JP2007320144A - 導電性フィルム用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】タッチパネル作製工程での加熱時の耐熱性、該工程で使用される有機溶剤による耐薬品性に優れ、かつ導電層や銀電極との密着性に優れる、透明導電性フィルム用の基材として好適な積層ポリエステルフィルムを提供する
【解決手段】2軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、乾燥後の膜厚が0.1〜2.0μmの硬化性樹脂層を積層してなる導電性フィルム用積層ポリエステルフィルムであって、硬化性樹脂層を構成する硬化性樹脂が、シリコーン樹脂とイソシアネート系樹脂の架橋体であることを特徴とする導電性フィルム用積層ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性フィルムの導電層の下地層として、耐熱性、耐薬品性、密着性に優れた硬化性樹脂層を有する導電性フィルムの基材として好適な積層ポリエステルフィルムに関するものである。
透明プラスチックフィルムに、透明でかつ電気抵抗が小さな薄膜を積層した透明導電性フィルムは、その透明性と導電性を利用した用途、例えば、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンスディスプレイなどのようなフラットパネルディスプレイ、特にタッチパネルの透明電極など、電気・電子分野の用途に広く使用されている。
近年、携帯情報端末やタッチパネル付きノートパソコンの普及により、従来以上に信頼性の優れたタッチパネルが要求されるようになってきた。
上記の透明導電性フィルムには、例えば、タッチパネルの場合には、次のような特性が要求されている。透明導電性フィルムを加工する際には、銀ペーストなどを印刷するため、150℃程度の加熱が必要であり、この加熱に耐え得る耐熱性が必要となる。また、組立工程では種々の有機溶剤を含んだインクなどを用いるため、有機溶剤に対する耐性も要求される。
例えば、従来の透明導電性フィルムとしては、透明導電性薄膜と基材フィルムの中間層として、水性ポリウレタン樹脂や熱可塑性ポリエステル系樹脂を用いたものなどが提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。透明導電性フィルムの下地層に、これらの樹脂を用いた場合には、プラスチックフィルムに直接、透明導電性薄膜を形成する場合に比べて、透明導電性薄膜の付着力が向上する。
しかしながら、従来、上記の下地層に用いられてきた接着性改質樹脂は、十分な耐久性を有していない。例えば、150℃で60分程度の加熱を行うと、白化し、外観不良を生じる。これは、プラスチックフィルムから加熱によって発生するオリゴマーなどの析出に起因する。さらに、上記加工工程で使用する有機溶剤にも十分に耐え得るものではなかった。
特開昭63−319135号公報 特開平2−276106号公報
すなわち、本発明の目的は、タッチパネル作製工程での加熱時の耐熱性、該工程で使用される有機溶剤による耐薬品性に優れ、かつ導電層や銀電極との密着性に優れる、透明導電性フィルム用の基材として好適な積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決することができた本発明の導電性フィルムの基材フィルムとして好適な用積層ポリエステルフィルムとは、以下の構成からなる。
すなわち、本発明の導電性フィルム用積層ポリエステルフィルムは、2軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、乾燥後の膜厚が0.1〜2.0μmの硬化性樹脂層を積層してなる導電性フィルム用積層ポリエステルフィルムであって、硬化性樹脂層を構成する硬化性樹脂層を構成する硬化性樹脂が、シリコーン樹脂とイソシアネート系樹脂の架橋体であることを特徴とする。
また、本発明においては、前記のイソシアネート系樹脂が、ブロックイソシアネートから構成されていることが好ましい実施形態である。また、イソシアネート系樹脂の原料がイソホロンジイソシアネート(IPDI)であることも好ましい実施形態である。
透明導電性フィルムの下地層として、シリコーン樹脂またはシリコーンアルキッド樹脂と、イソシアネート系樹脂の架橋体からなる硬化性樹脂を用いているため、160℃〜170℃の加熱処理においても、耐熱性に優れ、かつ、エッチング工程にて使用される酸やアルカリをはじめとする種々薬品に対しても耐性が強く、さらにポリエステルフィルム、導電層、そして銀電極等の導電性インキに対する密着性に優れる、という利点がある。
本発明者等は、透明導電性フィルム用の積層ポリエステルフィルムを開発すべく、鋭意検討を重ねてきた。その結果、基材となるポリエステルフィルムと、導電性確保のための透明導電性薄膜との間に介在させる下地層を、特定の樹脂からなる架橋体を主成分とする硬化性樹脂層を用いた場合、透明プラスチックフィルムと透明導電性薄膜との密着性を高めると共に、タッチパネル作製工程等の際の加熱に耐え得る耐熱性や、有機溶剤に対する耐性(耐薬品性)を確保できることを見出した。
[ポリエステルフィルム]
本発明の導電性フィルム用積層ポリエステルフィルム(以下、単に「フィルム」という場合がある)に用い得るポリエステルフィルムとは、有機高分子を溶融押出、または溶液押出し、さらに必要に応じて長手方向および/または幅方向に延伸し、冷却・熱固定を施して得られるフィルムである。なお、上記ポリエステルフィルムは、本発明の透明導電性フィルムに要求される透明性が確保可能な程度の透明性を有していればよく、無色透明であっても、有色透明であっても構わない。なお、本発明でいう「フィルム」は、所謂「シート」も含む概念である。
ポリエステルフィルムの厚みは、10μmを超え、300μm以下であることが好ましい。より好ましくは70μm以上260μm以下である。ポリエステルフィルムの厚みが上記範囲を下回ると、透明導電性フィルムの機械的強度が不足する傾向にあり、他方、上記範囲を超えると、例えば透明導電性フィルムをタッチパネルに用いた際に、該フィルムを変形させるためのペン荷重が大きくなる傾向にあり、好ましくない。
上記透明プラスチックフィルムには、本発明の目的を損なわない範囲で、コロナ放電処理、グロー放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、オゾン処理、酸またはアルカリを用いた化学薬品処理などの表面活性化処理を施してもよい。
[硬化性樹脂層]
本発明の積層ポリエステルフィルムにおいて、導電性フィルムの導電層の下地層となる硬化性樹脂層は、シリコーン系樹脂とイソシアネート含有樹脂との混合物を反応させた架橋体から構成される。なお、シリコーン樹脂としては、シリコーンアルキッド樹脂が好適である。
シリコーン系樹脂とイソシアネート系樹脂の架橋反応を行う際には、シリコーン系樹脂/イソシアネート含有樹脂の比率は、質量比で75/25〜50/50であることが好ましく、さらに好ましくは65/35〜55/45である。シリコーン樹脂の比率が、上記範囲を下回る場合には、優れた耐熱性を発揮することが難しくなる。一方、上記範囲を超える場合には、各種材料との密着性に劣りやすくなる。
上記シリコーン樹脂とイソシアネート系樹脂の混合物は、所定の温度にて加熱を行うことで架橋体を形成し、架橋体を形成した前記樹脂混合物は優れた耐熱性、密着性、さらには高度な耐有機溶剤性を発揮し得る。なお、前記樹脂を含む塗布液をポリエステルフィルムに塗工する場合、イソシアネート系樹脂に使用されているブロック化剤を解離させる温度よりも高い温度にて乾燥させることが重要である。
また、前記硬化性樹脂層はイソシアネート系以外でも種々の架橋剤を用いることができる。例えば、メラミン系、エポキシ系、アミン系、アミド系、アジリジン系などを挙げることができるが、架橋剤の種類および配合量は、前記シリコーン系樹脂の種類や、該共重合体の有する官能基量などに応じて適宜決定すればよい。
前記シリコーン系樹脂とイソシアネート(下地層形成用組成物)を含む塗布液を、透明プラスチックフィルム表面に塗布する際には、該フィルムへの濡れ性を上げ、前記塗布液を均一にコートするために、公知のアニオン性界面活性剤やノニオン性界面活性剤を、適量添加して用いてもよい。
本発明に記載の硬化性樹脂層中には、本発明の効果を阻害しない範囲において公知の添加剤、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の粒子、帯電防止剤、核剤などを添加しても良い。これらを下地層中に導入するには、例えば、下地層形成用組成物に添加する方法が採用可能である。
二軸延伸ポリエステルフィルムに硬化性樹脂層を形成させる段階は、ポリエステルフィルムの延伸前、一軸延伸後、二軸延伸前、あるいは二軸延伸後のいずれであってもよい。なお、硬化性樹脂層をポリエステルフィルムに積層する方法は、塗布法が好ましい。塗布方法としては、公知の塗布方法、例えば、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ダイコーター法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、含浸コート法、カーテンコート法などを使用することができる。また、これらの方法は、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。
以下、代表して、オフラインコート法による硬化性樹脂層の形成方法を説明する。
二軸延伸ポリエステルフィルムに、前記の硬化性樹脂層形成用塗布液を塗布し、乾燥する。具体的には、乾燥温度を140〜170℃とすることが好ましく、乾燥時間は、硬化性樹脂層の材料の種類や塗布量に応じて調整することが可能である。
硬化性樹脂層の厚みは特に限定されないが、本発明では、乾燥塗布厚みで0.1〜2.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μmである。硬化性樹脂層の厚さが0.1μm未満では加熱により発生するオリゴマーの析出を抑制できない。そのため、フィルムが白化し、硬化性樹脂層に起因する効果を充分に発揮できなくなる。一方、硬化性樹脂層の厚さが2.0μmを越えると、乾燥速度が遅くなり生産性が低下する。さらに、積層ポリエステルフィルムの裏面にハードコート層を設ける場合、後工程での加熱処理時に、ハードコート層と硬化性樹脂層との収縮率の差から、反りの問題が発生しやすくなる。本発明の積層ポリエステルフィルムは、硬化性樹脂層の表面に、透明導電層を形成させた透明導電性フィルムとして用いることが特に好適である。その場合、透明導電性フィルムでは、透明導電性フィルムの透明導電層とは反対面(本発明の積層ポリエステルフィルムの硬化性樹脂層との反対面)にハードコート層を形成させるためである。
また、本発明で用いるポリエステルフィルムは。硬化性樹脂層との密着性をさらに向上させるため、硬化性樹脂層を積層する前に、ポリエステルフィルムにシランカップリング剤等によるプライマー処理を施しても良い。特に、塗膜形成後の表面平滑性に優れ、基材樹脂や導電層との密着性に優れたものが望ましい。
また、本発明で用いるポリエステルフィルムは。硬化性樹脂層との密着性をさらに向上させるため、硬化性樹脂層を積層する前に、コロナ放電処理、火炎処理、酸またはアルカリによる表面活性化処理を行ってもよい。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、硬化性樹脂層を介して透明導電層を形成させた透明導電性フィルムの基材として用いることが特に好ましい。透明導電性薄膜は、インジウム−スズ複合酸化物から形成されたものであることが推奨される。
また、本発明の積層ポリエステルフィルムを基材として用いた透明導電性フィルムにおいて、透明導電性薄膜の形成面の反対側の面に、ハードコート層を形成させることも、透明導電性フィルムの好ましい実施態様である。ハードコート層としては、防眩性を有するものや、低反射処理が施されたものが好適である。
以下、実施例について本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を限定するものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することは全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、本実施例において「部」及び「%」は特に断らない限り、質量基準である。また、実施例や比較例で得られたフィルムの特性は以下の方法で評価した。
<光線透過率・ヘイズ>
日本電色工業株式会社製「NDH−1001DP」を用い、JISK7105に準じて、ヘイズを測定した。
<積層ポリエステルフィルムの耐熱性評価>
積層ポリエステルフィルムを300kgf/cmに加圧後、160℃±3℃に調室したオーブン内に60分保管し、続いて室温で30分放置した後、積層ポリエステルフィルムにおいて、硬化性樹脂層が積層されていない面を溶剤で洗浄し、上記方法でヘイズを測定した。
<耐薬品性評価>
40℃x1Nに調節したHCl、及びNaOHそれぞれの水溶液中に10分間浸漬し、流水にて十分洗浄を行った後、乾燥させ、外観を目視して観察した。
<後加工適正評価>
(銀電極密着性)
導電性ペースト(東洋紡績社製、DW250−H、DX121−H)を各透明導電性フィルムを除去したフィルムに、乾燥後の膜厚が8〜10μmになるようにスクリーン印刷した後、130℃±3℃に調整したオーブン内に40分保管し、続いて室温で30分放置し、テストピースとした。テストピース用いてJIS K5400に準拠し、試験板の塗膜表面にカッターナイフで基材に達するように、直行する縦横11本ずつの平行な直線を1mm間隔で引いて、1mm×1mmのマス目を100個作成した。その表面にセロハン粘着テープを密着させ、テープを急激に剥離した際のマス目の剥がれ程度を観察し、評価した。100/100は全く剥離しなかったことを表し、0/100は全て剥離してしまったことを表す。
<密着性評価>
テストピースを用いて、JIS K5400に準拠し、碁盤目−テープ法に準じて、試験板の塗膜表面にカッターナイフで基材に達するように、直行する縦横11本ずつの平行な直線を1mm間隔で引いて、1mmx1mmのマス目を100個作成した。その表面にセロハン粘着テープを密着させ、テープを急激に剥離した際のマス目の剥がれ程度を観察し、評価した。100/100は全く剥離しなかったことを表し、0/100は全て剥離してしまったことを表す。
実施例1
<硬化樹脂層形成用塗布液の調製>
シリコーンアルキッド樹脂(東芝シリコーン社製、トスガード)100質量部に対し、イソホロンジイソシアネートを原料とするブロックイソシアネート(住化バイエル社製、BL4265SN)を50質量部混合した。さらに、イソプロピルアルコール150質量部にて希釈し、15分間攪拌して、淡黄色透明のシリコーンアルキッド樹脂とイソシアネート系樹脂の混合物を含む塗布液を得た。
<導電性フィルム用積層ポリエステルフィルムの製造方法>
ポリエステルフィルムの原料として、実質的に不活性微粒子を含有しておらず、固有粘度が0.62dl/gのPETペレットを用いた。このPETペレットを135℃で6時間減圧乾燥(1.3hPa)した後、押出機に供給し、約280℃でシート状に溶融押出した。次いで、表面温度を20℃に保った金属ロール上で、静電密着法を用いて急冷固化して、厚みが1900μmの未延伸PETフィルムを得た。次に、この未延伸PETフィルムを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱した。その後、周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍延伸して、一軸配向PETフィルムを得た。
次いで、共重合ポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂を構成成分として含む易接着層形成用塗布液を、一軸配向PETフィルムの両面にリバースコート法で塗布した。続いて、温度:65℃、相対湿度:60%、風速:15m/秒の条件で2秒間風乾し、その後、連続的に端部をクリップで把持しながら、テンターに導き、120℃に加熱し、3.7倍に横延伸し、幅固定して230℃で5秒間の熱処理を施した後、200℃で幅方向に4%緩和させることにより、厚みが188μmの、両面に易接着層を有する2軸延伸PETフィルムを得た。最終的な易接着層の乾燥塗布量は、いずれの面とも0.1g/mであった。
<硬化性樹脂層の形成>
上記、2軸延伸PETフィルムの易接着層の表面に、実施例1で調製した硬化樹脂層形成用塗布液をグラビアコート方式にて140℃で10m/秒の熱風で20秒間、170℃で10m/秒の熱風で20秒間、さらに、70℃で20m/秒の熱風で10秒間通過させて乾燥し、導電性フィルム用積層ポリエステルフィルムを得た。なお、この時の乾燥後の硬化性樹脂層の膜厚は0.7μmだった。
実施例2
硬化性樹脂層を形成させるための塗布液として、シリコーンアルキッド樹脂(東芝シリコーン社製、トスガード)20質量部に対し、イソホロンジイソシアネートを原料とするブロックイソシアネート(住化バイエル社製、BL4265SN)を10質量部混合し、さらにイソプロピルアルコール180質量部にて希釈し、15分間攪拌して調製した、淡黄色透明の塗布液を準備した。
実施例1において、硬化性樹脂層形成用塗布液として、上記の塗布液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電性フィルム用積層ポリエステルフィルムを得た。なお、この時の乾燥後の硬化性樹脂層の膜厚は0.2μmだった。得られた積層ポリエステルフィルムは密着性には良好だったが耐熱性で若干劣るものとなった。
実施例3
実施例1において、硬化性樹脂層形成塗布液として、シリコーンアルキッド樹脂(東芝シリコーン社製、トスガード)100質量部に対し、ブロックイソシアネート(住化バイエル社製、VPLS2253;イソホロンジイソシアネートを原料として用いていない)を50質量部混合する以外は実施例1と同様にして、導電性フィルム用積層ポリエステルフィルムを得た。なお、この時の乾燥後の硬化性樹脂層の膜厚は0.7μmだった。得られた積層ポリエステルフィルムはヘイズが若干劣るものの、密着性に良好なものだった。
比較例1
硬化性樹脂層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして、導電性フィルム用積層ポリエステルフィルムを得た。
比較例2
実施例1において、硬化性樹脂層形成塗布液として、シリコーンアルキッド樹脂(東芝シリコーン社製、トスガード)100質量部にイソプロピルアルコールを100質量部添加した塗布液を用いること以外は実施例1と同様にして、導電性フィルム用積層ポリエステルフィルムを得た。なお、この時の乾燥後の硬化樹脂層の膜厚は0.7μmだった。得られた積層ポリエステルフィルムは、耐熱性には優れるが密着性に劣るものであった。
比較例3
実施例1において、硬化性樹脂層形成塗布液として、イソシアネートとして、日本ポリウレタン製のコロネートLを使用する以外は実施例1と同様にして、導電性フィルム用積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムは耐熱性には優れるが、密着性に劣るものであった。
Figure 2007320144
表1の結果より、実施例1で得られた透明樹脂フィルムは160℃の条件下において、60分加熱してもヘイズ変化が全くないことがわかった。イソシアネート系樹脂をシリコーン系樹脂に対し、30質量%以下にすると、優れた耐熱性のフィルムは得られるが、導電層と銀電極両者に対する密着性が低下し、また、イソシアネート系樹脂をシリコーン系樹脂に対し100質量%以上にすると、両者に対して密着性は良好だが、目的とする耐熱性を得ることができない。
シリコーン系樹脂/イソシアネート含有樹脂の比率は、質量比で75/25〜50/50
さらに、塗布時の乾燥条件は、使用するイソシアネート系樹脂のブロック化剤の解離温度以上にすることが望ましく、上記実施例に記載した材料に関しては、140℃以上の乾燥温度が必要である。

Claims (3)

  1. 2軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、乾燥後の膜厚が0.1〜2.0μmの硬化性樹脂層を積層してなる導電性フィルム用積層ポリエステルフィルムであって、硬化性樹脂層を構成する硬化性樹脂が、シリコーン樹脂とイソシアネート系樹脂の架橋体であることを特徴とする導電性フィルム用積層ポリエステルフィルム。
  2. イソシアネート系樹脂が、ブロックイソシアネートから構成されていることを特徴とする請求項1記載の導電性フィルム用積層ポリエステルフィルム。
  3. イソシアネート系樹脂の原料がイソホロンジイソシアネート(IPDI)であることを特徴とする請求項1または2記載の導電性フィルム用積層ポリエステルフィルム。
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