JP2007326767A - メチオニン高濃度含有肥料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 メチオニンを高濃度に含有した肥料であっても、長期間安定で、溶解性に優れたメチオニン高濃度含有肥料を提供する。
【解決手段】 メチオニン5〜50重量%と、天然多糖類0.001〜5重量%とを含有することを特徴とするメチオニン高濃度含有肥料。
更に、カルシウムを0.1〜10重量%を含有することが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】 メチオニン5〜50重量%と、天然多糖類0.001〜5重量%とを含有することを特徴とするメチオニン高濃度含有肥料。
更に、カルシウムを0.1〜10重量%を含有することが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、植物生長調節作用を有するメチオニンを高濃度に含有した肥料に関する。
一般に、メチオニンは、タンパク質を構成する含硫アミノ酸の一種であり、白色の薄片状結晶または結晶性粉末で特異な臭気を有するものである。このメチオニン〔CH3SCH2(NH2)CH−COOH〕は、物質の生合成や代謝過程におけるメチル化反応に寄与するSAM(S−アデノシルメチオニン)の前駆物質となるものである。更に、SAMは、植物であるエチレン及びDNA、RNAやタンパク質の生合成にかかわる多くの反応を活性化させる生理活性物質であるポリアミン(プトレッシン、スペルミジン、スペルミンなど)の前駆物質であるので、メチオニンはSAMとそれに由来する生理活性物質を通じて植物の生長調節に広く関与する物質である。
このような作用を有するメチオニンには、水稲の倒伏防止効果(例えば、非特許文献1参照)、果実類の成熟促進(例えば、非特許文献2参照)などの効果も知られている。
しかしながら、植物の生長調節、水稲の倒伏防止効果、果実類の成熟促進等に有用性を有するメチオニンは、水に溶解させようとしても、メチオニン自体が水になじみにくいことが挙げられ、また、水表面に浮かぶため、攪拌効率が悪く溶けにくいものであり、更に、液状肥料中に5重量%以上のメチオニンを含有させようとすると、二層分離し、数日で凝集して使用できなくなるなどの課題がある。そのために、施肥時に水に溶かす時間がかかり、多大な労力を要し、また、溶け残ったメチオニンが肥料散布用のノズルに詰まり、散布できなくなるなどの課題を生じているのが現状である。
しかしながら、植物の生長調節、水稲の倒伏防止効果、果実類の成熟促進等に有用性を有するメチオニンは、水に溶解させようとしても、メチオニン自体が水になじみにくいことが挙げられ、また、水表面に浮かぶため、攪拌効率が悪く溶けにくいものであり、更に、液状肥料中に5重量%以上のメチオニンを含有させようとすると、二層分離し、数日で凝集して使用できなくなるなどの課題がある。そのために、施肥時に水に溶かす時間がかかり、多大な労力を要し、また、溶け残ったメチオニンが肥料散布用のノズルに詰まり、散布できなくなるなどの課題を生じているのが現状である。
一方、従来において、メチオニンを含有する肥料としては、例えば、メチオニンなどのアミノ酸が作物の組織を形成することを目的に、親水性溶媒を用いて抽出した抽出物、カルシウム化合物、有機酸及びリン酸化合物を含有した作物中の硝酸態窒素濃度を低下させる薬剤中の上記溶媒抽出物20重量部に対して、0.7重量部(3.5重量%)含有せしめた硝酸態窒素濃度低下剤(例えば、特許文献1参照)や、メチオニンを含むアミノ酸混合物をキレ−ト剤として1〜5部含有しているキレート化合物含有肥料(例えば、特許文献2参照)が知られている。
しかしながら、これらの特許文献1及び2に記載される肥料などは、メチオニンの溶解性について何等記載も示唆もなく、しかも、これらの技術を用いても、上述の如く、メチオニンを高濃度(5重量%)に含有させることができない点に課題があるのが現状であり、作業性、運搬性、製造コストなどの点から、メチオニンを高濃度に含有し、かつ、そのメチオニンが溶けやすいメチオニン高濃度含有肥料が切望されているのが現状である。
太田保夫・中山正義:メチオニンによる水稲の倒伏防止、日本作物学会紀事別号、47(1).191−192(1978) 関本均:植物に対するメチオニンの作用、季刊肥料、101号.102−107(2005、平成17年6月) 特許第2793583号公報(特許請求の範囲、実施例1、表1等)
特開2002−173388号公報(特許請求の範囲、実施例等)
太田保夫・中山正義:メチオニンによる水稲の倒伏防止、日本作物学会紀事別号、47(1).191−192(1978) 関本均:植物に対するメチオニンの作用、季刊肥料、101号.102−107(2005、平成17年6月)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状に鑑み、これを解消しようとするものであり、メチオニンを高濃度に含有した肥料であっても溶解性に優れたメチオニン高濃度含有肥料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題等について鋭意検討した結果、メチオニンを高濃度(5〜50重量%)含有させると共に、天然多糖類を特定の範囲で含有せしめることにより、上記目的のメチオニン高濃度含有肥料が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明のメチオニン高濃度含有肥料は、次の(1)〜(7)に存する。
(1) メチオニン5〜50重量%と、天然多糖類0.001〜5重量%とを含有することを特徴とするメチオニン高濃度含有肥料。
(2) 更に、カルシウムを0.1〜10重量%含有することを特徴とする上記(1)記載のメチオニン高濃度含有肥料。
(3) 窒素、リン酸、カリ、苦土、マンガン、硼素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンの少なくとも1種以上を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)記載のメチオニン高濃度含有肥料。
(4) ペ−スト状であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載のメチオニン高濃度含有肥料。
(5) 葉面散布剤であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載のメチオニン高濃度含有肥料。
(6) 水稲、小麦の倒伏防止剤であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載のメチオニン高濃度含有肥料。
(7) カルシウムとして、塩化カルシウム由来のカルシウムの割合が全カルシウム中45〜65%であり、pHが3〜7であることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載のメチオニン高濃度含有肥料。
(1) メチオニン5〜50重量%と、天然多糖類0.001〜5重量%とを含有することを特徴とするメチオニン高濃度含有肥料。
(2) 更に、カルシウムを0.1〜10重量%含有することを特徴とする上記(1)記載のメチオニン高濃度含有肥料。
(3) 窒素、リン酸、カリ、苦土、マンガン、硼素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンの少なくとも1種以上を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)記載のメチオニン高濃度含有肥料。
(4) ペ−スト状であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載のメチオニン高濃度含有肥料。
(5) 葉面散布剤であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載のメチオニン高濃度含有肥料。
(6) 水稲、小麦の倒伏防止剤であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載のメチオニン高濃度含有肥料。
(7) カルシウムとして、塩化カルシウム由来のカルシウムの割合が全カルシウム中45〜65%であり、pHが3〜7であることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載のメチオニン高濃度含有肥料。
本発明によれば、メチオニンを高濃度に含有した肥料であっても、長期間安定で、溶解性に優れたメチオニン高濃度含有肥料が提供される。
更に、カルシウムを併用することで、メチオニン単独含有よりも水稲、小麦の倒伏防止効果等を更に向上させることができる。
更に、カルシウムを併用することで、メチオニン単独含有よりも水稲、小麦の倒伏防止効果等を更に向上させることができる。
以下に、本発明に係るメチオニン高濃度含有肥料の実施形態について詳細に説明する。
本発明のメチオニン高濃度含有肥料は、メチオニン5〜50重量%と、天然多糖類0.001〜5重量%とを含有することを特徴とするものである。
本発明のメチオニン高濃度含有肥料は、メチオニン5〜50重量%と、天然多糖類0.001〜5重量%とを含有することを特徴とするものである。
本発明に用いるメチオニンは、特に限定されず、例えば、市販のメチオニンを使用でき、その含有量は、肥料全量に対して、5〜50重量%(以下、単に「%」という)、好ましくは、5〜25%含有することが望ましい。
このメチオニンの含有量が5%未満では、水に溶解し、それ以上では水に溶けにくくなるために分散状態になる。一方、50%超過では、経時変化により凝集し、水と混合した場合に水に溶けにくくなる。
このメチオニンの含有量が5%未満では、水に溶解し、それ以上では水に溶けにくくなるために分散状態になる。一方、50%超過では、経時変化により凝集し、水と混合した場合に水に溶けにくくなる。
本発明に用いる天然多糖類は、高濃度のメチオニンを水に均一に分散させるために用いるものであり、例えば、キサンタンガム、グア−ガム、ロ−カストビ−ンガム、カラギ−ナン、ペクチン、寒天、ジェランガム、アラビアガム、グルコマンナン、アルギン酸、ゼラチン、サイリウムシ−ドガム、メチルセルロ−ス、タマリンドガム、プルラン、カ−ドラン等の少なくとも1種(各単独又は2種以上の混合物、以下同様)が挙げられる。
これらの天然多糖類であれば、安全性の点で好ましく、例えば、本発明の肥料を葉面散布した場合において、天然物又は天然物由来であるため、葉面に残存しても速やかに生分解し、植物に害を与えないこととなる。更に、食品添加物の天然多糖類であれば植物の可食部に万一残存しても、人体に害を与えないこととなり、好ましい使用態様となる。特に好ましい天然多糖類としては、食品添加物である、キサンタンガム、寒天、プルランの使用が望ましい。
これらの天然多糖類であれば、安全性の点で好ましく、例えば、本発明の肥料を葉面散布した場合において、天然物又は天然物由来であるため、葉面に残存しても速やかに生分解し、植物に害を与えないこととなる。更に、食品添加物の天然多糖類であれば植物の可食部に万一残存しても、人体に害を与えないこととなり、好ましい使用態様となる。特に好ましい天然多糖類としては、食品添加物である、キサンタンガム、寒天、プルランの使用が望ましい。
上記天然多糖類以外の増粘剤の使用も考えられるが、例えば、PVA、ポリアクリルアミド等の合成高分子を用いると、例えば、葉面散布の場合、後に葉面に残存し、難分解性の皮膜を形成し、植物に害を与えることがある。これに対して、本発明では、葉面散布剤としても好適に実施することができるものとなる。
これらの天然多糖類の含有量は、肥料全量に対して、0.001〜5%、好ましくは、0.05〜3%含有することが望ましい。
この天然多糖類の含有量が、0.001%未満では、本発明の効果を発揮することができず、一方、5%超過では、粘度が高くなりすぎて製造し難くなる。
この天然多糖類の含有量が、0.001%未満では、本発明の効果を発揮することができず、一方、5%超過では、粘度が高くなりすぎて製造し難くなる。
本発明では、更に、カルシウムを含有せしめることが望ましい。カルシウムを併用することで、メチオニン単独含有よりも水稲、小麦用の肥料として用いた場合、水稲、小麦の倒伏防止効果を更に向上させることができるものとなる。
用いるカルシウムとしては、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸カルシウムなどの少なくとも1種が挙げられる。また、水酸化カルシウムなどの水不溶性のカルシウムを有機酸、無機酸で溶かして使用してもよい。有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸などを使用でき、無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸などを使用することができる。使用するカルシウムとしては、塩化カルシウム、または、水酸化カルシウムを酢酸、乳酸、グルコン酸などで溶かした状態のカルシウムが好ましい。
用いるカルシウムとしては、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸カルシウムなどの少なくとも1種が挙げられる。また、水酸化カルシウムなどの水不溶性のカルシウムを有機酸、無機酸で溶かして使用してもよい。有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸などを使用でき、無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸などを使用することができる。使用するカルシウムとしては、塩化カルシウム、または、水酸化カルシウムを酢酸、乳酸、グルコン酸などで溶かした状態のカルシウムが好ましい。
用いるカルシウムの含有量は、カルシウム分の純量〔例えば、塩化カルシウム(CaCl2)などを用いた場合は、Ca分の含有量〕であり、肥料全量に対して、0.1〜10%、好ましくは、1〜10%含有することが望ましい。
このカルシウムの含有量が0.1%未満では、カルシウムを含有せしめる効果が少なく、一方、10%を越えると、固型分含量が多くなり、製造が難しくなる。
好ましくは、塩化カルシウムはカルシウム含有量が高く、かつ溶解度が高いため製造しやすくなる点から、少なくとも塩化カルシウムを含有せしめ、塩化カルシウム由来のカルシウムの割合が全カルシウム中45〜65%であることが望ましい。
このカルシウムの含有量が0.1%未満では、カルシウムを含有せしめる効果が少なく、一方、10%を越えると、固型分含量が多くなり、製造が難しくなる。
好ましくは、塩化カルシウムはカルシウム含有量が高く、かつ溶解度が高いため製造しやすくなる点から、少なくとも塩化カルシウムを含有せしめ、塩化カルシウム由来のカルシウムの割合が全カルシウム中45〜65%であることが望ましい。
本発明では、上記メチオニン、天然多糖類、カルシウム及び残部となる水以外に、更に、植物の生長促進などの更なる向上の点から、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、肥料成分となる窒素、リン酸、カリ、苦土、マンガン、硼素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンの少なくとも1種以上を含有することができる。なお、窒素、リン酸、カリ、苦土、マンガン、硼素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンとしては、肥料取締法で使用が認められている原料又は材料により用いることができる。
これらの各成分の含有量は、肥料全量に対して、0.1〜15%が好ましく、更に好ましくは、5〜10%が望ましい。なお、窒素、カリなどの含有量は、純分量であり、窒素分としては、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸カリなどの使用で調整でき、カリ分としては、硝酸カリなどの使用で調整できる(実施例においても同様)。
これらの各成分の含有量は、肥料全量に対して、0.1〜15%が好ましく、更に好ましくは、5〜10%が望ましい。なお、窒素、カリなどの含有量は、純分量であり、窒素分としては、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸カリなどの使用で調整でき、カリ分としては、硝酸カリなどの使用で調整できる(実施例においても同様)。
また、本発明では、上記各成分の他に肥料取締法により使用が認められている原料や材料を用いても良い。また、本発明のメチオニン高濃度含有肥料のpH値は、1〜13で製造可能であるが、対象作物や農作業者への影響を考慮すると水道水で希釈した場合、その希釈液のpH値が3〜9程度になることが好ましい。
更に、本発明では、本発明の効果を損なわない範囲で、使用する際には他の肥料や農薬と混合使用しても良い。
更に、本発明では、本発明の効果を損なわない範囲で、使用する際には他の肥料や農薬と混合使用しても良い。
このように構成される本発明のメチオニン高濃度含有肥料は、メチオニン5〜50重量%と、天然多糖類0.001〜5重量%とを含有することによりペースト状となり、長期間(数年経過しても)安定で分離したり凝集することがなく、ペースト状中でメチオニンは水になじんでいるため、水で希釈すると容易に溶解することとなる。このため、水希釈液の濃度差がなく、均一濃度で作物に施肥、例えば、葉面散布剤として散布することができることとなる。なお、本発明のメチオニン高濃度含有肥料は、上記葉面散布以外に、土壌に適用する肥料、水耕栽培用肥料として使用することもできる。
本発明のメチオニン高濃度含有肥料は、メチオニンを高濃度に含有しても、その溶解性に優れるものであり、水稲、小麦の倒伏防止、果実の着色増進、根菜類の生育促進などの植物生長調節に好適に用いることができる。更に、カルシウムを併用することで、メチオニン単独含有よりも水稲、小麦の倒伏防止効果等を更に向上させることができるものとなる。
本発明のメチオニン高濃度含有肥料は、メチオニンを高濃度に含有しても、その溶解性に優れるものであり、水稲、小麦の倒伏防止、果実の着色増進、根菜類の生育促進などの植物生長調節に好適に用いることができる。更に、カルシウムを併用することで、メチオニン単独含有よりも水稲、小麦の倒伏防止効果等を更に向上させることができるものとなる。
次に、本発明を実施例及び比較例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〜48及び比較例1〜42〕
下記表1〜3に示す配合組成(残部:水、全量100%)で肥料を調製し、安定性と水道水で1000倍に希釈した場合の溶解性を評価した。
用いるカルシウム分は、塩化カルシウム、水酸化カルシウムを用いたものであり、塩化カルシウム由来のカルシウムの割合が全カルシウム中50%であった(実施例49等においても同様)。
安定性の評価は、製造後1週間室温で保管後の外観を目視で官能評価した。また、溶解性の評価は、肥料2gを水道水1Lに添加し、ペラ部分長が6cmの十字型攪拌棒で攪拌して30秒以内に溶解した場合を「○」で評価し、30秒〜1分で溶解した場合を「△」で評価し、溶解するのに1分以上を要した場合を「×」で評価した。
これらの結果を下記表1〜3に示す。
下記表1〜3に示す配合組成(残部:水、全量100%)で肥料を調製し、安定性と水道水で1000倍に希釈した場合の溶解性を評価した。
用いるカルシウム分は、塩化カルシウム、水酸化カルシウムを用いたものであり、塩化カルシウム由来のカルシウムの割合が全カルシウム中50%であった(実施例49等においても同様)。
安定性の評価は、製造後1週間室温で保管後の外観を目視で官能評価した。また、溶解性の評価は、肥料2gを水道水1Lに添加し、ペラ部分長が6cmの十字型攪拌棒で攪拌して30秒以内に溶解した場合を「○」で評価し、30秒〜1分で溶解した場合を「△」で評価し、溶解するのに1分以上を要した場合を「×」で評価した。
これらの結果を下記表1〜3に示す。
上記表1の結果を見ると、比較例1、2、4〜6、8、11に示したようにメチオニンが5%以上存在し、キサンタンガムを含有せず(0%)、または、0.001%以下ではメチオニンが2層分離し、溶解性が悪くなり、水に溶けにくくなることが判った。比較例3、7、9、10,12に示したようにキサンタンガムを5%以上使用すると液の粘度が高くなり、水に溶けにくくなる。特に、比較例7、12では、カルシウム、窒素、カリなどの肥料成分も混合溶解し難くなる。更に、比較例13、14に示したようにメチオニンを50%以上使用すると、安定性が悪くなり、沈殿を生じ、溶解性が悪くなり、水に溶けにくくなることが判った。
これに対して、本発明の範囲内となる実施例1〜16では、ペ−スト状を呈し、安定性及び水への溶解性も良好であることが判った。更に、カルシウム、窒素、カリを配合した実施例2、4、6、8、10、12、14、16でもペ−スト状を呈し、安定であり、水への溶解性も良好であることが判った。
これに対して、本発明の範囲内となる実施例1〜16では、ペ−スト状を呈し、安定性及び水への溶解性も良好であることが判った。更に、カルシウム、窒素、カリを配合した実施例2、4、6、8、10、12、14、16でもペ−スト状を呈し、安定であり、水への溶解性も良好であることが判った。
上記表2の結果を見ると、比較例15、16、18〜20、22、25に示したようにメチオニンが5%以上存在し、寒天を含有せず(0%)、または、0.001%以下ではメチオニンが2層分離し、溶解性が悪くなり、水に溶けにくくなることが判った。比較例17、21、23、24,26に示したように寒天を5%以上使用すると液の粘度が高くなったり、肥料分が不用となったり、水に溶けにくくなる。特に、比較例21、26の場合、カルシウム、窒素、カリなどの肥料成分も混合溶解し難くなる。更に、比較例27、28に示したようにメチオニンを50%以上使用すると、安定性が悪くなり、沈殿を生じ、溶解性が悪くなり、水に溶けにくくなることが判った。
これに対して、本発明の範囲内となる実施例17〜32では、ペ−スト状を呈し、安定性及び水への溶解性も良好であることが判った。更に、カルシウム、窒素、カリを配合した実施例18、20、22、24、26、28、30、32でもペ−スト状を呈し、安定であり、水への溶解性も良好であることが判った。
これに対して、本発明の範囲内となる実施例17〜32では、ペ−スト状を呈し、安定性及び水への溶解性も良好であることが判った。更に、カルシウム、窒素、カリを配合した実施例18、20、22、24、26、28、30、32でもペ−スト状を呈し、安定であり、水への溶解性も良好であることが判った。
上記表3の結果を見ると、比較例29、30、32〜35、36、39に示したようにメチオニンが5%以上存在し、プルランを含有せず(0%)、または、0.001%以下ではメチオニンが2層分離し、溶解性が悪くなり、水に溶けにくくなることが判った。比較例31、35、37、38,40に示したようにプルランを5%以上使用すると液の粘度が高くなり、水に溶けにくくなる。特に、比較例35、40の場合、カルシウム、窒素、カリなどの肥料成分も混合溶解し難くなる。更に、比較例41、42に示したようにメチオニンを50%以上使用すると、安定性が悪くなり、沈殿を生じ、溶解性が悪くなり、水に溶けにくくなることが判った。
これに対して、本発明の範囲内となる実施例33〜48では、ペ−スト状を呈し、安定性及び水への溶解性も良好であることが判った。更に、カルシウム、窒素、カリを配合した実施例34、36、38、40、42、44、46、48でもペ−スト状を呈し、安定であり、水への溶解性も良好であることが判った。
これに対して、本発明の範囲内となる実施例33〜48では、ペ−スト状を呈し、安定性及び水への溶解性も良好であることが判った。更に、カルシウム、窒素、カリを配合した実施例34、36、38、40、42、44、46、48でもペ−スト状を呈し、安定であり、水への溶解性も良好であることが判った。
〔実施例49〜60及び比較例43〜48〕
下記表4及び5に示す配合組成(残部:水)で肥料を調製し、下記方法により、水道水500倍希釈後のpH濃度、水稲の座折重(g)、小麦の棹強度を評価した。
pH濃度は、pH濃度測定装置(ガラス電極式水素イオン濃度指示計、東亜ディーケーケー株式会社製)により測定した。
水稲の座折重(g)は、水稲棹の第4節間の中央に加重をかけて棹が折れる重さを測定した。
棹強度は、小麦棹の第1節と第2節間の中央部に加重をかけて棹が折れる重さ(g)を測定した。
これらの結果を下記表4及び5に示す。
下記表4及び5に示す配合組成(残部:水)で肥料を調製し、下記方法により、水道水500倍希釈後のpH濃度、水稲の座折重(g)、小麦の棹強度を評価した。
pH濃度は、pH濃度測定装置(ガラス電極式水素イオン濃度指示計、東亜ディーケーケー株式会社製)により測定した。
水稲の座折重(g)は、水稲棹の第4節間の中央に加重をかけて棹が折れる重さを測定した。
棹強度は、小麦棹の第1節と第2節間の中央部に加重をかけて棹が折れる重さ(g)を測定した。
これらの結果を下記表4及び5に示す。
上記表4の結果は、比較例43〜45と実施例49〜54の配合組成で水稲に葉面散布(散布濃度:水道水500倍希釈)し、約1ヶ月後に挫折重を測定したものである。水道水のみ散布した無処理区と比較すると、天然多糖類とカルシウム等の肥料分を混合した比較例43〜45では挫折重は若干増加していることが判った。これに対して、本発明の範囲となる実施例49〜54では、挫折重を大きく増加でき、水稲の倒伏防止効果に優れていることが判った。特に、カルシウムを併用する実施例52〜54では、メチオニン単独含有よりも水稲の倒伏防止効果を更に向上させることができることが判った。
上記表5の結果は、比較例46〜48と実施例55〜60の配合組成により、小麦の出穂前、出穂始又は出穂前と出穂始に葉面散布(散布濃度:水道水500倍希釈)し、それぞれの稈強度を約1ヶ月後に測定した。水道水のみ散布した無処理区と比較すると天然多糖類とカルシウム等を混合した比較例46〜48では稈強度は若干増加していることが判った。これに対して、本発明の範囲となる実施例55〜60では、棹強度を大きく増加でき、小麦の倒伏防止効果に優れていることが判った。特に、カルシウムを併用する実施例58〜60では、メチオニン単独含有よりも小麦の倒伏防止効果を更に向上させることができることが判った。
本発明のメチオニン高濃度含有肥料は、長期間安定で水に溶けやすく、水稲、小麦の倒伏防止用、果実の着色増進、根菜類の生育促進などに好適な肥料が提供されることとなる。
Claims (7)
- メチオニン5〜50重量%と、天然多糖類0.001〜5重量%とを含有することを特徴とするメチオニン高濃度含有肥料。
- 更に、カルシウムを0.1〜10重量%含有することを特徴とする請求項1記載のメチオニン高濃度含有肥料。
- 窒素、リン酸、カリ、苦土、マンガン、硼素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンの少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のメチオニン高濃度含有肥料。
- ペ−スト状であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載のメチオニン高濃度含有肥料。
- 葉面散布剤であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載のメチオニン高濃度含有肥料。
- 水稲、小麦の倒伏防止剤であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載のメチオニン高濃度含有肥料。
- カルシウムとして、塩化カルシウム由来のカルシウムの割合が全カルシウム中45〜65%であり、pHが3〜7であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載のメチオニン高濃度含有肥料。
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