JP2018030738A - セラミックス基板とアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体との接合体の製造方法 - Google Patents

セラミックス基板とアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体との接合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な接合を確保しつつ製造コストを削減することができるセラミックス基板とアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体との接合体を製造する方法を提供する。
【解決手段】セラミックス基板と、炭化珪素からなる多孔質体にアルミニウム又はアルミニウム合金が含浸されたアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体と、の接合体を製造する方法であって、前記セラミックス基板と前記アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体との間に接合材としてアルミニウム合金からなる芯材の両面にマグネシウムを3.0質量%以下含有するろう材層が形成された両面ろうクラッド材を介在させ、非酸化性雰囲気中で接合温度に加熱する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、大電流、高電圧を制御する半導体装置に用いられるパワーモジュール等におけるセラミックス基板とアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体との接合体の製造方法に関する。
従来、パワーモジュール等に用いられる基板として、セラミックス基板とアルミニウム板とを接合した接合体からなる構成が知られている。また、このようなセラミックス基板とアルミニウム板との接合体を接合する方法として、セラミックス基板とアルミニウム板との間にろう材を介在させ、真空雰囲気中でろう付け接合する方法が知られている。
このようなセラミックス基板とアルミニウム板との接合体を製造する方法において、例えば特許文献1では、接合不良を誘発する酸化被膜等を除去することを目的として、マグネシウムを含む材料からなるろう材を用い真空雰囲気中でろう付け接合する方法が開示されている。
また、特許文献2ではセラミックス基板とアルミニウム板との接合においてアルミニウム板とろう材層との接合界面或いはその近傍にマグネシウムを偏在させた接合方法が開示されている。
さらに、特許文献3では、アルミニウムまたはアルミニウム合金板と窒化アルミニウム板との接合に、Al−Mg−Cu系合金、Al−Mg−Ge系合金、Al−Mg−Si系合金等からなる箔を用いて窒素、水素、不活性ガスによる低酸素雰囲気下で接合することが開示されている。
一方、アルミニウム板の代わりに、例えば特許文献4に記載されるように、低熱膨張、高熱伝導率を有するアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体をセラミックス基板に接合した接合体も知られている。
アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体は、例えば特許文献5又は特許文献6に記載されるように、主に炭化珪素(SiC)からなる多孔質体中にアルミニウム(Al)又はアルミニウム合金が含浸されてなるアルミニウムと炭化珪素との複合体である。また、セラミックス基板とアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体との接合体は、特許文献1〜3に記載されるセラミックス基板とアルミニウム板との接合方法と同様の方法を用いて形成できる。
特開2001−062588号公報 特開2001−144433号公報 特開2001−044345号公報 特開2012‐172177号公報 特開2014‐143351号公報 特開2003‐396730号公報
しかし、真空雰囲気中での接合作業では昇温に時間を要することより、接合時間が長く、製造コストも高くなるという問題があった。一方、特許文献3では、低酸素雰囲気中での接合が可能であるが、マグネシウムを含有するアルミニウム合金箔の製造が困難である。
また、このようなセラミックス基板とアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体との接合において、セラミックス基板とアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体とでマグネシウムの必要量に違いがあり、各々の最適値に調整することができないという問題もあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、良好な接合を確保しつつ製造コストを削減することができるセラミックス基板とアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体との接合体を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、セラミックス基板と、炭化珪素からなる多孔質体にアルミニウム又はアルミニウム合金が含浸されたアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体と、の接合体を製造する方法であって、
前記セラミックス基板と前記アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体との間に接合材としてアルミニウム合金からなる芯材の両面にマグネシウムを3.0質量%以下含有するろう材層が形成された両面ろうクラッド材を介在させ、非酸化性雰囲気中で接合温度に加熱する。
本発明の接合方法では、マグネシウムを含有するろう材層が形成された両面ろうクラッド材を使用して接合体を製造することにより、セラミックス基板側のマグネシウム量と、アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体側のマグネシウム量とを各々最適値に調整することができ、良好な接合性が維持できる。
また、両面ろうクラッド材を介在させ非酸化性雰囲気中において接合することで、真空雰囲気中での接合に比べ短時間で昇温でき接合することができるので、製造コストを削減できる。
なお、上述の非酸化性雰囲気とは窒素ガス雰囲気やアルゴンガス雰囲気などの不活性ガス雰囲気をさす。また、マグネシウム含有量が3.0質量%を超えるろう材層は製造が困難である。
本発明の製造方法において、前記ろう材層のマグネシウム含有量は、前記セラミックス基板側のろう材層と前記アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体側のろう材層とで異なるとよい。
このように、接合対象に合わせてろう材層のマグネシウム含有量を適切に調整することで、良好な接合性を維持することができる。
本発明の製造方法において、前記セラミックス基板側のろう材層のマグネシウム含有量が0.01質量%以上1.5質量%以下の範囲内であり、前記アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体側のろう材層のマグネシウム含有量が0.5質量%以上3.0質量%以下の範囲内であるとよい。
アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体の表面に露出するアルミニウム又はアルミニウム合金には接合不良を誘発する酸化被膜等が比較的多く含まれている。このため、アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体とセラミックス基板との接合には、その酸化物を除去するためにある程度多くのマグネシウム含有量が必要となる。一方セラミックス基板側ではマグネシウム含有量が過多となるとセラミックス基板の剥離や割れが発生するおそれがある。
そこで、セラミックス基板側のマグネシウム含有量とアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体側のマグネシウム含有量とを各々上記最適値に調整することで、良好な接合性を維持することができる。
本発明によれば、両面ろうクラッド材を用いてセラミックス基板側のろう材層のマグネシウム含有量とアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体側のろう材層のマグネシウム含有量とを各々最適値に調整し、非酸化性雰囲気中で接合することで、接合体の良好な接合を確保しつつ製造コストを削減することができる。
本発明の第1実施形態の製造方法を工程順に示す断面図である。 第1実施形態の製造方法により製造されたパワーモジュール用基板の断面図である。 アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体の要部断面図である。 本発明の第2実施形態の製造方法を工程順に示す断面図である。 第2実施形態の製造方法により製造されたヒートシンク付セラミックス基板の断面図である。 本発明の第3実施形態の製造方法を工程順に示す断面図である。 第3実施形態の製造方法により製造されたパワーモジュール用基板の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
第1実施形態は、本発明の製造方法を、図2に示すヒートシンク付パワーモジュール用基板101の製造方法に適用した例について説明する。
ヒートシンク付パワーモジュール用基板101は、図2に示すように、絶縁層を構成するセラミックス基板10と、このセラミックス基板10の一方の面(図2では上面)に配設された回路層20と、セラミックス基板10の他方の面(図2では下面)に配設されたヒートシンク30とを備える。
セラミックス基板10は、回路層20とヒートシンク30との間の電気的接続を防止するものであり、例えばAlN(窒化アルミニウム)、Si(窒化珪素)等の窒化物系セラミックス、もしくはAl(アルミナ)等の酸化物系セラミックス等の絶縁性の高いセラミックスで形成され、厚さが0.2mm〜1.5mmの範囲内に設定される。
回路層20は、セラミックス基板10の一方の面に、アルミニウム又はアルミニウム合金のアルミニウム板(以下、回路層用アルミニウム板とする。)を接合することにより形成されている。また、回路層20は、例えば、純度99質量%以上のアルミニウム(2N−Al)、純度99.9質量%以上のアルミニウム(3N−Al)、純度99.99質量%以上のアルミニウム(4N−Al)、又は例えばA6063やA3003等のアルミニウム合金からなり、厚さが0.1mm〜2.5mmの範囲内に設定される。なお、回路層20は、エッチング等により所定の回路パターンが形成される。
ヒートシンク30は、アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体により平板状に形成されている。アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体は、炭化珪素(SiC)からなる多孔質体にアルミニウム(Al)又はアルミニウム合金を含浸させたものである。
含浸されるアルミニウム又はアルミニウム合金としては、純度が99mass(質量)%以上のアルミニウム(2Nアルミニウム)や純度が99.99mass(質量)%以上のアルミニウム(4Nアルミニウム)等の純アルミニウムや、Al:80mass(質量)%以上99.99mass(質量)%以下、Si:0.01mass(質量)%以上13.5mass(質量)%以下、Mg:0.03mass(質量)%以上5.0mass(質量)%以下、残部:不純物、の組成を有するアルミニウム合金を用いることができる。また、ADC12やA356等のアルミニウム合金を用いることもできる。
このようなアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体は、多孔質体を、その周囲に所定の隙間を有するように設けられた型内に配置しておき、その型内に加熱溶融したアルミニウム又はアルミニウム合金を圧入して、加圧された状態で冷却することにより製造される。このように、アルミニウム等を圧入することで、アルミニウム等との濡れ性が悪い炭化珪素の多孔質体の内部にアルミニウム等を含浸させることができ、さらに多孔質体の周囲の隙間にアルミニウム等を充填して、図3に示すように、多孔質体31の表面に所定の厚さの被覆層32を形成したアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体を形成できる。なお、ヒートシンク30としては、多孔質体31の表面を被覆する被覆層32の有無は特に限定されず、被覆層32を有するアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体と、このような被覆層32を有しないアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体とのいずれも使用できる。そして、アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体からなるヒートシンク30は、例えば、全体として厚さが3.0mm〜5.0mmの範囲内に設定され、被覆層32が設けられる場合、被覆層32の厚さは、全体の厚さの10%〜20%である0.5mm〜1.0mm程度の厚さとされる。
次に、このように構成されるヒートシンク付パワーモジュール用基板101を製造する方法について説明する。
図1(a)に示すように、セラミックス基板10の一方の面に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層用アルミニウム板20´の片面にろう材層21が積層された片面ろうクラッド材25を積層し、セラミックス基板10の他方の面に、芯材41の両面にろう材層42,43を積層した両面ろうクラッド材40を介してヒートシンク30を厚さ方向に積層する。
片面ろうクラッド材25は、図1(a)に示すように、回路層用アルミニウム板20´の片面にAl‐Si‐Mg系ろう材からなるろう材層21がクラッドされ、積層されたものであり、回路層用アルミニウム板20´の厚さが0.1mm〜2.5mmの範囲内とされ、ろう材層21の厚さが5μm〜100μmの範囲内に設定される。
また、両面ろうクラッド材40は、芯材41の両面にろう材層42,43がクラッドされた構成とされている。芯材41は、厚さが0.05mm〜0.6mmの範囲内のアルミニウム合金(A3003)とされ、ろう材層42,43は、厚さが5μm〜100μmの範囲内のAl‐Si‐Mg系ろう材とされる。
そして、両面ろうクラッド材40のろう材層42,43のうち、セラミックス基板10側のろう材層42には、マグネシウム(Mg)が0.01質量%以上1.5質量%以下の範囲内で含有され、ヒートシンク30側のろう材層43には、マグネシウムが0.5質量%以上3.0質量%以下の範囲内で含有されている。なお、片面ろうクラッド材25のろう材層21のマグネシウム含有量は0.01質量%以上1.5質量%以下の範囲内とされる。
ここで、セラミックス基板10側のろう材層42のマグネシウム含有量が0.01質量%未満の場合や、ヒートシンク30側のろう材層43のマグネシウム含有量が0.5質量%未満の場合は、酸化被膜等の除去が不十分となり、接合不良が発生するおそれがある。また、セラミックス基板10側のろう材層42のマグネシウム含有量が1.5質量%を超えた場合には、ヒートシンク30に使用される金属のセラミックス基板10近傍が硬化し、セラミックス基板10に割れが生じるおそれがある。
なお、本発明において、セラミックス基板10とヒートシンク30との接合に用いるろう材として、両面ろうクラッド材40を用いていることにより、単一の箔に比べて、両側のろう材層42,43のマグネシウム含有量を多くすることが可能である。しかし、マグネシウム含有量が3.0質量%を超えると、クラッド材製造工程において圧延性が極端に悪くなり、クラッド材製造が困難となる。
なお、回路層用アルミニウム板20´の材質、やヒートシンク30の材質(アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体に含浸されるアルミニウムの材質)によっては、酸化被膜等を除去するために必要となるマグネシウム含有量の最適値が異なり、各ろう材層21,42,43のマグネシウム含有量は、上記範囲内で最適なものが選択される。
例えば、セラミックス基板10をSi(窒化珪素)、回路層用アルミニウム板20´のアルミニウム、及びヒートシンク30に含浸されるアルミニウムを、アルミニウム合金(A3003)で形成する場合、マグネシウムの最適な含有量は、セラミックス基板10側のろう材層42が0.05質量%で、回路層用アルミニウム板20´側及びヒートシンク30側のろう材層43が1.5質量%とするとよい。
次に、このように構成される各部材を、図1(a)に示すように、セラミックス基板10の一方の面に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層用アルミニウム板20´の片面にろう材層21が積層された片面ろうクラッド材25を積層し、セラミックス基板10の他方の面に、芯材41の両面にろう材層42,43を積層した両面ろうクラッド材40を介してヒートシンク30を厚さ方向に積層する。この場合、両面ろうクラッド材40は、セラミックス基板10側にマグネシウム含有量が少ないろう材層42が当接される向きで積層する。
そして、図1(b)に示すように、これらを積層した積層体を積層方向に加圧した状態で、常圧の窒素ガス(N)等の非酸化性雰囲気下で加熱して、セラミックス基板10に回路層用アルミニウム板20´とヒートシンク30とを接合して、セラミックス基板10の両面に回路層20とヒートシンク30とが接合されたヒートシンク付パワーモジュール用基板101を製造する。この場合の加圧力としては、例えば0.01MPa〜0.6MPa、接合温度としては640℃以下好ましくは610℃〜620℃の範囲に加熱して接合する。
このように製造される第1実施形態のヒートシンク付パワーモジュール用基板101(図2)は、セラミックス基板10とヒートシンク30との間に両面ろうクラッド材40の芯材41であった薄いアルミニウム合金層44が介在した状態となる。
この製造方法のように、両面ろうクラッド材40を用いてセラミックス基板10とヒートシンク30とを接合してヒートシンク付パワーモジュール用基板101を製造するので、両面ろうクラッド材40の両面のろう材層42,43のマグネシウム含有量を同一に設定しておくこともできるし、異なる含有量に設定しておくこともできる。このため、セラミックス基板10側のマグネシウム含有量とヒートシンク30側のマグネシウム含有量とを各々最適値に調整しておくことができ、セラミックス基板10とヒートシンク30とを良好に接合することができる。
また、非酸化性雰囲気中で接合することで、真空引き工程が不要なことや昇温時間の短縮など真空雰囲気中の接合に比して接合時間が短縮され製造コストが削減できる。
図5は、本発明の製造方法により製造されたヒートシンク付セラミックス基板201を示している。
ヒートシンク付セラミックス基板201は、セラミックス基板10とヒートシンク30とを備え、セラミックス基板10とヒートシンク30との間が、薄いアルミニウム合金層44を介して接合されている。そして、このヒートシンク付セラミックス基板201は、例えばセラミックス基板10の上面にパワーモジュール(図示略)をグリスを介して押圧して保持することにより、パワーモジュールの冷却器として使用される。
ヒートシンク付セラミックス基板201は、図4(a)に示すように、セラミックス基板10の一方の面に両面ろうクラッド材40を用いてヒートシンク30を接合することにより製造される。
セラミックス基板10は、第1実施形態と同様に例えばAlN(窒化アルミニウム)、Si(窒化珪素)等の窒化物系セラミックス、もしくはAl(アルミナ)等の酸化物系セラミックスを用い、厚さは0.2mm〜1.5mmの範囲内に設定される。
ヒートシンク30は、第1実施形態と同様に、アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体により平板状に形成されており、例えば、全体として厚さが3.0mm〜5.0mmの範囲内に設定され、被覆層が設けられる場合、被覆層の厚さは、全体の厚さの1%〜30%とされる。
両面ろうクラッド材40の構成及び各構成部材は、第1実施形態と同様であり、芯材41の両面にろう材層42,43がクラッドされた構成とされている。芯材41は、アルミニウム合金(A3003)が用いられ、厚さは0.05mm〜0.6mmの範囲内に設定される。また、ろう材層42,43はAl−Si−Mg系ろう材が用いられ、厚さは5μm〜100μmの範囲内に設定される。この場合、両側のろう材層42,43のマグネシウム含有量は、セラミックス基板10側のろう材層42にはマグネシウムが0.01質量%以上1.5質量%以下の範囲内で含有され、ヒートシンク30側のろう材層43にはマグネシウムが0.5質量%以上3.0質量%以下の範囲内で含有されている。
このヒートシンク付セラミックス基板201の製造方法を説明する。
図4(a)に示すように、セラミックス基板10とヒートシンク30とを両面ろうクラッド材40を介して積層する。この際、両面ろうクラッド材40は、セラミックス基板10側にマグネシウムの含有量が少ないろう材層42が当接される向きで厚さ方向に積層する。そして、その積層体を、積層方向に加圧した状態で、常圧の窒素ガス(N)等の非酸化性雰囲気下で加熱して接合し、ヒートシンク付セラミックス基板201を製造する。なお、この場合の加圧力としては、例えば0.01MPa〜0.6MPa、接合温度としては640℃以下好ましくは610℃〜620℃の範囲に加熱して接合する。
このように製造される第2実施形態のヒートシンク付セラミックス基板201は、図5に示すように、第1実施形態と同様にセラミックス基板10とヒートシンク30との間に両面ろうクラッド材40の芯材41であった薄いアルミニウム合金層44が介在した状態となる。
このヒートシンク付セラミックス基板201においても、セラミックス基板10側のろう材層42のマグネシウム含有量とヒートシンク30側のろう材層43のマグネシウム含有量とを各々最適値に調整することができるので、良好な接合を確保しつつ製造コストを削減して製造することができる。
図7は、第3実施形態の製造方法により製造されるパワーモジュール用基板301を示している。パワーモジュール用基板301は、図7に示すように、セラミックス基板10の一方の面に回路層50が配設され、他方の面に金属層60が配設された構成とされ、図6に示すように、セラミックス基板10の両面に、それぞれ両面ろうクラッド材40を用いて回路層用金属板50´及び金属層用金属板60´を接合することにより製造される。
セラミックス基板10は、第1実施形態と同様に例えばAlN(窒化アルミニウム)、Si(窒化珪素)等の窒化物系セラミックス、もしくはAl(アルミナ)等の酸化物系セラミックスを用い、厚さは0.2mm〜1.5mmの範囲内に設定される。
回路層用金属板50´及び金属層用金属板60´は、アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体により平板状に形成されており、例えば、全体として厚さが3.0mm〜5.0mmの範囲内に設定され、被覆層が設けられる場合、被覆層の厚さは、全体の厚さの10%〜30%とされる。
両面ろうクラッド材40の構成及び各構成部材は、第1実施形態と同様であり、芯材41の両面にろう材層42,43がクラッドされた構成とされている。芯材41は、アルミニウム合金(A3003)が用いられ、厚さは0.05mm〜0.6mmの範囲内に設定される。また、ろう材層42,43はAl−Si−Mg系ろう材が用いられ、厚さは5μm〜100μmの範囲内に設定される。この場合、セラミックス基板10側のろう材層42にはマグネシウムが0.01質量%以上1.5質量%以下の範囲内で含有され、回路層用金属板50及び金属層用金属板50側のろう材層43にはマグネシウムが0.5質量%以上3.0質量%以下の範囲内で含有されている。
このように構成されるパワーモジュール用基板301の製造方法を簡単に説明する。
図6(a)に示すように、セラミックス基板10の両面に、両面ろうクラッド材40を介して回路層用金属板50´及び金属層用金属板60´を積層する。この際、両面ろうクラッド材40は、セラミックス基板10側にマグネシウムの含有量が少ないろう材層42が当接される向きで厚さ方向に積層する。そして、この積層体を、積層方向に加圧した状態で、常圧の窒素ガス(N)等の非酸化性雰囲気下で加熱して接合することにより、パワーモジュール用基板301を製造する。なお、この場合の加圧力としては、例えば0.01MPa〜0.6MPa、接合温度としては640℃以下好ましくは610℃〜620℃の範囲に加熱して接合する。
このように製造される第3実施形態のパワーモジュール用基板301は、セラミックス基板10と回路層50の間、及びセラミックス基板10と金属層60との間に両面ろうクラッド材40の芯材41であった薄いアルミニウム合金層44が介在した状態となる。
このパワーモジュール用基板301においても、セラミックス基板10側のろう材層42のマグネシウム含有量と、回路層用金属板50´及び金属層用金属板´60側のろう材層43のマグネシウム含有量とを各々最適値に調整することができるので、良好な接合を確保しつつ製造コストを削減して製造することができる。
本発明の効果の確認のために行った試験について説明する。
セラミックス基板(窒化珪素Si(平面サイズ:40mm×40mm、厚さ:0.32mm))の片面(一方の面)に、表1記載の両面ろうクラッド材を介して、表1記載のアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体(平面サイズ:40mm×40mm)を積層し、これらの積層体を積層方向に加圧して窒素ガス(N)雰囲気下で表1に示す接合温度(積層体表面温度)に昇温し、温度維持時間の間、接合温度に維持することにより、セラミックス基板にアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体を接合した接合体(ヒートシンク付セラミックス基板)を100個ずつ製造した。
アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体は、炭化珪素(SiC)の多孔質体に、Siが10質量%で含有されるアルミニウム合金を含浸させたものを用いた。また、表1記載の被覆層が「あり」とされるアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体については、被覆層の厚さを0.3mmで形成した。
また、両面ろうクラッド材は、芯材をアルミニウム合金(A3003、平面サイズ:40mm×40mm、厚さ:0.2mm)とし、ろう材層はAl−Si−Mg系ろう材(平面サイズ:40mm×40mm)とし、ろう材層のMg含有量、Si含有量及び厚さは表1の通りとした。
なお、比較例1においては、ろう材層にAl‐Si系ろう材を用いた。このため、比較例1のろう材層のMg含有量は「0」とした。
そして、得られた各100個の接合体に対して、初期の「接合性」及び冷熱サイクル試験後の「セラミックス基板割れ」を以下のように評価した。
(初期の接合性の評価)
各100個の接合体に対し、超音波画像測定機(Insight社製の超音波画像測定機IS‐200)にてセラミックス基板とアルミニウム合金層との接合界面、及びアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体とアルミニウム合金層との接合界面を観察して、これらの接合界面におけるボイド(空孔)の面積を測定した。そして、接合すべき面積に対するボイドの合計面積を各サンプルのボイド率として算出し、100個の平均を平均ボイド率とした。この場合、接合すべき面積は、両面ろうクラッド材の表裏面の面積(40mm×40mm×2=3200mm)とし、以下の式からボイド率を算出した。
ボイド率(%)={(ボイドの合計面積)/(両面ろうクラッド材の面積)}×100
平均ボイド率が2%未満であったものを「接合性」が「◎」、平均ボイド率が2%以上5%以下のものを「接合性」が「○」、平均ボイド率が5%を超えるものを「接合性」が「×」と評価した。
(冷熱サイクル試験後のセラミックス基板割れの評価)
各100個の接合体に対して、−40℃×5分と150℃×5分の液槽冷熱サイクルを1000サイクル実施した後に、各サンプルについて超音波画像測定機を用いてセラミックスの割れの有無を判定した。なお、冷熱サイクル試験は、エスペック社製の液槽冷熱衝撃装置TSB‐51を用いて行った。そして、冷熱サイクル試験後の100個の接合体について、超音波探傷装置(Insight社製の超音波画像測定機IS‐200)により、セラミックス基板割れの発生の有無を確認し、100個の接合体について、セラミックス基板割れが発生した個数の割合(割れ確率)を算出した。割れ確率は、以下の式から算出した。
割れ確率(%)={(セラミックス割れが発生した個数)/100}×100
割れ確率が0%であったものを「セラミックス基板割れ」が「◎」、5%以下(0%除く)であったものを「セラミックス基板割れ」が「○」、5%を超えたものを「セラミックス基板割れ」が「×」と評価した。
なお、比較例2については、両面ろうクラッド材自体を製造できなかったため、接合体を製造できなかった。このため、接合性及びセラミックス割れの評価は、比較例2を除いて評価した。
結果を表2に示す。
Figure 2018030738
Figure 2018030738
表1及び表2の結果から、接合温度が低温でありながら短時間で良好な接合体が得られる効率的な接合は、接合材として両面ろうクラッド材(芯材:A3003、ろう材層:Al−Si−Mg)を用い、窒素ガス(N)雰囲気下の接合温度600℃で5分間以上加熱すれば良好であることがわかった。ただし、比較例2に示すように、ろう材層のマグネシウム含有量が3.0質量%を超えると両面ろうクラッド材を製造することができなかった。
また、比較例1に示すように、ろう材層のマグネシウム含有量が0では、ボイドが多く発生し、セラミックス基板とアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体とが部分的に接合された状態となり、冷熱サイクル試験後の評価において、セラミックス基板の割れが発生した。
なお、本発明は上記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
10 セラミックス基板
20 回路層
20´ 回路層用アルミニウム板
21 ろう材層
25 片面ろうクラッド材
30 ヒートシンク
31 多孔質体
32 被覆層
40 両面ろうクラッド材
41 芯材
42,43 ろう材層
44 アルミニウム合金層
50 回路層
50´ 回路層用金属板
60 金属層
50´金属用金属板
101 ヒートシンク付パワーモジュール用基板(接合体)
201 ヒートシンク付セラミックス基板(接合体)
301 パワーモジュール用基板(接合体)

Claims (3)

  1. セラミックス基板と、炭化珪素からなる多孔質体にアルミニウム又はアルミニウム合金が含浸されたアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体と、の接合体を製造する方法であって、
    前記セラミックス基板と前記アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体との間に接合材としてアルミニウム合金からなる芯材の両面にマグネシウムを3.0質量%以下含有するろう材層が形成された両面ろうクラッド材を介在させ、非酸化性雰囲気中で接合温度に加熱することを特徴とするセラミックス基板とアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体との接合体の製造方法。
  2. 前記ろう材層のマグネシウム含有量は、前記セラミックス基板側のろう材層と前記アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体側のろう材層とで異なることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス基板とアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体との接合体の製造方法。
  3. 前記セラミックス基板側のろう材層のマグネシウム含有量が0.01質量%以上1.5質量%以下の範囲内であり、前記アルミニウム含浸炭化珪素多孔質体側のろう材層のマグネシウム含有量が0.5質量%以上3.0質量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミックス基板とアルミニウム含浸炭化珪素多孔質体との接合体の製造方法。
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CN111992832A (zh) * 2020-08-27 2020-11-27 珠海亿特立新材料有限公司 一种铝碳化硅水冷齿板的制备方法

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