JP2007311528A - パワーモジュール用基板およびパワーモジュール用基板の製造方法並びにパワーモジュール - Google Patents
パワーモジュール用基板およびパワーモジュール用基板の製造方法並びにパワーモジュール Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】セラミックス板11の表面に回路層12がろう付けされてなり、回路層12に半導体チップ16がはんだ接合されるとともに、セラミックス板11の裏面側にヒートシンク17が接合されるパワーモジュール用基板14であって、回路層12とセラミックス板11との接合界面の外周部において、その外周縁を含む外周縁部よりも内方に位置する部分は全周にわたって非接合とされている。
【選択図】図1
Description
この発明によれば、回路層とセラミックス板との接合界面の外周部において、その外周縁を含む外周縁部よりも内方に位置する部分は全周にわたって非接合とされているので、パワーモジュールを形成した後これを冷却する際、あるいはこのパワーモジュールを熱サイクル下で使用する過程において、パワーモジュール全体に反りが発生したり、回路層がセラミックス板の表面に沿った方向に伸縮したりすることによって、この回路層とセラミックス板との接合界面に応力が発生しようとした場合においても、回路層の接合面で生ずる熱ひずみを前記非接合の部分で吸収することが可能になり、この接合界面に発生する応力を緩和させることができる。したがって、回路層がセラミックス板から剥離するのを抑えパワーモジュールの熱サイクル寿命を向上させることができる。
この発明によれば、本発明のパワーモジュール用基板を容易かつ高効率に形成することができる。
さらに、ろう材箔に切り欠き部が形成されていることから、回路層をセラミックス板の表面にろう付けする際に、溶融したろう材がこれらの接合界面に沿った方向に拡がろうとしたときに、その一部が前記切り欠き部を埋めるように拡がることになり、回路層とセラミックス板との間から溢れ出る溶融ろう材の量を抑え、このろう材がその表面張力により凝集することによって回路層の側面を伝ってこの表面に乗り上がるのを防ぐことができる。
しかも、前記切り欠き部は、ろう材箔の外周部においてその外周縁を含む外周縁部よりも内方に形成され、回路層の接合面における外周縁部はセラミックス板にろう付けされているので、回路層とセラミックス板との接合強度は十分に確保することができる。
以上より、回路層とセラミックス板との接合不良を生じさせることなく、溶融ろう材の回路層の表面への乗り上げをも防ぐことができる。
なお、前記ろう材箔に代えて、その外周部に、側方に開口する切り欠き部が周方向に間隔をあけて複数形成されたろう材箔を採用してもよい。
この発明によれば、熱サイクル寿命の向上されたパワーモジュールを得ることができる。
このパワーモジュール10は、セラミックス板11の表面に、例えば、純Al若しくはAl合金からなる回路層12がAl−Si系のろう材により接合されたパワーモジュール用基板14と、回路層12の表面に第1はんだ層15を介してはんだ接合された半導体チップ16と、セラミックス板11の裏面側に接合されたヒートシンク17とを備えている。
また、本実施形態では、金属層13とセラミックス板11との接合界面にも、回路層12とセラミックス板11との接合界面と同様に非接合部19が設けられている。
まず、純Al若しくはAl合金からなる母材を打ち抜いて回路層12を形成する。
すなわち、本実施形態では、母材の表裏面のうち、形成される回路層12の接合面12aを有する裏面にろう材箔を配置しておき、この母材における回路層12の形成予定部をその裏面側から押圧し、この回路層12の形成予定部の外周縁にせん断力を作用させてその厚さ方向途中まで切断するとともに、ろう材箔のうちこの回路層12の形成予定部の外周縁に位置する部分を切断した後に、この回路層12の形成予定部をその表面側から押圧して押し戻す。
以上より、セラミックス板11の表面に、ろう材箔と回路層12とがこの順に配置され、裏面にろう材箔と金属層13とがこの順に配置された積層体を形成する。
すなわち、前者の場合、前記各接合界面の平面視において、その外周縁から内方に間隔Aをあけた状態でこの外周縁に沿って延びる非接合部が、それぞれの接合界面の全周にわたってその周方向に間隔をあけて複数形成されることになり、後者の場合、図2に示されるように、前記各接合界面の平面視において、その外周縁から内方に間隔Aをあけた状態で、その全周にわたって非接合部19が点在することになる。
まず、材質については、回路層12および金属層13を純度99.98%の純Al、ろう材箔21をAl−Si系(Alが93wt%、Siが7wt%)、セラミックス板11をAlNによりそれぞれ形成した。厚さについては、回路層12および金属層13を約0.4mm、ろう材箔21を約13μm、セラミックス板11を約0.635mmとした。なお、回路層12、金属層13およびろう材箔21は平面視四角形とされ、縦および横の寸法はそれぞれ、約28mmおよび約70mmとした。また、前記積層体を構成するセラミックス板11、回路層12、金属層13およびろう材箔21は、揮発性有機媒体(オクタンジオール)により仮固定した。また、ろう材箔21において、前記間隔Bは約1mm、切り欠き部20の幅は約0.5mm、前記間隔Cは約1mmとした。
そして、前記積層体を600℃〜650℃の真空中に置いた状態で、約1時間、積層方向に0.23MPa〜0.35MPaで加圧して、パワーモジュール用基板14を形成した。
さらに、ろう材箔21に切り欠き部20が形成されていることから、回路層12をセラミックス板11の表面にろう付けする際に、溶融したろう材がこれらの接合界面に沿った方向に拡がろうとしたときに、その一部が切り欠き部20を埋めるように拡がることになり、回路層12とセラミックス板11との間から溢れ出る溶融ろう材の量を抑え、このろう材がその表面張力により凝集することによって回路層12の側面を伝ってこの表面に乗り上がるのを防ぐことができる。
さらに本実施形態では、金属層13についてもこのような作用効果が奏効されることになる。
また、回路層12の表面においてろう材が乗り上げた部分に、ワイヤボンディングが施されると、ろう材は前記のように回路層12と比べて硬いので、この部分とワイヤボンディングとの接合部における熱サイクル寿命を低下させるおそれがある。
さらに、回路層12の表面に前記のように乗り上げたろう材は、視認することができ、外観品質を低減させるおそれもある。
さらにまた、金属層13については、ヒートシンク17が剥離し易くなり、パワーモジュール10の熱サイクル寿命を低下させるおそれがある。
例えば、前記実施形態では、回路層12および金属層13を母材から打ち抜いて形成したが、これに代えて、鋳造により形成してもよいし、あるいはセラミックス板11にろう付けした後に、エッチング処理を施して形成するようにしてもよい。
さらに、ろう材箔21は、回路層12および金属層13を母材から打ち抜く際同時に切断して形成するのに代えて、例えば予め形成しておいてもよい。
さらにこれに代えて、例えば図5に示されるように、前記切断されたろう材箔21の外周縁から内方に向けて延びる切り欠き部20を、このろう材箔21の全周にわたってその周方向に間隔をあけて複数形成してもよい。すなわち、ろう材箔21の外周部に、側方に開口する切り欠き部20を周方向に間隔をあけて複数形成してもよい。
11 セラミックス板
12 回路層
13 金属層
14 パワーモジュール用基板
16 半導体チップ
17 ヒートシンク
20 切り欠き部
21 ろう材箔
Claims (4)
- セラミックス板の表面に回路層がろう付けされてなり、回路層に半導体チップがはんだ接合されるとともに、セラミックス板の裏面側にヒートシンクが接合されるパワーモジュール用基板であって、
回路層とセラミックス板との接合界面の外周部において、その外周縁を含む外周縁部よりも内方に位置する部分は全周にわたって非接合とされていることを特徴とするパワーモジュール用基板。 - 回路層の平面視形状と略同形同大の平面視形状とされたろう材箔を、セラミックス板の表面と回路層との間に挟み込み、これらを積層方向に加圧した状態で加熱することにより、請求項1記載のパワーモジュール用基板を形成するパワーモジュール用基板の製造方法であって、
ろう材箔の外周部においてその外周縁を含む外周縁部よりも内方に、その全周にわたって切り欠き部が形成されていることを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。 - 回路層の平面視形状と略同形同大の平面視形状とされたろう材箔を、セラミックス板の表面と回路層との間に挟み込み、これらを積層方向に加圧した状態で加熱することにより、請求項1記載のパワーモジュール用基板を形成するパワーモジュール用基板の製造方法であって、
ろう材箔の外周部には、側方に開口する切り欠き部が周方向に間隔をあけて複数形成されていることを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。 - セラミックス板の表面に回路層がろう付けされたパワーモジュール用基板と、回路層の表面に接合された半導体チップと、セラミックス板の裏面側に接合されたヒートシンクとを備えたパワーモジュールであって、
前記パワーモジュール用基板が、請求項1記載のパワーモジュール用基板であることを特徴とするパワーモジュール。
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