973A JP2008227123A (ja) | 2007-03-13 | 2007-03-13 | 圧電振動体の製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007062973A JP2008227123A (ja) | 2007-03-13 | 2007-03-13 | 圧電振動体の製造方法および製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008227123A true JP2008227123A (ja) | 2008-09-25 |
Family
ID=39845394
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007062973A Withdrawn JP2008227123A (ja) | 2007-03-13 | 2007-03-13 | 圧電振動体の製造方法および製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008227123A (ja) |
Cited By (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010131694A1 (ja) * | 2009-05-13 | 2010-11-18 | 株式会社村田製作所 | アクチュエータ装置 |
WO2015111621A1 (ja) * | 2014-01-27 | 2015-07-30 | オリンパス株式会社 | 積層型超音波振動デバイス、積層型超音波振動デバイスの製造方法および超音波医療装置 |
EP2985903A1 (en) | 2014-08-13 | 2016-02-17 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric driving device and driving method therefor, and robot and driving method therefor |
EP3059849A1 (en) | 2015-02-18 | 2016-08-24 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric drive device, robot, and drive method thereof |
JP2016197727A (ja) * | 2016-06-08 | 2016-11-24 | 株式会社ファインウェル | 振動素子 |
JP2017135940A (ja) * | 2016-01-29 | 2017-08-03 | セイコーエプソン株式会社 | 圧電駆動装置、モーター、ロボット及びポンプ |
US9894430B2 (en) | 2010-12-27 | 2018-02-13 | Rohm Co., Ltd. | Incoming/outgoing-talk unit and incoming-talk unit |
US9980024B2 (en) | 2011-02-25 | 2018-05-22 | Rohm Co., Ltd. | Hearing system and finger ring for the hearing system |
US10013862B2 (en) | 2014-08-20 | 2018-07-03 | Rohm Co., Ltd. | Watching system, watching detection device, and watching notification device |
US10075574B2 (en) | 2013-08-23 | 2018-09-11 | Rohm Co., Ltd. | Mobile telephone |
US10079925B2 (en) | 2012-01-20 | 2018-09-18 | Rohm Co., Ltd. | Mobile telephone |
US10103766B2 (en) | 2013-10-24 | 2018-10-16 | Rohm Co., Ltd. | Wristband-type handset and wristband-type alerting device |
US10158947B2 (en) | 2012-01-20 | 2018-12-18 | Rohm Co., Ltd. | Mobile telephone utilizing cartilage conduction |
US10356231B2 (en) | 2014-12-18 | 2019-07-16 | Finewell Co., Ltd. | Cartilage conduction hearing device using an electromagnetic vibration unit, and electromagnetic vibration unit |
US10644222B2 (en) | 2015-12-03 | 2020-05-05 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric drive apparatus for motor and method for manufacturing the same, motor, robot, and pump |
US10778824B2 (en) | 2016-01-19 | 2020-09-15 | Finewell Co., Ltd. | Pen-type handset |
US10795321B2 (en) | 2015-09-16 | 2020-10-06 | Finewell Co., Ltd. | Wrist watch with hearing function |
US10967521B2 (en) | 2015-07-15 | 2021-04-06 | Finewell Co., Ltd. | Robot and robot system |
US11526033B2 (en) | 2018-09-28 | 2022-12-13 | Finewell Co., Ltd. | Hearing device |
-
2007
- 2007-03-13 JP JP2007062973A patent/JP2008227123A/ja not_active Withdrawn
Cited By (32)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010131694A1 (ja) * | 2009-05-13 | 2010-11-18 | 株式会社村田製作所 | アクチュエータ装置 |
US9894430B2 (en) | 2010-12-27 | 2018-02-13 | Rohm Co., Ltd. | Incoming/outgoing-talk unit and incoming-talk unit |
US10779075B2 (en) | 2010-12-27 | 2020-09-15 | Finewell Co., Ltd. | Incoming/outgoing-talk unit and incoming-talk unit |
US9980024B2 (en) | 2011-02-25 | 2018-05-22 | Rohm Co., Ltd. | Hearing system and finger ring for the hearing system |
US10778823B2 (en) | 2012-01-20 | 2020-09-15 | Finewell Co., Ltd. | Mobile telephone and cartilage-conduction vibration source device |
US10079925B2 (en) | 2012-01-20 | 2018-09-18 | Rohm Co., Ltd. | Mobile telephone |
US10158947B2 (en) | 2012-01-20 | 2018-12-18 | Rohm Co., Ltd. | Mobile telephone utilizing cartilage conduction |
US10834506B2 (en) | 2012-06-29 | 2020-11-10 | Finewell Co., Ltd. | Stereo earphone |
US10506343B2 (en) | 2012-06-29 | 2019-12-10 | Finewell Co., Ltd. | Earphone having vibration conductor which conducts vibration, and stereo earphone including the same |
US10237382B2 (en) | 2013-08-23 | 2019-03-19 | Finewell Co., Ltd. | Mobile telephone |
US10075574B2 (en) | 2013-08-23 | 2018-09-11 | Rohm Co., Ltd. | Mobile telephone |
US10103766B2 (en) | 2013-10-24 | 2018-10-16 | Rohm Co., Ltd. | Wristband-type handset and wristband-type alerting device |
WO2015111621A1 (ja) * | 2014-01-27 | 2015-07-30 | オリンパス株式会社 | 積層型超音波振動デバイス、積層型超音波振動デバイスの製造方法および超音波医療装置 |
JP2015142172A (ja) * | 2014-01-27 | 2015-08-03 | オリンパス株式会社 | 積層型超音波振動デバイス、積層型超音波振動デバイスの製造方法および超音波医療装置 |
EP2985903A1 (en) | 2014-08-13 | 2016-02-17 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric driving device and driving method therefor, and robot and driving method therefor |
US10147866B2 (en) | 2014-08-13 | 2018-12-04 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric driving device and driving method therefor, and robot and driving method therefor |
KR20160020360A (ko) | 2014-08-13 | 2016-02-23 | 세이코 엡슨 가부시키가이샤 | 압전 구동 장치 및 그의 구동 방법, 로봇 및 그의 구동 방법 |
US10380864B2 (en) | 2014-08-20 | 2019-08-13 | Finewell Co., Ltd. | Watching system, watching detection device, and watching notification device |
US10013862B2 (en) | 2014-08-20 | 2018-07-03 | Rohm Co., Ltd. | Watching system, watching detection device, and watching notification device |
US10356231B2 (en) | 2014-12-18 | 2019-07-16 | Finewell Co., Ltd. | Cartilage conduction hearing device using an electromagnetic vibration unit, and electromagnetic vibration unit |
US11601538B2 (en) | 2014-12-18 | 2023-03-07 | Finewell Co., Ltd. | Headset having right- and left-ear sound output units with through-holes formed therein |
US10848607B2 (en) | 2014-12-18 | 2020-11-24 | Finewell Co., Ltd. | Cycling hearing device and bicycle system |
EP3059849A1 (en) | 2015-02-18 | 2016-08-24 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric drive device, robot, and drive method thereof |
US10179405B2 (en) | 2015-02-18 | 2019-01-15 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric drive device, robot, and drive method thereof |
US10967521B2 (en) | 2015-07-15 | 2021-04-06 | Finewell Co., Ltd. | Robot and robot system |
US10795321B2 (en) | 2015-09-16 | 2020-10-06 | Finewell Co., Ltd. | Wrist watch with hearing function |
US10644222B2 (en) | 2015-12-03 | 2020-05-05 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric drive apparatus for motor and method for manufacturing the same, motor, robot, and pump |
US10778824B2 (en) | 2016-01-19 | 2020-09-15 | Finewell Co., Ltd. | Pen-type handset |
US10580960B2 (en) | 2016-01-29 | 2020-03-03 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric driving device, motor, robot, and pump |
JP2017135940A (ja) * | 2016-01-29 | 2017-08-03 | セイコーエプソン株式会社 | 圧電駆動装置、モーター、ロボット及びポンプ |
JP2016197727A (ja) * | 2016-06-08 | 2016-11-24 | 株式会社ファインウェル | 振動素子 |
US11526033B2 (en) | 2018-09-28 | 2022-12-13 | Finewell Co., Ltd. | Hearing device |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008227123A (ja) | 圧電振動体の製造方法および製造装置 | |
JP4529889B2 (ja) | 圧電振動体、圧電振動体の調整方法、圧電アクチュエータ、時計、電子機器 | |
EP1148560B1 (en) | Piezoelectric / electrostrictive device and method of manufacture thereof | |
JP2007221865A (ja) | 圧電振動体、圧電振動体の固有振動数調整方法、圧電アクチュエータ、および電子機器 | |
JP2004297951A (ja) | 超音波振動子及び超音波モータ | |
JP2011522506A (ja) | 超音波アクチュエータ | |
JP2008218953A (ja) | 圧電振動体、電子機器、圧電振動体の製造方法 | |
JP5978907B2 (ja) | 圧電アクチュエーター、ロボットハンド、ロボット、電子部品搬送装置、電子部品検査装置、送液ポンプ、印刷装置、電子時計、投影装置、搬送装置 | |
JP2007330036A (ja) | 振動体、圧電アクチュエータ、電子機器、および振動体の製造方法 | |
JP2008211863A (ja) | 圧電振動体、電子機器、および圧電振動体の導通実装方法 | |
TW201018083A (en) | Method for manufacturing a piezoelectric vibrator, piezoelectric vibrator, oscillator, electronic device, and radio watch | |
JP3719061B2 (ja) | 圧電アクチュエータ、時計および携帯機器 | |
JP2005218145A (ja) | 圧電アクチュエータおよび圧電アクチュエータを備えた時計並びに携帯機器 | |
US8604667B2 (en) | Ultrasonic motor and electronic apparatus which mounts the motor thereon | |
JP2007336684A (ja) | 振動体、圧電アクチュエータ、電子機器、および振動体の製造方法 | |
JP2007336685A (ja) | 振動体、圧電アクチュエータ、電子機器、および振動体の製造方法 | |
JP2014079135A (ja) | 圧電アクチュエーター、ロボットハンド、ロボット、電子部品搬送装置、電子部品検査装置、送液ポンプ、印刷装置、電子時計、投影装置、搬送装置 | |
JP2011027057A (ja) | 圧電ポンプ及びその駆動方法 | |
JP2018057148A (ja) | 振動子、圧電アクチュエーター、圧電モーター、ロボット、電子部品搬送装置およびプリンター | |
JP7130416B2 (ja) | 振動子、振動型アクチュエータ及び電子機器 | |
JP2007049887A (ja) | 圧電振動体、圧電振動体の製造方法、圧電アクチュエータ、および電子機器 | |
JP3535111B2 (ja) | 圧電アクチュエータ | |
US11038440B2 (en) | Vibrator with low power consumption, vibration type actuator, and electronic apparatus | |
JP2009219258A (ja) | 圧電振動体、圧電アクチュエータ、および電子機器 | |
JP2008271331A (ja) | 圧電振動子の製造方法、圧電振動用素子、圧電振動子及び発振器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20100601 |