JP4682889B2 - パワーモジュール用基板およびパワーモジュール並びにパワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents

パワーモジュール用基板およびパワーモジュール並びにパワーモジュール用基板の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、大電流、高電圧を制御する半導体装置に用いられるパワーモジュール用基板およびパワーモジュール並びにパワーモジュール用基板の製造方法に関するものである。
この種のパワーモジュールは一般に、AlN、Al、Si、SiC等により形成されたセラミックス板の表面に、純Al若しくはAl合金により形成された導体パターンがAl−Si系のろう材により接合されたパワーモジュール用基板と、導体パターンの表面に接合された半導体チップと、セラミックス板の裏面側に接合された冷却器とを備えている。このうちパワーモジュール用基板は、従来では、例えば下記特許文献1に示されるように、セラミックス板の表面に導体パターンを形成するための回路板をろう付けした後に、この回路板にエッチング処理を施し、導体パターンを形成することがなされている。
しかしながら、このようにエッチング処理により導体パターンを形成すると、この導体パターンを構成する導体は、その表面(発熱体側)から裏面(セラミックス板側)に向かうに従い漸次幅が広くなるため、近年のパワーモジュールに対するさらなるコンパクト化、すなわち導体パターンを構成する導体の幅を狭くして、隣合う導体同士の間隔を狭くすることについての要求に応えることが困難であるという問題があった。
そこで、本発明者等は、母材から打ち抜いた導体パターン部材、若しくは鋳造により形成した導体パターン部材を、セラミックス板にろう付けすることによって、側面がセラミックス板の表面から略垂直に立上がった導体パターンを形成することについて検討している。
特開平10−242330号公報
しかしながら、このようなパワーモジュール用基板の製造方法では、エッチング工程を経ないので、導体パターンの細線化は実現できるものの、この導体パターンの側面がセラミックス板の表面から略垂直に立上がっているので、エッチング処理して形成した導体パターンの側面と比べてその立上がる方向の長さが短いため、導体パターン部材をセラミックス板の表面にろう付けする際に、導体パターン部材とセラミックス板との間から溢れ出たろう材の余剰分が、その表面張力により凝集することによって、導体パターン部材の側面を伝ってこの表面に乗り上がり易くなっている。
そして、このろう材は、前記のようにAl−Si系とされてSiを含有しているので、純Al若しくはAl合金により形成された導体パターンよりも硬いうえに、パワーモジュールを使用する過程における熱サイクルによりさらに加工硬化させられることによって、導体パターンに対してその表面および側面から大きな外力が作用して、導体パターンとセラミックス板との接合界面に大きな応力が作用し、導体パターンがセラミックス板の表面から剥離し易くなり、パワーモジュールの熱サイクル寿命を低下させるおそれがある。
また、導体パターンの表面においてろう材が乗り上げた部分に、ワイヤボンディングが施されると、ろう材は前記のように導体パターンと比べて硬いので、この部分とワイヤボンディングとの接合部における熱サイクル寿命を低下させるおそれがある。
さらに、導体パターンの表面に前記のように乗り上げたろう材は、視認することができ、外観品質を低減させるおそれもある。
ここで、前記導体パターン部材の側面は、セラミックス板の表面に配置したときに、この表面に対して略垂直に延在することになり、エッチング処理して形成した導体パターンの側面と比べてその前記延在する方向の長さが短いので、ろう材の前記乗り上げが生じ易くなっている。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、パワーモジュールの熱サイクル寿命を低減させたり、パワーモジュール用基板の外観品質を低下させることなく、パワーモジュールのコンパクト化を図ることができるパワーモジュール用基板およびパワーモジュール並びにパワーモジュール用基板の製造方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明のパワーモジュール用基板は、セラミックス板の表面に、純Al若しくはAl合金により形成された導体パターンが、Al−Si系のろう材により接合され、この導体パターンの表面に半導体チップが設けられるパワーモジュール用基板であって、前記セラミックス板の表面から立上がるこの導体パターンの側面は、前記セラミックス板の表面に対して略垂直に延在し、前記半導体チップが設けられる導体パターンの表面において、少なくともその外周縁から内側に1mm以上離れた部分は、Siの含有量が3wt%以下とされ、前記セラミックス板の表面において、接合される導体パターン部材の外周縁よりも外側に、溶融したろう材のうちセラミックス板と導体パターン部材との間から溢れ出た余剰分を収納する収納部が形成されていることを特徴とする。
この発明では、半導体チップが設けられる導体パターンの表面において、少なくともその外周縁から内側に1mm以上離れた部分は、Siの含有量が3wt%以下とされているので、パワーモジュールの熱サイクル寿命を低減させたり、パワーモジュール用基板の外観品質を低下させることなく、パワーモジュールのコンパクト化を図ることができる。
すなわち、導体パターンの表面へのろう材の乗り上げ量が低減されているので、このパワーモジュール用基板を有するパワーモジュールに熱サイクルが作用したことにより、前記乗り上げたろう材が加工硬化したとしても、このろう材がセラミックス板と導体パターンとの接合界面に作用させる負荷を抑えることが可能になり、導体パターンがセラミックス板から剥離し易くなるのを抑制し、パワーモジュールの熱サイクル寿命が低下するのを防ぐことができる。
また、導体パターンの表面においてワイヤボンディングが接合される部分は、一般にその外周縁から内側に1mm以上離れた部分なので、この部分におけるSiの含有量が3wt%以下であると、ワイヤボンディングと導体パターンとの接合部に、十分な熱サイクル数に耐え得る強度を具備させることができる。
さらにまた、導体パターンの表面において、少なくともその外周縁から内側に1mm以上離れた部分におけるSiの含有量が3wt%以下とされていると、導体パターンの表面の平面視において、ろう材の乗り上げがしみとして視認され難くなり、外観品質の向上を図ることができる。
このようなパワーモジュール用基板の製造方法は、セラミックス板の表面に、純Al若しくはAl合金により形成された導体パターンが、Al−Si系のろう材により接合され、この導体パターンの表面に半導体チップが設けられ、前記セラミックス板の表面から立上がる前記導体パターンの側面が前記セラミックス板の表面に対して略垂直に延在し、前記半導体チップが設けられる導体パターンの表面において、少なくともその外周縁から内側に1mm以上離れた部分は、Siの含有量が3wt%以下とされるパワーモジュール用基板の製造方法であって、前記導体パターンは、純Al若しくはAl合金により形成された母材から打ち抜いた導体パターン部材、または鋳造により形成した導体パターン部材を、セラミックス板にろう付けすることにより形成され、このろう付けの前に予め、セラミックス板の表面において、接合される導体パターン部材の外周縁よりも外側に、溶融したろう材のうちセラミックス板と導体パターン部材との間から溢れ出た余剰分を収納する収納部を形成しておき、その後、セラミックス板の表面において収納部に囲まれた部分よりも内側にろう材箔を介して導体パターン部材を配置し、これらを積層方向に押圧した状態で加熱してろう材箔を溶融し、セラミックス板の表面に導体パターン部材をろう付けしパワーモジュール用基板を形成することを特徴とする。
この発明によれば、導体パターン部材をセラミックス板の表面にろう付けする際に、溶融したろう材のうち、導体パターン部材とセラミックス板との間から溢れ出た余剰分を、前記収納部に収納することが可能になり、導体パターン部材の側面を伝って表面に乗り上がるろう材の量を低減させることができる。
なお、前記収納部は、溝加工部若しくは粗面加工部とされてもよい。また、この溝加工部若しくは粗面加工部は、幅を50μm〜100μmとし、その内周縁と導体パターンの外周縁との距離を約150μmとして形成してもよい。
また、本発明のパワーモジュールは、セラミックス板の表面に、純Al若しくはAl合金により形成された導体パターンがAl−Si系のろう材により接合されたパワーモジュール用基板と、導体パターンの表面に接合された半導体チップと、セラミックス板の裏面側に接合された冷却器とを備えたパワーモジュールであって、前記パワーモジュール用基板が、請求項1記載のパワーモジュール用基板であることを特徴とする。
この発明に係るパワーモジュール用基板およびパワーモジュール並びにパワーモジュール用基板の製造方法によれば、パワーモジュールの熱サイクル寿命を低減させたり、パワーモジュール用基板の外観品質を低下させることなく、パワーモジュールのコンパクト化を図ることができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の第1実施形態に係るパワーモジュール用基板を適用したパワーモジュールを示す全体図である。
このパワーモジュール10は、セラミックス板11の表面に、純Al若しくはAl合金により形成された導体パターン12がAl−Si系のろう材13により接合されたパワーモジュール用基板14と、導体パターン12の表面に第1はんだ層17を介してはんだ接合された半導体チップ15と、セラミックス板11の裏面側に接合された冷却器16とを備えている。
図示の例では、パワーモジュール用基板14は、セラミックス板11の裏面に導体パターン12と同じ材質により形成された金属板18が前記ろう材13により接合され、この金属板18の裏面に冷却器16が第2はんだ層19を介してはんだ接合、若しくはろう付けや拡散接合により接合された構成とされている。セラミックス板11は、例えばAlN、Al、Si、SiC等により形成され、冷却器16は、純Al、純Cu、Al合金若しくはCu合金により形成され、第1、第2はんだ層17、19は、例えばSn−Ag−Cu系若しくはZn−Al系のはんだ材により形成されている。
そして、本実施形態では、導体パターン12は、純Al若しくはAl合金により形成された母材から打ち抜いた導体パターン部材、または鋳造により形成した導体パターン部材を、セラミックス板11にろう付けすることにより形成され、導体パターン12の外表面のうち、セラミックス板11の表面から立上がる側面12aは、セラミックス板11の表面に対して略垂直に延在している。
また、導体パターン12の表面、つまり半導体チップ15が接合される表面において、少なくともその外周縁から内側に1mm以上離れた部分は、Siの含有量が3wt%以下とされている。なお、この導体パターン12の表面の全域にわたって、Siの含有量を3wt%以下としてもよい。
このようなSiの含有量は、例えばEPMA(電子線マイクロアナライザ)の定量分析により測定することができ、また、Siの含有量が3wt%を超える部分と、3wt%以下の部分との境界、または導体パターン12の表面において、その外周縁と、Siの含有量が3wt%以下となる部分の外周縁との距離は、光学顕微鏡や実体顕微鏡を用いて把握、または測定することができる。
なお、導体パターン12の表面のSiは、セラミックス板11の表面に導体パターン12と同形同大の導体パターン部材をろう付けしたときに、Al−Si系のろう材13が、導体パターン12の側面12aを伝って乗り上げたものであって、導体パターン12の表面におけるこのSiの含有量は、その外周縁から内側に向かうに従い漸次少なくなっている。
セラミックス板11の表面において導体パターン12の外周縁よりも外側には、この導体パターン12の外周縁を囲うように、この外周縁に沿って連続的に延在した溝加工部11a(収納部)が形成されている。なお、本実施形態では、溝加工部11aは、その幅が50μm〜100μmとされ、深さが50μm〜300μmとされ、その内周縁と導体パターン12の外周縁との距離は約150μmとされている。また、この溝加工部11aは例えばレーザ加工等により形成することができる。
次に、以上のように構成されたパワーモジュール用基板14の製造方法について説明する。
まず、純Al若しくはAl合金からなる母材を打ち抜いて導体パターン12と同形同大の導体パターン部材を形成する。この際に得られた切断面が側面12aとなる。なお、前記母材を打ち抜く際、予めAl−Si系のろう材箔をこの母材の裏面に配置しておき、この母材における導体パターン部材の形成予定部をその裏面側から押圧し、この導体パターン部材の形成予定部の外周縁にせん断力を作用させてその厚さ方向途中まで切断するとともに、この導体パターン部材の形成予定部の外周縁に位置する前記ろう材箔を切断した後に、この導体パターン部材の形成予定部をその表面側から押圧して押し戻し、その後、この母材の裏面とセラミックス板11の表面とをテンプレートを挟んで対向させた状態で、導体パターン部材の形成予定部の表面をセラミックス板11の表面に向けて押圧して母材から分離し導体パターン部材を形成するとともに、この導体パターン部材をその裏面側からテンプレートのガイド孔に挿入することにより、セラミックス板11の表面にろう材箔と導体パターン部材とをこの順に配置する。
ここで、このようにして得られた導体パターン部材の側面12aは、前記ろう材箔が配置されている裏面側の表面粗さが、半導体チップ15が接合される表面側の表面粗さよりも大きくなっている。すなわち、導体パターン部材の側面12aにおいて、導体パターン部材の前記裏面から表面に向けて、この導体パターン部材の全体の厚さの約3分の1までの領域が、いわゆる2次せん断面となっている。なお、導体パターン部材の側面12aにおいて、前記裏面側の表面粗さRzは例えば30μm以上とされ、前記表面側の表面粗さRzは例えば30μm以下となっている。
一方、セラミックス板11の裏面にろう材箔を介して金属板18を配置する。以上より、セラミックス板11の表面に、ろう材箔と導体パターン部材とがこの順に配置され、裏面にろう材箔と金属板18とがこの順に配置された積層体を形成する。
そして、この積層体を積層方向に加圧した状態で加熱し、ろう材箔を溶融後硬化させることによって、セラミックス板11の表面に導体パターン部材をろう付けにより接合して導体パターン12を形成し、裏面と金属板18とをろう付けにより接合してパワーモジュール用基板14を形成する。
ここで、前記ろう付けの前に予め、セラミックス板11の表面において、接合される導体パターン部材の外周縁よりも外側に、溶融したろう材のうちセラミックス板11と導体パターン部材との間から溢れ出た余剰分を収納する溝加工部11aを形成しておく。その後、セラミックス板11の表面において溝加工部11aに囲まれた部分よりも内側に前記のようにろう材箔を介して導体パターン部材を配置する。
ここで、この製造方法についての具体的な実施例について説明する。
まず、材質については、導体パターン12および金属板18を純度99.98%の純Al、ろう材13をAl−Si系(Alが93wt%、Siが7wt%)、セラミックス板11をAlNによりそれぞれ形成した。厚さについては、導体パターン12および金属板18を約0.4mm、ろう材箔を約13μm、セラミックス板11を約0.635mmとした。なお、ろう材箔は平面視四角形とされ、縦および横の寸法はそれぞれ、約28mmおよび約70mmとした。また、導体パターン部材および金属板18と、ろう材箔とは、揮発性有機媒体(オクタンジオール)により仮固定した。
そして、前記積層体を600℃〜650℃の真空中に置いた状態で、約1時間、積層方向に0.23MPa〜0.35MPaで加圧して、パワーモジュール用基板14を形成した。
以上説明したように、本実施形態によるパワーモジュール用基板によれば、半導体チップ15が接合される表面において、少なくともその外周縁から内側に1mm以上離れた部分は、Siの含有量が3wt%以下とされているので、パワーモジュール10の熱サイクル寿命を低減させたり、パワーモジュール用基板14の外観品質を低下させることなく、パワーモジュール10のコンパクト化を図ることができる。
すなわち、導体パターン12の表面へのろう材の乗り上げ量が低減されているので、このパワーモジュール用基板14を有するパワーモジュール10に熱サイクルが作用したことにより、前記乗り上げたろう材が加工硬化したとしても、このろう材がセラミックス板11と導体パターン12との接合界面に作用させる負荷を抑えることが可能になり、導体パターン12がセラミックス板11から剥離し易くなるのを抑制し、パワーモジュール10の熱サイクル寿命が低下するのを防ぐことができる。
また、導体パターン12の表面においてワイヤボンディングが接合される部分は、一般にその外周縁から1mm以上内側に位置する部分なので、この部分におけるSiの含有量が3wt%以下であると、ワイヤボンディングと導体パターン12との接合部に、十分な熱サイクル数に耐え得る強度を具備させることができる。
さらにまた、導体パターンの表面においてその外周縁から内側に1mm以上離れた部分におけるSiの含有量が3wt%以下とされていると、導体パターン12の表面の平面視において、ろう材の乗り上げがしみとして視認され難くなり、外観品質の向上を図ることができる。すなわち、前記Siの含有量が3wt%より多いということは、それだけ導体パターン12の表面へのろう材の乗り上げ量が多いことになるので、このろう材が視認され易くなる。
さらに、本実施形態によるパワーモジュール用基板の製造方法によれば、セラミックス板11と導体パターン部材とをろう付けする前に予め、セラミックス板11の表面において、接合される導体パターン部材の外周縁よりも外側に溝加工部11aを形成しておくので、このろう付け時に、溶融したろう材のうち導体パターン部材とセラミックス板11との間から溢れ出た余剰分を、この溝加工部11aに収納することが可能になり、導体パターン部材の側面12aを伝って表面に乗り上がるろう材の量を低減させることができる。したがって、前記の作用効果が奏されるパワーモジュール用基板14を確実に形成することが可能になる。
さらに、導体パターン12の側面12aは、セラミックス板11側の裏面側の表面粗さが、半導体チップ15が接合される表面側の表面粗さよりも大きくなっているので、導体パターン12の側面12aへのろう材13の接合力は、前記裏面側の方が前記表面側よりも大きくなり、導体パターン12とセラミックス板11との接合強度を向上させることが可能になり、パワーモジュール10の熱サイクル寿命をより一層向上させることができる。
次に、以上説明した作用効果のうち、半導体チップ15が接合される表面において、少なくともその外周縁から内側に1mm以上離れた部分は、Siの含有量が3wt%以下とされていることから、パワーモジュール10の熱サイクル寿命を低減させたり、外観品質を低下させたりするのを防ぐことができる点についての検証試験を実施した。
まず、半導体チップ15が設けられる導体パターン12の表面において、Siの含有量が3wt%以下となる部分の外周縁と、この導体パターン12の外周縁との距離、言い換えると、導体パターン12の外周縁と、Siの含有量が3wt%を超える部分の内周縁との距離、つまりSiの含有量が3wt%を超える部分の幅を種々異ならせてパワーモジュール用基板を形成した。
そして、これらの基板をそれぞれ、フッ素系溶媒からなる液相雰囲気下に置いて、その雰囲気温度を−40℃から105℃に約3分間で上昇させ、105℃から−40℃に10分間で下降させる温度履歴を1サイクルとした温度サイクルを前記各パワーモジュール用基板に付与し、該付与前の熱抵抗値(以下、「初期熱抵抗値」という)と比べて10%以上の上昇が確認されたときの熱サイクル数を、このパワーモジュール用基板の熱サイクル寿命として測定した。なお、パワーモジュール用基板において導体パターンとセラミックス板との接合部等が剥離すると、前記熱抵抗値が高くなる。また、この熱サイクル寿命の測定は、500サイクル経過するたびに熱抵抗値を測定することにより実施した。
さらに、この測定の前に予め、導体パターンの表面を目視して外観検査した。
結果、表1に示されるように、半導体チップ15が設けられる導体パターン12の表面において、Siの含有量が3wt%以下となる部分の外周縁と、この導体パターン12の外周縁との距離が1mmより大きいと、セラミックス板から導体パターンが剥離し易くなり熱サイクル寿命が低下し、また、外観検査において、導体パターンの表面にろう材がしみとして視認できることが確認された。
Figure 0004682889
次に、半導体チップ15が設けられる導体パターン12の表面において、その外周縁から内側に1mm以上離れた部分におけるSiの最大含有量を種々異ならせて、パワーモジュール用基板を形成した。そして、これらの基板についてそれぞれ、前記と同様にして熱サイクル寿命を測定するとともに、外観検査を実施した。
結果、表2に示されるように、前記Siの最大含有量が3.0wt%より大きいと、導体パターンがセラミックス板から剥離し易くなり、パワーモジュールの熱サイクル寿命が低下し、外観検査において、導体パターンの表面にろう材のしみが目視できることが確認された。
Figure 0004682889
以上の各結果から、半導体チップ15が接合される表面において、少なくともその外周縁から内側に1mm以上離れた部分が、Siの含有量が3wt%以下とされていれば、パワーモジュール10の熱サイクル寿命を低減させたり、外観品質を低下させたりするのを防ぐことができることが確認された。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、導体パターン部材を母材から打ち抜いて形成したが、これに代えて、鋳造により形成してもよい。
また、前記ろう付けの前に予め、セラミックス板11の表面に溝加工部11aを形成するのに代えて、この溝加工部11aの形成位置と同様の位置に、例えばサンドブラスト加工等を施して粗面加工部を形成してもよい。
さらに、これに代えて、図2に示されるように、導体パターン部材を形成する際、半導体チップ15が接合される表面の外周縁部に、その外周縁の全周にわたって凸部21を形成し、その後、この凸部21の形成された表面と反対側の裏面をセラミックス板11の表面にろう材箔を介して配置した後に、前記凸部21の上面をその全周にわたって図示されない例えばカーボン製の板状押圧体により押圧し、導体パターン部材の表面において前記凸部21よりも内側に位置する部分を閉塞した状態で加熱してろう材箔を溶融し、セラミックス板11の表面に導体パターン部材をろう付けしてもよい。
なお、凸部21は、鋳造により導体パターン部材を形成するのと同時に形成することができ、また、母材から打ち抜いて導体パターン部材を形成する前、打ち抜くのと同時、あるいは打ち抜いた後に、母材における導体パターン部材の形成予定部の表面、または導体パターン部材の表面を圧縮してこの部分の厚さを薄くし、この部分の外周縁に連なる未圧縮部分を凸部21とするようにして形成することができる。なお、半導体チップ15が設けられる導体パターン12の表面と、凸部21の上面との距離、すなわち凸部21の高さは、例えば5μm〜60μmとされる。
この構成においても、導体パターン部材の表面における外周縁部に凸部21が形成されているので、前記押圧した状態で加熱してろう材箔を溶融したときに、前記ろう材の余剰分が、導体パターン部材の側面12aを伝って、半導体チップ15が接合される表面に乗り上がろうとしても、この乗り上げまでに要するろう材の移動距離を前記凸部21の高さ分長くすることが可能になり、導体パターン部材の側面12aに付着するろう材の量が多くなるものの、表面に乗り上がるろう材の量を低減させることができる。
さらに、このろう付けに際し、前記板状押圧体によって前記凸部21の上面をその全周にわたって押圧し、導体パターン部材の表面において前記凸部21よりも内側に位置する部分を閉塞するので、導体パターン部材の側面21aを伝ったろう材が前記内側に流入するのを防ぐことができる。
パワーモジュールの熱サイクル寿命を低減させたり、パワーモジュール用基板の外観品質を低下させたりすることなく、パワーモジュールのコンパクト化を図ることができる。
この発明の第1実施形態に係るパワーモジュール用基板を適用したパワーモジュールを示す全体図である。 この発明の第2実施形態に係るパワーモジュール用基板を適用したパワーモジュールを示す全体図である。
符号の説明
10 パワーモジュール
11 セラミックス板
11a 溝加工部(収納部)
12 導体パターン
12a 導体パターンの側面
13 ろう材
14 パワーモジュール用基板
15 半導体チップ
16 冷却器
21 凸部

Claims (4)

  1. セラミックス板の表面に、純Al若しくはAl合金により形成された導体パターンが、Al−Si系のろう材により接合され、この導体パターンの表面に半導体チップが設けられるパワーモジュール用基板であって、
    前記セラミックス板の表面から立上がるこの導体パターンの側面は、前記セラミックス板の表面に対して略垂直に延在し、前記半導体チップが設けられる導体パターンの表面において、少なくともその外周縁から内側に1mm以上離れた部分は、Siの含有量が3wt%以下とされ、
    前記セラミックス板の表面において、接合される導体パターン部材の外周縁よりも外側に、溶融したろう材のうちセラミックス板と導体パターン部材との間から溢れ出た余剰分を収納する収納部が形成されていることを特徴とするパワーモジュール用基板。
  2. セラミックス板の表面に、純Al若しくはAl合金により形成された導体パターンがAl−Si系のろう材により接合されたパワーモジュール用基板と、導体パターンの表面に接合された半導体チップと、セラミックス板の裏面側に接合された冷却器とを備えたパワーモジュールであって、
    前記パワーモジュール用基板が、請求項1記載のパワーモジュール用基板であることを特徴とするパワーモジュール。
  3. セラミックス板の表面に、純Al若しくはAl合金により形成された導体パターンが、Al−Si系のろう材により接合され、この導体パターンの表面に半導体チップが設けられ、前記セラミックス板の表面から立上がる前記導体パターンの側面が前記セラミックス板の表面に対して略垂直に延在し、前記半導体チップが設けられる導体パターンの表面において、少なくともその外周縁から内側に1mm以上離れた部分は、Siの含有量が3wt%以下とされるパワーモジュール用基板の製造方法であって、
    前記導体パターンは、純Al若しくはAl合金により形成された母材から打ち抜いた導体パターン部材、または鋳造により形成した導体パターン部材を、セラミックス板にろう付けすることにより形成され、
    このろう付けの前に予め、セラミックス板の表面において、接合される導体パターン部材の外周縁よりも外側に、溶融したろう材のうちセラミックス板と導体パターン部材との間から溢れ出た余剰分を収納する収納部を形成しておき、その後、セラミックス板の表面において収納部に囲まれた部分よりも内側にろう材箔を介して導体パターン部材を配置し、これらを積層方向に押圧した状態で加熱してろう材箔を溶融し、セラミックス板の表面に導体パターン部材をろう付けしパワーモジュール用基板を形成することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
  4. 請求項3記載のパワーモジュール用基板の製造方法において、
    前記収納部は、溝加工部若しくは粗面加工部とされていることを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
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