JP2007320395A - マスタシリンダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダ本体内に隔成される圧力室にはピストン4に反力を付与するスプリング8を配置する。スプリング8は、一対の分割ピース9A,9Bから成るリテーナ9に支持させる。分割ピース9A,9Bは相互に進退自在に嵌合されるガイド筒20A,20Bと、スプリング8の端部を支持する係止フランジ21A,21Bを有する。係止フランジ21A,21Bには、ガイド筒20A,20Bとの連接部から、外周端面に達しない範囲で径方向外側に延出するエア抜き孔27を形成する。内部のエアはエア抜き孔27を通して外部に排出され、各係止フランジ21A,21Bは、外周端面が環状に連続するために変形強度が高まる。
【選択図】図3
Description
リターンスプリングは、その両端部をスプリングリテーナで支持された状態でシリンダ本体内に組み付けられるが、近年、このときの組付け性を良好にするために、リターンスプリングとスプリングリテーナを予め一体に組付け、スプリグユニットとしてシリンダ本体内に組み付けるようにしたマスタシリンダが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
したがって、両分割ピースに組み付けられたリターンスプリングは、両端部が各分割ピースのフランジ部で支持されるとともに、ガイド筒相互の軸方向の変位によってその伸縮が許容されることになる。
これにより、スプリングリテーナ内のエアはフランジ部のガイド筒との連接部から径方向外側に延出する孔を通って外部に沿って排出されるようになる。また、孔はフランジ部の外周端面に達しない範囲で設けられているため、フランジ部は外周縁部が環状に繋がることになり、全体の変形強度が高まる。
これにより、スプリングリテーナ内のエアは、フランジ部の溝を通って外部に排出されるようになる。また、溝はフランジ部の外周縁部を円周方向で完全に分離するものでないため、フランジ部全体の変形強度は高く維持される。
特に、請求項2に記載の発明によれば、スプリングリテーナの周方向の設置角度に拘らず、複数の孔のいずれかからより有利にエアを外部に排出することができる。
特に、請求項4に記載の発明によれば、スプリングリテーナの周方向の設置角度に拘らず、複数の溝のいずれかからより有利にエアを外部に排出することができる。
図1において、1は、この発明に係るマスタシリンダであり、2は、このマスシリンダ1の上部に取付けられたリザーバタンクである。この実施形態のマスタシリンダ1は車両のブレーキ装置に用いられ、運転席のブレーキペダル操作に連動してブレーキ回路に作動液を給排する。なお、リザーバタンク2は、大型でフロート機構を有するメインタンクと小型のサブタンクが相互に配管接続された分離タイプのものであり、図1では、マスタシリンダ1に直結されるサブタンクのみを示す。なお、リザーバタンク2は分離タイプに限るものではなく、フロート機構を有する単独のタンクをマスタシリンダ11に直結するようにしても良い。
シリンダ本体3の軸方向に離間した2位置には環状溝14a,14bが形成され、この各環状溝14a,14bに給排孔13a,13bが夫々導通している。各環状溝14a,14bは、夫々プライマリピストン4とセカンダリピストン5の外周面に臨む位置に形成され、各ピストン4,5の内外に設けられた後述する2系統の通路を通して対応する圧力室5,6に接続されるようになっている。また、シリンダ本体3の内周面の各環状溝14a,14bの軸方向の前後位置にはコ字状断面のシールリング15,16が装着され、これらのシールリング15,16によってシリンダ本体3と各ピストン4,5の摺動隙間が液密にシールされている。
また、この状態から各ピストン4,5がリターンスプリング8の力を受けて後退すると、ブレーキ配管から各圧力室6,7内に作動液が戻される。そして、このとき各圧力室6,7内の圧力が一時的にリザーバタンク2内の圧力よりも低くなると、前述のようにシールリング15が導通溝18a,18bを開き、各圧力室6,7内での不足分の作動液がリザーバタンク2から補充される。
スプリングユニット10は、コイルばねから成るリターンスプリング8と、このリターンスプリング8の伸縮をガイドしつつ同スプリング8の両端部を支持する樹脂製のスプリングリテーナ9とを備え、スプリングリテーナ9は、略筒状の一対の分割ピース9A,9Bによって構成されている。
特に、この実施形態のように係止フランジ21A,21Bのボス部25の背面側に凹部26が形成されている場合には、ボス部25付近に径方向外側に向かう応力が作用して座面の変形を招き易くなるが、このスプリングユニット10においては、係止フランジ21A,21Bの外周端が環状に連なっているためにこのような変形を有効に防止することができる。
この第2の実施形態のマスタシリンダは、全体の構成は第1の実施形態とほぼ同様であるが、スプリングユニット110のうちの、スプリングリーナ109の分割ピース109A,109Bの構造が若干異なっている。したがって、以下では第1の実施形態と異なる部分についてのみ詳述し、第1の実施形態と同一部部に同一符号を付して重複する説明を省略するものとする。
3…シリンダ本体
4…プライマリピストン(ピストン)
5…セカンダリピストン(ピストン)
6…第1圧力室(圧力室)
7…第2圧力室
8…リターンスプリング
9,109…スプリングリテーナ
9A,9B,109A,109B…分割ピース
20A,20B…ガイド筒
21A,21B…係止フランジ(フランジ部)
27…エア抜き孔(孔)
30…エア抜き溝(溝)
Claims (4)
- 作動液が導入されるシリンダ本体と、
このシリンダ本体に摺動自在に嵌合されて同シリンダ本体の内側に圧力室を隔成するピストンと、
前記圧力室内に配置されて前記ピストンに戻り方向の反力を付与するリターンスプリングと、
このリターンスプリングの伸縮を許容しつつ同リターンスプリングの両端部を支持するスプリングリテーナと、を備えたマスタシリンダにおいて、
前記スプリングリテーナが、軸方向に進退可能に組み付けられた一対の分割ピースを備え、
この各分割ピースに、前記リターンスプリングの内周側に挿入されて同リターンスプリングをガイドする略円筒状のガイド筒と、このガイド筒の一端側で前記リターンスプリングの端部を支持するフランジ部が設けられ、
このフランジ部に、同フランジ部の外周端面に達しない範囲で、前記ガイド筒との連接部から径方向外側に延出する孔が設けられていることを特徴とするマスタシリンダ。 - 前記孔が前記ガイド筒の周方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ。
- 作動液が導入されるシリンダ本体と、
このシリンダ本体に摺動自在に嵌合されて同シリンダ本体の内側に圧力室を隔成するピストンと、
前記圧力室内に配置されて前記ピストンに戻り方向の反力を付与するリターンスプリングと、
このリターンスプリングの伸縮を許容しつつ同リターンスプリングの両端部を支持するスプリングリテーナと、を備えたマスタシリンダにおいて、
前記スプリングリテーナが、軸方向に進退可能に組み付けられた一対の分割ピースを備え、
この各分割ピースに、前記リターンスプリングの内周側に挿入されて同リターンスプリングをガイドする略円筒状のガイド筒と、このガイド筒の一端側で前記リターンスプリングの端部を支持するフランジ部が設けられ、
このフランジ部の前記リターンスプリングとの当接面と反対側の面に、外周端面に向かって延出する溝が設けられていることを特徴とするマスタシリンダ。 - 前記溝が前記ガイド筒の周方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項3に記載のマスタシリンダ。
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