JP6102271B2 - ヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents

ヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、大電流、高電圧を制御する半導体装置に用いられるヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法に関する。
従来のパワーモジュールとして、絶縁層となるセラミックス基板の一方の面に、アルミニウム等からなる回路層が積層され、この回路層の上に半導体チップ等の電子部品がはんだ付けされるとともに、セラミックス基板の他方の面にアルミニウム等からなる金属層が形成され、この金属層を介してヒートシンクが接合された構成のものが知られている。
そして、この種のパワーモジュールにおいて、特許文献1から3に記載されているようにヒートシンクを低熱膨張で高熱伝導率のAlSiC系複合材料により形成したものが知られている。
AlSiC系複合材料は、特許文献1に記載されるように、主に炭化ケイ素(SiC)からなる多孔体にアルミニウム(Al)を主成分とする金属を含浸して形成されたアルミニウムと炭化ケイ素の複合体である。また、AlSiC系複合材料は、低熱膨張で高熱伝導率であることから、セラミックス基板と金属層との熱膨張差による応力を緩和して優れた放熱特性を有するという特徴がある。
特許文献1には、AlSiC系複合材料を構成するアルミニウムを主成分とする金属の初晶温度を615℃以上に設定することが記載されている。そして、AlSiC系複合材料からなるヒートシンク(放熱部品)を用いて、パワーモジュール用基板をアルミニウム系ろう材でろう付けする温度(ろう付け温度590℃)まで昇温させた場合、アルミニウムを主成分とする金属が溶融せず、ヒートシンクの表面への溶け出しを防ぐことができるとされている。したがって、AlSiC系複合材料内部の密度低下を生じずに気密性を維持でき、熱伝導率、曲げ強さ、ヤング率を高い値に維持できることが記載されている。
しかし、AlSiC系複合材料とパワーモジュール用基板とをろう付けする場合は、ろう付けの接合温度が高くなることから、特許文献1に記載されるAlSiC系複合材料のように、アルミニウムを主成分とする金属の初晶温度を615℃以上とする必要があり、使用できる金属が限定されるという問題があった。
また、AlSiC系複合材料とパワーモジュール用基板とをはんだ付けする場合には、はんだの熱抵抗が高く、放熱特性が阻害されることが問題であった。
一方、特許文献2には、はんだやろう材を用いずにAlSiC系複合材料からなるヒートシンクとパワーモジュール用基板とを接合することが記載されている。この場合、ヒートシンクの上にパワーモジュール用基板のアルミニウム板を重ねて、これらに荷重を加えて真空中で加熱することにより、ヒートシンク中のアルミニウム合金が溶融して、ヒートシンクをアルミニウム板に積層接着することができる。
また、特許文献3には、アルミニウム又はアルミニウム合金が充填されたAlSiC系複合材料(アルミニウム基複合材料)からなるヒートシンク(天板部)にパワーモジュール用基板を接合する技技術において、AlSiC系複合材料に用いられるアルミニウム合金として、Al‐Si,Al‐Mg,Al‐Si‐Mg合金が用いられており、また、パワーモジュール用基板に接合される側の表面にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる被覆層(スキン層)を設けることが記載されている。
特開2003‐306730号公報 特許第3180677号公報 特開2010‐98060号公報
しかし、特許文献2及び特許文献3に記載されるヒートシンク付パワーモジュール用基板においては、AlSiC系複合材料からなるヒートシンクとパワーモジュール用基板とを真空中で加圧して接合することから、ヒートシンク内部から溶融したアルミニウムがヒートシンク外部に排出され、放熱性能が低下するおそれがある。
また、真空中で接合を行うことは、加熱炉内の真空引きに時間を要するだけではなく、冷却及び加熱等の作業に時間を要することから、生産性を低下させていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、接合信頼性が高く、放熱特性に優れたヒートシンク付パワーモジュール用基板を容易に製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明は、セラミックス基板の一方の面に回路層が積層され、該セラミックス基板の他方の面にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属層が積層されてなるパワーモジュール用基板を、ヒートシンクに接合するヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法であって、前記ヒートシンクは、炭化ケイ素の多孔体に固相線温度と液相線温度との差が30℃以上でSiが2.0質量%以上11.0質量%以下、Mgが0.05質量%以上2.0質量%以下の範囲で含有されたアルミニウム合金を含浸させるとともに、前記多孔体の表面に該アルミニウム合金の被覆層を30μm以上500μm以下の厚みで形成したAlSiC系複合材料からなり、前記パワーモジュール用基板の金属層に前記ヒートシンクを重ねて配置し、これらを不活性雰囲気下において520℃以上650℃以下であって前記ヒートシンクのアルミニウム合金の固相線温度より5℃以上高く、液相線温度より10℃以上低い温度で加熱することにより前記ヒートシンク表面の被覆層の少なくとも一部を溶融させて前記パワーモジュール用基板と前記ヒートシンクとを直接接合することを特徴とする。
パワーモジュール用基板とヒートシンクとの接合加熱温度を上記温度に設定することにより、ヒートシンク表面の被覆層の少なくとも一部を溶融させることができるとともに、ヒートシンク内部のアルミニウム合金を完全に溶融させることなく、パワーモジュール用基板とヒートシンクとを直接接合することができる。
すなわち、固相線温度より5℃以上高く設定することで、パワーモジュール用基板とヒートシンクとを接合可能な程度に被覆層の一部を溶融させることができるので、これらの接合信頼性を向上させることができる。また、液相線温度より10℃以上低く設定することで、ヒートシンク内部のアルミニウム合金が完全に溶融するのを防ぐことができ、溶融したアルミニウム合金が、ヒートシンクの外部に排出されることを回避することができる。したがって、ヒートシンクのアルミニウム合金の密度低下を防ぐことができ、放熱性能の低下を防ぐことができる。
さらに、不活性雰囲気下において520℃以上650℃以下で接合していることから、真空雰囲気よりも正確に接合温度を制御することが可能となり、接合不良を発生させることなく、パワーモジュール用基板とヒートシンクとを接合することができる。ここで、接合加熱温度の下限を520℃以上としたのは、520℃未満の温度では、接合不良を引き起こすおそれがあるためである。そして、上限を650℃以下としたのは、650℃を超える温度では、予めろう付け等により接合されたパワーモジュール用基板のセラミックス基板と回路層、金属層との接合界面に劣化が発生するおそれがあるためである。
また、ヒートシンクのアルミニウム合金は、固相線温度と液相線温度との差が30℃未満では、ヒートシンク表面の被覆層だけを溶融させるような温度制御を行うことが難しいことから、固相線温度と液相線温度との差が30℃以上のアルミニウム合金を使用することとしている。
また、AlSiC系複合材料を構成するアルミニウム合金にはSiとMgが含有されるものが用いられる。Siを2.0質量%以上11.0質量%以下の範囲で含有させることにより、被覆層がろう材として良好に機能する。Siの濃度が2.0質量%を下回ると、被覆層の融点が上昇し、接合不良を引き起こすおそれがある。そして、Siの濃度が11.0質量%を超えた場合も被覆層の融点が上昇し、接合不良を引き起こすおそれがある。
また、Mgを0.05質量%以上2.0質量%以下の範囲で含有することにより、Mgが金属層及びヒートシンクの表面酸化被膜(Al)を分解・反応し、スピネル(MgAl)を形成して、金属層及びヒートシンク表面の酸化被膜を良好に除去することができる。このため、接合を真空中で行う必要がなく、不活性雰囲気により接合工程が容易になり、酸化被膜を除去するためのフラックスも必要としないので、パワーモジュール用基板と金属層との接合を簡便に行うことができる。
なお、スピネルも酸化物であるが、細かい粒子であり、また外部に流れ出ることから、金属層とヒートシンクとの接合に影響を与えずに良好に作用する。
この場合、Mgの含有量が0.05質量%未満では、金属層及びヒートシンク表面の酸化被膜の除去が十分ではなく、接合不良を引き起こしやすい。また、2.0質量%以上では、余剰なMgによりMgOが過剰に生成されることにより、MgOによって金属層とヒートシンクとの接合が阻害されて、接合不良を引き起こすおそれがある。
また、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法において、パワーモジュール用基板とヒートシンクとを適切な接合強度で接合するためには、被覆層の厚みが30μm以上500μm以下に設定することが好ましい。
本発明によれば、AlSiC系複合材料からなるヒートシンクとパワーモジュール用基板とをはんだやろう材を用いることなく接合することができ、接合信頼性が高く、放熱特性に優れたヒートシンク付パワーモジュール用基板を容易に製造することができる。
本発明に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板の全体構成を示す側面図である。 ヒートシンクの構成を説明する要部断面図である。 加圧治具の例を示す側面図である。
以下、本発明に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すヒートシンク付パワーモジュール用基板10Aは、パワーモジュール用基板10と、パワーモジュール用基板10に接合されるヒートシンク30とから構成されている。
パワーモジュール用基板10は、セラミックス基板11の一方の面に回路層12が厚さ方向に積層され、セラミックス基板11の他方の面に金属層13が厚さ方向に積層された状態で接合されている。本実施形態では、Alよりも低融点のろう材(好ましくはAl‐Si系ろう材)を用いて接合されている。
なお、セラミックス基板11と回路層12及び金属層13との接合は、ろう付けの他に、回路層12及び金属層13の接合面に接合材として、Ag若しくはCuを付着させて積層方向に加圧しながら加熱接合するいわゆる過渡液相接合法(Transient Liquid Phase Diffusion Bonding)を用いることもできる。
セラミックス基板11は、厚さ0.3mm〜1.0mmのAlN,Si,Al,SiC等からなる。
回路層12は、厚さ0.2mm〜2.5mmの純アルミニウム板(好ましくは純度99.99質量%以上の4N‐Al板)からなる。パワーモジュール用基板10においては、エッチング等により所定の回路パターン状に成形された回路層12の上に電子部品20がはんだ材等によって接合されている。なお、回路層12には、純アルミニウム板の他、アルミニウム合金板、銅又は銅合金板を用いることもできる。
また、金属層13は、厚み0.1mm以上5.0mm以下のアルミニウム又はアルミニウム合金板(好ましくは純度99.0質量%以上のAl板)からなる。
そして、このように構成されたパワーモジュール用基板10の金属層13に、ヒートシンク30が接合されている。
ヒートシンク30は、図2に示すように、炭化ケイ素(SiC)の多孔体31に固相線温度と液相線温度との差が30℃以上でSiが2.0質量%以上11.0質量%以下、Mgが0.05質量%以上2.0質量%以下の範囲で含有されたアルミニウム合金を含浸させるとともに、多孔体31の表面にそのアルミニウム合金の被覆層32を形成したAlSiC系複合材料により、平板状に形成されている。また、ヒートシンク30の被覆層32の厚みは、30μm以上500μm以下に設定されている。
このように多孔体31の表面に被覆層32が形成されたヒートシンク30は、例えば、SiCの多孔体31をその周囲に所定の隙間を有するように設けられた型内に配置し、その型内に加熱溶融したアルミニウム合金を圧入して、その加圧された状態で冷却することにより製造される。アルミニウム合金を圧入することで、アルミニウム合金との濡れ性が悪いSiCの内部にアルミニウム合金を含浸させることができる。また、多孔体31の周囲の隙間にアルミニウム合金を充填して、多孔体31の表面に所定の厚みの被覆層32を形成することができる。
なお、固相線温度と液相線温度との差が30℃以上のアルミニウム合金には、アルミニウム合金鋳物、ダイカスト用アルミニウム合金等を用いることができる。
また、本実施形態のヒートシンク付パワーモジュール用基板10Aの好ましい組合せ例として、例えばパワーモジュール用基板10の各部材は、セラミックス基板11が厚み0.635のAlN、回路層12が厚み0.6mmの4N‐Al板、金属層13が厚み0.6mmのAl板(純度99.0質量%以上)とされる。また、ヒートシンク30が厚み5.0mmで、その被覆層32が厚み50μm程度で構成される。
本実施形態に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板10Aの製造方法について説明する。
まず、予めセラミックス基板11に回路層12及び金属層13がろう付けされたパワーモジュール用基板10を用いて、そのパワーモジュール用基板10の金属層13が、ヒートシンク30と対向するように重ねて配置することにより、基板積層体40を組み立てる。この基板積層体40を、カーボングラファイト層からなるクッションシート50との間に挟んだ状態とし、複数の基板積層体40を、図3に示すような加圧治具110によって積層方向に0.3MPa〜1.0MPaで加圧した状態とする。
この加圧治具110は、ベース板111と、ベース板111の上面の四隅に垂直に取り付けられたガイドポスト112と、これらガイドポスト112の上端部に固定された固定板113と、これらベース板111と固定板113との間で上下移動自在にガイドポスト112に支持された押圧板114と、固定板113と押圧板114との間に設けられて押圧板114を下方に付勢するばね等の付勢手段115とを備え、ベース板111と押圧板114との間に前述の基板積層体40が配設される。
そして、この加圧治具110により基板積層体40を加圧した状態で、加圧治具110ごと加熱炉(図示略)内に設置し、不活性雰囲気下において520℃以上650℃以下であって、ヒートシンク30のアルミニウム合金の固相線温度より5℃以上高く、液相線温度より10℃以上低い温度で加熱することにより、ヒートシンク30内部のアルミニウム合金は完全に溶融させることなく、被覆層32の少なくとも一部を溶融させてパワーモジュール用基板10とヒートシンク30とを直接接合することができる。不活性雰囲気としては、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気などが利用できる。
また、不活性雰囲気下において520℃以上650℃以下で接合していることから、真空雰囲気よりも正確に接合温度を制御することが可能となり、接合不良を発生させることなく、パワーモジュール用基板とヒートシンクとを接合することができる。
また、ヒートシンク30のアルミニウム合金の固相線温度より5℃以上高く設定することで、パワーモジュール用基板10の金属層13とヒートシンク30とを接合可能な程度に被覆層32の一部を溶融させることができるので、はんだやろう材を用いることなく、パワーモジュール用基板10とヒートシンク30とを直接接合することができるとともに、これらの接合信頼性を向上させることができる。
また、加熱温度を液相線温度より10℃以上低く設定することで、ヒートシンク30内部のアルミニウム合金が完全に溶融するのを防ぐことができ、溶融したアルミニウム合金が、ヒートシンク30の外部に排出されることを回避することができる。したがって、ヒートシンク30のアルミニウム合金の密度低下を防ぐことができ、放熱性能の低下を防ぐことができる。
さらに、接合加熱温度の下限を520℃以上としたのは、520℃未満の温度では、被覆層32の溶融が充分ではなく接合不良を引き起こすおそれがあるためである。そして、上限を650℃以下としたのは、650℃を超える温度では、予め接合されたパワーモジュール用基板10のセラミックス基板11と回路層12、金属層13との接合界面に劣化が発生するおそれがあるためである。
また、ヒートシンク30のアルミニウム合金は、固相線温度と液相線温度との差が30℃以上のものを使用することにしているが、固相線温度と液相線温度との差が30℃未満では、ヒートシンク30表面の被覆層32だけを溶融させるような温度制御を行うことが難しいためである。
また、ヒートシンク30のアルミニウム合金には、SiとMgが含有されるが、Siを2.0質量%以上11.0質量%以下の範囲で含有することで、被覆層がろう材として良好に機能する。Siの濃度が2.0質量%を下回ると、被覆層の融点が上昇し、接合不良を引き起こすおそれがある。そして、Siの濃度が11.0質量%を超えた場合も被覆層の融点が上昇し、接合不良を引き起こすおそれがある。
また、Mgを0.05質量%以上2.0質量%以下の範囲で含有することで、Mgが金属層及びヒートシンクの表面酸化被膜(Al)を分解・反応し、スピネル(MgAl)を形成して、金属層13及びヒートシンク30(被覆層32)表面の酸化被膜を良好に除去することができる。このため、パワーモジュール用基板10とヒートシンク30との接合を真空中で行う必要がなく、不活性雰囲気により接合工程が容易になり、酸化被膜を除去するためのフラックスも必要としないので、パワーモジュール用基板10とヒートシンク30との接合を簡便に行うことができる。
なお、スピネルも酸化物であるが、細かい粒子であり、また外部に流れ出ることから、金属層13とヒートシンク30との接合に影響を与えずに良好に作用する。
この場合、Mgの含有量が0.05質量%未満では、金属層13及びヒートシンク30表面の酸化被膜の除去が十分ではなく、接合不良を引き起こしやすい。また、2.0質量%以上では、余剰なMgによりMgOが過剰に生成されることにより、MgOによって金属層13とヒートシンク30との接合が阻害されて、接合不良を引き起こすおそれがある。
また、パワーモジュール用基板10とヒートシンク30とを適切な接合強度で接合するためには、上記実施形態ように、ヒートシンク30の被覆層32の厚みを30μm以上500μm以下に設定することが好ましい。
上記において説明した本発明に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法において、その効果を確認するために実験を行った。
回路層12には厚み0.6mmで31.4mm×26.4mmの4N‐Al板、金属層13には厚み0.6mmで31.4mm×26.4mmの純度99.0質量%のAl板、セラミックス基板11には厚み0.635mmで33.8mm×28.8mmのAlNを用いて、ろう付けすることによりパワーモジュール用基板10を製造した。なお、これらセラミックス基板11と回路層12、金属層13とのろう付けには、Al‐7.5質量%Siのろう材を用いた。
また、ヒートシンク30には、SiCの多孔体31にアルミニウム合金を含浸させて形成された複数種類のAlSiC系複合材料を用いた。各ヒートシンク30のアルミニウム合金の条件は、表1に示すとおりである。
次に、これらパワーモジュール用基板10とヒートシンク30とを積層した基板積層体40を、クッションシート50を介して積層した状態で加圧治具110内に設置し、表1に示す所定の接合加熱温度や接合時間等で接合し、各試料を作製した。
なお、表1に示す実施例1〜5及び従来例1のアルミニウム合金(ヒートシンク30の含浸金属)は、固相線温度と液相線温度との差が30℃以上である。例えば、実施例1及び従来例1のアルミニウム合金は、固相線温度が557℃、液相線温度が612℃であり、その固相線温度と液相線温度との差は55℃である。
そして、このように作製した各試料について、「接合性」を評価した。
「接合性」の評価は、超音波深傷装置を用いて金属層13とヒートシンク30との接合部を評価したもので、接合率=(接合面積−非接合面積)/接合面積の式から算出した。ここで、非接合面積は、接合面を撮影した超音波深傷像において非接合部は接合部内の白色部で示されることから、この白色部の面積を測定したものである。また、接合面積は、接合前における接合すべき面積である、金属層13の接合面の面積とした。表1に結果を示す。
Figure 0006102271
表1に示されるように、ヒートシンク30を構成するアルミニウム合金の固相線温度と液相線温度との差が30℃以上で、Siが2.0質量%以上11.0質量%以下、Mgが0.05質量%以上2.0質量%以下の範囲で含有された実施例1〜5は、不活性雰囲気下において接合加熱温度を固相線温度より5℃以上高く、液相線温度より10℃以上低い温度に設定することにより、接合率が85%〜95%と高く、良好な結果を得ることができた。
また、実施例1と同じアルミニウム合金によりヒートシンク30を構成し、真空中で接合した従来例1においては、良好な接合性が得られたが、一方で加熱炉への投入後から取り出しまでの接合に必要とする時間(接合時間)は、実施例1の5倍必要であった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、平板状に形成したヒートシンク30を用いて説明を行ったが、本発明のヒートシンクには、平板部に複数の放熱フィンが形成されたフィン付きのヒートシンクを用いることもできる。また、本発明のヒートシンクには、いわゆる冷却器の他、放熱板、緩衝層等も含まれる。
10 パワーモジュール用基板
10A ヒートシンク付パワーモジュール用基板
11 セラミックス基板
12 回路層
13 金属層
20 電子部品
30 ヒートシンク
31 多孔体
32 被覆層
40 基板積層体
50 クッションシート
110 加圧治具
111 ベース板
112 ガイドポスト
113 固定板
114 押圧板
115 付勢手段

Claims (1)

  1. セラミックス基板の一方の面に回路層が積層され、該セラミックス基板の他方の面にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属層が積層されてなるパワーモジュール用基板を、ヒートシンクに接合するヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法であって、前記ヒートシンクは、炭化ケイ素の多孔体に固相線温度と液相線温度との差が30℃以上でSiが2.0質量%以上11.0質量%以下、Mgが0.05質量%以上2.0質量%以下の範囲で含有されたアルミニウム合金を含浸させるとともに、前記多孔体の表面に該アルミニウム合金の被覆層を30μm以上500μm以下の厚みで形成したAlSiC系複合材料からなり、前記パワーモジュール用基板の金属層に前記ヒートシンクを重ねて配置し、これらを不活性雰囲気下において520℃以上650℃以下であって前記ヒートシンクのアルミニウム合金の固相線温度より5℃以上高く、液相線温度より10℃以上低い温度で加熱することにより前記ヒートシンク表面の被覆層の少なくとも一部を溶融させて前記パワーモジュール用基板と前記ヒートシンクとを直接接合することを特徴とするヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
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